Analyte sensor

申请号 JP2013521909 申请日 2011-07-26 公开(公告)号 JP2013537627A 公开(公告)日 2013-10-03
申请人 セノバ システムズ インコーポレイテッド; 发明人 リー エリック; ミックラッチャー マーク;
摘要 Matrix materials, such as sol-gels and polymers derivatives to contain a redox active material can be used to form electrodes and probes suitable for use in pH meters and other analyte sensing devices.
权利要求
  • ASMおよびAIMの少なくとも一方に共有結合的に付着したゾルゲルまたは他のポリマーを含むマトリックス材料。
  • 式(IV):式中、R 、R およびR の少なくとも2つが、独立して、アルコキシまたはアリールオキシであり、第3のものが、アルキル、アリール、アルコキシ、またはアリールオキシであってよく;X が、−O−または化学結合であり;Lがリンカーであり;Y 'が−CO NR −、−O−、−NR CO−、−SO −、−R CO−、−P(O)(OR )O−、−CO −、−O C−、−NR −、−O CNR 、−N=N−または化学結合であり;ASM が、分析物感応性材料(もしくは分析物非感応性材料、またはいずれかの誘導体)であり;R 、R およびR が、独立して、水素、アルキル、またはアリールである;の構造を有する化合物を架橋することによって形成されるゾルゲルである、請求項1に記載のマトリックス材料。
  • 、R およびR が、独立して、アルコキシであり;Lが、−(CH であり、X が、化学結合であり;Y 'が、−CO NH、−O−、または−NHR であり;nが、2〜6である、請求項2に記載のマトリックス材料。
  • ASM が、式(V)、(VI)、(VII)および(VIII)からなる群から選択される、請求項2に記載のマトリックス材料。
  • ASM が、式(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)および(XVI)からなる群から選択され、R 20 、R 21 、R 22 、R 23 、R 20 、R 24 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 、R 30 、R 31 、R 32およびR 33が、独立して、水素、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、−N 、−CN、アルキル、アリールまたはアルコキシであり、但し、少なくとも1個の置換基が、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、N または−CNであることを条件とする、請求項2に記載のマトリックス材料。
  • 前記化合物が、式(XVII)、(XVIII)、および(XIX)からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  • ASMおよびAIMの少なくとも一方に付着したポリマーから構成される、請求項1に記載のマトリックス材料。
  • 前記ポリマーが、ポリオール、ポリ(ビニルアルコール)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、多糖、セルロース、ならびにこれらのいずれかの誘導体、コポリマー、ブレンド、および複合体、またはこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載のマトリックス材料。
  • 請求項1に記載のマトリックス材料を含むまたはこれから構成される電極。
  • 作用電極である、請求項9に記載の電極。
  • 分析物非感応性電極である、請求項9に記載の電極。
  • 請求項9に記載の電極を含むpH計または他の分析物検知デバイス。
  • 式(I)の構造を有する単離または実質的に純粋な形態の化合物。
  • 式(IV)の構造を有する単離または実質的に純粋な形態の化合物。
  • 請求項1に記載のマトリックス材料を調製する方法であって、式(I)の化合物を反応させて式(IV)の化合物を形成することと;前記化合物を架橋して前記マトリックス材料を形成することとをさらに含む方法。
  • 说明书全文

    本発明は、概して、分析物を検出するための技術に関する。 種々の実施形態において、本発明は、溶液の酸性度またはアルカリ度の尺度である素の電位、pHを測定するためのデバイスに関する。

    溶液のpHは、溶液中に溶解する水素イオン(H )(ヒドロニウムイオンH とも称する)の濃度によって決定される。 溶液中に溶解する水素イオンの濃度が増加するに従い、溶液はより酸性となる。 反対に、溶液中に溶解する水素イオンの濃度が減少するに従い、溶液はより塩基性となる。 溶液中に溶解する水素イオンの濃度は、pHの読み取り値を表示する電子計器に接続されたガラス電極によって常套的に測定されてきた。 常套的に、用語「プローブ」および「電極」は、要素電極の機能群を記載するのに互換的に用いられてきた。 本明細書において用いられるとき、用語「電極」は、プローブにおける特殊電極、すなわち、例えば、「作用電極」、「参照電極」、または「対電極」を称するのに用いられ、用語「プローブ」は、溶液中の対象の分析物の濃度を示す測定値を発するよう処理され得る信号を発するのに十分な電極の機能群を称する。

    常套的なガラスpHプローブは、水素イオンに感応性である脆弱なドープガラス膜から作製されるイオン選択性電極である作用電極(WE)を有する。 pH応答性ガラス膜は、この種のプローブにおいて主たる分析物検知素子であり、そのため、「作用」電極と称される。 サンプル溶液中の水素イオンは、ガラス膜の外側に結合することにより、その膜の内部表面において電位の変化を引き起こす。 この電位変化は、従来の参照電極(RE)、例えば、銀/塩化銀に基づく電極の定電位に対して測定される。 電位の差は、較正曲線において電位差をプロットすることによりpH値と相関がある。 較正曲線は、ユーザーが種々の公知の緩衝標準液について電位の変化をプロットする退屈な多段階プロセスを経て作成される。 常套的なpH計は、この原理に基づいている。

    常套的なガラス作用電極(ならびにプローブおよびこれを含有する計器)のpHに対する応答は不安定であり、ガラスプローブは、退屈な時間のかかるプロセス、複数の試薬、および十分訓練されたオペレータが関与する注意深い較正を定期的に必要とする。 ガラスプローブは、その特別な特性および構成により、ガラス膜が常に湿った状態にあることをさらに必要とする。 したがって、ガラスプローブの日常のケアは、適切なメンテナンスおよび作用性能を確保するには、煩雑でコストのかかる保存、すすぎ、洗浄、および十分訓練されたオペレータによって実施される較正プロトコルを規則的に実施することを必要とする。

    退屈なメンテナンスおよび保存要件に加えて、常套的なガラスプローブは脆弱であるため、ガラスプローブの適用分野を限定する。 特に、ガラスプローブの脆弱な性質は、食品および飲料用途での使用、ならびに無人の、厳しい、または危険な環境での使用を不適切にする。 したがって、当該分野では、ガラスプローブを使用する常套的なpHプローブおよび計器の制約に対処し、これを克服するpHプローブおよび計器(ならびに他の分析物プローブおよび計器)が必要とされている。

    常套的なガラスプローブのpH測定システムに関する上記の制約に対応して、ボルタンメトリーシステムが提案され、pH測定のためのより強いシステムが提供された。 ボルタンメトリーシステムでは、電位が時間に対して典型的には線形的に変動する制御された様式で適用され、導電性材料を通って流れる対応する電流が、例えば、ポテンシオスタットによってモニタリングされる(例えば、Wang、「Analytical Electrochemistry」、3 rd ed、John Wiley&Sons、2006を参照されたい)。 最初の提案(米国特許第5,223,117号を参照されたい)は、表面にレドックス活性分子が付着した導電性基板から構成されるWEの概念に基づいていた。 仮定では、適切な「分析物感応性」のレドックス活性材料(ASM)が用いられることを条件として、この系に最大電流が流れるときの電位は、分析物溶液のpHの関数であるということであった。 しかし、この最初の提案は、おそらく、基板に金を用いた電極によって実証されていたため、ほとんど関心が示されなかった。

    ボルタンメトリーに基づいた分析物検知システムの理論および研究室での実用の両方における有意な進展は、研究者らが、炭素が導電性基板として金に取って代わることができること、さらに、基板にかかわらず、レドックス活性材料の混合物がボルタンメトリーシステムにおいて用いられ得ることを見出したときになされた(PCT公開公報第2005/066618号および同第2005/085825号を参照されたい)。 これらの研究者による特に興味深い1つの提案は、「分析物感応性」材料(ASM)と「分析物非感応性」材料(AIM)との混合物が導電性基板に付着して、これをWE(ASMによって発せられる信号)および参照電極(RE)(AIMによって発せられる信号)の両方に効果的に変換することができるということであった。 しかし、これらの最初の提案および研究の後、しばらくの間、理論および実用のいずれにおいても有意な進展は無かった(例えば、PCT公開公報第2007/034131号および同第2008/154409号を参照されたい)。

    当該分野における次の有意な進展は、科学者らが、実際上、いずれのレドックス活性材料も完全に「分析物非感応性」でないこと、およびボルタンメトリー技術の実際の適用を、AIMを含まないWEに集中するべきであることを見出したときになされた。 しかし、これらの科学者らはまた、レドックス活性材料が、ASMまたはAIMのいずれとして特徴付けられるかにかかわらず、イオン媒体中での隔離によって真に分析物非感応性となり得ることも見出した。 この見出しは、常套的なpH測定システムにおける従来のREの代替としてだけでなく、ボルタンメトリーに基づいたWEと共に用いられ得る分析物非感応性電極またはAIEを導いた。 PCT公開公報第2010/104962号を参照されたい。 これらの見出しのすぐ後に、研究室の卓上での使用ならびに重要な研究および開発用途に好適なpH計が作り出された。 PCT公開公報第2010/111531号および同第2010/118156号を参照されたい。

    しかし、これらの高度に有望な進展にもかかわらず、これらのプローブの有用寿命および好適な用途は、実際のところ、とりわけ、レドックス活性分子を電極の基板表面に固定させる手段に左右された。 例えば、レドックス活性分子を電極の基板に付着させる2つの主要なアプローチである、非共有結合吸着および直接の化学的な(共有結合的)連結は、両方が、迅速に減衰する信号を示し、その一部は2日未満で機能の多くを損失し、ある一定の分析物溶液または環境条件において不安定である。

    したがって、当該分野において、ボルタンメトリーに基づいた分析物検知システムでの使用のための、ならびにより長い有用寿命を提供し広範な用途で用いられ得るボルタンメトリーシステムに基づいた電極、プローブ、pH計、および他の分析物検知デバイスのための、レドックス活性材料を電極の導電性基板に固定する方法ならびに組成物が必要とされている。 本発明は、これらの必要性を満たすものである。

    本発明は、概して、レドックス活性材料を導電性基板に固定化する方法、その方法において有用な化合物および組成物、その方法によって製造される電極、ならびに本発明の1個以上の電極を組み込んだpH計および他の分析物検知デバイスに関する。

    一態様において、本発明は、分析物検知電極、プローブ、およびセンサー、例えば、pH計および他の分析物検知デバイスにおける使用のために、好適な基板の表面にコーティングまたは成形されてレドックス活性表面を形成することができるマトリックス材料に、レドックス活性化合物を固定化する方法に関する。 この方法は、いずれのレドックス活性化合物にも概して適用可能であるが、多くの実施形態において、ボルタンメトリーに基づいた分析物検知方法論において有用であることが知られているAIMまたはASMを用いて実施される。 この方法では、AIMまたはASMは、マトリックスを形成するポリマーに共有結合的に付着する。 いくつかの実施形態において、AIMまたはASMは、次いで重合してマトリックス材料を形成するモノマー単位にまず付着する。 他の実施形態において、AIMまたはASMは、直接用いられても架橋されて用いられてもよいポリマーに付着する。 これらの実施形態の変更および組み合わせも提供する。

    別の態様において、本発明は、本発明の1種以上のマトリックス材料を含む電極要素、電極、プローブ、および計器に関する。 一実施形態において、本発明は、本発明のマトリックス材料を含有する作用電極であって、基板との電気的接触を維持するよう電気的導電性基板にコーティングされたASMを含む作用電極を提供する。 本発明はまた、かかるWEを含むセンサー、例えば、pH計および他の分析物検知デバイスも提供する。 いくつかの実施形態において、これらのWEにおけるマトリックス材料はまた、これらに付着した1種以上のAIMを含むこともできる。 別の実施形態において、本発明は、本発明のマトリックス材料を含有するAIEであって、ASMもしくはAIMのいずれか、またはこれらの両方を含むAIEを提供する。 これらの実施形態のいずれにおいても、本発明のマトリックス材料は、個別の電気的導電性基板の表面上にコーティングされて電極(もしくはその要素)を形成することができ、または成形されて電極(または要素)を形成することができる。

    別の態様において、本発明は、本発明のマトリックス材料の形成のための化合物、組成物および方法に関する。 一実施形態において、本発明は、ゾルゲルマトリックス材料を形成するための化合物、組成物および方法を提供する。 別の実施形態において、本発明は、他のポリマーマトリックス材料を形成するための化合物、組成物および方法を提供する。

    図1は、本発明の代表的な実施形態による、物理的に吸着されたASMのWEとゾルゲル誘導WEとの信号感度の比較を実証するチャートである。

    図2は、本発明の代表的な実施形態による、ASM含有ゾルゲル誘導WEのピーク位置を実証するチャートである。

    本発明は、化合物、組成物、方法、電極、およびセンサーを提供し、例として、当該分野において現在公知であるものよりも優れた固体分析物センサーが挙げられる。 具体的には、一実施形態において、本発明は、レドックス活性(分析物感応性または分析物非感応性)材料をシラン系ゾルゲルマトリックス材料または有機ポリマーマトリックス材料中に組み込んだ固体分析物センサーシステムを提供する。 したがって、本発明のいくつかの実施形態は、現在利用可能な分析物センサーシステムと比較して、より明確なピーク、より高いピーク位置安定性、より高いピーク強度、増加したピーク寿命、および電極構造物に関してより長い有用寿命を示す改善された分析物依存性の信号を提供する。 センサー要素、ならびにその要素の構成および組成のいくつかの実施形態を以下に詳細に記載し、読者の便宜のために、以下の定義を提供する。

    定義 単数形「a」、「an」および「the」は、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるとき、別途文脈が指示しない限り、複数の指示対象を含むものとする。 したがって、例えば、「結合剤」への言及は、結合剤の混合物を含み、導電性材料への言及は、1を超える、かかる結合剤を含んでよい。

    「アルカニル」は、飽和の分枝状、直鎖または環状アルキル基を称する。 典型的なアルカニル基として、限定されないが、メタニル;エタニル;プロパニル、例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなど;ブチアニル、例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどが挙げられる。

    「アルケニル」は、親アルケンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導される少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和の分枝状、直鎖または環状アルキル基を称する。 この基は、二重結合に関してシスまたはトランス配置のいずれであってもよい。 典型的なアルケニル基として、限定されないが、エテニル;プロペニル、例えば、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、プロパ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イル;シクロプロパ−2−エン−1−イル;ブテニル、例えば、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなどが挙げられる。

    単独でのまたは別の置換基の一部としての「アルコキシ」は、基−OR 100 :ここで、R 100は、本明細書に定義されているアルキル基を表す;を称する。 代表例として、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。

    「アルキル」は、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導される飽和または不飽和の分枝状、直鎖または環状一価炭化水素基を称する。 典型的なアルキル基として、限定されないが、メチル;エチル、例えば、エタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロパ−1−エン−1−イル;シクロプロパ−2−エン−1−イル、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イルなど;ブチル、例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イルなどが挙げられる。 用語「アルキル」は、具体的には、任意の飽和度または飽和レベルを有する基、すなわち、専ら一重の炭素−炭素結合のみを有する基、1個以上の二重炭素−炭素結合を有する基、1個以上の三重炭素−炭素結合を有する基、ならびに一重、二重および三重炭素−炭素結合の混合物を有する基を含むことが意図される。 具体的な飽和レベルが意図されている場合、表現「アルカニル」、「アルケニル」、および「アルキニル」が用いられる。 表現「低級アルキル」は、1〜8個の炭素原子を含むアルキル基を称する。

    「アルキニル」は、親アルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導される少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する不飽和の分枝状、直鎖または環状アルキル基を称する。 典型的なアルキニル基として、限定されないが、エチニル;プロピニル、例えば、プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イル、ブチニル、例えば、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イルなどが挙げられる。

    「分析物」は、サンプルにおいて存在する対象の化学種であり、作用電極を組み込んだ分析物センサーシステムを用いることによって、その存在が検出可能であり、その濃度が測定可能である。

    「分析物非感応性電極」(AIE)は、特別な場合の参照電極であり、ここでは、電流が、サンプル組成物中の、限定されないが分析物を含めた種の存在または濃度(電解質を支持する最小閾値とは別のもの)に左右されないレドックスプロセスに一部左右される。 AIEは、時間またはサンプルの組成に対して変動しない応答を提供するのに役立つため、WE応答と比較することができる内部標準または「ゼロ点」として用いられ得る。 参照によって本明細書に組み込まれるPCT公開公報第2010/104962号を参照されたい。 AIEは、導電性基板と電気的に接触している1種以上のASMまたはAIMと、以下に定義する擬似参照電極(PRE)と、ASMまたはAIMおよびPREを、分析物溶液から単離されているが電気的および流体連通している一定の化学環境に置く手段とを含有する。 本明細書において用いられるとき、AIEは、一体化された機能的ユニット(ASMまたはAIM、PRE、およびAIEの他の要素)を称するが、これは、上記参照文献のいくつかにおける、マトリックス材料要素が開示の対象であるという文脈から明らかである。

    「分析物非感応性材料」または「AIM」は、サンプルにおける分析物の存在または濃度に対して非感応性または実質的に非感応性であるレドックス活性材料である。 分析物に「実質的に非感応性」であるとは、所与の用途で要求される、エンドユーザーによって定義される許容範囲内で非感応性であることを意味するのに用いられる。

    「分析物検知デバイス」は、センサーであり、センサーからの信号を測定する手段であり、場合により、信号を表示する手段である。 pH計は、分析物検知デバイスの種である。 したがって、いくつかの実施形態において、分析物検知デバイスは、コントローラ/プロセッサユニット、関連プログラムおよびアルゴリズム、ならびにプローブを含む。

    「分析物感応性材料」または「ASM」は、ユーザーが定義した、用途特異性の許容範囲内で、サンプルにおける分析物の存在または濃度に対して感応性または実質的に感応性であるレドックス活性材料である。 分析物に対して「実質的に感応性」であるとは、所与の用途で要求される、エンドユーザーによって定義される許容範囲内で感応性であることを意味するのに用いられる。 ASMは、AIEのときと同様に、好適なイオン媒体中での隔離によってAIMとして機能することができる。

    「アリール」は、親芳香族環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される一価の芳香族炭化水素を称する。 典型的なアリール基として、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられる。 アリール基は、限定されないが、(C 〜C 10 )を含めた例えば(C 〜C 14 )アリールであってよい。 例示的なアリールとして、シクロペンタジエニル、フェニルおよびナフチルが挙げられる。

    「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端またはsp 炭素原子に結合した水素原子のうちの1個がアリール基によって置き換えられている環状アルキル基を称する。 典型的なアリールアルキル基として、限定されないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられる。 具体的なアルキル部位が意図されている場合、アリールアルカニル、アリールアケニルおよび/またはアリールアルキニルという術語が用いられる。 好ましい実施形態において、アリールアルキル基は、(C 〜C 20 )アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部位は、(C 〜C )であり、アリール部位は、(C 〜C 14 )である。 例示的な実施形態は、アリールアルキル基(C 〜C 13 )を含み、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部位は、(C 〜C )であり、アリール部位は、(C 〜C 10 )である。

    「同軸」は、種々の要素、例えば、電極が位置する共通の軸を称する。 いくつかの実施形態において、「同軸」は、同心円状または略同心円状に位置する要素の放射対称を称する。 いくつかの実施形態において、用語「同軸」は、1個以上の電極が、外部または内部に位置する電極要素内に同心円状に位置していることを称し;例えば、非限定的に、WE、CE、およびREは、CEが、分析物溶液に浸漬しているセンサー先端部の外輪であり、WEが、その先端部の中央であり、REが、CEとWEとの間に介在されているときに、同軸に位置する。 参照により本明細書に組み込まれるPCT公開公報第2010/111531号を参照されたい。

    「補助電極」と称される場合もある「対電極」または「CE」は、いくつかの分析物センサーにおいて、セルを経て電流を通し、電気回路を完成させるのに必要とされる電極である。 この電極は、単に、電子の供給源またはシンクとして役立ち、電流がWEを経て流れることを可能にして、レドックス反応に影響を与える。 WEにおいて測定される信号を妨げる場合がある、CEにおいて起こる望ましくない電気化学的レドックスプロセスを回避するために、CEは、比較的、化学的に不活性な材料、一般的には白金(Pt)を用いて典型的には作製されるが、炭素同素体も一般的に使用される。

    材料に言及して「分散している」または「会合している」とは、溶液に溶解していること、または気体、液体もしくは固体にコロイド状に懸濁していることを意味する。 この用語はまた、材料が、固体の表面または固体の要素に共有結合的に結合している実施形態も包含する。 この用語はまた、材料が、結晶格子内にドーパントとして組み込まれている実施形態も包含する。 この用語はまた、固体中に挿入された材料も包含する。

    「電極」は、プローブの要素である。

    「擬似参照電極」(PRE)は、非水電解質において常套的に用いられてきた種類の参照電極を称する。 この電極は、レドックス対の両半体を典型的には含まず、そのため、組成および電位が固定された明確な参照電極ではない。 しかし、この電極は、電気化学実験の時間スケール(分のオーダー)でかなり一定の電位を提供し、ひいては、PREの絶対電位は、必要に応じて、REについて較正されてよい。 PREの一例は、銀ワイヤ(非水電気化学において一般的に用いられる)である。 より最近では、PREは、AIEの要素として用いられていた。

    「レドックス活性材料」は、酸化および還元され得る化合物または組成物である。 「レドックス活性」は、これらのプロセスのいずれかまたは両方を称する。

    「参照電極」(RE)は、WEに適用される電位差を確立するのに用いられる電極である。 従来のREは、ある一定の固定の化学的組成を有し、したがって、固定の電気化学電位を有するため、公知の制御された様式で、WEに適用される電位差を測定することが可能である。 REは、固定の化学的組成およびイオン強度を有する電解質と接触するレドックス対の2つの半体を典型的には含む。 レドックス対の両半体が存在し、含まれる全ての種の組成が固定されているため、系は平衡に維持され、ひいては、REの電極−電解質界面に対する電位降下(すなわち、実測電圧)が熱学的に固定されて一定である。 例えば一般的に用いられているRE系は、規定の一定のKCl濃度を有するAg|AgCl|KCl系である。 したがって、2つの半電池反応は:Ag +e →Ag;およびAgCl+e →Ag+Cl である。 したがって、全電池反応は:ネルンスト平衡電位が:E=E −(RT/F)*ln[Cl ]:式中、Eは、実測RE電位であり、E は、全ての種が単位活性である標準水素電極に対するAg|AgCl対の標準電位であり(慣例により、標準水素電極は0.0Vの電位を有すると定義される);R、T、およびFは、それぞれ、適切な単位の、普遍気体定数、温度およびファラデー定数である;で与えられるAgCl→Ag +Cl である。 したがって、この系の電位は、固定されているならば、安定な固定の電位を与える、存在するCl イオンの濃度(より厳密には活性)にのみ依存する。 多くの他のRE系が当該技術分野で公知である。 REの組成が一定であることが必須であるため、REにほとんど電流を流すべきでなく(さもなければ電解が起こり、REの組成が変化することとなる)、それには回路を完成するための第3の電極である対電極(CE)の使用が必要である。 しかし、二電極構成は、WEが典型的には100μmより小さい少なくとも1つの寸法を有する微小電極である特殊な場合に用いられ得る。 この場合、WEに流される電流が小さいため、二電極電池はREに用いられ得るが、CEを必要としない。

    「プローブ」は、複数の電極を含有するセンサーを称する。 プローブは、例えば、作用電極、対電極および参照電極(従来の参照電極または擬似参照電極のいずれか)を含むことができる。 プローブは、例えば、作用電極、対電極および分析物非感応性電極を含むことができる。

    「センサー」は、分析物の存在に応答して信号を発する電極または電極の集合である。

    電極の「表面」は、機能的表面、すなわち、分析物サンプルと接触し、電気的または電気化学的目的を果たす表面の部分を称する。 この表面は、例えば、電流も電圧も通さない絶縁のWEハウジングを含まない。 WEの表面は、REに対する電流または電位を検出するサンプルと接触する電極表面の部分である。 CEの表面は、WEに電流を送達するまたはWEから電流を受容するのに役立つサンプルと接触する部分を称する。

    「作用電極」または「WE」は、対象の分析物を検出する電気化学的プロセスが起こる電極である。 センサーにおいて、作用電極は、試験サンプル中の1種以上の分析物に感応性であってもよく、分析物感応性種/材料によって化学的に変性されてもよい。 作用電極の電気化学的応答は、研究中の系に何らかの摂動が適用された後で測定される。 例えば、摂動は、電子移動が起こるように促すWEへの電位差の適用であってよく、WEで得られる電流は、ひいては、適用電位の関数として記録される(ボルタンメトリー方式)。 この操作方式の例は、例示的であって網羅的ではなく、当該分野において多くの他の方式が知られている。 本発明のWEは、サンプル溶液中の分析物(pH計では水素イオン;他の分析物検知デバイスでは他の分析物)の濃度、および適用電位に応じて、可逆性の電気化学的レドックス反応を経ることができるASMを含有する。 例えば、サンプル溶液に存在する水素イオンの濃度が高い場合、より低い電位においてレドックス反応が起こる。 反対に、サンプル溶液に存在する水素イオンの濃度が低い場合、より高い電位においてレドックス反応が起こる。 これらの特徴的な電位とサンプル溶液のpHとの間の関係は、ASMの化学的アイデンティティの機能である。 アルゴリズムは、電位をpH値に変換し、未知のサンプルのpHを測定する手段を提供する。

    上記の定義を考慮に入れて、読者は、以下に記載する本発明の種々の態様および実施形態をより良好に認識することができる。

    1つの重要な態様において、本発明は、分析物検知デバイスにおける使用のための作用電極およびそのデバイスのWEのためのマトリックス材料を提供する。 いくつかの実施形態において、本発明のマトリックス材料は、機械的および化学的に安定なマトリックス材料に共有結合的に付着するASMを含む。 いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、基板表面に付着する。 他の実施形態において、マトリックス材料は、単独で電極としての役割を果たす(すなわち:基板が存在しない)。 多くの実施形態において、マトリックス材料は、導電性基板における(ゾルゲルまたは他のポリマー材料から構成される)表面コーティングの形態であり、一緒になってWEまたはAIEを形成する。 WEの場合、この実施形態におけるマトリックス材料は、ASMを固体構造体(導電性基板)に共有結合的に付着させ、分析物サンプルからASMへの妨げられないアクセスを付与し、ASMと導電性基板との間の有効な電気的接続を提供するよう機能する。 いくつかの実施形態において、マトリックス材料は、それぞれのASMが分析物を検知する電位が異なる、1を超えるASMを含有する。 この複数のASM系の利点は、同じ測定において複数のデータ点が採取されることに関連して精度および正確度がより高いことである。 この複数のASM系の別の利点は、試験サンプルのある一定の要素がASMの1つの正常な応答を妨げても、分析物濃度の正確な検知を維持する能力である。

    さらに、いくつかの実施形態において、本発明は、ASMおよび分析物非感応性分子(AIM)の両方を含有するマトリックス材料(ゾルゲルまたはポリマー材料)を提供する。 この系の利点は、AIMから誘導される信号が基準点に用いられるため、系において別個の参照電極を必要としないことである。 この電極のいくつかの実施形態において、直上に記載したWEと同様に、マトリックス材料は、複数のASMならびに1種以上のAIMを含有する。 この系の利点は、複数のデータ点が採取されることならびに系において参照電極の必要性を取り除くことに関連して、精度および正確度がより高いことを含む。

    さらに、いくつかの実施形態において、本発明は、得られる電極がAIEとして機能するように、好適な電気的環境において1種以上のAIMおよび/または1種以上のASMを含有するマトリックス材料(ゾルゲルまたは他のポリマー材料)を提供する。

    好適なASM材料として、例えば、非限定的に:pH感応性ASM:アントラキノン(AQ)、フェナントレンキノン(PAQ)、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、アントラセン、ナフタキノン、パラベンゾキノン、ジアゾ含有化合物、ポルフィリン、NADH、NAD およびN−メチルニコチンアミドを含めたニコチンアミド、キノンチオール、モノ4級化N−アルキル−4,4'−ビピリジニウム、RuO、およびNi(OH) 、ならびにこれらの化合物の誘導体;CO感応性ASM:フェロセニルフェラゼチンジスルフィド;アルカリ金属カチオン感応性ASM:1,1'−(1,4,10,13−テトラオキサ−7,1−ジアザシクロオクタデカン−7,16−ジイルジメチル)、フェロセニルチオール、共有結合的に付着したクリプタンドを含有する他のフェロセン誘導体、ならびにFe 2+ /Fe3 、Co2 /Co3 、Cu /Cu2 とのある一定の金属錯体を挙げることができる。 好適なASMは、例えば、Hammondら、J. Chem. Soc. Perkin. Trans. 707(1983);Medinaら、J. Chem. Soc. Chem. Commun. 290(1991);ShuおよびWrighton、J. Phys. Chem. 92、5221(1988)、ならびにPCT出願第PCT/US10/28726号に記載されている。 例示的な例として、上記フェロセニルフェラゼチンおよびフェロセニルクリプタンドが挙げられ、化学的に非感応性のレドックス中心(フェロセン)は、レドックス電位を化学的に感応性にするように化学認識部位に共有結合により連結している。 また、ShuおよびWrighton、J. Phys. Chem. 92、5221(1988)によって記載されているように、センサーおよび基準官能基が、例えば、1−ヒドロ−1'−(6(ピロール−1−イル)ヘキシル−4,4'−ビピリジニウムビス(ヘキサフルオロ−ホスフェート)と共有結合により連結している分子またはポリマーも好適である。

    いくつかの実施形態において、WEは、同じ分析物種に感応性の2種以上のASMを含み、これらのASMは、分析物濃度を決定するために分割されなければならない付加的な重複ピークが導入される可能性を最小にしながら、単一のASMによって提供されるよりもさらに感応性の測定を提供するように選択される。 この実施形態のいくつかの例において、WEは、フェナントレンキノン(PAQ)およびアントラキノン(AQ)の両方を含む。 他の実施形態において、WEは、同じ分析物種に感応性の2種以上のASMを含む。 かかるASMは、その全てが、確実に、試験サンプルに存在する場合がある電位的に干渉する種に等しく感受性とならないように、選択され得る。 化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、第4級塩化アンモニウムは、ASM、例えば、AQおよびPAQなどと不利に干渉する場合がある。 かかる干渉にあまり感受性でないASMは、例えば、干渉種の接近を立体的またはイオン的に妨害する1個以上の官能基を有する誘導体であってよい。 代替的には、ASMは、かかる妨害を提供するマトリックス材料に共有結合的に付着していてよい。

    他の態様において、WEは、上記のように、内部標準としてAIMをさらに含んでよい。 さらに、いくつかの実施形態において、WEは、2種以上のASMを含み、各ASMは、異なる分析物種への感度について選択される。

    一態様において、本発明は、マトリックス材料、ならびに対応する電極、プローブ、pH計および他の分析物検知デバイスを提供し、ここで、ASM(および/またはAIM)は、ゾルゲルプロセスを用いてシラン変性ASM(および/またはAIM)前駆体およびアルコキシシランから調製されたマトリックス材料に共有結合的に付着している。 ゾルゲルプロセスは、コロイド溶液(ゾル)を一体化されたネットワークマトリックス材料(ゲル)に変換する、材料科学においてしばしば用いられる技術である。 得られるマトリックス材料は、ある一定の、セラミックおよびガラスの特徴、ならびにpHセンサーにおいて必要とされるpH応答性機能(レドックス活性材料が、pHセンサーにおいて用いられるWEにおける使用のために選択されたASMである場合)を示す。 これらのマトリックスの調製は、以下の本発明の例示的な化合物、組成物および方法が関与し得る。

    第1工程において、以下の式(I)の一般構造を有するシラン前駆体、またはその塩、水和物および/または溶媒和物を合成する:

    式中:R 、R およびR の少なくとも2個、典型的には3個とも全てが、独立して、アルコキシまたはアリールオキシであり、また、2個のみがアルコキシまたはアリールオキシであるときには、第3のものがアルキルまたはアリールであってよく;X は、−O−または化学結合であり;Lはリンカーであり;Y は、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、−N または−CNであり;R 、R およびR は、独立して、水素、アルキル、またはアリールである。 −L−連結部の性質を含めた、シラン変性ASM前駆体の組成は、得られる電極およびその電極を含有するセンサーの電気化学的応答、寿命、ならびに耐化学性を決定する。

    概して、X は、ケイ素と共有結合を形成することができるいずれの種の化学官能基であってもよく、多くのかかる官能基が当該分野において公知である。 いくつかの実施形態において、X は、単に化学結合である。 X には、式Y −L:式中、Lは、リンカーであり、Y は、連結基である;の結合部位が接続している。 リンカーLおよび連結基Y の性質は、本開示を熟考する際に当業者によって認識されるように、広範囲に変動し得る。 リンカーLは、親水性であっても疎水性であってもよく、長くても短くてもよく、剛性であっても、半剛性であっても、柔軟性であってもよい。

    ケイ素基に由来するY などの連結基を引き離すのに好適な安定な結合から構成される広範なリンカーLが当該分野において公知であり、例として、非限定的に、アルキル、アリール、アリールアルキル、多環状アリール、エステル、エーテル、ポリマーエーテルなどが挙げられる。 このように、リンカーLは、一重、二重、三重または芳香族炭素−炭素結合などを含むことができる。 さらに、Lの代替の実施形態は、配向を含めたASMの空間的配置、ゾルゲルネットワークからの距離、連結部の柔軟性、および/または電子移動効率に影響を与える分枝状構造を含む。 いくつかの実施形態において、Lは、共役系または複数の共役系である。

    好適なリンカーの選択は、本開示の熟考の際の当業者の能力の範囲内である。 例えば、剛性リンカーが望ましい場合、Lは、剛性のポリ不飽和アルキルまたはアリール、ビアリールなどであってよい。 柔軟性リンカーが望ましい場合、Lは、柔軟性の飽和アルカニルであってよい。 親水性リンカーは、例えば、ポリオール(ポリアルコール)、例えば、ポリ(ビニルアルコール)およびその誘導体、またはポリエーテル、例えば、ポリアルキレングリコールであってよい。 疎水性リンカーは、例えば、アルキルまたはアリールであってよい。

    Lの代替の実施形態は、アルキル、アリール、アリル、エーテル、エステル アルコキシル、アミド、スルホンアミド、ならびに、複素環状、線状、環状、非環状、または混合共役連結部を含めた他の連結部を含む。 連結基Y は、ASMの相補的な反応性官能基との共有結合の形成を媒介して、本発明の単離されたシラン変性ASM前駆体を付与することができるべきである。 したがって、連結基Y は、本開示の熟考の際、かかる目的に好適であることが当業者によって公知であるいずれの反応性官能基であってもよい。 Y は、例えば、光化学的に活性化された基、電気化学的に活性化された基、フリーラジカル供与体、フリーラジカル受容体、求核基または求電子基であってよい。 しかし、当業者は、ある一定の反応条件下で典型的には非反応性である種々の官能基が活性化されて反応性になり得ることを認識するだろう。 活性化されて反応性になり得る基として、例えば、アルコール、カルボン酸(これらの塩を含む)が挙げられる。

    したがって、いくつかの実施形態において、Y は、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、−N または−CNである。 他の実施形態において、Y は、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR または−N である。

    −Lのいくつかの実施形態は、例えば、Lが−(CH −であり、nが、1〜8の間の整数であり、Y が、CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、−N または−CNである化合物を含む。 いくつかの実施形態において、Y は、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR または−N である。 いくつかの実施形態において、Lは、−(C −:式中、nは、1〜24の間の整数である;である。

    いくつかの実施形態において、R 、R およびR は、独立してアルコキシであり、Lは、−(CH であり、X は、化学結合であり、Y は、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR または−N であり、nは、2〜6の間の整数である。 他の実施形態において、シラン前駆体は、式(II)の構造を有する:

    さらに他の実施形態において、シラン前駆体は、式(III)の構造を有する:

    広範囲の従来の方法が、上記シラン前駆体を調製するのに用いられてよく、当業者の範囲内にある。 例えば、Y L−MまたはY −L−O−M:式中、Mは金属である;による塩化シリル(すなわち、Cl−SiR )の求核置換は、上記シラン前駆体を提供することができる。

    第2工程において、ASM(またはAIM)基がシラン前駆体に付着して、以下に表示する式(IV)の本発明のASM(またはAIM)シラン前駆体を提供する(ASM1は、ASM としても表される):

    式中:R 、R およびR の少なくとも2個、典型的には3個とも全てが、独立して、アルコキシまたはアリールオキシであり、また、2個のみがアルコキシまたはアリールオキシであるときには、第3のものがアルキルまたはアリールであってよく;X は、−O−または化学結合であり;Lはリンカーであり;Y 'は、−CO NR −、−O−、−NR CO−、−SO −、−R CO−、−P(O)(OR )O−、−CO −、−O C−、−NR −、−O CNR 、−N=N−または化学結合であり;ASM は、分析物感応性材料(もしくは分析物非感応性材料、またはいずれかの誘導体)であり;R 、R およびR は、独立して、水素、アルキル、またはアリールである。 一般に、ASM は、ASM(またはAIM)の誘導体とみなされる、なぜなら、これは、式(IV)の構造において、Y またはLのいずれかへの共有結合の形成によって必然的に生じる水素原子の損失により、対応するASM(またはAIM)と異なるからである。 いくつかの実施形態において、R 、R およびR は、独立してアルコキシであり;Lは、−(CH であり、X は、化学結合であり;Y 'は、−CO NH、−O−、または−NHR であり;nは、2〜6の間の整数である。

    いくつかの実施形態において、ASM は、式(V)、(VI)、(VII)または(VIII)からなる群から選択される:

    他の実施形態において、ASM は、式(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XV)および(XVI)からなる群から選択されるASMから誘導される:

    式中、R 20 、R 21 、R 22 、R 23 、R 24 、R 25 、R 26 、R 27 、R 28 、R 29 、R 30 、R 31、32およびR 33は、独立して、水素、−CO H、ハロゲン、−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、−N 、−CN、アルキル、アリールまたはアルコキシであり、但し、少なくとも1個の置換基が、−CO H、ハロゲン,−OH、−NHR 、−SO H、−R CO、−P(O)(OR )(OH)、N または−CNであることを条件とする。

    いくつかの実施形態において、本発明のASMシラン前駆体は、式(XVII)の構造を有する:

    明確のために、上記構造のCONは、Nに連結したカルボニル基である(このように、Nは、構造内に示されないものに付着した水素を有する)。 他の実施形態において、本発明のASMシラン前駆体は、式(XVIII)の構造を有する:

    さらに、他の実施形態において、本発明のASMシラン前駆体は、式(XIX)の構造を有する:

    一般に、式(IV)のASMシラン前駆体は、式(I)のシラン前駆体と、従来の有機合成法を用いて適切に官能化されたASMとから構築され得る。 これらとして、例えば、相補的に官能化された式(I)の化合物とASMとの間のエステル、アミド、およびスルホンアミド縮合、アルキル化、1−3双極性環状付加ならびにカルベン、ナイトレンおよびフリーラジカル付加が挙げられる。 したがって、本発明はまた、かかる合成法での使用に好適な相補的に官能化されたASMである新規化合物も提供する。

    第3工程において、ASM前駆体、オルトケイ酸ポリアルキルまたは同様の多官能性シラン、溶媒、酸触媒、および場合により他の添加物を含むゾルを調製する。 この点において、ASM前駆体におけるシラン基およびオルトケイ酸ポリアルキルまたは同様の多官能性シランは、加水分解し、架橋を経て、ゾルをゲルに変換する。 得られたゾルゲルは、ある程度不均一であり、モルホロジーが、個別の粒子から、変動する空隙率を有する連続構造までの範囲であり得る、液体および固体両方の領域を含んでいる。 このプロセスにおいて、ASMはまた、以下の反応スキームに示すように、架橋したネットワーク内にも組み込まれて、本発明のマトリックスを形成する:

    用語「ormosil」は、「有機的に変性されたシリカ/シリケート」を表す。 上記スキームにおいて、R 、R およびR の少なくとも2個、典型的には3個とも全てが、独立して、アルコキシまたはアリールオキシであり、また、2個のみがアルコキシまたはアリールオキシであるときには、第3のものがアルキルまたはアリールであってよい。 これらの部位は、それぞれ、独立して選択可能である。 したがって、式(IV)中のR がメトキシであるとき、式(XX)中のR はアリールオキシまたは別のアルコックスであってよく、式(XX)中のR およびR がアルコキシまたはアリールオキシであるときには、式(XX)中のR は、式(IV)中のR がメトキシであっても、アルキルまたはアリールであってよい。 典型的には、式I、式(IV)、および式(XX)の化合物において、R 、R およびR の少なくとも2個、しばしば3個とも全てが、独立して、メトキシまたはエトキシである。 続いてのゾルゲルの形成において、依然として液体形態であるこの材料のコーティングを、調製した導電性基板上に適用する。 最後に、導電性基板と実質的に接触するマトリックス材料に共有結合的に結合していて、その基板全体に分散しているASMを含む安定な構造を生じさせる制御された熱処理条件下に、溶媒を除去し、これにより、本発明の電極を形成する。 したがって、マトリックスは、本発明の作用電極の分析物(例えばpH)感応性表面であり、またはマトリックス自体で電極を形成する(導電性基板が使用されないが、マトリックス材料自体が導電性である実施形態において)。 AIMがASM1として用いられるとき、マトリックスは、AIEの活性表面としての役割を果たし、またはマトリックス自体で電極を形成する(導電性基板が使用されないが、マトリックス材料自体が導電性である実施形態において)。

    当業者は、この方法が、1種以上のASM、1種以上のAIM、ならびにASM(複数可)および/またはAIM(複数可)の組み合わせを含有するセンサーを作り出すのに用いられてよいことを認識するだろう。 かかる組み合わせは、分析物のアイデンティティおよび濃度によって変動するさらなる応答信号、ならびに/または分析物のアイデンティティおよび濃度によって実質的に変化しない基準信号を提供することができる。 したがって、かかる組み合わせは、本発明の範囲内にある。

    いくつかの実施形態において、ゾルゲルマトリックス材料は、単一のASM(または単一のAIM)を含む。 例えば、単一のASMのpH WEのいくつかの実施形態は、ASMが2−カルボキシAQ、2−N−BOCエチレンジアミンAQ、5,12−ナフタセンキノン、1−アセチルアミドAQ、2−カルボキシアミドAQ、および3−カルボキシアミドPAQからなる化合物群から選択されるゾルゲルマトリックス材料を含む。 他の実施形態において、単一のASMのWEは、ASMが2−(ベータ−ナフトール)メチルアントラキノンであるゾルゲルマトリックス材料を含む。

    他の実施形態において、本発明のゾルゲルマトリックス材料は、少なくとも2種以上のASM(またはASMおよびAIM)化合物を含む。

    本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1種のASMを有するゾルゲルマトリックス材料を含み、1種以上のさらなるASMおよび/またはAIMを場合により含む。 ASMおよびAIMは、いずれも、明確な環状ボルタンメトリー法によって可逆性のレドックス活性を示すレドックス活性材料を含む。

    本発明のいくつかの実施形態は、センサーが導入される化学媒体に実質的に非感応性であるレドックス電位を有するAIM要素を組み込んだゾルゲルマトリックス材料をさらに含んでよい。 かかるAIMとして、例えば、非限定的に、フェロセン、n−ブチルフェロセン、K Fe(CN) 、ポリビニルフェロセン、ヘキサシアノ鉄酸ニッケル、フェロセンポリマー、ならびに、フェロセンスチレンコポリマーおよびフェロセンスチレン架橋コポリマーを含めたコポリマー、ニッケルサイクラムなどを含む群から選択されるAIMを挙げることができる。 さらに、非限定例として、フェロセニルチオール、ポリビニル−フェロセン、ビオロゲン、ポリビオロゲンおよびポリチオフェンが挙げられる。 他の実施形態は、化学媒体または分析物サンプルとの電気的接触においてなお化学的に単離している通常の化学的に感応性の材料を含むAIMを含む。

    別の態様において、例えば、式(XXI)として以下に表示されるAIM、例えば、置換されたフェロセンは、ゾルゲルプロセスを用いてシラン変性AIM前駆体およびアルコキシシランから調製されたマトリックス材料に共有結合的に付着している。

    このAIM前駆体、および代替の連結基を特徴とする同様のAIM前駆体は、本発明のゾルゲル化学に基づいた方法に基づいたマトリックス材料に共有結合的に付着したAIMを基礎として用いられ得る本発明の化合物である。 AIM前駆体は、ASM前駆体と混合して用いられて、分析物感応性信号および分析物非感応性信号を生成する電極を形成することができる。 代替的に、AIM前駆体は、共に設置されているWEによって生成される分析物感応性信号と関連して用いられてもよい単一の分析物非感応性信号を発する個別の構造体(AIE)を形成するのに用いられてよい。 本発明の別の態様において、ASMは、合成ポリマーから調製されたマトリックス材料に共有結合的に付着している。 得られるマトリックス材料は、分析物とASMとの間の接触のために空間分散を付与しながらASMを確実に導電性基板と結合させるための枠組みとして機能するポリマー本来の特性と、WEにおいて必要とされる分析物(例えばpH)応答性機能またはAIEに必要とされる適切な機能との両方を示す。 ASMマトリックス材料としての対象の合成ポリマーの特質として、限定されないが、良好な膜形成特性、導電性基板との適合性、調整可能な機械的特性、例えば、剛性、強度、異なる形状因子への成型能、ならびにブレンド、共重合、架橋、グラフト化、およびバルクまたは表面レベルでの物理的または化学的変性によって達成可能な広範な特性が挙げられる。 これらの特質は、種々の要件を満たすサイズ、形状因子および性能での電極の設計および製造を可能にする。 本発明のいくつかの方法における一般的なアプローチは、マトリックスポリマーにおいて相補的な官能基に反応性である好適な官能基を含むASMを用いることである。 当業者は、本開示の熟考の際に、ASMがマトリックスポリマーの骨格に沿っておよび/またはマトリックスポリマーの分枝もしくは側鎖において存在し得ること、ならびにASMを官能化された連結体、架橋剤、または鎖延長剤として導入することにより、無数の本発明の種々のマトリックスが調製され得ることを認識するだろう。

    なお別の態様において、ASMは、本質的に導電性のポリマーに組み込まれて、ASMによって発せられる電気化学的信号が有効に捕捉されかつ導電性ポリマーを介して電子処理回路に直接伝達され得るセンサーを導く。 この態様において、得られる電極は、常套的な導電性基板を有さない。 pH感応性マトリックス材料と別個の導電性基板との間の界面を排除することで、異種材料の物理的、化学的および電子的適合性に関連するいくつかの問題を解決する。 導電性ポリマーを含めたポリマーを用いることで、複雑さを低減し、種々の形状因子を仮定した電極の設計柔軟性および製造可能性を改善することを助け、これにより、本発明の柔軟性センサーおよび最小化センサーを製造する手段を提供する。

    いくつかの実施形態において、作用電極は、ポリ(ビニルアルコール)、すなわちPVAに共有結合的に結合したAQに基づいた本発明のマトリックス材料を用いて調製される。 最終構造は、オレフィン性骨格と、AQ部位が連結したエーテル連結側鎖とを含む。 PVAは、AQに接続するエーテル連結部が示すように、化学的攻撃に対して優れた耐性を示す。 PVAは、優れた膜形成性ポリマーでもある。 さらに、PVAは、化学的および熱的手段によって架橋され得、最終構造体の寸法および環境安定性をさらに向上させる。 これらは、全てが、広範な操作条件に遭遇することが予測されるpH(または他の分析物)センサーにおいて望ましい特性である。

    他の実施形態において、官能化されてASM(またはAIM)部位に付着することができる良好な物理的、化学的および機械的特質を示すポリマーは、概して、実行可能な代替物であるPVA、ならびに具体的な用途および/または製造方法に好ましいPVA代替物である。 かかるポリマーとして、限定されないが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリイミド、ポリエステル、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、多糖、セルロース、これらの誘導体、これらのコポリマー、これらのブレンド、およびこれらの複合体が挙げられる。 ASM(またはAIM)付着方法として、限定されないが、官能化されたASM(AIM)との反応、連結体として既にASM(またはAIM)を含有するポリマーのグラフト化、および、少なくとも1種が共有結合的に付着したASM(またはAIM)部位を含む複数のポリマーまたはオリゴマー要素のネットワークの相互貫入が挙げられる。

    本発明の他の態様において、単一のASM、複数のASM、AIM、および/または複数のAIMの組み合わせは、ゾルゲルプロセスを用いてアルコキシシランおよびシラン変性ASM(またはAIM)前駆体から調製されたマトリックス材料に共有結合的に付着しており、あるいは場合により架橋したポリマーから調製されたマトリックス材料に共有結合的に付着している。

    いくつかの実施形態において、WEにおけるASM(またはWEにおけるAIM、またはAIE)の濃度は、多層のASM(またはAIM)含有ゾルゲルマトリックス材料またはポリマーマトリックス材料をWE(またはAIE)基板に適用することによって増加する。 本発明に従って、当業者は、基板上のマトリックス材料内にトラップされた純粋なASM(またはAIM)の量を制御し、これにより、所与の用途に適切なサイズおよび形状を有するWE(またはAIE)およびこれを含有するプローブの製造を可能にして、本発明のさらなる利益を達成することができる。

    いくつかの実施形態において、WEは、2〜300μAの間のpH依存性の信号を生ずるのに十分な量で存在するASMを含む。 いくつかの実施形態において、WEのサイズおよび形状は、信号の質を維持しつつ、ユーザーが背景雑音に対して分析物依存性の信号を区別することができるのに十分なWE性能を維持しながら、WE、REおよびCE(またはWE、AIE、およびCE)の間での有害な電気化学的影響を最小にするように選択される。

    本発明のWE(およびAIE)は、プローブから除去可能であるように構成されてよく、これらが所要の設計および機能に従って容易に互換または置き換えられることを可能にする。 本発明のWEは、常套的なpH計において常套的なガラスプローブに取って代わるように、および/または電気配線によってもしくはワイヤを必要としない電磁手段を介して読み取りデバイスに伝達される信号を発するように構成およびプログラムされ得る(いずれも、参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月13日に提出された米国仮特許出願番号第61/475,164号、および2011年4月14日に提出された同第61/475,590号を参照されたい)。

    本発明のいくつかの実施形態は、1種以上のWEを有する改善された分析物センサーであって、ゾルゲルまたは他のポリマーマトリックス材料内にトラップされていて、基板に配置されて基板と電気的に接続している1種以上のASMを含むセンサーをさらに提供する。

    いくつかの態様において、WEは、ASMとしてAQ誘導体を含む。 他の態様において、本発明は、ASMとしてフェナントレンキノン(PAQ)またはその誘導体を含むWEを提供する。 さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてオルトベンゾキノン(OQ)またはその誘導体を含むWEを提供する。 さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてN,N−ジフェニルパラフェニレンジアミン(DPPD)またはその誘導体を含むWEを提供する。

    いくつかの態様において、本発明は、ASMとしてアントラセン(AC)またはその誘導体を含む電極を提供する。 他の態様において、本発明は、ASMとしてナフトキノン(NQ)またはその誘導体を含む電極を提供する。 さらに、他の態様において、本発明は、ASMとしてパラベンゾキノン(PQ)またはその誘導体を含む電極を提供する。

    当業者は、本開示に照らして、概して、ASMに関する本明細書における教示の多くが、AIMに等しく適用可能であることを認識するだろう。

    種々の基板材料が、本発明のWEおよびAIEにおける使用に好適である。 材料として、限定されないが、炭素、炭素同素体、およびこれらの誘導体、種々の炭素系材料、遷移金属、貴金属、例えば金および白金、導電性金属合金、種々の導電性ポリマーならびにそのコポリマー、化合物および誘導体、ポリマーブレンドおよびポリマー複合体、半導体材料、例えばケイ素ならびにドープケイ素およびドープ半導体材料を含めたその誘導体、ならびに当業者に公知のさらなる好適な材料が挙げられる。

    いくつかの態様において、基板は、炭素であるかまたは炭素を含む。 種々の炭素基板が、本発明の電極における基板材料としての使用に好適であり、例として、限定されないが、炭素同素体、例えば、熱分解グラファイト、グラファイト、アモルファスカーボン、カーボンブラック、単層または多層カーボンナノチューブ、グラフェン、ガラス状炭素、ホウ素ドープダイヤモンド、熱分解フォトレジスト膜、および当該分野において公知のものが挙げられる。 加えて、上記炭素同素体は、全て、好適な結合剤に粉末形態で分散していても、基板表面にインサイチュで形成されていてもよい。 かかる結合剤として、有機または無機ポリマー、および接着材料が挙げられる。 いくつかの実施形態において、基板はグラファイト粉末であり、結合剤はエポキシ樹脂である。 他の実施形態において、基板はグラファイトロッドである。 他の実施形態において、基板は、炭素繊維複合体である。 他の実施形態において、基板は、限定されないがポリフェニレンスルフィドによって例示されるグラファイト充填ポリマーである。 他の実施形態において、基板は、1種以上の炭素同素体が配合されたインクの表面コーティングを含む。

    したがって、いくつかの実施形態において、基板は、グラファイトおよび結合剤、例えば、エポキシを含む複合体材料を含む。 いくつかの実施形態において、基板は、炭素繊維および1種以上の結合剤を含む複合体材料を含む。 いくつかの実施形態において、基板は、導電性ポリマー、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、または種々の炭素同素体充填ポリマーを含み、ここで、ポリマー要素として、非限定的に、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、種々のビニルポリマー、セルロース、ポリ(アミノ酸)、これらの誘導体、これらのコポリマー、これらのブレンド、およびこれらの複合体を挙げることができる。 いくつかの実施形態において、基板は、コロナ放電、電子線、γ線照射、プラズマ、および、イオンもしくはフリーラジカルの発生により活性化された表面を生じる他の照射形態によって表面処理された材料を含む。 場合により、かかる活性化された表面は、さらに修飾されて、ASM(またはAIM)誘導体または共有結合的に付着したASM(またはAIM)部位を含有するマトリックス材料の付着を可能にすることができる。

    本発明のいくつかの態様において、基板の表面は、ゾルゲルまたはポリマーマトリックス材料を含有するASM(またはAIM)を適用する前に、洗浄または「調製」される。 グラファイト/エポキシ基板および他の基板に好適な方法として、限定されないが、基板の表面をサンディングおよび/または研磨し、これにより、プラグが形成され、続いて圧搾空気または他のガスのストリームを基板表面上に向け、好適な溶媒中で場合により超音波処理して、サンディングまたは研磨によって生じた粒子状物質を取り除くことが挙げられる。 代替的には、場合により、基板表面を種々の溶媒、アルカリ、および/または酸によって洗浄し、続いて、技能を有する熟練者に周知の手段によってかかる洗浄剤を完全に除去してよい。 これらの方法は、処理条件および化学薬品に適合可能な基板に選択的に適用され、ASM(またはAIM)含有マトリックス材料の付着の前に表面汚染を除去するのに役立つ。 得られるWE(またはAIE)は、分析物依存性信号(または適切なAIE信号)が、ASM(またはAIM)がマトリックス材料を使用せずに物理的に吸着しているまたは基板に共有結合的に付着しているWE(またはAIE)によって生成した信号と比較して優れた有用寿命を有することを可能にする。

    基板は、ゾルゲルまたはポリマーマトリックス材料内の1種以上のASM(またはAIM)の間の物理的および電気的橋架けユニットとしての、ならびに電線用導管、例えばワイヤとしての役割を果たす、自己完結的な存在として作用する。 基板の物理的機能は、電極が、プローブまたは機能的に等価のアセンブリの形態で安全かつ好都合に、対象のサンプル、典型的には液体と直接接触することができるように、ASM(またはAIM)ゾルゲルまたはポリマーマトリックス材料に支持体を提供することである。 基板およびマトリックス材料は、これにより、ASM(またはAIM)が対象のサンプルと相互作用することが可能になる。 基板の電気的機能は、電線用導管からの電荷担体、例えば電子をASM(またはAIM)に伝搬して、レドックス反応を可能にすることである。 いくつかの実施形態において、基板材料は、分析対象のサンプルの予想される環境に化学的に不活性であるように、また、最小限の損失で電流を伝導することができるように選択される。

    先に議論したように、いくつかの実施形態において、本発明のpHまたは他の分析物プローブは、参照電極(RE)をさらに含む。 本発明のプローブにおける使用に好適な多数の参照電極が当該分野で公知である。 例えば、参照により本明細書に組み込まれる、BardおよびFaulkner、「Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications」(Wiley 2001)を参照されたい。

    本発明のいくつかの実施形態において、参照電極は、以下の実施例に記載されるように、電解液によって包囲される塩化銀ワイヤを含む。 他の実施形態において、REは、塩化銀ワイヤのみを含む。 他の実施形態において、REは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,495,050号に記載されているヨージド/トリヨージド系を含む。

    場合により、本発明の分析物センサーにおいて、特に、非水電解質において、「擬似参照」(PRE)(「準参照」と称することもある)電極が用いられる。 PREの例示的であるが非限定的である例は、非水電気化学において一般的に用いられている銀ワイヤであり;特定の用途によっては他のPREが用いられてよい。

    いくつかの実施形態において、分析物サンプルに暴露されるREの表面積は、分析物依存性信号の質に悪影響を与える電極内の電気化学的影響を最小にするまたは排除するように選択される。

    本発明はまた、レドックス活性の分析物感応性材料を特徴とする固体作用電極(WE)が同じpH計測システムにおいて従来のREと併せて操作される種々の実施形態も提供する。 このハイブリッドのアプローチは、固体デバイスに特有の強さと、電気化学の科学の多くが基礎としている受容された参照基準とを合わせたものである。

    したがって、当業者は、本発明の種々の実施形態の特有のハイブリッド構成を認識するだろう。 特に、当業者は、固体WEと従来のRE、典型的にはCEとの本発明の組み合わせも認識するだろう。 このハイブリッド構成は、常套的なガラス作用電極の望ましくない煩雑な較正要件を伴わずに、従来のREの信頼性を有するpHプローブアセンブリを提供する。 したがって、本発明は、常套的なpH(または他の分析物)プローブおよび計測システムの制約を克服する、新規の有用な電極の組み合わせを提供する。

    いくつかの実施形態において、REは、参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公開公報第1010/111531号に記載されているように、「J」の文字の形状で構成された小型参照アセンブリを含むように変更される。 小型参照電極は、小型参照アセンブリの塩化銀ワイヤがpHプローブのWEに隣接してまたはこれに近接して位置するように、常套的なREの近位端に代替的に置かれる。 小型参照の形状は、塩化銀ワイヤの少なくとも一部がサンプル溶液に近接近して設置されることを保証する。 したがって、ワイヤの温度は、WEと実質的に同様であり、典型的にはWEおよび分析物溶液の温度の10%以内である。 いくつかの実施形態において、ワイヤの温度は、分析物含有サンプル中のプローブアセンブリの平衡に追随してWEの温度から2℃未満で変動する。 他の実施形態において、ワイヤの温度は、系の平衡に追随してWEの温度から1℃未満で変動する。 さらに、いくつかの実施形態において、ワイヤの温度は、平衡に追随してWEの温度から3℃未満で変動する。 銀ワイヤをWEおよび/またはサンプル溶液と実質的に同じ温度に付することにより、センサーの温度感度を低減し、これにより、pHプローブおよび計器の正確度を増大させる。

    本発明のいくつかの実施形態は、対電極(CE)を含むプローブである。 操作の際、CEは電子供給源またはシンクとしての役割を果たし、これにより、電流をサンプルに送達して、pHプローブシステムを経て流すことを可能にする。

    好適なCEは当該分野において公知である。 例えば、上記のBardおよびFaulknerを参照されたい。 WEにおいて測定される信号に干渉し得る、CEにおいて起こる望ましくない電気化学的レドックスプロセスを回避するために、CEは、比較的、化学的に不活性な材料、一般的にはステンレス鋼、炭素(例えば、グラファイト)または白金から典型的には作製される。

    いくつかの実施形態において、以下の実施例に説明されているように、CEは、グラファイトまたは炭素系ロッドである。 他の実施形態において、CEは、炭素繊維管である。 さらに、いくつかの実施形態において、CEは、当該分野において公知であるように、電気的導電性材料である。

    種々の参照文献は、センサー性能に対するWE:CE表面積比の重要性を記載している。 本発明の種々の実施形態において、分析物サンプルに暴露されているCEの表面積は、本明細書に記載されているように、分析物依存性信号の質および寿命に悪影響を与える電極内の電気化学的影響を最小にするまたは排除するように選択される。 いくつかの実施形態において、CEの表面積対WEの表面積の比は、約1:1〜約1:10である。 他の実施形態において、その比は約1:2であり、さらなる実施形態において、その比は約1:1.5である。

    いくつかの実施形態において、CEは、pHセンサーの種々の他の要素を収容するための、中空内腔を有する電気的に導電性の炭素繊維管を含む。 炭素繊維管は、電圧がCEを介してサンプル溶液に適用されるプリアンプモジュールに電気的に接続される。 当業者は、電気化学セル駆動電位を提供することに加えて、電気的に導電性の低インピーダンスCEが、CE内、特に高インピーダンスRE内に収容された要素を外部の電磁干渉から保護する電磁シールドとしての役割を果たすことを認識するだろう。 いくつかの実施形態において、同軸構成が実施されて、外側の位置のCEが、CE内に同心円状または略同心円状に位置するREおよびWEに対して電磁遮蔽を提供する。 当業者は、CEの遮蔽機能が、REおよびWEの同心円状の位置付けに依らないことをさらに認識するだろう。 当業者は、むしろ、REおよびWEの正確な位置が、CEの外側の位置に対して内側で変更されて、先に議論したような遮蔽保護を依然として受容できることを認識するだろう。

    いくつかの実施形態において、本発明は、従来のREの代わりに用いられる分析物非感応性電極(AIE)を提供する。

    AIEは、サンプル中の分析物濃度のボルタンメトリーまたはアンペロメトリー測定を行う過程で分析されるサンプルに適用される電気刺激の適用に応答して、実質的に分析物に非感応性の信号を発することが可能である。 AIEは、分析物感応性信号と連続して比較することができる、内部標準(換言すると、系に対して内部の標準)として有用な予測可能な信号を提供し、これにより、分析物濃度を決定する際のより高い正確性および再現性を可能にする。

    したがって、本発明のいくつかの実施形態において、電気刺激が分析物濃度のボルタンメトリーおよび/またはアンペロメトリー測定を行う過程で分析物サンプルに適用されるとき、AIEは、電気化学的分析物検知デバイスにおいて用いられて、実質的に分析物非感応性の電気的応答を発する。

    種々のWE化学に関する本発明の教示はまた、AIEのある一定の実施形態にも適用可能である。 具体的には、AIEは、特別に形成された一定の化学環境およびに従来のRE(例えば、Ag|AgCl|KCl)に取って代わって用いられるPREを含有することに起因して、WEと同じpH(または他の分析物)応答性表面化学を特徴とすることができる。 参照により本明細書に組み込まれるPCT特許公開公報第2010/104962を参照されたい。

    従来のREは、安定なよく特徴付けられた電位を確立することによって作動する。 この電極電位の安定性は、レドックス反応に関与するものの各々の活性が一定であるレドックス系に由来する。 安定な電極電位は、検知表面として共有結合的に付着したASM(またはAIM)マトリックス材料を含む電極を用いて得ることができる。 これらの電極は、例えば、緩衝溶液によって提供される一定の化学環境において、高度に再現性の電極電位を発生する。 したがって、本発明のAIEの一実施形態は、密閉容積内に含有される緩衝溶液中に、基板に場合により取り付けられた本発明のレドックス活性マトリックス材料と、PREとを含有する。 この密閉容積は、ひいては、液体バリア、例えば、多孔性フリットを経て分析物溶液と流体および電気連通している。 操作の際、このAIEは、WEおよびCEと共に設置されていて、各電極が分析物溶液と直接接触している。 レドックス活性材料は、ASMとして特徴付けられるかAIMとして特徴付けられるかにかかわらず、AIEに含まれるとき、適正に形成されたイオン媒体において隔離によって分析物非感応性となることができる。

    操作の際、AIEは、レドックス活性材料の性質、および隔離されている、すなわち、適正に形成されたイオン媒体中の一定の化学環境の性質に大きく依存する電極電位を示す(11年1月20日に提出された米国仮特許出願第61/434,800号を参照されたい)。 適切な液体バリアが選択されることを条件として、分析物サンプルと適正に形成された内部緩衝溶液との間の対流による混合が、対象の時間スケールで有意でないレベルまで低減され得る。 液体バリアを越えての分析物サンプルのいずれの侵入も、化学環境に小さな影響しか及ぼさない、なぜなら、緩衝溶液が、組成変化に起因したpHシフトを軽減する特有の能力を有するからである。 結果として、従来のRE、例えば、KCl溶液が有意な緩衝能を有さないAg|AgCl|KClと比較してひときわ安定な電極電位が生ずる。 この、従来のREに対するAIEの基本的な利点は、共有結合的に付着したASM(またはAIM)マトリックス材料に由来する安定性に加えて、かかる電極を含有するこの新規分類のpHプローブの予想外に優れた性能をもたらす。

    AIEおよびWEは、両方がレドックス活性電極であるという点において同様に機能する。 本発明のセンサーの一実施形態において、AIEおよびWEにおけるレドックス活性材料およびこれを含有するマトリックスは、同一または実質的に同様である。 センサーの別の実施形態において、AIEおよびWEは、異なる化学組成を有し、すなわち、これらは、使用されるレドックス活性化合物、もしくは使用されるマトリックス、またはその両方が異なる。 後者の実施形態は、AIEおよびWEが、個々に調整されて、物理的特質および性能特質の最も有利な組み合わせを送達することができるという点において、さらなる自由度を付与し、様々な種類の本発明のpH(および他の分析物)検知システムにまで大幅に広がる。 例えば、WEは、広いpH範囲にわたって最高の正確度を付与するよう設計された化学組成に基づくことができる一方で、代替のWEは、攻撃的な化学環境、例えば強酸またはアルカリに耐えるよう設計された化学組成に基づくことができる。 いずれの場合にも、AIEは、AIEに関して最長の寿命予測値を付与するよう中性緩衝剤の存在下に最高の精度を示す化学組成に基づくことができる。 種々の連結化学を含めた本発明に記載した化学的な選択肢は、WEの特性を制御して多様な要求を満たすことを可能にする。

    本発明の種々の実施形態において、半固体または固体の形態で一定の化学環境を特徴とするAIEが使用される。 参照により本明細書に組み込まれる、11年1月20日に提出された米国仮特許出願第61/434,800号を参照されたい。 したがって、一実施形態において、AIEの参照溶液は、緩衝能、電気導電性、およびイオン透過性を提供する固体(「参照材料」)で置き換えられる。 参照材料は、十分なイオン含量を有する親水性固体であり、分析物溶液中の水素イオンの導管として、およびCEとAIEとの間の電流の導体としての役割を果たす。 参照材料は、一方の側では分析物と直接接触しており、他方の面ではレドックス活性材料の機能表面およびPREと直接接触している。 一実施形態において、参照材料は、水素イオンに選択的透過性であるが、分析物溶液中の他のものに対しては実質的に不透過性であるため、AIE内のレドックス活性材料は、使用の間に変化する化学環境には暴露されない。 別の実施形態において、参照材料と分析物との間の界面で、さらなる液体バリアが用いられる。 かかるバリアは、イオン液体または室温イオン液体の形態であってよい。 このように、AIEは、湿式の参照系を維持することに関連する問題を克服し、使用するまで長期にわたって乾燥状態で保存することができ、分析物溶液における測定と測定との間で乾燥状態を保つことができ、すなわち、乾湿可逆性を有する。

    好適な参照材料は、液状の緩衝溶液の組成;例えば、強い塩基性官能基と弱い酸性官能基との組み合わせ、または強い酸性官能基と弱い塩基性官能基との組み合わせ;を模倣した組成を有する架橋したイオン性ポリマーを含む。

    ある一定の望ましい特質を具現化するWEの作製に関する本発明の原理および方法論は、電極、プローブ、センサーアセンブリ、分析物測定デバイス、計器およびシステム、ならびに器具類の種々の設計に適用することができる。 これらの開発は、それぞれが、従来の電極系、特に、ガラスプローブに基づくもの、具体的にはガラスpHプローブに対しての、本発明の電極の利点の恩恵を受ける。

    したがって、本発明の一実施形態において、アンペロメトリープローブは、ガラスプローブの万能な代用品として、従来のpH計との併用のために提供される。 参照により本明細書に組み込まれる、11年4月14日に提出された米国仮特許出願第61/475,500号を参照されたい。 本願に記載したアンペロメトリープローブは、WE、RE、およびCEを含む。 他の実施形態において、本発明は、本願に記載されているように、一緒になって常套的なpH計(または他の分析物検知デバイス)のプローブに取って代わるWE、AIE、およびCEを提供する。

    なお別の態様において、本発明は、pHを測定するためのアンペロメトリープローブであって、pH、温度、および他の分析物の特徴の情報をコンピュータデバイスに有線または無線通信すること、ならびにその情報をコンピュータデバイスによって処理、分析または表示することを可能にするプローブ、信号処理アルゴリズム、および回路を含む上記プローブを提供する。 参照により本明細書に組み込まれる、11年4月13日に提出された米国仮特許出願第61/475,164号を参照されたい。 本発明の方法、電極、および電極の組み合わせ(例えば、WE、RE、およびCE;ならびにWE、AIE、およびCE)は、本願に記載されているように、アンペロメトリープローブにおいて用いられ得る。

    最大寿命を達成するための電極および対応するプローブに関して、WEのピーク強度(最大値としての電流の大きさ)は、時間に対して最小限に減少するべきである。 図1に示すように、ASMゾルゲルWEは、ASMが基板に物理的に吸着している場合、WEと比較して少ない信号損失を示した。 ゾルゲル(または他のポリマー)堆積を介して調製される電極およびセンサーは、図1に記載される例において示されるように、初期の信号強度のいくらかの部分を最初に損失する可能性があるが、この例示的な例における信号は、許容される信号対雑音比のレベルで引き続き安定している。 これらの結果は有意である、なぜなら、信号損失の減少が、結果として、検出能および信号対雑音比を増加させ、WEの機能的寿命を長くするからである。

    図2は、本発明のゾルゲル堆積法を用いて調製されたWEの30日の寿命に対する信号の安定性を示す。 特に、図2は、30日間にわたる、ASMゾルゲルWEのピーク位置の無視できない変動を実証している。 典型的には、ASM/電極表面相互作用の様式として物理吸着を用いて生成したWEは、最長で約2日までのみ使用可能な信号を提供する。 単独使用および制限された使用用途では、短い有用寿命が適切である場合がある。 しかし、より長い有用寿命を要求する用途では、かかる電極は不適切である。 したがって、本発明のASMゾルゲル(または他のポリマーマトリックス)WE(およびAIE)は、電極寿命が短いという問題に対する解決策を提供する。

    当業者は、本開示の熟考の際に、本発明の種々の態様および実施形態によって提供される多くの利益および利点を実施および実現する多くの代替の方法があることを認識するだろう。 したがって、本実施形態は、例示的であるが限定的ではないとみなされるべきであり、本発明は、本明細書において与えられた詳細に限定されないが、添付の請求項の範囲内および等価の範囲内で変更されてよい。

    本明細書において列挙した全ての刊行物および特許は、その全体が参照により組み込まれる。

    以下の実施例は、例示目的でのみ提供され、本発明の範囲を限定するものではない。
    実施例

    実施例1:アミド連結AQシランの合成 アミド連結AQシランの合成を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    本実施例ならびに以下の実施例2および3に、本発明のASM−アミド連結ゾルゲルマトリックス材料および対応するWEを作製するための本発明の化合物および方法を記載する。 アントラキノン−2−カルボン酸(0.500g、1.98mmol)をバイアルにおいてジクロロメタン(20mL)に懸濁し、次いでバイアルを窒素によってパージした。 0.2mLのジメチルホルムアミド(DMF)を滴加し、続いて塩化オキサリル(0.18mL、2.2mmol)を添加した。 溶液を2時間撹拌した。 次いで、ジエチルアミノメチルポリスチレン(1.97g、6.3mmolのアミン)を添加し、続いて3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTOS)(0.37mL、2.1mmol)を添加した。 撹拌を周囲温度で16時間継続した。 得られた液体を濾過し、ジエチルアミノメチルポリスチレン固体を除去した。 追加のジクロロメタンを用い、保持した固体をすすぎ、同伴する生成物を回収した。 ジクロロメタンをロータリーエバポレータにおいて除去し、琥珀色の油性液体を得た。 無水アルコールを用いて油性液体を再構成し、20mLのアミド連結AQシラン溶液を得た。

    実施例2:アミド連結AQゾルゲルマトリックス材料の調製 アミド連結AQゾルゲルマトリックス材料の調製を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    直上の反応スキームに示すように、20mLのバイアルにおいてエタノール(3.5mL)、水(0.250mL、14mmol)、0.1M HCl(0.200mL、約11mmolの水)、およびTEOS(1.00mL、4.48mmol)を合わせることによってゾルを調製した。 アミド連結AQシラン溶液(1.5mL、0.01mmol/mL、0.015mmol)を添加した。 得られた溶液を撹拌しながら70℃で加熱した。 1時間後、0.135gのオクチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.53mmol)および6.5mLのエタノールを含有する溶液を添加し、撹拌を周囲温度において1時間継続した。

    実施例3:アミド連結AQゾルゲル作用電極の調製 WEを調製するために、直径0.180の炭素繊維複合体ロッドをポリエーテルエーテルケトン(PEEK)包囲物内に取り付け、炭素円盤が0.06の厚さになるまでサンディングした。 これらのブランク基板を前段落に記載したアミド連結AQを含有するゾルに30秒間浸漬し、液体から除去し、150℃のオーブン内で1時間加熱した。

    これらの作用電極のサンプルを室温にてpH7の緩衝標準液によってAutolabポテンシオスタット(Metrohm Autolab B.V.)を用いて試験した。 結果を表1に示す。

    実施例4:エーテル連結AQシランの合成 エーテル連結AQシランの合成を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    本実施例ならびに以下の実施例5および6に、本発明のASM−エーテル連結ゾルゲルマトリックスおよび対応するWEを作製するための本発明の化合物および方法を記載する。 水素化ナトリウム[60%、0.096g]を、窒素雰囲気下、きれいな乾燥した3つ口丸底フラスコにゆっくりと添加した。 次いで、シリンジを用いてそのフラスコに100mLの無水DMFを添加した。 この混合物を30分間撹拌した。 0.5g[0.00209モル]の2−(ヒドロキシメチル)アントラキノンを添加し、完全に溶解するまで撹拌した。 継続して3時間撹拌した後、0.6096g[1.2当量、0.6mL]の(3−ブロモプロピル)トリメトキシシランを、窒素ブランケット下、撹拌しながら滴加した。 反応を室温で4日間行い、次いで10mLの酢酸エチルの添加により停止し、続いて1時間撹拌した。 反応容器を空気に開放し、反応混合物をBuchner漏斗において濾過して、形成された塩を除去し、液体をロータリーエバポレータにおいて濃縮して、酢酸エチルおよびDMFを除去し、エーテル連結AQシラン原液を得た。

    実施例5:エーテル連結AQゾルゲルマトリックス材料の調製 エーテル連結AQゾルゲルマトリックス材料の調製を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    ゾルゲルマトリックスを上記反応スキームに従って以下のように調製した:TEOS(1mL、5mmol)をエタノール(3.5mL)中70℃で撹拌した。 水(0.250mL、14mmol)および0.1M HCl(0.200mL、約11mmolの水)を添加した。 次いで、1.5mLのエーテル連結AQシラン原液を添加した。 合わせた溶液を70℃で加熱し、1時間撹拌した。

    実施例6:エーテル連結AQゾルゲル作用電極の調製 WEを調製するために、直径0.180の炭素繊維複合体ロッドをPEEK包囲物内に取り付け、炭素円盤が0.06の厚さになるまでサンディングした。 これらのブランク基板を前段落に記載したエーテル連結AQを含有するゾルに30秒間浸漬し、液体から除去し、150℃のオーブン内で1時間加熱した。

    これらの作用電極のサンプルを室温にてpH7の緩衝標準液によってAutolabポテンシオスタットを用いて試験した。 結果を表2に示す。

    実施例7:エーテル連結フェロセンシランの合成 本実施例ならびに以下の実施例8および9に、本発明のAIM−アミド連結ゾルゲルマトリックスおよび対応するAIEを作製するための本発明の化合物および方法を記載する。 以下の反応スキームに示すように、ヒドロキシメチルフェロセンを(3−ブロモプロピル)トリメトキシシランと反応させてシラン前駆体を得た:

    実施例8:エーテル連結フェロセンゾルゲルマトリックス材料の調製 エーテルラインのフェロセンゾルゲルマトリックス材料の調製を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    実施例9:従来のREの代替用のエーテル連結フェロセンゾルゲル分析物非感応性電極の調製 上記のように得られたフェロセン(または、より一般には、AIM)ゾルゲルマトリックス材料を、個別の参照電極の形態で用いてもよく、例えば、実施例2または5で記載したASMゾルゲルマトリックス材料と混合して用いてもよい。 いずれの場合においても、AIMおよびASM要素は、pH依存性信号およびpH非依存性信号を発し、これにより、センサーのpH応答の内部較正手段を提供する。

    実施例10:AQ−PVAの合成 AQ−PVAの合成を、以下の反応スキームに示すように調製した:

    本実施例および以下の実施例は、本発明の非ゾルゲルポリマー系マトリックスおよび対応するWEを作製するための本発明の方法および試薬を説明する。 ポリ(ビニルアルコール)[Alfa Aesar、#41238、CAS9002−89−5]((0.29g、1モル)をメタノールおよびエタノールの1:1混合物に溶解した。2−ブロモメチルアントラキノン(2g、6.6mmole)を完全に溶解するまで撹拌しながら添加した。ジエチルアミノメチルポリスチレン(1当量)を酸捕捉剤として添加した。反応混合物を48時間還流した。形成した固体を濾過によって除去し、液体画分を乾燥するまで蒸発させた。

    実施例11:AQ−PVA作用電極の調製 0.1gのPVA−AQ固体生成物を、1.5mLのメタノール、1.5mLのエタノール、および1.0mLのDMFの混合物に溶解した。 得られた溶液をコーティングとして適用してブランクの炭素基板チップを調製し、室温で風乾し、150℃で1時間熱処理した。

    これらの作用電極のサンプルを室温にてpH7の緩衝標準液によってAutolabポテンシオスタットを用いて試験した。 結果を表3に示す。

    上記実施例の多くは、強い、繰り返し可能な信号が、本発明のセンサーによって得られ得ることを示している。 これらの事実上一定のピーク位置は、電位ピーク位置と標準緩衝液のpH値との間の信頼性のある相関関係の基礎を提供する。 異なるASM検知表面では、ピーク位置に示されるように、電気化学的応答が異なることも分かった。

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