Diisocyanate end macromer and a method of manufacturing

申请号 JP2008550467 申请日 2007-01-17 公开(公告)号 JP2009523860A 公开(公告)日 2009-06-25
申请人 エシコン・インコーポレイテッドEthicon, Incorporated; 发明人 ウェスターゴム・クリストファー・エム; ジャスタス・マイケル; フィッツ・ベンジャミン・ディー;
摘要 【課題】新規なマクロマーまたはマクロマー混合物を提供する。
【解決手段】本願発明の明細書に記載されたマクロマーまたはマクロマーの混合物が、ベンゾイルイソシアネート末端部分と、80〜10,000の範囲の分子量を有する 水 溶性ポリマーの少なくとも2種の残基であって、そのベンゾイルイソシアネート末端部分のカルボニル基に隣接し、これにより、マクロマーまたはその混合物に少なくとも2個のエステル結合を形成する、残基と、を含む。 ジイソシアネートマクロマーの製造方法についても、本願明細書に記載されている。
【選択図】なし
权利要求
  • 下式のポリイソシアネートマクロマー、またはマクロマーの混合物であって、
    ここで、
    fは、2以上であり、
    「a」は、0または1であり、
    「a」が1〜5である場合、
    1は、下式:
    であり、
    ここで、
    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、
    cは、1〜100までの範囲であってよく、
    2は、下式:
    であり、
    ここで、
    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、
    前記残基は、
    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、
    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、
    (ii)「a」が1以上の場合、R 1に対するウレタン結合を形成することができ、
    4は、2個以上のカルボキシレート末端基を有することができる直鎖または分岐の有機残基である、
    マクロマー、またはマクロマーの混合物。
  • 生体適合性ポリマーにおいて、
    下式の反復単位を含み、
    ここで、
    3は、R 4とエステル結合を形成可能で、且つウレタン結合を形成可能な水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、
    4は、カルボキシレート末端基を有することができる有機残基である、
    生体適合性ポリマー。
  • 方法において、
    前記方法は、下式のポリイソシアネートマクロマーを製造する方法であり、
    ここで、
    fは、2以上であり、
    「a」は、0〜5であり、
    「a」が1〜5である場合、
    1は、下式:
    であり、
    ここで、
    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、
    cは、1〜100までの範囲であってよく、
    2は、下式:
    であり、
    ここで、
    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、
    前記残基は、
    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、
    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、
    (ii)「a」が1以上の場合、R 1に対するウレタン結合を形成することができ、
    4は、カルボキシレート末端基を有することができる有機残基であり、
    前記方法は、
    (a)直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、
    (b)芳香族ジニトロ中間体を合成する工程と、
    (c)前記芳香族ジニトロ中間体を水素化して、ジアミン中間体を形成する工程と、
    (d)前記ジアミン中間体を精製する工程と、
    (e)前記ジアミン中間体を溶剤中でトリホスゲンと反応させることによって、前記ジアミン中間体をホスゲン化して、ジイソシアネートを形成する工程と、
    (f)前記ジイソシアネート中間体を前記ポリエチレングリコールエステルポリオールと反応させて、イソシアネート末端ポリエチレングリコールエステルウレタンを形成する工程と、
    を含む、方法。
  • 請求項3に記載の方法において、
    前記ジアミン中間体の純度は、工程(d)において96%以上である、方法。
  • 請求項4に記載の方法において、
    工程(e)の前記溶剤は、エチレングリコールジアセテート、およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)からなる群から選択される、方法。
  • 方法において、
    前記方法は、下式のマクロマー、またはマクロマーの混合物を製造する方法であり、
    ここで、
    fは、2以上であり、
    「a」は、0または1であり、
    「a」が1〜5である場合、
    1が、下式:
    であり、
    ここで、
    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、
    cは、1〜100までの範囲であってよく、
    2は、下式:
    であり、
    ここで、
    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、
    前記残基は、
    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、
    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、
    (ii)「a」が1以上の場合、R 1に対するウレタン結合を形成することができ、
    4は、2個以上のカルボキシレート末端基を有することができる直鎖または分岐の有機残基であり、
    前記方法は、
    (a)直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、
    (b)芳香族ジニトロ中間体を合成する工程と、
    (c)前記芳香族ジニトロ中間体を水素化して、ジアミン中間体を形成する工程と、
    (d)前記ジアミン中間体を精製する工程と、
    (e)前記ジアミン中間体をホスゲン化して、ジイソシアネートを形成する工程と、
    (f)前記ジイソシアネート中間体を前記ポリエチレングリコールエステルポリオールと反応させて、イソシアネート末端ポリエチレングリコールエステルウレタンを形成する工程と、
    を含む、方法。
  • 請求項6に記載の方法において、
    前記ジアミン中間体は、前記ジアミン中間体を溶剤中でトリホスゲンと反応させることによって、工程(e)でホスゲン化されて、ジイソシアネート中間体を形成する、方法。
  • 請求項7に記載の方法において、
    前記ジアミン中間体の純度は、工程(d)において96%以上である、方法。
  • 請求項8に記載の方法において、
    工程(e)の溶剤は、エチレングリコールジアセテート、およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)からなる群から選択される、方法。
  • 請求項6に記載の方法において、
    前記直鎖のポリアルキレングリコールは、工程(a)においてスズ触媒の存在下でポリカルボン酸と縮合されて、前記ポリエチレングリコールエステルポリオールを生成し、
    前記ポリエチレングリコールエステルポリオールは、工程(b)の前に、疎水性溶剤中で沈殿されるクエン酸/シリカ混合物によって前記スズ触媒を除去することによって精製される、方法。
  • ポリエチレングリコールエステルポリオールを製造する方法において、
    (a)スズ触媒の存在下で直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、
    (b)疎水性溶剤中で沈殿されるクエン酸/シリカ混合物によって前記スズ触媒を除去することによって前記ポリエチレングリコールエステルポリオールを精製する工程と、
    を含む、方法。
  • 請求項11に記載の方法において、
    前記疎水性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、およびクロロホルムからなる群から選択される、方法。
  • 说明书全文

    開示の内容

    〔発明の分野〕
    本明細書で説明されるのは、新規なポリイソシアネートマクロマー、またはその混合物、ならびに、心血管、末梢血管、心胸郭、婦人科学、神経系および腹部全体の外科手術で使用するための内部接着剤またはシーラントを形成するための、その使用法である。 更に詳細には、マクロマーもしくはその混合物、またはその調剤は、人体において重合して、生体適合性であり、そして非毒性且つ生体適合性の生成物に分解する弾性ゲルを形成する。 更に、分解生成物は溶性であり、その分解生成物を、廃棄物として人体から取り除くことが可能である。

    一般に、組織接着剤の重要な要件(「ポリメリック・バイオマテリアルズ(Polymeric Biomaterials)」, 第2版,マーセル・デッカー・インコーポレイティド(Marcel Dekker Inc.), (2002) 716頁)は、
    (1)使用時に、接着剤は、損傷を受けていない組織の機械的性能を擬態する必要があり;
    (2)接着剤は、強固に凝結(setting)する前に操作および再装着(re-alignment)する機会を「最初の(primary)」固定のための十分な粘着性(tack)に提供する必要があり;
    (3)接着剤の硬化に関与する発熱処理により、周囲の組織に損傷を与えないようにする必要があり;
    (4)接着剤は、周囲の健康な組織によっていかなる毒性反応をも誘発してはならず、そして可能であれば新たな組織の再生を促進する必要があり;
    (5)接着剤は、有害な分解生成物を解放しないようにする必要があり;
    (6)接着剤は、分解すべきであり、そして分解すると、接着剤は、最小の傷がある新たな組織で置き換えられる必要があり;
    (7)生物分解生成物は、人体に蓄積すべきではないものの、排泄するか、または自然の生化学的サイクルに取り入れることによって自然に取り除かれる必要がある。

    当該分野では、ジイソシアネートモノマーは、ポリマーの接着剤を形成するために使用され得ることが周知である。 しかしながら、市販のジイソシアネートモノマーの多くは、小さな分子のジイソシアネートモノマーであり、この小さな分子のジイソシアネートモノマーは、毒性および感作の危険を示し、かつ重合して、毒性の分解生成物を有する生成物、例えば芳香族アミンを形成する。 それ自体、市販の小さな分子のジイソシアネートモノマーは、内部接着剤またはシーラントとして人体での使用に不適当である。

    代謝上受容可能なポリイソシアネートモノマーが、米国特許第4,829,099号に記載されている。 更に詳細には、この参考文献には、式「I、好ましい(I, Preferred)」に、グリコール酸残基およびポリエチレングリコール残基を有する芳香族ベンゾイルイソシアネート末端モノマーを記載している。 この参考文献は、結果として得られるポリマーは、p−アミノ安息香酸、ポリエチレングリコール、およびグリコール酸を含む代謝上受容可能な生成物に最後に分解するであろうという旨を示している。 この、結果として得られるポリマーは、原則として、上述の化合物に分解可能であるものの、グリコール酸残基のみが生体内で加水分解して、水溶性と不水溶性の断片(fragments)の混合物が得られると考えられている。 水溶性の断片は、排泄によって人体から自然に取り除かれるであろう。 しかしながら、不水溶性の断片は、自然に取り除かれず、これにより、人体において、不水溶性の断片の望ましくない蓄積を生じる。

    市販の小さな分子のジイソシアネート、すなわちトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(MDI)、およびヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)から調製されるポリエステル−ウレタン−尿素ブロック共重合体が、米国特許第6,210,441号に記載されている。 しかしながら、これらの共重合体は、外科手術の接着剤またはシーラントとしての使用に不適当であろう。 なぜなら、共重合体は、既に重合されている、すなわち既に硬化されており、そして操作および再装着するのに十分な機会を提供しないからである。 更に、かかる共重合体は、損傷を受けていない組織の機械的性能を擬態すると考えられていない。

    従って、操作および再装着の機会を提供するために、生体内で重合して内部接着剤またはシーラントを形成することが可能である、モノマーを基礎とする内部接着剤またはシーラントの調剤を有するのが望ましい。 特に、接着剤またはシーラントの調剤は、内部のキャビティーおよび空隙に充填され、これにより組織の間隙および細孔に浸透および適合した後に、硬化または凝結するのが望ましい。

    更に、生体内で重合する、モノマーを基礎とする内部接着剤またはシーラントの調剤を有し、且つモノマー、その調剤、および結果として得られるポリマーが生体適合性であるのが好ましい。 また、結果として得られるポリマーは、生物分解性である必要がある。

    最後に、結果として得られるポリマーの分解生成物は、生体適合性および水溶性の両方であるので、分解生成物は、廃棄物として人体から完全に取り除かれるのが望ましい。

    〔発明の概要〕
    新規なマクロマーまたはその混合物が本願明細書に記載されているが、新規なマクロマーは、ベンゾイルイソシアネート末端部分と、該ベンゾイルイソシアネート末端部分のカルボニル基に隣接し、80〜10,000の範囲の分子量を有する水溶性ポリマーの少なくとも2種の残基と、を含み、これにより、マクロマーに少なくとも2個のエステル結合が形成される。 かかるジイソシアネートマクロマーの製造方法についても本願明細書に記載されている。

    〔定義〕
    他に定義しない限り、本願明細書で用いられる全ての技術用語および自然科学用語は、本発明が属する分野の当業者等に一般的に理解されるのと同一の意味を有する。 本願明細書に記載されている全ての特許および刊行物は、参照することによって本願明細書に組み込まれる。

    本願明細書で用いられる「生体適合性(biocompatible)」は、植え込まれると、傷の治癒および/または組織の再生を大幅に妨げず、いかなる重大な代謝障害をも生じさせない材料を指す。

    本願明細書で用いられる「生物分解性(biodegradable)」および「生体吸収性(bioabsorbable)」は、自発的に、および/または哺乳類の体により成分に分解される材料であって、その成分が、傷の治癒および/または組織の再生を大幅に妨げないように、なおかつ、いかなる重大な代謝障害をも生じさせないで、消費されるか、または取り除かれる、材料を指す。

    本願明細書で用いられる「水溶性ポリマー(water-soluble polymer)」は、水に溶解して、環境条件下(例えば、体温)で透明な溶液を形成するポリマーを指す。

    本願明細書で用いられる「ポリイソシアネート(polyisocyanate)」は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物を指す。

    本願明細書で用いられる「ウレタン結合(Urethane linkage)」は、ウレタン部分から誘導され、かつカルボニル含有官能基を有する残基であって、カルボニル炭素が、下式:

    のようにエーテル酸素およびアミン窒素の両方に結合される、残基を指す(「オーガニック・ケミストリー(Organic Chemistry)」,J.マクマリー(J. McMurry), 第2版,ブルックス/コール・パブリシング・カンパニー(Brooks/Cole Publishing Company), (1988), 1129頁)。

    本願明細書で用いられる「urea linkage(尿素結合)」は、カルボニル含有官能基を有する部分から誘導される残基であって、カルボニル炭素が、下式:

    のようにアミン窒素の同一の単位に結合される、残基を称する(「ノーメンクラチャー・オブ・オーガニック・ケミストリー(Nomenclature of Organic Chemistry)」, ペルガモン・プレス(Pergamon Press),オックスフォード(Oxford), (1979))。

    〔発明の詳細な説明〕
    上述したように、生体内で重合して、内部接着剤またはシーラントを形成することが可能である、モノマーを基礎とする内部接着剤またはシーラントの調剤は、その調剤が塗布される組織を湿潤し、これにより組織の間隙および細孔に浸透および適合した後に、硬化または凝結する必要がある。 更に、モノマー、その調剤、および結果として得られるポリマーは、生体適合性である必要がある。

    本願明細書に記載のモノマーおよびその調剤は、内部での利用に好適である。 なぜなら、モノマー、その調剤だけでなく、結果として得られるポリマーは、人体で代謝して、毒性の生成物を形成しないからである。

    更に、モノマーおよびその調剤は重合して、水または体液との接触時に生体適合性ポリマーを形成する。 その後、生体適合性ポリマーは生体内で分解して、生体適合性および水溶性の両方である分解生成物を形成し、その後、廃棄物として人体から取り除かれる。

    モノマーおよびその調剤は、複数の医学的適用性を有し、心血管、末梢血管、心胸郭、婦人科学、神経系および腹部全体の手術を含むがこれらに限定されない、多くの種類の外科手術で使用され得る。

    例えば、モノマーおよびその調剤は、整形外科的処置、例えば前十字靭帯の修復、半月板裂傷の修復(またはメニスカスの交換に用いるヒドロゲルとして)、後嚢(posterior capsule)の再建、回旋板の修復における内部外科手術の接着剤として、および骨の接着剤として使用され得る。 また、これらモノマーおよびその調剤は、容量の整復術、パッチの固定、皮下組織の修復、および大動脈解離のための接着剤としても使用可能である。 特に、胃の容量の整復術のための胃の接着剤として、ならびにヘルニア修復のためのメッシュの固定、ドレインの固定、弁の取り付け、接着防止膜の取り付け、組織に対する組織の取り付け(例えば、合成または生物学的組織足場の組織への取り付け、生体工学組織の組織への取り付け)、装置(例えばメッシュ、クリップ、フィルム)に対する組織の取り付け、および装置に対する装置の取り付けのための接着剤として使用可能である。

    第2に、モノマーおよびその調剤は、乳房切除、乳房再建および豊胸術、再建または美容上の腹部形成術および脂肪吸引、顔のしわ取り(face lift)、帝王切開、肥満患者の子宮摘出、大腿領域の整形外科的処置、切開創ヘルニアの修復、脂肪腫切除術、外傷性損傷、フィステルの治療(fistula treatment)、グラフトの固定、ならびに神経の修復などの処置において、皮下組織の修復および漿液腫の防止に使用しても良い。

    第3に、モノマーおよびその調剤は、硬膜のパッチ生成物、胆管、肝臓の基底層(liver bed)における胆汁の漏れ、膀胱の漏れ、骨グラフト、熱傷グラフトドレッシング、および液体閉鎖性ドレッシングを取り付けおよび封止するためのシーラントとして使用され得る。 シーラントとして、モノマーおよびその調剤は、組織、装置、および組織−装置の界面に被覆可能であり、そして、硬膜−頭蓋のシーラント、硬膜−脊椎のシーラント、心臓血管/末梢血管のシーラント、GIシーラント(例えば、食道、腸、大きな器官、膵臓、胃、および胃潰瘍)、肺のシーラント、柔らかい器官のシーラント(例えば、肝臓、脾臓、膵臓)、骨のワックスの代替物、腫瘍のシーラント、ステープル/接着剤の組み合わせ、シーラント/止血鉗子の組み合わせ、尿道のシーラントとして使用可能である。 胃パイパス、実質器官の切除、気管開口術、潰瘍性大腸炎憩室症、前立腺全摘出術、洞の再建(sinus reconstruction)、胸骨切開術、総胆管十二指腸吻合術、および胆嚢(肝臓)基底層の封止、ならびに胆嚢切除術を含むが、これらに限定されない処置に使用可能である。

    第4に、モノマーおよびその調剤は、再建および美容外科における死腔除去(例えば、形成/美容/再建、顔/顔面欠損、または空隙充填)、尿失禁および他の婦人科の処置、裂肛/痔、うっ血性心不全の治療のための心筋へのカテーテルの注入、核の増大、膵臓/肝臓の嚢胞/フィステルの遮断、および小児科の食道フィステルを含むが、それらに限定されない処置で賦形剤(filler)または尿道周囲の増量剤として使用され得る。

    第5に、モノマーおよびその調剤は、組織工学のマトリックスとして(例えば、組織足場)、細胞の運搬マトリックス、近接照射療法(放射線治療)の運搬マトリックス、成長因子の運搬マトリックス、現場形成性空細胞足場(in situ-forming empty cell scaffold)の注入マトリックス、幹細胞、細胞溶解物、もしくは他の生物製剤、対生物作用剤(bioactives)、医薬品および栄養補助食品の運搬に用いる足場の注入マトリックス、化学療法の局在化マトリックス、ならびに造影剤の局在化マトリックスとして使用され得る。

    第6に、モノマーおよびその調剤は、心臓、開胸、一般的外科手術、産科および婦人科の外科手術、整形手術、ならびに脊椎(例えば、人工椎間板)等の処置における接着防止障壁として使用されても良い。

    第7に、モノマーおよびその調剤は、栓塞形成(例えば、胃腸の瘻(GI Fistula)、大脳/血管の閉鎖性脳動脈瘤、卵管閉鎖、および静脈瘤閉鎖)の遮蔽材料として使用可能である。

    マクロマー 本願明細書に記載されるモノマーは、生体適合性のポリイソシアネートマクロマーであり、ベンゾイルイソシアネート基で終端し、そして構造式Iを有する:

    但し、「a」の値が1以上、好ましくは1〜5までである場合、R

    1は、R

    2に結合されるウレタン結合含有有機残基である。


    式I中の「a」の値は、0であっても良い。

    マクロマーは、式IIで表されるポリイソシアネートマクロマーであっても良い:

    但し、fが、マクロマーにおける末端基の数を表す。

    f=2である場合、式IIは直鎖のマクロマーを表し、fが3以上の場合、式IIは、分岐のマクロマーを表す。

    「a」が1以上である場合のR 1の例は、下式で示される:

    但し、R

    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、cが1〜100の範囲、好ましくは1〜10までであっても良い。

    式I中のR 2の一般構造は、下式のとおりである:

    但し、式I中のR

    2が、生体内で生物分解可能な加水分解性エステル結合を有し、


    3は、水溶性ポリマーの残基であっても良く、これは、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマーおよび共重合体、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、またはこれらの水溶性誘導体の残基を含むが、これに限定されず、この水溶性ポリマーの残基は、R

    4とエステル結合を形成可能であり、そして(i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成し、または(ii)「a」が1以上の場合、R

    1と共にウレタン結合を形成することができる。 更に、R

    3は直鎖であってもまたは分岐であっても良い。 R

    3が、下式:


    のポリエチレングリコール残基であり、そして「a」が1以上の場合、nは、分解生成物IV(以下に図示)を水溶性にするのに十分な大きさであるべきである。 例えば、nは、2〜250の範囲、好ましくは5〜100の範囲、更に好ましくは5〜25の範囲であっても良い。 R

    3の分子量は、80〜10,000の範囲であり、好ましくは200〜4000の範囲であり、更に好ましくは200〜1000の範囲であっても良い。 これらの水溶性ポリマーの残基は、R

    3位置でマクロマーに結合される必要があり、以下に更に詳細に説明するように、分解生成物の溶解性に不可欠である。

    4は、カルボキシレート末端基を有することが可能な有機残基(organic residue)であっても良い。 例えば、R 4は、直鎖の二塩基酸、例えばジグリコール酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、またはカルボン酸末端ポリアルキレングリコール、例えばポリアルキレングリコールジカルボキシレートから誘導されても良い。

    4が、下式:

    の脂肪族ジカルボキシレートである場合、mは、1〜10の範囲であっても良い。 mの選択は、以下の2種類の要因:すなわち、分解生成物の生体適合性および可溶性に基づく。 mが0である場合、マクロマーの二酸の加水分解性生成物は過度に酸性であり、したがって組成物の生体適合性に有害となる。 mが余りにも大きい場合、二酸の分解生成物は、もはや水溶性ではないだろう。

    あるいは、R 4は、分岐の酸、例えばトリカルバリル酸、クエン酸、または酒石酸、またはこれらの無水グルタル酸誘導体から誘導されても良い。 あるいは、R 4は、上述の酸のいずれか、カルボン酸末端ポリアルキレングリコール、または無水グルタル酸誘導体から誘導されて、カルボキシレート末端基を有する化合物を得ても良い。 R 4の追加の例は、以下に示される。

    または


    あるいは、R 2は、R 3に対するエステル結合を形成する合成経路(エステル交換、酸ハロゲン化物−アルコールの縮合、酸−アルコールの縮合を含むが、これらに限定されない)を介して任意のカルボニル含有部分から形成されても良い。

    2の例は、ポリエチレングリコールと複数のカルボン酸基を有する化合物との重縮合反応から作製されるPEGエステルの残基を含むが、これらに限定されず、カルボン酸基含有化合物は、ジグリコール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、およびカルボン酸末端ポリアルキレングリコールを含むが、これらに限定されない。

    2残基におけるPEGエステル型の例は、以下を含むが、これに限定されない。

    但し、nが、Mw900のPEGの場合には20であり、二塩基酸がジグリコール酸である。


    但し、nが、Mw900のPEGの場合には20であり、二塩基酸がコハク酸である。


    但し、nが、Mw900のPEGの場合には20であり、二塩基酸がグルタル酸である。


    但し、nが、Mw900のPEGの場合には20であり、二塩基酸がアジピン酸である。


    他の例は、以下、および図1に示される分岐R 2残基を含む。

    マクロマーのR 2残基部分の分子量は、約80〜20,000g/モルの範囲内であっても良い。

    2が高収率で誘導され得るポリエステルポリオールの製造では、遷移金属触媒、例えばスズ(II)を使用する必要がある。 スズ塩は、エステル化の触媒として周知である。 かかる塩は、加水分解に対して安定であり、そして活性を損失することなくエステル化中に生成される水分に抗することが可能である。 かかる塩は、酸触媒、例えばp−トルエンスルホン酸、または鉱酸より使用するのが更に望ましい。 なぜなら、かかる物質により、エーテル開裂ならびに酸化を、特に高温下で促進するからである。 ポリオールおよびポリ酸のエステル化中における一般的な温度は、160〜220℃の範囲である。 マクロマーの性能に影響を与えるであろう酸化副生成物をできるだけ含まないポリエステルポリオールを得るのが望ましい。 また、スズ触媒は、反応時間を大幅に短縮する。 ポリマーの所望の分子量および酸の含有量に到達する一般的な時間は、12〜18時間の範囲である。 触媒を用いないで類似の生成物を達成するために、60時間を超える時間が必要であろう。 しかしながら、スズ金属は、毒性であり、エステル化が終了するとポリオールから取り除かれる必要がある。

    反応終了後にスズ触媒を除去することにより、特有の課題を引き起こす。 なぜなら、触媒を除去するための標準的な方法は、ポリエステルポリオールにおいて効果的ではないからである。 一般的な方法としては、少量の過酸化水素を用いて、スズを不溶性の酸化スズに酸化し、これをろ過することが可能である。 これは、任意のポリエチレングリコール含有材料を過酸化物で処理することにより、望ましくない不純物であるカルボニル基および過酸化基の形成を促進するであろうことから、望ましくない。 材料の水洗は、材料それ自体が親水性であること、そしてスズが容易に水和されないことから、有効に作用しない。 スズを中和するために鉱酸を添加するのは望ましくない。 なぜなら、ポリマー中のイーター結合(eater bond)を加水分解するからである。 従って、スズを選択的に除去するであろう穏やかな吸着剤を見出すのが望ましい。

    クエン酸は、スズ触媒とキレート形成し、次に、シリカで処理して、シトレート錯体を吸着するために使用され得る。 クエン酸とシリカの混合物を使用するのが好ましい。 さらに好ましくは、イネオス・シリカズ社(Ineos Silicas)により商品名ソーブシルR(Sorbsil R)(登録商標)で販売されている、クエン酸で処理されたシリカヒドロゲルは、微量の金属および他の極性不純物を除去するために食用油産業で使用される。 材料は、クエン酸で処理されたシリカヒドロゲルとして説明される。 クエン酸は、既知のキレート化剤であり、そしてシリカと共有結合すると、容易に水和されるようなスズ化合物等のキレート化金属の作用を増大させる。 更に、ポリエステルポリオールは、スズ触媒に対して高い親和を有している。 なぜなら、ポリマー中のスズの700ppmという高い濃度が明確であり、且つ一般的ではない沈殿物を含まないからである。 0.01〜1.00重量%の油の量は、油中の望ましくない不純物を効率的に除去するために使用され得る。 かかるシリカ/クエン酸混合物は、エステル化で使用される共通の触媒であるスズIIおよびIVの除去に好適である。 ポリエステルポリオールを触媒する、加工していないスズをシリカ/クエン酸で処理することによって、スズは、吸着され、そして金属非含有ポリオールを残すようにろ過され得る。 有機溶剤、例えばトルエンは、ろ過を助けるために必要である。 なぜなら、シリカ/クエン酸/スズ錯体は、ポリエステルポリオールに部分的に溶解するからである。

    シリカ/クエン酸混合物は親水性であることから、ポリエステルポリオールを可溶性にし、かつシリカ−クエン酸ヒドロゲルを沈殿させるであろう疎水性溶剤を添加する必要がある。 疎水性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、およびクロロホルムを含むが、これらに限定されない。 溶剤の添加により、ろ過を容易にする錯体を沈殿させる。 他の材料、例えば炭素粉末および珪藻土は、着色およびろ過時間を改善するために処理中に添加され得る。 スズを除去するこの方法を用いることにより、加水分解の徴候である酸含有量の有意な増大無しに、スズ非含有のポリエステルポリオールを得る。 かかる手法で作られた一般的なポリマーは、5ppm未満のスズを含み(処理前は600ppmのスズ)、〜99.5%の、酸基のエステル基への転化率(処理前は〜99.8%の転化率)を含み、そしてプロトンNMRによって分析された場合に、カルボニル基の重大な証拠を含んでいなかった。

    例えば、加工していないポリエステルポリオールは、1〜10重量%のケイ酸塩、0.05〜1.00重量%の炭素、および0〜1重量%の珪藻土で処理される。 スラリーは、不活性雰囲気下、60〜85℃にて30〜90分間に亘って撹拌される。 ポリマーは、好適な有機溶剤を用いて40〜60重量%に希釈され、その後ろ過される。 溶剤は蒸発して、所望のポリエステルポリオールを低スズ含有量にて生じる。

    直鎖のマクロマーの例は、例えば、下式IaおよびIbに示されたものを含む。

    腸に起きる高い破裂強度(high intestinal burst strength)をもたらす外科用シーラントの適用に好ましいマクロマーの例は、Icとして図2に示されている。 好ましいマクロマー組成物は、(図3に図示されるように)マクロマーIcおよびIdを1:1のモル比で含む混合物である。

    分岐のマクロマーの例は、下式IIaである。

    腸の破裂強度の場合に好ましい分岐のマクロマーは、IIbとして図4に示されている。

    分岐のマクロマーの他の種類は、以下にIIIとして示される。 かかるマクロマーは、過剰の、式Iで表される直鎖のポリイソシアネート末端マクロマーを、多官能性の活性水素末端化合物、例えば、R6で示されるようなヒドロキシ末端化合物と結合させることによって調製される。

    但し、式中において、中間体のポリオールは、g+1ヒドロキシル末端基を有する。

    マクロマーの分子量および分岐度は、生化学的特性、例えば弾性、接着強度および結合力、粘性、吸収性、ならびに水取り込み性(膨張)を決定する場合の重要な要因である。

    本願明細書に記載されるマクロマーの分子量の範囲は、約500〜20,000g/モルの範囲であっても良く、約500〜約4000g/モルの範囲であるのが好ましい。

    マクロマー含有調剤 医学的に受容可能な調剤は、ポリイソシアネートマクロマー、溶剤、触媒、界面活性剤、安定剤、または酸化防止剤、および着色添加剤を含んでいても良い。

    一般に、溶剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、ジメトキシPEGs、グリセリン、トウィーン(Tween)80、ジメチルイソソルビド(dimethylisosorbide)、プロピレンカーボネート、および1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を含むが、これらに限定されない親水性溶剤である。 親水性の低い溶剤も考えられ、例えば乳酸エチル、トリアセチン、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、種々のエステル溶剤、例えばクエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、酢酸エチルであっても良い。 例えば、溶剤は、溶剤およびマクロマーの合計重量に基づいて、約50重量%以下の量で使用され得る。

    溶剤は、マクロマーの調製で幾つかの役割を果たす:すなわち、(1)粘度の制御、(2)気泡/フォームの形成および気泡の漏れの制御、(3)組織の浸透性を高める、および(4)組織の湿潤の改善である。 調剤の粘度は、10〜100,000cpの範囲であり、好ましくは500〜50,000cpの範囲である。

    また、界面活性剤は、フォーム形成の制御のために調剤に添加されても良く:当該分野で知られているものが数ある中で、非イオン性界面活性剤、例えばトウィーン(Tween)、ブリジ(Brij)、およびシロキサン、ならびにイオン性界面活性剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、ドデシル硫酸ナトリウムである。

    また、トリエチレンジアミン(DABCO)、ピリジン、エチル−2−ピリジルアセテート、およびオクタン酸スズなどの触媒が、反応速度を上昇させるために調剤に添加されても良い。

    マクロマーの調剤で利用され得る着色添加剤は、メチレンブルー、FD&Cブルーの#1または#2、および吸水性医療装置、例えば縫合糸に用いられる従来の着色添加剤を含むが、これらに限定されない。

    酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)は、生成物の貯蔵安定性(shelf stability)を改善するためにマクロマーの調剤中に存在していても良い。

    接着剤系 接着剤系(adhesive system)の一例は、マクロマーおよび溶剤がいつでも使用できる状態になるまで別個に保存される系を含むが、これに限定されない。 例えば、マクロマーは、二つの注射外筒を備えた注射器(double barrel syringe)の一方の注射外筒に保存されていても良く、一方、溶剤は、他方の注射外筒に保存される。 あるいは、マクロマーおよび溶剤は、使用前に任意の従来手段によって混合されても良い。

    生体適合性の弾性ゲル マクロマーの生体内重合の後に得られるポリマーは、生物分解性の弾性ゲルであり、その分解生成物は、生体適合性および水溶性の両方である必要があるので、分解生成物は、廃棄物として人体から完全に取り除かれる。

    特に、マクロマーまたはその調剤は重合して、以下の反応スキームを介して、水または体液との接触時に生体適合性の弾性ゲルを形成する:

    但し、Xが2個の末端官能基の間の構造成分を表し、Xは、利用されるマクロマーの種類に応じて異なる。 上述の反応は、ジカルバメートをジアミンおよび二酸化炭素に自発的に分解する身体の条件下で容易に起こる。

    次の反応において、新たに形成されたジアミンは、イソシアネート基と反応して、以下の反応スキームを介して弾性ゲルを形成する。

    分解生成物 本願明細書に記載のマクロマーから形成される弾性ゲルは、生体分解性であり、生体内での加水分解によって分解して、芳香族の分解生成物を含む分解生成物を形成するが、分解生成物は、生体適合性で且つ水溶性の両方である。 任意の芳香族の分解生成物における水溶性を確実にするために、弾性ゲルは、芳香族の分解生成物における末端基が水溶性ポリマーの残基であるように、開裂するように設計される。 例えば、マクロマー接着剤またはシーラントの調剤が体内で重合した後、これにより得られる弾性ゲルは、以下の反復単位(repeat unit)を有する:

    但し、R

    4は、上述したように、カルボキシレート末端基、およびR

    3とR

    4との間に加水分解性結合を有することができる残基であり、弾性ゲルにおける加水分解による生物分解性に重要である。

    形成される生体適合性の弾性ゲル(IV)は、脂肪族および芳香族エステル結合、ウレタン結合、ならびに尿素結合を含むがこれらに限定されない、種々の加水分解性結合を含む。 弾性ゲルにおける脂肪族エステル結合は、他の種類の結合と比較して、生体内で分解する傾向が高いので、当初の芳香族の分解生成物Vを残す。 加水分解の影響を受けやすい芳香族の分解生成物V断片に他の結合が存在し(例えば、ウレタン、および芳香族エステル)、一方、全ての実用的な目的の場合、芳香族の分解生成物が体内から排泄される前、かかる結合は生体内で有意には分解しない。 例えば、弾性ゲルにおけるR 3とR 4との間の急速に加水分解可能な脂肪族エステル結合は、0〜6ヶ月内に分解する;芳香族の分解生成物における更にゆっくりと加水分解可能な芳香族エステル結合は、4〜24ヶ月内で分解し;芳香族の分解生成物におけるウレタン結合は、4〜24ヶ月内で分解し;芳香族の分解生成物における極めてゆっくりと加水分解可能な尿素結合は、24ヶ月から無限に分解する。 マクロマー接着剤またはシーラントの調剤の植え込みから芳香族の分解生成物Vの体内からの排泄までの時間枠の間に、芳香族の分解生成物Vにおける芳香族エステル、ウレタンおよび尿素の各結合は、有意には分解しない。

    例えば、PEG400−アジピン酸PEGエステルから作製されるシーラントの生体内での生物分解により、PEG4−ジベンゾイルイソシアネート、すなわち構造Iaを有するウレタンに転化されることが考えられる。 体内への植え込み後、弾性ゲルは、最初に加水分解によって、下式に分解する:

    ここで、芳香族の分解生成物を含む全ての分解生成物は、本質的に水溶性である。 特に、芳香族の分解生成物は、R

    3 、すなわち末端基としての水溶性ポリマーの残基の存在によって可溶性にされる。

    この組成物は、複数の医学的適用性を有している。 例えば、内部外科手術用接着剤として、接着剤は、組織を組織に、組織を医療装置に、そして医療装置を医療装置に結合可能である。 シーラントとして、組成物は、漏れを防ぐために、組織に、医療装置に、または、医療装置と組織との界面に被覆され得る。 組成物は、外科での接着の防止等の適用性を有していても良い、現場で(in situ)フィルムの形成に使用され得る。 組成物は、賦形剤(例:死腔の除去、再建手術および美容外科)、増量剤、組織工学(例:足場)の材料、ならびにフォームおよびスポンジが有用である他の材料などの適用性を有していても良い、現場でのフォームの形成に使用され得る。 組成物は、その組成物が注入可能であり、そして局在化され、組織に接着し、これにより注入された部位にとどまるゲルを、現場で形成するために使用されるように処方され得る。 かかる組成物は、細胞および他の生物製剤、対生物作用剤および医薬品または栄養補助剤の運搬マトリックスとして、そして栓塞剤として、そして対照剤を局在化させるための手段としての適用性を有していても良い。 また、組成物は、医療装置(例:メッシュ、クリップ、およびフィルム)を組織に粘着させるために使用され得る。 この組成物は、心血管、末梢血管、心胸郭、婦人科学、神経系および腹部全体の手術を含むが、これらに限定されない多くの種類の外科手術で、体内で使用され得る。

    外科手術用シーラント/接着剤として、気体、液体または固体の潜在的な漏れを密閉するために、主な創縫合装置、例えばステープル、縫合糸に対する補助剤として使用可能である。 更に詳細には、外科手術用接着剤/シーラントは、手術の処置の一部として、種々の形:例えば、液体、粉末、フィルム、スポンジもしくはフォーム、含浸織布、含浸スポンジもしくはフォーム、またはスプレーで組織に塗布されても良い。

    賦形剤として、マクロマーまたはその調剤は、顔、欠損または空隙の賦形剤として使用されても良い。 例えば、調剤は、内部空隙の間隙に塗布されても良く、そこで重合することができ、これによりポリマーが内部腔および空隙を満たして、組織の間隙および細孔に浸透および適合する。 調剤は、根治的乳房切除術(すなわち、癌治療のための乳房および局所リンパ節の除去)、乳房再建および豊胸手術、再建または美容上の腹部形成術および脂肪吸引、顔のしわ取り、帝王切開および肥満患者の子宮摘出、大腿領域の整形外科的処置、切開創ヘルニアの修復、脂肪腫切除術、ならびに外傷性損傷、すなわち閉鎖外傷(closed trauma)を含むがこれらに限定されない、死腔の形成に対する潜在的なリスクを有する非常に多くの処置の後に使用されても良い。

    以下の実施例は、本発明の特定の実施の形態を説明するが、かかる実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではなく、むしろ本発明の完全な説明に寄与するものと解釈される。

    実施例比較用プレポリマーA1
    Mw900g/モル(50g、0.056モル)のポリエチレングリコールが、真空下、120℃で4時間乾燥された。 その後、ポリマーが窒素下に室温まで冷却され、グリコリド(12.90g、0.11モル)が添加された。 オクタン酸スズが、1モルの触媒:30,000モルのグリコリドにて触媒として添加された。 混合物が窒素下に連続して撹拌され、150℃まで3時間で加熱された。 次に、ポリマーが70℃に冷却され、そしてパラフェニレンジイソシアネート(19.57g、0.122モル)が添加された。 この反応は、4時間、混合しつつ窒素下で継続された。 これにより得られるポリマーの理論構造は、下式のとおりである。

    このポリマーは、室温で白色の蝋質の樹脂であった。

    実施例1
    ポリマーの調製プレポリマーB1
    酢酸エチルの10%溶液が、1モルのテトラエチレングリコール、2.75モルの4−ニトロベンゾイルクロリド、および6当量の炭酸ナトリウムを用いて調製された。 この反応は、室温および大気圧下、窒素下で磁気攪拌により行われた。 次に、下式:

    のジ−ニトロ中間体が水素化された。 かかるジニトロ中間体を含む酢酸エチル溶液に対して、パラジウム触媒(炭素上の10%のPd)が、激しく撹拌し且つ水素を散布しつつ5%w/wで添加された。 これにより、下式で表されるジ−アミン中間体が得られた。


    ジアミンは、水溶性の重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで乾燥することによって精製された。 その後、このジアミン粉末は、真空下、50℃で12時間乾燥された。 ジアミンの純度は、HPLCによって99.1%であった。

    ジイソシアネートを調製するために、以下の手順を用いた。 1リットルの三ツ口フラスコにおいて、68.62g(0.231モル)のトリホスゲン、および375mLのエチレングリコールジアセテートが窒素雰囲気下で混合された。 これにより得られる懸濁液が、環境温度(23℃)で20分間撹拌された。 333mLのエチレングリコールジアセテート中の100.0g(0.231モル)のPEG−bz−NH 2 (上記から得られるジアミン)の懸濁液が、環境温度(23℃)で30分以内にトリホスゲン懸濁液に添加された。 薄く、僅かに黄色がかった懸濁液が得られた。 その後、反応混合物は、以下の順序:50℃に(これによりピンク色の懸濁液を得る)、次に、5分後に70℃まで、次に、40分後に90℃まで(これにより透明な溶液を得る)、次に、25分後に100℃まで、次に、30分後に115℃まで、最後に、1時間後に130℃に加熱された。 130℃にて、反応物が3時間撹拌され、その後、環境温度に一晩冷却された。 翌朝、これにより得られた茶色がかった溶液が蒸留された。 蒸留は、94.5℃で開始された(圧力:約1ミリバール)。 蒸留が終了した後、油浴の温度が130℃に上昇されて、残留溶剤を反応混合物から除去した。 収率:112.5g、純度94.7%、1.1%の残留溶剤。

    オプションとして、反応溶剤として、エチレングリコールジアセテートの代わりに、グリセロールトリアセテート(トリアセチン)が、95%を超える純度の生成物を産出することが分かった。 しかしながら、他の一般的な溶剤、例えばトルエン、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、グリム、1,4−ジオキサン、プロピレンカーボネート、およびアセトニトリルにより、非常に低い生成物純度を得た。 また、溶剤無しで反応を行うと、低い生成物純度を得た。

    これにより得られる生成物は、下式のとおりであった。

    構造は、NMRおよび%NCO滴定によって確認された。 純度は、ジブチルアミン−ブロック生成物(dibutylamine-blocked product)にHPLCを行うことによって確認された。 生成物は、室温で琥珀色の粘稠液である。

    プレポリマーB2
    Mw900g/モル(0.2モル)のポリエチレングリコールが、0.01モル%のポリマー結合パラトルエンスルホン酸(polymer bound para-toluene sulfonic acid)と一緒にアジピン酸(0.1モル)に添加された。 混合物は160℃に加熱され、水が凝縮され、窒素パージの補助によって蒸留された。 次に、3時間真空とした。 これにより得られ、下式:

    で表されるポリオールは、透明で、無色の低粘稠性液であった。

    プレポリマーB3
    2モルのプレポリマーB1が、1モルのプレポリマーB2に添加され、そして混合され、窒素下に70℃で8時間加熱された。 これにより得られる、室温において粘稠性で、琥珀色の液体であるポリマーが、図5に示されている。

    実施例2
    ポリマーの調製マクロマーIdのポリエステルポリオール 窒素導入部、温度プローブおよびディーン・スターク・トラップ(dean-stark trap)を具備した、清潔な250mLの乾燥三ツ口フラスコに対して、8.72g(0.0947モル)のグリセリンUSPが充填された。 内容物が窒素下に撹拌しながら120℃に加熱された。 温度に到達すると、2時間真空とした。 真空が解除され、32.46g(0.2845モル)の無水グルタル酸が添加された。 溶液は、IRによって無水物の存在が示されなくなるまで窒素下に120℃で2時間撹拌された。 溶液が冷却され、167.09g(0.2784モル)のPEG600NF、および0.20g(0.0009モル)のスズ(II)オキサレートが添加された。 フラスコが180℃に加熱され、窒素散布下に2時間保持された。 更に17時間真空とし、その後、酸のエステル基への転化率は、酸含有量に基づいて99.98%であった。 ポリオールが80℃に冷却され、そして以下の:6.13gのシリカ−クエン酸、および2.38gの珪藻土が添加された。 スラリーが窒素ブランケット下で80℃にて1時間撹拌された。 スラリーが、トルエン中で50%w/vに希釈され、更に15分間撹拌され、2ミクロンのセルロース紙に通過させてろ過された。 溶剤が蒸発して、淡黄色の、粘稠性液が残った。 収率=91%、エステル転化率=99.73%、スズ含有量=5ppm未満。

    マクロマーId
    清潔な、炉乾燥した(oven dried)25mLの一口フラスコに対して、2.01g(0.0009モル)の、実施例2に記載されているポリエステルポリオールを充填した。 ポリオールが、真空下、120℃の油浴中において撹拌しながら6時間に亘って乾燥された。 乾燥したポリオールが冷却され、そして2.28g(0.0047モル)の、実施例1から得られたプレポリマーB1が、窒素雰囲気下に添加された。 混合物が窒素下に70℃で20時間撹拌された。 プレポリマーが冷却され、そしてアセトン中において80%の固体に希釈されて、〜8,000cst(25℃)の粘度を有する琥珀色の粘稠液を産出した。

    実施例3
    ポリマーの調製マクロマーIcのポリエステルポリオール 機械的攪拌装置、窒素導入部、温度プローブ、およびディーン・スターク・トラップを具備した、清潔な1Lの乾燥四ツ口フラスコに対して、149.79g(0.3744モル)のPEG400NFが充填された。 内容物が窒素下に撹拌しながら120℃に加熱された。 温度に到達すると、1.5時間真空とした。 真空が解除され、そして85.56g(0.7499モル)の無水グルタル酸が添加された。 溶液は、IRによって無水物の存在が示されなくなるまで窒素下に120℃で2.5時間撹拌された。 溶液が冷却され、そして436.06g(0.7268モル)のPEG600NF、および0.67g(0.0032モル)のスズ(II)オキサレートが添加された。 フラスコが180℃に加熱され、そして窒素散布下に2時間保持された。 更に16時間真空とし、その後、酸のエステル基への転化率は、酸含有量に基づいて99.96%であった。 ポリオールが80℃に冷却され、そして以下の:6.97gのシリカ−クエン酸、7.11gの珪藻土、および3.39gの活性炭が添加された。 スラリーが窒素ブランケット下で80℃にて1時間撹拌された。 スラリーが、トルエン中で50%w/vに希釈され、そして更に15分間撹拌され、2ミクロンのセルロース紙に通過させてろ過された。 溶剤が蒸発して、淡黄色の、粘稠性液が残った。 収率=95%、エステル転化率=99.88%、スズ含有量=5ppm未満。

    1:1の割合のIc:Idのマクロマー混合物 機械的攪拌装置を具備した、清潔な、炉乾燥した250mLの二口フラスコに対して、28.18g(0.0154モル)の、実施例3に記載されているポリエステルポリオール、および33.90g(0.0152モル)の、実施例2に記載されているポリエステルポリオールが充填された。 ポリオール混合物が、真空下、120℃の油浴中において撹拌しながら8時間に亘って乾燥された。 乾燥したポリオールが冷却され、そして59.38g(0.01224モル)の、実施例1から得られたプレポリマーB1が、窒素雰囲気下で添加された。 混合物が窒素下に70℃で20時間撹拌された。 プレポリマーが冷却され、そしてアセトン中において80%の固体に希釈されて、〜4,000cst(25℃)の粘度を有する琥珀色の粘稠液を産出した。

    実施例4
    ポリマーの調製マクロマーIIbのポリエステルポリオール 窒素導入部、温度プローブ、およびディーン・スターク・トラップを具備し、清潔な250mLの乾燥三ツ口フラスコに対して、53.88g(0.0842モル)のグリセロールエトキシレートM n =1000が充填された。 内容物が窒素下に撹拌しながら120℃に加熱された。 温度に到達すると、2時間真空とした。 真空が解除され、そして19.67g(0.1724モル)の無水グルタル酸が添加された。 溶液は、IRによって無水物の存在が示されなくなるまで窒素下に120℃で3時間撹拌された。 溶液が冷却され、そして86.99g(0.01449モル)のPEG600NF、および0.20g(0.0009モル)のスズ(II)オキサレートが添加された。 フラスコが180℃に加熱され、そして窒素散布下に2時間保持された。 更に20時間真空とし、その後、酸のエステル基への転化率は、酸含有量に基づいて99.30%であった。 ポリオールが80℃に冷却され、そして以下の:6.13gのシリカ−クエン酸および2.11gの珪藻土が添加された。 スラリーが窒素ブランケット下で80℃にて1時間撹拌された。 スラリーが、トルエン中で50%w/vに希釈され、そして更に15分間撹拌され、2ミクロンのセルロース紙に通過させてろ過された。 溶剤が蒸発して、淡黄色の、粘稠性液が残った。 収率=95%、エステル転化率=99.12%、スズ含有量=5ppm未満。

    マクロマーIIb
    清潔な、炉乾燥した50mLの一口フラスコに対して、7.03g(0.0022モル)の、実施例4に記載されているポリエステルポリオールを充填した。 ポリオールが、真空下、120℃の油浴中において撹拌しながら6時間に亘って乾燥された。 乾燥したポリオールが冷却され、そして5.58g(0.00115モル)の、実施例1から得られたプレポリマーB1が、窒素雰囲気下に添加された。 混合物が窒素下に70℃で20時間撹拌された。 プレポリマーが冷却され、そしてアセトン中において80%の固体に希釈されて、〜15,000cst(25℃)の粘度を有する琥珀色の粘稠液を産出した。

    実施例5
    分解の調査 被験ポリマーがガラス上に入れられ、周囲湿度下、ゴム状のフィルムが形成されるまで数時間に亘って湿潤硬化された。 その後、フィルムは、以下の促進化加水分解条件下に付された。 かかる方法は、標準塩基で滴定することによって一定のpHを維持しながら試験片を加水分解して分解するステップと、時がたつにつれて使用された塩基の量を測定するステップと、からなる。 かかる測定および滴定は、pHスタット機器(stat instrument)(718 STAT滴定装置一式(718 STAT Titrator Complete),メトロオーム社(MetroOhm)製、TiNet2.4ソフトウエアを使用)で自動化される。 サンプルは、75℃±0.2℃、およびpH7.27で保持される脱イオン水の、70mLの撹拌器付き密閉式浴に置かれた。 各サンプル浴は、7.27の設定点からpHの変化(pHの低下)に関して連続的にモニターされた。 いくらかの低下が測定された場合、水酸化ナトリウム溶液が添加されて、7.27(NaOH 0.05N)に戻す。 加水分解は、滴下塩基が7.27でのpHの維持にもはや必要でなくなるまで継続した。 あらゆる未溶解残留物が集められ、乾燥され、そして秤量された。 残留質量が報告された。

    表2は、本発明の組成物B3から得られる分解生成物の水溶性が、比較用組成物のA1の分解性生物の水溶性より大幅に大きいことを示している。

    実施例6
    破裂圧力試験は、基体(心膜、硬膜、またはコラーゲン)に0.5cmの直線の切れ目を裁断し、そして基体を試験用固定具に載置することによって行われる。 シーラントは切れ目に塗布され、そして硬化される。 流体が充填された注射器ポンプを用いて、増加圧力が基体の横側に加えられる。 シーラントが破裂した際の最大圧が記録される。

    〔実施の態様〕


    (1) 下式のポリイソシアネートマクロマー、またはマクロマーの混合物であって、


    ここで、 fは、2以上であり、


    「a」は、0または1であり、


    「a」が1〜5である場合、


    1は、下式:


    であり、


    ここで、


    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、


    cは、1〜100までの範囲であってよく、


    2は、下式:


    であり、


    ここで、


    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、


    前記残基は、


    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、


    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、


    (ii)「a」が1以上の場合、R

    1に対するウレタン結合を形成することができ、


    4は、2個以上のカルボキシレート末端基を有することができる直鎖または分岐の有機残基である、


    マクロマー、またはマクロマーの混合物。


    (2) 実施態様1に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物において、


    fは、2であり、


    前記マクロマーは、下式で表される、


    マクロマー、またはマクロマーの混合物。


    (3) 実施態様1に記載のマクロマーにおいて、


    2は、下式からなる群から選択され、


    ここで、


    nは、2〜250であり、


    mは、1〜10である、


    マクロマー。


    (4) 実施態様1に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物において、


    3は、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマーおよび共重合体、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ならびに、これらの水溶性誘導体からなる群から選択される化合物の残基であり、


    4は、ジグリコール酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、トリカルバリル酸、グリセロールトリグルタレート、ペンタエリスリトールテトラグルタレート、および、エリスリトールからなる群から選択される化合物の残基である、マクロマー、またはマクロマーの混合物。


    (5) 生体適合性ポリマーにおいて、


    下式の反復単位を含み、


    ここで、


    3は、R

    4とエステル結合を形成可能で且つウレタン結合を形成可能な水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、


    4は、カルボキシレート末端基を有することができる有機残基である、


    生体適合性ポリマー。


    (6) 医学上受容可能な調剤において、


    実施態様1に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物と、


    少なくとも1種の溶剤と、


    を含む、調剤。


    (7) 接着剤系において、


    溶剤を含む第1のハウジングと、


    実施態様1に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物を含む、第2のハウジングと、


    を含む、接着剤系。


    (8) 内部の傷を密封する方法において、


    実施態様1に記載のマクロマー、もしくはマクロマーの混合物、または前記マクロマー、もしくは前記マクロマーの混合物を含む組成物を、溶剤と混合して、接着剤組成物を得る工程と、


    前記接着剤組成物を前記傷に塗布する工程と、


    前記接着剤組成物が、弾性ゲルを形成することを可能にする工程と、


    を含む、方法。


    (9) 実施態様8に記載の内部の傷を密封する方法において、


    前記接着剤組成物は、注射器を介して注射可能である、方法。


    (10) 実施態様9に記載の内部の傷を密封する方法において、


    前記接着剤組成物の粘度は、約500〜50,000cPである、方法。


    (11) マクロマー、またはマクロマーの混合物において、


    ベンゾイルイソシアネート末端部分と、


    80〜10,000の範囲の分子量を有する水溶性ポリマーの少なくとも2種の残基であって、前記ベンゾイルイソシアネート末端部分のカルボニル基に隣接し、これにより、前記マクロマーに少なくとも2個のエステル結合を形成する、残基と、


    を含む、マクロマー、またはマクロマーの混合物。


    (12) 実施態様11に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物において、


    前記水溶性ポリマーは、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリヒドロキシメチルメタクリレート、ポリアクリル酸ポリマーおよび共重合体、ポリオキサゾリン、ポリホスファジン、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ならびに、これらの水溶性誘導体からなる群から選択される化合物である、マクロマーまたはマクロマーの混合物。


    (13) 実施態様12に記載のマクロマー、またはマクロマーの混合物において、


    前記水溶性誘導体は、アミド、尿素、およびウレタンからなる群から選択される部分を含む、マクロマーまたはマクロマーの混合物。


    (14) 方法において、


    前記方法は、下式のポリイソシアネートマクロマーを製造する方法であり、


    ここで、


    fは、2以上であり、


    「a」は、0〜5であり、


    「a」が1〜5である場合、


    1は、下式:


    であり、


    ここで、


    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、


    cは、1〜100までの範囲であってよく、


    2は、下式:


    であり、


    ここで、


    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、


    前記残基は、


    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、


    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、


    (ii)「a」が1以上の場合、R

    1に対するウレタン結合を形成することができ、


    4は、カルボキシレート末端基を有することができる有機残基であり、


    前記方法は、」


    (a)直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、


    (b)芳香族ジニトロ中間体を合成する工程と、


    (c)前記芳香族ジニトロ中間体を水素化して、ジアミン中間体を形成する工程と、


    (d)前記ジアミン中間体を精製する工程と、


    (e)前記ジアミン中間体を溶剤中でトリホスゲンと反応させることによって、前記ジアミン中間体をホスゲン化して、ジイソシアネートを形成する工程と、


    (f)前記ジイソシアネート中間体を前記ポリエチレングリコールエステルポリオールと反応させて、イソシアネート末端ポリエチレングリコールエステルウレタンを形成する工程と、


    を含む、方法。


    (15) 実施態様14に記載の方法において、


    前記ジアミン中間体の純度は、工程(d)において96%以上である、方法。


    (16) 実施態様15に記載の方法において、


    工程(e)の前記溶剤は、エチレングリコールジアセテート、およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)からなる群から選択される、方法。


    (17) 方法において、


    前記方法は、下式のマクロマー、またはマクロマーの混合物を製造する方法であり、


    ここで、


    fは、2以上であり、


    「a」は、0または1であり、


    「a」が1〜5である場合、


    1は、下式:


    であり、


    ここで、


    1のエチレンオキシド部分は、直鎖、または分岐であっても良く、


    cは、1〜100までの範囲であってよく、


    2は、下式:


    であり、


    ここで、


    3は、水溶性ポリマーの直鎖または分岐の残基であり、


    前記残基は、


    4に対するエステル結合を形成することができ、かつ、


    (i)「a」が0の場合、ベンゾイルイソシアネート部分のカルボニル基と共にエステル結合を形成することができ、または、


    (ii)「a」が1以上の場合、R

    1に対するウレタン結合を形成することができ、


    4は、2個以上のカルボキシレート末端基を有することができる直鎖または分岐の有機残基であり、


    前記方法は、


    (a)直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、


    (b)芳香族ジニトロ中間体を合成する工程と、


    (c)前記芳香族ジニトロ中間体を水素化して、ジアミン中間体を形成する工程と、


    (d)前記ジアミン中間体を精製する工程と、


    (e)前記ジアミン中間体をホスゲン化して、ジイソシアネートを形成する工程と、


    (f)前記ジイソシアネート中間体を前記ポリエチレングリコールエステルポリオールと反応させて、イソシアネート末端ポリエチレングリコールエステルウレタンを形成する工程と、


    を含む、方法。


    (18) 実施態様17に記載の方法において、


    前記ジアミン中間体は、前記ジアミン中間体を溶剤中でトリホスゲンと反応させることによって、工程(e)でホスゲン化されて、ジイソシアネート中間体を形成する、方法。


    (19) 実施態様18に記載の方法において、


    前記ジアミン中間体の純度は、工程(d)において96%以上である、方法。


    (20) 実施態様19に記載の方法において、


    工程(e)の溶剤は、エチレングリコールジアセテート、およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)からなる群から選択される、方法。


    (21) 実施態様17に記載の方法において、


    前記直鎖のポリアルキレングリコールは、工程(a)においてスズ触媒の存在下でポリカルボン酸と縮合されて、前記ポリエチレングリコールエステルポリオールを生成し、


    前記ポリエチレングリコールエステルポリオールは、工程(b)の前に、疎水性溶剤中で沈殿されるクエン酸/シリカ混合物によって前記スズ触媒を除去することによって精製される、方法。


    (22) ポリエチレングリコールエステルポリオールを製造する方法において、


    (a)スズ触媒の存在下で直鎖のポリアルキレングリコールをポリカルボン酸と縮合する工程であって、前記ポリカルボン酸が、前記ポリアルキレングリコールからのヒドロキシル基で終結され、これによりポリエチレングリコールエステルポリオールを形成する、工程と、


    (b)疎水性溶剤中で沈殿されるクエン酸/シリカ混合物によって前記スズ触媒を除去することによって前記ポリエチレングリコールエステルポリオールを精製する工程と、


    を含む、方法。


    (23) 実施態様22に記載の方法において、


    前記疎水性溶剤は、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、およびクロロホルムからなる群から選択される、方法。

    QQ群二维码
    意见反馈