UV硬化性シリコーン組成物及び当該組成物を含有する防塵コーティング組成物

申请号 JP2016542163 申请日 2014-12-22 公开(公告)号 JP6416913B2 公开(公告)日 2018-10-31
申请人 ダウ シリコーンズ コーポレーション; 发明人 ペン−フェイ・フー; エリック・モイヤー; ウェイ・ロン;
摘要
权利要求

UV硬化性シリコーン組成物であって、 (a)一般式: ((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b]y(SiO4/2)z (式中、各Rはエポキシ基であり、R1は、独立してアルキル基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b=y、0≦a≦y、及び0≦b≦yである) を有するシリコーン樹脂と、 (b)カチオン性光開始剤と、 を含む、UV硬化性シリコーン組成物。Rが3−グリシドキシプロピル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基から選択される3員オキシラン環を有するエポキシ基である、請求項1に記載のUV硬化性シリコーン組成物。前記UV硬化性シリコーン組成物が、1種以上のエポキシモノマー又はポリマーと混合される、請求項1又は2に記載のUV硬化性シリコーン組成物。前記UV硬化性シリコーン組成物が充填剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物。請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物を含む硬化組成物。基材が光学的に透明なシリコーン基材である、請求項5に記載の硬化組成物でコーティングされた基材。請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物を基材の表面にスプレーコーティング、ディップコーティング、又はスピンコーティングしてその上に液体コーティングを形成する工程、 前記液体コーティングを室温で乾燥する工程、及び 前記乾燥したコーティングを紫外線照射によって硬化する工程 を含む、防塵コーティングを調製する方法。請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物の硬化物である、防塵コーティング。請求項8に記載の防塵コーティングを含む物品であって、前記物品がLEDパッケージ、封止材、ランプ、発光体、又は光学物品である、物品。粉塵の引き付けを低減するために防塵コーティングとして光学的に透明な基材上に塗布される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物。基材を防塵コーティングでコーティングする方法であって、 a.請求項1〜4のいずれか一項に記載のUV硬化性シリコーン組成物を基材上に塗布して、その上に液体コーティングを形成する工程、及び b.前記液体コーティングを硬化して防塵コーティングを形成する工程を含み、前記防塵コーティングがHを超える鉛筆硬度を有する、方法。前記基材が、シリコーン系の成形可能なLED封入材又は二次光学物品である光学的に透明なシリコーン基材である、請求項11に記載の方法。前記防塵コーティングが、前記光学的に透明なシリコーン基材の硬度よりも高い硬度を有する、請求項12に記載の方法。硬化シリコーン防塵コーティング組成物を形成させる方法であって、 (a)一般式: ((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b]y(SiO4/2)z (式中、各Rはエポキシ基であり、R1は、独立してアルキル基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b=y、0≦a≦y、及び0≦b≦yである) を有するシリコーン樹脂を、 カチオン性光開始剤と混合して、UV硬化性シリコーン組成物を形成させる工程、 (b)前記UV硬化性シリコーン組成物を基材上に塗布して、その上に液体コーティングを形成する工程、及び (c)前記液体コーティングを紫外線照射によって硬化して、前記硬化シリコーン防塵コーティング組成物を形成させる工程、 を含む、方法。(a)一般式: ((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b]y(SiO4/2)z (式中、各Rはエポキシ基であり、R1は、独立してアルキル基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b=y、0≦a≦y、及び0≦b≦yである) を有するシリコーン樹脂と、 (b)カチオン性光開始剤と からなるUV硬化性シリコーン組成物の硬化物である、硬化シリコーン防塵コーティング組成物。

说明书全文

本出願は、2013年12月23日に出願された米国特許仮出願第61/920,378号、及び2013年12月26日に出願された米国特許仮出願第61/920,981号に対する優先権を主張するものであり、その内容はそれぞれ参照により本明細書に援用される。

本開示は、一般的に、紫外線硬化性(UV硬化性)シリコーン組成物及びかかるUV硬化性シリコーン組成物を調製する方法に関する。更に、本開示は、かかるUV硬化性シリコーン組成物を使用した防塵コーティング及びかかる防塵コーティングを形成する方法に関する。

UV硬化性シリコーン組成物は、LEDパッケージ、封止材、ランプ、発光体、光学物品等のためのシリコーン系物品のコーティングに使用されてもよく、粉塵の拾い上げを実質的に低減及び/又は排除し、シリコーン系物品の光学特性を改善する。

本発明における前述の利点及び他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することで明らかになるであろう。

本発明の方法を用いて形成された本明細書に詳述する実施例3の硬化試料のDMAサーモグラムである。

本発明の方法を用いて形成された本明細書に詳述する実施例4の硬化試料のDMAサーモグラムである。

本発明の方法を用いて形成された試験試料の粉塵適用前後の光透過率を示すグラフである。

本発明は、様々な変形例及び代替の形態が可能であり、具体的な実施形態は、図面において一例として示され、本明細書に詳細に記載されるであろう。本発明は、開示されている特定の形態に限定されることを意図するものではないと理解すべきである。むしろ、本発明は、本発明の趣旨及び範囲内において、全ての変形例、等価物、及び代替物を網羅するものである。

本明細書に記載の式において、Rはエポキシ基であり、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基であり、x+y+z=1である。シリコーン樹脂に関して、頭字語MQ、MTQ、MDQ等は、符号M、D、T、及びQに由来し、そのそれぞれは、Si−−O−−Si結合によって結合されるシロキサン単位を含有するシリコーン樹脂中に存在し得る異なる種類の構造単位の官能性を表す。一官能性(M)単位は(CH3)3SiO1/2を表す。二官能性(D)単位は(CH3)2SiO2/2を表す。三官能性(T)単位はCH3SiO3/2を表し、分枝線状シロキサンの形成をもたらす。四官能性(Q)単位は、SiO4/2表し、樹脂性シリコーン組成物の形成をもたらす。樹脂は、1文字で表されるシロキサン単位からなる。本明細書において、1つ以上の反応性基(例えば、エポキシ基、アクリレート基、チオール基、アルケニル基、ビニルエーテル基、アミノ基、フルオロ基、又はこれらの任意の組み合わせ)を有するシロキサン単位型は、1文字表記に「’」(プライム記号)を組み合わせて表記される。

本開示は、一般的に、UV硬化性シリコーン組成物及びかかるUV硬化性シリコーン組成物を調製する方法に関する。本開示のUV硬化性シリコーン組成物は、成形可能なシリコーン系物品のようなシリコーン系物品に、当該技術分野における任意のコーティング法を用いて塗布することができる。紫外線によるUV硬化性シリコーン組成物の硬化と同時に、シリコーン系物品上に防塵コーティングが形成され、粉塵の拾い上げを実質的に低減及び/又は排除し、シリコーン系物品の光学特性を改善する。

LEDパッケージ、封止材、ランプ、発光体(リフレクタ及び二次レンズ)、光学物品等にシリコーン系物品を使用すると、シリコーン系物品は、非常に高い表面抵抗を有する傾向があり、通常は柔軟な表面を有する。その結果、物品が静電気を蓄積しやすくなり、粉塵を引き付ける原因となる。これは次にまた、物品の光透過性を低下し、物品の光学性能(光出等)の低下を引き起こす。更に、粉塵によって遮断されたLED光が上記物品内に閉じ込められ、LEDチップ周囲の温度上昇を引き起こし、LEDデバイスの寿命を縮め、その信頼性を低下させる。更に、かかるシリコーン物品の清浄度を維持するためのコストが高い。本開示は、一般的に、かかるシリコーン系物品に防塵コーティングとして使用してもよく、シリコーン系物品の光学的特性及びその他の特性を改善してかかるシリコーン系物品に付随する粉塵引き付けの問題を解決する、UV硬化性シリコーン組成物を提供する。

本発明の1つの態様は、UV硬化性シリコーン組成物に関する。UV硬化性シリコーン組成物は、(1)一般式: ((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b(RR1R2SiO1/2)c]y(SiO4/2)z 式(1) (式中、各Rはエポキシ基であり、R1及びR2は、それぞれ独立してアルキル基又はアリール基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b+c=y、0≦a≦y、0≦b≦y、及び0≦c≦yである)を有するシリコーン樹脂(成分(a))と、(2)カチオン性光開始剤(成分(b))と、を含む。換言すれば、成分(a)は、エポキシシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂(成分(a))は、カチオン性光開始剤(成分(b))と混合されるか又は他の方法で組み合わされて、UV硬化性シリコーン組成物を生成してもよい。

シリコーン樹脂(成分(a))は、式((CH3)3SiO1/2)x(RSiO3/2)y(SiO4/2)zを有し、エポキシシリコーン樹脂は、MTEpQ型樹脂である。換言すれば、式(1)においてb及びcが0に等しい場合、樹脂はMT’Q型樹脂である。

シリコーン樹脂(成分(a))が式((CH3)3SiO1/2)x(RR1SiO2/2)y(SiO4/2)zを有する場合、エポキシシリコーン樹脂は、MDEpQ型樹脂である。換言すれば、式(1)においてa及びcが0に等しい場合、樹脂はMD’Q型樹脂である。

シリコーン樹脂(成分(a))が式((CH3)3SiO1/2)x(RR1R2SiO1/2)y(SiO4/2)zを有する場合、エポキシシリコーン樹脂は、MMEpQ型樹脂である。換言すれば、式(1)においてa及びbが0に等しい場合、樹脂はMM’Q型樹脂である。

各Rは、グリシドキシ基又は2−(3,4エポキシシクロヘキシル)基のようなエポキシ基であることが想到される。各Rはエポキシ基であり、したがって、成分(a)のシリコーン樹脂はエポキシシリコーン樹脂である。エポキシ基は、3員オキシラン環含有基であり、

(式中、Zは−CH2−、−(CH2)2−、(CH2)3−、−(CHMe−CH2CH2)−、及び−(CH2)4−が挙げられるがこれらに限定されない炭化素鎖であり、n=0、1、又は2である)等であってもよい。

本発明のUV硬化性シリコーン組成物に使用するための更なる好適なエポキシ基の例としては、限定するものではないが、3−グリシドキシプロピル,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。UV硬化性シリコーン組成物の形成における使用が想到されるエポキシシリコーン樹脂は、クロロシラン又はアルコキシシランの加水分解/縮合によって、又は当該技術分野においてエポキシシリコーン樹脂の形成法として既知の方法によって、製造できる。

UV硬化性シリコーン樹脂組成物は、エレクトロニクスにおいて、コンフォーマルコーティング、パッケージング、保護コーティング、及びパターニングに使用できる。

カチオン性光開始剤

UV硬化性シリコーン組成物における使用が想到されるカチオン性光開始剤(光酸発生剤とも呼ばれる)は、UV光に曝露すると化学線分解を起こす化学物質である。この分解により、活性カチオン種及びアニオン種が発生する。換言すれば、カチオン性光開始剤は、活性カチオン種とアニオン種とを含む。一般的に、カチオン種は、エポキシ開環重合を誘発して架橋網状構造を形成することができる非常に強いプロトン(H+)である。いくつかの実施形態において、カチオン種はオニウム塩を含む。オニウム塩としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、又はテトラアリールホスホニウム塩が挙げられる。いくつかの実施形態において、アニオン種は、BF4、PF6、AsF6、SbF6、及び(C6F5)4Bの群から選択される。カチオン性光開始剤は、UV硬化性シリコーン組成物中に約0.1重量部〜約2重量部(UV硬化性シリコーン組成物100重量部を基準として)で存在してもよいことが想到される。別の実施形態において、カチオン性光開始剤は、約1重量部(UV硬化性シリコーン組成物100重量部を基準として)で存在してもよいことが想到される。

生成するUV硬化性シリコーン組成物

UV硬化性シリコーン組成物は、任意選択的に、1種以上の有機系又はシリコーン系エポキシモノマー又はポリマーと混合されてもよい。これは、UV硬化性シリコーン組成物を希釈する。これにより、UV硬化性シリコーン組成物を、架橋密度、接着特性、及び配合物粘度を含めて、所望の用途又は使用に合わせて調節することができる。

あるいは又は追加的に、UV硬化性シリコーン組成物の粘度を調節するため、UV硬化性シリコーン組成物を1種以上の有機溶媒若しくはその他の好適な溶媒、又は1種以上の有機溶媒若しくはその他の好適な溶媒の混合物と混合してもよい。これは、UV硬化性シリコーン組成物の特性、例えば、コーティング特性を、所望の用途又は使用に合わせて調節するために実施されてもよい。必須ではないが、溶媒は、一般的に、高沸点(>80℃)の有機溶媒であり、PGMEA、PGME、2−ヘプタノン、キシレン、及びこれらの組み合わせから選択されてもよい。

あるいは又は追加的に、UV硬化性シリコーン組成物は、1種以上の充填剤を含んでもよい。本発明のUV硬化性シリコーン組成物への使用に好適な充填剤の例としては、限定するものではないが、シリカ、金属酸化物等が挙げられる。充填剤は、UV硬化性シリコーン組成物の特性、例えば、コーティング特性を、所望の用途又は使用に合わせて調節するために使用されてもよい。

UV硬化性シリコーン組成物は、UV硬化性シリコーン組成物の所望の物理的及び化学的特性を必要に応じて修正するための1種以上の添加剤も含有してもよい。添加剤は、典型的には、架橋網目構造に組み込まれず、典型的には比較的少量で使用される。かかる添加剤が含まれる場合、かかる添加剤としては、限定するものではないが、安定剤、接着促進剤、離型剤、及びこれらの組み合わせから選択されるものが挙げられる。安定剤は、貯蔵中のUV硬化性シリコーン組成物のゲル化、及び塗布後の低レベルの光曝露による早期硬化を防止するために使用される。接着促進剤、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは、基材の表面接着を改善するために使用される(以下に詳述)。離型剤は、種々の技法に伴う接触面の表面エネルギーを低下するために使用される。

UV硬化性シリコーン組成物の使用

シリコーン樹脂(成分(a))とカチオン性光開始剤(成分(b))が混合されてUV硬化性シリコーン組成物を生成した後、UV硬化性シリコーン組成物を基材に塗布してもよい。基材は、光学的に透明なシリコーン基材、ガラス基材、金属基材、又はプラスチック基材であってもよい。UV硬化性シリコーン組成物は、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング等の任意の好適なコーティング方法を用いて基材の表面に塗布されて、その上に液体コーティングを形成してもよい。液体コーティングは、所望の用途に合わせた任意の厚さとすることができる。基材に塗布した後、液体コーティングを、溶媒を使用している場合には乾燥して(例えば室温で)、液体コーティングを紫外線放射によって硬化して、液体コーティングを固めて硬化シリコーン防塵コーティング組成物(本明細書で防塵コーティングとも呼ばれる)を形成してもよい。防塵コーティングは、薄く硬い材料の層である。本発明の防塵コーティングは、様々な種類の物品に使用できる。

本明細書に記載のUV硬化性シリコーン組成物は、LEDパッケージ、封止材、ランプ、発光体、及び/又は二次光学物品のような光学物品等のシリコーン系物品に塗布又は組み込まれてもよい。光学的に透明なシリコーン基材を使用する場合、光学的に透明なシリコーン基材は、シリコーン系の成形可能なLED封止材又は二次光学物品であってもよい。

本発明の防塵コーティング及びかかる防塵コーティング形成の関連方法は、粉塵の拾い上げ(粉塵引き付け)を実質的に低減及び/又は排除し、それが塗布されているシリコーン系物品の光学特性を改善するという点で有利である。防塵コーティングは、ASTM D3363−05(2011)e2(「Standard Test Method for Film Hardness by Pencil Test」)に従って測定したときに、Hを超える鉛筆硬度を有する。鉛筆硬度スケールで測定した場合、防塵コーティングは、約1H〜約9Hの範囲の硬度を有する。いくつかの別の実施形態において、防塵コーティングは、約2H〜約7Hの範囲の硬度を有する。なお更なる実施形態において、防塵コーティングは、約3H〜約6Hの範囲の硬度を有する。

硬化前のUV硬化性シリコーン組成物は、ブルックフィールド粘度計を使用して測定したときに、<20,000cpの粘度を有する。硬化後の防塵コーティングは、250℃、窒素下、1時間で1重量%未満の損失という高い熱安定性も有する。基材がシリコーン基材の場合、本明細書に記載の防塵コーティングは、シリコーン基材の硬度、及び使用した場合には光学的に透明なシリコーン基材の硬度よりも高い硬度を有する。防塵コーティングはまた、シリコーン系物品と同等又はより低い表面エネルギーを有し、シリコーン系物品の表面に容易に広げることができる。本明細書に記載の防塵コーティングは、無溶媒でもあり、それ故、様々な溶媒取扱い上の問題が排除され、PDMS膨潤問題が避けられる。

本発明は、様々な変形及び代替形態が可能であり、具体的な実施形態は、本明細書において一例として示され、本発明は、開示されている特定の形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明は、本発明の趣旨及び範囲内において、全ての変形例、等価物、及び代替物を網羅することを意図する。

これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。特に反対の記載がない限り、実施例中の全ての部及び百分率は、重量基準であり、全ての測定値は、約23℃における測定値を示した。

一般的な方法及び測定値

配合物を、デンタルカップミキサーSpeedMixer型番DAC 150FVZ、(FlackTek,Inc.(Landrum,South Carolina)より入手可能)を使用して混合した。最終配合物の粘度を、ブルックフィールド粘度計(型番DV−E Viscometer)を使用して測定した。配合物を、コーティング厚20μm用のドローダウンバーを使用して、ガラス基材の上にコーティングした。コーティングを、Fusion Systems Corporation(Decatur,Georgia)製の装置(モデル:31983−E)を使用したUV放射(線量1J)の下、基材上で硬化した。UV放射の保持時間は、ベルトの速度によって制御した。UV線量は、UV線量計を移動UVチャネルに通すことによって測定した。コーティングの鉛筆硬度は、ASTM D3363−05に従って測定した。弾性率及び硬度の試験については、Berkovichチップ及び100nmの公称押し込み深さを使用して各試料につき5回の圧子押し込みを実施した。各圧子押し込みは、10秒間の負荷サイクルに続く10秒間の除荷サイクルからなった。弾性率及び硬度は、OliverとPharrの方法(Oliver,W.C.and Pharr,G.M.,J.Mater.Res.1992、7、1564−83)に従って除荷曲線を解析することによって決定した。除荷曲線を、その最大値の20〜95%で当てはめた。動的粘弾性測定(DMA)は、振幅10μmの単一片持ちクランプを使用して、1Hzの周波数で実施した。試料は最初に20℃で平衡化し、その後3℃/分の速度で250℃まで昇温した。実施例では、エポキシ基に以下の略称を使用する:CHEpは2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基であり、GEpは3−グリシドキシプロピル基である。

実施例1:配合物1の合成

アンバーのデンタルミキサーカップに、M0.31TCHEp0.17Q0.52の構造(29Si−NMRで同定)を有するエポキシシリコーン樹脂99.0g、及びCraig Adhesive and Coating Co.(Newark,NJ)からUV9390Cの名称で市販されているヘキサフルオロアンチモン酸ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウムを30〜60重量%含有するPAG 1.0gを加えた。混合物を、デンタルミキサー(型番DAC 150FVZ)で混合した。配合した液体材料を、ガラススライドの表面上に流延するか又は枠付きのステンレス鋼ケースに流し込んだ。次いで、液体材料を、UV放射(UV広帯域、線量1J)の下で、室温(RT)にて硬化した。硬化した試料を、下記に詳述するように試験した。結果を下の表Aに示す。

実施例2:配合物2の合成

アンバーのデンタルミキサーカップに、M0.31TCHEp0.17Q0.52の構造(29Si−NMRで同定)を有するエポキシシリコーン樹脂45.0g、ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン45g、テトラキス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシロキシ]シラン6g、[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン3g、及びUV 9390C 1.0gを加えた。混合物を、デンタルミキサー(型番DAC150FVZ)で混合した。配合した液体材料を、ガラススライドの表面上に流延するか又は枠付きのステンレス鋼ケースに流し込んだ。次いで、液体材料を、UV放射(UV広帯域、線量1J)の下で、室温にて硬化した。硬化した試料を、下記に詳述するように試験した。結果を下の表Aに示す。

実施例3:配合物3の合成

アンバーのデンタルミキサーカップに、M0.32TGEp0.16Q0.52の構造(29Si−NMRで同定)を有するエポキシシリコーン樹脂99.0g及びUV 9390C 1.0gを加えた。混合物を、デンタルミキサー(型番DAC150FVZ)で混合した。配合した液体材料を、ガラススライドの表面上に流延するか又は枠付きのステンレス鋼ケースに流し込んだ。次いで、液体材料を、UV放射(UV広帯域、線量1J)の下で、室温(RT)にて硬化した。硬化した試料を、下記に詳述するように試験した。結果を下の表Aに示す。実施例3の硬化試料のDMAサーモグラムを図1に示す。図1に示すように、UV硬化した材料は、23℃で700MPaを超え、250℃で300MPaを超える高い貯蔵弾性率を示す。

実施例4:配合物4の合成

アンバーのデンタルミキサーカップに、M0.32TGEp0.16Q0.52の構造(29Si−NMRで同定)を有するエポキシシリコーン樹脂45.0g、ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン45g、テトラキス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルシロキシ]シラン6g、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン3g、及びUV 9390C 1.0gを加えた。混合物を、デンタルミキサー(型番DAC 150FVZ)で混合した。配合した液体材料を、ガラススライドの表面上に流延するか又は枠付きのステンレス鋼ケースに流し込んだ。次いで、液体材料を、UV放射(UV広帯域、線量1J)の下で、室温にて硬化した。硬化した試料を、下記に詳述するように試験した。結果を下の表Aに示す。実施例4の硬化試料のDMAサーモグラムを図2に示す。図2に示すように、UV硬化した材料は、23℃で高い貯蔵弾性率(約700MPa)を示し、250℃でわずか80MPaへの大幅な低下を示す。

実施例5〜7:配合物5〜7の合成

アンバーのデンタルカップミキサーに、表Aに示す構造を有するエポキシシリコーン樹脂9.9gと、UV 9390C 0.1gとを加えた。混合物を、デンタルミキサー(型番DAC 150FVZ)で混合した。配合した液体材料を、ガラススライドの表面上に流延するか又は枠付きのステンレス鋼ケースに流し込んだ。次いで、液体材料を、UV放射(UV広帯域、線量1J)の下で、室温にて硬化した。硬化した試料を、下記に詳述するように試験した。結果を下の表Aに示す。

実施例1〜7のまとめ

実施例1〜7で生成したエポキシシリコーン樹脂配合物の結果のまとめを表Aに示す。

実施例8〜10:防塵コーティングとしてPDMSベースのLED封止シート上に((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2)b(RR1R2SiO2)c]y(SiO2)zを含有するUVコーティング配合物

一般式: ((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2)b(RR1R2SiO2)c]y(SiO2)z を有するシリコーン樹脂をカチオン性光開始剤と混合して、表Bに記載のUV硬化性シリコーン組成物を生成した:

暗室灯条件下で、表Bに記載のUV硬化性シリコーン配合物を、透明なPDMS系LED封止シートMS−1002(寸法:5.08cm×5.08cm×3.81cm)の表面上に、ドローダウンバーを使用して5μm厚のコーティングに広げた。シートをベルトの上に置き、次いで、最上部のコーティング層をUV放射(線量1J)下で硬化した。

防塵試験:Ashrae試験粉塵#2を防塵試験に使用した。その粉塵組成を表C及びDに示す。試験は、粉塵ASHRAE Test Dust #2(http://www.powdertechnologyinc.com/product/ashrae−test−dust−2)を用いて、NSI/ASHRAE52.2Pに従って実施した。50gの粉塵を収容する粉塵チャンバ内に試験試料を個別に置くことによって、試験試料のコーティング側に粉塵を適用した。チャンバを封止し、各試験試料を別々に30秒間の振盪に供した。

粉塵適用の前及び後の光透過率を、Konika Minolta分光計CM−5を用いて測定した。結果を図3に示す。基準の光学的測定は、PDMS系LED封止シートMS−1002(寸法:5.08cm×5.08cm×3.81cm)を対照試料として実施した。より具体的には、図3に見られるように、粉塵を、樹脂コーティングなしの当初(対照)試料(実施例8)に適用した後、透過率値は100%から81.6%に低下した。比較して、透過率値は、PDMS系LED封止シートMS−1002のシリコーンコーティングあり(実施例9)では100%から96.2%まで、シリコーン樹脂コーティングあり(実施例10)では100%から95.9%までしか低下しなかった。換言すれば、実施例8に粉塵を適用した後、透過率値は18.36%低下した。比較して、防塵コーティングを含有する試料(実施例9及び10)では、透過率値の低下は4%未満であった。全体として、図3に見られるように、防塵コーティングありの試料(実施例9及び10)は、防塵コーティング試料なしの試料(実施例8)よりもはるかに優れた透過率値を維持した。 別の態様

1.UV硬化性シリコーン組成物であって、(a)一般式:((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b(RR1R2SiO1/2)c]y(SiO4/2)z(式中、各Rはエポキシ基であり、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b+c=y、0≦a≦y、0≦b≦y、及び0≦c≦yである)を有するシリコーン樹脂と、(b)カチオン性光開始剤と、を含む、UV硬化性シリコーン組成物。

2.Rが3員オキシラン環を有するエポキシ基である、態様1に記載のUV硬化性シリコーン組成物。

3.Rが3−グリシドキシプロピル基又は2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基から選択される3員オキシラン環を有するエポキシ基である、態様1又は2に記載のUV硬化性シリコーン組成物。

4.上記UV硬化性シリコーン組成物が1種以上の有機溶媒と混合される、態様1〜3のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物。

5.上記UV硬化性シリコーン組成物が1種以上のエポキシモノマー又はポリマーと混合される、態様1〜4のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物。

6.上記UV硬化性シリコーン組成物が充填剤を含む、態様1〜5のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物。

7.態様1〜6のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物を含む硬化組成物。

8.態様7に記載の硬化組成物でコーティングされた基材。

9.上記基材が光学的に透明なシリコーン基材である、態様8に記載の基材。

10.態様1〜6のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物を基材の表面にスプレーコーティング、ディップコーティング、又はスピンコーティングしてその上に液体コーティングを形成する工程、上記液体コーティングを室温で乾燥する工程、及び乾燥したコーティングを紫外線照射によって硬化する工程を含む、防塵コーティングを調製する方法。

11.態様10に記載の方法によって調製される、防塵コーティング。

12.態様11に記載の防塵コーティングを含む物品。

13.LEDパッケージ、封止材、ランプ、発光体、又は光学物品である、態様12に記載の物品。

14.粉塵の引き付けを低減するために防塵コーティングとして光学的に透明な基材上に塗布される、態様1〜6のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物。

15.(a)態様1〜6のいずれか1つに記載のUV硬化性シリコーン組成物を基材上に塗布してその上に液体コーティングを形成する工程と、(b)上記液体コーティングを硬化して防塵コーティングを形成する工程と、を含む、基材を防塵コーティングでコーティングする方法であって、上記防塵コーティングがHを超える鉛筆硬度を有する、方法。

16.上記基材が光学的に透明なシリコーン基材である、態様15に記載の方法。

17.上記防塵コーティングが、光学的に透明なシリコーン基材の硬度よりも高い硬度を有する、態様16に記載の方法。

18.上記光学的に透明なシリコーン基材が、シリコーン系の成形可能なLED封入材又は二次光学物品である、態様16に記載の方法。

19.硬化シリコーン防塵コーティング組成物を生成する方法であって、(a)一般式:((CH3)3SiO1/2)x[(RSiO3/2)a(RR1SiO2/2)b(RR1R2SiO1/2)c]y(SiO4/2)z(式中、各Rはエポキシ基であり、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル基又はアリール基であり、x、y、z>0、x+y+z=1、a+b+c=y、0≦a≦y、0≦b≦y、及び0≦c≦yである)を有するシリコーン樹脂を、カチオン性光開始剤と混合してUV硬化性シリコーン組成物を形成する工程、及び(b)上記UV硬化性シリコーン組成物を基材上に塗布して、その上に液体コーティングを形成する工程、及び(c)上記液体コーティングを紫外線照射によって硬化して、硬化シリコーン防塵コーティング組成物を生成する工程、を含む方法。

20.態様19に記載の方法を用いて形成された、硬化シリコーン防塵コーティング組成物。

本発明は、様々な変形例及び代替物を作製しやすいが、具体的な実施形態は、図面において一例として示され、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示されている特定の形態に限定されることを意図するものではないと理解すべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されている通り本発明の趣旨及び範囲内の全ての変形例、等価物、及び代替物を網羅するものである。

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