リン酸エステル誘導体に基づく分散剤

申请号 JP2014516212 申请日 2012-05-04 公开(公告)号 JP5931191B2 公开(公告)日 2016-06-08
申请人 ビイク−ヒエミー ゲゼルシャフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング; BYK−Chemie GmbH; 发明人 ベアント ゲーベルト; ルネ ナーゲルスディーク; ユルゲン オーマイス; フレデリク ピーステアト; ヴォルフガング プリッチンス; ナターザ メツナリク; ダニエラ シュレーダー; ヴェアナー ティーグス;
摘要
权利要求

一般式(I) Y(−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1)q (I) [式中、 Yは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜1000個の炭素原子を有する、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、前記有機基が、ポリエーテル基、ポリエステル基及び炭化素基からなる群から選択される少なくとも1の基である qは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜10の整数によって表され、 R1は、同じであるか又は異なっており、並びにトルイレン基又はイソホロニレン基によって表され、 Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH又はNZ2によって表され、ここで、Z2は、同じであるか又は異なっており、並びに任意にエーテル基を含む、C1〜C50炭化水素基又は一般式(III) R4−O−PO(OH)2 (III) [式中、 R4は、同じであるか又は異なっており、並びに飽和線状C2〜C40アルキレン基によって表される]に従って存在する基によって表され、 Z1は、同じであるか又は異なっており、並びに−R2−ポリリン酸基又は−R2−O−R2−ポリリン酸基である、ここで、R2は、2〜12個の炭素原子を有する分岐した又は分岐していないアルキレン基である]に従って存在するリン酸エステル誘導体又はその混合物。qが、同じであるか又は異なっており、並びに1〜5の整数によって表されることを特徴とする、請求項1記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。qが、同じであるか又は異なっており、並びに1及び/又は2によって表されることを特徴とする、請求項2記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。qが1によって表されることで、一般式(Ia) Y−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1 (Ia) [式中、 Yは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜1000個の炭素原子を有する、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、前記有機基が、ポリエーテル基、ポリエステル基及び炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1の基である R1は、同じであるか又は異なっており、並びにトルイレン基又はイソホロニレン基によって表され、 Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH又はNZ2によって表され、ここで、Z2は、同じであるか又は異なっており、並びに任意にエーテル基を含む、C1〜C50炭化水素基又は一般式(III) R4−O−PO(OH)2 (III) [式中、 R4は、同じであるか又は異なっており、並びに飽和線状C2〜C40アルキレン基によって表される]に従って存在する基によって表され、 Z1は、同じであるか又は異なっており、並びに−R2−ポリリン酸基又は−R2−O−R2−ポリリン酸基である、ここで、R2は、2〜12個の炭素原子を有する分岐した又は分岐していないアルキレン基である]に従ったリン酸エステル誘導体又はその混合物が存在することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。Yが、計1〜450個のエーテル酸素原子を含むことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。該エーテル酸素原子は、ポリテトラヒドロフラン、ポリオキセタン及び/又はポリオキシランに由来する、エーテル酸素原子を有する基に含まれていることを特徴とする、請求項5記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。Yが、計3〜400個のエーテル酸素原子を含み、ここで、該エーテル酸素原子の少なくとも50モル%が、エチレンオキシド構造単位及び/又はプロピレンオキシド構造単位に存在することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。該エーテル酸素原子の少なくとも80モル%が、エチレンオキシド構造単位及び/又はプロピレンオキシド構造単位に存在することを特徴とする、請求項7記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。塩にされた又は部分的に塩にされた形で存在する、請求項1から8までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物。第1の工程段階で、ジイソシアネートR1(NCO)2を、アルコールY(−OH)qと反応させ、一般式(IV) Y(−O−CO−NH−R1−NCO)q (IV) のウレタンを形成し、そして第2の工程で、該一般式(IV)のウレタンを、少なくとも1個のヒドロキシル基並びに基Xを有するアミンと反応させて、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する尿素ウレタンにし、ここで、第3の工程で、該尿素ウレタンの少なくとも1個のヒドロキシル基を反応にかけてリン酸エステル基にし、ただし、 Yは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜1000個の炭素原子を有する、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、前記有機基が、ポリエーテル基、ポリエステル基及び炭化水素基からなる群から選択される少なくとも1の基である qは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜10の整数によって表され、 R1は、同じであるか又は異なっており、並びにトルイレン基又はイソホロニレン基によって表され、 Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH又はNZ2によって表され、ここで、Z2は、同じであるか又は異なっており、並びに任意にエーテル基を含む、C1〜C50炭化水素基又は一般式(III) R4−O−PO(OH)2 (III) [式中、 R4は、同じであるか又は異なっており、並びに飽和線状C2〜C40アルキレン基によって表される]に従って存在する基によって表されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物の製造法。トルエン−2,4−ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートを用い、これを1つ目の工程で、アルコールY(−OH)qに対して、少なくとも(1.1 × qの算術平均値):1.0のモル比で用いることで、前記一般式(IV)のウレタンへと反応しなかったジイソシアネートが生じ、これを前記第2の工程の実施前に反応混合物から除去し、そして前記第3の工程で、ポリリン酸を、前記尿素ウレタンの少なくとも1個のヒドロキシル基の反応のために用いることを特徴とする、請求項10記載の方法。1つ目の工程で、トルエン−2,4−ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートをアルコールY(−OH)qに対して、少なくとも(2.0 × qの算術平均値):1.0のモル比で用い、前記一般式(IV)のウレタンへと反応しなかったジイソシアネートを前記第2の工程の実施前に蒸留によって反応混合物から除去する、前記請求項11記載の方法。前記第1の工程段階で、アルコールとしてモノアルコールY−OHを使用すること、及び前記ジイソシアネートR1(NCO)2を前記モノアルコールY−OHに対して、少なくとも1.1:1.0のモル比で用いることを特徴とする、請求項11又は12記載の方法。前記ジイソシアネートR1(NCO)2を前記モノアルコールY−OHに対して、少なくとも2.5:1のモル比で用いることを特徴とする、請求項13記載の方法。a.請求項4記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物10〜100質量%、 b.一般式Y−O−CO−NH−R1−NH−CO−O−Yに従ったジウレタン0〜10質量%、ここで、Yは、同じであるか又は異なっている、 c.一般式Z1−X−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1に従ったジウレア0〜10質量%、ここで、Z1は、同じであるか又は異なっている、 d.一般式Y−O−CO−NH−R1−NCOに従ったウレタン0〜8質量% を含む、コーティング、プラスチック、顔料ペースト、シーラント、セラミック、化粧品、接着剤、封止用コンパウンド、フィラー、印刷用インキ又はインキのための、添加剤配合物。添加剤としての、コーティング中での、プラスチック、顔料ペースト、シーラント、セラミック、化粧品、接着剤、封止用コンパウンド、フィラー、印刷用インキ又はインキ中での、請求項1から9までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物又は請求項15記載の添加剤配合物の使用。湿潤/分散剤としての請求項16記載の使用。塗料中での請求項16又は17記載の使用。請求項1から9までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物又は請求項15記載の添加剤配合物で処理されている粒子又は繊維を含む固体混合物。請求項1から9までのいずれか1項記載のリン酸エステル誘導体又はその混合物又は請求項15記載の添加剤配合物を含む塗料又はプラスチック。

说明书全文

本発明は、リン酸エステル誘導体、その製造法及びその使用、添加剤配合物及びその使用、固体混合物、塗料及びプラスチックに関する。

液体に溶解又は分散して存在する湿潤剤は、表面張若しくは界面張力を下げ、その結果、液体の湿潤能を高める。このように、湿潤剤は、多くの場合、まずもって表面湿潤を可能にする。

分散剤は、一般的に、バインダー、塗料、顔料ペースト、プラスチック及びプラスチック混合物、接着剤及びシーラント中での固体粒子の安定化のために、相応する系の粘度の減少のために並びに流動特性の改善のために適している。分散安定剤が、すでに作製された分散液の安定化のために用いられる。

固体を液状媒体に導入し得るためには、高い機械的な力が必要とされる。分散力を低下させるために、及び固体粒子の解膠のために必要な系への全エネルギー投入量ひいては分散時間も可能な限り僅かに保つために分散剤がよく用いられる。このような分散剤の場合、アニオン性構造、カチオン性構造及び/又は中性構造の表面活性物質が挙げられる。これらの物質は、少量で固体に直接施与されるか又は分散媒体に加えられる。さらに、固体凝集物の完全な解膠後も、一次粒子において(分散プロセス後に)再凝集が起こりえ、それによって、分散に係る作業が部分的又は完全に台無しにされる。不十分な分散若しくは再凝集の結果として、典型的には、液状系における粘度上昇、塗料及びコーティング中での色相のずれ及び光沢損失並びにプラスチック中での機械的強度及び材料均一性の低下といった不所望な効果につながる。

湿潤/分散剤として、実地においては、様々な化合物種が考慮される。これは、分散されるべき、顔料、フィラー並びに繊維といった種々の粒子と組み合わされた様々なバインダーに特に基づいている、多数の異なる系が存在していることによっている。

EP1837355Aは、ウレトジオン基への付加によって製造可能である、分岐したビウレット基含有付加体に関する。このような付加体は、たしかに、実証済みの分散剤であるが、しかしながら、品質特性、相容性、溶解性及び粘性に関して、通例は最適なものではない。

US5,130,463A並びにDE19529242は、それぞれ、特別なリン酸エステルを湿潤/分散剤として用いることに関する。前述のリン酸エステルは、塩基性表面を有する固体の分散のために一般的に適している。とは言っても、これらのリン酸エステル中では、多くの分散タスクにとっての最適かつ完全な溶解が、なかでも、分散されるべき固体に対する一般性が制限されていることに基づき見られない。

したがって、本発明の基礎をなしている課題は、塩基性表面を有する固体の分散のために特に良く適している高品質並びに可能な限り幅広く用いることが可能な分散剤を提供することであった。

この課題を解決するものは、一般式(I) Y(−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1)q (I) [式中、 Yは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜1000個の炭素原子を有する、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、 qは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜10の整数によって表され、 R1は、同じであるか又は異なっており、並びに6〜20個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、 Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH及び/又はNZ2によって表され、ここで、Z2は、同じであるか又は異なっており、並びに分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、 Z1は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも2個の炭素原子を含む、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の、少なくとも1個のリン酸エステル基を有する有機基である]に従って存在するリン酸エステル誘導体である。

"同じであるか又は異なっており"との言い回しは、それぞれの数、それぞれの基、置換基若しくは分子成分が、同じ一般式の(高)分子内でも、異なる(高)分子種間でも変化してよいことを意味する。

Yは、一般式(I)中で、1〜10個の置換基−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1を有する有機基と見なされる。通常、Yは、少なくともq個の炭素原子を含み、ここで、Yの個々の炭素原子には最大1個の置換基−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1が結合している。

本発明によるリン酸エステル誘導体は、分散されるべき固体の幅広い範囲に対して良好な分散作用を有することで際立っている。これは中でも、塩基性表面を有する固体を特に良好に分散させることができるのみならず、中性表面を有する固体及び酸性表面を有する固体でさえも効果的に分散させることができるという点でわかる。

それに従って、本発明によるリン酸エステル誘導体は、特に高い品質を備えており、かつ全般的に湿潤/分散剤として用いることが可能である。さらに、本発明によるリン酸エステル誘導体は、極性バインダー系においてと同様、非極性バインダー系においても大いに効果的に用いることができ、その際、湿潤/分散剤として若しくは分散安定剤として顕著な相容性を示すと言い表すことができる。これは、非常に多岐に亘ったバインダー及びコーティング材料と組み合わせて大いに効果的に用いられることを保証する。さらに、本発明によるリン酸誘導体は、ペースト、殊に顔料ペースト、若しくはこれらのペーストを用いて製造されたバインダーとのフロキュレーションのない混和性を可能にする。そのうえまた、本発明によるリン酸誘導体は、分散安定剤として、殊にエマルション安定剤として適している。本発明によるリン酸誘導体を用いることによって、取り込まれた粉砕物の粘度は分散の間に明らかに減らされ、このようにして、高い固体割合を有する調製物の製造が可能になる。このようにして、より良好な環境適合性のために(揮発性)溶媒を減らすことができる。要約すると、本発明によるリン酸エステル誘導体は、顔料又はフィラーを良好に安定化させるとともに、相応する塗料、ペースト又はプラスチック調製物の粉砕物粘度を、硬化塗料の耐性に悪影響を及ぼすことなく、高い充填度での加工が可能になるまで下げると言い表すことができる。つまりは、本発明によるリン酸エステル誘導体は、経済的に製造可能であり、かつ一般に入手可能な出発物質に基づいていると言及される。

本発明はまた、本発明によるリン酸エステル誘導体の製造法に関し、この方法では、第1の工程段階で、ジイソシアネートR1(NCO)2を、一般式(IV) Y(−O−CO−NH−R1−NCO)q (IV) のウレタンを形成させながら、アルコールY(−OH)qと反応させ、そして第2の工程で、一般式(IV)のウレタンを、少なくとも1個のヒドロキシル基並びに基Xを有するアミンと反応させて、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する尿素ウレタンにし、ここで、第3の工程では、尿素ウレタンの少なくとも1個のヒドロキシル基を反応にかけてリン酸エステル基にし、ただし、Y、q、R1並びにXは、前で定義した意味を有する。

本発明の有利な実施態様においては、qは、同じであるか又は異なっており、かつ1〜5の整数、有利には1及び/又は2によって表される。

パラメータqによって、リン酸誘導体分子の構造が予め決定される。qが、同じであるか又は異なっていてよいという事は、そのつどqの値によって区別される異なる種の混合物も用いることができることを意味する。

q>1、例えばq=2〜5の種は、通例、殊に耐沈殿挙動を改善するのに対して、より低い"q値"、殊にq=1の種は、たいていの場合、殊に解膠挙動に一層寄与する。一般に、qが大きければ大きいほど、それだけ一層、分子当たりの尿素基が多くなり、ふつうは固体表面への分子の付着力が増すことになる。

解膠の最適化のためには、適切には(場合により排他的に)q=1の種を用いることが望ましい。

したがって、本発明の特に有利な実施態様においては、qは1によって表され、そうして一般式(Ia) Y−O−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1 (Ia) [式中、 Yは、同じであるか又は異なっており、並びに1〜1000個の炭素原子を有する、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、 R1は、同じであるか又は異なっており、並びに6〜20個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、 Xは、同じであるか又は異なっており、並びにNH及び/又はNZ2によって表され、ここで、Z2は、同じであるか又は異なっており、並びに分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の有機基によって表され、 Z1は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも2個の炭素原子を含む、分岐した又は分岐していない、飽和又は不飽和の、少なくとも1個のリン酸エステル基を有する有機基である]に従ったリン酸エステル誘導体が存在する。

一般式(Ia)によって、本発明の極めて有利な実施形態が表され、その際、相応するリン酸エステル誘導体の製造は、特に有利な手法で、相応するモノアルコールY−OHに基づいて行われる(後続の記載を参照)。qが1である、したがって、一般式(Ia)に従って存在するリン酸誘導体を用いることは、通例、殊に湿潤/分散剤の強い解膠作用が求められる場合に推奨される。

たいていの場合、本発明によるリン酸エステル誘導体のYは、少なくとも1つのポリエーテル基、ポリエステル基、炭化素基及び/又はポリシロキサン基を含む。Yは、上述の種類の基の1つを含むだけでなく、しばしば該基の複数をしばしば含む。

本発明による方法で用いられるアルコールY(−OH)qは、付加的なヘテロ原子、例えばO、S、Si及び/又はNを有してよく、若しくはエーテル基、ウレタン基、カーボネート基、アミド基、尿素基及び/又はエステル基を含んでよい。場合により、Y基においては、水素がハロゲン(例えばフッ素及び/又は塩素)で置換されている。Y基は、更なる基、例えばC=C二重結合を持っていてよく、これらは付加生成物の形成時に不活性に挙動する。場合により存在するエステル、エーテル、ウレタン、カーボネート及び/又はシロキサン基は、ブロック構造として存在してよく(例えばポリ(エチレンオキシドブロック−プロピレンオキシドブロック−ε−カプロラクトン)、勾配を形成するか又はランダムに配置されていてもよい。

Yに含まれていてよいエーテル基若しくはポリエーテルに関して: Y−(OH)qとして、モノヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエーテル又はポリヒドロキシポリエーテルも用いることができる。これらは、例えば、前述のY−(OH)qとして記載した化合物、例えばアルコール、シクロアルカノール、フェノールを、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、脂肪族又は芳香族のグリシドエーテル、例えばイソプロピルグリシドエーテル、ブチルグリシドエーテル、アリルグリシドエーテル、2−エチルヘキシルグリシドエーテル、クレジルグリシドエーテル及びフェニルグリシドエーテルでアルコキシル化することによって調製することができる。これらの原料の混合物も用いることができる。混合ポリエーテルの場合、これらは、ランダムで、勾配形として又はブロックとして配置されていてよい。 これらのポリエーテルは、約100〜25000、特に、しばしば150〜15000、特に、典型的には200〜10000g/モルの範囲の数平均分子量(Mn)をしばしば有する。 有利なのは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びそれらの混合物に基づくポリエーテルである。

例は、ヒドロキシ官能性ビニル化合物、例えばヒドロキシブチルビニルエーテル、モノヒドロキシ官能性ポリオキシアルキレンモノアルコール、例えばアリルポリエーテル(例えばClariant AGのポリグリコール A 350、ポリグリコール A 500、ポリグリコール A 1100、ポリグリコール A 11−4、ポリグリコール A 20−10若しくはポリグリコールA 20−20又はBASF AGのPluriol(R)A 010 R、Pluriol(R)A 11 RE、Pluriol(R)A 13 R、Pluriol(R)A 22 R若しくはPluriol(R)A 23 R)、ビニルポリエーテル(例えばClariant AGのポリグリコール V 500、ポリグリコール V 1100又はポリグリコール V 5500)、メタノールを出発点としたポリオキシエチレンモノアルコール(例えばBASF AGのPluriol(R)A 350 E、Pluriol(R)A 500 E、Pluriol(R)A 750 E、Pluriol(R)A 1020 E、Pluriol(R)A 2000 E又はPluriol(R)A 5010 E)、アルカノールを出発点としたポリオキシプロピレンものアルコール(例えばClariant AGのポリグリコール B01/20、ポリグリコール B01/40、ポリグリコール B01/80、ポリグリコール B01/120若しくはポリグリコール B01/240又はBASF AGのPluori(R) A 1350 P若しくはPluori(R)A 2000 P)及び種々の脂肪アルコールを出発点とし、様々な程度のアルコキシル化度を有するポリアルコキシレート(BASF SEの商品名Lutensol(R)A、Lutensol(R)AT、Lutensol(R)AO、Lutensol(R)TO、Lutensol(R)XP、Lutensol(R)XL、Lutensol(R)AP及びLutensol(R)ONで知られている)である。有利には、エチレンオキシド基及び/又はプロピレンオキシド基及び/又はブチレンオキシド基を含み、かつ場合によりスチレンオキシドで変性されているポリオキシアルキレンモノアルコールが使用される。特に有利なのは、ポリオキシアルキレンモノアルコール(例えばClariant AGのポリグリコール B 11/50、ポリグリコール B 11/70、ポリグリコール B 11/100、ポリグリコール B 11/150、ポリグリコール B 11/300若しくはポリグリコール B 11/700、BASF AGのPluriol(R)A 1000 PE、Pluriol(R)A 1320 PE、若しくはPluriol(R)A 2000 PE又はDOW ChemicalsのTerralox WA 110)の使用であり、これはブタノールを出発点とし、エチレンオキシドとプロピレンオキシドから形成され、末端OH基を有するポリオキシアルキレンである。

通例、Yは、1〜450個のエーテル酸素原子を含み、これらは、有利には、ポリテトラヒドロフラン、ポリオキセタン及び/又はポリオキシランに由来する、エーテル酸素原子を有する基に含まれている。

有利には、Yは、3〜400個のエーテル酸素原子を含み、ここで、エーテル酸素原子の少なくとも50モル%、有利には少なくとも80モル%が、エチレンオキシド構造単位及び/又はプロピレンオキシド構造単位に存在する。

Yに含まれていてよい炭化水素基に関して: 炭化水素基は、有利には、アリール基として、分岐した若しくは分岐していないアルキルアリール基、アラルキル基として及び/又は非環式、環式、分岐した若しくは分岐していないアルキル基として存在する。係る化合物の混合物、すなわち、少なくとも2つの異なる化合物Y−(OH)qも用いることができる。脂肪族又は芳香脂肪族の化合物Y−(OH)qは、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和で存在してよい。飽和種が有利である。

炭化水素基−q=1の場合−を有するY−(OH)qの例は、メタノール、エタノール、ブタノール、エチルヘキサノール、デカノール、イソトリデシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルアルコール、ベンジルアルコール、プロパルギルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、オキソアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロヘキサノール、脂肪アルコール、アルキルフェノール、アルキルナフトール及びフェニルエタノールである。

炭化水素基−q>1の場合−を有するY−(OH)qの例は、ブタノール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン及び糖(ペンタエリトリトール)である。

さらに、Y−(OH)qは、ポリオレフィンポリオール又はポリオレフィンモノオール、例えば、非水素化、部分水素化及び/又は完全水素化のポリブタジエン、非水素化、部分水素化及び/又は完全水素化のポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリプリピレン又はエチレン/ブチレン−コポリマーであってよい。これらの化合物は公知である。このように、例えばヒドロキシ官能性ポリイソブチレンの使用がUS6875897に記載される。

Yに含まれていてよいエステル基若しくはポリエステルに関して: Y−(OH)qとして、モノヒドロキシモノエステル及びモノヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリエステル又はポリヒドロキシポリエステルも用いることができる。

ヒドロキシ官能性のアクリレート又はメタクリレート、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが、適したモノヒドロキシモノエステルの例である。

ポリエステルは、例えば、ジカルボン酸又はそのエステル化可能な誘導体、例えば無水物、酸塩化物又はジアルキルエステル(例えばジメチルエステル又はジエチルエステル)を、ジオール及び一官能性、二官能性又は三官能性の出発成分と反応させることによって製造することができる。ジヒドロキシポリエステルの形成は、必要とされる場合、相応して化学量論量のモノヒドロキシ化合物を用いることによって抑えることができる。エステル化は、バルクで又は共沸添加剤の存在下における共沸エステル化によっても実施することができる。ジカルボン酸の例は、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ピメリン酸、フタル酸又は二量化された脂肪酸及びその異性体並びに水素化生成物である。相応するジオールの例は、エチレングルコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、cis−1,2−シクロヘキサンジメタノール、trans−1,2−シクロヘキサンジメタノール、並びにエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールに基づくポリグリコールである。

Y−(OH)qとして用いるための有利なポリエステルは、1種以上の、場合によりアルキル置換されたヒドロキシカルボン酸の重縮合並びに/又はモノヒドロキシ−、ジヒドロキシ−若しくはトリヒドロキシ出発成分を使った、相応のラクトン、例えばプロピオラクトン、バレロラクトン、ブチロラクトン、カプロラクトン及び/若しくは置換されたラクトンの開環重合(例えばUS−A−4647647に記載)によって得られることができるものである。有利には、これらは150〜5000g/モルの数平均分子量Mnを有する。出発成分として、原則的には、Y−(OH)qとして挙げたもの以外のあらゆる化合物を用いることが可能である。そのつど前述の化合物の混合物も用いることができる。ラクトン重合は、例えばチタネート、p−トルエンスルホン酸又はジブチル錫ジラウレートによって開始される公知の方法に従って、約70〜180℃の温度で実施される。特に有利なのは、場合によりδ−バレロラクトンとの組み合わせにおけるε−カプロラクトンに基づくポリエステルである。

Yに含まれていてよいウレタン基若しくはポリウレタンに関して: Y−(OH)qとして、ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリエステル−ポリウレタン及び/又はポリエーテル−ポリエステル−ポリウレタンも用いてよく、これらは、一官能性、二官能性又は三官能性の出発成分の存在下におけるジイソシアネートとジヒドロキシ化合物との付加反応によって得られることができる。ウレタン基含有化合物Y−(OH)qを合成するためのヒドロキシ化合物として、有利には、2〜12個の炭素原子を有するジオール、ポリオキシアルキレングリコール及びジヒドロキシ官能性ポリエステルが用いられる。ポリエーテル及びポリエステルは前で記載している。

Yに含まれていてよいポリカーボネートに関して: Y基は、カーボネート基も含んでよく、例えばこれらは非環式及び/又は環式のカーボネートとの公知の反応によって得られる。適しているのは、例えば、カーボネートで変性された線状ポリエステル又はポリカーボネートジオールであり、例えばこれらはポリウレタン製造において使用される。例はUS−4101529に記載されている。適したカーボネートは、例えば、ジアルキルカーボネート、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート又はジフェニルカーボネート、カテコールカーボネート又は環式アルキレンカーボネートといった脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び/又は芳香族の炭酸エステルである。特に適しているのは、5〜6員環を有する、場合により置換されていてよい環式アルキレンカーボネートである。置換基として、30個までの炭素原子を有する脂肪族、脂環式及び/又は芳香族の基が有利である。適した環式アルキレンカーボネートの例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、トリメチレンカーボネート、4−メチルトリメチレンカーボネート、5−メチルトリメチレンカーボネート、5,5−ジメチルトリメチレンカーボネート、5,5−ジエチルトリメチレンカーボネート又は5−メチル−5−プロピルトリメチレンカーボネートである。

Yに含まれていてよいポリオキサゾリンに関して: Y−(OH)qとして、ヒドロキシ官能性のポリ−2−アルキル−オキサゾリン又はポリ−2−アルキル−2−オキサジンも役目を果たすことができる。有利には、モノヒドロキシ官能性化合物が用いられる。ポリ−2−アルキル−2−オキサゾリン又はポリ−2−アルキル−2−オキサジンは、p−トルエンスルホン酸、メチルトシレート又はメチルトリフレートといった開示剤を用いた2−アルキル−2−オキサゾリン又は2−アルキル−2−オキサジンのカチオン開環重合によって得られる。リビングカチオン重合機構から生じるオキサゾリニウム末端基又はオキサジニウム末端基は、アルカリ加水分解によってアミノエステル末端基を介して安定なヒドロキシアミドに変えられることができる。モノヒドロキシ官能性のポリ−2−アルキル−オキサゾリン又はポリ−2−アルキル−オキサジンを製造するための代替的な手法は、開始種としての2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−2−オキサゾリニウムトリフルオロメタンスルホネートを用いた重合である(A.Gross,H.Maier,O.Nuyken,Macromol.Chem.Phys.197,2811−2826(1996))。アルキル置換基の選択によって相容性を制御することができ、そのため、例えば、ポリ−2−エチル−2−オキサゾリンがその水溶性によって高極性系に適している一方で、例えば、ポリ−2−ラウリル−2−オキサゾリンは、非極性系において適合している。ブロックコポリマーが、2−エチル−2−オキサゾリンと2−ラウリル−2−オキサゾリンから形成される場合、該ポリマーは、特に幅広い相容性によって優れている。係るポリ−2−アルキル−2−オキサゾリン又はポリ−2−アルキル−2−オキサジンは、たいていの場合、300〜20000g/モル、有利には500〜10000g/モルの数平均分子量Mnを有する。なかでも、場合によっては付加的な官能基を有してよい様々な2−オキサゾリンを用いることができる。このような種は、例えば脂肪酸に基づく相応する2−オキサゾリンである。

Yに含まれていてよいエチレン性不飽和化合物のOH官能性ポリマーに関して: Y−(OH)qとして、エチレン性不飽和モノマーのOH官能性ポリマーも用いることができる。 OH官能性は、エチレン性不飽和モノマーを介して、開始剤又は連鎖移動剤を介して導入されることができる。有利なのは、モノヒドロキシ官能性のポリアクリル酸エステル若しくはポリメタクリル酸エステルである。係る化合物は、この技術分野では、例えばUS−A−4032698に若しくはEP318999に記載されているように、すでに他の分散剤の製造のために使用されている。これらのポリアクリレートは、たいていの場合、300〜20000g/モル、有利には、たいてい500〜10000g/モルの数平均分子量を有する。これらは、ブロック構造として、又はランダムに配置されているか又は勾配を形成してもよい。

OH官能性のエチレン性不飽和モノマーの例は、2〜36個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は脂環式のジオールのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオールモノメタクリレート;カプロラクトン及び/又はバレロラクトンで変性されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ここで、該ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、有利には、2〜8個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は脂環式のジオールに由来している);OH官能性ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート及びOH官能性ポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレートである。

更なるエチレン性不飽和モノマーの例は、1〜22個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルコールのアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びt−ブチル(メタ)アクリレート;アリール(メタ)アクリレート、例えばベンジルメタクリレート又はフェニルアクリレート(ここで、該アリール基は、それぞれ非置換であるか又は4箇所まで置換されていてよい)、例えば4−ニトロフェニルメタクリレート;5〜80個の炭素原子を有するエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又は混合ポリエチレン/プロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、例えばテトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシエトキシエチルメタクリレート、1−ブトキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルオキシメチルメタクリレート、メトキシメトキシエチルメタクリレート、ベンジルオキシメチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、アリルオキシメチルメタクリレート、1−エトキシブチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート;アミノアルキル(メタ)アクリレート、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート;ハロゲン化されたアルコールの(メタ)アクリレート、例えば6〜20個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル(メタ)アクリレート;スチレン及び置換されたスチレン、例えば4−メチルスチレン、メタクリロニトリル及びアクリロニトリル;エチレン性不飽和複素環式化合物、例えば4−ビニルピリジン及び1−[2−(メタクリロイルオキシ)−エチル]−2−イミダゾリジノン;1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニル;1〜22個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基を有するマレインイミド、N−フェニルマレインイミド及びN−置換されたマレインイミド、例えばN−エチルマレインイミド及びN−オクチルマレインイミド;(メタ)アクリルアミド;1〜22個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖又は脂環式のアルキル基を有するN−アルキル−及びN,N−ジアルキル置換されたアクリルアミド、例えばN−(t−ブチル)アクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドである。

OH官能性ではない有利なモノマーは、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート及びスチレンである。

Yに含まれていてよいポリシロキサンに関して: Y−(OH)qとして、モノ−又はポリヒドロキシ官能性ポリシロキサンも用いることができる。 該ポリシロキサンは、次の一般式により表すことができる:

[式中、 T=C14アルキル、 RK=1〜6個の炭素原子を有するアルキレンオキシド単位から構成される、分岐していないポリエーテル基、並びに/又は200〜4000g/モルの重量平均分子量を有する脂肪族及び/若しくは脂環式及び/若しくは芳香族のポリエステル基、 R13及びR14は、それぞれ無関係に、C1〜C14−アルキル、C1〜C14−アリール若しくはC1〜C14−アラルキル、−O(C1〜C14−アルキル、C1〜C14−アリール若しくはC1〜C14−アラルキル)、−O−CO−O(C1〜C14−アルキル、C1〜C14−アリール若しくはC1〜C14−アラルキル)、−OSO2(C1〜C14−アルキル、C1〜C14−アリール若しくはC1〜C14−アラルキル)、−H、−Cl、−F、−OH、−R、−RKによって表され、 R15=C1〜C14−アルキル、C1〜C14−アリール若しくはC1〜C14−アラルキル、 R16=分岐したポリグリシドール基から成るか若しくはこれを含む、ポリヒドロキシ官能性の分岐したポリグリシドール−ポリエーテル基、 A=0〜20、有利には1〜15、特に有利には1〜8、 B=2〜300、有利には10〜200、特に有利には15〜100及び C=0〜20、有利には1〜15、特に有利には1〜8、 ここで、C=0の場合、R14=R16及び/又はR13=R16が適用される]。−[SiR15(Z−R16)]−O−単位が存在する場合、すなわち、Cが少なくとも1である場合、R13及びR14は、R16とは異なり得る。

上述のポリシロキサン基は、有機変性ポリシロキサン基として存在していてもよい。

用いられるジイソシアネート若しくはR1に関して: 本発明による方法で用いられるジイソシアネートとして、殊に、ポリウレタン化学から自体公知の、6〜15個の炭素原子を有する芳香族、脂環式及び/又は芳香族のジイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4'−ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)又は1,4−シクロヘキサンビス(メチレンイソシアネート)を使用することができる。

通例、本発明によるリン酸エステル誘導体のR1は、同じであるか又は異なっており、かつ炭化水素基の形で、有利にはアリーレン基として、分岐した若しくは分岐していないアルキルアリーレン基として、及び/又は非環式、環式、分岐した若しくは分岐していないアルキレン基として存在する。

特に有利には、R1は、2個の異なる反応性NCO基を含むジイソシアネート、有利にはトルエン−2,4−ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートから生じる。

本発明の有利な実施形態では、本発明によるリン酸エステル誘導体のZ1は、同じであるか又は異なっており、並びに一般式(II) R2−O−PO(OR3)n(OH)2-n (II) [式中、 R2は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも2個の炭素原子を有する、飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、 R3は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも1個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、かつ nは、同じであるか又は異なっており、並びに0及び/又は1によって表される]によって表される。

有利には、nは0である。

とは言っても、nは1であってもよく、かつ、その場合、R3は、例えば−X−CO−NH−CO−O−Yによって表される。このような置換型は、特に、特別なリン酸化剤、例えば塩化ホスホリルを用いた場合に発生する(後続の記載を参照)。

通例、R2は、同じであるか又は異なっており、かつ飽和線状C2〜C40アルキレン基によって表される。

通例、Z2は、同じであるか又は異なっており、かつ任意にエーテル基を含むC1〜C50炭化水素基、及び/又は一般式(III) R4−O−PO(OR5)m(OH)2-m (III) [式中、 R4は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも2個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、 R5は、同じであるか又は異なっており、並びに少なくとも1個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、分岐した又は分岐していない有機基によって表され、かつ mは、同じであるか又は異なっており、並びに0及び/又は1によって表される]に従って存在する基によって表される。

しばしば、mは0であり、並びにR4は、同じであるか又は異なっており、かつ有利には飽和線状C2〜C40アルキレン基によって表される。

本発明によるリン酸エステル誘導体は、塩にされていない形で、塩にされた形で又は部分的に塩にされた形で存在してよい。塩にされていない形、塩にされた形又は部分的に塩にされた形での存在は、通常、一方ではそのつどの化学的環境(pH値)に依存し、かつ他方ではリン酸エステル誘導体そのものの種類に依存する。塩処理成分として、一塩基及び多塩基が考慮される。

本発明による方法では、イソシアネートの付加を、個々の反応相手に応じて、この種類の反応によく用いられる室温〜約150℃まで、有利には100℃まで、特に有利には70℃の温度範囲で行ってよい。反応促進及び副反応を減少させるために、公知かつ慣用の触媒、例えば第三級アミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N,N'−ジメチルピペラジン、2−(ジメチルアミノエトキシ)エタノール、ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタン等、並びに殊に有機金属化合物、例えばチタン酸エステル、鉄化合物、例えばアセチルアセトン酸鉄(III)、錫化合物、例えば錫ジアセテート、錫ジオクトエート、錫ジラウレート又は脂肪族カルボン酸の錫ジアルキル塩のジアルキル誘導体、例えばジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等を使用することができる。これらの触媒は、通常、ジイソシアネート100質量部当たり0.0001〜0.1質量部の量で用いられる。

有利な実施形態では、2個の異なる反応性NCO基を有するジイソシアネートR1(NCO)2、有利にはトルエン−2,4−ジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートが用いられ、これは1つ目の工程で、アルコールY(−OH)qに対して、少なくとも(1.1*qの算術平均値):1.0、有利には少なくとも(2.0*qの算術平均値):1.0の比で用いられ、そうして一般式(IV)のウレタンへと反応しなかったジイソシアネートが生じ、これは第2の工程の実施前に、有利には蒸留によって反応混合物から除去され、そして第3の工程で、有利にはポリリン酸が、尿素ウレタンの少なくとも1個のヒドロキシル基の反応のために用いられる。

前述の符号*は、掛け算を意味する。

"qの算術平均値"との名称は、一般式(IV)に含まれる個々のウレタンのすべてのq値から出されるqの算術平均値に基づくことを意味するものとする。例えば、一般式(IV)に含まれるウレタンのちょうど半分でq=2が見られ、かつ相応して一般式(IV)に含まれるウレタンの残りの半分でq=4が見られる場合、相応する算術平均値は3となる。

異なる反応性NCO基を有するジイソシアネートをモル過剰で用いることで、有利には、ジイソシアネートのまさに1個のNCO基のみが1つ目の工程で反応させられる形で、より高い選択性が生じる。ジイソシアネートのモル過剰が大きければ大きいほど、それだけ一層、普通1つ目の工程で作製されたモノイソシアネートの製造に対する選択性は高くなる。過剰で用いられることに基づき生じる反応しなかったジイソシアネートは、可能な限り完全に反応混合物から除去され、最終的には、そこから発生するジウレア分が可能な限り低く保たれる。しかしながら、2つ目の工程で行われる尿素ウレタンへの反応は、可能な限り十分な量のアミンを用いて行われるべきであり、そうして場合によっては反応混合物中に残留するイソシアネート基の量(殊にジイソシアネートの残留量も)が特に強く減少させられる。最適には、使用準備の整った反応混合物は、高い品質要求に基づき可能な限りジイソシアネートを含んでいないことが望ましい。とは言っても、1つ目の工程段階で作製される一般式(IV)のウレタン分も可能な限り強く減少させられるべきである。

本発明による方法で用いられる少なくとも1個のヒドロキシル基並びに基Xを有するアミンは、通例、後続の一般的な構造を有する: H2N−R2−OH HZ2N−R2−OH HN(−R2−OH)2 ここで、Z2及びR2は、それぞれ前で記載した通りであるが、しかしながら、有利には、R2は、同じであるか又は異なっており、かつ2〜12個の炭素原子を有する分岐した又は分岐していないアルキレン基によって表される。

相応するOH官能性アミンの具体的な例は、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、5−アミノペンタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミン及びN−(2−ヒドロキシエチル)アニリンである。

ウレタン(IV)は、普通、OH官能性アミンと反応して尿素ウレタンに、ジイソシアネートへのアルコール成分Y(−OH)qの付加と同じ反応条件下でなる。OH官能性アミンのアミンは、ウレタン(IV)のイソシアネート基とヒドロキシ官能基(Hydroxyfunktion)より明らかに迅速に反応するので、付加反応は、触媒なしでも実施することができる。

本発明によるリン酸エステルは、適切には、尿素ウレタンの少なくとも1個のヒドロキシル基を、エステルを形成するリン化合物と反応させることによって製造される。

エステルを形成するリン化合物は、ヒドロキシル基を含む化合物とリン酸エステルとの反応によって形成し得る化合物と解される。エステルを形成するリン化合物として、例えば、ポリリン酸、五酸化リン、オキシ塩化リン及びアセチルリン酸が用いられることができる。有利にはポリリン酸又は五酸化リン、特に有利にはポリリン酸が用いられる。ポリリン酸により、主としてモノエステルが発生し、かつ五酸化リンとはモノ/ジエステル混合物が発生する。モノエステルが有利である。リン酸化反応に際しては、リン酸化されるべき様々な成分の混合物を用いることも可能である。

エステルを形成するリン化合物とヒドロキシル化合物との反応は、好ましくは溶媒なしで、150℃までの温度で、有利には100℃を下回る温度で行われる。しかし、反応は、適した不活性溶媒混合物中でも実施されることができる(例えばメトキシプロピルアセテート)。

酸基によって、リンエステルは塩を形成することができる。これらは、本発明によれば分散剤として相応する塩の形態でも用いられることができる。多くの場合、係る部分的又は完全な塩処理によって作用の改善及び/又は改善された可溶性若しくは相容性を得ることができる。生成物の酸性度が妨げる適用においても、部分的又は完全な中和によって頻繁に改善が行われ得る。塩を形成する化合物として、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば炭酸塩、炭酸水素塩又は水酸化物、低分子量のアミン、例えばトリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン及びオレイルアミンが適している。さらに、本発明によるリン酸エステル化合物とポリマーのアミンとの塩(ポリアミン、アミン系(メタ)アクリレートコポリマー、ポリアリルアミン)がEP−A−0893155と同様に湿潤/分散剤として可能である。

本発明による化合物の製造は、粘度に応じて、バルクで又は適した溶媒、溶媒混合物若しくは他の適した分散媒の存在下で実施されることができる。適しているのは、選択された反応条件下で反応性ではないか、又は反応相手に対してその反応性を損なっておらず、かつ反応物質及び反応生成物が少なくとも部分的に可溶性である全ての溶媒又はキャリア媒体である。例えばこれらには、炭化水素、例えばトルエン、キシレン、脂肪族及び/又は脂環式ベンジン留分、塩素化炭化水素、例えばクロロホルム、トリクロロエタン、環式及び非環式エーテル、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、例えばジプロピレングリコールジメチルエーテル、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸のエステル、例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、ブチロラクトン、ジメチル−2−メチルグルタレート、トリアセチン、フタレート又はその他の可塑剤、ジカルボン酸エステル若しくはポリカルボン酸エステル、"二塩基エステル"と呼ばれるC2〜C4−ジカルボン酸のジアルキルエステル、アルキルグリコールエステル、例えばエチルグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、ケトン、例えばメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン、酸アミド、例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が含まれる。適切には、予定される使用領域を早くも考慮した上で溶媒若しくはキャリア媒体が選択される。例えば、本発明による化合物について、水希釈性の塗料系における使用のために又は顔料合成後に水性懸濁液において被覆するために、有利には完全又は部分的に水希釈性である溶媒が用いられる。揮発性有機化合物(VOC)の存在が所望されていない場合に生成物が用いられる場合、調製物は可能な限り溶媒を含んでいないか、又は相応してVOC不含とみなされるキャリア材料において存在しているべきである。

適用領域に応じて、合成のために使用される溶媒は反応混合物中に残留してよく、又は完全に若しくは部分的に除去し、かつ場合により他の溶媒又はキャリア媒体を代用してもよい。

溶媒は、例えば留去することによって、場合により減圧下かつ/又は水を添加しての共沸により、完全に又は部分的に除去することができる。一方で、作用物質は、非溶媒、例えば脂肪族炭化水素、例えばヘキサンの添加により沈殿させ、引き続き理科により分離し、場合により乾燥させることによって単離させることもできる。この方法により得られた作用物質は、次いで、そのつどの適用領域に適した溶媒に少し溶かすか、又は場合により純粋な形で、例えば粉末塗料において用いるか、又は不活性キャリアに付着させてもよい。粉末塗料といった固体の使用が有利である適用又は特定のプラスチック加工法においては、化合物を、更に別の公知の方法によって固体の形に変えることができる。係る方法の例は、マイクロカプセル化、噴霧乾燥、SiO2のような固体キャリアへの吸着又はPGSS法(ガス飽和溶液からの微粒子形成法)である。

1つ目の工程段階では、有利にはアルコールとしてモノアルコールY−OHが使用され、その際、ジイソシアネートR1(NCO)2は、モノアルコールY−OHに対して、少なくとも1.1:1.0、有利には少なくとも2.5:1のモル比で用いられる。

このようにして、一般に、高品質の、特に良好な解膠作用を有する湿潤/分散剤が作製される。

本発明は、さらに、アルコールとしてモノアルコールY−OHが使用され、かつジイソシアネートR1(NCO)2が、モノアルコールY−OHに対して、少なくとも1.1:1.0、有利には少なくとも2.5:1のモル比で用いられる前述の方法に従って製造可能である添加剤配合物に関する。この本発明による添加剤配合物は、以下の成分を含有する: i)前述のリン酸エステル誘導体10〜100質量%、 ii)一般式Y−O−CO−NH−R1−NH−CO−O−Y(式中、Yは同じであるか又は異なる)に従ったジウレタン0〜10質量%、 iii)一般式Z1−X−CO−NH−R1−NH−CO−X−Z1(式中、Z1は同じであるか又は異なる)のジウレア0〜10質量%並びに iv)一般式Y−O−CO−NH−R1−NCOのウレタン0〜8質量%。

本発明による方法に従って製造された添加剤配合物(場合により特有の"副生成物"を有する、使用のために準備された"技術的な"リン酸誘導体)は、頻繁にそのつど相応して僅かな量のジウレタン及びジウレアを含む。このように僅かな量のジウレタン若しくはジウレアは、通常、湿潤/分散剤としての使用に関して確認され得る悪化をもたらさず、これは、添加剤配合物が本発明による方法で製造されていることをはっきりと示す。本発明による方法の2つ目の工程で相応する量のアミンを用いることによって、一般式Y−O−CO−NH−R1−NCOのウレタン分は、普通は少なくともほぼゼロ付近に減少させることができ、このことは、本発明による添加剤配合物の品質にとってたいていの場合において好ましい。本発明による添加剤配合物は環境に優しく、保存性に優れ、かつ−相応して本発明によるリン酸誘導体と同じように−湿潤/分散剤として際立った特性を示す。本発明による添加剤配合物の更なる成分は、例えば溶媒又はリチウム塩であってよい。

そのうえまた、本発明は、前述のリン酸エステル誘導体及び/又は前述の添加剤配合物を、コーティング、殊に塗料、プラスチック、顔料ペースト、シーラント、セラミック、接着剤、注型用コンパウンド、サーフェーサー、印刷インキ及びインク中で湿潤/分散剤として使用することに関する。

さらに、本発明は、前述のリン酸誘導体及び/又は前述の添加剤配合物で処理されている粒子及び/又は繊維を含む固体混合物に関する。

最後に、本発明はまた、前述のリン酸エステル誘導体及び/又は前述の添加剤配合物を含む塗料又はプラスチックに関する。

本発明によるリン酸エステル誘導体は、例えばアルミニウム阻害剤、分散剤、分散安定化剤又は湿潤剤として使用され、かつ、例えば着色されたかつ/又は充填剤含有の生成物、例えば顔料濃縮物又は顔料ペースト、コーティング組成物、シーラント、プラスチック、セラミック、化粧品、接着剤、注型用コンパウンド、サーフェーサー、印刷インキ及び/又はインク中で用いられることができる。有利なのは、相応するレットダウン系と混合することができ、それによって着色塗料が製造される顔料濃縮物である。

そのため、これらは、例えば、塗料、印刷インキ、例えばインクジェット印刷用インク、紙用塗料、皮革塗料及び織物塗料、ペースト、顔料濃縮物、セラミック、接着剤及びシーラント、注型用コンパウンド、プラスチック及び化粧用処方物の製造又は加工に際して、殊にこれらが顔料及び/又は充填剤といった固体を含んでいる場合に用いられることができる。合成、半合成又は天然の高分子物質を基礎とする成形材料、例えばポリ塩化ビニル、飽和若しくは不飽和のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、エポキシド樹脂、ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレンの製造又は加工に際しても、これらが用いられることができる。例えば、当該化合物は、注型用コンパウンド、鋳造用コンパウンド、PVCプラスチゾル、ゲルコート、ポリマーコンクリート、プリント基板、工業用塗料、木工塗料及び家具塗料、車両塗料、船舶塗料、防食塗料、缶被覆及びコイル被覆又は高光沢塗料及び建築塗料の製造のために使用されることができる。

本発明によるリン酸エステル誘導体を使用できるのは、着色塗料のためのレットダウン系だけに限られない。同様に可能なのは、調製物若しくは生成物、例えば樹脂、油、脂肪、滑剤、ゴム材料、シーラント、印刷インキ、インク、接着剤、ワックス又はコーティング剤組成物の幅広い領域における使用である。濃縮物は、ボディケア産業において製造される調製物中で、又はエレクトロニクス工業における電気用途において、船舶工業において、医学用途の範囲内で、建築工業において又は自動車工業において用いられることもできる。例として、電子ペーパー、例えば電子書籍のディスプレイ、超小型電子チップ及びプリント基板のカプセル化、潜水艦の表面コーティング、例えば防汚コーティング、ブレーキコンポーネントのためのシリコーンチューブ又はスリップ剤を含む。

本発明によるリン酸エステル誘導体は、好ましくは、液晶表示器、液晶モニター、色解像装置、センサー、プラズマモニター、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)に基づく表示器のための及びMLCC(多層セラミックコンパウンド)のためのカラーフィルターの製造に際しても用いられることができる。MLCC技術は、マイクロチップ及びプリント基板の製造に際して適用される。

化粧用調製物中での使用は、例えば、化粧用処方物、例えばメーキャップ、パウダー、リップスティック、染毛剤、クリーム、マニキュア及び日焼け止め調製物に役立ち得る。これらは、通常の形態で、例えばW/Oエマルジョン又はO/Wエマルジョン、溶液、ゲル、クリーム、ローション又はスプレーとして存在してよい。本発明による化合物は、好ましくは、これらの処方物の製造のために使用される分散液中で用いられることができる。これらは、このために化粧品において通常用いられるキャリア媒体、例えば水、ヒマシ油又はシリコーン油及び固体、例えば有機顔料及び無機顔料、例えば二酸化チタン又は酸化鉄を含んでよい。

同様に、適用領域としてNIC(ノンインパクト印刷)、インクジェット(紙、フォイル、セラミック、人工及び天然の繊維織物への印刷)、セラミックの分散(水性又は水不含)、注型用コンパウンド中での分散が挙げられる。本発明によるリン酸エステル誘導体は、それ自体でも、すなわち、事前に相応する濃縮物に組み込まれていなくても、前で挙げた調製物及び適用領域において用いることができる。

概して、リン酸エステル誘導体並びに顔料及び/又は充填剤を含む生成物は、塗料、又はコーティング組成物のための顔料濃縮物である。それからまた、顔料及び又は充填剤を含有する任意の生成物中でのリン酸エステル誘導体の使用が可能である。

殊に、顔料濃縮物は、本発明によるリン酸エステル誘導体以外に、例えば有機溶媒及び少なくとも1つの顔料を含む組成物である。これらは、殊にバインダーとしての有機ポリマー分は含まないか又は少量しか含まない。係る公知のバインダーは、好ましくは相応するレットダウン系に存在し、これについては下で記載する。

有機溶媒として、殊に、塗料工業及び染料工業において用いられる、当業者に公知の典型的な有機溶媒、例えば脂肪族溶媒、脂環式溶媒、芳香族溶媒、例えばトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、エーテル、エステル及び/又はケトン、例えばブチルグリコール、ブチルジグリコール、ブチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン及び/又はメトキシプロピルアセテート、ジアセトンアルコールといった溶媒が用いられる。

顔料として、当業者に公知の顔料が用いられる。顔料の例は、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、トリアゾ顔料及びポリアゾ顔料、オキサジン顔料、ジオキサジン顔料、チアジン顔料、ジケトピロロピロール、フタロシアニン、ウルトラマリン及び他の金属錯体顔料、インジゴイド染料、ジフェニルメタン顔料、トリアリールメタン顔料、キサンテン顔料、アクリジン顔料、キナクリドン顔料、メチン顔料、アントラキノン顔料、ピラントロン顔料、ペリレン顔料及び他の多環式カルボニル顔料、無機顔料、例えばカーボンブラック顔料及び/又はカーボンブラック、グラファイト、亜鉛、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リン酸亜鉛、硫酸バリウム、リトポン、酸化鉄、ウルトラマリン、リン酸マンガン、アルミン酸コバルト、錫酸コバルト、亜鉛酸コバルト、酸化アンチモン、硫化アンチモン、酸化クロム、クロム酸亜鉛をベースとする顔料、ニッケル、ビスマス、バナジウム、モリブデン、カドミウム、チタン、亜鉛、マンガン、コバルト、鉄、クロム、アンチモン、マグネシウム、アルミニウムをベースとする混合金属酸化物(例えばニッケルチタンイエロー、バナジン酸/モリブデン酸ビスマスイエロー又はクロムチタンイエロー)、純鉄、酸化鉄及び酸化クロム又は混合酸化物をベースとする磁性顔料、アルミニウム、亜鉛、銅又は黄銅をベースとする金属効果顔料並びに真珠箔顔料又は蛍光顔料及び燐光顔料である。更に別の例は、少なくとも1つの寸法が100nmを下回るナノスケールの有機又は無機の充填剤、例えば特定のカーボンブラックタイプ又は炭素のその他の同素形、例えば単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ及びグラフェンである。粒径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡、超遠心分析法又は光散乱法によって行われる。同様に、金属酸化物、又は半金属酸化物若しくは半金属水酸化物から成る粒子、並びに、混合された金属酸化物、又は半金属酸化物若しくは半金属水酸化物から成る粒子が挙げられる。例えば、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、チタン等の酸化物及び/又はオキシ水酸化物が、係る極めて微細な固体の製造のために考慮され得る。これらの酸化物粒子若しくは水酸化物粒子若しくはオキシ水酸化物粒子の製造プロセスは、例えばイオン交換法、プラズマ法、ゾルゲル法、沈殿、細分化(例えば粉砕による)又は火炎加水分解といった非常に多岐にわたった方法により行うことができる。前述の全ての顔料は表面変性されて存在してよく、かつ表面上に塩基性基、酸性基又は中性基を有してよい。

そのつどの生成物、殊にコーティング組成物が充填剤を含む場合、例えば、それらは当業者に公知の充填剤である。粉末状又は繊維状の充填剤の例は、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ケイ藻土、ケイ質土、石英、シリカゲル、タルク、カオリン、雲母、パーライト、長石、スレート用目止め剤、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、方解石、苦灰石、ガラス又は炭素の粉末状又は繊維状の粒子から構成されているものである。用いられる繊維は、有機性及び/又は無機性であってよく、かつ同じように補強剤として用いられることができる。顔料又は充填剤の更に別の例は、例えばUS−A−4,795,796に見出される。難燃剤−本発明による化合物が、まだ通常の添加剤量でこのために用いられていない限りにおいて−例えば水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム及び艶消し剤、例えばケイ酸も、同様に特に良好に本発明による湿潤/分散剤によって分散及び安定させることができる。

本発明によるリン酸エステル誘導体は、殊に固体濃縮物、例えば顔料濃縮物の製造にも適している。そのために、本発明によるリン酸エステル誘導体は、キャリア媒体、例えば有機溶媒、可塑剤及び/又は水に最初に装入され、そして分散されるべき固体が撹拌下で添加される。付加的に、これらの濃縮物はバインダー及び/又は他の助剤を含んでよい。しかし、本発明によるリン酸エステル誘導体を用いて、安定なバインダー不含の顔料濃縮物を製造することが殊に可能である。同じように、本発明によるリン酸エステル誘導体を用いて流動性の固体濃縮物を顔料プレスケーキから製造することが可能である。この場合、さらに有機溶媒、可塑剤及び/又は水を含んでよいプレスケーキに、本発明による化合物が混ぜられ、かつ、そのようして得られた混合物が分散させられる。種々の手法で製造された固体濃縮物は、次いで、様々の基材、例えばアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂又はエポキシド樹脂に混入されることができる。しかし、顔料は溶媒不含で本発明によるリン酸エステル誘導体に直接分散させてもよく、その場合は熱可塑性及び熱硬化性のプラスチック調製物の着色に特に適している。

使用領域に応じて、本発明によるリン酸エステル誘導体は、最終的に更なる適用に関係する生成物中に、好ましくは、そのつどの生成物の全量を基準として0.01〜10質量%の本発明による湿潤/分散剤の割合が存在するような量で用いられる。しかし、より高い割合も可能である。

分散されるべき固体、例えば顔料を基準として、本発明による湿潤/分散剤は、有利には0.5〜100質量%の量で用いられる。分散し難い固体が使用される場合、用いられる本発明による湿潤/分散剤の量は全体的により高くてもよい。分散剤の量は、一般的に、分散されるべき物質の覆われるべき表面に依存する。つまり重要とされ得るのは、例えば、どの顔料に関わっているかである。一般的に言えることは、無機顔料を分散させるために、たいていの場合、有機顔料の時より少ない分散剤が必要なことである。なぜなら、有機顔料は、たいていの場合、より高い比表面積を有し、それゆえより多量の分散剤が必要になるからである。無機顔料に対する湿潤/分散剤の典型的な供給量は、例えば1〜20質量%であり、有機顔料に対しては10〜50質量%である(そのつど、分散されるべき固体、殊に顔料を基準とする)。非常に微細な顔料(例えば、いくつかのカーボンブラック)の場合、30〜90%以上の添加量も必要である。十分な顔料安定化の判断基準として、例えばコーティング組成物の光沢及び透明度又は浮きまだらの程度を引き合いにだすことが可能である。固体の分散は、個々に細砕しても、又は複数の顔料と同時に混ぜた状態で細砕して行ってもよく、その際、最良の結果は、一般に個々に細砕した場合に得られる。種々の固体の混合物を使用した場合、固体表面上の反対の電荷によって液相中で凝集が強く生じる可能性がある。これらの場合において、本発明によるリン酸エステル誘導体を使用すると、全ての粒子の同電荷、一般に正電荷が頻繁に得られ、それにより電荷の違いによる不安定性を回避することができる。その最適な作用は、分散剤を粉砕物に添加すると得られ、殊にこれは、まず分散されるべき固体が、添加剤及び場合により溶媒と混合される("プレミックス")場合にもたらされる。なぜなら、その場合、添加剤は、バインダーポリマーと競合する必要なく、有利には固体表面上に吸着することができるからである。しかし、実際この手法は、例外的な場合にのみ必要である。必要とされる場合、本発明によるリン酸エステル誘導体は、例えば、レットダウンを終えたバッチ中で浮きまだら又はフロキュレーションの問題を解決するために、後で用いることもできる("いわゆる"後添加剤")。通例、しかしこの場合には、添加剤の供給量を高める必要がある。

本発明によるリン酸エステル誘導体が最終的にその作用を発揮することになる生成物、殊にコーティング組成物若しくは塗料は、そのうえ有機ポリマーをバインダーとして含んでよい。係るバインダーは当業者に公知である。この少なくとも1つのバインダーは、例えばレットダウン系を介して導入されることができ、該系は、例えば、本発明によるリン酸エステル誘導体を含む顔料濃縮物と混合され、そのためこの観察される生成物は顔料着色された塗料である。しかし、顔料着色されたかつ/又は充填剤を含有する生成物、例えばプラスチック、シーラント及び有機ポリマーマトリックスをベースとする当業者に公知の更に別の生成物も可能である。生成物と見なされるのは、ポリマー樹脂若しくは有機ポリマーをバインダーとして含み、それによって適した硬化条件下で固体の有機ポリマーマトリックスを形成することができる系である(例えばコーティング組成物)。同様に、バインダーを含む成分との単純な混合によって、係る有機ポリマーマトリックスを形成することができる系も生成物と呼ばれる(例えば顔料濃縮物)。用いられるのは、例えば、当業者に公知のアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセトブチレート、メラミン、塩化ゴム及び/又はエポキシ樹脂であるが、しかしこれらに限定されない。水ベースのコーティングの例は、例えば自動車ボディのための陰極電着塗装又は陽極電着塗装である。更なる例は、下塗り、シリケートペイント、分散塗料、水希釈性のアルキドをベースとする水性塗料、アルキドエマルジョン、ハイブリッド系、2成分系、ポリウレタン分散液及びアクリレート分散液である。

1成分系も2成分系も可能であり、ここで、2成分系の場合、通常、さらにポリイソシアネート、メラミン樹脂及び/又はポリアミド樹脂が、当業者によく知られている典型的な架橋剤として2つ目の成分に存在している。有利なのは、アクリレート樹脂をバインダーとして含む生成物系、殊にコーティング組成物である。更に別の変形例においては、エポキシ樹脂をバインダー成分中に含み、かつポリアミド樹脂を架橋剤成分中に含む2成分(2K)コーティング組成物若しくは2K塗料が重要である。

生成物として有利なコーティング組成物は、水系又は溶媒系であってもよい。水系とは、コーティング組成物が溶媒として主として水を含むことと解される。殊に、水系コーティング組成物の場合、溶媒の全量を基準として10質量%を上回らない有機溶媒がコーティング組成物中に含まれている。溶媒系とは、溶媒の全量を基準として5質量%を上回らない水、有利には2質量%を上回らない水が含まれることを指す。

更なる生成物成分としては、例えば、光開始剤、脱泡剤、湿潤剤、皮膜形成助剤、例えばセルロース誘導体(例えばニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート)、反応性希釈剤、レベリング剤、分散剤、及び/又はレオロジー制御剤が考慮に入れられる。

生成物として有利な顔料濃縮物及びコーティング組成物の製造は、当業者によく知られた方法により行われる。例えば攪拌槽又はディゾルバーといった通常の混合ユニット中での撹拌しながらの段階的な添加及びコーティング組成物の成分の混合といった公知の方法が用いられる。

有利な顔料濃縮物及びコーティング組成物の使用下で、コーティング層若しくは塗料層を製造することができる。コーティングの製造は、基材上への当業者によく知られた塗布技法及び引き続く硬化法により行われる。

塗布は、例えば、公知の吹き付け法、噴霧法、刷毛塗り法、ロール塗布法、注ぎ塗り法、含浸法及び/又は液浸法によって行われる。基材上へのコーティング組成物の塗布後、硬化若しくは乾燥が、従来よく用いられてきた方法に従って行われる。例えば、塗布されたコーティング組成物は、物理的に乾燥しており、熱及び/又は化学線(放射線硬化性)、好ましくはUV線並びに電子線の適用下で硬化可能であり得る。熱による硬化は、例えば、約10℃〜約400℃の範囲内で、コーティング組成物及び/又は基材の種類に応じて行ってよい。硬化の時間は、それぞれに、例えば硬化法の種類(熱によるか又は化学線による)、用いられるコーティング組成物及び/又は基材の種類に依存する。その際、基材は動かすか又は静置させてもよい。

粉末状及び繊維状の固体の分散剤及び/又はコーティング剤としての上記の使用によれば、本発明によるリン酸エステル誘導体は、プラスチック樹脂中で粘度低下剤及び相容化剤としても用いられることができる。係るプラスチック樹脂の例は、充填剤及び繊維を大いに含有する不飽和ポリエステル樹脂から成る、いわゆる"シートモールディングコンパウンド(SMC)"及び"バルクモールディングコンパウンド(BMC)"である。その製造及び加工は、例示的にUS−A−4,777,195に記載されている。SMC−及びBMCプラスチック樹脂混合物における問題は、加工プロセス中に起こる収縮を減らすために、しばしばポリスチレン(PS)が調製物に添加されることである。PSは、使用される不飽和ポリエステル樹脂と相容性ではなく、成分の分離が生じる。PSが充填されたSMC−又はBMC混合物が使用される場合、本発明によるリン酸エステル誘導体は、その良好な分散化特性に基づき、PSと不飽和ポリエステル樹脂との相容性を引き起こすことができ、それによって、係る混合物の貯蔵安定性及び加工信頼性が高まる。

本発明によるリン酸エステル誘導体により、例えば、非相容性のポリオール混合物、ポリオール・イソシアネート混合物又はポリオール発泡剤混合物(例えばポリウレタンの製造に際して用いられる)中で相溶化効果を得ることができる。

本発明を、以下で、例を手がかりにして付加的に説明する。

分子が不均一な物質の場合に記載した分子量は、数平均の平均値を表す。分子量若しくは数平均分子量Mnは、滴定可能なヒドロキシ基又はアミノ基が存在している場合、OH価若しくはアミン価を調べることによる末端基測定によって測定する。末端基測定を適用することができない化合物の場合、数平均分子量は、ポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィーによって測定する。

別記してない限り、部との値は質量部であり、かつパーセントとの値は質量パーセントである。

用いられるポリイソシアネートの遊離NCO含有量並びにNCO付加の反応経路は、EN ISO 9369に従い、ブチルアミンとの反応及び引き続き行われるアミン過剰量の滴定によって決定する。これらの方法は、Saul Patai著の"The Chemistry of Cyanates and their Thioderivates",Part 1,Chapter 5,1977にも記載されている。

ポリエーテル−ポリエステル Y1、Mn 780の製造 350gのMPEG 350−カプロラクトン及び1gのDBTL (ジブチル錫ジラウレート)(メトキシポリエチレングリコール、Mn 350)434gを、>95%の固体が得られるまで160℃で反応させる。反応生成物のOH価は、72mg KOH/gである。

シロキサン含有のε−カプロラクトン−ポリエステル Y2、Mn 2800の製造 約900g/モルの全分子量を有するα,ω−ヒドロキシアルキル官能性ジメチルポリシロキサン35gを、ε−カプロラクトン75gと反応させる。このために、混合物を、DBTL0.035gを添加しながら160℃にて窒素雰囲気中で約8時間反応させる。反応は、不揮発性分の割合が98%より高くなったら終える。出発アルコールとしてのα,ω−ヒドロキシアルキル官能性ジメチルポリシロキサンは、当業者に公知の方法で、適した不飽和アルコール(例えばこの例で使用したアリルアルコール)を、末端にシラン単位を持つジメチルポリシロキサンに添加することによって取得する。

Y−OHとして使用する更に別のヒドロキシ官能性ポリエステルも同じ方法で製造する。

モノ付加物の一般的な製造規定: 撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却器及び窒素導入管を備えた四口フラスコ内に、Desmodur T 100(約100%の2,4−トルイレンジイソシアネート、NCO含有量=48.8)430g及び塩化ベンゾイル7gを最初に装入して良く混合する。水を含まず、かつポリエーテルの場合はアルカリ金属を含まないアルコール成分Xgを、温度55℃を超えないようにゆっくりと計量供給する。混合物を、計量供給後に55℃でさらに3時間撹拌する。過剰のTDIを、薄膜蒸発器によって150℃で反応混合物から除去する。残留するTDI含有率は<1%である。

モノ付加物をアミン及びポリリン酸と反応させてモノ付加物尿素とするための一般規定: 撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却器及び窒素導入管を備えた四口フラスコ内に、モノ付加物x gを最初に装入し、そして撹拌しながらゆっくりとアミノアルコールy gを滴下する。ここで、反応温度は50℃を超えない。1時間後、温度80℃に高めてポリリン酸z gを添加する。反応を3時間後に80℃で終える。場合により、反応の間又は反応後にMPAで希釈してよい。

EA=エタノールアミン;DEA=ジエタノールアミン;AEE=2−(2−アミノエトキシ)エタノール;TEA=トリエタノールアミン

本発明によらない比較例PX1の製造 3:1のモル比のε−カプロラクトンとδ−バレロラクトンから成る、MPEG 350を出発点としたポリエステル(Mn=950)950gを、80℃で3時間撹拌する。

本発明によらない比較例PX2の製造 ブタノールを出発点としたEO/PO−ポリエステル(EO:PO 1:1)(Mn4800)950gとポリリン酸85gを、80℃で3時間撹拌する。

塩形成のための一般規定: 撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却器及び窒素導入管を備えた四口フラスコ内に、MPA40g及びブチルグリコール40gに溶かしたモノ付加物尿素を、塩処理試薬x gと60℃で1時間撹拌する。

DEEA=N,N−ジエチルエタノールアミン;DMEA=N,N−ジメチルエタノールアミン

コポリマー1(塩基性GTP−ブロックコポリマー) 撹拌機、還流冷却器及びガス入口を備えた三口フラスコ内に、窒素流下でMPA69.70gを20℃で装入し、ブチルメタクリレート7.70gと混合する。次いで、1−トリメチルシロキシ−1−メトキシ−2−メチルプロパン3.75g及びテトラブチルアンモニウム−m−クロロ安息香酸0.375gを、噴霧器によりセプタムを通して添加する。30分以内に、ブチルメタクリレート60.00gを計量供給する。反応温度は40℃まで上昇し、そして冷却によってこの水準を保つ。ブチルメタクリレートの添加後、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート32.80gを20分以内に計量供給し、その際、冷却によって再び、温度が40℃を超えて上昇しないようにする。30分の撹拌後、3mlのエタノールを加える。モノマーを完全に反応させた(HPLCにより測定した残留モノマー含有量);生成物:GPCに従ってMn=9100g/モル。

コポリマー2(塩基性NMP−ブロックコポリマー) 撹拌機、還流冷却器及びガス入口を備えた三口フラスコ内に、窒素流下でMPA47.2g及び2−[N−t−ブチル−N−[1−ジエチルホスホノ−(2,2−ジメチルプロピル)]ニトロキシ]−2−メチルプロパン酸並びに46.00gのブチルアクリレートを装入し、かつ120℃に加熱する。さらに120℃で2.5時間撹拌する。続けて、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート21.00gを2ml/分の速度で計量供給する。この後、さらに120℃で6時間撹拌する;変換率は、これによれば98%を超える(HPLCにより測定した残留モノマー含有量);生成物:GPCに従ってMn=30000g/モル。

c)適用技術試験 顔料濃縮物を製造するための湿潤/分散剤としての本発明によるポリマーの使用及び塗料系における該ポリマーの使用。

出発物質 Uralac SN 831 ポリエステル樹脂、製造元DSM Resins Cymel 303 メラミン−ホルムアルヒド樹脂、製造元Cytec Industries Dynapol Catalyst 1203 触媒、製造元 Evonik Degussa Ti Pure R960 二酸化チタン顔料、製造元Du Pontrosil R972 Aerosil R972 疎水性熱分解法シリカ、製造元Degussa BYK 057 BYK−Chemieのシリコンフリーポリマー消泡剤 BYK 355 アクリレート系レベリング剤、製造元BYK−Chemie Solvesso 150 ND、 Solvesso 100 ExxonMobilの芳香族溶媒 MPA 1−メトキシ−2−プロピルアセテート 処理法 塗料の製造 粉砕条件: 装置:Lau Paint Shaker DAS H[/A]200−K 粉砕時間:60分、標準速度、最大冷却 ガラスビーズ(直径1mm)に対する粉砕物の比:1:1(質量部)

試験調製物の製造 クリアラッカーの組成

試験調製物の組成

調製物の粘度を、製造に続けて、Solvesso 150NDを用いて90〜110秒(DIN−流しコップ、23℃)に調節した。

試験調製物の一部を、50℃で一週間貯蔵した。

試験調製物の適用 試験調製物を、製造した日に以下の条件下で基材上に塗布した。

基材:Alcan製アルミニウム金属板、プリコート ナイフ塗布:80μm(ウェット) オーブン温度:320℃ 焼付時間:30秒 最大メタル温度:235℃ 乾燥塗膜層の厚さ:18〜20μm

浮動、浮遊及び凝集特性を、以下の通りに評価した。

それぞれの試験調製物を二等分した。

当該試験調製物のそれぞれ一方の部分を、歯付きワッシャを用いて毎分6000回転で1分間撹拌し、次いで基材表面の右側半分に直接塗布した。同時に、基材表面の左側半分には、当該試験調製物のそのつど残りの部分を、事前に撹拌せずに塗布した。

摩擦試験 塗布直後に、新たに塗布した塗料層を、基材表面の半分に分けた2つの面で摩擦試験にかけた。

このために、新たな塗料層のいくつかの箇所を塗布後に機械的に擦り、続けて、擦ったことにより生じた色合いの変化(摩擦効果)を、擦っていない塗料と比較して測定した。摩擦効果を引き起こす原因は、例えば顔料の凝集及び/又は浮遊である。顔料凝集物が存在する場合、これらは擦った際のせん断作用によって破壊され、そして当初の目標の色合いが生じる。摩擦効果は、適した分散剤によって最小にすることができ、そのため分散剤効力の基準となる。

比色測定 装置:Color guide、BYK−ガードナー 光源: D65標準光(昼光) 測定範囲: 10° 測定の幾何学的条件: d/8°スピン(拡散照明、観察8°) 測定数: n=3

測色の結果を以下の表に示す。調製物について調べたΔEの値は、コーティングの擦った箇所と擦っていない箇所との色の差を示す(摩擦効果)。

ΔE1=ΔE 撹拌していない ΔE2=ΔE 撹拌した ΔE3=ΔE 撹拌していない/撹拌した

調製物:Paraloid B 66(Dow Chemicalsの熱可塑性アクリレート)

顔料/バインダー:塗料中で0.8:1 ブレンド:白色塗料29.5g+黒色ペースト0.5g 焼付条件:10分換気し、その後140℃にて20分間行う。

結論 本発明によるリン酸エステル誘導体の全般的に特に良好な品質が、光沢度、粘度及び摩擦効果に関して明らかになる。特に際立っているのは、分散されるべき酸性及び塩基性の顔料粒子に対して例外なく良好に用いられることである(なかでも、前掲の「結果 Paraloid B 66」を参照されたい)。

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