無電解金属化のための方法

申请号 JP2013203159 申请日 2013-09-30 公开(公告)号 JP6362842B2 公开(公告)日 2018-07-25
申请人 ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー; Rohm and Haas Electronic Materials LLC; 发明人 マリア・アンナ・ルゼズニク; フィリップ・ディー.クヌーセン; シュエソン・ワン; マーチン・ダブリュー.ベイズ; ユーシン・ツァイ;
摘要
权利要求

材料の非導電性表面上に金属フィルムを形成する方法であって、この方法が: (a)フリーラジカル開始剤を含む溶液と前記材料表面とを接触させる工程; (b)前記(a)工程の後に、 (A)下記式1a〜式5a及び式7aからなる群から選択されるアミン化合物、および (式中R1は、C1−C24の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。) (式中、R1およびR2は、独立に、C1−C24の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。) (式中、R1、R2およびR3は、独立に、C1−C20の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。) (式中、R1、R2およびR3は、独立に、C1−C20の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。) (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、C1−C16の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。) 式中、R6は、 および からなる群から選択される。) (B)下記式1bの芳香族化合物 (式中、R8は、H、CH3、OH、フェニル、CN、NO2、プロパン酸、エチルアミン、ギ酸およびホルムアミドからなる群から選択され、R9はHおよびOHから選択され、並びにR10はOHである。) を含む溶液と、前記材料の表面とを接触させる工程;並びに、 (c)前記(b)工程の後に、前記材料表面の無電解金属めっきを行う工程; を含む、方法。

说明书全文

ここに開示される実施形態は、一般に、非導電性材料の表面上に重合されたフィルムを形成し、その後この表面上に、従来のコンディショナーの補助を必要とすることなく、金属フィルムを形成する方法に関する。より詳細には、実施形態は、従来のコンディショナーの補助なしで、重合されたフィルムを用いて、非導電性材料の平滑な表面上に強に接着した無電解めっき金属フィルムを形成するための方法に関する。

無電解金属化(または無電解めっき)は、コンディショナー、マイクロエッチ、触媒(活性化)および無電解めっき浴の使用を含む一連のプロセス工程により、金属、セラミックまたはプラスチックのような材料上に薄い金属フィルムを得るための方法である。過去30年間にわたって無電解めっきに関して最もよく知られている触媒は、Pd/Snコロイドであり、このコロイドではパラジウムのコロイド状粒子が塩化スズによって安定化される。無電解めっきの前、誘電性基材の表面電荷は通常負である。静電反発力のために、基材上の負電荷は、通常、負に帯電したコロイドである触媒の吸着を阻害する。無電解金属化の開始は、触媒吸着が不十分である場合に困難となり得る。触媒吸着を改善するために、従来のコンディショナー工程が使用されることが多い。従来のコンディショナーの典型的な構成は、カチオン性界面活性剤を含み、これが正に帯電した基を提供して、基材を負の帯電から部分的な正の帯電に変更し、こうすることで触媒の吸着を改善できる。換言すれば、基材と触媒との相互作用は、静電引力を介する従来のコンディショナーによって向上される。

回路の信頼性は、主に、堆積された金属層と誘電性基材との間の接着による。不十分な接着は、許容できない欠陥、例えば「ピールオフ」またはブリスタリングを導くことがある。従来のコンディショナーからの静電引力は、堆積された金属層と誘電性基材との間に十分な接着を構築するのに十分強力であるとはいえない。金属接着を増大させるためには、例えばデスミアプロセスを用いる誘電性基材の表面の粗化が、無電解めっきの前に行われることが多い。この場合に、堆積された金属層と誘電性基材との間の十分な接着が、誘電性基材の粗化によって与えられる。平滑な表面上では、こうしたプロセスフローを用いて良好な接着を得るのはより困難である。

次世代チップキャリアに関するL/Sがより小さくなるにつれて、微細なラインをエッチングするためにはより平滑な表面が必要とされている。シグナルトレースの幅および空間が縮小を続け、シグナル周波数が増大し続けるにつれて、絶縁材料の表面がより平滑であることが必要とされる。低プロファイルの絶縁材料上に金属化層を高度に接着させることは、ますます困難になっている。接着を改善するための従来のエッチングタイプのプロセスは、もはや実行不可能であるので、微細にパターニングされた回路の絶縁材料上への接着を改善するためには代替方法が必要とされる。より微細なラインのチップキャリアのために平滑な表面上において金属とポリマーとを高度に接着させるためには、従来の粗化プロセスを改善し、新規な手法を開発することが必要である。微細なライン回路のためのエレクトロニクス産業の要件を満たすために、コンディショナーには、平滑な(低プロファイル)表面に高度な接着を与えることができると共に、負に帯電した触媒の吸着を改善するために誘電性基材の表面電荷を改変できることが必要とされる。

海産イガイ生命体は、岩、杭、および船体のような種々の表面に強く結合する能力が知られている。イガイ接着タンパク質の接着特徴は、3,4−ジヒドロキシフェニルアラミン(DOPA)の存在によると考えられている。P.B.Messersmith et al.SCIENCE,2007,Vol318,page426−430には、材料の表面に接着するイガイの接着タンパク質の能力を模倣するドーパミンの使用が開示されている。自己重合プロセスを介して、薄い表面接着ポリドーパミンフィルムが、種々広範な無機および有機基材をドーパミン溶液中に室温で24時間単に浸漬コーティングすることによって、これらの基材上に形成できる。無電解銀または銅堆積が、ポリドーパミンコーティングされた表面上で行われ、銀または銅の層を形成した。中国特許出願公開第10182678号には、ポリドーパミンアシストされた無電解銀プロセスが開示されており、ここではドーパミンの室温で0〜48時間の浸漬コーティングが使用された。米国特許出願公開第2010/0021748号には、基材をドーパミンを含むカテコールアミン溶液で処理し、ポリカテコールアミン層を形成した後、無電解めっきを行う工程を含むプロセスが開示されている。

ドーパミン補助無電解めっきに関する先行技術を検討すると、ドーパミン自己重合プロセスは、通常、約24時間の室温処理が必要であることがわかる。ドーパミンの相対的に高いコストと併せて、ドーパミン処理の長い滞留時間は、商業的応用への障壁となる。加えて、ドーパミンの自己重合に好適なpH範囲は、非常に狭い(6.5〜9.5)。このpH範囲外では、ドーパミンの自己重合は極めて低くなる。

中国特許出願公開第10182678号公報

米国特許出願公開第2010/0021748号明細書

P.B.Messersmith et al.SCIENCE,2007,Vol318,page426−430

本発明者らは、2つの特定化学物質を含む溶液中に材料を単に浸漬コーティングすることによって平滑な表面上に多機能ポリマーフィルムを形成する方法を見出した。得られたフィルムは、従来のコンディショナーの補助なしで、堆積された金属層と材料との間の接着が向上した無電解金属化を可能にする。これは、平滑な表面を有する誘電性基材に特に好適である。

本明細書に例示される態様によれば、薄い重合された表面接着ポリマーフィルムを、種々広範な無機および有機基材上に形成するための方法が提供され、これは、(A)少なくとも2つの官能基を有し、その官能基の少なくとも1つがアミノ基であるアミン化合物、および(B)芳香環上に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する芳香族化合物を含む溶液と、こうした基材を接触させることによる。本発明の別の態様は、上記(A)および(B)を含む溶液と、材料を接触させる工程の前に、フリーラジカル開始剤溶液と、材料の表面を接触させる工程を含む、上記の重合されたフィルムを形成する方法である。本発明のさらなる態様は、上記の重合されたフィルムを用いて、従来のコンディショナーの補助なしで、強力な接着で非導電性材料の平滑表面上に無電解めっきフィルムを形成するための方法である。

バックライト等級評価のための一連の標準画像である。

実施例19についてのバックライトテストの顕微鏡写真である。

実施例21についてのバックライトテストの顕微鏡写真である。

本明細書全体を通して使用される場合に、以下に与えられる略語は、特に明確に断らない限り、次の意味を有する:g=グラム;mg=ミリグラム;mL=ミリリットル;L=リットル;m=メートル;min.=分;s=秒;h.=hr.=時間;ppm=百万部あたりの部;mol=モル;mmol/L=リットルあたりのミリモル;g/L=リットルあたりのグラム;R.O.=逆浸透;RT=室温;Ex.No.=実施例番号;lb/in=インチあたりのポンド。本明細書全体を通して使用される場合、単語「堆積」および「めっき」が交換可能に使用される。本明細書全体を通して使用される場合、単語「めっき浴」および「めっき溶液」は交換可能に使用される。

この方法は、(A)少なくとも2つの官能基を有し、その官能基の少なくとも1つがアミノ基であるアミン化合物、および(B)芳香環上に少なくとも1つのヒドロキシル基を有する芳香族化合物を含む溶液と、材料の表面を接触させる工程を含む。

(A)アミン化合物 この実施形態のアミン化合物は、少なくとも2つの官能基を有する化合物であり、ここで官能基の少なくとも1つは、アミノ基である。官能基は、化合物が後で詳細に記載される(B)芳香族化合物と反応できるとしても、あらゆるの種類の官能基から選択できる。こうした官能基の例としては、アミノ基およびフェノール性ヒドロキシル基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、他の官能基はアミノ基である。アミノ基としては、一級アミノ基、二級アミノ基、および窒素含有複素環式基が挙げられる。アミン化合物は、脂肪族化合物または芳香族化合物であることができる。重合されたフィルムの化学物質耐性が必要とされる場合、芳香族アミン、例えばチラミンが好ましくは使用される。可撓性が必要とされる場合、より長い炭素鎖を有するアルキルジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン(HMDA)が好ましくは使用される。

アミン化合物の例は、式1a〜式7aに開示される。

式中R1は、C1−C24の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。

式中、R1およびR2は、独立に、C1−C24の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。

式中、R1、R2およびR3は、独立に、C1−C20の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。

式中、R1、R2およびR3は、独立に、C1−C20の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。

式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、独立に、C1−C16の線状または分岐状アルキレンおよび芳香族アルキレンからなる群から選択される。

式中、nは1〜1500の整数である。

式中、R6は、

および

からなる群から選択される。

アミン化合物は、2種以上のアミン化合物の混合物として使用できる。溶液中の(A)アミン化合物の量は、2mmol/L〜2000mmol/L、好ましくは10mmol/L〜400mmol/Lである。

(B)芳香族化合物 本実施形態の芳香族化合物は、芳香環に連結する少なくとも1つのヒドロキシル基を有する。好ましくは、芳香族化合物は、2つのヒドロキシル基を有し;より好ましくはそれらは、互いにオルトまたはパラ位にて2つのヒドロキシル基を有していてもよい。芳香族化合物は、フェニル、ナフチルまたはいずれかの他の芳香族化合物であることができる。好ましい芳香族化合物は、フェニル化合物である。 理論に束縛されることを望まないが、カテコールのような芳香環に連結したヒドロキシル基は酸化され、そしてその芳香族化合物はキノンに転化されると考えられる。キノンの酸素原子は電子吸引基であるので、キノンは、芳香環上で活性化された炭素原子を有する。マイケル付加が、芳香環上の活性化された炭素原子にて、アミン化合物のアミノ基と起こることができ、アミン化合物と芳香族化合物とが化合される。本発明者らは、室温にて、メタ位に2つのヒドロキシル基を有するレゾルシノールまたは1つのヒドロキシル基を有するフェノールとジアミンとの共重合速度は、それぞれオルト位およびパラ位に2つのヒドロキシル基を有するカテコールまたはヒドロキノンの共重合速度よりも遅いことを見出した。そのため、オルト位およびパラ位に2つのヒドロキシル基を有する化合物は、2つのヒドロキシル基がメタ位にある場合よりも、ケトン基の形成、およびアミン化合物とのマイケル付加反応が、容易に生じ得ると考えられる。

芳香族化合物の例は、式1bに開示される。

式中、R8は、H、CH3、OH、フェニル、CN、NO2、プロパン酸、エチルアミン、ギ酸およびホルムアミドからなる群から選択され、R9およびR10は、独立にHおよびOHから選択される。

芳香族化合物の混合物が使用できる。溶液中の(B)芳香族化合物の量は、2mmol/L〜2000mmol/L、好ましくは10mmol/L〜400mmol/Lである。溶液の媒質は、好ましくは水である。RO水または脱イオン水が使用できる。水と、有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールまたはテトラヒドロフランとの混合物も本発明の媒質として使用できる。

(A)および(B)を含む溶液中に材料を浸漬する場合に、材料の表面にフィルムが形成される。このフィルムは、(A)と(B)とのマイケル付加ならびに(B)と(B)または(B)と(A)のカップリングを介して、(A)と(B)とが共重合されたフィルムであると考えられる。有機材料の場合、有機表面とコポリマー(A+B)フィルムとの間に化学結合が、フリーラジカルまたはマイケル付加反応を介して形成され得る。無機材料の場合、無機表面と、コポリマー(A+B)フィルムとの配位結合が、配位反応を介して構築され得る。

材料の表面上にフィルムを合成するために、溶液中、(A)における官能基:(B)における官能基のモル比は、例えば10:1〜1:10で変動し得る。しかし、重合されたフィルムが無電解めっき技術のために使用される場合、好ましいモル比は、フィルムの必須特性および(A)および(B)おける官能基に依存する。

アミノ基は、可能性として正の電荷を保持する一方で、芳香環上のヒドロキシル基は、可能性として負の電荷を保持する。アミノ基とヒドロキシル基とのモル比を制御することによって、重合されたフィルムの電荷分布を変更できる。例えば負に帯電した触媒、例えばPd/Snコロイドが無電解堆積プロセスに使用される場合、正に帯電したコポリマー(A+B)フィルムは、負に帯電した触媒の良好な吸着のために好ましい。故に、重合されたフィルムが、例えば現在の産業無電解めっき技術におけるような、Pd/Snコロイド触媒を用いる無電解めっきプロセスのために使用される場合、(A)がジアミン化合物であり、(B)がジヒドロキシルフェニル化合物、例えばカテコールである場合、(A)と(B)との好ましいモル比は、4:1〜1:1で変動し、より好ましくは2:1である。他方で、正に帯電した触媒が開発され、使用される場合、負に帯電したコポリマー(A+B)フィルムが好ましい場合がある。

無電解めっきのプロセスが触媒作用工程を有さず、金属堆積が直接行われる場合、無電解めっきプロセスに対するコポリマー(A+B)フィルムの重要な影響は、その電荷ではなく、その還元性である。コポリマー(A+B)フィルムの還元性が高くなるにつれて、無電解めっきを開始する時間が短縮される。そのため、重合されたフィルムが触媒作用工程なしの無電解めっきプロセスのために使用される場合、(A)および(B)は、フィルムの還元性がより高くなるように選択されるべきであり、結果として堆積された金属と誘電性基材との間の接着は、コポリマー(A+B)フィルムの存在によって改善される。

(A)および(B)を含む溶液と材料の表面を接触させる工程は、あらゆる種類の方法、例えば浸漬または噴霧を介して行われる。

溶液と材料を接触させるための温度範囲は、5〜99℃である。溶液と材料の接触滞留時間は、溶液の温度に依存する。温度が室温付近である場合、溶液と材料を接触させるための時間は、好ましくは3時間〜3日間、より好ましくは0.5日間〜1日間である。温度が約80℃である場合、時間は、好ましくは0.1時間〜8時間、より好ましくは0.5時間〜4時間である。

本発明の別の態様は、(A)および(B)を含む溶液との接触の前にフリーラジカル開始剤溶液と材料の表面を接触させる工程を含む方法である。カテコールは、イガイ接着タンパク質分泌物中に存在する酵素を酸化し、DOPAのジヒドロキシフェニル基を高度に反応性のo−キノン官能性に転化することが知られている。リジン残基からの側鎖アミノ基のDOPA−キノン残基へのマイケル付加が予測できる。さらに、ジヒドロキシフェニル基の半酸化によってフリーラジカルo−セミキノンを発生させる可能性がある。フリーラジカル種は、o−セミキノン間に共有結合を構築する可能性があり、粘着性(架橋)を増大させ、有機材料へのカップリングを可能にし、界面接着(接着剤反応)を向上させることが予測される。

本発明者らは、(A)および(B)を含む溶液と接触させる前に、フリーラジカル開始剤溶液と材料の表面を接触させる工程は、ガラスファイバーのような誘電性基材上に無電解金属被覆を増大させることを見出し、これは、誘電性基材と堆積した金属フィルムとの接着が改善され得ることを示している。(A)および(B)を含む溶液の温度が20℃〜80℃に上昇する場合、ヒドロキシフェニル基の酸化割合は大きく増大する。(B)がカテコールである場合、o−キノンの発生が迅速になる一方で、フリーラジカルo−セミキノン(半酸化されたジヒドロキシフェニル)の濃度は低下し得る。フリーラジカルは、接着(カップリング)と粘着(架橋)反応との両方において重要な役割を果たすと考えられるので、フリーラジカルのレベルが低くなると、接着強度の改善が低下し得る。より高い無電解金属被覆および誘電性基材と堆積金属との間のより高い接着を得るために、フリーラジカル開始剤は、フリーラジカル開始剤の有機溶液と材料を接触させることによって導入される。

好ましいフリーラジカル開始剤は水溶性が制限された有機物可溶性フリーラジカル開始剤であるが、これはこうしたフリーラジカル開始剤が誘電性材料の表面と適合性であり、(A)および(B)を含む水溶液と接触した後に表面上に留まることができるためである。こうしたフリーラジカル開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、AIBN(2,2−アゾビスイソブチロニトリル)、ADMVN(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル)、および2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられるが、これらに限定されない。それらの構造式、CAS番号、分子量、溶解性、ならびに10時間の半減期分解温度を表1に列挙する。

溶液の好ましい媒質は、選択された特定のフリーラジカル開始剤に依存して、有機溶媒、例えばトルエン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、IPA(イソプロピルアルコール)、エチルアセテート、アセトン、またはメタノールである。

フリーラジカル開始剤溶液の濃度は、好ましくは0.003〜0.3mol/L、より好ましくは0.02〜0.2mol/Lである。フリーラジカル開始剤溶液と材料を接触させる温度は、好ましくは−10〜40℃、より好ましくは室温付近である。フリーラジカル開始剤溶液と材料を接触させる時間は、好ましくは0.1秒〜0.5時間、より好ましくは3秒〜3分間である。

(A)および(B)を含む溶液と接触させる前に、フリーラジカル開始剤溶液と材料を接触させる場合、続く工程の条件は、(A)および(B)を含む溶液と接触させる温度および滞留時間が各開始剤の半減期から決定されるべきであるように、フリーラジカル開始剤の種類に合わせるべきである。例えば(A)および(B)を含む溶液と接触させる工程の前に、AIBNがフリーラジカル開始剤として使用される場合、続く工程の温度および滞留時間は、80℃にて2〜4時間に合わせられるが、ADMVNが使用される場合は、65℃で2〜4時間で行われるべきである。

本発明のさらなる態様は、以下の工程を含む、材料の非導電性表面上に金属フィルムを形成するための方法である: 工程1 上記で記載される(A)および(B)を含む溶液と材料の表面を接触させる工程; 工程2 材料の表面の無電解金属めっきを行う工程。

工程1は、上記されており、その記述がここに組み込まれる。先に記載されたように、フリーラジカル開始剤と接触させる工程は、工程1の前に行うことができる。

工程1および2の間、触媒溶液を適用するための工程が行われてもよい。従来の触媒、例えばPd/SnコロイドあるいはPdまたはAgイオンを含有するイオン性触媒は、この工程のために使用できる。触媒溶液を適用する条件、例えば濃度、温度および時間に関して、従来の技術が適用できる。例えば、Dow Electronics Materialsから市販されているCATAPREP(商標)404Pre−dip(Pd/Sn触媒のための保護塩)と組み合わせたCATAPOSIT(商標)44Catalyst(Pd/Snコロイド状触媒)が使用できる。例えば材料は、270g/LのCATAPREP(商標)404Pre−dip水性浴に、20〜35℃にて0.5〜3.0分間浸漬して、触媒を有害なドラッグインから保護する。次いで材料は、15〜30mL/LのCATAPOSIT(商標)44Catalystおよび270g/LのCATAPREP(商標)404Pre−dipを含有する水溶液に4〜5分間32〜52℃で浸漬させる。

触媒工程のために必要なことは、金属化のために使用される無電解めっき浴に依存する。例えば、キレート化剤、還元剤、酸/塩基/pH調節剤、強還元剤と共に、弱キレート化剤を含む無電解めっき浴は、触媒工程を使用せずに無電解めっきを可能にし得る。故に、触媒作用工程を行わないめっきプロセスが採用される場合、(A)および(B)は、重合されたフィルムが上述したように高い還元性を有するように選択されるべきである。

工程2は、重合されたフィルムが形成されている材料の表面上での無電解金属めっき工程である。材料の表面は、1つ以上の金属層、例えば銅により無電解金属めっき浴を用いて無電解めっきされる。従来の無電解金属めっき浴が使用されてもよい。こうした浴は当該技術分野において周知である。材料の表面上に堆積され得る金属としては、銅、ニッケル、金、銀および銅/ニッケル合金が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ニッケルまたは銅は、材料の表面上に堆積される。例えばCIRCUPOSIT(商標)880ELECTROLESS COPPER、CUPOSIT(商標)253ELECTROLESS COPPER、CIRCUPOSIT(商標)3350ELECTROLESS COPPER(すべてDow Electronics Materialsから市販されている)が使用できる。従来の無電解プロセスが適用されてもよい。例えば銅無電解めっき浴が使用される場合、材料は、45ml/LのCIRCUPOSIT(商標)880E、10ml/LのCIRCUPOSIT(商標)880A、28ml/LのCUPOSIT(商標)Z、25ml/LのCIRCUPOSIT(商標)880C、および15ml/LのCUPOSIT(商標)Yを含む無電解めっき浴に、30〜34℃で15〜45分間浸漬される。

無電解めっき工程の後、材料は、さらなる加工処理を行い得る。さらなる加工処理は、材料、例えば銅、金、銀、スズおよびそれらの合金上への追加の無電解または電解金属めっきを含んでいてもよい。従来の電解金属浴が使用されてもよい。こうした浴は、当該技術分野において周知である。

上記で記載される各工程の後、材料は水で場合によりすすがれる。

本発明の方法は、処理された表面上の良好な無電解金属被覆、および材料の非導電性表面と堆積された金属フィルムとの間に、従来のコンディショナーの使用を必要としない良好な接着を与える。接着構築の機構は完全に理解されないが、化学結合、例えば配位結合または共有結合は、本発明によって開示される処理の間に形成されることができ、良好な接着結果に寄与すると考えられる。

本発明は、以下の実施例からより良く理解されうる。実施例は、例示のためだけに示され、いかなる方法によっても本発明を限定することを意図しない。以下の実施例において、ドーパミン溶液のpHは、0.010mol/Lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClで緩衝され、モノマーペアの水溶液のpHは、K2HPO4/クエン酸で3.0〜8.0のpH範囲に緩衝されるか、またはH3BO3/KCl/NaOHで8.0〜10.0のpH範囲に緩衝される。

実施例1〜12 実施例1〜12は、水溶液中のインサイチュ重合が可能であり、誘電性基材上の水不溶性コポリマー(A+B)フィルムを形成できる一部のモノマーペアの例を与える。これらのコポリマー(A+B)フィルムは、コンディショナーの機能を示し、これにより従来のコンディショナーを使用することなく、ガラスクロス試片上に無電解銅被覆を増大させる。

実施例1 (1)前処理 ガラスクロス試片は、ガラスファイバー強化ベアエポキシラミネートS1141から得た(サイズ:50mm*150mm*1mm,供給元:Shengyi Technology Co.Ltd.、ガラス転移温度:140〜150℃、ベアラミネートとして略記される)。ベアラミネート試片をまず、98%H2SO4に1日含浸させ、エポキシ樹脂を溶解し、ガラスクロスを露呈させ、次いで水で5分間すすいで、ガラスクロス表面を清浄にした。次いでこの処理を少なくとも1回繰り返し、エポキシ残渣を最小限にした。最終的なすすぎの後、ガラスクロス試片を120℃で4時間オーブン乾燥させた。

(2)フリーラジカル開始剤処理 乾燥したガラスクロス試片を、フリーラジカル開始剤溶液と接触させた。ガラス試片を、トルエン中の0.2mol/LのAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を含むフリーラジカル開始剤溶液中に、室温で1分間浸漬させ、次いでドラフト中で室温にて5分間乾燥させた。

(3)(A)+(B)溶液処理 次に、ガラスクロス試片を(A)および(B)を含む溶液と接触させた。0.026mol/Lのヘキサメチレンジアミンおよび0.013mol/Lのカテコールを含む溶液を、K2HPO4/クエン酸緩衝剤溶液を用いて調製した。溶液のpHは4.5であった。次いでガラスクロス試片を上述の水溶液中に、80℃で4時間浸漬した。水不溶性コポリマー(A+B)フィルムを、処理されたガラスクロス試片の表面上に形成した。

(4)従来のコンディショナー工程を使用しない無電解めっき 次に、コポリマー(A+B)フィルムで処理されたガラスクロス試片を、従来のコンディショナー工程なしで、無電解銅めっきプロセスにて処理した。試片を、50g/LのPREPOSIT(商標)Etch748(Dow Electronics Materials)および20mL/Lの98%H2SO4(Sigma−Aldrich)を含有するMicroetch浴に室温で1分間含浸させ、次いでR.O.水で3分間すすいだ。この後、試片を、270g/LのCATAPREP(商標)404PreDip(Dow Electronics Materials)中に23℃で1分間浸漬した。次いでガラスクロス試片を、20mL/LのCATAPOSIT(商標)44触媒濃縮物(Dow Electronics Materials)および270g/LのCATAPREP(商標)404PreDipを含有する触媒浴に、40℃で5分間浸漬し、次いでR.O.水で2分間すすいだ。次いで、試片を、CIRCUPOSIT(商標)880無電解銅浴(Dow Electronics Materials)中に、34℃で30〜45分間浸漬したが、これは45mL/LのCIRCUPOSIT(商標)880E、10mL/LのCIRCUPOSIT(商標)880A、28mL/LのCUPOSIT(商標)Z、25mL/LのCIRCUPOSIT(商標)880C、および15mL/LのCUPOSIT(商標)Yを用いて調製された。その後、ガラスクロス試片を、R.O.水で3分間すすぎ、エアナイフで2分間乾燥させた。均一な無電解銅フィルムが、従来のコンディショナーの使用なしで、ガラスクロス試片の表面に形成された。

実施例2〜8 実施例2〜8は、手順(3)におけるモノマーペア((A)+(B))およびそれらのモル比が表2に示されるように変更された以外は、実施例1と同じ方法で加工処理された。基本濃度は0.013mol/Lであった。基本濃度0.013mol/Lと表2に示されている指示モノマーのモル比を乗じることによって、処理浴中のそのモノマーの初期濃度を得た。すべての実施例において、水不溶性コポリマー(A+B)フィルムを、「(A)+(B)溶液処理」の後、ガラスクロス試片表面上に形成し、無電解銅めっきフィルムを、従来のコンディショナー工程なしで無電解めっき後に形成した。

実施例9、10 実施例9および10は、化学物質、それらのモル比、処理温度および手順(3)内の処理滞留時間を、表2に示すように変更し、工程(2)を行わない以外、実施例1と同じ方法で加工処理した。基本濃度は0.013mol/Lであった。基本濃度0.013mol/Lと表2に示されている指示モノマーのモル比を乗じることによって、処理浴中のそのモノマーの初期濃度を得た。水不溶性コポリマー(A+B)フィルムを、「(A)+(B)溶液処理」の後、ガラスクロス試片表面上に形成し、無電解銅めっきフィルムを、従来のコンディショナー工程なしで無電解めっき後に形成した。

実施例11 実施例11は、実施例1〜8のブランクコントロールである。それは、工程(2)を、フリーラジカル開始剤の不存在下、トルエンを用いて行い、工程(3)を、溶質を含まない蒸留水単独で用いて行う以外、実施例1と同じ方法で加工処理した。非常に少量の無電解銅のみが、従来のコンディショナー工程を使用しない無電解めっき後に、ガラスクロス試片の表面上に堆積した。無電解銅フィルムの連続フィルムは形成されなかった。

実施例12 実施例12は実施例9および10のブランクコントロールである。それは、工程(3)が、溶質を含まない蒸留水のみを用いて行われる以外、実施例9および10と同じ方法で加工処理された。非常に少量の無電解銅のみが、従来のコンディショナー工程なしで無電解めっき後のガラスクロス試片の表面上に堆積した。無電解銅フィルムの連続フィルムは形成されなかった。

実施例1〜12から、実施例1〜9のモノマーペア((A)+(B))のすべてが、ドーパミンの挙動と同様に、水溶液中の重合により水不溶性ポリマーフィルムを形成することができたことがわかる。従来のコンディショナーの補助なしで、ガラスクロス試片上に無電解銅はほぼ堆積できない。無電解銅めっき後、ブランクコントロールのガラスクロス試片に関しては、部分的な被覆で非常に淡いピンク色のみの形成が観察される(実施例11、12)。モノマーペア処理されたまたはドーパミン処理されたガラスクロス試片は、従来のコンディショナーの補助なしで、無電解銅めっき後に、連続銅堆積物を示す均一な明るいサーモンピンクの外観を示す。実施例1〜9のモノマーペア((A)+(B))によって形成されたコポリマー(A+B)フィルム、ならびに室温にてドーパミンによって形成されたポリドーパミンフィルムは、コンディショナー機能を示すといえる。それらは、従来のコンディショナーを使用することなく、ガラスクロス試片上に銅被覆を増大できる。

実施例13〜17 実施例13〜17に関しては2つの目的がある。一方の目的は、モノマーペア処理のコンディショナー機能と、80℃で2〜4時間ドーパミンによる場合とを、バックライトテストによって比較することであった。他方の目的は、モノマーペア処理のコンディショナー機能に対するフリーラジカル開始剤処理の利益を試験することであった。 ガラスクロス試片上の無電解銅の被覆を視覚的に確認することによって、インサイチュ重合フィルムのコンディショナー機能を、より直接的に、より好都合に評価した。無電解銅被覆の定量測定は、バックライトテストであったが、これはめっきスルーホールにおける無電解銅被覆の程度を測定し、これは樹脂、ガラスファイバーチップ、および横断ガラスファイバーの領域を含有する。

バックライトテストは、同じ軸に沿って配列されている多数のホールを含有するドリル穿孔されたラミネートから切断された小さいセクション上で行われた。選択されたホールの直径は、1ミリメートルであった。ドリル穿孔されたラミネートが無電解銅めっきプロセスを通して加工処理されたら、評価されるべきホールは、ダイアモンドソーを用いて抜き出された。ホールはバリまたは他の破片がなく、試片の厚さ(ホールの背面から中央まで)が3mm未満であり、光がサンプル中を伝達でき、光がバックライトテストのために突き抜けることができることを確実にしながら、ホールを、それらの中心軸に可能な限り近く切断した。50〜1500倍の拡大が可能な光学顕微鏡を使用して、バックライトテストを行った。各ホールは、図1に示される一連の標準画像と比較することによって個々に評価された。

透過した光は、不完全な無電解銅被覆が存在するホール内のいずれかの領域において視覚可能であった。0.0〜5.0の数値スケールが、バックライト等級として使用され、ここで5.0は樹脂領域およびガラスファイバー領域の両方において完全な銅被覆を表す。4.5以上のバックライト等級は、樹脂およびガラスファイバー領域上の実質的に完全な銅被覆を表す。副次的なガラスチップボイドだけが観察された。4.0以上のバックライト等級は、樹脂およびガラスファイバー領域の大部分が銅被覆を有するが、一部のガラスチップ領域において、および時にはガラスファイバーの横領域においてボイドが認められたことを示した。2〜3.5の範囲のバックライト等級は、樹脂領域上では良好な銅被覆を表すが、ガラス領域(ガラスチップおよび横断ガラスファイバー領域)上では不十分な銅被覆を表した。2より低いバックライト等級は、最小の銅被覆が、樹脂領域またはガラスファイバー領域のいずれかに認められたことを意味する。本発明に示されるバックライト等級は、10個のホールについての値の平均であった。

実施例13 (1)前処理 実施例1と同じガラスクロス試片を、フィルム形成テストおよび無電解銅被覆テストのためにサンプルとして使用し、1mm直径のドリル穿孔ホールを有する銅クラッドラミネートS1141(サイズ:35mm*100mm*2mm、試片あたりの20個のホール、Shengyi Technology Co.Ltd.、ガラス転移温度:140〜150℃、ドリル穿孔ラミネートと略記)をバックライトテストのためのサンプルとして使用した。ドリルラミネートは、以下に示されるデスミアプロセスを通して加工処理され、これは膨潤剤、酸化、および中和剤浴処理を含んでいた。ガラスクロス試片は、デスミアプロセスにおいて処理されなかった。

ドリルラミネートは、75℃にて5分間膨潤剤浴中に浸漬し、これは125mL/LのCIRCUPOSIT(商標)MLBConditioner211(Dow Electronics Materials)および115mL/LのCUPOSIT(商標)Z(Dow Electronics Materials)を含有しており、次いでR.O.水で3分間すすいだ。ドリル穿孔ラミネートを、次いで酸化浴中に80℃で8分間浸漬したが、これは150mL/LのCUPOSIT(商標)Z(Dow Electronics Materials)および100mL/LのCIRCUPOSIT(商標)MLBプロモーター213(Dow Electronics Materials)を含有しており、次いでR.O.水で3分間すすいだ。その後、ドリル穿孔ラミネートを、50mL/LのCIRCUPOSIT(商標)MLB中和剤215−5浴(Dow Electronics Materials)中に40℃で5分間浸漬した後、水で3分間すすいだ。ドリル穿孔ラミネートを、次いでエアナイフで2分間乾燥させた。

(2)フリーラジカル開始剤処理 乾燥されたガラスクロス試片ならびにデスミアされたドリル穿孔ラミネートを、実施例1と同じフリーラジカル開始剤処理で処理した。テストサンプルは、トルエン中の0.2mol/LのAIBNを含むフリーラジカル開始剤溶液中に室温で1分間浸漬した。次いでサンプルをドラフト中、室温で5分間乾燥させた。

(3)(A)+(B)溶液処理 ガラスクロス試片およびドリル穿孔ラミネートの両方を、上記の(A)および(B)を含む溶液と接触させた。表3に示されるように、0.026mol/Lのヘキサメチレンジアミンおよび0.013mol/Lのカテコールを含む溶液を、K2HPO4/クエン酸緩衝剤溶液を用いて調製した。溶液のpHを4.5にした。サンプルを上記で記載される水溶液中に80℃で2〜4時間で浸漬させた。水不溶性コポリマー(A+B)フィルムがサンプルの表面上に形成された。

(4)従来のコンディショナー工程を使用しない無電解銅めっき ガラスクロス試片およびドリル穿孔ラミネートの両方を、実施例1と同じ無電解銅めっきプロセスを通して加工処理した。

(5)バックライトテスト 無電解銅めっき後、ドリル穿孔ラミネートサンプルを、先行するセクションに記載されるダイアモンドソーによって切断した。バックライトテストを1mm直径を有するサンプルあたり10個のホールについて、拡大:50×のLeica DM6000光学顕微鏡を用いて行った。表3に示されるバックライト等級は、10個のホールについての値の平均であった。

実施例14 実施例14は、工程(2)がいずれかのフリーラジカル開始剤の不存在下でトルエン中で行われた以外、実施例13と同じ方法で加工処理された。

実施例15 実施例15は、フリーラジカル処理を用いるドーパミンのコントロール実施例であった。それは、工程(3)が、0.010mol/Lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClでpH8.5に緩衝された0.013mol/Lのドーパミン水溶液を用いて行われる以外、実施例13と同じ方法で加工処理された。

実施例16 実施例16は、フリーラジカル処理を用いないドーパミンのコントロール実施例であった。それは、工程(2)が、フリーラジカル開始剤の不存在下でトルエン中で行われ、工程(3)が、0.010mol/Lのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよびHClでpH8.5に緩衝された0.013mol/Lのドーパミン水溶液を用いて行われる以外、実施例13と同じ方法で加工処理された。

実施例17 実施例17は、実施例13〜16のブランクコントロールであった。それは、工程(2)がフリーラジカル開始剤の不存在下でトルエン中で行われ、工程(3)が溶質を含まない蒸留水のみで行われた以外、実施例13と同じ方法で加工処理された。

実施例14と17とを比較すると、良好な銅被覆は、ガラスクロス試片上において、およびフリーラジカル開始剤なしで80℃で2〜4時間モノマーペア(HMDA/カテコール)によって処理されたドリル穿孔ラミネートのスルーホールにおいての両方で得られただけであったことがわかる。

実施例14と13とを比較すると、さらに良好な銅被覆は、フリーラジカル開始剤処理を伴う同じ温度(80℃)で同じ期間(2〜4時間)、同じモノマーペア(HMDA/カテコール)によって処理されたドリル穿孔ラミネートのスルーホールにおいて得られたことがわかる。

実施例15および16では、不十分な銅被覆は、ガラスクロス試片上において、および80℃で2〜4時間ドーパミンによって処理されたドリル穿孔ラミネートのスルーホールにおいて、フリーラジカル処理ありまたは処理なしのいずれにかかわらず、観察されたことが示されたが、処理されたサンプルの表面上には視覚可能なポリドーパミンフィルムが形成されていた。表2に示された実施例10と比較して、ポリドーパミンの形成温度は、そのコンディショナー機能に影響した。室温で24時間では、形成されたポリドーパミンフィルムは、良好なコンディショナー機能を示した。80℃で2〜4時間では、ポリドーパミンフィルムは、コンディショナー機能を示さなかったが、その外観は室温24時間で形成された場合と同様であった。この現象の可能性としての説明は、反応の優先度が処理温度の上昇によって変更された可能性があることである。より高温では、酸化反応の割合が高いことが観察され、マイケル付加反応の割合が高いことが想定された。これらの条件下、アミン基がより多く消費されることが予測され、ポリドーパミンフィルムの表面上に残留するアミン基は少なく、より弱いコンディショナー機能をもたらした。

実施例18〜25 実施例18〜25は、モノマーペア((A)+(B))処理によって形成されたコポリマー(A+B)フィルムの複数の機能を試験するために行われ、これは、ブラックライトテストおよび剥離強度テストによるコンディショナーの機能および接着促進剤の機能を含む。

剥離強度テストは、以下の条件を用いてテスト試片にて行われた: 設備:剥離強度テスター、タイプ:Ceco TA631E 剥離速度:2インチ/分 銅ストリップの幅:10ミリメートル 銅ストリップの長さ:100ミリメートル 銅ストリップの厚さ:34ミクロン〜38ミクロン ストリップあたりの試験時間:80秒 1つのストリップに関して剥離強度データ:15秒〜75秒の間の剥離強度値の平均 本発明に示される剥離強度データ:8〜10ストリップから得られた剥離強度データの平均

実施例18〜20 (1)前処理 実施例13と同じドリル穿孔ラミネートS1141を、バックライトテストのためのサンプルとして使用し、ガラスファイバー強化ベアエポキシラミネートS1141(サイズ:50mm*150mm*1mm、供給元:Shengyi Technology Co.Ltd.、ガラス転移温度:140〜150℃、ベアラミネートS1141として略記される)を、誘電性基材と堆積された金属フィルムとの間の剥離強度のためのテストサンプルとして使用した。

ベアラミネートS1141およびドリル穿孔ラミネートS1141を、実施例13に記載される同じデスミアプロセスを通して加工処理した。

(2)フリーラジカル開始剤処理 デスミアベアラミネートS1141およびデスミアドリル穿孔ラミネートS1141を、実施例13に記載される同じフリーラジカル開始剤処理プロセスを通して加工処理した。

(3)(A)+(B)溶液処理 次に、サンプルは、上記(A)および(B)を含む溶液と接触させる工程を通して加工処理された。これらの実験において、(A)は、ヘキサメチレンジアミンであり、(B)はカテコールである。基本濃度は0.013mol/Lであった。基本濃度0.013mol/Lと表4に示される指示モノマーのモル比を乗じることによって、処理浴中のそのモノマーの初期濃度を得た。サンプルを80℃で2〜4時間処理した。水不溶性フィルムが、処理されたサンプルの表面上に形成された。

(4)従来のコンディショナー工程を使用しない無電解めっき (A)+(B)溶液処理の後、ベアラミネートS1141およびドリル穿孔ラミネートS1141は、実施例13に記載される従来のコンディショナー工程のない同じ無電解めっきプロセスを通して加工処理された。

(5)バックライトテスト 無電解めっき後、ドリル穿孔ラミネートS1141は、実施例13と同じバックライトテストを用いて試験された。

(6)電解めっき 無電解銅フィルムを有するベアラミネートS1141のサンプルを、電解銅めっきプロセスを通して加工処理した。サンプルをまず、酸清浄剤浴において40℃で5分間浸漬させたが、これは50mL/LのRONACLEAN(商標)LP200ACIDIC CLEANER(Dow Electronics Materials)および50mL/Lの98%のH2SO4(Sigma−Aldrich)を含有していた。次いでサンプルをR.O.水で3分間すすいだ。その後、サンプルを、100mLの98%H2SO4水溶液中に、23℃で1分間浸漬させた。次いで電解めっきを、CuSO4からの75g/L銅イオン、100mL/Lの98%H2SO4(Sigma−Aldrich)、1mol/LのHCl(Sigma−Aldrich)からの60ppmの塩化物イオン、10mL/LのCOPPER GLEAM(商標)125T−AB PartBおよび5mL/LのCOPPER GLEAM(商標)125T−AB PartAを含む水溶液にて、平方フィートあたり20アンペアで80分間行われた。

(7)ベーキング 次に、電解めっきサンプルを、剥離強度テストの前に160℃で60分間ベークした。

実施例21 実施例21は、実施例18〜20についてのブランクコントロールであった。それは、工程(2)が、フリーラジカル開始剤の不存在下でトルエン中で行われ、工程(3)が溶質を含まない蒸留水でのみ行われた以外、実施例18〜20と同じ方法で加工処理された。

実施例22〜24 実施例22〜24は、剥離強度テストが、別のタイプの誘電性基材、ラミネート基材に適用されたABF−GX−13フィルム(サイズ:100mm*100mm、供給元:Ajinomoto fine−techno Co.,Inc.)上で行われ、バックライトテストを行わなかった以外、実施例18〜20と同じ方法で加工処理された。

実施例25 実施例25は、実施例22〜24についてのブランクコントロールであった。それは、工程(2)が、フリーラジカル開始剤の不存在下でトルエン中で行われ、工程(3)が、溶質を含まない蒸留水のみで行われた以外、実施例22〜24と同じ方法で加工処理された。

実施例18〜20の溶液で処理されたスルーホール(図2—実施例19)は、未処理のもの(図3—実施例21)よりも相当良好な無電解銅被覆を示し、ヘキサメチレンジアミンおよびカテコールを含む溶液で処理された試片(S1141−実施例18〜20またはABF−GX13−実施例22〜24のいずれか)は、未処理のもの(実施例20または実施例25)よりも相当高い剥離強度を示したことが観察された。バックライトおよび剥離強度における改善は、(A)と(B)とのモル比および処理浴のpHにより変動したが、これは性能が要件に基づいて調整され得ることを示した。

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