アミノプラスト架橋剤樹脂組成物、それらの調製方法及び使用方法

申请号 JP2014536274 申请日 2012-10-21 公开(公告)号 JP6122857B2 公开(公告)日 2017-04-26
申请人 オルネクス イペ エス.アー.エール.エル; オルネクス イペ エス.アー.エール.エル; オールネックス オーストリア ゲーエムベーハー; オールネックス オーストリア ゲーエムベーハー; 发明人 − タン ウィルソン リン、ロン; − タン ウィルソン リン、ロン; − ジョン ウー、クアン; − ジョン ウー、クアン; 勝美 稲垣; 勝美 稲垣; ビリアーニ、ジョアン;
摘要
权利要求
  • メラミン、ホルムアルデヒド、及びアルカノールR−OHの少なくとも部分的にアルキル化された反応生成物Aを含み、以下のパラメーターを有する、アミノプラスト架橋剤樹脂組成物:
    − 結合したホルムアルデヒドの物質n(CH O)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比が、5.55モル/モル〜6.2モル/モルの範囲内にあり、
    − 当該架橋剤樹脂中のアルキルエーテル基の物質n(RO)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比が、5.0モル/モル〜5.6モル/モルの範囲内にあり、そして、
    − モノマーm(Al)の質量の、反応生成物Aの質量m(A)に対する比として計算した、当該架橋剤樹脂中のモノマーの質量分率が、35%〜55%の間であり、そして、
    Rは、8個までの炭素原子を有し、線状又は分岐であってもよいアルキル基である。
  • 反応生成物A中で、当該架橋剤樹脂中のイミノ基>NHの物質n(>NH)の量の、トリアジンの物質n(C )の量に対する比が、0.21%以下である、請求項1に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物。
  • 反応生成物A中で、結合したホルムアルデヒドの物質n(CH O)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比n(CH O)/n(Mel)と、反応生成物A中のアルキルエーテル基の物質n(RO)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比n(RO)/n(Mel)との間の相違が、少なくとも0.5モル/モルである、請求項1又は2に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物。
  • 反応生成物A中で、質量m(CH −OH)の、反応生成物Aの質量m(A)に対する比として計算した、遊離メチロール基、−CH −OH、の当該架橋剤樹脂中の質量分率が、1.5%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物。
  • 結合したホルムアルデヒドの物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、5.75モル/モルより多く6.5モル/モル以下であり、エーテル基R'O−の物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、4.5モル/モル〜5.9モル/モルであり、そして、遊離ホルムアルデヒドの残留質量分率が0.25%以下であり、モノマーアルコキシメチルメラミンを質量分率で55%より多く95%まで有する少なくとも部分的にアルキル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である架橋剤Bを更に含み、しかも、これらの混合物中で、Aの質量の、A及びBの質量の合計に対する比が、99%〜30%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物。
  • 以下の工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の反応生成物Aを含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の調製方法であって:
    − 第一工程で、メラミン、ホルムアルデヒド、及び脂肪族アルコール、好ましくはメタノールを、1モル:少なくとも6.5モル:4〜12モルのn(Mel):n(CH O):n(R−OH)の物質比の量で反応させることによってアルキル化メチロール化メラミンを合成し、ここで、「Mel」はメラミンを表わし、「CH O」はホルムアルデヒドを表わし、そして、「R−OH」は1個の炭素原子〜6個の炭素原子を有する線状又は分岐脂肪族アルコールを表し、そして、
    − 第二工程で、このアルキル化メチロール化メラミンを、35℃〜90℃の温度で酸触媒の存在下に更にアルコールR−OHと処理して、冷却後に反応生成物Aを生産する、前記方法。
  • せん断下に架橋剤Bを反応生成物Aに混合することによって、架橋剤混合物を調製する、請求項5に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の調製方法。
  • 以下の工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の使用方法であって:
    − 溶液又は水性分散物の形でヒドロキシ官能性ポリマーを提供し− 混合下、それらに、請求項1に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物を添加し、そして、
    − 基材をこの被覆組成物で被覆して、基材上に皮膜を調製し、そして、
    − 熱をかけることによって皮膜を硬化し、
    ここで、硬化温度は20℃〜100℃の間である、前記方法。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが、ヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートから成る群から選択されるヒドロキシ官能性オレフィン系不飽和モノマ ーに基づく、請求項8に記載の使用方法。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが、ヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートから成る群から選択されるヒドロキシ官能性オレフィン系不飽和モノマー、及びオレフィン系不飽和カルボン酸、及び更にオレフィン系不飽和モノマー、に基づく、請求項8に記載の使用方法。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーがアルキド樹脂である、請求項8に記載の使用方法。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが一級ヒドロキシル基を有する、請求項8〜 11のいずれか1項に記載の使用方法。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが45℃以下のガラス転移温度を有する、請求項8〜 12のいずれか1項に記載の方法。
  • 基材が、金属又は鉱物基材、又は、熱可塑性材料、紙、段ボール、木材、産業用木材、組立木材、織物、及び皮革から成る群から選択される感熱基材である、請求項8〜 13のいずれか1項に記載の使用方法。
  • 溶液又は水性分散物の形のヒドロキシ官能性ポリマーと、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂組成物とを含む、被覆組成物。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが、有機溶媒中の溶液の形で、及び、水性分散物の形で、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル−アルキド混成又はアクリル−ポリエステル混成、ポリエーテルポリマー、ポリオレフィンポリマー、又は、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリカーボネート−ポリウレタン、及びポリオレフィン−ポリウレタンから成る群から選択されてもよいポリウレタンポリマー、から成る群から選択される、請求項15に記載の被覆組成物。
  • ヒドロキシ官能性ポリマーが45℃以下のガラス転移温度を有する、請求項15 又は16に記載の被覆組成物。
  • 以下の工程を含む、請求項 15〜17に記載の被覆組成物を製造する方法:
    溶液又は水性分散物の形でヒドロキシ官能性ポリマーを投入し、そして、それらに、反応生成物A、又は、反応生成物Aと架橋剤Bとの混合物を混合し、又は、最初に反応生成物Aをその後に架橋剤Bを混合し、又は、最初に架橋剤Bをその後に反応生成物Aを混 合する。
  • 以下の工程を更に含む、請求項18に記載の被覆組成物を製造する方法:
    架橋剤の添加前、添加中、又は添加後に、添加物又は顔料又はその両方を更に混合する。
  • 金属、木材、産業用木材、組立木材、金属、プラスチック、紙、段ボール、織物、皮革又は鉱物基材の上に、皮膜を調製する、請求項 15〜17のいずれか1項に記載の被覆組成物の使用方法。
  • 说明书全文

    発明の分野
    本発明は、アミノプラスト架橋剤樹脂組成物、特にアルコキシメチルメラミンに基づくもの、及び、被覆組成物中でのそのような架橋剤樹脂の使用及び製造方法、に関する。

    発明の背景
    アミノプラスト架橋剤樹脂、特に場合によりメラミン及びホルムアルデヒドから導かれたエーテル化樹脂は、自動車、電気器具及びコイル被覆などの分野で、木材及び金属などの基材上の多くの工業被覆用途で、網状三次元ポリマーネットワークを含む皮膜を形成するために架橋剤として、使用されてきた。 アミノプラスト架橋剤樹脂の官能基は、特にヒドロキシル基であるバインダー樹脂の官能基とだけでなく、自己縮合反応で自分自身とも反応できる。 アミノプラスト架橋剤樹脂は、通常は、モノマー及びオリゴマー分子の混合物である。

    メラミンホルムアルデヒド樹脂の場合は、メラミン単位は、交互の炭素及び窒素原子の複素環式の六員環トリアジン環を含み、そこでは、3個の環炭素原子の各々は、メラミン中のこれらの窒素原子に結合した素原子の置換によって、2個の官能基に連結できそしてトリアジン環の一部ではない側基窒素原子を有する。 したがって、各モノマーメラミン単位は、6個の官能基を有する。 メラミン及びホルムアルデヒド基アミノ架橋剤樹脂の合成において、メラミンは、ホルムアルデヒドと反応して、異なるメチロールメラミンの混合物を形成し、そこでは、ホルムアルデヒドの少なくとも1個の分子は、アミン系窒素原子への添加下に反応して、ヘキサメチロールメラミンまで、式>N−CH −OHのいわゆるN−メチロール基を形成し、そこでは、すべてのアミン系窒素原子は、2個のメチロール基を持つ。 6より多いホルムアルデヒド分子の反応も可能であり、>N−CH −(O−CH )n−OHなどの構造が形成され、nはN−メチロール基で0又は0より大きくすなわち1以上であり、そこでは、オリゴアセタール基が形成される。 メチロール化合物は、その後、脂肪族アルコール、好ましくはメタノール、n−ブタノール、又はイソブタノール、又はそれらの混合物と反応でき、例えば、6モルの脂肪族アルコール、R−OH、ヘキサ−アルコキシメチルメラミン及び6モルのホルムアルデヒドと結合した1モルのメラミン化学量論比で、エーテル化メチロールメラミンの混合物を形成し、そこでは、各々のアミン系窒素原子は、2個のアルコキシメチル基−N(CH −OR) を有する。

    こうして、アルコール及びホルムアルデヒドとメラミンの反応は、トリアジン単位間の架橋を表す基を含む側基窒素原子に付いたいろいろな官能基を提供できる。 これらの官能基は、イミノ(>N−H)、オリゴアセタール(>N−CH −[O−CH ]n−O−H)、アルコキシオリゴアセタール(>N−CH −[OCH ]n−OR)、アルコキシメチル(>N−CH −OR)、メチレンエーテル架橋(>N−CH −O−CH −N<)、メチレン架橋(>N−CH −N<)及びメチロール(>N−CH −OH)基を含む。 メチレンエーテル架橋及びメチレン架橋は、個々のメラミン単位を連結してオリゴマー種となり、これは、二量体、三量体等と通常言われる1分子中に1個より多くのトリアジン部位を含有する。

    Erikson et al. は、US特許3,322,762中で、「実質的にヘキサキス(メトキシメチル)メラミン」の製造を開示する。 それらの合成は、分子当り6個のメチロール基を有するメラミン分子を、過剰なメタノール、この場合は1モルのメラミン当り少なくとも20モルのメタノールと、約1〜3の間のpHで反応させて、「十分にメチル化した」ヘキサキス(メトキシメチル)メラミンを製造することを、包含する。 当該生成物は、25℃で水中に33%の固体の質量分率までの量で、水中に溶解できる。

    Graziano et al. は、US特許5,376,504中で、改善された感度及び保存期間を有するフォトレジストを調製する際に使用する、市販の高度にメチロール化された及び高度にエーテル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂のバッチ式蒸留による合成の副生物からの、モノマーヘキサメトキシメチルメラミンの回収を開示する。

    アルコキシメチルメラミンのオリゴマー誘導体もまた有用な架橋剤なので、高度にモノマーアルコキシメチルメラミン生成物の製造方法を開発する動機づけはほとんどなかった。 Cameron et al. は、US特許4,837,278中で、「低イミノで十分にアルキル化されたアミノプラスト架橋剤」の使用を報告する。 (登録商標)Resimene RF 4518と言われる、市販のアミノプラスト樹脂がこの特許中で使用され、これは、US2002/0000536Alで報告された分析によれば、約30%のモノマーの質量分率、及び約0.28%のイミノ基、>NH、の質量分率を持つ、1分子のメラミンに結合した約5個のアルコキシメチル基を典型的に含む、2−エチルヘキソキシメチル基及びメトキシメチルを含む混合アルコキシメチルメラミンである。

    本発明の目的は、柔軟で強靭な皮膜の製造において低温架橋剤として使用される改善されたアルコキシメチルメラミン組成物を提供することである。 他の目的は、改善された耐溶剤性を持つ被覆を提供する改善された低温で硬化するアルコキシメチルメラミン組成物を提供することである。 更なる目的は、高度にメチル化された液体メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂の低温貯蔵安定性を改善することであり、これらは低温での長期貯蔵で固体堆積物を形成又は凝固する傾向があるからである。 更なる目的は、意図した用途に従って架橋効率を仕立てる基礎を提供することである。

    以下の詳細な記述及び実施例から明白なように、本発明のこれら及び他の目的は、高アルキル置換及び低イミノ含有量を持つモノマー及びオリゴマーアルコキシメチルメラミン化合物の混合物を提供することによって、実現される。

    本発明の概要
    本発明は、メラミン、ホルムアルデヒド、及びアルカノールの反応によって製造された反応生成物Aを含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物を提供し、当該反応生成物Aは、少なくとも5.0モル/モルの、エーテル基RO−の物質の量の、メラミンの物質の量に対する比、及び、少なくとも5.5モル/モルで5.75モル/モル以下の、結合したホルムアルデヒドの物質の量の、メラミンの物質の量に対する比を持つ、35%から55%までのモノマーアルコキシメチルメラミンの質量分率を含むアルコキシメチルメラミン誘導体である。 好ましくは、当該架橋剤樹脂中のイミノ基>NHの物質n(>NH)の量の、トリアジンの物質n(C )の量に対する比が、0.21%(0.21cモル/モル)以下である。 Rは、8個までの炭素原子を有し、線状又は分岐であってもよいアルキル基である。

    「モノマー」ともここで呼ぶ、モノマーアルコキシメチルメラミンは、その分子中にまさに1個のメラミン誘導部位を有し、言い換えると、これらの分子中には、上で定義したように存在する架橋がない。

    本発明は、結合したホルムアルデヒドの物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、5.75モル/モルより多く6.5モル/モル以下であり、エーテル基R−O−の物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、4.5モル/モル〜5.9モル/モルであり、そして、架橋剤B中の遊離ホルムアルデヒドの残留質量分率、m(CH 遊離 )/m(B)(ここで、m(CH 遊離 )は遊離ホルムアルデヒドの質量であり、m(B)は架橋剤Bの質量である)、が0.25cg/g又は0.25%以下であり、モノマーアルコキシメチルメラミンを質量分率で55%より多く95%まで有する少なくとも部分的にアルキル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂に基づく更なる架橋剤Bと、上述の反応生成物Aとの混合物を含む アミノプラスト架橋剤樹脂組成物を更に提供する。 これらの混合物において、反応生成物Aの質量m(A)の、A及びBの質量の合計、m(A)+m(B)、に対する比は、99%〜30%、好ましくは98%〜40%、特に好ましくは97%〜50%である。

    本発明は、以下の工程を含む、反応生成物Aの調製方法も提供する:
    第一工程で、メラミン、ホルムアルデヒド、及び脂肪族アルコール、好ましくはメタノールを、1モル:少なくとも6.5モル:4〜12モルのn(Mel):n(CH O):n(R−OH)のモル比で反応させることによってアルキル化メチロール化メラミンを合成し、ここで、「Mel」はメラミンを表わし、「CH O」はホルムアルデヒドを表わし、そして、「R−OH」は1個の炭素原子、又は分岐鎖脂肪族アルコールでは3個の炭素原子、〜6個の炭素原子を有するアルキル残基Rを持つ線状又は分岐脂肪族アルコールR−OHを表わす。 第二工程では、このアルキル化メチロール化メラミンを、35℃〜90℃の温度で酸触媒の存在下に更にアルコールR−OHと処理する。 この処理では、オリゴマー化が、アルコールの種類、温度、及び酸触媒の量に依存する範囲で、起こる。 当該反応は、所望のオリゴマー化度に達した時に、冷却により、好ましくは塩基性物質の添加により、停止する。 第一及び第二工程で異なるアルコールを使用することも可能である。 更に、第二工程を1回より多く、すなわち2回又は3回連続して実施して、妥当な範囲の粘度を維持しながらオリゴマー含有量を増加させることも可能である。 本明細書での反応生成物Aに関して、この反応の生成物は、化学では通常のように、抽出物(非転化メラミン、非転化ホルムアルデヒド、及び非転化アルカノールR−OHなどの出発材料)の残留量を依然として含み得ることが、意味される。

    アルキル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂Bを製造するためには、そのような第二工程は要求されない。 アルキル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂Bは、市販でも提供される。

    本発明は、更に、反応生成物Aを含む上述のメラミン−ホルムアルデヒド基アミノプラスト架橋剤樹脂組成物、及び水混和性溶媒と水との混合物又は水中の分散物として又は非水溶媒中の溶液の形で、ヒドロキシ官能性ポリマー、好ましくはアクリルコポリマー又はアルキド樹脂、又はアクリル−アルキド混成を含む、溶媒系又は水系被覆組成物のいずれかでもよい、被覆組成物に関し、当該被覆組成物は、20℃〜100℃、好ましくは25℃〜80℃の温度で硬化し得る。

    本発明は、更に、結合したホルムアルデヒドの物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、5.75モル/モルより多く6.5モル/モル以下であり、エーテル基R−O−の物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、4.5モル/モル〜5.9モル/モルであり、そして、架橋剤B中の遊離ホルムアルデヒドの残留質量分率、m(CH 遊離 )/m(B)(ここで、m(CH 遊離 )は遊離ホルムアルデヒドの質量であり、m(B)は架橋剤Bの質量である)、が0.25cg/g又は0.25%以下であり、モノマーアルコキシメチルメラミンを質量分率で55%より多く95%まで有する少なくとも部分的にアルキル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂に基づく更なる架橋剤Bと、上述の反応生成物Aとの混合物 を含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物と、水混和性溶媒と水との混合物又は水中の分散物として又は非水溶媒中の溶液の形で、ヒドロキシ官能性ポリマー、好ましくはアクリルコポリマー又はアルキド樹脂、又はアクリル−アルキド混成を含む、溶媒系又は水系被覆組成物のいずれかでもよい、被覆組成物に関する。 これらの混合物において、反応生成物Aの質量m(A)の、A及びBの質量の合計、m(A)+m(B)、に対する比は、99%〜30%、好ましくは98%〜40%、特に好ましくは97%〜50%である。

    好ましい形態の詳細な記述
    反応生成物Aは、以下のパラメーターの特性を示す:
    − 結合したホルムアルデヒドの物質n(CH O)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比が、5.55モル/モル〜6.2モル/モル、好ましくは5.60モル/モル〜6.1モル/モルの範囲内にあり、
    − 当該架橋剤樹脂中のアルキルエーテル基の物質n(RO)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比が、5.0モル/モル〜5.6モル/モル、好ましくは5.05モル/モル〜5.5モル/モルの範囲内にあり、そして、
    − モノマーm(Al)の質量の、反応生成物Aの質量m(A)(反応生成物Aを含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の配合を調製するために後ほど添加してもよい溶媒、添加物、触媒等をもちろん除外する)に対する比として計算した、当該架橋剤樹脂中のモノマーの質量分率が、35%〜55%の間、好ましくは37%〜53%の間、特に好ましくは40%〜50%の間である。

    「モノマー」とは、本発明の内容では、その分子中にメラミンから導かれたほんの1個の部位を含むアルコールR−OH、ホルムアルデヒド、及びメラミンから製造される反応生成物を意味する。 したがって、反応生成物Aの混合物中に存在するモノマーAlは、その分子中にメラミンから導かれたほんの1個の部位を有し、そして、そのアミン系窒素基(メラミン分子の環状構造を形成しないもの)の少なくとも一部は、メチロール基(−CH −OH)又はメチロールオキシメチル基(−CH −(O−CH −OH)(ここで、nは少なくとも1の自然数)又はアルキオキシメチル基(−CH −O−R)又はアルコキシメチオキシメチル基(−CH −(O−CH −OR)(ここで、mは少なくとも1の自然数)である少なくとも1個の置換基を有する。

    反応生成物A中のイミノ基>NHの物質n(>NH)の量の、反応生成物A中のトリアジンの物質n(C )の量に対する比は、好ましくは0.21%以下で好ましくは0.20モル/モルまでである。 トリアジンは、ここでは、3個のアミノ基が除去されたメラミン分子のために使用する略語である。 特に好ましいものは、架橋剤樹脂組成物中のn(>NH)のn(C )に対する比が0.16cモル/モル以下の反応生成物Aである。

    好ましい形態では、遊離ホルムアルデヒドの質量m fFAの、反応生成物Aの反応生成物Aの質量m(A)(反応生成物Aを含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の配合を調製するために後ほど添加してもよい溶媒、添加物、触媒等をもちろん除外する)に対する比として計算した、反応生成物A中の遊離ホルムアルデヒドの質量分率は、0.2%以下、より好ましくは0.1%以下である。

    更に好ましい形態では、結合したホルムアルデヒドの物質n(CH O)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比n(CH O)/n(Mel)と、反応生成物A中のアルキルエーテル基の物質n(RO)の量の、メラミンの物質n(Mel)の量に対する比n(RO)/n(Mel)との間の相違が、少なくとも0.5モル/モルであり、更に好ましくは0.8モル/モル以下である。

    更に好ましい形態では、質量m(CH −OH)の、反応生成物Aの質量m(A)(反応生成物Aを含むアミノプラスト架橋剤樹脂組成物の配合を調製するために後ほど添加してもよい溶媒、添加物、触媒等をもちろん除外する)に対する比として計算した、遊離メチロール基、−CH −OH、の反応生成物A中の質量分率が、1.5%以下であり、好ましくは1.3%以下である。

    本発明の内容において、結合したホルムアルデヒドとは、この場合は、
    オリゴアセタール(>N−CH −[O−CH ]n−O−H)、(n+1分子のホルムアルデヒド)
    アルコキシオリゴアセタール(>N−CH −[O−CH ]n−OR)、(n+1分子のホルムアルデヒド)
    アルコキシメチル(>N−CH −OR)、(1分子のホルムアルデヒド)、
    メチレンエーテル架橋(>N−CH −O−CH −N<)、(2分子のホルムアルデヒド)
    メチレン架橋(>N−CH −N<)、(1分子のホルムアルデヒド)及びN−メチロール基>N−CH OH(1分子のホルムアルデヒド)
    として、メラミンである、アミノプラストの元の分子に直接又は間接に結合したホルムアルデヒドから導かれたいかなるメチレン基をも意味する。

    結合したホルムアルデヒドの含有量は、合計及び遊離ホルムアルデヒドの測定含有量と窒素含有量の解析的決定とから計算され、そして、メラミンホルムアルデヒド樹脂の場合は、酸素又は窒素原子に結合したメチレン基、n(CH )、の物質の量の、メラミン誘導部位n(Mel)の物質の量に対する比として表され、ここでは、Melは、メラミン分子からすべてのアミン系水素原子を除去して得られる6価の部位を表わす。

    アミノ基の数が3であるメラミンとは対照的に、以下のグアナミンでは2個のみである元のアミノプラスト中のアミノ基の数のパラメーターに適切に比例して低減して、Aと同様の反応生成物は、本発明の目的でアセトグアナミン、カプリノグアナミン、及びベンゾグアナミンなどのアルキル及びアリールグアナミンからも製造できる。 しかし、架橋剤樹脂として、メラミンに基づく反応生成物が好ましい。

    メラミン−ホルムアルデヒド樹脂に基づく更なる架橋剤Bは、モノマーアルコキシメチルメラミンを質量分率で55%〜95%まで、好ましくは56%〜90%、最も好ましくは57%〜85%有し、結合したホルムアルデヒドの物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、5.75モル/モルより多く6.5モル/モル以下、好ましくは5.77モル/モル〜6.3モル/モルまで、特に好ましくは5.78モル/モル〜6.1モル/モルまでであり、エーテル基R'O−の物質の量の、メラミンの物質の量に対する比が、4.5モル/モル〜5.9モル/モル、好ましくは4.6モル/モル〜5.7モル/モルまで、特に好ましくは4.7モル/モル〜5.5モル/モルまでであり、そして、遊離ホルムアルデヒドの残留質量分率が0 .25%以下である。

    アルキル残基R(A中)及びR'(B中)は、同じでも異なっていてもよく、個々に1個〜8個の炭素原子を有してもよく、そして、線状又は分岐でもよい。 好ましいアルコール又はアルカノールであるROH及びR'OHは、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール、n−及びイソブタノール、n−ヘキサノール、及び2−エチルヘキサノール、それに応じて好ましいアルキル残基R及びR'は、個々に、メチル、エチル、n−及びイソプロピル、n−及びイソブチル、n−ヘキシル、及び2−エチルヘキシルである。

    反応生成物Aは、架橋剤として単独で使用でき、あるいは、それらは上述の架橋剤樹脂Bとの混合物で使用できる。 これらの混合物は、反応生成物Aよりも低い粘度を通常有する架橋剤Bを、これらの反応生成物Aにせん断下で単に混合することにより、製造できる。 撹拌下に架橋剤Bの一部を添加して、更なる部分のBを添加する前に混合物が均質に見えるまで待つのが好ましい。 この混合方法を、周囲温度(20℃〜25℃)又はわずかに高温、すなわち50℃までで実施するのが更に好ましい。 アルコキシメチルメラミンに基づく他の架橋剤樹脂との混合物中の反応生成物Aの質量分率が、上のような溶媒、触媒、及び他の添加成分を除外して、材料A及びBの混合物の質量に基づいて30%未満に落ちない限り、そのような混合物は、低温、すなわち周囲(20℃)〜約100℃で硬化する能を保持することが、発見された。

    本発明に導いた調査において、本発明による架橋剤樹脂組成物は、温度6℃で2週間実施した低温での長期貯蔵試験で、固体堆積物を形成させず凝固することもないことが、発見された。 比較して、60%を超過したモノマーの質量分率を有するアルキルエーテル化され高度にメチロール化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂は、上述の条件下での低温貯蔵によって固体堆積物を形成する傾向がある。 30%以下などの35%未満のモノマーの質量分率を有するそのようなアルキルエーテル化され高度にメチロール化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂は、架橋剤樹脂としての有用性を損なう希釈していない形では高粘度を示す。 粘度を低減するための溶媒又は希釈剤の添加は、望ましくない希釈架橋剤樹脂のVOC(「揮発性有機化合物」の含有量)を、もちろん増加させるであろう。

    有機溶媒中の溶液の形で、及び、水性分散物の形で、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル−アルキド混成又はアクリル−ポリエステル混成、ポリエーテルポリマー、ポリオレフィンポリマー、又は、ポリエーテル−ポリウレタン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリカーボネート−ポリウレタン、及びポリオレフィン−ポリウレタンから成る群から選択されてもよいポリウレタンポリマーなどのヒドロキシ官能性ポリマーから、被覆組成物を調製する際に、本発明による架橋剤樹脂組成物を使用できる。 ヒドロキシアルキルアクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートから成る群から選択されるヒドロキシ官能性オレフィン系不飽和モノマー、及び場合によりオレフィン系不飽和カルボン酸、及び場合により更にオレフィン系不飽和モノマー、に基づくヒドロキシ官能性アクリル樹脂を使用するのが好ましい。 特に好ましいのは、一級ヒドロキシル基を有するようなヒドロキシ官能性樹脂であり、そこでは、ポリマー中に存在するすべてのヒドロキシル基の中の少なくとも50%の割合が一級であることが特に好ましい。 第二の加熱サイクルで示差走査熱量測定によって通常のやり方で測定したこれらのヒドロキシ官能性ポリマーのガラス転移温度は、好ましくは45℃以下である。 これらのヒドロキシ官能性ポリマーは、有機溶媒又は2以上のそのような溶媒の混合物中の溶液の形で使用できる。

    本発明の基礎にある実験において、本発明の架橋剤樹脂組成物と上述のヒドロキシ官能性バインダーポリマーとの組合せは、周囲(20℃)〜100℃、特に25℃〜80℃の温度又は30℃〜70℃の範囲の温度ですでに満足な硬化応答を提供することが、発見された。 したがって、本発明のアルコキシメチルメラミン誘導体のアミノプラスト架橋剤組成物の使用方法は、以下の工程を含む:
    − 溶液又は水性分散物の形でヒドロキシ官能性ポリマーを提供し− 混合下、それらに、請求項1に記載のアミノプラスト架橋剤樹脂を添加し、そして、
    − 基材をこの被覆組成物で被覆して、基材上に皮膜を調製し、そして、
    − 熱をかけることによって皮膜を硬化し、
    ここで、硬化温度は20℃〜100℃の間である。 より高い硬化温度を使用してそれにより架橋速度を増加させることがもちろん可能である一方で、硬化温度を最大値100℃に制限することが特に有利である。 なぜなら、これにより、高い熱ゆがみ温度を有しない特に熱可塑性材料などのプラスチックと同様に、特に木材、組み立てた又は産業用木材、紙、段ボール、織物及び皮革などの感温性の基材と共に使用するための本発明による架橋剤組成物の使用が可能となるからである。

    被覆組成物の調製は、通常、以下の工程を含む:
    溶液又は水性分散物の形でヒドロキシ官能性ポリマーを投入し、そして、それらに、反応生成物A(以後、「架橋剤A」とも呼ぶ)、又は、架橋剤Aと架橋剤Bとの混合物を混合し、又は、最初に架橋剤Aをその後に架橋剤Bを混合し、又は、最初に架橋剤Bをその後に架橋剤Aを混合し、そして、場合により、架橋剤の添加前、添加中、又は添加後に、添加物又は顔料又はその両方を更に混合する。

    当該架橋剤樹脂組成物中のアルコキシメチル基の物質の量の、当該ヒドロキシ官能性バインダー樹脂中のヒドロキシル基の物質の量に対する比の好ましい範囲は、1.2モル/モル〜2.5モル/モルである。

    本発明の基礎にある実験において、個々にヒドロキシアルキルメタクリレート及びヒドロキシアルキルアクリレート、特にヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、及び6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、及びオリゴマー及びポリマーエチレンオキシドの(メタ)アクリレートをも含む、共重合化ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから起きる一級ヒドロキシル基の十分な量がアクリル樹脂中にもし存在するならば、時間とともに硬度の発達によって示されるように、本発明の架橋剤樹脂組成物とヒドロキシ官能性アクリル樹脂との組合せは、特に速い硬化応答を示すことが、更に発見された。 これらのヒドロキシ官能性アクリルコポリマーは、線状又は分岐でもよいアルカノイック酸のビニルエステル、及びスチレンなどのビニル芳香族、オレフィン系不飽和カルボン酸の線状、分岐又は環状アルキルエステルのような更なるオレフィン系不飽和モノマー、及びオレフィン系不飽和カルボン酸などの更なるオレフィン系不飽和モノマーから導かれた部位をも含み得る。 一級ヒドロキシル基から起きるヒドロキシル価は、好ましくは30mg/g〜200mg/g、特に好ましくは50mg/g〜150mg/gである。 45℃以下のガラス転移温度を有するヒドロキシ官能性アクリルコポリマー、及び、特に40℃以下のガラス転移温度を有するものが、本発明の内容では好ましい。

    高度にエーテル化されたアミノプラスト架橋剤は、被覆組成物を製造するために水系ヒドロキシ官能性樹脂と組み合わせて使用することは通常はできない。 なぜなら、架橋剤用の触媒として使用される強酸は、アミンでのそれらの中和によって水分散性になって酸安定化された自己乳化ヒドロキシ官能性バインダー樹脂と干渉するからである。

    ヒドロキシ官能性ポリマーと一緒に本発明の架橋剤樹脂組成物を使用する被覆組成物を製造する好ましい方法は、以下の工程を含む:
    溶液又は水性分散物の形でヒドロキシ官能性ポリマーを投入し、そして、それらに、反応生成物A、又は、反応生成物Aと架橋剤Bとの混合物を混合し、又は、最初に反応生成物Aをその後に架橋剤Bを混合し、又は、最初に架橋剤Bをその後に反応生成物Aを混合し、そして、場合により、架橋剤の添加前、添加中、又は添加後に、添加物又は顔料又はその両方を更に混合する。

    本発明に導く実験の間に、コポリマーを水分散性にするためのオレフィン系不飽和カルボン酸の通常量、及びヒドロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレートなどの親水性モノマーの高量を有するアクリルコポリマーエマルジョンは、中和なしに水性分散物として安定なことが、更に発見された。

    これらの水性ヒドロキシ官能性アクリレートコポリマーエマルジョン又は分散物は、70℃のような低温で、本発明によるアミノプラスト架橋剤樹脂で、硬化可能である。 したがって、上で詳述したような架橋剤樹脂及びバインダー樹脂の組合せに基づく被覆組成物は、熱可塑性材料、紙、段ボール、木材、組立木材、産業用木材、織物、及び皮革などの感熱基材を被覆するために使用できる。 鉱物基材上及び更には金属上や硬化速度を促進するためにオーブン中で容易には加熱できない特に大きな物体上に、そのような被覆組成物を使用することも、有利である。

    有用な被覆組成物は、アルキド樹脂溶液又は分散物からも配合できるのであり、そして、木材、産業用又は組立木材、熱可塑性材料、紙及び段ボールなどの感温性基材用に使用できるアクリル−アルキド混成樹脂とも言われるアクリル変性アルキド樹脂から配合するのが特に好ましい。

    本発明を、限定することを意図しない以下の実施例で更に説明する。

    以下の物理化学特性を、実施例及び明細書テキスト中で使用する:

    ヒドロキシル価w OHは、DIN EN ISO 4629(DIN 53 240)に従い、試験中の試料と同じの数のヒドロキシル基を有する水酸化カリウムの質量m KOHの、その試料の質量m (分散物又は溶液の試料中の固体の質量)に対する比で定義し、慣用単位は「mg/g」である。

    酸価w Acは、DIN EN ISO 3682(DIN 53 402)に従い、試験中の試料を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量m KOHの、この試料質量m 又は溶液又は分散物の場合は当該試料中の固体の質量に対する比で定義し、その慣用単位は「mg/g」である。

    化合物Bのモル質量M は、試験中の化合物Bの質量m の、試験中の化合物Bの物質n の量に対する比であり;そのSI基本単位は「kg/モル」である。 同じ化学組成を有するがそれらの重合度が異なる分子の混合物が普通であるポリマーにおいて、数平均モル質量は、

    で定義され、ここでは、異なるモル質量を有するすべてのk分子で、Vjは、モル質量M を有するポリマー分子の数であり、Nは、試料中のすべてのポリマー分子の合計数であり;「重量平均モル質量」とも言われる質量平均モル質量は、

    で定義され、ここでは、異なるモル質量を有するすべてのk分子で、m は、モル質量M を有するポリマー分子の質量であり、mは、試料中のすべてのポリマー分子の合計質量(=質量の合計)である。 これらのモル質量平均は、ポリスチレン標準に対するキャリブレーションで、サイズ排除(又はゲル浸透)クロマトグラフィーによって、都合よく決定できる。 モル質量測定は、テトラヒドロフラン(20ml)に溶解した架橋剤樹脂試料(0.5g)を使用して実施し、溶出速度は1ml/分であった。

    溶液又は分散物中の固体w の質量分率は、試料B中の固体の質量m の、試料の質量m に対する比で定義し、この場合は、試料の質量は、固体の質量m と溶媒又は分散剤Vの質量m の合計である。

    動的粘度は、DIN EN ISO 3219に従って、23℃及び100s −1のせん断速度で測定する。

    ガラス転移温度は、第二の加熱サイクル中に、変曲点での温度を記録して、示差走査熱量測定によって都合よく測定する。

    メラミン基架橋剤樹脂(「ホイル固体」)の固体の質量分率w は、当該ホイルをそれ自身の上に折ってそれにより試料を圧縮することによって広げて4cm〜7cmの直径を有する薄膜を提供した約1gの質量m を有する試料Bの質量のロスΔmを測定することによって決定する。 当該ホイルを上に開き、そして、45℃で45分間、循環空気オーブン中に置き、その時間の最後にそれを取り出し、重さを計って、質量のロスをw =(m −Δm)/m として決定する。

    m個の個々の化合物jを含む混合物中の化合物iの、又は、m個の異なる部位j(ここでjは1〜mの自然数である)を含む化合物中の部位iの、物質量割合χ (「モル割合」とも言われる)は、

    で定義され、ここで、n は、SI基本単位「モル」を有する、化合物又は部位jの物質の量である。 同様に、メラミンホルムアルデヒド樹脂において、特徴的性質は、−CH −基として、N−メチロール官能基>N−CH −OHとして又はアセタール基−O−CH −O−又はアルコキシメチルエーテル基R−O−CH −中に又はメチレン基>N−CH −N<中に存在する結合したホルムアルデヒドの物質n(CH )の量の、メラミン誘導部位、C (N<) 、の物質n(Mel)の量に対する比、又は、アルキルエーテル又はアルコキシ基、n(RO)、の物質の量の、メラミン誘導部位、C (N<) 、の物質n(Mel)の量に対する比である。 これらは、 13 C−NMRスペクトロスコピーにより及び滴定(遊離ホルムアルデヒド)により、それぞれ決定できる。

    強度は、溶液L中の溶質Sの質量分率w であり、溶質の質量msを溶液の質量m で割り算することによって測定され、通常は「%」{1%=1kg/(100kg)=1cg/g}で記述する。

    IRスペクトロスコピーによって「%」又は「cモル/モル」で測定されるイミノ基含有量は、イミノ基(>N−H)の物質n(NH)の量の、架橋剤樹脂中のトリアジンの物質n(C )の量に対する比である。

    実施例
    実施例1 架橋剤樹脂(反応生成物A)の合成1.1 HMMMの調製 水酸化ナトリウム10%の質量分率を有する5gの水酸化ナトリウム水溶液、及び10%の水及び35%のメタノール及び55%のホルムアルデヒドの質量分率を含有する545gの混合物、及び126gのメラミンから、混合物を調製し、撹拌器及び還流凝縮器を具備する反応容器中に投入し、撹拌下に83℃に加熱し、そこで穏やかに還流にした。 当該溶液は、透明にかつ均質になった。 87℃に加熱後、当該混合物は、15分後に濁った。 500gのメタノールを添加し、そして、還流下の加熱をもう10分継続した。 周囲温度(23℃)に冷却後、ろ過により沈殿を収集し、235gの固体材料を生産し、それは、分析によれば、ヘキサメチロールメラミン(「HMM」)であった。 固体のHMMを他の反応容器に移し、950gのメタノール及び50gの硝酸を添加した。 反応混合物を周囲温度で15分間、撹拌し、そして、最後に、150gの粉末炭酸水素ナトリウム及び20gの炭酸ナトリウムを添加することにより中和した。 減圧下での蒸留により、メタノールを除去した。 キシレンを添加し、得られた懸濁物をろ過し、固体残基を単離し、更にキシレンで洗浄し、そして、乾燥した。 202gのヘキサメトキシメチルメラミン(“HMMM”)を得た。

    1.2 HMMMのオリゴマー化 ヘキサメトキシメチルメラミン(100g)及びメタノール(6.2g)を混合した。 この混合物に、濃縮硝酸を少量添加し、pHを1.5に調整した。 撹拌下に反応温度を65℃に上げ、反応混合物をこれらの条件で2時間保持した。 その後、反応の進行を、2時間後までゲル浸透クロマトグラフィーで監視し、モノマーの質量分率は50%未満であった。 その後、混合物を40℃に冷却し、25%強度の水性水酸化ナトリウム溶液の添加により混合物のpHを9に調整した。 その後、揮発性成分(主にメタノール及び水)を、減圧15hPa下及び105℃までの加熱でストリップオフし、その後、当該温度及び圧力を20分間保持した。 その後、ろ過により沈殿を除去した。 オリゴマー化樹脂の収量は、92gであり以下の特性を有した:
    遊離ホルムアルデヒドの質量分率:0.08%;
    イミノ基含有量:0.16%,
    モル質量(数平均):540g/モル;
    モル質量(質量平均):945g/モル;
    n(CH )/n(Mel)=5.81モル/モル;
    n(OR)/n(Mel)=5.23モル/モル。
    この場合、Rはメチル基を表わす。

    1.3 低重合度を有する市販の液体HMMM型樹脂と比較したオリゴマー化樹脂(反応生成物A)の低温貯蔵試験 市販の十分にアルキル化された高度のモノマーメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の及び本実施例のオリゴマー化樹脂の試料を、6℃で長期間保存した。 結果を表1に要約する。


    *市販の樹脂は、GPC平均重合度1.10を有するヘキサ(メチオキシメチル/ブトキシメチル)メラミン樹脂(メトキシ:ブトキシ基比は90:10)。


    ここで一般に報告するGPC平均重合度D

    GPCは、質量D

    及び数D

    に関し、以下のような平均である。

    実施例2 水性被覆組成物2.1 アクリルエマルジョンコポリマー 表2aに示すようなモノマー組成を持つアクリルエマルジョンを、通常のエマルジョン重合により製造した。 得られたアクリルエマルジョンは、固体の質量分率42.5%及びpH=2.9を持つ乳白色の水エマルジョンであった。

    2.2 被覆組成物及び試験 このアクリルエマルジョンを、以下の配合に従って触媒及び実施例1.2aの樹脂と混合した。


    Cycat(登録商標)600は、ドデシルベンゼンスルホン酸の70%の質量分率を持つイソプロパノール及びジエチレングリコールモノブチルエーテルの混合物中のドデシルベンゼンスルホン酸の溶液である(Cytec Industries Inc.)。

    バーコーターを用いてこの混合物をスチールパネル上に被覆して、30μmの乾燥膜厚を提供した。 湿った膜を5分間周囲条件(23℃、50%相対湿度)に置き、傾斜オーブン中で70℃、80℃、90℃及び100℃で20分間焼成し、最後に1日間周囲条件に置いた。 スチールパネル上に被覆した焼成膜の一部を、ASTM D−5402−93“Standard Practice for Assessing the Solvent Resistance of Organic Coatings Using Solvent Rubs”の手順を追随して被覆が柔らかくなるまで、メチルエチルケトン(MEK)でこする(摩擦する)ことにより耐溶剤性の試験をした。 1つのMEK摩擦は、前後のサイクルである。 結果は表3中にある。 70℃で焼成した膜は、170MEK二重摩擦で失格した。 焼成した膜の他の部分を、“ヌープ硬度”としても知られるASTM D 1474−98“Standard Test Methods for Indentation Hardness of Organic Coatings”の手順を追随して硬度試験した。 試験結果を表3に示す。 70℃で焼成した膜はヌープ硬度16.7を示した。

    当該架橋剤樹脂組成物は、従来のアミノ架橋剤樹脂では可能ではなかった低硬化温度でさえも十分に機能することが理解される。

    実施例3 アクリル樹脂に基づく溶媒系被覆組成物 有機溶媒中に溶解した以下のヒドロキシ官能性アクリルコポリマー樹脂を使用した:
    Al 75%の固体の質量分率、ガラス転移温度18℃、数平均モル質量Mnが2505g/モル、酸価11.4mg/g、及びヒドロキシル価146mg/gを有する、メチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、スチレン、ブチルアクリレート及びアクリル酸の共重合により製造されたメチルアミルケトン中のコポリマー溶液であって、すべてのヒドロキシル基は一級ヒドロキシル基である、
    A2 50%の固体の質量分率、ガラス転移温度68℃、酸価4mg/g、及びヒドロキシル価65mg/gを有する、スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びアクリル酸の共重合により製造されたキシレン中のコポリマー溶液、
    A3 ヒドロキシル価148.5mg/gに対応するヒドロキシル基の質量分率4.5%、ヒドロキシル価79.5mg/gに対応するこれらの53%が一級、酸価7.5mg/g、ガラス転移温度38℃、及び50%の固体の質量分率を有する、DE 26 26 900 C2の実施例1に従ってグリシジルネオデカノエートの存在下にメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン及びアクリル酸の共重合により製造されたキシレン中のコポリマー溶液、
    A4 60%の固体の質量分率、ガラス転移温度18℃、酸価12mg/g、及び、そのすべてが一級ヒドロキシル基である、ヒドロキシル価80mg/gを有する、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、及びアクリル酸の共重合により製造されたブチルアセテート中のコポリマー溶液。

    実施例1.2の架橋剤、溶媒混合物(a)、スリップ及びレベリング添加物(b)、及び希釈剤(d)としてエタノールで希釈した触媒(c;(登録商標)Cycat 600)を添加することによって、これらのコポリマー溶液から透明な被覆組成物3.1〜3.3を調製し、以下の量を用いた。


    a:工業キシレン及びl−メトキシ−2−プロピルアセテートの等質量の溶媒混合物(CAS−No.108−65−6)


    b:ジメチル、メチル(ポリエチレンオキシドアセテート−キャップ)シロキサン、CASナンバー70914−12−4、(Dow Corning(登録商標)57添加物、Midland,MI)、上の溶媒混合物で強度10%に希釈c:エタノール中のp−トルエンスルホン酸(“PTSA”)の溶液、溶液中のPTSAの質量分率:10%


    d:エタノール

    これらの塗料組成物を、乾燥膜厚40μm〜45μmで101.6mm×304.8mm(4”×12”)リン酸化スチールパネルに塗布し、周囲温度(23℃)で乾燥した。 特性データを表5aに要約する。

    表4の手法を用いて、市販のメラミン−ホルムアルデヒド架橋剤樹脂(被覆組成物3.5;架橋剤は、(登録商標)Cymel 303 LF,Cytec Industries Inc.であり、98%の固体の質量分率、及び60%のモノマーの質量分率、及びメラミン物質:結合したホルムアルデヒド:メトキシ基の量比で1モル:5.8モル:5.0モルを有する)、及び実施例1.2の架橋剤(被覆組成物3.4)を用いてアクリル樹脂A4から比較被覆組成物3.4及び3.5を調製した。 これらの塗料組成物を、40μm〜45μmの乾燥膜厚で101.6mm×304.8mm(4”×12”)リン酸化スチールパネルに塗布した。 硬化条件及び特性データを表5bに要約する。

    所望の機械及び耐薬品性データに導くのに必要な架橋を示すために市販のメラミン−ホルムアルデヒド架橋剤では少なくとも80℃が必要である一方で、本発明による架橋剤は低温(60℃)で速い硬化をすでに提供することが理解され得る。

    架橋を示す赤外スペクトロスコピー(領域3500cm −1でのO−H振動線)による被覆中のヒドロキシル基含有量の決定によっても、硬化速度の相違は明白に示され得る。

    以下の表は、実施例1.2の架橋剤での硬化によるアクリル樹脂Al〜A3のヒドロキシル基に関する減少を示す。

    (一級ヒドロキシル基のみ及び低ガラス転移温度を有する)アクリル樹脂A4では、O−H IR振動線消滅の相対減少は、アクリル樹脂A1とほとんど同じであった。 これらの結果から、二級ヒドロキシル基よりも高い反応性の一級ヒドロキシル基のみを持つ2つの樹脂Al及びA2を比較して、アクリル樹脂(A2)の高ガラス転移温度は速い硬化を妨げること、及び、一級ヒドロキシル基及び低ガラス転移温度を持つ樹脂A4及びAlと比較して、低ガラス転移温度の樹脂においてさえも、二級ヒドロキシル基(A3)の大きなシェアーは、遅い硬化の結果になること、が理解され得る。

    実施例4 アルキド樹脂に基づく溶媒系被覆組成物 ヤシ油に基づく市販の短油アルキド樹脂(キシレン中に溶解した、60%の固体の質量分率、ヒドロキシル価155mg/g及び酸価12mg/gを有するBeckosol(登録商標)12−035)を使用して透明な被覆組成物を配合し、以下に示す順番で混合した:108.3gの短油アルキド樹脂溶液、10gのメトキシプロピルアセテート、10gのキシレン、エタノール中に溶解したp−トルエンスルホン酸の10%の質量分率を含む25gの触媒溶液、シリコン変性ポリエーテルに基づく1.0gのスリップ及びレベリング添加物(添加物57、Dow Corning Corp.,Midland MI)、及び35gの架橋剤(塗料4.1:実施例1.2の架橋剤;塗料4� �2:メラミン:結合したホルムアルデヒドの物質量比が1モル:5.8モル、メトキシ基/結合したホルムアルデヒドのメチレン基の物質量比が0.85モル/モル、及びn−ブトキシ基/結合したホルムアルデヒドのメチレン基の物質量比が0.10モル/モル、及び69.3%のモノマーの質量分率を有する市販の低温硬化メラミンホルムアルデヒド樹脂)。 45μmの乾燥膜厚で被覆スチールパネルで以下の試験結果を得た。

    オーブン中で30分間60℃での焼成後、ヌープ法に従ってケーニッヒペンジュラムテスターで膜硬度を測定し、及び、MEK二重摩擦試験で耐溶剤性を評価した。 以下の結果を得た。

    本発明による架橋剤は、より良好の低温硬化特性(より速い硬化及びより良好の機械及び耐薬品性)を提供することが理解され得る。

    実施例5
    メラミン、結合したホルムアルデヒド、及びメタノールから導かれた部位の物質量比でn(CH )/n(Mel)=5.8モル/モル、及びn(RO)/n(Mel)=4.9モル/モル、59%のモノマー種の質量分率、及び23℃での粘度4.5Pa・s(ここでR=Me(−CH )である)を有する9gのメチル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂(“CX−MFM”)と、実施例1.2(“XI”)の樹脂91gを混合した。

    この架橋剤混合物“X7”(固体の質量分率80%、溶媒:キシレン)を、市販の低温架橋性高度モノマーメチル/ブチル混合エーテルメラミン−ホルムアルデヒド架橋剤樹脂(“CX−MBFM”,(登録商標)Resimene CE 7103, INEOS Melamines)と、及び、混合物(“CX−MFM”)用の更なる構成要素として使用される架橋剤と、比較して、各ケースで短油アルキドと一緒にして、以下の手法に従って、使用した。


    a メラミン、結合したホルムアルデヒド、及びメタノールから導かれた部位の物質量比でn(CH

    )/n(Mel)=5.8モル/モル、及びn(MeO)/n(Mel)=4.9モル/モル、59%のモノマー種の質量分率、及び23℃での粘度4.5Pa・sを有するメチル化メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂(“CX−MFM”)


    b (登録商標)Resimene CE 7103、混合メチル化(90%)及びn−ブチル化(10%)メラミンホルムアルデヒド架橋剤樹脂、高質量分率のモノマー種(ポリスチレン標準を使用するGPCで測定した重合度1.1)及び23℃での粘度1Pa・s未満を有するd Beckosol(登録商標)12−035(Reichhold Inc,Research Triangle Park,NC)、ヤシ油に基づく短油不乾性アルキド樹脂;60%の固体の質量分率及び酸価12mg/gを持つキシレン中の溶液e ジメチル,メチル(ポリエチレンオキシドアセテート−キャップ)シロキサン、CASナンバー70914−12−4、非希釈(Dow Corning(登録商標) 57 添加物, Midland,MI)


    f エタノール中のp−トルエンスルホン酸(“PTSA”)溶液、溶液中のPTSAの質量分率:10%


    g 特定時間23℃で硬化後のドライスルータイム、ISO9117に従って測定h ASTM D1211から修正された低温割れ試験、(i)1時間相対湿度(50±5)%で(49±1)℃にかけ、その後(ii)30分間周囲(23℃)にかけ、(iii)1時間(−49±1)℃にかけ、そして最後に(iv)少なくとも30分間周囲(23℃)で保存する、の複数のサイクルにかけることによって亀裂を形成する傾向を評価し、亀裂が形成されないそれに続くサイクルの数をカウント

    硬度発達に関して、塗料7.2中の純粋メチルエーテル(CX−MFM)及び塗料7.3中の混合エーテル(CX−MBFM)の両方として、より高い質量分率モノマー種を持つ架橋剤に比べ、混合物(X7)は利点を有することが、理解され得る。

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