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New variant hypocrea jecorina cbh2 cellulase

阅读:690发布:2024-02-20

专利汇可以提供New variant hypocrea jecorina cbh2 cellulase专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide new cellobiohydrolases that improves thermostability.SOLUTION: The invention relates to: a variant CBH2 cellulase comprising a specific amino acid sequence derived from Hypocrea jecorina; a Cel6A enzyme; a nucleic acid encoding the enzyme; a vector, a host cell transformed by using the vector; and the method of generating the enzyme. Further, the invention relates to a detergent composiotion and a food additive or the like using the enzyme.,下面是New variant hypocrea jecorina cbh2 cellulase专利的具体信息内容。

  • 変異体CBH2セルラーゼであって、前記変異体が、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2)由来のCBH2におけるV94、P98、G118、M120、M134、T142、L144、M145、T148、T154、L179、Q204、V206、S210、I212、T214、L215、G231、T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、V323、N325、1333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S386、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429の1つ以上 残基に相当する位置における置換又は欠失を含むことを特徴とする、変異体CBH2セルラーゼ。
  • 請求項1に記載の変異体CBH2セルラーゼであって、前記変異体がハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94E、P98L、G118P、M120L、M134(G/L/V)、T142V、L144(G/R/S)、M145L、T148Y、T154A、L179A、Q204E、V206L、S210(L/R)、I212V、T214(M/Y)、L215I、G231N、T232V、V250I、Q276L、N285Q、S291G、G308A、T312S、S316P、V323(L/M/Y)、N325D、I333L、G334A、S343P、T349L、G360R、S380T、A381T、S386P、F411Y、S413Y、A416G、Q426E及び/又はA429Tの1つ以上にの残基に相当する位置における置換又は欠失を含むことを特徴とする、変異体CBH2セルラーゼ。
  • 変異体CBH2セルラーゼであって、前記変異体がハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94、P98、 G118、M120、M134、T142、L144、M145、T148、T154、 L179、Q204、V206、S210、I212、T214、L215、G231、 T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、 V323、N325、I333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S386、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429の1つ以上の残基に相当する位置における置換/又は欠失を含むことを特徴とする変異体。
  • 変異体CBH2セルラーゼであって、前記変異体がハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94E、P98L、G118P、M120L、M134L、T142V、L144R、M145L、T148Y、T154A、L179A、Q204E、V206L、S210R、I212V、T214Y、L215I、G231N、T232V、V250I、Q276L、N285Q、 S291G、G308A、T312S、S316P、V323(N/Y)、N325D、I333L、G334A、S343P、T349L、G360R、S380T、A381T、 S386P、F411Y、S413Y、A416G、A429T及びQ426Eからなる群より選択される残基に相当する1つ以上の位置における置換を含むことを特徴とする変異体。
  • 変異体CBH2セルラーゼであって、前記変異体CBH2がハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2におけるi. I212V/S316P/F411Y;
    ii. M134G/L144G/S316P;
    iii. M134L/L144R/S316P;
    iv. M134L/L144S/S316P;
    v. M134V/V206L/I212V/T312S/S316P/F411Y/S413Y;
    vi. P98L/M134L/L144R/S210L/T214Y/S316P/V323Y/S413Y;
    vii. P98L/M134L/L144R/S210R/T214Y/S316P/V323Y/S413Y;
    viii. P98L/M134L/L144R/S316P/S413Y;
    ix. P98L/M134L/L144R/S316P/V323Y/S413Y;
    x. P98L/M134L/L144R/V206L/S210R/T214Y/S316P/S413Y;
    xi. P98L/M134L/L144R/V206L/S210R/T214Y/S316P/V323Y/S413Y;
    xii. P98L/M134V/I212V/S316P/S413Y;
    xiii. P98L/M134V/I212V/T312S/S316P/S413Y;
    xiv. P98L/M134V/S316P;
    xv. P98L/M134V/S316P/S413Y;
    xvi. P98L/M134V/S316P/V323Y/S413Y;
    xvii. P98L/M134V/T154A/I212V/S316P/F411Y/S413Y;
    xviii. P98L/M134V/T154A/I212V/S316P/S413Y;
    xix. P98L/M134V/T154A/I212V/T312S/S316P/S413Y;
    xx. P98L/M134V/T154A/T312S;
    xxi. P98L/M134V/T154A/V206L/I212V/S316P/F411Y/S413Y;
    xxii. P98L/M134V/T154A/V206L/S316P;
    xxiii. P98L/M134V/V206L/F411Y;
    xxiv. P98L/M134V/V206L/I212V/S316P/F411Y;
    xxv. P98L/M134V/V206L/I212V/T312S/S316P/S413Y;
    xxvi. P98L/M134V/V206L/S210R/T214Y/S316P/S413Y;
    xxvii. P98L/M134V/V206L/S210R/T214Y/S316P/V323Y/S413Y;
    xxviii. P98L/M134V/V206L/S316P/S413Y;
    xxix. P98L/T154A/I212V/F411Y;
    xxx. P98L/V206L/I212V/T312S/S316P/F411Y/S413Y;
    xxxi. S316P/S413Y;
    xxxii. S316P/V323L;
    xxxiii. S316P/V323Y;
    xxxiv. V206L/I212V/S316P;
    xxxv. V206L/I212V/T312S/S316P;
    xxxvi. V206L/I212V/T312S/S316P/F411Y/S413Y;
    xxxvii. V206L/I212V/T312S/S316P/S413Y;
    xxxviii. V206L/I212V/T312S/S316P/S413Y;
    xxxix. V206L/S210L/T214M/S316P;
    xi. V206L/S210R/S316P;
    xli. V206L/S210R/T214Y/S316P;及びxlii. V206L/S316P;から成る群より選択される変異を必ず含むことを特徴とする、変異体。
  • 請求項1のCBH2変異体をコードする核酸配列。
  • 請求項4のCBH2変異体をコードする核酸配列。
  • 請求項5のCBH2変異体をコードする核酸。
  • 請求項6のCBH2変異体をコードする核酸を含むベクター。
  • 請求項7に記載のCBH2変異体をコードする核酸を含むベクター。
  • 請求項8に記載のCBH2変異体をコードする核酸を含むベクター。
  • 請求項9のベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
  • 請求項10のベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
  • 請求項11のベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
  • CBH2変異体を生成する方法であって、
    (a)好適な条件下で、請求項12の宿主細胞を培養してCBH2変異体を生成する工程と、
    (b)CBH2変異体を得る工程とを含むことを特徴とする方法。
  • CBH2変異体を生成する方法であって、
    (a)好適な条件下で、請求項13の宿主細胞を培養してCBH2変異体を生成する工程と、
    (b)CBH2変異体を得る工程とを含むことを特徴とする方法。
  • CBH2変異体を生成する方法であって、
    (a)好適な条件下で、請求項14の宿主細胞を培養してCBH2変異体を生成する工程と、
    (b)CBH2変異体を得る工程とを含むことを特徴とする方法。
  • 界面活性剤及び請求項1のCBH2を含むことを特徴とするCBH2変異体を含む洗剤組成物。
  • 洗濯用洗剤であることを特徴とする、請求項18に記載の洗剤組成物。
  • 食器用洗剤であることを特徴とする、請求項18に記載の洗剤組成物。
  • 請求項1に記載のCBH2変異体を含む食品添加物。
  • 請求項1に記載のCBH2変異体にウッドパルプを接触させる工程を含むことを特徴とするウッドパルプを処理する方法。
  • バイオマスを請求項1のCBH2変異体に接触させる工程を含むことを特徴とするバイオマスを転化する方法。
  • 说明书全文

    本出願に関するクロスリファレンス
    本出願は、2004年5月29日に提出された米国仮出願 No. 60/640,398、タイトル、「新規トリコデルマ遺伝子」、Foreman et al. 及び、2003年6月3日に提出された米国仮出願 No. 60/475,826、タイトル、「新規トリコデルマ遺伝子」、Foreman et al. に対し優先権を主張する。

    連邦政府による委託研究の下でなされた発明に対する権利の記述
    この研究の一部は、米国エネルギー省との主契約番号DE−AC36−99GO10337の下、再生可能エネルギー研究所との下請け契約番号ZCO−30017−01により資金提供されたものである。 従って、米国政府は本発明について一定の権利を有する。

    技術分野
    本発明は、セロビオヒドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、セロビオヒドラーゼ酵素変異体及び単離された核酸配に関する。 また、本発明は、組換えCBH2変異体ポリペプチドを生成する方法のほかに、前記核酸配列を含む核酸構築体、ベクター、及び宿主細胞にも関する。

    [先行技術文献]
    1. Sheehan and Himmel Biotechnology Progress 15、pp817−827(1999)
    2. Matti Linko Proceedings of the Second TRICEL Symposium on Trichoderma reesei Cellulases and Other Hydrolases pp 9−11(1993)
    3. Tuula T. Teeri Trends in Biotechnology 15、pp160−167(1997)
    4. T. T. Teeri et al. Spec. Publ. −R. Soc. Chem. 、246(Recent Advances in Carbohydrate Bioengineering)、pp302−308. (1999)
    5. PDB reference 1QK2 (Cel6A = CBH2)J. −Y. Zou、G. J. Kleywegt、J−Stahlberg、H. Drigues、 W−Nerinckx、 M. Claeyssens、 A. Koivula、T. T. Teeri. 、T. A Jones、 Structure(LONDON)、V. 7p. 1035(1999)
    6. PDB reference 2BVW Structural changes of the active site tunnel of Humicola insolens cellobiohydrolase、Cel6A、upon oligosaccharide binding. 、Varrot A、 Schulein M、 Davies GJ、Biochemistry 1999 Ju1 13;38(28):8884−91
    7. PDB reference 1DYS Structure and function of Humicola insolens family 6 cellulases:structure of the endoglucanase、Cel6B、at 1.6 A resolution. 、Davies GJ、Brzozowski AM、Dauter M、Varrot A、Schulein M、Biochem J 2000 May 15;348 Pt 1:201−7。

    セルロース及びヘミセルロースは光合成により生産される最も豊富な植物資源である。 それらは、加分解によりポリマー基質を単体糖類にすることができる細胞外酵素を作り出すバクテリア、イーストと真菌を含む、たくさんの生物によって分解され、エネルギー源として使われることができる(Aro et al.、 J.Biol.Chem.、 vol.276、No.26、pp.24309−24314、June 29、2001)。 再生不可能な資源の限界が近づくにつれ、主要な再生可能資源となるセルロースの可能性は重要となる(Krishna et al.、Bioresource Tech. 77:193−196、2001)。 生物学的工程利用してセルロースを効果的に利用することは、食料、飼料及び燃料の貯蔵量を増やすためのアプローチの一つである(Ohmiya et al.、Biotechnol.Gen.Engineer.Rev.vol.14、 pp.365−414、(1997)。

    セルラーゼはセルロース(ベータ−1、4−グルカン又はベータ D−グルコシド結合)を加水分解して、グルコース、セロビオース、セロオリゴサッカライド及び同種のものを生成する酵素である。 セルロースは伝統的に3つの型に分類されている:エンドグルカナーゼ (EC3−2−1−4)(“EG”)、エキソグルカナーゼ又はセロビオハイドラーゼ (EC3−2−1−91)(“CBH”)及びベータグルコシダーゼ([ベータ]−D−グルコシドグルハイドラーゼ;EC3−2−1−21)(“BG”)(Knowles et al.、 TIBTECH 5、255−261、1987;Shulein、Methods Enzymol.、160、25、pp.234−243、1988)エンドグルカナーゼは主に、セルロース繊維の無定形の部分に作用するのに対して、セロビオハイドラーゼもまた、結晶セルロースを分解することができる。 (Nevalainen and Penttila、 Mycota、 303−319、1995)。 従って、結晶セルロースの効率的な可溶化のためにセルラーゼシステム中にセロビオハイドラーゼが必要であることが知られている(Suurnakki、 et al. Cellulose 7: 189−209、 2000)。 ベータグルコシダーゼはD−グルコース単位をセロビオース、セロオリゴ糖、および他のグルコシドから遊離するために作用する。 (Freer、J.Biol.Chem.vol.268、No.13、pp.9337−9342、1993)。

    セルラーゼは多くのバクテリア(菌類及び酵母菌)から生産されることが知られている。 ある種の菌類は、セルロースの結晶構造を分解することができる完全なセルラーゼ系を生産することができる。 多くの酵母由来の糸状菌、は特有の活性を有し、例えば、サッカロマイセス・セレヴィシエ(出芽酵母)は、セルロースの加水分解活性を欠いている。 Aro et al. 、2001;Aubert et al. 、1988;Wood et al. 、(Methods in Enzymology、vol.160、No.9、pp.87−116、1988)、及びCoughlan et al. 。

    「Comparative Biochemistry of Fungal and Bacterial Cellulolytic Enzyme Systems」 Biochemistry and Genetics of Cellulose Degradation、 pp. 11−30 1988を参照のこと。

    CBH、EG及びBGの真菌セルラーゼ区分は、各区分内で倍数体があることにより、それぞれの区分内に異なる組成物を含む。 例えば、多数のCBHs、EGs及びBGsは、2のCBHs、すなわちCBH2 及びCBH2I、少なくとも8のEGs、すなわち、EGI、EGII、EGIII、EGIV、EGV、EGVI、EGVII、およびEGVIII及び少なくとも5のBGs、すなわち、BG1、BG2、BG3、BG4、およびBG5に対する遺伝子を含むことで知られているトリコデルマレーシ(Tricoderma reesei)を含む様々な糸状菌源から単離されてきた。

    結晶化セルロースをグルコースへ転換する目的のために、結晶化セルロースの加水分解能を失わずに単離されたGBH、EG及びBGそれぞれの区分からの組成物を含むシステムが必要とされる(Filho et al.、 Can. J. Microbiol. 42:1−5、1996)。 異なる区分間のセルラーゼ成分の相互作用が見られる。 具体的には、EGタイプセルラーゼ及びCBHタイプセルラーゼはより効果的にセルラーゼを分解するために相互作用している。 例えば、Wood、Biochemical Society Transactions、 611 th Meeting、 Galway、 vol. 13、pp. 407−410、1985参照のこと。

    セルラーゼは当該技術分野において、布製品に対する洗剤成分の洗浄効果を高め、柔軟成分として綿布又は類似のものに対する風合い、外観を改善するのに有用であることが知られている。 (Kumar et al.、Textile Chemist and Colorist、29:37−42、1997)。

    洗浄効果が向上されたセルラーゼ含有洗剤組成物(US Pat.No.4、435、307;GB App.Nos.2、095、275及び2、094、826)及び布製品に対して風合い及び外観を改善するために使用すること(US Pat.Nos.5、648、263、 5、691、178、及び5、776、757;GB App.No.1、358、599;The Shizuoka Prefectural Hammamatsu Textile Industrial Research Institute Report、Vol.24、pp.54−61、1986)が開示されている。

    従って、菌類及びバクテリア由来のセルロースは注目されている。 具体的には、トリコデルマ属(例えばトリコデルマロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)あるいはトリコデルマレーシ)はセルラーゼの結晶構造を分解する完全なセルロースシステムを有する。

    セルラーゼ組成物はこれまで開示されてきているが、一般家庭用の洗剤、ストーンウォシュ用組成物又は洗濯用洗剤等に用いるための新しく改良されたセルラーゼ組成物の必要性がいまだ存在する。 性能が改良されたセルラーゼについて特別な関心が集まるであろう。

    本発明はセルラーゼタンパク質の単離、ここでは、変異体CBH2及び変異体CBH 2をエンコードする核酸に関係する。
    ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina (配列番号2))由来のCBH2におけるV94、P98、G118、M120、M134、T142、L144、M145、T148、T154、L179、Q204、V206、S210、I212、T214、L215、G231、T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、V323、N325、I333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S386、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429の1つ以上にの残基に気相当する位置における置換又は欠失を含むことを特徴とする、変異体CBH2セルラーゼに関係する。 第一の側面において、本発明は、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94E、P98L、G118P、M120L、M134G/L/V、T142V、L144G/R/S、M145L、T148Y、T154A、L179A、Q204E、V206L、S210L/R、I212V、T214M/Y、L215I、G231N、T232V、V250I、Q276L、N285Q、S291G、G308A、T312S、S316P、V323L/M/Y、N325D、I333L、G334A、S343P、T349L、G360R、S380T、A381T、S386P、F411Y、S413Y、A416G、Q426E及び/又はA429Tの1つ以上にの残基に気相当する位置における置換又は欠失を含むことを特徴とする、変異体CBH2セルラーゼに関係する。

    第二の態様において、本発明は、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94、P98、G118、M120、M134、T142、M145、T148、T154、L179、Q204、V206、I212、L215、G231、T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、V323、N325、I333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S386、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429の1つ以上の残基に相当する位置における置換/又は欠失を含むことを特徴とする変異体に関係する。 第一の側面において、本発明は、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina(配列番号2))由来のCBH2におけるV94E、P98L、G118P、M120L、M134L、T142V、M145L、T148Y、T154A、L179A、Q204E、V206L、I212V、L215I、G231N、T232V、V250I、Q276L、N285Q、S291G、 G308A、T312S、S316P、V323、N325D、I333L、G334A、 S343P、T349L、G360R、S380T、A381T、S386P、F411Y、S413Y、A416G、Q426E及び/又はA429Tからなる群より選択される残基に相当する1つ以上の位置における置換を含むことを特徴とする変異体に関係する。

    第三の態様において、本発明は、変異体CBH2セルラーゼに関する。 ここで、前記変異体は、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2のP98、M134、V206、I212、T312、S316、F411及び/又はS413から成る群から選択される残基に対応する部分の置き換えを有している。 第一の側面において、本発明は、変異体CBH2セルラーゼに関する。 ここで、前記変異体は、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2のP98L、M134G/L/V、V206L、 I212V、T312S、S316P、F411Y及び/又はS413Yから成る群から選択される残基に対応する部分の置き換えを有している。

    第4の実施態様では本発明は、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2中の以下の部分より成る群から選択される部分について突然変異を有する変異体CBH2セルラーゼに関する。 ここで、前記変異体は、空間領域において、1つ以上の残基に対応する位置において置換又は欠失を含んでおり、前記空間領域は、ハイポクレアジェコリーナ由来のCBH2における(210、214)、(253、255、257、258)、(411、 413、 415)、(412、414、416)、(312、313)、323、(212、149、152)、(134、144)及び98からなる群より選択される。 第一の側面において、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2のS316P/V323L、S316P/V323Y、V206L/S210R/S316P、V206L/S316P、V206L/S210L/T214M/S316P、V206L/S210R/T214Y/S316P、M134G/L144G/S316P、M134L/L144R/S316P及びM134L/L144S/S316Pからなる群より選択されるCBH2変異体を含む。

    第5の態様において、本発明はハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2におけるP98、M134、L144、V206、S210、T214、S316、V323及び/又はS413の1つ以上の残基に対応する位置において置換又は欠失を含むCBH2変異体を含む。 第一の側面において、前記変異体は、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2におけるP98L、M134L/V、L144R、V206L、S210L/R、T214Y、S316P、V323Y及び/又はS413Yにおける1つ以上の置換又は欠失を含む。 第二の側面において、本発明は、ハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2における98L/134V/206L/210R/214Y/316P/413Y、98L/134L/144R/316P/413Y、98L/134L/144R/206L/210R/214Y/316P/413Y、98L/134V/316P/323Y/413Y、98L/134V/206L/210R/214Y/316P/323Y/413Y、98L/134L/144R/316P/323Y/413Y、98L/134L/144R/206L/210R/214Y/316P/323Y/413Y、98L/134L/144R/210R/214Y/316P/323Y/413Y及び98L/134L/144R/210L/214Y/316P/323Y/413Yからなる群より選択されるCBH2変異体を含む。

    第6の態様において、本発明はセロビオヒドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離された核酸を含む。

    第一の側面において、本発明は本発明はセロビオヒドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離された核酸を含む。 前記ポリペプチドはファミリー6のグリコシルハイドロラーゼの変異体であり、前記核酸は、前記核酸によりコードされるポリペプチドにおいて酵素の連続移動性に影響を与える残基における置換を含み、前記変異体セロビオヒドラーゼ、ハイポクレアジェコリーナ由来である。 第二の側面において、本発明はセロビオヒドラーゼ活性と有するポリペプチドをコードする単離された核酸を含み、前記ポリペプチドはファミリー6のグリコシルヒドロラーゼの変異体であり、前記核酸は前記核酸によりコードされるポリペプチドにおいて酵素の連続移動性に影響を与える残基における置換を含み、前記変異体セロビオヒドラーゼ、ハイポクレアジェコリーナ由来である。 第三の側面において、本発明はセロビオハイドロラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする単離された核酸を含み、前記ポリペプチドはファミリー6のグリコシルヒドロラーゼの変異体であり、前記核酸は前記核酸によりコードされるポリペプチドにおいて生成物阻害に影響を与える残基における置換を含み、前記変異体セロビオハイドロラーゼはハイポクレアジェコリーナ由来である。

    他の側面において、本発明は、変異体CBH2セルラーゼをコードする単離された核酸に関係し、前記変異体はハイポクレアジェコリーナ(配列番号2)由来のCBH2における、V94、P98、G118、M120、M134、T142、M145、T148、T154、L179、Q204、V206、I212、L215、G231、T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、V323、N325、I333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S390、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429における1つ以上の残基に対応する位置における置換を含む。

    第7の態様において、本発明はCBH2変異体をコードする核酸を含む発現カセットを含む。 該態様の1の側面は調節配列に作動可能に結合しているCBH2変異体をコードしている核酸を含む構築体である。

    第8の態様において、本発明は変異体CBH2をコードしている核酸を含むベクターを含む。 該態様の1の側面は調節配列に作動可能に結合しているCBH2変異体をコードしている核酸を含む構築体である。

    第9の態様において、本発明は、CBH2変異体をコードしている核酸を含むベクターを用いて形質転換した宿主細胞を含む。

    第10の態様において、本発明は、
    (a)好適な条件下で、酸を含むベクターを用いて形質転換した宿主細胞を培養してCBH2変異体を生成する工程と、
    (b)CBH2変異体を得る工程とを含むことを特徴とするCBH2変異体を生成する方法を含む。

    第11の態様において、本発明は、界面活性剤及びCBH2変異体を含む洗剤組成物を含む。 該態様の第一の側面において前記洗剤組成物は洗濯用洗剤である。 該態様の第二の側面において前記洗剤組成物は食器用洗剤である。 第三の側面においては、この変異体CBH2セルラーゼは、セルロースを含む布地、具体的にはストーンウォッシュ又はインディゴダイデニムの処理に用いられる。

    第12の実施態様では、本発明はCBH2変異体を含む食品添加物に関係する。

    第13の実施態様では、本発明はCBH2変異体とウッドパルプを含む、ウッドパルプの処理方法に関係する。

    第14の実施態様では、本発明は、CBH2変異体とバイオマス(生物資源)を含む。 バイオマスを糖に転換する方法に関する。

    ある実施態様では、本発明のセルラーゼは、細菌、バクテリア、放線菌から生産される。 他の実施態様では、このセルラーゼは細菌由来である。 最も好ましい実施態様では、この細菌は糸状菌である。 この糸状菌は、ユーサコマイセート(Euascomycete)属のものであって、具体的には、Aspergillus spp. 、Gliocladium spp. 、Fusarium spp. 、Acremonium spp. 、Myceliophtora spp. 、Verticillium spp. 、Myrothecium spp. 、又はPenicillium spp. である。 この実施態様のさらなる側面においては、このセルラーゼはセロビオハイドラーゼである。

    本発明に関する上述以外の対象物、特徴点及び利点は以下の詳細な説明に開示してある。

    詳細な説明や特定の例においては、本発明の好適な実施態様を示しているが、これらは例示するためのものであって、本発明の範囲および基本的な考え方から外れることなく、ここで述べる詳細な説明に基づいて、種々の変形や改良を行うことが可能であることは当該技術の分野のものにとっては明らかな事項であると理解しなければならない。

    図1は、H. ジェコリーナ由来野生型Cel6A(CBH2)のアミノ酸配列(配列番号2)である。

    図2は、H. ジェコリーナ由来野生型の核酸配列(配列番号2)である。

    H. ジェコリーナCBH2の三次構造である。

    図3Aは、入手可能な結晶構造があるCel6ファミリーメンバーのアミノ酸配列を示す。 配列は以下の通りである:Humicola insolensCBH2、Acremonium CBH2、AgaricusCBH2、Fusarium oxysporumCBH2、Hypocrea koninigiCBH2、Phanerochaete chrysosporumCBH2、Talaromyces emersonii CBH2、T. reesei(すなわち、 Hypocrea jecorina CBH2、及びコンセンサス配列。配列アラインメントは、Vector NTI ソフトフェアープログラムを用いて、ギャップペナルティーを10として、Clustal Wにより行った。

    図3Bは、入手可能な結晶構造があるCel6ファミリーメンバーのアミノ酸配列を示す。

    図3Cは、入手可能な結晶構造があるCel6ファミリーメンバーのアミノ酸配列を示す。

    図4は、pRAXベクターである。 該ベクターは、Aspergillus nidulans ゲノムDNAフラグメントAMA1配列5259bp Hindlllフラグメント(Aleksenko and Clutterbuck、 Molecular Microbiology 1996 19:565−574)が挿入されている以外は、プラスミドpGAPT2に基づいている。 ベース1乃至1134はAspergillus nigerグルコアミラーゼプロモーターを含む。 ベース3098乃至3356及び4950乃至4971はAspergillus nigerグルコアミラーゼターミネーターを含む。 Aspergillus nidulans pyrG遺伝子は糸状菌形質転換のマーカーであり、3357乃至4949に挿入されている。 遺伝子が挿入される多重クローニング部位(MCS)がある。

    図5はpRAXdes2ベクターの構成である。 このベクターはプラスミドベクターpRAX1に基づくものである。 ゲートウェイカセットがpRAX1ベクターに挿入されている(環状プラスミドの内部矢印により示される)。 このカセットは組み替え配列attR1 及びattR2と選択マーカーcatH及びccdBを含んでいる。 このベクターはGatewayTM Cloning Technology:version 1 page 34−38に記載の方法により作成され、インビトロジェン(Invitrogen)により供給されるE. Coli DB3.1内でのみ複製することができる。 他のE. Coli内においては、ccbB遺伝子は致死する。 最初のPCRフラグメントは、attB1/2組み変え配列を含むプライマーを用いて作成された。 このフラグメントはpDONR201(インビトロジェンから市販されている)と組み換えられ;このベクターはattB1/2組み変え配列とcatH、ccbBを組み替え部位内に含む。 インビトロゲンからのBP clonase酵素は、このいわゆるENTRYベクターの中でPCR破片を組み換えさせるために使われ、ccdBを表現しているクローンが生き残らないので、挿入されたPCR破片を持つクローンは50pg/mlカナマイシンで選択することができる。 att配列は変更されて、attL1とattL2と呼ばれる。 第二段階は、このクローンをpRAXdes2ベクター(組み換え部位の間にattR1とattR2 catHとccdBを含む)と組み替えさせることである。 窒素からのLR clonase酵素は、目的とするベクターの中でENTRYベクターからのインサートを組み換えさせるために使われる。 窒素からのLR clonase酵素は、ベクターの中でENTRYベクターからの挿入を組み替えさせるために使われる。 ccdBが致死なので、pRAXCBH2ベクターは100μg/mlアンピシリンを用いて選択され、ENTRYベクターはアンピシリンに敏感である。 この方法によって、発現ベクターは調製され、形質転換されたA. niger を使用することができる。

    図6はアスペルギルス属の中でCBH2変異体をエンコードしている核酸の表現のために使われたpRAXdes2cbh1ベクターの説明を提供する。 CBH2酵素相同体または変異体をエンコードしている核酸はベクターの中にatt配列の相同的組み換えによってクローン技術で生み出された。

    図7は、pENTRY−CBH2ベクターの図を示す。

    図8は、異なる変異体によるリン酸膨張セルロースからの濃度依存糖放出のグラフである。 変異体はこの基質に対してい幅広い活性を示す。

    図9は、PASCにより測定される、変異体による(平均)総糖生成と、野生型CBH2による平均)総糖生成の棒グラフである。

    図10は、酵素量の変化させた場合の糖放出の量を示したグラフである。 野生型酵素はCFA500.3(白ダイヤ)及び変異体はFCA543(P98L/VM134V/T154A/I212V/S316P/S413Y)(白四)で示す。 CBH2欠失株由来のブロスを対照とした。

    図11は、前処理されたコーンストーバーを用いて測定した、変異体による(平均)総糖生成と、野生型CBH2による平均)総糖生成の棒グラフである。 y軸の最小メモリは、0.6であり、この値は、CBH2欠失株により生成される(平均)総糖を、野生型CBH2とCBH2欠失株の組み合わせにより生成される(平均)総糖で除した値である。 1の値は野生型の活性レベルを示す。

    図12は、経時試験のグラフである。 53℃において経時的にCBH2分子によりPASCから放出される総糖を示す。 変異体は黒三角(▲)、野生型は白四角(□)で示す。

    図13は、経時試験のグラフである。 65℃において経時的にCBH2分子によりPASCから放出される総糖を示す。 変異体は黒三角(▲)、野生型は白四角(□)で示す。

    図14は経時試験のグラフである。 75℃において経時的にCBH2分子によりPASCから放出される総糖を示す。 変異体は黒三角(▲)、野生型は白四角(□)で示す。

    図15は、38℃においてセルラーゼ混合物の特異的性能を示しているグラフである。 該混合物はAcidothermus cellulolyticus E触媒コア、並びに野生型又は変異体セロビオヒドラーゼのいずれか一方を含む。 野生型は、301及び500で示す。 野生型は野生型CBH2(すなわち301)、及び野生型CBH2(すなわち500)を用いた。 該変異体は、469及び543を用いた。 496は変異体CBH2及び543は変異体CBH2を示す。

    図16は、38℃においてセルラーゼ混合物の特異的性能を示しているグラフである。 該混合物はAcidothermus cellulolyticus E触媒コア、並びに野生型又は変異体セロビオヒドラーゼのいずれか一方を含む。 野生型は、301及び500で示す。 野生型は野生型CBH2(すなわち301)、及び野生型CBH2(すなわち500)を用いた。 該変異体は、469及び543を用いた。 496は変異体CBH2及び543は変異体CBH2を示す。

    図17は、図16で説明した変異体セルラーゼ混合物の各種温度におけるスモールスケール糖転化圧制の結果を示すグラフである。

    実施例の詳細な説明
    本発明は、ここで以下の定義と実施例を用いることで、参照により詳細に説明されるであろう。 明確に参照されているすべての配列を含むすべての特許と出版物は、参照によりここに含まれる。

    ここに違った形で定義されない限り、そしてここに使ったすべての技術用語、科学用語はは、一般的に、この発明の属する分野の当業者によって理解されているのと同じ意味を持っている。 Singleton、 et al、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY、2D ED. 、John Wiley and Sons、New York(1994)、及びHale&Marham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY、Harper Perennial、NY(1991)は本発明で用いられる全般的な用語の多くについての一般的な辞書である。 ここに説明されたそれらに類似しているか、等しいどのような方法と原料でも本発明の実行またはテストに用いることができるけれども、好適な方法と原料は説明される。 数値の範囲は定義している数を含めるものである。 違った形で示されない限り、塩基配列は左から右に向かって5'末端から3'末端を表す;アミノ酸配列は、左から右に向かって、アミノ末端からカルボキシ末端を表す。 専門家は特に本分野の定義と用語についてSambrook et al. 、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL(Second Edition)、Cold Spring Harbor Press、Plainview、NY、1989、及びAusubel FM et al. 、Current Protocols in Molecular Biology、JohnWiley&Sons、New York、NY、1993、を参考にすることができる。 本発明は、説明された特定の方法、手段、試薬等が変更されるときに、これらに限定されないことは理解される。

    ここに提供された見出しは、明細書を全体として理解し得る本発明の実施態様の様々の態様を限定するものではない。 従って、すぐ下で定義された用語はこの明細書によってより完全に定義される。

    ここに引用されたすべての出版物は、発明に関連して使われる組成物と方法を説明し、これらを明確にするためのりものであり、ここに参照することによって本明細書に取り込まれる。


    I. 定義
    本明細書において用いられる、「ポリペプチド」という語は、ペプチド結合による一本鎖アミノ酸残基による組成物を言う。 「タンパク質」という語は、ここで用いられる「ポリペプチド」と同義ある。

    「変異体」は、前駆物質タンパク質(例えば、天然タンパク質)から生産されるプロテインであって、1以上のアミノ酸がC末端かN末端のどちらか又は両方に添加されること、アミノ酸配列中の1以上の異なる部位にけるアミノ酸の置換又はタンパク質の両端またはどちらか又は、アミノ酸配列中の1以上の部位における1以上のアミノ酸の欠失をいう。 酵素変異体の調製は、好ましくは天然タンパクをエンコードしたDNA配列の変更、適切な宿主細胞内でのDNA配列の形質転換及び生産酵素を形成するような修飾されたDNA配列の発現によって達成できる。 本発明のCBH2酵素の変異体は、前駆体アミノ酸配列と比較して変更されたアミノ酸配列を含むペプタイドを含む。 ここで、変異体CBH2酵素は、前駆体酵素が有していたセルロース分解能を有しており、いくつかの特定の様相においては変更された性質を示す。 例えば、変異体CBH2酵素は、至適pHが高くなり、温度又は酸化安定性が増えるが、セルロース分解能は保持したままである。 発現されたセルラーゼ誘導体の機能的な活性が保持されている本発明に応じた変異体は、セルラーゼ変異体CBH2酵素をエンコードしているDNA断片から引き出されることが予想される。 例えば、セルラーゼをエンコードしているDNA断片は、さらに、セルラーゼ領域の機能的な活性が保持されている5'または3'末端のどちらかで、このセルラーゼDNA配列に接続したヒンジ部またはリンカーをエンコードしているDNA配列または部分を含む。

    「等しい残基」とは、三次構造がエックス線結晶解析によって決定されている前駆物質セルラーゼに対する三次構造のレベルで相同を決定することによって定義される。 等しい残基は、セルラーゼ及びハイポクレアジェコリーナCBH2の特定アミノ酸残基の主鎖原子のうちの2つ以上の原子座標(NのN、CAのCA、CのC及びOのO)が、位置あわせをしたときに、0.13nm及び、好ましくは0.1nm内にあるものと定義される。 最良モデルが、問題となるCBH2のセルラーゼの非水素タンパク質原子の原子座標の最大オーバーラップを与えるように、方向付けられて置かれた後に、位置あわせは達成される。 この最良モデルは、利用しうる高解像度での実験的回析データに対して最も低い解離因子(R)を与える結晶モデルである。

    式1

    ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の特定の残基と機能的に似ている当量の残基は、ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の特定の残基に定義され、特徴付けられている、タンパク質構造、基質結合、または触媒現象を変更し、修正し、あるいは、これらに寄与している構造を採用するセルラーゼのアミノ酸と定義される。 さらに、それらは、与えられた残基の主鎖原子が、相同の位置を占めることに基づいて等価の基準を満たさないかもしれないけれども、残基の側鎖原子の少なくとも2つの原子の座標はハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBHの対応する側鎖原子の0.13nmのところにあるように、相似の位置を占める、セルラーゼ(三次構造はエックス線結晶解析によって得られている)のそれらの残基である。 ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の結晶構造はZooらにより開示されている(文献5参照)。

    「核酸分子」は、RNA、DNA及びcDNA分子を含む。 遺伝暗号の退縮の結果として、CBH2のような与えられたタンパクをエンコードしている塩基配列の多様性が生まれる。 本発明は、遺伝暗号の退縮を、与えられたすべてのCBH2をコードしているできる限り多くの変異塩基配列を予測するものである。

    「非相同の」核酸構築物または配列は、それが発現する細胞固有のものではない配列の一部を有している。 制御配列に関する非相同とは、発現を現在調節している同じ遺伝子を調節するために事実上機能しない制御配列(すなわちプロモーター又はエンハンサー)をいう。 一般的に、非相同な塩基配列はそれらのもともとの細胞又は遺伝子の一部には存在しないのもであり、感染、トランスフェクション、形質転換、顕微注入、エレクトロポーション又は同様の方法により細胞へ添加されたものである。 「非相同な」核酸構築物は、ネイティブの細胞の中で発見された制御シーケンス/DNAコーディングシーケンスの組み合わせと同じであるか、異なる制御シーケンス/DNAコーディングシーケンスを組み合わせたものを含む。

    ここで用いる「ベクター」という語は、異なる宿主細胞間を輸送することを目的とする核酸構築物である。 発現ベクターとは、異質細胞内で、相同なDNA断片を取り込み、発現させる能力があるベクターをいう。 多くの原核又は真核細胞のベクターは市販されている。 適切な発現ベクターの選択は、当該技術分野においてよく知られている。

    「発現カセット」又は「発現ベクター」は、目的細胞内のある特定の核酸を転写させる一連の特定の核酸要素と共に用いる組み換え処理により、または合成的に生産された核酸構築物である。 組み換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、色素体DNA、ウイルス又は核酸断片に取り込むことができる。 典型的には、多くの塩基配列中の発現ベクターが取り込まれた組み換えカセット部分は、転写され、プロモーターになる。

    ここで用いる「プラスミド」という語は、クローニングベクターとして用いられる環状2本鎖DNA(duble−stranded(ds))構築体であり、多くのバクテリア及び幾つかの真核生物において染色体外にある自己複製する遺伝子要素を形成するものである。

    ここで用いる「選択マーカー−エンコードヌクレオチド配列」の語は宿主細胞において発現できるヌクレオチド配列をいい、選択マーカーの発現により対応する選択因子の存在下、または必須栄養素の不存在下で発現遺伝子を含む細胞は成長できるようになる。

    ここで用いられる「プロモーター」という語は、下流遺伝子転写に直接作用する核酸配列をいう。 このプロモーターは一般的に目的遺伝子が発現される宿主細胞内に用いられる。 このプロモーターは、他の転写又は翻訳調節核酸配列(「制御配列」ともいう)と共に、与えられる遺伝子の発現に必要である。 一般的には、この転写又は翻訳調節配列には、プロモーター塩基配列、リボゾーム結合部位、転写開始又は終了塩基配列を含むがそれらに限られない。

    「キメラ遺伝子」又は「非相同核酸構造」は、調節領域を含む、異なる遺伝子の形質転換部分を構成する非野生型遺伝子(すなわち、宿主内に導入されたもの)をいう。 宿主細胞の形質転換をするためのキメラ遺伝子構築物は、一般的に異種のタンパク質コーディング配列、または選択マーカーのキメラ遺伝子の中に、形質転換細胞に抗生物質抵抗性を与えているタンパク質をエンコードしている選択マーカー遺伝子と操作可能に接続した転写の規制の部分(促進因子)から構成されている。 本発明の典型的なキメラ遺伝子は、タンパク質コード配列及びターミネーター配列の構成要素となる転写調節領域、又はこれらを誘発する転写調節領域を含む。 キメラ遺伝子構築体は、目的タンパク質の分泌が必要な場合には、シグナルペプチドをエンコードする第2のDNA配列も含む。

    核酸配列は、他の核酸配列と機能的な関係に置かれたときに、「作動可能に結合している」。 例えば、分泌リーダーをコードしているDNAは、もしそれが、ポリペプチドの分泌に関与するタンパク質として発現するなら、ポリペプチドに関するDNAと作動可能に結合する。 プロモーター又はエンハンサーは、もしそれが、配列の転写に影響するなら、コード配列と作動可能に結合する。 又はリボゾーム結合部位は、それが、転写を促進するような位置にあるならば、コード配列と作動可能に結合している。 一般に「作動可能に結合」とは結合するDNA配列が隣接し、分泌開始端部の場合、隣接しかつリーディングフレーム中にあることを意味する。 しかし、エンハンサーは隣接している必要はない。 結合は、適宜の制限酵素認識部位で連結反応により達成される。 そのような部位が存在しない場合、従来方法によりPCR用の合成オリゴヌクレオチド・アダプタ、リンカーまたはプライマーを用いる。

    ここで用いる、「遺伝子」の語はポリぺプチド鎖の生成に関するDNAの染色体断片を意味し、コード領域(例えば、5'非翻訳(5'UTR)またはリーダー配列及び3'非翻訳(3'UTR)またはトレーラー配列)に先行または後に続く領域、及び個々のコード断片(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含んでも含まなくてもよい。

    一般に、配列番号1としてここに提供された野生型配列に対する中から高ストリンジェンシー条件下で、変異体CBH2をエンコードする核酸分子はハイブリダイズする。 しかし、場合によっては、実質的に異なるコドン使用頻度を有するCBH2エンコーディング核酸配列の使用が、CBH2エンコーディング核酸配列によってエンコードされたタンパク質は天然タンパク質として、同じ又は実質的に同じアミノ酸配列を有する一方で、核酸配列によりエンコードされる新規タンパク質は、実質的に異なったコード配列を包含したものにも、採用される場合がある。 例えば、コーディング配列は、宿主によって利用される特定コドンの頻度に従い、特定の原核生物又は真核生物の発現システムにおいて、CBH2の発現を早くするために修飾される。 Te'o et al. (FEMS Microbiology Letters 190:13−19、2000)、は、例えば、糸状菌の発現についての遺伝子の最適化について記載している。

    核酸配列は、2つの配列が中〜高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件及び洗浄条件下でお互いに特異的にハイブリダイズする場合、対照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ可能」であると考えられる。 ハイブリダイゼーション条件は、核酸結合体又はプローブの融点(Tm)に基づいている。 例えば、「最大ストリンジェンシー」は典型的にTm−5℃(プローブのTmより5℃低い)で起こる;「高ストリンジェンシー」はTmより約5−10℃低い温度で起こる;「ゆるやかな」又は「中間ストリンジェンシー」はプローブのTmより約10−20℃低い温度で起こる;及び「低ストリンジェンシー」はTmより約20−25℃低い温度で起こる。 機能的に、最大のストリンジェンシー条件は、ハイブリダーゼーションプローブと厳密な同一性またはほぼ厳密な同一性を有する配列を同定するために使われることができ;一方、高いストリンジェンシーは、プローブと約80%以上同一性を有する配列を同定するために使われる。

    中間ストリンジェンシー又は高ストリンジェンシー条件は、本技術分野でよく知られている(例えば、Sambrook、 et al.、1989、Chapters 9及び11、及びin Ausubel、F.M.、et al.、1993を参照のこと。これらは参照によりここに組み込まれる。)高ストリンジェンシー条件の例としては、50%ホルムアミド、5XSSC、5Xデンハード溶液、0.5%SDS及び100μg/ml変性キャリアDNA中、約42℃でのハイブリダイゼーションを行い、続いて2XSSC及び0.5%SDS中で、室温で2回洗浄し、0.1XSSC及び0.5%SDS中で、更に42℃で2回洗浄する。

    ここで用いる「組換え体」は、非相同核酸配列の導入により修飾され、または修飾された細胞に由来する細胞またはベクターに関するものが含まれる。 従って、例えば組換え細胞は、意図的にヒトが介入した結果として発現されまたは発現されない条件下で、当該細胞の天然型(非組換え体)の中に同一の形態として見られない遺伝子を発現し、または異常発現される天然遺伝子を発現する。

    ここに用いる「形質転換」「安定な形質転換」「遺伝子組み換え」の語は、細胞に関して、ゲノムに組み込まれ、または複数の世代を通して維持されているエピゾームプラスミドとして非天然(非相同)核酸配列を有する細胞を意味している。

    ここで用いられる、「発現」という語は、ポリペプチドが、遺伝子の核酸シーケンスに基づいて生み出される過程を言う。 この過程は転写と翻訳の両方を含む。

    核酸配列を細胞のなかに挿入するという文意の中で用いられている「導入」の語は、「トランスフェクション」、又は「形質転換」又は「形質導入」を意味し、核酸配列を真核又は原核細胞に組み込むことを含み、核酸配列が細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、色素体又はミトコンドリアDNA)に組み込まれ、自己複製子へ転換されるか、一時的に発現される。 (例えば、トランスフェクトmRNA)
    「CBH2発現」という語は、cbh2遺伝子の転写及び翻訳をいう、この生産物はRMA前駆体、mRNA、ポリペプチド、翻訳後調節過程のポリペプチド及びトリコデルマコニンギ(Trichoderma koningii)、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorin)(トリコデルマロンギブラキアタム(Trichoderma Longibrachiatum)(リコデルマレーシ(reesei))、又はトリコデルマビリデ(Trichoderma viride)、としても知られている)及び、ハイポクレアシュワイニッチ(Hypocrea schweinitzii)等の、関連種由来の新規タンパク質を有する生産物を言う。 実施例で示す方法であるが、CBH2発現を測定する方法は、CBH2タンパクについてのウエスタンブロット、cbh2のmRNAに対してのノザンブロット測定、並びに、以下で説明されているリン酸膨張セルラーゼ及びPAHBAHアッセイ、(a)PASC:(Karlsson、J.et al.(2001)、Eur.J.Biochem、268、6498−6507、Wood、T.(1988)in Methods in Enzymology、Vol.160.Biomass Part a Cellulose and Hemicellulose (Wood、W.&Kellog、S.Eds.)、 pp.19−25、Academic Press、San Diego、CA、USA)及び(b)PAHBAH:(Lever、M.(1972)Analytical Biochemistry、47、273、 Blakeney、A.B.&Mutton、L.L.(1980)Journal of Science of Food and Agriculture、31、889、Henry、R.J.(1984)Journal of the Institute of Brewing、90、37)を含む。

    「選択的スプライシング」は、複数のイソ型ポリペプチドを単一遺伝子から生成する方法を言い、該スプライシングは該遺伝子の全部ではないが、いくつかをプロセッシングする間、非連続エキソンをつなげる工程を含む。 従って、特定のエキソンはいくつかの選択エキソンの1つに接続され、メッセンジャーRNAを形成する。 この選択的にスプライスされたmRNAは、いくつかの部分が共通で、いくつかの部分が異なる、ポリペプチド(スプライス変異体)を生産する。

    「シグナル配列」という語は、細胞外への成熟型タンパクの分泌を促進するN末端部分アミノ酸配列である。 細胞外タンパク質成熟型は、分泌過程の中で分裂するシグナル配列を欠いている。

    「宿主細胞」という語は、ベクターを含み、発現構築物の複製、及び/又は転写又は、転写及び翻訳(発現)を支える細胞である。 本発明で用いられる宿主細胞は、大腸菌のような原核生物の細胞又は、酵母菌、植物、昆虫、両生類又は哺乳類のような真核細胞である。 一般的には、宿主細胞は糸状菌である。

    「糸状菌」という語は、当該技術分野において糸状菌であると認められる任意の又は全ての糸状菌を意味する。 好ましい、細菌は、アルペルギウス(Aspergillus)、トリコデルマ(Trichoderma)、フサリウム(Fusarium)、クリソスポリウム(Chrysosporium)、ペニシリウム(Penicillium)、フミコーラ(Humicola)、ニューロスポラ(Neurospora)又は エメリセラ(Emericella)、ハイポクレア(Hypocrea)などそれらの別の有性型からなる群より選択される。 無性の工業用菌類であるトリコデルマレーシは子嚢菌類のハイポクレアジェコリーナのクローンの誘導体であることは明らかである。 Kuhlsら、PNAS(1996)93:7755−7760参照。

    「セロビオサッカライドという語は、例えば、セロビオースのように、2−8のグルコース単位を含み、β−1,4結合を有する少糖類を言う。

    「セルラーゼ」の語は、セルロースポリマーをより短いセロオリゴ糖オリゴマー、セロビオース、及び/又はグルコースに分解する能力を有する酵素の分類をいう。 エキソグルカナーゼ、エキソセロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼ、及びグルコシダーゼのようなセルラーゼの多くの例は、細菌、植物及びバクテリアを含むセルロース分解能を有する有機体から得られる。

    ハイポクレアジェコリーナ由来CBH2は、グルコース化加水分解酵素ファミリー6(以下Cel6)のメンバーであり、特にハイポクレアジェコリーナにおいて確立されたグルコース化加水分解酵素ファミリー6の第一のメンバーである(以下Cel6A)。 グルコース化加水分解酵素ファミリー6はエンドグルカナーゼ及びセロビオハイドラーゼ/エキソグルカナーゼを含んでおり、CBH2は後者である。 したがって、CBH2、CBH2型タンパク質及びCel6という語は、ここにおいて互換的に使用される。

    「セルロース結合領域」という語は、ここにおいて、セルラーゼ又はそれらの誘導体のセルロース結合活性が含まれるセルロースのアミノ酸配列の部位又は酵素の領域を言う。 セルロース結合領域は、一般的にセルロースとセルロース、セルロース誘導体またはそれらのその他の多糖類同等物を非共有結合にすることにより機能する。 セルロース結合領域は触媒中心に起因する著しい触媒活性を示さない。 他言すれば、セルロース活性部位は、触媒活性を有する構造成分とは区別されるセルロース酵素タンパク質の三次構造の構造成分である。 セルロース結合部位とセルロース結合構成要素という語はここでは同義に使用される。

    ここにおいて、「界面活性剤」という語は、表面活性特性を有すると当該技術分野で認められている任意の化合物をいう。 従って、例えば、界面活性剤は、一般的に洗剤中入っている陰イオン性、陽イオン性及び非イオン性の界面活性剤から成る。 陰イオン性界面活性剤は直鎖又は分岐のアルキル・ベンゼン・スルホン酸塩;直鎖又は分岐アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩;アルキル又はアルケニル硫酸塩;オレフィンスルフォン酸塩;及びアルカンスルフォン酸塩を含む。 両性界面活性剤は、4級アンモニウム塩スルフォンサン塩、及びベタイン型両性界面活性剤を含む。 そのような両性界面活性剤は同一分子内にプラス及びマイナスに帯電した部分を有している。 非イオン性界面活性剤は高級脂肪酸アルカノールアミド又はそれらのアルキレン酸化物の付加物、脂肪酸グリセリンモノエステル及び同種のものだけでなく、ポリオキシアルキレンエーテルも同様に含まれる。

    ここで用いる「セルロース含有繊維」とは、天然セルロース物質及び人工セルロース物質(例えば、ジュート、麻、ラミー、レーヨン及びライオセル)を含む綿または非綿含有セルロース含有物から作成されるいかなる縫合又は非縫合織物、毛糸又は繊維をいう。

    ここで用いられる「綿を含む布地」とは、純粋な綿又は、綿織布、綿ニット、綿デニム、綿毛糸、原綿(綿花)及び同種のものを含んだ綿混合物をいう。

    ここで用いる「ストーンウォシュ組成物」とは、セルロース含有織物のストーンウォシュに用いる製剤を言う。 ストーンウォシュ組成物はセルロース含有布地を販売するに先立って加工するために用いられる、すなわち、製造過程において用いられる。 対照的に、洗浄組成物は汚れた衣類の洗浄することを対象としており、工業的生産過程においては使用されない。

    ここで用いられる「洗浄組成物」は、セルロースを含んだ汚れた布地の洗濯に対する洗浄手段に用いることを意図された混合物である。 本発明の文脈中、そのような組成物生物は、セルラーゼ及び界面活性剤に加えて、さらに加水分解酵素、原材料、漂白剤、漂白活性剤、青味剤、蛍光染料、ケーキング抑制剤、マスキング剤、セルラーゼ活性剤、抗酸化剤、及び可溶化剤を含む。

    ここで用いる「cbh2遺伝子の発現の減少又は排除」とは、cbh2遺伝子が遺伝子から削除されているために、組み換え宿主微生物によって発現できないこと;又は機能的なCBH2酵素が宿主の微生物によって生み出されないように、cbh2遺伝子が修飾されていることのどちらかを意味する。

    ここで用いる「変異体cbh2遺伝子」又は「変異体CBH2」は、それぞれ、ハイポクレアジェコリーナ由来のcbh2遺伝子の核酸シーケンスが、コーディングシーケンスを取り除き、追加し、および/または処理することによって変更されたか、発現されたタンパク質のアミノ酸配列がここに説明された発明と一致するように修正されていることを意味する。

    ここで用いる、「精製する」という語は、一般に、細胞を含む遺伝子組換された核酸またはタンパク質を生化学的精製、および/またはカラムクロマトグラフィーにかけることを意味する。

    ここで用いる「活性の」又は「生物学的に活性の」とは、ある特定のタンパク質と関係のある生物学的活性を言い、ここでは、互換的に使用される。 例えば、プロテアーゼと関係する酵素活性はタンパク質分解であり、実際に、活性を有するプロテアーゼはタンパク質分解活性を有している。 このことは、与えられたタンパク質の生物活性は一般に当業者によってそのタンパク質に帰属するどのような生物活性でも言うと理解される。

    ここで用いる「濃縮する」という語は、CBH2が入手できる、野生型又は自然発生する細菌性のセルラーゼ組成物に見られるCBH2濃度よりも相対的に高い濃度である。 この濃縮する、高める、促進されたという語は、互換的に用いられる。

    野生型細菌性セルラーゼ組成物は、天然に自生している細菌源によって生産されるのもであり、1以上のBGL、CBH及びEG成分を含んでいる。 そしてこれらの成分のそれぞれは細菌源によって生産される比率で発見される。 従ってCBHを高めた組成物は他のセルラーゼ組成物(すなわち、EGs、ベータグルコシダーゼ及び他のエンドグルカナーゼ)に対するCBHの割合が高められた、変更された割合のCBHを有する。

    「単離された」又は「精製された」の語は、本来有している成分の少なくとも1つを除去した核酸又はアミノ酸を意味する。

    従って、図示するように、自然発生的なセルラーゼシステムは、至適pHにおけるイオンクロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、分子ふるい及び同種のものを含むものであり、出版された文献中に記載の分離技術により、大幅に精製された組成物に精製される。 例えば、イオン交換クロマトグラフィー(たいていは陰イオン交換クロマトグラフィー)において、pH勾配又は塩勾配又はpH及び塩の両者の勾配を用いた溶出により、セルラーゼ組成物を分離することは可能である。 精製されたCBHは、最終的にCBH濃度の高い溶液となる酵素溶液に添加される。 可能であれば、他のセルラーゼをエンコードしている1以上の遺伝子の欠損部分と関連して、CBHをエンコードした遺伝子の過剰発現させる分子遺伝学的方法を用いて、微生物により生産されるCBHの量を多くすることは可能である。

    細菌のセルラーゼは1以上のCBH成分を含んでいる。 この異なる成分は、イオン交換クロマトグラフィー及び同種のものを介して分離することが可能な、遺伝的に異なった等電点を有する。 単一CBH成分又はCBH成分の組み合わせのどちらか一方が、酵素溶液中に用いられる。

    酵素溶液中に用いる場合、CHB2の相同体又は変異体成分は遺伝的にバイオマスから可溶糖の放出を高めるのに十分な量が添加されている。 追加された同族体または変異体のCBH2成分の量は、糖化される生物量のタイプに依存しており、熟練した者によって直ちに決定することができる。 酵素溶液中に用いる、セルラーゼ組成物中の、相同又は変異CBH2成分の重量パーセントは、好ましくは約1、好ましくは約5、好ましくは約10、好ましくは約15、又は好ましくは約20重量パーセントから、好ましくは約25、好ましくは約30、好ましくは約35、好ましくは約40、又は好ましくは約50重量パーセントまでである。 さらに、好ましい範囲は、約0.5から15重量パーセント、約0.5から20重量パーセント、約1から約10重量パーセント、約1から約15重量パーセント、約1から約20重量パーセント、約1から約25重量パーセント、約5から約20重量パーセント、約5から約25重量パーセント、約5から約30重量パーセント、約5から約35重量パーセント、約5から約40重量パーセント、約5から約45重量パーセント、約5から約50重量パーセント、約10から約20重量パーセント、約10から約25重量パーセント、約10から約30重量パーセント、約10から約35重量パーセント、約10から約40重量パーセント、約10から約45重量パーセント、約10から約50重量パーセント、約15から約60重量パーセント、約15から約65重量パーセント、約15から約70重量パーセント、約15から約75重量パーセント、約15から約80重量パーセント、約15から約85重量パーセント、約15から約95重量パーセントである。 しかしながら、(酵素溶液中に)用いられたときに、セルラーゼ組成物中の、あるEGタイプの成分に対する相同又は変異CBH成分の重量パーセントは、好ましくは約1、好ましくは約5、好ましくは約10、好ましくは約15、又は、好ましくは約20重量パーセントから、好ましくは約25、好ましくは約30、好ましくは約35、好ましくは約40、好ましくは45、又は好ましくは約50重量パーセントまでである。 さらに、好ましい範囲は、約0.5から15重量パーセント、約0−5から20重量パーセント、約1から約10重量パーセント、約1から約15重量パーセント、約1から約20重量パーセント、約1から約25重量パーセント、約5から約20重量パーセント、約5から約25重量パーセント、約5から約30重量パーセント、約5から約35重量パーセント、約5から約40重量パーセント、約5から約45重量パーセント、約5から約50重量パーセント、約10から約20重量パーセント、約10から約25重量パーセント、約10から約30重量パーセント、約10から約35重量パーセント、約10から約40重量パーセント、約10から約45重量パーセント、約10から約50重量パーセント、約15から約20重量パーセント、約15から約25重量パーセント、約15から約30重量パーセント、約15から約35重量パーセント、約15から約40重量パーセント、約15から約45重量パーセント、約15から約50重量パーセントである。


    II. 宿主有機体
    糸状菌はすべて真菌類及び卵菌類に再分類される。 糸状菌は、菌糸の伸長と偏好気性である炭素代謝による栄養生長を伴う、キチン、グルカン、キトサン、マンナン、および他の複合多糖類から構成されている細胞壁を持っている栄養菌糸によって特徴付けられている。

    本発明では、糸状菌親細胞はトリコデルマ種の細胞、例えば、Trichoderma longibrachiatum、Trichoderma viride、Trichoderma koningii、Trichoderma harzianum;Penicillium sp. ;Humicola insolens及びHumicola griseaを含むHumicola sp. ;C. lucknowenseを含むChrysosporium sp. ;Gliocladium sp. ;Aspergillus sp. ;Fusarium sp. 、Neurospora sp. 、Hypocrea sp. 、及びEmericella sp. であるがこれらに限られない。 ここで用いる「トリコデルマ」又は「トリコデルマ種」という語は、以前にトリコデルマとして分類されているか、トリコデルマとして現在分類されているどのような細菌系統をも言う。

    1の実施態様では、糸状菌親細胞は、Aspergillus niger、Aspergillus awamori、Aspergillus aculeatus、Aspergillus nidulans細胞である。

    (102)他の実施態様では、糸状菌親細胞は、Trichoderma reesei細胞である。


    III. セルラーゼ
    セルラーゼは、当該技術分野において、セルロース(ベータ−1,4グルカン又はベータD−グルコシド結合)を加水分解し、グルコース、セロビオース、セロビオオリゴサッカライド及び同種のものを生産する酵素として知られている。 上記のように、セルラーゼは伝統的に3つの主クラスに分類される:エンドグルカナーゼ(EC3−2−1−4)(“EG”)、エキソグルカナーゼ又はセロビオハイドラーゼ(EC3−2−1−91)(“CBH”)及びベータグルコシダーゼ(EC3−2−1−21)(“BG”)(Knowles et al.、 TIBTECH 5、255−261、1987;Schulen、1988)である。

    ある特定の細菌は、エキソセロビオハイドラーゼ又はCBH型セルラーゼ及びベータグルコシダーゼ又はBG型セルラーゼを含む複合的なセルラーゼシステムを生産する(Schulein、1988)。 しかしながら、ときどきこれらのシステムは、CBH型セルラーゼを含むが、或るときにはこれらのシステムはCBHタイプセルラーゼを欠き、一般にほとんどまたは全くCBHタイプセルラーゼを含まない細菌性セルラーゼを含む場合がある。 加えて、EG成分及びCBH成分は、セルロースをより効果的に分解するために相乗的に相互作用をすることが示されている。 例えば、Wood、(1985)を参照のこと。 この異なった成分、すなわち、複合成分又は完全なセルラーゼシステムの中のさまざまなエンドグルカナーゼ及びエキソセロビオハイドラーゼは、等電点、分子量、グリコシル化度、基質特異性及び酵素活性パターンなどにおいて、一般的に異なる性質を有する。

    (105)エンドグルカナーゼ型セルラーゼは、セルロースの結晶化度の低い部分の内部ベータ−1,4グルコシド結合を加水分解し、エキソセロビオハイドラーゼ型セルラーゼは、セルロースの還元又は非還元末端からセロビオースを加水分解する。 それは、エンドグルカナーゼ成分の作用はエキソエロビオハイドラーゼ成分によると認められる新しい鎖端を作ることによるエキソセロビオハイドラーゼの作用を大いに促進することができるということになる。 さらに、ベータグルコシダーゼタイプのセルラーゼは、セロビオースのような糖質残基を含むグルコシドだけでなく、メチル−β−Dグルコシド及びp−ニトロフェニルグルコシドのようなアルキル及び/又はアリールβ−D−グルコシダーゼの加水分解に触媒作用をすることが示されている。 このことは、微生物のための唯一の生産物として、グルコースを生産し、セロビオハイドラーゼ及びエンドグルカナーゼを抑制するセロビオースを減らすか又は排除する。

    セルラーゼは、洗浄能力を高めるために、柔軟成分として、及び綿布製品の風合いを改善するために、洗剤組成物中に多くの使用例が見られる(Hemmpel、ITB Dyeing/Printing/Finishing 3:5−14、1991;Tyndall、Textile Chemist and Colorist 24:23−26、 1992;Kumar et al.、Textile Chemist and Colorist、29:37−42、1997)。 一方その作用機能は、本発明の一部ではないが、セルラーゼの柔軟性及び色の回復特性はセルラーゼ組成物中のアルカリ性エンドグルカナーゼ成分に起因するものである。 実証例として、米国特許Nos. 5,648,263、5,691,178、及び5,776,757がある。 これらは、特定のアルカリ性エンドグルカナーゼ成分が豊富なセルラーゼ組成物を含んでいる洗剤成分は、アルカリ性エンドグルカナーゼ成分が豊富でないセルラーゼ組成物と比較すると、処理した衣類に対して色の回復及び柔軟性の改善を与えることができる。 更に、そのようなアルカリ性エンドグルカナーゼ成分を洗剤成分へ用いることは、洗剤組成物のpH要件を補完していることを示している。 (すなわち、米国特許No.5,648,263、5,691,178、及び5,776,757に開示されているように、7.5から10のアルカリ性のpHにおいて最大活性を示すことによる)
    セルラーゼ組成物は、綿を含む布製品を分解し、最終的にこの布製品において強度が低くなることが示唆され(米国特許No.4,822,516)、セルラーゼ組成物を市販の洗剤成分に使用することをためらう原因となっている。 エンドヌクレアーゼ成分から成っているセルラーゼ組成物は、完全なセルラーゼシステムから成っている組成物に比べて綿を含んだ布に対して低い強度損失を示すことが示唆されている。

    セルラーゼは、セルラーゼバイオマスをエタノールに分解すること(ここにおいて、セルラーゼがセルラースをグルコースに分解し、酵母又は他の微生物がさらにグルコースをエタノールに発酵させる)において、機械パルプ(Pere et al.、In Proc.Tappi Pulping Conf.、Nashville、TN、27−31、 pp.693−696、1996)の処理、飼料添加物(WO91/04673)としての使用のために、そして粒子湿式粉砕において有益であることが明らかにされている。

    大部分のCBHs及びEGsは、リンカーペプタイド(Suurnakki et al.、2000)による、セルロース結合ドメイン(CBD)から分離されたコアドメインを含む多重ドメイン構造を有する。 コアドメインは、酵素がセルロースに結合することによりセルロースとCBDの相互作用が起きる活性部位を含んでいる。 (van Tilbeurgh et al.、1986;Tomme et al.、Eur.J.Biochem.170:575−581、1988)このCBDsは、結晶セルロースの加水分解に重量である。 セロビオハイドラーゼが結晶セルラースを加水分解する能力は、CBDが存在しないときには明らかに減少することが示されている。 (Linder and Teeri、J.Biotechnol.57:15−28、1997)しかしながら、CBDsの確かな役割及び作用機能はいまだ憶測の範疇にある。 CBDは、セルロース表面での有効な酵素の濃度を増加することにより(Stahlberg et al.、Bio/Technol.9:286−290、1991)、及び/又はセルロース表面から、1本鎖セルロースを分離することにより(Tormo et al.、EMBO J.vol. 15、No.21、pp.5739−5751、1996)、酵素活性を高めるということが示唆されてきた。 異なる基質上におけるセルラーゼドメインの効果に関する研究の多くは、パパインを用いた有効なタンパク質分解によりコアプロテインを生産することができたので(Tomme et al.、1988)、セロビオハイドラーゼのコアプロテインを用いて実施することができた。 数多くのセルラーゼは特定の文献に開示されており、(その例は以下のものに含まれる):Trichoderma reeseiの例:Shoemaker、S. et al. 、Bio/Technology、1:691−696、1983、この文献はCBH1を開示する。 Teeri、T. et al. 、Gene、51: 43−52、1987、この文献はCBH2を開示する。 Trichoderma以外の主由来のセルラーゼも説明されている、例えば、Ooi et al. 、Nucleic Acids Research、vol. 18、No. 19、1990、この文献は、Aspergillus aculeatus由来のエンドグルカナーゼF1−CMCのシークエンスをコードしているcDNAを開示している。 Kawaguchi T. et al. 、Gene 173(2):287−8、1996、この文献はAspergillus aculeatus由来のベータグルコシダーゼ1をエンコードしているcDNAのクローニング及び配列決定を開示している。 Sakamoto et al. 、 Curr. Genet. 27:435−439、1995、この文献はAspergillus kawachii IFO 4308由来のエンドグルカナーゼCMCase−1をエンコードしているcDNAの塩基配列を開示している。 Saarilahti et al. 、 Gene 90:9−14、1990、この文献はErwinia carotovara由来のエンドグルカナーゼを開示している。 Spilliaert R、 et al. 、 Eur J Biochem. 224(3):923−30、1994この文献はRhodothermus marinu由来の熱耐性ベータグルカナーゼをコードしているbglAのクローニング及び配列決定を開示している。 Haildorsdottir et al. 、 Appl Microbiol Biotechnol. 49(3):277−84、1998、これはグリコシルハイドラーゼ ファミリー12の熱耐性セルラーゼをエンコードしているRhodothermus marinus遺伝子のクローニング、配列決定及び過剰発現を開示している。 熱ストレス条件下又は界面活性剤の存在中での性能の改善、高められた特異的活性、基質開裂パターンを変更すること、及び/又はin vitorにおける高レベルでの発現のような改善された性質を有する新規セルラーゼを確立し、特徴づけることが求められている。

    さまざまな量のCBH型、EG型及びBG型セルラーゼからなる新しく改良されたセルラーゼ組成物生物は:(1)高められた洗浄能力(柔軟成分として機能し、及び/又は綿布の風合いを改善する)を示す洗剤組成物中への使用(例えば、“ストーンウォッシュ”又は“生物研磨”);(2)低品質なウッドパルプ又は他のバイオマスから糖を生産する組成物中への使用(例えば、バイオエタノール生産)及び/又は(3)食品組成物へ使用することにより重要な意味を持つ。


    IV. 分子生物学
    1つの実施態様において、本発明は糸状菌の中で機能的するプロモーターのコントロール下で変異体のCBH2遺伝子の発現を提供するものである。 これらについて本発明は、組み換え遺伝子の分野の定型技術を用いている。 本発明に用いる一般的方法が開示されている基本テキストには、Sambrook et al. 、 Molecular Cloning、A Laboratory Manual(2nd ed.1989);Kriegler、Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual(1990)及びAusubel et al. 、eds. 、 Current Protocols in Molecular Biology(1994)がある。


    相同BCH2遺伝子の確立方法
    野生型ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の核酸配列を図1に示す。 本発明は、1つの側面において、ここで述べるCBH2相同体をエンコードしている核酸分子を含む。 この核酸はDNA分子である。

    CBH2をエンコードしているDNA配列を単離するために用いる方法は、相同なDNAプローブを用いたcDNA及び/又はゲノムライブラリーのスクリーニング及びCBH2に対する活性測定又は抗体を用いた発現のスクリーニングを含め、この技術分野においてよく知られているが、これらに限られない。 これらの方法のいくつかは、Sambrook、 et al. 又はCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、F. Ausubel、 et al. 、ed. Greene Publishing and Wiley. Interscience、New York (1987)(“Ausubel”)に記載されている。


    CBH2核酸を変異させる方法
    突然変異を導入することができる本技術分野で知られているどのような方法でも本発明に用いることができる。

    本発明は変異体CBH2の発現、精製及び/又は使用に関連する。 これらの酵素はハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)由来のcbh2遺伝子を用い遺伝子組み換え法により調製される。 精製又は無精製の発酵培地を用いる。

    ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)由来cbh2の単離及びクローニングの後、本分野で知られている特定部位の突然変異誘発のような、いくつかの他の方法は、CBH2発現変異体の中の置換したアミノ酸に相当する部分の転換、付加又は欠損をさせるために用いられる。 さらに、特定部位の突然変異誘発及びDNAレベルでタンパク質発現を変更するアミノ酸の取り込むような他の方法はSambrook、 et al. 及びAusubel、et al. の文献に記載されている。

    ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の変異体のアミノ酸配列をエンコードしているDNAは本分野で知られている様々な方法により調製される。 これらの方法は、ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2をエンコードしている初期に調製されたDNAの特定部位(又はオリゴヌクレオチド伝達)突然変異誘発、PCR突然変異誘発及びカセット突然変異誘発を含むがこれらに限定されない。

    特定部位突然変異誘発は、置換変異体を調製するのに好ましい方法である。 この技術は本分野でよく知られている。 (例えば、Carter et al.Nucleic Acids Res.13:4431―4443(1985)及びKunkel et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488(1987)参照のこと。)簡単に言えば、DNAの特定部位の突然変異誘発を実行することにおいて、出発DNAは、最初にそのような出発DNAの1本鎖へと改変するように意図された突然変異をエンコードしているオリゴヌクレオチドを交雑することによって変更される。 ハイブリダイゼーションの後、DNAポリメラーゼは、プライマーとして交雑オリゴヌクレオチドを用いて、出発DNAの1本鎖を鋳型として、完全な二本鎖を合成するのに用いられる。 したがって、意図する変異をエンコードしたオリゴヌクレオチドはこの2本鎖DNAに取り込まれる。

    PCR変異誘発は出発ポリペプチドのアミノ酸配列変異体すなわちH. ジェコリーナ(H.jecorina)CBH2を作るのにも適している。 Higuchi、in PCR Protocols、pp. 177−183(Academic Press、1990)及び Vallette et al. 、Nuc. Acids Res. 17:723−733(1989)参照のこと。 Cadwell et al. 、PCR Methods and Applications、Vol.2、28−33(1992)も例として参照のこと。 簡単に言えば、少量のDNAが開始物としてPCRに用いられるとき、鋳型DNAの対応する領域からのシークエンスにおいてわずかしか異ならないプライマーは、相対的に大量の特定のDNA断片を作成するために用いられる。 この特定のDNA断片は、プライマーがDNA断片から異なる部位のみ、鋳型DNAとは異なったものとなっている。

    変異体を調製するための方法、カセット突然変異誘発は、Wells et al. 、 Gene 34:315−323(1985)の技術に基づいている。 この出発物質は、変異させようとする出発ポリペプチドDNAを含むプラスミド(又は他のベクター)である。 変異させようとする出発DNA中のコドンは確認されている。 特異な制限エンドヌクレアーゼサイトが認識された突然変異サイト各側の上になければならない。 もし、そのような制限サイトがなければ、そのようなサイトは、出発ポリペプチド中の適切な位置に前記サイトを挿入するために、上記オリゴヌクレオチドを介した方法を用いて生産される。 プラスミドDNAは直線にするために、それらのサイトで切断される。 制限サイト間のDNA配列をエンコードしているけれども意図する変異を含まないオリゴヌクレオチドの二本鎖は、離れて合成され、通常の技術を用いて一緒に交雑されるという一般的な方法を用いて合成される。 この2本鎖オリゴヌクレオチドは、カセットといわれる。 このカセットは、直接的にこのプラスミドと結合することができるような、直線になったプラスミドの末端と互換性のある5'末端及び3'末端を有するように作られている。 このプラスミドは今や変異DNAを含む。

    もう一つの方法として、又は加えて、変異体CBH2をエンコードしている意図されたアミノ酸配列を決定することができ、そのようなアミノ変異をエンコードしているアミノ酸配列は合成的に生産することができる。

    そのようにして調製された変異体CBH2は、たいていの場合セルラーゼの目的とする使用に応じて、さらに変更がなされる。 そのような変更は、アミノ酸配列の更なる変更、非相同ポリペプチドへの融合、及び/又は共有結合修飾を含む。


    V. cbh2核酸及びCBH2ポリペプチド
    A. 変異体cbh型核酸
    野生型ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)cbh2の核酸配列を図1に示す。 本発明はここで述べる変異体セルラーゼをエンコードする核酸分子を包含する。 この核酸は、DNA分子である。

    cbh2の単離及びクローニングの後、特定部位の突然変異誘発などのこの分野で知られている他の方法は、発現したCBH2変異体中の置換されたアミノ酸に対応する転換、付加、又は欠損を作るために用いられる。 さらに、特定部位の突然変異誘発及びDNAレベルでタンパク質発現を変更するアミノ酸を取り込むような他の方法はSambrook、 et al. 及びAusubel、et al. の文献に記載されている。

    変異CBH2をエンコードしているDNA配列がDNA構造の中へクローン化された後、このDNAは微生物の形質転換に用いられる。 本発明に関する変異CBH2の発現の目的とするこの微生物には、Trichoderma sp. 由来の種を含めることが好ましいであろう。 実際、本発明に関する変異CBH2セルラーゼの調製のための好ましいモデルは、すくなくとも変異BCH2の一部又は全てをエンコードしているDNA断片からなるDNA構造を有する形質転換されたTrichoderma sp. 宿主細胞である。 このDNA構造は一般的にはプロモーターに機能的に付加される。 この形質転換させた宿主細胞は意図したタンパク質を発現するような条件下で成長させられる。 その後、目的のタンパク質生成物は実質的に均質に精製させる。

    しかしながら、変異CBH2をエンコードする与えられたDNAを最もよく発現する媒介はH. ジェコリーナ(H.jecorina)とは違うものであるということは事実であるようだ。 従って、変異体CBH2のための根源生物と、系統発生的な類似性を持つ形質転換宿主の中で、タンパク質を発現することはとても有利になるであろう。 別の実施態様において、Aspergillus nigerが発現媒体として用いられた。 A. nigerを用いた形質転換技術についてはWO98/31821参照のこと。 この記載は参照により本発明に組み込まれる。

    従って、Aspergillus niger発現システムは、説明に役立つという目的だけのために、そして本発明の変異体CBH2を表現するための1つのオプションとして提供される。 当業者においては、しかしながら、変異体CBH2の根源は、最適な表現宿主を決定することにおいて考慮されるべきであるということが適切であると考えうるならば、変異CBH2をエンコードしているDNA発現を含むだろう。 さらに、当業者は、入手可能なツールを利用しているルーチン的な手法を通して特定の遺伝子のために最もよい表現システムを選ぶことが可能になるであろう。


    B. 変異体CBH2ポリペプチド
    野生型ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2のアミノ酸配列を図1に示す。 変異CBH2ポリペプチドは、ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)(配列番号2)由来CBH2のV94、P98、G118、M120、M134、T142、L144、M145、T148、T154、L179、Q204、V206、S210、I212、T214、L215、G231、T232、V250、Q276、N285、S291、G308、T312、S316、V323、N325、I333、G334、S343、T349、G360、S380、A381、S386、F411、S413、A416、Q426及び/又はA429残基の1以上の対応する部位の置換又は欠損を含む。

    1つの側面において、本発明は(1)92乃至100、(2)115乃至123、(3)140乃至155、(4)160乃至180、(5)198乃至218、(6)228乃至235、(7)240乃至260、(8)275乃至295、(9)305乃至318、(10)322乃至335、(11)340乃至350、(12)360乃至370、(13)378乃至390及び(14)410乃至430から成る群より選択される領域において少なくとも1つのアミノ酸が置換又は欠失されているCel6Aファミリーの単離されたCBH2酵素に関係する。 他の側面において、本発明は、(1)92乃至100、(2)115乃至123、(3)140乃至155、(4)160乃至180、(5)198乃至218、(6)228乃至235、(7)240乃至260、(8)275乃至295、(9)305乃至318、(10)322乃至335、(11)340乃至350、(12)360乃至370、(13)378乃至390及び(14)410乃至430から成る群より選択される領域において少なくとも1つのアミノ酸が置換されているCel6Aファミリーの単離されたCBH2酵素に関係する。

    本発明の変異CBH2'sはCBH2前駆体のアミノ酸配列由来のアミノ酸配列を有する。 この変異CBH2のアミノ酸配列は、この前駆体アミノ酸配列の1以上のアミノ酸の置換、欠損、又は挿入によって、前駆体アミノ酸配列とは異なっている。 好ましい実施態様においては、前駆体CBH2はハイポクレアジェコリーナCBH2(Hypocrea jecorina CBH2)である。 ハイポクレアジェコリーナCBH2(H.jecorina CBH2)の成熟アミノ酸配列を図1に示す。 従って、本発明はハイポクレアジェコリーナCBH2(H.jecorina CBH2)中に明らかに見られる残基と同じ位置にアミノ酸残基を含むCBH2変異体に関するものである。 CBH2相同体の残基(アミノ酸)は、もしそれが、相同であるか(すなわち、全体の1次又は三次構造の位置について対応が見られる)、または特定の残基又はハイポクレアジェコリーナCBH2(Hypocrea jecorina CBH2)中の残基の一部と機能的に類似している(すなわち、化学的又は構造的に結合、同じか似通った反応又は相互作用する機能的能力を有すること)ならば、ハイポクレアジェコリーナCBH2(Hypocrea jecorinaCBH2)の残基と等しいことになる。 ここで用いるように、番号を付すことは、図1に示すように成熟CBH2アミノ酸配列のものに対応させることを意図している。 CBH2前駆体内の位置に加えて、前駆体CBH2中の前駆体CBH2が熱ストレス下に置かれたときの不安定さに関係するアミノ酸の位置に対応している特定の残基は、ここでは置換又は欠損として確認されている。 このアミノ酸の位置番号(例えば+51)は、図1に示した成熟ハイポクレアジェコリーナCBH2(Hypocrea jecorinaCBH2)の配列に割り当てられた番号を言う。

    相同性を同定するためのアミノ酸配列の位置合わせは、好ましくは「配列比較アルゴリズム」を用いることで同定することができる。 比較のための配列の最適な位置合わせは、例えばSmith & Waterman、 Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所的相同性アルゴリズム、Needleman & Wunsch、J. Mol. Biol. 48:443(1970)の相同性整列アルゴリズム、Pearson&Lipman、Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性の調査法、それらアルゴリズムのコンピューターによる実施(GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group,575 Science Dr.、Madison、WI)、目視検査又はカナダのケミカルコンピュータグループMontrealによるMOEによって実施することができる。

    配列類似性を特定するのに適切であるアルゴリズムの1つの例は、Altschul、 et al. 、J. Mol. Biol. 215:403−410(1990)に記載のBLASTアルゴリズムである。 BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センターから公的に利用できる。 (<www.ncbi.nim.nih.gov>)そのアルゴリズムは、データベース中の長さWのワードと共に並べた場合にポジティブ評価の閾値Tに適合し、または充足させる照会配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高得点配列対(high scoring sequence pairs(HSPs))をまず同定することを含む。 それら最初の隣接ワードのヒットは、それらを含む長いHSPsを見出すための開始点として働く。 累積整列得点(cumulative alignment score)ができるだけ増えるように、比較する2つの配列のそれぞれに沿って両方向にワードヒットを展開する。 ワードヒットの延長は、累積整列得点が最大達成値より定めた定数Xから遠ざかる、あるいは累積得点がゼロまたはそれ以下に下がる、あるいは、または何れかの配列の末端に達する場合に止まる。 BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXは、整列の感度および速さを特定する。 BLASTプログラムは、初期設定として、ワード長(W)が11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff、Prog.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915(1989))整列(B)が50、期待値(E)が10、M'5、N'−4、および両鎖の比較を用いる。

    さらに、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析を実施する(例えばKarlin & Altschul、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照)。 BLAST アルゴリズムによってもたらされる類似性の1つの指標は、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然生じる確率の指標を提供する最小総確率(smallest sum probability)(P(N))である。 例えば、評価核酸とセルラーゼ核酸との比較における最小総確率が、約0.1より小さく、より好ましくは約0.01 より小さく、さらに最も好ましくは約0.001 よりも小さい場合に、最も好ましくは0.001よりも小さい場合に、ある核酸が本発明のセルラーゼ核酸に類似するとみなされる。

    本発明の目的のために、相同性の程度はGCGプログラムパッケージ(Program Manual for the Wisconsin Package、Version 8、 August 1994、 Genetics Computer Group、575 Science Drive、Madison、 Wis.、USA 53711) (Needleman、S.B.及びWunsch、C.D.、(1970)、Journal of Molecular Biology、48、443−45))において提供されている、5.0のGAPクリエーションペナルティー及び0.3のGAPエクステンションペナルティーのポリヌクレオチドの比較のために設定されているGAP等の当分野で知られているコンピュータープログラムを用いることが好ましい。
    配列検索は通常、ジーンバンク(GenBank)DNA配列及び他の公的データベースの核酸配列に対する所与の核酸配列を評価する、BLASTNプログラムを用いて行う。 BLASTXプログラムは、ジーンバンク(GenBank)タンパク質配列及び他の公的データベースのアミノ酸配列に対する全てのリーディングフレームにおける置換を有する核酸配列を検索するのに適している。 BLASTN及びBLASTXは、11.0のオープンギャップペナルティー及び1.0のエクステンドギャップペナルティーの規定パラメーター及びBLOSUM−62マトリックス(Altschul et al.、1997)を用いて行われる。

    CBH2セルラーゼの安定性を修正するための追加の特定方法は下に提供される。

    (1)主鎖伸張(unfolding)のエントロピーを低くすることは酵素に安定性をもたらす。 例えば、プロリン残基の導入は伸張(unfolding)のエントロピーを低くすることによってタンパク質を安定にする。 (Watanabe、 et al.、Eur.J.Biochem.226:277−283(1994)参照のこと。)同様に、グリシン残基はβ−炭素を有しておらず、それから、かなり、多くの他の残基より大きな中心立体配座の自由を持っている。 好ましくはアラニンとのグリシンの置き換えは、伸張(unfolding)のエントロピーを減らし、安定性を改善する。 (Matthews、et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA84;6663−6667(1987)参照のこと。)加えて、外部ループの短縮により、安定性を改善することが可能である。 超好熱菌が生産したタンパク質はそれらの中温の相同体より短い外部ループを持っていることが観察されている。 (Russel、et al.、Current Opinions in Biotechnology6:370−374(1995)参照のこと)ジスルフィド結合の導入は、また、互いに関連して別個の三次構造を安定させるために効果的である。 従って、既存のシステインにアクセス可能な残基のシステインの導入またはジスルフィド結合を成形することができるシステインの対の導入はCBH2変異体の安定性を変更するであろう。

    (2)側鎖疎水性を増大させることによって内部腔を減少させることは酵素の安定性を変更する。 内部腔の数及び容量を減らすことは疎水相互作用を最大化し、詰込み欠損(packing defects)を減らすことによって酵素の安定性を増やす。 (Matthews、Ann.Rev.Biochem.62:139−160(1993);Burley、et al.、Science 229:23−29(1985);Zuber、Biophys.Chem.29:171−179(1988);Kellis、 et al.、Nature 333:784−786(1988)参照のこと)高温菌からの多重結合のタンパク質がしばしばそれらの中温の対応するものより大きな表面相補性によってより多くの疎水性のサブ・ユニット・インタフェースを持っていることは知られている。 (Russel、et al.上記)この原理は、単遺伝子性のタンパク質の領域インタフェースに適用可能であると信じられている。 疎水性を増大させることによって安定性を改善することができる特定の置換はアルギニンへのリジン、アラニンへのセリン、およびアラニンへのトレオニンを含む。 (Russel、et al.上記)アラニンまたはプロリンへの置換による変更は、結果としてくぼみを縮小し、内部を充填し、疎水性を増大すると伴に側鎖サイズを増やす。 くぼみのサイズを減らし、疎水性を高め、CBH2の領域の間のインタフェースの相補性を改善するための置換は酵素の安定性を改善する。 特に、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、およびイソロイシンから選ばれた異なる残基を持つ、これらの位置の特定の残基の変更は性能を改善する。

    (3)剛性二次構造内(すなわち、α−へリックス及びβ−ターン)の電荷を平衡にすることは安定性を改善する。 例えば、アスパラギン酸の上の負電荷によってへリックスN−末端の上の部分的な陽電荷を中和することは構造の安定性を改善する。 (Eriksson、 et al.、Science 255:178−183(1992)参照のこと)同様に、陽電荷によってへリックスC末端の上の部分的な負電荷を中和することは安定性を改善する。 β−ターンにおけるペプチドN末端との相互作用から陽電荷を取り除くことは、三次構造安定性を与えることにおいて効果的であるはずである。 非正帯電残基との置換は、好ましくない陽電荷を、ターン内にあるアミド窒素との相互作用から取り除くことができた。

    (4)三次構造を安定させるために塩橋と水素結合を導入することは効果的である。 例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸とリジン、アルギニンまたはヒスチジンの間のイオン対相互作用は強い安定効果を導入し、その結果生じる耐熱性の改善を伴う、違う三次構造要素を付加するのに用いられる。 さらに、チャージされた残基/チャージされなかった残基水素結合の数と水素結合の数の増加は耐熱性を改善することができる。 (Tanner、 et al.、Biochemistry 35:2597−2609(1996)を参照のこと)アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、またはグルタミンの置換はバックボーンアミド(a backbone amide)に水素結合を導入することができる。 アルギニンの置換は塩橋を改善し、水素結合をバックボーンカルボニル(a backbone carbonyl)に導入することができる。

    (5)不耐熱性残基を減らすことは、一般的に熱安定性を増す。 例えば、アスパラギンとグルタミンはアミド分解に影響され易く、システインは高温で酸化に影響され易い。 感受性の高い位置にあるこれらの残基の数を減らすことは結果として耐熱性を改善する。 (Russel、et al.上記)グルタミンまたはシステイン以外のどのような残基による置換または欠失でも不耐熱性残基を減らすことによって安定性を増大させることができる。

    (6)与えられたリガンドの結合を安定化又は不安定化することは、CBH2変異体へ安定性を修正する。 例えば、この発明のCBH2変異体が使われる基質の成分はCBH2変異体の特定の界面活性物質/熱感受性部位に結合する。 置換によりこの部位を修正することによって、この変異体への成分の結合は強化されるか、減少するかもしれない。 例えば、CBH2の結合凹部の中の非芳香族残基は、セルロース基質の相互作用が、CBH2変異体の安定性を増大させて、好ましくはベンジル輪と相互作用する芳香族側鎖の安定化を導入するためにフェニルアラニンまたはチロシンによって置換される。

    (7)任意の界面活性物質/熱感受性リガンドの電気陰性度を増大させることは界面活性物質または温熱ストレス下で安定性を改善する。 例えば、フェニルアラニンまたはチロシンをの置換は、溶媒から遮へい性を改善することによりD(アスパラギン酸塩)残基の電気陰性度を増大させることができる。


    VI. 組み換えCBH2変異体の発現
    必要とされるCBH2発現のための方法を特定することは意図しないけれども、変異体のCBH2を表現するためには本発明に係る方法においては使用細胞に依存する。

    本発明は変異体CBHをエンコードしている核酸配列からなる発現ベクターであって、形質を変換、転換、又は移入された宿主細胞を提供する。 温度、pHのような培養条件は形質変換、形質転換又は形質移入していない親宿主細胞に対して用いているものと同じであり、それらは本技術分野でよく知られている。

    1のアプローチにおいて、糸状菌細胞又は酵母細胞は、宿主細胞株の中で機能する、つまりこの細胞株の中で発現されるCBHをエンコードするDNAセグメントに結合可能であるプロモーター又は、生物学的活性を有するプロモーター断片又は1つ以上の(例えば、一続きの)エンハンサーにより形質転換される。


    A. 核酸構成物/発現ベクター
    CBH2をエンコードする天然のまたは合成のポリヌクレオチド断片(「CBH2エンコード核酸配列」)は、糸状菌又は酵母菌細胞に導入することが可能で、複製することができる非相同核酸構成物又はベクターに組み込まれる。 ここで開示しているこのベクターと方法は、CBH2を発現する宿主細胞に用いることに適している。 それが、導入される細胞の中で複製され、育成できる限り、どのようなベクターでも使用することができる。 数多くの適したベクター及びプロモーターは本技術分野において知られており、商業的に入手可能である。 クローニング及び発現ベクターはSambrook et al. 、1989、 Ausubel FM et al. 、1989、及びStrathern et al. 、The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces、1981において開示されており、それらは明示的に参照によってここに組み込まれる。 細菌(糸状菌)に対する適切な発現ベクターは、van den Hondel、C. A. M. J. J. et al. (1991)In:Bennett、J. W. and Lasure、L. L. (eds.)More Gene Manipulations in Fungi. Academic Press、 pp.396−428に記載されている。 適切なDNAシーケンスは、さまざまな処置によって、プラスミドまたはベクター(「ベクター」としてここに集合的に参照される)に挿入される。 一般的に、DNAシーケンスは標準的な操作法によって適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。 そのような処置と関連したサブクローニング処置は、当業者の知識の範囲の中にあると考えられる。

    変異体CBH2のためにコーディング配列から成っている組換型糸状菌は、糸状菌の選択された株の細胞の中に変異体CBH2コーディング配列を含む異種の核酸構成物を導入することによって作り出される。

    一旦変異体cbh2核酸配列の好ましい形質が得られると、それは様々な方法により変更される。 この配列が非コーディングフランキング領域を含む所で、フランキング領域は切除、変異誘発などを受ける。 従って、転位、転換、欠失、および挿入が自然に存在する配列上で起こる。

    選ばれた変異体のcbh2コーディングシーケンスは、よく知られた組換技術に従って適当なベクターに挿入され、CBH2発現が可能な糸状菌を変換するために使われる。 遺伝コード固有の縮退のため、実質的に同じかまたは機能的に同じアミノ酸配列をエンコードする他の核酸配列は、変異体のCBH2をクローンし、発現するために使われる。 従って、コード領域の中のそのような置換が本発明によってカバーされた配列変異体に入ることは高く評価される。 いくつかの及び全てのこれらの配列変異体は、親CBH2エンコーディング核酸配列についてここに記述されるのと同じ方法で利用することができる。

    上で説明したように、本発明はまた変異体のCBH2-エンコーディング核酸配列の1以上から成る組換型の核酸構成物を含む。 この構成物は本発明の配列へ前に向けて又は逆向きに挿入されているプラスミド又はウイルスのベクターのようなベクターから成る。

    非相同核酸構成物は変異体cbh2コード配列を:(i)分離して;(ii)融合タンパク質又はcbh2コード配列が優性形質コード配列である所のシグナルペプチドコード配列のような付加的コード配列との組み合わせで;(iii)適切な宿主中のコーディング配列の発現のために効果的なプロモーター及びターミネーターエレメント、または5'及び/又は3'の非翻訳領域のような、イントロン及び制御エレメントのような非コード配列との組み合わせで、及び/又は(iv)cbh2コーディング配列が非相同遺伝子であるベクターまたは宿主の環境の中に含まれる。

    本発明の1の態様において、非相同核酸構成物は確立された糸状菌及び酵母菌の系統が好む状態で、in vitroにおいて変異体CBH2エンコーディング核酸配列を細胞内へ運搬するのに用いる。 長期の変異体CBH2の生産の間の安定した発現が好まれる。 安定した形質転換体を生成する効果的などのような方法でも、本発明を行うことにおいて使われることになる。

    適切なベクターは典型的には、選択可能マーカーをエンコードしている核酸配列、挿入部位及び適した制御エレメント、すなわち、プロモーター及びターミネーター配列を有している。 このベクターは、例えば、イントロン及び制御エレメントのような非コード配列を含む調節領域、すなわち、コード配列と操作可能に結合する宿主細胞(及び/又は修正された可溶性のタンパク質抗原コード配列が正常に表現されないベクター又は宿主細胞環境)内でコード配列を発現するのに効果的なプロモーター及びターミネーターエレメント又は、5'及び/又は3'非翻訳領域からなる。 数多くの適切なベクター及びプロモーターは本技術分野においてよく知られており、多くは商業的に入手可能である。 そして/又は、Sambrook、et al. 、(上記)に記載されている。

    典型的なプロモーターは構成性プロモーター及び誘発性プロモーターの両方を含み、その例は、CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、RSVプロモーター、EF−1αプロモーター、説明される(ClonTechとBASF)のようにtet−onまたはtet−offシステムの中にtet応答エレメント(TRE)を含んでいるプロモーター、ベータアクチンプロモーター、および特定の金属塩の添加によって上向き調節されるメタロチオニンプロモーターを含む。 プロモーター配列は、表現目的に対して特定の糸状菌によって認識されるDNA配列である。 それは変異体CBH2ポリペプチドをエンコードしているDNA配列と操作可能に結び付く。 そのような結合は、開示された発現ベクターの中で変異体CBH2ポリペプチドをエンコードしているDNAシーケンスの開始コドンに対するプロモーターの位置合わせを含む。 このプロモーター配列は、変異体CBH2ポリペプチドの表現を伝達する転写と翻訳制御シーケンスを含んでいる。 このプロモーターの例として、アスペルギウスニガー(Aspergillus niger)A. アワモリ(A.awamori)又は A. オリゼア(A.oryzae)由来のグルコアミラーゼ、アルファ−アミラーゼ、又はアルファ−グルコシダーゼをエンコードしている遺伝子;A. ニドゥランス(A.nidulans)のgpdA又はtrpC遺伝子;ニューロスポラクラッサ(Neurospora crassa)のcbh1又はtrp1遺伝子;A. ニガー(A.niger)又はリゾムコアミエヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼエンコード遺伝子;H. ジェコリーナ(H.jecorina)(T.レーシ(T.reesei))のcbh1、cbh2、egl1、 egl2、又は他のセルラーゼをエンコードしている遺伝子を含む。

    適切な選択マーカーの選択は宿主細胞に依存し、異なる宿主に対する適切なマーカーは本技術分野においてよく知られている。 典型的な選択マーカーの遺伝子は、A. ニドゥランス(A.nidulans)又は T. レーシ(T.reesei)由来のargB A. ニドゥランス(A.nidulans)由来のamdS、ニューロスポラクラッサ(Neurospora crassa)あるいはT. レーシ(T.reesei)由来のpyr4、アスペルギウスニガー(Aspergillus niger)又は A. ニドゥランス(A.nidulans)由来のpyrGを含む。 さらに典型的な選択マーカーは、非相同核酸構成物の中でtrp−、pyr−、leu−および同類のものなどの突然変異系統の変換に使われた非相同核酸構成物に含まれているtrpc、trp1、oliC31、niaD又はleu2を含むけれどそれらに限定されない。

    そのような選択マーカーは、糸状菌によって通常新陳代謝させられない代謝産物を利用する能力を転換体に与える。 例えば、アセトアミダーゼ酵素をエンコードしているハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)由来のamdS遺伝子は転換体細胞が窒素源としてアセトアミドを利用することを可能にする。 この選択マーカー(例えば、pyrG)は、選択最小培地の上で成長する栄養要求変異体系統の能力を復元し、あるいは、選択マーカー(例えばolic31)は、抑制薬または抗生物質があると成長する能力を転換体に与えるかもしれない。

    配列をコードしている選択マーカーは、本分野で一般的に用いられている方法を用いて任意の適切なプラスミド内へクローンされる。 典型的なプラスミドはpUC18、pBR322、pRAX及びpUC100を含む。 このpRAXプラスミドはA. ニガー(A.niger)内でも複製することができるA. ニドゥランス(A.nidulans)由来のAMA1配列を含んでいる。

    本発明の実行に関しては、違った形で示されない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の分野において知られている従来の技術を使用する。 そのような技術は文献において十分に説明される。 例えば Sambrook et al. 、1989; Freshney、Animal Cell Culture、 1987;Ausubel、et al. 、1993;及びColigan et al. 、Current Protocols in Immunology、1991を参照のこと。


    B. CBH2生産のための宿主細胞と培養条件
    (i)糸状菌
    本発明は、結果的に対応する形質変換されていない親真菌との関連において、CBH2変異体の生産又は発現に効果的な方法で変換され、選択され、培養される細胞からなる糸状菌を提供する。

    変異体CBH2を発現させ及び/又は変換させる親糸状菌種の例は、トリコデルマ(Trichoderma)を含むがそれらに限られない。 例えば、トリコデルマレーシ(Trichoderma reesei)、トリコデルマロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマコニンギ(Trichoderma koningii);ペニシリウム種(Penicillium sp.)、フミコーラインソレンス(Humicola insolens)を含むフミコーラ種(Humicola sp.)、アスペルギウス種(Aspergillus sp.)、クリソスポリウム属(Chrysosporium sp.)、フサリウム属(Fusarium sp.)ハイポクレア属(Hypocrea sp.)及びエメリセラ属(Emericella sp.)である。

    CBH2を発現している細胞は、通常、親糸状菌の培養に用いる条件のもとで培養される。 一般的に細胞はPourquie、J. et al. 、Biochemistry and Genetics of Cellulose Degradation、eds. Aubert、J. P. et al. 、Academic Press、 pp. 71−86、1988 及びOmen、M. et al. 、Appl. Environ. Microbiol. 63:1298−1306、1997において開示されているような生理的塩と栄養素を含む標準培地内で培養される。 培養条件もまたほぼ決まっており、培養はCBH2表現が要求されるレベルが達成するまで、振盪培養機または発酵槽内において28℃で培養される。

    与えられた糸状菌のための好ましい培養条件は科学文献において、および/または米国菌培養収集所(ATCC;「http://www.Atcc.org/」)などの真菌についての情報源に見出される。 細菌の発育が確立された後に、細胞は、変異体のCBH2の表現を引き起こし又は可能にするのに効果的な条件下に置かれる。

    CBH2コード配列が誘導性のプロモーターの制御下にある場合、誘発因子、例えば、糖、金属塩または抗生物質は、CBH2表現を引き起こすために効果的な濃縮で培地に添加される。

    1の実施態様においては、この株はタンパク質の過剰発現に有用であるアスペルギルスニガーを含む。 例えば、A. ニガー(A.niger)の1種であるアワモリ(awamori)dgr246は、多量の分泌性セルラーゼを分泌することが知られている。 GCDAP3、GCDAP4およびGAP3−4のようなA. ニガー(A.niger)の1種であるアワモリ(awamori)の他の系統は、Ward et al. (Ward、 M、 Wilson、L.J. and Kodama、K.H.、1993、Appl.Microbiol.Biotechnol39:738−743)で知られている。

    (166)他の実施態様においては、この系統はタンパク質の過剰発現に有用であるトリコデルマレーシ(Trichoderma reesei)からなる。 例えば、Sheir. Neiss、 et al. 、 Appl. Microbiol. Biotechnol. 20:46−53(1984)に記載のRL−P37は多量のセルラーゼ酵素を分泌することが知られている。 RL−P37と機能的に同等な種はトリコデルマレーシ(Trichoderma reesei)系統RUT―C30(ATCC No.56765)及びQM9414(ATCC No.26921)を含む。 これらの系統もまた、変異体のCBH2を過剰発現することについて有用であるということが予測される。

    潜在的に有害なネイティブセルロース分解活性を欠いた変異体CBH2を得ることが要求される場合、変異体CBH2をエンコードしているDNA断片を含むDNA構成物又はプラスミドの導入に先駆けて1つ以上のセルラーゼ遺伝子を削除させたトリコデルマ宿主細胞を得ることは有用である。 そのような系統は、米国特許No. 5、246、853及びWO92/06209に開示されている方法により調製される。 これらの内容は引用によりここに組み込まれる。 1以上のセルラーゼ遺伝子を欠いている宿主微生物の中で変異体CBH2セルラーゼを発現することによって、識別とその後の精製処置は簡素化することができる。 クローン技術で生産されたトリコデルマ種からのどのような遺伝子、例えば、cbh1、cbh2、egl1、及びegl2遺伝子だけでなく、それらをエンコードしているEGIII及び/又はEGVタンパク質(米国特許No.5、475、101及びWO 94/28117をそれぞれ参照のこと)でも欠失させることができる。

    遺伝子欠失は、欠失又は崩壊させるために要求される遺伝子の形を本技術分野で知られている方法によりプラスミドに挿入することによって行われる。 この欠失プラスミドは、適切な制限酵素サイト、即ち要求される遺伝子コード領域の内部で切断され、遺伝子コーディングシーケンスまたはその部分は選択マーカーと取り替えられる。 欠失又は崩壊される遺伝子の位置からのフランキングDNA配列は、好ましくは約0.5から2.0kbであり、選択マーカー遺伝子のどちらかの側にある。 適切な欠失プラスミドは、欠失された遺伝子を含み、フランキングDNAシーケンスを含む断片と、選択可能なマーカー遺伝子を1つの線形の断片として取り除かれることを可能にするために、その中に存在するユニークな制限酵素サイトを持つ。

    選択マーカーは、形質転換された微生物の検出を可能にするように選ばれなければならない。 選ばれた微生物の中で発現するどのような選択マーカー遺伝子でも適切である。 例えば、アスペルギウス種(Aspergillus sp.)用いるときには、選択マーカーは転換体の中の選択マーカーの存在がその特性に有意に影響しないように選ばれる。 そのような選択マーカーは、分析可能な生産物をエンコードする遺伝子である。 例えば、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)遺伝子の機能的なコピーは宿主系統の中の欠失がその栄養素要求株の表現型を結果として生じているならば使われうる。 同様に、選択マーカーはトリコデルマ種についても存在している。

    1の実施態様においては、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)のpyrG−誘導株は実際に、それは転換のために選択マーカーを提供する機能的なpyrG−遺伝子によって変換される。 pyrG−誘導株はフルオロオロチン酸(FOA)に抵抗力があるアスペルギルス種(Aspergillus sp.)系統の選択によって得られる。 このpyrG遺伝子はウリジンの生合成のために必要とされている酵素であるオロチジン−5'−モノリン酸デカルボキシラーゼをエンコードしている。 インタクトpyrG遺伝子の株はウリジンを欠く培地中で成長するけれども、フルオロオロチン酸に敏感である。 FOA耐性の選択により、機能的なオロチジンモノリン酸塩脱炭酸酵素を欠き、成長のためにウリジンを必要としているpyrG誘導株を選ぶことは可能である。 このFOA選択を用いて、機能的なオロチンピロフォスフォリボシル(ortate pyrophosphoribosyl)転移酵素を欠くウリジン要求株を得ることも可能である。 この酵素をエンコードしている遺伝子の機能的なコピーによってこれらの細胞を形質変換することは可能である(Berges & Barreau、Curr.Genet.19:359−365(1991)、及びvan Hartingsveldte et al.、(1986)Development of a homologous transformation system for Aspergillus niger based on the pyrG gene.Mol. Gen. Genet.206:71−75)。 誘導株の選択は、上で述べたFOA耐性技術を用いて容易に行うことができ、実際、pyrG遺伝子を選択マーカーとして用いることが好ましい。

    第二の実施態様においては、ハイポクレア属(Hyprocrea sp.(Trichoderma sp.))のpyr4−誘導株は、実際に、転換のために選択マーカーを提供する機能的なpyr4遺伝子を用いて形質転換される。 pyr4−誘導株はフルオロオロチン酸(FOA)に抵抗力があるハイポクレア属(Hyprocrea sp.)(Trichoderma sp.)株の選択によって得られる。 このpyr4−遺伝子はウリジンの生合成のために必要とされている酵素であるオロチジン-5'-モノリン酸デカルボキシラーゼをエンコードしている。 インタクトpyr4−遺伝子の株はウリジンを欠く培地中で成長するけれども、フルオロオロチン酸に敏感である。 FOA耐性の選択により、機能的なオロチジンモノリン酸塩脱炭酸酵素を欠き、成長のためにウリジンを必要としているpyr4−誘導株を選ぶことは可能である。 このFOA選択を用いて、機能的なオロチンピロフォスフォリボシル(ortate pyrophosphoribosyl)転移酵素を欠くウリジン要求株を得ることも可能である。 この酵素をエンコードしている遺伝子の機能的なコピーによってこれらの細胞を形質変換することは可能である。 (Berges & Barreau、Curr.Genet.19:359−365(1991))誘導株の選択は、上で述べたFOA耐性技術を用いて容易に行うことができ、実際、pyr4−遺伝子を選択マーカーとして用いることが好ましい。

    アスペルギルス種(Aspergillus sp.)のpyrG又はハイポクレア属(Hyprocrea sp.(Trichoderma sp.))のpyr4の1つ以上のセルラーゼ遺伝子を発現する能力を欠くように形質転換するために、崩壊されたか、欠失されたセルラーゼ遺伝子から成る1つのDNA断片は欠失プラスミドから単離され、形質転換のためにpyr−アスペルギウス(Aspergillus)又はpyr−トリコデルマ(Trichoderma)宿主に用いられる。 形質転換体は、pyrGまたはpyr4のそれぞれの遺伝子産物を表現するそれらの能力に基づいて、識別され、選ばれる。 従って形質転換体は宿主株のウリジン栄養要求性を好む。 サザンブロット法分析は、部分またはすべての適切なpyr−選択マーカーによって欠失される遺伝子のゲノムのコピーのコドン領域を置換する2倍体交叉組み込みイベントを識別し、それを確認するために、結果として生じる転換体に対し行われる。

    上で説明した特定のプラスミドベクターはpyr転換体のプレパラートと関連しているが、本発明はこれらのベクターに制限されない。 上記の技術を用いて、様々な遺伝子が、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)またはハイポクレア属(Hyprocrea sp.)トリコデルマ種(Trichoderma sp.)の株において欠失されて、置換することができる。 さらに、上で議論したように、どのような入手可能な選択マーカーでも使うことができる。 実のところ、クローン技術で生み出され、それから識別されているどのような宿主、例えばアスペルギルス属、またはハイポクレア属でも、あるいは遺伝子でも、上記で説明された方法を使って、ゲノムから削除することができる。

    上に述べたように、選ばれた選択マーカーと一致している1の又は複数の機能しない遺伝子を欠くか、または有している宿主の系統はハイポクレア属(Hyprocrea sp.)(トリコデルマ属(Trichoderma sp.))の誘導株であるかもしれない。 例えば、pyrGの選択マーカーがアスペルギルス種(Aspergillus sp.)に選ばれるならば、特定のpyrG誘導体株は形質転換処置の中の受容体として使われる。 また、例えば、pyr4の選択マーカーがハイポクレア属(Hyprocrea sp.)に選ばれるならば、特定のpyr4誘導体株は形質転換処置の中の受容体として使われる。 同様に、アスペルギルス-ニデュランス(Aspergillus nidulans)遺伝子amdS、argB、trpC、niaDと等しいハイポクレア属(Hyprocrea sp.)(トリコデルマ属(Trichoderma sp.))から成る選択マーカー遺伝子が使われるかもしれない。 従って、対応する受容株は、それぞれasargy−、trpC−、niaD−のような誘導株でなければならない。

    CBH2変異体をエンコードしているDNAは適切な微生物へ挿入するために準備される。 本発明によると、CBH2変異体をエンコードしているDNAは、機能的なセルロース分解活性を有するタンパク質のためにエンコードするのに必要なDNAから成る。 CBH2変異体をエンコードしているDNA断片は細菌のプロモーター配列、例えば、アスペルギルス種(Aspergillus sp.)の中のglaA遺伝子のプロモーターまたはトリコデルマ属(Trichoderma sp.)の中のcbh1またはegl1遺伝子のプロモーターに機能的に付着する。

    CBH2変異体をエンコードしているDNAの複数のコピーが、過剰発現を容易にするためにこの株の中に組み換えられることもまた予測される。 CBH2変異体をエンコードするDNAは、変異体をエンコードするこのDNAを運ぶ発現ベクターの構成物によって調製される。 CBH2変異体をエンコードする挿入されたDNA断片を運んでいる発現ベクターは与えられた宿主の生物の中で自律的に複製し、または宿主のDNAの中に融合することが可能であるようなベクターでもあり、一般的にはプラスミドである。 好ましい実施例の中で、遺伝子の表現を得るための2タイプの発現ベクターが考えられる。 一番目は、発現するためにすべてこの遺伝子に由来するプロモーター、遺伝子コドン領域、およびターミネーター配列のDNA配列である。 それ自身の転写及び翻訳調節配列の制御下で、表現するためにその領域を取り除く必要から、望まれていないDNA配列(例えば、要求されていない領域のコード)を削除することによって、必要な位置で遺伝子を切断することができる。 選択マーカーは、また新規な遺伝子配列の複数のコピーされた宿主の中へ組み込むために、選択を受け入れるベクター上に含まれている。

    2番目のタイプの発現ベクターはあらかじめ集められ、ハイレベルの転写と、選択マーカーに必要とされる配列を含んでいる。 それが表現カセットプロモーターと重合停止剤配列の転写調節されるように、その遺伝子または遺伝子の部分のコドン領域が、この汎用ベクターに挿入することができるものと考えられる。

    例えば、アスペルギルス属の中で、pRAXはそのような汎用発現ベクターである。 その遺伝子または部分は強いglaAプロモーターの下流に挿入することができる。

    例えば、ハイポクレア属の中で、pTEXはそのような汎用発現ベクターである。 その遺伝子または部分は強いcbh1プロモーターの下流に挿入することができる。

    ベクター内で、本発明のCBH2変異体をエンコードしているDNAシーケンスは転写及び翻訳配列、すなわち構造遺伝子への読み枠の中の適当なプロモーター配列とシグナル配列と操作可能に結び付く。 このプロモーターは宿主細胞の中で転写活性を示し、相同の、または非相同のタンパク質をエンコードしている遺伝子から宿主細胞に届けられるどのようなDNAシーケンスである可能性がある。 任意的なシグナルペプチドはこのCBH2変異体の細胞外生産を提供する。 シグナルシーケンスをエンコードするDNAは、好適には、おのずから発現すべき遺伝子に関係するものであるが、適切なソース、例えばトリコデルマ属のエクソ-セロビオハイドラーゼあるいはエンドグルカナーゼであるが、から得られるシグナルシーケンスが本発明から予測することができる。

    プロモーターとともに本発明の変異体CBH2をコードするDNA配列を結合し、そして適切なベクターへ挿入するために用いる方法は本技術分野でよく知られている。

    上で説明したDNAベクターまたは構成物は形質転換、形質移入、顕微注射、マイクロポレーション(microporation)遺伝子銃攻撃法及び同種の既知の技術によって宿主細胞の中で取り込まれる。

    好ましい形質転換技術において、ハイポクレア属(Hyprocrea sp.)(トリコデルマ属(Trichoderma sp.))におけるDNAへの細胞壁の透過性は非常に低いうことを考慮しておかなければならない。 そのため、目的とするDNAシーケンス、遺伝子、または遺伝子断片の取り込みは最小化される。 形質転換処理に先立って、誘導株内で(すなわち、使われた選択マーカーと一致する機能的な遺伝子を欠いている誘導株)でハイポクレア属(Hyprocrea sp.)(トリコデルマ属(Trichoderma sp.))の細胞壁の浸透性を高めるための数多くの方法がある。

    (184)形質転換のためにアスペルギルス属またはHyprocrea sp. (トリコデルマsp.)を調製する、本発明における好適な方法は、細菌の菌糸体からプロトプラストを調製する方法に関係する。 Campbell et al. Improved transformation efficiency of A. niger using homologous niaD gene for nitrate reductase. Curr. Genet. 16:53−56;1989を参照のこと。 菌糸体は発芽した栄養胞子から得ることができる。 菌糸体は、原形質を消化する酵素を用いて処理され、最終的にプロトプラストになる。 原形質体は、懸濁培地の中の浸透圧安定剤によって保護される。 このような安定剤はソルビトール、マンニトール、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、およびそれに類したものを含む。 通常、これらの安定剤の濃度は0.8Mと1.2Mの間で変動する。 使用するのに望ましいものは、懸濁培地の中のソルビトールの濃度が1.2Mの溶液である。

    宿主株((アスペルギルス属またはハイポクレア属(トリコデルマ属))の中へDNAを取込むことは、カルシウムイオン濃縮に依存している。一般に、約10mMのCaCl から約50mMのCaCl が取込むための溶液に用いられる。取込み溶液の中にはカルシウムイオンが必要であるが、この他に、一般に含まれる他のアイテムとしてはTE緩衝液(10mMトリス、pH7−4;1mM EDTA)または10mM MOPS、pH6.0の緩衝液(モルホニルプロパンスルホン酸(morpholine propane sulfonic acid))とポリエチレン・グリコール(PEG))と、ポリエチレン・グリコール(PEG)などの緩衝システムである。 培地の内容物が宿主細胞、例えば、アスペルギルス属またはハイポクレア属系統のどちらかの細胞質の中に送られることを許容している細胞膜を溶融させるために、ポリエチレン・グリコールが機能することが知られており、この結果プラスミドDNAは核に転送される。 この融合により、宿主の染色体の中に柔軟に組み込まれたプラスミドDNAの複数のコピーが頻繁に取られる。

    通常、10 から10 /mLの密度で、好ましくは2x10 /mLの密度で透過処理をされたアスペルギルス属の原形質体または細胞を含んでいる懸濁液は、形質変換に用いられる。 同様に、10 から10 /mLの密度で、好ましくは2x10 /mLの密度で透過処理されたハイポクレア属(トリコデルマ属)の原形質体または細胞を含んでいる懸濁液は、形質変換に用いられる。 適切な溶液(例えば1.2Mのソルビトール;50mM CaC1 )中の、これらの原形質体または細胞の体積100μl液中の細胞は、目的とするDNAに混合される。 一般に、高濃度のPEGが取込み溶液に添加される。 25%PEG4000の0.1から1容量は原形質体懸濁液に添加することができる。 ジメチルスルホキシド、ヘパリン、スペルミジン、塩化カリウム、及び同種のものの添加物もまた取込み溶液に添加され、形質転換を促進する。

    一般に、混合物は約0℃で10から30分の間培養される。 PEGの添加は、それから、さらに目的とする遺伝子またはDNAシーケンスの取り込みを強化するためにこの混合物に添加される。 形質転換混合物の5から15倍の体積の25%PEG4000が一般的に添加される。 しかし、これより大きい、または小さい体積であってよい。 25%PEG4000は好ましくは形質転換混合の体積の約10倍である。 PEGが添加された後、ソルビトール及びCaCl 溶液の添加の前に形質転換混合物は室温でまたは氷の上で培養される。 原形質体懸濁液はそれから、溶解した一定分量の増殖培地にさらに添加される。 この増殖培地は転換体の成長だけを促進する。 目的とする転換体を成長させるために適当な、いかなる増殖培地でも、本発明のにおいて用いることができる。 しかしながら、Pyr+転換体が選択している場合、ウリジンを含まない増殖培地を使うことが好ましい。 その後、コロニーはウリジンを使い果たした増殖培地の上で形質転換され、精製される。

    この段階において、安定した転換体は、ウリジンを欠いた固形培養媒質上の不完全な外形よりも、転換体のより速い生長率とスムーズな丸いコロニーの形成によって、不安定な転換体と区別できる。 さらに、ある場合には、安定性のさらなる試験は、選択的でない固形培地(すなわち ウリジンを含む培地)上での転換体の成長によって行われる。 そして、この試験は、ウリジンを欠いている選択培地の上で発芽し、成長した芽胞を収穫し、これらの芽胞のパーセンテージを決定することにより行われる。

    上記の方法に関する特定の実施例において、CBH2変異体は、CBH2変異体の適切な翻訳過程の結果として、液体培地の中で成長した後に、宿主細胞から活性型として回収される。


    (ii)酵母菌
    本発明はまたCBH2生産のために、宿主細胞として酵母を使用する場合もある。 加水分解酵素をエンコードしているいくつかの他の遺伝子は、酵母菌S. cerevisiaeの様々な系統の中で発現されている。 これらは、Trichoderma reesei(Cummings and Fowler、 Curr.Genet.29:227−233、1996)由来の2つのエンドゴルカナーゼ(Penttila et al.、Yeast vol.3、pp 175−185、1987)、2のセロビオハイドラーゼ(Penttila et al.、 Gene、63:103−112、1988)及び1のベータ−グルコシダーゼ、Aureobasidlium pullulans(Li and Ljungdahl、Appl.Environ.Microbiol. 62、No.1、pp.209−213、1996)由来の1のキシラナーゼ小麦(Rothstein et al.、Gene 55:353−356、1987)由来の1のアルファ−アミラーゼ等をエンコードしている配列を含んでいる。 さらに、ブチリビブリオ-フィブリソルベンスエンドー[ベータ]−1、4グルカナーゼ(END1)、Phanerochaete chrysosporium cellobiohydrolase(CBH1)、Ruminococcus flavefaciens cellodextrinase(CEL1)、およびEndomyces fibrilizercellobiase(Bgl1)をエンコードしているセルラーゼ遺伝子カセットはS. cerevisiaeの実験室株の中での発現には成功している。 (Van Rensburg et al.、Yeast、vol.14、pp.67−76、1998)

    C. 宿主細胞へのCBH2エンコーディング核酸配列の導入
    本発明は、さらに外部発生的に提供される変異体CBH2エンコーディング核酸シーケンスから成る、遺伝的に変性させられた細胞と細胞組成を提供する。 親細胞または細胞系は、クローニングベクターまたは発現ベクターを用いて遺伝子組み替え(すなわち、形質導入、形質変換、又は移入)が行われた。 ベクターは、上で開示したように、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどという形であるかもしれない。

    本発明の形質転換の方法は、糸状菌ゲノムの中へ形質転換ベクターのすべてまたは一部分が安定した組込みが行われた結果として行われる。 結果として、自己再生する染色体外形質転換ベクターの維持をしている形質転換もまた、考慮される。

    多くの標準的な形質転換方法は、大量の非相同タンパク質を表現するトリコデルマレーシ細胞系を生産するために用いることができる。 トリコデルマのセルラーゼ産出系統へ、DNA構成物を導入するために出版された方法のいくつかは、以下に記載されている。 Lorito、Hayes、DiPietro and Harman、1993、Curr. Genet. 24:349−356;Goldman、VanMontagu and Herrera−Estrella、1990、Curr. Genet. 17:169−174;Penttila、Nevalainen、Ratto、Salminen and Knowles、1987、Gene 6:155−164。 アスペルギルス属エルトンに係る方法はHamer and Timberlake、1984、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:1470−1474に記載され、フザリウム属バジャーに係る方法はPodila and Kolattukudy、1991、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 8202−8212に記載され、ストレプトマイシン属に係る方法はHopwood et al. 、1985、TheJohn Innes Foundation、 Norwich、 UKに記載され、バチルス ブリジディに係る方法はDeRossi、 Bertarini、 Riccardi and Matteuzzi、1990、FEMS Microbiol. Lett. 55:135−138)に記載されている。

    非相同核酸構成物(発現ベクター)を糸状菌(例えばH.ジェコリーナ)へ導入する他の方法としては、粒子または遺伝子銃の使用、形質転換処理に先立つ糸状菌細胞の透過化処理(例えば、高濃度のアルカリ例えば、0.05Mから0.4M CaCl またはリチウム酢酸塩の使用)、プロトプラストの融合、またはアグロバクターを介した形質転換を含むが、これらに限られない。 ポリエチレン・グリコールとCaCl によるプロトプラストまたはスフェロプラストの処理による糸状菌の模範的な転換法は、Campbell、E. I. et al. 、Curr. Genet. 16:53−56、1989及びPenttila、M. et al. 、Gene、63:11−22、1988に開示されている。

    外来ヌクレオチド配列を宿主細胞に導入するための有名な処理のどれでも使うことができる。 それらは、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラストの融合、電気穿孔法、微粒子銃、リポソーム、顕微注射、プラズマベクター、ウイルスベクター、およびクローンゲノムDNA、cDNA、合成DNA又は外来遺伝物質を宿主細胞に導入するようなほかによく知られている方法の使用をも含まれる(Sambrook et al.、上記参照のこと)。 米国特許No. 6、255、155に記載のアグロバクテリウム介入形質転換法も用いることができる。 異種遺伝子を発現することができる宿主細胞内へ少なくとも1つの遺伝子を導入することが可能であれば如何なる方法を用いてもよい。

    加えて、変異体CBH2エンコーディング核酸シーケンスから成る非相同核酸構成物はin vivo及び例えば注入法などのよく知られた方法によって宿主細胞に導入され、その結果として生じるRNAで転写することができる。

    本発明はさらに、細菌セルラーゼ組成物を生産するためのA. ニガー及びH. ジェコリーナのような糸状菌であって、新規で、有益な転換体を含む。 本発明は糸状菌、特に変異体CBH2をコード配列から、又は内因性cbhをコード配列から欠失させた菌類の転換体を含む。

    変異体のcbh2に対するコーディングシーケンスから成っている異種の核酸構成物に関する紹介によれば、遺伝子組み替えの細胞はプロモーターを活性化し、形質転換体を選定し、変異体のCBH2エンコーディング核酸シーケンスの表現を増幅するのに適切となるように修正された栄養培地の中で培養されている。 温度、pH等の培養条件は、発現のために選択された宿主細胞のためにあらかじめ使われたものであり、本技術分野において明らかである。

    かかる非相同核酸構成物が導入された細胞の子孫は、一般に、非相同核酸構成物の中で見られる変異体CBH2エンコーディング核酸シーケンスを含むと考えられる。

    本発明はさらに細菌セルラーゼ組成物生産における使用のためのH. ジェコリーナのような糸状菌であって、斬新で、有益な転換体を含む。 アスペルギルスニガーは変異体CBH2の生成に用いることができる。 本発明は糸状菌、特に変異体cbh1をコード配列又はcbhをコード配列から欠失させた菌類の転換体を含む。

    糸状菌の安定した転換体は、固形培養媒質上の不完全な外形よりはむしろ、それらのより速い生長率とスムーズな丸いコロニーの形成によって、不安定な転換体と区別することができる。 加えて、ある場合には、固形の非選択的培地上の転換体を成長させ、この培地から、選択培地上で発芽し成長する芽胞を収穫し、そして、これらの芽胞のパーセンテージを決定することによって、安定性のさらなる試験を行うことができる。


    VII. CBH2核酸コーディング配列のための分析、および/またはタンパク質発現
    変異体CBH2エンコーディング核酸構成物によって変換している細胞系による変異体CBH2の表現を評価するための検定が、タンパク質レベル、RNAレベルで、またはセロビオハイドラーゼの活性、および/または生産に対する機能的な生物検定を利用することにより行うことができる。

    ここに説明された変異体cbh2の核酸とタンパク質配列の1つの典型的な用途において、糸状菌の遺伝子組み替え系統、例えば、トリコデルマレーシは、CBH2の量を増加させるように設計することができる。 かかる遺伝子組み替え糸状菌は、より大きなセルロースを分解する能力を有するセルラーゼ組成物を生産するために有益である。 このことは、cbh2のためのコーディングシーケンスを適当な宿主、例えばアスペルギウスニガーのような糸状菌に導入することによって行われる。

    従って、本発明は、糸状菌または他の適当な宿主の細胞の中にDNA配列エンコーディング変異体CBH2を含む発現ベクターを導入することにより、糸状菌または他の適当な宿主の中で変異体CBH2を発現するための方法を提供する。

    別の側面において本発明は、糸状菌または他の適当な宿主の中でCBH2の発現を変更させる方法をも提供する。 かかる変異は内因性CBH2の発現の減少または消失を含むものである。

    一般に、変異体CBH2の発現の解析に用いられる分析法には、ノザンブロット法、ドットブロット法(DNAまたはRNA解析の用いる)、RT−PCR法(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)、又はインサイチュハイブリダイゼーション、適切なラベルプローブの使用(核酸配列に基ずく)及び従来のサザンブロット法及びオートラジオグラフィーがある。

    加えて、変異体CBH2の生産及び/又は発現は、例えばセロビオハイドラーゼ活性、発現、および/または生産にかかる分析法によって試料から直接測定することができる。 かかる分析法は、Becker et al. 、Biochem J. (2001)356: 19−30及びMitsuishi et al. 、FEBS(1990)275:135−138に開示されており、参照によりここに組み込まれる。 CBH2の分離された可溶性又は不溶性基質を加水分解する能力は、Srisodsuk et al. 、J. Biotech. (1997)57:49−57及びNidetzky and Claeyssens Biotech. Bioeng. (1994)44:961−966に開示された分析法により測定することができる。 セロビオハイドラーゼ、エンドグルカナーゼ又はβ−グルコシダーゼ活性の分析法に有用な基質には、結晶セルロース、濾紙、リン酸増加セルロース、セロオリゴサッカライド、メチルウンベリフェリルラクトシド、メチルウンベリフェリルセロビオシド、オーソニトロフェニ(orthonitrophenyl)ラクトシド、パラニトロフェニルラクトシド、オーソニトロフェニルセロビオシド、パラニトロフェニルセロビオシドがある。

    更に、タンパク質の発現は、細胞、組織切片の免疫組織学的染色又は組織培養培地のようなイムノアッセイ(免疫測定法)のような免疫学的方法を用いて行うことができる。 (例えば、ウエスタンブロット又はELISA)かかるイムノアッセイは、質的及び量的にCBH2変異体の発現を評価するために用いることができる。 かかる方法の詳細は当業者によく知られており、この方法を行うための多くの試薬が市販されている。

    変異体CBH2の精製物を、様々なイムノアッセイの中で使用される発現されたタンパク質に反応するモノクローナルまたはポリクロナール抗体のいずれかを生産するためにも使用される。 (Hu et al.、 Mol Cell Biol.vol.11、No.11、pp.5792−5799、1991参照のこと)。 典型的な分析法としては、エライザ(ELISA)、競合イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロット法、間接免疫螢光測定法、およびそれに類したものがある。 一般に、市販されている抗体、および/またはキットは、セロビオハイドラーゼ タンパク質の発現レベルの多くのイムノアッセイのために使われる。


    VIII. 組換体CBH2タンパク質の単離と精製
    細胞培養中に生産された変異体CBH2タンパク質は培地の中に分泌され、そして精製され、又は単離される。 しかし、場合によっては、変異体のCBH2タンパク質は細胞溶解産物から回復することが必要となる細胞の品種によって生み出される場合もある。 かかる場合にには、変異体CBH2タンパク質は、当業者によって通常用いられている技術を利用して、かかる細胞から精製される。 例えば、アフィニティークロマトグラフィー (Tilbeurgh et al.、FEBS Lett.16:215、1984)、高い分解パワーを有する原料を使ったイオン交換をも含めた、イオン交換クロマトグラフ法(Goyal et al.、 Bioresource Technol.36:37−50、1991;Fliess et al.、Eur.J.Appl.Microbiol.Biotechnol.17:314−318、1983;Bhikhabhai et al.、J.Appl.Biochem.6:336−345、1984;Ellouz et al.、J.Chromatography 396: 307−317、1987)、(Medve et al.、J.Chromatography A 808:153−165、1998)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(Tomaz and Queiroz、J.Chromatography A 865:123−128、1999)、及び二相仕切り(two−phase partitioning)(Brumbauer、et al.、Bioseparation 7:287−295、1999)などかあるが、これらに限定されるものではない。

    変異体CBH2タンパク質は、特定の結合因子に対する結合親和性(例えば、抗体又は受容体)などの特定の特性を有するタンパク質を分離するために細分化される。 これらの抗体又は受容体は選択された分子量の範囲、又は等電点の範囲を有する。

    一度、与えられた変異体CBH2の発現が達成されると、その後、生産されたCBH2タンパク質は細胞または細胞培養から精製される。 係る精製に適した典型的な処理方法としては、抗体アフィニティカラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフ法;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ上またはDEAEなどの陽イオン交換樹脂によるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニュウム沈殿法;そして、例えば、Sephadex G−75を用いたゲルろ過、などがある。 さまざまなタンパク質精製の方法が用いられており、係る方法は本分野において知られたものであり、例えば、Deutscher、 Methods in Enzymology、vol. 182、No. 57、pp. 779、1990;Scopes、Methods Enzymol. 90:479−91、1982に記載されている。 精製手段の選択は、それが用いられる製造工程と生産された特定のタンパク質の性質に依存する。


    IX. cbh2とCBH2の使用
    変異体cbh核酸、変異体CBH2タンパク質、および変異体CBH2タンパク質活性から成る組成物の広範囲にわたる用途を発見することは高く評価される。 (このような用途のいくつかについて以下に説明する。)
    新規で改良された、さまざまな量のBGタイプ、EGタイプ及び変異体CBHタイプのセルラーゼから成るセルラーゼ組成物は、柔軟剤として作用し、および/または、綿織物の感触を高める(例えば、「ストーンウォッシュ」又は「バイオポリッシュ」)ことができる高い洗浄能力有する洗浄剤組成物や、木材パルプを糖へ分解する組成物(例えば、バイオエタノールの生産)や、及び/又は食品組成物へ適用する用途がある。 各タイプのセルラーゼの単離及びその特徴によって、係る組成物の特徴をコントロールすることができる。

    大きな耐熱性を持つ変異体(または突然変異体)CBHsは、高温おいても活性を維持することができるため、上記の全ての分野において用いることができる。

    わずかな耐熱性を持つ変異体(または突然変異体)CBHsは、例えば、存在する他の酵素が影響を受けるこがないように、ある酵素活性がより低温で中立化されることが必要となる分野で用いられる。 更に、酵素は、例えば結晶化度またはセルロース系材料の鎖長をコントロールすることにより、セルロース系材料をある程度改質するという用途もある。 この改質が要求されたレベルに達した後、糖化温度を非熱安定性CBH2の生存温度以上にあげることができる。 CBH2活性が結晶セルロースの加水分解に必須なので、結晶セルロースの転化は高温では停止してしまう。

    増大した可逆性(すなわち、活性のリホールディング(refolding)又は保持(retention)が高いめられていること)を有する変異体(または突然変異体)CBHsもまた同様な領域で用いられる。 熱失活の条件に依存して、可逆的変性は、不可逆的過程と競合し、又は不可逆的過程を支配することができる。 増大した可逆性を持つ変異体は、これらの条件のもとで、熱失活に対して増大した抵抗性を持っている。 増大した可逆性はまた、非不活性化状態における処理によって不活性化イベントが行われる過程において潜在的利益をもっている。 例えば、生物資源をエタノールへ変換するための加水分解と発光の組み合わせ(HHF)において、生物資源は最初に高温(50℃より高い温度を示す)でセルラーゼによって不完全に糖化される。 そして、その後温度は、発酵微生物が、糖をエタノールに変換することを可能ならしめるため下げられる。 (例えば30℃まで) もし、経過温度を低下させると、熱的に不活性化したセルラーゼが可逆的に活性を停止し、低温発酵工程の間、糖化はその転換を高いレベルで継続される。

    1のアプローチにおいて、本発明のセルラーゼは感触と外観をよくするために、洗浄剤組成物に使用され、または布の処理にも用いられる。

    ゲノムに挿入されたcbh遺伝子の少なくとも1つの追加コピーを持っている転換体を使うことによって、セルロースでできた物質製品の加水分解反応速度を増大させることができるかもしれないので、セルロースまたはヘテログリカンを含む製品を、より速い速度で、かつより大きな範囲にわたって分解することができる。 紙、綿、セルロース系の紙おむつ、およびそれに類したものであって、セルロースから作られる製品はごみ処理場でより効率的に処理することができる。 1の転換体または複数の転換体から得ることができる発酵生成物は、詰ったごみ処理場へ投入される各種セルロース製品を液化することによって、これを分解するために使うことができる。

    個々の糖化及び発酵のプロセスは、生物資源の中に存在するセルロース(例えば、コーンストーバー)がグルコースに転換され、続いて酵母菌がグルコースをエタノールに転換するプロセスである。 同時に起こる糖化及び発酵のプロセスは、生物資源の中に存在するセルロース(例えば、コーンストーバー)がグルコースに転換され、同時に同じ反応で酵母菌がグルコースをエタノールに転換するプロセスである。 したがって、他のアプローチにおいて、本発明の変異体CBHタイプのセルラーゼを、生物資源のエタノールへの分解処理に用いることができる。 セルロースのようなすぐに入手可能である原材料からエタノールを生産することは安定的に行え、再生可能な燃料源を提供することができる。

    セルロースベースの原料は農業廃棄物、草、および木材と都市廃棄物のような他の低価値生物資源(例えば、再生紙、ヤードクリッピング(yard clippings)などから成る。エタノールはこれらのセルロースでできた物質原料を発酵させて生産することができる。しかし、エタノールへ変換される前に、セルロースを最初に糖に変換しなければならない。

    多種多様な原料に対して、本発明の変異体CBHを使える可能性があり、使用するための選択基準は、この転化作業が行われる地域に依存している。 例えば、米国中西部においては、小麦、わら、コーンストーバー及びバガスのような、農業廃棄物が主要なものである一方、カリフォルニアでは、稲ワラが農業廃物の主要なものである。 しかし、入手可能ないかなるセルロース質バイオマスは、いかなる地域においても使われものであるということを理解する必要がある。

    セロビオハイドラーゼの量を増やしたセルラーゼ組成物は、エタノール生産に用いられる。 このプロセスによるエタノールは、オクタンエンハンサーとして、又は直接燃料源として利用でき、このエタノールは、石油由来生成物よりも環境にやさしいので、ガソリンの代替燃料としても、有効に活用することができる。 エタノールを使用することにより大気の浄化に役立ち、場合によっては、部分的なオゾンレベル及びスモッグを減らことが可能となることが知られている。 さらに、ガソリンの代わりにエタノールを利用することは、再生不能なエネルギー源のである石油化学製品の供給の変動を緩衝することにおいて戦略的に重要である。

    エタノールは木、草本、都市の固形廃棄物、および農業と林業の残留物などから糖化と発酵過程を経て、生産することができる。 しかし、微生物由来の自然発生するセルラーゼ混合物の中の個々のセルラーゼ酵素の割合は、バイオマスをグルコースに転換するのには効果的ではない。 エンドグルカナーゼは、それ自身がセロビオハイドラーゼの作用のための基質であり、従って全体のセルラーゼシステムの加水分解の効率を改善する新しいセルロースチェーン端を生産することができる機能を持っていることが知られている。 従って、強化され、あるいは最適化されたセロビオハイドラーゼ活性を利用することによってエタノールの生産量を増加することができる。

    従って、本発明のセロビオハイドラーゼは、そのもの自体を糖に変換するセルロースの加水分解に使用される。 1の態様では、変異体セロビオハイドラーゼは発酵微生物の添加に先がけてバイオマスに添加される。 2番目の態様では、変異体セロビオハイドラーゼは、バイオマスに対して発酵微生物と同時に添加される。 更に、いずれかの態様に存在する他のセルラーゼ成分もある。

    他の態様において、セルロース系物質原料は前処置される。 前処理は高温と希酸、濃酸、または薄めのアルカリ溶液のいずれかの添加による。 前処理溶液は、少なくとも部分的にヘミセルロース成分を加水分解するのに十分な時間の期間添加されており、その後中和される。

    セルロースにCBH2を作用させた際の主産物は、BG活性(例えば細菌のセルラーゼ生成物中の)により、グルコースへ変換するために利用されるセロビオースである。 セルロース系バイオマスの前処理によって、またはバイオマス上の酵素作用によって、グルコースとセロビオースを含む他の糖類はバイオマスから入手可能である。 このバイオマスのヘミセルロース内容物は(ヘミセルラーゼによって)、キシロース、ガラクトース、マンノース、およびアラビノースなどの糖類に、変換することができる。 従って、バイオマス変換過程の中で、酵素糖化法は、他の中間体または最終生成物への生物的または化学的変換に利用可能な糖類を作り出すことができる。 従って、バイオマスから発生した糖はエタノールの生成に加えていろいろな過程中において使用される。 そのような転化の例はグルコースからエタノールへの発酵(M.E.Himmel et al. pp2−45、in“Fuels and Chemicals from Biomass”、ACS Symposium Series 666、 ed.B.C.Saha and J.Woodward、1997による論評)、及びグルコースから2、5−ジケト−D−グルコネイト(US Patent No.6、599、722)、酪酸(R.Datta and S−P.Tsai pp224−236、ibid)、サッシネイト(R.R.Gokarn、M.A.Eiteman and J.Sridhar pp237−263、 ibid)、1、3−プロパンジオール(A−P.Zheng、H.Biebl and W−D.Deckwer pp264−279、ibid)、2、3−ブタンジオールへの生物的転換(C.S.Gong、N.Cao and G.T.T.sao pp280−293、ibid)、及びキシロースからキシリトールへの化学的及び生物的転化(B.C. Saha and R.J.Bothast pp307−319、ibid)などがある。 例としてWO 98/21339も参照のこと。
    本発明の洗剤組成物は、セルラーゼ組成物(セロビオハイドラーゼ内容物とは関係なく、すなわち、セロビオハイドラーゼ無添加、セロビオハイドラーゼが実質的に無添加、セロビオハイドラーゼを多く含むものがある。)のほかに、陰イオン性、非イオン性、および両性の界面活性物質を含む界面活性物質、加水分解酵素、造形剤、漂白剤、青味剤、および蛍光色素、固化抑制剤、可溶化剤、陽イオン界面活性剤、およびそれに類したものが含まれる。 これらの全ての成分は、洗剤の分野においてよく知られている。 上記のセルラーゼ組成物は、液体の希釈液の中、顆粒の中、エマルジョンの中、ゲルの中、ペーストの中のいずれかまたは同種のものの洗浄剤組成物中に添加することができる。 係る製品は当業者によく知られている。 固形洗浄剤組成物が使用される時、セルラーゼ組成物は顆粒として製剤化することが好ましい。 また好ましくは、この顆粒は、セルラーゼ保護因子を含むように製剤化することができる。 更に理解を深めるために、ここに参照により取り込まれている、題名“Detergent compositions containing cellulase compositions deficient inCBH2 type components”U. S. Patent Number 6、162、782を参照のこと。

    好ましくは、セルラーゼ組成物は洗浄剤組成物の総量に対して、約0.00005重量%から約5重量%添加される。 より好ましくは、セルラーゼ組成物は洗浄剤組成物の総量に対して、約0.0002重量%から約2重量%添加される。

    更に、変異体CBH2核酸配列は、関連する核酸配列の同定及び特徴付けに使用することができる。 遺伝子又は遺伝子生産物に関する機能の決定(予測又は確認)に有用である数多くの技術は、A. (1) 過剰発現、異所性発現、および他種内発現;(2)黙している逆ゲノム多型法、ターゲットノックアウト、ウイルス誘発性遺伝子サイレンシング(VIGS)、(Baulcombe、100 Years of Virology、 Calisher and Horzinek eds.、Springer−Verlag、 New York、 NY 15:189−201、1999参照のこと);(3)メチル化状態の分析、特にフランキング調節領域;(4)in situハイブリダイゼーション;のようなDNA/RNA解析;B. (1)組み換えタンパク質発現;(2)抗血清生産;(3)免疫学的局在決定;(4)触媒または他の活性に対する生化的検定;(5)リン酸化状態;及び(6)酵母 2−ハイブリッド法(Two−Hybrid法)を介したタンパク間の相互作用などの遺伝子生産物解析;C. 過剰発現した発現型に基づいた、または関連する遺伝子の配列相同性による特定の生化学的又はシグナル経路内における遺伝子又は遺伝子生産物の位置などの経路分析及び D. 特定の代謝又は伝達経路内における単離された遺伝子及びその生産物の関与を決定又は確認し、遺伝子の機能決定を助けるためのその他の解析が含まれるが、これらに限られない。

    ここに言及されたすべての特許、特許出願、記事、および出版物はここに参照することによって明確に取り込まれる。

    本発明は、さらに以下の実施例により詳細に説明される。 しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 添付の図は本発明の明細書の一部である。 ここで引用された全ての参考文献の内容は参照により、本発明出願に組み込まれる。


    実施例1
    既知のCel6Aセルラーゼのアラインメント
    いくつかの変異体は、構造の情報及び調節機構を用いて、8のファミリーメンバーに対するハイポクレアジェコリーナCel6Aの一次配列(first aligning)により41のファミリーメンバーから選択された。 図3はフミコーラインソランス(Humicola insolens)(QClS9)、アクレモニウムセルロイティカス(Acremonium cellulotyticus)(O93837)、アグリカスビスポラス(Agahcus bisporvs)(P49075)、ハイポクレアコニンギ(Hypocrea koningii)(AF315681)、ファネロキエートクリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)(S76141)、タラロマイセスエメルソニ(Talaromyces emersonii)(Q8N1 B5)、レンチヌラエドダス(Lentinula edodes)(AF244369)、ハイポクレアジェコリーナ(Hypocrea jecorina)(P0798742)由来のCBH2分子のアラインメントを示す。 アラインメントは、ギャップペナルティーが10に設定されているベクター(Vector)NITスーツ(Suite)ソフトウェアープログラムを用いたクラスタル(Clustal)Wにより行った。

    アラインメントに基づいて、各種一部位及び多部位アミノ酸変異体が部位異誘発により該タンパク質において行われた。 この変異体はコンセンサス配列を用いることにより酵素の熱安定性が改善されていると予測される。 図3参照。 構造の適合性を調べるために、3D構造の目視観察を行った。 致死となる理由、又は活性部位に近いという理由からCBH2分子に適合しないと思われる変異体は初期変異体のセットから除いた。

    CBH2に対するコンセンサス配列は、本明細書で説明するCBH2配列のアラインメントにより決定した。 図3のアラインメントは、コンセンサス配列の決定の根拠とした。 アラインメントのコンセンサス配列は、各位置においてアミノ酸を有し、該アミノ酸配列の大部分を含み、アラインメントの構造に用いた配列である。

    トリコデルマレーシ(T.reesei)CBH2アミノ酸由来のコンセンサス配列のこれらの位置はタンパク質(PDB.code1Qk2)の3D構造の試験により評価した。

    画像による観察はシリコングラフィックインディゴ2ソリッドインパクトコンピューター(Silicon Graphics Indigo2 Solid Impact computer)のコンピュータープログラムBRAGI(D.Schomburg、 J. Reichelt、 J.MoI.Graphics、 Vol 6、161−165(1988))を用いて行った。 3Dモデルに従い、阻害部位を有さず、構造に適合し、且つ酵素の熱安定性が改善されていると思われるこれらの変異体を熱安定性が改善されたハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2置換体として選択した。 幾つかのケースにおいて、CBH2分子の3D構造の目視観察は示唆された配列アラインメントよりも他のアミノ酸によりハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の非保存残基を置換するために重要とされる。 幾つかのケースにおいて、該アミノ酸は3D構造中のグリコシレートである。 アラインメントが示すグリコシレートの位置はS109及びN310である。 これらの位置は変化しなかった。 バリンは213及び/又は237の位置において1つ又は2つのアルギニンと安定した電荷相互作用を有していると考えられることから、V94の位置において、バリンをグルタミン酸残基に置換した。 T124の位置において、我々は配列アラインメントが適合を示すプロリンを導入した。 このアミノ酸はアラインメントされた配列の多くに見ることができ、プロリンのエントロピー効果により安定である。 L179の位置において、このアラインメントにおけるCBH2分子中の唯一の代替的アミノ酸であるアラニンの導入による影響を試験することとした。 Q204の位置において、グルタミンを、コンセンサス配列において示唆されたアラニンではなく、グルタミン酸残基に置換することとした。 なぜならば、アラニンは疎水性コアにおける好適な相互作用を阻害するおそれがある一方で、QをEに置換する変異体を作成することにより分子表面の電荷ネットワークを改善できると考えたからである。 我々は、V206をロイシンで置換した。 なぜならば、イソロイシンよりロイシンの方が疎水性コアに適合するからである。 V250のケースにおいて、我々は空間の制約により、イソロイシンよりもわずかに小さいロイシンを置換することとした。 N285の位置において、我々は、アスパラギンをグルタミンに置換することにより安定性における側鎖の長さの影響を調べた。 S291において、我々は、アラインメントにおけるCBH2分子中の唯一の代替的分子であるグリシンの導入による影響を調べた。 S316の位置において、我々は、アラインメントにおけるCBH2分子中の唯一の代替的アミノ酸であるプロピンの導入の影響を調べた。 S343の位置において、骨格上で安定であり、かつアラインメントにおいてこの位置で最も多く見られるアミノ酸であるいう理由からこの位置にプロリンを導入した。 T349の位置において、スレオニンをコンセンサス配列により示唆されたバリンでなく、ロイシンで置換した。 S413の位置において、セリンをチロシンに置換することにより、安定性におけるこの位置の芳香族残基の影響を調べた。


    実施例2
    cbh2構築体の調製
    図2において示されたCBH2のcDNA配列を遺伝子増幅のテンプレートとした。 この配列は変異導入のためのテンプレートとしても用いた。

    各種微生物から単離したゲノムDNAより変異体cbh2遺伝子の増幅に用いるために以下のDNAプライマーを構築した。 本明細書で用いるタンパク質及びDNA配列に関する記号は、IUPAC IUB Biochemical nomenclature Commission codesに従う。

    相同5'(FRG361)及び3'(FRG362)プライマーをトリコデルマレーシ由来のcbh2の配列に基づいて作成した。 両プライマーはプライマーの5'においてインビトロジェン(登録商標)由来のゲートウェイクローニング配列を含んでいた。 プライマー361はattB1配列を含み、プライマーFRG362はattB2配列を含む。

    attB1を除くFRG361の配列は、
    ATGATTGTCGGCATTCTCAC(このプライマーは5'末端にハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina )CBH2のシグナル配列をコードする)(配列番号3)
    attB2を除くFRG362の配列は、
    TTACAGGAACGATGGGTTTGCG(このプライマーは3'末端にハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の触媒部位をコードする)(配列番号4)
    ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)cbh2 cDNAをテンプレートとして提供した。 用いたこのcDNAは、Pamela K. Foreman et al、 Journal of Biological Chemistry Vol 278 No. 342003 page 31989の開示に基づき調製したcDNAライブラリー由来である。 このライブラリーは表1に示すプライマーを用いて、CBH2触媒ドメインプローブをスクリーニングした。

    PCR条件は以下のようであった。 10μlの10X反応緩衝液(10X反応緩衝液は100mM Tris HCI、 pH 8−8.5、250mM KCl、50mM(NH SO 、20mM MgSO を含む。)、(最終濃度で)0.2mMの各dATP、dTTP、dGTP、dCTP、1μLの100ng/μlゲノムDNA、0.5μLのPWOポリメラーゼ(Boehringer Mannheim、 Cat#1644−947)を1μL当り1単位、(最終濃度で)0.2μMの各プライマー(FRG361 and FRG362)、4μlのDMSOを水で100μLに調整する。

    キアゲンゲル抽出キットを用いてアガロースゲルから変異体をコードするフラグメントを精製した。 精製されたフラグメントは、インビトロジェン(登録商標)のゲートエウィ(商標)テクノロジー取り扱い説明書(バージョンC)を用いたpDONR(商標)201ベクターを用いたクローン反応の実施に用いた。 前記説明書を参照により本明細書に援用する。 調製されたpENTRYCBH2クローンを図4に示す。

    ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2の各種部位は変異体の熱安定性に含まれるであろう、それゆえ、ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)cbh2遺伝子は以下で説明するプライマー及び反応試薬を用いた変異誘発を受ける。

    各反応(一部位変異誘発、ランダム変異誘発、領域的変異誘発又は連結反応)のサイクルパラメータを表2に示す。

    増幅生成物は単離され、以下の実施例3乃至6ので説明するように特徴付けられる。

    正確な配列を有する(変異体又は野生型)遺伝子はその後、ENTRYベクターからデスティネーションベクター(pRAXdes2)に移され、発現ベクターpRAXdesCBH2を得た。

    細胞を変異体CBH2セルラーゼをコードする核酸を含む発現ベクターを用いて形質転換した。 この構築物を、Cao et al. (Cao Q−N、 Stubbs M、 Ngo KQP、 Ward M、 Cunningham A、 Pai EF、 Tu G.C and Hofmann T(2000)Penicillopepsin−JT2 a recombinant enzyme from Penicillium janthinellum and contribution of a hydrogen bond in subsite S3 to kcat Protein Science 9:991−1001)に開示されている方法に従い、アスペルギウスニガー(Aspergillus niger)ver. awamoriへ転換した。


    実施例3
    部位指定変異誘発
    実施例1の理論付けに基づき、部位指定CBH2変異体を、当該技術分野において既知の方法を用いて調製された以下の5'リン酸化プライマーを用いて作成した。

    変異体をコードするコドンを下線付き太字で示す。

    変異誘発は、クイックチェンジ部位指定変異誘発キット(ストラタジェン、La、Jolla、カルフォルニア;カタログNo.200513)を用いて行った。

    この変異誘発反応には以下の反応試薬を用いた。

    増幅生成物を回収し(プライマー、ヌクレオチド、酵素、ミネラルオイル、塩、及び他の成分から精製し、)Dpnlを用いて消化した。 1μlのDpnl(10U/μl)をPCR混合物に添加し、37℃で90分インキュベートした。 この反応性生物をQlAquick PCR purificationキット(キアゲン、カタログNo.28106)を用いて取り扱い説明書に従って精製した。 溶出体積は35μl溶出緩衝液であった。

    2本鎖非変異DNAを除去するために、溶出サンプルをDpnl制限酵素で2回消化した。 インビトロジェンの1μlのDpnl(カタログNo.15242−019)及び4μlの反応緩衝液(リアクト4(React 4)は DpnIに10X溶液として添付されていおり、最終的に1:10で希釈して用いた。)をサンプルに添加し、37℃で90分インキュベートした。 2μlの反応サンプルを10μlのOne−Step Top10 electro−competent cell(インビトロジェン、カタログNo.C4040−50)の形質転換に用いた。 SOC培地(Hanahan(1983)J. Mol. Biol. 166:557−580参照のこと)において37℃で1時間育成した後、この細胞を選択的カナマイシンプレート上で平板培養し、37℃で一晩インキュベートした。

    陽性クローンを100μg/mlのアンピシリンを含む2*TY培地で育成し、プラスミドDNAをQlAprep Spin Miniprepキット(カタログNo.27106)を用いて単離した。 このプラスミドの配列決定を行い、変異配列が正確に導入されていることを確認した。

    正しい配列を有する変異体を、ゲートウェイクローニング法(インビトロジェン、カタログNo.11791019)に従って、LR反応を利用してアスペルギウスニガー(A.niger)発現ベクターpRAXdes#2へ転換した。 発現クローンをアスペルギウスニガー(A.niger)AP4へプロップラスト形質転換した後、部位指定変異誘発(SDM)を熱安定性の変異についてスクリーニングした(表4)。


    実施例4
    コンビネーションライブラリー
    SDMスクリーニングの間に同定された一部位変異体の結果:98、134、206、212、312、316、411及び413、に基づいて、2つのクイックチェンジライブラリー(QC2C及びQC2D)を構築した。

    変異体P98L、M134V、V206L、I212V、T312S、S316P、F411Y及びS413Yをクイックチェンジ法(QC)を用いてライブラリーにおいてランダムに組み合わせた。 QCライブラリーを作成するために、部位指定変異誘発キット(カタログNo.200513、ストラタジェン)を用いた。

    プライマーは以下の表5に示すように調製した。

    プライマー混合物は以下のように調製した。

    30μlのプライマー98及び134(前記表)を10μlの他のそれぞれのプライマー(前記表)と混合した。 2つの異なるプライマーの濃度を調べて、1つのプライマーが平均2つのアミノ酸置換基と第二の6アミノ酸を含むようにした。

    変異反応は以下の反応試薬を用いて行った。

    増幅生成物をDpnlを用いて消化した。 1μlのDpnl(10U/μl)をPCR混合物に添加し、37℃で90分インキュベートした。 このPCR反応性生物を、QlAquick PCR精製キット(250)(キアゲン、カタログNo.28106)を用いて、その取り扱い説明書に従い、精製した。 溶出体積は35μl溶出緩衝液であった。

    2本鎖非変異DNAを除去するために、溶出サンプルをDpnl制限酵素で2回消化した。 インビトロジェンの1μlのDpnl(カタログNo.15242−019)及び4μlの反応緩衝液(リアクト4(React 4)はDpnIに10X溶液として添付されていおり、最終的に1:10で希釈して用いた。)をサンプルに添加し、37℃で90分インキュベートした。 2μlの反応サンプルを10μlのOne−Step Top10 electro−competent cell(インビトロジェン、カタログNo.C4040−50)の形質転換に用いた。 SOC培地(Hanahan (1983) J. Mol. Biol. 166:557−580参照のこと)において37℃で1時間育成した後、この細胞を選択的カナマイシンプレート上で平板培養し、37℃で一晩インキュベートした。

    陽性クローンを100μg/mlのアンピシリンを含む2*TY培地で育成し、プラスミドDNAをQlAprep Spin Miniprepキット(カタログNo.27106)を用いて単離した。 このプラスミドの配列決定を行い、変異配列が正確に導入されていることを確認した。

    正しい配列を有する変異体を、ゲートウェイクローニング法(インビトロジェン、カタログNo.11791019)に従って、LR反応を利用してアスペルギウスニガー(A.niger)発現ベクターpRAXdes#2へ転換した。 発現クローンをアスペルギウスニガー(A.niger)AP4へプロップラスト形質転換した後、部位指定変異誘発(SDM)を熱安定性の変異についてスクリーニングした(表15及び16)。


    実施例5
    領域変異誘発
    上述のように、SDMスクリーニングの間に同定された一部位変異体の結果に基づいて、ランダムに変異されているCBH2の3D構造を同定し、熱安定性をスクリーニングした。 空間領域を構成するアミノ酸(群)は、[210、214]、[253、255、257、258]、[411、413、415]、[412、414、416]、[312、313]、323、[212、149、152]、[134、144]及び98である。

    [210、214]、[253、255、257、258]、[411、413、415]、[412、414、416]、[312、313]、323、[212、149、152]、[134、144]及び98の位置において十分にランダム化されたライブラリーをスクリーニングした。 上に列挙されているカッコ間の(例えば、[210、214])アミノ酸を一緒にランダム化し、323及び98を単独でランダム化した。 変異体CBH2−S316P又はCBH2−V206L−S316Pをこれらのライブラリーの骨格とした。

    NNSプライマーを構築し、インビトロジェンが作成した。

    PCRはPfu UltraDNAポリメラーゼ(ストラタジェン、カタログNo.600380)を用いて、以下のように行った。

    PCRフラグメントを1%LTMゲル上に置き、キアゲンゲル抽出キット(ストラタジェン、カタログNo.28706)を用いて精製した。 この精製フラグメントをPfu Ultra(上記)、及びattB2フランキング配列を有するcbh2プライマーに融合させた。

    精製されたcbh2遺伝子は、取り扱い説明書(インビトロジェン、カタログNo.11789013)のように、BP反応を用いて、ゲートウェイエントリーベクターpDON201へ形質転換した。 陽性好ましくはローンは2*TYプレート上でカナマイシン(50μl/ml)により選択した。 このプレート表面を掬い取り、ゲートウェイLR反応を用いたpRAXdest#2へ形質転換するためのプラスミドを調整した。 このベクターをNotlで消化し、LR反応の形質転換頻度を最適化した。 プロトプラスト形質転換を、A. niger AP4における9つのCBH2領域ライブラリーを生成するために用い、変更された熱安定性をスクリーニングした(表17)。


    実施例6
    多重変異体
    一部位変異誘発の発現及び熱安定性の結果に基づき、振とうフラスコの中でのみ生成する多重変異体のセットを設計した。

    CBH2変異体FCA557(P98L/M134V/S316P/S413Y)(実施例4QCライブラリー)をCBH2変異体FCA 564(S316P/V323Y)、FCA568(V206L/S210R/T214Y/S316P)及び FCA570(M134L/L144R/S316P)(実施例5の領域ライブラリー)(表9)と組み合わせ、改善された熱安定性を示すCBH2分子を得た。

    プライマーを構築し、インビトロジェンに発注した。

    全9つのCBH2の組み合わせを構築するために必要に全フラグメント(A−F)を得るために、PCRを以下の表11に示す反応試薬を用いて行った。

    PCRフラグメントを1%LTMゲル上に置き、キアゲンゲル抽出キット(ストラタジェン、カタログNo.28706)を用いて精製した。 この精製フラグメントをPhusion DNA(上記)、及びCBH2−attB2プライマー(上記)に融合させ、表12に示す完全なCBH2の組み合わせを得た。

    完全なCBH2−attB分子を1%LTMアガロースから精製し、A. niger AP4発現ベクターpRAXdest#2へ形質転換した。 この方法は、デスティネーションベクターへattB−PCR生成物をクローニングするための1チューブ法(インビトロジェンマニュアル)である。

    3μlの反応サンプルを、マニュアルに従って、100μlのDH5αmax−エフィシエンシーコンピテントセル(efficiency competent cells)の形質転換に用いた。 SOC培地で、37℃、1時間育成した後、この細胞を選択のためのアンピリシンプレート(100μg/ml)上で平板培養し、37℃で一晩インキュベートした。 陽性クローンを2+TY培地及び100μg/mlのアンピリシンで育成した。 プラスミドDNAをQlArep Spin Miniprepキット(キアゲン、カタログNo.27106)を用いて単離し、配列決定した。

    正確な配列を有する変異体を、ゲートウェイクローニング法(インビトロジェン、カタログNo.11791019)に従い、LR反応を利用して、A. niger発現ベクターpRAXdest#2に転換した。 発現したクローンをA. nigerAP4にプロトプラスト転換した後、多重変異体を発現させ、単離し(実施例7に記載のように)、熱安定性を解析した(表18及び19)。


    実施例7
    CBH2及びその変体の発現及び振とうフラスコ育成からの単離
    熱変性試験の(実施例9)におけるTm測定のための試料を提供するために、発現クローンを振とうフラスコ内で育成し、以下のようにCBH2分子を精製した。

    変異体CBH2セルラーゼをコードする核酸を含む発現ベクターを用いて細胞を形質転換した。 この構築物をCao et al (Cao Q−N、 Stubbs M、 Ngo KQP、 Ward M、 Cunningham A、 Pai EF、 Tu G−C and Hofmann T(2000)Penicillopepsin−JT2 a recombinant enzyme from Penicillium janthinellum and contribution of a hydrogen bond in subsite S3 to kcat Protein Science 9:991−1001)により説明された方法に従って、この構築物はA. niger awamori内で形質転換した。

    A. niger awamoriの形質転換体をウリジンを欠く最小培地で育成した(Ballance et al.1983)。 形質転換体は、Cao et alに記載のように、胞子形成している育成アガーから、1cm の胞子懸濁液を100mlの振とうフラスコに接種し、3日間37℃で育成し、その後セルラーゼ活性をスクリーニングした。

    CBH2活性のアッセイはリン酸膨張セルロース(PASC:0.5mM 酢酸ナトリウム中0.5%PASC、pH4.85)の加水分解を基にした。 糖の低減はPAHBAHアッセイ(PAHBAH:2%NaOH、195ml中2.975gのPAHBAH、9、75gのNa−K−酒石酸塩)により測定した。 PASC:(Karlsson、 J. et al.(2001)、Eur.J.Biochem、268、6498−6507、 Wood、T.(1988)in Methods in Enzymology、 Vol.160.Biomass Part a Cellulose and Hemicellulose(Wood、W.&Kellog、S.Eds.)、pp.19−25、 Academic Press、San Diego、CA、USA)and PAHBAH:(Lever、M.(1972)Analytical Biochemistry、 47、273、Blakeney、A.B.&Mutton、LL(1980)Journal of Science of Food and Agriculture、 31、889、Henry、R.J.(1984)Journal of the Institute of Brewing、90、37)。

    Cel6A野生型及び変異体を、以下の2つのうちの1つの方法を用いて、疎水性相互クロマトグラフィー(HIC)によりこれらの培地の無細胞懸濁液から精製した。

    SDM変異体については、ファルマシア フェニルセファロースレジン(1.6ml=1mlカラム)(カタログNo.17−0973−05)を含むBio−RAD Poly−Prepカラム(カタログNo.731−1550)を用いた。 1乃至2カラム容量(CV)の水で洗浄し、その後、5CVの緩衝液A(0.020Mリン酸ナトリウム、0.5mM硫酸アンモニウム、pH6.8)でこのレジンを平衡化した。 4mM硫酸アンモニウムを最終濃度が0.5Mになるようにこの上清に添加した。 2CVの上清をカラムに付加し、カラムを5CVの緩衝液Aで洗浄し、4CVの0.020Mのリン酸ナトリウム、pH6.8で溶出した。 ろ過された液体は精製されたCBH2を含んでいた。

    多重変異体(実施例6)については、カラムはアプライドバイオシステム製造のPoros(登録商標)20HP2レジンを用いて設計変更されたノバゲンバキューム(No−vagen vacuum)上で行った。 HICカラムは5CVの緩衝液Aで平衡化した。 最終濃度が0.5Mになるようにこの上清に添加した。 ろ過した上清をカラムに付加し、カラムを10CVの緩衝液Aで洗浄し、10CVの0.020Mのリン酸ナトリウム、pH6.8で溶出した。 分画を収集し、還元SDS−PAGEゲルアッセイの結果に基づき、CBH2の有無に従いプールした。

    必要に応じて、シグマーアルドリッチより提供のプロトコルに従って、エンドグルカナーセHで上清を処理することによりCBH2分子の脱グリコシレート化を行う。


    実施例8
    熱失活によるCBH2変異体の熱安定性
    不可逆的な熱失活に対する安定性が変更されたCBH2分子と野生型CBH2との比較は、ストリンジェント条件下での各種温度のインキュベーション前後における、無細胞上清と等量のPASC活性の測定により同定した。 用いたストリンジェント条件は、0.1mM酢酸ナトリウム、pH4.85で1:1希釈剤した上清を、(示されたように)61℃又は65℃のいずれかの温度で、1時間インキュベートし、10分間氷上に置くという条件である。 残留活性%(評価条件でインキュベートした後の残りの活性の%)は初期活性(ストリンジェント条件に曝す前のPASCに対するCBH2活性)を残留活性で除して算出した。

    CBH2変異体及び野生型の熱失活に対する安定性のスクリーニングは以下の方法に従って測定した。


    A. 溶液及び培地
    以下の溶液/培地をCBH2変異体の不可逆的な熱失活に対する安定性の決定に用いた。

    1. マルトース含有最小培地(MM培地)は以下の表13のように調製した.

    i. 5gのアビセル PH101(フルカ 11365)を1リットルガラスビーカに入れ、12mlまでの水を添加し、濃厚スラリーを生成する.
    ii. このビーカーを氷上に置く.
    iii. 150mlの氷上冷却した85%オルト−リン酸(Art.1000573 メルク)を添加し、約1時間、ウルトラツラックス(ultra turrax)をもちいてシブキを生じないように高速で撹拌する.
    iv. 100mlの氷上冷却したアセトンを添加し、非常に濃厚なスラリーに対してはセルロースアモルファスの沈殿を緩やかに生ずるので、必要に応じてスパチュラーでよく混合する.
    v. この非常に濃厚なスラリーを1リットルまでの水で希釈し、6×250mlのソーバル(Sorvall)コンテナへ移すのに十分な液体を調製する.
    vi. 10kで15分間、遠沈し、上清を廃棄する.
    vii. ペレットとビーカーに入るだけの水とを混合し、再度遠沈する.
    viii. 工程v及びviを少なくとも3回繰り返し、pHが4.0−5.0にする.
    ix. リン酸をよく洗浄するために、4NのNaOHを一滴水に添加する.
    x. ペレットを300mlまでの水と混合し、ホモジナイズする.
    xi. このスラリーの濃度を乾燥重量で測定する.
    このスラリーを121℃で20分間滅菌し、冷却後冷蔵庫で保管する。

    3. PAHBAH試薬は、100mlの2%NaOH中に1−5gPAHBAHに5gのナトリウム−カリウム−酒石酸塩含むように調製する.
    4. セロビオースストック溶液は、セロビオースをMQ水に、0、0.01、0.05、0.1、0.2、0.5、0.7、及び1mg/mlの濃度で調製する.

    B. サンプル調製
    1.1エウェルあたり、200μl最小培地+マルトース(上記)を含む96Wフィルター処理されたMTP's(ミリポア #MAGVS2210)中のA. niger変異体を80−90%の湿度のオービタルシェーカーにおいて7日間33℃で育成する.
    2. 育成インキュベートの後、この培養物をバキューム連結管を用いて、フィルターろ過し、ろ過液(上清)を新たな96WフラットMTP's(グレイナー、#655101)の中に収集し、4℃で保管する。


    C. 評価温度におけるストリンジェント条件
    1.1ウェルあたり60μlの上清を60μlの100mMのNaAc、pH4.85で希釈する(1:1希釈)。 (残りの上清について、残っている糖を調べる場合には、190μlの100mMNaAc、pH4.8を1ウェルあたり10μlの上清に添加し、この希釈された上清の溶液20μlに、150μlのPAHBAH試薬を添加してPAHBAH残留糖アッセイを行う(Eを参照のこと).
    2.20μlの希釈上清を新たなフラット96WMTPに移し、4℃で保存する(残留活性に供するため).
    3. 残りの希釈上清(約100μl)を1時間61℃(又は65℃)で(残留活性のために)インキュベートする.
    4. 氷上で10分間冷却する。


    D. PASCインキュベーション;スモールスケール転換(SSC)アッセイ
    1. 新しいフラットTMP's中に、180μl/ウェルの良く撹拌された50mM NaAc、pH4.85中0.5%PASC溶液を調製する.
    2a. 残留活性を測定するための1つのプレートに、PASC−MTP'sに予備インキュベートされた調製済みの希釈上清を1ウェルあたり20μl移す(上下に混合する).
    2b. 初期活性を測定するための第二のプレートに、1ウェルあたり180μlのPASC溶液を保存されていた20μlの未処理希釈剤上清に添加し、上下に混合する.
    3. 上清―PASCMTP'sを密閉し、900rpmで撹拌しながら50℃で2時間インキュベートする.
    4. 氷上で10分間冷却する.
    5. 上清-PASC混合液を新たなフィルターMTPに移し、バキューム連結管においてろ過し、ろ過液を収集する。


    E. PAHBAH残留糖アッセイ
    1. 新しい96WフラットMTPに1ウェルあたり150μlのPAHBAH試薬を入れる. 2.20μlの上清―PASC溶液のフィルターろ過液をPAHBAHに添加する(上下に混合する).
    3. 第一のMTP;20μlのセロビオースストック溶液の1列をキャリブレーションラインの中に置く(A4参照).
    4.69℃、1時間、900rpmでインキュベートし、室温で冷却し、2000rpm、2分間で遠沈する.
    5. スペクトラマックス(SpectraMaxs)スペクトロフォトメーター(スペクトラ、サニーバリュー、カリフォルニア、米国)のMTPリーダーでOD410のエンドポイントを直接測定する。


    F. データ処理(Spad−it)
    1. セロビオースの希釈ウェルの読み取り値から、OD410に対するセロビオース濃度(mg/ml)のキャリブレーションラインをプロットする.
    2. キャリブレーションカーブ及びサンプルウェルの読み取り値を用いて、各サンプルの初期及び残留活性セロビオース濃度(mg/ml)を計算する.
    3. 残留活性%を計算する。


    部位指定変異誘発によるCBH2変異体の残留活性測定

    野生型(WT)及び変異体の残留活性%の値は3つの測定の平均値である。 標準偏差はこれらの測定値から計算した。

    上の表は、61℃又は65℃で1時間ストリンジェント条件でインキュベーションした後に、1部位変異体(SDM、実施例3)において残留活性を有していたことを示す。 TWクローンの残留活性をこのデータのサブセットに示す(各プレートに1つのWTがある。)WTの平均値は61℃で21.4%及び65℃で65%であった。 測定条件下で、熱安定性を有する分子であるWTよりもあらゆる変異体の方が高い残留活性を有することが明らかである。


    CBH2組合せ変異体の残留活性の測定
    表15及び16に示した2つの結果は、実施例4において生成された変異体を異なる温度においてインキュベーションし、残留活性を測定した結果である。

    2つの表(表15及び16)は、独立した2つの実験において測定された値であるので、以下に別個に示した。

    測定条件下で、熱安定性を有する分子であるWTよりもあらゆる変異体の方が高い残留活性を有することが明らかである。

    特に定義しない限り、残留活性%の平均値は4つの測定の平均値である。 (8)は、8つの測定値の平均値であることを示す。 標準偏差は、これらのこれらの測定値から計算された。

    残留活性%の平均値は括弧の中の測定数の平均値である。 標準偏差は、これらのこれらの測定値から計算された。


    領域変異誘発により得られたCBH2変異体の残留活性
    表17は、実施例5で生成された61℃でインキュベーションされあた後の残留活性%を示す。

    特に定義しない限り、残留活性%の平均値は3つの測定の平均値である。 (32)は、32の測定値の平均値であることを示す。 標準偏差は、これらのこれらの測定値から計算された。

    測定条件下で、熱安定性を有する分子であるWT及び/又はS316Pよりもあらゆる変異体の方が高い残留活性を有することが明らかである。


    実施例9
    Tm測定によりCBH2変異体の熱安定性
    CBH2セルラーゼ変異体を実施例7に従って、クローン化し、発現させ、及び精製した。 熱変性データは、MIcrocal(ミクロカル)(ノーサンプトン、マサチューセッツ、米国)のVP−DSCミクロカロリーメータにより収集した。 緩衝液条件は図のように、50mMビストリスプロパン/50mM酢酸アンモニウム/氷酢酸、pH5.5又は5.0であった。 タンパク質濃度は約0.25mgs/mlであった。 90(cal/℃)のスキャン速度において、25乃至80℃の3つの熱スキャンを行った。 第一スキャンはCBH2の熱変性を示し、熱変性の中点を決定するために用いた。 Tm:用いたソフトウェアーは温度(℃)カーブに対するCp(cal/℃)を作成する。 この曲線に従ってTmを決定する。 第二及び第三スキャンにおける熱変性の欠失により示されるように、熱変性は全てのケースで不可逆的であった。

    全変異体データはグリコシル化FCA500(野性型rCBH2)Tmを参照する。 「TmG」は、精製された組み換えタンパク質の測定値である。 「TmDG」は、精製前にEndoHで脱グリコシル化した組換えタンパク質の測定値である。

    全変異体データはグリコシル化FCA500(野性型rCBH2)Tmを参照する。 「TmG」は、精製された組み換えタンパク質の測定値である。 「TmDG」は、精製前にEndoHで脱グリコシル化した組換えタンパク質の測定値である。

    CBH2セルラーゼ変異体に導入された変異は、野生型と比較して変異体CBH2セルラーゼの熱安定性に影響を与えていた。

    この実験及び以下の実験に用いた脱グリコシル化タンパク質は、N結合を除去するための既知の方法を用いて行った(例えば、Biochem.J.(2001)358:423−430参照)。 Tai、T. 、et al. J. Biol. Chem. (1975)250、 8569の参照のこと。


    実施例10
    CBH2変異体のPASC特異活性
    この実施例は、A. nigerでクローン化された野生型配ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)CBH2と比較したCBH2変異体のリン酸膨張セルラーゼにおける特異性能を試験する。

    リン酸膨張セルラーゼ(PASC)
    PASCはWalseth(1971)Tappi 35:228(1971)及びWood Biochem J. 121:353(1971)に記載の方法に従って、アビセルから調製した。 この物質を緩衝液及び水で希釈し、酢酸ナトリウムの最終濃度が50mM、pH5.0になるように、1%w/vまで希釈した。

    セルロース誘導体基質に対するこれらの変異体の相対的特異性を当分野で知られている方法により決定した。 例えば、Baker et al. 、 Appl Biochem Biotechnol 1998 Spring;70−72():395−403参照。

    標準的セルロース誘導体転換アッセイをこの試験に用いた。 Baker(上記)参照。 このアッセイにおいて、酵素及び緩衝化基質をコンテナの中に置き、特定の温度で一晩測定した。 100mMのグリシンを、この反応混合物のpHが少なくとも10になるのに充分な量を添加することにより反応を停止させた。 一旦反応が停止すると、この反応混合物の一部を0.2ミクロンの膜でろ過して固形物を取り除いた。 Baker et al. 、 Appl. Biochem. Biotechnol. 70−72:395−403(1998)に記載の方法にしたがいHPLCによりろ過溶液の可溶化糖をアッセイした。

    これらの変異体の相対的活性は、50mM NaOH、pH5.0中1%のPASCを用いて53℃、1400rpmで3.5時間、振とうすることにより決定した。 酵素は、0.75、1、5及び3mg/gセルロースの濃度で添加した。 タンパク質濃度はDO280(Leach and Scheraga 1960(J.Am.Chem.Soc. 82:4790−4792)を用いて測定した。比較された変異体は、FCA500.3、 FCA523、FCA536、及びFCA540−550である。明確化のために、図8は、FCA540、FCA542、FCA545、FCA547、FCA549、及びFCA550のみを示した。これらの全変異体サンプルはFCA524及びCFA545の結果と同様の活性を示した。

    上の濃度依存データ(図8)の値と比較して、変異体により生成された総糖量(平均値)とCFA500.3(野性型)により生成された総糖量(平均値)を平均化した。 これらの比を図9に示す。 これらの比は、活性の高くないFCA547、FCA549、及びFCA550を除いては、全て同様の値であった。

    エラーバーはこの比の平均値のシングルSDである。 比が1であることは、このアッセイにおいて変異体が野生型と似た活性を有することを示している。 この基質において、安定化された全変異体は活性を保持していた。


    実施例11
    CBH2変異体のPCS特異活性
    この試験は、CBH2変異体の前処理されたコーンストーバーにおける活性を、A. niger内でクローン化された野生型ハイポクレアジェコリーナ(H.jecorina)と比較する。

    前処理コーンストーバー(PCS)
    コーンストーバーをSchell、D. et al. 、J. Appl. Biochem. Biotechnol. 105:69−86(2003)に記載のように、2%w/wのH SO で前処理し、その後、脱イオン水で複数回洗浄し、pH4.5のペーストを得る。 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)最終濃度50mMの酢酸ナトリウムになるように添加し、必要に応じて、この混合物を、1N NaOHを用いてpH5.0に滴定する。 反応混合物中のセルロース濃度は約7%である。 CBH2の特異性は53℃、700rpm、20時間でPSCとインキュベーションすることにより試験した。 0.75、1.5及び2.5mg/gセルロースの異なる3つの濃度のCBH2(PCS中)を、8.5mgCBH2欠失セルラーゼ株ブロス/gセルロースに添加した(ハイポクレアジェコリーナ(トリコデルマレーシとも言う)におけるCBH2の欠失の議論のため。米国特許No.5、861、271及び5、650、322参照のこと。結果を図10に示す。CBH2を後で加えないCBH2欠失株(ベースライン活性を示す。CBH2変異体は、PCSの再構成された全セルラーゼにおいて、野生型CBH2と同様の活性を有していた。このことは、欠失株に戻し添加された野生型株は欠失株以上の活性を有することを示す。変異体は同様の条件において同様の活性を有していた。

    同様のアッセイを上で説明する他の変異体について行った。 2回試験の総糖量の平均値を各濃度において平均化し、この値をFCA500−3(野生型)における同様の2回試験の平均値で割った。 これらの比を図11に示す。 これらの比は、活性の高くないFCA547、FCA549、及びFCA550を除いては、全て同様の値であった。 比が1であることは、このアッセイにおいて変異体が野生型と似た活性を有することを示している。 この基質において、安定化された全変異体は活性を保持していた。


    実施例12
    各種温度におけるCBH2変異体の特異活性
    この実施例は各種温度において各酵素(安定化変異体及び野生型)が活性をどれくらい長く保持しているかを試験する。

    実施例10で説明したアッセイを以下のように変更して用いた。 1%PASC中、53℃、65℃、及び75℃の各音素で、300rpm振とうで、各種培養時間インキュベーションして、CBH2により生成された総糖量を、各温度においてこれらの酵素(変異体及び野生型)の活性保持時間の長さを決定するために用いた。

    53℃において、変異体は全時間において野生型と同様の活性を有していた(図12参照)。 53℃における酵素の安定性において、酵素の半減期をこのデータを下に決定した、。 65℃において、FCA543及びFCA500により生成される総糖量は、FCA543がFCA500よりも長時間活性を保っていることを示した(図13)。 この変異体の半減期は約24時間であると見積もられた。 野生型は約4時間であった。 しかしながら、両酵素は72時間以内に失活した。 75℃において、第一の時間において、FCA543はFCA500よりも多くの糖を生成した(図14)。


    実施例13
    他のセルラーゼとのCBH2特異活性
    この実施例は、CBH2変異体(安定化された)を他のセルラーゼと組み合わせてバイオマス転換への使用を行った。

    アシドサーマスセルロイティクス(Acidothermus celluloytics)E1コアに、野生型CBH1及び2(それぞれ、FCA301及びFCA500)、あるいは、安定化CBH1及び2(それぞれ、FCA469及びCFA543)のいずれかを加えた酵素混合物を、PCS(実施例11)を基質として用いた標準的な転換アッセイにおいて、38℃、53℃、及び65℃の温度で、5mg/mlセルロース及び10mg/mlセルロースにおいて試験を行った。 1日、2日及び5日目に反応を停止してサンプルを回収した。

    CBH1変異体は米国公開公報20050054039に記載されており、参照により本明細書に援用する。 アシドサーマスセルロイティクス(Acidothermus celluloytics)由来のE1コアは米国特許No. 5、712、142に記載されている。 WO91/05039;WO93/15186;US Patent No. 5、275、944;WO96/02551;米国特許No. 5、536、655及びWO 00/70031も参照のこと。 GenBank U33212も参照のこと。

    38℃における結果は、変異体混合物の特異的活性は野生型混合物と同様であった。 (図15参照)。 53℃においても同様な性能を示した。 (データ示さず)。

    安定化された変異体混合物は65℃において野生型混合物よりも有意に高い特異活性を示した。

    実施例11で述べたアッセイと同じ標準条件を用いて、56℃、59℃、及び62℃の温度、10mg/mlセルロース、並びに24、48、及び120時間の反応時間で安定化された変異体混合物の特異活性を試験した。 前記3つの反応時間において、56℃の結果がより高い温度の結果よりも良かった。 全反応時間の結果より、最適な温度が59℃であった。


    以上言及した本発明の方法及びシステムに関し、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく種々の改良や改変を行うはことは、当業者にとって自明のことである。 本発明の特定の好ましい実施態様に関連して本発明を説明してきたが、本発明は当該特定の実施態様に過度に限定されるものではないことは当然のことである。 従って、分子生物学の分野及び関連分野の当業者に明らかであるような本発明を実施するための前述の方法に関する種々の変更は本発明の範囲内に含まれるものである。

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