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CCR3阻害剤を用いて、加齢性機能障害を治療するための方法及び組成物

阅读:760发布:2020-05-08

专利汇可以提供CCR3阻害剤を用いて、加齢性機能障害を治療するための方法及び組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且CCR3調節剤による神経変性疾患の改善方法を提供する。その方法は、CCR3調節剤を治療有効量、対象に投与することを含み、認知、運動またはその他の神経変性性の罹患機能が同時に改善される。本発明の方法によって認知が改善し得る認知疾患及び運動疾患には、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺が含まれる。,下面是CCR3阻害剤を用いて、加齢性機能障害を治療するための方法及び組成物专利的具体信息内容。

神経変性疾患と診断された対象の前記神経変性疾患の治療方法であって、 前記対象の前記神経変性疾患を治療するために、下記の式1の化合物を治療有効量投与することを含み、 式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−6アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記NH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、前記環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記C9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、ハロゲンもしくはCNで置換された前記基、 ・または任意にメチルオキサジアゾールで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル及び=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのNまたはOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 あるいは、 R1.1が、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、前記環が、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、前記環が任意に、C1−4アルキルまたは=Oで置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−6アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、前記環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、前記環の炭素原子が置き換わっている前記ヘテロアリール、 ・芳香族または非芳香族のC9または10二環であって、その1つまたは2つの炭素原子が、N、OまたはSに置き換わっており、それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されている前記芳香族または非芳香族のC9または10二環、 ・任意に、ピリジニルで置換された複素環式非芳香族環、 ・NHCO−C1−6アルキルで任意に置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、前記環が、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換されている前記炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であり、前記環が、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、 R1.3が、フェニル、ヘテロアリールまたはインドリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−ヘテロアリールからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 R4が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 方法。式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記NH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、前記環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記C9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された前記基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の方法。式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、C1−4アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2−C1−4アルキル、COO−C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−C1−4アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、C1−4アルキル、COO−C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4アルキル、NO2、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−4アルキル、NHCH(CH2O−C1−4アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−4アルキル、O−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−4アルキル、SO2N(C1−4アルキル)2、ハロゲン、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキル、NHC1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−4アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−4アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−4アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−4アルキル、SO2C1−4アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−4アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−4アルキル、CONH2、O−C1−4アルキル、ハロゲン、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、N(C1−4アルキル)2、CONH−C1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−4アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−4アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−4アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の方法。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、ピリジニルで置換されたNH−ピペリジニル、 ・任意に、t−Bu、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、Fからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2Me、COO−t−Buからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−n−Bu、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、Me、COOMe、CF3、OMe、NO2、F、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COOMe、NHCH(CH2OMe)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された前記基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意にMeで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の方法。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、 ・NHR1.2、 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、Pr、Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、CH2−フェニルまたはCH2−ナフチルから選択されており、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである、 請求項1に記載の方法。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 から選択されており、 R2が、 から選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の方法。前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 式中、 R1が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mが、1、2または3であり、 R2a及びR2bがそれぞれ独立して、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンから選択されており、 R2b.1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、前記環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ジベンゾイル酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、0、0.5、1、1.5または2であり、 共結晶形成剤が、オロチン酸、馬尿酸、L−ピログルタミン酸、D−ピログルタミン酸、ニコチン酸、L−(+)−アスコルビン酸、サッカリン、ピペラジン、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、粘液酸(ガラクタル酸)、パモ酸(エンボン酸)、ステアリン酸、コール酸、デオキシコール酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、コハク酸アミド、ウラシル、L−リシン、L−プロリン、D−バリン、L−アルギニン、グリシンからなる群から選択されている、 請求項1に記載の方法。前記化合物が、下記の式の塩の結晶である、請求項1に記載の方法。前記化合物が、請求項7に記載の式の化合物の共結晶を少なくとも1つと、製薬学的に許容可能な担体とを含む、請求項1に記載の方法。式1の化合物を、個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物、ラセミ化合物の形態、または鏡像異性体的に純粋な化合物の形態で投与する、請求項1に記載の方法。前記化合物が、活性成分として、下記の式の化合物であって、 式中、 R1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である1つ以上の前記化合物と、 第1の希釈剤、第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤 を含む医薬組成物である、 請求項1に記載の方法。前記医薬組成物がさらに、追加の崩壊剤を含む、請求項11に記載の方法。前記医薬組成物がさらに、追加の流動化剤を含む、請求項11または12に記載の方法。前記医薬組成物の希釈剤がさらに、セルロース粉末、無第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物、エリトリトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化デンプンまたはキシリトールを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺からなる群からのものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

神経変性疾患と診断された対象の前記神経変性疾患を治療するための医薬組成物であって、 下記の式1の化合物を治療有効量だけ含み、 式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−6アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記NH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、前記環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記C9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、ハロゲンもしくはCNで置換された前記基、 ・または任意にメチルオキサジアゾールで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル及び=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのNまたはOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 あるいは、 R1.1が、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、前記環が、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、前記環が任意に、C1−4アルキルまたは=Oで置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−6アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、前記環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、前記環の炭素原子が置き換わっている前記ヘテロアリール、 ・芳香族または非芳香族のC9または10二環であって、その1つまたは2つの炭素原子が、N、OまたはSに置き換わっており、それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されている前記芳香族または非芳香族のC9または10二環、 ・任意に、ピリジニルで置換された複素環式非芳香族環、 ・NHCO−C1−6アルキルで任意に置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、前記環が、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換されている前記炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であり、前記環が、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を任意に含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、 R1.3が、フェニル、ヘテロアリールまたはインドリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−ヘテロアリールからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 R4が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 医薬組成物。式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記NH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、前記環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されている前記C9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された前記基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の医薬組成物。式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、C1−4アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2−C1−4アルキル、COO−C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−C1−4アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、C1−4アルキル、COO−C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4アルキル、NO2、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−4アルキル、NHCH(CH2O−C1−4アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−4アルキル、O−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−4アルキル、SO2N(C1−4アルキル)2、ハロゲン、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキル、NHC1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−4アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−4アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−4アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−4アルキル、SO2C1−4アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−4アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−4アルキル、CONH2、O−C1−4アルキル、ハロゲン、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、N(C1−4アルキル)2、CONH−C1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−4アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−4アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−4アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の医薬組成物。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、ピリジニルで置換されたNH−ピペリジニル、 ・任意に、t−Bu、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、Fからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2Me、COO−t−Buからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−n−Bu、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、Me、COOMe、CF3、OMe、NO2、F、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COOMe、NHCH(CH2OMe)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された前記基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意にMeで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の医薬組成物。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、 ・NHR1.2、 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、Pr、Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、前記環が、任意に1つのOを含み、前記環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、CH2−フェニルまたはCH2−ナフチルから選択されており、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである、 請求項1に記載の医薬組成物。式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 から選択されており、 R2が、 から選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 請求項1に記載の医薬組成物。前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 式中、 R1が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mが、1、2または3であり、 R2a及びR2bがそれぞれ独立して、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンから選択されており、 R2b.1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、前記環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ジベンゾイル酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、0、0.5、1、1.5または2であり、 共結晶形成剤が、オロチン酸、馬尿酸、L−ピログルタミン酸、D−ピログルタミン酸、ニコチン酸、L−(+)−アスコルビン酸、サッカリン、ピペラジン、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、粘液酸(ガラクタル酸)、パモ酸(エンボン酸)、ステアリン酸、コール酸、デオキシコール酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、コハク酸アミド、ウラシル、L−リシン、L−プロリン、D−バリン、L−アルギニン、グリシンからなる群から選択されている、 請求項1に記載の医薬組成物。前記化合物が、下記の式の塩の結晶である、請求項1に記載の医薬組成物。前記化合物が、請求項7に記載の式の化合物の共結晶を少なくとも1つと、製薬学的に許容可能な担体とを含む、請求項1に記載の医薬組成物。式1の化合物が、個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物、ラセミ化合物の形態、または鏡像異性体的に純粋な化合物の形態を有する、請求項1に記載の医薬組成物。前記化合物が、活性成分として、下記の式の化合物であって、 式中、 R1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である1つ以上の前記化合物と、 第1の希釈剤、第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤と を含む、請求項1に記載の医薬組成物。さらに、追加の崩壊剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。さらに、追加の流動化剤を含む、請求項11または12に記載の医薬組成物。希釈剤がさらに、セルロース粉末、無水第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物、エリトリトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化デンプンまたはキシリトールを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺からなる群からのものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。

说明书全文

下記の記載は、背景情報として示されているものに過ぎず、本発明の先行技術であることを認めるものではない。

加齢は、認知機能障害、がん、関節炎、失明、骨粗しょう症、糖尿病、心血管疾患及び卒中を含め、ヒトの複数の疾患の重大な危険因子である。シナプス喪失は、自然な加齢の際の正常なシナプス喪失に加えて、多くの神経変性状態に共通する初期の病理学的な事象であり、これらの状態と関連するニューロン機能障害及び認知機能障害との相関性が最も高い。したがって、加齢は依然として、アルツハイマー病(AD)のような認知症関連の神経変性疾患の最も支配的な唯一の危険因子である(Bishop,N.A.et al.,Neural mechanisms of ageing and cognitive decline.Nature 464(7288),529−535(2010)、Heeden,T.et al.,Insights into the ageing mind:a view from cognitive neuroscience.Nat.Rev.Neurosci.5(2),87−96(2004)、Mattson,M.P.,et al.,Ageing and neuronal vulnerability.Nat.Rev.Neurosci.7(4),278−294(2006))。加齢は、中枢神経系を含め、身体のあらゆる組織及び機能に影響を及ぼし、認知及び運動活動のような機能の低下は、生活様式に深刻な影響を及ぼし得る。

神経変性と関連する認知及び運動機能の低下の治療では、機能障害を予防及び逆転する成果は限られたものとなっている。したがって、加齢の作用から保護するか、加齢の作用を阻止するかまたは加齢の作用を逆転することによって、認知の完全性を維持するための新たな治療法を特定することが重要である。残念なことに、認知機能障害及び運動機能障害に対する薬物治療は、大きなハードルに直面している。例えば、認知機能低下及び運動活動の治療に有効である小分子のような治療剤では、血液脳関門(BBB)を通過する必要があると考えられる。BBBの通過は、あくまでも特例であり、全小分子の98%が通過しない(Pardridge,William M,The Blood−Brain Barrier:Bottleneck in Brain Drug Development,NeuroRx:The J.of the Am.Society for Experimental NeuroTherapeutics,2:3−14,2005)。

そのため、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような神経変性疾患に対する療法は限られており、実際、アルツハイマー病は、全疾患領域の臨床開発において、失敗率が非常に高い(この20年間での失敗率は99.6%である)(上記文献及びBurke,M.,Renewed focus on dementia checked by drug challenges,ChemistryWorld,Jul.3,2014)。ドネペジルなど、アルツハイマー病のような認知症の治療用として承認されているBBB透過性薬は、一時的に効果を発揮するが、すべての患者で機能するわけではない(Banks,W.A.,Drug Delivery to the Brain in Alzheimer’s Disease:Consideration of the Blood−brain Barrier,Adv.Drug.Deliv.Rev.64(7):629−39(2012)及びBurke,M.の上記文献)。同様に、運動欠損のようなパーキンソン病症状を治療し、BBBを通過するレボドパは、最終的には、その効を失う。BBBを通過する治療剤のさらなるハードルは、化合物の親油性を高めると(これにより、化合物のBBB透過性が高まる傾向がある)、血液から除去される量も増える場合が多く、バイオアベイラビリティの低下につながる。すなわち、親油性の増大により、血漿中曲線下面積(AUC)が相殺され、脳への取り込みが最小限となる(Pardridge,William Mの上記文献)。

本発明は、これらの問題を克服する。例えば、本発明の化合物である化合物1は、BBBを有意な濃度で通過する際の耐性を示しているうえに、予想外にも、加齢性の神経変性及び加齢性の運動機能低下と関連する症状を改善させる。したがって、本発明は、有効な認知作用薬に必要とみなされてきた作用なしに、すなわち、中枢神経系に直接作用することなしに、末梢で機能し得る。また、本発明の特定の実施形態は、BBBを有意な濃度で通過し得るが、CCL11/CCR3経路をアンタゴナイズするその能力によって、認知障害及び運動障害に対する現行の療法に代わる作用機序をもたらす。

本発明の化合物は、エオタキシン−1に対する受容体であるc−cモチーフケモカイン受容体3(CCR3)のアンタゴニストとして作用する。エオタキシン−1(CCL11)は、加齢とともに血漿中レベルが上昇するタンパク質であり、認知機能を低下させることが示されている。(Villeda et al.,The aging systemic milieu negatively regulates neurogenesis and cognitive function,Nature,477(7362):90−94(2011))。エオタキシン/CC11は主に、末梢で好酸球に発現するGタンパク質共役型受容体CCR3、ならびに中枢神経系のニューロン及びグリア細胞で作用する(Xia,M,et al.,Immunohistochemical Study of the β−Chemokine Receptors CCR3 and CCR5 and Their Ligands in the Normal and Alzheimer’s Disease Brains,Am.J.Pathol.153(1);31−37(1998))。アルツハイマー病では、CCR3レベルがCNSで上昇することが観察されている(上記文献)。したがって、アルツハイマー病及び関連障害でCCR3をアンタゴナイズする認知作用は、中枢で見られるエオタキシン−1/CCR3の相互作用によって媒介されると予想される。しかしながら、化合物1(本発明の化合物)は、BBBを有意な濃度で通過できないにもかかわらず、予想外にも、認知機能を改善させるとともに、神経新生を刺激する。

患者の加齢性機能障害、神経変性疾患、ならびに関連する認知機能低下及び運動機能低下を治療する方法を提供し、その障害としては、例として、以下に限らないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺などが挙げられる。この方法の態様は、本発明のCCR3アンタゴニストを治療有効量投与することを通じて、CCL11/エオタキシン−1の主な受容体であるCCR3を調節することを含む。この方法は、CCR3アンタゴニストを治療有効量、対象または患者に投与すること、及び所定の臨床評価項目についてモニタリングすることを含む。また、末梢で作用する薬剤、すなわち、血液脳関門を有意な濃度で通過しないものの、疾患を改善させる(認知活動または運動活動を改善させるなど)薬剤によって、神経変性疾患、ならびに関連する認知機能低下及び運動機能低下を治療する方法も含まれる。

本明細書で言及されている文献、特許及び特許出願はいずれも、個々の文献または特許出願が参照により援用されることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により援用される。

図1Aは、IgGで処置した2ケ月齢C57B1/6マウス及び18ケ月齢C57B1/6マウス(いずれの群も、n=18)、化合物1で2週間、高用量(n=16)または低用量(n=31)のいずれかで処置した18ケ月齢マウス、ならびに化合物1(「Cmpd1」)で4週間、低用量(n=16)で処置した18ケ月齢マウスの海馬におけるダブルコルチン(DCX)陽性細胞の総数を示している。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

***は、P<0.001である。図1Bは、IgGで処置した2ケ月齢C57B1/6マウス及び18ケ月齢C57B1/6マウス(いずれの群も、n=19)、化合物1で2週間、高用量(n=16)または低用量(n=24)のいずれかで処置した18ケ月齢マウスの海馬における5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)陽性細胞の総数を示している。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

***は、P<0.001である。

図2Aは、若齢C57B1/6マウス及び高齢C57B1/6マウスが、Y字迷路試験の際に、新規(N)アームに滞在した時間と、既知/旧(「F」または「O」)アームに滞在した時間との比較結果に、化合物1が及ぼした作用を示している。2ケ月齢マウスは、2週間、IgGで処置した(n=18)。18ケ月齢マウスは、IgGで2週間(n=18)、高用量の化合物1で2週間(n=15)、低用量の化合物1で2週間(n=31)、または低用量の化合物1で4週間(n=16)処置した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

**は、P<0.05であり、

***は、P<0.01である。図2Bは、若齢C57B1/6マウス及び高齢C57B1/6マウスが、Y字迷路試験の際に、新規(N)アームを訪問した総数と、既知(F)アームを訪問した総数の比較結果に、化合物1が及ぼした作用を示している。2ケ月齢マウスは、2週間、IgGで処置した(n=18)。18ケ月齢マウスは、IgGで2週間(n=18)、高用量の化合物1で2週間(n=15)、低用量の化合物1で2週間(n=31)、または低用量の化合物1で4週間(n=16)処置した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である。

Y字迷路試験の際に、C57B1/6マウスが新規アーム及び既知アームに進入した回数(「訪問数」)に、化合物1が及ぼした作用を示している。各アームへの訪問数を処置群ごとにプロットし、ペアt検定を行った。3ケ月齢マウス(n=15)に、ビヒクル(veh)をAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。16.5ケ月齢マウスに、ビヒクル(veh、n=16)または50mg/mLの化合物1(n=16)のいずれかをAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。

図4Aは、バーンズ迷路試験で、C57B1/6マウスがターゲットホールを見つけるために要した平均時間に、化合物1が及ぼした作用を示している。平均時間は、処置群ごとにプロットした。3ケ月齢マウス(n=18)に、ビヒクル(veh)をAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。16.5ケ月齢マウスに、ビヒクル(veh、n=15)または50mg/mLの化合物1(n=15)のいずれかをAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。示されているデータは、平均±標準誤差である。図4Bは、C57B1/6マウスにおいて、バーンズ迷路試験の最終日の最後の試行と1回目の試行との間での、ターゲットホールを見つけるまでの潜時の差に、化合物1が及ぼした作用を示している。この差を処置群ごとにプロットし、データに対して、独立t検定を行った。3ケ月齢マウス(n=18)に、ビヒクル(veh)をAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。16.5ケ月齢マウスに、ビヒクル(veh、n=15)または50mg/mLの化合物1(n=15)のいずれかをAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。示されているデータは、平均±標準誤差である。

歯状回のすべての切片からBrdU陽性細胞を検出することによって、C57B1/6マウスにおける神経新生に、化合物1が及ぼした作用を示している。歯状回から得たBrdU陽性細胞の数を処置群ごとにプロットし、データに対して、16.5ケ月齢群間で、独立t検定を行った。3ケ月齢マウス(n=17)に、ビヒクル(veh)をAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。16.5ケ月齢マウスに、ビヒクル(veh、n=17)または50mg/mLの化合物1(n=17)のいずれかをAlzet製ミニポンプ(0.5μL/時間)によって4週間、1回の補充で皮下注入した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。

若齢群(n=2)及び高齢群(n=3)の両方のC57Bl/6マウスのCSFで検出された化合物1のレベルを示している(レベルはいずれも、10nM未満であった)。化合物1のレベルは、質量分析法を用いて検出した。

C57BL/6JOlaHsdマウスの組織における化合物1の経時的分布(曲線下面積(AUC)として測定)を示している。化合物は、炭素14標識でタグ付けし、測定は、1時間、24時間及び168時間の時点に行った。

経口(P.O.)投与後の化合物1の薬物動態プロファイルを示している。強制経口投与によって、30mg/kgまたは150mg/kgのいずれかで投与した雄の2ケ月齢C57Bl/6マウスから得た血漿で、投与から20分後、2時間後、8時間後及び12時間後の時点に、化合物1を測定した。薬物投与後の血漿濃度を経時的にプロットした。

若齢C57B1/6マウスにおいて、オープンフィールド試験の際に、探索嗜好に化合物1が及ぼした作用を示している。探索嗜好は、中心部での滞在時間に対する周囲部での滞在時間の比率としてプロットし、データに対して、一元ANOVAを行った。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=11)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=12)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1、すなわち「rmE」)を腹腔内投与するか(n=14)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=14)。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

**は、P<0.01である。

図10Aは、若齢C57B1/6マウスにおいて、Y字迷路試験の新規アームでの滞在時間と既知アームでの滞在時間に、化合物1が及ぼした作用を示している。新規アームでの滞在時間と既知アームでの滞在時間とは、処置群ごとにプロットし、データに対して、ペアt検定を行った。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=13)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=14)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1)を腹腔内投与するか(n=15)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=15)。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

**は、P<0.01である。図10Bは、若齢C57B1/6マウスにおいて、Y字迷路試験の既知アームでの滞在時間に対する新規アームでの滞在時間の比率に、化合物1が及ぼした作用を示している。比率は、処置群ごとにプロットし、データに対して、ANOVA、クラスカル・ウォリス検定、ポストホックを行った。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=12)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=14)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1)を腹腔内投与するか(n=15)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=15)。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。図10Cは、若齢C57B1/6マウスにおいて、Y字迷路試験の既知アームへの進入回数に対する新規アームへの進入回数の比率に、化合物1が及ぼした作用を示している。比率は、処置群ごとにプロットし、データに対して、ビヒクルによる処置と、組み換えマウスCCL11による処置との間でt検定を行った。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=13)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=14)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1)を腹腔内投与するか(n=15)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=15)。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。

図11Aは、若齢C57B1/6マウスにおいて、バーンズ迷路試験の際にターゲットホールを見つけるまでの平均潜時に、化合物1が及ぼした作用を示している。平均潜時は、各試行で処置群ごとに、時間の単位としてプロットした。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=13)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=14)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1)を腹腔内投与するか(n=15)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=15)。示されているデータは、平均±標準誤差である。図11Bは、若齢C57B1/6マウスにおいて、バーンズ迷路試験の際にターゲットホールを見つけるまでの潜時に、化合物1が及ぼした作用を示している。処置群ごとに、最後の3回の試行にわたって平均化した潜時をプロットし、データに対して、独立t検定を行った。2ケ月齢マウスに、ビヒクルを1日に2回、経口投与するか(n=13)、化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するか(n=14)、ビヒクルを1日に2回、経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11(エオタキシン−1)を腹腔内投与するか(n=15)、または化合物1を1日に2回、30mg/kgで経口投与するとともに、組み換えマウスCCL11を投与するかした(n=15)。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。

図12Aは、総進入回数に対する新規アームへの進入回数によって、Y字迷路の新規アームに関する記憶に、化合物1が及ぼした作用を示している。24ケ月齢マウスに、化合物1を1日に2回、30mg/kgで、またはビヒクルを経口投与した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

**は、P<0.01である。図12Bは、自発運動活性の尺度としての、Y字迷路内での総移動距離に、化合物1が及ぼした作用を示している。24ケ月齢マウスに、化合物1を1日に2回、30mg/kgで、またはビヒクルを経口投与した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である。

図13Aは、24ケ月齢マウスにおける、Y字迷路試験でのC57B1/6マウスによる新規アーム及び既知アームへの進入数(「訪問数」)に、化合物1が及ぼした作用を示している。各アームへの訪問数を処置群ごとにプロットし、ペアt検定を行った。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)、21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。処置の開始直前に、すべてのマウスに、5日連続でBrdUを50mg/kgで腹腔内注射した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である(新規アーム及び既知アーム間での対応があるスチューデントt検定による)。図13Bは、24ケ月齢マウスにおけるY字迷路試験の既知アームへの進入回数に対する新規アームへの進入回数の比率に、化合物1が及ぼした作用を示している。比率は、処置群ごとにプロットし、データに対して、ビヒクルによる処置と化合物1による処置との間で、t検定を行った。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)、21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。処置の開始直前に、すべてのマウスに、5日連続でBrdUを50mg/kgで腹腔内注射した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である(スチューデントt検定によってコントロールと比較した)。図13Cは、24ケ月齢C57B1/6マウスにおける、Y字迷路試験の既知アームでの滞在時間に対する新規アームでの滞在時間に、化合物1が及ぼした作用を示している。既知アームでの滞在時間に対する新規アームでの滞在時間は、処置群ごとにプロットし、データに対して、ペアt検定を行った。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。処置の開始直前に、すべてのマウスに、5日連続でBrdUを50mg/kgで腹腔内注射した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である(新規アーム及び既知アーム間での対応があるスチューデントt検定による)。図13Dは、24ケ月齢C57B1/6マウスにおける、Y字迷路試験の既知アームでの滞在時間(「期間」)に対する新規アームでの滞在時間の比率に、化合物1が及ぼした作用を示している。比率は、処置群ごとにプロットし、データに対して、t検定を行った。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。処置の開始直前に、すべてのマウスに、5日連続でBrdUを50mg/kgで腹腔内注射した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である(スチューデントt検定によってコントロールと比較した)。図13Eは、24ケ月齢C57B1/6マウスのY字迷路試験中の平均速度に、化合物1が及ぼした作用を示している。平均速度は、処置群ごとにプロットし、データに対して、t検定を行った。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。処置の開始直前に、すべてのマウスに、5日連続でBrdUを50mg/kgで腹腔内注射した。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05であり、

**は、P<0.01であり、

***は、P<0.001である(スチューデントt検定によってコントロールと比較した)。

図14Aは、バーンズ迷路試験で、24ケ月齢C57B1/6マウスがターゲットホールを見つけるために要した平均時間に、化合物1が及ぼした作用を示している。平均時間は、処置群ごとにプロットした。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、バーンズ迷路試験を行った。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である(スチューデントt検定によってコントロールと比較した)。図14Bは、バーンズ迷路試験での24ケ月齢C57B1/6マウスの速度を、治療群ごとに、全試行に対して平均化したものに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、バーンズ迷路試験を行った。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である(スチューデントt検定によってコントロールと比較した)。

図15Aは、24ケ月齢C57B1/6マウスにおける、オープンフィールド試験での移動距離に、化合物1が及ぼした作用を示している。平均移動距離は、処置群ごとにプロットした。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、オープンフィールド試験を行った。示されているデータは、平均±標準誤差である。図15Bは、24ケ月齢C57B1/6マウスにおける、オープンフィールド試験での速度に、化合物1が及ぼした作用を示している。マウスの平均速度は、処置群ごとにプロットした。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。3週間後、マウスに対して、オープンフィールド試験を行った。示されているデータは、平均±標準誤差である。

図16Aは、24ケ月齢C57Bl/6マウスのサイトカインTNFαの血漿中レベルに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。この炎症性サイトカインのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。図16Bは、24ケ月齢C57Bl/6マウスのサイトカインIL6の血漿中レベルに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。この炎症性サイトカインのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。図16Cは、24ケ月齢C57Bl/6マウスのサイトカインIL1βの血漿中レベルに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。この炎症性サイトカインのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。図16Dは、24ケ月齢C57Bl/6マウスのサイトカインIL5の血漿中レベルに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。この炎症性サイトカインのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。図16Eは、24ケ月齢C57Bl/6マウスのサイトカインIL17の血漿中レベルに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。この炎症性サイトカインのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。

24ケ月齢C57Bl/6マウスにおける活性化ミクログリアに、化合物1が及ぼした作用を示している。23ケ月齢マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかをBIDで(1日に2回)21日間、皮下投与した。CD68+活性化ミクログリアのレベルは、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも低い傾向が見られた。

コントロールである生理食塩または30mg/kgの化合物1を3週間、BIDで皮下投与した24ケ月齢C57BI/6マウスにおける全白血球(WBC)数に対する好酸球数の割合(%)に、化合物1が及ぼした作用を示している。化合物1によって、内因的な加齢性の血中好酸球上昇が低減された。

コントロールである生理食塩水または30mg/kgの化合物1を2週間、BIDで経口投与した3ケ月齢ヘアレスマウスにおける全白血球(WBC)数に対する好酸球数の割合(%)に、化合物1が及ぼした作用を示している。化合物1によって、オキサゾロンの誘導による、血中好酸球の増加が低減された。

運動協調性に関するローターロッド試験における化合物1の結果を示している。24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを浸透圧ポンプによって持続注入した。二項検定では、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも成功率が高かった。

*は、P<0.05である。

記憶に関するT字迷路試験での化合物1の結果を示している。24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを浸透圧ポンプによって持続注入した。二項検定において、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも成功数が多かった。

*は、P<0.05である。

図22Aは、一晩の糞量に関する化合物1の結果を示している。24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを浸透圧ポンプによって持続注入した。糞ペレットの重量を一晩測定した。化合物1処置マウスでは、糞量が、ビヒクル処置マウスと比べて有意に少なかった(スチューデントt検定による)。

*は、P<0.05である。図22Bは、一晩の水摂取量に関する化合物1の結果を示している。24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを浸透圧ポンプによって持続注入した。水の総摂取量を一晩測定した。化合物1処置マウスは、ビヒクル処置マウスと比較して、有意に多く水を摂取した(スチューデントt検定による)。

*は、P<0.05である。図22Cは、一晩の食料摂取量に関する化合物1の結果を示している。24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを浸透圧ポンプによって持続注入した。食料の総摂取量を一晩測定した。一晩の食料の総摂取量は、2つの群間で差は見られなかった。

LPSで処置して、化合物1で18日間処置した3ケ月齢マウスの脳内のCD68陽性(CD68+)活性化ミクログリアの数に、化合物1(Cmpd1)が及ぼした作用を示している。化合物1処置マウスでは、CD68+免疫活性の低下、すなわち、神経膠症の軽減が見られた。

図24A及び24Bは、LPSを4週間、腹腔内投与し、化合物1をBIDで(1日に2回)1週間、経口投与した3ケ月齢マウスにおいて、オープンフィールド試験での不安感に、化合物1が及ぼした作用を示している。LPSによる処置によって、オープンフィールドの周囲部に対する嗜好が増大したことから、不安感の増大が示された。化合物1による処置によって、オープンフィールドにおいて、LPSの誘導による不安感が低減された。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である(スチューデントt検定による)。

図25A及び25Bは、LPSで処置した3ケ月齢C57B1/6マウスが、Y字迷路試験で新規アーム及び既知アームに進入する回数に、化合物1が及ぼした作用を示している。各アームへの訪問数を処置群ごとにプロットし、ペアt検定を行った。3ケ月齢マウスに、ビヒクルまたはLPSのいずれかを6週間、腹腔内投与し、ビヒクルコントロールまたは化合物1をBIDで(1日に2回)3週間、経口投与した。化合物1処置マウスでは、新規アームに対する有意な嗜好が見られたが、ビヒクル処置マウスでは見られなかった。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

**は、P<0.01であり、

*は、P<0.05である(新規アーム及び既知アーム間での対応があるスチューデントt検定による)。

図26A及び26Bは、LPS及び/または化合物1で処置した3ケ月齢C57B1/6マウスの脳内のIL1β mRNAに、化合物1が及ぼした作用を示している。マウスに、ビヒクルコントロールまたはLPSのいずれかを7週間、腹腔内投与し、ビヒクルまたは化合物1をBIDで(1日に2回)4週間、経口投与した。組織を摘出し、RNAを脳皮質組織から調製した。IL1β mRNAのレベルをqPCRによって測定し、データは、ビヒクルコントロールに対するものとして示されている。LPSによって処置した場合には、IL1β mRNAレベルの上昇傾向が見られ、化合物1で処置した場合には、有意な低下が見られた。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

*は、P<0.05である(スチューデントt検定による)。

図27A〜27Cは、LPS及び/または化合物1で処置した3ケ月齢C57B1/6マウスの海馬におけるミクログリアの活性化に、化合物1が及ぼした作用を示している。マウスに、ビヒクルコントロールまたはLPSのいずれかを7週間、腹腔内投与し、ビヒクルまたは化合物1をBIDで(1日に2回)4週間、経口投与した。組織を摘出し、脳切片に対して、CD68(活性化ミクログリアのマーカー)に関する免疫組織化学解析を行った。LPSによって処置した場合には、CD68レベルの上昇傾向が見られ、化合物1によって処置した場合には、低下傾向が強かった。示されているデータは、平均±標準誤差である。

図28A〜28Cは、LPS及び/または化合物1で処置した3ケ月齢C57B1/6マウスの海馬内の総ミクログリア数に、化合物1が及ぼした作用を示している。マウスに、ビヒクルコントロールまたはLPSのいずれかを7週間、腹腔内投与し、ビヒクルまたは化合物1をBIDで(1日に2回)4週間、経口投与した。組織を摘出し、脳切片に対して、Iba1(ミクログリアのマーカー)に関する免疫組織化学解析を行った。LPSで処置した場合には、Iba1の有意な増加が見られ、化合物1で処置した場合には、減少傾向が見られた。示されているデータは、平均±標準誤差であり、

***は、P<0.001であり、

*は、P<0.05である(スチューデントt検定による)。

図29A及び29Bは、LPS及び/または化合物1で処置した3ケ月齢C57B1/6マウスの海馬内の総星状細胞数に、化合物1が及ぼした作用を示している。マウスに、ビヒクルコントロールまたはLPSのいずれかを7週間、腹腔内投与し、ビヒクルまたは化合物1をBIDで(1日に2回)4週間、経口投与した。組織を摘出し、脳切片に対して、GFAP(星状細胞のマーカー)に関する免疫組織化学解析を行った。化合物1によって処置した場合に、減少傾向が見られた。示されているデータは、平均±標準誤差である。

図30Aは、パーキンソン病のMPTPモデルマウスの処置試験のタイムラインを示す。図30Bは、パーキンソン病のMPTPモデルマウスの行動に関する評価項目、生化学的な評価項目及び組織学的な評価項目を概括している。

シヌクレインを過剰発現した6ケ月齢のLine61トランスジェニックマウスにおける血漿中のエオタキシン−1レベルを示している。非トランスジェニックLine61マウス(NTg)とトランスジェニックLine61シヌクレインマウス(Tg)とのエオタキシン−1レベル(CCL11)をpg/mLの濃度でプロットした。

ビヒクル及び化合物1で処置したシヌクレイントランスジェニックマウスモデルの行動に関する評価項目、生化学的な評価項目及び組織学的な評価項目を概括している。

プロテオームスクリーンにおけるヒトエオタキシン−1の濃度を示している。相対的なヒトエオタキシン−1濃度は、市販の親和性ベースのアッセイ(SomaLogic)で測定した。18歳、30歳、45歳、55歳及び66歳の各ドナーから得た血漿サンプルをプロットした。

図34Aは、好酸球の形態変化の阻害に、化合物1が及ぼした作用を示している。化合物1で処置したヒトから得た全血を組み換えエオタキシンとインキュベートして、好酸球の形態変化を誘発した。化合物1の血漿中濃度に対して、形態変化の阻害率をプロットした。図34Bは、CCR3のインターナリゼーションに、化合物1が及ぼした作用を示している。CCR3のインターナリゼーションを誘発するために、化合物1で処置したヒトから得た全血を組み換えエオタキシンとインキュベートして、抗CCR3抗体で標識した。化合物1の血漿中濃度に対して、化合物1による、CCR3のインターナリゼーションの阻害をプロットした。

本発明の態様は、加齢性機能障害/神経変性疾患の治療方法を含む。加齢性機能障害は、多数の異なる形式で、例えば、加齢性認知機能障害及び/または生理機能障害として、例えば、以下に限らないが、細胞傷害、組織損傷、臓器機能障害、加齢性の寿命短縮及び発がんなど、身体の中枢器官または末梢器官への損傷の形態(この場合、該当する具体的な器官及び組織としては、皮膚、ニューロン、筋肉、膵臓、脳、腎臓、、胃、腸、脾臓、心臓、脂肪組織、精巣、卵巣、子宮、肝臓及び骨が挙げられるが、これらに限らない)、神経新生の低下の形態などで顕在化し得る。

いくつかの実施形態では、加齢性機能障害は、個体の認知能力における加齢性機能障害、すなわち加齢性認知機能障害である。認知能力または「認知」とは、注意及び集中、複雑な作業及び概念の学習、記憶(短期及び/または長期に新しい情報を取得、保持及び想起すること)、情報処理(五感によって収集した情報の処理)、視空間機能(視覚、奥行知覚、心像の利用、図の模写、物体または形状の構築)、言語の生成及び理解、言語流暢性(単語の発見)、問題解決、意思決定、ならびに実行機能(計画及び優先付け)を含む精神過程を意味する。「認知機能低下」とは、これらの能力のうちの1つ以上の進行性低下、例えば、記憶、言語、思考、判断などの低下を意味する。「認知能力障害」及び「認知機能障害」とは、健常な個体、例えば、年齢の適合した健常な個体と比べて、またはその個体の過去の時点、例えば、2週間前、1カ月前、2カ月前、3カ月前、6カ月前、1年前、2年前、5年前、10年前もしくはそれよりも前の能力と比べて、認知能力が低下していることを意味する。加齢性認知機能障害には、典型的には加齢と関連する認知能力障害が含まれ、例えば、自然な加齢過程と関連する認知機能障害、例えば、軽度認知機能障害(M.C.I.)、及び加齢性障害、すなわち、高齢化の進展に伴い発症頻度の上昇が見られる障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症などのような神経変性状態と関連する認知機能障害が挙げられる。

「治療」とは、対象が罹患している加齢性機能障害と関連する1つ以上の症状を少なくとも改善させることを意味し、この場合の改善は、パラメーター、例えば、治療する機能障害と関連する症状の程度を少なくとも低減させることを指すように、広い意味で用いられている。したがって、治療には、病理学的状態またはその状態と関連する少なくとも症状を完全に抑制する状況、例えば、これらの発生を予防するかまたはこれらを阻止、例えば停止して、成体の哺乳動物が、機能障害またはその機能障害を特徴付ける少なくとも症状に罹患していない状態になるようにする状況も含まれる。いくつかのケースでは、「治療」、「治療すること」などは、所望の薬理的作用及び/または生理的作用を得ることを指す。その作用は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防する観点では、予防的作用であり得、及び/または疾患及び/またはその疾患に起因する有害作用の部分的もしくは完全な治癒という観点では、治療的作用であり得る。「治療」は、対象の疾患のいずれかの治療であり得、治療には、(a)疾患に対する素因を有し得るが、その疾患に罹患しているとはまだ診断されていない対象が、その疾患の発症を予防すること、(b)疾患を抑制すること、すなわち、疾患の発症を抑止すること、または(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患を退行させることが含まれる。治療すると、多種多様な身体的顕在化、例えば、遺伝子発現の調節、神経新生の増加、組織または器官の若返りなどが生じ得る。いくつかの実施形態では、継続中の疾患の治療であって、患者の望ましくない臨床症状を安定させるかまたは軽減する治療を行う。このような治療は、罹患組織の機能が完全に喪失する前に行ってよい。該当する療法は、疾患の有症状期中に、いくつかのケースでは、疾患の有症状期の後に行ってよい。

加齢性機能障害が加齢性の認知機能低下であるいくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、加齢性の認知機能低下の進行を減速または軽減する。換言すると、個体の認知能力は、開示されている方法による治療後、低下したとしても、低下速度が、開示されている方法による治療の前、または開示されている方法による治療を行わなかった場合よりも遅くなる。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、個体の認知能力を安定させる。例えば、開示されている方法による治療後、加齢性の認知機能低下を呈している個体の認知機能低下の進行が停止する。別の例としては、開示されている方法による治療後に、個体、例えば、加齢性の認知機能低下をきたすと予測される40歳以上の個体の認知機能低下が予防される。換言すると、認知機能障害(認知機能障害の悪化)が観察されない。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、例えば、加齢性の認知機能低下を呈している個体の認知能力の改善によって観察されるように、認知機能障害を軽減または逆転させる。換言すると、開示されている方法による治療後、加齢性の認知機能低下を呈している個体の認知能力は、開示されている方法による治療の前よりも向上しており、すなわち、治療によって改善する。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、認知機能障害を阻止する。換言すると、開示されている方法による治療後には、例えば、加齢性の認知機能低下を呈している個体の認知能力の改善によって立証されるように、例えば、加齢性の認知機能低下を呈している個体が約40歳以下であった時のレベルまで、その個体の認知能力が回復する。

加齢性機能障害が、加齢性の運動機能障害または運動機能低下であるいくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、加齢性の機能障害または機能低下の進行を減速または軽減する。換言すると、個体の運動能力は、開示されている方法による治療後、低下したとしても、低下速度が、開示されている方法による治療の前、または開示されている方法による治療を行わなかった場合よりも遅くなる。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、個体の運動能力を安定させる。例えば、開示されている方法による治療後、加齢性の運動機能低下を呈している個体の運動機能低下の進行が停止する。別の例としては、開示されている方法による治療後に、個体、例えば、加齢性の運動機能低下をきたすと予測される40歳以上の個体の運動機能低下が予防される。換言すると、運動機能障害(運動機能障害の悪化)が観察されない。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、例えば、加齢性の運動機能低下を呈している個体の運動協調性または運動能力の改善によって観察されるように、運動機能障害を軽減または逆転させる。換言すると、開示されている方法による治療後には、加齢性の運動機能低下を呈している個体の運動能力は、開示されている方法による治療の前よりも向上しており、すなわち、治療によって改善する。いくつかのケースでは、本開示の方法による治療は、運動機能障害を阻止する。換言すると、開示されている方法による治療後には、例えば、加齢性の運動機能低下を呈している個体の運動協調性または運動能力の改善によって立証されるように、例えば、加齢性の運動機能低下を呈している個体が約40歳以下であった時のレベルまで、その個体の運動協調性または運動能力が回復する。

いくつかのケースでは、本発明の方法に従って、成体の哺乳動物を治療すると、中枢器官、例えば、脳、脊髄などのような中枢神経系器官で変化が生じ、その変化は、例えば、以下にさらに詳細に記載されているように、多種多様な形で顕在化することがあり、例えば、神経新生の増加の形態での分子的、構造的及び/または機能的変化が挙げられるが、これらに限らない。

神経変性疾患を原因とする機能不全の治療方法であって、以下で論じる式の化合物を投与することを含む方法を提供する。本発明の実施形態は、脳関連疾患、認知関連疾患または運動疾患の対象の認知活動または運動活動の改善方法であって、以下で論じる化学式の化合物を治療有効量投与することを含む方法を含む。本発明の追加の実施形態は、脳関連疾患または認知関連疾患の対象の神経新生の増加方法であって、以下で論じる化学式の化合物を治療有効量投与することを含む方法を含む。本発明の追加の実施形態は、脳関連疾患または認知関連疾患の症状の緩和方法または治療方法であって、下記の化学式の化合物を治療有効量投与することを含む方法を含む。本発明の追加の実施形態は、中枢神経系関連疾患の症状の緩和方法であって、主に末梢に作用する下記の化学式の薬剤を治療有効量投与することを含む方法を含む。本発明のさらなる追加の実施形態は、加齢性の運動機能不全である対象の運動活動の改善方法であって、以下で論じる化学式の化合物を治療有効量投与することを含む方法を含む。本発明の方法は、例えば、1つ以上の加齢性疾患または加齢性機能不全と診断された対象の認知、運動活動、神経新生などの改善を含め、加齢性疾患の改善をモニタリングすることも含み得る。

本発明の追加の実施形態は、化合物を治療有効量投与することであって、その化合物が、以下で論じる式の共結晶または塩の形態であることを含む。本発明のさらなる実施形態は、化合物を治療有効量投与することであって、その化合物が、個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物、ラセミ化合物または鏡像異性体的に純粋な化合物の形態であることを含む。本発明の追加の実施形態は、化合物を治療有効量投与することであって、その化合物が、以下でさらに論じる医薬組成物及び医薬製剤の形態であることも含む。

加齢性の運動機能障害または運動機能低下を治療する本発明の追加の実施形態は、エオタキシン/CCR3経路を阻害する改変剤を含む。このような改変剤は、以下で論じる式の化合物のみならず、他のエオタキシン阻害剤及びCCR3阻害剤も含む。企図される改変剤としては、例として、以下に限定されないが、以下で論じる式の化合物、ならびに他のCCR3小分子阻害剤(例えば、例えば米国特許第7,705,153号に記載されているビピペリジン誘導体、例えばU.S.7,576,117に記載されている環状アミン誘導体、及びPease JE and Horuk R,Expert Opin Drug Discov(2014)9(5):467−83に記載されているCCR3アンタゴニスト(いずれの文献も、参照により、その全体が本明細書に援用される)、抗エオタキシン抗体、抗CCR3抗体、エオタキシンまたはCCR3の発現または機能のいずれかを阻害するアプタマー(このようなアプタマーの作製方法としては、米国特許第5,270,163号、同第5,840,867号、同第6,180,348号が挙げられる)、エオタキシンまたはCCR3のいずれかの発現または機能を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはsiRNA(例えば、米国特許第6,822,087号に記載されているもの)、可溶性CCR3受容体タンパク質(例えばデコイ)などが挙げられる。

a.化合物 本発明の方法は、対象への下記の化合物の投与をさらに含む。この「化合物」の項で定義されている基、ラジカルまたは部分では、炭素原子の数は、基の前に定められていることが多く、例えば、C1−6アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキルラジカルを意味する。概して、この「化合物」の項に開示されている、2つ以上のサブグループを含む基では、最後に示されている基が、ラジカル結合位置であり、例えば、「チオアルキル」は、HS−Alk−という式の1価のラジカルを意味する。以下に別段の定めがない限り、すべての式及び基において、用語の従来の定義が適用され、従来の安定原子価が推定かつ達成される。

本発明の実施形態は、対象への、下記の式1の化合物の投与をさらに含み、

式中、 Aは、CH2、OまたはN−C1−6アルキルであり、 R1は、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているNH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、その環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているC9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、ハロゲンもしくはCNで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾールで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1は、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル及び=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1は、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2は、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が任意に、1つのNまたはOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 あるいは、 R1.1は、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、その環が任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、その環が任意に、C1−4アルキルまたは=Oで置換されており、 R1.2は、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−6アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、その環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっているヘテロアリール、 ・芳香族または非芳香族のC9または10二環であって、その1つまたは2つの炭素原子がN、OまたはSに置き換わっており、それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されている芳香族または非芳香族のC9または10二環、 ・任意に、ピリジニルで置換された複素環式非芳香族環、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1は、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、その環が、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を任意に含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換されている炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2は、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3は、5員または6員の炭素環式非芳香族環であり、その環は、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を任意に含み、その環の炭素原子が置き換わっており、 R1.3は、フェニル、ヘテロアリールまたはインドリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2は、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−ヘテロアリールからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3は、H、C1−6アルキルであり、 R4は、H、C1−6アルキルであるか、 またはR3及びR4は一体となって、CH2−CH2基を形成している。

本発明の別の実施形態はさらに、式1(上記)の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が任意に、1つのNまたはOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているか、 あるいは、 R1.1が、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、その環が任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、その環が任意に、C1−4アルキルもしくは=Oで置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−4アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、その環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっているヘテロアリール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、その環が任意に、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換された炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であって、任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっている炭素環式非芳香族環であり、 R1.3が、フェニル、ヘテロアリールまたはインドリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、いくつかのケースでは、R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ピロリジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−チオフェニルからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1(上記)の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのNもしくはOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 あるいは、 R1.1が、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、その環が任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、その環が任意に、C1−4アルキルまたは=Oで置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−チオフェニルからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.2、NMeR1.2 から選択されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−4アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、その環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっているヘテロアリール、 ・それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、その環が任意に、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換された炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であって、任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっている炭素環式非芳香族環であり、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−チオフェニルからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1(上記)の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.2、NMeR1.2 から選択されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−4アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、その環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっているヘテロアリール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、その環が任意に、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換された炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であって、任意に、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっている炭素環式非芳香族環であり、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−チオフェニルからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHCH2−R1.3 から選択されており、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ピロリジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−チオフェニルからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているNH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、その環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているC9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたC1−6アルキレン−フェニルもしくはC1−6アルキレン−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、C1−4アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2−C1−4アルキル、COO−C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−C1−4アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、C1−4アルキル、COO−C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4アルキル、NO2、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−4アルキル、NHCH(CH2O−C1−4アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−4アルキル、O−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−4アルキル、SO2N(C1−4アルキル)2、ハロゲン、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキル、NHC1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−4アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−4アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−4アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−4アルキル、SO2C1−4アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−4アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−4アルキル、CONH2、O−C1−4アルキル、ハロゲン、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、N(C1−4アルキル)2、CONH−C1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−4アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−4アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−4アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたC1−6アルキレン−フェニルもしくはC1−6アルキレン−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、ピリジニルで置換されたNH−ピペリジニル、 ・任意に、t−Bu、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、Fからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2Me、COO−t−Buからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−n−Bu、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、Me、COOMe、CF3、OMe、NO2、F、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COOMe、NHCH(CH2OMe)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意にMeで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、 ・NHR1.2 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、Pr、Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、CH2−フェニルまたはCH2−ナフチルから選択されており、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、Pr、Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で任意に置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Bu、Pr、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Bu、Pr、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R2が、後に示されている表1のように定義されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R2が、後に示されている表1のように定義されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、F、Clからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Bu、Pr、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHまたはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであり、 R2が、後に示されている表1のように定義されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Bu、Pr、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHまたはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであり、 R2が、後に示されている表1のように定義されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Clからなる群から選択した1つの残基、及び加えて、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、Bu、Pr、シクロプロピル、CH2−Pr、CH2−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHまたはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであり、 R2が、後に示されている表1のように定義されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.2、NMeR1.2 から選択されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意にCl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.2、NMeR1.2 から選択されており、 R1.2が、ピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルから選択されており、任意に、Me、Et、n−Pr、i−Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHCH2−R1.3 から選択されており、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・任意に、ピリジニルで置換されたNH−ピペリジニル、 ・任意に、t−Bu、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、Fからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2Me、COO−t−Buからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−n−Bu、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、Me、COOMe、CF3、OMe、NO2、F、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COOMe、NHCH(CH2OMe)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4及びR1.2が、 ・任意に、Me、Et、i−Pr、n−Bu、シクロプロピル、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、 ・任意に、Me、Et、COOMe、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピロリル、 ・任意に、Me、Et、シクロプロピル、COOEt、CO−ピロリジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピラゾリル、 ・任意に、t−Bu、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたイソオキサゾリル、 ・任意に、Me、n−Pr、i−Pr、Bu、COOMe、COOEt、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアゾリル、 ・任意に、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、HまたはMeであり、 R1.2.2が、HまたはMeである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4及びR1.2が、 ・任意に、Me、Et、i−Pr、n−Bu、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Brからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、 ・任意に、Me、Et、COOMe、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピロリル、 ・任意に、Me、Et、シクロプロピル、COOEt、CO−ピロリジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピラゾリル、 ・任意に、t−Bu、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたイソオキサゾリル、 ・任意に、Me、n−Pr、i−Pr、Bu、COOMe、COOEt、CONR1.2.1R1.2.2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアゾリル、 ・任意に、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル から選択されており、 R1.2.1が、HまたはMeであり、 R1.2.2が、HまたはMeである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、Me、Et、i−Pr、n−Bu、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Brからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、Me、Et、COOMe、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピロリルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、Me、Et、シクロプロピル、COOEt、CO−ピロリジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピラゾリルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、t−Bu、COOEからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたイソオキサゾリルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、Me、n−Pr、i−Pr、Bu、COOMe、COOEt、CONR1.2.1R1.2.2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアゾリルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、任意に、COOEtからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたチアジアゾリルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeであり、 ・Aが、CH2、OまたはNMeであり、R1が、NHR1.2、NMeR1.2から選択されており、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R1.2が、それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニルであり、R1.2.1が、HまたはMeであり、R1.2.2が、HまたはMeである 化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、R1.3が、 ・任意に、OCHF2で置換されたフェニル、 ・任意に、MeまたはEtで置換されたピラゾリル、 ・任意に、Prで置換されたイソオキサゾリル、 ・任意に、2つのOMeで置換されたピリミジニル、 ・インドリル、 ・任意に、シクロペンチルで置換されたオキサジアゾリル から選択されている以外は、すべての基が、上記に定義したとおりである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、CH2である以外は、すべての基が、上記に定義したとおりである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、Oである以外は、すべての基が、上記に定義したとおりである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、NMeである以外は、すべての基が、上記に定義したとおりである化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態は、式1の化合物であって、式中、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、以下の構造から選択されており、

R2が、以下の構造から選択されており、

R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している化合物である。

本発明の別の実施形態は、式1の化合物であって、式中、Aが、上記に定義したとおりであり、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R1が、以下の構造から選択されている化合物である。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、上記に定義したとおりであり、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R1が、以下の構造から選択されている化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、上記に定義したとおりであり、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R1が、以下の構造から選択されている化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、上記に定義したとおりであり、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R1が、以下の構造から選択されている化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、式1の化合物であって、式中、Aが、上記に定義したとおりであり、R3が、Hであり、R4が、Hであり、R2が、後に示されている表1のように定義されており、R1が、以下の構造から選択されている化合物の、対象への投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、対象への式1の化合物の投与であって、式1の化合物が、個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物またはラセミ化合物の形態、例えば、鏡像異性体的に純粋な化合物の形態で存在する投与を含む。

本発明の別の実施形態はさらに、対象への式1の化合物の投与であって、式1の化合物が、薬理学的に許容可能な酸との酸付加塩の形態、ならびに任意に、溶媒和物及び/または水和物の形態で存在する投与を含む。

b.共結晶及び塩 本発明の追加の実施形態はさらに、対象への式2(下記)の化合物の共結晶の投与を含む。概して、この「共結晶及び塩」の項における2つ以上のサブグループを含む基では、最初に示されているサブグループが、ラジカル結合位置であり、例えば、置換基の「C1−3アルキル−アリール」は、C1−3アルキル基に結合しているアリール基を意味し、アルキル基が、母核、またはその置換基が結合している基に結合している。

式中、 R1は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mは、1、2または3、いくつかのケースでは、1または2であり、 R2a及びR2bはそれぞれ独立して、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンから選択されており、 R2b.1は、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2は、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2は一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子は、酸素原子に置き換えられており、 R3は、H、C1−6アルキルであり、 Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ジベンゾイル酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩、いくつかのケースでは、塩化物またはジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jは、0、0.5、1、1.5または2、いくつかのケースでは、1または2であり、 共結晶形成剤が、オロチン酸、馬尿酸、L−ピログルタミン酸、D−ピログルタミン酸、ニコチン酸、L−(+)−アスコルビン酸、サッカリン、ピペラジン、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、粘液酸(ガラクタル酸)、パモ酸(エンボン酸)、ステアリン酸、コール酸、デオキシコール酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、コハク酸アミド、ウラシル、L−リシン、L−プロリン、D−バリン、L−アルギニン、グリシン、いくつかのケースでは、アスコルビン酸、粘液酸、パモ酸、コハク酸アミド、ニコチン酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、l−リシン、l−プロリンからなる群から選択されている。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、CONR2a.1R2a.2であり、 R2a.1が、H、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2a.2が、H、C1−6アルキルであり、 R2bが、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンであり、 R2b.1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−6アルキル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、CONR2a.1R2a.2であり、 R2a.1が、C1−6アルキルであり、 R2a.2が、Hであり、 R2bが、H、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、C1−4アルキニル、C3−6シクロアルキル、O−C1−4アルキル、CONR2a.1R2a.2であり、 R2a.1が、C1−4アルキルであり、 R2a.2が、Hであり、 R2bが、H、C1−4アルキル、O−C1−4アルキル、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R1が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mが、1または2であり、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物またはジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2b.2が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、 R2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3、X及びjが、上記に定義したとおりであり、共結晶形成剤が、アスコルビン酸、粘液酸、パモ酸、コハク酸アミド、ニコチン酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、l−リシン、l−プロリン、またはこれらの水和物もしくは塩酸塩からなる群から選択されている共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、下記の式2aの化合物の共結晶であって、式中、R2a、R2b、R3、X及びjは、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2b.2が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の共結晶であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の共結晶であって、式中、 R2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 残りの残基が、上記に定義したとおりである共結晶の、対象への投与を含む。

式2(j=0)の化合物の遊離塩基は、非晶質であることが多く、共結晶の製造プロセスで用いるが、その一方で、いくつかのケースでは、式2の化合物の塩を共結晶の製造プロセスで用いる。したがって、本発明の別の態様は、式2の化合物の塩であり、式中、R1、m、R2a、R2b、R3は、上記に共結晶に関して定義したとおりであり、 Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ジベンゾイル酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩、いくつかのケースでは、塩化物またはジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jは、0、0.5、1、1.5または2、いくつかのケースでは、1または2である。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の共結晶であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記に共結晶に関して定義したとおりであり、 Xが、塩化物またはジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である共結晶の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の塩であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記にその塩に関して定義したとおりであり、Xが、塩化物であり、jが、2である塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2の化合物の塩であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記にその塩に関して定義したとおりであり、Xが、ジベンゾイル酒石酸塩であり、jが、1である塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、下記の式2aの化合物の塩であって、式中、R2a、R2b、R3、X及びjが、上記に定義したとおりである塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2b.2が、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、 R2aが、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、メチル、エチル、プロピルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキル、いくつかのケースでは、H、メチル、エチル、プロピルであり、 残りの残基が、上記に定義したとおりである塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、 R2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、残りの残基が、上記に定義したとおりである塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記にその塩に関して定義したとおりであり、Xが、塩化物であり、jが、2である塩の、対象への投与を含む。

本発明の別の態様はさらに、式2aの化合物の塩であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記にその塩に関して定義したとおりであり、Xが、ジベンゾイル酒石酸塩であり、jが、1である塩の、対象への投与を含む。本発明の別の態様は、式2aの化合物の塩であって、式中、R1、m、R2a、R2b、R3が、上記にその塩に関して定義したとおりであり、Xが、(S)−(S)−(+)−2,3−ジベンゾイル−酒石酸塩であり、jが、1である塩の、対象への投与を含む。

c.製剤 本発明の追加の実施形態はさらに、下記の式3の化合物を含む医薬組成物であって、 式中、 R1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の実施形態はさらに、式3の化合物を含む医薬組成物であって、式中、 R1が、H、C1−6アルキルであり、 R2が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の実施形態はさらに、式3の化合物を含む医薬組成物であって、式中、 R1が、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり、 R2が、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオン(塩化物など)であり、 jが、1または2、いくつかのケースでは、2である医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の実施形態はさらに、式3の化合物を含む医薬組成物であって、式中、 R1が、H、メチル、エチル、プロピル、ブチルであり、 R2が、H、メチルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオン(塩化物など)であり、 jが、1または2、いくつかのケースでは、2である医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の実施形態はさらに、式3の化合物を含む医薬組成物であって、式中、 R1が、H、メチルであり、 R2が、H、メチルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオン(塩化物など)であり、 jが、1または2、いくつかのケースでは、2である医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の実施形態はさらに、表2に記載されている化合物であって、塩酸塩としての化合物を含む医薬組成物の、対象への投与を含む。本発明の追加の実施形態はさらに、表2に記載されている化合物であって、二塩酸塩としての化合物を含む医薬組成物の、対象への投与を含む。

本発明の別の目的は、上記の化合物の医薬剤形であって、経口送達可能な剤形である医薬剤形の、対象への投与である。

本発明の別の目的は、上記の化合物の医薬剤形であって、錠剤、カプセル剤、ペレット、散剤または顆粒剤の形態である医薬剤形の、対象への投与である。

本発明の別の目的は、医薬として用いるための上記の医薬剤形の、対象への投与である。

本発明の別の目的は、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症及び進行性核上麻痺から選択した神経変性疾患または神経変性状態を治療するための医薬の調製に、上記の医薬剤形を使用することである。

本発明の別の目的は、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症及び進行性核上麻痺のような神経変性疾患から選択した疾患または状態の治療及び/または予防のプロセスであって、上記に定義した医薬剤形を有効量、対象または患者に、1日に1回、2回、3回または数回経口投与することを特徴とするプロセスである。

d.剤形/成分 使用/摂取できる状態の固体医薬組成物であって、式3の化合物から作られた固体医薬組成物は、散剤、顆粒剤、ペレット、錠剤、カプセル剤、チュアブル錠、分散性錠剤、トローチ錠及びロゼンジ剤を含む。詳細には、 ・本発明によるカプセル剤製剤は、式3の化合物の粉状の中間体、その粉状の中間体を含む中間混和物、好適な中間混和物に対して従来の湿式造粒法、乾式造粒法、熱溶融造粒法、熱溶融押し出し法またはスプレードライ法を行うことによって得たペレットまたは顆粒を、例えば硬ゼラチンカプセル剤またはHPMCカプセル剤のような従来のカプセル剤に充填したものを含む。 ・上記から得られるカプセル剤製剤は、式3の化合物の粉状の中間体を圧密形態にしたものも含み得る。 ・本発明によるカプセル剤製剤は、式3の化合物を液体または液体の混合物に懸濁または希釈したものを含む。 ・本発明による錠剤製剤は、好適な最終混和物を直接圧縮することによって、または好適な中間混和物に対して従来の湿式造粒法、乾式造粒法、熱溶融造粒法、熱溶融押し出し法もしくはスプレードライ法を行うことによって得られたペレットもしくは顆粒を製錠することによって得られるような錠剤を含む。

本発明の別の目的は、活性成分の安定性の向上のために、pH調整または緩衝剤が加えられている剤形である。そのpH調整剤/緩衝剤は、例えばL−アルギニン、L−リシンまたはL−ヒスチジンのように、アミノ基及びアルカリ性の特徴(等電点pI:7.59〜10.76)を有する塩基性アミノ酸であり得る。本発明の意味の範囲内の緩衝剤は、L−アルギニンである。L−アルギニンは、例えば、式3の化合物の化学的分解を抑制することによって、本発明の組成物に対して、特に好適な安定化作用を有する。

したがって、実施形態では、本発明は、式3の化合物、及び特に化学的分解を防ぐために医薬組成物を安定化させるためのL−アルギニン、ならびに1つ以上の医薬品賦形剤を含む医薬組成物(例えば経口用固体剤形、特に錠剤)に対するものである。

好適には、本発明で用いる医薬品賦形剤は、充填剤としてのセルロース及びその誘導体、D−マンニトール、コーンスターチ、アルファ化デンプン、結合剤としてのコポビドン、崩壊剤としてのクロスポビドン、滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウム、流動化剤としてのコロイダル無水シリカ、フィルムコーティング剤としてのヒプロメロース、可塑剤としてのポリエチレングリコール、顔料としての二酸化チタン、酸化鉄赤/黄、ならびにタルクなどのような従来の物質である。

詳細には、医薬品賦形剤は、第1及び第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤、ならびに滑沢剤であることができ、追加の崩壊剤及び追加の流動化剤は、さらなる選択肢である。 ・本発明による医薬組成物に適する希釈剤は、セルロース粉末、微結晶性セルロース、各種の結晶変態のラクトース、無水第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物、エリトリトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、デンプンもしくは変性デンプン(例えば、アルファ化デンプンもしくは部分加水分解デンプン)、またはキシリトールである。いくつかのケースでは、これらの希釈剤の中でも、マンニトール及び微結晶性セルロースが採用される。 ・第2の希釈剤として有用である希釈剤は、上述の希釈剤であるマンニトール及び微結晶性セルロースである。 ・本発明による医薬組成物に適する滑沢剤は、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化ヒマシ油またはステアリン酸マグネシウムである。滑沢剤は、いくつかのケースでは、ステアリン酸マグネシウムである。 ・本発明による医薬組成物に適する結合剤は、いくつかの製剤で採用されているコポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体との共重合物)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルファ化デンプン、ステアリン酸−パルミチン酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、コポビドン及びアルファ化デンプンである。上述の結合剤であるアルファ化デンプン及びL−HPCは、追加の希釈剤特性及び崩壊剤特性を示し、第2の希釈剤または第2の崩壊剤として使用することもできる。 ・本発明による医薬組成物に適する崩壊剤は、コーンスターチ、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)またはアルファ化デンプン(クロスカルメロースナトリウムなど)である。 ・任意の流動化剤として、コロイド状二酸化ケイ素を使用できる。

本発明による例示的な組成物は、希釈剤であるマンニトール、追加の崩壊特性を有する希釈剤としての微結晶性セルロース、結合剤であるコポビドン、崩壊剤であるクロスカルメロースナトリウム、及び滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムを含む。

典型的な医薬組成物は、 活性成分を10〜50%、 希釈剤1を20〜88%、 希釈剤2を5〜50%、 結合剤を1〜5%、 崩壊剤を1〜15%及び 滑沢剤を0.1〜5% 含む(重量%)。

いくつかの実施形態による医薬組成物は、 活性成分を10〜50%、 希釈剤1を20〜75%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を2〜30%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む(重量%)。

いくつかの実施形態による医薬組成物は、 活性成分を10〜90%、 希釈剤1を5〜70%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を0〜30%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む(重量%)。

いくつかの実施形態による医薬組成物は、 活性成分を10〜50%、 希釈剤1を20〜75%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を2〜30%、 緩衝剤を0.5〜20%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む(重量%)。

いくつかの実施形態による医薬組成物は、 活性成分を30〜70%、 希釈剤1を20〜75%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を2〜30%、 緩衝剤を0.5〜20%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む(重量%)。

いくつかのケースでは、活性成分を10〜90%(活性成分を30〜70%など)(重量%)含む医薬組成物を採用する。

本発明による錠剤製剤は、コーティングされていなくても、または最終製剤の溶解特性に悪影響を及ぼさないことが知られている好適なコーティングを用いて、コーティング、例えばフィルムコーティングされていてもよい。例えば、錠剤には、患者の環境及び臨床従事者の保護、ならびに防湿保護目的のために、ポリビニル-ピロリドンまたはヒドロキシプロピル−メチルセルロースのような高分子量ポリマーを、可塑剤、滑沢剤、ならびに任意に顔料及び界面活性剤とともに、水またはアセトンのような有機溶媒に溶解して、パンコーターまたはワースターインサートを備える流動床コーターのようなコーティング装置内で、この混合物を錠剤核に塗布することによって、シールコートを施すことができる。

加えて、ミツロウ、セラック、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ゼイン、フィルム形成ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース及びポリマーのメタクリル酸塩など)のような作用剤を錠剤に塗布できる。ただし、そのコーティングが、その剤形の崩壊/溶解に対して実質的に作用を及ぼさないとともに、そのコート剤形の安定性が影響を受けないことを条件とする。

剤形をフィルムコーティングした後、シールした医薬剤形の上に、糖衣コーティングを塗布し得る。糖衣コーティングは、スクロース、デキストロース、ソルビトールなど、またはこれらの混合物を含み得る。所望の場合、着色剤または不透明化剤を糖溶液に加え得る。

本発明の固体製剤は、吸湿性である傾向がある。本発明の固体製剤は、PVC−ブリスター、PVDC−ブリスター、またはアルミホイルブリスターパック、alu/aluブリスター、パウチ付きの透明もしくは不透明なポリマーブリスターのような防湿性包装材、任意にチャイルドレジスタントな特徴を含むポリプロピレンチューブ、ガラスボトル及びHDPEボトルを用いて包装してもよく、あるいは、不正開封防止性であってもよい。一次包装材は、APIの化学的安定性を向上させるために、モレキュラーシーブまたはシリカゲルのような乾燥剤を含み得る。着色ブリスター材、チューブ、褐色ガラスボトルなどのような不透明な包装を使用して、光劣化を低減することによってAPIの貯蔵寿命を延ばすことができる。

e.投与量 式3の化合物の投与量範囲は通常、100〜1000mg、特には、200〜900mg、300〜900mg、350〜850mgまたは390〜810mgである。1つまたは2つの錠剤、いくつかのケースでは、2つの錠剤を1日当たり100mg、200mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mgの経口投与量で与えることが可能であり、いくつかのケースでは、350mg、400mg、450mg、750mg、800mg、850mgを採用する。

投与量範囲は、1つの錠剤または2つの錠剤によって実現させることができ、いくつかのケースでは、2つの錠剤を投与し、それぞれの錠剤には、投与量の半量が含まれる。

活性成分は、1日に最大で3回(1日に1回または2回など)適用し得る。特定の投与量は、400mgまたは800mgである。

f.使用用語及び定義 本明細書で具体的に定義されていない用語には、開示内容及び文脈に鑑み、当業者によって付与される意味を付与するものとする。しかしながら、本明細書で使用する場合、反対の定めがない限り、下記の用語は、示されている意味を有し、下記の取り決めに従う。

「約」という用語は、示されている値の±5%を意味する。したがって、約100分は、95〜105分として読み取ることもできる。

本発明の化合物が、化学名の形式と、化学式として示されており、何らかの矛盾がある場合には、化学式を優先するものとする。従属的な化学式では、定義されているように、母体分子に連結する結合を示す目的で、アステリスクが用いられていることがある。

特に示されていない限り、本明細書及び添付の請求項の全体を通じて、所与の化学式または化学名には、互変異性体、すべての立体異性体、光学異性体及び幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体など)、それらのラセミ化合物、別個の鏡像異性体の比率が様々である混合物、ジアステレオマーの混合物、または上記のような異性体及び鏡像異性体が存在する上記形態のいずれかのうちの混合物、ならびにそれらの製薬学的に許容可能な塩を含む塩、及び例えば水和物のようなそれらの溶媒和物(遊離化合物の溶媒和物、化合物の塩の溶媒和物を含む)が含まれるものとする。

「置換された」という用語は、本明細書で使用する場合、指定された原子のいずれかの1つ以上の水素が、示されている基から選択したもので置き換えられていることを意味する。ただし、指定された原子の通常の原子価を超えないこと、及び置換によって、安定な化合物が得られることを条件とする。

「任意に置換された」という用語は、本発明の範囲内では、より低分子の基によって任意に置換された上述の基を意味する。化学的に意味があるとみなされる、より低分子の基の例は、1〜200個の原子からなる基である。該当するものは、本発明の化合物の薬理有効性に悪影響を及ぼさないような基である。例えば、そのような基は、以下のものを含み得る。 ・任意にヘテロ原子によって中断され、任意に環、ヘテロ原子または他の一般的な官能基によって置換された直鎖または分岐鎖状の炭素鎖 ・炭素原子及び任意にヘテロ原子からなる芳香族環系または非芳香族環系であって、さらに、官能基によって置換されていてもよい芳香族環系または非芳香族環系 ・任意にヘテロ原子によって中断され、任意にヘテロ原子または他の一般的な官能基によって置換された1つ以上の炭素鎖によって結合されていてよい炭素原子及び任意にヘテロ原子からなる相当数の芳香族環系または非芳香族環系

本明細書に開示されている化合物は、治療上許容可能な塩として存在できる。本発明は、上記に列挙した化合物であって、酸付加塩を含む塩の形態の化合物を含む。好適な塩としては、有機酸及び無機酸のいずれと形成される塩が挙げられる。このような酸付加塩は通常、製薬学的に許容可能となる。しかしながら、製薬学的に許容可能ではない塩の塩は、当該化合物の調製及び精製の際に有用であり得る。塩基付加塩も形成し得るとともに、製薬学的に許容可能であり得る。塩の調製及び選択に関する、より完全な考察については、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Stahl,P.Heinrich.Wiley−VCHA,Zurich,Switzerland,2002)を参照されたい。

「治療上許容可能な塩」という用語は、本明細書で使用する場合、本明細書に開示されている化合物の塩または双性イオン形態であって、水溶性、油溶性、水分散性または油分散性であり、本明細書で定義されているように治療上許容可能である塩または双性イオン形態を表す。その塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製の際に調製するか、または別個に、遊離塩基の形態の適切な化合物を好適な酸と反応させることによって調製することができる。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L−アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL−マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩(p−トシル酸塩)及びウンデカン酸塩が挙げられる。また、本明細書に開示されている化合物の塩基性基は、メチル、エチル、プロピル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物、ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミルの硫酸塩、デシル、ラウリル、ミリスチル及びステリルの塩化物、臭化物及びヨウ化物、ならびにベンジル及びフェネチルの臭化物で四級化できる。治療上許容可能な付加塩を形成する目的で使用できる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸のような無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸のような有機酸が挙げられる。塩は、化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類イオンと配位結合させることによって形成することもできる。したがって、本発明では、本明細書に開示されている化合物のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩などが企図されている。

塩基付加塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製の際に、カルボキシ基を、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩のような好適な塩基、またはアンモニア、有機1級アミン、2級アミンもしくは3級アミンと反応させることによって調製できる。治療上許容可能な塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,P−ジベンジルエチレンジアミンのような非毒性の4級アミンカチオンが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン及びピペラジンが挙げられる。

本発明の化合物をそのままの化学物質として投与することは可能であり得るが、医薬製剤として提供することも可能である。したがって、本発明で提供するものは、本明細書に開示されている1つ以上の特定の化合物、またはそれらの1つ以上の製薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、アミドもしくは溶媒和物を、それらの1つ以上の製薬学的に許容可能な担体及び任意に1つ以上の他の治療成分とともに含む医薬製剤である。その担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合するという意味で、「許容可能」である必要があり、その被投与者にとって有害であってはならない。適切な製剤は、選択した投与経路によって決まる。周知の技法、担体及び賦形剤のいずれも、当該技術分野、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciencesにおいて好適かつ理解されているように使用し得る。本明細書に開示されている医薬組成物は、当該技術分野において知られているいずれかの形式で、例えば、従来の混合プロセス、溶解プロセス、造粒プロセス、糖衣剤作製プロセス、研和プロセス、乳化プロセス、カプセル化プロセス、封入プロセスまたは圧縮プロセスによって製造し得る。

「複素環」(「het」)には、酸素、硫黄及び窒素から選択した1つ、2つまたは3つのヘテロ原子を含み得る5員、6員もしくは7員の飽和もしくは不飽和の複素環、または5〜10員の二環式複素環が含まれ、その環は、炭素原子、または存在する場合には窒素原子によって、分子に結合し得る。下記は、5員、6員または7員の飽和または不飽和の複素環の例である。

別段の記載がない限り、複素環は、ケト基を有し得る。例としては、下記のものが挙げられる。

5〜10員の二環式複素環の例は、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジン、または以下のものである。

「複素環」という用語には、複素環式芳香族基が含まれるが、「複素環式芳香族基」(「ヘタリール」)という用語は、酸素、硫黄及び窒素から選択した1つ、2つまたは3つのヘテロ原子を含み得る5員もしくは6員の複素環式芳香族基、または5〜10員の二環式ヘタリール環を示し、それらの基は、芳香族系が形成される充分な共役二重結合を含む。その環は、炭素原子、または存在する場合には窒素原子によって、分子に結合し得る。下記は、5員または6員の複素環式芳香族基の例である。

5〜10員の二環式ヘタリール環の例としては、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジンが挙げられる。

「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用する場合、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードから選択したハロゲン置換基を意味する。

「C1−6アルキル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキル基を意味し、「C1−4アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキル基を意味する。いくつかのケースでは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基が存在する。これらの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルまたはヘキシルが挙げられる。上述の基については、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、i−Bu、t−Buなどの略記も任意に用いられていることがある。別段の記載がない限り、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルの定義には、該当する基のすべての考え得る異性体が含まれる。したがって、例えば、プロピルには、n−プロピル及びイソプロピルが含まれ、ブチルには、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルなどが含まれる。

「C1−6アルキレン」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキレン基を意味し、「C1−4アルキレン」という用語は、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキレン基を意味する。いくつかのケースでは、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基が存在する。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレンまたはヘキシレンが挙げられる。別段の記載がない限り、プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンの定義には、同じ数の炭素を有する関連する基のすべての考え得る異性体も含まれる。したがって、例えば、プロピルには、1−メチルエチレンも含まれ、ブチレンには、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンが含まれる。

「C2−6アルケニル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルケニル基を示し、「C2−4アルケニル」という用語は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルケニル基を示す。ただし、少なくとも1つの二重結合を有することを条件とする。いくつかのケースでは、用いられているのは、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基である。例としては、エテニル、すなわちビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルまたはヘキセニルが挙げられる。別段の記載がない限り、プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルの定義には、該当する基のすべての考え得る異性体が含まれる。したがって、例えば、プロペニルには、1−プロペニル及び2−プロペニルが含まれ、ブテニルには、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニルなどが含まれる。

「C2−6アルケニレン」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルケニレン基を意味し、「C2−4アルケニレン」という用語は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキレン基を意味する。いくつかのケースでは、2〜4個の炭素原子を有するアルケニレン基が存在する。例としては、エテニレン、プロペニレン、1−メチルエテニレン、ブテニレン、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、ペンテニレン、1,1−ジメチルプロペニレン、2,2−ジメチルプロペニレン、1,2−ジメチルプロペニレン、1,3−ジメチルプロペニレンまたはヘキセニレンが挙げられる。別段の記載がない限り、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン及びヘキセニレンの定義には、同じ数の炭素を有するそれぞれの基のすべての考え得る異性体が含まれる。したがって、例えば、プロペニルには、1−メチルエテニレンも含まれ、ブテニレンには、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレンが含まれる。

「C2−6アルキニル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキニル基を意味し、「C2−4アルキニル」という用語は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキニル基を意味する。ただし、少なくとも1つの三重結合を有することを条件とする。いくつかのケースでは、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基が存在する。例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルまたはヘキシニルが挙げられる。別段の記載がない限り、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルの定義には、それぞれの基のすべての考え得る異性体が含まれる。したがって、例えば、プロピニルには、1−プロピニル及び2−プロピニルが含まれ、ブチニルには、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニルなどが含まれる。

「C2−6アルキニレン」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、2〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキニレン基を意味し、「C2−4アルキニレン」という用語は、2〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキレン基を意味する。いくつかのケースでは、2〜4個の炭素原子を有するアルキニレン基が存在する。例としては、エチニレン、プロピニレン、1−メチルエチニレン、ブチニレン、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレン、ペンチニレン、1,1−ジメチルプロピニレン、2,2−ジメチルプロピニレン、1,2−ジメチルプロピニレン、1,3−ジメチルプロピニレンまたはヘキシニレンが挙げられる。別段の記載がない限り、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン及びヘキシニレンの定義には、同じ数の炭素を有するそれぞれの基のすべての考え得る異性体が含まれる。したがって、例えば、プロピニルには、1−メチルエチニレンも含まれ、ブチニレンには、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレンが含まれる。

「C3−6シクロアルキル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、本明細書で使用する場合、3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味し、いくつかのケースでは、このような基は、5〜6個の炭素原子を有する環状アルキル基である。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。

「C1−6ハロアルキル」(他の基の一部であるものを含む)という用語は、1〜6個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキル基であって、1つ以上の水素原子が、フッ素、塩素または臭素から選択したハロゲン原子(フッ素及び塩素など、例えばフッ素)に置き換えられているアルキル基を意味する。それに応じて、「C1−4ハロアルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有する分岐及び非分岐のアルキル基であって、1つ以上の水素原子が、同様に、上記した原子に置き換えられているアルキル基を意味する。いくつかのケースでは、C1−4ハロアルキルが存在する。例としては、CH2F、CHF2、CF3が挙げられる。

「C1−nアルキル」という用語は、nが、2〜nの整数である場合、単独で、または別のラジカルと組み合わさって、1〜n個の炭素原子を有する非環状の分岐または直鎖状の飽和炭化水素ラジカルを示す。例えば、「C1−5アルキル」という用語には、H3C−、H3C−CH2−、H3C−CH2−CH2−、H3C−CH(CH3)−、H3C−CH2−CH2−CH2−、H3C−CH2−CH(CH3)−、H3C−CH(CH3)−CH2−、H3C−C(CH3)2−、H3C−CH2−CH2−CH2−CH2−、H3C−CH2−CH2−CH(CH3)−、H3C−CH2−CH(CH3)−CH2−、H3C−CH(CH3)−CH2−CH2−、H3C−CH2−C(CH3)2−、H3C−C(CH3)2−CH2−、H3C−CH(CH3)−CH(CH3)−及びH3C−CH2−CH(CH2CH3)−というラジカルが含まれる。

「C1−nハロアルキル」という用語は、nが、2〜nの整数である場合、単独で、または別のラジカルと組み合わさって、1〜n個の炭素原子を有する非環状の分岐または直鎖状の飽和炭化水素ラジカルであって、1つ以上の水素原子が、フッ素、塩素または臭素から選択したハロゲン原子(フッ素及び塩素など、例えばフッ素)に置き換えられている炭化水素ラジカルを示す。例としては、CH2F、CHF2、CF3が挙げられる。

「C1−nアルキレン」という用語は、nが、2〜nの整数である場合、単独で、または別のラジカルと組み合わさって、1〜n個の炭素原子を含む非環状の直鎖または分岐鎖状の2価のアルキルラジカルを指す。例えば、「C1−4アルキレン」という用語には、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH2−、−C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)−、−CH(CH3)−CH2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH(CH3)−、−CH(CH3)−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−CH2−、−CH2−C(CH3)2−、−C(CH3)2−CH2−、−CH(CH3)−CH(CH3)−、−CH2−CH(CH2CH3)−、−CH(CH2CH3)−CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−CH(CH(CH3))2−及び−C(CH3)(CH2CH3)−が含まれる。

「C2−nアルケニル」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−nアルキル」の定義と同様に定義される基であって、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2つが、互いに二重結合によって結合している場合の基に対して使用する。

「C2−nアルキニル」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を有する「C1−nアルキル」の定義と同様に定義される基であって、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2つが、互いに三重結合によって結合している場合の基に対して使用する。

「C3−nシクロアルキル」という用語は、nが、4〜nの整数である場合、単独で、または別のラジカルと組み合わさって、3〜n個の炭素原子を有する環状の非分岐の飽和炭化水素ラジカルを示す。例えば、C3−7シクロアルキルという用語には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。

本明細書及び添付の請求項で使用する場合、「a」、「an」及び「the」という単数形には、文脈上明らかに別に解される場合を除き、複数の言及物が含まれることに留意されたい。したがって、例えば、「細胞」に言及する際には、複数の細胞が含まれ、「ペプチド」に言及する際には、1つ以上のペプチド及び当業者に知られているその等価物、例えばポリペプチドなどへの言及が含まれる。

「加齢性認知機能障害に罹患しているかまたは罹患するリスクがある個体」とは、その期待寿命に対して約50%超(その期待寿命に対して60超%など、例えば70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超またはさらには99%超など)である個体を意味する。個体の年齢は、該当する種に依存することになる。したがって、このパーセンテージは、該当する種の予測平均余命に基づく。例えば、ヒトでは、上記のような個体は、以下にさらに記載されているような加齢性の状態、例えば、自然な加齢過程と関連する認知機能障害に罹患する50歳以上、例えば、60歳以上、70歳以上、80歳以上、90歳以上、かつ通常は100歳以下(90歳など)であり、すなわち、約50〜100歳の年齢、例えば、50歳、51歳、52歳、53歳、54歳、55歳、56歳、57歳、58歳、60歳、61歳、62歳、63歳、64歳、65歳、66歳、67歳、68歳、69歳、70歳、71歳、72歳、73歳、74歳、75歳、76歳、77歳、78歳、79歳、80歳、81歳、82歳、83歳、84歳、85歳、86歳、87歳、88歳、89歳、90歳、91歳、92歳、93歳、94歳、95歳、96歳、97歳、98歳、99歳、100歳以上、または50〜100歳の間のいずれかの年齢、加齢性の状態、例えば認知機能障害の症状をまだ示し始めていない約50歳以上、例えば、60歳以上、70歳以上、80歳以上、90歳以上、かつ通常は100歳以下、すなわち、約50〜100歳、例えば、50歳、51歳、52歳、53歳、54歳、55歳、56歳、57歳、58歳、60歳、61歳、62歳、63歳、64歳、65歳、66歳、67歳、68歳、69歳、70歳、71歳、72歳、73歳、74歳、75歳、76歳、77歳、78歳、79歳、80歳、81歳、82歳、83歳、84歳、85歳、86歳、87歳、88歳、89歳、90歳、91歳、92歳、93歳、94歳、95歳、96歳、97歳、98歳、99歳、100歳である個体、以下にさらに記載されているような加齢性疾患により、認知機能障害を罹患しているいずれかの年齢の個体、及び典型的には認知機能障害を伴う加齢性疾患と診断されているいずれかの年齢の個体であって、認知機能障害の症状をまだ示し始めていない個体である。ヒト以外の対象の対応する年齢は、公知であり、本発明で適用するように意図されている。

他の箇所に概括されているように、いくつかのケースでは、対象は、哺乳動物である。本発明の方法で治療し得る哺乳動物種としては、イヌ科及びネコ科の動物、ウマ科の動物、ウシ亜科の動物、ヒツジなど、ならびにヒトを含む霊長類動物が挙げられる。本発明の方法、組成物及び試薬は、例えば実験による調査において、小型の哺乳動物、例えば、ネズミ科の動物、ウサギ目の動物などを含む動物モデルにも適用し得る。

本明細書で使用する場合、かつ上記のように、「治療」とは、(i)疾患もしくは障害の予防、または(ii)疾患もしくは障害の症状の軽減もしくは除去のいずれかを指す。治療は、予防として(疾患の発症前に)または治療として(疾患の発症後に)実施し得る。その作用は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防するという点では予防的であり得、及び/または、疾患及び/またはその疾患に起因する有害作用の部分的もしくは完全な治癒という点では、治療的であり得る。したがって、「治療」という用語は、本明細書で使用する場合、哺乳動物の加齢性の疾患または障害のいずれの治療も網羅し、(a)疾患に対する素因を有し得るが、その疾患に罹患しているとはまだ診断されていない対象が、その疾患の発症を予防すること、(b)疾患を抑制すること、すなわち、疾患の発症を抑止すること、または(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患を退行させることを含む。治療すると、多種多様な身体的顕在化、例えば、遺伝子発現の調節、組織または器官の若返りなどが生じ得る。本発明の治療剤は、疾患の発症前、発症中または発症後に投与し得る。継続中の疾患の治療であって、患者の望ましくない臨床症状を安定させるかまたは軽減する治療が、特に該当するものである。このような治療は、罹患組織の機能が完全に喪失する前に実施し得る。該当する療法を疾患の有症状期中に、いくつかのケースでは、疾患の有症状期の後に実施し得る。

いくつかの実施形態では、治療する状態は、個体の認知能力の加齢性機能障害である。認知能力または「認知」とは、注意及び集中、複雑な作業及び概念の学習、記憶(短期及び/または長期に新しい情報を取得、保持及び想起すること)、情報処理(五感によって収集した情報の処理)、視空間機能(視覚、奥行知覚、心像の利用、図の模写、物体または形状の構築)、言語の生成及び理解、言語流暢性(単語の発見)、問題解決、意思決定、ならびに実行機能(計画及び優先付け)を含む精神過程を意味する。「認知機能低下」とは、これらの能力のうちの1つ以上の進行性低下、例えば、記憶、言語、思考、判断などの低下を意味する。「認知能力障害」及び「認知機能障害」とは、健常な個体、例えば、年齢の適合した健常な個体と比べて、またはその個体の過去の時点、例えば、2週間前、1カ月前、2カ月前、3カ月前、6カ月前、1年前、2年前、5年前、10年前もしくはそれよりも前の能力と比べて、認知能力が低下していることを意味する。「加齢性認知機能障害」とは、典型的には加齢と関連する認知能力障害を意味し、例えば、自然な加齢過程と関連する認知機能障害、例えば、軽度認知機能障害(M.C.I.)、及び加齢性障害、すなわち、高齢化の進展に伴い発症頻度の上昇が見られる障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺、運動失調、関連する虚弱などのような神経変性状態と関連する認知機能障害が挙げられる。

g.組み合わせ 一般式1の化合物は、単独で用いても、または本発明による式1の他の活性物質と組み合わせてもよい。一般式1の化合物は任意に、他の薬理学的に活性な物質とも組み合わせてよい。それらの物質としては、β2−アドレナリン受容体アゴニスト(短時間作用型及び長時間作用型)、抗コリン剤(短時間作用型及び長時間作用型)、抗炎症性ステロイド(経口副腎皮質ステロイド及び外用副腎皮質ステロイド)、クロモグリク酸塩、メチルキサンチン、解離グルココルチコイド模倣剤、PDE3阻害剤、PDE4阻害剤、PDE7阻害剤、LTD4アンタゴニスト、EGFR阻害剤、ドーパミンアゴニスト、PAFアンタゴニスト、リポキシンA4誘導体、FPRL1調節剤、LTB4受容体(BLT1、BLT2)アンタゴニスト、ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH4受容体アンタゴニスト、デュアルヒスタミンH1/H3受容体アンタゴニスト、PI3キナーゼ阻害剤、例えばLYN、LCK、SYK、ZAP−70、FYN、BTKまたはITKのような非受容体型チロシンキナーゼの阻害剤、例えばp38、ERK1、ERK2、JNK1、JNK2、JNK3またはSAPのようなMAPキナーゼの阻害剤、例えばIKK2キナーゼ阻害剤のようなNF−κBシグナル伝達経路阻害剤、iNOS阻害剤、MRP4阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、cPLA2阻害剤、ロイコトリエンA4加水分解酵素阻害剤またはFLAP阻害剤のようなロイコトリエン生合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、CRTH2アンタゴニスト、DP1受容体調節剤、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、追加のCCR3アンタゴニスト、CCR4アンタゴニスト、CCR1アンタゴニスト、CCR5アンタゴニスト、CCR6アンタゴニスト、CCR7アンタゴニスト、CCR8アンタゴニスト、CCR9アンタゴニスト、CCR30アンタゴニスト、CXCR3アンタゴニスト、CXCR4アンタゴニスト、CXCR2アンタゴニスト、CXCR1アンタゴニスト、CXCR5アンタゴニスト、CXCR6アンタゴニスト、CX3CR3アンタゴニスト、ニューロキニン(NK1、NK2)アンタゴニスト、スフィンゴシン1−リン酸受容体調節剤、スフィンゴシン1リン酸リアーゼ阻害剤、例えばA2aアゴニストのようなアデノシン受容体調節剤、例えばP2X7阻害剤のようなプリン受容体調節剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性化剤、ブラジキニン(BK1、BK2)アンタゴニスト、TACE阻害剤、PPARγ調節剤、Rhoキナーゼ阻害剤、インターロイキン1β変換酵素(ICE)阻害剤、トール様受容体(TLR)調節剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、VLA−4アンタゴニスト、ICAM−1阻害剤、SHIPアゴニスト、GABAa受容体アンタゴニスト、ENaC阻害剤、メラノコルチン受容体(MC1R、MC2R、MC3R、MC4R、MC5R)調節剤、CGRPアンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、TNFαアンタゴニスト、抗TNF抗体、抗GM−CSF抗体、抗CD46抗体、抗IL−1抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−13抗体、抗IL−4/IL−13抗体、抗TSLP抗体、抗OX40抗体、粘液調節剤、免疫療法剤、気道の腫脹に対する化合物、咳に対する化合物、VEGF阻害剤、さらには2つまたは3つの活性物質を組み合わせたものも挙げられる。

いくつかの実施形態では、他の活性物質は、β模倣剤、抗コリン剤、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、LTD4アンタゴニスト、EGFR阻害剤、CRTH2阻害剤、5−LO阻害剤、ヒスタミン受容体アンタゴニスト及びSYK阻害剤のみならず、2つまたは3つの活性物質を組み合わせたもの、すなわち、下記のものでもある。 ・β模倣剤と、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4−アンタゴニストとを組み合わせたもの ・抗コリン剤と、β模倣剤、副腎皮質ステロイド、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4−アンタゴニストを組み合わせたもの ・副腎皮質ステロイドと、PDE4阻害剤、CRTH2阻害剤またはLTD4−アンタゴニストとを組み合わせたもの ・PDE4阻害剤と、CRTH2阻害剤またはLTD4−アンタゴニストとを組み合わせたもの ・CRTH2阻害剤と、LTD4−アンタゴニストとを組み合わせたもの

これらの実施形態では、この組み合わせを構成する化合物は、対象に併用投与する。「併用投与」及び「〜と組み合わせて」という用語には、2つ以上の治療剤を、同時に、一斉にまたは特に時間の制限なく順次に投与することが含まれる。一実施形態では、それらの薬剤は、細胞内もしくは対象の体内に同時に存在するか、またはそれらの生物学的作用もしくは治療的作用を同時に発揮する。一実施形態では、それらの治療剤は、同じ組成物または同じ単位剤形中に存在する。別の実施形態では、それらの治療剤は、別々の組成物または別々の単位剤形中に存在する。特定の実施形態では、第1の治療剤は、第2の治療剤の投与前(例えば、数分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前もしくは12週間前)に、第2の治療剤の投与と併用的に、または第2の治療剤の投与の後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後もしくは12週間後)に投与できる。既知の療法薬と、本開示の医薬組成物との「併用投与」とは、その既知の薬剤及び本発明の組成物の両方が治療的作用を有するような時点に、本発明の化合物及び第2の薬剤を投与することを意味する。このような併用投与は、第2の薬剤を本発明の化合物の投与と一斉に(すなわち同時に)、本発明の化合物の投与前に、または本発明の化合物の投与後に投与することを含み得る。それらの2つの薬剤の投与経路は、様々であり得、代表的な投与経路は、以下にさらに詳細に記載されている。当業者であれば、特定の薬物及び本開示の化合物の投与の適切なタイミング、順序及び投与量を定めることは困難ではない。いくつかの実施形態では、化合物(例えば、本発明の化合物及び少なくとも1つの追加の化合物)は、対象に、一方の投与から24時間以内(一方の投与から12時間以内、一方の投与から6時間以内、一方の投与から3時間以内または一方の投与から1時間内など)に投与する。特定の実施形態では、化合物は、一方の投与から1時間以内に投与する。特定の実施形態では、化合物は、実質的に同時に投与する。実質的に同時に投与するとは、化合物を対象に、一方の投与から約10分以内(一方の投与から5分以内または1分以内など)に投与することを意味する。

h.医薬形態 式1の化合物、ならびに式2及び2aの共結晶または塩形態を投与するために適する調製物としては例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、液剤及び散剤などが挙げられる。医薬活性化合物(複数可)の含有率は、組成物全体の0.05〜90重量%(0.1〜50重量%など)の範囲である必要がある。好適な錠剤は、例えば、活性物質(複数可)と、既知の賦形剤と、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはラクトースのような不活性希釈剤と、コーンスターチもしくはアルギン酸のような崩壊剤と、デンプンもしくはゼラチンのような結合剤と、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルクのような滑沢剤と、及び/またはカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースもしくはポリ酢酸ビニルのように、放出を遅延する作用剤とを混合することによって得てよい。錠剤は、いくつかの層も含み得る。

したがって、コート錠は、錠剤と同様に作製した錠剤核を、通常、錠剤コーティングに用いられる物質、例えば、コリドンもしくはセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタンまたは糖でコーティングすることによって調製し得る。遅延放出させるか、または不適合を防ぐために、錠剤核は、相当数の層からも構成し得る。同様に、錠剤コーティングは、遅延放出させるために、場合により、錠剤に関して上述した賦形剤を用いて、相当数の層からなってよい。

本発明による活性物質またはそれらを組み合わせたものを含むシロップ剤またはエリキシル剤は、さらに、サッカリン、シクラミン酸塩、グリセロールまたは糖のような甘味剤、及び香味増強剤、例えば、バニリンまたはオレンジ抽出物のような香味剤を含み得る。これらの薬剤は、懸濁アジュバント、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような増粘剤、例えば、脂肪酸アルコールと酸化エチレンとの縮合物のような湿潤剤、またはp−ヒドロキシ安息香酸塩のような保存剤も含み得る。

液剤は、通常の方法で、例えば、等張化剤、p−ヒドロキシ安息香酸塩のような保存剤またはエチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩のような安定剤を加えて、任意に、乳化剤及び/または分散剤を用いて調製する一方で、水を希釈剤として使用する場合には、例えば、有機溶媒を任意に可溶化剤または溶解助剤として使用してよく、その液剤を注射用バイアル、注射用アンプルまたは注入用ボトルに移してよい。

1つ以上の活性物質または活性物質を組み合わせたものを含むカプセル剤は例えば、活性物質と、ラクトースまたはソルビトールのような不活性担体とを混合して、その混合物をゼラチンカプセル剤に封入することによって調製し得る。

好適な坐剤は例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール、またはそれらの誘導体のように、坐剤用に供給されている担体と混合することによって作製し得る。

使用し得る賦形剤としては、例えば、水、パラフィン(例えば石油留分)、植物油(例えば、ラッカセイ油またはゴマ油)、1官能性または多官能性アルコール(例えば、エタノールまたはグリセロール)のような製薬学的に許容可能な有機溶媒、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散ケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、サトウキビ糖、ラクトース及びグルコース)のような担体、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)、ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。

経口用では、錠剤は、言うまでもないが、定めた担体に加えて、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及び第二リン酸カルシウムのような添加剤を、デンプン、例えば、バレイショデンプン、ゼラチンなどのような様々な追加の物質とともに含み得る。錠剤を作製するには、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクのような滑沢剤も使用し得る。水性懸濁剤の場合には、活性物質は、上記の賦形剤に加えて、様々な香味増強剤または着色剤と組み合わせてよい。

式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態を投与するために、吸入に適する調製物または医薬製剤を用いてもよい。吸入可能な調製物としては、吸入可能な粉末剤、噴射剤を含む定量投与式エアゾール剤または噴射剤を含まない吸入可能な液剤が挙げられる。本発明の範囲内では、噴射剤を含まない吸入可能な液剤という用語には、濃縮物または使用できる状態の吸入可能な滅菌液剤も含まれる。本発明の範囲内で使用し得る製剤は、本明細書の次の項にさらに詳細に記載されている。

本発明に従って使用し得る吸入可能な粉末剤は、式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態を単独で、または好適な生理学的に許容可能な賦形剤と添加混合した状態で含み得る。

式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態の活性物質が、生理学的に許容可能な賦形剤と添加混合した状態で存在する場合には、単糖(例えば、グルコースもしくはアラビノース)、二糖(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖(例えばデキストラン)、多価アルコール(例えばソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、またはこれらの賦形剤の混合物といった生理学的に許容可能な賦形剤を用いて、本発明によるこれらの吸入可能な粉末剤を調製し得る。いくつかのケースでは、ラクトースまたはグルコースのような単糖または二糖を、例えば、それらの水和物の形態で、例えば、ラクトース一水和物のようなラクトースを使用する。

本発明による吸入可能な粉末剤の範囲内では、賦形剤の最大平均粒径は、最大で250μm(10〜150μmなど)であり、15〜80μmを含む。上述の賦形剤に、平均粒径が1〜9μmであるさらに微細な賦形剤部分を加えることが適切と思われる場合もあり得る。これらのさらに微細な賦形剤も、上記に列挙した考え得る賦形剤の群から選択する。そして、本発明による吸入可能な粉末剤を調製するために、式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態の微粒化活性物質(平均粒径が0.5〜10μm(1〜5μmを含む)であるものなど)を賦形剤混合物に加える。粉砕及び微粒化し、最後に成分を合わせて混合することによって、本発明による吸入可能な粉末剤を作製するプロセスは、先行技術から公知である。

本発明による吸入可能な粉末剤は、先行技術から公知の吸入器を用いて投与し得る。

本発明による、ガス噴射剤を含む吸入エアゾール剤は、そのガス噴射剤に溶解したかまたは分散化形態の式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態を含み得る。式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態は、別々の製剤または共通の製剤に含まれていてよく、いずれの成分も溶解しているか、いずれの成分も分散しているか、またはいずれのケースでも、一方の成分のみが溶解しており、他方の成分が分散している。吸入エアゾール剤を調製するために使用し得るガス噴射剤は、先行技術から公知である。好適なガス噴射剤は、n−プロパン、n−ブタンまたはイソブタンのような炭化水素、及びメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロ炭化水素から選択する。上記のガス噴射剤は、単独で用いても、混合したものであってもよい。いくつかのケースでは、ガス噴射剤は、TG134a及びTG227から選択したハロゲン化アルカン誘導体、ならびにそれらの混合物である。

噴射剤を利用する吸入エアゾール剤は、共溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤及びpH調整剤のような他の成分も含み得る。これらの成分はいずれも、当該技術分野において知られている。

上述した、本発明による、噴射剤を利用する吸入エアゾール剤は、当該技術分野において知られている吸入器(MDI=定量投与式吸入器)を用いて投与してよい。さらに、本発明による式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態の活性物質は、噴射剤を含まない吸入可能な液剤及び懸濁剤の形態で投与し得る。用いる溶媒は、水性溶媒またはエタノール溶液のようなアルコール溶媒であり得る。溶媒は、水単独、または水とエタノールとの混合物であり得る。水に対するエタノールの相対的比率には制限はないが、いくつかのケースでは、最大値は、最大で70体積パーセント(最大で60体積パーセントなど、最大で30体積パーセントを含む)。残りの体積は、水で構成されている。式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態を含む液剤または懸濁剤は、好適な酸を用いて、pH2〜7(2〜5など)に調整する。無機酸または有機酸から選択した酸を用いて、pHを調整してよい。特に好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/またはリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/またはプロピオン酸などが挙げられる。いくつかのケースでは、その無機酸は、塩酸及び硫酸である。本発明の活性物質のうちの1つと酸付加塩をすでに形成している酸を用いることも可能である。いくつかのケースでは、有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が用いられている。特に、酸性化性質に加えて、例えば、香味剤、抗酸化剤または錯化剤としての他の特性を有する酸(例えば、クエン酸またはアスコルビン酸など)の場合には、所望の場合、上記の酸の混合物を用いてもよい。本発明によれば、いくつかのケースでは、塩酸を用いてpHを調整する。

所望の場合、これらの製剤では、エデト酸(EDTA)またはその既知の塩の1つであるエデト酸ナトリウムを安定剤または錯化剤として加えることを省いてよい。他の実施形態は、この化合物またはこれらの化合物を含み得る。実施形態では、エデト酸ナトリウムに対する含有比は、100mg/100ml未満(50mg/100ml未満など、20mg/100ml未満を含む)である。いくつかのケースでは、エデト酸ナトリウムの含有比が0〜10mg/100mlである吸入可能な液剤を用いる。噴射剤を含まない吸入可能な液剤には、ヒドロキシル基またはその他の極性基を含むような共溶媒及び/または他の賦形剤、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルを加えてもよい。この文脈における賦形剤及び添加剤という用語は、活性物質ではないが、活性物質製剤の定性的特性を向上させるために、生理学的に好適な溶媒中で、1つの活性物質または複数の活性物質と調合できるいずれかの薬理学的に許容可能な物質を示す。いくつかの実施形態では、これらの物質には、薬理的作用がないか、または所望の療法と関連して、感知できる薬理的作用もしくは少なくとも望ましくない薬理的作用がない。それらの賦形剤及び添加剤としては、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル(ポリソルベートなど)、ポリビニルピロリドンのような界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終医薬製剤の貯蔵寿命を確保または延長する抗酸化剤及び/または保存剤、香味剤、ビタミン及び/または当該技術分野において知られているその他の添加剤が挙げられる。添加剤には、等張化剤としての、塩化ナトリウムのような薬理学的に許容可能な塩も含まれる。

いくつかの実施形態では、賦形剤としては、アスコルビン酸(例えば、すでにpHを調整する目的で用いられていないことを条件とする)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール、ならびにヒトの体内で見られるものと同様のビタミン及びプロビタミンのような抗酸化剤が挙げられる。

保存剤を用いて、病原体による汚染から製剤を保護してよい。好適な保存剤は、当該技術分野において知られているものであり、特には、先行技術から公知の濃度のアセチルピリジニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、または安息香酸もしくは安息香酸塩(安息香酸ナトリウムなど)である。上述の保存剤は、最大で50mg/100ml(5〜20mg/100mlなど)の濃度で存在してよい。

いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、溶媒である水、及び式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態に加えて、塩化ベンザルコニウム及びエデト酸ナトリウムのみを含む。実施形態では、エデト酸ナトリウムは存在しない。

本発明による化合物の投与量は当然ながら、投与方法及び治療を行っている病状に大きく依存する。吸入によって投与する場合、式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態は、μg単位の範囲の用量でも効能が高いことによって特徴付けられる。式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態は、μg単位を上回る範囲でも有効に使用し得る。したがって、投与量は、例えばグラム単位の範囲であってもよい。

別の態様では、本発明は、上述の医薬製剤であって、式1の化合物、または式2及び2aの共結晶もしくは塩形態を含むことを特徴とするような医薬製剤、特には、吸入によって投与できる上述の医薬製剤に関するものである。

下記の製剤例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示するものである。

微粉砕した活性物質、ラクトース及びトウモロコシデンプンの一部を合わせて混合する。その混合物を篩分してから、ポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、練合し、湿式造粒し、乾燥する。その顆粒、残りのトウモロコシデンプン及びステアリン酸マグネシウムを篩分し、合わせて混合する。混合物を打錠して、好適な形及び大きさの錠剤にする。

微粉砕した活性物質、コーンスターチの一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを合わせて混合し、その混合物を篩分し、残りのコーンスターチ及び水と加工して顆粒を形成し、その顆粒を乾燥して篩分する。ナトリウムカルボキシメチルデンプン及びステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、その混合物を圧縮して、好適な大きさの錠剤を形成する。

活性物質をそのままのpHまたは任意にpH5.5〜6.5で水に溶解し、塩化ナトリウムを加えて、等張溶液を作製する。得られた溶液をろ過してパイロジェンを除去し、そのろ液を無菌状態でアンプルに移してから滅菌し、ヒートシールする。そのアンプルは、5mg、25mg及び50mgの活性物質を含む。

その懸濁剤は、定量バルブを備える従来のエアゾール容器に入れる。好ましくは、作動ごとに、50μlの懸濁剤を放出する。所望の場合、さらに高用量(例えば0.02重量%)で活性物質を放出してもよい。

この液剤は、通常の方法で調製できる。

吸入可能な粉末剤は、個々の成分を混合することによって、通常の方法で調製する。

j.適応 認知関連疾患と診断された対象/患者を治療することを通じて、認知または認知症のその他の症状を改善する方法を提供する。その方法の態様は、認知関連疾患の患者を治療するために充分な態様で、例えばCCR3調節剤によってCCR3を調節することを含む。その方法は、経口投与可能かつ生体内で利用可能な組成物(式1の化合物、式2もしくは2aの共結晶もしくは塩の組成物を含む)、または上記の式3の製剤によって、認知関連疾患を治療することを含む。上記で概括したとともに、以下にさらに詳細に記載されているように、様々な加齢性の機能障害、例えば認知関連疾患は、本発明の実施形態によって治療し得る。いくつかのケースでは、標的とする状態は、神経新生の低下(例えば、非罹患組織と比べて、BrdUまたはEdU陽性細胞、Ki67陽性細胞及びDcx陽性細胞の数が減少していることによって明らかになる)のような神経不全によって例えば立証されるような神経変性と関連する認知関連疾患の状態である。CCR3を調節する組成物は、以下でさらに説明されている軽度認知機能障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症(FTD)、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、認知症、進行性核上麻痺(PSP)、運動失調、多系統萎縮症及び虚弱(これらは例であり、これらに限定されない)のような認知関連疾患と診断された患者/対象に投与できる。本発明の方法は、認知または身体機能の改善を測定することを通じて、神経変性疾患の進行の改善をモニタリングすることをさらに含むことができる。

運動障害と診断された対象/患者を治療することを通じて、運動協調性、運動機能または運動障害のその他の症状を改善する方法を提供する。方法の態様は、運動障害の患者を治療するために充分な態様で、例えばCCR3調節剤によって、CCR3を調節することを含む。その方法は、経口投与可能かつ生体内で利用可能な組成物(式1の化合物、式2もしくは2aの共結晶もしくは塩の組成物を含む)、または上記の式3の製剤によって、運動障害を治療することを含む。上記で概括したとともに、以下にさらに詳細に記載されているように、様々な加齢性の機能障害、例えば運動障害は、本発明の実施形態によって治療し得る。いくつかのケースでは、標的とする状態は、神経新生の低下(例えば、非罹患組織と比べて、BrdUまたはEdU陽性細胞、Ki67陽性細胞及びDcx陽性細胞の数が減少していることによって明らかになる)のような神経不全によって例えば立証されるような神経変性と関連する運動障害である。CCR3を調節する組成物は、以下でさらに説明されているパーキンソン病、パーキンソニズム、レビー小体型認知症、運動失調、ジストニア、頸部ジストニア、舞踏病、ハンチントン病、多系統萎縮症、痙縮、進行性核上麻痺、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群及び振戦(これらは例であり、これらに限定されない)のような運動障害と診断された患者/対象に投与できる。本発明の方法は、認知または身体機能の改善を測定することを通じて、神経変性疾患の進行の改善をモニタリングすることをさらに含むことができる。

軽度認知機能障害(M.C.I.)は、全体的な精神機能及び日常活動は低下していないが、時間の経過とともに悪化している記憶、またはプランニング、指示理解もしくは意思決定のようなその他の精神機能に関する問題として顕在化する、認知の軽度な混乱である。したがって、典型的には、有意なニューロン死は起こらないが、老化脳のニューロンは、シナプスにおける構造、シナプスの完全性及び分子のプロセシングの致死下の加齢性変化に影響を受けやすく、これらのいずれも、認知機能を低下させる。加齢性認知機能障害に罹患しているか、または発症するリスクがある個体であって、本発明の当該化合物による治療、例えば、本明細書に開示されている方法による治療の利益を得ることになる個体には、加齢性障害による認知機能障害に罹患しているいずれかの年齢の個体、及び典型的には認知機能障害を伴う加齢性障害と診断されているいずれかの年齢の個体であって、認知機能障害の症状をまだ示し始めていない個体も含まれる。このような加齢性障害の例としては、以下に列挙されているものが挙げられるが、それらに限らない。

アルツハイマー病:アルツハイマー病は、過剰なβアミロイド、及びタウタンパク質からなる神経原線維変化に加えて、大脳皮質及び皮質下灰白質の過剰な数の老人斑と関連する進行性かつ不可逆性の認知機能喪失によって特徴付けられる。その一般的な形態には、60歳超の人が罹患し、年齢が上がるにつれて、その罹患率は上昇する。アルツハイマー病は、高齢者の認知症の65%超を占める。

アルツハイマー病の原因は不明である。この疾患は、症例の約15〜20%が家族性である。残り、いわゆる散発性の症例には、何らかの遺伝的関連がある。この疾患は、大半の早発型の症例及び一部の晩期発症型の症例で、常染色体優性遺伝性パターンを有するが、晩期の浸透度は様々である。環境因子が、進展中の調査の焦点である。

この疾患の経過では、シナプス、及び最終的にはニューロンの喪失が、大脳皮質、海馬及び皮質下構造(マイネルト基底核における選択的な細胞喪失を含む)、青斑核、ならびに背側縫線核内で見られる。脳の一部の区域(早期疾患では頭頂葉及び側頭皮質、晩期疾患では前頭前皮質)では、脳グルコースの利用及び灌流が減少する。アルツハイマー病の発症機序では、神経突起斑または老人斑(アミロイドコア周囲の神経突起、星状細胞及びグリア細胞で構成されている)、ならびに神経原線維変化(対らせん状細線維で構成されている)が重要な役割を果たす。老人斑及び神経原線維変化は、正常な加齢によって起きるが、アルツハイマー病の人の方が、はるかに多く見られる。

パーキンソン病:パーキンソン病(PD)は、動作の緩慢及び減少(運動緩徐)、筋強剛、安静時振戦(ジストニア)、筋固縮及び姿勢不安定によって特徴付けられる特発性、緩徐進行性の変性CNS障害である。PDは、当初、主に運動障害とみなされていたが、今では、抑うつ症状及び情動的変化も引き起こすことが認識されている。PDは、認知、行動、睡眠、自律神経機能及び感覚機能にも影響を及ぼすことがある。最も一般的な認知機能障害としては、注意及び集中、ワーキングメモリー、実行機能、言語の生成及び視空間機能の障害が挙げられる。PDの特徴は、通常は認知機能障害に関連する症状に先行する、運動機能の低下に関連する症状であり、このことが、この疾患の診断の際に役立つ。

原発性パーキンソン病では、黒質、青斑核及びその他の脳幹ドーパミン作動性細胞群の色素性ニューロンが消失する。原因は不明である。尾状核及び被殻に放射している黒質ニューロンの消失により、これらの区域において、神経伝達物質であるドーパミンが枯渇する。発症は概して、40歳過ぎであり、高齢な群ほど、罹患率が上昇する。

毎年、約60,000人の米国人が新たにパーキンソン病と診断されており、現在、約100万人の米国人が罹患している。PD自体は致死性ではないが、その合併症は、米国における死因の第14位である。現時点では、PDは治癒不可能であり、治療は概して、症状を制御するように処方され、晩期の重度な症例では、手術が行われる。

PDの治療選択肢としては、運動欠損の管理を助ける医薬の投与が挙げられる。これらの選択肢は、PD患者での脳内濃度が低い神経伝達物質ドーパミンを増大または代替するものである。このような薬剤としては、カルビドパ/レボドパ(脳内でのドーパミン産生量を増やす)、アポモルヒネ、プラミペキソール、ロピニロール及びロチゴチン(ドーパミンアゴニスト)、セレギリン及びラサジリン(ドーパミンの分解を防ぐMAO−B阻害剤)、エンタカポン及びトルカポン(脳内で、さらに多くのレボドパが活用されるようにするカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ[COMT]阻害剤)、ベンズトロピン及びトリヘキシフェニジル(抗コリン剤)、ならびにアマンタジン(振戦及び強剛を制御する)が挙げられる。身体機能及び精神機能の維持を助けるために、運動/理学療法も一般的に行われている。

しかしながら、現在の治療選択肢は、PDの症状を治療するものであり、治癒的ではなく、疾患の進行を防ぐことはできない。加えて、現行の薬剤は、晩期PDでは効力を失う傾向がある。最も多く処方される薬物であるレボドパでは一般的に、服用開始から5〜10年以内に有害作用が生じる。これらの有害作用は重大であり得、投与間における運動変動、及び運動制御の予測不能な変動、ならびに管理が困難であるとともに、さらには、PD自体の症状と同様に身体が不自由になる痙動/単収縮(ジスキネジア)が発生し得る。したがって、単独で、または現行のPD薬と組み合わせて投与できる、新たな作用機序を持つ新たな療法剤に対するニーズが依然として存在する。

パーキンソニズム:二次性パーキンソニズム(非定型パーキンソン病またはパーキンソンプラスとも称する)は、他の特発性変性疾患、薬物または外因性の毒素による、大脳基底核におけるドーパミン作用の喪失または妨害に起因する。二次性パーキンソニズムの最も一般的な原因は、ドーパミン受容体をブロックすることによって、パーキンソニズムを発症させる抗精神病薬またはレセルピンの摂取である。あまり一般的ではない原因としては、一酸化炭素中毒、マンガン中毒、水頭症、構造的病変(中脳または大脳基底核に影響を及ぼす腫瘍、梗塞)、硬膜下血腫、及び線条体黒質変性症を含む変性障害が挙げられる。進行性核上麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症(CBD)及びレビー小体型認知症(DLB)のような特定の障害は、特異的診断に必要な主症状が現れ得る前に、パーキンソニズムの症状を呈することがあるので、「パーキンソニズム」として分類し得る。

PDの進行の評価 PDの進行の評価には、いくつかの評価スケールが用いられている。特に広く用いられているスケールとしては、統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS、1987年に導入)(J.Rehabil Res.Dev.,2012 49(8)1269−76)及びホーン・ヤールスケール(Neruology,1967 17(5):427−42)が挙げられる。追加のスケールとしては、Movement Disorder Society(MDS)の最新のUPDRSスケール(MDS−UPDRS)及びシュワブ・イングランド日常生活活動(ADL)スケールが挙げられる。

UPDRSスケールでは、(1)精神機能、行動及び気分、(2)日常生活活動、ならびに(3)運動機能検査という3つのサブスケールに分かれた31項目を評価する。ホーン・ヤールスケールでは、0(疾患の徴候なし)、1(片側のみ症状あり)、1.5(症状は片側であるが、頸部及び脊椎にも伴う)、2(症状は両側にあるが、バランス機能障害はなし)、2.5(両側に軽度の症状があり、「プル」テストを行った時に立ち直る)、3(バランス機能障害とともに、軽度〜中度の疾患あり)、4(重度の障害があるが、補助なしで歩行または起立できる)、及び5(補助がなければ、車椅子を必要とするか、または寝たきりである)という、それぞれサブステージを有する5つのステージにPDを分類する。シュワブ・イングランドスケールでは、いくつかのパーセンテージ(100%(完全に自立している)〜10%(完全に依存している))にPDを分類する。前頭側頭認知症:前頭側頭認知症(FTD)は、脳の前頭葉の進行性の衰退に起因する状態である。時間の経過とともに、萎縮が側頭葉まで進行し得る。FTDは、有病率がアルツハイマー病(AD)に次いで第2位であり、初老期認知症の症例の20%を占める。症状は、罹患した前頭葉及び側頭葉の機能に基づき、下記の3つの群に分類される。

一方においては、嗜眠及び自発性喪失を含む症状と、もう一方では脱制止を含む症状とを有する行動障害型FTD(bvFTD)、構音困難、音韻性錯語及び/または統語的な誤りによる、発話流暢性障害が観察されるが、単語の把握は保持される進行性非流暢性失語(PNFA)、ならびに患者は、正常な音韻及び構文による流暢性を保持するが、呼称の障害及び単語把握の障害が悪化していく意味性認知症(SD)である。すべてのFTD患者に共通する他の認知症状としては、実行機能障害及び集中力障害が挙げられる。知覚、空間能力、記憶及び実行を含む他の認知能力は典型的には、健全なままである。FTDは、構造MRIスキャンで、前頭葉及び/または前側頭葉の萎縮を観察することによって診断できる。

数多くの形態のFTDが存在し、そのいずれも、本発明の方法及び組成物を用いて治療または予防し得る。例えば、前頭側頭認知症の一形態は、意味性認知症(SD)である。SDは、言語性ドメイン及び非言語性ドメインの両方における意味性記憶の喪失によって特徴付けられる。SD患者は、単語の発見が困難である病状を呈することが多い。臨床徴候としては、流暢失語、名称失語、語義の把握障害及び連合型視覚失認(意味的に関連する像または物体を一致させることができない)が挙げられる。晩期の行動症状がほとんどみられない「純粋な」意味性認知症の症例が説明されてきているが、この疾患が進行すると、前頭側頭認知症で見られるのと同様に、行動及び人格の変化が見られることが多い。構造MRIによる画像診断では、側頭葉(主に左側)で特徴的なパターンの萎縮が見られ、上側頭葉の障害よりも、下側頭葉の障害の方が大きく、後側頭葉の萎縮よりも、前側頭葉の萎縮の方が大きい。

別の例として、別の形態の前頭側頭認知症は、ピック病(PiD、別称PcD)である。この疾患の明らかな特徴は、ニューロンにおけるタウタンパク質の蓄積であり、このタウタンパク質は、「ピック球」として知られる銀染色性の球状の凝集体に蓄積する。症状としては、発話喪失(失語)及び認知症が挙げられる。眼窩前頭機能不全がある患者は、攻撃的かつ社会的に不適切となり得る。

ピック病患者は、盗みを働いたり、または強迫性もしくは反復性の常同行動を取ったりし得る。背内側または背外側の前頭機能不全を有する患者は、無関心、感情鈍麻または自発性低下を示し得る。患者は、自己モニタリングの欠如、自己認識の異常及び意味の把握不能を示し得る。

両側後外側眼窩前頭皮質及び右前島の灰白質が喪失している患者は、病的な甘味嗜好のような、食行動の変化を示し得る。前外側眼窩前頭皮質で灰白質がさらに限局的に喪失している患者は、摂食亢進症を発症し得る。症状のいくつかは、初期に緩和されることがあるが、疾患は進行し、患者は2〜10年以内に死亡することが多い。

ハンチントン病:ハンチントン病(HD)は、情動異常、行動異常、及び精神異常の発生、知的機能または認知機能の喪失、ならびに運動異常(運動障害)によって特徴付けられる遺伝性進行性神経変性障害である。HDの古典的徴候としては、舞踏病(顔、腕、脚または体幹に影響し得る不随意性の急速かつ不規則な痙動)の発症、ならびに思考処理及び後天的知的能力の段階的喪失を含む認知機能低下が挙げられる。記憶、抽象的思考及び判断の機能障害、時間、場所または同一性の知覚不全(失見当識)、動揺の増大、ならびに人格の変化(人格崩壊)が見られる場合もある。症状は典型的には、40代または50代の間に明らかになるが、発症年齢は様々であり、幼児期から後期成人期(例えば、70代または80代)に及ぶ。

HDは、常染色体優性形質として家族内で継承される。この障害は、4番染色体上の遺伝子(4p16.3)内の、コードされた命令の異常に長い配列、すなわち「リピート」に起因して発症する。HDと関連する神経系機能の進行性喪失は、大脳基底核及び大脳皮質を含む、脳の特定の区域のニューロンの喪失に起因する。

筋萎縮性側索硬化症:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンを攻撃する急速進行性で例外なく死に至る神経疾患である。筋肉の低下及び萎縮、ならびに前細胞機能不全の徴候は、初期には、大半の場合、手に見られ、足に見られることは少ないことが多い。発病の部位はランダムであり、進行は非対称である。痙攣が一般的であり、衰弱の前に生じることがある。患者が30年生存することは稀であり、50%が、発病の3年以内に死亡し、20%が、5年生存し、10%が、10年生存する。

診断上の特徴としては、成人中期または後期での発症、及び感覚異常を伴わない進行性全身運動障害が挙げられる。神経伝導速度は、疾患後期まで正常である。最近の研究によって、認知機能障害の病像、特には、即時言語記憶、視覚記憶、言語、及び実行機能の低下も立証されている。

ALS患者では、正常に見えるニューロンにおいても、細胞体面積、シナプスの数及びシナプスの全長の低減が報告されている。活性帯の可塑性がその限界に達すると、シナプスの継続的な喪失により、機能障害が起こり得ることが示唆されている。新しいシナプスの形成の促進またはシナプス喪失の防止によって、これらの患者のニューロン機能を維持し得る。

多発性硬化症:多発性硬化症(MS)は、寛解及び再発性増悪を伴うCNS機能不全の様々な症状及び徴候によって特徴付けられる。最も一般的に見られる症状は、四肢の1つ以上、体幹、または顔の片側における知覚異常、脚もしくは手の衰弱もしくは巧緻障害、または視覚障害、例えば、部分的失明及び片眼の疼痛(球後視神経炎)、目のかすみもしくは暗点である。一般的な認知機能障害としては、記憶(新しい情報の取得、保持及び想起)、注意及び集中(特に分割的注意)、情報処理、実行機能、視空間機能、ならびに言語流暢性の機能障害が挙げられる。一般的な初期症状は、複視(二重視)を招く眼筋麻痺、四肢の1つ以上の一過性衰弱、四肢のわずかな強剛または異常な疲労感、軽微な歩行障害、膀胱制御困難、めまい及び軽度情動障害であり、これらはいずれも、散在性CNS障害を示し、疾患が認識される数か月前または数年前に生じる場合が多い。過剰な熱は、症状及び徴候を悪化し得る。

経過は、ばらつきが大きく、予測不能であり、大半の患者において弛張性である。特に、疾患が球後視神経炎から始まったときには、最初は、症状発現期間の間に、数か月または数年の寛解期が見られることがある。しかしながら、頻繁に発作を起こして、急速に行動能力を奪われる患者もおり、経過が急速に進行し得る患者が少数いる。

緑内障:緑内障は、網膜神経節細胞(RGC)に影響を及ぼす一般的な神経変性疾患である。エビデンスによって、区画化された変性プログラムが、シナプス及び樹状突起(RGCのものを含む)に存在することが裏付けられている。最近のエビデンスによって、高齢者の認知機能障害と緑内障との相関性も示されている(Yochim BP,et al.Prevalence of cognitive impairment,depression,and anxiety symptoms among older adults with glaucoma.J Glaucoma.2012;21(4):250−254)。

筋緊張性ジストロフィ:筋緊張性ジストロフィ(DM)は、ジストロフィ性の筋力低下及びミオトニアによって特徴付けられる、常染色体優性の多系統障害である。その分子欠損は、19番染色体にあるミオトニンプロテインキナーゼ遺伝子の3’非翻訳領域のトリヌクレオチド(CTG)リピートの伸長である。症状は、いずれの年齢でも生じる可能性があり、臨床的重症度の範囲は広い。ミオトニアは、手の筋肉で顕著であり、軽度の症例でも、下垂が一般的である。重度な症例では、著しい末梢筋力低下が見られ、白内障、早期禿頭、斧様顔貌、不整脈、精巣萎縮及び内分泌異常(例えば真性糖尿病)を伴うことが多い。重度先天型では、精神遅滞が一般的であるが、より軽度の成人型の障害では、前頭部及び側頭部の認知機能、特に言語及び実行機能の加齢性低下が観察される。重度罹患者は、50代前半までに死亡する。

認知症:認知症とは、日常の機能を妨げるほど深刻に、思考及び社会的能力に影響を及ぼす症状を有するタイプの障害のことである。上記で論じた加齢性障害の晩期に観察される認知症に加えて、認知症の他の事例としては、以下に説明されている血管性認知症及びレビー小体型認知症が含まれる。

血管性認知症または「多発脳梗塞性認知症」では、認知機能障害は、脳への血液供給の際の問題によって、典型的には、一連の軽微な卒中、または場合によっては、他のさらに軽度な卒中の前後に起こる1回の重度な卒中を原因とする。血管病変は、小血管疾患のようなびまん性脳血管疾患もしくは局所性病変、またはこれらの両方によるものであり得る。血管性認知症に罹患している患者は、急性脳血管イベントの後に、急性または亜急性に認知機能障害を呈し、その後、進行性の認知低下が観察される。認知機能障害は、言語、記憶、複雑な視覚処理または実行機能の機能障害を含め、アルツハイマー病で観察されるものと同様であるが、関連する脳内変化は、ADの病理によるものではなく、脳内の血流の慢性的な低下に起因するものであり、この低下が、最終的に認知症を招く。多発脳梗塞性認知症の診断を確定するには、精神状態の検査を伴う評価と併せて、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)及びポジトロン断層撮影(PET)による神経画像検査を使用し得る。

レビー小体型認知症 レビー小体型認知症(DLB)は、レビー小体認知症、びまん性レビー小体病、皮質性レビー小体病及びレビー型老年認知症を含め、種々の他の名称でも知られているが、ニューロンに、死後脳の組織診断で検出可能なレビー小体(αシヌクレイン及びユビキチンタンパク質の塊)が存在することによって解剖学的に特徴付けられるタイプの認知症である。その主な特徴は、認知機能低下、特に実行機能の認知機能低下である。覚醒度及び短期記憶に、起伏が生じることになる。

鮮明かつ詳細な像を伴う持続性または再発性の幻視が、早期の診断症状である場合が多い。DLBは、その早期に、アルツハイマー病及び/または血管性認知症と混同されることが多いが、アルツハイマー病が通常、かなり段階的に始まるのに対し、DLBは、急速または急性に発症する場合が多い。DLBの症状には、パーキンソン病の運動症状と同様の運動症状も含まれる。DLBは、パーキンソン病の症状と比較して、認知症の症状が現れる時間枠によって、パーキンソン病で生じることがある認知症と区別される。認知症の発病が、パーキンソン症状の発症から1年を超えた場合には、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)と診断される。認知症状が、パーキンソン症状と同時またはその1年以内に始まった場合には、DLBと診断される。

DLBの治療は複雑なプロセスであり、多角的なアプローチを必要とする(Neurology,2017 89:1−13)。ドーパミン作動薬及び抗コリン薬のような典型的なパーキンソニズム療法剤は、認知症状及び行動症状を悪化させることがある。最適な治療では一般的に、薬理的アプローチ(運動、認知トレーニング及び介護者によるトレーニング)、ならびに非薬理的なアプローチの両方を使用する。認知症状に対しては、NMDA受容体アンタゴニストであるメマンチンを投与できるのと同様に、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、リバスチグミン、ドネペジル)を投与できる。神経精神症状においては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、感情鈍麻及び幻覚を改善できる。抗精神病薬は残念なことに、DLB患者の死亡リスクを上昇させる。DLB患者では、運動症状は、ドーパミン作動性の治療に対する応答性はあまりなく、精神病のリスクを悪化させ得る。レボドパを使用することはできるが、低閾値の用量に過ぎないので、当該分野では、DLBを治療するための新しい薬剤に対する明らかなニーズが存在する。

進行性核上麻痺:進行性核上麻痺(PSP)は、複雑な眼球運動及び思考の問題とともに、歩行及びバランスの制御に関する深刻な進行性の問題を引き起こす脳障害である。この疾患の古典的な徴候の1つは、眼の狙いを適切に定める能力の欠如であり、この欠如は、眼球運動を協調させる脳区域内の病変が原因で起こる。この影響をかすみと説明する個体もいる。罹患した個体は、抑うつ症状及び感情鈍麻、ならびに進行性の軽度認知症を含め、気分及び行動の変化を示すことが多い。この障害の長い名称は、疾患が、ゆっくり始まり、悪化し続け(進行性)、眼球運動を制御する核という豆粒大の構造体の上方の特定の脳部分(核上)を損傷することによって、衰弱(麻痺)を引き起こすことを示す。PSPは、3名の科学者がこの状態をパーキンソン病と区別する論文を発表した1964年に、初めて明確な障害として説明された。PSPは、この障害を定義した科学者の名前を組み合わせたものを反映して、Steele−Richardson−Olszewski症候群と称されることがある。PSPは、進行性に悪化するが、PSP自体で死亡する者はいない。

運動失調:運動失調の人は、運動及びバランスを制御する神経系部分が影響を受けるため、協調性の問題を有する。運動失調は、指、手、腕、脚、身体、発話、及び眼球運動に影響を及ぼし得る。運動失調という語は、感染、損傷、他の疾患または中枢神経系の変性変化と関連し得る協調不能の症状を説明する目的で使用することが多い。運動失調は、National Ataxia Foundationが最も重視している遺伝性及び散発性の運動失調と呼ばれる、神経系の特定の変性疾患群を表す目的でも使用する。

多系統萎縮症:多系統萎縮症(MSA)は、神経変性障害である。MSAは、脳の特定の区域の神経細胞の変性と関連している。この細胞変性は、身体の運動、バランス及びその他の自律神経機能(膀胱制御または血圧調節など)に関する問題を引き起こす。

MSAの原因は不明であり、具体的なリスク因子は特定されていない。症例の約55%は、男性で見られ、一般的な発症年齢は、50代後半から60代前半である。MSAは、パーキンソン病と同じ症状のいくつかを呈することが多い。しかしながら、MSA患者は概して、パーキンソン病に使用されるドーパミン薬に応答するにしても、最小限である。

ジストニア:ジストニアは、持続性の不随意性筋収縮を伴う状態である。このような収縮は、ねじれ、反復性運動を呈することがある。この障害は、全身または特定の身体部分に影響を及ぼすことがあり、それぞれ、全身性ジストニアまたは局所ジストニアという。頸部ジストニアは、頸筋で長時間持続性の収縮または間欠的な収縮を引き起こし得る。ジストニアには治癒方法はない。現行の療法としては、カルビドパ−レボドパ、トリヘキシフェニジル、ベンズトロピン、テトラベナジン、ジアゼパム、クロナゼパム、バクロフェン、理学療法、言語療法、ストレッチ、マッサージ及び侵襲的手術が挙げられる。

虚弱:虚弱症候群(「虚弱」)は、可動性の低下、筋力低下、身体遅滞、持久力不足、身体活動の低さ、栄養不良及び不随意性の体重減少を含め、機能及び身体の衰えによって特徴付けられる老年症候群である。認知機能不全及びがんのような疾患の結果として、このような衰えを伴うことが多い。しかしながら、虚弱は、疾患ではなくても起こり得る。虚弱に罹患している個体は、骨折の予後不良、転倒事故、障害、共存症及び若年死のリスクが高い(C.Buigues,et al.Effect of a Prebiotic Formulation on Frailty Syndrome:A Randomized,Double−Blind Clinical Trial,Int.J.Mol.Sci.2016,17,932)。加えて、虚弱に罹患している個体では、高額な医療費の発生率が高くなっている(同文献)。

虚弱の一般的な症状は、特定の種類の検査によって判断できる。例えば、意図しない体重減少には、少なくとも10ポンドまたは前年の体重の5%超の減少が伴い、筋力低下は、ベースラインにおける下位20%への握力低下(性別及びBMIで調整)によって判断でき、身体的遅滞は、15フィートの距離を歩くために必要な時間に基づくことができ、持久力不足は、個体の疲労の自己申告によって判断でき、身体活動の低さは、標準化した質問表を用いて測定できる(Z.Palace et al.,The Frailty Syndrome,Today’s Geriatric Medicine 7(1),at 18(2014))。

いくつかの実施形態では、本発明の方法及び組成物は、加齢性の認知機能障害、運動機能障害またはその他の加齢性機能障害の進行を減速させるために有用である。換言すると、開示されている方法による治療後、個体の認知能力、運動能力またはその他の能力は、開示されている方法による治療の前、または開示されている方法による治療を行わなかった場合よりもゆっくり低下することになる。このようないくつかのケースでは、本発明の治療方法は、治療後に、認知能力低下、運動能力低下またはその他の加齢性の能力低下の進行を測定すること、及び低下の進行が低減されていることを判断することを含む。このようないくつかのケースでは、その判断は、対照、例えば、治療前の個体の低下速度(例えば、本発明の血液製剤の投与前の2つ以上の時点に、認知能力、運動能力またはその他の加齢性の能力を事前に測定することによって判断したようなもの)と比較することによって行う。

本発明の方法及び組成物は、個体、例えば、加齢性の認知機能低下を呈している個体、または加齢性の認知機能低下を呈するリスクがある個体の認知能力、運動能力またはその他の能力を安定化するためにも有用である。例えば、その個体は、ある加齢性認知機能障害を示してよく、開示されている方法による治療の前に観察された認知機能障害の進行は、開示されている方法による治療後に停止することになる。別の例として、その個体は、加齢性の認知機能低下を発現するリスクがあってよく(例えば、その個体は、50歳以上であっても、または加齢性障害と診断されていてもよい)、その個体の認知能力は、開示されている方法による治療後に、開示されている方法による治療の前と比べて、実質的に変化しない。すなわち、認知機能低下を検出できない。

本発明の方法及び組成物は、加齢性機能障害に罹患している個体の認知機能障害、運動機能障害またはその他の加齢性の機能障害を軽減するためにも有用である。換言すると、本発明の方法による治療後の個体では、冒された能力が改善する。例えば、個体の認知能力は、本発明の方法による治療後、本発明の方法による治療の前の個体で観察される認知能力と比べて、例えば、2倍以上、5倍以上、10倍以上、15倍以上、20倍以上、30倍以上または40倍以上(50倍以上、60倍以上、70倍以上、80倍以上、90倍以上または100倍以上を含む)上昇する。

いくつかのケースでは、本発明の方法及び組成物による治療は、加齢性の認知機能低下または運動機能低下を呈している個体の認知能力、運動能力またはその他の能力を、例えば、その個体が約40歳以下であった時のレベルまで回復させる。換言すると、認知機能障害または運動機能障害を阻害する。

k.神経変性性疾患の改善に関する診断及びモニタリングの方法 当業者であれば、神経変性疾患を罹患している対象で、神経変性性疾患の進行及び改善を診断及びモニタリングするための様々な方法のうち、下記のタイプの評価を単独でまたは組み合わせて使用できることを認識する。下記のタイプの方法は、例として示されており、示されている方法に限定されない。当業者であれば、本発明を実施する際に、他の疾患モニタリング方法も有用となることを認識する。これらの方法も、本発明の方法によって企図されている。

i.認知全般 本発明の方法は、認知機能障害及び/または加齢性認知症を治療するための投薬または治療が対象に及ぼす作用をモニタリングする方法であって、治療前後の認知機能を比較することを含む方法をさらに含む。認知機能を評価するための周知の方法が存在することを当業者は認識する。例えば、下記に限らないが、その方法は、病歴、家族歴、認知症及び認知機能を専門とする臨床医による身体診察及び神経学的診察、検体検査、ならびに神経心理学的評価に基づく認知機能評価を含み得る。本発明によって企図されている追加の実施形態には、グラスゴーコーマスケール(EMV)を用いるような意識状態の評価、略式精神試験スコア(AMTS)またはミニメンタルステート検査(MMSE)(Folstein et al.,J.Psychiatr.Res 1975;12:1289−198)を含む精神状態の検査、高次機能の包括的評価、眼底検査などによる頭蓋内圧の推定が含まれる。

一実施形態では、末梢神経系の検査を利用して、嗅覚、視野及び視力、眼球運動及び瞳孔(交感神経性及び副交感神経性)、顔の感覚機能、顔及び肩帯の筋肉の強度、聴覚、味覚、咽頭の運動及び反射、舌運動(これらは個々に試験することができる(例えば、視力はスネレン視力表によって試験することができ、反射ハンマーを用いて、咬筋の反射、二頭筋のの反射、三頭筋の腱の反射、膝の腱の反射、アキレス腱の反射及び足底反射(すなわちバビンスキー徴候)を含む反射を試験する))、筋力(多くの場合、1〜5のMRCスケール)、筋緊張、ならびに固縮の兆候のうちのいずれか1つを含む認知機能を評価し得る。

ii.多発性硬化症 当業者に周知の技法を用いて、認知と関連する症状の改善をモニタリングすることに加えて、多発性硬化症(MS)と関連する神経変性の進行または改善をモニタリングできる。モニタリングは、例として、以下に限らないが、脳脊髄液(CSF)モニタリング、病巣及び脱髄斑の出現を検出するための核磁気共鳴画像法(MRI)、誘発電位検査、ならびに歩行モニタリングのような技法を通じて行うことができる。

例えば腰椎穿刺を通じて、CSF解析を行って、圧力、外観及びCSF内容物を得てよい。正常値は典型的には、圧力については、70〜180mm H2O、外観については、透明かつ無色、総タンパク質量については、15〜60mg/100mL、IgGについては、総タンパク質量の3〜12%、グルコースについては、50〜80mg/100mL、細胞数については、白血球が0〜5個、赤血球なし、塩化物については、110〜125mEq/Lである。異常な結果によって、MSの存在または進行を示唆し得る。

MRIは、疾患の進行及び改善をモニタリングする目的で実施し得る別の技法である。MRIでMSをモニタリングする際の典型的な基準としては、大脳半球及び脳室周囲区域における異常な白質の斑状区域の外観、小脳及び/または脳幹、ならび頸髄領域または胸髄領域に存在する病巣が挙げられる。

誘発電位を用いて、対象のMSの進行及び改善をモニタリングしてもよい。誘発電位によって、視覚誘発反応(VER)、脳幹聴覚誘発反応(BAER)及び体性感覚誘発反応(SSER)などにおける電気インパルスの遅延を測定する。異常な反応は、中枢感覚経路における伝導速度の低下が見られることを示唆する助けとなる。

歩行モニタリングを用いて、MSの対象の疾患の進行及び改善をモニタリングすることもできる。MSは、部分的には疲労感が原因で、運動機能障害及び歩行異常を伴うことが多い。モニタリングは、例えば、対象が装着した携帯式モニタリングデバイスを使用することによって行ってよい(Moon,Y.,et al.,Monitoring gait in multiple sclerosis with novel wearable motion sensors,PLOS One,12(2):e0171346(2017))。

iii.ハンチントン病 当業者に周知の技法を用いて、認知と関連する症状の改善をモニタリングすることに加えて、ハンチントン病(HD)と関連する神経変性の進行または改善をモニタリングできる。モニタリングは、例として、以下に限らないが、運動機能評価、行動評価、機能評価及び画像診断のような技法を通じて行うことができる。

疾患の進行または改善の指標としてモニタリングし得る運動機能の例としては、舞踏病及びジストニア、固縮、運動緩徐、眼球運動機能不全、ならびに歩行/バランスの変化が挙げられる。これらの指標のモニタリングを行う技法は、当業者に周知である(Tang C,et al.,Monitoring Huntington’s disease progression through preclinical and early stages,Neurodegener Dis Manag 2(4):421−35(2012)を参照されたい)。

HDの精神作用によって、疾患の進行及び改善をモニタリングする機会が得られる。例えば、対象が、抑うつ症状、被刺激性、焦燥感、不安感、感情鈍麻、及びパラノイアを伴う精神病に罹患しているか判断するために、精神医学的診断を実施し得る(上記文献)。

機能評価を用いて、疾患の進行または改善をモニタリングしてもよい。総機能スコア法が報告されており(上記文献)、一部のHD群では、年間1ポイントずつ低下することが多い。

MRIまたはPETを用いて、疾患の進行または改善をモニタリングしてもよい。例えば、HDでは、線条体投射ニューロンの喪失が見られ、対象において、これらのニューロンの数の変化をモニタリングし得る。HDの対象のニューロンの変化を判断する技法としては、ドーパミンD2受容体の結合を画像化することが挙げられる(上記文献)。

iv.ALS 当業者に周知の技法を用いて、認知と関連する症状の改善をモニタリングすることに加えて、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と関連する神経変性の進行または改善をモニタリングできる。モニタリングは、例として、以下に限らないが、機能評価、筋力の判定、呼吸機能の測定、下位運動ニューロン(LMN)の喪失の測定及び上位運動ニューロン(UMN)の機能不全の測定のような技法を通じて行うことができる。

機能評価は、眼球機能、四肢機能及び呼吸機能に関連する症状を評価するALS機能評価スケール(ALSFRS−R)のように、当業者に周知の機能スケールを用いて実施できる。その変化速度は、生存期間、及び疾患の進行または改善の予測に有用である。別の尺度としては、Combined Assessment of Function and Survival(CAFS)(生存期間と、ALSFRS−Rの変化を組み合わせることによって、対象の臨床転帰をランク付けしたもの)が挙げられる(Simon NG,et al.,Quantifying Disease Progression in Amyotrophic Lateral Sclerosis,Ann Neurol 76:643−57(2014))。

筋力は、複合的な徒手筋力テスト(MMT)によるスコア化を用いることを通じて検査及び定量し得る。この検査には、Medical Research Council(MRC)の筋力評価スケールを用いて、いくつかの筋肉群から得た測定結果を平均することが含まれる(上記文献)。他の技法の中では、ハンドヘルド型の筋力計(HHD)を用いてもよい(上記文献)。

携帯型の肺活量測定ユニットを用いて、呼吸機能評価を実施でき、疾患の進行または改善を予測するために、この評価を用いて、ベースラインにおける努力肺活量(FVC)を得ることができる。加えて、最大呼気圧、鼻腔吸気圧(SNIP)及び臥位FVCを求めて、疾患の進行/改善をモニタリングするために使用してもよい(上記文献)。

下位運動ニューロンの喪失は、ALSにおいて、疾患の進行または改善をモニタリングするために利用できる別の指標である。運動神経伝導検査で複合筋活動電位(CMAP)を測定することによって、神経生理学的指標を求めてよく、そのパラメーターとしては、CMAP振幅及びF波の波数が挙げられる(上記文献及びde Carvalho M,et al.,Nerve conduction studies in amyotrophic lateral sclerosis.Muscle Nerve 23:344−352,(2000))。下位運動ニューロン単位数(MUNE)も推定してよい。MUNEでは、個々の運動単位の、最大CMAP反応への寄与を推定することを通じて、筋肉に伝達を行う残存運動軸索の数を推定し、その数を用いて、疾患の進行または改善を判定する(Simon NGらの上記文献)。LMNの喪失を判断する追加の技法としては、神経興奮性の検査、電気インピーダンス筋運動記録法、及び筋超音波を用いて、筋肉の厚さの変化を検出する技法が挙げられる(上記文献)。

上位運動ニューロンの機能不全は、ALSにおいて、疾患の進行または改善をモニタリングするために利用できる別の指標である。機能不全を判定する技法としては、脳及び脊髄のMRIまたはPETスキャンを行う技法、経頭蓋磁気刺激法、及び脳脊髄液(CSF)中のバイオマーカーのレベルを求める技法が挙げられる。

v.緑内障 当業者に周知の技法を用いて、認知と関連する症状の改善をモニタリングすることに加えて、緑内障と関連する神経変性の進行または改善をモニタリングできる。モニタリングは、例として、以下に限らないが、眼内圧を求める技法、視神経円板または視神経乳頭の損傷の評価、周辺視野の欠損に関する視野検査、ならびに局所解剖学的解析のために、視神経円板及び網膜を画像化する技法のような技法を通じて行うことができる。

vi.進行性核上麻痺(PSP) 当業者に周知の技法を用いて、認知と関連する症状の改善をモニタリングすることに加えて、進行性核上麻痺(PSP)と関連する神経変性の進行または改善をモニタリングできる。モニタリングは、例として、以下に限らないが、機能評価(日常生活活動、すなわちADL)、運動評価、精神症状の判定、体積測定核磁気共鳴画像法(MRI)及び機能的MRIのような技法を通じて行うことができる。

自立、他者への部分的な依存、または完全な依存についての、対象の機能レベルは、この疾患の進行または改善を判断するために有用であり得る(Duff,K,et al.,Functional impairment in progressive supramuclear palsy,Neurology 80:380−84,(2013)を参照されたい)。進行性核上麻痺評価スケール(PSPRS)は、日常活動(履歴ごと)、行動、眼球、眼球運動、四肢運動及び歩行/体幹という6つのカテゴリーに28個の指標を含む評価スケールである。その結果は、0〜100の範囲のスコアである。6つの項目には、0〜2のスコアが付けられ、22個の項目には、0〜4のスコアが付けられ、得られ得る合計スコアは100である。PSPRSスコアは、実用的な手段、かつ患者の生存期間の堅実な予測指標である。PSPRSスコアは、疾患の進行に敏感であり、疾患の進行または改善をモニタリングするためにも有用である(Golbe LI,et al.,A clinical rating scale for progressive supranuclear palsy,Brain 130:1552−65,(2007))。

UPDRS(統一パーキンソン病評価スケール)のADL部分を用いて、PSPの対象において、機能活動を定量することもできる(Duff Kらの上記文献)。同様に、自立の評価には、シュワブ・イングランド日常生活活動スコア(SE−ADL)を用いることができる(上記文献)。加えて、UPDRSの運動機能部分は、PSP患者において、疾患の進行を評価するための信頼できる尺度として有用である。この運動部分は、例えば、PSP患者において、運動機能を定量するための27個の異なる尺度を含み得る。これらの尺度の例としては、安静時振戦、固縮、指タップ運動、姿勢及び歩行が挙げられる。対象の疾患の進行または改善は、熟練の医療従事者によって実施される、ベースラインでの神経心理学的評価を実施することによって評価してもよく、その評価では、神経精神目録(NPI)を用いて、異常行動(例えば、妄想、幻覚、焦燥感、抑うつ症状、不安感、多幸感、感情鈍麻、脱制止、被刺激性及び異常運動行動)の頻度及び重症度を判断する(上記文献)。

機能的MRI(fMRI)を採用して、疾患の進行及び改善をモニタリングすることもできる。fMRIは、特定の脳領域の脳活動の変化を測定するために、通常は、それらの領域への血流に基づき、MRIを用いる技法である。血流は、脳領域の活性化と相関するとみなされている。MRIスキャナーでスキャンする前またはスキャンしている最中に、PSPのような神経変性障害の患者に対して、身体的または精神的検査を実施できる。例として、以下に限らないが、検査は、充分に確立された力制御パラダイムであることができ、このパラダイムでは、患者に、PSPによる影響が最も大きい手に力を入れるように指示し、検査を行った直後に、fMRIによって、最大随意収縮(MVC)を測定する(Burciu,RG,et al.,Distinct patterns of brain activity in progressive supranuclear palsy and Parkinson’s disease,Mov.Disord.30(9):1248−58(2015))。

体積測定MRIは、MRIスキャナーによって、局所脳体積の体積差を求める技法である。この技法は、例えば、異なる障害を対比することによって、または時間の経過とともに、患者の脳領域の体積差を求めることによって行ってよい。体積測定MRIは、PSPのような神経変性障害において、疾患の進行または改善を判断するために用いてもよい。この技法は、当業者に周知である(Messina D,et al.,Patterns of brain atrophy in Parkinson’s disease,progressive supranuclear palsy and multiple system atrophy,Parkinsonism and Related Disorders,17(3):172−76(2011))。測定し得る大脳領域の例としては、頭蓋内体積、大脳皮質、小脳皮質、視床、尾状核、被殻、淡蒼球、海馬、扁桃体、側脳室、第3脳室、第4脳室及び脳幹が挙げられるが、これらに限らない。

vii.神経新生 神経新生を評価するための非侵襲的な技法が報告されている(Tamura Y.et al.,J.Neurosci.(2016)36(31):8123−31)。BBBトランスポーター阻害剤であるプロベネシドと組み合わせて、トレーサーである[18F]FLTとともに使用するポジトロン断層撮影法(PET)によって、脳の神経形成領域にトレーサーを蓄積可能になる。これを画像診断することによって、神経変性疾患の治療を受けている患者において、神経新生を評価可能になる。

viii.パーキンソン病及び運動機能 PDの進行の評価には、いくつかの評価スケールが用いられている。特に広く用いられているスケールとしては、統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS、1987に導入)(J.Rehabil.Res.Dev.,2012 49(8):1269−76)及びホーン・ヤールスケール(Neurology,1967 17(5):427−42)が挙げられる。追加のスケールとしては、Movement Disorder Society(MDS)の最新のUPDRSスケール(MDS−UPDRS)及びシュワブ・イングランド日常生活活動(ADL)スケールが挙げられる。

UPDRSスケールでは、(1)精神機能、行動及び気分、(2)日常生活活動、ならびに(3)運動機能検査という3つのサブスケールに分かれた31項目を評価する。ホーン・ヤールスケールでは、0(疾患の徴候なし)、1(片側のみ症状あり)、1.5(症状は片側であるが、頸部及び脊椎にも伴う)、2(症状は両側にあるが、バランス機能障害はなし)、2.5(両側に軽度の症状があり、「プル」テストを行った場合に立ち直る)、3(バランス機能障害とともに、軽度〜中度の疾患あり)、4(重度の障害があるが、補助なしで歩行または起立できる)、及び5(補助がなければ、車椅子を必要とするか、または寝たきりである)という、それぞれサブステージを有する5つのステージにPDを分類する。シュワブ・イングランドスケールでは、いくつかのパーセンテージ(100%(完全に自立している)〜10%(完全に依存している))にPDを分類する。

総合運動機能スケール(GMF)を含め、広く用いられているスケールを用いて、総合運動機能を評価できる。このスケールでは、依存性、疼痛及び不安定性という3つの項目を検査する(Aberg A.C.,et al.(2003)Disabil.Rehabil.2003 May 6;25(9):462−72)。運動機能は、家庭でのモニタリングまたはウェラブルセンサーを用いて評価することもできる。例えば、歩行(自発運動速度、ばらつき、脚の固縮)は、加速度計によって、姿勢(体幹の傾斜)は、ジャイロスコープによって、脚の動作は、加速度計によって、手の動作は、加速度計及びジャイロスコープによって、振戦(振幅、頻度、期間、左右差)は、加速度計によって、転倒は、加速度計によって、すくみ足は、加速度計によって、ジスキネジアは、加速度計、ジャイロスコープ及び慣性センサーによって、運動緩徐(期間及び頻度)は、加速度計及びジャイロスコープによって、失語(ピッチ)は、マイクロホンを用いて感知できる(Pastorino M,et al.,Journal of Physics:Conference Series 450(2013)012055)。

l.試薬、装置及びキット 上記の方法のうちの1つ以上を実施するための試薬、装置及びそのキットも提供する。本発明の試薬、装置及びそのキットは、大きく変動し得る。該当する試薬及び装置には、対象における式1の化合物の投与方法に関して上述したものが含まれる。

上記の成分に加えて、本発明のキットはさらに、本発明の方法を実施するための説明を含むことになる。これらの説明は、本発明のキットに、様々な形態で提供してよく、その1つ以上は、キット内に提供してよい。これらの説明を提供し得る形態の1つは、好適な媒体または基材に印刷した情報、例えば、情報が印刷されている1枚または複数枚の紙として、キットの包装内、挿入文書内などに提供し得る。さらに別の手段は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、CD、携帯型のフラッシュドライブなどであろう。提供し得るさらに別の手段は、リモートサイトの情報にアクセスするインターネットを介して使用し得るウェブサイトアドレスである。キットには、いずれかの利便的な手段を提供し得る。

下記の実施例は、例示として示されており、限定するものではない。

a.医薬調製物 認知症または神経変性疾患の対象に投与する医薬組成物であって、上記の化合物、共結晶及び塩で構成される医薬組成物は、米国特許出願公開第2013/0266646号、同第2016/0081998号、米国特許第8,278,302号、同第8,653,075号、同第RE45323号、同第8,742,115号、同第9,233,950及び同第8,680,280号に開示されている例を用いて、合成、作製及び調合でき、これらの特許は、参照により、その全体が本明細書に援用される。さらに、その医薬組成物は、下記の実施例に記載されているようにして調製し得る。

1.錠剤製剤−湿式造粒法 コポビドンをエタノールに周囲温度で溶解して、造粒液を作製する。活性なCCR3アンタゴニスト成分、ラクトース及びクロスポビドンの一部を好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスを造粒液で湿らせた後、造粒する。湿った顆粒を任意に、目開き1.6〜3.0mmの篩にかける。その顆粒を45℃において、好適なドライヤーで乾燥して、乾燥により1〜3%の水分が失われた残存水分量にする。乾燥した顆粒を、目開き1.0mmの篩にかける。その顆粒をクロスポビドンの一部及び微結晶性セルロースとともに、好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

2.錠剤製剤−溶融造粒法 活性なCCR3アンタゴニスト成分、ラクトース、mccの一部、ポリエチレングリコール、ラクトース及びクロスポビドンの一部を好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスを高せん断ミキサー内で加熱してから造粒する。その高温の顆粒を室温まで冷却し、目開き1.0mmの篩にかける。その顆粒をクロスポビドンの一部及び微結晶性セルロースと好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

3.錠剤製剤−熱溶融造粒法 活性なCCR3アンタゴニスト成分、マンニトール、ポリエチレングリコール及びクロスポビドンの一部を好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスを高せん断ミキサー内で加熱してから造粒する。その高温の顆粒を室温まで冷却し、目開き1.0mmの篩にかける。その顆粒をクロスポビドンの一部及びマンニトールと好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

4.錠剤製剤−熱溶融押し出し法 活性なCCR3アンタゴニスト成分及びステアリン酸−パルミチン酸を好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスを二軸押出機で押し出してから造粒する。その顆粒を目開き1.0mmの篩にかける。その顆粒をマンニトール及びクロスポビドンと好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

5.錠剤製剤−熱溶融押し出し法 活性なCCR3アンタゴニスト成分及びステアリン酸−パルミチン酸を好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスを二軸押出機で押し出してから造粒する。その顆粒を目開き1.0mmの篩にかける。その顆粒を直接、硬カプセル剤に充填する。下記のカプセル剤組成物を得ることができる。

6.錠剤製剤−ローラー圧縮 活性なCCR3アンタゴニスト成分、マンニトール及びクロスポビドンの一部、ならびにステアリン酸マグネシウムを好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスをローラーコンパクターで圧縮してから造粒する。任意に、その顆粒を目開き0.8mmの篩にかける。その顆粒をマンニトール及びクロスポビドンの一部と好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

7.錠剤製剤−ローラー圧縮 活性なCCR3アンタゴニスト成分及びステアリン酸マグネシウムを好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスをローラーコンパクターで圧縮してから造粒する。任意に、その顆粒を目開き0.8mmの篩にかける。その顆粒をマンニトール及びクロスカルメロースナトリウムと好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

8.錠剤製剤−ローラー圧縮 活性なCCR3アンタゴニスト成分及びステアリン酸マグネシウムを好適なミキサーで混和して、プレミックスを作製する。そのプレミックスをローラーコンパクターで圧縮してから造粒する。任意に、その顆粒を目開き0.8mmの篩にかける。その顆粒を微結晶性セルロース及びクロスポビドンと好適なミキサーで混和する。整粒のために、1.0mmの篩にかけた後、この混和物にステアリン酸マグネシウムを加える。その後、好適なミキサーで最終混和することによって、最終混和物を作製し、圧縮して錠剤にする。下記の錠剤組成物を得ることができる。

9.コート錠製剤 上述の製剤による錠剤核を用いて、フィルムコート錠を作製できる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を精製水に好適なミキサーで、周囲温度において懸濁して、コーティング懸濁液を作製する。錠剤核をそのコーティング懸濁液でコーティングして、重量が約3%増加するようにして、フィルムコート錠を作製する。下記のフィルムコーティング組成物を得ることができる。

b.薬物の調合及び投与 下記の化学構造に一致した、本発明の治験品(化合物1)

当業者であれば、上記の節ですでに説明した化合物、共結晶、塩及び製剤をこれらの実施例でも使用できることを認識する。

化合物1は、両凸の円形または楕円形で、暗赤色である100mg、200mg及び400mgのフィルムコート錠として提供した。この錠剤は、乾式造粒プロセスによって作製し、不活性成分として、微結晶性セルロース、リン酸水素、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、タルク、酸化鉄赤及び酸化鉄黄を含めた。治験品に対応するプラセボ錠は、直接圧縮プロセスによって作製し、同じ不活性成分を含めた。

c.前臨床実施例 1.材料及び方法 (a)皮下埋入型浸透圧ポンプ 37℃でのプライミングを可能にするとともに、処置の盲検を可能にするために、埋入の前日に、Alzet製ミニポンプの充填及び調製を行い、マウスID番号を付した。ポンプを背中に、肩甲骨の少し後方かつ体幹の少し側方に埋入した。誘導チャンバー内で、気化器及び調節器を用いて、マウスを3〜5%イソフルランで麻酔してから、手順実施区域に移動し、ノーズコーンを取り付けて、1〜3%イソフルランで麻酔を維持した。眼軟膏剤を眼に塗布して、乾燥を防いだ。マウスに、メロキシカムを5mg/kg皮下注射した。鋭利な小型のハサミを用いて、切開区域の毛を切り取り、70%イソプロパノール及びベタダインを交互に塗布することによって、その区域を消毒した。0.5〜1cm切開し、止血鉗子を挿入して皮下組織を広げて、ポンプのための空間を作製した。その空間にポンプを挿入し、創傷クリップで閉創した。すべての手術道具は、手術日に、最初に使用する前にオートクレーブ処理した。その後、マウス間で、ガラスビーズ滅菌器で器具を滅菌した。マウスは、完全に回復して、移所運動を見せるまで、部分的に加温パッドの上に置かれた清浄な回復ケージに入れた。足指ピンチ法及び呼吸のモニタリングによって、マウスの麻酔導入を検査した。マウスは、手術後、回復するまで15分おきにモニタリングした。翌日、マウスに2回目の用量のメロキシカムを投与した。感染の徴候が観察されたら、感染が消失するまで、マウスにBaytrilを5mg/kg、皮下投与した。

(b)オープンフィールド試験 オープンフィールドを用いて、新規環境での全体的な自発運動活性及び探索行動を評価する。試験前に、実験室の条件(薄暗い照明)に馴化するために、マウスを実験室に少なくとも30分入れる。試験アリーナは、50cm×50cmの正方形アリーナからなる。マウスをアリーナの中央に入れ、15分追跡する。立ち上がり行動とともに、周囲部及び中心部で過ごした時間を解析する。試行間には、70%エタノールを用いて、すべての面を消毒する。

(c)Y字迷路 大型Y字迷路試験では、特定の状況の把握の短期記憶を評価する。試験前に、実験室の条件(薄暗い照明)に馴化するために、マウスを実験室に少なくとも30分入れる。最初の訓練試行では、大型Y字迷路のアームのうち、「開始アーム」(アーム長:15インチ)に定めた1本のアームの末端にマウスを置く。迷路の第3のアームを閉鎖し、マウスが、3本のアームのうちの2本(「開始アーム」及び「既知アーム」)を5分間、自由に探索できるようにする。各アームには、空間的手がかりが設けられている。1時間後、マウスを迷路の「開始アーム」に戻し、開放した第3のアーム(「新規アーム」)を含む3本のすべてのアームを探索させる。自動追跡ソフトウェア(CleverSys)を用いて、各アームを出入りする動作を追跡する。試験は、薄暗い照明の下で行い、試行間に、器具を70%エタノールで消毒する。

(d)バーンズ迷路 修正を加えたバーンズ迷路を用いて、空間作業/エピソード的学習及び記憶を評価した。バーンズ迷路装置は、40個の退避穴が開いた直径122cmの円形プラットフォームからなり、その穴はそれぞれ、直径5cmで、プラットフォームの中心からの距離が異なる3つの輪に沿って配置されている。穴の1つに退避ボックスを取り付け、すべての穴を開いた状態のままにする。迷路上に、明るい光及び扇風機を向けて嫌悪刺激を与え、退避を促す。迷路の4つの端のすべてに、視覚的手がかりを配置する。マウスに対して、一連の4試行または5試行を行い、試行間には、約10分の間隔を置き、それぞれの試行の最長期間は、90秒または120秒である。各試行の際に、マウスを迷路の中心に置く。10秒後、マウスを探索させ、マウスが退避ボックスを発見して、そのボックスに入った場合には、試行の終了時間前に、試行を終了させる。退避ボックスを発見できないマウスは、退避ボックスに誘導して、退避ボックスに入るようにし、30秒、留まらせてから、そのホームケージに戻す。訓練は4日間実施する。記録及び解析するデータには、速度、逃避潜時及び移動距離が含まれる。

処置群を均衡させた状態で、マウスを1群あたり4〜5匹の群に分ける。例えば、群1のマウスで4試行を行ってから、群2のマウスで4試行を行い、すべての群の試験が終わるまで、これを続ける。試行間には、70%エタノールを用いて、アリーナを消毒する。

(e)ローターロッド マウスをローターロッドで3試行、各回で最長100秒間訓練した(ローターロッドは、運動協調性の試験である)。最後の試行で、成功または失敗を記録した(90秒超の落下潜時を成功とした)。二項検定を行って、コントロールマウス及び化合物処置マウスの成功率を比較した。

(f)T字迷路 試験の少なくとも24時間前に、水迷路に水を充填し、水が室温に達するようにした。水を白色ラテックス塗料で染色して、追跡の際に、マウスが見えるようにするとともに、隠れたプラットフォームの使用を可能にした。挿入したT字迷路のT字アームの両方の末端に、2つの別個の視覚的手がかりを配置した。1日目に、マウスに対して4試行を行い、それぞれの試行では、見えるプラットフォームを使用し、試行間には、30分の間隔を置いた。マウスに60秒間与えて、プラットフォームに到達させた。その時間内にプラットフォームに到達しなかった場合には、プラットフォームまで誘導し、5秒間、留まらせてから、タンクから出した。3匹目のマウスの後、毎回、ゴールアームを切り換え、両方の処置群で、右折側のゴールアームと左折側のゴールアームとの数が同じになるようにした。各試行後に、青色のパッドを敷いた空のケージにマウスを入れ、赤色光ランプの下で乾かしてから、ホームケージに戻した。2日目は試験日であり、マウスに対して、隠れたプラットフォームを用いた以外は、同じ試験をそれぞれ4試行実施し、試行間に、30分の間隔を取った。選択の正誤、及びプラットフォームに到達するまでの潜時について、マウスをスコア化し、二項検定を行って、コントロールマウス及び化合物処置マウス間で成功率を比較した。TopScanを用いて、すべての試行を記録した。

(g)タンパク質の定量 マウス血漿のCCL11タンパク質レベルをサンドイッチELISAによって測定した。このアッセイのために、血漿を1:10に希釈した(Mouse CCL11/Eotaxin Duo Set ELISA Kit、R&D Systems,Minneapolis,MN)。

ヒト血漿から得たヒトCCL11をSomaLogicのアプタマーベースのアッセイ(SomaLogic,Inc.,Boulder,COのSOMAscan)によって測定した(Gold L,et al.(2010).Aptamer−Based Multiplexed Proteomic Technology for Biomarker Discovery.PLOS ONE 5(12):e15004)。

マウス血漿から得た循環サイトカインのパネルをLuminexによって解析した。Luminex Assay Serviceは、Eve Technologies(Calgary,Alberta,Canada)が実施した。

(h)mRNAの定量 急速凍結した片側脳を皮質、海馬、線条体及び視床に切開した。皮質を3つの均質な部分に分け、1つの部分をRNAの単離に用いた。RNAは、Prolink RNA Mini Kit(Thermo Fisher Scientific #12183025)を用いて単離した。Taqman RT Kit(Thermo Fisher Sci #N8080234)を用いて、cDNAを作製した。IL−1β及びGAPDHについて、カスタムメイドのTaqman Multiplex Primerを用いて、Quant Studio 6でqPCRを行った。すべてのサンプルに対して、1枚のプレートで実施し、ddCTについて、最初は、その内在性コントロールと比較し、その後、コントロール群と比較して解析した。

(i)化合物1のHPLC/MSによる定量 Quintara(Hayward,CA)によるMS/MSによって化合物レベルを測定した。

(j)フロー解析 好酸球数 灌流中に200uLの全血を採取し、FACS(蛍光活性化セルソーター)による、好酸球数の血液学的解析のために、Charles River Clinical Pathology Services(Shrewsbury,MA)に送付した。

好酸球の形態変化(ESC) ESCでは、ヒトエオタキシン−1(PreProTech,Rocky Hill,New Jersey)によって活性化する、ヒト好酸球の形態変化を、天然の好酸球と比べて判断する。この変化は、FACS(蛍光活性化セルソーター)によって測定される前方散乱の変化として検出する。各トリプリケートサンプル群の平均と併せて、各サンプルにおける自己蛍光(好酸球)集団の前方散乱光の平均を求めた。ESCを求める方法は、以前に説明されており、当該技術分野において知られている。

CCR3受容体のインターナリゼーション CCR3受容体インターナリゼーションアッセイは、FACSをベースとしており、ヒトエオタキシン−1(PreProTech,Rocky Hill,New Jersey)、及びAPCで標識した抗ヒトCCR3抗体(R&D Systems,Minneapolis,Minnesota)、またはアイソタイプコントロールIgG2A抗体を用いて、ヒト好酸球において、ヒトエオタキシン−1によって誘導される、CCR3受容体のインターナリゼーションを、ナイーブ好酸球と比較してモニタリングする。各トリプリケートサンプル群の平均とともに、各サンプルにおけるAPC蛍光強度単位の中央値を求めた。CCR3受容体のインターナリゼーションをモニタリングする方法は、以前に説明されており、当該技術分野において知られている。

(k)組織像 行動試験の終了の翌日に、マウスを解剖した。麻酔を2,2,2−トリブロモエタノールによって誘導し、その後、マウスに、0.9%生理食塩水を経心灌流した。脳を切開し、矢状方向に切断して二等分した。その片方は、後で使用するために備えて、ドライアイスで急速凍結し、もう一方は、免疫組織化学解析で使用するために、PBS中の4%パラホルムアルデヒドで固定した。固定から2日後に、片側脳をPBS液中の30%スクロースに移したところ、2日後に変化した。−22℃のミクロトーム上で、片側脳を30umで切片にした。脳切片は、染色のために必要となるまで、凍結保護媒体中で、−20℃で保存した。PBST0.5%中に10%血清の適切な血清中の遊離浮遊切片上で、ブロッキングを行った。一次抗体を一晩、4Cでインキュベートした。光学顕微鏡観察では、下記の抗体を所定の濃度で使用した(DCX(1:200、Santa Cruz BioTech)、CD68(1:1000、AbD Serotec))。翌日、二次ビオチン化抗体を1:300の濃度で適用した。ABC Kit(Vector)及びジアミノベンジジン(Sigma)を用いた反応によって、染色による可視化を行った。エタノール及びキシレンへの浸漬を用いて、取り付けられているスライドの脱水を行った。Leica製光学顕微鏡で、5倍の倍率で画像を得た。

蛍光顕微鏡観察では、下記の抗体を所定の濃度で使用した(GFAP(1:500、DAKO)、Iba1(1:1000、Wako)、及びBrdU(1:500、AbCam))。BrdUでは、ブロッキングの前に、抗原回復プロトコールが必要であった(2N HCl、37C、30分)。翌日に、適切な蛍光二次抗体を1:300の濃度で1時間、室温で適用した。Prolong Gold Mounting Mediaを用いて、スライドをカバースリップした。光学顕微鏡で、5倍の倍率で画像を得た。

2.実験群 第1の実験群(図1〜2を参照):2ケ月齢または18ケ月齢C57Bl/6マウスに、2週間または4週間のいずれかで、IgG抗体コントロールを腹腔内注射によって投与するか、または化合物1をAlzet製浸透圧ポンプによって皮下投与するかした。処置の最後の週においては、処置の最終日に灌流を行う前に、マウスに対して行動試験を行った。処置開始の直前に、すべてのマウスに、5日連続で、BrdUを150mg/kgで腹腔内注射した。

薬物の調合:コントロールのラットIgG2Aクローン54447(MAB006、R&D Systems)は、滅菌生理食塩水中で、50ug/kgで投与した。化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。液剤は、毎週新たに調製し、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(若齢コントロール):1〜2ケ月齢の若齢C57BL/6マウス(n=18)に、コントロールのIgGを5回、腹腔内(IP)注射した(14日間にわたって、3日に1回注射した)。 ・処置群2(高齢コントロール):18ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=18)に、コントロールのIgGを5回、腹腔内(IP)注射した(14日間にわたって、3日に1回注射した)。 ・処置群3(高齢群における化合物1(用量1)):18ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=16)に、約50mg/mlの化合物1をAlzet製ミニポンプのモデル2001(1uL/時)によって、2週間、1回の補充で注入した。 ・処置群4(高齢群における化合物1(用量2)):18ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=16)に、約50mg/mlの化合物1をAlzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって、2週間注入した。 ・処置群5(高齢群における化合物1(用量2)):18ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=16)に、約50mg/mlの化合物1をAlzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって4週間、1回の補充で注入した。

18ケ月齢マウスで化合物1を4週間、皮下投与した場合に、海馬におけるダブルコルチン陽性細胞の数(神経新生の指標)が増加した(図1Aを参照)。高用量の化合物1を2週間投与した場合に、海馬におけるBrdU陽性細胞(細胞増殖マーカー)の増加傾向が見られた(図1Bを参照)。化合物1を2週間または4週間、低用量または高用量で注入した場合に、手がかり付きのY字迷路(記憶に関する試験)で改善が見られた(総相互作用時間に対して標準化した時間の割合(%)、及び訪問数が記録されている図2を参照されたい。総滞在時間を評価した場合にも、同様の作用が見られた)。化合物ではなく、IgG抗体で処置したコントロール群(処置群1及び2)との比較も行い、投与及び行動を並行して行った。

したがって、化合物1の投与によって、Dcx陽性細胞及びBrdU陽性細胞の数が増加し、これらはそれぞれ、化合物1によって、神経新生の増加及び細胞生存数が増加したことを示している。化合物1は、Y字迷路試験での行動によって立証されたように、記憶(認知)を改善することもできた。

第2の実験群(図3〜6を参照):3ケ月齢C57Bl/6マウスまたは16.5ケ月齢C57Bl/6マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかを、Alzet製浸透圧ポンプによって4週間、皮下投与した。処置の最後の週においては、処置の最終日に灌流を行う前に、マウスに対して行動試験を行った。処置開始の直前に、すべてのマウスに、5日連続で、BrdUを150mg/kgで腹腔内注射した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。液剤は、毎週新たに調製し、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(若齢コントロール):3ケ月齢の若齢C57BL/6マウス(n=19)に、ビヒクルをAlzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって4週間、1回の補充で注入した。 ・処置群2(高齢コントロール):16ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=19)に、ビヒクルをAlzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって4週間、1回の補充で注入した。 ・処置群3(高齢群における化合物1(用量2)):16ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=19)に、約50mg/mlの化合物1をAlzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって4週間、1回の補充で注入した。

16.5ケ月齢マウスで、化合物1を4週間、皮下投与した場合に、記憶に関する手がかり付きのY字迷路試験で、認知行動が改善した(図3を参照)。4週間、化合物1を投与した場合には、バーンズ迷路(海馬依存性の空間記憶に関する試験)でも、行動の改善傾向が見られた(図4を参照)。4日目の試行について、平均潜時を解析した際にも、13回目の試行及び16回目の試行間での潜時差においても、記憶の改善傾向が観察された。化合物1を4週間投与したところ、海馬におけるBrdU陽性細胞の数(神経新生の指標)も有意に増加した(図5を参照)。したがって、化合物1は、Y字迷路及びバーンズ迷路試験を用いて得られた結果によって立証されたように、細胞生存数の改善及び記憶(認知)の改善の両方を実現できた。

マウスにおける、化合物の脳脊髄液中レベル 2ケ月齢の「若齢」群及び16.5ケ月齢の「高齢」群の両方の脳脊髄液(CSF)を採取し、化合物1のレベルを質量分析によって求めた。図6は、若齢群及び高齢群の両方のマウスCSFで検出された、本発明の化合物のレベルを示している(いずれも、10nM未満であった)。これらのCSFレベルは、マウスにおける化合物のKi(124nM(細胞株での受容体の結合によって求めた値))からはかけ離れているので、有意な濃度で、血液脳関門(BBB)を通過することはない。比較のために、それぞれ、2週間及び4週間、0.5μL/時で50mg/mL溶液を灌流した若齢(2ケ月齢)マウス及び高齢マウス(18ケ月齢マウス)の血漿で測定した、本発明の化合物のレベルの方が、有意に高かったことから(2週間の場合には、352±31nM、4週間の場合には355±43nM(値は、平均±標準誤差である))、本発明の化合物が、有意な濃度ではBBBを通過できないことがさらに示されている。

このデータによって、化合物1が、CNSで直接作用せず、すなわち、末梢で作用することが示されている。加えて、BBBを通過する化合物1は、作用を及ぼすには不充分な濃度である。さらに、若齢マウスと高齢マウスとでは、BBB通過量に差はなく、化合物1が認知及び神経変性に対して及ぼす作用が、2つの群間でのBBBにおける差によるものではないことが示されている。

化合物の組織分布レベル [14C]で放射性標識した化合物1(「標識化合物」)を雄の有色C57BL/6JOlaHsdマウス(Harlan Labs,BV)に経口投与した後に、マウス組織における化合物1の分布を求めた。この標識化合物は、体重1kg当たり10mg(17μモル/kgに相当)で投与した。投与から1時間後、24時間後及び168時間に、1匹のマウスを殺処分した。液体シンチレーション計測(LSC)を用いて、血液、血漿及び眼の放射能濃度を測定した。全身オートラジオグラフィー法(QWBA)によって、組織中及び器官中濃度を求めた。マウスの全身切片の調製は、クリオスタットミクロトームのReichert−Jung CRYO MACROCUTまたはCRYO MACROCUT LEICA CM 36003を用いて、既知の技法(S.Ullberg,et al.,Autoradiography in Pharmacology in:The Int.Encyclopedia of Pharmacology,J.Cohen(Ed.),1(78):221−39(1971)を参照されたい)に従って行った。

放射能の定量的評価を可能にするために、包埋マウスの様々な水平面で、副腎、血液、骨髄、脳、眼(水晶体)、精巣上体、脂肪(白色及び褐色)、ハーダー腺、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、下垂体、膵臓、前立腺、脊髄、脾臓、唾液腺、皮膚、精巣、甲状腺、胸腺、眼球血管膜の切片、及び5〜7個の水平面で選択した全身切片を採取した。マウスごとに、選択した各水平面の切片を2枚採取し、それらの切片をミクロトームで、−20〜−25℃で、最低限でも48時間、凍結乾燥した。

図7は、3つのすべての時点における曲線下面積(AUC)を記録した値の表を示しており、化合物の投与後の、各組織の標識POIに対する暴露量が定量されている。図7には、化合物1が、有意なレベルで血液脳関門(BBB)を透過することがないことが示されている。

これらの結果によっても、化合物1がBBBをあまり高いレベルでは通過できないことから、末梢で作用することが示されている。したがって、化合物1の作用は、直接、中枢神経系に及ぶものではなく、多くのCNS疾患ターゲティング医薬候補の失敗を引き起こしてきた困難な課題を克服する。

経口投与における薬物動態プロファイル 雄の2ケ月齢C57Bl/6マウスから得た血漿において、化合物1の濃度を、30mg/kg及び150mg/kgの2つの用量で強制経口投与してから20分後、2時間後、8時間後及び12時間後の時点で測定した。30mg/kgの用量は、化合物1の濃度を8時間、100nM超にするために充分であることが明らかになった(図8)。

第3の実験群(図9〜11を参照):2ケ月齢C57Bl/6マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかを強制経口投与によって、1日に2回、18日間投与した。処置の最後の週においては、処置の最終日に灌流を行う前に、マウスに対して行動試験を行った。処置開始の直前に、すべてのマウスに、5日連続で、BrdUを150mg/kgで腹腔内注射した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。液剤は、毎週新たに調製し、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1a(ビヒクルによる処置):7週齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を18日間、経口(PO)投与し、ただし、最終日には1度だけ注射を行い、合わせて35回投与した。 ・処置群1b(化合物1による処置):7週齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで18日間、経口(PO)投与し、ただし、最終日には1度だけ注射を行い、合わせて35回投与した。 ・処置群2a(ビヒクルによる、rmCCL11との併用処置):7週齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を18日間、経口(PO)投与し、ただし、最終日には1度だけ注射を行い、合わせて35回投与した。マウスには同時に、rmCCL11を、処置の1日目から3日おきに、末梢注射(IP)で投与し、合わせて5回注射した。 ・処置群2b(化合物1による、rmCCL11との併用処置):7週齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで18日間、経口(PO)投与し、ただし、最終日には1度だけ注射を行い、合わせて35回投与した。マウスには同時に、rmCCL11を、処置の1日目から3日おきに、末梢注射(IP)で投与し、合わせて5回注射した。

組み換えマウスCCL11(「rmE」)による処置によって、オープンフィールドにおいて、不安感が有意に悪化したが、化合物1を2週間、1日に2回、経口投与したところ、不安感が改善された(図9を参照)。rmCCL11は、Y字迷路において、記憶を低下させたが、化合物1で処置したマウスでは、コントロールマウスとの有意差は見られなくなった(図10を参照)。rmCCL11は、バーンズ迷路においても記憶を低下させ、化合物1による処置によって、記憶行動が有意に改善された(図11を参照)。したがって、rmEは、オープンフィールド試験による不安感、ならびにY字迷路路試験及びバーンズ迷路試験で測定した行動によって立証されたような記憶の両方を悪化させた。しかしながら、化合物1による処置によって、これらの作用を減弱できた。

第4の実験群(図12を参照):23ケ月齢C57B1/6マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかを強制経口投与によって1日に2回、19日間投与した。11日間の処置後、マウスに対して、Y字迷路試験を行った。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(ビヒクルによる処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=8)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を19日間、強制経口投与(PO)した。 ・処置群2(化合物1による処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=11)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで19日間、強制経口投与(PO)した。

化合物1で処置した場合には、Y字迷路において、記憶が有意に改善された。化合物1で処置したマウスでは、訪問数で、新規アームに関する記憶が正常であることが示された(図12A)。化合物1によって処置した場合には、試験中のマウスの移動距離も有意に増大した(図12B)。

第5の実験群(図13〜17を参照):23ケ月齢C57B1/6マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかを1日に2回、21日間皮下投与した。3週間後、マウスに対して行動試験を行い、最後の行動試験の翌日に殺処分した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1b(ビヒクルによる処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=9)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を21日間、皮下(SQ)投与した。 ・処置群4(化合物1による処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=17)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで21日間、皮下(SQ)投与した。

化合物1によって処置した場合には、Y字迷路及びバーンズ迷路において、記憶が有意に改善された。化合物1で処置したマウスでは、訪問数(図13A〜B)及び新規アームでの滞在時間(図13C〜D)の両方で、新規アームに関する記憶が正常であることが示された。化合物1によって処置した場合には、試験中のマウスの速度も有意に上昇した(図13E)。化合物1で処置したマウスの方が、バーンズ迷路での空間記憶に関する結果が有意に良く(図14A)、試験中の速度も上昇した(図14B)。オープンフィールドにおける自発運動活性も改善し、移動距離(図15A)も、速度(図15B)も、改善傾向が強かった。

マウスの血漿から、炎症性サイトカインのレベルをLuminexアッセイによって測定した(図16)。TNFa、IL6、IL1β、IL5及びIL17を含むいくつかの炎症マーカーの減少傾向が強かった。マウスの海馬において、IHC染色によって、活性化ミクログリアも定量した(図17)。化合物1によって処置したところ、ミクログリオーシスの減少傾向が強かった。

第6の実験群(図18を参照):23ケ月齢C57B1/6マウスに、ビヒクルコントロールまたは化合物1のいずれかを1日に2回、30日間、皮下投与してから、最後の注射日に殺処分した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1a(ビヒクルによる処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=9)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を30日間、皮下(SQ)投与した。 ・処置群3(化合物1による処置):23ケ月齢の高齢C57B1/6マウス(n=18)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで30日間、皮下(SQ)投与した。

化合物1によって処置した場合に、マウスのサブセット(n=2、5)において、FACS解析による血中好酸球数の減少傾向が強かった(図18)。

第7の実験群(図19を参照):3ケ月齢ヘアレスマウスを1日おきにオキサゾロン(Ox)で処置し、コントロールである生理食塩水または30mg/kgの化合物1を2週間、1日に2回、経口投与した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(ビヒクルによる処置):3ケ月齢ヘアレスマウス(n=3)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を2週間、強制経口投与(PO)した。 ・処置群2(ビヒクルによる処置及びオキサゾロンによる処置):3ケ月齢ヘアレスマウス(n=6)に、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を2週間、強制経口投与(PO)した。 ・処置群3(化合物1による処置及びオキサゾロンによる処置):3ケ月齢ヘアレスマウス(n=6)に、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで2週間、強制経口投与(PO)した。

全血液数(CBC)解析によれば、化合物1によって、オキサゾロンの誘導による、血中好酸球の増加が低減された。Nは、3、6、8であった。*は、p<0.05であり、**は、p<0.01である。好酸球増加症のオキサゾロン誘導性モデルでは、化合物1により、血中好酸球数が大幅に低下した(図19)。これにより、CCR3の阻害は、特に罹患状態において、好酸球のレベル及び機能を低下させるために充分であり得ることが示され、化合物1が、(脳の炎症の軽減に加えて、)ニューロンの喪失、ならびに関連する運動欠損及び認知欠損の治療に有効であり得る第2の機序が例証されている。

第8の実験群(図20〜22を参照):化合物1またはビヒクルを持続的に送達するために埋入したAlzet製浸透圧ポンプによって、24ケ月齢C57マウスに4週間、化合物1またはビヒクルを持続注入した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(高齢コントロール):23ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=15)に、Alzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって、ビヒクルを4週間、1回の補充で注入した。 ・処置群2(高齢群における化合物1(用量2)):23ケ月齢の高齢C57BL/6マウス(n=15)に、Alzet製ミニポンプのモデル2002(0.5uL/時)によって、約50mg/mLの化合物1を4週間、1回の補充で注入した。

マウスをローターロッドで、運動協調性について試験した。最後の試行で、成功または失敗を記録し、90秒超の落下潜時を成功とした。二項検定によると、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも多く成功した。Nはそれぞれ15匹であり、*は、p<0.05である。3回連続で試行を行った後、ロッドに90秒(閾値)よりも長く留まることができた割合は、化合物1処置マウスの方が高く(47%)、留まることができたコントロール処置マウスは、20%に過ぎなかった(図20)。これらの結果から、エオタキシン評価モデルにおいて、化合物1には、運動機能に対する一貫した作用があることが示唆されている。

マウスをT字迷路で、認知機能について試験した(図21)。正しいアームに入ることに成功または失敗した数を記録した。二項検定によると、化合物1処置マウスの方が、ビヒクル処置マウスよりも多く成功した。*は、p<0.05である。

一晩、糞ペレットの乾燥重量を秤量することによって、糞量を測定した(図22)。消化管機能は、パーキンソン病の周知の症状である。同じ期間にわたって、水及び食料の摂取量を測定した。化合物1処置マウスでは、コントロールマウスと比較して、糞量が有意に少なかった。また、一晩の水摂取量が、コントロールマウスと比較して有意に多かった。*は、p<0.05である。これらの結果から、化合物1による処置によって、消化管機能の欠損を改変し得ることが示されている。

第9の実験群(図23を参照):3ケ月齢C57マウスに、リポ多糖(LPS)を1回、10mg/kgで腹腔内投与して炎症を誘導し、化合物1で18日間処置した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(ビヒクルによる処置):3ケ月齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、LPSを1回注射し、ビヒクルを1日に2回、18日間、強制経口投与した。 ・処置群2(化合物1による処置):3ケ月齢の若齢C57BL/6マウス(n=15)に、LPSを1回注射し、化合物1を30mg/kgで1日に2回、18日間、強制経口投与した。

CD68+活性化ミクログリアの検出のために、脳切片を免疫染色した。化合物1処置マウスでは、ビヒクル(生理食塩水)処置マウスとは対照的に、CD68+免疫活性の有意な低下(活性化ミクログリアの減少)が見られた(図23)。Nは、9、10、8である。*は、p<0.05である(一元ANOVAによる)。

このデータによって、化合物1の強力な抗神経炎症作用とともに、神経変性、認知機能低下または運動機能低下を呈する疾患において、神経炎症によって誘導される、ニューロンに対する毒性を低減する潜在的な治療能力が示されている。

第10の実験群(図24〜29を参照):3ケ月齢C57マウスに毎日、リポ多糖(LPS)を0.5mg/kgで腹腔内投与して炎症を誘導し、4週間まで化合物1で処置した。

薬物の調合:化合物1は、40%HP−β−シクロデキストリン中で調合し、NaOH(1M)によってpH6.5に調整した。同様にして、ビヒクル溶液を調合及びpH調整した。Kolliphorを各溶液に10%で毎週加え、4℃で保存した。

処置群: ・処置群1(ビヒクルによる処置):3ケ月齢C57マウス(n=10)に毎日、LPSを7週間腹腔内注射し、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を4週間まで強制経口投与(PO)した。 ・処置群2(ビヒクルによる処置及びオキサゾロンによる処置):3ケ月齢C57マウス(n=10)に毎日、LPSを7週間、腹腔内注射し、1日に2回(BID)、ビヒクル溶液を4週間まで強制経口投与(PO)した。 ・処置群3(化合物1による処置及びオキサゾロンによる処置):3ケ月齢C57マウス(n=9)に毎日、LPSを7週間、腹腔内注射し、1日に2回(BID)、化合物1を30mg/kgで、4週間まで強制経口投与(PO)した。

図24Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図24Bのアッセイを行った時点を表している。化合物1による処置から1週間後に、オープンフィールド試験で、不安感を試験した(図24B)。LPSで処置した場合には、オープンフィールドにおいて、不安感が有意に増大し、化合物1によって、不安感の増大が著しく低減された(*は、p<0.05である)。

図25Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図25Bのアッセイを行った時点を表している。化合物1による処置から3週間後に、Y字迷路で認知を試験した(図25B)。LPSで処置したマウスでは、新規アームに対する有意な嗜好は見られなかった。しかしながら、化合物1処置マウスでは、ビヒクル処置マウスと同様に、新規アームに対する有意な嗜好が見られた(*は、p<0.05であり、**は、p<0.01である)。

図26Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図26Bのアッセイを行った時点を表している。化合物1による処置から4週間後に、炎症性サイトカインIL−1βのmRNAレベルを定量PCRによって測定した(図26B)。LPS処置マウスでは、IL−1βレベルの上昇傾向が見られ、化合物1処置マウスでは、IL−1βの発現の有意な減少が見られた(*は、p<0.05である)。

図27Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図27Bのアッセイを行った時点を表している。CD68+活性化ミクログリアの検出のために、脳切片を免疫染色した。化合物1処置マウスでは、LPSのみで処置したマウスとは対照的に、CD68+免疫活性の大幅な低下(活性化ミクログリアの減少)が見られた(図27B)。

図28Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図28Bのアッセイを行った時点を表している。Iba1陽性ミクログリアの検出のために、脳切片を免疫染色した。化合物1処置マウスでは、LPSのみで処置したマウスとは対照的に、Iba1+免疫活性の大幅な低下(総ミクログリア数の減少)が見られた(図28B)。

図29Aには、第10の実験群に対する投与の枠組みが説明されている。四角で強調された枠組み部分は、図29Bのアッセイを行った時点を表している。GFAP陽性星状細胞の検出のために、脳切片を免疫染色した。化合物1処置マウスでは、LPSのみで処置したマウスとは対照的に、GFAP+免疫活性の大幅な低下(総星状細胞数の減少)が見られた(図29B)。

これらのデータによって、化合物1の強力な抗神経炎症作用とともに、神経変性、認知機能低下または運動機能低下を呈する疾患において、神経炎症によって誘導される、ニューロンに対する毒性を低減する潜在的な治療能力が示されている。

3.パーキンソン病のマウスMPTPモデル MPTP(1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン)によって誘導される、パーキンソン病の欠損症状の緩和レベルを求めるには、MPTPを用いたマウスモデルが用いられている。MPTPは、MPP+のプロドラッグであり、このMPP+は、永続的なパーキンソン症状を引き起こし得る。MPP+は、脳の黒質領域内のドーパミン作動性ニューロンを殺傷することによって作用する。

8週齢の雄C57BI/6Jマウスに、ビヒクル(生理食塩水)または20mg/kgのMPTPのいずれかを1日に2回(BID)、3時間間隔で、1日目と2日目とに2日連続で投与した。3日目に、マウスにビヒクルまたは30mg/kgの化合物1を1日に2回、強制経口投与し、12日目まで、BIDで、化合物1の経口投与を続けた(試験タイムライン、図30A)。10日目に、マウスの運動機能をローターロッドで試験し、11日目に、マウスの運動協調性の運動学的歩行解析に関するMotoRater試験(Tse Systems,Inc.,Chesterfield,MO)で試験した。マウスを12日目に殺処分した。化合物1の濃度を8時間、100nM超にするには、30mg/kgは充分な濃度であり(図8)、CCR3受容体インターナリゼーションバイオマーカーアッセイにおけるIC50は、100nM未満であり、この投与の枠組みは、高齢マウスでの試験で、問題なく使用されている。各群で、14匹というnを使用する。これらの数は、20%超の作用が、p<0.05の有意値で観察された過去の実験に基づくものである。すべての結果を一元ANOVAによって解析して、1)ビヒクルで処置したコントロール群及びMPTP群間での統計差、及び2)ビヒクルで処置したMPTP群及び化合物1で処置したMPTP群間での統計差を求めた。図30Bには、この試験における行動に関する評価項目、生化学的な評価項目及び組織学的な評価項目が概括されている。

4.パーキンソン病のシヌクレイントランスジェニックマウスモデル 化合物1によってCCR3を長期に阻害する作用、及び化合物1がパーキンソン様症状の進行を減速、停止または逆転させる能力を求めるには、シヌクレイントランスジェニックマウスモデルが用いられている。すなわち、ヒトα−シヌクレインを過剰発現するこのモデルによって、化合物1が、α−シヌクレインによって誘導される行動上の作用及び病理学的な作用を予防するか否かを試験する。試験に最適なモデルを選択するために、月齢が異なる複数のシヌクレインマウスモデルで、血漿中のエオタキシンレベルをバイオマーカーとして測定した。これらのモデルには、A53T、DxJ9M及びLine61を含めた。6ケ月齢のLine61のシヌクレイントランスジェニックマウスから得た血漿をELISAアッセイによって測定して、血漿中のエオタキシンレベルをバイオマーカーとして検出した。6ケ月齢のLine61マウス(QPS Neuro,Grambach,Austria)において、導入遺伝子の誘導による、エオタキシンレベルの上昇が見られ(図31)、血漿中のエオタキシンレベルは、処置集団を選択するための適切な臨床バイオマーカーとして機能できることが示された。

飲料水中で6週間、非トランスジェニックコントロールをビヒクルで処置し、トランスジェニックマウスをビヒクルまたは化合物1で処置する。この代わりに、非トランスジェニックコントロールにビヒクルを1日に2回、経口投与し、トランスジェニックマウスに化合物1を1日に2回、経口投与することもできる。過去の実験に基づき、1群当たり15匹というnによって、p<0.05とともに、20%の作用の大きさで、統計的有意性が得られる。7週目に、マウスに対して行動試験を行い、マウスが6ケ月齢の時点である試験終了時に殺処分する。すべての結果を一元ANOVAによって解析して、1)ビヒクルで処置した非トランスジェニック群及びトランスジェニック群間での統計差、及び2)ビヒクルで処置したトランスジェニック群及び化合物1で処置したトランスジェニック群間での統計差を求める。図32には、行動に関する評価項目、生化学的な評価項目及び組織学的な評価項目が概括されている。

d.ヒトにおける実施例 1.エオタキシンレベル及び加齢 市販の親和性ベースのアッセイ(SOMAscan、SomaLogic,Inc.,Boulder,Colorado)を用いて、ヒトエオタキシン−1のレベルを求めた。ヒトエオタキシン−1の相対的レベルなどについて試験するアプタマーベースの親和性アッセイであるSOMAscanを用いた、SomaLogicによる試験のために、18歳、30歳、45歳、55歳及び66歳のドナーから血漿サンプルを採取した。エオタキシン−1レベルを求め、年連群ごとにプロットした(図33)。相対的なエオタキシン−1濃度は、年齢とともに上昇したことから、その主要な受容体であるCCR3を含むエオタキシン−1経路が、神経変性疾患及び認知機能低下のような加齢性疾患の治療標的であることが示された。

2.ヒトバイオマーカーアッセイ 化合物1で処置したヒトから得た全血をヒト組み換えエオタキシン−1とインキュベートして、好酸球の形態変化(図34A)またはCCR3受容体のインターナリゼーション(図34B)を誘発した。いずれのアッセイでも、それぞれの機能的バイオマーカーの測定値に対して、化合物1が濃度依存的に活発な作用を及ぼすことが示された。

同時に、ESC及びCCR3受容体インターナリゼーションアッセイから得られた結果から、化合物1が、ヒトエオタキシン−1経路の阻害剤として機能することが確認される。特に、化合物1は、CCR3に結合することによって、その受容体の強力な阻害剤として機能できる。

添付の請求項にかかわらず、本明細書に示されている本開示は、下記の条項によっても定義される。

1.神経変性疾患と診断された対象の神経変性疾患の治療方法であって、その対象の神経変性疾患を治療するために、下記の式1の化合物を治療有効量投与することを含み、

式中、 Aが、CH2、OまたはN−C1−6アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているNH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、その環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているC9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C16アルキル、NHCH(CH2O−C16アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、ハロゲンもしくはCNで置換された基、 ・または任意にメチルオキサジアゾールで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルキレン−OH、C2−6アルケニレン−OH、C2−6アルキニレン−OH、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CO−ピリジニル、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、N(SO2−C1−6アルキル)(CH2CON(C1−4アルキル)2)、O−C1−6アルキル、O−ピリジニル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル及び=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのNまたはOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、C1−6アルキル、C1−4アルキレン−OH、OH、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 あるいは、 R1.1が、フェニルであり、その2つの隣接する残基が一体となって、5員または6員の炭素環式芳香族環または炭素環式非芳香族環を形成しており、その環が、互いに独立して1つまたは2つのN、SまたはSO2を任意に含み、その環の炭素原子が置き換わっており、その環が任意に、C1−4アルキルまたは=Oで置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COR1.2.3、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、SO2N(C1−6アルキル)2、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・任意に、5員または6員の炭素環式非芳香族環で置換されたヘテロアリールであって、その環が、互いに独立して2つのN、O、SまたはSO2を含み、その環の炭素原子が置き換わっているヘテロアリール、 ・芳香族または非芳香族のC9または10二環であって、その1つまたは2つの炭素原子がN、OまたはSに置き換わっており、それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されている芳香族または非芳香族のC9または10二環、 ・任意に、ピリジニルで置換された複素環式非芳香族環、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−フェニル、C1−4アルキレン−フラニル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキレン−O−C1−4アルキル、C1−6ハロアルキル、または5員もしくは6員の炭素環式非芳香族環であって、その環が、互いに独立して1つもしくは2つのN、O、SもしくはSO2を任意に含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、4−シクロプロピルメチル−ピペラジニルで置換されている炭素環式非芳香族環であり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.3が、5員または6員の炭素環式非芳香族環であり、その環が、互いに独立して1つまたは2つのN、O、SまたはSO2を任意に含み、その環の炭素原子が置き換わっており、 R1.3が、フェニル、ヘテロアリールまたはインドリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、フェニル、ヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、C1−6アルキレン−フェニル、C1−6アルキレン−ナフチル及びC1−6アルキレン−ヘテロアリールからなる群から選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つ、2つまたは3つの残基で置換されており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 R4が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している方法。

2.前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障、筋緊張性ジストロフィ、血管性認知症、進行性核上麻痺からなる群からのものである、条項1に記載の方法。

3.式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはN−C1−4アルキルであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・NH−C3−6シクロアルキルであって、任意に、その1つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環が任意に、C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲン、CN、SO2−C1−6アルキル、COO−C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているNH−C3−6シクロアルキル、 ・C9もしくは10二環であって、その1つもしくは2つの炭素原子が、窒素原子に置き換えられており、その環系が、窒素原子を介して、式1の基本構造に結合しており、その環系が任意に、C1−6アルキル、COO−C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、NO2、ハロゲン、CN、NHSO2−C1−6アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されているC9もしくは10二環、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−6アルキル、NHCH(CH2O−C1−6アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキル、SO2−C1−6アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−6アルキル、SO2N(C1−6アルキル)2、ハロゲン、CN、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、または任意に、C1−6アルキル、NHC1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換された複素環からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、CH2CON(C1−6アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−6アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−6アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−6アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−6アルキル、SO2C1−6アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−6アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−6アルキル、CONH2、O−C1−6アルキル、ハロゲン、CN、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、または任意に、C1−6アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたヘテロアリールからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたヘテロアリール、 ・それぞれ任意に、N(C1−6アルキル)2、CONH−C1−6アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−6アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−6アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−6アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6アルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、H、C1−4アルキルであり、 R4が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 条項1または2に記載の方法。

4.式1の化合物において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、C1−4アルキル、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2−C1−4アルキル、COO−C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−C1−4アルキル、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、C1−4アルキル、COO−C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4アルキル、NO2、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COO−C1−4アルキル、NHCH(CH2O−C1−4アルキル)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2NHCONH−C3−6シクロアルキル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COO−C1−4アルキル、O−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキル、SO2−C1−4アルキレン−OH、SO2−C3−6シクロアルキル、SO2−ピペリジニル、SO2NH−C1−4アルキル、SO2N(C1−4アルキル)2、ハロゲン、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキル、NHC1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキル、CH2CON(C1−4アルキル)2、CH2CO−アゼチジニル、C1−4アルキレン−C3−6シクロアルキル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、C1−4アルキレン−OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、C1−4アルキルで置換されており、 R1.1.2が、H、C1−4アルキル、SO2C1−4アルキルであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、CH2COO−C1−4アルキル、CONR1.2.1R1.2.2、COO−C1−4アルキル、CONH2、O−C1−4アルキル、ハロゲン、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、C1−4アルキルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、N(C1−4アルキル)2、CONH−C1−4アルキル、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、ピリジニルで置換されたピペリジニル、 ・任意に、NHCO−C1−4アルキルで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、C1−4アルキルであり、 R1.2.2が、H、C1−4アルキルであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、O−C1−4アルキル、O−C1−4ハロアルキルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、O−C1−4ハロアルキル、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、ハロゲンからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 条項1または2に記載の方法。

5.式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、NMeR1.1、 ・NHR1.2、NMeR1.2、 ・NHCH2−R1.3、 ・任意に、ピリジニルで置換されたNH−ピペリジニル、 ・任意に、t−Bu、NHSO2−フェニル、NHCONH−フェニル、Fからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−シクロヘキシル、 ・任意に、SO2Me、COO−t−Buからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたNH−ピロリジニル、 ・任意に、NHSO2−n−Bu、m−メトキシフェニルからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたピペリジニル、 ・任意に、Me、COOMe、CF3、OMe、NO2、F、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルもしくはテトラヒドロイソキノリニル、 ・NHCH(ピリジニル)CH2COOMe、NHCH(CH2OMe)−ベンゾイミダゾリルから選択した基であって、任意に、Clで置換された基、 ・または任意に、メチルオキサジアゾリルで置換された1−アミノシクロペンチル から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、t−Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意にMeで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R1.3が、フェニル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、インドリルまたはオキサジアゾリルから選択されており、それぞれ任意に、Me、Et、Pr、シクロペンチル、OMe、OCHF2からなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R2が、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−フェニルもしくはCH2−ナフチル、または任意に、Cl、Brからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたCH2−チオフェニルから選択されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 条項1または2に記載の方法。

6.式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、 ・NHR1.1、 ・NHR1.2 から選択されており、 R1.1が、フェニルであり、任意に、Me、Et、Pr、Bu、CF3、CH2CONMe2、CH2NHCONH−シクロヘキシル、CN、CONR1.1.1R1.1.2、COOMe、COOEt、OMe、SO2Me、SO2CH2CH2OH、SO2Et、SO2−シクロプロピル、SO2−ピペリジニル、SO2NHEt、SO2NMeEt、F、Cl、CO−モルホリニル、CH2−ピリジニル、またはそれぞれ任意に、Me、NHMe、=Oからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されたイミダゾリジニル、ピペリジニル、オキサジナニル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R1.1.1が、H、Me、Et、t−Bu、i−Pr、シクロプロピル、CH2−i−Pr、CH2−t−Bu、CH(CH3)CH2CH3、CH2CHF2、CH2CONMe2、CH2CO−アゼチジニル、CH2−シクロプロピル、CH2−シクロブチル、CH2−ピラニル、CH2−テトラヒドロフラニル、CH2−フラニル、CH2CH2OHもしくはチアジアゾリルであり、任意に、Meで置換されており、 R1.1.2が、H、Me、Et、SO2Me、SO2Etであるか、 またはR1.1.1及びR1.1.2が一体となって、4員、5員もしくは6員の炭素環を形成しており、その環が、任意に1つのOを含み、その環の炭素原子が置き換わっており、任意に、CH2OHからなる群から選択した1つもしくは2つの残基で置換されており、 R1.2が、 ・任意に、Me、Et、Pr、Bu、シクロプロピル、CH2COOEt、CONR1.2.1R1.2.2、COOMe、COOEt、CONH2、OMe、Cl、Br、CO−ピロリジニル、CO−モルホリニル、またはそれぞれ任意に、Meで置換されたピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、 ・それぞれ任意に、NMe2、CONHMe、=Oからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されたベンゾチアゾリル、インダゾリル、ジヒドロインドリル、インダニル、テトラヒドロキノリニル、 ・任意に、NHCOMeで置換された4,5−ジヒドロ−ナフト[2,1−d]チアゾール から選択されており、 R1.2.1が、H、Meであり、 R1.2.2が、H、Meであり、 R2が、CH2−フェニルまたはCH2−ナフチルから選択されており、いずれも任意に、CH3、CF3、OCF3、F、Cl、Br、Etからなる群から選択した1つまたは2つの残基で置換されており、 R3が、Hであり、 R4が、Hである、 条項1または2に記載の方法。

7.式1において、 Aが、CH2、OまたはNMeであり、 R1が、以下の構造から選択されており、

R2が、以下の構造から選択されており

R3が、Hであり、 R4が、Hであるか、 またはR3及びR4が一体となって、CH2−CH2基を形成している、 条項1または2に記載の方法。

8.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

9.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

10.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

11.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

12.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

13.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

14.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

15.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

16.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

17.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

18.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

19.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

20.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

21.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

22.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

23.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

24.投与する式1の化合物が、下記のものである、条項1または2に記載の方法。

25.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 式中、 R1が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mが、1、2または3であり、 R2a及びR2bがそれぞれ独立して、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンから選択されており、 R2b.1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ジベンゾイル酒石酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、0、0.5、1、1.5または2であり、 共結晶形成剤が、オロチン酸、馬尿酸、L−ピログルタミン酸、D−ピログルタミン酸、ニコチン酸、L−(+)−アスコルビン酸、サッカリン、ピペラジン、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、粘液酸(ガラクタル酸)、パモ酸(エンボン酸)、ステアリン酸、コール酸、デオキシコール酸、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、コハク酸アミド、ウラシル、L−リシン、L−プロリン、D−バリン、L−アルギニン、グリシンからなる群から選択されている、 条項1または2に記載の方法。

26.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 R2aが、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、O−C1−6アルキル、CONR2a.1R2a.2であり、 R2a.1が、H、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2a.2が、H、C1−6アルキルであり、 R2bが、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、COO−C1−6アルキル、O−C1−6アルキル、CONR2b.1R2b.2、ハロゲンであり、 R2b.1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−6アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられている、 条項1または2に記載の方法。

27.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 R1が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、O−C1−6ハロアルキル、ハロゲンであり、 mが、1または2であり、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルであるか、 またはR2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられており、 R3が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物またはジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である、 条項1または2に記載の方法。

28.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4アルキルであり、 R2b.2が、C1−4アルキルである、 条項1または2に記載の方法。

29.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルである、 条項1または2に記載の方法。

30.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 R2aが、H、C1−4アルキルであり、 R2bが、H、CONR2b.1R2b.2であり、 R2b.1が、C1−4ハロアルキルであり、 R2b.2が、H、C1−4アルキルである、 条項1または2に記載の方法。

31.前記化合物が、条項25に記載の式の共結晶であり、式中、R2b.1及びR2b.2が一体となって、窒素原子と複素環を形成するC3−6アルキレン基であり、任意に、その環の1つの炭素原子が、酸素原子に置き換えられている、条項1または2に記載の方法。

32.前記化合物が、下記の式の共結晶であり、 式中、jが、0であり、 共結晶形成剤が、L−(+)−アスコルビン酸、粘液酸、パモ酸、ニコチン酸、コハク酸アミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、L−リシン及びL−プロリンからなる群から選択されている、 条項1または2に記載の方法。

33.前記化合物が、下記の式の塩の結晶である、条項1または2に記載の方法。

34.前記化合物が、下記の式の塩の結晶である、条項1または2に記載の方法。

35.CuKα線を用いて測定したときに、上位4つのX線粉末回折線ピークが、3.72度、13.60度、16.89度及び19.34度の2θ(±0.05度の2θ)で見られることをその塩の結晶が特徴とする、条項33に記載の方法。

36.CuKα線を用いて測定したときに、上位4つのX線粉末回折線ピークが、16.02度、16.86度、19,45度及び19.71度の2θ(±0.05度の2θ)で見られることをその塩の結晶が特徴とする、条項34に記載の方法。

37.前記化合物が、条項25に記載の式の、化合物の共結晶を少なくとも1つ、及び製薬学的に許容可能な担体を含む、条項1または2に記載の方法。

38.式1の化合物を、個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物、ラセミ化合物の形態、または鏡像異性体的に純粋な化合物の形態で投与する、条項1または2に記載の方法。

39.前記化合物が、活性成分として、下記の式の化合物であって、 式中、 R1が、H、C1−6アルキル、C0−4アルキル−C3−6シクロアルキル、C1−6ハロアルキルであり、 R2が、H、C1−6アルキルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である1つ以上の化合物、 第1の希釈剤、第2の希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤 を含む医薬組成物である、 条項1または2に記載の方法。

40.式中、 R1が、H、メチルであり、 R2が、H、メチルであり、 Xが、塩化物または1/2ジベンゾイル酒石酸塩からなる群から選択したアニオンであり、 jが、1または2である、 条項39に記載の方法。

41.式中、Xが、塩化物であり、jが、2である、条項39に記載の方法。

42.前記医薬組成物がさらに、追加の崩壊剤を含む、条項39〜41のいずれか一つに記載の方法。

43.前記医薬組成物がさらに、追加の流動化剤を含む、条項39〜41のいずれか一つに記載の方法。

44.前記医薬組成物の希釈剤がさらに、セルロース粉末、無水第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム二水和物、エリトリトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化デンプンまたはキシリトールを含む、条項39〜41のいずれか一つに記載の方法。

45.前記医薬組成物の滑沢剤が、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化ヒマシ油またはステアリン酸マグネシウムである、条項39〜41のいずれか一つに記載の方法。

46.その医薬組成物の結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体との共重合物)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)またはポリビニルピロリドン(ポビドン)である、条項39〜41のいずれか一つに記載の方法。

47.前記医薬組成物の崩壊剤が、コーンスターチである、条項39〜46のいずれか一つに記載の方法。

48.前記医薬組成物の任意の流動化剤が、コロイド状二酸化ケイ素である、条項39〜47のいずれか一つに記載の方法。

49.前記医薬組成物がさらに、 活性成分を10〜90%、 希釈剤1を5〜70%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を0〜30%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む、条項39に記載の方法。

50.前記医薬組成物がさらに、 活性成分を30〜70%、 希釈剤1を20〜75%、 希釈剤2を5〜30%、 結合剤を2〜30%、 緩衝剤を0,5〜20%、 崩壊剤を1〜12%及び 滑沢剤を0.1〜3% 含む、条項39に記載の方法。

51.前記医薬組成物の追加の崩壊剤が、クロスポビドンである、条項42に記載の方法。

52.前記医薬組成物が、カプセル剤、錠剤またはフィルムコート錠の剤形である、条項39に記載の方法。

53.前記医薬組成物がさらに、フィルムコートを2〜4%含む、条項52に記載の方法。

54.前記フィルムコートが、フィルム形成剤、可塑剤、流動化剤及び任意に1つ以上の顔料を含む、条項53に記載の方法。

55.前記フィルムコートが、ポリビニルアルコール(PVA)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を含む、条項54に記載の方法。

記載されている具体的な態様は、変更し得るので、本発明は、それらの態様に限定されないことを理解されたい。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定されることになるので、本明細書で用いられている専門用語は、具体的な態様を説明するためのものに過ぎず、限定するようには意図されていないことも理解されたい。

値の範囲が示されている場合には、文脈上明らかに別に解される場合を除き、その範囲の下限の1/10の単位まで、その範囲の上限と下限との中間の各値と、その示されている範囲におけるいずれかのその他の示されている値または中間の値が、本発明に含まれるものと理解する。これらのさらに狭い範囲の上限及び下限は独立して、その狭い範囲に含めてよく、また、これらは、示されている範囲内のいずれかの具体的に除外された制限に従うことを条件として、本発明に含まれる。示されている範囲に、1つまたは両方の極限値が含まれる場合、それらの含まれる極限値のいずれかまたは両方を除外した範囲も、本発明に含まれる。

別段の定めがない限り、本明細書で用いられている技術用語及び科学用語はいずれも、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明を実施または試験する際には、本明細書に記載されている方法及び材料と類似または同等のいずれの方法及び材料も使用できるが、以下では、代表的な実例となる方法及び材料が記載されている。

本明細書に引用されている文献及び特許はいずれも、参照により、個々の文献または特許がそれぞれ、参照により援用されることが具体的かつ個別に示されているかのように本明細書に援用されるとともに、参照により、その文献が引用されている事柄と関連する方法及び/または材料を開示及び説明する目的で、本明細書に援用される。いずれの文献の引用も、出願日前のその開示内容に対するものであり、本発明が、先行発明によるそのような文献に先行する権利を与えられないことを認めるものと解釈すべきではない。さらに、示されている公開日は、実際の公開日と異なることがあり、実際の公開日は、別途確認する必要がある場合もある。

本明細書及び添付の請求項で使用する場合、「a」、「an」及び「the」という単数形には、文脈上明らかに別に解される場合を除き、複数の言及物が含まれることに留意するものとする。さらに、請求項は、いずれかの任意の要素を除外して書かれていることがあることに留意するものとする。したがって、この記述は、クレーム要素の列挙に関連して、「もっぱら」、「〜のみ」などのような排他的な用語を使用したり、または「否定的な」制限を使用したりする際、基礎となる先行詞としての役割を果たすように意図されている。

本開示を読めば、当業者には明らかになるように、本明細書に記載及び例示されている個々の態様にはそれぞれ、別個の成分及び特徴があり、これらは、本発明の範囲または趣旨から逸脱せずに、他のいくつかの態様のいずれかの特徴から容易に分離したり、または他のいくつかの態様のいずれかの特徴と組み合わせたりし得る。示されているいずれの方法も、示されている事象の順序、または論理上、可能であるいずれかの他の順序で行うことができる。

明瞭な理解のために、上記の発明について、実例及び実施例によって、ある程度詳細に説明してきたが、本発明の教示に鑑みれば、添付の請求項の趣旨または範囲から逸脱せずに、本発明に対して特定の変更及び修正を行ってよいことは当業者には容易に明らかとなる。

したがって、上記の内容は、本発明の原理を例示しているに過ぎない。本明細書には明示的に記載されたりまたは示されたりしていないが、本発明の原理を具現するとともに、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を当業者が考案できることは明らかである。さらに、本明細書に示されている実施例及び特定の用語はいずれも、原則として、当該技術分野の進展に本発明者が寄与する本発明の原理及び概念を読み手が理解することを助けるように意図されており、このように具体的に示されている実施例及び条件には限定しないものとして解釈すべきである。さらに、本発明の原理、態様及び態様、ならびにその具体的な実施例を示している本明細書の記述はいずれも、その構造的均等物と機能的均等物との両方を含むように意図されている。加えて、このような均等物には、構造にかかわらず、現在知られている均等物及び将来開発される均等物、すなわち、開発されるいずれかの要素のうち、同じ機能を果たす要素の両方が含まれるように意図されている。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示されたり、記載されたりしている例示的な態様に限定されるようには意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の請求項によって具体化される。

関連出願の相互参照 本願は、米国特許法第119(e)条に従って、2017年4月5日に出願した米国特許仮出願第62/482,137号、2017年9月20日に出願した米国特許仮出願第62/560,940号及び2018年1月23日に出願した米国特許仮出願第62/620,921号の出願日に基づく優先権を主張するものであり、これらの仮出願の開示内容は、参照により、本明細書に援用される。

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