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专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 有效专利 当前状态
申请号 JP2006532169 申请日 2004-03-31
公开(公告)号 JP4546479B2 公开(公告)日 2010-09-15
申请人 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー; 申请人类型 其他
发明人 イングリド グスタフソン,; ウルリカ ハスマルク,; 第一发明人 イングリド グスタフソン,
权利人 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 权利人类型 其他
当前权利人 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 当前权利人类型 其他
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 A61F13/15 所有IPC国际分类 A61F13/15A47K7/00A61F13/20A61F13/472A61F13/49A61L15/36
专利引用数量 0 专利被引用数量 0
专利权利要求数量 0 专利文献类型 B2
专利代理机构 专利代理人
权利要求
  • 衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの衛生製品において、前記衛生製品が脂質相において細菌調製物の分散体を含有するプロバイオティック組成物を与えられ、前記細菌調製物が少なくとも一つの乳酸生成細菌株 、及びスターチ、マルトデキストリン、ベータグルカンの如きオリゴ糖及び多糖、及び二酸化ケイ素(SiO )の如き無機薬剤からなる群から選択される接触収着乾燥キャリアを含有 し、前記細菌調製物は、少なくとも一つの乳酸生成細菌株を前記接触収着乾燥キャリアと混合することに続いて、前記少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び前記接触収着乾燥キャリアを含む細菌調製物を乾燥することによって得られたものであることを特徴とする衛生製品。
  • 衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの衛生製品において、前記衛生製品が脂質相において細菌調製物の分散体を含有するプロバイオティック組成物を与えられ、前記細菌調製物が少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び接触収着乾燥キャリ アとしてのスターチを含有することを特徴とする衛生製品。
  • 乳酸生成細菌が健康な人の皮膚又は尿生殖器領域から 単離可能なものであることを特徴とする 請求項1または請求項2に記載の衛生製品。
  • 乳酸生成細菌株がペディオコックス属、ラクトコックス属、ラクトバシルス属又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする 請求項1〜3のいずれかに記載の衛生製品。
  • 乳酸生成細菌株が少なくともラクトバシルス・プランタルムから選択されることを特徴とする 請求項4に記載の衛生製品。
  • 乳酸生成細菌株が少なくともラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)から選択されることを特徴とする 請求項5に記載の衛生製品。
  • 乾燥時に細菌細胞を保護する薬剤、細菌増殖のための栄養素として作用する薬剤、及びスキンケア物質から選択される追加の成分をさらに含むことを特徴とする請求項1〜 のいずれかに記載の衛生製品。
  • 細菌調製物の水分活性が0.30以 下であることを特徴とする請求項1〜 のいずれかに記載の衛生製品。
  • 脂質相の含水量 が1重量%以 下であることを特徴とする請求項1〜 のいずれかに記載の衛生製品。
  • 37.8℃(100°F)及び90%相対湿度(RH)においてASTME 398−83に従って測定した脂質相の水蒸気透過率が10g/m /24時間以 下であることを特徴とする請求項1〜 のいずれかに記載の衛生製品。
  • 脂質相において少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び接触収着乾燥キャリアの調製物の分散体を含む、衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの請求項1〜 10のいずれかに記載の衛生製品の製造方法であって、下記工程を含むことを特徴とする方法:
    a)少なくとも一つの乳酸生成細菌株を接触収着乾燥キャリアと混合する;
    b)前記少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び前記接触収着乾燥キャリアを含む細菌調製物を乾燥する;
    c)前記脂質相において前記細菌調製物を分散し、それによってプロバイオティック組成物を生成する;
    d)前記生じたプロバイオティック組成物を前記衛生製品に適用する。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの衛生製品において、前記衛生製品が脂質相において細菌調製物の分散体を含有するプロバイオティック組成物を与えられ、前記細菌調製物が少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び接触収着乾燥キャリアを含有することを特徴とする衛生製品に関する。 また、本発明はかかる衛生製品の製造方法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    尿生殖器領域は50種以上の異なる細菌種を含む複雑な生物環境系を宿している(Hillら、Scand.J.Urol.Nephrol.1984;86(suppl.)23−29)。 この領域の繁殖のある女性の優生な種はラクトバシルス(Lactobacillus)属に属する乳酸生成細菌である。 これらの乳酸生成細菌のメンバーはこれらの領域に健康な微生物叢を維持するのに重要であり、病原性微生物の種に対する拮抗効果を有するプロバイオティック細菌として作用する。 乳酸生成細菌はコロニー形成のための好適なニッチを占めてバイオフィルムを形成して利用可能な栄養について競争することによって他の微生物の増殖及びコロニー形成を阻害し、その結果、有害な微生物によるコロニー形成を締め出す。 また、ペルオキシダーゼ、特殊な阻害物質(例えばバクテリオシン)及びpHを下げる有機酸(乳酸及び酢酸を含む)の生産は他の微生物のコロニー形成を阻害する。
    【0003】
    健康な個体の微生物環境系は抗生物質の使用により、ホルモン変化中(例えば、妊娠中又はエストロゲンを含む避妊薬の使用中)、月経中、閉経後、糖尿病を患っている人においてなどにかき乱されることがあり得る。 また、微生物は肛門から尿生殖器領域へと拡散することがあり、それにより感染を引き起こす。 これは正常な微生物叢をかき乱し、膣炎、尿管感染及び普通の皮膚感染を生ずる微生物感染に対して個体を感受性にする。 この種の感染に一般的に関連する微生物はエシェリキア、エンテロコックス、シュードモナス、プロテウス、クレブシエラ、ストレプトコックス、スタフィロコックス、ガルドネレラ及びカンジダ属に属する。 女性は肛門と尿生殖器管の間の距離が短いので特に危険性が高い;危険性は尿生殖領域中に十分に発達した微生物叢をまだ有さない若い女性及び保護的な微生物叢をもはや有さない老年の女性で特に高い。
    【0004】
    上述の種類の感染に関する問題を減少する一つの方法は良好な個人の衛生状態を持つことである。 しかし、過剰の洗浄剤の使用は有害な微生物の量を減少させるのみならず、有用な微生物叢も害することがあり得、再び、病原性の種がコロニー形成して感染を生じることに対して感受性にする。 代わりに、病原性の種と競争して尿生殖器領域及び皮膚における有用な微生物叢を再確立して維持することを容易にするために乳酸生成細菌をこれらの領域に投与することは、微生物感染を治療して予防するための成功的な手段であることが見出されている。
    【0005】
    乳酸生成細菌は例えばWO 92/13577,WO 97/02846,WO 99/17813,WO 99/45099及びWO 00/35502に記載のように、おむつ、衛生ナプキン、失禁ガード、パンティライナー及びタンポンの如き吸収物品を介して送達されることができるということが示唆されている。
    【0006】
    乳酸生成細菌の移行のために用いられることを意図される製品を与えることに関する主要な問題は、細菌が製品の輸送中及び貯蔵中、生存性を維持しなければならないということである。 乳酸生成細菌を含む製品での主要な問題は湿った条件下では細菌が迅速に生存性を失うことである。 従って、製品が湿分にさらされないことが重要である。 この問題を部分的に克服する一つの方法は、凍結乾燥された乳酸生成細菌を製品に供給することである。 しかし、製品中の細菌は製品の製造後に湿分から保護されないなら、空気湿度は続いて細菌を殺し、かかる製品の貯蔵寿命を次いで短くするだろう。 吸収製品の如き衛生製品への乾燥した乳酸生成細菌の直接適用での別の欠点は尿生殖器領域への細菌の移行が低くなることである。
    【0007】
    乳酸生成細菌を含有する製品の貯蔵寿命を減少する空気湿度の問題を克服するために、脂肪又は油の如き疎性物質及び乳酸生成細菌の分散体を調製することが提案されている。 滅菌されたワセリン油中での貯蔵は8ヶ月の貯蔵後も高レベルの生存している乳酸生成細菌細胞を維持していたということを示す研究実験がある。 (Arkadevaら,N.A.Nauchnye Doklady Vysshei Shkoly.Biologicheskie Nauki,1983,2:101−104)。 しかし、Stoianovaら(Mikrobiologiia,2000,69:98−104)は鉱物油中への含浸が乳酸生成細菌の生存性を保持するのには有効ではないことを見出した。 US 4518696は動物への経口投与のためのひまわり油における乳酸生成細菌の懸濁液を記載する。 しかし、上述の文献のいずれも、対象の尿生殖器領域へ乳酸生成細菌を投与するために使用される衛生製品について乳酸生成細菌を高い生存性で維持することに関連した問題と関係しない。
    【0008】
    乳酸生成細菌と油の組合わせの追加の例があるが、これらは乳酸生成細菌の生存性についての油の効果を記述していない。 WO 01/13956はエミュー油、抗微生物剤及び/又はバシルス・コアグランス(Bacillus coagulans)を含む、抗微生物治療に用いるための医薬組成物の使用を記述している。 しかしながら、WO 01/13956は生じた製品の貯蔵中の生存性の損失の問題がどのように解決されるかについて記載していない。 WO 02/28446は吸収製品に適用されるための分布を作るために本質的に疎水性のキャリア及び凍結乾燥された乳酸生成細菌の使用を記載している。 疎水性キャリアは主に製造時に吸収製品に細菌を適用する問題を克服するために選択されるが、キャリアはまた、空気湿度から細菌を保護する。
    【0009】
    上で述べたように乳酸生成細菌を含む製品は凍結乾燥された細菌を含むことが多い。 なぜならば製品における高い含水量は生存性の低下による製品の貯蔵寿命の短縮に導くからである。 しかしながら、凍結乾燥は低い含水率で細菌を調製する高価で複雑な方法である。 RU 2104299は細菌を乾燥する別の方法を記載し、そこでは細菌は製品の空気乾燥前に接触収着乾燥キャリアと混合されている。 RU 2104299には乾燥プロセス後に細菌を非水性相に移すことによって細菌調製物の含水率を減らすことについて何も開示しない。
    【0010】
    結果として、使用するのに便利で、細菌が適用される領域への細菌の十分な移行を生じ、細菌細胞の生存性を損なわずに長期間貯蔵できる、尿生殖器領域への乳酸生成細菌の送達のための製品を開発する必要性がなお存在する。 さらに、これらの製品を製造するために使用される製造方法は非効率で高価であり、製造コストを減らすためにこれらを開発する必要性がある。
    【発明の開示】
    【0011】
    上記問題は、本発明では、乳酸生成細菌を乾燥するための接触収着乾燥キャリアを使用して、それによって乳酸生成細菌を含む衛生製品の製造方法を改良することによって解決される。 本発明は脂質相において分散された乳酸生成細菌及び接触収着乾燥キャリアを含む細菌組成物を含む衛生製品を開示する。 このアプローチを使用することによって乳酸生成細菌が湿分から保護され、それによって延長された貯蔵寿命を有する衛生製品が得られる。
    【0012】
    図面の簡単な記述 図1は本発明のために好適な衛生ナプキン、おむつ、パンティライナー、失禁ガードなどの吸収製品の図示例を示す。
    図2は図1の線II−IIに沿った図1の吸収製品の横断面を示す。
    図3は本発明によるプロバイオティック組成物を含むタンポンの概略図を示す。
    図4は図3の線IV−IVに沿った図3の吸収製品の横断面を示す。
    図5は長期間貯蔵時の本発明による細菌組成物における細菌細胞の生存を示す。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0013】
    定義 「接触収着乾燥キャリア」は周囲環境から湿分を取り込む能力を有する物質を意味する。 本発明に使用される接触収着乾燥キャリアは細菌細胞及び細菌微小環境から湿分を取り込む。 本発明のために好適な接触収着乾燥キャリアの例はオリゴ糖及び多糖及び無機薬剤である。 接触収着乾燥キャリアのさらなる詳細は以下に与えられる。
    【0014】
    「衛生製品」は衛生ナプキン、失禁ガード、タンポン、パンティライナー、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの衛生製品を意味する。
    【0015】
    「プロバイオティック組成物」又は「細菌組成物」はプロバイオティック細菌、即ち宿主の天然細菌叢を再確立する能力を有する細菌、を含む組成物を意味する。 本発明によるプロバイオティック組成物はさらに、脂質相及び接触収着乾燥キャリアを含む。
    【0016】
    「分散体」は少なくとも二つの相の混合物を意味する。
    【0017】
    「少なくとも一つの乳酸生成細菌株」、「細菌調製物」、「細菌の調製物」、「細菌粉末調製物」は少なくとも一つの乳酸生成細菌株及び接触収着乾燥キャリアを含む調製物を意味する。
    【0018】
    本発明の目的のための好ましい「乳酸生成細菌」はラクトバシルス(Lactobacillus)、ラクトコックス(Lactococcus)及びペディオコックス(Pediococcus)属からの細菌を含む。 選択された使用される細菌はラクトコックス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシルス・クルバタス(Lactobacillus curvatus)又はラクトバシルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)の種からのものであることが好ましい。 より好ましくは、細胞株はラクトバシルス・プランタルムから選択される。 さらに、より好ましくは、乳酸生成細菌はラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)である。 細菌は健康な人の天然叢から単離されることが好ましい。 好ましくは細菌は皮膚又は尿生殖器領域から単離される。
    【0019】
    「脂質相」は脂肪の特性を有する水不溶性有機相を意味する。 本発明の脂質相に使用されるために好適な脂質はペトロラタム由来の脂質、合成脂質、及び動物及び植物由来の脂質を含む。
    【0020】
    「追加の成分」の例は特に限定されないが、細菌の乾燥時に細菌細胞を保護する薬剤、細菌増殖のための栄養素として作用する薬剤、及びスキンケア薬剤を含む。 好適な追加成分のさらなる例は以下に与えられる。
    【0021】
    発明の詳細な記述 本発明の目的は体液を吸収し、同時にプロバイオティック乳酸生成細菌を皮膚、より好ましくは尿生殖器領域に送出するために好適な、衛生ナプキン、タンポン、パンティライナー、おむつ、失禁ガード、衛生ティッシュなどの衛生製品を提供することである。 本発明は細菌生存性及び製造のコスト及び効率性の問題の如き乳酸生成細菌を含む製品を提供することと関連した問題を解決することに関する。 従来技術は細菌が凍結乾燥された脂質相において乳酸生成細菌を含む吸収製品を開示するにすぎない。 しかしながら、細菌の大規模な凍結乾燥は複雑で高価な方法であるので最適ではない。
    【0022】
    本発明者は細菌を乾燥するための代替法を使用することによって乳酸生成細菌を含む衛生製品を製造するためのより安価で簡単な方法を提供できることを見出した。 この代替法では、後で脂質相と混合されて衛生製品に適用される乾燥された細菌調製物を調製するために乾燥工程において接触収着乾燥キャリアが使用される。
    【0023】
    脂質相の疎水性は空気湿度の量を減少し、空気湿度は脂質相に分散された細菌細胞に達し、それによってプロバイオティック組成物における細菌の生存時間を増加する。 脂質相において乳酸生成細菌を分散することは皮膚及び/又は尿生殖器領域への細菌の移行が脂質相が全く使用されないときに比較して増強されるという追加の利点を有する。 製品が使用されるとき、脂質相は体熱にさらされると軟化し、プロバイオティック組成物は皮膚に移行される。 細菌が皮膚への送達後に湿分と接触すると、それらは再活性化され、増殖を開始し、プロバイオティック作用を行なう。
    【0024】
    本発明のために好適な接触収着乾燥キャリアはスターチ、マルトデキストリン、ベータグルカンの如きオリゴ糖及び多糖、及び二酸化ケイ素(SiO )の如き無機薬剤を含む。 使用される乾燥収着キャリアの量は細菌調製物の乾燥前に細菌懸濁物に添加されるとき約10〜50重量%であることが好ましい。 少なすぎる量の乾燥接触収着キャリアは長すぎる乾燥時間をもたらし、多すぎる量の乾燥接触収着キャリアは乾燥後に生成された細菌粉末を脂質相に分散することを困難にする。
    【0025】
    乳酸生成細菌及び接触収着乾燥キャリアを含む細菌調製物における水分活性は好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下、最も好ましくは0.20以下である。 脂質相における細菌調製物の量は好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは10〜20重量%である。
    【0026】
    乳酸生成細菌及び接触収着乾燥キャリアを含む細菌調製物は好ましくは微粉末である。
    【0027】
    本発明のための乳酸生成細菌は皮膚及び尿生殖器領域における微生物感染を防止及び治療する際のそれらの積極的な効果によって選択される。 細菌は健康な人から、好ましくは健康な人の皮膚又は尿生殖器領域から単離されることが好ましい。 本発明の目的のために好ましい「乳酸生成細菌」はラクトバシルス、ラクトコックス及びペディオコックス属からの細菌を含む。 好ましくは、細菌はラクトコックス・ラクティス、ラクトバシルス・アシドフィルス、ラクトバシルス・クルバタス又はラクトバシルス・プランタルム種から選択される。 より好ましくは、細菌はラクトバシルス・プランタルム株である。 さらにより好ましくは、乳酸生成細菌はラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)である。 乳酸生成細菌は単独で又は少なくとも二つの細菌株を含有する混合物で与えられることができる。
    【0028】
    本発明に使用される脂質相は単一の脂質又は二つ以上の脂質の混合物から構成されることができる。 以下に本発明のために好適な脂質の選択を与える。
    【0029】

    【0030】


    本発明によれば、プロバイオティック組成物は衛生製品上に適用される。 この目的のため脂質相が衛生製品上の細菌生存を支持し、衛生製品の吸収力を妨げないような溶融挙動を有することが重要である。 低すぎる融点を有する脂質相は製品上に広がり、それによって製品の吸収能力を低下する傾向を持つ。 また、低い融点を有する脂質相はプロバイオティック組成物が衛生製品上に広げられるときに細菌を十分な程度に包囲せず、それによって細菌のかなりの部分が空気湿度から保護されないままであり、それによって衛生製品上の細菌生存性を低下する傾向を持つ。 他方、本発明によって特定されるような溶融挙動を有する脂質相を選択することによって、脂質相は細菌を極めて十分な程度に包囲する。 それによって雰囲気湿度にさらされる細菌集団を少なくし、それは衛生製品の貯蔵中の細菌の生存を高める。


    【0031】


    また、脂質相の溶融挙動に対して上限温度がある。 この上限は細菌調製物を脂質相と混合するために、脂質相が均質な混合物を得るために十分軟らかくなければならないということによって部分的に支配される。 高すぎる融点を有する脂質相は脂質相と混合される間、細菌が耐えるには高すぎる温度にもたらさなければならず、それゆえ細菌のかなりの部分がプロバイオティック組成物の調製中に死ぬだろう。 また、高すぎる融点を有する脂質相は本発明のために好適でない。 なぜならばそれは皮膚との接触時にかなりの程度軟化し、それゆえ皮膚への細菌の送達が損なわれるからである。


    【0032】


    プロバイオティック組成物のコンシステンシーはまた、細菌調製物によって影響され、それはプロバイオティック組成物のテキスチャ及びコンシステンシーを与える。 脂質相の量に対する細菌調製物の量の比を変えることによって、本発明のために好適なコンシステンシーを有する細菌組成物を達成することができる。


    【0033】


    それゆえ、好ましくは、本発明による脂質相は大部分において30℃で固体であり、30℃〜40℃で軟らかくなるが、50℃では完全に溶融されず、好ましくは60℃で完全に溶融されず、最も好ましくは70℃で完全に溶融されない。 しかしながら、脂質相は30℃からなお軟らかい特性を示す。 この溶融挙動は脂質相の所望の溶融挙動を達成するために単一の脂質を使用することによって又は異なる溶融挙動を有する異なる脂質を混合することによって達成されることができる。 脂質相が高すぎる含水量によって細菌生存性を妨げないようにするために、脂質相の含水量は好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。 37.8℃(100°F)及び90%相対湿度(RH)でASTME 398−83に従って測定した脂質相の水蒸気透過率は10g/m

    /24時間以下、より好ましくは5g/m

    /24時間以下、最も好ましくは2g/m

    /24時間以下である。


    【0034】


    追加の成分はまた、本発明のプロバイオティック組成物の一部であることができ又は本発明の衛生製品に適用されることができる。 かかる追加の成分の例は特に限定されないが、細菌の乾燥時に細菌細胞を保護する薬剤、例えば糖(マルトース、グルコース、スクロース、トレハロース、フルクトース)、蛋白質(例えば脱脂乳、アルブミン)、アミノ酸(例えばグルタミン酸ナトリウム)、ポリオール(例えばキシリトール)、マンニトール及びソルビトール、pH調整剤(例えば乳酸)及び酸化防止剤(例えばアスコルビン酸ナトリウム)を含む。 追加の成分はまた、細菌が皮膚又は尿生殖器領域へ送達された後にいったん細菌が湿分によって活性化されたら細菌増殖を増強する栄養素を含む。 本発明のために好適な栄養素の例は糖(例えばマルトース、グルコース、スクロース、トレハロース、フルクトース)、多糖(例えばスターチ)、ビタミン(例えばビタミンB及びE)及び蛋白質(脱脂乳)である。 好適な追加成分はまた、スキンケア物質、例えば脂質可溶性スキンケア物質(ビタミンA及びEなど)、スキンケアオイル(カミツレ油(Bisabolol)、ユーカリ油、ラベンダー油及びフィトステロールなど)を含む。


    【0035】


    本発明のプロバイオティック組成物を含む衛生製品を製造するための方法では、要するに、少なくとも一つの乳酸生成細菌株を含む懸濁水(細菌の乾燥時に細菌細胞を保護する追加の薬剤を有する又は有さない)は接触収着乾燥キャリアと混合される。 接触収着乾燥キャリアの添加直後に乾燥が自発的に開始される。 しかしながら、乾燥を完了するため、乾燥工程が実施される。 乾燥工程が実施された後、乾燥細菌調製物は脂質相に分散され、それは次いで衛生製品に添加される。


    【0036】


    乾燥工程時の高い生存率を達成するために、細菌細胞のための増殖条件は乾燥工程時にできるだけ高い適応性を有する細菌を持つように最適化されなければならない。 乾燥工程時の増殖条件、採取方法及び細胞を保護する追加の薬剤の任意な使用は全て、プロバイオティック組成物の乾燥及び続く貯蔵時の細菌細胞の生存率に影響する。 これらの条件は各細菌株に対して最適化されなければならない。 しかしながら、かかる最適化は当業者の技術の範囲内にある。 接触収着乾燥キャリアが添加される細菌懸濁水における細菌細胞の濃度は10

    〜10

    15 CFU(コロニー形成単位)/ml、好ましくは10

    10 〜10

    13 CFU/mlである。


    【0037】


    細菌懸濁水への接触収着乾燥キャリアの添加後に実施される乾燥工程は例えば対流乾燥法、接触乾燥法によって又は電磁放射線を使用することによって実施されることができる。 本発明のために好適な対流乾燥法の例は噴霧乾燥、噴霧造粒及び流動床乾燥を含む。 対流乾燥法のための一般的な特徴は、暖かい乾燥ガスが製品のまわりに流され、製品との熱及び物質移動を行なうことである。 対流法は湿った製品への対流によって必要な熱及び/又は乾燥を移動させる。 接触乾燥中、湿った製品は暖かい表面と接触して静止しているか又は撹拌又は回転によって暖かい表面とたえず新しい接触にもたらされる。 電磁放射線(赤外又はマイクロ波放射線)による乾燥はベルト乾燥器又は静止支持体を使用し、湿った製品を電磁放射線エネルギーに供してそれを湿った製品によって吸収させることを伴う。 吸収されたエネルギーは製品を暖める作用を有し、それによって湿った製品中の湿分が蒸発される。 電磁放射線を使用する乾燥時間は極めて短い乾燥時間を生じることが多い。 乾燥工程前、栄養素及び保護剤などの追加成分は細菌細胞に添加されることができる。 かかる追加成分の例は上で与えられる。


    【0038】


    プロバイオティック組成物はその後調製され、そこでは乳酸生成細菌及び接触収着乾燥キャリアを含む乾燥細菌調製物は脂質相に分散される。 この工程後、細菌増殖のための栄養素及びスキンケア物質などのさらなる追加の成分をプロバイオティック組成物に添加することができる。


    【0039】


    プロバイオティック組成物は最後に衛生製品に添加される。 好ましくは、プロバイオティック組成物は紐状又は斑点状で適用される。 なぜならば衛生製品の極めて多くの部分をカバーすることは製品の吸収特性を低下するからである。 好ましくは衛生製品の表面の40%以下がプロバイオティック組成物によってカバーされる。 より好ましくは衛生製品の表面の20%以下がプロバイオティック組成物によってカバーされる。


    【0040】


    本発明はまた、上記方法によって製造されたプロバイオティック組成物を含む衛生製品に関する。


    【0041】


    本発明によるプロバイオティック組成物は衛生ティッシュ、失禁ガード、おむつ、パンティライナー、タンポン、衛生ナプキンなどの衛生製品に適用される。


    【0042】


    「衛生ティッシュ」は例えばふきん、布片、小さなペーパータオル、ナプキン、ウェットワイプなどの皮膚をふくためのいかなる手段も意味する。 与えられた衛生ティッシュはレーヨン、セルロース、再生セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン繊維、織物等、又はフォーム、不織布、フェルト又は綿芯、又はそれらの組み合わせの如き天然又は合成繊維を含むマトリックスから構成されることができる。 本発明によるプロバイオティック組成物は衛生ティッシュマトリックスに適用又は含浸される。


    【0043】


    本発明のプロバイオティック組成物は上記のように、衛生ナプキン、失禁ガード、パンティライナー、おむつ、タンポンなどの吸収製品への適用のために特に好適である。 なぜならばこれらの製品は尿生殖器領域への乳酸生成細菌の送出のための便利な手段を与えるからである。 本発明による衛生ナプキン、失禁ガード、パンティライナー、タンポン及びおむつは使用者に面する液体透過性ケーシングシート及びその液体透過性ケーシングシートの真下又は内側に位置される一以上の層から構成される吸収層からなることが好ましい。 プロバイオティック組成物はケーシングシート上に又はその内側に位置される。


    【0044】


    以下に衛生ナプキン、パンティライナー、おむつ又は失禁ガードの如き吸収製品のより詳細な説明が与えられる。 図1及び図2(図1の線II−IIに沿った図1の吸収製品の横断面)に示された吸収製品1は使用時に装着者の近くにあることを意図される吸収製品の側上に配置される液体透過性ケーシングシート又は上部シート2を含む。 液体透過性ケーシングシート2は少し柔らかい皮膚に優しい材料からなることが好ましいだろう。 様々なタイプの不織材料が好適な液体透過性材料の例である。 使用可能な他のケーシングシート材料は有孔プラスチックフィルム、ネット、編まれた、かぎ針編みされた又は織られた繊維、及び前記タイプの材料の組み合わせ及び積層体である。


    【0045】


    吸収製品1はまた、使用時に装着者から遠いナプキン1の側上に配置される液体不透過性ケーシングシート又は下部シート3を含む。 液体不透過性ケーシングシート3は薄いプラスチックフィルムからなることが好ましい。 あるいは、何らかの方法で液体不透過性にさせた液体透過性材料を使用してもよい。 例えば、液体透過性材料は液体不透過性の接着剤で被覆されてもよく、液体透過性材料は液体不透過性材料で積層されてもよく、又は最初液体透過性の材料を熱カレンダー処理し、例えば材料の表面を溶融して、それによって液体不透過性層を得てもよい。 あるいは、疎水性繊維からなり、液体バリヤー層として使用できるように不透過性にされた他の編織物を使用してもよい。 液体不透過性ケーシングシート3は蒸気透過性であることが有利でありうる。


    【0046】


    二つのケーシングシート2,3はナプキン輪郭線のまわりで外側に突出する接合縁4を形成し、この縁で相互に接合される。 シートは接着、溶接又は縫製の如き適当な従来技術によって一緒に接合されてもよい。


    【0047】


    ケーシングシート2,3の間に挟まれた吸収芯5は装着者によって放出された本質的に全ての液体を受容及び貯蔵できる層を構成する。 吸収芯5は例えばセルロースパルプから製造されてもよい。 このパルプはロール、ベール又はシートで存在してもよく、それは乾燥離解され毛羽立った状態でパルプマットに加工され、超吸収材を添加混合される場合がある。 超吸収材は自重の数倍の水又は体液(流体)を吸収しうるポリマーである。 他の使用可能な材料の例は例えばSE 9903070−2から知られた様々なタイプのフォーム材料、綿繊維の如き天然繊維、泥炭などである。 もちろん吸収合成繊維、又は天然繊維と合成繊維の混合物を使用することもできる。 特許出願SE 9903070−2は再生セルロース、例えばビスコースの圧縮されたフォーム材料を記載する。 かかるフォーム材料は0.1〜2.0g/cm

    密度を有することが好ましいだろう。 吸収材料はまた、フォーム安定手段、液体分配手段、又は結合剤(例えば短繊維及び粒子を一緒に保持するように熱処理されて一体的なユニットを形成した熱可塑性繊維)の如き他の構成要素を含んでもよい。


    【0048】


    自己接着剤の細長い矩形領域の形の固定手段6は使用時に装着者から遠くにある液体不透過性ケーシングシート3の表面上に与えられる。 固定手段6は液体不透過性ケーシングシート3の主要部上に延びる。 本発明は固定手段6の範囲に制限されず、前記手段は細長いストライプ、横断領域、ドット、円、又は他のパターン及び構成の形を持ってもよい。 本発明は単なる接着剤固定手段の使用に制限されない。 なぜならば摩擦固定手段を使用してもよく、プレスボタン、クリップ、ガードル、パンツなどの他のタイプの機械的固定手段をそうするために好適であると見出すなら使用してもよいからである。 接着剤固定手段が使用されるとき、これは使用前に他の表面に接着して固定手段を破壊することから保護層9によって保護されることが一般的である。


    【0049】


    図1及び2ではプロバイオティック組成物を位置させるための一つの方法が例示され、そこではプロバイオティック組成物が紐8で置かれる。


    【0050】


    上述したことと同様の方法で、プロバイオティック組成物を含むタンポンが作られることができる。 図3及び図4(線IV−IVに沿った図3のタンポンの横断面)は本発明によるプロバイオティック組成物を含むタンポン10の概略図を示し、プロバイオティック組成物13は紐でケーシングシート11上に配置される。 吸収芯12も描かれている。


    【0051】


    当業者は本発明によるプロバイオティック組成物を含むタンポン、衛生ナプキン又は他の衛生製品を製造するために本発明によるプロバイオティック組成物を含む上記衛生製品の上記説明を容易に使用できるだろう。 それゆえ、衛生ナプキン、失禁ガード、パンティライナー、おむつ、タンポン、衛生ティッシュなどの代替デザインも本発明に包含される。


    【0052】


    本発明の一つの好ましい例では、より高い温度で溶融する(乳酸生成細菌を含む又は含まない)脂質相はプロバイオティック組成物のすぐ下に置かれる。 下方の脂質相はプロバイオティック組成物が溶融するときにプロバイオティック組成物が衛生製品上に広がることを阻止する保護層として機能する。 それによって、脂質相による吸収の阻止の危険はずっと低下される。 なぜならば下方の脂質相は体熱との接触時又は高温での貯蔵時に溶融しないか、又は上部相より少ない程度しか溶融しないからである。


    【0053】


    細菌生存性を増強することに加えて、乳酸生成細菌が分散される脂質相の使用はまた、皮膚及び尿生殖器領域へのプロバイオティック組成物の移行速度を増強する。 これは例えば水より高い「接着」特性を有する脂質の効果であることができ、それによって皮膚へ実際に移行される細菌の量を高める。 また、脂質はいったん細菌が皮膚へ送達されたら細菌生存性を高める効果を持つ。 なぜならば、脂質は微小環境を作り、それは細菌生存性を保持するために有益であり、かついったん皮膚に加えられると細菌の増殖を高めることが想定されるからである。


    【0054】


    本発明を実施する積極的な効果は乳酸生成細菌を含む製品の製造と関連した利点にある(なぜならば本発明はかかる製品の製造と関連した問題の多くを解決するからである)。 接触収着乾燥キャリアの使用はおそらく細胞膜を安定化することによって乾燥工程時の細菌細胞の生存率を向上しうる。 さらに、接触収着乾燥キャリアの使用は乾燥された細菌の微粉末を直接達成することができる(微粉末はもし乾燥された細菌が脂質相と混合されるなら必要である)。 もし達成された乾燥された細菌が一般に使用される凍結乾燥後の場合である微粉末の形でないなら、粉砕又は篩分けのさらなる工程が微粉末を生成するために必要である。 これは細菌にストレスを加え、粉砕又は篩分けを実施するために必要な余分な時間の間、細菌は環境から湿分を取り込み、それは細菌生存性に悪影響を及ぼしうる。 対照的に、本発明による接触収着乾燥キャリアを使用することによって微粉末を直接達成することができ、それによって粉砕/篩分け工程を避けることができる。 接触収着乾燥キャリアの使用はまた、乾燥工程をスピードアップして、低い水分活性を達成することができ、それは細菌生存性及び経済性に関する利点である。 また、接触収着乾燥キャリアの使用は細菌細胞を乾燥するためのより経済的な手段を与えることができる。 なぜならば(凍結乾燥のような)水の昇華は本発明で使用される蒸発より多くエネルギーを消費するからである。 さらに、凍結乾燥プラントの投資コストは高い。 連続的な方法で凍結乾燥を適用することは困難であり、かかる方法は大量の乾燥細菌の製造が必要であるときに有利でありうる。


    【0055】


    それゆえ、結果として、本発明によるプロバイオティック組成物を含む衛生製品を製造することによって、経済性、製造の容易性、及び製造時及び続く貯蔵時の細菌生存性に関するいくつかの利点を達成することができる。


    【実施例】


    【0056】


    本発明を実施例によって説明するが、それは本発明を限定することを意図しない。


    【0057】


    実施例1:接触収着乾燥キャリアとしてのSiO

    での乾燥及び対流乾燥のための手順:


    10%Na−グルタメート及び10%グルコースにおけるラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)の水性懸濁液を出発材料として用いた。 細胞濃度は6.5×10

    11 cfu/mlであった。 80mlの懸濁液を160mlのSiO

    (Aerosil 200,Degussa Norden AB,Malmoe,スウェーデン)と混合した。 乾燥は循環乾燥空気(33℃,0.8%相対湿度)でボックス内で実施された。 細菌粉末調製物は約6〜8時間後に乾燥した。 細菌調製物の最終的な量は2.4×10

    11 cfu/gで27gであり、それは12%の計算された生存率に相当する。 粉末の水分活性はAqualab,model 3TE(Decagon Devices Inc.,Pullman,WA,米国)からの装置で測定すると0.034であった。


    【0058】


    実施例2:異なる接触収着乾燥キャリアを用いる及び用いない対流乾燥及びIR乾燥の比較:


    細菌(ラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)を脱イオン水又は10%トレハロースの水溶液に懸濁した。試験した接触収着乾燥キャリアはaerosil 200(Degussa Norden AB,Malmoe,スウェーデン)、天然のポテトスターチ及びβ−グルカンであった。細胞濃度は10

    13 〜10

    14 cfu/mlであった。2.5gのaerosilを20mlの細胞懸濁液に添加し、30gのβ−グルカンを25mlの細胞懸濁液に添加し、27gのポテトスターチを25mlの細胞懸濁液に添加し、取り扱いに都合の良いコンシステンシーを有する「ポリッジ」を達成した。細菌調製物の粉末への最終乾燥は対流乾燥(40℃、最大3時間)によって又はIRでの高速乾燥(赤外光、40〜58℃で5〜7分間)を用いて実施された。


    【0059】


    実験の結果は表2に与えられる。 細菌の極めて満足のいく生存率が達成された。 トレハロースの添加は細菌の生存率に影響しなかった。 細菌細胞の乾燥時の糖の添加は一般に必要であると考えられる。 しかしながら、本発明の乾燥工程において、これは必要でなかった。 対流乾燥及びIR乾燥の両方の乾燥方法は生存率に関して同様の結果を与えた。 aerosil又はポテトスターチの使用は最良の粉末構造を生じた(即ち、より微細な粉末)。 全ての使用した接触収着乾燥キャリアは高い生存率を生じた。


    【0060】


    【0061】


    実施例3:接触収着乾燥キャリアを用いる及び用いない乾燥効率性の比較 5.7×10

    11 cfu/mlの濃度を有するラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)の懸濁水を接触収着乾燥キャリア、aerosil(Degussa)及びポテトスターチのそれぞれと混合し、対流乾燥チャンバー(34℃及び1%相対湿度)において24時間乾燥した。 水分活性は乾燥後(即ち、24時間後)に測定された。


    【0062】


    実施例3の結果を表3に与える。 表3からわかるように、水分活性は接触収着乾燥剤を全く使用しないとき一桁分だけ大きさが高かった。 本発明による水分活性は好ましくは0.30以下であり、かかる低い水分活性レベルは本発明による接触収着乾燥キャリアの使用なしでは得られることができなかった。


    【0063】


    【0064】


    実施例4:対流噴霧乾燥 ラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)の懸濁水を10%マルトデキスリンと混合し、二つの異なる空気温度で噴霧乾燥した。 供給流量は5ml/分であり、空気流量は800l/分であった。 生じた粉末は極めて微細であった(粒子サイズ約5〜10μm)。 この実験の生存率は以下の表4に与えられる。


    【0065】


    【0066】


    実施例5:長期間貯蔵時の細菌組成物の生存性 細菌粉末調製物は実施例1に記載された方法で製造された。 細菌粉末は、脂質相を溶融し、脂質相に粉末を分散する(9gの脂質に対して1gの粉末)ことによって製造直後に異なる脂質相(蜜ろう、Caremelt 58,Caremelt 107又はワセリン)に分散された。 生成した細菌組成物は開放ガラスバイアル中に注がれ、凝固された。 バイアルはアルミニウム箔で極めて緩くカバーされ、標準気候チャンバー(23℃,50%相対湿度)に置かれた。 ある時間で(8ヶ月間で)、生存細胞数が測定された。 サンプリングのため、1gの細菌組成物が表面からはぎとられ、9mlのNaClに置かれ、1分間我慢してから、CFUの数をMRS寒天上でプレートに広げる技術を用いて測定された。


    【0067】


    得られた極めて高い生存率を表5に与える。


    【0068】


    実施例6:本発明の細菌組成物のパンティライナー表面から皮膚への移行 細菌粉末調製物は実施例1に記載された方法で製造された。 粉末は製造直後に異なる溶融されたろう中に分散された(9gのろうあたり1gの粉末)。 パイロットスケールの印刷機で製造された細菌組成物をパンティライナーの表面に印刷した。 印刷されたパターンはドットであった(直径約3mm、距離約3mm)。


    【0069】


    移行試験は製品から打ち抜いた直径2.5cmの円の試験片で行なわれた。 10μlのNaClをピペットを用いて製品に添加し、続いて試験片を一定圧力(弾性テープ及び弾性包帯)でボランティアの前腕上に装着した。 2時間後に製品を除去し、皮膚上の乳酸生成細菌の数を測定した。 滅菌ステンレス鋼シリンダー(直径2.6cm,高さ2cm)を皮膚の試験片でカバーされた部位にしっかりと保持し、1mlの燐酸緩衝液(0.1M,pH7.2)をシリンダー中に注いだ。 滑らかなガラス棒を用いて皮膚を1分間優しくもみこんだ。 その後、緩衝液をピペットで収集し、CFUをプレートに注ぐ技術でMRS寒天上で測定した。 身体のこの場所における自生の乳酸生成細菌の量は移行した細菌の量と比較して極めて少なく、それゆえ全てのカウントされた細菌を移行した細菌としてとった。


    【0070】


    細菌組成物における細菌細胞の百分率は以下のように計算された:


    X=CFUの数/移行試験前の試験片 Y=移行されたCFUの数 移行百分率=Y/X


    【0071】


    コントロールとして、細菌がパンティライナー上の設置前に脂質相と混合されなかった試験片を使用した。 代わりに、コントロール試験片として、細菌懸濁物(接触収着乾燥キャリアなし)をパンティライナーに適用し、その後細菌を適用されたパンティライナーを乾燥したものを使用した。


    【0072】


    【0073】


    表5でわかるように、本発明のプロバイオティック組成物を与えられたパンティライナーから皮膚へ移行された細菌の量は製品から皮膚への細菌細胞の極めて高い移行率を生じる。


    【図面の簡単な説明】


    【0074】


    【図1】 本発明のために好適な衛生ナプキン、おむつ、パンティライナー、失禁ガードなどの吸収製品の図示例を示す。


    【図2】 図1の線II−IIに沿った図1の吸収製品の横断面を示す。


    【図3】 本発明によるプロバイオティック組成物を含むタンポンの概略図を示す。


    【図4】 図3の線IV−IVに沿った図3の吸収製品の横断面を示す。


    【図5】 長期間貯蔵時の本発明による細菌組成物における細菌細胞の生存を示す。

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