专利类型 | 发明专利 | 法律事件 | |
专利有效性 | 公开 | 当前状态 | |
申请号 | JP2018553392 | 申请日 | 2017-04-18 |
公开(公告)号 | JP2019513769A | 公开(公告)日 | 2019-05-30 |
申请人 | ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ レプリゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ; | 申请人类型 | 其他 |
发明人 | マイルズ,イアン,アンセニ; ダッタ,サンディプ,ケイ.; | 第一发明人 | マイルズ,イアン,アンセニ |
权利人 | ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ レプリゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ | 权利人类型 | 其他 |
当前权利人 | ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ,アズ レプリゼンテッド バイ ザ セクレタリー,デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ | 当前权利人类型 | 其他 |
省份 | 当前专利权人所在省份: | 城市 | 当前专利权人所在城市: |
具体地址 | 当前专利权人所在详细地址:アメリカ合衆国 20852−7660 メリーランド州 ベセスダ エムエスシー 7660 エグゼクティブ・ブールバード 6011 ナショナル・インスティテューツ・オブ・ヘルス オフィス・オブ・テクノロジー・トランスファー スイート 325 | 邮编 | 当前专利权人邮编: |
主IPC国际分类 | A61K9/06 | 所有IPC国际分类 | A61K9/06 ; A61K38/20 ; A61L15/36 ; A61L15/44 ; A61K9/70 ; A61K9/12 ; A61P17/00 ; A61P37/08 ; A61K35/74 |
专利引用数量 | 0 | 专利被引用数量 | 0 |
专利权利要求数量 | 24 | 专利文献类型 | A |
专利代理机构 | 专利代理人 | 清原 義博; | |
摘要 | 治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が開示される。医薬組成物は局所投与のために調剤される。これらの医薬組成物を使用してアトピー性皮膚炎を処置する方法がさらに開示される。 【選択図】なし | ||
权利要求 | 治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、 a)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し; b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し; c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および d)グラム陰性菌は、免疫適格性の被験体の皮膚に投与された時に非病原性であり、 ここで医薬組成物は皮膚への局所適用のために調剤される、医薬組成物。グラム陰性菌の成長に必要な栄養素をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。クリーム、ゲル、膏薬、発泡体または軟膏として調剤されることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。グラム陰性菌はシュードモナス属を含むことを特徴とする、請求項1−3のいずれか1つに記載の医薬組成物。シュードモナス属は緑膿菌であることを特徴とする、請求項1−3のいずれか1つに記載の医薬組成物。グラム陰性菌はロゼオモナス属を含むことを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。ロゼオモナス属はロゼオモナス・ミュコーサであることを特徴とする、請求項6に記載の医薬組成物。グラム陰性菌は、シュードモナス・ルテオラ、シュードモナス・オリジハビタンス、パンテア・セプティカ、およびモラクセラ・オスロエンシスの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。グラム陰性菌は単一の属からであることを特徴とする、請求項1−8のいずれか1つに記載の医薬組成物。グラム陰性菌は単一の種であることを特徴とする、請求項1−8のいずれか1つに記載の医薬組成物。グラム陰性菌は単一の株であることを特徴とする、請求項4−8のいずれか1つに記載の医薬組成物。グラム陰性菌は、健康な被験体の皮膚から精製される、または健康な被験体の皮膚から増殖されることを特徴とする、請求項1−11のいずれか1つに記載の医薬組成物。サイトカインはインターロイキン(IL)−6であることを特徴とする、請求項1−12のいずれか1つに記載の医薬組成物。ヒトケラチノサイトを刺激する工程は、IL−1βをコードするmRNA、ディフェンシンベータ4をコードするmRNA、Cyp27b1をコードするmRNA、および/またはビタミンD受容体をコードするmRNA、の生成を誘導する工程を含むことを特徴とする、請求項1−13のいずれか1つに記載の医薬組成物。請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む包帯。被験体の皮膚へのあらかじめ決められた用量の組成物の送達のための、請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む単位用量ディスペンサー。請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物を含むスプレーボトル。アトピー性皮膚炎の処置のための、またはアトピー性皮膚炎を有する被験体のマイクロバイオームを変化させるための、請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物、または請求項15に記載の包帯、請求項16に記載の単位用量ディスペンサー、または請求項17に記載のスプレーボトルの使用。アトピー性皮膚炎を処置する方法であって、被験体の皮膚に治療上有効な量の請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与する工程であって、それによってアトピー性皮膚炎を処置する工程、を含む方法。アトピー性皮膚炎を有する被験体の皮膚内の微生物叢の相対存在量を変化させる方法であって、被験体の皮膚に治療上有効な量の請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与する工程であって、それによって被験体の皮膚内の微生物叢の相対存在量を変化させる工程、を含む方法。被験体はヒトであることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。被験体は免疫無防備状態ではないことを特徴とする、請求項19−21のいずれか1つに記載の方法。被験体の皮膚は無傷であることを特徴とする、請求項19−22のいずれか1つに記載の方法。アトピー性皮膚炎を処置するためのキットであって、該キットは: a)治療上有効な量の生菌のグラム陰性菌を含む容器であって、ここで i)グラム陰性菌、グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し; ii)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し; iii)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および iv)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である 容器; b)薬学的に許容可能な担体を含む容器;および c)薬学的に許容可能な担体中の、治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌を皮膚に局所的に適用するための説明書、 を含むキット。 |
||
说明书全文 | <関連出願への相互参照> 本件は、2016年4月19日に出願された米国仮特許出願第62/324,762号の利益を主張し、該仮出願は引用により本明細書に組み込まれる。 本開示は、皮膚病学の分野に関し、特にアトピー性皮膚炎を処置するための生菌のグラム陰性菌の局所適用の使用に関する。 アトピー性皮膚炎を記載するためにしばしば使用される用語「湿疹(eczema)」は古代ギリシャで造語され、そして「沸騰させて除去すること(to boil out)」としておおざっぱに翻訳された。しかしながら、現代科学は、宿主と環境要因の両方がこの疾患の原因になることを認識している。疾病の特徴には、バリア機能の低下、先天免疫活性の低下、および黄色ブドウ球菌に感染しやすいことが含まれる。素因となる宿主要因は、STAT3、フィラグリン、およびAD様表現型に関連する他の遺伝子における単一遺伝子変異によって示唆される(Lyons et al.,Immunology and allergy clinics of North America 35,161−183(2015);published online Epub Feb(10.1016/j.iac.2014.09.008))。宿主の遺伝子的影響は、ステロイド外用薬またはカルシニューリン阻害剤によって治療的に調整され得る(Boguniewicz and Leung, J Allergy Clin Immunol 132,511−512 e515(2013);published online(Epub)Aug(10.1016/j.jaci.2013.06.030))。黄色ブドウ球菌はAD発病の原因となり、および抗生物質によって緩和可能である(Boguniewicz and Leung,supra;Kobayashi et al.,Immunity 42,756−766)。皮膚マイクロバイオームは、健康な対照とADを伴う患者との間で大幅に異なり、および症状は共生多様性の喪失に関係することが、最近の研究によって明らかになっている(Kong et al.,Genome research 22,850−859(2012);published online(Epub)May(10.1101/gr.131029.111))。この腸内菌共生バランス失調を治療的に標的とし、およびアトピー性皮膚炎を処置するための方法が依然として求められる。 健康な被験体の皮膚由来の培養可能なグラム陰性菌(CGN)は、先天免疫の活性化、バリア機能の増強、および黄色ブドウ球菌の制御に関係していたことが、本明細書に開示される。これらのグラム陰性菌は、この疾病を有する被験体のアトピー性皮膚炎を処置するために有用である。 いくつかの実施形態では、治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が開示され、ここでa)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する);b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびd)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。医薬組成物は局所投与用に調剤される。 これらの医薬組成物を使用して局所的な皮膚炎を処置する方法がさらに開示される。 本発明の前記および他の特徴と利点が、添付の図を参照して行われるいくつかの実施形態についての以下の詳細な説明から、より明白になるだろう。 CGN単離菌は、健康な志願者とADを有する患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。図1Aは、HV(n=26)およびAD(n=17)の被験体から産出されたCGN単離菌を有する個体の割合である。多数のCGN単離菌を有する個体を単離菌ごとに数え、HVでは合計100%より多かった:詳細については表1を参照。 CGN単離菌は、健康な志願者とADを有する患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。HVおよびAD患者から単離された黄色ブドウ球菌の8つの株を、CGN上澄みまたは対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照と比較した、1つのCGN単離菌からの上澄みの黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表す(HV単離菌=9、AD単離菌=7)。形は、参加者の自己由来の黄色ブドウ球菌、またはHVまたはAD患者からの1つの黄色ブドウ球菌の単離菌のいずれかである、黄色ブドウ球菌の供給源を表す。*シンボルのあるデータポイントは、続くヒトチャレンジおよびマウスモデル実験のために選択された、1つのHV由来および1つのAD由来のCGN単離菌を表す。データは代替的にCGN種によって提示される、図4を参照。示されたデータは、3つ以上の独立した実験の組み合わせであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性はスチューデントのt検定(B)によって判定された。 CGN単離菌は、健康な志願者とADを有する患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。健康なマウスの耳に、10日間、HVまたはAD患者からの黄色ブドウ球菌(株SAAS9)およびR.ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌を共接種した。12日目に耳をホモジナイズし、および階段希釈によってCFUごとに平板培養した。成長vs希釈(CGN未添加)対照の増減率を示す。示されたデータは、2つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性はボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された。 CGN単離菌は、健康な志願者とADを有する患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。図1Dは、図1Cと同じマウスから採取されたCGN CFU産出物である。示されたデータは、2つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性はボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された。 HV由来のCGNは先天免疫およびバリア機能を高める。図2Aは、健康な対照に対するインビボでのヒト水疱チャレンジに関するサイトカイン分析であり、食塩水の対照ウェル(点線)と比較した、健康な対照由来のR.ミュコーサの代表的な株と、ADを伴う患者から単離されたものに対するサイトカイン応答を示す、N=7。示されたデータは、7つの独立した実験の組み合わせであり、および平均と個々の参加者として示される。HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、FLG=フィラグリン、IL−=インターロイキン、TEWL=経皮水分損失。ボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された希釈対照からの有意性(またはその示唆)。 HV由来のCGNは先天免疫およびバリア機能を高める。図2Bは、図2Aに示されるデータのペア分析であり、同じヒト被験体において、HV供給R.ミュコーサに接触させた水疱ウェルでのサイトカイン生成は、AD供給R.ミュコーサに十分に接触させた水泡でのサイトカイン生成よりも少ないことを示している。示されたデータは、7つの独立した実験の組み合わせであり、および平均と個々の参加者として示される。HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、FLG=フィラグリン、IL−=インターロイキン、TEWL=経皮水分損失。ボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された希釈対照からの有意性(またはその示唆)。 HV由来のCGNは先天免疫およびバリア機能を高める。マウスの耳に、HVまたはADのいずれか由来の1e7CFU R.ミュコーサを3日間毎日、接種した。5日目の、GAPDHに標準化されたIL−1βおよびフィラグリンごとのmRNAの存在量、および未処置マウスとの比較が示される。各群につきN=4−5のマウス。示されたデータは、2つ以上の独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、FLG=フィラグリン、IL−=インターロイキン、TEWL=経皮水分損失。ボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された希釈対照からの有意性(またはその示唆)。 HV由来のCGNは先天免疫およびバリア機能を高める。0日目に、マウスの背中を剃り、および毛を化学的に除去した。次にTEWLを、HVまたはADのいずれか由来の1e7 CFU R.ミュコーサの毎日の適用後に測定した。各群につきN=4−5のマウス。示されたデータは、2つ以上の独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。HV=健康な志願者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性菌、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、FLG=フィラグリン、IL−=インターロイキン、TEWL=経皮水分損失。ボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された希釈対照からの有意性(またはその示唆)。 HV由来のCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。MC903適用に先立ち2日間、マウスの両方の耳に毎日、HVまたはAD患者由来のR.ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9株を接種した。次に、13日間毎日、細菌をMC903と共に適用した。14日目の各耳の厚みが示される;各群につきN=4−8のマウス。 HV由来のCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。MC903適用に先立ち2日間、マウスの両方の耳に毎日、HVまたはAD患者由来のR.ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9株を接種させた。次に、13日間毎日、細菌をMC903と共に適用した。14日目の血清の全IgEレベルが示される;各群につきN=4−8のマウス。 HV由来のCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。AD様皮膚炎を誘発するために、14日間マウスをMC903で処置した。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6CFU の生きたR.ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6CFUの自己由来R.ミュコーサからの上澄みで再懸濁された同じHVからの死んでいる1e6CFUのR.ミュコーサ(死んだ混合物)、または1e7CFUのHV R.ミュコーサからの上澄み(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目における、目に見える赤み(D)および耳の厚み(C)が示される;各群につきN=3−5のマウス。示されたデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均+平均値の標準誤差として示される。有意性はANOVAによって判定された。 HV由来のCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。AD様皮膚炎を誘発するために、14日間マウスをMC903で処置した。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6 CFU の生きたR.ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6 CFUの自己由来R.ミュコーサからの上澄みで再懸濁された同じHVからの死んでいる1e6 CFUのR.ミュコーサ(死んだ混合物)、または1e7 CFUのHV R.ミュコーサからの上澄み(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目における、目に見える赤み(D)および耳の厚み(C)が示される;各群につきN=3−5のマウス。示されたデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均+平均値の標準誤差として示される。有意性はANOVAによって判定された。 図1Bからのデータの種分析。HVおよびAD患者から単離された8つの黄色ブドウ球菌株を、CGN上澄みまたは対照培地のいずれかの存在下において育てた。各データポイントは、培地対照(HV単離菌=9、AD単離菌=7)と比較し、1つのCGN単離菌からの上澄みの黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表す。R.ミュコーサ単離菌間の有意性はスチューデントのt検定によって判定された。 吸引水疱プロトコル。3D印刷された水疱誘発デバイスの画像。 吸引水疱プロトコル。吸引の2時間後の水疱結果。 吸引水疱プロトコル。裸にされた水疱領域に置かれたチャレンジチャンバー、単離菌はピペットによって各チャレンジキャップの中心に入れられた。 サイトカインおよび抗菌性ペプチドの反応に対するCGNの影響。インビボでのヒト水疱チャレンジ(補助的方法を参照)に関するサイトカイン分析、N=5。示されたデータは5つの独立した実験の組み合わせであり、および平均と個々の参加者(A)として示される。 サイトカインおよび抗菌性ペプチドの反応に対するCGNの影響。インビボでのヒト水疱チャレンジ(補助的方法を参照)に関する抗菌性ペプチド、N=5。示されたデータは5つの独立した実験の組み合わせであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトを培養して集密させた。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに加えた。24時間後にmRNAをKCから採取し、およびPCRによって分析した。データは3つの独立した実験を代表するものであり、および平均+平均値の標準誤差として示され、個々のドットは別個の単離菌で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントのt検定によって判定された。*=p<0.05、**=p>0.01。 HV−R.ミュコーサによって生成された脂質は、黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。図1Bで行なわれるように、黄色ブドウ球菌(株USA300)阻害を評価する前に、R.ミュコーサおよび緑膿菌からの上澄みに硫安塩析を行なった。データは3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。有意性はボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された。*=p<0.05。 HV−R.ミュコーサによって生成された脂質は、黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。3つの黄色ブドウ球菌の単離菌を、図1Bで評価された阻害(対希釈(0))を有するリゾホスファチジルコリン(LPC)またはカルディオリピンの存在下または欠如下で培養した。データは3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。有意性はボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された。*=p<0.05。 HV−R.ミュコーサによって生成された脂質は、黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。ヒト包皮ケラチノサイトを、LPCの存在下または欠如下で培養し、および評価した。データは3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。有意性はボンフェローニ補正を用いたANOVAによって判定された。*=p<0.05。 MC903チャレンジ中に、CGNはマウスのフィラグリン反応に影響を与える。示されるように、マウスはグラム陰性単離菌の接種と共にMC903処置を受けた。14日目にmRNAを耳から採取し、およびPCRで分析した。示されたデータは3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+平均値の標準誤差として示される。ANOVAによって算出された、MC903との有意差が示される。*=p<0.05。
健康な対照由来の共生生物は、アトピー性皮膚炎を伴う患者から採取された同一の種と比較して、免疫活性、バリア機能、および抗菌プロフィールの点で異なっていることが、本明細書に開示される。したがって、アトピー性皮膚炎を伴う患者を処置するための生きたバイオ治療(live−biotherapeutic)アプローチが提供される。 アトピー性皮膚炎の処置に使用することができる、局所投与のために調剤された医薬組成物が本明細書に開示される。これらの医薬組成物は、治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を含み、ここでa)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびd)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。特定の非限定的な例では、グラム陰性菌はリゾホスファチジルコリンを産出する。 グラム陰性菌はいかなる種からでもよい。したがって、特定の例では、グラム陰性菌がシュードモナス属である場合、グラム陰性菌は緑膿菌、シュードモナス・ルテオラ(luteola)またはシュードモナス・オリジハビタンス(orbyhabitans)であり得る。他の例では、グラム陰性菌がパンテア属である場合、グラム陰性菌はパンテア・セプティカ(septica)であり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がモラクセラ属である場合、グラム陰性菌はモラクセラ・オスロエンシスであり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がロゼオモナス属である場合、グラム陰性菌はロゼオモナス・ミュコーサであり得る。医薬組成物に含まれるグラム陰性菌は、単一の株、単一の種または単一の属からであり得る。代替的に、グラム陰性菌の株、種および/または属の組み合わせを、開示された方法において使用することができる。 <用語> 分子生物学の一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin,“Genes V,”Oxford University Press,1994(ISBN0−19−854287−9);Kendrew et al.(eds.),“The Encyclopedia of Molecular Biology,”Blackwell Science Ltd.,1994(ISBN0−632−02182−9);およびRobert A.Meyers(ed.),“Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,”VCH Publishers,Inc.,1995(ISBN1−56081−569−8)に見つけることができる。 本開示の様々な実施形態の論評を促すために、以下に特定の用語の説明が提供される。 アトピー性皮膚炎:皮膚を冒す慢性疾患。アトピー性皮膚炎では、皮膚が非常にかゆくなる。ひっかくことによって、赤み、腫れ、ひび割れ、透明液の滲出がもたらされ、および最終的にはかさぶたができてはがれる。ほとんどの場合、増悪の期間に続いて寛解の期間がある。どれほどの人がアトピー性皮膚炎に冒されているかを正確に特定するのは難しいが、乳児と幼児の推定20%は該疾患の症状を経験する。これらの幼児のおよそ60%は、成年期にアトピー性皮膚炎の1つ以上の症状を有し続ける。したがって、アメリカでは1500万人以上が、該疾患の症状を有している。「病変領域」はアトピー性皮膚炎に冒された皮膚の領域である。一般的に、病変は皮膚の乾燥(乾皮症)、赤み、水疱、痂皮、または任意の組み合わせに特徴づけられる。非病変領域は、アトピー性皮膚炎または他のいかなる皮膚病状にも冒されていない。 動物:生きている多細胞の脊椎生物、例えば哺乳動物と鳥を含むカテゴリー。哺乳動物の用語は、ヒトおよびヒト以外の哺乳動物の両方を含む。同様に、用語「被験体」はヒトおよび動物の被験体の両方を含む。 抗生物質:細菌、真菌または他の任意の微生物を殺す、または実質的にそれらの成長を遅らせる化合物または物質。「抗菌性」とは、細菌を殺す、または実質的にその成長を遅らせる化合物または物質である。抗菌性抗生物質は通常、その作用機序、化学構造、または作用スペクトルに基づいて分類される。大部分は細菌の機能または成長プロセスを標的とする。細菌の細胞壁を標的とするもの(例えばペニシリンとセファロスポリン)、または細胞膜を標的とするもの(例えばポリミキシン)、または必須の細菌酵素を標的とするもの(例えばキノロンとスルホンアミド)は、殺菌性である。タンパク質合成を標的とするもの(例えばアミノグリコシド、マクロライドおよびテトラサイクリン)は、一般的に静菌性である。さらなる分類はそれらの標的特異性に基づく。 「狭域」の抗菌性抗生物質は、グラム陰性菌またはグラム陽性菌などの特定の種類の細菌を標的とする。「広域抗生物質」は多数の異なる種類の細菌に影響を与える。抗菌剤には、環状リポペプチド(ダプトマイシンなど)、グリシルサイクリン(チゲサイクリンなど)、およびオキサゾリジノン(リネゾリドなど)がさらに含まれる。 局所用抗生物質は、皮膚または目などの体表面に適用される抗生物質である。局所用抗生物質は、しばしば軟膏またはクリームとして調剤され、およびマクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)、サルファ剤抗生物質(スルファセタミドなど)、環状ペプチド(バシトラシン、ポリミキシンなど)、プソイドモン酸(ムピロシンなど)、アミノグリコシド(ネオマイシンなど)、またはキノロン(シプロフロキサシンまたはオフロキサシンなど)などの活性薬剤、ニトロイミダゾール(メトロニダゾールなど)、または薬物の組み合わせ(バシトラシン/ポリミキシンまたはネオマイシン/ポリミキシンB/バシトラシン)を含む。 共生:生物が同じ環境で生きることができ、および他方に影響(有害または有益のいずれか)を与えずに一方が他方から恩恵を受けることができる場合、生物は共生である。皮膚微生物叢の細菌は、ヒトなどの宿主と共生すると考えられる。皮膚微生物叢に存在する共生菌の種の数は、例えば存在する細菌種を特定するために16SリボソームRNAを使用して、検出することができる。 上皮細胞:皮膚などの上皮を形成する、密集して詰まった細胞。上皮にはいくつかの種類があり、単層扁平上皮、単層立方上皮、単層円柱上皮、偽重層上皮、重層扁平(非角化)上皮、重層立方上皮、および移行上皮が含まれる。 グラム陰性菌:複数の外側細胞膜、内側細胞膜、薄いペプチドグリカン層、およびリポ多糖(LPS)を含む外膜を有する細菌。ポリンは外膜に存在し、およびグラム陰性菌は、細菌の識別のためのグラム染色法で使用されるクリスタルバイオレット染色に染まらない。外膜と細胞質部分の間に、ペリプラスムで満たされた空間がある。S層は、外膜に直接付属する。テイコイル酸またはリポタイコ酸は存在しない。ほとんどのグラム陰性菌(しかし全てでない)は胞子を形成しない。典型的なグラム陰性菌は、例えばHANDBOOK OF ENDOTOXINS,1:187−214,eds.R.Proctor and E.Rietschel,Elsevier,Amsterdam(1984)に報告されたように、限定されないが、ヒトにおける敗血症および敗血症性ショックに最も一般的に関連するものを含む。HSP60(GroEL)タンパク質中のCSI(conserved signature indel)は、グラム陰性菌のすべての従来の門(例えばプロテオバクテリア門、アクウィフェクス門、クラミジア門、バクテロイデス門、クロロビウム門、シアノバクテリア門、フィブロバクター門、ウェルコミクロビウム門、プランクトミケス門、スピロヘータ門、およびアシドバクテリウム門)を識別する。グラム陰性菌は、限定されないが、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス属の種、シュードモナス属、サルモネラ菌およびロゼオモナス属の種を含む。CGNは、皮膚に見られるグラム陰性菌である。「構成分子」は、グラム陰性菌に存在する、またはグラム陰性菌によって分泌される分子を意味する。したがって、構成分子は可溶化液または上澄みに存在し得る。特定の非限定的な例では、上澄みに含まれるものなどのグラム陰性菌の構成分子は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。 グラム陽性菌:細菌の鑑別のためのグラム染色法においてクリスタルバイオレット染色に染まる細菌。これらの細菌は、その膜内のLPS分子に対し重量で勝るペプチドグリカンに特徴付けられ、グラム陰性種に関して記載されたものと類似の、細菌感染に特徴的な疾患病因および症状を誘発し得る。 異種:別個の遺伝子源または種から始まること。異種のポリペプチドは、異なる細胞または組織の種類、または受容者とは異なる種からのものであり、および通常はそのポリペプチドを発現しない細胞へとクローン化される。 宿主細胞:ベクターの増殖、およびそのDNA発現が可能な細胞。細胞は原核生物または真核生物のものでもよい。細胞はヒト細胞などの哺乳動物のものであり得る。該用語はさらに、被験体の宿主細胞の子孫を含む。複製中に変異が起こり得るため、全ての子孫が親の細胞と同一ではないかもしれないことが理解される。しかしながら、用語「宿主細胞」が使用される場合、そのような子孫が包含される。 マイクロバイオーム:人体内および人体上で生きている微生物群の遺伝物質であって、持続可能かつ一時的であり、真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス[すなわちファージ]を含む)を含み、ここで「遺伝物質」には、ゲノムDNA、ミクロRNAおよびリボソームRNAなどのRNA、エピゲノム、プラスミド、および他の全ての種類の遺伝子情報が含まれる。 免疫適格性:体液性(B細胞)免疫不全、T細胞欠損症または補体欠損症などの免疫不全のないヒトなどの被験体。免疫適格性の被験体は、細菌感染に対して免疫反応をしかけることができる。「免疫適格」は、抗原または細菌にさらされた後に正常な免疫反応を生み出すための体の能力である。 単離された、または精製された:グラム陰性菌などの「単離された」または「精製された」細胞は、細菌などの細胞が生じる環境中の他の細胞または種から分離または精製されている。したがって用語「単離された」は、単一細胞クローン化および培養などの標準的な精製法によって精製された細菌を含む。該用語はさらに、組み換え法によって調製された、または自然発生源から単離された細菌を包含する。単離(または精製)されたグラム陰性菌は一般的に、グラム陽性菌などの他の細菌から取り出される。単離されたグラム陰性菌は単一の属、種、および/または株であり得る。本明細書で使用されるように用語「実質的に精製された」は、細菌の属、種、株または複数の菌株の混合物(例えばグラム陰性菌)を指し、それはサンプル内で実質的に増殖させられ、そうすると他の種類の細菌(例えばグラム陽性菌)は激減させられる。サンプルは、少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%、99%、またはより多くの望ましい細菌の属、種、株であり、または約30%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはより少ない望ましくないまたは他の細菌の属、種または株であるように、菌株または対象株の混合物用に実質的に精製され、または増殖され得る。 疾患の阻害または処置:アトピー性皮膚炎などの疾患の阻害は、疾患の全発症を阻害することを指す。いくつかの例では、疾患の阻害は、症状の低減または病変サイズの減少を指す。「処置」は、皮膚の赤み、腫れ、ひび割れ、透明液の「滲出」、および最終的にかさぶたができてはがれることなどの、疾患の徴候または症状を改善する治療的介入を指す。 インターロイキン(IL)−6:炎症促進性のサイトカインおよび抗炎症性のマイオカインとして作用するIL。IL−6は、リガンド結合IL−6Rα鎖(CD126)、およびシグナル伝達要素gp130(CD130とも呼ばれる)から成る細胞表面I型サイトカイン受容体の複合体を介してシグナルを送る。CD130は、白血病抑制因子(LIF)、毛様体神経栄養因子、オンコスタチンM、IL−11およびカルジオトロフィン−1を含むいくつかのサイトカインに関する一般的なシグナル伝達者であり、およびほとんどの組織にほぼ遍在して発現する。対照的に、CD126の発現は特定の組織に限定される。IL−6がその受容体と相互に作用するように、それはgp130とIL−6Rタンパク質による複合体の形成を引き起こし、したがって受容体を活性化させる。典型的なアミノ酸配列は、Uniprotデータベースの受け入れ番号No.P05231(ヒト)およびP08505(マウス)、および(対応するタンパク質配列と共に)IL−6をコードする典型的なmRNA配列は、GENBANK(登録商標)受け入れ番号No.NM_000600.4(ヒト)、2016年1月5日、およびNM_031168.2(マウス)、2015年10月26日に提供され、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。 哺乳動物:この用語は、ヒトおよびヒト以外の哺乳動物の両方を含む。同様に、用語「被験体」はヒトおよび動物の被験体の両方を含む。 核酸:一本鎖または二本鎖のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド重合体であり、および他で限定されない限り、自然に生じるヌクレオチドに類似の方法で核酸にハイブリダイズする、天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む。 製薬剤:被験体に適切に投与された時に望ましい治療的または予防的効果を誘発することができる、グラム陰性菌などの細菌、化合物、核酸分子、または組成物。一実施形態では、製薬剤はグラム陰性菌である。 薬学的に許容可能な担体:本発明に有用である薬学的に許容可能な担体はありふれたものである。“Remington’s Pharmaceutical Sciences,”E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,15th Edition(1975)には、本明細書に開示されるグラム陰性菌の薬剤送達に適した組成物と処方が記載されている。 一般的に、担体の性質は、使用される投与の特定の方法に依存する。例えば、非経口製剤は通常、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性のブドウ糖、またはグリセリンなどの薬学的および生理的に許容可能な流体を賦形剤として含む注射可能な流体を含む。固形組成物(例えば粉剤、丸剤、錠剤、またはカプセル形状)の場合、従来の非毒性の固形担体として、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムの医薬品グレードをあげることができる。生物学的に中性の担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、保存剤、およびpH緩衝薬などの軽微な量の非毒性の補助剤、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含み得る。許容可能な担体はさらに、局所投与用などのクリーム剤および軟膏剤を含む。 シュードモナス属:191の記載された種を含むシュードモナダセエ科に属する、グラム陰性で好気性のガンマプロテオバクテリア綱の属。属の構成員は、かなりの程度の代謝の多様性を実証し、従って広範囲の生態的地位をコロニー化することができる。この属の構成員は16SリボソームRNA分析を使用して判定することができる。一般的に、属の構成員は、1つ以上の極性の鞭毛を有する桿菌の好気性の芽胞非形成であり、および陽性のオキシダーゼおよびカタラーゼのテストを示す。 ロゼオモナス属:プロテオバクテリア門およびアセトバクター科に割り当てられた、好気性でグラム陰性の桿菌の細菌の属。特定の非限定的な例では、細菌は、細菌からの16S rRNAの核酸配列を評価することによって、ロゼオモナス属に属すると判定され得る。ロゼオモナス属は、種に応じて、丸々とした球菌、球桿菌、または短桿菌として現われ得る。ほとんどの株は、マッコンキー寒天培地上で成長し、および成長は25℃と30℃と35℃、およびその間の温度で起こる。ほとんどの株はさらに、42℃で成長する。薄いピンクの成長色素が生成される;“BERGEY’S MANUAL(登録商標)of Systemic Bacteriology,”Volume Two,The Proteobaceria,Part 3,Springer Science&Business Media,2016年7月25日、88−89頁を参照されたい、Google booksよりオンラインで利用可能。 治療上の有効量:アトピー性皮膚炎を処置するのに十分な用量。一実施形態では、治療上の有効量は、病変サイズの減少に十分なグラム陰性菌の量である。 局所適用:局所的に適用される薬剤は、体全体ではなく特定の領域にのみ適用される。特定の例では、組成物は病変内などの皮膚に適用される。例えば、医薬組成物は医薬品製剤中で病変に適用することができる。 形質導入された:形質導入された細胞は、分子生物学技術によって核酸分子が導入された細胞である。本明細書において使用されるように、形質導入という用語は、核酸分子をそのような細胞に導入し得る全ての技術を含み、ウイルスベクターによるトランスフェクション、プラスミドベクターによる形質転換、および電気穿孔とリポフェクションと粒子銃加速による裸のDNAの導入、を含む。 ベクター:宿主細胞に導入され、それによって形質転換された宿主細胞を生み出す核酸分子。ベクターは、複製起点などの、宿主細胞内での複製を可能にする核酸配列を含み得る。ベクターはさらに、1つ以上の選択可能な標識遺伝子、および当技術分野において既知の他の遺伝要素を含み得る。ベクターは、グラム陰性およびグラム陽性の菌細胞における発現のためのプラスミドを含む、プラスミドベクターを含む。典型的なベクターには、グラム陰性菌における発現のためのものがあげられる。 別段の説明のない限り、本明細書で使用される技術的かつ科学的な用語はすべて、本開示が属する技術分野の当業者によって通常、理解されるのと同じ意味を有する。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈により明らかに示されない限り、複数の指示物を含んでいる。同様に、単語「または(or)」は、文脈により明らかに示されない限り、「および(and)」を含むように意図される。核酸またはポリペプチドに関して与えられる、全ての塩基の大きさまたはアミノ酸の大きさ、および全ての分子量または分子量の数値は、おおよその数値であり、および説明のために提供されることが、さらに理解される。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を、本開示の実施または試験に用いることができるが、適切な方法および材料が以下に記載される。用語「含む(comprises)」は「含む(includes)」を意味する。本明細書において言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、用語の説明を含む特許明細書が支配する。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、限定を意図したものではない。 <グラム陰性菌> 単離されたまたは実質的に精製されたグラム陰性菌、および無傷のヒト皮膚由来のグラム陰性菌またはそのようなグラム陰性菌から増殖したグラム陰性菌の組み合わせ、を含む医薬組成物が提供される。これらのグラム陰性菌は、健康な微生物叢の機能を有意義に提供する、またはアトピー性皮膚炎を有する被験体に投与された時に固有のマイクロバイオームに対する増強を触媒する能力がある。特に、アトピー性皮膚炎の症状を処置する、予防する、遅らせる、または低減する組成物が提供される。 これらの組成物は、皮膚の病理学的な疾病を有さない健康な被験体などの、アトピー性皮膚炎のない被験体から単離されたグラム陰性菌を含み得る。いくつかの実施形態では、被験体は病理学的な疾病、例えば皮膚および/または内臓の病理学的な疾病、を有さない。被験体は免疫適格性で有り得る。グラム陰性菌は、被験体の皮膚から直接単離することができ、または細菌の培養のための標準的な技術を用いてインビトロで増殖させることができる。しかしながら、以下に論じられるように、グラム陰性菌は他の供給源から得ることができる。グラム陰性菌は、プロテオバクテリア、スピロヘータ科、腸内細菌、多形性紡錘菌、またはSelenomaonadalesであり得る。グラム陰性菌は、双球菌、球桿菌、球菌、または桿菌であり得る。 いくつかの実施形態では、単離されたまたは実質的に精製された生菌のグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を含む、局所投与のために調剤された組成物が開示され、a)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびd)グラム陰性菌は、免疫適格性の被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。「構成分子」は、グラム陰性菌に存在する、またはグラム陰性菌によって分泌される分子を意味する。特定の非限定的な例では、グラム陰性菌によって分泌された分子を含む上澄みは、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。 本明細書で提供されるのは、特定の属、種、株、および株または種の組み合わせであって、健康な被験体などのアトピー性皮膚炎を伴わない被験体のヒト皮膚微生物叢内で元々は発見されたものである。 いくつかの実施形態では、これらの種/株は、インビトロアッセイで皮膚病原体の複製速度を大幅に減じることができる。これらの種/株は、そのような病原菌の成長、複製および発病度に影響を与える安全かつ効果的な手段を提供することができる。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、病原性の細菌を排除する能力を備えている。 典型的な細菌組成物は黄色ブドウ球菌などの特定の病原体の成長速度を減じることが、実証されている。皮膚内の黄色ブドウ球菌を永続的に減じる能力を備えたグラム陰性菌は、ヒト微生物叢内の構成要素に関する生態的防除因子(ECF)を推定するための方法を使用して特定することができる。ECFは、インビトロアッセイを使用して、所与の共生株または株の組み合わせの、所与の病原体(例えば黄色ブドウ球菌)に対する拮抗活性を評価することにより判定され、加えられた共生株の様々な濃度における生態的防除の観測レベルをもたらす。共生株または株の組み合わせに関するECFは、抗生物質の評価に使用される長期にわたる最小発育阻止濃度(MIC)評価に多少類似している。ECFは、共生株および株の組み合わせが皮膚病原体に拮抗する能力に関する、相対的な潜在能力の評価とランキングを可能にする。共生株または株の組み合わせのECFは、インビトロアッセイにおける標的病原体(例えば黄色ブドウ球菌)の所与の阻害率(例えば少なくとも10%、20%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%)を仲介することができる組成物の濃度を評価することで、算出することができる。 いくつかの実施形態では、グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する。グラム陰性菌は、インビボおよび/またはインビトロでケラチノサイトを刺激し得る。グラム陰性菌は、IL−1βをコードするmRNA、ディフェンシンベータ4をコードするmRNA、Cyp27b1をコードするmRNA、ビタミンD受容体をコードするmRNA、オクルディンをコードするmRNA、クローディン1をコードするmRNA、および/またはフィラグリンをコードするmRNAの産生などの、免疫媒介物または上皮性関門機能に含まれる分子のmRNAの転写を高めることにより、ケラチノサイトを刺激する。 さらなる実施形態では、グラム陰性菌は、ヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する。ヒト細胞には、限定されないが、繊維芽細胞およびケラチノサイトなどの皮膚の細胞が含まれる。サイトカインには、限定されないが、IL−6およびIL−1βなどのインターロイキン(IL)が含まれる。 さらに他の実施形態では、グラム陰性菌はリゾホスファチジルコリンを産出する。 さらなる実施形態では、グラム陰性菌は、免疫適格性の被験体などの被験体の皮膚に投与された時に、非病原性である。一般的に、グラム陰性菌は、無傷のヒト皮膚に投与された時、いかなる感染も引き起こさない。したがって、処置後には何の病因も観察されない。 本開示の組成物に含まれる生菌のグラム陰性菌は、任意の属であり得る。いくつかの実施形態では、グラム陰性菌はシュードモナス属である。さらなる実施形態では、グラム陰性菌はパンテア属またはモラクセラ属である。他の実施形態では、グラム陰性菌はロゼオモナス属である。 単一の属のみからの細菌を医薬組成物に含んでもよい。代替的に、属の組み合わせを医薬組成物に含んでもよく、本開示の方法に有用である。したがって組成物は、例えば1、2、3、4、または5属のグラム陰性菌を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、組成物は、生菌のロゼオモナス属を含む。別の特定の非制限的な例では、組成物は生菌のシュードモナス属を含む。さらに別の特定の非制限的な例では、組成物は生菌のロゼオモナス属および生菌のシュードモナス属を含む。 生菌のグラム陰性菌はいかなる種からでもよい。したがって、特定の例では、グラム陰性菌がシュードモナス属である場合、グラム陰性菌は緑膿菌、シュードモナス・ルテオラ(luteola)またはシュードモナス・オリジハビタンス(orbyhabitans)であり得る。他の例では、グラム陰性菌がパンテア属である場合、グラム陰性菌はパンテア・セプティカ(septica)であり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がモラクセラ属である場合、グラム陰性菌はモラクセラ・オスロエンシスであり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がロゼオモナス属である場合、グラム陰性菌はロゼオモナス・エリラタ(aerilata)、ロゼオモナス・エロフィラ(aerophila)、ロゼオモナス・エスツアリイ(aestuarii)、ロゼオモナス・アルカリテラアエ(alkaliterrae)、ロゼオモナス・アクアティク(aquatic)、ロゼオモナス・サービカリス(cervicalis)、ロゼオモナス・ファウリアエ(fauriae)、ロゼオモナス・フリジダクエ(frigidaquae)、ロゼオモナス・ジラーディイ、ロゼオモナス・ラクス、ロゼオモナス・ルディプエリティアエ(ludipueritiae)、ロゼオモナス・ミュコーサ、ロゼオモナス・ペクーニアエ(pecuniae)、ロゼオモナス・リゾスフェラエ(rhizosphaerae)、ロゼオモナス・リグィロシ(riguiloci)、ロゼオモナス・ロゼア(rosea)、ロゼオモナス・ソーリ(soli)、ロゼオモナス・スタグニ(stagni)、ロゼオモナス・テラエ、またはロゼオモナス・ヴィナセア(vinacea)であり得る。1つの特定の非限定的な例では、グラム陰性菌はロゼオモナス・ミュコーサである。 単一種のグラム陰性菌が医薬組成物に含まれ得る。代替的に、種を組み合わせたグラム陰性菌が医薬組成物に含まれ得、本開示の方法に有用である。したがって組成物は、1、2、3、4、または5種のグラム陰性菌を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、組成物は生菌のロゼオモナス・ミュコーサを含む。別の特定の非制限的な例では、組成物は生菌の緑膿菌を含む。さらに別の特定の非制限的な例では、組成物は生菌のロゼオモナス・ミュコーサと生菌の緑膿菌を含む。 有用な生菌のグラム陰性菌は、単一の株からのものであり得る。代替的に、グラム陰性菌は多数の株からのものであり得る。単一株のグラム陰性菌、または株を組み合わせたグラム陰性菌を本開示の組成物に含んでもよく、本開示の方法に有用である。したがって、組成物は、1、2、3、4、または5種のグラム陰性菌を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、組成物は、単一株の生菌のロゼオモナス・ミュコーサを含む。さらに特定の非限定的な例では、組成物は、2、3、4、または5株の生菌のロゼオモナス・ミュコーサを含む。別の特定の非制限的な例では、組成物は単一株の緑膿菌を含む。さらに特定の非限定的な例では、組成物は、2、3、4、または5株の生菌の緑膿菌を含む。さらに別の特定の非制限的な例では、組成物は、1株の生菌のロゼオモナス・ミュコーサおよび1株の生菌の緑膿菌を含む。他の特定の非限定的な例では、組成物は、2、3、4、または5株の生菌のロゼオモナス・ミュコーサおよび2、3、4、または5株の生菌の緑膿菌を含む。 したがって、医薬組成物は2種類のグラム陰性菌(「二組」または「二対」)または2つより多い種類のグラム陰性菌を含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、属、種および/または株などの操作的分類単位(OTU)により定義されるような、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または少なくとも40、少なくとも50、または50より多くの種類のグラム陰性菌を含み得る。一般的に、属、種または株は、個々にまたは組み合わせにより以下の特性を有する:a)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびd)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。 特定の実施形態では、グラム陰性菌は、プラスミド形態などの異種の核酸で形質転換される。発現ベクターは、対象のタンパク質をコードすることができる。外因性のDNAは、電気穿孔またはリン酸カルシウムを媒介としたトランスフェクションなどの標準的な技術を用いて、筋細胞に導入され得る。 いくつかの実施形態では、異種の核酸がプラスミドに含まれる。核酸カセット内の核酸を転写することができ、および必要であればトランスフェクトされた細胞において翻訳することができるように、プラスミドは一般的に、他の必要な遺伝要素と共に、位置的および順序的に配向された多数の遺伝要素を含む。プラスミドは、1つ以上の異種の核酸が挿入され得る、プラスミドベクター、コスミドまたはファージミドに由来するDNAである核酸を含む。異種の核酸は、対象のタンパク質をコードすることができ、それはグラム陰性菌の発現のためのプロモーターに作用可能に連結され得る。 プラスミドは一般的に1つ以上の特有の制限部位を含んでいる。加えて、プラスミドは、薬物耐性などの、選択可能かつ容易に検出される、宿主生物上のいくつかの十分に規定された表現型を付与することができる。したがって、プラスミドは発現カセットを含むことができ、ポリペプチドがコードされる。発現は、挿入された遺伝子、核酸配列、またはプラスミドを伴う核酸カセットの効果的な転写を含む。 一実施形態では、環状のプラスミドが細菌細胞内に運ばれると、それは、正常な細菌のゲノムとは異なり、および非選択的な条件下での細菌細胞生存に必須ではない細胞質DNA分子を、自主的に複製することができる。本明細書で使用される用語「持続的な発現」は、エピゾームの(染色体外)複製および/または細胞内の遺伝物質の保全を可能にする遺伝要素を伴う、細胞への遺伝子の導入を指す。これは、宿主細胞の染色体に新しい遺伝物質を組込むことなく、細胞の明確に安定した形質転換をもたらすことができる。 プラスミドはさらに、標的細胞の染色体に遺伝物質を導入することができ、そこでプラスミドが統合し、およびその細胞における遺伝物質の恒久的な構成分子になる。安定した導入後の遺伝子発現は、細胞および複製によって生じるその子孫の特性を恒久的に変更し、安定した形質転換に導き得る。 <投与用の細菌組成物を調製する方法> 細菌組成物を製造するための方法は、3つの主たる処理工程を含み、1つ以上の混合工程と組み合わせてもよい。工程は、生物バンキング、生物生成、および保存である。 バンキングに関し、細菌組成物に含まれる株は、(1)限定されないがヒトの皮膚、またはバンキングされた在庫から採取されたものなどの試料から直接単離される、(2)随意に、生菌のバイオマスを生じさせるために成長を支持する栄養寒天培地またはブロスで培養される、および(3)随意に、長期保管されている多数のアリコートに保存されているバイオマスでもよい。 グラム陰性菌は、ヒト被験体の皮膚から単離され得る。通常、ヒト被験体はアトピー性皮膚炎または他のいかなる皮膚疾病も有さない。したがって、被験体は健康であり得、これは他のいかなる病的な症状も有さないことを意味する。被験体は免疫適格性であり得る。しかしながら、グラム陰性菌は、商用供給源または環境上のサンプルなどの他の供給源から単離可能であり、本明細書に開示される方法および組成物で使用することができる。本明細書に記載されるように、以下の条件であれば、グラム陰性菌は有用である:a)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびd)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。その後、グラム陰性菌は増殖し得る。 培養工程を用いる実施形態では、寒天培地またはブロスは、成長を可能にする必要要素および特定の因子を供給する栄養素を含んでもよい。非限定的な例は、0.5g/Lのブドウ糖、0.5g/Lの酵母エキス、0.5g/Lのプロテオースペプトン、0.5g/Lのカザミノ酸、0.3g/Lのリン酸二カリウム、50mg/Lの硫酸マグネシウム、0.3g/Lのピルビン酸ナトリウムから構成される培地である。様々な微生物培地および変化形体が、当技術分野で知られている(例えば、R.M.Atlas,“Handbook of Microbiological Media”(2010)CRC Press)。培養の開始時または培養中に培地を加えてもよく、または培養を通して断続的/連続的に培地を注いでもよい。種/株は単独で培養されてもよく、または細菌の種/株を含む全集合として培養されてもよい。一例として、培養物が培養から流れ出るのを防ぐために、第1の株は、いずれかの細胞の最大成長速度より遅い希釈速度で、混合連続培養において第2の株と共に培養されてもよい。 培養は、バイオマスを構築するのに十分な時間、好ましい条件下でインキュベートされる。ヒト使用のための細菌組成物の場合、しばしば約32−37℃、pH、および正常なヒトの生態的地位に類似する数値を有する他のパラメータである。環境は能動的に制御され得る。 培養物が十分なバイオマスを生成すると、それはバンキングのために保存され得る。凍結(凍結防止剤の添加など)、乾燥、および/または浸透圧衝撃(浸透圧保護剤の添加など)から保護する化学的環境に生物を置き、均一なバンクを作るために多数の(随意に同一の)容器へと分配し、そして随意に保存のために培養物を処理する。容器は、通常は不浸透性であり、および環境からの隔離を保証するクロージャーを有する。凍結保存は、極めて低い温度(例えば約−70℃以下)で液体を凍結することによって行うことができる。乾燥保存は、蒸発(噴霧乾燥または冷却乾燥の場合)または昇華(例えば凍結乾燥、スプレー凍結乾燥の場合)によって培養物から水を除去する。水の除去は、より高い温度での、細菌組成物の長期保存の安定性を改善する。株および/または種は、個々に培養および保存することができ、または種/株はバンキングのために混合することができる。 1つの非限定的な例では、凍結保存のために、細菌培養物を遠心分離によって採取して培地から細胞をペレット化し、上澄みを注ぎ出し、および15%のグリセリンを含む新しいブロスと取り替えてもよい。その後、培養物を1mLのクライオチューブに等分し、密封し、長期生存を保持するために−80℃または−70℃に置いてもよい。この手順は、冷凍保存からの回収に際して許容可能な生存性を達成する。 生物生成は、バンキングに類似する工程を用いて行ってもよく、培地組成および培養条件が含まれる。生成は、特に臨床開発または営業生産のために、大規模な実施により行なわれ得る。より規模が大きい場合、最終的な培養に先立って、細菌の継代培養をいくらか行なってもよい。培養の終了時に、投与用の剤形へと製剤するために培養物を採取する。これには、濃縮、望ましくない培地成分の除去、および/または細菌組成物を保存しおよび選択された経路を介した投与に好ましくする化学的環境への導入、が含まれ得る。1つの非制限的な例では、細菌組成物を、水中で15%のスクロースから成る保存培地を用いて1010CFU/mLの濃度に培養してもよい。 <局所製剤および処置法> 開示される単離されたまたは実質的に精製されたグラム陰性菌を含む医薬組成物が提供され、該医薬組成物は局所投与用に調剤される。これらの組成物は、薬学的に許容可能な担体を含み、随意に追加の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最終産物を生成するために、さらなる活性および/または不活性の物質を含み、最終産物は単回投与ユニットまたは多回投与方式であり得る。 アトピー性皮膚炎を有する任意の被験体を、本明細書に開示される方法を使用して処置することができる。被験体はヒトであり得る。いくつかの実施形態では、被験体は小児であり、すなわち11歳、10歳、9歳、8歳、7歳、6歳、5歳、4歳、3歳、2歳、1歳またはそれ未満の被験体などである。被験体は、1歳未満の乳児などの被験体でもよい。他の実施形態では、被験体は成人であり、すなわち18歳の被験体、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、または60歳を超える被験体などである。被験体は、65歳、70歳、75歳、または80歳を超える被験体などの高齢者でもよい。被験体は免疫無防備状態であり得る、または完全な免疫系(免疫適格性)を有し得る。 いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の緩衝剤、防腐剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、滑剤、分散増強剤、および/または着色剤を含み得る。適切な緩衝剤の非限定的な例には、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および重炭酸カルシウムがあげられる。適切な保存剤の非限定的な例には、αトコフェロールとアスコビル酸塩などの酸化防止剤、パラベン、クロロブタノールおよびフェノールがあげられる。適切な結合剤の非限定的な例には、スクロース、デンプン、α化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルアルコール、C12−C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、多価アルコール、糖類、オリゴ糖、およびそれらの組み合わせがあげられる。適切な滑沢剤の非限定的な例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水添植物油、ステロテックス(sterotex)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、滑石、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、および軽油があげられる。pH緩衝剤をもし使用するのであれば、それは組成物の水性成分に溶解された時に、5〜7の範囲のpH(例えば約pH5.5)を提供し得る。 医薬組成物は、細菌の成長を持続させるためなどの、他の成分を含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は栄養素を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも1つの炭水化物を含む。「炭水化物」は、糖または糖の重合体を指す。用語「糖類」、「多糖類」、「炭水化物」および「オリゴ糖」は、区別なく使用されてもよい。ほとんどの炭水化物は、多くの水酸基を伴うアルデヒドまたはケトンであり、水酸基は通常は分子の各炭素原子上にある。炭水化物は一般的に、分子式CnH2nOnを有する。炭水化物は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖または多糖類であり得る。最も基本的な炭水化物は、グルコース、スクロース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロースおよびフルクトースなどの単糖類である。二糖類は、2つの結合された単糖類である。典型的な二糖類として、スクロース、マルトース、セロビオースおよびラクトースがあげられる。典型的には、オリゴ糖は3から6の単糖類ユニット(例えばラフィノース、スタキオース)を含み、および多糖類は6以上の単糖類ユニットを含む。典型的な多糖類として、デンプン、グリコゲンおよびセルロースがあげられる。炭水化物は、水酸基が取り除かれた2’−デオキシリボース、水酸基がフッ素置換された2’−フルオロリボースなどの修飾された糖類ユニット、またはN−アセチルグルコサミン、窒素を含むグルコースの形態(例えば、2’−フルオロリボース、デオキシリボースおよびヘキソース)を含んでもよい。炭水化物は、様々な形態、例えば配座異性体、環状形態、非環状形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、異性体、で存在し得る。 いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも1つの脂質を含む。「脂質」には、脂肪、油脂、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸を含む任意の形態の脂肪酸が含まれる。脂肪、油脂および脂肪酸は、飽和、不飽和(シスまたはトランス)、または部分的に不飽和(シスまたはトランス)である。いくつかの実施形態では、脂質は、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、マルガリン酸(17:0)、ヘプタデセン酸(17:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、オクタデカテトラエン酸(18:4)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、エイコサジエン酸(20:2)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)(EPA)、ドコサン酸(22:0)、ドコセン酸(22:1)、ドコサペンタエン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)(DHA)、およびテトラコサン酸(24:0)、から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。 いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも1つの追加のミネラルまたはミネラル源を含む。ミネラルの例には、以下が制限なく含まれる:塩化物、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウムおよびセレン。前記のミネラルの適切な形状として、可溶性ミネラル塩、難溶性ミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレートミネラル、ミネラル複合体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、還元型ミネラル、およびそれらの組み合わせがあげられる。 さらなる実施形態では、組成物は少なくとも1つの追加のビタミンを含む。少なくとも1つのビタミンは脂溶性または水溶性のビタミンであり得る。適切なビタミンには、限定されないが、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸およびビオチンがあげられる。前記のビタミンの適切な形状として、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同じまたは類似の作用を有する化合物、およびビタミンの代謝産物があげられる。 他の様々な添加物を組成物に含んでもよい。これらには、限定されないが、酸化防止剤、収れん剤、香料、保存剤、皮膚軟化剤、顔料、染料、湿潤剤、噴射剤、日焼け止め剤、およびその存在が少なくとも薬学的に望まれ得る他のクラスの物質が含まれる。随意の添加物の非限定的な例は以下の通りである:ソルビン酸塩などの保存剤;イソプロパノールおよびプロピレングリコールなどの溶剤;メントールおよびエタノールなどの収れん剤;ポリアルキレンメチルグルコシドなどの皮膚軟化剤;グリセリンなどの湿潤剤;ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG−100、ポリグルセリル−3ヒドロキシラウリルエーテル、およびポリソルベート60などの乳化剤;ソルビトール、およびポリエチレングリコールなどの他のポリヒドロキシアルコール;メトキシけい皮酸オクチル(Parsol MCXとして市販で入手可能)、およびブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789の商品名で利用可能)などの日焼け止め剤;アスコルビン酸(ビタミンC)、α−トコフェロール(ビタミンE)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロール、ζι−トコフェロール、Z^−トコフェロール、η−トコフェロール、およびレチノール(ビタミンA)などの酸化防止剤;芳香油、セラミド、必須脂肪酸、鉱油、植物油(例えば大豆油、ヤシ油、シアバターの液体分、ヒマワリ油)、動物油(例えばスクアラン)、合成潤滑油、シリコン油またはワックス(例えばシクロメチコンおよびジメチコーン)、フッ素油(一般的にペルフルオロポリエーテル)、脂肪アルコール(例えばセチルアルコール)、およびワックス(例えば密蝋、カルナウバ蝋およびパラフィン蝋);皮膚感触調節剤;濃厚剤と、膨潤粘土および架橋結合カルボキシポリアルキレンなどの構造体。 他の添加物には、皮膚(特に角皮層内の皮膚の上層)を整え、およびその含水量の低下を遅らせることによって皮膚を柔らかく保ち、および/または皮膚を保護する物質が含まれる。そのようなコンディショナーおよび保湿剤には、例として、ピロリジンカルボン酸およびアミノ酸;2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)および安息香酸などの有機抗菌剤があげられる。さらなる添加物として、アセチルサリチル酸およびグリシレチン酸などの抗炎症剤;レチン酸などの抗脂漏薬;ニコチン酸などの血管拡張剤;コウジ酸などのメラニン形成阻害剤;およびそれらの合剤があげられる。 他の実施形態では、組成物は、αヒドロキシ酸、αケト酸、高分子ヒドロキシ酸、保湿剤、コラーゲン、魚介エキス、およびアスコルビン酸(ビタミンC)および/またはα−トコフェロール(ビタミンE)などの酸化防止剤を含み得る。日焼け止め剤をさらに含んでもよい。付加的に、酵素、薬草、植物抽出物、腺、または動物エキスなどの成分を組成物に添加してもよい。これらの様々な添加物の量は、化粧品の分野で従来から使用されているものであり、例えば、局所製剤の全重量の約0.01%から約20%の範囲にある。 組成物はさらに、保管時の腐敗を防ぐために、つまり酵母やカビなどの微生物の成長を阻害するために、抗菌剤を含み得る。適切な抗菌剤は典型的に、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステルとプロピルエステル(つまり、メチルパラベンとプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、およびこれらの組み合わせから選択される。 組成物はさらに、投与される化学物質または組成物の他の構成要素に起因する皮膚の炎症または皮膚障害の可能性を最小化する、またはなくすために、炎症を緩和する添加物を含み得る。適切な炎症緩和添加物には、例えば:α−トコフェロール;モノアミンオキシダーゼ阻害薬、特に2−フェニル−1−エタノールなどのフェニルアルコール;グリセリン;サリチル酸;アスコビル酸;モネンシンなどのイオノフォア;両親媒性アミン;塩化アンモニウム;n−アセチルシステイン;カプサイシン;およびクロロキンが含まれる。炎症緩和添加物が存在する場合、それは炎症または皮膚障害を緩和するのに効果的な濃度で組成物に組み込まれ得、典型的には製剤の約20重量%を超えない、より典型的には約5重量%を超えない。 特定の実施形態において、本発明の製剤に組み込まれ得る、したがって活性薬剤と共に局所的に適用され得る、さらなる適切な薬理学的活性薬剤には、限定されないが以下が含まれる:着色または無着色の顔のシミ、角化上皮およびしわを改善または取り除く薬剤;局所麻酔薬および鎮痛剤;コルチコステロイド;レチノイド;およびホルモン。局所用の薬理学的活性薬剤のいくつかの例には、アシクロビル、アンホテリシン、クロルヘキシジン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、メトロニダゾール、ミノサイクリン、フェニトイン、パラアミノ安息香酸エステル、オクチノキサート、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、クロタミトン、ヒドロキノンおよびそのモノメチルおよびベンジルエーテル、ナプロキセン、イブプロフェン、クロモリン、レチノール、レチニルパルミテート、酢酸レチニル、コールタール、グリセオフルビン、エストラジオール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21−酢酸、ヒドロコルチゾン17−吉草酸、ヒドロコルチゾン17−酪酸、プロゲステロン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、ミノキシジル、ジピリダモール、ジフェニルヒダントイン、過酸化ベンゾイル、5−フルオロウラシル、タクロリムス、およびステロイド外用薬であって、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルドロキシコルチド、ハロベタゾール、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、および/またはトリアムシノロンなどのステロイド外用薬。 皮膚への送達用に調剤されたクリーム剤および軟膏などの局所製剤が考慮されるが、送達システムには徐放性、遅延放出性または持効性の送達システムが含まれ得る。そのようなシステムは、組成物の連続投与を回避することができ、被験体および医師にとっての利便性を高めることができる。多くの種類の放出性の送達システムが当技術分野において利用可能であり、および当業者に既知である。特定の例として、限定されないが以下が挙げられる:(a)米国特許第4,452,775号;4,667,014号;4,748,034号;5,239,660号;および6,218,371号に記載されたものなどの侵食性システム;および(b)米国特許第3,832,253号および3,854,480号に記載されたものなどの、活性成分が重合体から制御された速度で浸透する拡散性システム。 送達システムには、コラーゲン、フィブリン、または基底膜抽出物などの細胞膜抽出物を含むことができ、例えば組成物は皮膚への投与用に調剤される。適切な基底膜抽出物には、約60−85重量%のラミニン、5−30重量%のコラーゲンIV、1−10重量%のニドゲン、1−10重量%のヘパラン硫酸プロテオグリカンおよび1−5%のエンタクチンが部分的に包含される。生物学的活性重合性抽出物が含まれる(米国特許第4,829,000号を参照、これは参照により本明細書に組み込まれ、BME組成物およびこれらの組成物の製造方法を開示している)。BMEは、培養されると、上皮細胞を含む様々な細胞型の正常な成長と分化を支持することができる。基底膜抽出物は当技術分野において既知であり、および市販で入手可能である。 皮膚の処置のために、治療上の有効量の組成物が、冒された領域に局所的に投与され得る。本明細書に開示される薬学的組成物は、アトピー性皮膚炎の処置のための少なくともグラム陰性菌の使用を促進する。そのような組成物は、限定されないがヒト被験体などの任意の適切な被験体への有効成分の送達に適しており、および既知の方法、例えば従来の混合、溶解、顆粒化、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスによって、製造することができる。上記のように、薬学的組成物は、1つ以上の薬理学的に(例えば生理的にまたは薬学的に)許容可能な担体を使用し、および薬学的に利用可能な調合剤への活性化合物の処理を促進する随意の補助剤を使用し、従来の方法で調剤することができる。 組成物は、グラム陰性菌の単回(単位)用量を含み得る。典型的な量は、106−1010、例えば105−107cfu、例えば106cfuなどの、105−1012コロニー形成単位(cfu)である。いくつかの実施形態では、グラム陰性菌の適切な用量は、104〜1012cfuの範囲、例えば104〜1010、104〜108、106〜1012、106〜1010、または106〜108cfuの1つであり得る。他の実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、約10.0重量%、約11.0重量%、約12.0重量%、約13.0重量%、約14.0重量%、約15.0重量%、約16.0重量%、約17.0重量%、約18.0重量%、約19.0重量%、約20.0重量%、約25.0重量%、約30.0重量%、約35.0重量%、約40.0重量%、約45.0重量%、約50.0重量%、の細菌を含む。他の実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01%〜約30%、約0.01%〜約20%、約0.01%〜約5%、約0.1%〜約30%、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.2%〜約5%、約0.3%〜約5%、約0.4%〜約5%、約0.5%〜約5%、約1%〜約10%、約5%、の重量%のグラム陰性菌を含み得る。 組成物は、病変領域および円形病変領域などの皮膚に、または病変の形成を防ぐために無傷の皮膚の領域(非病変領域)に、適用され得る。組成物は病変サイズを減少させるために使用することができる。組成物は毎日適用することができる。組成物は、1日につき1、2、3、4、または5回、適用することができる。組成物は一日おきに、または1週間に1、2、3、4、5、6または7回適用することができる。組成物は週1回適用することができる。1つの特定の非限定的な例では、106cfuを皮膚に、1週間に2回または3回、適用する。組成物は、投与のための単位服用量として調剤され得る。 クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、スプレーおよび無菌溶液注射剤または懸濁剤などの局所用の医薬組成物を製造する方法は、当技術分野において周知である。局所用の医薬組成物を調製する適切な方法は、例えば、国際公開第95/10999号、国際公開第2012150269号、米国特許第6,974,585号、および国際公開第2006/048747号に記載されており、参照によりこれらすべてが本明細書に組み込まれる。組成物は水性担体を含み、およびスプレーとして皮膚に適用することができる。 随意に、組成物は薬学的に許容可能な粘性強化剤および/または薄膜形成剤を含み得る。粘性強化剤は、製剤が適用部位を超えて広がるのを防ぐために、製剤の粘性を高める。バルサムモミ(Balsam Fir)(Olegon)は、グラム陰性菌と共に使用される薬学的に許容可能な粘性強化剤の例である。 薄膜形成剤は、乾燥すると、適用部位上に保護膜を形成する。薄膜は、有効成分の除去を阻止し、および処置されている部位にそれを接触させたままにしておく。本発明での使用に適した薄膜形成剤の例は、弾性コロジオン、USPである。Remington,“The Science and Practice of Pharmacy,”19th Ed.(Easton,PA:Mack Publishing Co.,1995)の1530頁に記載されるように、コロジオン剤は、ピロキシリン(ニトロセルロース)を含むエチルエーテル/エタノール溶液であり、それは蒸発するとピロキシリンの薄膜を残す。薄膜形成剤は、担体として付加的に作用し得る。乾燥して薄膜を形成する溶液は、時に塗布剤と呼ばれる。医薬製剤の技術分野において周知のクリーム剤は、粘稠液または半固体の乳剤であり、水中油型または油中水型のいずれかである。 クリーム基材は水洗い可能であり、および油相と乳化剤と水相を含んでいる。油相は「内」相とも呼ばれるが、一般的に、ワセリン、およびセチルまたはステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールで構成される。水相は、必然ではないが通常は量の点で油相にまさり、および一般的に湿潤剤を含む。クリーム製剤内の乳化剤は一般的に非イオン、陰イオン、カチオンまたは両性界面活性剤である。 ローション剤は、摩擦なしに皮膚表面に適用される調合剤であり、典型的に液体または半流動体の調合剤であり、活性薬剤を含む粒子が水またはアルコールの基剤にある。ローション剤は通常、固形物の懸濁剤であり、および好ましくは水中油型の液体の油乳剤を含む。ローション剤は、より多くの流体組成物を容易に適用できるため、身体の広い領域を処置するために使用することができる。一般的に、ローション剤中の不溶物がきれいに分離されている必要がある。 ローション剤は典型的に、十分な分散を生み出すための懸濁剤、および皮膚に接する活性薬剤を局限して保持するのに有用な化合物、例えばメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含む。 溶液は、溶解された物質の分子が溶剤の間に分散するように、液体に1つ以上の化学物質(溶質)を溶解させることによって調製された均一混合物である。該溶液は、溶質の緩衝、安定化、または保存のために、他の薬学的または美容的に許容可能な化学製品を含んでもよい。局所用の溶液を調製するのに使用される溶剤の一般的な例は、エタノール、水、プロピレングリコールまたは他の許容可能な賦形剤である。これらは、皮膚に噴霧する、皮膚に塗る、または溶液で包帯を湿らせるなどの任意の方法で適用され得る。 ゲル剤は、半固体の懸濁型システムである。単相のゲル剤は、担体液全体にわたって実質的に均一に分配された有機高分子を含み、それは典型的に水性であり、さらに好ましくはアルコールおよび随意に油脂を含む。いくつかの有用な「有機高分子」、特にゲル化剤は、CARBOPOL(登録商標)として市販されている重合体の「カルボマー」ファミリー、例えばカルボキシポリアルキレンなどの、架橋アクリル酸重合体である。さらに有用なのは、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体およびポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースなどのセルロースポリマー;トラガントおよびキサンタンガムなどのガム;アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンである。均一のゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を添加してもよく、またはゲル化剤を粉砕、機械的混合、かくはん、またはそれらの組み合わせによって分散させてもよい。これらのゲル剤は本明細書に開示される方法に有用である。 軟膏剤もまた、本開示の方法に使用することができる。軟膏剤は、典型的にはワセリンまたは他の石油派生物に基づく半固形製剤である。当業者によって理解されるであろうように、使用される特定の軟膏基剤は、多数の望ましい特性、例えば軟化など、を提供するものである。軟膏基剤は一般的に不活性で、安定しており、非刺激性および非感作性である。軟膏基剤は4つのクラスに分類される:油脂性基剤;乳化性基剤;乳剤性基剤;および水溶性基剤(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Ed.(Easton,PA:Mack Publishing Co.,1995),1399−1404頁を参照)。油脂性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得た油脂、および石油から得た半固体の炭化水素が含まれる。吸収性軟膏基剤としても知られる乳化性軟膏基剤は、ほとんどまたは全く水を含まず、および例えば、ヒドロキシステアリン硫酸(hydroxystearin sulfate)、脱水ラノリンおよび親水ワセリンを含む。乳剤性軟膏基剤は、油中水型(W/O)乳剤または水中油型(O/W)乳剤のいずれかであり、および例えば、アセチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリンおよびステアリン酸を含む。水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。 パスタ剤は、活性薬剤が適切な基剤中に懸濁されている半固体の剤形であり、および有用である。基剤の性質に応じて、パスタ剤は、脂肪性パスタ剤または単相の水性ゲル剤から作られたものに分けられる。脂肪性パスタ剤の基剤は、一般的にワセリンまたは親水ワセリンなどである。単相の水性ゲル剤から作られたパスタ剤は、一般的に基剤としてカルボキシメチルセルロースなどを組み込む。 局所用組成物は、クリーム、ローション、スプレー、溶液、ゲル、軟膏、パスタ剤、膏薬、塗布剤、生体付着性剤、包帯、スプレー、または懸濁液などの、体表面への適用に適した任意の形状であり得、および/またはリポソーム、ミセル、および/またはミクロスフェアを含むように調製されてもよい。局所用組成物は、体表面への適用時およびその後に、体表面から蒸発する水分を製剤内に保つように、閉塞性の被覆層と組み合わせて使用され得る。 クリーム、ローション、ゲル、軟膏、パスタ剤などは、冒された表面に広げられてもよい。溶液は同じ方法で適用されてもよいが、より典型的には滴瓶、綿棒、噴霧器などで適用され、および冒された領域に注意深く適用される。組成物は、例えば軟膏などの局所用の調合剤、またはドレッシングか包帯の一部として、標的位置に直接適用され得る。組成物は、皮膚への投与のための任意のデバイスによる投与用に、単位用量として調剤することができる。単位用量は、担体、例えば少なくとも1日以上などの所望の期間、皮膚に付着することができる粘着性の担体中の、活性薬剤の蓄積でもよい。 医薬組成物はアトピー性皮膚炎の処置に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、局所適用は結果として病変サイズの減少、病変の数の減少、および/または症状の低減をもたらす。これらの医薬組成物の適用は、処置される被験体の皮膚内の黄色ブドウ球菌を減らすことができる。医薬組成物の適用は、経皮水分損失によって測定される皮膚のバリア機能の向上を提供することができる。 アトピー性皮膚炎が再発として生じ、および寛解の期間があり得る。局所適用は再発を減らすことができ、その結果、アトピー性皮膚炎のさらなる事象の数、強度または頻度が減少する。局所適用は、事象間の時間の長さなどの寛解の時間を増やすことができる。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎の追加の事象は、適用後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12週間は起こらないだろう。さらなる実施形態では、アトピー性皮膚炎の追加の事象は、局所適用後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12か月間は起こらないだろう。 該方法は、被験体の皮膚の微生物叢を測定する工程を含み得る。具体的には、被験体の皮膚内のバクテリア分類群が処置後に変化したことを判定するために、診断アッセイを行うことが可能である。したがって、いくつかの実施形態では、細菌の門、細菌のクラス、細菌の目、細菌の科、細菌の属および/または細菌の種が、アトピー性皮膚炎を伴う被験体の皮膚において変化したかを判定する。一実施形態では、黄色ブドウ球菌の量が処置後に被験体の皮膚内で変化したかを判定する。 サンプル中の微生物叢を特定するそのような方法は、皮膚サンプルなどのサンプルを提供する工程、およびサンプル中の少なくとも1つの微生物叢を検出する工程を含み得る。該方法の一実施形態は、サンプル中に存在する少なくとも1つの微生物叢から、主体の分子指標(molecular indicator of identity)を含む核酸サンプルを調製する工程、および主体の分子指標を検出する工程を含み得る。例えば、該方法は、DNAサンプルの調製により少なくとも1つの核酸サンプルを調製する工程を含み得る。主体の分子指標は、rRNA遺伝子(例えば16S rRNA遺伝子)などの多形性ポリヌクレオチドであり得る。主体の分子指標は、16S rRNA遺伝子などの多形性ポリヌクレオチド、またはそれらの一部または部分列を判定することによって、検出され得る。主体の分子指標を検出するためのさらなる実施形態はさらに、選択的なプライマーを伴うPCR、選択的なプライマーを伴う量的PCR、DNA−DNAハイブリダイゼーション、RNA−DNAハイブリダイゼーション、インサイチュハイブリダイゼーション、およびそれらの組み合わせを含み得る。例えば、多形性ポリヌクレオチドは、特定のプローブへのハイブリダイゼーションによって検出することができる。そのような例では、特定のプローブは、16S rRNA遺伝子などの多形性の標的核酸にハイブリダイズする。随意に、複数の特定のプローブ、例えばその各々が細菌を識別する複数の特定のプローブを含む少なくとも1つの配列に、核酸をハイブリダイズさせることができる。主体の分子指標の検出はさらに、多形性の標的タンパク質、例えば微生物叢を識別する多形性の標的タンパク質に結合するタンパク質プローブ(抗体など)を使用して、行われ得る(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,173,910号を参照)。 黄色ブドウ球菌などの1つ以上の細菌の相対的存在量は、被験体からのサンプル中で測定することができる。本明細書において使用されるように、用語「相対的存在量」は、定義された位置またはコミュニティー内の他の生物に対する、生物の共通性または珍奇性を指す。例えば、相対的存在量は、一般的にはサンプル中の生物の全存在と比較した、特定の生物の存在を測定することによって、判定することができる。 細菌の相対的存在量は、直接または間接的に測定することができる。直接測定は培養に基づく方法を含み得る。間接測定は、全サンプルに関して生物または生物の群に特異的な、リボソームRNA(rRNA)遺伝子配列などの、主体の分子指標の普及度を比較することを含み得る。 一実施形態では、黄色ブドウ球菌および/または任意の種類のグラム陰性菌などの微生物叢の相対存在量は、個々の被験体の皮膚内において、被験体の微生物叢プロフィールを得るために、個体からのサンプル中の1つ以上の特定の細菌の比率を測定することにより算出され得る。相対的存在量は、サンプル中に存在する細菌の全存在量から導き出すことができる。本明細書において使用されるように、「全存在量」は一般的に、サンプル中の全細菌を指す。したがって「微生物叢プロフィール」は、被験体または被験体の皮膚サンプル中の1つ以上の微生物叢の相対的存在量の、グラフなどの表現を指す。 <キット> 開示される治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌は、キットのコンポーネントとして提供され得る。精製された生菌のグラム陰性菌は、増殖培地で凍結乾燥された形態で、または凍結した細胞として、提供され得る。したがってキットは、治療上有効な量の精製された生菌のグラム陰性菌を含む容器を含み得、ここでi)グラム陰性菌の可溶化液および/または構成分子はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する;ii)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する;iii)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する;およびiv)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与された時に非病原性である。 いくつかの実施形態では、キットは、グラム陰性菌(任意の形態)を含む1つの容器、およびグラム陰性菌の懸濁のための薬学的に許容可能な担体を含む1つの容器などの、医薬組成物の生成に必要なコンポーネントを含み得る。薬学的に許容可能な担体は、例えば緩衝生理食塩水またはスクロース溶液であり得る。他の実施形態では、キットは、グラム陰性菌を含む容器、および薬学的に許容可能な担体を含む第2の容器、および薬学的に許容可能な担体を測定するための、限定されないがシリンジなどのデバイス、を含み得る。さらに別の実施形態では、キットは、薬学的に許容可能な担体中で懸濁されたグラム陰性菌の局所適用のための、限定されないがスプレーノズルまたは包帯などのデバイスを含むことができる。 随意に、そのようなキットは、包装、説明書、および追加の緩衝剤または他の治療成分などの他の様々な試薬、をさらに含む。キットは、容器、および容器上にまたは容器に関連したラベルまたは添付文書を含み得る。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。容器は典型的に、アトピー性皮膚炎の処置に効果的なグラム陰性菌を含む組成物を収容する。いくつかの実施形態では、容器は、無菌のアクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な栓を有する静脈注射用溶液バッグ又はバイアルであり得る)。 ラベルまたは添付文書は、アトピー性皮膚炎などの特定の疾病の処置に組成物を使用することを示す。ラベルまたは添付文書は典型的に、使用説明書をさらに含む。添付文書は典型的には、そのような治療薬の使用に関する指示、用法、用量、投与、禁忌および/または警告に関する情報を含んだ治療薬のコマーシャルパッケージに慣習的に含まれる説明書、を含む。いくつかの非限定的な例では、説明書は、グラム陰性菌を含むバイアルに添加するための薬学的に容認可能な担体の量についての情報、薬学的に許容可能な担体中にグラム陰性菌を懸濁するための説明書、および皮膚への局所適用のための説明書を含む。適用は、皮膚へのスプレー、あるいは皮膚を綿棒で拭く、または皮膚に適用するための包帯上に懸濁剤を導入することによって可能である。 説明書は、電子的形態(コンピューターディスケットまたはコンパクトディスクなど)に書き込まれてもよく、または視覚的なもの(ビデオファイルなど)でもよい。キットはさらに、皮膚への適用のためのスプレーチップ、包帯または綿棒などの、キットがその用途用に設計されている特定用途を促す追加のコンポーネントを含んでもよい。キットは付加的に、緩衝剤、および特定の方法の実施に慣例的に使用される他の試薬を含んでもよい。キットおよび適切な内容物は当業者に周知である。 ここで本開示は以下の非限定的な実施例によって例証される。 ヒト皮膚から採取された異なる共生グラム陰性(CGN)菌への接触後の免疫学的結果が異なるかどうかを評価するために、試験を行なった。これらの試験のために、CGN菌を、健康な対照およびアトピー性皮膚炎(AD)を有する患者から集めた。様々な細胞および培養ベースのモデルを使用して、それらの免疫原性を評価した。CGNの代表的な株を選択し、およびそれらの影響をADのMC903マウスモデルで評価した。ADを有する患者ではなく健康なヒト志願者から採取したCGN菌は、バリア機能の向上、先天免疫活性化、および黄色ブドウ球菌の制御に関係することがわかった。健康な対照からのCGNを用いたADの処置は、マウスモデルの結果を改善した。 <実施例1> <材料および方法> グラム陰性菌の採取および特定:無菌のリン酸緩衝食塩水(PBS;Corning Cellgro,Corning,NY)中で湿らせた2つのFloqSwabs(Copan,Brescia,Italy)を、15−30秒間、被験体の(肘前窩の)皮膚に活発にこすりつけた。1つの綿棒を、グラム陽性菌と真菌類の成長を阻害するために、バンコマイシン(300ug/mL)およびアンホテリシンB(5ug/mL;Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を含む2mLの無菌のハンクス平衡塩類溶液(HBSS;Sigma−Aldrich)と共に15mLの円錐管(Corning Life,Corning,NY)に入れた。残りの綿棒を、類似する濃度のバンコマイシンおよびアンホテリシンBと共に、2mLのR2A(Reasoner’s 2A)ブロス(Teknova,Hollister,CA)を含む15mLの円錐管に入れた。適所に綿棒を置いたチューブを次に、各チューブからの100uLをR2A寒天プレート(Remel,Lenexa,KS)上に平板培養する前に、48−72時間、一定の振動で32℃においてインキュベートした。次に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法−飛行時間型(MALDI−TOF)を使用した質量分析法によって、種属同定用に群体を採取した。前記の方法(Lau et al.,“Journal of clinical microbiology 52,”2804−2812(2014);published online Epub Aug(10.1128/JCM.00694−14))、器具の設定と較正(Lau et al.,“Journal of clinical microbiology 51,”828−834(2013);published online(Epub)Mar(10.1128/JCM.02852−12);Youn et al.,“Journal of clinical microbiology,”(2015);published online(Epub)(Sep 2)(10.1128/JCM.01643−15))を使用して、NIH Clinical Centerの微生物学ラボによって、BioTyper(v3.1,Bruker Daltonics Inc.,Billerica,MA)を使用したMALDI−TOF MSのための細菌タンパク質抽出が行われた。バイオタイパー識別は、NIHによって開発されたいくつかのデータベースにより提供される付加質量スペクトルプロフィールによって補足された(Lau et al,2014,supra;Stevenson et al.,“Journal of clinical microbiology 48,”3482−3486(2010);published online(Epub)Oct(10.1128/JCM.00687−09;Myles et al.,“Nature immunology 14,”804−811(2013);published online(Epub)Aug(10.1038/ni.2637))。図1に報告された10個の健康な対照のR.ミュコーサ株を、MALDI−TOF分析によって特定されたR.ミュコーサ単離菌で観察された特有の群体形態、UV光反応およびグラム染色特性にもっぱら基づいて、特定した。続く試験に使用されるすべてのR.ミュコーサ単離菌を、MALDI−TOF分析によって確認した。書面のインフォームドコンセントを、この試験の全ての参加者ごとに得た。 インビトロの黄色ブドウ球菌阻害アッセイ:グラム陰性単離菌を、5mLのR2Aで8−10日間、上記のように培養した。細菌を12分間、5000gにペレット化した。上澄みを採取し、凍結し、次に凍結乾燥した(Labconco FreeZone 2.5,Kansas City,MO)。凍結乾燥した産物、および細菌なしで同時にインキュベートと凍結乾燥をしたR2Aの対照を、1mLのトリプチックソイブロス(TSB)に懸濁させた。5mLのTSBで培養した黄色ブドウ球菌株を一晩培養した物を、1:100で新しい培地に希釈し、次に、この新たに希釈された100mcLの培養物を、CGN上澄みまたは凍結乾燥されたR2Aの対照を含む100mcLのTSBと合わせた。サンプルを37℃において、一定のかくはん下で3時間インキュベートした。階段希釈を行い、および平板培養をした;翌日、群体を数え、および数えることができたすべてのプレートを平均した。黄色ブドウ球菌の成長に対する影響のパーセントを、CGN上澄みに接触させた培養物におけるCFUの数を、R2Aのみに接触させた培養物のCFUの数で割ることによって算出した。 水疱の誘発および細菌チャレンジ:8つのウェル吸引チャンバーを設計し(Ammnra Creations;San Jose,CA)、ブロンズに3D印刷した(Shapeways;New York,NY)。これを、エタノール殺菌した参加者の前腕の手掌側に置き、およびマイクロダーマブレーション装置(Kendal Diamond HB−SF02)を使用して、2時間、30mmHg未満の吸引下に置いた。デバイスの除去後、結果として生じた上皮の水疱の頂部を除去した。8つのチャレンジチャンバーを設計し(Ammnra Creations)、ブロンズ(Shapeways)に3D印刷した(図4C)。一致する8つのウェル鋳型(Ammnra Creations)を使用して、10mmのパンチ生検(Acu−Punch,Acu−derm;Fort Lauderdale,FL)を、1つの4”×4”のデュオダーム(Duoderm)ドレッシング(ConvaTec;Bridgewater,NJ)に刻んだ。露出した水疱上に配置する前に、ダーマボンド(Dermabond)接着剤(Ethicon;Somerville,NJ)をチャレンジチャンバーの縁に塗った。無菌食塩水(Corning Life)または無菌食塩水中で懸濁された2e7CFUの被照射細菌いずれかを1mL用いて、各ウェルを満たした。翌朝、水疱液をピペット(Eppendorf;Hauppauge,NY)で取り除いた。採取されたサンプルを7分間、350gを遠心分離機にかけ、上澄みを取り除き、およびバッチ分析のために凍結した。 サイトカインおよび抗菌ペプチドの検出:標準ヒトreg3gamma(Sino Biologicals;Beijing,China)または水疱液サンプル(0.9%のNaClに希釈された100−12.5%)を一晩、Nunc Maxisorpプレート上にコーティングした。翌日、ウェルを5回、PBSで洗浄し、および1時間、3%のBSA/PBSでブロックした。ウェルをもう一度、PBSで洗浄した。多クローンの、タンパク質A−精製されたウサギ抗マウスreg3gamma(13.2mg/ml;University of PittsburghのJ.Kollsからの贈り物)を、1:1000の稀釈で1%のBSA/PBSに加え、およびRTで90分間インキュベートした。抗ウサギHRP(Santa Cruz;Dallas,TX)とTMB基質(Ebioscience;San Diego,CA)を加え、およびプレートを5−10分間、RTでインキュベートした。反応を止めるために2N H2SO4を加えた;プレートを450nmで読み取った。LL−37(Hycult;Plymouth Meeting,PA)およびヒトベータ−ディフェンシン3(PeproTech;Rocky Hill,NJ)を、商用ELISAキットで測定した。サイトカインレベルを、メーカー説明書に従いBio−Plex(BIO−Rad;Hercules,CA)で判定した。 ケラチノサイト培養物:初代包皮ケラチノサイト(KC)培養物を採取し、および以前に記載されたように刺激した(Myles et al.,“Nature immunology 14,”804−811(2013);published online EpubAug(10.1038/ni.2637))。1e7CFUの生きた共生グラム陰性菌をKC培地に加えた。mRNAを、ΔΔCT法によるPCR解析のために、24時間後に抽出した。 マウス:BALB/cマウスを、Taconic Farms(Hudson,NY)から購入した。8〜14週齢のマウスを使用した。雄と雌両方のマウスで実験を行ったが、年齢と性別は各実験内で一致していた。 経皮水分損失(TEWL)の測定:マウスの毛をそり、および毛を化学的に除去した(Nair)。翌日から、およそ1e7CFUの生きた細菌を毎日、むき出しの領域に置いた。接種の直前に、TEWLを、メーカーの説明書に従いVapoMeter(Delfin;Greenwich,CT)で毎日測定した。 MC903および耳接種:以前に記載されたように、ADのMC903マウスモデルを行った(Wang et al.,“The Journal of allergy and clinical immunology 135,”781−791 e783(2015);published online(Epub)Mar(10.1016/j.jaci.2014.09.015))。予防試験として、1e7CFUのグラム陰性菌を無菌のPBSに懸濁し、および10mcL量をマウスの耳に滴らせた。MC903の2日前に接種を開始し、およびMC903との接触の間も継続した。まずMC903を配置し、細菌単離菌の配置に先立って2−5分間、エタノールを蒸発させた。耳の厚さを14日目に測定した。以前に記載されたようにmRNA単離およびPCRを行った(Myles et al.,2013,supra)。黄色ブドウ球菌の共接種を使用する実験では、1e6CFUの黄色ブドウ球菌のSAAS9株を、グラム陰性単離菌の接種の直前に耳の上に滴らせた。14日間毎日マウスをMC903に接触させ、および13−15日目に1e7CFUのグラム陰性菌を接種させることにより、処置試験を行った。21日目に耳の厚さを測定し、および写真を撮った。 血清の全IgE分析:血清を、MC903処置の14日目に採取した。商用のキット(Bethyl Laboratories,Montgomery,TX)を使用して、以前に記載されたように全IgEを判定した(Myles,“Nutrition journal 13,”61(2014)10.1186/1475−2891−13−61))。 統計:Prism software(GraphPad,San Diego,CA)で、多数のサンプルを比較するために、両側独立t検定またはANOVAを使用して平均値を比較した。NS=有意ではない、*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001、****=p<0.0001。 試験の認可:全ての動物実験は、認可されたOffice of Animal Care and Useの手続きの下で行なわれた。全てのヒトサンプルの採取および処理は、IRBに認可された治験のもとで行われ、および全ての被験体がサンプル採取に完全な同意を与えた。全ての参加者は、研究プロトコルに書面による同意を与え、および血液採取に先立って治験審査委員会(IRB)の同意を得た。 <実施例2:皮膚の共生グラム陰性微生物叢は、健康な対照とADを伴う患者との間で異なる> 遺伝子ベースのマイクロバイオーム特定は、AD患者と健康な対照との間での、グラム陰性皮膚バイオームにおける有意差を明らかにした(4)。培地、抗生物質および温度の適切な選択を経たグラム陰性皮膚細菌叢の培養のための方法は、CGN種の機能特性および比較を可能にした。26人の健康な志願者と比較して、17人のAD患者の皮膚上に存在する培養可能な細菌に有意差を見出した(図1A;表1)。
図1には、参加者に関する年齢、性別、人種およびSCORADが含まれる。スチューデントのt検定(年齢、SCORAD)またはカイ二乗検定(性別、人種)によって有意性を判定した。**=p<0.01、****=p<0.001、NS=有意ではない。 健康な志願者(HV)で特定された主なグラム陰性種は、ロゼオモナス・ミュコーサであった。AD患者のおよそ半数は、培養可能なグラム陰性菌を持たず、DNAに基づいた分析と一貫している(Kong et al.,“Genome research 22,”850−859(2012);published online EpubMay(10.1101/gr.131029.111))。 <実施例3:健康な志願者からのCGNは黄色ブドウ球菌の成長を阻害する> 異常増殖および黄色ブドウ球菌への感染は共に、ADに特徴的な免疫の不均衡および不十分なバリア機能の要因であると共に、それらの結果でもある。黄色ブドウ球菌は直接、アレルギーの肥満細胞(Schlievert et al.,“J Allergy Clin Immunol 125,”39−49(2010);published online(EpubJan)(10.1016/j.jaci.2009.10.039);Nakamura et al.,“Nature 503,”397−401(2013);published online(Epub)(Nov 21)(10.1038/nature12655))、およびT細胞(Brauweiler et al.,“The Journal of investigative dermatology 134,”2114−2121(2014);published online(Epub)Aug(10.1038/jid.2014.43))を活性化することができる。抗生物質による処置は、黄色ブドウ球菌量を減らし、および症状を改善することができるが、根本的な病理を正常化することはない(Boguniewicz and Leung,“J Allergy Clin Immunol 132,”511−512 e515(2013);published online(Epub)Aug(10.1016/j.jaci.2013.06.030))。黄色ブドウ球菌へのCGN株の影響を評価するために、黄色ブドウ球菌の多数の単離菌を、CGNの培養から得た上澄みの存在下で育てた。平均では、HV−CGNからの上澄みは、ほぼ50%まで黄色ブドウ球菌を阻害した(図1B;図4)。対照的に、AD−CGNは、より変動しやすい効果を有し、およびほとんどの株は阻害に失敗した(図1B;図4)。阻害性CGN上澄みからの黄色ブドウ球菌の新しい培地への再接種は、正常な成長を可能にし、殺菌作用ではなく静菌作用を示唆した。このインビトロ分析と一貫して、マウスの耳上へのCGNと黄色ブドウ球菌の共接種は、さらに黄色ブドウ球菌の産出を減らした(図1C)。この阻害は、脂質リゾホスファチジルコリン(LPC)の生成に関係し、および市販で購入したLPC(図8B)を使用して反復され、本発明の細菌特有の特徴が可能性のある臨床的有益性に関係していることを示した。 <実施例4:健康な志願者からのCGNは、ヒトにおける先天免疫を誘導する> これらの細菌に対するインビボでのヒト皮膚の免疫反応を測定するために、吸引水疱を健康な志願者(図5A)の前腕上に引き起こし、および以前に記載されたのと同様に上皮の水疱の頂部を除去した(図5B)(Follin and Dahlgren,“Methods in molecular biology 412,”333−346(2007)10.1007/978−1−59745−467−4_22)。チャレンジチャンバー(図5C)を使用し、黄色ブドウ球菌阻害の違いに基づいて選択された、HVまたはADのいずれかに由来する致死的に照射されたR.ミュコーサ単離菌に、皮膚の水疱基部を接触させた(図1B)。 20−24時間の刺激の後、IL−6に関する水疱サイトカインレベル(図2A−2B)は、ADを伴う患者由来のものと比較して(図2A−2B)、HVのR.ミュコーサに呼応して有意により高かった。インターロイキン(IL)−17、インターフェロンガンマ(IFNγ)またはIL−4(図2A)などの従来のTh(T−ヘルパー)サイトカインのレベルに差異はなく、および他の多くのサイトカイン(図6A)または抗菌性ペプチド(図6B)のレベルにおける有意差はなかった;しかしながら、適応性のあるT細胞サイトカインをさらに、より遅い時間点で測定すべきである。ヒト包皮由来の初代ケラチノサイト(KC)の、生きたCGNの多数の単離菌へのインビトロでの感染は、異なる単離菌がKC先天免疫マーカーに有する効果の変動性を示し、しかしAD−CGNと比較して、HV−CGNはディフェンシンベータ4AのmRNAの存在量(図7A)、および上流の修飾因子を増強した(Miller et al.,“Dermatologic therapy 23,”13−22 (2010);published online(Epub)Jan−Feb(10.1111/j.1529−8019.2009.01287.x);Schauber and Gallo,“Experimental dermatology 17,”633−639(2008);published online(Epub)Aug(10.1111/j.1600−0625.2008.00768.x))。CYP27b1(ビタミンD転換酵素;図7B)、ビタミンD受容体(VDR)(図7C)、および抗菌ペプチドカテリシジン(図7D)。IL−1βまたはIL−6に関して転写レベルに差異はなかった(図7E−7F)。CD14、IL−8、腫瘍壊死因子α(TNFα)、トール様受容体(TLR)2、TLR3、TLR4、TLR9または胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)mRNAの存在量にもまた差異はなく、および黄色ブドウ球菌を阻害し、かつKCを活性化する単離菌の能力に明白な相関はなかった。 <実施例5:健康な志願者からのCGNは、マウスにおけるバリア機能を保全する> ADにおけるバリア機能の損失は、経皮水分損失(TEWL)に起因する肌の乾燥とかゆみ(Boguniewicz et al.,“J Allergy Clin Immunol 125,”4−13;quiz14−15(2010);published online(Epub)Jan(10.1016/j.jaci.2009.11.027))、および抗原への皮膚感作(Pyun,“Allergy,asthma&immunology research 7,”101−105(2015);published online(Epub)Mar(10.4168/aair.2015.7.2.101))を引き起こす。患者のサブセットでは、このバリア欠損は、タイトジャンクション構成タンパク質フィラグリンの機能不全に関係する(Bantz et al.,“Journal of clinical&cellular immunology 5,”(2014);published online(Epub)Apr(10.4172/2155−9899.1000202))。ヒト水疱試験で使用される代表的なHV−CGN単離菌の、健康なマウスの耳への局所適用は、AD−CGN単離菌(図2C)と比較して、耳の紅斑または厚さの顕著な変化を伴うことなくフィラグリンの転写レベルを増強した。AD−CGNの適用はTEWLを増強し、一方でHV−CGNは何の効果もなかった(図2D)。総合すると、健康な状態に関係するCGNの株は、ビタミンDの活性化、先天免疫の刺激およびバリア機能の保全に関する、潜在的に有益な免疫効果を誘発することを、これらのデータは示唆している。 <実施例6:健康な志願者からのCGNは、ADのマウスモデルにおける結果を改善する> MC903、ビタミンD類似体は、マウスの耳に適用された時にAD様皮膚炎を誘発する(22)。HV供給R.ミュコーサ単離菌の同時適用は、耳の厚さにより測定されるように、MC903誘発皮膚炎の発症を防いだ(図3A)。対照的に、AD供給R.ミュコーサ単離菌は、KC活性化(図7)および黄色ブドウ球菌阻害(図1B)に対するHV供給緑膿菌の影響にもかかわらず、HV供給緑膿菌のように(図3A)疾患発症を防ぐことはできなかった。AD供給R.ミュコーサの適用は、血清IgE誘発を高めたが、HV供給R.ミュコーサは有意な影響を全く示さなかった(図3B)。健康なマウスの耳への接種と一貫して、フィラグリンの転写レベルは、AD供給R.ミュコーサに接触させたMC903処置マウスにおいて有意により低かった(図9)。 CGNの治療上の潜在力を試験するために、AD様皮膚炎をMC903で誘発し、次に3日間毎日CGNを接種した。HV−R.ミュコーサを用いた処置は、耳の厚みおよび目に見える赤みの減少に関係した(図3C−3D)。生きたバイオ治療が必要であるか、または表面因子および分泌因子が単独で同様の結果をもたらすかを評価するために、上澄みで懸濁された致死的に照射されたHV−CGNの等価なCFU濃縮物を適用した。この「死んだ混合物」および上澄みは単独でいかなる有益性ももたらすことはなく、および各々が耳の厚みを増加させた(図3C−3D)。 ゲノムワイド関連解析(Barnes et al.,“J Allergy Clin Immunol 125,”16−29 e11−11;quiz 30−11(2010);published online(Epub)Jan(10.1016/j.jaci.2009.11.008))、および黄色ブドウ球菌の特性評価が、ADの病因を解明しているが、多くの原因の根本が謎のままである。宿主応答および黄色ブドウ球菌の集落形成を標的とする現在の治療アプローチは、AD症状を有意に改善することができるが、成功した場合であっても、これらの処置は治癒的ではなく、および患者とその家族にかなりの感情的な犠牲を求める(24)。本明細書に開示される試験は、ADで報告された腸内菌共生バランス失調が単に関連する結果であるだけでなく、病理の要因であり得ることを証明する。健康な対照から単離されたR.ミュコーサの株は、ADの多くの特徴に影響を与えることができ、バリア機能を改善し、先天免疫の活性化を増強し、および黄色ブドウ球菌の成長を制限した。他のグラム陰性菌は類似の効果を提供することができた。 グラム陰性V.フィリフォルミス可溶化液をスキンクリームに加えることで、AD処置における有益性がもたらされる場合もある(Gueniche et al.,“The British journal of dermatology 159,”1357−1363(2008);published online(Epub)Dec(10.1111/j.1365−2133.2008.08836.x))。しかしながら、死んだR.ミュコーサの有効性の欠如は、生きた共生生物のいない単離された分泌産物および/または表面産物の使用が有益性をもたらさないかもしれないことを示唆する。理論によって制限されることなく、宿主共生動物の動的な相互作用がR.ミュコーサの臨床的有用性に求められる場合もあり、および集落形成の可能性は、限定的な再適用の利点およびさらなる生理学的薬物動態を提供する。 本発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態の観点から、例示された実施形態は本発明の単なる例であり、および本発明の範囲を制限すると考えられるべきでないことを、認識すべきである。むしろ本発明の範囲は以下の請求項によって規定される。したがって、本発明はすべて、これらの請求項の範囲および趣旨内にあることを主張する。 |