Impregnated sanitary tissue with a composition comprising a suspended lactic acid producing bacteria in a lipid

专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 公开 当前状态
申请号 JP2003554156 申请日 2002-12-12
公开(公告)号 JP2005516649A 公开(公告)日 2005-06-09
申请人 エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー; 申请人类型 其他
发明人 ホーカンソン, エヴァ グラン; ウラ フォルスグレン−ブルスク,; ボ ルネマン,; 第一发明人 ホーカンソン, エヴァ グラン
权利人 エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 权利人类型 其他
当前权利人 エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 当前权利人类型 其他
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 A47K7/00 所有IPC国际分类 A47K7/00A47K10/16A61K8/02A61K8/99A61L15/34A61L15/36A61M35/00A61Q19/00B65D30/02B65D81/24
专利引用数量 0 专利被引用数量 4
专利权利要求数量 0 专利文献类型 A
专利代理机构 专利代理人
摘要 本発明は皮膚及び尿生殖器領域の掃除及びケアのために用いられる衛生ティッシュであって、同時にそれが乳酸生成細菌を送達するのでこれらの領域に健康な 微 生物 叢を再確立して維持する衛生ティッシュに関する。 衛生ティッシュは脂質中に懸濁された乳酸生成細菌、及び所望により追加の成分を含む組成物で含浸されていることを特徴とする。 脂質中への乳酸生成細菌の封入は湿気非含有の環境を与え、これは細菌の生存を増大させ、皮膚への送達後の増殖のために細菌の適用性を維持させる。 それ故、このアプローチによって、乳酸生成細菌を含む衛生ティッシュであって長期間貯蔵できる衛生ティッシュが与えられた。 また、本発明の衛生ティッシュは皮膚及び尿生殖器領域への乳酸生成細菌の移行効率を改良した。 加えて、脂質は洗浄機能を与えられており、かくして皮膚は掃除されると同時に乳酸生成細菌を送達された。
权利要求
  • 皮膚又は尿生殖器領域を掃除するために及び同時に皮膚又は尿生殖器領域に有利な微生物叢を再確立して維持するために好適な衛生ティッシュであって、前記衛生ティッシュがマトリックスを含む場合において、前記マトリックスが以下のものからなる組成物によって含浸されていることを特徴とする衛生ティッシュ:
    A)一以上の乳酸生成細菌株の調製物であって、0.30以下、より好ましくは0.25以下、最も好ましくは0.20以下の水分活性を有する調製物;及び B)少なくとも一つの脂質を含む脂質相、好ましくは液体脂質相。
  • ケア剤、水吸収剤、界面活性剤、pH緩衝剤、香料、抗酸化剤、ヒドロコルチゾン及び他の抗炎症性ステロイドからなる群から選択される少なくとも一つの追加の成分を更に含む請求項1記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌株が健康な人の皮膚又は尿生殖器領域から単離される請求項1又は2記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌株がペディオコックス、ラクトコックス、ラクトバシルス又はこれらの混合物から選択される請求項1〜3のいずれか一項記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌株が少なくともラクトバシルス・プランタルムを含む請求項4記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌株が少なくともラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)を含む請求項5記載の衛生ティッシュ。
  • 脂質がオリーブ油、ナタネ油、ココナッツ油、パーム核油、ピーナッツ油、大豆油、ジメチコーン、パラフィン油及びペトロラタム(ワセリン)からなる群から選択される請求項1〜6のいずれか一項記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌の量がティッシュあたり10 〜10 11コロニー形成単位(CFU)である請求項1〜7のいずれか一項記載の衛生ティッシュ。
  • 乳酸生成細菌の量がティッシュあたり10 〜10 11コロニー形成単位(CFU)である請求項8記載の衛生ティッシュ。
  • 請求項1〜9のいずれか一項記載の衛生ティッシュを含む湿気不透過性包装単位であって、ASTME 398−83に従って測定すると6g/m /暦日の最高水蒸気透過率を有する湿気不透過性包装単位。
  • 说明书全文

    発明の詳細な説明

    本発明は皮膚及び尿生殖器領域の掃除及びケアと組合わせてこれらの領域に有利な生物叢を再確立して維持するために用いられる衛生ティッシュに関する。

    発明の背景
    尿生殖器領域は50以上もの異なる細菌種を含む複雑な微生物環境系を宿している(Hillら、Scand.J.Urol.Nephrol.1984;86(suppl.)23−29)。 この領域の優生な種はラクトバシルス(Lactobacillus)属に属する乳酸生成細菌である。 これらの乳酸生成細菌のメンバーはこれらの領域に健康な微生物叢を維持するのに重要であり、病原性微生物の種に対する拮抗効果を有するプロバイオティック細菌として作用する。 乳酸生成細菌はコロニー形成のための好適なニッチを占めてバイオフィルムを形成して利用可能な栄養について競争することによって他の微生物の増殖及びコロニー形成を阻害し、その結果、有害な微生物によるコロニー形成を締め出す。 また、酵素(例、ペルオキシダーゼ)、特殊な阻害物質(例、トキシン及びバクテリオシン)及びpHを下げる有機酸(乳酸及び酢酸を含む)の生産は他の微生物のコロニー形成を阻害する。 しかし、健康な個体の微生物環境系は抗生物質の使用により、又は糖尿病の罹患によりかき乱されることがあり得、さらにはホルモン変化中(例、妊娠中又はエストロゲンを含む避妊薬の使用)、月経中、閉経後などにかき乱されることもあり得る。 また、微生物は肛門から尿生殖器領域へと拡散することがあり、それにより感染を引き起こす。 これは正常な微生物叢をかき乱し、膣炎、尿管感染及び普通の皮膚感染を生ずる微生物感染に対して個体を感受性にする。 この種の感染に一般的に関連する微生物はエシェリキア、エンテロコックス、シュードモナス、プロテウス、クレブシエラ、ストレプトコックス、スタフィロコックス、ガルドネレラ及びカンジダ属に属する。 女性は肛門と尿生殖器管の間の距離が短いので特に危険性が高い;危険性は尿生殖領域中に十分に発達した微生物叢をまだ有さない若い女性及び保護的な微生物叢をもはや有さない老年の女性で特に高い。

    尿生殖器領域と同様、皮膚は一連の生物によってコロニー形成され、その正常な叢を形成する。 生物の数及び種類は異なる皮膚部位の間で異なる。 これは皮膚の構造的バリアと共に侵入性微生物に対する優れた防御を宿主に与える。 皮膚上の微生物の数は前腕及び背中の乾燥した表面の1cm あたり数百個から、腋窩及び鼠蹊の如き湿った領域の1cm あたり数万個まで異なる。 この正常な叢は「外来」生物が皮膚にコロニー形成するのを防止するという重要な役割を果たす。 これらの「外来」生物は皮膚感染を回避するため抑えられる必要がある。

    スタフィロコックス・アウレウス(Staphylococcus aureus)は、はれもの又は膿瘍の如き軽症の皮膚感染の、並びに一層重症の手術後創傷感染の最も一般的な原因である。 治療は排膿法を含み、これは軽症の病変に対しては通常十分であるが、感染が重症で患者が熱を有するときは抗生物質が追加的に与えられてもよい。 毒性ショック症候群は毒性ショック症候群毒素を生産するエス・アウレウス株によって生じる全身性感染である。 この病気は健康な女性によるタンポンの使用との関連を通して著名になったが、それは女性に限定されず、非生殖器部位でのエス・アウレウス感染の結果として生じうる。

    他の一般的な皮膚感染はストレプトコックス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)(A群のストレプトコッシ)によって生ずる。 この生物は感染された皮膚病変を有する他の人々との接触を通じて獲得され、正常な皮膚の上にまずコロニー形成して増殖し、その後、上皮の微少な破れを通って侵入して病変を発達させる。 感染と戦うためにはペニシリン又はエリトロマイシンを用いた治療が必要であるかもしれない。

    プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)は正常なヒトの皮膚に見出される。 この生物はアクネの原因であるとはもはや信じられていないが、アクネの炎症において役割を担っていた。

    マラセジア(Malassezia)(以前のピティロスポルム(Pityrosporum))は成人のヒトの頭部及び胸部のたぶん普遍的な生息生物である。 この生物の種は脂漏性皮膚炎及び粃糠疹の如き様々な皮膚病に関与していることが知られており、重症のふけ症の病因において役割を果たしていることが知られている。 これらの細菌はアトピー性皮膚炎の悪化においても役割を果たしているかもしれない。

    いわゆる皮膚の白癬感染は皮膚糸状菌、例えばトリコフィトン(Tricophyton)、エピデルモフィトン(Epidermophyton)及びミクロスポルム(Microsporum)によって生じるかもしれない。

    皮膚の大部分の領域が比較的乾燥していることはカンジダ(Candida)の増殖を制限し、それ故、カンジダは健康な皮膚には少数しか見出されない。 しかし、カンジダは損傷された皮膚及び間擦性の部位(湿っておりかつこすられるようになる並置された皮膚の部位)に迅速にコロニー形成する。 カンジダは口腔及び膣粘膜にもコロニー形成し、その過増殖はこれらの部位の病気(いわゆる膣カンジダ症)を生じるかもしれない。 シー・アルビカンス(C・albicans)はおむつ皮膚炎に関連している。 シー・アルビカンスが誘導する病変はpHによって顕著に影響を受け、低い皮膚pHはより少ない病変を与えるということを示す研究がある(B.Runeman,Acta Derm Venereol 2000;80:421−424)。

    上述の種類の感染に関する問題を減少する一つの方法は良好な個人の衛生を有することである。 しかし、過剰の洗浄剤の使用は有害な微生物の量を減少させるのみならず、有用な微生物叢も害することがあり得、再び、病原性の種がコロニー形成して感染を生じることに対して感受性にする。 代わりに、病原性の種と競争して尿生殖器領域及び皮膚における有用な微生物叢を再確立して維持することを容易にするために乳酸生成細菌をこれらの領域に投与することは、微生物感染を治療して予防するための成功的な手段であることが見出されている。

    乳酸生成細菌は例えばWO 97/02846、WO 99/17813、WO 99/45099及びWO 00/35502に記載のようにおむつ、衛生ナプキン、パンティライナー及びタンポンの如き吸収物品を介して送達されることができるということが示唆されている。 しかし、吸収物品は常に最適の投与ルートであるとは限らない。 何故なら吸収物品の担持はしばしば不快で密着しており暖かいと理解されるからである。 この投与ルートは治療効率又は予防効果を維持するためには乳酸生成細菌の繰り返しの投与がしばしば必要であるので不便でもある。 また、これらの製品は尿生殖器領域以外の体の他の領域に細菌を送達するためには用いられることができない。 それ故、いくつかの用途のためには、吸収製品以外の他の手段で乳酸生成細菌を投与することが一層便利であり得る。 吸収物品を介して乳酸生成細菌を投与することに関する第二の問題はかかる製品の製造に関する。 何故なら、すべての可能な変形例及び寸法の製品が細菌を供給される必要があるからである。 それ故、個々の調整なしに用いられることができる製品を介した投与は吸収製品より優れた製造上の利点を与えるであろう。

    しかしながら、乳酸生成細菌の移行のために用いられることを意図される物品を与えることに関する主要な問題は、細菌が物品の移送中及び貯蔵中、生存を維持しなければならないということである。 乳酸生成細菌は湿った条件下では迅速に生存力を失う。 従って、製品が湿気にさらされないということが重要である。 この問題を部分的に克服する一つの方法は、凍結乾燥された乳酸生成細菌を物品に供給し、それにより生存力のある乳酸生成細菌を含む長い貯蔵寿命の製品を与えることである。 しかしながら、細菌は製造と使用の間の時間中も湿気に対してなお保護される必要がある。

    代わりに、滅菌されたワセリン油中での貯蔵は8ヶ月の貯蔵後も高レベルの生存している乳酸生成細菌細胞を維持していたということを示す研究実験がある。 ただし、そこでは細菌細胞の生存は皮膚への細菌の移行の関連では議論されていない(Arkadeva et al.,N.A.Nauchnye Doklady Vysshei Shkoly.Biologiches kie Nauki,1983,2:101−104)。 対照的に、Stoianova et al.(Mikrobiologiia,2000,69:98−104)は鉱物油中への含浸は乳酸生成細菌の生存力を保持するには有効ではないことを見出している。 乳酸生成細菌と脂質組成物の組合わせの追加の例があるが、これらは生存力についての脂質組成物の効果を記述していない。 WO 01/13956はエミュー油、抗微生物剤及び/又はバシルス・コアグランス(Bacillus coagulans)を含む、抗微生物治療に用いるための医薬組成物を記述している。 しかしながら、WO 01/13956に記述された組成物を使用する目的は、望ましくない微生物を殺す成分を添加することによって微生物感染を治療することであり、エミュー油は組成物に含まれる細菌の生存力を高めるために添加されるわけではない。 WO 92/13577は接着特性を有する化合物で被覆されたタンポン又は衛生ナプキンであって、接着性化合物に付着する細菌が続いて添加されるタンポン又は衛生ナプキンに関する。 WO 92/13577は衛生ティッシュに関するものではないし、脂質相に懸濁された細菌を含む組成物についての言及も存在しない。 US 4518696は乳酸生成細菌を含む懸濁物がヒマワリ油中に細菌を分散させることによって安定化されることができるということを記述する。 しかし、US 4518696は動物への経口投与のための乳酸生成細菌の調製物を与えるという技術分野に関する。

    結局、使用するのに便利であり、適用された領域への細菌の効率的な移行を生じ、細菌細胞の生存力の損失なしに長期間貯蔵することができる、皮膚及び尿生殖器領域への乳酸生成細菌の送達のための製品を開発する必要性がなお存在する。

    発明の目的
    本発明の目的は乳酸生成細菌を皮膚及び尿生殖器領域に送達するための便利な装置を提供することである。 これは生存力のある乳酸生成細菌を含む衛生ティッシュであって、皮膚の掃除及びケアのために用いられることができかつ同時に皮膚及び尿生殖器領域に有利な微生物叢を再確立して維持するために乳酸生成細菌を送達することができる衛生ティッシュを提供することによって得られる。 乳酸生成細菌の生存力を損失することなしに長期間貯蔵することができる製品を提供するため、細菌細胞は細菌を湿気から保護する脂質中に懸濁される。 また、本発明の目的は本発明の衛生ティッシュを含む湿気不透過性包装単位を提供することである。

    発明の概要
    本発明は皮膚及び尿生殖器領域を掃除及びケアするために用いられかつ同時にこれらの領域に乳酸生成細菌を送達し、それによりこれらの領域中に健康な微生物叢を再確立して維持するために用いられる衛生ティッシュに関する。 この衛生ティッシュは脂質中に懸濁された乳酸生成細菌(単数又は複数)及び所望により追加の成分を含む組成物で含浸されていることを特徴とする。 本発明者は、乳酸生成細菌を脂質中に封入することにより細菌の形状を保つ湿分不含有の環境が与えられ、その結果、増大された寿命及び皮膚への高い移行率をもたらし、しかも皮膚上での生存及び増殖についての適合性をなおも保持することを驚くべきことにも見出した。 それ故、このアプローチによって細菌の生存は長期間の貯蔵中、増大される。 また、本発明の衛生ティッシュは皮膚及び尿生殖器領域への乳酸生成細菌の移行効率を改善し、同時に脂質が皮膚ケア特性を有する洗浄剤として役立つ。 さらに、本発明は上述の衛生ティッシュを含む湿気不透過性包装単位に関する。

    図面の簡単な説明
    すべての図において1.00E+02は1.00×10 を意味し、1.00E+03は1.00×10 を意味し、以下同様である。
    図1は衛生ティッシュSpun Lace Dupont(◆)及びSCA Absbond(■)上でのオリーブ油中のラクトバシルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)931の生存を示す。
    図2は衛生ティッシュ(Spun Lace Dupont)上でのとオリーブ油の懸濁液中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。 (◆)は水中の10%オリーブ油であり、(■)は水中の30%オリーブ油である。
    図3はオリーブ油(◆)中の及びナタネ油(■)中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。
    図4は様々な化学的組成物を用いた脂質中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。 (◆)ワセリン、(■)パラフィン、(▲)グリセロール、(×)オリーブ油、(*)ジメチコーン、(●)Akoline MCM、(┃)Akomed R、( ̄)Akorex L。
    図5は水とオリーブ油の懸濁液中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。 (◆)は水中の10%オリーブ油であり、(■)は水中の30%オリーブ油である。
    図6は5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。
    図7は5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のパラフィン油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。
    図8は5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のMilli Q水中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。
    図9は4人の異なる被験者に対して尿生殖器領域中で用いられたティッシュシートを介した適用後の尿道中のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の移行及び生存を示す。
    図10は4人の異なる被験者に対して尿生殖器領域中で用いられたティッシュシートを介した適用後の会陰中のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の移行及び生存を示す。
    図11は一晩培養した培養物からの新鮮な接種されたラクトバシルス・プランタルム931細胞の増殖率(■)と比較した、ティッシュシート上のオリーブ油中での貯蔵後のラクトバシルス・プランタルム931細胞の増殖率(△及び○)を示す。

    定義
    「衛生ティッシュ」は例えばふきん、布片、小さなペーパータオル、ナプキン、ウェットワイプ等の、皮膚をふくためのいかなる装置も意味する。

    「マトリックス」はフェルト、綿芯、レーヨン、セルロース、再生セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン繊維、織物等又はフォームの如きいかなる天然又は合成繊維も意味する。

    本発明の目的のための好ましい「乳酸生成細菌株」はラクトバシルス、ラクトコックス(Lactococcus)及びペディオコックス(Pediococcus)属からの細菌を含む。 選択された使用される細菌はラクトコックス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトバシルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシルス・クルバタス(Lactobacillus curvatus)又はラクトバシルス・プランタルムの種からのものであることが好ましい。 より好ましくは、乳酸生成細菌はラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)である。

    「脂質」は脂肪の特性を有する水不溶性有機分子を意味する。 本発明のための好適な脂質はペトロラタム(ワセリン)由来の脂質、合成脂質、及び動物及び植物由来の脂質を含む。

    「追加の成分」はケア剤、水吸収剤、pH緩衝剤(乳酸、アスコルビン酸、クエン酸又はホウ酸の如き弱い有機又は無機酸)、香料、抗酸化剤、ヒドロコルチゾン、他の抗炎症性ステロイド等の如き皮膚ケア製品に一般的に添加される薬剤を意味する。 皮膚ケア製品に一般的に添加される好適な薬剤の更なる詳細は、Harry's Cosmeticology 8th ed. ,MM Rieger編,Chemical Publishing Co. ,Inc. ,New York,2000に与えられている。

    「湿気不透過性包装単位」はASTME 398−83に従って測定すると6g/m /暦日の最高水蒸気透過率を有する包装単位を意味する。

    発明の詳細な記述
    本発明で提供される衛生ティッシュは皮膚又は尿生殖器領域の掃除のために及び同時に皮膚又は尿生殖器領域に健康な微生物叢を再確立して維持するために用いられることを意図される。 提供される衛生ティッシュはフェルト、綿芯、レーヨン、セルロース、再生セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン繊維、織物等又はフォームの如きいかなる天然又は合成繊維を含むマトリックスから構成されることができる。 衛生ティッシュのマトリックスの含水量は10(重量)%以下であることが好ましく、より好ましくは5(重量)%以下であり、最も好ましくは1(重量)%以下である。 衛生ティッシュは脂質中の乳酸生成細菌の懸濁液で含浸される。 脂質は細菌を封入し、それにより湿気から細菌を保護する作用をし、それは製造及び貯蔵中の細菌の生存を増大させる。 乳酸生成細菌を含む製品の製造及び貯蔵中の湿気への暴露は細菌の再活性化を生じ、これは続いてそれらの死をもたらす。 それ故、細菌を湿気から保護することにより、それらの生存は増大され、製品の耐久性は延長される。 本発明者は細菌を脂質中に封入することは皮膚への細菌の移行率及び皮膚への細菌の送達後の皮膚での細菌の生存を増大させることも見出した(以下の実施例3参照)。 これは脂質が微小環境を作り出す効果であり得、これは細菌の生存力を保持するのに有利でありかつ皮膚上での添加された細菌の増殖を増大させる。 また、脂質は例えば水より高い接着性を有し、それにより多くの量の細菌が皮膚に移行されることを生ずる。 細菌の生存を増大させる特性に加えて、脂質は乾燥を生ずることなしに皮膚を洗浄する皮膚処理剤としても作用する。 一旦細菌が皮膚に送達されると、皮膚の湿気は細菌を再活性化し、それによりそれらが意図される作用、即ち病原性微生物種のコロニー形成を競合的に締め出して防止する作用を行うことを可能にする。 所望により、水吸収剤(例えば塩化カルシウムの如き無機塩)、界面活性剤(非イオン性、両性及びアニオン性界面活性剤)、pH緩衝剤(乳酸、アスコルビン酸、クエン酸又はホウ酸の如き弱い有機又は無機酸)、香料、抗酸化剤、ヒドロコルチゾン、及び他の抗炎症性ステロイドを含む追加の成分も脂質細菌懸濁液に、又は衛生ティッシュに直接添加されることができる。

    ティッシュ上の乳酸生成細菌の脂質懸濁液の量は0.5〜95重量%である。

    衛生ティッシュ上のプロバイオティック細菌の数は10 〜10 11コロニー形成単位(CFU)であることが好ましく、10 〜10 11 CFUであることがより好ましい。 乳酸生成細菌の調製物は乾燥形態で与えられることが好ましく、凍結乾燥粉末として与えられることが好ましい。 細菌はマイクロ封入形態で与えられることもできる。 細菌調製物の水分活性は0.30以下であることが好ましく、より好ましくは0.25以下、最も好ましくは0.20以下である。

    一つの好ましい実施態様では、拮抗効果を有するプロバイオティック乳酸生成細菌株はペディオコックス属、ラクトコックス属、又はラクトバシルス属(これらの組合せを含む)から選択される。 乳酸生成細菌株は健康な人の皮膚又は尿生殖器領域から単離されることが好ましい。

    他の好ましい実施態様では、拮抗効果を有するプロバイオティック細菌株は少なくともラクトバシルス・プランタルム株である。

    一層好ましい実施態様では、拮抗効果を有するプロバイオティック細菌株は少なくともラクトバシルス・プランタルム931(寄託番号(DSM):11918)である。

    本発明のための好適な脂質は培養可能な細胞の数における最大減少が12ヶ月の貯蔵後、3対数単位であるように貯蔵された細胞の生存を支持する。 本発明のための好適な脂質は5(重量%)以下の含水量を有することが好ましく、より好ましくは3(重量%)以下、最も好ましくは1(重量%)以下の含水量を有する。

    より好ましくは、好適な脂質は培養可能な細胞の数における最大減少が12ヶ月の貯蔵後、2対数単位であるように貯蔵された細胞の生存を支持する。

    最も好ましくは、好適な脂質は培養可能な細胞の数における最大減少が12ヶ月の貯蔵後、1対数単位であるように貯蔵された細胞の生存を支持する。

    好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞の、皮膚への細菌の移行を可能にする。

    より好ましくは好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞の、皮膚への細菌の移行を可能にする。

    最も好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞の、皮膚への細菌の移行を可能にする。

    好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞が衛生ティッシュの使用による送達の12時間後、回復されることができるように皮膚上での細菌細胞の生存を支持することも特徴とする。

    より好ましくは、好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞が衛生ティッシュの使用による送達の12時間後、回復されることができるように皮膚上での細菌細胞の生存を支持する。

    最も好ましくは、好適な脂質は1cm あたり10 個以上の培養可能な細胞が衛生ティッシュの使用による送達の12時間後、回復されることができるように皮膚上での細菌細胞の生存を支持する。

    本発明のための好適な脂質は液体パラフィン(鉱物油、パラフィン油及びワセリン油)、ペトロラタム(ワセリン及び石油ゼリー)、微小結晶質セラ(cera)、オゾケライト、セレシン及びパラフィンの如き石油由来の脂質を含む。 代わりに、ジメチコーン、シクロメチコーン及びシリコーンエステルの如き、及びセテアリールメチコーンの如き合成脂質も用いられることができる。 第三の代替案は動物又は植物由来の脂質を用いることであり、これは通常トリグリセリドである。 天然の動物又は植物由来の脂質はしばしばモノ−、ジ−、及びトリグリセリド及び遊離脂肪酸の混合物である。 脂質は精製され、水素添加され、精錬され、改質され、単独で又は様々な混合物中で用いられることができる。 好適な元来動物由来の脂質の例は、蜜蝋、エミュー油、乳脂(lactis lipida)、ラノリン、サメの肝油及び獣脂である。 好適な元来植物由来の脂質の例は、アンズ核油、ピーナッツ油、アボカド油/ワックス、ベイラムワックス、黒スグリ種子油、ルリヂサ種子油、ブラジルナッツ油、椿油、カンデリラ蝋、ナタネ種、カルバナ蝋、ヒマシ油、ココアバター、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、ヨーロッパノイバラ種子油、マツヨイグサ種子油、ブドウ種子油、イリップ(illipe)バター、ジャスミン蝋、ホホバ蝋、ラベンダー蝋、アマニ油、マンゴー種子油、オリーブ油、オレンジ蝋、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、米蝋、紅花油、ゴマ種子油、シアバター、大豆油、ヒマワリ種子蝋、スイートアーモンド油、及び小麦胚芽油である。 脂質は単独で又は少なくとも2種類の脂質を含む混合物の形で用いられることができる。

    好ましくは、液体脂質が本発明で用いられる。

    さらに好ましい脂質はオリーブ油、ナタネ油、ココナッツ油、パーム核油、ピーナッツ油、大豆油、ジメチコーン、パラフィン油及びペトロラタムを含む。 これらの脂質は特に好ましい。 何故なら、これらの脂質は乳酸生成細菌の高い生存及びこれらの細菌の皮膚及び尿生殖器領域への高い移行率を与えるからである。 加えて、これらの脂質は皮膚に対して正の効果を有する:これらの脂質は沈静効果を有し、皮膚保護特性を示し、かつ非毒性で非アレルゲン性である。 好ましい脂質は全て非動物起源のものである。

    プロバイオティック細菌を貯蔵及び移送中に湿気から保護するため、衛生ティッシュは湿気不透過性包装単位中に個別に包装されることが好ましい。 包装単位はいくつかの異なる方法で構成されることができる。 重要なことは、用いられる材料が37.8℃及び90%の相対湿度でASTME 398−93に従って6g/m /暦日を超える水蒸気透過率を有するべきではないということである。 不透過性包装単位を得るために用いられる好適な材料はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール及び同様のポリマー、アルミニウム箔、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及びこれらの類似物を含む。 良好な湿潤強度を有しかつ容易に封止されることができる包装材料を製造するため、費用がかからない材料を外側保護摩耗層及び/又は内側封止層として用いることもできる。 例えば、包装単位は良好な封止が得られることを可能にする内側材料(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブチルアクリレート、酢酸ビニル又はワックス)、湿気不透過性材料からなる中間材料、及び強い外側バリア材料(例、ポリエチレン又はポリプロピレン)を含むことができる。 乳酸生成細菌を含有する脂質懸濁液を含む衛生ティッシュが配置された後、包装単位の全ての開口はしっかりと封止される必要がある。 封止が包装材料自体の湿気透過性を超える湿気透過性を有さないということが重要である。 好適な不透過性包装単位のデザインに関する更なる詳細はWO 00/76878に与えられており、この文献は参照としてここに組入れられる。

    実施例1
    衛生ティッシュ上でのオリーブ油中のラクトバシルス・プランタルム931の生存 スキムミルク中の凍結乾燥されたラクトバシルス・プランタルム931細胞の調製物は微細粒子の粉末が形成されるまで粉砕された。 10gのラクトバシルス・プランタルム931粉末が120mlのオリーブ油(Fillippo BERIO エクストラバージンオリーブ油)に加えられ、均一な溶液が形成されるまで撹拌された。 追加の80mlのオリーブ油が加えられ、生じた200mlの溶液は約2分間ボルテックスされた。 細菌懸濁液は1時間に2回かき混ぜながら室温で3時間放置された。 ティッシュシート(Spun Lace Dupont及びSCA Absbond)は6×4cmの長方形に切断され、滅菌されたステンレス鋼のトレーに配置された。 各ティッシュシートに2mlの細菌懸濁液がティッシュを一面に覆うように滴下された。 ティッシュシートは中央で折り畳まれ、次に長辺から中央に再度折り畳まれ、箔バッグ中に包装され、その縁は溶着された。 初期細菌濃度の決定のためにサンプルが取り除かれ、残りのバッグは生存力の研究のために室温で貯蔵された。

    オリーブ油中でのラクトバシルス・プランタルム931細胞の貯蔵に対する比較として、ラクトバシルス・プランタルム931細胞は衛生ティッシュ上で水とオリーブ油の懸濁液中で貯蔵された。 これらは2.5gの凍結乾燥されたラクトバシルス・プランタルム931細胞(上述のようにして調製)を45mlのMilli Q水と5mlのオリーブ油(Fillippo BERIO,Italy)で、又は35mlのMilli Q水と15mlのオリーブ油で力強くかき混ぜて約10又は30%の油を有する懸濁液をそれぞれ調製することによって調製された。 細菌の油−水懸濁液は細菌生存力の研究のためにティッシュシート(Spun Lace Dupont)に付与された。 各ティッシュ(6×7cm)に1mlの細菌懸濁液がティッシュを一面に覆うように滴下された。 ティッシュシートは中央で折り畳まれ、次に長辺から中央に再度折り畳まれ、箔バッグ中に包装され、その縁は溶着された。 初期細菌濃度の決定のためにサンプルが取り除かれ、残りのバッグは生存力の研究のために室温で貯蔵された。

    ティッシュシート上での様々な時間期間の貯蔵後のラクトバシルス・プランタルム931細胞の生存力をテストするため、ティッシュシートはStomacherバッグに移され、10mlの0.9%NaClがティッシュシート上に広げられた。 バッグはStomacher中で高作用で3分間処理された。 バッグの内身は次に試験管に移され、必要なら0.9%NaClで希釈され、直ちにRogosaプレートに播種された。 コロニー数は37℃で、5%CO の空気中で2日間インキュベートされた後、計数された。 各サンプリング日について二つのティッシュシートが分析された。

    1年3ヶ月の全時間期間の間の衛生ティッシュ上でのオリーブ油中のラクトバシルス・プランタルム931の生存力は図1に示されている。 これらの条件下で貯蔵されたラクトバシルス・プランタルム931細胞の生存力は、テストされた両方のティッシュシート変形例について極めて高かった。 比較として、ティッシュシート上の細菌の油−水懸濁液(水中の10及び30%のオリーブ油)の貯蔵(図2)は、ほんの3ヶ月の研究された時間期間で10 以上のオーダの急降下を伴う生存力の迅速な低下を生じた。

    実施例2
    様々な化学組成を有する脂質中でのラクトバシルス・プランタルム931の生存 実施例1で記述したようにして調製されたスキムミルク中のラクトバシルス・プランタルム931の粉末497mgは、5mlのオリーブ油(Fillippo BERIO エクストラバージンオリーブ油、Fillippo BERIO,Italy)又はナタネ油(Felix AB,Sweden)と混合された。 油のpHは約5であった。 ナタネ油はナタネ油に加えてクエン酸及びビタミンA及びDも含有していた。 懸濁液は1分間ボルテックスされ、1分間放置された。 これは4回以上繰り返された。 細菌懸濁液は1時間に2回かき混ぜながら室温で4時間放置された。 次に懸濁液は1mlずつの少量に分けられ、滅菌された茶色のガラス瓶中で貯蔵された。 懸濁液中の細菌の初期濃度が決定された。 瓶は暗所で室温で30〜60%の変動する通常の空気湿度中で貯蔵された。

    上述の実施例に加えて、様々な組成を有する脂質中でのラクトバシルス・プランタルム931の生存をさらに比較するため、スキムミルク中の凍結乾燥されたラクトバシルス・プランタルム931細胞2g(1gあたり2×10 10コロニー形成単位)は脂質のコンシステンシーに応じて40ml又は40gの様々な脂質組成と混合された。 テストされた脂質は次の通りであった:白ワセリン(ペトロラタム、Apoteket AB,Umea,Sweden)、パラフィン(液体パラフィン、Apoteket AB,Gothenburg,Sweden)、グリセロール(“グリセリン”、最大含水量0.5%、Apoteket AB,Gothenburg,Sweden)、オリーブ油(“Olea Europea”、冷圧されたもの、Apoteket AB,Gothenburg,Sweden)、ジメチコーン(Dimethicone,350cSt.,Dow Corning 200/350 S流体、Kebo Lab,Sweden)、及びAkoline MCM(中程度の鎖の脂肪酸のモノ−ジグリセリド;主にカプリル酸及びカプリン酸、Karlshamns AB,Sweden)、Akomed R(ココナッツ及び/又はパーム核油からのカプリル/カプリントリグリセリド、脱臭されたもの、Karlshamns AB,Sweden)、及びAkorex L(ナタネ油、部分的に水素添加され脱臭されたもの、Karlshamns AB,Sweden)。 サンプルは滅菌された茶色のガラス瓶中で室温で暗所で通常の空気湿度(30〜60%の変動する相対湿度)で貯蔵された。 様々な貯蔵時間後の生存しているラクトバシルス・プランタルム931細胞の数を確認するため、1gのサンプルがStomacherバッグに移され、9mlの0.9%NaClが添加された。 次にバッグはStomacher中で高作用で3分間処理された。 バッグの内身は試験管に移され、必要ならNaClで希釈され、MRSプレートで37℃で、5%CO の空気中で2日間培養された。

    様々な脂質中でのラクトバシルス・プランタルム931細胞の貯蔵に対する比較として、ラクトバシルス・プランタルム931細胞は水とオリーブ油の懸濁液中で貯蔵された。 これらは2.5gの凍結乾燥されたラクトバシルス・プランタルム931細胞(上述のようにして調製)を45mlのMilli Q水と5mlのオリーブ油(Fillippo BERIO,Italy)で、又は35mlのMilli Q水と15mlのオリーブ油で力強くかき混ぜて約10又は30%油を有する懸濁液をそれぞれ調製することによって調製された。 サンプルは滅菌されたプラスチック瓶中で室温で通常の空気湿度(30〜60%の変動する相対湿度)で貯蔵された。 様々な時間間隔の後の生存をテストするため、サンプルは瓶から取り出され、0.9%NaClで希釈され、37℃で、5%CO の空気中で2日間インキュベートされた。

    図3は1年以上の研究された時間期間にわたるオリーブ油及びナタネ油中でのラクトバシルス・プランタルム931細胞の異常に高レベルの生存を示す。 ワセリン、パラフィン、Dimethicone、Akoline MCM、Akomed R、及びAkorex L中での貯蔵も、延長された時間期間にわたって高い生存をもたらした(図4)。 しかし、より親水性のグリセロール中での貯蔵は時間にわたる生存の明白な減少を生じた(図4)。 また、静菌特性を有することが知られているAkoline MCMは細胞の生存を支持することができなかった(図4)。 加えて、油−水懸濁液中で与えられる親水性環境での貯蔵(図5)は、貯蔵の最初の1ヶ月にわたって10 以上のオーダの生存力の迅速な初期低下を生じた。 研究された次の2ヶ月の間に生存率の低下は平坦化されたが、生存率の低下は細菌細胞が脂質中で貯蔵された場合に観察される値よりずっと高かった。

    実施例3
    オリーブ油、パラフィン油又はMilli Q水中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚での生存率についての研究 2.00gの凍結乾燥されたラクトバシルス・プランタルム931が滅菌されたガラス瓶に加えられ、40mlのオリーブ油、パラフィン油又はMilli Q水が加えられた。 懸濁液は均一な溶液が形成されるまで撹拌され、室温で4時間、放置された。 ラクトバシルス・プランタルム931を有するティッシュシートはティッシュシートを7×8cmの片に切断し、上述のようにして調製された2mlの様々な細菌懸濁液がティッシュを覆うように滴下された。 ティッシュシートは中央で折り畳まれ、次に長辺から中央に再度折り畳まれ、箔バッグ中に包装され、その縁は溶着された。 初期細菌濃度の決定のためにサンプルが取り除かれ、残りのバッグは生存力の研究のために室温で貯蔵された。 各調製物についてラクトバシルス・プランタルム931を有する調製されたシートティッシュのうちの二つが5人の被験者の腕の湾曲部で用いられた(即ち、一つのティッシュは3人の被験者のために用いられ、他のティッシュは2人の被験者のために用いられた)。 テスト前にサンプルが取られ、ラクトバシルス・プランタルム931細胞は皮膚に最初は生存していないことが確認された。 各被験者に対し、腕の一つの湾曲部でMilli Q水中のラクトバシルス・プランタルム931を有するティッシュシートがすじを付けられ、オリーブ油中のラクトバシルス・プランタルム931を有するティッシュシートが他の湾曲部で同様に用いられた。 次に皮膚はラクトバシルス・プランタルム931細胞の存在についてすじ付けの0,4,6及び24時間後にサンプル採取された。 サンプル採取手順は以下の通りであった:脱脂綿ウールを上部に与えられた滅菌スティックは0.9%NaCl中に浸漬され、細菌の付与部位で1cm の面積にわたって4回ころがされた。 スティックは次に1mlの0.9%NaCl中に浸漬され、混合された。 サンプルは0.9%NaCl中に希釈され、直ちにRogosaプレートに播種された。 プレートは37℃で、5%CO の空気中で2日間インキュベートされた。 24時間後、Milli Q水中のラクトバシルス・プランタルム931細胞が付与された腕の湾曲部はSumabac(Diverscy Lever,Huddinge,Sweden)で洗浄され、パラフィン油中のラクトバシルス・プランタルム931細胞を有するティッシュシートが腕の前記湾曲部にすじを付けられ、これは前と同じように皮膚上のラクトバシルス・プランタルム931細胞の量を測定するため、すじ付けの0,4,6及び24時間後にサンプル採取された。

    図6〜8に示される通り、皮膚に移行されたラクトバシルス・プランタルム931細胞の量は細菌がMilli Q水中に懸濁された場合(図8)と比較してオリーブ油(図6)又はパラフィン油(図7)中に懸濁された場合の方が通常10倍以上高かった。 それ故、水の代わりに脂質中に細菌を懸濁させることは皮膚への細菌の移行率を増大させることが示された。 また、一旦ラクトバシルス・プランタルム931細胞が皮膚上に存在すると、脂質は細菌の生存も増大させた。 何故なら、細菌数の初期減少は低く、24時間後の皮膚上の細菌の最終レベルは、水が懸濁剤として用いられた場合(図8)に見出される値と比較して、細菌がオリーブ油又はパラフィン油中に懸濁された場合(図6及び7)、ティッシュの使用後もずっと高かったからである。

    実施例4
    尿生殖器領域中で使用されるティッシュに付与されたオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の移行 細菌懸濁液は5.051gのラクトバシルス・プランタルム931粉末(実施例1で記述したようにして調製)を100mlのオリーブ油(Fillippo BERIO エクストラバージンオリーブ油)に加えることによって調製された。 粉末はまず75mlのオリーブ油に加えられ、均一な溶液を形成するように撹拌され、次に残りの25mlが加えられ、2分間ボルテックスされた。 細菌懸濁液は1時間に2回かき混ぜながら室温で2時間放置された。 ティッシュシートが調製され、実施例1で記述したようにして細菌を接種された。 4人の少女が尿生殖器領域をティッシュシートで処理された。 サンプルは乳酸生成細菌が最初は存在していなかったということを確認するため、ティッシュシートを使用する前に滅菌綿棒を用いて尿道及び会陰部から採取された。 その後、サンプルは処理の直後、及び処理の2,4,6及び17時間後に乳酸生成細菌の移行及び生存を監視するために採取された。 サンプル採取は脱脂綿の上端を与えられた滅菌スティックをMRS培地中に浸漬し、それを細菌の付与部位の1cm の面積にわたって3回ころがすことによって行われた。 スティックは次に1mlのMRS培地中に入れられた。 同様にしてスティックは1/4cm の面積にわたって尿道の上をころがされ、他の管のMRS培地中に入れられた。 サンプルは128μg/mlのバンコマイシンを含むRogosaプレートに播種された。 プレートは37℃で、5%CO の空気中で2日間インキュベートされた。

    少女は研究中は入浴又はシャワーを浴びることを許されなかったが、他のいかなる点でも指示は与えられなかった。 図9及び10に示されている結果は、尿道(図9)及び会陰部(図10)へのラクトバシルス・プランタルム931の高レベルの移行があったこと、及び驚くほど多くの量の細菌が研究された時間期間中、これらの領域で維持されたということを示す。

    実施例5
    衛生ティッシュ上でのオリーブ油中の貯蔵後のラクトバシルス・プランタルム931の生存力 6日間貯蔵されていたティッシュシート上のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の増殖が、オリーブ油中に懸濁されず貯蔵されていないラクトバシルス・プランタルム931の増殖と比較された。 ティッシュシートは10mlの0.9%NaClで湿潤され、Stomacher中で高作用で3分間処理された。 溶液は次に試験管へ移され、10μlが10mlのMRS培地に接種された。 細菌濃度は37℃で5%CO の空気中での増殖中、コロニー形成単位(CFU)の数及び光学密度(OD)を0,2,4,6,8,10,12及び24時間に定量することによって追跡された。 重複したサンプルが分析のために取られた。 図11に示される結果は、ティッシュシート上のオリーブ油中に懸濁され貯蔵されていたラクトバシルス・プランタルム931細胞の増殖能力はラクトバシルス・プランタルム931を一晩培養した培養物からの細胞の増殖と同じくらい良好であるということを示す。 従って、ラクトバシルス・プランタルム931細胞はオリーブ油中での貯蔵によって負の影響を受けなかった。

    衛生ティッシュSpun Lace Dupont(◆)及びSCA Absbond(■)上でのオリーブ油中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。

    衛生ティッシュ(Spun Lace Dupont)上での水とオリーブ油の懸濁液中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。

    オリーブ油(◆)中の及びナタネ油(■)中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。

    様々な化学的組成物を用いた脂質中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。

    水とオリーブ油の懸濁液中のラクトバシルス・プランタルム931の生存を示す。

    5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。

    5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のパラフィン油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。

    5人の異なる被験者に対して用いられた衛生ティッシュ上のMilli Q水中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の皮膚への移行効率及び皮膚上の生存率を示す。

    4人の異なる被験者に対して尿生殖器領域中で用いられたティッシュシートを介した適用後の尿道中のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の移行及び生存を示す。

    4人の異なる被験者に対して尿生殖器領域中で用いられたティッシュシートを介した適用後の会陰中のオリーブ油中に懸濁されたラクトバシルス・プランタルム931の移行及び生存を示す。

    一晩培養した培養物からの新鮮な接種されたラクトバシルス・プランタルム931細胞の増殖率(■)と比較した、ティッシュシート上のオリーブ油中での貯蔵後のラクトバシルス・プランタルム931細胞の増殖率(△及び○)を示す。

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