石鹸

申请号 JP2017201882 申请日 2017-10-18 公开(公告)号 JP6713973B2 公开(公告)日 2020-06-24
申请人 株式会社ヒロマイト; 发明人 宮脇 弘二; 福場 美紀; 大和 雅文;
摘要
权利要求

脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体(但し、ナトリウム−塩化物・炭酸素塩泉の温泉水、及びビール飲料を除く)又は炭酸ガスのいずれかとを配合することを含む、洗顔用の石鹸(但し、ビール飲料を含有する石鹸を除く)を製造する方法。炭酸ガス含有液体を配合する、請求項1に記載の方法。炭酸ガス含有液体が、炭酸水である、請求項2に記載の方法。炭酸ガス含有液体が、炭酸飲料である、請求項2又は3に記載の方法。炭酸ガス含有液体に含まれる炭酸ガスの量が、50ppm〜3000ppmである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。糖類が、炭酸ガス含有液体に溶解している、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。0.4〜5質量%の糖類を配合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。0.5〜1.5質量%の糖類を配合する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。糖類が、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。糖類が、還元糖を少なくとも一種含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。(i)脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体とを加熱下で混合して、混合物を得ること を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。(ii)前記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間保存すること を更に含む、請求項11に記載の方法。(ii)前記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間保存して、固化物を得ること、及び (iii)(ii)で得られた固化物を、室温で2〜24週間乾燥させること を更に含む、請求項11に記載の方法。前記(i)における加熱の温度が、35〜55℃である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。糖類の存在下、脂肪酸又はそのエステルに強アルカリ試薬を反応させて糖類入りの洗顔用の石鹸(但し、ビール飲料を含有する石鹸を除く)を製造する方法であって、反応を、炭酸ガス含有液体(但し、ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉の温泉水、及びビール飲料を除く)又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする、方法。脂肪酸塩に糖類を添加混合して、糖類入りの洗顔用の石鹸(但し、ビール飲料を含有する石鹸を除く)を製造する方法であって、糖類の添加混合を炭酸ガス含有液体(但し、ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉の温泉水、及びビール飲料を除く)又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする、方法。

说明书全文

本発明は、石鹸に関する。

肌に付着した汚れなどを洗い落とす際には、皮膚洗浄料が広く用いられており、液体状態、ゲル状態、固体状態などの様々な状態の皮膚洗浄料が市販されている。一般的に、皮膚洗浄料は、洗浄の高さだけではなく、皮膚保護の点から、皮膚への悪影響が少なく、皮膚の分や油脂を除きすぎないものが好まれる。

古くから常用されている皮膚洗浄料として石鹸があるが、石鹸は、洗浄後の皮膚が乾燥しやすいことが知られている。皮膚の過度の乾燥は、肌荒れの原因となり、皮膚を損傷することになるので、皮膚保護の点で好ましくない。したがって、石鹸には、乾燥を防止するために保湿性を付与することが必要とされ、そのための一つの方法として、保湿成分を配合することが知られている。そして、化粧料分野では、人工又は天然の保湿成分が使用されており、天然の保湿成分の一つとして、ハチミツが知られている。

しかしながら、本発明者が、ハチミツを石鹸に配合することを試みたところ、単にハチミツを配合するのみでは、製造時に石鹸の褐変が生じることを見出した。このような褐変は、石鹸の商品価値の低下を招くおそれがあり好ましくない。

上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねたところ、本発明者は、ハチミツを配合した石鹸を製造する際に、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかを配合すると、製造時の褐変が抑制されること、及び、その褐変の抑制は、ハチミツだけではなくハチミツ以外に由来する糖類を配合した石鹸全般においても達成できることを、見出した。 更に、本発明者は、石鹸に、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合すると、製造時に明らかな褐変が生じないだけではなく、優れた保湿効果・保油効果をも示す石鹸が得られることも、見出した。

したがって、本発明は、要旨、以下のものを提供する。 [1]脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合してなる石鹸。 [2]炭酸ガス含有液体を配合してなる、[1]に記載の石鹸。 [3]炭酸ガス含有液体が、炭酸水である、[2]に記載の石鹸。 [4]炭酸ガス含有液体が、炭酸飲料である、[2]又は[3]に記載の石鹸。 [5]糖類が炭酸ガス含有液体に溶解している、[2]〜[4]のいずれかに記載の石鹸。 [6]炭酸ガス含有液体に含まれる炭酸ガスの量が、50ppm〜3000ppmである、[2]〜[5]のいずれかに記載の石鹸。 [7]炭酸飲料が、アルコールを含有するビール飲料である、[4]〜[6]のいずれかに記載の石鹸。 [8]0.4〜5質量%の糖類を配合してなる、[1]〜[7]のいずれかに記載の石鹸。 [9]0.5〜1.5質量%の糖類を配合してなる、[8]に記載の石鹸。 [10]脂肪酸塩及び糖類、場合により炭酸又は炭酸ガスを含有する石鹸。 [11]糖類が、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の石鹸。 [12]糖類が、還元糖を少なくとも一種含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の石鹸。 [13]洗顔用のものである、[1]〜[12]のいずれかに記載の石鹸。 [14]脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合することを含む、[1]〜[13]のいずれかに記載の石鹸を製造する方法。 [15](i)脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体とを加熱下で混合して、混合物を得ること を含む、[14]に記載の方法。 [16](ii)前記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間保存すること を更に含む、[15]に記載の方法。 [17](ii)前記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間保存して、固化物を得ること、及び (iii)(ii)で得られた固化物を、室温で2〜24週間乾燥させること を更に含む、[15]に記載の方法。 [18]前記(i)における加熱の温度が、35〜55℃である、[15]〜[17]のいずれかに記載の方法。 [19]糖類の存在下、脂肪酸またはそのエステルに強アルカリ試薬を反応させて糖類入り石鹸を製造する方法であって、反応を、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする、方法。 [20]脂肪酸塩に糖類を添加混合して、糖類入り石鹸を製造する方法であって、糖類の添加混合を炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする、方法。

本発明によれば、脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合してなる石鹸であって、製造時に明らかな褐変が生じないこと、及び、優れた保湿効果・保油効果を示すことの両方を満たす石鹸を得ることができる。

本発明は、脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合してなる石鹸を提供する。また、本発明は、脂肪酸塩及び糖類、場合により炭酸又は炭酸ガスのいずれかを含有する石鹸を提供する。

本発明による石鹸は、優れた保湿効果・保油効果を示すものであることから、洗顔用の石鹸に特に適している。

本明細書中で用いられる「脂肪酸又はそのエステル」とは、化粧料分野で公知或いは周知の脂肪酸又はそのエステルであればよく、一般に、炭素数2〜4個の低級脂肪酸又はそのエステル、炭素数5〜11個の中級脂肪酸又はそのエステル、及び炭素数12個以上の高級脂肪酸又はそのエステルを意味する。脂肪酸又はそのエステルは、飽和脂肪酸又はそのエステルであっても不飽和脂肪酸又はそのエステルであってもよく、脂肪酸部分は、鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、脂肪酸又はそのエステルは、合成のものであっても天然由来のものであってもよく、単一の脂肪酸又はそのエステルであってもよいし、複数の脂肪酸又はそのエステルの混合物であってもよいし、脂肪酸又はそのエステルの少なくとも一種が油脂等の組成物中に含まれるものであってもよい。脂肪酸又はそのエステルの例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、酢酸、プロパン酸、ブタン酸などの低級脂肪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸などの中級脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸の単一の脂肪酸又はそのエステル、或いはそれらの混合物;イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライドなどのトリグリセライド類などが挙げられ、脂肪酸又はそのエステルの少なくとも一種が油脂等の組成物中に含まれるものの例としては、これらに限定されるものではないが、脂、豚脂、羊油などの動物性油脂;ゴマ油、ピーナッツ油、ヤシ油、パーム油、大豆油、オリーブ油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、ヒマシ油、ナタネ油、ヒマワリ油などの植物性油などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。脂肪酸又はそのエステルとしては、中級脂肪酸又はそのエステル、高級脂肪酸又はそのエステルが好ましく、高級脂肪酸又はそのエステルがより好ましい。なかでも、人の肌へのなじみやすさから、オレイン酸、オリーブ油が好ましく、オリーブ油がより好ましい。 脂肪酸又はそのエステルの配合量としては、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、石鹸の全量に対して、脂肪酸又はそのエステル換算で、30〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%がより好ましい。

本明細書中で用いられる「強アルカリ試薬」とは、石鹸を製造する際に使用されることが公知又は周知の強アルカリ試薬であればよい。強アルカリ試薬の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、水酸化ナトリウムが好ましい。 強アルカリ試薬の配合量としては、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、石鹸の全量に対して、1〜15質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。

本発明の一実施態様では、脂肪酸又はそのエステルと強アルカリ試薬とを別個に用意するのに代えて、脂肪酸又はそのエステルと強アルカリ試薬とから得られた「脂肪酸塩」を配合してもよい。例えば、脂肪酸塩を含む固形石鹸を液状にし、そこに、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスを配合してもよい。

脂肪酸塩の配合量又は含有量としては、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、石鹸の全量に対して、30〜85質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましい。

本明細書中で用いられる「糖類」とは、石鹸に使用することができ、本発明の目的が達成できるものであればよい。本明細書における「糖類」には、厳密に糖類にしか分類されないものだけではなく、糖アルコール(糖にもアルコールにも分類される)なども包含される。糖類の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコールなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「単糖類」としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ケトトリオース、アルドトリオース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、リキソース、デオキシリボース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フコース、フクロース、ラムノース、セドヘプツロースなどの単糖類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「二糖類」としては、これらに限定されるものではないが、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビオースなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「三糖類」としては、例えば、ラフィノース、マルトトリオースなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「四糖類」としては、例えば、アカルボース、スタキオースなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「オリゴ糖」としては、例えば、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「多糖類」としては、例えば、グリコーゲン、デンプン、セルロース、デキストリン、グルカン、フルクタン、キチンなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「糖アルコール」としては、例えば、エリスリトール、グリセリン、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

「糖類」は、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。

組成物中に少なくとも一種の糖類が含まれているものを用いてもよく、その例としては、例えば、砂糖水、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、白糖、メープルシロップ、ハチミツなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

また、「糖類」は、還元糖を少なくとも一種含むことが好ましい。 「還元糖を少なくとも一種含む糖類」の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトースなどの単一の還元糖;果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、白糖、メープルシロップ、ハチミツなどの還元糖を少なくとも一種含む還元糖組成物が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、グルコース又はハチミツが好ましい。

糖類の配合量又は含有量としては、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、石鹸の全量に対して、化合物としての糖類換算で、好ましくは0.4〜5質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%、更により好ましくは0.6〜1.1質量%である。0.4質量%未満であると保湿効果・保油効果が十分に得られない場合があり、また、5質量%超であると、石鹸の泡立ちが悪くなる場合がある。

本発明の好ましい実施態様では、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとして、炭酸ガス含有液体を配合する。

本明細書中で用いられる「炭酸ガス含有液体」とは、本発明の目的を達成できる限り、炭酸ガスを含有する液体であれば特段限定されるものではない。

本発明の一実施態様では、炭酸ガス含有液体は、炭酸水である。炭酸水に用いられる水としては、これらに限定されるものではないが、例えば、常水、天然水、水道水、硬水、軟水、イオン交換水、精製水、滅菌水などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。水道水をイオン交換することにより調製した精製水を用いてもよい。

炭酸ガス含有液体の配合量としては、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、石鹸の全量に対して、10〜30質量%であることが好ましく、14〜28質量%であることがより好ましく、18〜26質量%であることが更により好ましい。 液体に含有される炭酸ガスの由来は特段限定されず、天然のものでも、人工的に発生させたものであってもよい。 液体が含有する炭酸ガスの量は、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、炭酸ガス含有液体中、50ppm〜3000ppmであることが好ましく、1000ppm〜3000ppmであることがより好ましく、2000ppm〜3000ppmであることが更により好ましい。 液体に炭酸ガスを含有せしめる方法としては、特段限定されるものではないが、例えば、PETボトルなどの容器に精製水などの液体を入れ、0.25MPaの加圧下で炭酸ガスを充填する方法が挙げられる。

本発明の一実施態様では、炭酸ガス含有液体は、炭酸飲料である。 「炭酸飲料」としては、特段限定されるものではないが、例えば、コーラ、ジンジャエール、サイダー、ビール飲料、スパークリングワイン、ハイボールなどの市販されている炭酸飲料や、リキュールやエキスなどに炭酸ガスを加えて用時作製したものが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ビール飲料、スパークリングワイン、ハイボールが好ましく、ビール飲料がより好ましく、アルコールを含有するビール飲料が更により好ましく、ビールが特に好ましい。 ここで、「ビール飲料」には、日本の酒税法上「ビール」に分類される飲料だけではなく、発泡酒、発泡性リキュール、所謂ノンアルコールビール等のビールテイスト飲料なども包含される。 日本では酒税法の分類によってアルコール分が1%未満は酒類とならずビールテイスト飲料とみなされることから、「アルコールを含有するビール飲料」の含有アルコール量の下限値としては、例えば、ビール飲料中、1%以上、すなわち1g/100mL以上が挙げられる。

本発明の一実施態様では、糖類が、炭酸水や炭酸飲料等の炭酸ガス含有液体に溶解していることが好ましい。 糖類が溶解している状態の炭酸ガス含有液体を用いることで、別途糖類を用意して製造中に配合する必要がなくなり、石鹸の製造が更に容易になる。 炭酸ガス含有液体中に溶解されている糖類の量は、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではなく、例えば、石鹸の全量に対して配合する糖類の総量を考慮しつつ適宜調整することができる。

本発明の一実施態様では、本発明の石鹸は、炭酸又は炭酸ガスを含有する。本発明の石鹸中に含有される炭酸又は炭酸ガスの量は、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、例えば、本発明の石鹸中、0.01ppm〜3000ppmであることが好ましく、0.01ppm〜1500ppmであることがより好ましい。

本発明の石鹸の状態は、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではない。本発明の石鹸は、例えば、固形、フレーク状、粒状、粉末状などの固体状態;ゾル状態;ゲル状態;フォーム状態;液体状態などの状態のものであり得るが、その他の任意の状態であってもよい。なかでも、固体状態の石鹸であることが好ましく、固形石鹸であることがより好ましい。

固形石鹸の場合の形状は、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではない。方形、円形、楕円形などの形状の固形石鹸が一般的であるが、その他の形状を有していてもよい。

本発明で得られる石鹸には、必須成分の他に、本発明の目的が達成できる限り、必要に応じて、アルコール、界面活性剤、無機塩、キレート剤、抗菌剤、香料、清涼化剤、pH調整剤、着色剤、保湿剤などの任意成分を配合してもよいし、これらの任意の成分が含有されていてもよい。

アルコールとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、無水エタノール、各種変性エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノールなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、化粧品分野で使用できることが知られていることから、エタノール、無水エタノールが好ましい。

界面活性剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ベタイン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

無機塩としては、これらに限定されるものではないが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

キレート剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、エデト酸、シュウ酸、クエン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、グルコン酸、及びこれらの塩などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

抗菌剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、トリクロサン、トリクロロカルバニリドなどが挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。

香料又は清涼化剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ハッカ油、ハッカハク油、ケイヒ油、チョウジ油、ウイキョウ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油、ダイウイキョウ油、チアミン油、ヘノポジ油、トウカ油、ベルガモット油、シトロネラ油、樟脳油、ローズマリー、セージ、l−メントール、カンフル、チモール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテルなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

pH調整剤としては、これらに限定されるものではないが、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リン酸、塩酸、シュウ酸、硫酸、及びこれらの塩などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

本発明の石鹸のpHは、本発明の目的が達成できる限り特段限定されるものではないが、皮膚刺激の点から、好ましくは3.0〜10.5、より好ましくは4.0〜8.5、更により好ましくは5.0〜6.5である。

本発明による石鹸は、脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかとを配合することにより製造することができる。 また、本発明による糖類入り石鹸は、糖類の存在下、脂肪酸またはそのエステルに強アルカリ試薬を反応させる方法であって、反応を、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする方法により製造することができる。或いは、本発明による糖類入り石鹸は、脂肪酸塩に糖類を添加混合して製造する方法であって、糖類の添加混合を炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスのいずれかの存在下で行うことを特徴とする方法により製造することができる。

石鹸の製造方法としては、これらに限定されるものではないが、例えば、コールドプロセス製法、ホットプロセス製法、中和法などが挙げられる。なかでも、コールドプロセス製法が好ましい。

コールドプロセス製法を採用した場合には、固形の形態の本発明による石鹸は、例えば、以下に記載するようにして製造することができる。 強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体とを、混合容器に入れ、約35〜55℃に加熱する。その後、同程度の温度に加熱した脂肪酸又はそのエステルを加え、温度を維持しつつ約0.5〜24時間攪拌混合し、ニートソープを得る。得られたニートソープを、所望の形状の成形型に移し、室温で0.5〜7日間冷却・固化し、必要に応じて裁断や成形を行った後、室温で2〜24週間乾燥させて、固形石鹸を得る。

本明細書中で「室温」とは、周囲温度を意味し、例えば、1〜33℃であり、好ましくは5〜30℃であり、より好ましくは15〜25℃である。

本発明の一実施態様では、 (i)脂肪酸又はそのエステルと、強アルカリ試薬と、糖類と、炭酸ガス含有液体とを加熱下で混合して、混合物を得ること を含む、石鹸を製造する方法を提供する。

上記実施態様において、 (ii)上記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間(1〜5日間が好ましく、2〜4日間がより好ましく、3日間が更により好ましい)保存すること を更に含むことが好ましい。

或いは、上記実施態様において、 (ii)上記(i)で得られた混合物を、室温で0.5〜7日間(1〜5日間が好ましく、2〜4日間がより好ましく、3日間が更により好ましい)保存して、固化物を得ること、及び (iii)(ii)で得られた固化物を、室温で2〜24週間(3〜16週間が好ましく、4〜8週間がより好ましい)乾燥させること を更に含むことが好ましい。

コールドプロセス製法が好ましいため、上記各実施態様では、(i)における加熱の温度は、35〜55℃であることが好ましく、40〜50℃であることがより好ましい。

液体形態の本発明による石鹸は、例えば、液体石鹸の製造中に又は予め製造した液体石鹸中に、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスを配合することによって製造することができる。

以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これら実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。

[実施例1、比較例1〜3] 表1に示す配合を用いて、実施例1及び比較例1〜3の固形石鹸を製造した。 オリーブ油以外の原料を混合し、約45℃に加熱した。これに、約45℃に加熱したオリーブ油を加え、約45℃で約2時間、撹拌混合した。その後、溶融状態の混合物を型に移し、室温で約3日間、静置した。固化物を型から取り出し、70mm×40mm×15mmのサイズに裁断した後に、室温で少なくとも約4週間乾燥させることで、固形石鹸を得た。

炭酸水:水道水をイオン交換することにより調製した精製水に、0.25MPaの加圧下で炭酸ガスを充填して製造した。 ハチミツ:精製蜂蜜(アピ株式会社製) オリーブ油:BERIOオリーブオイル(株式会社J−オイルミルズ製)

実施例1及び比較例1〜3の固形石鹸を用いて、以下の試験例1及び2に記載する方法により、外観試験及び洗顔試験を行った。 試験例1(外観試験) 得られた固形石鹸の製造直後の外観を目視で観察し、色調がクリーム色なら良好(○)、褐色の程度がわずかなら普通(△)、褐色の程度が明らかなら不良(×)とした。

試験例2(洗顔試験) 得られた固形石鹸を用いて洗顔し、洗顔前後の肌の水分率及び油分率をSkin Detector(SG−9D、Cnaier社製)で測定した(各固形石鹸の被験者数:2〜9)。 洗顔方法としては、泡立てネット(株式会社アゲイン製)を用いて固形石鹸を常温の水で泡立て、その泡を用いて5分間顔を洗い、その後、常温の水で泡を洗い流した。 被験者それぞれについて測定された水分率及び油分率から、洗顔前に比べて洗顔後にこれらの値がどれだけ上昇したかの上昇率を以下の式により算出した。各固形石鹸について、被験者から得られた上昇率の平均値を算出した。 水分率(又は油分率)の上昇率(%)=((A−B)/B)×100 A:洗顔後の水分率(又は油分率) B:洗顔前の水分率(又は油分率)

試験例1の結果から、実施例1の固形石鹸は、製造時に明らかな褐変が生じなかったことが分かる。 また、試験例2の結果から、実施例1の固形石鹸では、比較例1〜3の固形石鹸に比べて、優れた保湿効果・保油効果が示されたことが分かる。 したがって、実施例1の固形石鹸は、製造時に明らかな褐変が生じずかつ十分な保湿効果・保油効果を示すものである。

[実施例2〜6、比較例4] 実施例1に記載した製造方法と同様にして、表3に示す配合を用いて、実施例2〜6及び比較例4の固形石鹸を製造した。 すなわち、オリーブ油以外の原料を混合し、約45℃に加熱した。これに、約45℃に加熱したオリーブ油を加え、約45℃で約2時間、撹拌混合した。その後、溶融状態の混合物を型に移し、室温で約3日間、静置した。固化物を型から取り出し、70mm×40mm×15mmのサイズに裁断した後に、室温で少なくとも約4週間乾燥させることで、固形石鹸を得た。

オリーブ油:BERIOオリーブオイル(株式会社J−オイルミルズ製) 炭酸飲料1:キリンフリー(キリン株式会社製)(実施例2) 炭酸飲料2:キリンラガービール(キリン株式会社製)(実施例3) 炭酸飲料3:SUNTORY PREMIUM MALT’S限定醸造黒(サントリー株式会社製)(実施例4) 炭酸飲料4:SAPPORO麦とホップ黒(サッポロビール株式会社製)(実施例5) 炭酸飲料5:コルシカ・ロゼ(株式会社アルムンド製)(実施例6) 炭酸飲料6:トリスハイボール(サントリー株式会社製)(比較例4)

実施例2〜6及び比較例4の固形石鹸を用いて、試験例1及び2に記載した方法と同じ方法により、外観試験及び洗顔試験を行った。結果を表4に示す。

試験例1の結果から、実施例2〜6の固形石鹸は、製造時に明らかな褐変を生じないことが分かる。 また、試験例2の結果から、実施例2〜6の固形石鹸(石鹸の全量に対する糖類の配合量:0.5〜1.1%)では、比較例4の固形石鹸(石鹸の全量に対する糖類の配合量:0.3%)に比べて、優れた保湿効果・保油効果が示されたことが分かる。 したがって、実施例2〜6の固形石鹸は、製造時に明らかな褐変が生じずかつ優れた保湿効果・保油効果を示すものである。

そして、表2に記載した実施例1の結果も考慮すると、石鹸の全量に対する糖類の好ましい配合量は、0.4〜5質量%であると考えられる。 更に、試験例2の結果から、炭酸飲料1:キリンフリー(アルコールを含有しないビール飲料)(実施例2)及び炭酸飲料5:トリスハイボール(ハイボール)(実施例6)と比較すると、実施例3〜5の炭酸飲料2〜4のアルコールを含有するビール飲料を使用した際に、水分上昇率及び油分上昇率が高く、保湿効果・保油効果がより向上していることが分かる。したがって、使用する炭酸飲料としては、アルコールを含有するビール飲料を用いることが好ましいと考えられる。

[実施例7] 実施例1〜6に記載した固形石鹸の製造方法を、液体石鹸の製造に適するように一部改変することによって、炭酸ガス含有液体又は炭酸ガスを配合してなる液体石鹸を得る。

以上の実施例の結果で示されたように、本発明によれば、製造時に明らかな褐変が生じないこと及び優れた保湿効果・保油効果を示すことの両方を満たす石鹸を得ることができる。

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