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String-like fur, cloth using fur-like material and product using the cloth

申请号 JP2000130077 申请日 2000-04-28 公开(公告)号 JP2001311100A 公开(公告)日 2001-11-09
申请人 Nabro Corp Ltd; 剛氏有限公司; 发明人 NAKAI TSUYOSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain clothing like a sweater from fur, fittable to the human body.
SOLUTION: This cloth comprises a stretchable net 2 and a great number of string-like fur parts 3. The string-like fur parts 3 are wound on warps and wefts in a state of successively passed through meshes of the net. Since the string-like fur parts 3 have hairs 3a in tufts, the net 2 is not watched from outside and the cloth shows the same appearance as that of ordinary fur. Since the string-like fur parts 3 are wound on the yarns of the net 2 and much longer than the yarns of the net 2, the string-like fur parts are not hindered by expansion and contraction of the net 2. Consequently clothing like a sweater fittable to the human body can be produced.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】伸縮性のある網地又は布地のような伸縮性ベース地と、紐状の毛皮又は毛皮状素材とを備えており、前記毛皮又は毛皮状素材が、当該毛皮又は毛皮状素材の毛群によってベース地を覆うと共にベース地の伸縮を許容した状態で、前記ベース地に取付けられている、
    毛皮又は毛皮状素材を使用した生地。
  • 【請求項2】前記紐状の毛皮又は毛皮状素材は、前記網地の縦糸又は横糸に巻き付いた状態で網地に編み込まれている、請求項1に記載した毛皮又は毛皮状素材を使用した生地。
  • 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載した生地で全部又は一部が構成されている、セーター等の衣類、襟首や袖口等の房状装飾物、ショール、寝具、ひざ掛け等の製品。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、毛皮又は毛皮状素材を使用した生地並びにこれを使用した製品に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】毛皮を使用した生地の先行技術として、
    特開平6−81000号公報には、毛皮を細い毛皮紐にカットし、この毛皮紐を、縦横に延びる多数本の糸で形成された網地に、当該網地が隠れるようにして編み込む(織り込む)ことが記載されている。

    【0003】そして、この先行技術では、網地の素材として、麻とレーヨンとの混紡が挙げられている。

    【0004】この先行技術によると、毛皮紐を材料として任意の広さの毛皮生地(毛皮プレート)を製造することができ、しかも、色彩や手触りの異なる毛皮を使用できるためデザインの自由性も向上できる利点がある。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】ところで、毛皮は保温性や装飾性(ファッション性)に優れており、このためコートやショール、襟や袖口の房飾りなどに使用されているが、毛皮の特性を生かした用途の拡大が望まれている。

    【0006】この用途拡大案としては、例えばセーターやベストのようなカジュアルな衣類に毛皮を使用することが考えられ、これが実現すると、今までにない外観及び肌触りの斬新な衣類を消費者に提供することができる。

    【0007】そこで、前記先行技術に開示されている毛皮生地を使用してセーター類を製造することが考えられる。 しかし、前記先行技術に網地の素材例として唯一挙げられている麻とレーヨンとの混紡は伸縮しないため、
    この混紡製の網地を使用した毛皮生地でセーターを製造しても、大きな余裕をもったダブダブの状態に製造しないと人は着ることができない。 これでは商品価値はないと言える。

    【0008】結局、前記先行技術の下では、毛皮製のセーターやベストのように人の身体にフィットする衣類(特に頭から被るタイプの衣類)の製造は困難であった。

    【0009】もちろん、人の身体にフィットする衣類は、通常の毛皮によって製造することも困難であった。
    また、布を織るようにして毛皮紐で織った毛皮生地も提案されているが、この場合も毛皮生地は伸縮しないため、人の身体にフィットする衣類の製造は困難である。

    【0010】本願発明は、このような現状を改善することを目的とするものである。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、毛皮又は毛皮状素材を使用した生地は、伸縮性のある網地又は布地のような伸縮性ベース地と、紐状の毛皮又は毛皮状素材とを備えており、前記毛皮又は毛皮状素材が、
    当該毛皮又は毛皮状素材の毛群によってベース地を覆うと共にベース地の伸縮を許容した状態で、前記ベース地に取付けられている。

    【0012】請求項2の発明は、請求項1において、前記紐状の毛皮又は毛皮状素材は、前記網地の縦糸又は横糸に巻き付いた状態で網地に編み込まれている。

    【0013】請求項1及び請求項2とも、網地又は布地の全体が毛皮又は毛皮状素材で覆われている必要はなく、毛皮又は毛皮状素材で覆われる範囲は、用途に応じて設定したらよい。

    【0014】また、袖口用や襟首用の房飾りのように衣類の本体部に取付けるものの場合は、網地又は布地を取付け部として利用することができる。 この場合は、網地又は布地を直接に本体部に縫着しても良いし、ホックなどの係止具を使用して着脱自在に取付けても良い。

    【0015】本発明は、請求項1又は請求項2に記載した生地で全部又は一部が構成されている製品も含んでいる。 これらの製品例としては、例えば、セーターやベスト、ブルゾン、ジャケット、ガウン等の衣類、襟首や袖口の房飾りのような衣類用装飾物、ショール、寝具、ひざ掛け、手袋の口部の房飾り、コートの裾飾り、縫いぐるみ又は着ぐるみなどが挙げられる。 もちろん、他の製品・半製品も含まれる。

    【0016】

    【発明の作用・効果】本発明によると、毛皮又は毛皮状素材を使用した生地は全体として伸縮するため、セーターのように人の身体にフィットする衣類も、人が容易に着脱できる状態に製造できる。

    【0017】このため、毛皮又は毛皮状素材の使用範囲を格段に拡大することができ、今までにない外観・風合い・肌触りの斬新な衣類を消費者に提供することができる。 その結果、毛皮製品のカジュアル化を大きく促進できる。

    【0018】また、言うまでもないが、コートのような従来から毛皮が利用されていた製品にも適用できる。 その場合、例えばコートを体型に関係なく着用できるフリーサイズ化したり、袖口用房飾りを人の手首にフィットさせて保温機能を向上させたりというように、従来の毛皮製品についても機能を向上できる。

    【0019】

    【発明の実施形態】次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

    【0020】(1).第1実施形態(図1〜図5) 図1〜図5では第1実施形態を示している。 このうち図1は材料の分離斜視図であり、この図に示すように、本実施形態の生地1は、主要構成要素として、ベース地の一例である細長い網地(ネット)2と、兎等の動物の毛皮を細幅(例えば1〜5mm)の紐状にカットした紐状毛皮3とを備えている。 網地2の長辺に沿って補強材4
    を配置している。

    【0021】網地2は、例えばゴム芯に細糸を巻いて被覆した弾性糸からなる縦糸と横糸を交叉させ、交叉箇所を固定してなるもので、このため図2に示すように全方向に大きく伸びる。 網目(メッシュ)は紐状毛皮3が通る大きさであれば足り、一般には2〜5mm程度で良い。 補強材4も大きく伸縮する弾性糸からなっている(ゴム紐でも良い)。

    【0022】そして、図3に示すように、紐状毛皮3
    は、網地2のうち長辺を構成する1本の端端糸2aと補強材4とに巻き付けられている(編み込まれている)。
    巻き付けは網目のピッチで行われている。 すなわち、紐状毛皮3は網地2の網目に順次通っており、このようにして、紐状毛皮3は網地2の全長にわたって離脱不能に取付けられている。

    【0023】また、紐状毛皮3の毛は補強材4の全周にわたって広がっており、このため、図4に示すように、
    網地2のうち補強材4寄りの部位は紐状毛皮3の毛で覆われて外部からは視認できない。 本例のように補強材4
    を設けると、生地1の形態を安定化できる利点がある。

    【0024】紐状毛皮3は網地2端端糸2aと補強材4
    とに巻き付けられているため、その長さは網地2の長さよりも遥かに大きく、このため、紐状毛皮3を巻き付けた状態であっても網地2は大きく伸縮し得る。 なお、毛3aが均等に広がるように、紐状毛皮3は、毛3aのない面が常に網地2の端糸2aと補強材4とに重なるようにして巻くのが好ましい。

    【0025】図5では、第1実施形態の毛皮生地1の適用例を幾つか示している。 このうち(A)ではコート等の上着5の袖口用の房飾り6に適用しており、(B)ではコート7の襟用の房飾り8に適用しており、(C)ではフード9の縁飾り10に適用している。

    【0026】これら房飾り6,8や縁飾り10は、コート7等に着脱自在に取付けても良いし、着脱不能に取付けても良い。 着脱自在に取付けると、クリーニングを簡単に行えると共に、気温に応じて着脱できる利点がある。 着脱自在に取り付ける場合は、ホックや面ファスナー、通常のファスナー、或いはボタンなどを使用して、
    網地2をコート7等に取付ければ良い。 着脱不能に取付ける場合は、網地2をコート7等に縫い付ければ良い。

    【0027】コート7等の衣服本体にボタンを設けて、
    これを網地2の目に通すことも可能であり、この場合は取付け構造がきわめて簡単になる。 袖口用の房飾り6に適用する場合は、人の手首を軽く締める程度に網地2を絞った状態にしておいてもよく、このようにすると、保温効果を向上できる。 もちろん、房飾り6は大きく伸びるから、手首の抜き差しに支障はない。

    【0028】(2).変形例(図6) 図6では、第1実施形態の変形例を示している。 すなわち、ベース地の縁部だけに紐状毛皮3を取付けた例の変形例を示している。 なお、便宜上、紐状毛皮3は糸状に簡略して表示している。

    【0029】図6のうち(A)では、網地2に伸縮性のある布地11を一体に重ねて、網地2と布地11とでベース地を構成している。 このように構成すると、ホックやボタンなどの取付けが容易になる。

    【0030】(B)ではベース地として伸縮性のある布地11を使用し、その長手方向に伸びる側縁に適宜間隔で穴12を空け、紐状毛皮3を、布地11の縁部を巻くようにして穴12に順次通している。 なお、図では穴1
    2は完全に開口した状態に描いているが、弾性によって塞がれている状態でも良い。

    【0031】(C)では、伸縮性のある布地11の長手側縁に沿って弾性紐(又は弾性糸)13を配置し、この弾性紐13を適当な間隔(例えば2〜4mmの間隔)で飛び飛びの状態で布地11に縫着固定し、この弾性紐1
    3に紐状毛皮3を巻き付けている。

    【0032】(D)では、1つの網目の箇所で網地2の糸・に紐状毛皮3を2回ずつ巻いている。 このように、
    紐状毛皮3の巻きピッチを加減したり、網目の大きさを設定したりすることにより、毛のボリューム感を調節できる。 一つの目の箇所で紐状毛皮3を3回以上巻いてもよい。 敢えて述べるまでもないが、毛3aの長さは使用目的に応じて適当な長さに設定できる。

    【0033】(E)では、2本の紐状毛皮3を同時に網地2の端糸2aに巻いている。 これによっても毛をボリュームアップできる。 また、両紐状毛皮3の色や種類を変えることにより、ファッション性を高めることも可能である。

    【0034】(F)では、芯材14の全周に毛15を植毛又は起毛した人造の毛皮状素材16の断面を示している。 このような人造の毛皮状素材16を使用することも可能である。 この場合、芯材14を弾性紐(弾性糸)とすることも可能である。 (F)では芯材14の全周が毛15で覆われているが、テープ状の人造皮革の片面にポリエステル等の人造毛を植毛した人造ファーを使用しても良い。

    【0035】(3).第2実施形態(図7) 図7では、伸縮性のある網地2の全体に紐状毛皮3を編み込んだ第2実施形態を示している。 破断部分では紐状毛皮3は紐状に簡略化して示している。

    【0036】この例では、網地2の各横糸2bに、各網目の箇所ごとに紐状毛皮3を巻き付けており、このため、紐状毛皮3は縦糸と横糸2bとの交叉部を斜めに跨いだ状態になっている。 紐状毛皮3は各縦糸に巻き付けても良い。 また、裏地として、伸縮性のある布地を取付けても良い。

    【0037】このように、広い面積の網地2の全体に紐状毛皮3を編み込むことにより、任意の方向に伸び縮みする広い面積の毛皮生地1を得ることができる。 このため、セーターやベストなど、人の身体にフィットする衣類を、通常の毛皮で製造したのと同様の外観にして提供することができるのである。

    【0038】また、広い面積のものを製造できるため、
    掛け布団や毛布、或いは寝袋などの大型物品に使用することも可能となる。 適当な大きさの毛皮生地を複数枚縫着することにより、様々のデザインとすることも可能となる。 この場合、各生地1は網地の縁同士を縫着すれば良い。

    【0039】紐状毛皮3の色を異ならせることにより、
    縞模様のデザインにすることもできる。 複数本ずつの紐状毛皮3を束ねた状態で糸に巻き付けても良いし、図6
    (D)と同様に、一つの網目の箇所で紐状毛皮3を横糸2b(又は縦糸)に複数回ずつ巻くことも可能である。

    【0040】(4).変形例(図8〜図10) 図8〜図10では、第2実施形態の変形例、すなわち、
    ベース地の全体に紐状毛皮3を編み込む例の変形例を示している。 この場合も、紐状毛皮3は単なる糸状に簡略して描いている。

    【0041】図8に示す例では、網地2の外周を構成する端糸2aに1本(複数本でも良い)の紐状毛皮3を全長にわたって巻き付けている。 このようにすると、生地1の縁の始末を美麗にすることができ、また、縁を構成する紐状毛皮3と内側に位置した紐状毛皮3との色彩を変えることにより、ファッション性を向上できる。

    【0042】図9に示す例では、毛皮状素材16を、平織の状態で網地2の網目に順次通している。 この場合、
    毛皮状素材16は長手方向に大きく伸縮すもるのを使用しており、このため、網地2の伸縮が阻害されることはない。

    【0043】図10に示す例では、ベース地と伸縮性のある布地11を使用し、この布地11に、平行に延びる多数本の弾性紐(又は弾性紐)13を、適宜間隔で布地11の片面側に間欠的に露出するようにして縫い込んでいる。 そして、各弾性紐13の露出部に紐状毛皮3を順次巻き付けている。 この例では、ベース地とのなる布地は裏地の役割を果たす利点がある。

    【0044】(5).その他 本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。 例えばベース地は網地や布地には限らず、紐状の毛皮又は毛皮状素材を取付けできるものであればどのようなものでも良い。

    【0045】また、ベース地の形状は必要に応じて任意に設定できる。 衣服等の骨組みを網地等のベース地で形成して、これに紐状の毛皮又は毛皮状素材を編み込むことにより、衣服等を製造することも可能であり、このようなものも請求項の構成に含まれる。

    【0046】更に、ベース地は一定の方向のみに伸縮するだけでも良い(例えば第1実施形態の場合、長手方向のみに伸縮するものであっても良い)。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】第1実施形態の分離斜視図である。

    【図2】第1実施形態に係る網地の伸び状態を示す平面図である。

    【図3】毛皮生地の一部破断平面図である。

    【図4】毛皮生地の斜視図である。

    【図5】使用例を示す図である。

    【図6】第1実施形態の変形例を示す図である。

    【図7】第2実施形態の一部破断平面図である。

    【図8】第2実施形態の変形例の概略平面図である。

    【図9】同じく第2実施形態の変形例の概略平面図である。

    【図10】同じく第2実施形態の変形例の概略平面図である。

    【符号の説明】

    1 生地 2 網地 3 紐状毛皮 6 袖用房飾り 8 襟用房飾り 9 フード用縁飾り 11 布地 13 弾性紐

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成13年5月21日(2001.5.2
    1)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 紐状の毛皮又は毛皮状素材を使用した生地並びにこれを使用した製品

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、 紐状の毛皮又は毛皮状素材を使用した生地に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】毛皮を使用した生地の先行技術として、
    特開平6−81000号公報には、毛皮を細い毛皮紐
    (紐状毛皮)にカットし、この毛皮紐を、縦横に延びる多数本の糸で形成されたネット状ベースに編み込む(織り込む)ことが記載されている。

    【0003】そして、この先行技術では、 ネット状ベー
    の素材として、麻とレーヨンとの混紡が挙げられている。

    【0004】この先行技術によると、毛皮紐を材料として任意の広さの毛皮生地(毛皮プレート)を製造することができ、しかも、色彩や手触りの異なる毛皮を使用できるためデザインの自由性も向上できる利点がある。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】ところで、毛皮は保温性や装飾性(ファッション性)に優れており、このためコートやショール、 衣服の襟飾りや袖飾りなどに使用されているが、毛皮の特性を生かした用途の拡大が望まれている。

    【0006】この用途拡大案としては、例えばセーターやベストのようなカジュアルな衣類に毛皮を使用することが考えられ、これが実現すると、今までにない外観及び肌触りを備えた斬新な衣類を消費者に提供することができる。

    【0007】そこで、前記先行技術に開示されている毛皮生地を使用してセーター類を製造することが考えられる。 しかし、前記先行技術に網地の素材例として唯一挙げられている麻とレーヨンとの混紡は伸縮しないため、
    この混紡製の網地を使用した毛皮生地でセーターを製造しても、大きな余裕をもったダブダブの状態に製造しないと人は着ることができない。 これでは商品価値は低い
    と言える。

    【0008】結局、前記先行技術の下では、毛皮製のセーターやベストのように人の身体にフィットする衣類(特に頭から被るタイプの衣類)の製造は困難であった。

    【0009】もちろん、人の身体にフィットする衣類
    通常の毛皮によって製造することも困難であった。 また、布を織るようにして毛皮紐で織った毛皮生地も提案されているが、この場合も毛皮生地は伸縮しないため、
    人の身体にフィットする衣類の製造は困難である。

    【0010】本願発明は、このような現状を改善することを目的とするものである。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】 請求項1の発明では、縦
    糸群と横糸群とを交叉させて成るネット状ベースと、紐
    状の毛皮又は毛皮状素材とを備えた生地において、前記
    ネット状ベースは、生地の面積全体にわたって一連に広
    がっていると共に、縦糸群と横糸群とのうち少なくとも
    一方の糸群を弾性糸のような伸縮性素材製とすることに
    より、少なくも一方向に伸縮することが許容されてい
    る。

    【0012】 そして、このネット状ベースにおける伸縮
    する糸に、前記紐状の毛皮又は毛皮状素材を、毛群が糸
    の外側に露出するようにして巻き付けることにより、ネ
    ット状ベースが少なくとも紐状の毛皮又は毛皮状素材の
    長手方向に伸縮することを許容している。

    【0013】 請求項2の発明は、請求項1において、前
    記ネット状ベースの縦糸群と横糸群とは共に弾性糸のよ
    うな伸縮する素材から成っており、このネット状ベース
    に、紐状の毛皮又は毛皮状素材が通っていない網目の列
    を当該ネット状ベースの一側縁に沿って延びるように残
    している。

    【0014】 請求項3の発明では、縦糸群と横糸群とを
    交叉させて成るネット状ベースと、紐状の毛皮又は毛皮
    状素材とを備えた生地において、前記ネット状ベース
    は、生地の面積全体にわたって一連に広がっていると共
    に、縦糸群と横糸群とのうち少なくとも一方の糸群を弾
    性糸のような伸縮性素材製とすることにより、少なくも
    一方向に伸縮することが許容されている。 そして、前記
    紐状の毛皮又は毛皮状素材を、ネット状ベースの伸縮を
    許容した状態で、ネット状ベースの網目の列に交互に通
    している。

    【0015】 請求項4の発明では、請求項3において、
    前記ネット状ベースの縦糸群と横糸群とは共に弾性糸の
    ような伸縮する素材から成っている一方、前記紐状の毛
    皮又は毛皮状素材は、その長手方向に伸縮するものにな
    っている。

    【0016】 請求項2から明らかなように、本発明にお
    いては、ネット状ベースの全体が毛皮又は毛皮状素材で覆われている必要はなく、毛皮又は毛皮状素材で覆われる範囲は、用途に応じて設定したらよい。

    【0017】また、 袖飾りや襟飾りのように衣類の本
    取付けるものの場合は、 ネット状ベースを取付け部として利用することができる。 この場合は、 ネット状ベー
    スを直接に本体部に縫着しても良いし、ホックなどの係止具を使用して着脱自在に取付けても良い。

    【0018】本発明は、請求項1又は請求項2に記載した生地で全部又は一部が構成されている製品も含んでいる。 これらの製品例としては、例えば、セーターやベスト、ブルゾン、ジャケット、ガウン等の衣類、襟首や袖口の房飾りのような衣類用装飾物、ショール、寝具、ひざ掛け、手袋の口部の房飾り、コートの裾飾り、縫いぐるみ又は着ぐるみなどが挙げられる。 もちろん、他の製品・半製品も含まれる。

    【0019】

    【発明の作用・効果】本発明によると、 紐状の毛皮又は毛皮状素材を使用した生地は全体として伸縮するため、
    セーターのように人の身体にフィットする衣類も、人が容易に着脱できる状態に製造できる。

    【0020】このため、毛皮又は毛皮状素材の使用範囲を格段に拡大することができ、今までにない外観・風合い・肌触りを備えた斬新な衣類を消費者に提供することができる。 その結果、毛皮製品のカジュアル化を大きく促進できる。

    【0021】また、言うまでもないが、コートのような従来から毛皮が利用されていた製品にも適用できる。 その場合、例えばコートを体型に関係なく着用できるフリーサイズ化したり、 袖飾りを人の手首にフィットさせて保温機能を向上させたりというように、従来の毛皮製品<br>について機能を向上させることもできる。

    【0022】ところで、衣服の衿飾りのように衣服本体
    に着脱自在に取付けるものがある。 この点、請求項2の
    ように構成すると、衣服本体にボタンを取付けておき、
    このボタンに、ネット状ベースのうち紐状の毛皮又は毛
    皮状素材が通っていない網目を嵌め込むことにより、衣
    服本体に簡単に簡単に取付けることができる。

    【0023】

    【発明の実施形態】次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

    【0024】 (1).第1実施形態(図1〜図5) 図1〜図5では第1実施形態を示している。 このうち図1は材料の分離斜視図であり、この図に示すように、本実施形態の生地1は、主要構成要素として、細長い形状
    のネット状ベース 2と、兎等の動物の毛皮を細幅(例えば1〜5mm)の紐状にカットした紐状毛皮3とを備えている。 ネット状ベース 2の長辺に沿って補強材4を配置している。

    【0025】ネット状ベース 2は、例えばゴム芯に細糸を巻いて被覆した弾性糸からなる縦糸と横糸を交叉させ、交叉箇所を固定してなるもので、このため図2に示すように全方向に大きく伸びる。 網目(メッシュ)は紐状毛皮3が通る大きさであれば足り、一般には2〜5m
    m程度で良い。 補強材4も大きく伸縮する弾性糸からなっている(ゴム紐でも良い)。

    【0026】そして、図3に示すように、紐状毛皮3
    は、 ネット状ベース 2のうち長辺を構成する1本の糸2aと補強材4とに巻き付けられている(編み込まれている)。 巻き付けは網目のピッチで行われている。 すなわち、紐状毛皮3はネット状ベース 2の網目に順次通っており、このようにして、紐状毛皮3はネット状ベース
    2の全長にわたって離脱不能に取付けられている。

    【0027】また、紐状毛皮3の毛3aは補強材4の全周にわたって広がっており、このため、図4に示すように、 ネット状ベース 2のうち補強材4寄りの部位は紐状毛皮3の毛3aで覆われていて、外部からは視認できない。 本例のように補強材4を設けると、生地1の形態を安定化できる利点がある。

    【0028】紐状毛皮3はネット状ベース2の端糸2a
    と補強材4とに巻き付けられているため、その長さは
    ット状ベース 2の長さよりも遥かに長い。 このため、ネ
    ット状ベース2は紐状毛皮3の長手方向に大きく伸縮し得る

    【0029】紐状毛皮3は、毛3aのない面が常にネッ
    ト状ベース 2の端糸2aと補強材4とに重なるようにして(すなわち毛3aが端糸2aは補強材4との外側に露
    出するようにして)巻かれている

    【0030】紐状毛皮3は、端糸2aと補強材4とだけ
    に巻かれているため、例えば図4に明瞭に示すように、
    ネット状ベース2には、紐状毛皮3が通っていない網目
    の列が残っている。

    【0031】図5では、第1実施形態に係る毛皮生地1
    を使用した製品の例を幾つか示している。 このうち(A)ではコート等の上着5の袖飾り6に適用しており、(B)ではコート7の襟飾り8に適用しており、
    (C)ではフード9の縁飾り10に適用している。

    【0032】これら袖飾り6、襟飾り8、縁飾り10
    は、コート7等に着脱自在に取付けても良いし、着脱不能に取付けても良い。 着脱自在に取付けると、クリーニングを簡単に行えると共に、気温に応じて着脱できる利点がある。

    【0033】着脱自在に取り付ける場合は、ホックや面ファスナー、通常のファスナー、或いはボタンなどを使用して、 ネット状ベース 2をコート7等に取付ければ良い。 着脱不能に取付ける場合は、 ネット状ベース 2をコート7等に縫い付ければ良い。

    【0034】コート7等の衣服本体にボタンを設けて、
    のボタンを、ネット状ベース2のうち紐状毛皮3が通
    っていない網目に通すことも可能であり、この場合は取付け構造がきわめて簡単になる。

    【0035】袖飾り 6に適用する場合は、人の手首を軽く締める程度にネット状ベース 2を絞った状態にしておいてもよく、このようにすると、保温効果を向上できる。 その場合、袖飾り 6は大きく伸びるから、手首の抜き差しに支障はない。

    【0036】 (2).変形例(図6) 図6では、第1実施形態の変形例を示している。 すなわち、 これらは、ネット状ベース2の縁部だけに紐状毛皮3を取付けた例の変形例を示している。 なお、便宜上、
    紐状毛皮3は糸状に簡略して表示している。

    【0037】図6のうち(A)では、1つの網目の箇所でネット状ベース 2の端糸2aに紐状毛皮3を2回ずつ巻いている。 このように、紐状毛皮3の巻きピッチを加減したり、網目の大きさを設定したりすることにより、
    毛のボリューム感を調節できる。 一つの網目の箇所で紐状毛皮3を3回以上巻いてもよい。 敢えて述べるまでもないが、毛3aの長さは使用目的に応じて適当な長さに設定できる。

    【0038】(B)では、2本の紐状毛皮3を重ねてネ
    ット状ベース 2の端糸2aに巻いている。 これによっても毛をボリュームアップできる。 また、両紐状毛皮3の色や種類を変えることにより、ファッション性を高めることも可能である。

    【0039】(C)では、芯材14の全周に毛15を植毛又は起毛した人造の毛皮状素材16の断面を示している。 このような人造の毛皮状素材16を使用することも可能である。 この場合、芯材14を弾性紐(弾性糸)とすることも可能である。 (C)では芯材14の全周が毛15で覆われているが、テープ状の人造皮革の片面にポリエステル等の人造毛を植毛した人造ファーを使用しても良い。

    【0040】 (3).第2実施形態(図7) 図7では、伸縮性のあるネット状ベース 2の全体に紐状毛皮3を編み込んだ第2実施形態を示している。 破断部分では紐状毛皮3は紐状に簡略化して示している。

    【0041】この例では、 ネット状ベース 2の各横糸2
    bに、各網目の箇所ごとに紐状毛皮3を巻き付けており、このため、紐状毛皮3は縦糸と横糸2bとの交叉部を斜めに跨いだ状態になっている。 紐状毛皮3は各縦糸に巻き付けても良い。 なお 、裏地として、伸縮性のある布地を取付けても良い。

    【0042】このように、広い面積のネット状ベース
    の全体に紐状毛皮3を編み込むことにより、任意の方向に伸び縮みする広い面積の毛皮生地1を得ることができる。 このため、セーターやベストなど、人の身体にフィットする衣類を、通常の毛皮で製造したのと同様の外観にして提供することができるのである。

    【0043】また、広い面積のものを製造できるため、
    掛け布団や毛布、或いは寝袋などの大型物品に使用することも可能となる。 適当な大きさの毛皮生地を複数枚縫着することにより、様々のデザインとすることも可能となる。 この場合、各生地1はネット状ベースの縁同士を縫着すれば良い。

    【0044】紐状毛皮3の色を異ならせることにより、
    縞模様のデザインにすることもできる。 複数本ずつの紐状毛皮3を束ねた状態で糸に巻き付けても良いし、図6
    )と同様に、一つの網目の箇所で紐状毛皮3を横糸2b(又は縦糸)に複数回ずつ巻くことも可能である。

    【0045】 (4).変形例(図8〜図 ) 図8〜図では、第2実施形態の変形例を示している。
    この場合も、紐状毛皮3は単なる糸状に簡略して描いている。

    【0046】図8に示す例では、 ネット状ベース 2の外周を構成する端糸2aに1本(複数本でも良い)の紐状毛皮3を全長にわたって巻き付けている。 このようにすると、生地1の縁の始末を美麗にすることができ、また、縁を構成する紐状毛皮3と内側に位置した紐状毛皮3との色彩を変えることにより、ファッション性を向上できる。

    【0047】図9に示す例では、毛皮状素材16を、平織の状態でネット状ベース 2の網目に順次通している。
    この場合、毛皮状素材16は長手方向に大きく伸縮す
    ものを使用しており、このため、 ネット状ベース 2の伸縮が阻害されることはない。

    【0048】 (5).その他 本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。 例えば、ベース地の形状は必要に応じて任意に設定できる。 衣服等の骨組みをネット状ベースで形成して、
    これに紐状の毛皮又は毛皮状素材を編み込むことにより、衣服等を製造することも可能であり、このようなものも請求項の構成に含まれる。

    【0049】更に、 ネット状ベースは一定の方向のみに伸縮するだけでも良い(例えば第1実施形態の場合、長手方向(端糸2a及び補強材4並びに紐状毛皮3の長手
    方向)のみに伸縮するものであっても良い)。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】第1実施形態の分離斜視図である。

    【図2】第1実施形態に係るネット状ベースの伸び状態を示す平面図である。

    【図3】 地の一部破断平面図である。

    【図4】 地の斜視図である。

    【図5】使用例を示す図である。

    【図6】第1実施形態の変形例を示す図である。

    【図7】第2実施形態の一部破断平面図である。

    【図8】第2実施形態の変形例の概略平面図である。

    【図9】同じく第2実施形態の変形例の概略平面図である。

    【符号の説明】 1 生地 2 ネット状ベース 3 紐状毛皮 6 袖飾り襟飾り 9 フード用縁飾り 13 弾性紐16 毛皮状素材

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図6

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図6】

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図10

    【補正方法】削除

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 21/14 D04B 21/14 Z // A41D 1/04 A41D 1/04 Q 31/00 31/00 G 501 501E 501A 501Q 502 502A 502R Fターム(参考) 3B031 AA04 AC05 AC06 AE14 3B035 AA10 AA11 AB20 AD12 4F056 AA01 AA08 BB01 BB05 DD39 FF20 GG03 GG07 GG10 4L002 AA00 AC07 CA04 EA01 EA06 FA00 FA01 FA10 4L048 AB30 AC01 CA00 CA04 CA10 DA00 DA07 DA10 DA13

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