白色顔料含有製品を製造するための間接浮選方法

申请号 JP2020508525 申请日 2018-08-08 公开(公告)号 JP2020531257A 公开(公告)日 2020-11-05
申请人 オムヤ インターナショナル アーゲー; 发明人 セテマン,イェルク; マイヤー,イェルク; ギルベルト,ダービド; ニッティ,トミ・マッチ・ユハニ;
摘要 本発明は、白色顔料含有製品を製造する方法に関するものである。白色顔料含有製品は、少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料から、フロス浮選により得られる。
权利要求

白色顔料含有製品を製造するための方法であって、以下のステップ、すなわち a)少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料を提供するステップ、 b)式(1)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の捕収剤を提供するステップ、 [式中、R2は以下からなる群から選択され、 i)直接結合、 ii)1つ以上の−OH基により置換されていてもよいC1〜C20の直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和炭化素鎖、アルキレン基が1つ又は2つの−OH基により置換された置換アルキレン基、1〜20個の炭素原子を有するアルケニレン基、及びアルケニレン基が1つ又は2つのメチル及び/又はメチレン基により置換された置換アルケニレン基、 iii)シクロアルキレン、 iv)シクロアルケニレン、及び v)アリーレン基、 R5はC1〜C6ヒドロカルビル基であり、 Xは脱離基であり、 tは0又は1であり、 pは1〜15の範囲の整数であり、 QOは2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、 q1、q2、q3、q4は互いに独立して1〜20の範囲の整数であり、 R10は互いに独立してR7及びR11からなる群から選択され、ただしR10基の少なくとも1つはR7であり、R10基の少なくとも他の1つはR11であり、 R7は、1〜7個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アリール又はアリールアルキル基、式H−(OA")v−の基(式中vは、1〜20の間の整数を表し、A”Oは、2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基を表す。)、HO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、 式中、R8及びR9は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から選択されるか、又はR8及びR9は、それらが連結される窒素原子と共に、酸素、窒素又は硫黄の中から選択される1個以上のヘテロ原子を有していてもよい5、6又は7原子環を形成し、qは1〜10の範囲の整数であり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及び式R4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、R4は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、yは0〜5の整数であり、Gは式(3)の基を表し、 式中、 BはC1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、 sは1、2又は3であり、及び R5、X及びtは上で定義された通りであり、 及び基(CH2)sはそれが連結される2つの窒素原子間のスペーサーである。] c)ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料をステップb)の前記捕収剤と水性環境中で混合して、水性懸濁液を形成するステップ、 d)ステップc)で形成された懸濁液に気体を通すステップ、 e)ステップd)後に得られた水性懸濁液から白色顔料担持相を除去することにより、白色顔料含有製品を回収するステップ を含むことを特徴とする、方法。不純物を含むフロス及び白色顔料含有製品を有する白色顔料担持相の形成に至る間接浮選ステップを含む、請求項1に記載の方法。白色顔料が白色鉱物顔料であり、好ましくは天然炭酸カルシウム又は重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム含有鉱物材料、ドロマイト、重晶石、及び前述の混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。白色鉱物顔料が、アルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは炭酸カルシウム、最も好ましくは重質炭酸カルシウムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。前記白色顔料含有材料が、卑金属硫化物、酸化鉄、黒鉛、ケイ酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。前記ケイ酸塩が、石英、雲母、閃石、長石、粘土鉱物及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは石英である、請求項5に記載の方法。前記ケイ酸塩が、ウォラストナイト、カオリン、カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土、セピオライト及びそれらの混合物からなる群から選択される白色ケイ酸塩である、請求項5に記載の方法。ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料の量が、乾燥重量に基づいて0.1〜99.9重量%、乾燥重量に基づいて好ましくは30〜99.7重量%、より好ましくは60〜99.3重量%、最も好ましくは80〜99重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料:不純物の比率が、乾燥重量に基づいて0.1:99.9〜99.9:0.1、乾燥重量に基づいて好ましくは30:70〜99.7:0.3、より好ましくは60:40〜99.3:0.7、最も好ましくは80:20〜99:1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料は、1〜5000μm、好ましくは3〜700μm、より好ましくは5〜500μm、最も望ましくは10〜80μm、又は100〜500μmの範囲の重量中央粒径を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。式(1)の化合物が以下の点、すなわち、 R2が、式−(CH2)z−のアルキレン基(zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)及び1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基からなる群から選択され、及び/又は R5が、C1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキルからなる群から選択され、好ましくはベンジルであり、及び/又は Xが、ハロゲン、硫酸塩及び炭酸塩からなる群から選択され、及び/又は pが、1〜10、好ましくは1〜5の範囲の整数であり、及び/又は QOが、2又は3個の炭素原子を含有する、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレンオキシ基であり、及び/又は q1、q2、q3、q4が、互いに独立して1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、最も好ましくは1〜4の間の整数であり、及び/又は R7が、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、フェニル又はナフチル基、式H−(OA”)v−の基(式中vは、1〜10、好ましくは1〜6の間、及び最も好ましくは1〜4の間の範囲の整数であり、A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基である。)、及びHO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、 式中、R8及びR9は、互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基の中から選択され、qは1〜6の整数であり、好ましくはqは2又は3であり、及び/又は R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、式中、R4は12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくはyは0又は1であり、最も好ましくはyは0であり、Gは式(3)の基を表し、 式中、 Bは、C1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、好ましくはフェニル又はフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルであり、 sは、1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 及びtは、請求項1で定義された通りである ことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。前記式(1)の化合物が以下の点、すなわち R2が、1〜10個、好ましくは2〜6個、最も好ましくは4個の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基からなる群から選択され、 R7が、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、最も好ましくはR7はメチルであり、 R11がR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、y=0であり、 QOがエトキシ基であり、及び p、q1、q2、q3、q4、t、R5及びXが、請求項1で定義された通りであり、好ましくは請求項11で定義された通りである ことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。前記式(1)の化合物が以下の点、すなわち pが1〜10の範囲内の数であり、及び/又は tが1であり、及び/又は q1、q2、q3、q4が、互いに独立して1〜6の範囲の整数であり、及び/又は R5が、メチル及びエチルからなる群から選択され、及び/又は Xが、ハロゲン及び硫酸塩からなる群から選択される ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。前記式(1)の化合物が、以下の特徴、すなわち R1が、2−エチルヘキシルアミン、2−プロピルヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミン、N−(n−デシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(n−ドデシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(ココアルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(菜種アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(大豆アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(水素化獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−エルシル−N−メチル−トリメチレンジアミン、イソトリデシルオキシプロピルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アミンに由来し、及び/又は R2は、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸のジエステル、ジカルボン酸の無水物、ジカルボン酸の環状無水物に由来し、好ましくはR2は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン酸、その対応する酸塩化物、これらの化合物のメチルエステル若しくはエチルエステル若しくは無水物若しくは環状無水物、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物に由来し、及び/又は R7は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される(アルキル)アルカノールアミンに由来する ことの少なくとも1つを有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。ステップb)の前記捕収剤が式(1)の1種以上の化合物からなる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。ステップc)で得られる前記水性懸濁液が、7〜10、好ましくは7.2〜9.5、より好ましくは7.5〜9.0のpHを有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。前記回収剤が、ステップc)において、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて1〜5000ppmの量で、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて好ましくは20〜2000ppmの量で、より好ましくは30〜1000ppmの量で、最も好ましくは50〜800ppmの量で添加される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。ステップc)で得られる前記水性懸濁液が、懸濁液中の固体の総重量に基づいて5〜80重量%の間、懸濁液中の固体の総重量に基づいて好ましくは10〜70重量%の間、より好ましくは20〜60重量%の間、最も好ましくは25〜55重量%の間の固体含量を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。ステップc)の前、間又は後に、前記水性懸濁液に1種以上の添加剤が添加され、ここで、添加剤は、pH調整剤、溶媒、抑制剤、活性化剤、高分子電解質、発泡剤及び式(1)による捕収剤以外の捕収剤を含む群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。ステップc)で得られた前記水性懸濁液が、ステップc)の間及び/又は後に粉砕される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。ステップd)の前記気体が空気である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。ステップd)における前記懸濁液が、5〜50℃の間、好ましくは10〜40℃の間、より好ましくは10〜35℃の間、最も好ましくは15〜30℃の間の温度を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。ステップe)から得られる前記白色顔料担持相が、ステップe)の前及び/又は後に分散及び/又は粉砕され、好ましくは、少なくとも1種の分散剤及び/又は少なくとも1種の粉砕助剤の存在下に分散及び/又は粉砕される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。紙、プラスチック、塗料、コーティング、コンクリート、セメント、化粧品、水処理、食品、製薬、インク及び/又は農業用途における、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法によって得られる白色顔料担持相の使用であって、好ましくは、白色顔料含有製品は、抄紙機のウェットエンドプロセス、たばこ紙、板、及び/又はコーティング用途において、又は輪転グラビア印刷及び/又はオフセット印刷及び/又はインクジェット印刷及び/又は連続インクジェット印刷及び/又はフレキソ印刷及び/又は電子写真及び/又は修飾表面の支持体として使用される、使用。

说明书全文

本発明は、白色顔料含有製品を製造するための方法に関するものであり、より詳細には、白色顔料含有製品の製造のためにフロス浮選により白色顔料及び不純物を分離するために実施される技術分野に関するものである。

顔料は一般に、波長の選択的吸収の結果として反射光又は透過光の色を変化させる材料として知られている。この物理的過程は、材料が発光する蛍光、リン光、その他の形式の発光とは異なる。顔料は、例えば、塗料、インク、プラスチック、布、化粧品、食品及びその他の材料の着色に使用される。使用される顔料のほとんどは乾燥した着色剤であり、通常は微細な粉末に粉砕される。

白色顔料は、その工業的関連性から、顔料の分野で特別な地位を占めている。例えば、ヨーロッパの製紙業界では、年間1000万トン超の白色顔料が使用されている。白色顔料は塗料及びコーティングにも使われている。特に分散塗料を製造する場合、白色顔料が着色系の基色となる。

自然界に存在する白色の顔料は、通常、採掘によって得られる。しかし、一般に、このような白色顔料は、例えば、灰色度又は黄色度のような変色を誘発する不純物を含む。さらに、これらの不純物は白色顔料の特性に影響を及ぼし、その使用に重大な欠点をもたらす可能性がある。白色顔料中のケイ酸塩のような多量の不純物は研磨特性を増加させる可能性がある。そのため、不純物及び白色顔料は、不純物で汚染されていない、又はごくわずかにしか汚染されていない白色顔料含有製品を得るために、互いに分離しなければならない。

不純物を白色鉱物から物理化学的分離により分離することは、先行技術において知られている。物理化学的分離方法は、まず変成岩又は堆積岩を粉砕し、得られた白色顔料及び不純物含有材料を性環境で従来のフロス浮選に供することを含む。従来のフロス浮遊は、白色顔料及び不純物含有材料を含む水性懸濁液中で特定の表面に選択的に付着する気泡の能の相違に基づく粒子の物理化学的分離のために、先行技術で知られている非常に汎用性の高い方法である。気泡が付着した白色顔料は表面に運ばれて取り除かれるが、完全に湿ったままの不純物は液相にとどまる。

以上のように、従来のフロス浮選の基本は白色顔料及び不純物の湿潤性の相違である。白色顔料は自然に疎水性であるが、一般に疎水性は化学的処理によって誘導される。表面を疎水性にするための化学的処理は、本質的に、適切な化合物の層で粒子表面をコーティングする方法である。

しかし、従来の浮遊は、著しく不利な点がある。すなわち、先に述べたように、捕収剤としての化学的処理は、白色顔料の表面を疎水性にし、気体のバブリングによってこれらの粒子を分離するために用いられる。これらの捕収剤は白色顔料の表面に吸着されるので、顔料の特性を改質する。しかし、好ましくは、白色顔料含有製品が、抄紙機のウェットエンドプロセス、たばこ紙、板、及び/又はコーティング用途において、又は輪転グラビア印刷及び/又はオフセット印刷及び/又はインクジェット印刷及び/又は連続インクジェット印刷及び/又はフレキソ印刷及び/又は電子写真及び/又は修飾表面の支持体として使用される、紙、プラスチック、塗料、コーティング、コンクリート、セメント、化粧品、水処理、食品、製薬、インク及び/又は農業用途における白色顔料の使用においては、この改質は好ましくない場合がある。さらに、所望の白色顔料の直接浮選は、品質及び経済的理由のために不利である。

あるいは、白色顔料及び不純物を分離するために、逆/間接フロス浮選法を使用することも考えられる。望ましい白色顔料を直接浮遊させ、生成したフロスから回収する従来の浮選とは対照的に、逆(間接)浮遊は望ましくない不純物を優先的に浮遊させて除去し、望ましい白色顔料が濃縮された懸濁液を残すことを目的とする。逆浮選の間に不純物を疎水性にする捕収剤も使用される。

捕収剤を逆フロス浮選で使用する対応方法はすでに知られており、捕収剤の一つのクラスはエステルクワット(esterquat)である。

US3,990,966号は、カルサイト鉱石を粉砕し、カルサイト鉱石のスラリーを形成し、浮選剤の存在下で該スラリーから不純物を浮選させることによってカルサイトスラリーから不純物を分離し、得られたカルサイトスラリーを分級し、分級されたカルサイトを増粘剤に沈殿させ、生成物を乾燥させることによってカルサイト鉱石を精製するための湿式方法について言及する。浮選剤として、(a)1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデセニルグリオキサリジン、(b)1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン及び(c)前記イミダゾリンの塩誘導体からなる群から選択される、カチオン性界面活性剤であって、前記イミダゾリンのアルキル部分が、前記界面活性剤が使用されるように液体であるような長さの脂肪酸のアルキル部分である、カチオン性界面活性剤がある。

CA1187212号は、ケイ酸塩を含有する炭酸塩鉱石を浮選により精製する方法であって、鉱石を、不純物を放出するのに十分な微粉砕に供する方法に関する。補収剤は、次の第四級アミン、すなわち、a)アルキル基中に8〜16個の炭素原子を有するジメチルジアルキルであって、前記アルキル基は飽和又は不飽和脂肪族であり、直鎖である又は分枝している、b)直鎖の脂肪族であるアルキル基中に10〜22個の炭素原子を有するジメチルアルキルベンジル、c)通常飽和又は不飽和脂肪族であるアルキル基中に12〜18個の炭素原子を含むビス−イミダゾリン、d)第四級アミンa)、b)及びc)に由来する塩からなる群から選択されるカチオン反応剤である。

WO2008/084391A1号は、少なくとも1つの浮選ステップを含む、炭酸カルシウム含有鉱物の精製方法であって、このステップは、捕収剤として少なくとも1種の第四級イミダゾリンメトサルフェート化合物を採用することを特徴とする方法について言及する。

WO2008/089906A1号は、破砕された粗製鉱物又は鉱石を水及び補収剤と混合して懸濁液を形成する、非硫化物鉱物又は鉱石の浮選法に関するものである。空気を、試薬系及び該脈石を含む浮選残留物と共にその中に形成された非硫化物鉱物又は鉱石を含む浮選泡の存在下で懸濁液中に導入し、ここで、改良は、補収剤として、アルカノールアミンとモノカルボン酸及びジカルボン酸の混合物とを反応させ、得られたエステルを既知の方法で、任意選択的にアルコキシル化後に四級化することによって得られるポリマーエステルクワットを使用することを含む。

WO2011/147855A2号は、フロス浮選法における補収剤としてのポリマー第四級エステル生成物の使用、ポリマー第四級エステルを利用したフロス浮選法、ポリマー第四級エステルそれ自体、及びポリマー第四級エステルの製造法について言及する。

WO2010/051895A1号は、A)少なくとも1つの有機基がアンモニア窒素原子に結合し、かつ任意選択的にヘテロ原子を含み、1〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の第四級アンモニア化合物、及び、B)式(1)の少なくとも1種のアミンアルコキシラートエステル又はその塩の組成物の使用に関し、ここで、A及びBは互いに独立して、C2〜C5アルキレン基R1、C8〜C24アルキル基又は互いに独立したアルケニル基R2、R3、R4、H又はC8〜C24アシル基であり、基R2、R3又はR4の少なくとも1つはC8〜C24アシル基を表し、x、y、zは互いに独立して0〜50までの全数を示すという規定を有し、x+y+zは1〜100の全数であるという規定を有し、該使用はケイ酸塩浮選における補収剤としての鉱石1トン当たり10〜5000gの量で行われる。

EP2659028A1号は、式R1COOH(I)を有する脂肪酸又は酸の混合物、及び式(IIa)又は式(IIb)を有するジカルボン酸又はその誘導体と、式(III)を有するアルコキシル化脂肪族アミン又はその部分的又は完全に四級化した誘導体との反応により得られる生成物の使用に関するものであり、任意選択的には、脂肪酸、ジカルボン酸及びアルコキシル化脂肪族アミンとの間の反応にさらなる反応ステップが続き、ここで窒素原子の一部又は全部がアルキル化剤R5Xとの反応により四級化される。

US5,720,873号は、ケイ酸塩不純物を含む炭酸カルシウム鉱石を洗浄する方法について言及し、この方法では、特定のカチオン性補収剤の存在下でフロス浮選法が実施される。

AU2167883A号は、燃料油補収剤、及び1モルのアルカノールアミン(I)を0.8モル以上の脂肪酸若しくは脂肪酸エステルと縮合させて形成される生成物又はそのような生成物の酸誘導体を含む調整剤を含む水性媒体中で行われる粉炭のフロス浮選に関する。

WO00/62937A1号は、特定の第四級アンモニウム化合物を含む補収剤の存在下で、鉄鉱石からケイ酸塩を分離するフロス浮選法について言及する。この補収剤はフロス生成物中のケイ酸塩を濃縮する高い選択性を有し、一方、高収率の鉄鉱物は底部にある1種または複数種の濃縮物中に維持される。

WO97/26995A1号は、非硫化物鉱物の浮選の助剤としての、いわゆる第四級エステルの使用に関する。

US4,995,965号は、逆浮選により鉱石からケイ酸塩不純物を除去することにより炭酸カルシウム鉱石を精製する方法について言及する。この方法は、特定の補収剤を用いることにより、炭酸カルシウム生成物の高収率及び酸不溶性物の低含量を達成する。

CN101337204A号は、ケイ酸塩鉱物浮選中の二−第四級アンモニウム化合物、及びボーキサイト又は鉄鉱石逆浮選脱珪において特定の二−第四級アンモニウム化合物を適用する特定の補収剤に関する。

CN101816981A号は、特定の環境に優しいアミンカチオン性補収剤及びその使用方法について言及する。

EP1584674A1号は、a)エステルクワット化合物、b)有機溶媒、c)水、d)pH調整剤を含む、より低温での布柔軟剤の製造に適したエステルクワット濃縮物に関する。

EP1806392A1号は、特定のエステルクワット又は特定のエステルクワットの混合物を含む、水性組成物について言及する。

EP1876224A1号は、特定のエステルクワット化合物を50重量%未満含有する、安定で均質で粘性のある柔軟剤配合物に関する。

US2005/0189113A1号は、酸性流体及びエステル含有第四級アンモニウム化合物(「エステルクワット」)を含む酸性処理液及びその使用方法について言及する。

EP2700680A1号は、白色顔料含有製品の製造方法に関する。白色顔料含有製品は、特定の捕収剤を用いたフロス浮選により少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料から得られる。

US4,606,916号は、ジカルボン酸との重縮合及びそれに続くアルキレンオキシド及びカルボン酸又は鉱酸との反応、又は塩化メチルのような四級化剤との反応によって、オキシアルキル化(oxalkylated)脂肪族アミンから調製された特定の第四級オキシアルキル化ポリエステルについて言及する。これらの化合物は化粧品活性化合物としての使用、特に毛髪の美容ケアに適している。

EP0035263A2号は、低級カルボン酸、例えば酢酸又はグリコール酸、及び鉱酸と共に第三級アミノ基又はその塩を含むポリエステルである特定の織物柔軟剤に関する。

また、知られているのは、白色顔料含有製品を製造する方法についても言及する未公開特許出願EP16156003.2号及びEP16155963.8号である。

しかし、逆フロス浮選による製品の製造のための先行技術方法には、多数の欠点がある。このような捕収剤の使用は非常に費用がかかる。さらに、既知の捕収剤の多くは、逆フロス浮選法において制御できない泡立ちを引き起こす。さらに、逆フロス浮選法の多くは、それらが選択的である、すなわち、所望の生成物のかなりの部分が不純物と一緒に浮遊するという点で制限される。また、これまでに使用された多くの捕収剤は水性であり、環境毒性があると考えられている。既知の捕収剤のさらなる欠点は、浮選条件下で分解し、効率を弱めることである。

したがって、既知の方法に関連して上記の問題を回避又は軽減する、浮選による白色顔料の製造のための改善された方法が必要とされている。白色顔料及び不純物含有材料から白色顔料を製造するこのような改良された方法は、特に扱いやすく生態学的な方法であるべきである。また、その有効性は満足できるものでなければならない。

米国特許第3,990,966号明細書

カナダ特許出願公開第1187212号明細書

国際公開第2008/084391号

国際公開第2008/089906号

国際公開第2011/147855号

国際公開第2010/051895号

欧州特許出願公開第2659028号明細書

米国特許第5,720,873号明細書

オーストラリア特許出願公開第2167883号明細書

国際公開第00/62937号

国際公開第97/26995号

米国特許第4,995,965号明細書

中国特許出願公開第101337204号明細書

中国特許出願公開第101816981号明細書

欧州特許出願公開第1584674号明細書

欧州特許出願公開第1806392号明細書

欧州特許出願公開第1876224号明細書

米国特許出願公開第2005/0189113号明細書

欧州特許出願公開第2700680号明細書

米国特許第4,606,916号明細書

欧州特許出願公開第0035263号明細書

欧州特許出願第16156003.2号明細書

欧州特許出願第16155963.8号明細書

前記目的の少なくとも一部は本発明によって解決された。

本発明の一態様によれば、白色顔料含有製品を製造するための方法が提供され、前記方法は以下のステップを含むことを特徴とする。 a)少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料を提供するステップ、 b)式(1)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の捕収剤を提供するステップ、

式中、R2は以下からなる群から選択され、 i)直接結合、 ii)1つ以上の−OH基により置換されていてもよいC1〜C20の直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和炭化水素鎖、アルキレン基が1つ又は2つの−OH基により置換された置換アルキレン基、1〜20個の炭素原子を有するアルケニレン基、及びアルケニレン基が1つ又は2つのメチル及び/又はメチレン基により置換された置換アルケニレン基、 iii)シクロアルキレン、 iv)シクロアルケニレン、及び v)アリーレン基 R5はC1〜C6ヒドロカルビル基であり、 Xは脱離基であり、 tは0又は1であり、 pは1〜15の範囲の整数であり、 QOは2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、 q1、q2、q3、q4は互いに独立して1〜20の範囲の整数であり、 R10は互いに独立してR7及びR11からなる群から選択され、ただしR10基の少なくとも1つはR7であり、R10基の少なくとも他の1つはR11であり、 R7は、1〜7個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アリール又はアリールアルキル基、式H−(OA")v−の基(式中vは、1〜20の間の整数を表し、A”Oは、2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基を表す。)、HO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から選択されるか、又はR8及びR9は、それらが連結される窒素原子と共に、酸素、窒素又は硫黄の中から選択される1個以上のヘテロ原子を有していてもよい5、6又は7原子環を形成し、qは1〜10の範囲の整数であり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及び式R4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、R4は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、yは0〜5の整数であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 BはC1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、 sは1、2又は3であり、及び R5、X及びtは上で定義された通りであり、 及び基(CH2)sはそれが連結される2つの窒素原子間のスペーサーであり、 c)ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料をステップb)の前記捕収剤と水性環境中で混合して、水性懸濁液を形成するステップ、 d)ステップc)で形成された懸濁液に気体を通すステップ、 e)ステップd)後に得られた水性懸濁液から白色顔料担持相を除去することにより、白色顔料含有製品を回収するステップ

発明者らは驚くべきことに、少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料、及び式(1)による少なくとも1種の捕収剤から白色顔料含有製品を製造する方法が有利であることを見出した。何故ならば、前述の捕収剤は、白色顔料の表面に対してよりもはるかに効果的に不純物の表面に結合するからである。

したがって、本発明の浮選法は、知られた先行技術の方法と比較して非常に有効である。本発明の方法から得られた白色顔料含有製品は、良好な輝度を示し、低い黄色度指数を有する。

本発明の第二の態様は、紙、プラスチック、塗料、コーティング、コンクリート、セメント、化粧品、水処理、食品、製薬、インク及び/又は農業用途における、本発明の方法によって得られる白色顔料担持相の使用に関するものであり、ここで好ましくは、白色顔料含有製品は、抄紙機のウェットエンドプロセス、たばこ紙、板、及び/又はコーティング用途において、又は輪転グラビア印刷及び/又はオフセット印刷及び/又はインクジェット印刷及び/又は連続インクジェット印刷及び/又はフレキソ印刷及び/又は電子写真及び/又は修飾表面の支持体として使用される。

本発明の有利な実施形態は、対応する従属請求項に定義される。

一実施形態によれば、この方法は、不純物を含むフロス及び白色顔料含有製品を含む白色顔料担持相の形成に至る間接浮選ステップを含む。

別の実施形態によれば、白色顔料は白色鉱物顔料であり、好ましくは天然炭酸カルシウム又は重質炭酸カルシウム、炭酸カルシウム含有鉱物材料、ドロマイト、重晶石、及び前述の混合物からなる群から選択される。

別の実施形態によれば、白色鉱物顔料はアルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは炭酸カルシウム、最も好ましくは重質炭酸カルシウムである。

別の実施形態によると、白色顔料含有材料は、卑金属硫化物、酸化鉄、黒鉛、ケイ酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含む。

別の実施形態によると、ケイ酸塩は、石英、雲母、閃石、長石、粘土鉱物及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは石英である。

別の実施形態によれば、ケイ酸塩は、珪灰石、カオリン、カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土、セピオライト及びそれらの混合物からなる群から選択される白色ケイ酸塩である。

別の実施形態によれば、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料の量は、乾燥重量に基づいて、0.1〜99.9重量%、乾燥重量に基づいて好ましくは30〜99.7重量%.より好ましくは60〜99.3重量%、最も好ましくは80〜99重量%である。

別の実施形態によれば、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料と不純物の比は、乾燥重量に基づいて、0.1:99.9〜99.9:0.1好ましくは30:70〜99.7:0.3、より好ましくは60:40〜99.3:0.7、最も好ましくは、乾燥重量に基づいて80:20〜99:1である。

別の実施形態によれば、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料は、1〜5000μm、より好ましくは3〜700μm、より好ましくは5〜500μm、最も好ましくは10〜80μm又は100〜500μmの範囲の重量中央粒径を有する。

別の実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、式−(CH2)z−のアルキレン基(zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)及び1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基からなる群から選択され、及び/又は R5は、C1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキルからなる群から選択され、好ましくはベンジルであり、及び/又は Xは、ハロゲン、硫酸塩及び炭酸塩からなる群から選択され、及び/又は pは、1〜10、好ましくは1〜5の範囲の整数であり、及び/又は QOは、2又は3個の炭素原子を含有する、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレンオキシ基であり、及び/又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、最も好ましくは1〜4の間の整数であり、及び/又は R7は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、フェニル又はナフチル基、式H−(OA”)v−の基(式中vは、1〜10、好ましくは1〜6の間、及び最も好ましくは1〜4の間の範囲の整数であり、A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基である。)、及びHO(CH2)q及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基の中から選択され、qは1〜6の整数であり、好ましくはqは2又は3であり、及び/又は R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、式中、R4は12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくはyは0又は1であり、最も好ましくは、yは0であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 Bは、C1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、好ましくはフェニル又はフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルであり、 sは、1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 及びtは、第1の実施形態で定義された通りである。

別の実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、1〜10個、好ましくは2〜6個、最も好ましくは4個の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基からなる群から選択され、 R7は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、最も好ましくは、R7はメチルであり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、y=0であり、 QOはエトキシ基であり、及び p、q1、q2、q3、q4、t、R5及びXは、第1の実施形態で定義された通りであり、好ましくは上記の実施形態で定義された通りである。

別の実施形態によれば、上記実施形態の式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 pは1〜10の範囲内の数であり、及び/又は tは1であり、及び/又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜6の範囲の整数であり、及び/又は R5は、メチル及びエチルからなる群から選択され、及び/又は Xは、ハロゲン及び硫酸塩からなる群から選択される。

別の実施形態によると、式(1)の化合物は、以下の特徴の少なくとも1つを有する。 R1は、2−エチルヘキシルアミン、2−プロピルヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミン、N−(n−デシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(n−ドデシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(ココアルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(菜種アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(大豆アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(水素化獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−エルシル−N−メチル−トリメチレンジアミン、イソトリデシルオキシプロピルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アミンに由来し、 R2は、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸のジエステル、ジカルボン酸の無水物、ジカルボン酸の環状無水物に由来し、好ましくはR2は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン(glutinic)酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン(thapsic)酸、その対応する酸塩化物、これらの化合物のメチルエステル若しくはエチルエステル若しくは無水物若しくは環状無水物、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物に由来し、 R7は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される(アルキル)アルカノールアミンに由来する。

別の実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、式(1)の1種以上の化合物からなる。

別の実施形態によれば、ステップc)で得られる水性懸濁液は、7〜10、好ましくは7.2〜9.5、より好ましくは7.5〜9.0のpHを有する。

別の実施形態によれば、補収剤は、ステップc)において、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて1〜5000ppmの量で、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは20〜2000ppmの量で、より好ましくは30〜1000ppmの量で、最も好ましくは50〜800ppmの量で添加される。

別の実施形態によれば、ステップc)で得られる水性懸濁液は、懸濁液中の固形物の総重量に基づいて5〜80重量%の間、懸濁液中の固形物の総重量に基づいて好ましくは10〜70重量%の間、より好ましくは20〜60重量%の間、最も好ましくは25〜55重量%の間の固形分を有する。

別の実施形態によれば、1種以上の添加剤が、ステップc)の前、間又は後に水性懸濁液に添加され、ここで、添加剤は、pH調整剤、溶媒、抑制剤、活性化剤、高分子電解質、発泡剤及び式(1)に従う捕収剤以外の捕収剤を含む群から選択される。

別の実施形態によれば、ステップc)で得られる水性懸濁液は、ステップc)の間及び/又は後に粉砕される。

別の実施形態によれば、ステップd)における気体は空気である。

別の実施形態によれば、ステップd)における懸濁液は、5〜50℃の間、好ましくは10〜40℃の間、より好ましくは10〜35℃の間、最も好ましくは15〜30℃の間の温度を有する。

別の実施形態によれば、ステップe)から得られた白色顔料担持相は、ステップe)の前及び/又は後に分散及び/又は粉砕され、好ましくは、少なくとも1種の分散剤及び/又は少なくとも1種の粉砕助剤の存在下に分散及び/又は粉砕される。

本発明の意味における「顔料」は、既定の化学組成及び特徴的な結晶構造を有する固体着色材料である。顔料は無機顔料であり得る。顔料は合成顔料又は天然顔料であり得る。さらに、顔料は水に不溶であるため、水と接触すると懸濁液となる。

本発明の意味における「白色顔料」は、日光によって照らされると白色の外観を有する顔料である。

本発明の意味における「白色鉱物顔料」は、自然に得ることができる無機白色顔料であり、具体的には、天然炭酸カルシウム又は重質炭酸カルシウム(特に、石灰石、白亜、大理石、カルサイト)、炭酸カルシウム含有鉱物材料(鉱物の重量に基づき、CaCO3の最小含有量が70重量%であり得る)、ドロマイト、重晶石、酸化アルミニウム、二酸化チタン及び前述の混合物を含む。

本発明の意味における「アルカリ土類金属炭酸塩」は、少なくとも1種のアルカリ土類金属カチオンを含む炭酸塩である。本発明によるアルカリ土類金属は、ベリリウムBe2+、マグネシウムMg2+、カルシウムCa2+、ストロンチウムSr2+、バリウムBa2+及びラジウムRa2+である。

本発明の意味における「炭酸カルシウム」は、天然炭酸カルシウムを含み、重質炭酸カルシウム(GCC)であり得る。

本発明の意味における「天然炭酸カルシウム」は、大理石、石灰石、又は白亜等の天然源から得られる炭酸カルシウム(カルサイト)である。

本発明の意味における「重質炭酸カルシウム」(GCC)は、例えばサイクロン又は分級機による粉砕、スクリーニング及び/又は分級等の湿式及び/又は乾式処理を通して加工される天然炭酸カルシウムである。

本発明の意味における「不純物」は、所望の白色顔料の化学組成と異なる物質である。

本発明の意味における「捕収剤」は、化学吸着又は物理吸着のいずれかによって想定される粒子によって吸着される化合物である。捕収剤は不純物の表面をより疎水性にする。

本発明の意味における「気体」は、それが保持されている容器の形状に適合し、容器内に均一な密度をもたらす物質の試料である。容器に閉じ込められていなければ、蒸気としても知られる気体状物質は空間に分散するものである。気体という用語は、この特性を有する物質の状態又は条件にも使用される。気体は一定のランダムな動きをする分子から構成される。本発明によれば、この化合物は、室温(20±2℃)及び標準大気圧(101,325Pa又は1.01325bar)において気体状でなければならない。

本発明の意味における「懸濁液」又は「スラリー」は、水性媒体中の溶解しない固体、及び任意選択的にさらなる添加剤を含み、通常は大量の固体を含み、したがって、懸濁液を支持する水性媒体よりも粘性であり、より高い密度であり得る。

本明細書中の微細な(すなわち、d50<5μmの)白色顔料及び不純物含有材料の「粒子径」は、粒径dxの分布によって記述される。ここで、値dxは、粒子のx重量%がdxより小さい直径を有する直径を表す。これは、例えば、d20値は、全粒子の20重量%がその粒径より小さい粒径であることを意味する。したがって、d50値は、重量中央粒子直径としても知られる重量中央粒径であり、すなわち、全粒子の50重量%はこの粒径よりもより大きく、残りの50重量%はこの粒径よりも小さい。本発明の目的のために、特に明記しない限り、微細な(すなわち、d50<5μmの)白色顔料及び不純物含有材料の粒径は、重量中央粒径d50として特定される。d98値は、全粒子の98重量%がその粒径より小さい粒径である。微細な粒径(すなわち、d50<5μm)は、Micromeritics Instrument CorporationのSedigraphTM 5100又は5120機器を用いて決定した。この方法及び機器は当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径を決定するために一般に使用される。測定は0.1重量%のNa4P2O7の水溶液中で行った。試料は高速撹拌機を用いて分散させ、超音波処理した。

本明細書中の粗大な(すなわち、5μmを超えるd50)白色顔料及び不純物含有材料の「粒径」は、粒径dxの分布によって記述される。ここで、値dxは、粒子のx重量%がdxより小さい直径を有する直径を表す。これは、例えば、d20値は、全粒子の20重量%がその粒径より小さい粒径であることを意味する。したがって、d50値は、重量中央粒子直径としても知られる重量中央粒径であり、すなわち、全粒子の50重量%はこの粒径よりもより大きく、残りの50重量%はこの粒径よりも小さい。本発明の目的のために、特に明記しない限り、粗大な(すなわち、d50>5μm)白色顔料及び不純物含有材料の粒径は、重量中央粒径d50として特定される。d98値は、全粒子の98重量%がその粒径より小さい粒径である。粗大な粒径(すなわち、d50>5μm)は英国Malvern社のMalvern Mastersizer 2000 Laser Diffraction Systemを用いて決定した。測定によって得られた生データをMie理論、1.57の規定されたRI(粒子屈折率)、0.005のiRI(吸収指数)、Malvernアプリケーションソフトウエア5.60を用いて分析した。測定は水性分散液を用いて行った。この目的のために、試料を、高速撹拌機を用いて分散させた。重量決定粒径分布は、全ての粒子の密度が等しい場合には、体積決定粒径に相当することができる。

本発明の意味における炭酸カルシウム生成物の「比表面積(SSA)」は、バルク試料の質量で割った、存在する粒子の全分布を代表する、バルク乾燥試料の固体表面積と定義される。本明細書中で使用されるように、比表面積は、BET等温線(ISO 9277:2010)を用いた吸着によって測定され、m2/gで特定される。

本発明の意味における「従来の浮選法」又は「直接浮選法」は、所望の白色顔料を直接浮遊させ、生成したフロスから回収し、不純物を含む懸濁液を残す浮選法である。

本発明の意味における「逆浮選法」又は「間接浮選法」は、不純物を直接浮遊させ、生成したフロスから回収し、所望の白色顔料を含む懸濁液を残す浮選法である。

本明細書及び請求項において「含む(comprising)」という用語を使用する場合、他の要素を除外しない。本発明の目的のために、「からなる(consisting of)」という用語は、「含む」という用語の好ましい実施形態であると考えられる。以後において、ある群が少なくとも一定数の実施形態を含むように定義される場合、これは、これらの実施形態のみからなることが好ましい群を開示することも理解されるべきである。

単数形を参照する際に不定冠詞又は定冠詞、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」又は「その(the)」が使用される場合、これは、他の何かが特に述べられていない限り、その名詞の複数形を含む。

「入手可能」又は「定義可能」及び「得られた」又は「定義された」のような用語は、互換的に使用される。これは、例えば、文脈において他に明確に述べられていない限り、以下を意味する。例えばある実施形態が、例えば「得られた」という用語に続く一連のステップによって得られなければならないことを意味するものではないが、このような限定された理解は、常に好ましい実施形態として「得られた」又は「定義された」という用語によって含まれる。

白色顔料含有製品を製造するための発明の方法は、少なくとも1種の「白色顔料及び不純物含有材料」及び少なくとも1種の本発明の捕収剤を提供することを含む。前記白色顔料及び不純物含有材料及び前記捕収剤を水性環境中で混合し、水性懸濁液を形成する。その後、又は混合中に、得られた水性懸濁液に気体を通し、気体が懸濁液を通った後に得られた水性懸濁液から白色顔料担持相を除去することにより、白色顔料含有製品を回収する。

以下では、白色顔料含有製品を製造するための方法の詳細及び好ましい実施形態を、より詳細に記載する。これらの実施形態又は詳細は、本発明の方法によっても得られる白色顔料担持相の本発明の使用にも適用されることは理解されるべきである。

<白色顔料及び不純物含有材料> 本発明の方法のステップa)は、少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有鉱物を提供することを指す。

本発明の意味における白色顔料は、日光の下で見ると白色の外観を有する顔料である。白色顔料の白色性は、顔料−空気界面での可視光の非選択的光散乱と組み合わせた比較的低い光吸収に主に基づいている。本発明による白色顔料は、天然及び合成的に得られる無機白色顔料であり、具体的には、天然炭酸カルシウム又は重質炭酸カルシウム(特に、石灰石、白亜、大理石、カルサイト)、炭酸カルシウム含有鉱物材料(鉱物の重量に基づき、CaCO3の最小含有量を50重量%とすることができる)、ドロマイト、重晶石、及び前述の混合物を含む。

好ましくは、白色鉱物顔料は、アルカリ土類金属炭酸塩である。

本発明の意味におけるアルカリ土類金属炭酸塩は、少なくとも1種のアルカリ土類金属カチオンを含む炭酸塩である。本発明によるアルカリ土類金属は、ベリリウムBe2+、マグネシウムMg2+、カルシウムCa2+、ストロンチウムSr2+、バリウムBa2+及びラジウムRa2+であり、好ましくはマグネシウム及びカルシウムである。本発明の意味におけるアルカリ土類金属炭酸塩は、例えば、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム又は炭酸ラジウムである。

本発明の一実施形態によれば、アルカリ土類金属炭酸塩は、1種のアルカリ土類金属、例えばカルシウムのみからなる。あるいは、アルカリ土類金属炭酸塩は、例えばカルシウム及びマグネシウムのような2種のアルカリ土類金属の混合物からなっていてもよく、したがってアルカリ土類金属炭酸塩は、例えばドロマイトのような炭酸カルシウムマグネシウムであり得る。アルカリ土類金属炭酸塩は、2種以上のアルカリ土類金属の混合物を含み得る。さらに、アルカリ土類金属炭酸塩は、例えばゲイリュサック石(炭酸ナトリウムカルシウム)中のナトリウムのようなさらなるカチオンを含み得る。

白色顔料は、複数のアルカリ土類金属炭酸塩を含んでいてもよい。例えば、白色顔料は、1種の炭酸マグネシウム及び1種の炭酸カルシウムを含んでいてもよい。あるいは、白色顔料は、1種のアルカリ土類金属炭酸塩のみからなっていてもよい。

好ましくは、アルカリ土類金属炭酸塩は炭酸カルシウムであってよい。

炭酸カルシウム又は天然炭酸カルシウムは、石灰石又は白亜のような堆積岩又は変成大理石岩からから採掘された、天然の炭酸カルシウムの形態であると理解される。炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトの3種類の結晶多形として存在することが知られている。最も一般的な結晶多形であるカルサイトは、炭酸カルシウムの最も安定な結晶形態であると考えられている。カルサイトほど一般的ではないが、アラゴナイトは、離散的又は集積した針状の斜方晶構造を持つ。バテライトは最も稀な炭酸カルシウム多形であり、一般に不安定である。炭酸カルシウムは、ほぼ例外なくカルサイト多形であり、これは三角−菱面体といわれ、炭酸カルシウム多形の中で最も安定なものを表す。本願の意味における炭酸カルシウムの「供給源」という用語は、それから炭酸カルシウムが得られる天然の鉱物材料を指す。炭酸カルシウムの供給源は、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等の天然成分をさらに含んでいてもよい。

炭酸カルシウムの供給源は、大理石、白亜、カルサイト、ドロマイト、石灰石、又はそれらの混合物から選択することができる。好ましくは、炭酸カルシウムの供給源は大理石から選択することができる。

好ましくは、アルカリ土類金属炭酸塩は、重質炭酸カルシウム(GCC)であってよい。重質炭酸カルシウム(GCC)は、炭酸カルシウムを乾式またあるいは湿式のいずれかで粉砕することによって得られると理解される。

一般に、粉砕ステップは、例えば、改良が二次体との衝撃に主として起因するような条件下で、任意の従来の粉砕装置で、すなわち、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロール破砕機、遠心インパクトミル、縦型ビーズミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル、又は当業者に知られている他のそのような装置のうちの1つ以上で実施することができる。炭酸カルシウム含有鉱物粉末が湿潤粉砕炭酸カルシウム含有鉱物材料を含む場合、自生粉砕が行われるような条件下及び/又は水平ボール粉砕、及び/又は当業者に知られている他のそのような方法によって粉砕ステップを行うことができる。

好ましくは、白色顔料は、1種の重質炭酸カルシウムのみからなってよい。あるいは、白色顔料は、異なる供給源の重質炭酸カルシウムから選択される2種の重質炭酸カルシウムの混合物からなってよい。白色顔料はまた、異なる供給源の重質炭酸カルシウムから選択される、2種以上の重質炭酸カルシウムの混合物を含み得る。例えば白色顔料は、ドロマイトから選択された1種のGCC及びカルサイト大理石から選択された1種のGCCを含むことができる。さらに、GCCに対して、白色顔料は、さらなる白色鉱物顔料を含むことができる。

白色顔料及び不純物含有材料は、上記に規定した白色顔料及び不純物を含有するものである。本発明の意味における不純物は、白色顔料の化学組成と異なる物質であり、したがって白色顔料ではない。

本発明による方法によって除去又は低減されるべき不純物は、例えば、灰色、黒色、褐色、赤色若しくは黄色、又は白色顔料材料の白色外観に影響を及ぼす他の任意の色を有する化合物である。あるいは、除去又は低減されるべき不純物は白色を有するが、白色顔料とは異なる物理的特性を有し、したがって白色顔料に悪影響を及ぼす。

本発明の一実施形態によると、白色顔料含有材料は、卑金属硫化物、酸化鉄、黒鉛、ケイ酸塩及びそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含む。

好ましい実施形態によれば、出発物質、例えば、白色顔料及び不純物含有材料は、硫化鉄等の卑金属硫化物から選択される不純物を含んでいてもよい。

本発明の意味における卑金属硫化物は、広範囲の化学量論的(stochiometric)式及び異なる結晶構造を含む卑金属及び硫黄の化合物であると理解される。本発明による卑金属は、空気又は湿気に暴露されると比較的容易に酸化、変色又は腐食する金属である。既知の卑金属は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、亜鉛又は鉄である。本発明の一実施形態によると、卑金属硫化物は、硫化銅、硫化ニッケル、硫化スズ、硫化亜鉛、硫化鉄及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される。好ましい実施形態によれば、卑金属硫化物は硫化鉄である。

本発明の意味における硫化鉄又は硫酸鉄は、広範囲の化学量論的式及び異なる結晶構造を含む鉄及び硫黄の化合物であると理解される。例えば、硫化鉄は、硫化鉄(II)FeS(マグネトピライト)又はピロタイトFe1−xSであり得、ここでxは0〜0.2である。硫化鉄はまた、二硫化鉄(II)FeS2(黄鉄鉱又はマルカサイト)であり得る。硫化鉄は、鉄及び硫黄以外の他の元素、例えばニッケルもマッキノー鉱(Fe、Ni)1+xS(ここでxは0〜0.1である)の形で含み得る。

白色顔料及び不純物含有材料中の不純物は酸化鉄でもあり得る。

本発明の意味における酸化鉄は、鉄及び酸化物から構成される化合物であると理解される。酸化鉄は、例えば、ウイスタイトとしても知られる酸化鉄(II)FeO、マグネタイトとしても知られる酸化鉄(I,III)Fe3O4及び酸化鉄(III)Fe2O3を含む。酸化鉄には、鉄及び酸素元素の下に追加の元素である水素を含む水酸化鉄及びオキシ水酸化鉄も含まれる。水酸化鉄は、例えば、水酸化鉄(II)Fe(OH)2及び水酸化鉄(III)Fe(OH)3(ベルナライトとしても知られる)を含む。オキシ水酸化鉄は、例えば、柱状の針状結晶を形成するゴエタイトとしても知られるα−FeOOH、斜方晶構造を形成するレピドクロライトとしても知られるγ−FeOOH、六方晶系において結晶化するフェロキシハイトとして知られるδ−FeOOH及びフェリハイドライトFeOOH・0.4H2Oを含む。酸化鉄は、例えば、シュベルトマンナイトとしても知られるFe8O8(OH)6(SO4)・nH2O中の硫黄又はアカガナイトとしても知られるFeO(OH,Cl)中の塩素のような追加の元素を含むこともできる。

白色顔料及び不純物含有材料は、黒鉛から選択される不純物を含んでいてもよい。本発明の意味における黒鉛は、炭素の同素体であると理解される。天然黒鉛には結晶性フレーク黒鉛、非晶質黒鉛、塊状黒鉛の3種類がある。

あるいは、白色顔料及び不純物含有材料中の不純物はケイ酸塩であり得る。ケイ酸塩は着色剤又は研磨剤であることもある。本発明の意味におけるケイ酸塩又はケイ酸塩鉱物は、ケイ素及び酸素を含む化合物であると理解される。さらに、ケイ酸塩は、例えばアルミニウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン又はカルシウムイオン等のさらなるイオンを含むことができる。ケイ酸塩及びケイ酸塩鉱物は、ネオケイ酸塩、ソロケイ酸塩、サイクロケイ酸塩、イノケイ酸塩、フィロケイ酸塩、及びテクトケイ酸塩及び非晶質ケイ酸塩から選択することができる。

ケイ酸塩は、石英、雲母、角閃石、長石、粘土鉱物及びそれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくは石英であり得る。

本発明の方法は、特に、石英及び/又はさらなるケイ酸塩からなる不純物から白色顔料を分離することを意図している。

好ましくは、白色顔料及び不純物含有材料中の不純物は石英のみからなる。

あるいは、白色顔料及び不純物含有材料中の不純物は、白色を有するケイ酸塩を含んでいてもよい。例えば不純物は、ウォラストナイト、カオリン、カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土又はセピオライト等のケイ酸塩を含み得る。本発明の好ましい実施形態では、不純物は白色を有するケイ酸塩からなり、より好ましくは、不純物は白色のケイ酸塩1種のみからなる。例えば不純物は、ウォラストナイト、カオリン、カオリナイト粘土、か焼カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土又はセピオライトのみからなることができる。本発明の浮選法に従って得られ、分離されたこれらの不純物はさらに処理され、適切な用途で使用され得る。本発明の方法で得られた白色のケイ酸塩のみを含み、好ましくは白色のケイ酸塩を1種だけ含む不純物は、白色顔料含有製品と同じ方法で使用することができる。

好ましい実施形態において、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料の量は、乾燥重量に基づいて0.1〜99.9重量%、乾燥重量に基づいて好ましくは30〜99.7重量%、より好ましくは60〜99.3重量%、最も好ましくは80〜99重量%であることができる。

別の好ましい実施形態では、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料対不純物の重量比は、乾燥重量に基づいて0.1:99.9〜99.9:0.1、乾燥重量に基づいて好ましくは30:70〜99.7:0.3、より好ましくは60:40〜99.3:0.7、最も好ましくは80:20〜99:1であることができる。

ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料及び不純物の総量は、白色顔料及び不純物含有材料の総重量に対して少なくとも90重量%、白色顔料及び不純物含有材料の総重量に対して好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%に相当することができる。

前述したように、好ましい実施形態では、白色顔料及び不純物含有材料中の不純物はケイ酸塩からなってよい。この場合、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料中の白色顔料及びケイ酸塩の総量は、白色顔料及び不純物含有材料の総重量に対して少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%に相当する。

あるいは、白色顔料及び不純物含有材料は、白色顔料及びケイ酸塩からなり得る。好ましくは、白色顔料及び不純物含有材料は、白色顔料及び石英からなり得る。あるいは、白色顔料及び不純物含有材料は、白色顔料と、ウォラストナイト、カオリン、カオリナイト粘土、か焼カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土又はセピオライトからなる群から選択される白色ケイ酸塩とからなってもよい。

ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料は、1〜5000μm、好ましくは3〜700μm、より好ましくは5〜500μm、最も好ましくは10〜80μm又は100〜500μmの範囲の重量中央粒径を有し得る。

別の好ましい実施形態において、その後の浮選方法が標準浮選方法である場合には、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料は、1〜5000μm、好ましくは3〜500μm、より好ましくは5〜100μm、最も好ましくは10〜80μmの範囲の重量中央粒径を有することができる。本発明の意味における標準浮選方法は、白色顔料及び不純物含有材料の粉砕及び/又は分級後に実施される浮選方法である。

別の好ましい実施形態において、その後の浮選方法が粗大な浮選方法である場合には、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料は、1〜5000μm、好ましくは10〜700μm、より好ましくは50〜500μm、最も好ましくは100〜500μmの範囲の重量中央粒径を有することができる。本発明の意味における粗大な浮選方法は、白色顔料及び不純物含有材料の第1の粉砕ループ内で実施される浮選方法である。

<捕収剤> 本発明の方法のステップb)は、少なくとも1種の捕収剤を提供することを指す。

本発明の意味における捕収剤は、化学吸着又は物理吸着のいずれかによって想定される粒子によって吸着される化合物である。本発明による捕収剤は、以下の一般式(1)を有する。

式中、R2は以下からなる群から選択され、 i)直接結合、 ii)1つ以上の−OH基により置換されていてもよいC1〜C20の直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和炭化水素鎖、アルキレン基が1つ又は2つの−OH基により置換された置換アルキレン基、1〜20個の炭素原子を有するアルケニレン基、及びアルケニレン基が1つ又は2つのメチル及び/又はメチレン基により置換された置換アルケニレン基、 iii)シクロアルキレン、 iv)シクロアルケニレン、及び v)アリーレン基 R5はC1〜C6ヒドロカルビル基であり、 Xは脱離基であり、 tは0又は1であり、 pは1〜15の範囲の整数であり、 QOは2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、 q1、q2、q3、q4は互いに独立して1〜20の範囲の整数であり、 R10は互いに独立してR7及びR11からなる群から選択され、ただしR10基の少なくとも1つはR7であり、R10基の少なくとも他の1つはR11であり、 R7は、1〜7個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アリール又はアリールアルキル基、式H−(OA”)v−の基(式中vは、1〜20の間の整数を表し、A”Oは、2〜4個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基を表す。)、HO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から選択されるか、又はR8及びR9は、それらが連結される窒素原子と共に、酸素、窒素又は硫黄の中から選択される1個以上のヘテロ原子を有していてもよい5、6又は7原子環を形成し、式中qは1〜10の範囲の整数であり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及び式R4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、R4は8〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基であり、yは0〜5個の整数であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 BはC1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、 sは1、2又は3であり、及び R5、X及びtは上で定義された通りであり、 及び基(CH2)sはそれが連結される2つの窒素原子間のスペーサーである。

式(1)及び(3)の窒素原子はt=1のとき正電荷を有するが、t=0のときは中性であることは理解されなければならない。

本発明による「ヒドロカルビル」という用語は、飽和又は不飽和の直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を指す。

本発明の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、式−(CH2)z−のアルキレン基(zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)及び1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基からなる群から選択され、及び/又は R5は、C1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキルからなる群から選択され、好ましくはベンジルであり、及び/又は Xは、ハロゲン、硫酸塩及び炭酸塩からなる群から選択され、及び/又は pは、1〜10、好ましくは1〜5の範囲の整数であり、及び/又は QOは、2又は3個の炭素原子を含有する、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレンオキシ基であり、及び/又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、最も好ましくは1〜4の間の整数であり、及び/又は R7は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、フェニル又はナフチル基、式H−(OA”)v−の基(式中vは、1〜10、好ましくは1〜6の間、及び最も好ましくは1〜4の間の範囲の整数であり、A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基である。)、及びHO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基の中から選択され、qは1〜6の整数であり、好ましくは、qは2又は3であり、及び/又は R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、式中、R4は12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、より好ましくは2又は3個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは、yは0又は1であり、最も好ましくはyは0であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 Bは、C1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、好ましくはフェニル又はフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルであり、 sは、1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 及びtは上で定義された通りである。

本発明の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、式−(CH2)z−のアルキレン基(zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)及び1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基からなる群から選択され、 R5は、C1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキルからなる群から選択され、好ましくはベンジルであり、 Xは、ハロゲン、硫酸塩及び炭酸塩からなる群から選択され、 pは、1〜10、好ましくは1〜5の範囲の整数であり、 QOは、2又は3個の炭素原子を含有する、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレンオキシ基であり、 q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、最も好ましくは1〜4の間の整数であり、 R7は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、フェニル又はナフチル基、式H−(OA”)v−の基(式中vは、1〜10、好ましくは1〜6の間、及び最も好ましくは1〜4の間の範囲の整数であり、A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基である。)、及びHO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基の中から選択され、qは1〜6の整数であり、好ましくはqは2又は3であり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、式中、R4は12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは、yは0又は1であり、最も好ましくは、yは0であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 Bは、C1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、好ましくはフェニル又はフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルであり、 sは、1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 及びtは、0又は1である。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、式−(CH2)z−のアルキレン基(zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)及び1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基からなる群から選択され、又は R5は、C1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキルからなる群から選択され、好ましくはベンジルであり、又は Xは、ハロゲン、硫酸塩及び炭酸塩からなる群から選択され、又は pは、1〜10、好ましくは1〜5の範囲の整数であり、又は QOは、2又は3個の炭素原子を含有する、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレンオキシ基であり、又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、最も好ましくは1〜4の間の整数であり、又は R7は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、フェニル又はナフチル基、式H−(OA”)v−の基(式中、vは、1〜10、好ましくは1〜6の間、及び最も好ましくは1〜4の間の範囲の整数であり、A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基である。)、及びHO(CH2)q−及び式(2)の基からなる群から選択され、

式中、R8及びR9は、互いに独立して1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基の中から選択され、qは1〜6の整数であり、好ましくはqは2又は3であり、又は R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−からなる群から選択され、式中、R4は12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは、yは0又は1であり、最も好ましくは、yは0であり、Gは式(3)の基を表し、

式中、 Bは、C1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基からなる群から選択され、好ましくはフェニル又はフェニルアルキルであり、最も好ましくはベンジルであり、 sは、1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 及びtは、0又は1である。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、1〜10個、好ましくは2〜6個、最も好ましくは4個の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基からなる群から選択され、 R7は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、最も好ましくは、R7はメチルであり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、y=0であり、 QOはエトキシ基であり、及び p、q1、q2、q3、q4、t、R5及びXは、上で定義された通りであり、好ましくは請求項1で定義された通りであり、最も好ましくは請求項11で定義された通りである。

本発明の別の実施形態によれば、式(1)の化合物は上記の点及びさらに以下の点を特徴とする。 pは1〜10の範囲内の数であり、及び/又は tは1であり、及び/又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜6の範囲の整数であり、及び/又は R5は、メチル及びエチルからなる群から選択され、及び/又は Xは、ハロゲン及び硫酸塩からなる群から選択される。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、1〜10個、好ましくは2〜6個、最も好ましくは4個の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基からなる群から選択され、 R7は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、最も好ましくは、R7はメチルであり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、y=0であり、 QOはエトキシ基であり、及び/又は pは1〜10の範囲の数であり、及び/又は tは1であり、及び/又は q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜6の範囲の整数であり、及び/又は R5はメチル及びエチルからなる群から選択され、及び/又は Xはハロゲン及び硫酸塩からなる群から選択される。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、式(1)の化合物は、以下の点を特徴とする。 R2は、1〜10個、好ましくは2〜6個、最も好ましくは4個の炭素原子を有する二価のヒドロカルビル基からなる群から選択され、 R7は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜2個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、最も好ましくはR7はメチルであり、 R11はR1−(G)y−であり、ここでR1は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、y=0であり、 QOはエトキシ基であり、 pは1〜10の範囲の数であり、 tは1であり、 q1、q2、q3、q4は、互いに独立して1〜6の範囲の整数であり、 R5はメチル及びエチルからなる群から選択され、及び Xはハロゲン及び硫酸塩からなる群から選択される。

別の実施形態によると、式(1)の化合物は、以下の特徴の少なくとも1つを有する。 R1は、2−エチルヘキシルアミン、2−プロピルヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミン、N−(n−デシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(n−ドデシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(ココアルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(菜種アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(大豆アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(水素化獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−エルシル−N−メチル−トリメチレンジアミン、イソトリデシルオキシプロピルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される脂肪族アミンに由来し、及び/又は R2は、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩化物、ジカルボン酸のジエステル、ジカルボン酸の無水物、ジカルボン酸の環状無水物に由来し、好ましくはR2は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン酸、その対応する酸塩化物、これらの化合物のメチルエステル若しくはエチルエステル若しくは無水物若しくは環状無水物、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物に由来し、及び/又は R7は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される(アルキル)アルカノールアミンに由来する。

式(1)の化合物は、既知の調製技術に従って調製することができる。

例えば、式(1)の化合物は、式(I)のアルコキシル化脂肪族アミン、又は式(I)の前記アルコキシル化脂肪族アミンの部分又は完全四級化生成物と、式(II)のジカルボン酸又はその誘導体と、式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体又は式(III)の前記(アルキル)アルカノールアミン誘導体の部分又は完全四級化生成物とのエステル化縮合によって容易に得ることができる。

より正確には、式(1)の化合物は、式(I)のアルコキシル化脂肪族アミン又は式(I)の前記アルコキシル化脂肪族アミンの部分若しくは完全四級化生成物を

[式中、 R1は8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基及びR4−O−(A’O)w−T−の基からなる群から選択され、式中、R4は8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、wは0〜20、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜6、さらにより好ましくは0〜4の範囲の整数であり、A’Oは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を有するアルキレンオキシ基であり、 Tは1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、最も好ましくは2又は3個の炭素原子を有するアルキレンであり、 AOは2〜4個の炭素原子、好ましくは2又は3個、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、 BはC1〜C4アルキル、アリール及びアリールアルキル基(例えば、フェニル、ベンジルのようなフェニルアルキル)から選択され、 mは1〜20の間、好ましくは1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、さらにより好ましくは1〜4の間の整数を表し、 nは1〜20の間、好ましくは1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、さらにより好ましくは1〜4の間の整数を表し、 sは1、2又は3、好ましくは2又は3であり、 yは0〜5、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは、yは0又は1であり、さらにより好ましくは、yは0である。] 式(II)のジカルボン酸又はその誘導体と

[式中、 Dは−F、−Cl、Br及び−OR3の中から選択され、ここでR3は水素又はC1〜C4アルキル基であり、 R2は以下からなる群から選択される。 直接結合、 1つ以上の−OH基により置換されていてもよいC1〜C20の直鎖状又は分枝状の飽和又は不飽和炭化水素鎖、好ましくは式−(CH2)z−のアルキレン基(式中、zは1〜20、好ましくは1〜10、好ましくは2〜6の整数、最も好ましくは4である)、アルキレン基が1つ又は2つの−OH基により置換された置換アルキレン基、1〜20個、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルケニレン基、アルケニレン基が1つ又は2つのメチル及び/又はメチレン基により置換された置換アルケニレン基、 シクロアルキレン、 シクロアルケニレン、及び アリーレン基] 式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体、又は式(III)の前記(アルキル)アルカノールアミン誘導体の部分又は完全四級化生成物とエステル化縮合させることによって容易に得ることができる。

[式中、 A”Oは、2〜4個の炭素原子、好ましくは2個又は3個の炭素原子、より好ましくは2個の炭素原子を含むアルキレンオキシ基であり、 uは1〜20の間、好ましくは1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、さらにより好ましくは1〜4の間の整数を表し、 − u’は1〜20の間、好ましくは1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、さらにより好ましくは1〜4の間の整数を表し、 − R7は、1〜7個、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アリール又はアリールアルキル基(例えばフェニル又はナフチル基)、式H−(OA")v−の基(式中vは、1〜20の間、好ましくは1〜10の間、より好ましくは1〜6の間、さらにより好ましくは1〜4の間の整数を表す)、HO(CH2)q−及び式(IV)の基を表し、

式中、R8及びR9は、同一であってもよく異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基から選択され、qは1〜10、好ましくは2〜6の整数であり、最も好ましくは、qは2又は3であるか、又はR8及びR9は、それらが連結される窒素原子と共に、酸素、窒素又は硫黄の中から選択される1個以上のヘテロ原子を有していてもよい5、6又は7原子環を形成する。]

任意選択的に、式(I)のアルコキシル化脂肪族アミン、(II)のジカルボン酸又はその誘導体、及び式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体間の反応に続いて、さらなる反応ステップが行われ、ここで式R5Xの反応物との反応により窒素原子の一部又は全部が四級化され、ここでR5はC1〜C6のヒドロカルビル基、好ましくはC1〜C4アルキル基、フェニル及びフェニルアルキル、例えばベンジルから選択され、Xは当技術分野で既知の任意の脱離基であり、好ましくは、Xは一般にハロゲン、硫酸塩、炭酸塩等の中から選択される。

例えば、(1)式の化合物は、上記のエステル化縮合により得られ、ここで式(I)の脂肪族アミンにおいて、R1は8個又は8個超の炭素原子、典型的には8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜24個の炭素原子を有し、及び式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体において、R7は6以下の炭素原子、典型的には1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。あるいは、式(1)の化合物は、上記のようなエステル化縮合により得られ、ここで式(I)の脂肪族アミン及び式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体において、R1及びR7は、それらが有する炭素原子数の差が2を超え、典型的には2〜23、好ましくは5〜23、より好ましくは10〜23であるようなものである。

式(II)のジカルボン酸又はその誘導体には、対応する無水物形態も含まれる。さらに、アルキレンオキシ鎖が複数のアルキレンオキシ基を含む場合、アルキレンオキシ基は同じであっても異なっていてもよい。同様に、yが1より大きい場合、繰返し単位は同一であっても異なっていてもよい。

式(I)のアルコキシル化脂肪族アミンは式(IA)のものであってもよい。

これは、yが0を表し、R1、AO、m及びnは、上で定義した通りである式(I)のアルコキシル化脂肪族アミン、及びその部分又は完全四級化された対応する誘導体である。

式(I)のアルコキシル化脂肪族アミンは、例えば市販されているか、文献から既知の方法に従って調製されてもよく、特に、例えば式(a)の脂肪族アミンのアルコキシル化によって容易に調製することができる。

式中、R1、B、s及びyは上で定義された通りである。

式(I)のアルコキシル化脂肪族アミンの調製のための出発物質として使用するための式(a)による適切な脂肪族アミンの実例としては、yが0を表す式(a1)の脂肪族アミン、yが1を表し、sが3を表し、Bがメチルを表す式(a2)の脂肪族アミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

R1は上で定義された通りである。

式(a1)のアミンの特定の例は式(a3)のアミンである。

R4−O−T−NH2(a3) 式中、R4及びTは上で定義された通りであり、wは0である。

前述の式(a)のより具体的な例としては、2−エチルヘキシルアミン、2−プロピルヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミン、N−(n−デシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(n−ドデシル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(ココアルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(菜種アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(大豆アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−(水素化獣脂アルキル)−N−メチル−トリメチレンジアミン、N−エルシル−N−メチル−トリメチレンジアミン及びイソトリデシルオキシプロピルアミン並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。

好ましくは、前述のアミンは、天然(植物又は動物)油又は酸及びそれらの混合物、例えば、ココ脂肪酸、獣脂脂肪酸、菜種油、大豆油、ヤシ油から得られる脂肪族アミンである。次いで、これらの脂肪族アミンは、典型的には2〜40個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜8個のEO(エチレンオキシ単位)、及び/又は2〜40個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜8個のPO(プロピレンオキシ単位)、及び/又は2〜40個、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜12個、さらに好ましくは2〜8個のBO(ブチレンオキシ単位)でアルコキシル化される。一般的には、EOを有するブロックを最初に加え、PO及び/又はBOを最後に加えるか、又はPO及び/又はBOを有するブロックを最初に加え、EOを最後に加えるか、又はEO及びPO及び/又はBOの混合物を有するブロックを加えて、一般式(I)のランダムにアルコキシル化された生成物を生成する。アルコキシル化は、例えば水酸化カリウム(KOH)のようなアルカリ性触媒、又は酸触媒を用いることによって、又は触媒を用いなくても、当技術分野で既知の任意の適切な方法によって実施することができる。

式(I)の市販品の例としては、Noramox(R) SD20、Noramox(R) SD15、Noramox(R) S11、Noramox(R) S5、Noramox(R) S7、Noramox(R) S2、Noramox(R) SH2、Noramox(R) O2、Noramox(R) O5、Noramox(R) C2、Noramox(R) C5、Noramox(R) C15が挙げられる。このような市販品は全てArkema社の入手可能なものである。式(I)の市販品の他の例としては、Air Productsから入手可能なTomamine(R) E−17−5及びTomamine(R) E−T−2が挙げられる。

式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体は式(IIIA)のものであってもよい。

これは、u及びu’がそれぞれ1を表し、A”Oがエチレンオキシであり、R7が上で定義された通りである式(III)の(アルキル)アルカノールアミンである。上記式(IIIA)の化合物では、R7は1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であることが好ましい。上記の式(IIIA)の化合物はまた、その部分的又は完全に四級化された対応する誘導体を包含する。

式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体は、市販されているか、又は文献から既知の方法に従って調製することができる。式(III)の適切な(アルキル)アルカノールアミン誘導体の実例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン、及びそれらに対応するアルコキシル化生成物が挙げられるが、これらに限定されない。

式(III)のアルコキシル化誘導体の調製のための出発物質として好適なアミンの他の例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)、ジプロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン(DBAPA)、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジン、3−モルホリノプロピルアミン、1−(3−アミノプロピル)ピペリジン、1−(3−アミノプロピル)ピペコリンが挙げられるが、これらに限定されない。式(III)のこれらのアルコキシル化誘導体の一部は新規であり、それ自体本発明の一部を構成する。

一般式(II)のジカルボン酸誘導体は、当業者に知られた任意のジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体又は無水物であってよく、典型的にはジカルボン酸、ジカルボン酸ハロゲン化物、例えば塩化物、ジカルボン酸のジエステル、又はジカルボン酸の環状無水物であることができる。最も適切な誘導体はジカルボン酸及びそれに対応する環状無水物である。例えば、一般式(II)のジカルボン酸誘導体としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン酸、それらの対応する酸塩化物、それらの対応するメチルエステル又はエチルエステル、及びそれらの対応する環状無水物、並びにそれらの混合物を挙げることができ、好ましくは一般式(II)のジカルボン酸誘導体は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、酒石酸、イタコン酸、それらの対応する酸塩化物、それらの対応するメチル又はエチルエステル、及びそれらの対応する環状無水物、並びにそれらの混合物の中から選択される。

本発明で使用される生成物(1)は、例えば、式(II)の少なくとも1種の化合物と上記の式(III)の少なくとも1種の化合物及び上記の式(I)の少なくとも1種の化合物とを混合し、混合物中でこれらの化合物間でエステル化縮合反応を行うことによって調製することができる。あるいは、式(I)、(II)及び(III)の化合物を、異なる順序で連続的に一緒に反応させる。例えば、最初に式(I)及び(II)の化合物間でエステル化縮合反応を行い、次いでこの縮合生成物と式(III)の化合物との別のエステル化縮合反応をさらなるステップで行うことができる。別の適切な方法は、最初に式(II)及び(III)の化合物間のエステル化縮合反応を行い、次いでこの縮合生成物と式(I)の化合物との別のエステル化縮合反応をさらなるステップで行うことを含む。

あるいは、エステル化縮合は、 a. 式(II)及び(III)の化合物間の反応の縮合生成物、及び b. 式(I)及び(II)の化合物間の反応の縮合生成物、 の間で行われ、また、 c. 式(I)及び/又は式(II)及び/又は式(III)の少なくとも1種の化合物との、上記ステップa及びステップbの反応生成物化合物の別のエステル化縮合反応、 を任意選択的に行うこともできる。

反応物[(I)+(III)]と(II)の間のモル比は、例えば2:1〜1:2、好ましくは1.5:1〜1:1.5、最も好ましくは1.4:1〜1:1.4であり得る。あるいは、反応物[(I)+(III)]と(II)の間のモル比は、例えば、2:1〜1:1、好ましくは2:1〜1.2:1、最も好ましくは2:1〜1.3:1であり得る。あるいは、(I)と(III)との間のモル比は、例えば15:1〜1:15、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは4:1〜1:4、最も好ましくは2:1〜1:2であり得る。

式(II)の化合物と式(I)及び式(III)の化合物との間で起こるエステル化縮合反応は、当技術分野において周知である。この反応は、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、次亜リン酸、クエン酸又は三フッ化ホウ素(BF3)のようなブレンステッド又はルイス酸等のエステル化触媒の存在下で行われることが好ましい。

DがO−R3である式(II)のジカルボン酸誘導体が用いられる場合、反応はエステル交換であり、これは代替的にアルカリ触媒の存在下で実施することができる。あるいは、無水物又はその酸塩化物のようなジカルボン酸の他の誘導体から出発して、当業者に知られた他の従来技術を用いることができる。

この反応は溶媒添加の有無にかかわらず行うことができた。反応中に溶媒が存在する場合、溶媒はエステル化に対して不活性であるべきであり、例えばトルエン又はキシレンである。

化合物(I)、(II)及び(III)間のエステル化縮合反応は、既知の操作条件に従った任意の温度、例えば典型的には60℃〜300℃、好ましくは120℃〜280℃の範囲の温度で、通常は1時間〜数時間、好ましくは2時間〜20時間の範囲の時間で実現することができる。エステル化縮合反応は、大気圧下で実現することができ、あるいは前記反応は、任意選択的に、500Pa〜20000Paのような減圧で実施することができる。

式(1)において全てのtが0である場合、生成物は第三級ポリエステルアミン化合物であり、全てのtが1である場合、生成物はポリエステルポリ第四級アンモニウム化合物であり、これはtが0である化合物の四級化から生じる。当業者には明らかであろうように、tの一部が0であり、tの一部が1である場合、生成物は部分的に四級化されたポリエステルアミン化合物である。四級化反応ステップのために、好ましいアルキル化剤は、式R5Xの化合物の中から選択される。このようなアルキル化剤の実例としては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、炭酸ジメチル及び塩化ベンジルが挙げられるが、これらに限定されず、最も好ましいアルキル化剤は、塩化メチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル又は塩化ベンジル及びそれらの混合物、好ましくは塩化メチル及び/又は硫酸ジメチルである。

式(I)の脂肪族アミン及び/又は式(III)の(アルキル)アルカノールアミン誘導体に対し、式(II)のジカルボン酸又はその誘導体とのエステル化縮合反応を行う前に、四級化を実施することができる。他の代替法としては、逐次的又は交互のエステル化縮合反応の間に得られる中間体化合物への四級化反応が挙げられる。これらの中間ステップのいずれかの後に、完全又は部分的な四級化反応が実現され得る。

四級化反応は一般に、水中及び/若しくはエタノール、イソプロパノール(IPA)、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ(エチレングリコール)モノブチルエーテル(BDG)、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(DEG)等の有機溶媒、又はそれらの混合物中で行われる。好ましい溶媒は、イソプロパノール(IPA)、エタノール、及びそれらの混合物から選択される。四級化反応の反応温度は、20℃〜100℃の範囲が適切であり、好ましくは少なくとも40℃、より好ましくは少なくとも50℃、最も好ましくは少なくとも55℃、かつ好ましくは最大で90℃である。四級化反応は、典型的には数十分〜数十時間、好ましくは1時間〜100時間、さらに好ましくは1時間から30時間の範囲の時間にわたって行われる。

本発明の意味における「完全に四級化された」という表現は、「窒素原子の全てが四級化された」こと、又は「生成物の全ての窒素原子が第四級である」ことを意味し、これは、化合物1グラム当たりの塩基性窒素の総量が0.2mmol以下、好ましくは0.1mmol以下、より好ましくは0.05mmol以下であることを意味する。

その結果、例えば0.2N塩酸による滴定によって又は当技術分野で既知の任意の他の適切な方法で測定され得るように、塩基性窒素の量が0.2mmol/g以下、好ましくは0.1mmol/g以下、より好ましくは0.05mmol/g以下である場合に、加熱を停止することが好ましい。

好ましい一実施形態によれば、生成物の全ての窒素原子は第四級である。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及びその部分又は完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物(式中、y=0であり、R1は8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。)、 −式(II)の少なくとも1種の化合物、及び −式(III)の少なくとも1種の化合物(式中、R7は、1〜7個、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。)。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及びその部分又は完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物(式中、y=0であり、R1は8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、AOはエトキシである。)、 −式(II)の少なくとも1種の化合物、及び −式(III)の少なくとも1種の化合物(式中、R7は、1〜7個、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、A”Oはエトキシである。)。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及び塩化メチルによるそれらの完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物(式中、y=0であり、R1は8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個、より好ましくは12〜24個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、AOはエトキシであり、m及びnはそれぞれ互いに独立して同一であるか異なり、1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4の整数を表し、限界値を含む。)、 −式(II)の少なくとも1種の化合物(二酸(Dは−OHを表す)及びその対応する無水物から選択され、式中R2は1〜14個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜8個の炭素原子(限界値含む)を有する二価のヒドロカルビル基である)、及び −式(III)の少なくとも1種の化合物(式中、R7は、1〜7個、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、A”Oはエトキシであり、u及びu’はそれぞれ1を表す。)。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及びそれらの部分又は完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物であり、2〜20個、好ましくは2〜10個のEO(エチレンオキシ単位)、及び/又は2〜20個、好ましくは2〜10個のPO(プロピレンオキシ単位)でアルコキシル化された、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミンから選択される、 −式(II)の少なくとも1種の化合物であり、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン酸、それらの対応する酸塩化物、それらのメチルエステル若しくはエチルエステル及びそれらの環状無水物、並びにそれらの混合物から選択される、 −式(III)の少なくとも1種の化合物であり、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン、及びそれらの対応するアルコキシル化生成物から選択される。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及びそれらの部分又は完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物であり、2〜20個、好ましくは2〜10個のEO(エチレンオキシ単位)でアルコキシル化された、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミンから選択される、 −式(II)の少なくとも1種の化合物であり、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、グルタコン酸、アジピン酸、ムコン酸、ピメリン酸、フタル酸及びその異性体、テトラヒドロフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、メサコン酸、セバシン酸、アゼライン酸、酒石酸、イタコン酸、グルチニン酸、シトラコン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、トラウマチン酸、タプシン酸、それらの対応する酸塩化物、それらのメチルエステル若しくはエチルエステル及びそれらの対応する環状無水物、並びにそれらの混合物から選択される、 −式(III)の少なくとも1種の化合物であり、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミン及びそれらの対応するエトキシル化生成物から選択される。

本発明の別の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、以下のものの同時/逐次/交互エステル化縮合反応から得られるポリマー及びそれらの完全四級化反応生成物である。 −式(I)の少なくとも1種の化合物であり、2〜20個、好ましくは2〜10個のEO(エチレンオキシ単位)でアルコキシル化された、n−ドデシルアミン、(ココアルキル)アミン、(ヤシ油アルキル)アミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミン、オレイルアミン、(獣脂アルキル)アミン、(水素化獣脂アルキル)アミン、(菜種アルキル)アミン、(大豆アルキル)アミン、エルシルアミンから選択される、 −式(II)の少なくとも1種の化合物であり、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ブラシル酸、ドデカン二酸、それらの環状無水物から選択される、 −式(III)の少なくとも1種の化合物であり、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、イソブチルジエタノールアミン、ペンチルジエタノールアミン、ヘキシルジエタノールアミン、ヘプチルジエタノールアミンから選択される。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップb)の捕収剤は、式(1)の1種以上の化合物からなる。

本発明の別の好ましい実施形態によると、ステップb)の捕収剤は、アジピン酸とのエトキシル化獣脂アミン(5OE)のポリマーである。このようなポリマーは、実施例2の実験節において生成物Bとして調製される。

<本発明の方法のステップc)> 本発明の方法のステップc)は、ステップa)の前記白色顔料及び不純物含有材料及びステップb)の前記捕収剤を水性環境中で混合して、水性懸濁液を形成することを指す。

本発明の一実施形態によれば、ステップa)の少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料を、第1のステップで水と混合し、次いで、得られた懸濁液をステップb)の捕収剤と混合して水性懸濁液を形成することができる。

ステップb)の捕収剤を、第1のステップで水と混合し、次いで得られた懸濁液を、ステップa)の少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料と混合して水性懸濁液を形成してもよい。

本発明の別の実施形態によれば、ステップa)の少なくとも1種の白色顔料及び不純物含有材料、及びステップb)の捕収剤を1ステップで水と混合して水性懸濁液を形成してもよい。

好ましくは、ウェットミル、混合タンク、供給ポンプ、又は補収剤を水性懸濁液中に混合するための浮選攪拌機を用いて混合することができる。

混合は室温、すなわち20℃±2℃、又は他の温度で実施することができる。一実施形態によれば、混合は、5〜40℃、好ましくは10〜30℃、最も好ましくは15〜25℃の温度、又は他の温度で実施することができる。熱は、内部せん断によって、又は外部供給源又はその組合せによって導入することができる。

本発明の方法によって得られる水性懸濁液の固体含量は、当業者に知られている方法によって調整することができる。白色顔料及び不純物含有材料を含む水性懸濁液の固体含量を調整するために、懸濁液は、濾過、遠心分離又は熱分離方法によって部分的又は完全に脱水することができる。あるいは、望ましい個体含量が得られるまで、白色顔料及び不純物含有材料に水を加えてもよい。これに加えて又はこれに代えて、所望の固体含量が得られるまで、白色顔料及び不純物含有材料の適切なより低い含量を有する懸濁液を水性懸濁液に加えてもよい。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップc)で得られる水性懸濁液は、懸濁液中の固体の総重量に基づいて、以後の実施例の節に記載されているように測定された、5〜80重量%の間、懸濁液中の固体の総重量に基づいて好ましくは10〜70重量%の間、より好ましくは20〜60重量%の間、最も好ましくは25〜55重量%の固体含量を有する。

ステップc)で得られる水性懸濁液は、7〜10、好ましくは7.2〜9.5、より好ましくは7.5〜9.0のpHを有することができる。

本発明の一実施形態によれば、捕収剤は、ステップc)において、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて1〜5000ppmの量で、ステップa)の白色顔料及び不純物含有材料の総乾燥重量に基づいて好ましくは20〜2000ppmの量で、より好ましくは30〜1000ppmの量で、最も好ましくは50〜800ppmの量で添加される。

本発明の一実施形態によれば、1種以上の添加剤が、気体テップc)の前、間又は後に水性懸濁液に添加され、ここで、添加剤は、pH調整剤、溶媒、抑制剤、活性化剤、高分子電解質、発泡剤及び式(1)による捕収剤以外の捕収剤を含む群から選択される。

さらに、白色顔料及び不純物含有材料a)及び捕収剤b)に加えて、1種以上のさらなる添加剤が水性懸濁液中に存在し得る。考えられる添加剤は、例えばpH調整剤、溶媒(水、有機溶媒及びそれらの混合物)、デンプン、ケブラコ、タンニン、デキストリン及びグアーガムのような抑制剤、スファレライト、黄鉄鉱、ピロタイト及び他の硫酸塩と組み合わせた硫酸銅のような活性化剤、及びしばしば抑制剤効果と組み合わせた分散剤効果を有するポリリン酸塩及び水ガラスのような高分子電解質である。浮選の技術分野で知られている他の従来の添加剤は、メチルイソブチルカルビノール、トリエトキシブタン、松油、テルピネオール及びポリプロピレンオキシド及びそのアルキルエーテル等の発泡剤(泡形成剤)であり、中でもメチルイソブチルカルビノール、トリエトキシブタン、松油、テルピネオールは好ましい発泡剤である。非限定的な例として、好ましい従来の添加剤は一般に発泡剤であり、中でもテルピネオールが最も一般的に使用される。

さらに、浮選の分野で知られている1種以上の他の従来の捕収剤、好ましくは1種以上の従来のカチオン性捕収剤気体テップc)で形成される水性懸濁液中にあってもよい。好ましい従来のカチオン性捕収剤は、硫黄原子を含まないものであり、最も好ましいものは、炭素、窒素及び水素原子、並びに任意選択的に酸素原子のみを含むものである。しかし、従来のカチオン性捕収剤は、酸との付加塩の形態で、塩化のための酸自体が硫黄原子を含む場合、例えば硫酸、スルホン酸又はアルカンスルホン酸である場合には、硫黄原子を含んでいてもよい。

ステップc)から得られる懸濁液中に存在し得る従来のカチオン性捕収剤の例としては、脂肪族アミン及びその塩、並びにそれらのアルコキシル化誘導体、脂肪族ポリ(アルキレンアミン)及びその塩、例えばポリ(エチレンアミン)、ポリ(プロピレンアミン)及びそれらの塩、並びにそれらのアルコキシル化誘導体、脂肪族アミドポリアミン及びその塩、並びにそれらのアルコキシル化誘導体、脂肪族アミドポリ(アルキレンアミン)及びその塩、並びにそれらのアルコキシル化誘導体、脂肪族イミダゾリン及びその塩、並びにそれらのアルコキシル化誘導体、N−脂肪族アルキルアミノカルボン酸及びその塩、例えばN−脂肪族アルキルアミノプロピオン酸及びその塩、アルキルエーテルアミン及びアルキルエーテルジアミン及びそれらの塩、第四級アンモニウム化合物、例えば脂肪族第四級アンモニウム化合物、モノ(脂肪族アルキル)第四級アンモニウム化合物、例えばWO2007/122148A1号に記載されているようなジ(脂肪族アルキル)第四級アンモニウム化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明の意味における「ポリアミン」は、2つ以上のアミン基を含み、アミン基は場合により置換される化合物であり、すなわち、2つ以上のアミン基は同一であるか又は異なっていてもよく、第一級、第二級又は第三級アミン基である。

ステップc)から得られる懸濁液中に存在し得る従来のカチオン性捕収剤の具体例としては、ジココ−ジメチルアンモニウムクロリド(CAS RN61789−77−3)、ココ−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(CAS RN61789−71−7)、獣脂ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(CAS RN61789−75−1)、エトキシル化獣脂モノアミン、1,3−プロパンジアミン−N−獣脂二酢酸塩(CAS RN68911−78−4)、N,N’,N’−トリ−ヒドロキシエチルN−獣脂プロピレンジアミン(CAS RN61790−85−0)、N,N’,N’−トリ−ヒドロキシエチルN−オレイルプロピレンジアミン(CAS RN103625−43−0)、N,N’,N’−トリ−ヒドロキシエチルN−ラウリルプロピレンジアミン(CAS RN25725−44−4)、ジエチレントリアミンとオレイン脂肪酸との縮合により得られる脂肪族アルキルイミダゾリン(CAS RN162774−14−3)、N,N’,N’−トリーヒドロキシエチルN−ベヘニル−プロピレンジアミン(CAS RN91001−82−0)、イソデシルオキシプロピル−1,3−ジアミノプロパン(CAS RN72162−46−0)、N,N−ジ(獣脂カルボキシエチル)−N−ヒドロキリエチル−N−メチルアンモニウムメチル硫酸塩(CAS RN91995−81−2)、N−ココ−β−アミノプロピオン酸(CAS RN84812−94−2)、N−ラウリル−β−アミノプロピオン酸(CAS RN1462−54−0)、N−ミリスチル−β−アミノプロピオン酸(CAS RN14960−08−8)、酸とのそれらの付加塩、N−ラウリル−β−アミノプロピオン酸のナトリウム塩(CAS RN3546−96−1)、N−ラウリル−β−アミノプロピオン酸のトリエタノールアミン塩(CAS RN14171−00−7)、N−ミリスチル−β−アミノプロピオン酸のトリエタノールアミン塩(CAS RN61791−98−8)、及び全ての割合における上記の化合物の2種以上の混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。

本発明の意味における「エーテルアミン」及び「エーテルジアミン」は、少なくとも1つのエーテル基及びそれぞれNH2末端基及びNH2末端基並びに別の第一級、第二級又は第三級アミン基を含む化合物である。

懸濁液中に添加剤及び/又は従来の捕収剤が存在する場合、本発明の捕収剤は、捕収剤及びさらなる添加剤の総量に対して、1重量%〜100重量%、より好ましくは10重量%〜100重量%、典型的には20重量%〜100重量%、有利には1重量%〜99重量%、より好ましくは10重量%〜99重量%、典型的には20〜99重量%で存在し得る。

本発明の一実施形態によれば、ステップc)で得られた水性懸濁液は、ステップc)の間及び/又は後に粉砕される。

粉砕ステップは、例えばボールミル、ハンマーミル、ロッドミル、振動ミル、ロール破砕機、遠心インパクトミル、縦型ビーズミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル等の任意の従来の粉砕装置を用いて実施することができる。しかし、ステップc)の間及び/又は後に得られた水性懸濁液を研磨することができる任意の他の装置を用いることができる。

<本発明の方法のステップd)> 本発明の方法のステップd)は、ステップc)で形成された懸濁液に気体を通すことを指す。

気体は、一般に、ステップd)の容器内に、容器の下半分に位置する1つ以上の侵入口を介して導入することができる。これに代えて又はこれに加えて、前記気体は、前記容器内の攪拌装置上に位置する侵入口を介して導入することができる。その後、この気体は懸濁液を通って自然に上方に上昇する。

好ましくは、ステップd)における気体は空気である。

気体は、懸濁液中で0.01〜10mmの間、好ましくは0.05〜5mmの間、最も好ましくは0.1〜2mmの間の気泡サイズを有することができる。

ステップd)における気体流速は、4dm3の浮選セルにおいて、例えば0.1〜30dm3/分の間、好ましくは1〜10dm3/分の間、より好ましくは3〜7dm3/分の間に調整され得る。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップd)は、攪拌セル及び/又は浮選カラム及び/又は空気浮選装置及び/又は気体注入を特徴とする浮選装置を採用することができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、ステップd)における水性懸濁液は、5〜50℃の間、好ましくは10〜40℃の間、より好ましくは10〜35℃の間、最も好ましくは15〜30℃の間の温度を有することができる。

ステップd)は、攪拌下で行うことが好ましい。さらに、ステップd)は連続的であっても非連続的であってもよい。

好ましい実施形態によれば、ステップd)は、もはや泡が形成されなくなるまで又は視覚的に観察することができなくなるまで、又は泡の中にもはや不純物が回収できなくなるまで実施される。

<本発明の方法のステップe)> 本発明の方法のステップe)は、ステップd)後に得られた水性懸濁液から白色顔料担持相を除去することにより、白色顔料含有製品を回収することを指す。

本発明の方法は、少なくとも1つの間接浮選ステップを含む。所望の白色顔料を直接浮遊させ、生成したフロスから回収する従来の浮選とは対照的に、逆浮選又は間接浮選は、望ましくない不純物を優先的に浮遊させ、除去し、所望の白色顔料が濃縮された懸濁液を残すことを目的とする。本発明の一実施形態によれば、本発明の方法は、不純物を含むフロス及び白色顔料含有製品を有する白色顔料担持相の形成を導く。疎水化された不純物は懸濁液の表面に移行し、表面の上清泡又はフロスに濃縮される。この泡は、表面からすくい取ったり、スクレーパー等を使用したり、又は単に泡をあふれさせたり、泡を別の回収容器に移行させたりするだけで採取できる。泡を採取した後、浮遊しない白色顔料含有製品を含む白色顔料担持相が残る。水性懸濁液中に残存する白色顔料含有製品は、水相を部分的又は完全に所望の固体含量まで除去するために濾過することによって、デカンテーションによって、又は固体から液体を分離するために当技術分野で一般的に使用される他の手段によって回収することができる。

回収された白色顔料含有製品は、本発明によれば又は先行技術のフロス浮選法によれば、フロス浮選の1つ以上のさらなるステップに供することができる。

本発明の一実施形態によると、ステップe)から得られた白色顔料担持相は、ステップe)の前及び/又は後に分散及び/又は粉砕され、好ましくは、少なくとも1種の分散剤及び/又は少なくとも1種の粉砕助剤の存在下に分散及び/又は粉砕される。

好ましい実施形態によれば、ステップe)から得られる白色顔料担持相は、ステップe)の前及び/又は後に粉砕することができる。

粉砕ステップは、例えばボールミル、ハンマーミル、ロッドミル、振動ミル、ロール破砕機、遠心インパクトミル、縦型ビーズミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル等の任意の従来の粉砕装置を用いて実施することができる。しかし、方法のステップe)の間に回収された白色顔料含有製品を粉砕することができる任意の他の装置を使用することができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、粉砕は、少なくとも1種の粉砕剤の存在下で行われる。粉砕剤は当業者に知られており、市販されている。

別の実施形態によれば、ステップe)から得られる白色顔料担持相は、ステップe)の前後に分散させることができる。分散ステップは、任意の従来の分散装置で行うことができる。本発明の好ましい実施形態によれば、分散は、少なくとも1種の分散剤の存在下で行われる。分散剤は当業者に知られており、市販されている。

本発明の方法のステップe)に続いて、微細な粉砕生成物スラリーを達成するための、例えば湿式粉砕及びスクリーニングによる、少なくとも1つの粉砕又は分級ステップ、及び/又は少なくとも1つの他の処理ステップを行うことができる。

本発明の方法によって得られる疎水化された不純物、好ましくは泡中に含まれる疎水化されたケイ酸塩は、すでに上述したように回収することができる。本発明の好ましい実施形態において、疎水化された不純物は、白色を有するケイ酸塩、例えば、ウォラストナイト、カオリン、カオリナイト粘土、か焼カオリナイト粘土、モンモリロナイト、タルク、珪藻土又はセピオライトを含むことができる。より好ましくは、疎水化された不純物は白色を有するケイ酸塩からなり、より好ましくは、不純物は白色のケイ酸塩1種のみからなる。例えば、不純物はウォラストナイト又はカオリン又はカオリナイト粘土又はモンモリロナイト又はタルク又は珪藻土又はセピオライトのみからなる。本発明の浮選法に従って白色顔料から得られ、分離されたこれらの不純物は、さらに処理され、適当な用途で使用され得る。日光によって照らされたときに白色の外観を有するケイ酸塩のみを含有し、好ましくは本発明の方法によって得られた、日光によって照らされたときに白色の外観を有する白色シリケートを1種のみ含有する不純物は、例えば紙、プラスチック、塗料、コーティング、コンクリート、セメント、化粧品、水処理、食品、製薬、インク及び/又は農業用途において、白色顔料含有製品と同じ方法で使用することができる。

<本発明の方法により得られる白色顔料含有製品> 好ましい実施形態では、本発明の方法によって得られる白色顔料含有製品は、乾燥重量に基づいて、少なくとも95重量%、乾燥重量に基づいて、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、最も好ましくは少なくとも99.9重量%の白色顔料を含むことができる。

別の実施形態において、本発明の方法によって得られる白色顔料含有製品は、乾燥重量に基づいて、60ppm未満、好ましくは35ppm未満、より好ましくは15ppm未満、最も好ましくは5ppm未満の捕収剤又はその分解産物を含むことができる。

本発明の方法によって得られる白色顔料含有製品及び白色顔料担持相は、紙、プラスチック、塗料、コーティング、コンクリート、セメント、化粧品、水処理、食品、製薬、インク及び/又は農業用途において使用することができる。好ましくは、白色顔料含有製品は、抄紙機のウェットエンドプロセス、たばこ紙、板、及び/又はコーティング用途において、又は輪転グラビア印刷及び/又はオフセット印刷及び/又はインクジェット印刷及び/又は連続インクジェット印刷及び/又はフレキソ印刷及び/又は電子写真及び/又は修飾表面の支持体として使用することができる。

本発明の範囲及び関心は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図しており、かつ非限定的である以下の実施例に基づいて、よりよく理解されるであろう。

<1 測定方法>

pHは、Metler Toledo Seven Easy pHメーター及びMettler Toledo InLab(R) Expert Pro pH電極を用いて25℃で測定した。機器の3点較正(セグメント法による)を、まず20℃でpH値4、7及び10の市販の緩衝液(Aldrich社製)を用いて行った。報告されたpH値は、機器により検出された端点値とした(端点は、測定信号が最新の6秒間にわたって平均から0.1mV未満しか異ならない場合とした)。

<粒状材料の粒径分布(粒径

50)> 粒径分布(PSD)及び相関する中央粒子直径d

50をレーザー回折分析装置、すなわち5μmを超えるd

50の場合はMalvern Mastersizer 2000、より微細な材料(<5μm)の場合はMicromeritics Sedigraph(商標) 5120のいずれかで測定した。測定は0.1重量%のNa

4P

2O

7の水溶液中で行い、試料を事前に高速撹拌機と超音波を用いて分散させた。Sedigraphは、沈降法、すなわち重力場での沈降挙動の分析により作動するが、Mastersizerは循環モードで作動する。

<懸濁液中の物質の重量固体(重量%)> 固体材料の重量を水性懸濁液の総重量で除して重量固体を求めた。固体材料の重量は、懸濁液の水相を蒸発させ、得られた物質を一定重量まで乾燥させて得られた固体材料を秤量して求める。

<比表面(BET)測定> 白色顔料又は不純物の比表面積(m2/g)は、窒素及び当業者に周知のBET法を用いて測定した(ISO 9277:2010)。次に、白色顔料又は不純物の全表面積(m2)を、白色顔料又は不純物の比表面積と質量(g)を乗じて得た。この方法及び機器は当業者に知られており、白色顔料又は不純物の比表面を決定するために一般に使用される。

<輝度測定及び黄色度指数(=YI)> 浮選法の試料はマイクロ波を用いて乾燥させた。得られた乾燥粉末を粉末プレスで調製して平坦な表面を得、Datacolor社のELREPHO 3000を用いてISO 2469に従ってTappi輝度(R457 ISO輝度)を測定する。Tappi輝度の結果は、較正標準と比較してパーセントで表示する。

黄色度指数は以下の式で計算する。 YI=100*(Rx−Rz)/Ry)

10gの粗製材料(固形分を考慮した乾燥製品又はスラリー)を400mlのビーカーに秤量し、50mlの脱塩された(脱塩)水に懸濁し、40mlのHCl(8N=25%)と混合した。二酸化炭素の形成が完了した後、混合物を5分間煮沸し、室温まで冷却し、その後予め秤量した薄膜フィルター上で濾した。ビーカー壁を20mlの脱塩水で3回すすぎ、その後重量不変に達するまでフィルターをマイクロ波中で105℃で乾燥させた。フィルターをデシケーター中で冷却した後、フィルターを秤量し、次式により塩酸不溶物(不溶物)含量を算出した。

<負荷容量の決定> スラリー中の捕収剤担持粒子の表面電荷を、[μ Val/Kg]で表される、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム(Na−PES)による滴定を用いて、Mutek粒子電荷検出器(BTG製のPCD04)により測定した。

<酸価の決定> 水酸化カリウム溶液を試薬、イソプロピルアルコールを溶媒として用いる電位差滴定法により酸価を測定した。250mLのビーカーで、分析する試料約10gを正確に量り(Sw、mgまでの精度)、イソプロピルアルコール70mLを加える。混合物を攪拌し、均質な試料を得るために必要ならば穏やかに加熱した。ガラス参照電極を結合した滴定装置をこの溶液中に導入し、次いで溶液を磁気攪拌機で攪拌した。試料の酸−塩基滴定は0.1N水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いて行い、pH変化を滴定装置に記録した。当業者に知られた方法を用いて当量点をグラフで決定し、この点に到達するために使用された水酸化カリウム溶液の体積(VKOH、mL)を決定した。その後、以下の計算に従って酸価(AV)を求めた。

<総アルカリ度測定法> 以下の全ての例において、塩酸溶液を試薬、イソプロピルアルコールを溶媒として用いる電位差滴定法により総アルカリ度値を測定する。100mLのポリプロピレンビーカーに、分析する試料約3gをmg(Sw、単位g)まで正確に量り、溶媒60mLを加える。混合物を攪拌し、均質な試料を得るために必要ならば穏やかに加熱する。溶液の温度を室温に戻したとき、ガラス参照電極を結合した滴定装置を溶液中に導入し、その後溶液を磁気攪拌機で攪拌する。試料の滴定は、正確に規定度(n、単位 当量/ml)が知られた0.2N塩酸(HCl)水溶液を用いて行い、滴定装置にpHの変化を記録する。当業者に知られている方法を用いて当量点を決定し、この点に到達するために使用された塩酸溶液の体積(VHCl、ml)を決定する。次に、次式により総アルカリ度値(Alk)を求める。

<2 捕収剤>

[実施例1:生成物Aの合成(本発明による)] Arkema社から商品名Noramox(R) S5の下で供給されたエトキシル化獣脂アミン(5OE)1196.7g(2.5モル)、Taminco社から供給されたメチルジエタノールアミン(>99%)715.2g(3.45モル)、及び次亜リン酸の50重量%水溶液0.5gを4Lの丸底フラスコに導入する。窒素をバブリングしながら混合物を80℃に加熱する。バブリングを止め、次に756.8g(5.18モル)のアジピン酸を攪拌下で導入する。15分後、混合物の温度を1時間で120℃まで上昇させ、容器内の圧力を6.66kPa(50mmHg)に達するまで徐々に低下させる。温度を190℃まで上昇させ、酸のほぼ全てが消費されるまで(酸価<5)温度と圧力を維持する。次いで、系を冷却して、目的のエステルアミン(生成物A)、未反応アミン及び未反応二酸を含むオレンジ/褐色液体の粗反応生成物2482.3gを回収する。

[実施例2:生成物Bの合成(本発明による)] Arkema社から商品名Noramox(R) S5の下で供給されたエトキシル化獣脂アミン(5OE)1420.1g(2.97モル)、Taminco社から供給されたメチルジエタノールアミン(>99%)353.2g(2.97モル)、及び次亜リン酸の50重量%水溶液0.5gを4Lの丸底フラスコに導入する。窒素をバブリングしながら混合物を80℃に加熱する。バブリングを止め、次に650g(4.45モル)のアジピン酸を攪拌下で導入する。15分後、混合物の温度を160℃まで上昇させ、4時間維持する。次いで温度を190℃まで上昇させ、酸のほぼ全てが消費されるまで(酸価<5)温度を維持する。次に、6.66kPa(50mmHg)の圧力に達するまで容器内の圧力を徐々に下げ、さらに2時間温度と圧力を維持する。次いで、系を冷却して、圧力を大気圧に戻し、目的のエステルアミン(生成物B)、未反応アミン及び未反応二酸を含む透明なオレンジ/褐色液体の粗反応生成物2260gを回収する。

[実施例3:生成物Cの合成(本発明による)] 実施例1で得たエステルアミン生成物A 2022g及びイソプロピルアルコール453gを、6Lのガラス反応器(rector)に導入する。容器内の圧力が290kPaに達するまで塩化メチルを加える。完全な反応が起こるまで、温度を80℃〜85℃に維持する。総アルカリ度値が0.2当量/g以下であれば完全反応が得られる。次いで、反応器を65℃まで冷却し、圧力を大気圧に戻す。2時間の間混合物中で窒素をバブリングしてから、6.7重量%のイソプロピルアルコールを含む褐色の粗反応生成物(生成物C)2095.9gを回収する。

[実施例4:生成物Dの合成(本発明による)] 実施例2で得たエステルアミン生成物B 1803.7g及びイソプロピルアルコール788.3gを、6Lのガラス反応器(rector)に導入する。容器内の圧力が290kPaに達するまで塩化メチルを加える。完全な反応が起こるまで、温度を80℃〜85℃に維持する。総アルカリ度値が0.2当量/g以下であれば完全反応が得られる。次いで、反応器を65℃まで冷却し、圧力を大気圧に戻す。2時間の間混合物中で窒素をバブリングしてから、17.3重量%のイソプロピルアルコールを含む褐色の粗反応生成物(生成物D)2206.6gを回収する。

[実施例5:製品Eの合成(本発明による)] MDEA(メチルジエタノールアミン)595g(5M)及びKOH(50%水溶液)6gを4Lの乾燥させたオートクレーブに加える。次いで、反応器を閉じ、窒素雰囲気で充填し、シールが漏洩しないようにする。MDEA及び触媒は水分が1000ppm以下になるまで乾燥させる。その後、窒素で25℃で75MPAまで加圧する。その後、撹拌しながら反応器内の温度を90℃まで上昇させる。その後、温度を再度120℃に上昇させ、エチレンオキシド40〜50gを加える。合計1100g(25M)のエチレンオキシドを140〜150℃で3時間の間に加える。エチレンオキシドの添加後、30分の反応時間とそれに続く液相の窒素ストリッピングを観察した。反応終了時、反応器を60℃まで冷却し、MDEA 5EO1655gを得る。

Arkema社から商品名Noramox(R) S5の下で供給されたエトキシル化獣脂アミン(5OE)1420.3g(2.97モル)、(上記で合成された)MDEA 5OE745.5g(2.97モル)、及び次亜リン酸の50重量%水溶液0.5gを4Lの丸底フラスコに導入する。窒素をバブリングしながら混合物を80℃に加熱する。バブリングを止め、次に650g(4.45モル)のアジピン酸を攪拌下で導入する。15分後、混合物の温度を160℃まで上昇させ、4時間維持する。次いで温度を190℃まで上昇させ、酸のほぼ全てが消費されるまで(酸価<5)温度を維持する。6.66kPa(50mmHg)の圧力に達するまで容器内の圧力を徐々に低下させ、温度と圧力をさらに2時間維持する。その後、系を冷却して、圧力を大気圧まで戻し、目的のエステルアミン(生成物E)、未反応アミン及び未反応二酸を含む透明なオレンジ/褐色液体の粗反応生成物2654.5gを回収する。

[実施例6:生成物Fの合成(本発明による)] 実施例5で得たエステルアミン生成物E 2050g及びイソプロピルアルコール615gを6Lのガラス反応器に導入する。容器内の圧力が290kPaに達するまで塩化メチルを加える。完全な反応が起こるまで、温度を80℃〜85℃に維持する。総アルカリ度値が0.2当量/g以下であれば完全反応が得られる。次いで、反応器を65℃まで冷却し、圧力を大気圧に戻す。2時間の間混合物中で窒素をバブリングしてから、12.4重量%のイソプロピルアルコールを含む褐色の粗反応生成物(生成物F)2496.9gを回収する。

[実施例7:生成物Gの合成(本発明による)] DMAPA(ジメチルアミノプロピルアミン)510g(5M)及び水5g(1重量%)を4Lの乾燥させたオートクレーブに加える。次いで、反応器を閉じ、窒素雰囲気で充填し、シールが漏洩しないようにする。その後、窒素で30℃で100kPaまで加圧する。その後、撹拌しながら反応器内の温度を120℃に上昇させる。エチレンオキシド40gを加える。反応が開始するまで温度を定期的に上げる。さらに全部で1100g(25M)のエチレンオキシドを150〜160℃で4時間の間に加える。エチレンオキシドの添加後、30分の反応時間とそれに続く液相の窒素ストリッピングを観察した。反応終了時、反応器を60℃まで冷却し、DMAPA 5EO1570gを得る。

Arkema社から商品名Noramox(R) S5の下で供給されたエトキシル化獣脂アミン(5OE)1196.1g(2.5モル)、(上記で合成された)DMAPA 5OE805.4g(2.5モル)、及び次亜リン酸の50重量%水溶液0.5gを4Lの丸底フラスコに導入する。窒素をバブリングしながら混合物を80℃に加熱する。バブリングを止め、次に547.9g(3.75モル)のアジピン酸を攪拌下で導入する。15分後、混合物の温度を160℃まで上昇させ、4時間維持する。次いで温度を190℃まで上昇させ、酸のほぼ全てが消費されるまで(酸価<5)温度を維持する。その後6.66kPa(50mmHg)の圧力に達するまで容器内の圧力を徐々に低下させ、温度と圧力をさらに2時間維持する。その後、系を冷却して、圧力を大気圧まで戻し、目的のエステルアミン(生成物G)、未反応アミン及び未反応二酸を含む透明なオレンジ/褐色液体の粗反応生成物2413.9gを回収する。

[実施例8:生成物Hの合成(本発明による)] 実施例5で得たエステルアミン生成物E 2040g及びイソプロピルアルコール600gを、6Lのガラス反応器に導入する。容器内の圧力が290kPaに達するまで塩化メチルを加える。完全な反応が起こるまで、温度を80℃〜85℃に維持する。総アルカリ度値が0.2当量/g以下であれば完全反応が得られる。次いで、反応器を65℃まで冷却し、圧力を大気圧に戻す。2時間の間混合物中で窒素をバブリングしてから、12.9重量%のイソプロピルアルコールを含む褐色の粗反応生成物(生成物H)2396.7gを回収する。

[実施例9:生成物I〜Rの合成(本発明による)] 実施例1と全く同じ方法に従い、表1に示した化合物から出発して、次の生成物を調製した。

NoxS5は、Arkema社によって商品名Noramox(R) S5の下で供給されるエトキシル化獣脂アミン(5OE)の略称である。 NoxS2は、Arkema社によって商品名Noramox(R) S2の下で供給されるエトキシル化獣脂アミン(2OE)の略称である。 NoxS11は、Arkema社によって商品名Noramox(R) S11の下で供給されるエトキシル化獣脂アミン(11OE)の略称である。 NoxC5は、Arkema社によってNoramox(R) C5の商標名で提供されるエトキシル化コココアミン(5OE)の略称である。 MDEAは、Taminco社によって供給されるメチルジエタノールアミン(>99%)の略称である。 TEAは、Taminco社によって供給されるトリエタノールアミン(>99%)の略称である。 MDEAは、Taminco社によって供給されるメチルジエタノールアミン(>99%)の略称である。 MDEA 5OEは実施例5で説明したように調製する。 Ac.Ad.はアジピン酸の略称であり、Anh.Succ.は無水コハク酸の略称であり、Anh.Male.は無水マレイン酸の略称である。

[実施例10:生成物S〜ABの合成(本発明による)] 実施例3と全く同じ方法に従い、製品I〜Rのクロロメチル第四級アンモニウム誘導体を、表2に示した化合物から出発して調製した。

<3 浮選試験> 4dm3容量のガラスセルを用いて、1600rpmの攪拌下で、円錐形ガス処理攪拌機を備えたOutotec実験室浮選セルにおいて、全てのフロス浮選試験を室温(20±2℃)で実施した。浮選機に添加した白色顔料及び不純物含有材料の水性懸濁液の固体含量は、乾燥重量で33%であり、白色顔料及び不純物含有材料は、起源の異なる堆積性大理石岩堆積物から供給され、すでに浮選処理を実施した。使用した水は、各局所浮選法からの初期のタブ(tab)水であった。

次いで、空気からなる浮選気体を、約2dm3/分の速度で撹拌機の軸に沿って位置する開口部から導入した。

懸濁液の表面にできた泡は、もはや泡が採取できなくなるまで溢流とすくい取りによって懸濁液から分離し、残りの懸濁液と回収した泡の両方を脱水し乾燥させて、炭素分率決定のような物質収支及び品質分析のための2つの濃縮液を形成した。

比較例には「CA」を、発明例には「IN」を付す。比較例では、BASFから商標Lupromin FP 18 ASの下で市販されている、既知の捕収剤を使用する。発明例では、実施例2で調製された捕収剤Bを使用する。

[試験1:HCL不純物及び輝度の結果] 試験1及び2では、オーストリアのグメルン大理石堆積物からの白色顔料及び不純物含有材料を選択する。この材料はHCl不溶物決定により決定した2.3重量%の不純物を含む。この材料を破砕し、23μmの中央粉砕サイズd50に予備粉砕する。この材料を上記方法に従って処理する。試験データを以下の表3及び表4にまとめる。

表3及び表4の試験1及び2の結果からわかるように、白色顔料含有製品を製造するための本発明の方法は、水性懸濁液内で少量の捕収剤でも良好な結果(白色顔料含有製品中の不純物の量が少なく、Tappi輝度の値が高い)を示す。

上記のように試験番号1及び2で浮選試験後に得られた製品の品質を調べるために、輝度を測定した。

その結果、本発明による捕収剤が所望の輝度を示すことが確認された。上記表4に示す結果により本発明による捕収剤の性能が確認される。

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