【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、静電気を用いて塵を収集する集塵器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の静電気を用いた集塵具は、静電気を帯び易い材質からなる繊維又はプラスチックのフィラメントを束にした集塵体をプラスチックの柄に取付けたものが用いられていた。 このような集塵具は、使用の際、集塵体と被清掃面の摩擦により、集塵体を帯電させほこりを吸着する作用を有するものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の集塵具においては、集塵体の材質と被清掃面の材質がファラデーの帯電列において十分離れていないケースがほとんどであり、 十分な静電気が得られないという問題点があった。 【0004】又、摩擦静電気は相当強くこすらないと十分な電気が得られず、通常の清掃ではごく軽い摩擦であるので実用的に十分な吸着力は得られなかった。 一方、 真空を用いた清掃機は、乾電池程度では十分な吸引力が得られず、消費電力も多く、騒音も大きいという問題があった。 本発明は、以上のような問題点を解決し、どんな被清掃面であっても強力な集塵力を有する電気集塵器を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、静電気を利用した電気集塵器において、把持部、集塵部、高電圧発生部を設け、前記把持部、集塵部側に配置した誘電極と前記高電圧発生部の高圧電極の両極とを電気的に接続したことを特徴とする電気集塵器。 【0006】 【作用】本発明の電気集塵器によると、高電圧発生部において発生した高圧電気が、把持部、集塵部側に配置された誘電極に印荷され、静電誘導により把持部と集塵部間に高電圧が誘起される。 把持部は人体によりアース電位に保持されるので、集塵部に高電圧が維持され、吸塵力を発生することができる。 【0007】 【実施例】図1により、第1の実施例を説明する。 1は本発明の集塵器である。 2は把持部、3は集塵部である。 把持部2はプラスチック等の絶縁体で作られた容器20からなり、その内面には電気的良導体で作られた誘電極8が配置される。 【0008】集塵部3は、芯部10が絶縁体で作られ、 その内部には、導体で作られた誘電極9が配置される。 容器20内部には、電池4、高電圧発生部5が、表面にはスイッチ6,38が設けられる。 誘電極8,9には、 高電圧発生部5の高圧電極がスイッチ38を介して接続されている。 集塵部3の芯部10にはプラスチックのフィラメント又は繊維の束からなる集塵体12を植えこんだプラスチック又は繊維の袋体13がかぶせられている。 袋体13を用いることにより、集塵体12の交換作業を容易とすることができる。 【0009】誘電極8,9に高電圧が印荷されると、静電誘導により、集塵部3に高電圧が誘起され、集塵体1 2が高電圧に帯電し、塵を吸着することができる。 なお、把持部2は人が手で持つため、電位はアース電位近くの低電位に保持される。 【0010】図2は、本実施例の回路図である。 31は発振部であり、トランジスタ32、トランス33、抵抗34を用いて発振回路を構成し、電池4の直流電圧を交流に変換すると同時にトランス33でコイルの巻数に比例して昇圧する。 35は、ダイオード36、コンデンサー37により構成した昇圧回路である。 本昇圧回路をN 段で構成するとトランスの出力をN倍に昇圧することができる。 【0011】スイッチ38はスイッチ6と連動しており、c位置では電源ONとなり、誘電極8,9間に高電圧が印荷され、吸塵する。 b位置では、電源はOFFとなるが、コンデンサー37に蓄積された電荷により、誘電極8,9間に電位差が残り、吸塵状態が保持される。 a位置では、誘電極8,9間が短絡されるので電位差は0となり、吸塵作用が消滅する。 すなわち本スイッチにより塵の吸着、開放を自由にコントロールすることができる。 特にb位置では電源OFFでしばらく吸塵状態を保持することができ、電池の消耗を少なくすることが可能となる。 【0012】本電気集塵器は、外周部を絶縁体で構成しているので電気ショック等の人体への危険はない。 万一、容器が壊れる等の故障で外部へ電気が漏れたとしても、両極同時に故障しなければ人体へ電気が流れずショックを感じることはない。 両極が同時に故障するようなケースでは、高電圧発生機構そのものが壊れてしまうことが予想され、危険は皆無といってよいと考えられる。 最悪このようなケースがあったとしても、電流が微弱であるので人体に危険を及ぼす心配はない。 【0013】図3は、他の実施例であり、モーター40 のシャフト41に連結された円板42に接する摩擦体4 3により、摩擦電気を発生させ、高電圧発生部としている。 【0014】 【発明の効果】本発明によると、強力な吸塵効果を有する電気集塵器を提供することができる。 スイッチをO N,OFFすることにより塵の吸着、開放を自由にコントロールすることができ、清掃により吸着した塵を、ゴミ箱で開放する作業が容易にできるようになった。 又、 真空掃除器に比較し、消費電力が少なく騒音を出さないという利点を有する。 【図面の簡単な説明】 【図1】一実施例を示す縦断面図である。 【図2】図1の回路図である。 【図3】他の実施例を示す、縦断面図である。 【符号の説明】 (1)は電気集塵器 (2)は把持部 (3)は集塵部 (4)は電池 (5)は高電圧発生部 (6)はスイッチ (8)は誘電極 (9)は誘電極 (10)は集塵体の芯部 (12)は集塵体 |