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Method for assaying endocrine disruptor

阅读:671发布:2020-09-30

专利汇可以提供Method for assaying endocrine disruptor专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for selectively and sensitively assaying endocrine disruptors(EDC)s. SOLUTION: This is a method for assaying EDCs using mRNA of a gene whose expression is induced by the action of EDCs as an index. The nature that mRNA can be amplified allows sensitively assaying EDCs even at a low concentration which can not be determined by the conventional method. In addition, specific assay might be possible if a marker gene specific to a hormone-like activity is used.,下面是Method for assaying endocrine disruptor专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】生細胞に試料を接触させ、内分泌かく乱物質の作用によって誘導されるmRNAを測定することを特徴とする試料中に含まれる内分泌かく乱物質の測定方法。
  • 【請求項2】生細胞が酵母細胞である請求項1に記載の測定方法。
  • 【請求項3】測定すべきmRNAを増幅する工程を含む請求項1に記載の測定方法。
  • 【請求項4】増幅産物を表面プラズモン共鳴によって検出する請求項3に記載の測定方法。
  • 【請求項5】次の要素を含む内分泌かく乱物質の測定用キット。 a)内分泌かく乱物質の作用によって特定のmRNAを発現する生細胞 b)生細胞を培養するための培地 c)mRNAを検出するための試薬
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、内分泌かく乱物質の測定方法に関する。 特に、内分泌かく乱物質の生体に及ぼす影響の大きさを評価することができる、測定方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】内分泌かく乱物質は、EDCs(Endcrine di
    srupting chemicals)とも呼ばれる化合物の総称である。 「生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関する種々の生体ホルモンの合成、分泌、体内輸送、受容体結合、そしてそのホルモン作用あるいはホルモンそのもの、あるいはクリアランスなどの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質」と定義されている(1997年、スミソニアンワークショップ)。 また世界保健機構化学物質安全計画(WHO/IPCS)では、「内分泌系に変化を与え、無処置の生物もしくはその後世代に、障害性の健康影響を与える外来性物質またはその混合物」と定義している(1999年3月;内分泌かくらん作用が疑われる化学物質の生体影響データ集、東京都立衛生研究所・毒性部)。 何らかの実験的な検出法でホルモン様の活性を検出することができる化合物は、殺虫剤や除草剤などの農薬、合成樹脂用の可塑剤のような工業用化学物質、あるいは植物に由来する天然の化合物など、多岐にわたる。 経口避妊薬であるピルでさえも、自然環境中に放出されればEDCs
    と言うことができる。

    【0003】EDCsが生体に与える影響については、多くの報告があるが、きわめて低い濃度であってもホルモン様の活性を示してしまうことが最大の問題点として指摘されている。 特に農薬や可塑剤のような化学物質においては、これまで急性毒性や慢性毒性を示さないと考えられていた低い濃度でホルモン様活性を示すものが報告されるようになっている。 そのため、各種のクロマトグラフィーなどによる化学的な検出方法では、ホルモン様活性を示すレベルの化合物の検出が不可能となるケースも少なからず生じている。

    【0004】検出が困難な化合物では、曝露許容基準の設定さえ困難となってしまう。 たとえば多様なホルモンによって分化が制御されている発生段階では、ホルモンに対する感受性が著しく高まっており、結果的にEDCsの影響を受けやすくなっていると言われている。 したがって発生段階におけるEDCsの曝露許容基準は、たいへん低い濃度となるが、それを検出することができなければ、
    基準の設定そのものが無意味になってしまう。

    【0005】これらの問題点を解消するための取り組みの一つとして、化学的な検出方法に代えて、生物の応答を利用したバイオアッセイが提案されている。 エストロゲン様活性を検出するためのラット子宮肥大試験は、代表的なバイオアッセイの一つである。 正常な状態ではフィードバック機能が働いているために外来性のホルモン様活性を子宮の形態学的な変化を指標として検出することは容易ではない。 しかし卵巣の摘出などによってフィードバック機構の一部を破壊しておけば、外来性のエストロゲン様活性を子宮肥大として鋭敏にとらえることができる。 ただしこの方法は、一定の期間ラットを飼育しなければならないため迅速性に欠ける。 また検出結果が、感受性や子宮形状の個体差に影響されやすいという問題点もある。

    【0006】エストロゲン様活性の検出方法としては、
    ラットのほかに、エストロゲン受容体を発現している酵母を利用する方法も公知である。 しかしこの方法に用いる酵母は、受容体を発現する遺伝子と、応答遺伝子とで形質転換した特殊なものである。 この方法は応答遺伝子の発現を指標としていることから、必ずしも十分な再現性で必要な感度を得られない心配があった。 酵母に代えてエストロゲン受容体を発現する培養がん細胞株を利用する方法も知られている。 この方法ではエストロゲン活性による細胞増殖が指標となるため、培養条件を厳密に制御しなければ高感度な検出は望めない。 このような背景から、簡便な操作によって十分な感度と再現性を期待することができるEDCsの検出方法が必要とされている。

    【0007】更にいずれの方法にも共通する課題として、その原理上、他のホルモン様活性の評価には応用しにくいことが挙げられる。 特にエストロゲンレセプター遺伝子を導入した形質転換細胞のような特殊な細胞は、
    検出すべきホルモン様活性ごとに作成する必要がある。
    したがって、様々なホルモン様活性にも容易に対応でき、しかも高感度なEDCsの測定方法が求められている。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、EDCsの高感度な検出方法の提供を課題とする。 より具体的には、試料が有するホルモン様活性を特異的に、あるいは必要に応じて総合的に、しかも高い感度で検出することができる方法の提供が本発明の課題である。

    【0009】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、化学的な検出方法ではなく、化合物との接触によって生物に誘導される物質を観察することにより、生物に対する影響を総合的に把握することができるのではないかと考えた。
    しかし、ホルモン様活性によって誘導される物質は、一般にはごく微量である。 したがって、EDCsを高い感度で検出するには、より高い感度で検出することができる物質を指標として選択する必要があった。 本発明者らは、
    EDCsによる生物に対するストレスを高い感度で反映する物質について探索した結果、mRNAが1細胞当たりコピー数が多く、しかも酵素的な増幅反応を利用しうる点で高感度な検出に好適であることを見出し、本発明を完成した。 すなわち本発明は、以下の内分泌かく乱物質の測定方法に関する。 〔1〕生細胞に試料を接触させ、内分泌かく乱物質の作用によって誘導されるmRNAを測定することを特徴とする試料中に含まれる内分泌かく乱物質の測定方法。 〔2〕生細胞が酵母細胞である〔1〕に記載の測定方法。 〔3〕測定すべきmRNAを増幅する工程を含む〔1〕に記載の測定方法。 〔4〕増幅産物を表面プラズモン共鳴によって検出する〔3〕に記載の測定方法。 〔5〕次の要素を含む内分泌かく乱物質の測定用キット。 a)内分泌かく乱物質の作用によって特定のmRNAを発現する生細胞 b)生細胞を培養するための培地 c)mRNAを検出するための試薬

    【0010】

    【発明の実施の形態】本発明は、生細胞へのEDCsの添加によって発現が誘導される遺伝子のmRNAを検出することにより、EDCsを測定することを特徴する。 本発明において、EDCsの添加によって発現が誘導される遺伝子を、以下マーカー遺伝子と記載する。 マーカー遺伝子は、もともとその細胞が備えているものであっても良いし、人為的に導入することもできる。 本発明において利用可能なマーカー遺伝子としては、通常は発現しておらず、EDCs
    の添加によって初めて大量に誘導されるものが望ましい。 このような遺伝子をマーカー遺伝子とすることによって、バックグランドノイズを小さくすることができ、
    高感度な測定が期待できる。 また本発明のマーカー遺伝子は、複雑な制御下になく、単に転写が促進されるだけであるものが好ましい。 単純な転写系であれば、EDCsの作用をマーカー遺伝子の発現レベルの変化として、より鋭敏にとらえることができる。 また培養条件などの外的な要因の影響を受けにくい検出系とすることができる。

    【0011】本発明に有用なマーカー遺伝子は、正常細胞と、検出すべき活性を持つEDCsで処理した細胞との間で発現レベルに違いの有る遺伝子を選択することによって決定することができる。 発現レベルの相違に基づく遺伝子の単離方法としては、たとえばディファレンシャルディスプレーや、サブトラクション法を用いることができる。 EDCsの作用によって誘導される遺伝子はいくつか知られているので、公知の遺伝子をマーカー遺伝子として利用することもできる。 以下に、EDCsの活性の種類と、その検出に利用できるマーカー遺伝子の組み合わせを例示する。

    【0012】たとえばヒトの乳がん細胞では、アデノシンデアミナーゼ(ADA)遺伝子(GenBank Accession#:M1379
    2)遺伝子が、エストロゲンである17β-エストラジオール(estradiol)によって発現を誘導される(Xie W. et a
    l. Endocrinology Vol.140, 219-227, 1999)。 またヒトの乳がん細胞や子宮がん細胞では、HMG1(high mobility
    group 1)遺伝子(GenBank Accession#:U51677)が、エストロゲンによって発現を誘導される(Chau KY et al.
    Exp. Cell Res. Vol.241, 269-272, 1998)。 これらの遺伝子は、10nM以下という極めて低いEDCs濃度でも誘導されるので、感度と特異性に優れるエストロゲン様作用マーカー遺伝子として利用することができる。 これらの公知の遺伝子のみならず、エストロゲン様活性によって誘導される遺伝子であれば、いずれも本発明のマーカー遺伝子として利用することができる。 エストロゲン様活性を示すEDCsには、アトラジン、ビスフェノールA、
    ノニルフェノール、DDT(1,1-Bis(4-chlorophenyl)-2,2,
    2-trichloroethane,)、DDE(2,2-Bis(4-chlorophenyl)-
    1,1-dichloroethylene)、DDD(2,2-Bis(4-chlorophenyl)
    -1,1-dichloroethane,)、2,4-D(2,4-dichlorophenol)、
    あるいはジクロロフェノキシ酪酸等を示すことができる。

    【0013】また、EDCsとして知られるPCB(ポリ塩素化ビフェニル;polychlorinated biphenyl)が、 Pseudo
    monas属細菌においてビフェニル/PCB分解遺伝子の発現を誘導することが知られている。 さらに、同じくEDCsとして知られる多環式芳香族炭化素(polycyclic aromat
    ic hydrocarbons)は、 Phanerochaete chrysosporiumにおいてマンガンペルオキシダーゼ(MnP)遺伝子の発現を誘導することが知られている(Bogan BW et al. App
    l. Environ. Microbiol. Vol.62, 2381-2386, 1996)。
    従って、これらの遺伝子をマーカー遺伝子として利用することにより、PCBや多環式芳香族炭化水素の測定が可能である。

    【0014】本発明においては、これらの公知の組み合わせに限らず、エストロゲン様活性、甲状腺ホルモン様活性、あるいは副甲状腺ホルモン様活性など、検出すべき活性や物質に合わせてマーカー遺伝子を選択することができる。 このように、本発明は、マーカー遺伝子を選択することにより幅広いEDCsの測定に応用することができる。 すなわち、あるホルモン様活性に特異的なマーカー遺伝子を指標とすれば、その活性を示す全てのEDCsを測定できる。 さらに本発明により、未知の物質についても、指標とするmRNAを誘導するホルモン様活性があるか否かを、判定することもできる。

    【0015】一方、酵母においては、EDCsのような化学物質によるストレスに対してP450が防御タンパク質として誘導されることが知られている。 したがって、P450の
    mRNAを検出することにより、幅広くEDCsのホルモン様活性を測定することができる。 このように、本発明は、特定のホルモン様活性に限らず、生細胞に対するストレスを総合的に、しかも高い感度で測定するための手法としても有用である。 たとえばアトラジンは、酵母のP450遺伝子の発現を誘導することが知られている。 EDCsには、
    1つの化合物が複数のホルモン様活性を示すことが少なからず観察される。 たとえばトリアジン系除草剤であるアトラジン(atrazine)は、エストロゲン受容体への結合活性を持つ(Environ Health Perspect, 104(12), 1318-
    22, 1996)と同時に、エストロゲン受容体への結合活性を備えている(Environ Health Perspect, 105(3), 294-
    301, 1997)ことも報告されている。 ある化合物のEDCsとしての側面を正しく把握するために、生物に対して与えるストレスを総合的に、しかも高い感度で把握することができる指標は有用である。 P450のようなストレス応答性のマーカー遺伝子との組み合わせによって、特定のホルモン様活性を一面的にとらえるのではなく、化合物による生体への影響を総合的に把握することが可能となる。

    【0016】本発明における生細胞は、EDCsに応答する遺伝子を有する細胞、もしくはEDCsへの応答に関与する遺伝子群を容易に導入できる細胞であって、EDCsの添加により特定の遺伝子の発現が誘導されるものであれば、
    任意の細胞を利用することができる。 すなわち、もともとマーカー遺伝子となる遺伝子を供える細胞、あるいはマーカー遺伝子の転写系を形質転換した細胞が用いられる。 本発明では、mRNAを指標とすることから、mRNAの抽出が容易な細胞であることが望ましい。

    【0017】本発明における好適な生細胞として、たとえば酵母が挙げられる。 酵母は化学物質による刺激に鋭敏に応答する代表的な生物の一つである。 また酵母では遺伝子操作の手法が確立されているため、マーカー遺伝子の転写系の導入も容易である。 具体的には、遺伝子操作によって、細胞表面やその内部に測定対象のEDCsに対するレセプターを大量に発現させるとともに、このレセプターへの刺激に基づいて活性化される転写系を導入しておくことによって、目的とするホルモン様活性に選択的、高感度な検出が可能になる。

    【0018】たとえば、YES(Yeast Estrogen Screen)と呼ばれる検出系(Arnold SF. et al.Environ.Health Per
    spectives.104(5),544-548.1996)を本発明に応用することができる。 このシステムは、エストロゲン受容体(ER)
    をコードする遺伝子に、2つのERE(Estrogen Response
    Elements)とlacZを連結してベクターに挿入したベクターを、酵母に形質転換して用いる。 EREはERのDNA結合部位、lacZはレポーター遺伝子である。 エストラジオール等のエストロゲン活性を持つ化合物が与えられると、ER
    を介してシグナルが伝達され、lacZが転写されてレポーター遺伝子の産物であるβガラクトシダーゼが分泌される。 培地に発色基質が存在すれば、βガラクトシダーゼの分泌を色の変化としてとらえることが可能である。 YE
    Sを本発明に応用する場合には、レポーター遺伝子の発現は、酵素活性ではなくmRNAをマーカーとして検出することになる。 同様にアンドロゲン等のホルモン受容体をコードする遺伝子と、そのDNA結合部位を適当なレポーター遺伝子と連結したベクターを用いれば、必要なホルモン活性を検出するための形質転換体を得ることができる。 本発明においては、mRNAを指標としていることから、レポーター遺伝子は必ずしもβガラクトシダーゼのような酵素活性を持つタンパク質をコードする遺伝子である必要は無い。 宿主とする微生物が本来備えていない遺伝子、あるいは通常の条件では発現することの無い遺伝子であって、宿主の生存に影響を与えないものであればいずれの遺伝子であっても利用することができる。

    【0019】酵母の他、ヒトのがん細胞を生細胞として利用することができる。 ヒトに由来することから、ヒトと同じ応答を示すと考えられるので、ヒトに対する影響をより正確に評価することができる。 がん細胞としては、たとえばヒト乳がん細胞MCF-7などを挙げることができる。 乳がん細胞はエストロゲン様活性に応答してAD
    Aを発現することから、そのmRNAを指標とすることによってエストロゲン様活性を高い感度で検出することができる。 ヒトのがん細胞を用いる場合においては、培養条件をヒト細胞に好適な条件とする他は酵母と同様の操作によってmRNAの検出を行うことができる。 更に、ヒト以外の哺乳動物細胞においても、これらの遺伝子のホモログをマーカーとして同様の検出系を構成することができる。

    【0020】EDCsが内分泌かく乱作用を生物に及ぼす濃度は、ppb〜ppmといった非常に低濃度であると言われている。 本発明において指標とするmRNAは、細胞中のコピー数も多いうえに、RT-PCRやNASBA法によって増幅することができる。 mRNAを指標とすることによって、高度な増幅が可能となり、検出の際の感度の上昇が期待できる。 mRNAを検出することにより、EDCsを高感度に測定することは、本発明の大きな特徴である。 下記の実施例で示すように、pptレベルの濃度のEDCsを検出することが可能であることから、本発明は、実用性を伴った、非常に高感度なEDCs測定法といえる。 したがって本発明によれば、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーでは検知することが難しい低濃度のEDCsを検出することができる。 現在、化学物質の高感度な検出方法として一般に広く利用されているGC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分析装置)を用いても、通常の条件ではppb
    レベルの化学物質の検出が限界とされている。

    【0021】本発明においてEDCsの指標となるmRNAは、
    公知の方法によって測定することができる。 一般的なmR
    NAの測定方法はmRNAの抽出と増幅によって行われる。 mR
    NAの抽出は、測定に用いる生細胞に合った手法を用いれば良い。 たとえば、グアニジンイソチオシアネート−塩化セシウム法[Chirwin, et al. Biochemistry 18, 529
    4 (1979)]、デオキシリボヌクレアーゼ存在下に界面活性剤処理、フェノール処理を行なう方法[Berger&Birke
    nmeier, Biochemistry 18, 5143 (1979)]などを用いて
    mRNAを調製することができる。

    【0022】mRNAを酵素的に増幅することにより、本発明の測定感度を飛躍的に上昇させることができる。 mRNA
    の酵素的な核酸の増幅は、公知の増幅反応により行うことができる。 具体的には、逆転写酵素等のRNA依存性のD
    NAポリメラーゼ、TaqポリメラーゼのようなDNA依存性DN
    Aポリメラーゼ、T7RNAポリメラーゼのようなDNA依存性のRNAポリメラーゼ、といった酵素を利用した、増幅反応である。 特に逆転写酵素を利用したRT-PCRは、感度の面でも、特異性の面でも高く評価され、現在多くの研究施設、あるいは検査施設において広く実施されている代表的なmRNAの増幅反応である。

    【0023】更に、本発明はNASBA(Nucleic Acid Seque
    nce-based Amplification、TMA/Transcription Mediate
    d Amplification法とも呼ばれる)などのRNAポリメラーゼを利用した増幅反応の応用も可能である。 NASBAは、
    標的RNAを鋳型としてT7プロモーターを付加したプライマーでDNAポリメラーゼによるDNA合成を行い、これを更に第2のプライマーで2本鎖とし、生成する2本鎖DNA
    を鋳型としてT7RNAポリメラーゼによる転写を行わせて多量のRNAを増幅する反応系である(Compton J. Nature
    Vol.350 ,91-92, 1991)。

    【0024】mRNAの増幅生成物は、公知の方法、例えば増幅生成物がRNAの場合はノーザンハイブリダイゼーション法、または増幅生成物がDNAの場合はサザンハイブリダイゼーション法により検出することができる。 あるいは蛍光標識プローブと増幅生成物のハイブリダイゼーションに基づく蛍光偏光度の変化を測定することによって検出することもできる。

    【0025】この他、表面プラズモン共鳴(SPR)センサーを利用することにより、更に高感度な検出も可能である。 表面プラズモン共鳴(SPR)センサーは金属薄膜近傍の媒質の屈折率の変化を測定することにより、生体分子の相互作用を測定する技術として知られている。 SPR
    は、表面プラズモンが金属/液体界面(センサー表面)
    で励起した場合に起こり、試料と接触していない表面の側に光を当てて、そこから光を反射させると、SPRによって特定の組み合わせの度および波長で反射光強度が低下する(SPRシグナル発生)。 センサー表面に結合した分子により、表面層近くでの屈折率に変化が生じ、それがSPRシグナルの変化として検出される。 生体分子の相互作用により、屈折率とSPRシグナルにさらなる変化が生じ、このシグナルの変化を検出することにより、生体分子の相互作用を測定することができる。 本発明におけるmRNAの測定では、目的のmRNAに相補的な配列を有するDNAプローブを、チップ上に固定化することにより、D
    NAプローブと相互作用するmRNAの量を、SPRシグナルの変化によって測定することができる。 また、目的のmRNA
    をRT-PCR等の方法により増幅させて生じるDNA産物の検出の場合は、変性させた後、これに相補的な配列のDNA
    プローブをチップに固定化することにより、同様にして測定することができる。 チップ上にDNAプローブを固定化する方法としては、アビジン‐ビオチン反応を利用することができるが、これに限定されない。

    【0026】さらに本発明は、本発明によるEDCsを測定するための、次の要素を含むキットをも提供する。 a)内分泌かく乱物質の作用によって特定のmRNAを発現する生細胞 b)生細胞を培養するための培地 c)mRNAを検出するための試薬

    【0027】生細胞が酵母の場合は、培養するための培地として炭素源、窒素源、無機イオン、さらに必要に応じ有機栄養素を含有する通常の培地が使用できる。 炭素源としては、資化可能な炭素化合物またはこれを含有するものであればよく、例えば、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マンノース、シュクロース、デンプン加水分解物、果汁、セルロース分解物などの炭水化物が挙げられる。 窒素源としては、資化可能な窒素化合物またはこれを含有するものであればよく、例えば、硫酸アンモニウム、カザミノ酸、ペプトンなどが使用される。 また、無機塩類としては、例えば、リン酸、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅、カルシウム等が、適宜使用できる。 また、必要に応じアミノ酸、
    ビタミン類などを培地に添加して用いることができる。

    【0028】mRNAを検出するための試薬としては、mRNA
    を増幅するための酵素、プライマー、および目的のmRNA
    に相補的な配列を有する核酸プローブが挙げられる。 例えば酵素としては、上記の逆転写酵素、Taqポリメラーゼ、T7RNAポリメラーゼを使用することができる。 プライマーおよび核酸プローブに利用するオリゴヌクレオチドは、少なくとも15塩基、好適には25-50塩基の長さとするのが望ましい。 また、オリゴヌクレオチドに適当な標識を付加すれば、さまざまなフォーマットのハイブリダイゼーション、およびSPRセンサーに利用することができる。 以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

    【0029】

    【実施例】使用する生細胞を酵母、指標とする遺伝子マーカーをP450遺伝子として、EDCsであるアトラジンの測定を行った。

    【0030】〔実施例1〕アトラジン添加によって誘導されるP450 mRNAのノーザンハイブリダイゼーションによる検出 (1) アトラジンの調製 アトラジン5 mgを1 mlのメタノールに溶解し、40μlを取り、200 mlの培養液に添加して濃度を1 ppmとした。
    培養液には、DIFCO Bacto YM BROTHを用いた。 YM BROTHの組成: 酵母エキストラクト 14.3% 麦芽エキストラクト 14.3% ペプトン 23.8% デキストロース 47.6% さらにこれを同じ培養液で希釈して、0.1 ppm、10 pp
    b、1 ppb、100 ppt、10ppt、および1 pptのアトラジンを含む培養液を調製した。 各濃度のアトラジンを含む培養液で菌体の本培養を行い、菌体に与えるアトラジンの影響を調べた。

    【0031】(2) 酵母(Saccharomyces cerevisiae)
    の培養および洗浄 前培養として50 mlの培養液を調製し、0.4 gのDry yeas
    t (Saccharomyces cerevisiae)を加え、37℃で8時間培養した。 次に、各濃度のアトラジンを添加した200 ml培養液へ、前培養を行った菌体(1.6×10 6 cells/ml) 1 ml
    を接種し、37℃で一晩(約10時間)本培養を行った。 本培養終了後、培養物を遠心チューブ(50 ml)に分注し、8
    000 g、10分間遠心した後、0.1 Mリン酸緩衝液(pH7.0)
    で、菌体を洗浄した。 洗浄は3回行った。

    【0032】(3) 酵母からのRNAの調製 ISOGEN(ニッポンジーン製)は、フェノールチオシアン酸グアニジンを含む均一な液体である。 酵母細胞にISOG
    ENを加えてホモジェナイズし、クロロホルムを加えて遠心分離すると水相、有機相および中間相の3相に分離する。 RNAは水相として回収される。 以下に具体的な操作を述べる。 (2)の操作にしたがって洗浄した細胞(5-1
    0×10 6 cells)に、0.8 mlのISOGENを加え、4℃で5分間静置した。 これに0.2 mlクロロホルムを加え、30秒間、
    激しく振盪した後、4℃で5分間静置した後、12000 x
    g、4℃で15分間遠心した。 水相を分取し、そこに0.8 ml
    のイソプロパノールを加え、4℃で30分間静置した後、1
    2000 xg、4℃で15分間遠心した。 沈澱物に、1 mlの75%
    エタノールを加え、さらに7.5K xg、4℃で5分間遠心した。 沈澱物を乾燥させた後、滅菌した蒸留水に溶解し、
    全RNA溶液とした。

    【0033】(4) ノーザンブロット法 (a)変性ゲルで泳動 抽出されたRNAを変性ゲルを用い、電気泳動するため、
    以下のようにゲルを調製した。 アガロース(SEAKEM GTG agarose) 0.3 g DEPC水 22 ml を電子レンジで融解させる。 その後、 ホルムアルデヒド 5.4 ml 10 x MOPS 3 ml を加え、よく混ぜてトレイに流し込んで固化させた。 サンプルは以下のように調製した。 全RNA 10〜20μg 2.25μl 10 x MOPS 1μl ホルムアミド 5μl ホルムアルデヒド 1.75 μl

    【0034】これを65℃で10分間加熱し、氷中で急冷後、2μlのローディングバッファーを加えてスピンダウンした。 その後、ゲルを泳動槽にセットし、1×MOPSバッファーを電解液として用い、電気泳動を行った。 泳動後、ゲルの写真を撮った(図1)。 各レーンは以下の通りである。 レーンM: RNAマーカー レーン1: 酵母のRNA レーン2: 1 ppmアトラジンを添加した酵母のRNA レーン3: 100 ppmアトラジンを添加した酵母のRNA レーン4: 200 ppmアトラジンを添加した酵母のRNA レーン5: 1 mlメタノールを添加した酵母のRNA トレイに移して100〜200 mlの10×SSCに15分間×2回浸して、ゆっくり攪拌した。 ゲルと同じ大きさのメンブレンフィルター、ワットマン3MM濾紙を用意し、真空ポンプにより、ゲルから濾紙に転写させた。 転写終了後は、
    メンブランをゲルから取る前に、鉛筆を用いて裏表を書き込んだ。 その後、メンブランを風乾させた。 風乾後、
    さらに紫外線を2分間照射した。

    【0035】(b)プレハイブリダイゼーション RNAが転写されたHybond TM -N膜(アマシャムファルマシアバイオテク製)をシールドバックに入れ、10-25 mlのハイブリダイゼーション溶液に入れた。 これを42℃で最低4時間プレハイブリダイゼーションを行った。

    【0036】(c)ハイブリダイゼーション シールドバックからメンブレンを取り出し、あらたにシールドバックに入れ、ハイブリダイゼーション溶液を入れた。 先に作成したDIGラベリング済みのプローブを再び熱変性(95℃)した後、ここに加えた。 プローブには、配列番号:1および配列番号:2からなるプライマーでP450遺伝子断片をPCRで増幅したものを用いた。 その後、42℃で最低6時間、ハイブリダイゼーションさせた。 ハイブリダイゼーションを終了した後、メンブランを洗浄してジゴキシン標識を検出した。

    【0037】(d)膜の洗浄 ハイブリダイゼーションの終わったメンブレンは次の
    A), B)液で洗浄した。 A) 2×SSC, SDS 0.1% B) 0.1×SSC, SDS 0.1% (68℃に予め保っておく。) まず、80 mlのA)液を加え、室温で5分間、この操作を2
    回行い洗浄した。 次に、同量のB)液を加え、68℃で15分間、この操作を2回行い洗浄した。

    【0038】(e)検出 洗浄バッファーで膜を1-5分間洗浄し、80 mlのバッファー2で30分間静置し、インキュベーションした。 10 ml
    のバッファー2で1μlの標識抗体(Anti-DIG)を希釈した。 上記のようにして作製した抗体溶液に膜を浸け静置し、30分間インキュベーションした。 80 mlの洗浄バッファーで15分間の操作を2回行い洗浄した。 20 mlのバッファ−3で平衡化し、2〜5分間静置した。 発光基質(CSP
    D)をバッファ−3で1:100に希釈し、発光基質溶液で1〜5分間振盪しながらインキュベーションした。 乾かさずにシールドバックにシールし、37℃で5〜15分間インキュベーションした。

    【0039】試薬の組成: ・バッファ−1 マレイン酸 0.1 M NaCl 0.15 M pH 7.5 (20℃)固体NaOHで調節後オートクレーブ ・BLOCKING STOCK SOLUTION バッファー1 + Tween-20 0.3% (w/v) ・バッファー2 BLOCKING STOCK SOLUTIONをバッファー1で10倍希釈 ・バッファ−3 Tris-HCl 0.1 M NaCl 0.1 M MgCl 2 50 mM pH 9.5 (20℃)に調整 ・ハイブリダイゼーションバッファー ホルムアミド 50% (v/v) blocking reagent 2% (w/v) N-ラウロイルサルコシン 0.1% (w/v) SDS 0.02% (w/v) 最後に5×SSCでメスアップした。

    【0040】(f)X線フィルムに感光 転写させた面を上にしてテープで固定した後、暗室内でX線フィルムをはさみ、しっかり蓋をして約30分間感光させた。 その結果、200 ppmのアトラジンを加えた溶液中で生育した酵母から抽出したRNAに、アルカリホスファターゼと発光基質による発光強度が見られた(図2)。 図2の各レーンは以下の通りである。 レーン1:酵母のRNA レーン2:1 ppmのアトラジンを添加した酵母のRNA レーン3:100 ppmのアトラジンを添加した酵母のRNA レーン4:200 ppmのアトラジンを添加した酵母のRNA レーン5:1 mlのメタノールを添加した酵母のRNA ノーザンハイブリダイゼーションによってmRNAを検出することにより、200 ppmの濃度のアトラジンを測定することができた。

    【0041】〔実施例2〕アトラジン添加によって誘導されるP450 mRNAの、RT-PCRによる増幅産物の検出 RT-PCR法は、RNAを逆転写して得られたcDNAについてPCR
    増幅を行う技術であり、高感度で迅速なRNA解析が可能である。 ここでは、P450遺伝子上に設定した2組のプライマーにより、アトラジンを添加した酵母から抽出した
    RNAを、RT-PCR法により増幅し、増幅産物を検出した。
    酵母の培養液からのmRNAの調製は、実施例1と同様に行った。 RT-PCRは、RT-PCR high-Plus (TOYOBO)を用い、
    以下のように反応液を調製した。 RNase Free H 2 O 19μl 5×Reaction Buffer 10μl 2.5 mM dNTPs 6μl 25 mM Mn(OAc) 2 5μl アンチセンスプライマー 2μl センスプライマー 2μl 10 U/μl RNase Inhibitor 2μl 2.5 U/μl rTth DNA poly 2μl RNA 2μl

    【0042】調製したサンプルをサーマルサイクラーにセットし、以下のプログラムで反応を行った。 1)60℃、30分 2)94℃、2分 3)94℃、1分; 60℃、15分を40サイクル 4)60℃、7分反応終了後、サンプルから10μlを取り、
    2%のアガロースゲルを用い、電気泳動を行った(図3)。 図3の各レーンにおける、添加したアトラジンの量と用いたプライマーの組み合わせは以下の通りである(括弧内の数字は塩基番号を示す)。 (A) 2% Agarose X レーンM: DNAマーカー レーン1: 0.5 ppmアトラジンを添加した酵母のmRN
    A; センス(870-899)、アンチセンス(1065-1046) レーン2: 1 ppmアトラジンを添加した酵母のmRNA;
    センス(870-899)、アンチセンス(1065-1046) レーン3: 0.5 ppmアトラジンを添加した酵母のmRN
    A; センス(87-106)、アンチセンス(338-319) レーン4: 1 ppmアトラジンを添加した酵母のmRNA;
    センス(87-106)、アンチセンス(338-319) 使用したプライマーの塩基配列は以下の通りである。 センス (870 - 899); 5'- TCGTTGGAGAGGCATTGGAA -3'
    (配列番号:1) アンチセンス (1065 - 1046); 5'- TACACAACAGCACTACC
    GAC -3' (配列番号:2) センス (87 - 106); 5'- GGCGGTTGTTTAGAGAGGTT -3'
    (配列番号:3) アンチセンス (338 - 319); 5'- GCGCTTCGTTTGTCTCGTT
    T -3' (配列番号:4) (B) 0.7% Agarose X レーンM: DNAマーカー レーン1:1 ppmアトラジンを添加した酵母のmRNA;
    センス(87-106)、アンチセンス(338-319) 使用したプライマーの組がセンス(870-899)、アンチセンス(1065-1046)の場合には、アトラジン濃度が1 ppmまで検出できた。 0.5 ppmの時は、プライマーの組がセンス(87-106)、アンチセンス(338-319)の場合には、アトラジン濃度が0.5 ppmまで検出することができた。 この結果から、選択したアンチセンスプライマーは、いずれも酵母のmRNAに特異的に反応し、目的の長さに増幅されていることが示された。 このことから、ここで用いたプライマーを用い、mRNAの検出を行うことにした。

    【0043】〔実施例3〕アトラジン添加によって誘導されるP450 mRNAの、表面プラズモン共鳴装置(SPR) (Bi
    acore)による検出 酵母の培養、およびmRNAの抽出は実施例1と同様に行った。 選択したプライマーの中でアンチセンス(1065 - 10
    46)プライマー(配列番号:2)の3'末端にビオチンを修飾したものを合成し、SPRチップにアビジン‐ビオチン反応によって固定化した。 固定化はBiacoreのプログラムにより行った。 その後、アトラジンが添加されなかった条件で培養された菌体を対照とし、アトラジンを加えて培養した菌体から抽出したRNAを用い、mRNAを検出することにより、アトラジンの測定を行った。 この結果、SPRの応答と酵母に添加したアトラジンの濃度との間には、アトラジンの濃度が1 ppm - 10 ppmの間において相関関係が得られた(図4)。 この結果から、mRNAの増幅を行わなくても、抽出したRNAを、直接SPRを使用して検出することにより、1 ppm〜10 ppmの濃度のアトラジンを測定できることが確認できた。

    【0044】〔実施例4〕アトラジン添加によって誘導されるP450 mRNAの、NASBA法による増幅産物の検出 (1) NASBA (Nucleic Acid Sequence Based Amplifi
    cation)法 NASBA法は、RNAを鋳型として、多量のRNA増幅産物を得る方法である。 ここでは、アトラジンを添加した酵母から抽出したRNAを、NASBA法により増幅し、増幅産物の検出を行った。 酵母の培養液からのmRNAの調製は、実施例1と同様に行った。 NASBAにはNASBAAmplification kit
    (TOYOBO)を用いた。 NASBAの反応溶液は、2本の標的特異的プライマーと3種の酵素(AMV reverse transcriptase
    (AMV-RT), RNase H, T7 RNA polymerase)を含んでいる。 一方のプライマーAは5'末端側にT7 RNA polymeras
    eのプロモーターのセンス配列と、3'末端側に標的RNAに相補的な配列を、隣接して持っている。 他方のプライマーBは、プライマーAがプライミングしてできたcDNA鎖に相補的な配列を持っている。 その結果、酵素とプライマーが作用することにより、標的核酸配列が指数的に増幅される。

    【0045】(2) 実験結果 1 ppmになるようにアトラジンを添加したサンプルを用い、NASBA法によりRNAの増幅を行った。 その後、アガロース変性ゲルを作製し、電気泳動により確認を行ったところ、アトラジンを添加したサンプルに対して約150 bp
    付近にバンドが見られたが、アトラジンを添加しなかったサンプルにはバンドが見られなかった(図5)。 図5
    の各レーンは以下の通りである。 レーンM: RNAマーカー レーン1、2: 1 ppmアトラジンを添加した酵母RNA
    を、NASBAによって増幅したRNA レーン3、4: アトラジンを添加しない酵母RNAを、N
    ASBAによって増幅したRNA ここで、様々な濃度のアトラジンを添加したサンプルについてSPRを用い、アトラジン濃度の測定を試みた。

    【0046】(3) SPR (Biacore)を用いたmRNAの検出 SPRを利用することによって、RNA抽出産物をそのまま検出するよりも検出感度が向上した。 すなわち、NASBA法を用い、RNAの量を増加した条件では1ppmから1pptまでのアトラジンの濃度に対して測定が可能であった(図6)。

    【0047】〔実施例5〕アトラジン添加によって誘導されるP450 mRNAのNASBA法による増幅産物のSPRを使った検出 (1)NASBA法によるP450 mRNAの増幅 酵母の培養、およびmRNAの抽出過程は実施例1と同様に行った。 以下のプライマーのセットを用いNASBA法によりRNAを増幅した。 なお下流プライマー1〜4のnは13〜
    16である。 下流プライマー1(5'- (dT)nAC -3')、上流プライマー2(2514-2533)(5'-CACACTCATCCATCTCCAAT -3;配列番号:5) 下流プライマー2(5'- (dT)nCC -3')、上流プライマー4(2770-2789)(5'-CAAGCGGAAATAAAGCAGTC -3';配列番号:6) 下流プライマー3(5'- (dT)nCG -3')、上流プライマー2 (2514-2533) 下流プライマー4(5'- (dT)nGC -3')、上流プライマー4 (2770-2789)

    【0048】(3) SPRによるNASBA増幅産物の検出 アビジン‐ビオチン反応を利用し、チップのpath1には上流プライマー1、path2には上流プライマー4、path3
    には上流プライマー6を修飾し、アトラジンによって誘導されるmRNAの検出を行った。 上記のプライマーセットを用いてNASBAにより増幅したRNAを、サンプルとした。
    このサンプルに含まれる増幅産物を、SPRにより検出した。 図7の各グラフにおける、NASBAに用いたプライマーの組み合わせと、SPRのチップに固定したプローブを以下に示す(括弧内の数字は塩基番号を示す)。 (1)NASBA :下流プライマー1 5'- (dT)nAC -3'、
    上流プライマー2 (2514-2533) SPR: 上流プライマー2 (2514-2533) (2)NASBA :下流プライマー2 5'- (dT)nCC -3'、
    上流プライマー4 (2770-2789) SPR: 上流プライマー4 (2770-2789) (3)NASBA :下流プライマー2 5'- (dT)nCC -3'、
    上流プライマー4 (2770-2789) SPR: 上流プライマー6 (2838-2857) (4)NASBA :下流プライマー3 5'- (dT)nCG -3'、
    上流プライマー2 (2514-2533) SPR: 上流プライマー2 (2514-2533) (5)NASBA :下流プライマー4 5'- (dT)nGC -3'、
    上流プライマー4 (2770-2789) SPR: 上流プライマー4 (2770-2789) (6)NASBA :下流プライマー4 5'- (dT)nGC -3'、
    上流プライマー4 (2770-2789) SPR: 上流プライマー6 (2838-2857) 図7で示すように、いずれのプライマーの組み合わせにおいても、1 pptまでのアトラジンを検出することができた。 特に、増幅に利用したプライマーより内側の配列を固定したチップを用いたときに、高い応答性が観察された(図7 (3), (6))。

    【0049】

    【発明の効果】本発明によれば、EDCsにより発現が誘導されるmRNAを指標としてEDCsの高感度な測定が可能となる。 特にmRNAを増幅することによって、pptレベルの濃度のEDCsを検出できる。 本発明は、このような高い感度を、少ない試料で安価に達成した。 さらに、EDCsにより発現が誘導されるマーカー遺伝子を適宜選択することにより、ホルモン様活性や化合物に選択的な測定が可能である。 あるいは逆に、特定のホルモン様活性のみならず生物に与える化学的なストレスを総合的に反映する遺伝子を選択することによって、生物に対する影響を総合的に評価することができる。 このように、マーカー遺伝子とそれを発現する細胞とを検出の目的に応じて選択することにより、あるホルモン様活性に特異的な検出系であれ、あるいは生物に対するEDCsによるストレスを総合的にとらえることができる検出系であれ、容易に設計できる点が、本発明の大きな特徴である。 いずれの場合も、
    mRNAを指標として利用することによって、高感度な検出系を実現することができる。

    【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Center for Advanced Science and Technology Incubation, Ltd. <120> Method for Measurement of Endcrine Disrupting Chemicals <130> SEN-110 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 1 tcgttggaga ggcattggaa 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 2 tacacaacag cactaccgac 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 3 ggcggttgtt tagagaggtt 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 4 gcgcttcgtt tgtctcgttt 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 5 cacactcatc catctccaat 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 6 caagcggaaa taaagcagtc 20

    【図面の簡単な説明】

    【図1】酵母から抽出したRNAの電気泳動写真。

    【図2】DIGでラベルしたプローブでハイブリダイゼーションし、X線フィルムに感光後、それを現像した写真。

    【図3】選択したプライマーを用いてRT-PCR法により増幅したDNAの電気泳動写真。

    【図4】SPRの応答と酵母に添加したアトラジンの濃度との関係を示す図。 横軸は、アトラジンの濃度(μg/m
    l)、縦軸はSPRの応答(RU)を表す。

    【図5】NASBA法によって増幅したRNAの電気泳動写真。

    【図6】SPRの応答と酵母に添加したアトラジンの濃度との関係を示す図。 横軸は、アトラジンの濃度(μg/m
    l)、縦軸はSPRの応答(RU)を表す。

    【図7】SPRの応答と酵母に添加したアトラジンの濃度との関係を示す図。 横軸は、アトラジンの濃度(μg/m
    l)、縦軸はSPRの応答(RU)を表す。

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