专利汇可以提供ウラン、ガドリニウム及び酸素で作られた新規物質及びその消耗性の中性子毒としての使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、立方晶系の結晶学的構造を持つ結晶相を有し、0.6〜0.93の 原子 比Gd/[Gd+U]を持つ、ウラン、ガドリニウム及び酸素で作られた新規な物質に係り、該ウランは+IV及び/又は+Vの 酸化 状態で存在している。本発明は、更にこのような物質の、 燃料 要素の消耗型中性子毒としての使用にも係る。,下面是ウラン、ガドリニウム及び酸素で作られた新規物質及びその消耗性の中性子毒としての使用专利的具体信息内容。
ウラン(U)、ガドリニウム(Gd)及び酸素(O)をベースとする物質であって、立方晶型の結晶学的構造を持つ結晶相を示し、0.6〜0.93のGd/[Gd+U]原子比を持ち、該ウランが+IV及び/又は+Vの酸化状態で該物質内に存在する、前記物質。立方晶1相と呼ばれる結晶相を示し、そのGd/[Gd+U]原子比が0.79と0.93との間にある、請求項1記載の物質。前記立方晶型の結晶学的構造が、10.8Åと10.9 Åとの間の単位格子パラメータ(a1)を示す、請求項2記載の物質。立方晶2層と呼ばれる結晶相を示し、そのGd/[Gd+U]原子比が0.6と0.71との間にある、請求項1記載の物質。前記立方晶型の結晶学的構造が、5.3Åと5.5 Åとの間の単位格子パラメータ(a2)を示す、請求項4記載の物質。請求項2又は3に従って定義された如き立方晶1相及び請求項4又は5に従って定義された如き立方晶2相を示す、2-相型の請求項1記載の物質。前記ウランが、同位体的に235Uにおいて濃縮されたウラン、同位体的に235Uにおいて減損されたウラン又は天然ウランである、請求項1〜6の何れか1項に記載の物質。前記ガドリニウムが、天然ガドリニウム又は同位体的にその155Gd/Gd総量及び/又は157Gd/Gd総量比において変更されたガドリニウムである、請求項1〜7の何れか1項に記載の物質。請求項1〜8の何れか1項に従って定義された物質の製造方法であって、以下の工程、 ガドリニウムが0.6〜0.93の範囲のGd/[Gd+U]原子比で存在するような割合の、酸化ウラン、例えばUO2又は高級酸化物、例えばU3O8と、酸化ガドリニウムGd2O3との混合物によって形成される粉末を、1,200〜2,200°Cの範囲の温度にてかつ還元性雰囲気下で焼結させる工程を含むことを特徴とする方法。前記焼結が、5モル%の水素が添加されているアルゴン雰囲気の下で行われる、請求項9記載の方法。前記焼結が、1時間に等しいか又はこれを超え、特に3〜8時間の範囲の期間に渡り行われる、請求項9又は10記載の方法。請求項1〜8の何れか1項に従って定義された物質の、核燃料要素の可燃性中性子毒としての使用。請求項1〜8の何れか1項に従って定義された物質を含む核燃料ペレット。前記ペレットが、全体として又は部分的に、請求項1〜8の何れか1項に従って定義された物質で形成された環状外側部分(2)で被覆された、少なくとも1種の核分裂性の、燃料親性の物質を含む少なくとも一つの内部部分、特に円筒状部分(1)により形成された不均質ペレット(10)である、請求項13記載のペレット。前記環状外側部分(2)が、前記ペレット半径(R)の0.05〜7.5%の範囲の厚み(e)を示す、請求項14記載のペレット。前記円筒状内部部分(1)が、全体として又は部分的に、酸化ウラン、酸化プルトニウム、酸化トリウム又はこれらの混合物で形成されており、また特に酸化ウランにより形成されている、請求項14又は15記載のペレット。請求項14〜16の何れか1項に従って定義された核燃料ペレットの製造方法であって、少なくとも以下の工程: (i) 請求項1〜8の何れか1項に従って定義された物質を含む粉末を準備する工程、 又はガドリニウムが0.6〜0.93の範囲のGd/[Gd+U]原子比で存在するような割合の、酸化ウラン、例えばUO2又は高級酸化物、例えばU3O8と、酸化ガドリニウムGd2O3との混合物により形成される粉末を準備する工程; (ii) 工程(i)の粉末からスリップを調製する工程; (iii) 該スリップ形状にある粉末を、少なくとも1種の核分裂性物質、のみならず燃料親性物質を含有するペレット、好ましくはプレスペレットの表面上に堆積させる工程;及び (iv) 工程(iii)の後に得られるペレットを、還元性雰囲気下で、かつ1,200℃と2,200℃との間の温度にて焼結する工程、 を含む、前記方法。前記工程(iii)が、前記ペレットの表面に堆積された前記スリップを乾燥する工程を含む、請求項17記載の方法。請求項13〜16の何れか1項に従って定義された燃料ペレットを含む、核燃料棒。請求項19において定義されたような燃料棒を含む核燃料集合体。少なくとも部分的に、請求項1〜8の何れか1項に従って定義された如き物質で被覆された、1又はそれ以上の核分裂性で、実際には燃料親性でさえある領域を含む、プレート状の幾何学的形状を持つ核燃料要素。
本発明は、ウラン、ガドリニウム及び酸素をベースとし、ガドリニウムにおいて濃縮された結晶性相を示す、新規物質(material)に関する。 このような物質は、例えば軽水炉において使用される、核燃料要素における可燃性(burnable)の中性子毒としてのその使用との関連において特に有利である。
あらゆる型の工業におけるように、核電力(nuclear electricity)の生産は、経済的な現実に応える必要がある。例えば、加圧水型原子炉(PWRs)等の軽水炉(LWRs)の場合と同様に、燃料をインラインでリロード(reloading)することのない原子力発電所に対して、生産コストを減じることは、該原子炉の稼働期間の延長を伴う。即ち、燃料をリロードするための操業停止及び該発電所のメンテナンス期間に係る経済的に不利な効果を、制限することができる。 しかし、稼働期間の延長、換言すれば長いサイクルの使用は、該燃料の付随的な反応度の保存を必要とし、換言すれば、出発燃料の濃縮度に関する増大を必要とする。しかし、該サイクルの出発時点における過度の負の反応度によって、この燃料の反応度における増大を補償し得ることが、絶対的に必要である。 目下のところ、特に加圧水型原子炉における負の反応度に対するこの高い要求は、本質的に、原子炉の一次回路の冷却剤又はモデレータ中に変動する濃度にて溶解している、ホウ酸の形状にあるホウ素の存在によりもたらされる。該ホウ素は、中性子に対する毒として作用する。炉心における該ホウ素の均質な分布は、該原子炉の出力分布を妨害しないという利点を示す。 他方において、上記一次回路内に溶解しているホウ素の含有率における増加は、幾つかの問題、特に上記モデレータの反応度係数の低下に関する問題、文書:FR 2 789 404において示されているような該プラントの腐蝕及び安全性に係る問題、及びトリチウム生産量の増加に係る問題を引起す可能性がある。
事実、上記溶解ホウ素は、温度増加中に膨張する可能性があり、それ故にこれは、上記原子炉の反応度係数(αm)に対して正の寄与を誘発する。従って、該溶解ホウ素の量は、該原子炉の全稼働条件下で、上記モデレータの負の反応度係数(αm<0)に係る基準を守るために、最大の限界以下に絶対的に維持されなければならない。 更に、追加量のホウ酸:H3BO3の導入は、直接的な腐蝕の問題ばかりか、文書:FR 2 789 404において説明されているように、例えば該ホウ酸の量を補償するためのpH調節剤として導入されるリチウムによって引起される間接的な腐蝕に係る問題をも引起す可能性がある。 その上、上記ホウ素の時機を逸した希釈の危険性が、原子炉に係る安全性調査中の反応度投入事故、即ち「RIA」の主な発動因子の一つと見做されている。 最後に、ホウ素に係る中性子活性化反応は、上記原子炉の一次回路における、望ましからぬ放射性核種としての元素であるトリチウム生産の主な源となり(10B + n → 3H + 24He)、またそれ故に安全性及び放射線防護の理由から、環境への放出を減じることが目標となる。 結果として、特に上記サイクルの開始に際して、上記反応度を制御するのに必要とされるホウ素の量を減じるために、可溶性ホウ素以外の又はこれと併用される種々の可燃性の毒が考察されている。 「中性子毒」なる用語は、中性子を捕獲する高い能力を持ち、かつ少なくとも部分的に核分裂性環境の過度の反応度を補償するために使用される元素を意味するものと理解される。一般に、上記原子炉の稼働中に消失する毒を表すために、「一時的に中性子を吸収する、又はこれを捕獲する物質」としても知られる、「可燃性」中性子毒について言及する。これらの毒は、一般にガドリニウム、エルビウム、サマリウム、ユーロピウム又は中性子の捕獲後に低効率の吸収断面積を持つ同位体を生成する、その他の同位体をベースとしている。
可燃性の毒の中で、固体状態にあるガドリニウムが最も広範に利用されている。有利には、ガドリニウムの密度が温度に伴って極めて僅かに変動するに過ぎないことから、これが、上記モデレータの反応度係数αmに正の寄与を引起すことはない。ガドリニウムに係る25種の公知の同位体(142Gdから164Gdまで)の中で、7種のみが安定である。これらの中で、最良の吸収剤は、155Gd及び157Gdであり、これら2種の同位体は、天然のガドリニウムに関連する吸収性のほぼ100%に対応する。該中性子の捕獲後、ガドリニウムの155及び157同位体は、夫々156及び158同位体に変換され、これら2種の同位体は、他方において、極めて低い有効断面積を持つものとなる。この特性は、ガドリニウムを可燃性毒として選択させる。 他方、ホウ素とは違って、上記燃料中で固体状態にあるガドリニウムの濃度は、外部の系により調節することはできない。該ガドリニウムは、該燃料の消耗に伴って減少しかつ消失する。 現在まで、ガドリニウムは、一般に、核燃料集合体内の一定数の棒の燃料ペレットを形成するために、適当な割合の酸化ウランUO2、又は核分裂性物質の混合物と混合された酸化物形状Gd2O3で使用されている。 原子力セラミックスへのガドリニウムの封入の主な2つの形態は、以下のものに識別される:均質封入及び不均質封入。
均質封入(homogeneous inclusion)に関連して、特に、(U、Gd)O2固溶体からなる均質ペレットを挙げることができる。しかし、これらペレットのGd2O3含有率は、該UO2-Gd2O3系のFCC(面心立方晶)固溶体のドメイン内に保つために、20質量%を超えない。例として、文書:FR 2 536 571は、酸化ウランペレットにおいて、質量%で表して12%未満の、中性子-吸収物質としての酸化ガドリニウムGd2O3の使用を記載している。しかし、該UO2-Gd2O3系の固溶体は、該UO2に対して熱伝導性における大きな低下を示し、このことは、235Uにおける濃縮度を減じることによる出力発生の低減を必要とさせ、かつ結果として該燃料サイクル中のエネルギー発生に係るペナルティーを増大する。 不均質封入(heterogeneous inclusion)の形式に関連して、ガドリニウムはマクロマス(macromasses)の形状で上記核燃料ペレット中に分布させることができ、あるいはまた特定の動径分布に従ってその中に存在し得る。 Balestrieri [1]によって明らかにされたように、Gd2O3の上記マクロマス型の分布は、上述のUO2-Gd2O3固溶体を用いて得たものよりも高い熱伝導性を持つという利点を示す。しかし、酸化ガドリニウムGd2O3は、UO2と非相溶性(特に異方性膨張による)であるという問題及びUO2ペレットにおけるその使用を妨害する、水に対する溶解度(例えば、加圧水型原子炉の典型的な稼働条件下で)の問題を示す傾向がある。 その上、他の可燃性毒との組合せで、又は組合せでなしに、燃料ペレット中のガドリニウムの動径分布の数種の別の形式は、既に与えられている。 従って、文書US 4,671,927は、核燃料棒用のペレットとして、Gd2O3(1〜20%質量%)及び炭化ホウ素粒子からなるハイブリッド混合物の使用を記載している。
文書US 4,587,087については、酸化ウラン等の核分裂性物質のコアを含み、場合により他の可燃性毒との組合せで主にホウ素を含む第一の層、及び主にニオブから形成される疎水性物質からなる第二の層で被覆された核燃料ペレットを与えている。 文書US 3,122,484については、UO2プレートの表面にカドミウム、ガドリニウム又はサマリウムの層(MTR型)を使用している。 同様に、文書US 4,668,468は、上記集合体の少数の燃料棒において、その反応度を制御するために必要な中性子毒の量を最小化するように、異なる別の分布形状に従って放射状の毒作用を示すペレットの使用を提供する。より詳しくは、これはペレットを記載しており、該ペレットはその内部領域又はその外側領域の何れかに、ガドリニウムと濃縮ウランとの均質な混合物を含んでいる。同様に、文書US 4,678,629において、ペレットが提供され、該ペレットは、天然又は劣化ウランと混合された、4〜8質量%のGd2O3を含む円筒状内部部分、及び235Uにおいて濃縮されたUO2によって形成された環状外側部分を備えている。 最後に、これら文書において提示された、実施の態様全体は、UO2と化学的に組合せることなしにGd2O3(例えば、Gd2O3マクロマス)又はUO2とGd2O3との混合物を使用しており、該混合物において、酸化ガドリニウムGd2O3は、該混合物の20質量%を超えない。 これらの封入形態は、U-Gd-O相図:UO2、(U、Gd)O2固溶体及びGd2O3を持つ、既知物質となっている。
実際に、上記U-Gd-O系に関する文献[2][3]に掲載されたもう一つの相が存在し、この相はガドリニウムに関して濃縮されている。「デルタ」相という名称でよく知られている、この相Gd6UO12は、菱面体晶型の結晶学的構造を有し、またR3空間群に属している(これは、また六方晶構造に分類することもできる)。実験室規模にて該Gd6UO12相を得るための2つの型の方法が、文献において報告されている:同時粉砕されたUO2及びGd2O3粉末から出発する方法[2]、又はU3O8から出発する方法[3]。 不幸なことに、上記デルタ相は、上記UO2ペレットを調製するために典型的に使用される、高温焼結条件下で不安定であることが判明している。従って、核燃料ペレットの可燃性毒としてのその使用をもくろむことは不可能である。 目下のところ、上記燃料の濃縮率における増大が、原子炉の主な設計者/構築者/操作者によって検討されており、またホウ素の使用に係る限界/その使用の低減も検討されている。結果として、この濃縮率の増大及び負の反応度をもたらすための現行技術に係る上述した問題点に照らして、原子炉の正常な稼働条件下で、該反応度の制御を可能とし、一方で該原子炉におけるホウ素の使用を減じ、それどころか排除さえするように、ガドリニウムを含む核集合体のUO2セラミックスの持つ毒作用を最適化することに対する要求が残されている。
本発明は、具体的には、ガドリニウムについて濃縮された結晶性の相を備え、かつ核燃料要素の可燃性中性子毒としての、例えばペレットとしてのその使用と相容れる、新規なU-O-Gd物質を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、その第一局面によれば、ウラン(U)、ガドリニウム(Gd)及び酸素(O)をベースとする物質に係り、該物質は、立方晶型の結晶学的構造を持つ結晶相を備えており、0.6〜0.93の範囲にあるGd/[Gd+U]原子比を持ち、該ウランは+IV及び/又は+Vの酸化状態で該物質内に存在している。 意外にも、本発明者等は、ガドリニウムに富む結晶相を備え、かつ燃料ペレットの焼結条件下で安定な、U-O-Gd物質に辿り着くことができることを発見した。本テキストの後の部分においてより詳しく説明されるように、本発明者等は、より詳しくは2つの異なる結晶相及び同様にこれら2つの結晶相の混合物である2-相ドメインを明らかにした。該2つの相は、本テキストの後の部分において「相C1」及び「相C2」と呼ばれるであろう。 本発明による物質は、有利には核燃料要素の可燃性中性子毒として使用することができる。 事実、本テキストの後続部分においてより詳しく説明されるように、本発明の物質は酸化ウランと同様な焼結条件の下で製造され、これはUO2と同時に焼結することができ、このことは、核燃料ペレットにおいてこのものを使用することを可能ならしめる。 従って、もう一つの局面によれば、本発明は、上で定義したような物質の、例えば軽水炉又は重水炉用の核燃料要素の可燃性中性子毒としての使用を目的とする。 本発明による物質は、従って核燃料集合体の燃料棒に対して使用されるペレットにおいて、あるいはまたプレート型の核燃料において使用することができる。 以下の実施例において例示されるように、本発明に従う該燃料棒の数、本発明による可燃性毒又は該燃料棒を構成するペレットの割合、及び/又は該ガドリニウムの同位体ベクトルを調節することによって、核燃料集合体を設計することが可能となることが明らかになり、該核燃料集合体は、「理想的な」原子炉の挙動に近付けること、換言すれば該原子炉を最適に稼働することを可能とする。
特に、上記原子炉の反応度における変化は、(U、Gd)O2固溶体で構成された従来の均質なペレットによるよりも、本発明に従うペレットの使用により、一層良好に制御し得る。 その上、有利なことに、本発明による物質の使用は、他の吸収剤/中性子毒の使用を減じ、それどころか完全に免除することを可能とする。特に、本発明の物質の使用は、該原子炉の一次冷却回路内に溶解した及び/又は上記モデレータに溶解したホウ素の使用を減じ、それどころかその使用を完全に廃止することを可能とする。このようにして、本発明による物質の可燃性中性子毒としての使用は、大量のホウ素に依存することによりもたらされる上で論じた諸欠点を克服し、特に腐蝕、トリチウム生成及び反応度事故の危険に係る問題を減じることを可能とする。 本発明による物質のその他の特徴、利点及び応用形態は、本発明の実施例を伴う、以下のより詳細な説明を読んだ際に、また添付された図面を検討した際により一層明確になるであろう。 本テキストの後続部分において、特に述べない限り、表現「…と…との間」、「…〜…の範囲」及び「…から…まで変動する」は等価であり、かつそれらの限界を含むことを意味するものと理解される。 特に述べない限り、表現「…を含む(comprising a(n)」とは、「少なくとも一つを含む(comprising at least one)」ものと理解すべきである。
本発明の特定の一形態に従う不均質ペレットの図式的描写である。明確化の目的のために、図1における様々な要素は正確な縮尺で描写されておらず、従って様々な部品の真の寸法は述べられていない。
実施例4に従って得られた、相C1を持つガドリニウムに富む周辺層(2)によって被覆された、UO
2製の核分裂性コア(1)を示す、不均質ペレットの断面における観察に係る光学顕微鏡により得た写真である。
本発明に従うペレットで形成された52本の燃料棒(「GD」で示される)を組込んだ、17x17燃料棒としてモデリングされた集合体の断面に関する図式的描写であり、「U」で示された燃料棒は、4.9%
235Uまで濃縮された均質なUO
2ペレットで構成され、また「TG」は案内管を示す。左手側の画像は、このような集合体の単なる実例的な例である。
以下に列挙するものに関する、平均燃焼度(mean burnup)(アポロ2(APOLLO2)コンピューティングコードを用いてモデリング)の関数としての、原子炉の無限増倍率(K
無限)における変化を示す、4.9%まで
235Uに関して濃縮した均質なUO
2ペレットで構成される集合体を備えた仮想原子炉(曲線1)、実施例4.iにおいて定義された如き「臨界」原子炉、これに対するK
真=1.00(曲線7)、実施例4.iにおいて定義された如き「理想的」原子炉、これに対する真の反応度ρ
真は、+2000pcm(曲線2)、このサイクルの終了時点に至るまで(稼働点(3)と(4)との間)、4.9%まで
235Uについて濃縮した均質なUO
2ペレットで構成され、かつ熱交換流体中の溶解ホウ素に係る2,000pcmという濃度の効果を考慮した、集合体を備えた仮想的な原子炉(曲線5)です。
4.9%まで
235Uについて濃縮した均質なUO
2ペレットで構成される集合体に係る、平均燃焼度の関数としての、仮想的な17×17集合体に関する増倍率(K
無限)における変化(アポロ2コンピューティングコードを用いてモデリング):
実施例4において定義されたような、4.9%のU
235を含む標準的なUO
2集合体、「理想的な」集合体及び「臨界的な」集合体に係る増倍率(K
無限)における変化を示す;
以下に列挙するものに関する、平均燃焼度(アポロ2コンピューティングコードを用いてモデリング)の関数としての、仮想的集合体に係る増倍率(K
無限)における変化を示す。図7.a:本発明による不均質ペレットから形成された40本又は52本の燃料棒を用いた種々の集合体、その環状被覆は、50,60又は150μmの厚み及び種々のGd同位体ベクトルを示す。図7.b:8質量%のGd
2O
3を含むGd
2O
3とUO
2との固溶体で構成される均質なペレットから形成された8〜40本の燃料棒を使用した様々な集合体;
1/4での管理(management by quarter)及び図7.aに示された集合体及び比較例(APOLLO2(アポロ2)コンピューティングコードを用いてモデリング)を用いた仮想的原子炉に係る無限増倍率における変化を示す;
プレート型燃料集合体(図9.a)を図式的に描写した図及び様々な断面に沿った概観(図9.b及び図9.c)であり、ここでこれらのプレートが僅かに湾曲することが可能であり、また該プレートの数は単なる一例である;
プレート型核燃料要素に係る図式的な描写(図10.a)及び断面における概観(図10.b)を示す。
本発明の物質 上述の如く、本発明によるウラン(U)、ガドリニウム(Gd)及び酸素(O)をベースとする物質は、0.6〜0.93のGd/[Gd+U]原子比を持つ、立方晶型の結晶学的構造を持つ結晶相により特徴付けられ、該ウランは+IV及び/又は+Vの酸化状態において該物質内に存在している。 第一の実施の態様によれば、本発明による物質は、以下において「立方晶1」又は「C1」相で示される結晶相を備えており、該結晶相のGd/[Gd+U]原子比は0.79と0.93との間にある。 このC1相は、より詳しくはc-Gd2O3の単位格子パラメータ(約10.83Åの単位格子パラメータ)に近い、10.8Åと10.9Åとの間の単位格子パラメータ(a1)を持つ、立方晶型の結晶学的構造を備えている。 第二の実施の態様によれば、本発明による物質は、以下において「立方晶2」又は「C2」相として示される結晶相を備えており、該結晶相のGd/[Gd+U]原子比は、0.6と0.93との間にある。 このC2相は、より詳しくはUO2の単位格子パラメータ(約5.47Åの単位格子パラメータ) に近い、5.3Åと5.5Åとの間の単位格子パラメータ(a2)を持つ、立方晶型の結晶学的構造を備えている。 更に別の実施の態様によれば、本発明による物質は、上で定義した立方晶1相及び立方晶2相両者を備えている、2-相型のものである。 換言すれば、この第三の変形による物質は、厳密に0.71を超えかつ厳密に0.79未満の、全体としてのGd/[Gd+U]原子比を持つ結晶相を備えている。 本発明の物質中に存在するウランは、上記実施の態様の一方又は他方によれば、天然ウラン(234U、235U及び238Uの混合物)であり得る。
もう一つの特定の態様によれば、上記ウランは、天然同位体組成が変更されているウラン、特に同位体的に235Uについて濃縮されたウラン又は同位体的に235Uにおいて減損されているウランであり得る。 同様に、本発明による物質中に存在するガドリニウムは、天然ガドリニウム(152Gd/154Gd/155Gd/156Gd/157Gd/158Gd/160Gd混合物)であり得る。 もう一つの特定の態様によれば、上記ガドリニウムは、その天然の同位体組成が、155Gd/Gd総量比及び/又はその157Gd/Gd総量比において変更され、特に天然ガドリニウムと比較して高められた155Gd及び/又は157Gd含有率を持つガドリニウムであり得る。 例として、本発明による物質のガドリニウムは、以下の同位体ベクトルを示すことができる:100% 155Gd;50% 155Gd + 50% 157Gd。 以下の実施例4及び図7.a及び8において例証されるように、上記ガドリニウムの同位体ベクトルを、より具体的には上記155Gd/Gd総量及び/又は157Gd/Gd総量同位体比を変更することによって、該ガドリニウムの制御された消耗速度を得ることが可能となる。
本発明による物質の製造 本発明のもう一つの局面によれば、本発明は、上で定義したような物質の製造方法に係り、該方法は、ガドリニウムが、0.6〜0.93の範囲のGd/[Gd+U]原子比で最終的な粉末中に存在するような割合にある酸化ウランと、酸化ガドリニウム(Gd2O3)との混合物から形成される粉末を、還元性雰囲気の下で、1,200〜2,200°Cの範囲の温度にて焼結させる工程を含む。 上記酸化ウランは、より具体的には二酸化ウラン(UO2)又は高級酸化物、例えばU3O8(トリウランオクタオキサイド)であり得る。 特定の一態様によれば、上記粉末は、第一の二酸化ウランUO2粉末及び第二の酸化ガドリニウムGd2O3粉末を、40質量%に等しいか又はこれを超える質量基準のGd2O3/(UO2 + Gd2O3)比で混合することにより形成される。 勿論、上記最終的な粉末における所定のガドリニウムの割合を得るために、使用される酸化ウラン及び酸化ガドリニウムの割合を調節することは、当業者次第である。 上記焼結工程は、核燃料要素内での上記粉末の使用、例えばペレットとしての使用に先立って、該粉末について行うことができる。 あるいはまた、この焼結工程は、上記核燃料要素の製造中に行うことができる。特に、本テキストの後続部分において詳細に説明されるように、本発明によるペレットを製造する場合、該焼結は、少なくとも1種の核分裂性(fissile)で、実際は(indeed)燃料親性又は富化(fertile)でもある物質を含有するペレット(単なる圧縮によりプレス処理された粗製ペレット又は予備焼結させたペレット)の表面に、スリップの形状で堆積させた該粉末について、該ペレットの全体的な焼結により実施することができる。次いで、本発明の物質は、該焼結の完了時点において、直接該ペレット上に形成される。
還元性雰囲気下での上記焼結工程は、当業者には公知の任意の技術によって行うことができる。 上記焼結工程は、上記粉末を、1,200〜2,200℃、特に1,600〜1,800℃の範囲の温度にて加熱することにより実施し得る。 「還元性雰囲気」は、上記焼結中に、-300 kJ/モル未満、特に-550 kJ/モルと-300 kJ/モルとの間の酸素ポテンシャルpO2を示す雰囲気を意味するものと理解される。 上記還元性雰囲気は、より詳しくは水素を組込んだ雰囲気、例えば5モル%の水素が添加されているアルゴン雰囲気(潜在的に数ppmのO2不純物を含む)であり得る。 一般的に、上記焼結の継続期間は、1時間に等しいか又はこれを超え、特に3〜8時間の範囲であり得る。
可燃性の毒としての本発明の物質の適用 具体的に示されたように、本発明による物質は、核燃料要素の可燃性中性子毒としての特別に有利な用途が見出されている。 上記物質は、例えば軽水炉(LWRs)の稼働に関する、例えば加圧水型原子炉又は沸騰水型原子炉に対する、あるいは重水(酸化重水素D2O)炉に関する反応度を制御するために使用することができる。 一般に、「原子炉」は、今日までの該用語の通常の意味、即ち分裂反応を起し、熱出力を放出する燃料要素を使用して、核分裂反応からエネルギーを生成するための発電所を意味するものと理解され、該熱出力は、熱交換流体との熱交換によって、該要素から抽出される。該熱交換流体は該要素の冷却をもたらす。 本発明の物質は、従って本テキストの後続部分においてより一層詳細に説明されるように、相互に積重ねられた複数のペレットから形成された燃料棒からなる型の、又はプレート型の原子炉プラントにおいて従来からみられた、核燃料要素において使用し得る。 勿論、本発明は、以下に記載される特定の実施の態様に、全く限定されることはない。
核燃料ペレット 本発明は、そのもう一つの局面によれば、上で定義したような物質を含む核燃料ペレットに関連する。 上において述べたように、これらのペレットは、円筒形状を持つセラミック燃料要素を意味し、その積み重ねは、被覆管内で、核燃料集合体の燃料棒を形成する。 特に好ましい態様によれば、本発明によるペレットは、少なくとも1種の核分裂性の、のみならず燃料親性の物質を含む少なくとも一つの内部部分、特に円筒形状の部分(1)により形成され、かつ全体的に又は部分的に本発明による物質で形成された環状の外側部分(2)で被覆された、図1に示された如き均質なペレットである。 好ましくは、本発明のペレットは、核燃料棒において従来遭遇したペレットと同様の円筒形状のものである。他の形状、例えば特許出願FR 2 953 637に記載されているように全体として楕円形状のものをも、勿論目論むことができる。 本発明のペレットは、従来のペレットの寸法を備えていてもよい。例えば、該ペレットは、3.8mmと4.4mmとの間(例えば、4.05〜4.25mm)の半径及び3mmと20mmとの間、典型的には12mmと16mmとの間の高さを持つことができる。 特定の一態様によれば、環状外側部分(2)は、該ペレットの全半径(R)の0.05〜7.5%の範囲、特に1〜3.5%の範囲の厚み(e)を示す。 従って、上記環状外側部分は、2μmと300μmとの間、特に30μmと250μmとの間の、上記ペレットの半径方向の軸に沿って測定された厚み(e)を示すことができる。
実施例4及び図7.a及び8に例示した如く、上記ペレットの環状外側部分(2)の厚み及びその結果としての本発明による可燃性中性子毒の割合は、有利には、上記原子炉の反応度における変化を出来得る限り最良に制御し、かつ最適変化に近付けるように調節することを可能とする。 「燃料親性(fertile)」物質は、燃料親性原子、換言すれば中性子の捕獲により、核が直接又は間接的に分裂性の核に転化され得る原子で構成される物質を意味するものと理解される。燃料親原子は、例えば238Uであり得る。 「核分裂性(fissile)」物質は、核が中性子を吸収することによって核分裂を行うことのできる物質、例えば235Uを意味するものと理解される。 本発明によるペレットの、「コア」としても知られている円筒状の内部部分(1)は、その全て又は一部において、酸化ウラン(UO2)、酸化プルトニウム(PuO2)、酸化トリウム(ThO2)又はこれら核分裂性物質の混合物、例えば(U、Pu)O2等から形成し得る。 特定の一態様によれば、上記ペレットのコアは、酸化ウランで形成される。 上記同様に、上記ウランは天然ウラン又は同位体ベクトルが変更されているウラン、例えば同位体的に235Uにおいて濃縮されたウラン等であり得る。
本発明によるペレットの製造 第一の態様によれば、本発明による不均質ペレットは、上記粉末をプレス処理することにより形成し得る。 より詳しくは、本発明によるペレットは、少なくとも1種の核分裂性物質を含み、かつ該ペレットのコア形成専用の第一の粉末及び全体的に又は部分的に本発明による物質で形成され、かつ該ペレットの環状外側部分の形成専用の第二の粉末を圧縮することにより、図1に示された構造に従って成形することができる。 このようにして成形されたペレットは、引続き、還元性条件下、例えば水素が添加されているアルゴン(又は窒素)雰囲気下で、当業者には公知の技術に従って焼結される。 上記焼結は、より好ましくは1,200〜2,200℃、特に1,600〜1,800℃の範囲の温度にて行われる。 この態様は、環状外側層を備えたペレットを形成するのに特に有利であり、該環状外側層は、少なくとも50μmというその半径方向の軸に沿った厚みを持つ。 もう一つの特定の態様によれば、環状外側部分(2)は、本発明による最終的なペレットのコア形成専用ペレットの表面に、スリップを堆積させることにより形成し得る。 即ち、本発明のもう一つの態様によれば、本発明は、本発明による不均質核燃料ペレット(10)を製造するための方法に係り、該方法は、少なくとも以下の工程: (i) 本発明による物質を含む粉末を準備する工程、又はガドリニウムが0.6〜0.93の範囲のGd/[Gd+U]原子比で存在するような割合の、UO2等の酸化ウラン、又はU3O8等の高級酸化物と、酸化ガドリニウムGd2O3との混合物により形成される粉末を準備する工程; (ii) 工程(i)の粉末からスリップを調製する工程; (iii) 該スリップ形状にある粉末を、少なくとも1種の核分裂性の、のみならず燃料親性の物質を含有するペレット(1)の表面上に堆積させる工程;及び (iv) 工程(iii)の終了後に得られたペレットを、還元性雰囲気下で、かつ1,200℃と2,200℃との間の温度にて焼結する工程、 からなる諸工程を含む。
従って、本発明によるペレット(10)は、本発明による物質の粉末から製造することができ、該本発明の物質の粉末は、本発明の方法の工程(i)において、その使用に先立って形成される。 あるいはまた、本発明による物質は、還元性条件下での上記ペレットの工程(iv)における全体としての焼結中に、該ペレット上で直接製造することができる。 工程(ii)におけるスリップは、工程(i)の粉末と、加熱又は自然蒸発により容易に除去することのできる液状媒体、特にエタノールとを混合することによって、従来通りに形成し得る。 表面に上記スリップが堆積されており、かつ専ら本発明の不均質ペレット(10)のコアを形成するために充てられるものであるペレット(1)は、好ましくはプレス処理されたペレットである。これは、核燃料ペレットを製造するための、当業者には公知の任意の従来法によって製造できる。 例えば、ペレット(1)は、以下の諸工程を通して形成し得る: ・ペレット化工程と呼ばれる、上記燃料粉末、例えば酸化ウラン粉末を調製する工程; ・場合により潤滑剤、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アンモニウム又はエチレンビス(ステアラミド)(76.8% C + 13.3% H + 5.1% O + 4.8% Nで構成され、ヘキスト(Hoechst)社によりセリダスト(Ceridust)の名称の下に販売されている)を使用して、冷間圧縮又は任意の他の手段による、該燃料粉末のペレット形状への圧縮工程。 ペレット(1)は、焼結されていなくても、焼結されていても、あるいは予備焼結されていてもよい。
上記焼結は、より詳しくは上記プレス処理されたペレットを高温、特に1,200℃を超える温度にて、特に還元性雰囲気下で加熱することにより行うことができる。 「予備焼結された」ペレットは、上記焼結条件以下の温度、例えば1,000〜1,500℃の範囲の温度、特に約1,200℃にて、とりわけ還元性雰囲気下で熱処理に掛けられているペレットを意味するものと理解される。該予備焼結は、有利なことに、完全な緻密化に達することなしに、該ペレットの凝集性の改善を可能とする。 工程(iii)の後に得られるスリップは、コアペレット(1)を該スリップ中に浸漬することにより、該コアペレットの表面に堆積させることができる。 工程(iii)は、上記ペレットの表面に堆積されたスリップ層を乾燥することを含み、該乾燥は、例えば表面に該スリップが堆積されている該ペレットを、5〜30分の範囲の期間に渡り外気中に放置し、また場合により40℃と90℃との間、典型的には50℃と60℃との間の温度にて加熱することにより行われる。 工程(iv)における焼結は、水素が添加されているアルゴン雰囲気下、例えば5モル%の水素が添加されているアルゴン雰囲気下行うことができる。 好ましくは、この焼結工程は、1,200℃〜2,200℃、特に1,600〜1,800℃の範囲の温度にて行われる。 特定の一態様によれば、この焼結工程は、1時間に等しいか又はこれを超え、特に3〜8時間の範囲の期間に渡り行われる。
核燃料棒及び集合体 本発明によるペレットは、上述の如く、核燃料棒において使用し得る。 「核燃料棒」とは、従来通り、小さな径を持ち、2つの端部において閉じられており、原子炉炉心を構成し、かつ核分裂物質又は燃料親物質を含む、環状燃料要素を意味するものとする。 燃料棒は、より具体的には、相互に積重ねられた複数の燃料ペレット及び該ペレットの堆積体を包囲するクラッドにより形成される。例えば、加圧水型原子炉(PWR)用に準備された燃料棒のクラッドは、ジルコニウム合金又はM5(ZrNbO)合金製であり得る。数本の燃料棒が一つの集合体を形成し、かつ数個の集合体が原子炉炉心を形成する。 従って、本発明は、そのもう一つの局面によれば、上で定義したような燃料ペレットを含む核燃料棒に係る。 本発明による燃料棒は、専ら、同一又は異なる本発明によるペレットで構成することができる。 もう一つの特定の態様によれば、上記燃料棒は、本発明によるペレットに加えて、毒としての本発明の物質を含まない他のペレット、例えば均質なUO2ペレットを含むことができる。 また、本発明は、例えば軽水炉に対して使用される、上に定義した如き本発明による燃料棒を含む核燃料集合体にも係る。 燃料棒の格子から形成される従来の集合体における、本発明による燃料棒の数及び位置決定は、以下の実施例4及び図7a及び8において例証されているように、原子炉の最適制御を結果するように調節することができる。
好ましくは、本発明によるガドリニウムに関して濃縮された燃料棒は、上記燃料集合体内で均一に分配される。本発明によるガドリニウムを含有する燃料集合体の、該原子炉炉心における適切な分布は、該原子炉出力のより均一な動径方向の分布の実現を可能とし、このことはリロード前の該炉心の運転サイクル全体を通しても言える。 例として、17x17格子から形成された従来の集合体は、4〜64本の本発明による燃料棒を組入れることができ、その他の燃料棒を、毒を含まない従来のペレット、例えば235Uに関して濃縮されている均質なUO2ペレットから形成することが可能である。 図3は、例として、本発明によるペレットで形成された25本の燃料棒(GD)を包含する、265本の燃料棒で構成される17x17格子で形成された燃料集合体を図式的に表しており、その他の燃料棒(U)は、均質なUO2ペレットで形成されている。該燃料棒は、24本の案内管(TG)を含む構造によって保持されている。 もちろん、本発明による物質は、燃料棒以外の核燃料要素内の可燃性中性子毒として使用することもできる。 以下の説明は、例として、プレート-型幾何形状を持つ核燃料における本発明の物質の使用を記載する。
プレート-型幾何形状の核燃料 更に別の実施の態様によれば、本発明は、プレート-型幾何形状を持つ核燃料要素に係り、該要素は、少なくとも部分的に本発明による物質で被覆された、1又はそれ以上の核分裂性の、のみならず燃料親性の領域を含んでいる。 これらプレート-型幾何形状を持つ核燃料は、一般的に低出力原子炉において使用されている。 図9.aは、核分裂性物質を含むクラッドプレートの堆積体(図9.b)を含有するこのような核燃料集合体(100)の包括的な概観を図式的に表している。該クラッドは、一般的にアルミニウム合金で構成されている。 図9.cに示されているように、上記集合体は、本発明によるガドリニウムに関して濃縮された物質の層(102)で少なくとも部分的に被覆された、例えばUO2でできた核分裂性領域(101)を含む、1又はそれ以上のプレート(103)を含むことができる。その他のプレート(104)は、毒を含まない標準的なプレートであり得る。 特定の一態様によれば、図10.aに示されているように、プレート(103)は、より詳しくは、2枚のプレート(7、8)間に挿入されているセル(6)からなる格子内に位置している、核燃料ペレット(111)、例えばUO2ペレットからなる格子で構成されていてもよい。プレート型のこのような燃料要素構造は、文書FR 2 889 765においてより詳しく記載されている。 この代案となる態様との関連で、図10.bに断面図で示されているように、上記プレート型の燃料要素に組込まれた少数のペレット、のみならず全てのペレット(111)は、少なくとも部分的に、本発明による物質で形成された層(112)で被覆されていてもよい。
今から、本発明を、実例として与えられ、かつ本発明を何等限定するものではない、以下の実施例及び添付図によって説明しよう。
実施例1:本発明による物質の製造 50%〜90%(例えば、55%、65%、69%、80%、82.4%)で変動するGd2O3の質量基準での含有率を持つ、UO2とGd2O3との混合物から形成された種々の混合粉末を圧縮し、次いでAr、5%H2からなる還元性雰囲気下で、1,700℃にて4時間に渡り焼結して、緻密なペレットを得る。 このようにして得たペレットに関するX-線回折、SEM及びエネルギー分散型分析(EDS)による解析の結果を、以下の表1に示す。 立方晶型の結晶学的構造を持つ結晶性の相が、このようにして得られたペレットにおいて検出される。より詳しくは、以下の通りである: ・0.5と0.71との間の原子比Gd/[Gd+U]に対する、立方晶2(C2)相との名称が与えられる、約5.43Åという単位格子パラメータを持つ立方晶型の結晶学的構造; ・0.79と0.93との間の原子比Gd/[Gd+U]に対する、立方晶1(C1)相との名称が与えられる、約10.8Åという単位格子パラメータを持つ立方晶型の結晶学的構造;及び ・0.71と0.79との間の原子比Gd/[Gd+U]に対する、これら2つの相の相分離に係る領域。
(1) X-線回折分析により得た。
実施例2:粉末のプレス処理による本発明に従う燃料ペレットの製造 (i) 本発明による物質の粉末 本発明による物質の粉末を、実施例1におけるようにして、80%という質量基準の原子比Gd2O3/(UO2+Gd2O3)にあるUO2及びGd2O3の混合物を、1,700℃にてかつAr、5% H2からなる還元性雰囲気下で4時間に渡り焼結することにより製造する。 (ii) 不均質ペレットの製造 ペレットを、酸化ウラン粉末から形成した円筒状内部部分及び上において得たGdに関して濃縮された粉末から形成された環状外側部分を含むように、図1に示された構造に従って成形する。図1に従って該粉末を分配させるために、2つの同心円状のリングで作られた、薄い隔壁を使用することができる。この充填の完了時点において、該薄い隔壁が撤去され、またプレス処理が実行される。 上記円筒状のコアは、約4mmという半径(R1)を呈し;上記環状外側部分は、所望の負の反応度に対する貢献度(supply)の関数として、約50〜250μmの厚み(e)を呈する。 上記ペレットは、引続きAr、5% H2からなる雰囲気を用いた還元性条件下で、4時間に渡り焼結される。
実施例3:高いGd含有率を持つ粉末から形成された層の堆積による、本発明に従う燃料ペレットの製造 (i) 物質の粉末 以下の2つの可能性が採択される: A:本発明による物質の粉末を、実施例1に記載のようにして、80%という質量基準でのGd2O3/(UO2+Gd2O3)比にある、UO2(のみならずU3O8)及びGd2O3の混合物を焼結することにより製造する。 B:粉末を、80%という質量基準でのGd2O3/(UO2+Gd2O3)比において、UO2(のみならずU3O8)とGd2O3とを混合することにより製造する。 (ii) 不均質ペレットの製造 核分裂性物質(1)で構成されるペレットを、圧縮することにより成形して、円筒状の幾何形状を持たせる。 上記粉末に凝集性を与えるために、このペレットの予備焼結を行うことができる。 モードA又はモードBに従って工程(i)において得られる、ガドリニウムにおいて濃縮された粉末から形成された環状外側部分を、例えばスリップ(該粉末及びエタノールから形成された)形状で、該円筒状表面に堆積し、次いで該スリップを乾燥する。 その後、上記ペレットを、Ar、5%(モル)H2からなる雰囲気を用いた還元性条件下で4時間に渡り焼結する。 核分裂性元素/燃料親元素を含む、上記円筒状コアは、約4mmの半径を呈し、上記ガドリニウムを含む環状外側部分は、所望の負の反応度に対する貢献度の関数として、約30〜250μmの厚みを呈する。 図2は、横断面において光学顕微鏡法により観察された、上記ペレットを示す。
実施例4:本発明による物質の、負の反応度に対して貢献するための、及び/又はホウ素及び他の中性子毒/吸収性物質に対する要求を減じ/抑制するための、原子炉における可燃性毒としての使用 核燃料の種々の17x17集合体に係る中性子性能を、アポロ2コンピューティングコードを用いてモデリングする。 i. 使用される概念の原理及び定義 ・K無限(Kinfini):無限媒体(逃散部分を考慮せず)中の中性子に係る増倍率; ・K真(Ktrue):有限(真の)媒体中の中性子に係る増倍率。 K無限とK真との間の差は、従って増殖することなしに上記原子炉から逃散する中性子の量に関連する。換言すれば、以下の式が成立つ: 該ファクタ幾何的(factorgeometric)は、主として上記コアの幾何形状のみならず該物質の性質に依存する。 ・pcm(ミリパーセント(per cent mille))で表された反応度ρは、数学的に上記増倍率(無限(infinite)又は真(true))を表すもう一つの方法である:
即ち、式1は以下のように表すことができる:
・臨界炉 「臨界」炉は、中性子の個体数が一定であり、かつゼロ(外部源を考慮せず)ではなく、換言すればK真 = 1.00であるか、あるいは反応度によって表した場合には、式2を用いることにより、ρ=0pcmの原子炉である。 上述のコンピューティングコードを用いて行われた計算は、我々に上記K無限を与えてくれる。上記仮想原子炉に対して、上記項ρ逃散は約-2,500pcmであることが分かっている。 従って、実施された上記モデリングの意味内で、「臨界」炉は、ρ真= 0pcm及びρ無限 = 2,500pcmを示し、これは、増倍率において、K真 = 1.00及びK無限 = 1.025(図4における曲線7)により反映される。 ・例として、図4は、上記コンピューティングコードを利用してモデリングされた、1/4毎の管理(4回の運転サイクル、換言すれば各サイクルにおいて、集合体(最も使用されるもの)が、新たな集合体に交換される)を伴う、4.9%まで235Uについて濃縮した均質なUO2ペレットで構成される該集合体に関する、仮想原子炉の増倍率(K無限)における変化を表している(曲線1)。 これを、中性子毒としてホウ素(曲線5)を用いた(熱交換流体である水で希釈された2,000ppmのホウ素)を用いた同様な原子炉の反応度と比較する。該ホウ素を使用した場合において、該原子炉は、該熱交換流体中のホウ素濃度を減じることにより(「臨界ホウ素」稼働法)により、稼働点(6)から臨界的始動を維持することができる。 理想的原子炉の増倍率 図4のグラフにおける曲線2は、「理想的」原子炉に係る無限増倍率の変化を表す。この「理想的」炉心は、2,000pcmという初期過反応度(initial superreactivity)を有し(即ち、K無限 = 1.050を持ち)、しかも上記サイクルの全長に渡るペナルティーのない(稼働点(4))、中性子ペナルティー(neutron penalty)を持たない原子炉である。 即ち、図4において示されているように、実施しているモモデリングの意味の範囲内において、「理想的原子炉」は、稼働点(3)まで+2,000pcmという真の反応度ρ真を持つ原子炉である。この過反応度は、該原子炉を稼働する(例えば、出力を上げるために)ことを可能とする。
理想的集合体の増倍率 図5は、17x17集合体に関する、該集合体の平均燃焼度の関数としての、UO2をベースとする仮想燃料集合体に関する、高温条件下(即ち、一方で該温度の効果を考慮して)での無限媒体中の増倍率K無限における変化を示す。 Nサイクルの管理に伴う、一集合体のK無限における変化 と一原子炉のK無限における変化
との間の関係は、以下の近似によって与えられる:
ここで、xは第一サイクルにおける該集合体の燃焼率(burnup); Nは、該集合体が該原子炉内で使用されるサイクルの総数;
は、燃焼率χの関数としての、Nサイクルにおける管理に関する原子炉のK無限;
は、燃焼率の関数としての、一集合体のK無限;
は、一サイクルの長さ(燃焼率単位)。特に、
は、該原子炉が該サイクルの終了時点において臨界的であるためには、
であることを裏付ける。 式4を用いることにより、「理想的」集合体及び「臨界」集合体に係るK無限における変化をプロットする(図6)ことが可能となり、結果として原子炉において使用された場合(1/4毎の管理、即ち、N=4)、これらは夫々、上で定義した如き「理想的」原子炉の挙動及び「臨界」原子炉の挙動を与える。
ii. 様々な集合体について得られる中性子効果 様々な17x17集合体に関するK無限における変化を、図7.aに示す。 ・UO2をベースとする仮想燃料集合体(曲線1); ・本発明による不均質ペレットから形成された40又は52本の燃料棒を用いた集合体。その環状被覆は、50、60又は150μmの厚み及び様々なGd同位体ベクトルを呈する。該集合体の他の燃料棒は、4.9%まで235Uについて濃縮した均質なUO2ペレットから形成されている(曲線2〜5);及び ・先行する論点iにおいて定義されたような、「理想的」及び「臨界的」集合体(曲線6及び7)。 これら全ての曲線は、ホウ素を含まない仮想的原子炉、即ち上記熱交換流体/モデレータにおけるホウ素濃度が0.0ppmの原子炉を考察している。 比較のために、8質量%のGd2O3を含む(U、Gd)O2固溶体で構成される従来の均質なペレット製の燃料棒を組込んだ集合体について得られた中性子効果を、図7.bに示す。 本発明による燃料棒の数、該燃料棒を構成する上記ペレットの可燃性毒の層に係る厚み及び上記ガドリニウムの同位体ベクトルを調節することにより、最適変化に近付くように、上記原子炉の反応度における変化を制御することが可能であることが、図7.aから明らかになる。
同様に、図7.aと図7.bとの比較は、上記集合体の反応度における変化が、従来の均質なペレットによるよりも、本発明に従うペレットを用いることにより、より良好に制御し得ることを示す。というのは、本発明による集合体の反応度に係る曲線が、該サイクルの終了時点において、「理想的な」曲線により一層近付くからである。 iii. 原子炉の反応度 本発明の集合体を使用している原子炉の挙動を、図8に示す。 上記原子炉の反応度に及ぼす効果は、該原子炉におけるホウ素の使用を減じ、のみならず抑制さえすることを可能ならしめることが、図8から明らかになる。
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