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本発明は、特に、ステージ分割した熱反応装置に関し、揮発性の有機化合物(VOC's)、NOxおよびダストの含有量が少ない清浄で高温の排ガスと含有炭素分の少ない清浄な灰を製造する熱反応装置に関する。
ステージ分割した熱反応装置において、固形燃料の変換工程は、灰焼却、炭化物の酸化及びガス化、熱分解、乾燥、ガス化装置からのガスが燃焼するガス燃焼ステージなどのような、下から上へ向う鉛直状に配置された個別の複数のステージにおいて行われる。 ガス燃焼ステージは、ガスバーナーとして機能すると共に、上昇流式ガス化装置の最上層部の燃料を乾燥させ且つ熱分解する熱源としても機能する。
燃料の熱分解中に高温の排ガスを製造することはよく知られている。 高温の排ガスは、蒸気の生成、温水の生成、加熱オイルの生成など、複数の目的に使用することができる。
WO2007/036236A1号公報は、水の蒸発によりガス温度が400℃以下に低下し、ガスの露点が少なくとも60℃、好ましくは70℃、可能であれば80℃又は85℃となるような水量と方法でもって、高温ガス中へ1又は複数の噴射ゾーンにおいて水を噴射することにより、熱反応装置で製造された高温ガスから熱回収する技術に関するものである。 そのガスは、次に凝縮熱交換器に送られ、そのガス中の水蒸気の少なくとも一部が凝縮され、その凝縮で発生した熱は、流体、主に水流を加熱するのに活用できる。
また、WO2007/081296号公報は、下降流や上昇流で運転し、分別された又は分別されてない都市ゴミ(公共固形廃棄物)(MSW)、ゴミ固形燃料(RDF)、排水処理プラントから出たスラッジを含む産業廃棄物、皮革産業の残材、農業廃棄物やバイオマスなどから合成ガスを製造するガス化装置に関するものである。 このガス化装置は、ボトルネックゾーン、熱分解ゾーン、還元・酸化ゾーン、灰処理部、安全弁、ロータリ弁、バイブレータ及び点火器などを有するものである。
米国特許第6024032A号公報には、固形炭素系燃料から熱エネルギーを得る方法が開示されている。 その方法は、少なくとも一つの第1ゾーンにおいて炭素系燃料を実質的に無酸素で熱分解する処理と、その後熱分解で発生した炭化物を1又は複数の第1ゾーンから分離された第2ゾーンへ移送する処理とを備えている。
上記の炭化物は、1次燃焼エアを導入することにより第2ゾーンにおいてガス化処理に供されるが、このとき、選択的に水蒸気及び/又はリサイクル排気ガスと共にガス化処理される。 第2ゾーンからのオフガスと1又は複数の第1ゾーンからの熱分解ガスは、その後2次燃焼に供される。 灰は第2ゾーンの底部から排出される。
WO2001/68789A1号公報には、例えば木片等の特殊な廃棄物とバイオマスの熱分解ガス化の為の段階的ガス化方法とシステムが開示され、これは燃料を過熱蒸気と接触させて乾燥させる乾燥装置(1)を有する。 乾燥燃料は、過熱蒸気が供給される熱分解装置(4)へ送られる。 熱分解装置(4)で生成された成分を含む揮発性タールは、酸化剤が添加されて部分的な酸化を引き起こし、タール分を実質的に減少させる酸化ゾーンへ送られる。 熱分解装置(4)からくる固形燃料成分は、酸化ゾーンからの高温ガスが供給されるガス化装置(6)へ送られる。 ガス化装置(6)において、固形燃料成分はガス化され、或いは炭化物に変換される。
ガス化装置(6)で生成したガスは、内燃機関のような燃焼装置(7)で燃焼させてもよい。 このように、ガス化工程は、高いエネルギー効率で、タール分の少ないガスを生成でき、多量の水分を含む広範囲の種々の燃料であっても残滓量が多くすることなく、バイオマスと廃棄物のガス化の為に設けられている。
WO2008/004070A1号公報には、電力発生装置を制御する方法と、その方法に用いる制御装置が開示されている。 その電力発生装置は、し尿等の廃棄物、木片、麦わら等のバイオマス材料の為のガス化装置を備えている。
このガス化装置は縦筒形で、上昇流固定ベッド式のものであり、その頂部からガス化させる原料が投入され、その底部にガス化促進物質が導入され、電力を発生する発電機を駆動するガスエンジンが設けられ、そのガスエンジンはガス化装置で生成されたガスを燃料として運転される。 ガス化装置で発生させたガスを直接ガスエンジンに供給し、一定の発電出力を維持する為にガス化装置におけるガス発生量を制御する。 こうして、ガス化装置とガスエンジン間にガス貯留タンクを設ける必要がなくなった。
熱反応装置
固形燃料は、通常、可燃ガスに変換され、或いは可動床反応装置又は流動床反応装置にて排ガスに変換される。 可動床反応装置は、一般的には次のように分類される。
上昇流方式(空気/ガスが上昇しかつ燃料が下降移動する)、下降流方式(空気と燃料が下降する)、燃料が水平方向(やや下り傾斜方向)へ移動する火格子/ストーカを基礎とするシステム(可動火格子、振動火格子、ストーカ)。
流動床反応装置は、一般に次のように分類される。
バブル式流動床(BFB)、循環流動床(CFB)、同伴流(EF)。
大抵の反応装置は、元々は石炭の変換(燃焼)の為に設計されたものである。
バイオマスや廃棄物のような新鮮な固形燃料は、石炭に比べて非常に異なる特性を有する。 特に、揮発性物質と水分は、バイオマスや廃棄物において非常に多い。 石炭において、揮発性成分は通常30%以下であるが、バイオマスや廃棄物においては揮発性成分は通常65%以上(灰無料乾燥重量)である。 更に、新鮮なバイオマスや廃棄物の水分量は、通常20%以上であり、往々にして50%超の場合もあるため、バイオマスや廃棄物の反応装置では、燃料を乾燥させることが非常に重要な事項になる。
更に、石炭とバイオマス/廃棄物では、灰の成分と組成が著しく相違する。
そして、バイオマスと廃棄物の場合、アルカリ金属(Na,Ka)、塩素、カリウム、珪素等の含有成分は一層多くなり、灰の融点が石炭灰の融点よりも相当低くなることが知られている。 それ故、標準的な石炭反応装置は、バイオマスと廃棄物の変換用に最適のものではない。
フィーディングシステムと燃料移送手段
フィーディングシステムは、通常、スクリューフィーダ、プッシュロッドフィーダ、空気圧式「散布式ストーカ」フィーダである。 火格子システムにおいて、燃料は火格子により移送される。 大抵の場合、燃焼用空気は火格子を通して供給される。 これらのシステムには、火格子上の複数の過熱スポット、不均一な空気分布、火格子を通って灰や炭化物が落下すること、火格子上での複数の工程(ステージ)を制御することなどを含む種々の課題がある。
流動床システムにおいて、燃料が炉材と混じり合うため、灰から炉材を分離しなければならないという課題と、流動床は通常よく動かされる反応装置であるため、異なる工程段階を設ける必要があるという課題がある。
上昇流式ガス化装置は、変換の目的が可燃ガスの製造である場合に通常採用される。 上昇流式ガス化装置は、通常は都市ガスの製造に用いられると共に、最近ではWO2008/004070A1号公報に記載のようにガスエンジンの作動用に用いられる。
上昇流式ガス化装置には、簡単なフィーディング・移送システムが、反応装置の投入側と出口側とに設けられており、灰は低温状態で排出される。 反応装置の底部に灰の層が溜まったとき、ガス化促進剤(空気/蒸気)が供給される。
上昇流式ガス化装置は、燃料を非常によく変換し、灰には極く小量のカーボンが残るだけであることはよく知られている。 上昇流式ガス化装置の技術は、シンプルで逞しい技術であることは公知である。 しかし、上昇流式ガス化装置の技術には次の欠点がある。
・製造されるガスは、高い濃度のCO、タール及びその他の不燃ガスを含み、これらは 合成ガスの製造がガス化装置の目的である場合にきれいに除去することが難しい。
・円形の形状が一般に採用されるため、スケールアップすることが通常は難しい。 濡れ た燃料が採用されてその乾燥に長時間を要するような場合に、炉が4m又はそれ以上 もの相対的に高い位置になる。
米国特許第6024032A号公報やWO01/68789A1号公報のようなシステムにおいては、1又は複数の工程反応が、他の工程から物理的に分離されている。 このことにより、工程上の幾つかの利点が得られるけれども、反応装置が次のようになるという不利がある。
・大型化すること
・建設費がより高価になること
・メンテナンス費用が高価になること
燃料に含む水分
通常、燃焼装置は、水分量が多い燃料(発熱量の小さい)か、水分量が少ない燃料(発熱量の大きい)を対象に作られている。 しかし、ユーザーは往々にして広範囲の種々の燃料を燃焼させることのできる設備を欲しがっている。
WO2007/036236A1 号公報には、この課題の解決策が記載されている。 仮に、燃焼装置が湿った燃料向けに設計されていて、乾燥燃料が入って来た場合には、燃料中の水の不足分を燃料または反応装置中に水を追加することで補うことができる。 そうすれば、乾燥ゾーンが過熱してNOxが発生したり、材料がオーバーヒートすることがない。
ガス燃焼
固形燃料を清浄な排ガスに変換する際における技術的な環境上の主な課題の1つは、排ガス中に好ましくない物質が発生するのを防止することである。 こうした物質は、次のものを含む。
・有機物:CO、PAH(多環式芳香族炭化水素)、ダイオキシン、VOC
・NOx
・粒子
・その他
最新の燃焼プラントにおいては、多数のノズルを備えた複数のエア噴射ステージ(1次、2次、3次エア)及び/又は十分に低いエミッションとする為のNOx除去フィルター、有機物の為の酸化装置、集塵機などの下流ガス清浄化手段が設けられている。
有機物の燃焼は、酸素とガスを効果的に混合することにより、2秒又はそれ以上の保持時間を確保することにより、900℃又はそれ以上に高い燃焼温度を確保することにより、最適化することができる。
燃料NOx
上記の熱NOxの他にも、燃料中の窒素からもNOxが発生する。 この燃料NOxは、燃料の理論混合比の空燃比を超えるとNOxが発生する。 これは火格子システムと流動床燃焼において往々にして発生するのに対して上昇流式ガス化装置においては発生しない。 上昇流式ガス化装置においては低濃度NOxを含むガスが生成される。
排ガス中の酸素含有量
燃焼プラントにおける重要なパラメータは排ガス中の酸素含有量である。 酸素含有量が少ない程好ましい。 低過剰酸素の利点としては次のことを挙げることができる。
・設備コストが低くなり、エアブロアの消費エネルギーが少なくなる。
・排ガスの量が少なくなり、熱反応装置の下流側機器が小形化し且つ安価になる。
・排ガス中の蒸気含有率が高くなり、熱放射特性がよくなる。
・排ガス中の水の露点が高くなり、凝縮用クーラーのエネルギー効率がよくなる。
一般に、過剰空気が5%以上、例えば、7%以上(乾燥状態)であることは、1.3 又はそれ以上のλ(理論空燃比)に相当する。
排ガス中の水蒸気含有量
排ガス中の水蒸気含有量が多くなると例えば次のような複数の利点が得られる。
・放射特性が改善される。
・凝縮器における熱回収が改善される。
・煤の生成が妨げられる。
・温度が制限されてNOx生成が制限される。
燃焼用空気中の水蒸気と酸素含有量
通常、未処理の空気が燃焼用に用いられる。 しかし、その空気に水蒸気及び/又は酸素を追加することによりその燃焼用空気の特性が改善される。
1次空気中の水蒸気は酸化ゾーンにおける温度を下げる効果があり、灰の溶融が防止され、ガス化反応(H2O+C →CO+H2)を改善する。
2次空気中の水蒸気は、ガス燃焼部における温度を下げてNOxを減少させる。 さらに、水蒸気は煤の生成を抑制する。 酸素含有量が高い場合には、燃焼流体の質量流量が少なくなり、プラントの規模を小さくすることができる。
灰除去システム
火格子システムと流動床システムにおいて、灰除去システムは高価になるだけでなく複雑なものになる。 流動床システムにおいては、灰と砂が混じってしまうため、それらを除去してから灰から砂を分離しなければならない。 上昇流式ガス化装置の灰除去システムは、火格子上の温度が低くなるように、簡単化することができる。
反応装置と高温ステージの可動部品
火格子システムにおいて、燃料が入り口から灰出口まで火格子により移送される。 一般に、この火格子は高級鋼で作られており、高価でありかつ取り替える必要もある。 通常、火格子の一部は毎年交換され、休止期間の費用と材料費と労働費が非常に高価になる。 ある種の上昇流式ガス化装置においては、燃料の頂部をならす為の大きな攪拌機が設けられている。
形状
流動床式反応装置と上昇流式ガス化装置は一般に丸形であり、火格子式システムは一般に角形である。 上昇流式ガス化装置における一般的な丸形形状では、約10MW熱出力が最大の設備となる。 上昇流式ガス化装置においてキーとなる数値は、炭化物ガス化反応装置について1MW/m2である。 7MWの設備で、直径は3m以上になり、このサイズでは、流れが均一でなくなる。 それ故、上昇流式ガス化装置においては、約10MWが最大入力であるとされている。
プラントのサイズ
燃焼プラントは、例えば5kW又はそれ以下のストーブのように、非常に小さな規模に、或いは石炭火力発電所のように数百MWのような非常に大きな規模に作られる。
ターンダウン比
火格子システムと流動床システムの一般的なターンダウン比は、約1:2であるのに対して、上昇流式ガス化装置は、1:10、あるいは1:20ものターンダウン比をもっている。
熱NOxは、ガス燃焼ステージにおいて生成され、主に温度に依存している。 燃焼温度が高くなるほど、多くのNOxが生成される。 しかし、酸素含有量が多くなるほど多くのNOxが生成される。 NOxの生成は、温度が1100℃以下のときにはたいして多くならないが、温度が1100℃よりも十分高くなるとNOxの生成が加速される。
粒子エミッションは、通常、流動床反応装置や火格子システムからは多く発生するのに対して、上昇流式ガス化装置は粒子含有量の少ないガスを出すことは知られている。
空気分配
一般的な燃焼プラントにおいて、燃焼ステージの多くのステージへ空気が分配される。 ・乾燥ステージ
・熱分解ステージ
・ガス化/酸化ステージ
・灰焼却ステージ
・ガス燃焼ステージ、これは複数ステージ(2次、3次ステージ)で行うことが多い。 酸素が乾燥ステージ及び/又は熱分解ステージ及び/又は酸化ステージに導入されるとき、不揮発性炭化物の焼却かあるいはガス燃焼を目的としており、その結果、プラント全体としては高レベルの過剰空気状態となる。
灰のカーボン含有量
火格子システムと流動床システムにおいては、灰のカーボン含有量は10%又はそれ以上である。 このことは、効率低下と環境問題を引き起こす。 カーボンは未使用のエネルギーを含んでいるだけでなく、例えばPAHのように環境面で好ましくない物質を含んでいる。 さらに、主な技術的な問題は、灰の成分にもよるが灰は700〜900℃で焼結することが多いということである。 火格子システムと流動床システムにおいて、灰の焼結を防ごうとすると、炭化物含有量が10%又はそれ以上にも高くなってしまう。 また、火格子システムでは、炭化物含有量の多い未燃の燃料が火格子から落下し、底部の灰に含まれる炭化物含有量が多くなる。
本発明の目的は、バイオマスと廃棄物を燃やす為の改善された熱反応装置を提供することである。
請求項1の熱反応装置は、固形の炭素系燃料を排ガスと灰に変換する熱反応装置において、上下方向に並べて配置された複数のステージにおいて燃料がガス成分と固形成分とに分解される温度まで燃料を加熱する上昇流式ガス化反応装置と、前記上昇流式ガス化反応装置の上方に配設され且つ上昇流式ガス化反応装置で発生したガスに空気供給手段からの燃焼用空気を加えて燃焼させるガス燃焼ステージとを備え、前記上昇流式ガス化反応装置は、上から下に向って順に配置された複数のステージであって、前記ガス燃焼ステージに臨み酸素の追加なしに燃焼を乾燥させると共に燃料を熱分解する熱分解ステージと、前記熱分解ステージで生じた炭化物をガスに変換するガス化・酸化ステージと、空気が供給される灰焼却手段を含む灰除去ステージとを有し、前記熱分解ステージは、前記ガス化・酸化ステージで生成された高温ガスと前記ガス燃焼ステージの燃焼ガスを用いて燃料を加熱するように構成され、前記ガス燃焼ステージは、ガス流に逆混合が生じるようにガス流を修正すると共に燃料層の頂部へ熱を放射させる為のレンガ製ノーズ部を有することを特徴としている。
請求項2の熱反応装置は、請求項1の発明において、前記ガス燃焼ステージにおけるガス燃焼は、 1100℃以下の温度で行われることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、 前記熱分解ステージは、前記ガス化・酸化ステージで生成された高温ガスと前記ガス燃焼ステージの燃焼ガスを用いて燃料を加熱するように構成されているため、燃料を500〜700℃以上もの高温まで加熱することができるため、熱分解反応時間が短くなるので、熱分解ステージをコンパクトにし、上昇流式ガス化反応装置の小型化を図ることができる。
空気が供給される灰焼却手段を含む灰除去ステージを有するため、灰に含む炭化物の燃焼を促進し、灰のカーボン含有量を低減し、灰除去を簡単化することができる。
また、前記ガス燃焼ステージは、ガス流に逆混合が生じるようにガス流を修正すると共に燃料層の頂部へ熱を放射させる為のレンガ製ノーズ部を有するため、ガス流に逆混合を生じさせて燃焼を促進すると共に、燃料層の頂部への熱の放射を促進することができる。
請求項2の発明によれば、前記ガス燃焼ステージにおけるガス燃焼は、 1100℃以下の温度で行われるため、NOxの発生を抑制することができる。
本発明による熱反応装置の基本的な複数の工程段階を模式的に示す図である。
本発明による温水を製造する加熱プラントの基本的な複数の工程段階を模式的に示す図である。
本発明による熱反応装置と放射ガス冷却器を示す図である。
木片熱入力2MWの熱反応装置を示す図であり、単位はmmである。
ガス燃焼のCFDシミュレーションに基づく熱反応器内の排ガス中のCO含有量を示す図である。
図3aの熱反応装置のCFDシミュレーションに基づく熱反応装置内の排ガス中のCO含有量を示す図である。
ガス燃焼のCFDシミュレーションに基づく熱反応装置内の排ガスのフローパターンと温度を模式的に示す図である。
図3aのCFDシミュレーションに基づく熱反応装置内の排ガスの温度を模式的に示す図である。
本発明に基づく温水製造用加熱プラントを示す図である。
本発明に基づく温水製造用加熱プラントを示す図である。
本発明に基づく温水製造用加熱プラントの3次元レイアウトを模式的に示す図である。
図6aのレイアウトに基づく木片熱入力2MWの加熱プラントの3次元レイアウトを模式的に示す図であり、(a)は加熱プラントの側面図、(b)は加熱プラントの正面図、(c)は加熱プラントの平面図である。
燃料中の水分含有量と過剰空気率に依存する、ガス燃焼ステージの断熱温度を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
熱反応装置
上昇流式ガス化装置の原理は、可動床技術を用いて燃料をガスと灰に変換するのに用いられている。 多くの好ましい実施例において、燃料は頂部に投入されて、次のような連続的な一貫した(コヒーレントな)複数のステージ(頂部から底部へ向う)において可燃ガスに変換される。 上記の複数のステージは、乾燥ステージ、熱分解ステージ、炭化物ガス化・酸化ステージ、灰焼却ステージである。
上昇流式ガス化装置の上方には、ガス燃焼ステージがあり、そのガス燃焼ステージにおいて上昇流式ガス化装置からくるガスが燃焼に供され、その燃焼による熱が上昇流式ガス化装置における燃料の頂部層へ与えられ、それにより燃料を効率的に乾燥させて熱分解する。
このように、可燃有機物を分解する場合、その燃料(可燃有機物)を複数の個別のステージ(例えば、乾燥ステージ、熱分解ステージ、ガス化・酸化ステージ、焼却ステージ、ガス酸化ステージ)において、その燃料をガス成分と固形成分とに分解させる温度まで加熱する加熱処理を行う。 さらに、乾燥ステージと熱分解ステージにおける燃料は、酸化工程により生成されたガスを用いて加熱される。
本明細書において、「ステージ」とは、好ましくは、壁部材で区画されるチャンバー内の特定の領域を指定するべく使われている。
種々のステージ(例えば、乾燥ステージ、熱分解ステージ、炭化物ガス化・酸化ステージ、灰焼却ステージ)は、燃料に対する異なる処理が個別のステージでなされるという意味において、個別の一貫した(コヒーレントな)複数のステージである。
しかも、燃料があるステージから次のステージへ直接移動するという意味において、それらのステージは、連続的かつ一貫したものである。
従って、固形の炭素含有燃料を熱反応装置において排ガスと灰に変換する。 その燃料を別個の複数ステージにおいてガス成分と固形成分とに分解する温度まで加熱する加熱処理を含む。
上記の個別の複数ステージは、次のステージを含んでいる。
・熱分解ステージ:酸素を追加することなく燃料を熱分解させる。
・ガス化・酸化ステージ
・灰焼却ステージ:酸素を供給して灰焼却を行う。
・ガス燃焼ステージ:酸素を供給してガス燃焼を行う。
上記の熱分解ステージにおいて、燃料はガス化・酸化ステージとガス燃焼ステージにおいて生成されたガスを用いて加熱される。
複数のステージは一貫しており(コヒーレント)、ガス化・酸化ステージにおいて、炭化物がガスに変換される。
「燃料」という単語は、一種類の燃料を意味することもあり、種々のタイプで組み合わせた燃料を意味することもある。 ガス化・酸化ステージは、個別の複数ステージであってもよいが、ガス化・酸化ステージは実際には一つのステージである。
移送システム
燃料は熱反応装置へ移送される。 好ましくは、ガス化装置は灰除去システム以外に反応装置の内部に移送機構を必要としない。
固形部(頂部から底部)の複数のステージについての説明
新鮮な燃料は、好ましくは反応装置内の乾燥ステージへ移送される。 乾燥ステージにおいて、燃料中の水分が蒸発する。 燃料は重量ベースにて数%程度の非常に僅かの水分を含むものでもよいし、55%以上の非常に多くの水分を含むものでもよい。
大気圧下に、燃料を100℃に加熱して乾燥させる。 その加熱温度を高める程、乾燥工程が速くなる。 乾燥工程のエネルギーは、次の二つの内部工程から供給される。
・上方のガス燃焼からの熱、これは主として放射と対流により伝達される。
・下方の炭化物ガス化からの熱、これは主として対流により伝達される。
乾燥ステージでは、400℃あるいは600℃以上もの高温に効果的に加熱されるため、この反応装置における乾燥時間は5分以下程度に短く、そのため、非常にコンパクトな乾燥ステージとなっている。 燃料が乾燥されて加熱されると、熱分解ステージにおいて分解蒸発が起こる。 この熱分解ステージにおいて、固形有機燃料は、約300〜900℃の温度に加熱され、炭化物と灰を含む固形成分と、タール、メタン、CO、CO2、H2、H2O等を含むガス状成分とに分解される。
熱分解工程のエネルギーは、主として他の次の二つの工程から供給される。
・上方のガス燃焼からの熱、これは主として放射と対流により伝達される。
・下方の炭化物ガス化からの熱、これは主として対流により伝達される。
熱分解ステージは、500℃あるいは700℃以上もの高温まで効果的に加熱されるため、熱分解反応時間は、5分以下程度まで短くなり、そのため、非常にコンパクトな熱分解ステージとなっている。 コンパクトな乾燥ステージと熱分解ステージにより、プラントの建屋の高さが小さくなり、建設材料費を節減することができる。
炭化物酸化・ガス化ステージにおいて、熱分解ステージで生成された固形成分は、可燃ガスとカーボン分の多い灰に変換される。
ガス化反応(主に、CO2+C→2CO、 H2O+C→CO+H2)は吸熱反応(エネルギー消費反応)である。 ガス化促進剤は、酸素により生成されたガスである。
ガス化・酸化ステージにおける温度は、600℃〜1100℃である。 なお、「ガス化」は、往々にして「還元」と言われている。
酸化ステージにおいて、ガス化ステージにおいてガス化されなかったカーボンは、酸素を用いて酸化され、燃焼させられる。 酸素以外にも、乾燥空気として水蒸気と窒素を追加してもよく、湿り空気と水蒸気を酸化ステージに供給してもよい。 酸化ステージにおける温度は、700℃〜1100℃である。
酸化ステージの下には灰が溜まる。 酸化促進剤(空気)と可能なら水蒸気が灰の層へ供給される。 空気/水蒸気の温度は、300℃以下或いは100℃以下位に低い。 それにより、最終段の焼却がなされ、灰が冷却されて300℃以下或いは200℃以下の低温の灰であって、カーボン成分が重量ベースで10%以下あるいは5%以下の低カーボンを含む低温の灰になる。 灰は灰除去システムにより除去することができる。
ガス燃焼部(固形部の上)についての説明
上昇流式ガス化装置は、H2O、H2、CO、CO2、CH4および高次の炭化水素を含む可燃ガスを生成する。 熱分解ステージの頂部の温度は700℃以上もの高温であるため、H2O、H2、CO、CO2のガスは平衡状態に近い状態になる。
ガス化装置において、燃料中の水分量が多く、必要に応じて水を追加したり、及び/ 又は水蒸気や湿り空気を使用するため、水素成分が多くなり、水素が火炎伝播速度を増すため、その後のガス燃焼が非常に速くなるという好ましい効果が得られる。
炉床の直上における典型的なガス組成は、H2Oが30%、H2が23%、CH4が1%、COが8%、CO2が13%、N2が25%であってもよい。
可燃ガスは空気で酸化されてCO2とH2Oとに変換される。 ガス燃焼工程は、炉床面の近く、4m以下の場所で行われる。 炉床の頂部はガス燃焼ステージにより、主に放射によりまたは一部が対流により加熱される。 ガス燃焼から炉床への熱伝達が生じるため、火炎が冷やされ、NOxと煤の生成が少なくなる。
熱反応装置において、冷却手段として、更に、水蒸気過熱器、又は、スターリングエンジンにおいて使用されているヘリウムベース過熱器などの別の型式の過熱器を挿入装着してもよい。 また、熱反応装置を冷却する為に、水ボイラー及び/又はオイルボイラーを用いることも可能である。
好ましくは、下方の炉床への熱伝達が最適になるような方法と高さで、熱反応装置の一定高さ位置に複数のエアノズルを設け、それらエアノズルを好ましくは水平方向へ、又は例えば0〜20度程度少し下向き方向へ指向させる。
好ましくは、熱反応装置の壁は、COとNOxを改善(減少)でき、且つ熱い壁面から燃料の頂部層への放射が増加するように、なんらかの逆混合/再循環が発生するような形状にする。 好ましくは、湿り空気は燃焼温度を低下させてNOxの生成を少なくするため、燃焼用に湿り空気が使用される。
エアノズルは、燃焼用空気に適正な速度を与え、良好な燃焼を確保できるように設計される。 一般的には、ノズル速度は、最大負荷(フルロード)状態のとき10〜40m/sとする。 燃焼部における温度は、一般的には900〜1100℃である。
燃料の水分量
熱反応装置は、濡れた低発熱量の燃料から乾燥した高発熱量の燃料までの広範な種々の燃料を使用することができる。 この利点は、上記の両方の種類の燃料を使用しなければならないようなプラントに散水システムを装備した場合に得られるものである。
上記の散水システムを用いれば、安定した制御された燃焼工程を確保できる。 即ち、燃料が乾燥気味になって熱反応装置内の温度が上昇しそうになったとき、散水システムが、燃料内へ又は熱反応装置内へ散水することにより、温度を安定させる。 水の蒸発熱が多いため、水が蒸発すると熱反応装置内の温度が低下することになる。 上記の散水システムによれば、次のような効果も得られる。
・温度低下によりNOxの生成が抑制される。
・温度低下により、また水蒸気量の増加により、煤の発生が低減する。
・水蒸気量の増加により、放射特性が増強される。
・低温凝縮器における熱生成により回収される凝縮エネルギーが、熱反応器における水 の蒸発量に応じて増加する。
システムに水を追加するシステムは、熱反応装置における燃料の発熱量とは独立に、非常に安定した温度を確保可能にする。 その結果、安定した低エミッションとなる。
ガス燃焼
・酸化ステージおいてガス/燃料の良好な混合がなされ、保持時間も2秒以上と長くな るため、有機物が効率的に燃焼してCO2になる。 さらに、ガス燃焼部へ到達するガ スが、乾燥又は熱分解ステージに対する強烈な放射により500℃或いは700℃以 上のような高温になっているため、ガスへ変換する反応時間が非常に短くなる。 さら に、900〜1100℃の温度範囲と、燃焼に供されるガス成分当たりの高い酸素比 率が、急速な効率的な燃焼を確実にする。
・ガス燃焼ステージにおける温度が1100℃以下に制限されるため、ガス相における NOx生成が制限される。 さらに、ガス燃焼に湿り空気を用いるため、NOx生成が 少なくなる。
・上昇流式ガス化装置は、火格子システムや流動床システムに比較して、極く僅かの粒 子を含むガスを発生する。
さらに、ガス化装置の頂部における炉床面積が大きいため、粒子エミッションを更に低減することができる。 これは、上昇流ガスの流速が上記の大きな炉床面積のため小さくなるからである。 さらに、散水すると水滴が粒子を捕捉して、炉床の方へ落下させるため、散水システムは、ガス精製システム(scrubber system ) と同様に、粒子エミッションを更に低減することができる。
ここで、米国特許第6024032号公報の装置では、ガス燃焼温度が1100〜1300℃になるため、高濃度のNOxが発生し、装置が複雑であるため建設費も高価になるということを指摘しておく。
燃料NOx
NOx濃度が低くなるということは重要な特徴である。 燃料の理論空燃比が高いときに燃料NOxが生成される。 低濃度のNOxを発生すると知られている上昇流式ガス化装置の原理を採用しているため、炭化物酸化ステージに過剰空気は存在しない。
排ガス中の酸素含有量
この熱反応装置の主な効果は、過剰空気の含有量が制限されているという点である。
過剰空気は、乾燥ベースで7%のように、一般には5%以上であるが、これはλ(理論空燃比)1.3又はそれ以上に相当する。 この熱反応装置において、過剰空気は、4%又はそれ以下のように、5%以下である。
このように非常に低い過剰空気は、大部分の空気、約80%の空気を上昇流式ガス化装置で生成されたガス中へ導入することで達成される。 4%の過剰空気は、理論的な空気−ガス比率1.3に相当し、この比率はガス燃焼工程の為の標準的な値である。
低酸素含有量は、特定の空気分布(下記参照)に部分的に起因しており、ガス化装置から出るガスが、従来のガス化装置から出るガスよりも温かいということに部分的に起因している(温かいガスは低温ガスよりも少ない酸素で完全燃焼させることができる)。
低過剰空気により次のような効果が得られる。
・エアブロアの為の投資費用が低くなり、エネルギー消費量も少なくなる。
・排ガスの量が少なくなるため、熱反応器の下流側に小形で安価な機器を採用できる。 ・排ガス中の水蒸気比率が高くなるため、放射特性がよくなる。
・排ガスの露点が高くなるため、凝縮用冷却器のエネルギー効率が高くなる。
空気分配
低過剰酸素、排ガス中のカーボン物質の良好な焼却、低NOxおよび清浄な灰の組み合わせは、本発明の非常にユニークな特徴である。 このことは、完全燃焼の為に必要な空気を次の二つの工程のみで使用することにより達成される。
・炭化物変換(1次空気)
・ガス燃焼(2次空気)
然るに、乾燥と熱分解は、ガス燃焼からの放射と、炭化物ガス化装置内の高温ガスからの対流によるエネルギーによって行われる。 ここで、それぞれの活性酸素分子は、分解蒸発した炭化物の燃焼、或いは、ガス成分の酸化の何れかに使用される。
排ガス中の水蒸気含有量
この熱反応装置の主な効果は、排ガス中の水蒸気含有量が高いことである。
この効果は、既に記載済みである(放射特性が改善され、凝縮器における熱回収が改善され、煤の生成が抑制され、温度が制限されてNOx生成が抑制される、等々)。
重量ベースで20%以上になる安定した高い水蒸気含有量は、燃料中の水分含有量が低下したときに作動させられる散水システムによりシステム中に維持することができる。 また、燃焼用に湿り空気を使用するため、排ガス中の水蒸気含有量を増大させる。
灰のカーボン含有量
上昇流式ガス化原理は、炭化物を可燃ガスと灰に変換するのに使われている。 このことは、炭化物の燃焼性の向上をもたらす。 また、灰のカーボン含有量が10%以下、場合によっては5%以下になる。 焼結を低減する為に、湿り空気を使用してもよいし、反応器の底部に水蒸気を添加してもよい。
灰除去システム
主な効果は、炭化物焼却性能を高めること、灰除去を簡単にすることである。 火格子システムと流動床システムにおいては、灰除去システムが高価で且つ複雑化するけれども、灰除去システムが技術的に簡単に安価に製作可能になる。 灰は、例えば1又は複数のスクリューにより簡単に除去することができる。
反応装置と高温ステージに可動部材が存在しない(又は制限される)こと。
主な効果は、乾燥、熱分解、炭化物酸化、炭化物ガス化の各ステージに火格子を設けていないことである。 理想的には、このシステムは次のような可動部材を有する。
・フィーダ(100℃より低温)
・灰除去スクリュー(灰は300℃より低温)
・エアブロア(50℃より低温)
しかし、プラントの型式によっては、また、燃料の種類によっては、バイオマスや灰をある反応ステージから他の反応ステージへ移動させる1又は複数の攪拌機やプッシャーを装備しておくことは有利である。
さらに、ある種のプラントにおいては、機器の寿命の観点から長い又は短い期間だけ高温ステージへ移動させられるような1又は複数の熱電対や他のセンサを装備しておくことは有利である。
形状
熱反応装置は、鉛直方向に複数のステージに分割されている。 その複数のステージは、下から上方へ向って次のようなステージを備えている。
・灰焼却ステージ
・炭化物酸化・ガス化ステージ
・熱分解ステージ
・乾燥ステージ
・ガス燃焼ステージ
ガス燃焼ステージは、ガスバーナーとして機能すると共に、上昇流式ガス化装置の頂部層の為の熱源として機能する。
熱反応装置の高さは、小型のプラントの場合は2,3mから、大型のプラントの場合は8m以上に亙って異なる高さにしてもよい。 平面視において、熱反応装置は丸形でもよく長方形でもよい。 ガス燃焼部と同様に、固体炉床は種々のサイズに形成することができる。 例えば、熱反応装置の底部は一つの直径を有していてもよく、乾燥/熱分解領域の上方付近ではより大径であってもよく、ガス燃焼ステージの上方では熱反応器はもっと大径であってもよい。
プラントのサイズ
一般的に、このような型式のプラントは、1〜20MW熱入力のサイズになるであろうが、これよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。 一般的な設計パラメータは、ガス化部において、約1m2/MW燃料入力であり、ガス燃焼部におけるガスの保持時間は約2秒である。
ターンダウン比
他の重要な特徴は、大きなターンダウン比である。 設計と燃料如何に応じて、本発明は1:10又は1:20以下ものターンダウン比を有する熱反応装置の設計に用いることができる。
調整の容易性
他の重要な特徴は、システムの調整が容易であるという点である。
炉床の高さ
炉床高さを同じ高さにすることが好ましい。 そのため、フィーディングシステムに連関する炉床高さを測定するシステムを設けることが好ましい。 炉床高さは、レーダーや超音波測定器やガンマ線測定器などのセンサで測定することができる。 また、炉床高さは、熱電対を用いて間接的に測定してもよい。
フィーダにおいて、乾燥・熱分解ステージは、上方のガス燃焼ステージから放射熱を受ける。 乾燥・熱分解ステージに正規の燃料層が存在する場合、フィーダの底部は低温となる。 しかし、乾燥・熱分解ステージの燃料層が低い場合、フィーダの底部は熱くなる。 そのとき、熱電対がフィーディングシステムに新鮮な(低温の)燃料を供給するような指令を送る。
フィーダの反対側:熱反応装置の壁部温度を種々の高さ位置で測定することにより、燃料層の大凡の高さは求めることができる。 ガス燃焼が起こる熱反応装置の壁部は、燃料層の頂部のところの熱反応装置の壁部よりも熱くなる。
灰除去
ガス化装置の底部において灰が除去され、焼却層へ酸素(空気)が注入される。 灰除去システムは、灰に含まれる炭化物が焼却されたときに作動する。 灰の層に炭化物が含まれる場合には、炭化物が酸化され灰が熱くなる。 炭化物が完全に焼却されると、灰は低温になる。 こうして、酸素(空気)注入口の直上において温度測定し、炭化物が完全に焼却されたときに灰除去システムを作動させるように指令することができる。
ガス化と燃焼用の酸素
熱反応装置の理論空燃比は、約1.2〜1.3であり、これは排ガス中の約4〜5%の酸素含有率(乾燥ベース)に相当する。 1又は複数のエアブロアは、この酸素量を確保するように制御される。 酸素は、ガス化反応装置とガス燃焼ステージに分配される。
ガス化反応装置は、0.2〜0.25の理論空燃比で作動し、酸素の15〜20%が灰焼却ステージへ供給され、残りの酸素はガス燃焼ステージへ供給される。
温度制御用の水
既述のように、ガス燃焼ステージの温度制御のために水を用いることができる。
安価、シンプル、コンパクト
既述のように、このシステムによれば、最新の燃焼技術と比べて、多くの効果が得られる。 それ故、このシステムが高価で複雑なものになると想像するのも無理はない。 しかし、このシステムのシンプル性とコンパクト性が本発明の主要な効果である。
システムの圧力
一般的に、システムの圧力は、大気圧であるが、大気圧以下または大気圧以上の両方用に建設することができる。
材料
一般にこのシステムは、レンガや断熱部材で内張りし、その外側を断熱材と鋼製容器で覆う構造とすることができる。
次に、本発明を実施するための好ましい実施例について図面に基づいて説明する。
図1において、符号1は燃料が追加されるユニット又は反応装置である。 燃料は、空気(及び/又は酸素)を追加することにより熱的に変換される。 こうして、熱反応装置1内に高温ガスが生成される。 ユニット1に供給される燃料はバイオマスや廃棄物や石炭等の固形燃料である。 もし、熱反応装置1が濡れた燃料等の低発熱量の燃料用に設計されている場合で且つ追加燃料が高発熱量の燃料である場合には、そのユニット又はそのガス発生装置は、乾燥ステージ3、及び/又は熱分解ステージ4、及び/又はガス燃焼ステージ2において、その燃料に水分を追加することにより調整することができる。
燃料は、燃焼ステージ2からの放射によって、また、ガス化・酸化ステージ5からのガスの対流によって,乾燥され熱分解(分解蒸発)される。
ガス燃焼ステージにおける、温度、NOx、CO等のキーパラメータは、センサS1による測定に基づいて、酸素と水分の追加を調整することにより調整することができる。
分解蒸発した燃料は、ステージ5においてガス化され酸化され、最終段の灰焼却はステージ6において、酸素好ましくは水蒸気を注入することで行われる。
灰除去システムは、酸素注入口の近くに設けた温度センサに基づいて、簡単に調整することができる。 温度センサの周りの灰が炭化物を含んでいない場合には、エア(空気)がセンサを冷却し、灰除去システムが作動する。 上方の熱い酸化ステージが下方へ移動されて、温度センサが温度上昇を測定する場合には、灰除去システムを作動停止させる。
フィーディングシステムは、1つ又は小数の温度センサに基づいて調整することができる。 熱電対は、乾燥・熱分解ステージの炉床及び/又はフィーダの反対側の壁部に埋め込んで設けることができる。 フィーダの近くの炉床の温度上昇は、炉床上にバイオマスがないこと又は非常に僅かしかないことを示しているので、その炉床の温度上昇は、フィーダを起動させる指令になる。
ガス燃焼部における温度は、フィーダの反対側を測定したソリッド・フラクション熱電対の温度よりも高いということを、炉床の高さを測定するのに用いることができる。
若しくは、レーダーや超音波センサや赤外線カメラなどの炉床高さ測定機器を用いることができる。 ガスは、900℃以上になると燃焼ステージを確実に離れる。 そのガスは、1又は複数のガス冷却器8により冷却され、それらの回収熱は熱反応器又は次のステージにおいて吸収される。
図2には温水を作る為のエネルギープラントが模式的に図示されている。
乾燥ステージ3、熱分解ステージ4、ガス化ステージ5(酸化、還元)、灰焼却ステージ6が、熱反応装置1内で鉛直方向に一貫した(コヒーレントな)状態に接続されている。 ガス燃焼ステージが放射により燃料の頂部へエネルギーを分配する分配方法も示している。 符号8は、水やオイルパネル、水蒸気/ヘリウム過熱器などの内部熱交換器であり、符号9は、熱反応装置1の下流側のガス冷却器である。
符号10は、ガスをさらに冷却する為の水噴射であり、符号11はフィルターであり、符号12はブロアである。 符号13は、ガスを100℃以下に冷却するのに使うことができる水噴射である。 符号15は、水を加熱し、排ガスを冷却し、水蒸気を凝縮させる凝縮用熱交換器である。 符号17は、空気に湿気を与えて加熱し且つ排ガスを冷却して除湿するエンタルピー交換システムである。 符号18において、熱反応装置1へ導入する前の空気が予熱される。
図3は、図1、図2に基本的に図示した熱反応装置の模式図である。
この熱反応装置の底部において、灰スクリューの両側から灰焼却ステージへ空気が導入される。 灰プッシャーが灰をスクリューの方へ移動させる。 総空気量の約20%が灰焼却ステージへ導入されるように、流量計Fが空気入口で測定している。 熱電対(センサS2)は、温度を測定していて、温度が例えば200℃の設定温度まで低下したとき灰スクリューを作動させる。
酸化ステージ5bにおいて空気が酸化され、その高温ガス(CO2とH2O)がガス化ステージ5aにおいて炭化物をガス化する。 その上には、乾燥ステージと熱分解ステージがある。 1又は複数の温度センサ(S1)がフロアに設けてあり、熱分解ステージがフィーダの方へ上昇移動して測定温度が上昇するとき、フィーダが作動して新鮮な燃料を押動して供給する。
ガス燃焼ステージ2は、新鮮空気が導入されてガス化されたガスと混合し、1000〜1100℃の温度範囲で効率的に燃焼する1次燃焼ステージ2aが設けられている。 高温ガスは炉床へ熱を放射して炉床を加熱し且つガスを冷却する。 ノズル側と反対側の壁部に、1次燃焼チャンバーから離れるガスに逆混合が生じるように、また、「ノーズ」の下側(最も熱い側)から炉床の頂部へ熱を放射するように流れ修正用の「ノーズ」が設けられている。 1次燃焼ステージの次には、ガス焼却ステージ2bがあり、このステージにおいて、残りのCOと炭化水素とダイオキシンが焼却され、例えば、500mg/Nm3未満、場合によっては300mg/Nm3未満という低COエミッションになる。
前記のものと同様に、複数の区分されたステージ、即ち、乾燥ステージ(3)、熱分解ステージ(4)、ガス化・酸化ステージ(5)、焼却ステージ(6)が区分され且つ一貫した状態に(コヒーレント)になっている。
図3aは、木片熱入力約2MWの熱反応装置の断面を示すものである。 この熱反応装置が4つの分割体に分割されているため、製造するのも簡単で、据え付け場所へ輸送するのも簡単になっている。 燃料は、左側の開口部からスクリュー方式にて搬入される。 その燃料は、反応器の底部へ重力により落下する。 左側の壁は鉛直であるため、ブリッジの形成が最小となる。 ブリッジの形成をさらに防止するために、低振動数のバイブレータを熱反応装置に設けてもよい。
2つのスクリューを設けてあるため、灰をスクリューの方へ押す為のプッシャーを必要としない。 熱反応装置は、外側から内側へ向って、鋼製ケーシングと、断熱材と、耐火ライニングとを有する。 燃料層がどの高さまであるのか検出する為に、熱電対がフィーダ部に横断状に耐火ライニングに設けてある。 湿った1次空気が約12個のノズルから底部に注入され、2次空気はフィーダ点から約400mm上方の約3つのノズルから下向き35度方向に向けて注入される。
図4、4aは、ガス燃焼ステージ2における局部的CO含有量を示す図表である。
この図表は、CFDシミュレーションの結果であり、これによればガス燃焼ステージ2直後のCO含有量は100ppm以下である。 2次燃焼用空気は、直径120mmの3つのノズルから、約20m/sの速度でガス燃焼ステージへ流入する。
図5は、ガス燃焼ステージ2における局部的なガスの温度と流れ方向を示す図表である。 この図表は、CFDシミュレーションの結果であり、これによれば温度が700〜1100℃の範囲に入っているため、熱NOxが多量に生成されるのを防ぐことができる。
この図表は、良好な逆混合が生じていることを示している。
図6は、本発明に基づく温水製造用の加熱プラントの模式図であり、図6には図2に記載した反応装置が示されている。
熱反応装置1において、灰スクリューが反応装置の片側に配置されている。 空気は灰スクリューの片側にだけ供給される。 燃焼チャンバー2の後側には放射冷却器9が設けられている。 放射冷却器9の後側には、蒸発冷却器10が設けられ、この蒸発冷却器10によりガスが400℃以下に冷却され、粒子が捕捉されてスクリュー11により除去される。
スクラバー水は符号13で示す機器においてガスを更に冷却し、ガスはポンプ12によりポンピングされる。 粒子はハイドロ・サイクロン14によってスクラバー水から除去され、熱は熱交換器15より回収される。 燃焼用とガス化用の空気は、空気加湿器17によって湿気を付与され加熱され、スクラバー水は冷却される。 過剰な水(凝縮物)はフィルター14において清浄化される。
図6aは本発明の実施例の全体を外観する全体外観図であり、この装置では発明されたシステム燃焼が採用されている。 この実施例において、燃料貯蔵部(30)と燃料フィーディング手段(31)を含むフィーディングシステムが熱反応装置(32)を含む熱反応ユニットへ燃料を供給する。
この熱反応装置(32)には、この熱反応装置へ湿り空気又は酸素を供給する2つの供給口が接続されている。 湿り空気は、熱反応装置の底部(33)と、燃料供給部よりも上部(34)へ分配される。 熱反応装置の底部には、例えば、森林や牧草地や貯蔵場所へ供給する灰を取り出す為の取出口(44)が設けられている。 湿り空気や酸素は、ガス精製装置と同様の原理で作動している2つの空気加湿手段(35,36)を有する加湿システムから供給される。 これらの2つの空気加湿手段(35,36)は直列接続されている。
ここで、主加湿器(35)は、熱反応装置(32)における燃料供給口の上方の空気入口(34)に加湿空気を供給するとともに、熱反応装置(32)の底部(33)へ注入する前に空気を更に加湿する空気加湿ブースター(36)へも加湿空気を供給する。
熱反応装置(32)において生成された熱い排気ガスは、電気エネルギーと地域暖房熱の両方又は片方を製造可能なエネルギー取り出し装置(38)に接続された熱交換ユニット(37)を通って流れる。 高温ガスは、スクラバーシステム(精製システム)へ流れ、そのスクラバーシステムにおいて、高温ガスは、スクラバー(40)へ入る前に空気加湿ブースター(36)からの水を用いて排気ガスを冷却する急冷却装置(39)へ最初に入る。
スクラバー水の残りは、急冷却装置(39)の底部において、粒子や塩分と一緒に集められる。 このスラグは、このシステムへフィードバックする為に、燃料貯蔵部(30)へ送られる。 このループは、前に「第1流れ」と称したものである。
冷却された排気ガスは、次にスクラバー(40)へ流れ、このスクラバー(40)において、異なる2つの位置においてガスに水が散水される。 第1の位置(41)では、空気加湿ブースター(36)からの水と熱交換器(46)の凝縮水でもって散水される。
第2の位置(42)では、主空気加湿機(35)からの水をフィルター(43)で処理した高度に清浄な水が散水される。 清浄な冷却されたガスは、その後煙突へ流れる。
大量の水と、小量の粒子と塩の濃縮物からなるスクラバー水の残りは、「第2の流れ」を閉じている空気加湿ユニットへ戻る。 スクラバー(40)からのスクラバー水の一部は、処理することなく空気加湿ブースター(36)において使用され、スクラバー水の残りは、地域暖房に使用可能なエネルギーを回収する熱交換器(46)を通過し、その水は空気加湿ブースター(36)の下流側において位置47で「第2の流れ」に再合流する。
熱交換器(46)からの水が混じったブースター(36)からの水の一部は、主空気加湿器(35)へ供給され、残りの水はスクラバー(40)へ供給される。
それ故、第2の流れは、スクラバー(40)から空気加湿ユニットへ流れる1つの水系統と、スクラバーユニットへ戻る2つの水系統を有している。 急冷装置(39)へ水を分配する1つの系統があり、注入位置(41)でスクラバー(40)へ水を注入する1つの系統があり、第2位置(42)おいて高度に清浄化された水をスクラバー(40)へ注入する系統がある。 必要なら、主空気加湿器(35)の下流側においてフィルター処理の位置(43)において、第2の流れから高度に清浄化された水を取り出すことができる。
図7は、本発明に基づいて温水を製造する加熱プラントのレイアウトの3D(3次元)斜視図である。 図6に示すプラントの図である。 平面視にて、熱反応装置は矩形であり、放射冷却器、蒸発冷却器、ガススクラバー、空気加湿器は円形である。
図7aは、本発明に基づいて温水を製造する5MW熱入力の加熱プラントのレイアウトの3D(3次元)斜視図である。 これは図6aに示すプラントの図であり、単位はmmである。 図8は、燃料中の水含有量と過剰空気とに依存するガス燃焼チャンバー内の断熱温度を示す図表である。 この図表から、水分含有量52〜58%の燃料が非常に適していることが判る。 乾燥した燃料の場合、水分を追加するとか、熱反応装置を積極的に冷却するとかにより、何らかの冷却が必要である。
1 熱反応装置2 ガス燃焼ステージ3 乾燥ステージ4 熱分解ステージ5 ガス化・酸化ステージ6 灰焼却ステージ8,9 ガス冷却装置15 熱交換器ユニット
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