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Polarization scrambler

阅读:968发布:2024-02-15

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  • 光軸方向の磁界の強度に応じて、入射した平行光の偏波に所定量の回転を与えるファラデー素子と、
    前記ファラデー素子の近傍に配置され、前記ファラデー素子に前記光軸方向の磁界を加えるためのコイルと、
    前記ファラデー素子に加える前記磁界を形成させるために、前記コイルに所定の交流信号および直流バイアス信号を印加する信号源とを備え、
    前記直流バイアス信号がない状態において、前記コイルが作る磁界の強度に対する、前記ファラデー素子による偏波の回転量の絶対値を示す特性 に存在する、前記コイルが作る磁界の方向が正のときと負のときとで異な る非対称 性を、前記直流バイアス信号の強さを調節し て改善することによって、該非対称性に起因する残留偏光度を低減させるようにしたことを特徴とする偏波スクランブラ。
  • 前記ファラデー素子の近傍に配置され、前記コイルにより形成される磁界とは異なる方向の磁界を前記ファラデー素子に加える磁石をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の偏波スクランブラ。
  • 前記ファラデー素子及びこのファラデー素子に磁界を加えるための前記コイルを窓構造を有する気密封止パッケージに封入し、該窓構造を通して光を入出力させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の偏波スクランブラ。
  • 前記コイルは、熱伝導が良好な材料を用いて形成されたボビンに導体線を巻いた構造を有し、このコイルの発熱をパッケージに伝えて放熱するために、このコイルを直接または熱伝導が良好な材料を介してパッケージに接合したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の偏波スクランブラ。
  • 前記ファラデー素子は、エピタキシャル成長のガーネット膜に熱処理を施してなるものであることを特徴とする請求項1ないし のいずれか1項に記載の偏波スクランブラ。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、長距離光伝送に用いる偏波スクランブル技術に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    光アンプ多中継伝送系においては、偏波ホールバーニングを低減するために伝送する光の偏波をスクランブルすることが重要である。 偏波をスクランブルする偏波スクランブラとしては、ファラデー効果を利用したものが有用である。
    【0003】
    図6は、従来の偏波制御器のファラデー素子に交流磁界を加えて偏波スクランブラとして機能させた例である。 図6において、102と106はファラデー素子であり、このファラデー素子102,106には、それぞれ、交流信号発振器104,108とコイル103,107により光軸方向の交流磁界が加えられる。 良く知られているように、ファラデー素子に入射した光は、ファラデー素子を透過する際にファラデー回転を受ける。 ファラデー回転量はコイルに流れる電流に応じて決まるので、コイルに交流信号を加えることにより偏波をスクランブルすることができる。
    【0004】
    図6の装置においては、伝送光は、光ファイバ100を出ると、レンズ101により平行光に変換された後、ファラデー素子102に入射する。 ファラデー素子102では、入射光の直線偏波成分がスクランブルされる。 ファラデー素子102でスクランブルされない円偏波成分は、1/4波長板105により直線偏波に変換された後、ファラデー素子106によりスクランブルされる。
    【0005】
    このようにして偏波スクランブルされた光は、レンズ109で集光され、光ファイバ110に入射し、次段の装置へと伝送される。
    しかしながら、上記のようにファラデー素子を利用した偏波制御器のコイルに交流信号を加えて成る装置では、実際には良好な残留偏光度を得ることができず、偏波スクランブラとしての十分な性能を得ることができないという不具合があった。 実験によれば、残留偏光度が10数%存在することが観測され、十分スクランブル動作されていないことが確認された。
    【0006】
    また、従来の偏波スクランブラでは、動作中に損失変動が生じ、信頼性が低下するという不具合があった。 実験によれば、動作中に光損失に1〜2dBの損失変動が見られ、動作が不安定であることが確認された。
    【0007】
    【発明が解決しようとする課題】
    以上説明したように、従来のファラデー素子を用いた偏波スクランブラでは、残留偏光度劣化が問題になる。 このため、光受信器の誤り率が改善されない原因となっていた。 また、動作中の損失変動により十分な信頼性を得ることはできなかった。
    【0008】
    本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、残留偏光度劣化のない偏波スクランブラを提供することを目的とする。 さらに、損失変動が小さく信頼性の高い偏波スクランブラを提供することを目的とする。
    【0009】
    【課題を解決するための手段】
    本発明(請求項1)は、光軸方向の磁界の強度に応じて、入射した平行光の偏波に所定量の回転を与えるファラデー素子と、前記ファラデー素子の近傍に配置され、前記ファラデー素子に前記光軸方向の磁界を加えるためのコイルと、前記ファラデー素子に加える前記磁界を形成させるために、前記コイルに所定の交流信号および直流バイアス信号を印加する信号源とを備え、前記直流バイアス信号がない状態において、前記コイルが作る磁界の強度に対する、前記ファラデー素子による偏波の回転量の絶対値を示す特性に存在する、前記コイルが作る磁界の方向が正のときと負のときとで異なる非対称性を、前記直流バイアス信号の強さを調節して改善することによって、該非対称性に起因する残留偏光度を低減させるようにしたことを特徴とする。
    【0010】
    従来問題となっていた残留偏光度劣化は、ファラデー回転量が光軸方向の磁界成分に対して対称ではなく、磁界強度とファラデー回転量が比例せずに磁界が正と負ではファラデー回転量の絶対値が異なる場合に生じると考えられるので、本発明では、ファラデー素子の光軸方向に加える磁界を形成するコイルに交流信号と直流バイアスを重畳した信号を印加し、交流信号振幅と直流バイアスの調整を行って、磁界強度−ファラデー回転量特性を改善することで、残留偏光度を低減するようにしている。
    【0011】
    本発明(請求項2)は、前記ファラデー素子の近傍に配置され、前記コイルにより形成される磁界とは異なる方向の磁界を前記ファラデー素子に加える磁石をさらに備えたことを特徴とする。
    【0012】
    本発明(請求項3)は、前記ファラデー素子及びこのファラデー素子に磁界を加えるための前記コイルを窓構造を有する強磁性体材料の気密封止パッケージに封入し、該窓構造を通して光を入出させるようにしたことを特徴とする。 気密封止パッケージに封入することで高信頼性を得ることができる。
    【0013】
    本発明(請求項4)では、前記コイルは、熱伝導が良好な材料を用いて形成された(例えばアルミナ製の)ボビンに導体線を巻いた構造を有し、このコイルの発熱をパッケージに伝えて放熱するために、このコイルを直接または熱伝導が良好な材料を介してパッケージに接合したことを特徴とする。
    【0014】
    ここで、発明者は、従来の問題点であった動作中の損失変動は、コイルの発熱により空気の対流が生じ、光ビームの波面を乱すために生じることを発見した。 コイルの発熱に関してより詳しく述べると、コイルに使われる線材は高温になると酸化され易くなるばかりでなく、電気抵抗が増すので、同じ磁力を保持するためにはより高い電圧で駆動する必要が生じ、ますます発熱が大きくなることが分かった。 その結果、発明者は、コイルボビンの材料としてアルミナのように熱伝導が良好な材料を用いてコイルの発熱を抑えると良いことをつきとめた。
    【0015】
    従って、上記のようにしてコイルの発熱をパッケージに伝え、放熱を良好にし、コイルの温度上昇を抑えるようにした。
    コイルの温度上昇を抑えて空気の対流を抑えることにより、損失変動を抑圧することができるとともに、さらに信頼性を著しく向上させることができる。
    【0016】
    また、高温になるほど劣化が著しくなる接着剤を用いてコイルやファラデー素子を固定するような場合でも、コイルボビンにアルミナなどを用いることで、コイルの温度上昇を抑え、接着剤の劣化を防ぎ、長期にわたって接着剤の性能を維持することができる。
    【0017】
    本発明(請求項5)では、前記ファラデー素子は、エピタキシャル成長のガーネット膜に熱処理を施してなるものであることを特徴とする。
    【0018】
    【発明の実施の形態】
    以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
    図1に、本発明の第1の実施の形態に係る偏波スクランブラを示す。 この偏波スクランブラは、光ファイバ1、レンズ2、偏波スクランブラ本体29、レンズ6、光ファイバ7を備える。
    【0019】
    レンズ2は光ファイバ1からの光を平行光に変換するための凸レンズであり、レンズ6は偏波スクランブラ本体29から出射される偏波スクランブルされた平行光を光ファイバ7の入射端に集光するための凸レンズである。
    【0020】
    偏波スクランブラ本体29は、伝送光を偏波スクランブルするためのものであり、第1のファラデー素子部21、1/4波長板4、第2のファラデー素子部22、パッケージ14、ガラス窓15,16、第1の交流信号発振器17、第1のバイアス電源19、第2の交流信号発振器18、第2のバイアス電源20を備える。 第1のファラデー素子部21とは、ファラデー素子3、コイル8、コイルボビン10、磁石9a,9bからなる部分であり、同様に、第2のファラデー素子部22とは、ファラデー素子5、コイル12、コイルボビン11、磁石13a,13bからなる部分である。
    【0021】
    図1のように、第1のファラデー素子部21、1/4波長板4および第2のファラデー素子部22は完全気密封止が可能なパッケージ14に納められており、光の入力はガラス窓15を通して行われ、出力はガラス窓16を通して行われる。
    【0022】
    ファラデー素子3,5には、例えばエピタキシャル成長のガーネット膜を用いることができる。 ただし、エピタキシャル成長によるガーネット膜は垂直異方性を有するので、ファラデー素子として用いるために熱処理を施して異方性を低減したものが良い。
    【0023】
    さて、良く知られているように、ファラデー素子に入射した光は、ファラデー素子を透過する際にファラデー回転を受ける。 ファラデー回転量はコイルに流れる電流に応じて決まるので、コイルに交流信号を加えることにより偏波をスクランブルすることができる。
    【0024】
    ここで、この実施の形態では、詳しくは後述するが残留偏光度を低減するために、ファラデー素子の光軸方向に加える磁界を形成するコイルには、交流信号と直流バイアスを重畳して印加する。 具体的には、図1のように、コイル8は所定の周波数f1の交流信号発振器17と直流バイアス電源19により駆動するとともに、コイル12はf1とは異なる周波数f2の交流信号発振器18と直流バイアス電源20により駆動する。
    【0025】
    これにより、ファラデー素子3と5には、それぞれ、交流信号発振器17,18およびバイアス電源19,20により駆動されるコイル8,12によって、光軸方向の交流磁界が加えられる。
    【0026】
    なお、ファラデー素子3と5には、上記の磁界に加えて、それぞれ、一対の磁石9aおよび9b,13aおよび13bによって、光軸に直交する方向の一定磁界を与えても良い。 そして、これら磁石による磁界により、強磁性体のファラデー素子3,5をいずれも磁気的に飽和させておくと良い。 そのようにすれば、ファラデー素子3,5は、常に飽和領域で動作するため、強度変調成分が少なく、安定な動作が得られるので好ましい。 このようにすべての状態で飽和させた場合、ファラデー回転量は合成磁界の強度変化には依存せず、磁界の方向の変化のみに依存するようになる。 磁石による磁界の強度は一定であるので、結局、ファラデー回転量はコイルにより形成される光軸方向の磁界の強度のみに依存する。
    【0027】
    さて、上記構成において、伝送光は、光ファイバ1を出ると、レンズ2により平行光に変換された後、ガラス窓16を透過し、ファラデー素子3に入射する。 ファラデー素子3では、入射光の直線偏波成分がスクランブルされる。 ファラデー素子3でスクランブルされない円偏波成分は、1/4波長板4により直線偏波に変換された後、ファラデー素子5によりスクランブルされる。
    【0028】
    このようにして偏波スクランブルされた光は、ガラス窓15を透過し、レンズ6により光ファイバ7の入射端に集光され、光ファイバ7に入射し、次段の装置へと伝送される。
    【0029】
    ここで、上記のようにファラデー素子の光軸方向に加える磁界を形成するコイルに、交流信号と直流バイアスを重畳した信号を印加することによる、残留偏光度の低減について説明する。
    【0030】
    従来の偏波スクランブラにおいて、ファラデー素子に交流磁界あるいは回転磁界を加えてファラデー効果を生じさせる際に、ファラデー回転量が磁界の方向に対して対称であるとは限らない。 例えば、コイルによる交流磁界方向と垂直な方向に直流磁界を加えるための磁石を設け、コイルと磁石の合成磁界をファラデー素子に加える構造を取った場合は、ファラデー回転量がコイルの磁界方向に対して対称でなくなる。 これは、ファラデー素子に異方性が存在すること、あるいは磁石による直流磁界がコイルによる交流磁界に対して完全に直交していないこと等が理由として考えられる。
    【0031】
    交流磁界強度とファラデー回転量が比例せずに磁界が正と負ではファラデー回転量の絶対値が異なると、偏波スクランブラの残留偏光度が劣化する。 この状態を図2を用いて説明する。 磁界強度とファラデー回転量が図2(a)のように対称な比例関係でなかったとする場合に、正弦波状の交流磁界が加えられたときのファラデー回転の様子を図2(b)に示す。 このような場合に振幅調整を行っても、波形は同じ形状であり、残留偏光度を0にすることができない。
    【0032】
    ところが、コイルに直流バイアス電流を流し、電流値を調整すれば、図2(c)のように波形を変えることができる。 特に、図2(a)に示されているようにファラデー回転量が飽和する領域を有する強磁性体では波形の変化が著しい。
    【0033】
    従って、飽和領域を利用することにより、波形を大きく変化させて残留偏光度を低減することができる。
    実際には、偏光状態はポアンカレ球上で表示され、ポアンカレ球上で積分して偏光度を0にする振幅とバイアス電流を求めることができる。 ポアンカレ球の赤道の断面を図3に示す。 直線偏光はこの円周上にプロットされるので、ファラデー回転により円周上を点が動き回ることになる。 いま、この点がS1軸となす度をθ(t)とし、周期Tで動き回るとすれば、S1成分とS2成分の時間平均が0になることが偏光度を0にすることになるので、偏光度0の条件は式(1)、(2)を満たすこととして表される。
    【0034】
    【数1】

    【0035】


    そして、バイアスを加えることはθ(t)の時間波形を変化させることであり、単にシフトさせるものではない。 その結果、振幅とバイアスを調整を行うことにより、式(1)、(2)を同時に満たすことができ、残留偏光度を低減することができる。


    【0036】


    なお、コイル8,12の駆動方法は図1に示したように交流発信器と直流バイアス電源を直列に接続するばかりでなく、バイアスTを用いて並列的な接続も可能である。 すなわち、バイアスTのL,C端子をコイルに接続し、C端子を交流発信器に接続する。 また、L端子を直流バイアス電源に接続する。 バイアスTのLはコイルのインダクタンスと同等以上の大きさにし、抵抗成分は小さいものを用いるのが良い。 また、バイアスTのCはコイルのインダクタンスとバイアスTのインダクタンスの合成インダクタンスと共振する大きさに設定すれば、小さな交流振幅電圧でコイルを駆動できる。


    【0037】


    また、光ファイバ1,7の先端は、反射光を低減するために斜め研磨加工してあるものを用いると良い。 また、ファラデー素子3,5、1/4波長板4、ガラス窓15,16などの平行平板の素子は、光軸に対して僅か(1°程度)傾けて配置することにより反射戻り光の少ないデバイスとなる。


    【0038】


    ここで、パッケージやガラス窓に関して説明を行なう。


    前述したように、図1の偏波スクランブラでは、第1のファラデー素子部21、1/4波長板4、第2のファラデー素子部22は、完全気密封止が可能なパッケージ14に納められており、光の入出力はガラス窓15,16を通して行われる。


    【0039】


    このパッケージ14の材料としては、コバールのような強磁性体を用いると、磁気シールドの効果が得られ、外部からの磁界の影響を軽減できる。 また、ガラス窓15,16の開口部は、必要以上に大きくしない方が、磁気シールドの効果が高い。


    【0040】


    ガラス窓15,16の材料には、膨張率がパッケージ材料と等しいガラスを用いるのが良い。 複屈折を有するサファイアなどを用いる場合は、偏波の変動が光の強度変化にならないように、結晶の光学軸と平行もしくは垂直になるように設定する必要がある。


    【0041】


    次に、1/4波長板4の傾き調整について説明する。


    図1のように、2系統のファラデー素子部21,22を設け、それらの間に1/4波長板4を配置し、各ファラデー素子3,5に交流磁界もしくは回転磁界を加えることにより偏波をスクランブルする構成の偏波スクランブラでは、第1のファラデー素子3は直線偏光に対してスクランブル動作し、円偏光に対しては1/4波長板で直線偏光に変換した後第2のファラデー素子5によりスクランブルする。 一般の楕円偏光は、直線偏光と円偏光に分解できるため、それぞれの成分が第1のファラデー素子3あるいは第2のファラデー素子5でスクランブルされる。


    【0042】


    このような動作を行うためには、第1および第2のファラデー素子3,5中で直線偏光成分や円偏光成分が正しく保持され、1/4波長板4で円偏光が直線偏光に正しく変換されなければならない。 しかし、ファラデー素子中では、結晶育成中に加わった応力による複屈折、コットン・ムートン効果による複屈折などの他、磁気円二色性によっても直線偏光が楕円偏光に変換される。 さらに、1/4波長板に不完全性があれば上記の動作が正しく行なわれなくなる。


    【0043】


    このような影響を低減するために、1/4波長板の傾きを調整すると有効である。 1/4波長板を傾けると、1/4波長板の位相差が90度からずれる。 しかも、傾ける方向により、90度から増やすことも減らすこともできる。 従って、上記のような偏波の不完全性をかなり解消することが可能である。


    【0044】


    ここで、交流信号発振器の電圧、バイアス電圧、1/4波長板の傾き角度を、残留偏光度が最小になるように調整する方法について述べる。 そのような方法としては、例えば次の手順が考えられる。 まず、1/4波長板4を挿入しない状態で直線偏光を入射させ、コイル8のみを駆動し、残留偏光度が最小になるように交流発振器17の電圧とバイアス電源19の電圧を調整する。 次に、コイル12のみを駆動し、残留偏光度が最小になるように交流発振器18の電圧とバイアス電源20の電圧を調整する。 最後に、1/4波長板4を挿入して、残留偏光度が大きくなるような入射偏光状態にし、1/4波長板4の傾き角度の調整を行い残留偏光度が最小になるようにする。


    【0045】


    次に、発熱対策について説明する。


    従来の問題点であった偏波スクランブラの動作中に生じる損失変動の原因については知られていなかったが、発明者は、この動作中の損失変動は、コイルの発熱により空気の対流が生じ、光ビームの波面を乱すために生じることを発見した。 コイルの発熱に関してより詳しく述べると、コイルに使われる線材は高温になると酸化され易くなるばかりでなく、電気抵抗が増すので、同じ磁力を保持するためにはより高い電圧で駆動する必要が生じ、ますます発熱が大きくなることが分かった。 その結果、発明者は、コイルボビンの材料としてアルミナのように熱伝導が良好な材料を用いてコイルの発熱を抑えると良いことをつきとめた。 そこで、この実施の形態では、コイル8,12の発熱をアルミナ製のコイルボビン10,11を通してパッケージ14に伝えて放熱する構造とすることにより、コイルの温度上昇を抑えることができるようにしている。 コイルの温度上昇を抑えることは、空気の対流を抑えて損失変動を抑圧するばかりでなく、信頼性を著しく向上させることができる。


    【0046】


    また、コイルボビンにアルミナなどを用いると次の点でも有効であることがわかった。 すなわち、コイルやファラデー素子は通常、接着剤を用いて固定されるが、接着剤は高温になるほど劣化が著しくなる性質を有する。 従って、上記のようにコイルの温度上昇を抑えることで、接着剤の劣化を防ぎ、長期にわたって接着剤の性能を維持することができる。


    【0047】


    このように、コイルボビンの材料をアルミナなどの熱伝導が良好な材料にすることにより、動作時の損失変動が抑圧され、著しい信頼性向上が期待できる。


    なお、通常コイルボビン材としてよく用いられる高分子樹脂では熱伝導が悪いため高温になり、変形してしまうが、アルミナのボビンでは変形することはまったくないという利点もある。


    【0048】


    このコイルボビン10,11の概形の一例を図4に示す。 (a)は断面図、(b)は側面図である。 コイルボビンは図4に示すように、鍔との境界にRをつけると応力集中が緩和されて機械的強度が増す。 Rがないものはコイルの発熱により、コイル線材が膨張し、鍔が割れることがある。


    【0049】


    また、コイルとパッケージの間隔が小さいとパッケージに渦電流が生じ、コイルの損失となる。 これを避けるために、パッケージとコイルの間はコイルの実効径(コイルの内径と外径との平均値にほぼ等しい)程度の間隔を取れば良い。 この間隔を得るために、パッケージに接着する鍔は厚くしておけば良い。


    【0050】


    また、磁石9a,9b,13a,13bを鍔に取り付けるのであれば、鍔の形状は図4に示すように四角形が良い。 なお、図には示していないが、パッケージと接着していない側の鍔もアルミナなどの部材でパッケージとの間に橋渡ししておけば機械的強度と放熱効果が増す。


    【0051】


    さらに、信頼性を向上するために、前述のようにコイルを含むファラデー素子を完全気密封止を行うことが有効である。 アルゴンガスもしくは窒素ガスによりパッケージ内部を充填して完全気密封止を行うと、塵、埃等の侵入を防ぎ光損失が長期間安定になる。 また、分の侵入を防ぐので、接着剤の劣化を防ぐことができる。 特に、光学接着剤により光透過部分を張り合わせた構造を有するλ/4板やファラデー素子などでは効果的である。 さらに、酸素や炭酸ガスの侵入も防げるので線材の酸化や光学ガラスの風化なども防ぐことができる。


    【0052】


    以上説明した実施の形態では、ファラデー素子およびコイルなどからなるファラデー素子部を2系統備えていたが、入力光が直線偏波であり、円偏波成分を持たないものであれば、ファラデー素子部を1系統だけ備えれば良い。


    【0053】


    以下では、そのような場合の一例として、半導体レーザからの直線偏波光をスクランブルして出力する偏波スクランブラの一例について説明する。


    図5に、本発明の第2の実施の形態に係る偏波スクランブラを示す。 図のように各構成部品は完全気密封止が可能なパッケージ42に納められており、光の出力はガラス窓39を通して行われる。 なお、図5のファラデー素子33、コイルボビン34、コイル35、磁石36a,36b、交流信号発信器37、直流バイアス電源38、ガラス窓39、レンズ40、光ファイバ41、パッケージ42のそれぞれの構成、構造、材質や働き等は、図1のファラデー素子3、コイルボビン10、コイル8、磁石9a,9b、交流信号発振器17、直流バイアス電源19、ガラス窓15、レンズ6、光ファイバ7、パッケージ14のそれぞれと同様であるので、ここでの説明は省略する。


    【0054】


    図5において、30は変調器付き半導体レーザであり、ここからは変調された直線偏光の光が出射するものとする。 この光はレンズ31により平行光に変換され、アイソレータ32を通過した後、ファラデー素子33に入射する。


    【0055】


    ファラデー素子33には、アルミナで作られたコイルボビン34に巻かれたコイル35により光軸方向に交流磁界を与える。


    また、第1の実施の形態と同様に、上記コイルによる磁界に加えて、磁石36aと36bにより光軸と垂直な方向に磁界を与えるものとする。 この磁石にて形成される磁界により、強磁性体のファラデー素子33を磁気的に飽和させておく。 前述したように、ファラデー素子は常に飽和領域で動作するため、強度変調成分が少なく、安定な動作が得られる。


    【0056】


    コイルに交流信号発信器37と直流バイアス電源38によりファラデー素子33を駆動して、光をスクランブルさせる。 第1の実施の形態で述べたように、これらの電圧を調整することにより、残留偏光度を低減することができる。


    【0057】


    スクランブルされた光は、ガラス窓39を通過して、レンズ40により光ファイバ41に集光され出力される。


    このように、直線偏波状態の入射光に対しては、簡易な構成で残留偏光度を低減した偏波スクランブラを得ることができる。


    【0058】


    なお、第1の実施の形態と同様に、コイル35からの発熱は、熱伝導率が高いアルミナで作製したコイルボビン34を通してパッケージ42に伝えられる。 ペルチエ素子などで半導体レーザ30を冷却する場合は、ペルチエ素子の発熱もパッケージに伝えられるので、パッケージの外側に放熱板を設ければ良い。


    【0059】


    また、パッケージの材料としてコバールのような強磁性体を用いると磁気シールドの効果が得られ外部からの磁界の影響を軽減できる点、ガラス窓の開口部は必要以上に大きくしない方が磁気シールドの効果が高い点、ガラス窓の材料には膨張率がパッケージ材料と等しいガラスを用いるのが良い点、コイルボビンの材料として熱伝導が良好なアルミナなどを用いると良い点、コイルの発熱をアルミナなどで作製したコイルボビンを通してパッケージに伝えて放熱すると良い点など、第1の実施の形態と同様の構成部分に関しては、第1の実施の形態と同様のことが成立する。


    【0060】


    なお、前述したように偏波スクランブラにおいて、▲1▼1/4波長板の傾き角度を調整すること、▲2▼コイルボビンの材料として熱伝導が良好なアルミナなどを用いること、▲3▼コイルの発熱をアルミナなどで作製したコイルボビンを通してパッケージに伝えて放熱すること、▲4▼ファラデー素子や1/4波長板を完全気密封止が可能なパッケージに納め、光の入出力をパッケージのガラス窓を通して行うことなどは、いずれも、従来のようにファラデー素子の光軸方向に加える磁界を形成するコイルに交流信号と直流バイアスを重畳した信号を印加しない偏波スクランブラにも有効である。


    また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。


    【0061】


    【発明の効果】


    以上説明したように本発明によれば、ファラデー素子の光軸方向に加える磁界を形成するコイルに交流信号と直流バイアスを重畳した信号を印加して、磁界強度−ファラデー回転量特性を改善することにより、損失変動、残留偏光度劣化がなく、長期的信頼性の高い偏波スクランブラが実現できる。


    このスクランブラを用いることにより、光アンプ多中継系の受信感度もしくは誤り率を大幅に改善でき、長期間にわたって信頼性が高い光伝送を可能となる。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】本発明の第1の実施の形態に係る偏波スクランブラの構成を示す図【図2】コイルに印加する直流バイアス電流と残留偏光度の低減との関係を説明するための図【図3】偏光度を0にする振幅とバイアス電流を求めるために用いるポアンカレ球の赤道の断面を示す図【図4】コイルボビンの構造を示す図【図5】本発明の第2の実施の形態に係る偏波スクランブラの構成を示す図【図6】従来の偏波スクランブラの構成を示す図【符号の説明】


    1,7…光ファイバ、2,6…レンズ、3,5…ファラデー素子、8,12…コイル、9a,9b,13a,13b…磁石、10,11…コイルボビン、4…1/4波長板、14…パッケージ、15,16…ガラス窓、17,18…交流信号発振器、19,20…バイアス電源、30…半導体レーザ、31…レンズ、32…アイソレータ、33…ファラデー素子、34…コイルボビン、35…コイル、36a,36b…磁石、37…交流信号発振器、38…直流バイアス電源、39…ガラス窓、40…レンズ、41…光ファイバ、42…パッケージ

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