首页 / 专利库 / 电池与电池 / 电池 / 金属空气电池 / Solid electrolyte type fuel cell and its manufacture

Solid electrolyte type fuel cell and its manufacture

阅读:1发布:2023-01-09

专利汇可以提供Solid electrolyte type fuel cell and its manufacture专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a solid electrolyte type fuel cell which can remarkably improve the effect of prevention of the cohesion and sintering of metal. SOLUTION: In a solid electrolyte type fuel cell where a porous air electrode 2 is made on one side of a solid electrolyte 3 and a porous fuel electrode 4 is made on the other side, the fuel electrode 4 is constituted of the metallic particles where fine ceramic particles 31 are deposited on the surface and inside. Moreover, the fuel electrode 2 consists of a porous body 36 which has ceramic particles 35 as skeletal structure, and besides inside the cavity of that porous body 36, metallic particles 39, where fine ceramic particles 33 are deposited on the surface and/or inside, are scattered.,下面是Solid electrolyte type fuel cell and its manufacture专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により構成してなることを特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
  • 【請求項2】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記燃料極が、セラミック粒子を骨格とする多孔質体からなり、かつ、該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散してなることを特徴とする固体電解質型燃料電池セル。
  • 【請求項3】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、F
    eおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素と、Zr
    および/またはCeを含む有機金属化合物溶液を前記固体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面および内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により形成することを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製造方法。
  • 【請求項4】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、Co、F
    eおよびRuのうち少なくとも1種以上の金属元素と、
    Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、
    セラミック粒子を骨格とする多孔質体の空孔内に注入して熱分解させ、該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せしめることを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製造方法。
  • 【請求項5】固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、Ni、Co、F
    eおよびRuからなる金属、これらの金属酸化物および前記金属の合金のうち少なくとも1種と、セラミック粒子とからなる多孔質体の空孔内に注入して熱分解させ、
    該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せしめることを特徴とする固体電解質型燃料電池セルの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法に関するもので、特に燃料極の改良に関するものである。

    【0002】

    【従来技術】従来より、固体電解質型燃料電池はその作動温度が1000〜1050℃と高温であるため発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。

    【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには円筒型と平板型が知られている。 平板型燃料電池セルは、
    発電の単位体積当り出密度が高いという特長を有するが、実用化に関してはガスシ−ル不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。 それに対して、円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特長がある。 両形状の固体電解質型燃料電池セルとも、それぞれの特長を生かして積極的に研究開発が進められている。

    【0004】円筒型燃料電池の単セルは、図1に示したように開気孔率40%程度のCaO安定化ZrO 2を支持管1とし、その上にLaMnO 3系材料からなる多孔性の空気極2を形成し、その表面にY 23安定化Zr
    2からなる固体電解質3を被覆し、さらにこの表面に多孔性のNi−ジルコニアの燃料極4が設けられている。 燃料電池のモジュ−ルにおいては、各単セルはC
    a、Sr、Mgを固溶させたLaCrO 3系材料からなるインタ−コネクタ5を介してNiフェルトで接続される。 このような燃料電池の発電は、各単セルを1000
    ℃程度の温度で保持するとともに、支持管1内部に空気(酸素)6を、外部に燃料ガス7、例えば、素、都市ガス等を供給することにより行われる。

    【0005】そして、近年、セル作製工程においてプロセス単純化のため、空気極材料であるLaMnO 3系材料を直接多孔性の支持管として使用する試みがなされている。 空気極としての機能を併せ持つ支持管材料としては、LaをCaあるいはSrで10〜20原子%置換したLaMnO 3固溶体材料が用いられている。

    【0006】また、平板型燃料電池の単セルは、円筒型セルと同じ材料系を用いて図2に示したように固体電解質8の一方に多孔性の空気極9が、他方に多孔性の燃料極10が設けられている。 単セル間の接続は、セパレ−
    タ11と呼ばれるMgやCaを添加した緻密質のLaC
    rO 3材料が用いられる。

    【0007】そして、上記した円筒型および平板型の固体電解質型燃料電池セルの燃料極は、一般的にNi粉末とZrO 2 (Y 23含有)粉末あるいはNiO粉末とZrO 2 (Y 23含有)粉末の混合粉末をスクリ−ン印刷法により固体電解質表面に塗布するか、あるいは混合粉末を含有する溶液中に浸漬した後、乾燥し燃料極として形成されていた。 また、後者のNiO/ZrO
    2 (Y 23含有)混合粉末の場合は、1000〜14
    00℃の還元雰囲気で熱処理して燃料極として形成されていた。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの方法で作製された燃料極は長時間の発電においてNi
    (NiOは発電中に還元されNiとなる)の凝集や粒成長により発電性能が低下するという大きな問題が発生していた。

    【0009】また、近年、この問題を解決するため、特開平7−22032号に開示されるように、ZrおよびY元素を含むオクチル酸塩、ナフテン酸塩等の有機金属化合物を熱分解させ、Ni等の金属粒子表面に微粒のZ
    rO 2 (Y 23含有)セラミック粒子を析出させてN
    iの凝集や焼結による性能低下を抑制する方法が提案されているが、この方法においてもNiの凝集や焼結を防止するには充分ではなかった。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題に検討を加えた結果、燃料極を構成している金属粒子の表面と同時に金属粒子内部に微粒子のセラミック粒子を析出せしめることにより、金属の凝集や焼結の抑制効果が著しく向上することを見出し本発明に至った。 また、本発明ではセラミック粒子により骨格を形成し、その骨格の空孔中に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子を析出させた金属粒子を分散させることにより、さらに金属の凝集や焼結の抑制効果を向上でき、燃料極の固体電解質への付着強度も向上できることを見出し本発明に至った。

    【0011】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セルは、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により構成してなるものである。

    【0012】また、本発明の固体電解質型燃料電池セルは、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルにおいて、前記燃料極がセラミック粒子を骨格とする多孔質体からなり、かつ、該多孔質体の空孔内に、表面および/
    または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散してなるものである。

    【0013】さらに、本発明の固体電解質型燃料電池セルの製造方法は、固体電解質の片面に多孔性の空気極、
    他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、C
    o、FeおよびRuのうち少なくとも1種の金属元素と、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を前記固体電解質表面に塗布して熱分解させ、表面および内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により形成する方法である。

    【0014】また、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Ni、
    Co、FeおよびRuのうち少なくとも1種以上の金属元素と、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、セラミック粒子を骨格とする多孔質体の空孔内に注入して熱分解させ、該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せしめる方法である。

    【0015】さらに、固体電解質の片面に多孔性の空気極、他面に多孔性の燃料極が形成された固体電解質型燃料電池セルの製造方法であって、前記燃料極を、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液を、Ni、
    Co、FeおよびRuからなる金属、これらの金属酸化物および前記金属の合金のうち少なくとも1種と、セラミック粒子とからなる多孔質体の空孔内に注入して熱分解させ、該多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散せしめる方法である。

    【0016】

    【作用】本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、燃料極中において、有機金属化合物溶液、例えばナフテン酸塩、オクチル酸塩等を固体電解質表面に塗布し、熱分解させ、微粒のセラミック粒子、例えば、ZrO 2微粒子をNi金属表面に析出させると同時に内部にもZrO 2
    微粒子を析出させることにより、金属の凝集や粒成長が飛躍的に抑制される。

    【0017】また、セラミック粒子により形成された骨格(多孔質体)の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子を析出させた金属粒子を分散させることにより、金属の凝集や粒成長が抑制されるとともに、燃料極の固体電解質への付着強度が向上し、その結果出力密度が向上し、さらに、熱サイクルに対しても安定した出力が得られる。

    【0018】

    【発明の実施の形態】本発明の固体電解質型燃料電池セルにおける燃料極の基本構造の一つは、図3に示すように、例えば固体電解質3表面の燃料極4がNi等の金属粒子31の表面に微粒のセラミック粒子33が膜状および/あるいは微粒子の状態で析出し、さらに内部に微粒のセラミック粒子33が析出した構造となっている。 この微粒なセラミック粒子33の一次粒子径は熱処理条件等の作成条件により変化するが、平均粒子径としては0.01〜0.5μmの程度の大きさからなる。 金属粒子の平均粒径は、1〜20μm、電気伝導性およびガス透過性の観点から5〜10μmであることが望ましい。

    【0019】本発明の燃料極4は、金属粒子31としては、Niの他Co、Fe、Ruの単体およびそれらの合金が使用される。 また、微粒のセラミック粒子33としてはZrO 2 、CeO 2の単体、およびそれらの固溶体の他、Y、Yb、Sc、Sm、Nd、Dy、Pr等の希土類元素を1〜30モル%含有するZrO 2固溶体またはCeO 2固溶体、およびYや希土類元素を含有したZ
    rO 2とCeO 2の固溶体を用いることができる。 これらの中で経済性の観点から燃料極材料としてはNiとZ
    rO 3 (Y 33含有)あるいはNiとCeO 2の組み合わせが好ましい。

    【0020】このような燃料極構造は、Ni、Co、F
    e、Ruの金属元素と、Zrおよび/またはCeとを同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、
    ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、
    プロピオン酸塩等をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を固体電解質表面にスクリ−ン印刷あるいはスラリ−ディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の温度で1〜10時間熱分解させて作製される。 有機金属化合物溶液には、Yおよび希土類元素から選ばれる元素を含んでも良い。 酸化雰囲気中での熱処理においては、Ni、Co、Fe金属は酸化されるため、還元雰囲気中での再処理が必要である。 金属酸化物を還元するためには、酸素濃度が1%以下のN
    2 、Ar中で熱処理することが望ましい。

    【0021】Ni等の金属粒子31の表面および内部に微粒のセラミック粒子33を析出させるには、Ni等の金属粒子と、Zrおよび/またはCeとを同時に含む有機金属化合物溶液を用いる必要がある。 尚、Ni等の金属粒子31の表面に微粒のセラミック粒子33を析出させるには、Zrおよび/またはCeを含む有機金属化合物溶液にNi等の金属粉末を分散させた溶液を作製し、
    これを塗布することにより得られる。

    【0022】図3に示す燃料極においては、Ni、C
    o、Fe、Ru金属とYおよび希土類元素から構成される酸化物との重量比率は、Ni、Co、Fe,Ruが金属換算で99〜50重量%、Zrおよび/またはCeの酸化物(Yおよび希土類元素を含有する場合も含む)が1〜50重量%の範囲が好ましい。 Ni等の金属が99
    重量%より多いと、金属の発電時の凝集あるいは粒成長を充分抑制できない。 それに対して、Ni等の金属が5
    0重量%より少なくなると、電気伝導性が低下して発電性能が悪くなる傾向にあるからである。 これら金属と酸化物との重量比率としては、金属が80〜90重量%、
    Zrおよび/またはCeの酸化物(Yおよび希土類元素を含有する場合も含む)が10〜20重量%が特に好ましい。

    【0023】また、燃料極の厚みとしては電気伝導性とガスの透過率の観点から、平板型セルの場合20〜20
    0μmが、円筒型セルの場合は30〜300μmの範囲が優れる。

    【0024】本発明の燃料極の基本構造のもう一つは、
    図4に示すように、固体電解質3表面に粗粒のセラミック粒子35で構成した多孔質体(骨格)36の空孔中に、表面または表面と内部に膜状および/または粒子状に微粒のセラミック粒子37が析出した金属39を分散させた構造を有する。 この様な燃料極4においては、粗粒のセラミック粒子35が骨格を形成しているため、燃料極4の固体電解質3への付着強度が高く、温度サイクルによる燃料極4の剥離が極めて少なくなり高い出力密度を有する。 骨格を形成するセラミック粒子35および微粒のセラミック粒子37とも、ZrO 2 、CeO 2単体、またはこれらの固溶体、あるいはY、Yb、Sc、
    Sm、Nd、Dy、Pr等の希土類元素酸化物を含有するZrO 2 、CeO 2から構成されることが好ましい。

    【0025】この場合、金属が50〜95重量%(金属換算)、微粒のセラミック粒子が1〜20重量%、粗粒のセラミック粒子が4〜30重量%の範囲が優れる。 金属が95重量%より多い場合、または微粒のセラミック粒子が1重量%より少ない場合、または粗粒のセラミック粒子が4重量%より少ない場合には、発電時の金属の凝集、粒成長の抑制効果が小さい。 また、金属が50重量%より少ない場合、または微粒のセラミック粒子が2
    0重量%より多い場合、あるいは粗粒のセラミック粒子が30重量%より多い場合には、電気伝導性が低下して発電性能が悪くなる傾向にある。 特に、金属が60〜8
    0重量%(金属換算)、微粒のセラミック粒子が10〜
    20重量%、粗粒のセラミック粒子が10〜20重量%
    の範囲が優れる。

    【0026】骨格を形成する粗粒のセラミック粒子の大きさとしては、平均粒子径で0.5〜30μm、特に2
    〜10μmの範囲が優れる。 また、微粒のセラミック粒子の一次粒子の大きさとしては、平均粒子径で0.01
    〜0.5μm、特に0.1〜0.5μmの範囲が優れる。

    【0027】このような燃料極中のセラミックの骨格は、まず粗粒のセラミック粒子を固体電解質表面にスクリ−ン印刷あるいはスラリ−ディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲気中で1000〜1700
    ℃、好ましくは1200〜1400℃の温度で1〜10
    時間熱処理して形成する。 その後、Ni、Co、Fe、
    Ruの金属元素とZrおよび/またはCeとを同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プロピオン酸塩をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中に含浸した後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の温度で熱分解させ、金属表面および内部に微粒のセラミックを析出させて燃料極が形成される。

    【0028】あるいは、粗粒のセラミック粒子とNi
    O、CoO等のNi、Co金属を含有する酸化物を混合し、固体電解質表面にスクリ−ン印刷あるいはスラリ−
    ディップ等の周知の技術により塗布した後、酸化性雰囲気中で1000〜1700℃、好ましくは1200〜1
    400℃の温度で1〜10時間熱処理して骨格を形成し、骨格中にNiO、CoO等の金属酸化物を含有させる。 この後、Zrおよび/またはCeとを同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩、ネオデカン酸塩、エチルヘキサン酸塩、プロピオン酸塩をトルエン等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中に含浸した後、酸化性雰囲気中で400〜1600℃の温度で熱分解させて、微粒のセラミック粒子を金属酸化物表面に析出させた後、NiO、CoO等の金属酸化物の還元処理を行なうことにより、粗粒のセラミック粒子からなる骨格中に、表面に微粒子のセラミック粒子を析出させた金属粒子からなる燃料極が形成される。

    【0029】あるいは、NiO、CoO等の金属酸化物を含有した骨格について、NiO、CoO等の金属酸化物を還元する処理を行なった後、Zrおよび/またはC
    eとを同時に含む有機金属化合物溶液、例えば、オクチル酸塩、ナフテン酸塩等をトルエル等の溶剤に溶解させた溶液を骨格中に注入した後、酸素濃度が1%以下のA
    r、N 2中で熱分解させて微粒のセラミック粒子を析出させても良い。

    【0030】尚、燃料極中の金属成分としては、上述のNi、Co等の酸化物の他に、熱処理により酸化物を形成する炭酸塩、酢酸塩、臭酸塩等も使用することができる。

    【0031】また、上記方法において、有機金属化合物溶液には、Zrおよび/またはCeの他に、Yおよび希土類元素から選ばれる元素を含有しても良い。

    【0032】本発明により構成される円筒型燃料電池セルの構造は、例えば、図1に示したように開気孔率40
    %程度のY 23あるいはCaO安定化ZrO 2を支持管1とし、その上にスラリ−ディップ法により多孔性の空気極2としてLaをCa、Srで10〜20原子%置換したLaMnO 2系材料を塗布し、その表面に気相合成法(EVD)や、あるいは溶射法により固体電解質3
    であるY 23安定化ZrO 2膜あるいはY 23 ,Y
    23あるいはCaO含有するCeO 2膜を被覆し、
    さらにこの表面に多孔性の本発明の燃料極4が形成されている。 また、本発明の燃料電池セルは、支持管を用いることなく、LaをCa、Srで10〜20原子%置換したLaMnO 3からなる空気極を支持管として用いても良い。

    【0033】また、インタ−コネクタ5と呼ばれる集電体としては、5〜20モル%のCaO、MgOを添加したLaCrO 3が気相合成法や溶射法を用いて空気極と接するように形成される。

    【0034】また、平板型セルにおいても、円筒型セルと同一の材料を用いて、図2のように作製することができる。

    【0035】尚、本発明の燃料電池セルは、固体電解質の一面に空気極、多面に燃料極が形成されたものであれば良く、上記構造に限定されるものではない。

    【0036】

    【実施例】

    実施例1 純度が99.9%で平均粒子径が0.5μmのZrO 2
    (Y 23 10モル%含有)粉末、純度が99.8%で平均粒子径が2μmのLa 0.9 Sr 0.1 MnO 3の空気極粉末をそれぞれ準備した。 また、Ni、Co、Fe、
    Ruの一種と、Zr、Ce、Y、Yb、Sc、Sm、N
    dおよびDyの一種以上を含有するオクチル酸塩をトルエンに溶解させた溶液も合わせて準備した。 上記の0.
    5μmのZrO 2粉末をプレス成形した後、大気中15
    00℃で3時間焼成して、理論密度比99.5%以上の厚み0.3mm、直径30mmの固体電解質円板を作製した。 その後、この固体電解質円板の一方の面に平均粒子径が2μmのLa 0.9 Sr 0.1 MnO 3ペーストを塗布して、大気中1200℃で2時間熱処理して固体電解質への焼き付けを行い空気極を形成した。 また、上記オクチル酸塩をトルエンに溶解した溶液を、表1および表2に示す組成になるように調整した後、固体電解質の一面に塗布し、大気中1200℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせて燃料極を形成した。 例えば、試料No.6
    では、Ni、Zr、Yをそれぞれ含有するオクチル酸塩を、Niが80重量%、ZrO 2を20重量%からなり、ZrO 2中にY 23が10モル%含有するようにトルエンに溶解した溶液を用いて燃料極を作製した。 この際、空気極および燃料極の厚みをそれぞれ約50μm
    とした。

    【0037】発電は上述の固体電解質の空気極側に酸素を、燃料極側に水素を流し、1000℃で発電を行い、
    100時間後の出力密度と、100時間後の出力密度に対する3000時間後の出力密度の低下率を求めた。

    【0038】この実験においては、比較のため従来のボ−ルミルにより混合した平均粒子径が5μmのNiOとZrO 2 (10モル%含有Y 23 )で重量比率がN
    i:ZrO 2 =80:20の混合粉末を燃料極として用いた(試料No.1)。 また、平均粒子径が5μmのN
    iO粉末と、Y、Zrを含有するオクチル酸塩からなる溶液を用い、該溶液に前記NiO粉末を分散させ、これを固体電解質の一面に塗布した後、大気中1200℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせて燃料極を形成した(試料No.2)。 また、金属表面および内部の微粒のセラミック粒子の析出の有無を走査型電子顕微鏡で観察した。 これらの結果を表1および表2に示す。

    【0039】

    【表1】

    【0040】

    【表2】

    【0041】表1および表2より、金属比率が99重量%を越える試料No. 3は長時間発電による出力密度の低下がやや大きいことが分かる。 また、金属比率が50
    重量%より小さな試料No. 10、12、46では出力密度の低下は小さいものの、電気伝導性がやや低いため出力密度の絶対値が小さいことが分かる。 それに対して、金属比率が50〜99重量%の範囲のものは全て出力密度も高く低下率も小さかった。 また、走査型電子顕微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒子の表面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観察された。

    【0042】実施例2 純度が99.9%で平均粒子径が3μmのZrO 2 (1
    0モル%含有Y 23 、Yb 23 )粉末に約5〜30
    体積%のフロ−ビ−ズ(商品名)のポア形成剤を添加して混合した後、実施例1の片面に空気極が形成された固体電解質円板の一面に塗布し、大気中1400℃で2時間熱処理して固体電解質表面に厚み約50μmの粗粒セラミックからなる多孔質体(骨格)を形成した。 この多孔質体の空孔中に表3の組成になるように実施例1のN
    i、Co、Fe、Ruの一種と、Zr、Ce、Y、Y
    b、Sc、Smの一種以上を含有するオクチル酸塩をトルエンに溶解させた溶液を注入した後、大気中1000
    ℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせ燃料極を形成した。 この際、表中の骨格を形成している粗粒セラミックの重量比率は1400℃の熱処理前後の重量変化から求めた。 この後実施例1に従い発電試験と微粒のセラミック粒子の観察を行い、結果を表3に示した。

    【0043】

    【表3】

    【0044】この表3より、金属比率が50重量%より小さな試料No. 53では出力密度の低下は小さいものの、電気伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さいことが分かる。 また、微粒のセラミック粒子が20重量%を越える試料No. 55および67では出力密度の絶対値がやや小さいことが分かる。 また、走査型電子顕微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒子の表面および内部に微粒のセラミック粒子の析出が観察された。

    【0045】実施例3 純度が99.9%で平均粒子径がそれぞれ5μmのZr
    2 (10モル%含有Y 23 、Yb 23 )粉末と、
    CeO 2粉末と、NiO、CoO、FeO、Ru粉末と、約5〜30体積%のフロ−ビ−ズ(商品名)のポア形成剤とを、表4の組成となるように混合した後、実施例1の片面に空気極が形成された固体電解質円板の一面に塗布し、1400℃で2時間熱処理して固体電解質表面に厚み約50μmのNiO、CoO、FeO、Ruを含有した粗粒セラミックからなる骨格を形成した。

    【0046】この骨格中に表4の組成になるようにZ
    r、Ce、Y、Yb、Sc、Smを含有するオクチル酸塩をトルエンに溶解した溶液を注入した後、大気中10
    00℃で2時間熱処理して熱分解を行なわせNiO、C
    oO、FeO、Ru表面に微粒のセラミックを析出させて燃料極を形成した。 この際、表中の骨格を形成している粗粒セラミック、金属の重量比率は1400℃の熱処理前後の重量変化から求めた。 この後、実施例1に従い発電試験と微粒のセラミック粒子の観察を行い、結果を表4に示した。

    【0047】

    【表4】

    【0048】この表4より、金属比率が95重量%を越え、また粗粒のセラミック粒子の比率が4重量%を下回る試料No. 68では出力密度の低下率がやや大きいことが分かる。 また、金属比率が50重量%より小さな試料No. 74では出力密度の低下は小さいものの、電気伝導性が低いため出力密度の絶対値がやや小さいことが分かる。 また、微粒のセラミック粒子が20重量%を越える試料No. 76では出力密度の絶対値がやや小さいことが分かる。 また、走査型電子顕微鏡による観察から本発明の試料については全て金属粒子の表面に微粒のセラミック粒子の析出が観察された。 実施例4 実施例1、2および3で作製した試料を室温から100
    ℃/hの速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1
    時間保持した後室温まで100℃/hの速度で冷却した。 この温度変化を1サイクルとし、20サイクル繰り返した後実施例1に従い発電試験を行ない、出力密度を求めた。 この結果を表5に示す。

    【0049】

    【表5】

    【0050】この表5により燃料極中に粗粒のセラミックの骨格を形成した全ての試料は骨格形成がない試料N
    o. 88、89に比較して熱処理後の出力密度の低下が少ないことがわかる。 発電試験後、骨格形成がない燃料極試料No.88、89には剥離が認められたが、骨格を形成した試料には剥離が認められなかった。

    【0051】実施例5 純度が99.9%で平均粒子径が8μmのLa 0.9 Ca
    0.1 MnO 3粉末を用いて押し出し成形法により一端を封じた中空の円筒状成形体を作製し、1500℃で3時間焼成して開気孔率32%で、厚み2mm,外径15m
    m、長さ200mmの空気極支持管を作製した。 この後、溶射法にて空気極支持管表面に厚みがそれぞれ約5
    0μmのZrO 2 (10モル%Y 23含有)電解質およびLa 0. 9 Ca 0.1 CrO 3のインタ−コネクタを形成した後、固体電解質表面に本発明の燃料極を70μm
    の厚みに形成し、円筒型セルを作製した。 発電は、空気極支持管の内側に空気を、外側に水素を流し1000℃
    で約5000時間発電を行ない出力密度の時間変化を観察した。 結果を図5に示す。

    【0052】この図5から、本発明の試料No. 6、6
    1、85では、従来のセルNo. 1および2に比較して出力密度の低下が極めて小さいことがわかる。 この結果から本発明の円筒型燃料電池セルは出力密度の高い長期安定性の優れたセルであることが判る。

    【0053】

    【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池セルでは、燃料極中において、微粒のセラミック粒子を金属表面に析出させると同時に内部にも析出させることにより、飛躍的に金属の凝集や粒成長が抑制される。 また、
    セラミック粒子により形成された骨格(多孔質体)の空孔内に、少なくとも表面および/または内部に微粒のセラミック粒子を析出させた金属粒子を含浸、分散させることにより、飛躍的に金属の凝集や粒成長が抑制されるとともに、燃料極の固体電解質への付着強度が向上し、
    その結果出力密度が向上すると同時に、熱サイクルに対しても安定した出力を示すことができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の円筒型固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図である。

    【図2】本発明の平板型固体電解質型燃料電池セルを示す斜視図である。

    【図3】燃料極が、表面および内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子により構成されている状態を示す概念図である。

    【図4】燃料極が、セラミック粒子を骨格とする多孔質体の空孔内に、表面および/または内部に微粒のセラミック粒子が析出した金属粒子を分散して構成した状態を示す概念図である。

    【図5】出力密度の時間変化を示すグラフである。

    【符号の説明】

    1・・・支持管 2・・・空気極 3・・・固体電解質 4・・・燃料極 5・・・集電部材 31・・・金属粒子 33、37・・・微粒のセラミック粒子 35・・・粗粒のセラミック粒子 36・・・多孔質体(骨格) 39・・・金属

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 良雄 東京都荒川区南千住3−28−70

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈