首页 / 专利库 / 软件 / 模型驱动体系结构 / Actuator controller and magnetic disk device

Actuator controller and magnetic disk device

阅读:728发布:2020-07-25

专利汇可以提供Actuator controller and magnetic disk device专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To process a hybrid control system including a low-pass filter(LPF) with a current hardware architecture of an HDD(hard disk drive) without using a state estimating device.
SOLUTION: This actuator controller is provided with an actuator 10, a voice coil motor(VCM) driving circuit 11, an ADC 12 converting a position signal from the actuator 10 into a digital signal, a microprocessor(MPU) 13 generating a control signal to the actuator 10 in responce to the position signal converted into the digital signal, a DAC 14 converting the control signal into an analog signal and an LPC 15 connected in between the DAC 14 and the VCM driving circuit 11. Here the MPU 13 compensates a phase delay due to the inserting of the LPF 15 and also reconstructs the state model of a plant including the LPF 15 to a state model which does not need the state estimating device.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO,下面是Actuator controller and magnetic disk device专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 駆動回路からの出力によって駆動されるアクチュエータからの位置信号に応答して該アクチュエータへの制御信号を発生するアクチュエータ制御装置であって、 前記制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と前記駆動回路との間に接続された低域通過フィルタと、 前記低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償するディジタル制御手段とを備え、 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含むプラントの状態モデルを直接観測可能な状態変数のみを用いた状態モデルに再構築し、フィードバック系設計の際に前記低域通過フィルタの挿入による位相遅れを前記プラントの一部として一括して補償することを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項2】 駆動回路からの出力によって駆動されるアクチュエータからの位置信号に応答して該アクチュエータへの制御信号を発生するアクチュエータ制御装置であって、 前記制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と前記駆動回路との間に接続された低域通過フィルタと、 前記低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償するディジタル制御手段とを備え、 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、可制御標準形に変換して設計し、
    すべての状態変数を直接測定可能にしたことを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項3】 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、式(9)及び式(10)に示す可制御標準形に変換して設計した 【数1】 ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項4】 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含む系を、式(11)に示す状態フィードバックを基に制御する 【数2】 ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項5】 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、式(12)及び式(13)に示す速度系の可制御標準形に変換して設計した 【数3】 ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項6】 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタを含む系の状態方程式から、式(4)に基づいた演算により、伝達関数行列Gを求め、 【数4】 前記式(4)の伝達関数を入力uと出力y及びそれらの遅延値に基づく離散状態方程式に再実現して、式(5)
    及び式(6)で示される可制御標準形を得、該式(5)
    及び式(6)で表される可制御標準形を基に制御系を設計した 【数5】 ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項7】 前記ディジタル制御手段は、前記可制御標準形に、出力の差分である擬似速度項を状態変数v
    (i)として導入し、 前記状態変数v(i)を式(7)に従って導入した可制御標準形を基に制御系を設計した v(i)=x(i)−x(i-1) …式(7) 但し、x(i)は制御出力、x(i-1)はその過去値である。
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項8】 前記ディジタル制御手段は、前記可制御標準形に、さらに出力の積分項を状態変数w(i)として導入し、 前記状態変数w(i)を式(8)に従って導入した可制御標準形を基に制御系を設計した w(i)=w(i-1)+x(i-1) …式(8) 但し、w(i-1)は状態変数w(i)の過去値、x(i-1)は制御出力x(i)の過去値である。 ことを特徴とする請求項1、2、3又は7に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項9】 前記低域通過フィルタのカットオフ周波数は、ナイキスト周波数よりも高い周波数領域におけるピークを十分に減衰させるように設定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項10】 前記低域通過フィルタは、ナイキスト周波数よりも低い周波数に極をもつアナログ一次低域通過フィルタであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5又は6に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項11】 前記低域通過フィルタは、ナイキスト周波数よりも低い周波数に極をもつアナログ一次低域通過フィルタと等価とみなせるオーバーサンプリングにより構成されたディジタル低域通過フィルタであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項12】 前記ディジタル制御手段は、ナイキスト周波数よりも低い周波数領域における位相遅れを補償するように設定されることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7又は8に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項13】 前記ディジタル制御手段は、マイクロプロセッサであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8又は12に記載のアクチュエータ制御装置。
  • 【請求項14】 アクチュエータと、 前記アクチュエータを駆動する駆動回路と、 前記アクチュエータからの位置信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器と、 前記ディジタル信号に変換された位置信号に応答して前記アクチュエータへの制御信号を発生するディジタル制御手段と、 前記制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と、 前記ディジタル・アナログ変換器と前記駆動回路との間に接続された低域通過フィルタとを備え、 前記ディジタル制御手段は、前記低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償する手段を備え、 前記ディジタル制御手段として請求項1乃至13のいずれかに記載のものを用いることを特徴とする磁気ディスク装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記憶装置等に用いられるアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置に係り、詳細には、ディジタル制御特有の折り返し歪みの影響を低減するアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】磁気記憶装置、特にハードディスクドライブ(HDD)のヘッド位置制御系のアクチュエータ制御では、ヘッド・サスペンションの機械共振に起因する折り返し歪みが問題となる。 具体的には、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とアクチュエータそれぞれの機械共振の影響によるロバスト性の低下と、高速シーク動作時のアコースティックノイズが挙げられる。

    【0003】上述した問題点を解決できるものとして、
    本出願人は特開平5−166312号公報記載の装置を既に提案した。 この公報記載の装置は、制御入を出力するD/Aコンバータの直後に低い極を持つ低域通過フィルタ(LPF)を置いて共振の存在する高周波数帯域のゲインを下げ、またこれによるナイキスト周波数以下の帯域での位相遅れをディジタル制御により補償するものである。

    【0004】このハイブリッド制御系アクチュエータ装置は、簡単な構成で機械共振に起因する折り返し歪みを最小にすることができ、ヘッド・サスペンションの共振モード管理に余裕をとるようにして、品質の面の向上を実現している。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】上記ハイブリッド制御系アクチュエータ装置は、上述した優れた特長を有するものであるが、ハードウェアとして高い演算処理能力を有するプロセッサの使用を前提として設計したため、現行のHDDのマイクロプロセッサ(MPU)では処理速度が間に合わず、製品に適用されなかった。 特に、状態推定器を導入し、DSPの高い演算処理能力に合わせたアリゴリズムであったため、現行のHDDのマイクロプロセッサ(MPU)の処理速度では適用できない。

    【0006】HDD製品は、低コスト化の要求が厳しく、コスト増が見込まれる高い演算処理能力を有するプロセッサ(例えば、DSP)の採用には消極的にならざるを得ないのが現状である。 そこで、上記ハイブリッド制御の利点を活かしつつ、通常のマイクロプロセッサ(MPU)で処理可能な程度にアリゴリズムを簡略化することが求められている。

    【0007】本発明は、LPFを含むハイブリッド制御系を、状態推定器を必要とせず、現行のHDDのハードウェアアーキテクチャで処理可能にしたアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置を提供することを目的とする。

    【0008】

    【課題を解決するための手段】本発明のアクチュエータ制御装置は、駆動回路からの出力によって駆動されるアクチュエータからの位置信号に応答して該アクチュエータへの制御信号を発生するアクチュエータ制御装置であって、制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・
    アナログ変換器と駆動回路との間に接続された低域通過フィルタと、低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償するディジタル制御手段とを備え、ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含むプラントの状態モデルを状態推定器を必要とせず、直接観測可能な状態変数のみを用いた状態モデルに再構築し、フィードバック系設計の際に低域通過フィルタの挿入による位相遅れをプラントの一部として一括して補償することを特徴とする。

    【0009】また、本発明のアクチュエータ制御装置は、駆動回路からの出力によって駆動されるアクチュエータからの位置信号に応答して該アクチュエータへの制御信号を発生するアクチュエータ制御装置であって、制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と駆動回路との間に接続された低域通過フィルタと、低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償するディジタル制御手段とを備え、ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、可制御標準形に変換して設計し、すべての状態変数を直接測定可能にしたことを特徴とする。

    【0010】上記ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、式(9)及び式(10)
    に示す可制御標準形に変換して設計したものであってもよい。

    【0011】

    【数6】

    【0012】上記ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含む系を、式(11)に示す状態フィードバックを基に制御するものであってもよい。

    【0013】

    【数7】

    【0014】上記ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含む系の状態方程式を、式(12)及び式(1
    3)に示す速度系の可制御標準形に変換して設計したものであってもよい。

    【0015】

    【数8】

    【0016】上記ディジタル制御手段は、低域通過フィルタを含む系の状態方程式から、式(4)に基づいた演算により、伝達関数行列Gを求め、

    【数9】

    【0017】式(4)の伝達関数を入力uと出力y及びそれらの遅延値に基づく離散状態方程式に再実現して、
    式(5)及び式(6)で示される可制御標準形を得、該式(5)及び式(6)で表される可制御標準形を基に制御系を設計したものであってもよい。

    【0018】

    【数10】

    【0019】上記ディジタル制御手段は、可制御標準形に、出力の差分である擬似速度項を状態変数v(i)として導入し、状態変数v(i)を式(7)に従って導入した可制御標準形を基に制御系を設計したものであってもよい。

    【0020】 v(i)=x(i)−x(i-1) …式(7) 但し、x(i)は制御出力、x(i-1)はその過去値である。

    【0021】上記ディジタル制御手段は、可制御標準形に、さらに出力の積分項を状態変数w(i)として導入し、状態変数w(i)を式(8)に従って導入した可制御標準形を基に制御系を設計したものであってもよい。

    【0022】 w(i)=w(i-1)+x(i-1) …式(8) 但し、w(i-1)は状態変数w(i)の過去値、x(i-1)は制御出力x(i)の過去値である。

    【0023】上記ディジタル制御装置は、低域通過フィルタのカットオフ周波数が、ナイキスト周波数よりも高い周波数領域におけるピークを十分に減衰させるように設定されるものであってもよい。

    【0024】上記低域通過フィルタは、ナイキスト周波数よりも低い周波数に極をもつアナログ一次低域通過フィルタであってもよい。

    【0025】上記低域通過フィルタは、ナイキスト周波数よりも低い周波数に極をもつアナログ一次低域通過フィルタと等価とみなせるオーバーサンプリングにより構成されたディジタル低域通過フィルタであってもよい。

    【0026】上記ディジタル制御手段は、ナイキスト周波数よりも低い周波数領域における位相遅れを補償するように設定されるものであってもよい。

    【0027】上記ディジタル制御手段は、マイクロプロセッサであってもよい。

    【0028】本発明の磁気ディスク装置は、アクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動回路と、アクチュエータからの位置信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器と、ディジタル信号に変換された位置信号に応答してアクチュエータへの制御信号を発生するディジタル制御手段と、制御信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換器と、ディジタル・アナログ変換器と駆動回路との間に接続された低域通過フィルタとを備え、ディジタル制御手段は、低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償する手段を備え、ディジタル制御手段として上述したものを用いることを特徴とする。

    【0029】

    【発明の実施の形態】本発明に係るアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置は、ハードディスクドライブ(HDD)等のヘッド位置制御系に用いられる磁気ディスク装置に適用することができる。

    【0030】図1は本発明の実施形態に係るアクチュエータ制御装置の構成を示す図である。

    【0031】図1において、アクチュエータ制御装置は、ヘッド・サスペンション機構及びヘッド移動用直流モータ(例えば、ボイス・コイル・モータ:VCM)を含むアクチュエータ10、アクチュエータ10のVCM
    を駆動するVCM駆動回路11、アクチュエータ10からのヘッド位置を示す信号y(t)をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器(ADC)12、
    ディジタル位置信号に応答してヘッドを所望位置に移動するための制御信号を、後述する数26に示す状態フィードバックに従って発生するディジタル制御手段としてのマイクロプロセッサ(MPU)13、MPU13からのディジタル制御信号をアナログ制御信号u(t)に変換するディジタル・アナログ変換器(DAC)14、D
    AC14とVCM駆動回路11の間に挿入されたアナログ低域通過フィルタ(LPF)15から構成される。

    【0032】上記アクチュエータ10は、電流駆動されるVCM、ピボット(図示略)により枢支されVCMの回転を磁気ヘッドに伝えるアーム17、位置検出系としての磁気ヘッド18から構成される。

    【0033】上記LPF15は、DAC14の直後に挿入された低い極を持つ一次のアナログLPFである。 このアナログLPF15の挿入により機械共振の存在する高周波帯域のゲインを下げる。 このLPF15の周波数特性については図2により後述する。

    【0034】上記MPU13は、ヘッドを所望位置に移動するための制御信号を、後述する式(11)に示す制御系に従って発生する。 ここで、式(11)に示す制御系は、上記アナログLPF15挿入によるナイキスト周波数fN以下の帯域での位相遅れをディジタル制御により補償するものであって、しかもそのディジタル制御が、状態推定器を必要とせず、現行HDDのハードウェアアーキテクチャで処理可能な簡易化された制御系により構築されている。

    【0035】以下、上述のように構成されたアクチュエータ制御装置の動作原理を説明する。

    【0036】まず、アナログLPF15挿入によるナイキスト周波数fN以下の帯域での位相遅れをディジタル制御により補償する補償対象について説明する。

    【0037】図2及び図3はアクチュエータ10を含む制御対象の周波数特性を示す図であり、図2はLPF1
    5挿入によるナイキスト周波数fN以下の帯域での位相遅れをディジタル制御により補償する前の周波数特性を、図3は補償後の周波数特性を示している。 図中、縦軸はゲイン、横軸は周波数を示す。

    【0038】図2の破線はアクチュエータ10を含む制御対象の周波数特性であり、図2に示すように機械共振に起因する周波数特性のピークがナイキスト周波数fN
    よりも高い高周波領域に生じている。

    【0039】LPF15を挿入すると、図2の実線に示すように、カットオフ周波数fc以上の周波数領域において所定量減衰した減衰特性となる。 これにより、ナイキスト周波数fNよりも高い高周波領域に生じている機械共振に起因する周波数特性のピークを減衰させることができる。

    【0040】そして、LPF15挿入により、カットオフ周波数fcからナイキスト周波数fNまでの低い低周波領域に生じたロス(位相遅れ)を、ディジタル制御により補償しナイキスト周波数fN未満の領域(図2ハッチング部参照)においては元の特性が現れるようにする。
    ディジタル制御が可能な周波数領域は、ナイキスト周波数fN未満の領域であり、結果的にはナイキスト周波数fN未満の領域の周波数特性がディジタル的に補償され、機械共振に起因する周波数特性のピークがある高周波領域のみが大きく減衰する。 図3はディジタル制御による補償後の周波数特性であり、図3のハッチング部が減衰部分である。

    【0041】次に、LPF15挿入によるナイキスト周波数fN以下の帯域での位相遅れをディジタル制御により補償する最適設計手法について説明する。

    【0042】本最適設計手法は、このディジタル制御を、状態推定器を必要とせず、現行HDDのハードウェアアーキテクチャで処理可能な簡易化された制御系により実現するものである。

    【0043】HDDのアクチュエータ10は、上記のように電流駆動されるVCM16、ピボットにより枢支されたVCM16の動作を支えるアーム17、位置検出系としての磁気ヘッド18からなる。 また、通常VCM1
    6の駆動電流は、MPU13からDAC14を介して出力された出力値に比例している。 したがって、制御入力は加速度、制御出力は位置となるので、基本的な系は二次積分系である。

    【0044】ここで、DAC14の出力に一次LPF1
    5を置くと、ラプラス演算子をsとして一次LPF15
    を含む制御対象の伝達関数g(s)は式(1)に示す3
    次系となる。

    【0045】

    【数11】

    【0046】式(1)において、uはDAC14の出力で、制御入力を示す。 また、yは位置誤差信号(Positi
    on Error Signal:PES)で、制御出力を示す。 aはLPF15の極、bは系の直流ゲインである。

    【0047】上記式(1)を、サンプリング間隔T、演算時間遅れτで離散化した状態方程式で表すと、式(2)及び式(3)で示すようになる。

    【0048】

    【数12】

    【0049】この式(2)及び式(3)に基づく制御系設計例が、本出願人が先に出願した装置である。 この制御系設計例では、LPFと本来の系である二次積分系を一括して補償するゲインパラメータを公知の最適制御理論(例えば、LQ法)により求めており、閉ループ開ループ共に自然な周波数特性が得られている。

    【0050】ここで、ヘッドの位置、速度及び加速度を表す状態変数x(i)、dx(i)/dt及びd2x(i)/dt
    2のうち、直接観測できるのはx(i)のみであるから、残りのdx(i)/dt及びd2x(i)/dt2は状態推定器を用いて推定することになる。 状態推定器としてカルマンフィルタを用い、現在型と予測型を使い分けることにより、1サンプル分のPESが何らかの障害により欠落した場合でも制御系全体の挙動に影響することなく安定した動作を続けることができた。 しかし、状態推定器を用いるためにはハードウェアとして高い演算処理能力を有するマイクロプロセッサあるいはDSPの使用が前提となるため、現行のHDDのマイクロプロセッサ(MP
    U)では処理速度が間に合わなかった。

    【0051】そこで、通常のHDDのマイクロプロセッサ(MPU)で処理可能な程度にアリゴリズムを簡略化することが求められている。

    【0052】まず、上記式(2)及び式(3)に示す系の実現を可制御標準形に変換して設計する。 これが実現できれば、すべての状態変数が直接測定可能になり、状態推定器を省略することができる。 また、閉ループはL
    PFと元の二次系を一括して補償する設計となるので、
    自然な特性を得やすい。 LQ法も適用することができる。 但し、状態推定器を持たないので、欠落したサンプルがあった場合の補間の精度は低下する。

    【0053】上記式(2)及び式(3)に示す系の伝達関数行列Gを求める。 以降、Iを適当な次元の単位行列とすると、伝達関数行列Gは式(4)で示される。

    【0054】

    【数13】

    【0055】上記数23に示す式(4)の伝達関数を入力uと出力y及びそれらの遅延値に基づく離散状態方程式に再実現すると、例えば可制御標準形を採用すれば式(5)及び式(6)のようになる。

    【0056】

    【数14】

    【0057】上記式(5)及び式(6)において、x
    (i)は制御出力であり、x(i-1)はその1つ前の、x(i-
    2)はその2つ前の、x(i-3)はその3つ前のそれぞれ過去値である。 また、u(i)は制御入力であり、u(i-1)はその1つ前の、u(i-2)はその2つ前の、u(i-3)はその3つ前のそれぞれ過去値である。

    【0058】ここで、上記制御出力x(i)、制御入力u
    (i)を見た場合、x(i)及びu(i)の他は全て制御出力x
    (i)、制御入力u(i)の両者の過去値、すなわち直接観測できる値(メモリに保存しておけばよい)で表されることに着目すると、上記式(4)から上記式(5)及び式(6)を導き出せる。

    【0059】実際の制御の際には、出力の差分、すなわち擬似速度項が状態変数として陽に現れていた方が都合がよいので、これをv(i)として式(7)に変形し、さらに状態変数として出力の積分項w(i)を式(8)に従って導入すると、系は式(9)及び式(10)に示すような7次で表すことができる。

    【0060】上記積分項w(i)の導入は、次のような目的で行われる。 すなわち、HDDはフレキシブルテンションあるいは風の影響等によるノイズがあり、上記式(5)及び式(6)に示されるだけのフィードバックでは誤差が0に収束しない。 これを収束させるためには、
    実際の位置と目標位置との誤差を積分する積分項w(i)
    を導入し、該積分項w(i)により上記誤差を収束させる必要がある。

    【0061】 v(i)=x(i)−x(i-1) …式(7) 但し、x(i)は制御出力、x(i-1)はその過去値である。

    【0062】 w(i)=w(i-1)+x(i-1) …式(8) 但し、w(i-1)は状態変数w(i)の過去値、x(i-1)は制御出力x(i)の過去値である。

    【0063】

    【数15】

    【0064】上記式(9)及び式(10)の系に基づいて式(11)に示す状態フィードバックを構成する。 実際には、上記式(9)及び式(10)の系をモデルとし、予め実験等により最適なフィードバックになるような式(11)のパラメータf1〜f7を求める。 最終的には、MPU13は、式(11)に基づく7次の計算を行って前述したディジタル補償を含むアクチュエータ制御を行う。

    【0065】

    【数16】

    【0066】LPFを用いない従来型の離散系は積分器を含み5次である。 したがって、本実施形態に係る制御系は5次から7次へと2次増えたことになるから、状態フィードバックにおける積和演算の増加量はたかだか2
    組である。

    【0067】ところで、上記式(9)及び式(10)の系は位置系であり、セトリング及びトラックフォローイングの制御系設計に用いられる。 シーク動作の制御には、通常速度系が用いられるが、上記式(9)及び式(10)から積分項を除きx(i)をv(i)の積分として考えると、上記式(9)及び式(10)の上でも同等の設計が可能である。 参考のため、速度系を式(12)及び式(13)に示す。

    【0068】

    【数17】

    【0069】以上説明したように、本実施形態に係るアクチュエータ制御装置は、アクチュエータ10と、アクチュエータ10を駆動するVCM駆動回路11と、アクチュエータ10からの位置信号をディジタル信号に変換するADC12と、ディジタル信号に変換された位置信号に応答してアクチュエータ10への制御信号を発生するMPU13と、制御信号をアナログ信号に変換するD
    AC14と、DAC14とVCM駆動回路11との間に接続されたLPF15とを備え、MPU13は、LPF
    15の挿入による位相遅れをディジタル制御により補償し、かつそのディジタル制御が、LPF15を含むプラントの状態モデルを状態推定器を必要とせず、直接観測可能な状態変数のみを用いた状態モデルに再構築し、フィードバック系設計の際にLPF15の挿入による位相遅れをプラントの一部として一括して補償するように構築された制御系により実現される。

    【0070】本実施形態では、この制御系を、LPF1
    5を含む系の状態方程式を可制御標準形に変換して設計することによって求め、MPU13が、ヘッドを所望位置に移動するための制御信号を、上記式(11)に示すフィードバック制御に従って発生する。

    【0071】このように、本最適設計方法は、上記式(11)に示すように7次の状態フィードバックで表現することができ、状態推定器を必要とせず、現行HDD
    のハードウェアアーキテクチャで処理可能な簡易化された制御系により実現できる。

    【0072】したがって、DSPを使用することなく現行のHDDのマイクロプロセッサを用いたディジタル制御が可能になるため、本来、優れた特長を有するハイブリッド制御系アクチュエータ装置を、低コストで実施することが可能になる。

    【0073】本発明を実際のHDD上に適用した実験結果について説明する。

    【0074】DAC14の直後に挿入するアナログLP
    F15の極は、1.6kHzに置いた。 このLPF15
    は、元々VCM駆動回路11に入っているコンデンサを大きな値に変えるだけで実現できるので、コスト、基板面積等にデメリットを与えることはない。

    【0075】本方法をHDDに適用、実験したところ、
    ナイキスト周波数以上の帯域で5dB以上のゲインの改善が見られた。 これにより機械共振に対するロバスト性が向上した。 また、アコースティックノイズも、例えば8kHzで4dBの改善が見られた。 このとき、シークタイムは従来法による結果と同等であり、パフォーマンスを劣化させることはなかった。

    【0076】以上述べた実験結果から以下のような効果を得ることができる。

    【0077】一次アナログLPFとディジタル補償を組み合わせた本制御系をHDD製品上に適用すれば、アクセス速度を犠牲にすることなく、以下(1)(2)(3)の効果を得ることができる。

    【0078】(1) ナイキスト周波数fN以上の帯域におけるロバスト性の向上を図ることができる。 すなわち、
    長年にわたり解決が困難であったロバスト性の向上を、
    現行HDDのハードウェアアーキテクチャで処理可能な簡易化された制御系において実現することができ、製品の信頼性が高まるとともに、工程内での歩留まりも改善することができる。

    【0079】(2) シーク動作時のアコースティックノイズを低減することができ、使用に当たっての快適性が向上する。

    【0080】(3) HDDに取り付けている制振部品の省略、従ってこれに伴う大幅なコストダウンの可能性がある。

    【0081】したがって、このような優れた特長を有するアクチュエータ制御装置を、HDDのヘッド位置制御系に適用すれば、このHDDにおいてヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とアクチュエータそれぞれの機械共振の影響によるロバスト性の低下や高速シーク動作時のアコースティックノイズがない装置を実現することができ、DSPを使用することなく現行のHDDのマイクロプロセッサを用いることができるため、低コストで実施することが可能になる。

    【0082】なお、本実施形態では、HDDのヘッド位置制御系に適用した例を説明したが、これに限らず、上述したハイブリッド制御系アクチュエータ装置であれば、どのようなアクチュエータ装置であってもよい。 例えば、HDD以外の外部記録装置や他の制御系の位置制御に用いてもよいことは言うまでもない。 すなわち、式(9)、式(10)及び式(11)で示される状態フィードバックを含む制御系であればその制御対象は限定されない。

    【0083】また、本実施形態に係るアクチュエータ制御装置を、低域通過フィルタを含むプラントの状態モデルを状態推定器を必要としない状態モデルに再構築したものであればよく、本実施形態で説明した実現法以外にも状態推定器を用いない実現法は存在する。 しかしそれらが本方式をベースとした簡単な式変形に基づくならば、式(11)に示すように、6次の基本型+積分器(本実施形態では1次)の形式に変わりはない。

    【0084】また、本実施形態では、アクチュエータ制御装置に適用しているが、アクチュエータ制御装置という名称に限定されるものではない。 本発明の技術的思想の範囲内であればヘッド位置決め装置等のように適宜変更することができ、HDD等の一部に組み込まれる態様であってもよい。

    【0085】さらに、上記アクチュエータ制御装置を構成する低域通過フィルタ、DAC、ADC等の種類、ビット数などは前述した実施形態に限られないことは言うまでもない。

    【0086】

    【発明の効果】本発明に係るアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置では、低域通過フィルタの挿入による位相遅れをディジタル制御により補償するディジタル制御手段が、低域通過フィルタを含むプラントの状態モデルを状態推定器を必要とせず、直接観測可能な状態変数のみを用いた状態モデルに再構築したので、低域通過フィルタを含むハイブリッド制御系を、現行のHDDのハードウェアアーキテクチャで実現することができ、低コスト化を図りつつ、ヘッドジンバルアセンブリ(HG
    A)とアクチュエータそれぞれの機械共振の影響によるロバスト性の向上及び、シーク動作時のアコースティックノイズの低減を図ることができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明を適用した実施形態に係るアクチュエータ制御装置及び磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。

    【図2】上記アクチュエータ制御装置のアクチュエータを含む制御対象の周波数特性を示す図である。

    【図3】上記アクチュエータ制御装置のアクチュエータを含む制御対象の周波数特性を示す図である。

    【符号の説明】

    10 アクチュエータ、11 VCM駆動回路、12
    アナログ・ディジタル変換器(ADC)、13 マイクロプロセッサ(MPU)(ディジタル制御手段)、14
    ディジタル・アナログ変換器(DAC)、15 アナログ低域通過フィルタ(LPF)

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 哲生 神奈川県藤沢市桐原町1番地 日本アイ・ ビー・エム株式会社 藤沢事業所内

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈