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Transmission and scattering type optical device with coloring prism

阅读:268发布:2021-02-28

专利汇可以提供Transmission and scattering type optical device with coloring prism专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To obtain a transmission and scattering type optical device with high contrast, high luminance, and of full color. CONSTITUTION:A prism array 20 in which cylindrical or conical prisms 2 are connected in series is adhered closely on the rear face of the transmission and scattering type optical device equipped with a picture element electrode connected to a circuit element driven by a chrominance signal, and black absorption layers 5, 5a are provided on the apex part of upper plane 2W of each prism, and a coloring layer 3 of one color for three primary colors on the side plane 2V of each prism 3 of three neighboring prisms, and also, three coloring prisms 2 are arranged corresponding to the position of the picture element electrode.,下面是Transmission and scattering type optical device with coloring prism专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】画素とこの画素を外部信号で駆動する回路素子が設けられ、画素のスイッチングによって光散乱特性が変化する透過散乱光学材料層を備えた透過散乱型光学素子の一方の面に、 複数のプリズムから構成されるプリズムアレー体をその底面が密着するように配置し、 各プリズムの底面に対する垂線を含む断面の形状が底辺と側辺との間に底角がある三角形もしくは台形の形状、
    または底辺に向かい合う頂部が変形されたほぼ三角形形状もしくは底辺に向かい合う上辺部が変形されたほぼ台形形状とされ、 これらの形状における底角Ψ 1 、Ψ 2が、65°≦Ψ 1
    ≦90°かつ65°≦Ψ 2 ≦90°であり、少なくともΨ 1 、Ψ 2のいずれかは90°でない角度とされた透過散乱型光学装置において、 各プリズムの側面には、三原色から選ばれる一色の着色層が設けられ、隣接される三個のプリズムが一群となり、一群のプリズムは三色の着色層を有し、かつ各プリズムは三つの画素にそれぞれ対応して配置され、各画素に接続される回路素子は、それぞれに応じた色信号で駆動されることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 【請求項2】画素とこの画素を外部信号で駆動する回路素子が設けられ、画素のスイッチングによって光散乱特性が変化する透過散乱光学材料層を備えた透過散乱型光学素子の一方の面に、 複数のプリズムから構成されるプリズムアレー体をその底面が密着するように配置し、 各プリズムの底面に対する垂線を含む断面の形状が底辺と側辺との間に底角がある三角形もしくは台形の形状、
    または底辺に向かい合う頂部が変形されたほぼ三角形形状もしくは底辺に向かい合う上辺部が変形されたほぼ台形形状とされ、 これらの形状における底角Ψ 1 、Ψ 2が、65°≦Ψ 1
    ≦90°かつ65°≦Ψ 2 ≦90°であり、少なくともΨ 1 、Ψ 2のいずれかは90°でない角度とされた透過散乱型光学装置において、 各プリズムは、三原色から選ばれる一色に着色され、隣接される三個のプリズムが一群となり、一群のプリズムは三色に色付けされ、かつ各プリズムは三つの画素にそれぞれ対応して配置され、各画素に接続される回路素子は、それぞれに応じた色信号で駆動されることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 【請求項3】請求項1または2において、プリズムが三角柱状または台形柱状または多角形柱状であることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 【請求項4】請求項1または2において、プリズムが円錐もしくは角錐、または円錐台もしくは角錐台で代表される錐体状プリズムであることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項において、プリズムの底面から頂部までの高さをH 0 、断面における底面から吸収層の下端までの高さをそれぞれH 1 、H 2
    としたときに、0.30≦H 1 /H 0 、H 2 /H 0
    0.70を満足することを特徴とする透過散乱型表示装置。
  • 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項において、透過散乱型光学素子に設けられた透過散乱光学材料層が、
    液晶が固化物マトリクス中に分散保持された液晶固化物複合体層であることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項において、回路素子がバリスタやMIMやダイオードなどの二端子素子、もしくはTFTなどの三端子素子からなる能動素子であることを特徴とする透過散乱型光学装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、外部入に応答してその光散乱特性が変化するカラー化された透過散乱型光学素子を用いたフルカラー透過散乱型表示装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来から光学特性を電圧により変化させる表示素子としては、液晶表示素子が良く知られている。 特に実用化が目覚ましい液晶光学素子としては、一対の偏光膜を用いたツイストネマチック(TN)型液晶光学素子があり、時計、電卓、ワープロ、パソコン等種々の表示素子として用いられている。

    【0003】しかし、これらのTN型液晶光学素子は、
    偏光膜を用いているために、コントラスト比を高くしようとすると光の損失が大きく、表示が暗い表示になるという欠点を有していた。 これは屋外で用いるような反射型専用の液晶光学素子の場合には、それほど問題にはならないものであったが、バックライトを用いる等した透過型液晶光学素子の場合には、バックライトの光量を大きくしないと暗いという問題点があった。

    【0004】一方、偏光膜を使用しない液晶光学素子として、透過散乱型の液晶光学素子として動的散乱(DS
    M)型液晶光学素子も従来から知られている。 また、最近では、液晶が硬化物マトリクスなどの固化物中に分散保持された液晶固化物複合体を用いた液晶光学素子が注目されてきている。 この透過散乱型液晶光学素子は、偏光板を用いないので、光を有効利用でき透過時の明るい表示が得られる。

    【0005】しかし、これらの透過散乱型液晶光学素子は散乱時には光が直進するわけではないが、透過してくるものであり、透過時には光が直進して透過してくることになる。 このため、反射型で用いれば、透過部分では観察者側の背景が写り込みやすく、また透過型で用いれば、透過部分では背後の背景が見えることになり、視認性が低下するという問題点を有していた。

    【0006】この透過散乱型光学素子においても、明るく、高コントラストな表示を実現することが望まれていた。 このため、透過散乱型光学素子の背後に黒色の吸収面を配置したり、背後から指向性の強い光を入射させるためにルーバーを配置したりすることも提案されていた。

    【0007】さらに、特開平4−165330号には、
    外部入力に応答してその光散乱特性が変化する透過散乱型光学素子の透過散乱光学材料層の背後に、プリズムをその底面が透過散乱型素子の背面に密着するように配置した透過散乱型光学装置において、そのプリズムをその断面が三形状または三角形状の頂部近傍の一部が切り欠かれた形状のプリズムとし、そのプリズムの頂部近傍とプリズムの谷底部とを吸収面とし、プリズムの頂部の背後に照明を配置したことを特徴とする透過散乱型光学装置が開示された。

    【0008】さらに、この特開平4−165330号には、断面が三角形状である三角柱状のプリズムであり、
    Ψ 1とΨ 2が65°≦Ψ 1 ≦87°かつ65°≦Ψ 2
    87°とされるか、断面が三角形状である錐体状プリズムであり、その錐体状プリズムの側面に直交する面であって底面に直交する面上での当該側面と底面とのなす角Ψの全てが65°≦Ψ≦87°とされたことを特徴とする透過散乱型光学装置について記載されている。

    【0009】また、断面が三角形状のプリズムが、その頂部近傍で切り欠かれた形状の多角形状のプリズムとされ、その頂部近傍の切り欠かれた形状の面が吸収面とされたことを特徴とする透過散乱型光学装置、及び、それらの断面が三角形状のプリズムの底面から頂部までの高さをH 0 、底面から吸収面の下端までの高さを夫々H
    1 、H 2とした時に、0.30≦H 1 /H 0 ≦0.70
    かつ0.30≦H 2 /H 0 ≦0.70とすることを特徴とする透過散乱型光学装置、及び、それらのプリズムの背後に照明を配置したことを特徴とする透過散乱型光学装置、並びに、それらの透過散乱型光学装置を、表示装置に用いることを特徴とする透過散乱型表示装置についても記載されている。

    【0010】図7及び図8に、特開平4−165330
    号の実施例の側面図を引用し従来例として示す。 両図において符号1は透過散乱型光学素子、符号8は照明装置、符号13は観察者である。 図7のプリズム2は、その断面がほぼ三角形であり一方向に延びた三角柱状である。 図8のプリズム2においてはその断面がほぼ台形である。 また、これらのプリズム2は連接されてプリズムアレー体を構成して谷底部2Yを有する。 そして、プリズム2の上面もしくは頂部近傍に、光を吸収する吸収層5aが設けられている。 また、谷底部2Yにも第二の吸収層5bが設けられている。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】この発明によって、観察者13の正面方向にほぼ対称な視角があり、明るくかつ高コントラストな表示が可能であって、背後からの照明の光量損失が少ない透過散乱型光学装置が得られることとなった。 このようにして、望ましい透過−反射特性と、あわせて優れた表示コントラスト比や視覚特性が容易に得られるようになった。 また、この特開平4−16
    5330号に記載された発明において、その表示のフルカラー化を行うには、従来から知られているRGBモザイクカラーフィルタを、基板ガラスの透過散乱光学材料層に面する側(内側)に形成することにより可能であった。

    【0012】また、黒塗り部分を着色塗りとすることで、散乱状態に対する画素の表示が白となり、透明状態に対する画素の表示が着色カラーとなるカラー表示法についても記載されている。 しかし、それ以外のカラー表示方法、特にプリズムアレー体を利用したフルカラー表示方法に関しては、具体的な構成が記載されていない。
    本発明では、視認性がよく、また高コントラスト比でありかつ高輝度の表示を行うとともに、画像表示のフルカラー化を達成しようとする。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明では、画素とこの画素を外部信号で駆動する回路素子が設けられ、画素のスイッチングによって光散乱特性が変化する透過散乱光学材料層を備えた透過散乱型光学素子の一方の面に、複数のプリズムから構成されるプリズムアレー体をその底面が密着するように配置し、各プリズムの底面に対する垂線を含む断面の形状が底辺と側辺との間に底角がある三角形もしくは台形の形状、または底辺に向かい合う頂部が変形されたほぼ三角形形状もしくは底辺に向かい合う上辺部が変形されたほぼ台形形状とされ、これらの形状における底角Ψ 1 、Ψ 2が、65°≦Ψ 1 ≦90°かつ65°≦Ψ 2 ≦90°であり、少なくともΨ 1 、Ψ 2
    のいずれかは90°でない角度とされた透過散乱型光学装置において、各プリズムの側面には、三原色から選ばれる一色の着色層が設けられ、隣接される三個のプリズムが一群となり、一群のプリズムは三色の着色層を有し、かつ各プリズムは三つの画素にそれぞれ対応して配置され、各画素に接続される回路素子は、それぞれに応じた色信号で駆動されることを特徴とするカラー化された透過散乱型光学装置を提供する。 また、着色層を施さずに各プリズムが、三原色から選ばれる一色に着色され、隣接される三個のプリズムが一群となり、一群のプリズムは三色に色付けされ、かつ各プリズムは三つの画素にそれぞれ対応して配置され、各画素に接続される回路素子は、それぞれに応じた色信号で駆動されることを特徴とするカラー化された透過散乱型光学装置を提供する。

    【0014】本発明のカラー化された透過散乱型光学装置では、透過散乱型光学素子の背面に能動素子などにより駆動される画素電極に応じた大きさの底面部を有し、
    三角柱や、台形柱や、多角形柱や、円錐や、円錐台や、
    角錐や、角錐台などの形状を有するプリズムが配置され、かつそれぞれのプリズムの側面には光の三原色のうちの一色が着色層として設けられている。 そして、照明装置から発した光のうち、プリズム側面を通過する光は着色層によりカラー化される。

    【0015】また、前述した特開平4−165330号と同様に、プリズム断面の底角Ψが65°≦Ψ≦90°
    とされ、またプリズムの頂部近傍に吸収層が形成されている。 このため、透過散乱型光学素子の透過部分を直進した光は、断面が三角形などのプリズムにその底面から入射し、プリズムの側面で反射するか直接プリズム頂部近傍の吸収層や、上面のある場合には上面の吸収層に到達し、その一部のみが反射して観察者側に戻ってくることになる。 そのため、その部分が黒く見えることで、視角を正面方向に絞ることができる。

    【0016】このように本発明においては、プリズムの側面からプリズム内に光が入射し、そこに設けられた着色層によって色付けされるので、背後の照明の光も充分利用可能になり、視角が正面方向(表示装置に正対する方向)に位置し、かつ、高コントラスト、高輝度のカラー表示が可能になる。 実施例の図を用いて概説する。 図1は、断面が台形である円錐台形状のプリズム2である。 図2には、このプリズム2を用いて構成した透過散乱型光学装置の側面図を示す。 これらの図において、分かりやすくするためにプリズムを一個として示してあるが、実際には図2の上下奥行方向に複数のプリズムが配置されたプリズムアレー体として構成される。

    【0017】図2において、1は透過散乱型光学素子、
    プリズム2の底面2Xが透過散乱型光学素子1と密着される。 2Vはプリズムの側面、2Wはプリズムの上面である。 8は平行光を主に出射する照明装置、13は観察者を示す。 背面に設けられた照明装置8から出射した光のうち、プリズムの側面上に設けられた着色層3に当る光9U、9Dはプリズム内にカラー化されて入射する。
    光9Dは、吸収層5に当り、観察者13には到達しにくい。

    【0018】なお、図面中のΨ、H 0 、H 1 、H 2については、H 0がプリズム2の側面を延ばしていった際に交差する点までの底面2Xからの高さである。 また、図2中のΨ 1 、Ψ 2はプリズムの一つの断面(底面に対する法線面)における底角、H 0は底面2Xから頂部もしくは仮想頂部までの高さ、H 1 、H 2は底面2Xから吸収層の下端までの高さ(上面2Wの面上に吸収層を設けた場合は、H 1 =H 2となる、側面上で非対称に吸収層を設けた場合、H 1 ≠H 2となる)、Wは底面の幅を表している。

    【0019】角度Ψ(Ψ 1 、Ψ 2 )がいずれも65°≦
    Ψ≦90°とされ、少なくともいずれかの角度は90°
    でない角度とした柱状プリズムか、錐体状プリズムであって、その錐体状プリズムの側面に直交する面であって底面に直交する面上での当該側面と底面とのなす角Ψの全てが65°≦Ψ≦90°とされ、少なくともいずれかの角度は90°でない角度としたプリズムが好ましい。
    なかでも、視角の点からは65°≦Ψ≦87°とすることが好ましく、特に、75°≦Ψ≦87°とすることが好ましい。

    【0020】錐体状プリズムの場合には、通常四角錐とされることが多いが、円錐や、三角錐や、六角錐などでもよく、頂部が切り欠かれた円錐台や角錐台でもよい。
    もっとも、ドットマトリクス状の画素であれば、その画素の形状に応じた底面形状を持つ錐体状プリズムとすることができる。 このときには、厳密には透過散乱型光学素子の背面全面を覆うようなプリズムアレー体ではなく、画素の部分を覆うプリズムとしてもよい。 例えば、
    パネル面の一部分に可変表示の領域がある場合には、その領域に応じた大きさ(底面積)のプリズムアレー体を設ければよい。

    【0021】単純マトリクスのように、各画素の大半が表示部であるような場合には、その画素形状そのものに応じた底面形状を有するプリズムであることが好ましい。 しかし、TFTのように画素に占める開口部が30
    〜50%程度である場合には、必ずしも画素形状に応じた底面形状のプリズムである必要はなく、画素の開口部をプリズムの底面が覆うようになっていればよい。

    【0022】プリズムの上面もしくは頂部付近に設けられる吸収層は、H 1 /H 0 、H 2 /H 0がそれぞれ30
    〜70%となるようにされることが好ましい。 即ち、三角柱形状のプリズムの場合にはその二側面で、四角錐のプリズムの場合にはその四つの側面で上記範囲とされる。 通常は、視角を正面から対称になるようにしたいので、角度Ψ 1 、Ψ 2を同じにして吸収層の設けられる範囲も各側面とも同じにすることが好ましい。

    【0023】また、吸収層のプリズム底面への投影面積が、底面の面積の50%以下にすることが明るさの点から見て好ましい。 特に、断面が台形の場合には、その吸収層上にさらに反射層を設けて光の有効活用を図りにくいので、50%以下にすることが好ましい。

    【0024】吸収層の範囲を各側面とも同じにする場合には、その形成自体も容易になる。 例えば柱状のプリズムの場合にも、錐体状のプリズムの場合にも、着色塗料中に特定位置までプリズムの頂部もしくは上面を下向きにして浸して製造できる。 また、後述するブロック型を用いて、プリズムの特定の部位に着色を施すこともできる。 プリズムの谷底部にも第二の吸収層を設ける場合には、第二の吸収層、着色層、プリズム上面または頂部付近の吸収層の順に形成することが望ましい。 純度の高いカラー光を得るためには、吸収層を設けた方が好ましい。

    【0025】また、断面がその頂部近傍で切り欠かれた形状の多角形状のプリズムの場合では、底面に非平行な面で切断され、この切断位置が、H 1及びH 2で表され、上記したような範囲とされる。 このため、H 1とH
    2とを異ならせて上面を斜めとすることができる。 また、頂部を球面状にすることも可能である。 しかし、この場合にも、視角を正面から対称になるようにし、かつ製造が容易であることから、断面が台形とすることが好ましい。

    【0026】なお、ここで説明の都合上切り欠くという表現をしているが、これは切断という工程があることを意味していなく、できた形状を示すために用いているものであり、そのような形状をキャスティング法、プレス法、射出成形法などで製造してもよいことは明らかである。 また、角錐と角錐台との中間の形態、例えば、上面部が平面でなく、さらに錐体状、球面状に形成されていたりしてもよい。 また、吸収層は、上面のみでなく一部が側面まで覆っていてもよい。

    【0027】吸収層は、そこに到達した光が吸収されればよいものであり、例えば着色剤を塗布して製造されればよい。 また、その外面上に外に向いた反射層をさらに形成して、背後の照明の光を有効活用することが望ましい。 つまり、吸収層は観察者にとって黒色に見えることが望ましい。 各プリズムの側面に設けられた着色層による発色との関係から黒以外の特定の色波長の吸収特性を有していてもよい。

    【0028】つぎに、カラー化のための構成について説明する。 プリズムの側面に設けられた着色層は、プリズムの外部から入射する光を反射することなくプリズム内部に導入せしめ、そしてこの光は透過散乱型光学素子側に出射する。 このため、より明るいカラー表示が得られる。 このため、着色層の上面には無反射コートが施されることが望ましい。 また、透過散乱型光学素子の内部に設けられるカラーフィルタと合わせて用いることで微妙な色調整を行うことができる。 コントラストも同時に改善できる。

    【0029】それぞれのプリズムの側面には、一色の着色層が設けられ、一列に連続したり三角状に隣接して配置され、そして赤、緑、青の三色の一色にそれぞれ側面を着色された三個のプリズムが一群となってカラー表示体が構成される。 つまり、三個の各プリズムは、それぞれが一色を発色せしめる画素の透明駆動電極に対応して配置される。 透明駆動電極は、これを電気的に駆動する回路素子に接続される。

    【0030】透明駆動電極に接続される回路素子の一例として、例えば、MIMや、バリスタや、ダイオードや、TFTなどの能動素子があり、外部電気信号に応答してオンオフし、透明駆動電極に発生する電界などによって透過散乱光学材料層の状態が遷移して光の透過量が定まる。 三個のプリズムに対応した各画素を、それぞれに必要な色信号によって階調駆動をすることで多段階の色表示が可能となる。

    【0031】それぞれのプリズムの側面に着色層を設けるには、プリズムアレー体を形成した後に、各色用の着色用マスクをプリズムアレー体と密着せしめて、プリズムの側面の所望の位置に対応して設けられたマスク穴から着色剤を塗布することで製造できる。 あるいは、同色の着色が施される複数のプリズムの位置ごとに、そのプリズム形状に嵌合する凹形状部を有し、全体としてはプリズムアレー体の雌型となる各色用の少なくとも三種類のブロック型を用いる。 このブロック型の凹形状部にあらかじめ着色剤を入れておく。 そして、嵌合時に着色剤をプリズムに貼着せしめることができる。 谷底部に第二の吸収層を設ける場合には、全プリズムに応じた凹形状部を有するブロック型を用いればよい。

    【0032】つぎに、電気光学作用の中心となる透過散乱光学素子について説明する。 本発明の外部入力に応答してその光散乱特性が変化する透過散乱型光学素子は、
    電圧、熱、磁場等の外部入力に応じて、透過散乱光学材料層の特性が変化し、透過状態と散乱状態とになる公知の光学素子が使用できる。 例えば、液晶を用いた液晶光学素子、動的散乱を利用したDSM型液晶光学素子、複屈折性を有し電界に応答する二極性の材料を用いた電気光学素子、または液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶樹脂複合体を用いた液晶光学素子等がある。

    【0033】特に、透過散乱光学材料層に液晶樹脂複合体を用いた液晶光学素子は、散乱性能が良いとともに、
    配向処理が不要、液体状態でないので基板間隙制御が容易など、製造上の利点が多く、さらに大型化も可能であり有利である。

    【0034】つぎに、光の進行路について説明する。 まず、プリズムの側面に三原色のうちの一色を有する着色層が設けられているので、ここを通過する光は着色される。 一方観察者側から入射する光のある視角範囲の光をプリズム内面で全反射することになる。 この側面で反射した光の多くは頂部付近の吸収層に到達して吸収される。 図8の従来例は、この状態を示している。 矢印で示した観察者側からの斜めの入射光L1は、プリズムにより定まる特定の入射角以下の入射角の光はプリズムの側面で反射され、反射を繰り返して、ついには吸収層5a
    に到達する。

    【0035】これにより、観察者側から見た場合、透過散乱型光学素子の透過部分では、光が直進し、プリズムの側面で、そのプリズムの有する屈折率により定まる特定の入射角度範囲以内の角度で入射する光は全反射され、ほとんどその頂部近傍の吸収層に入射するか、あるいは直接吸収層に入射することにより吸収される。 このため、透過部分では観察者側には光はほとんど到達しない。

    【0036】一方、透過散乱型光学素子の背後に照明が配置され、その光は、プリズムの吸収層が設けられていない側面、即ち、着色層が設けられているプリズムの側面から入射し、その後透過散乱型光学素子に入射する。
    この場合に、入射光は全てプリズムの側面の傾斜角及び屈折率により定まる特定の角度の範囲内の角度で透過散乱型光学素子面より観察者側に出射する。 それにより定まる視角範囲外の観察者には直接この入射光は伝わらない。

    【0037】このため、前述したように吸収層を黒色とすると、いずれの光も観察者にはほとんど到達しなく、
    黒く見えることになる。 もっとも、吸収層の色を黒以外の赤、青、緑等にしておくことにより、その色の光のみが観察者側の視野角内に透過してくるので、その色が認識される。 本発明においては黒色を基本とする。 逆に、
    透過散乱型光学素子の散乱部分では、観察者側から入射する光はそのまま散乱され、背後の照明による光はプリズムの側面から斜めに入射して、同様に散乱される。 この散乱光のうち、観察者側に向かう光はそのまま観察者に白く認識される。

    【0038】これにより、黒または特定の色と、白の表示が得られる。 この場合、電圧の印加により透過−散乱を制御する液晶光学素子を用いて、白地に黒い表示を得るためには、電圧を印加しない状態で散乱状態となっている液晶光学素子を用いる必要がある。 これには、前述した液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶樹脂複合体などを用いた液晶光学素子が最適である。

    【0039】本発明で用いる照明装置には、タングステンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、冷陰極放電管、熱陰極放電管、LED、
    EL等の公知の照明をはじめ、太陽光、室内照明等の外部の光を導光してきて用いるようなものでもよい。 さらに必要に応じて、平面鏡、球面鏡、楕円面鏡、放物面鏡等の反射鏡、レンズ、光ファイバ等の導光手段を組み合わせたものも使用できる。

    【0040】本発明の透過散乱型光学装置の透過散乱型光学素子は、透過散乱光学材料層により人為的に透過、
    散乱を制御できるものであれば使用できる。 なかでも、
    液晶を使用するものが低消費電力で信頼性が高いため好ましい。 特に、一対の電極付きの基板間に液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶硬化物複合体層を挟持し、電圧の印加により散乱状態と透過状態とを制御しうるものが最適である。

    【0041】この液晶硬化物複合体層を挟持した透過散乱型光学素子の液晶硬化物複合体層としては、液晶が硬化物マトリクス中に分散保持されているものであれば使用できる。 具体的には、液晶が独立した液泡を形成してマイクロカプセル状に封じ込められていてもよいし、それらの液泡が連通していてもよいし、細かな孔の多数開いた硬化物マトリクスの孔の部分に液晶が充填されているものであってもよい。

    【0042】このような液晶硬化物複合体層を一対の電極付きの基板間に挟持し、その電極間に電圧を印加すると、その電圧の印加状態により、その液晶の屈折率が変化し、硬化物マトリクスの屈折率と液晶の屈折率との関係が変化し、両者の屈折率が一致した時には透過状態(入射光がそのまま直進する)となり、屈折率が異なった時には散乱状態(入射光がそのまま直進せずに散乱する)となる。

    【0043】具体的には、電圧を印加している状態で、
    硬化物マトリクスを構成するところの硬化させられた硬化物の屈折率が、液晶の常光屈折率(n o )と一致するようにされる。

    【0044】これにより、得られた硬化物の屈折率と液晶物質の屈折率とが一致した時に光が透過し、一致しない時に光が散乱(白濁)することになる。 この素子の散乱性は、従来のDSM型の透過散乱型光学素子の場合よりも高いので、オンオフ比が高く取れる。

    【0045】この液晶硬化物複合体層は、通常、液晶と硬化物マトリクスの原料との混合物を準備して、電極基板上に流延供給して硬化させるか、通常の液晶セルのように一対の電極付の基板の周辺をシール材でシールし、
    注入口から混合物を注入して硬化させて、液晶が硬化物マトリクス中に分散保持されるようされればよい。

    【0046】この硬化物マトリクスとしては、樹脂マトリクス、セラミックマトリクス等があるが、製造法上容易であり、屈折率の調整も容易であるので、樹脂マトリクスの使用が好ましい。

    【0047】中でも、樹脂マトリクスの原料として、密閉系で硬化可能な光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を用い、これを液晶に溶解した溶液を用いて、光硬化または熱硬化することにより、生産性が良く、前述の流延供給法及び注入法の両方の製造方法が適用可能である。 特に、光硬化性樹脂を用い、光硬化する製造方法が好ましい。

    【0048】この素子に、この硬化工程の際に特定の部分のみに充分に高い電圧を印加した状態で硬化させてやる、または液晶の相転移点以上に加熱した状態で硬化させてやることにより、その部分を常に光透過状態とすることもできる。 また、中間程度の電圧を印加して硬化させてやる、または、充分に高い電圧を印加した状態で半硬化させ、その後電圧を印加せずに硬化を完了させてやることにより、任意の中間調(散乱時の散乱度が任意の散乱度)の表示も得ることができる。 これにより、部分的に枠、文字等の固定表示を行ったり、写真像の表示を行ったりすることができる。

    【0049】この硬化物マトリクスの屈折率と、使用する液晶のn oとを一致させた透過散乱型液晶光学素子を用い、それらを完全に一致させることが好ましいものであるが、透過状態に悪影響を与えない程度に、ほぼ一致するようにしておけば使用可能である。 これは、液晶により樹脂マトリクスが膨潤して、樹脂マトリクス自体が本来持っていた屈折率よりも液晶の屈折率に近づくため、この程度の差があっても、光はほぼ透過するようになるためである。

    【0050】この透過散乱型光学素子を表示に用いるためには、所望のパターンで電極をパターニングすればよいが、各画素にTFT等の能動素子を配置してドットの集合により種々の表示を表示するようにしてもよい。

    【0051】この電極は両方の基板とも通常透明電極とするが、その一部に低抵抗のリード等の目的で金属等の不透明電極を併設してもよい。

    【0052】本発明では、この透過散乱型光学素子の前面側または背面側にガラス板、プラスチック板等の保護板を積層することができる。

    【0053】前述の液晶硬化物複合体層を構成する硬化物マトリクス、特に樹脂マトリクスの原料としては、各種樹脂のモノマー、オリゴマー、溶媒により溶解されるポリマー等があり、液晶と混合して混合物とされて用いられる。 この場合、硬化物マトリクスの原料が液晶に溶解して、均質溶液となっているものを使用することが好ましいが、ラテックス状になっているもの等も使用できる。

    【0054】基板上に混合物を流延供給する場合には、
    溶媒を留去したり、硬化時にガス等の副生物を発生させるものも使用できるが、セル中に液晶を注入して後硬化させる場合には、密閉系内で溶媒の留去が不要で硬化時にガス等の副生物を発生せずに硬化可能な混合物を使用する。

    【0055】このため、前述のごとく光硬化性樹脂を用いることが生産性上好ましく、特に、光硬化性ビニル系樹脂の使用が好ましい。 具体的には、光硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に、光照射によって重合硬化するアクリルオリゴマーを含有するものが好ましい。

    【0056】これらの場合用いられる液晶は、ネマチック液晶、スメクチック液晶等があり、単独で用いても組成物を用いてもよいが、動作温度範囲、動作電圧など種々の要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利といえる。 特に、ネマチック液晶の使用が好ましい。

    【0057】また、液晶硬化物複合体層に使用される液晶は、光硬化性樹脂を用いた場合には、光硬化性樹脂を均一に溶解することが好ましく、光露光後の硬化物は溶解しない、もしくは溶解困難なものとされ、組成物を用いる場合は、個々の液晶の溶解度ができるだけ近いものが望ましい。

    【0058】液晶硬化物複合体層を製造する際、硬化物マトリクスと液晶とは25:75〜75:25程度の割合になるように硬化物マトリクスの原料と液晶とを混合して混合物とすればよく、液状なしは粘稠物として使用されればよい。

    【0059】液晶硬化物複合体層を製造する場合、従来の通常の液晶表示素子のようにセルを形成し注入口から注入することもできるが、電極付きの基板上に硬化物マトリクスの原料と液晶との混合物を供給し、対向する基板を重ね合わせるようにすることにより、透過散乱型光学素子を極めて生産性良く製造できる。

    【0060】この基板間ギャップは、5〜100μmにて動作することができるが、印加電圧、オン・オフ時のコントラストを配慮すれば、液晶硬化物複合体層の場合には7〜40μmに設定することが適当である。

    【0061】この透過散乱型液晶光学素子は、液晶中に二色性色素や単なる色素、顔料を添加したり、硬化物マトリクスとして着色したものを使用したりしてもよい。

    【0062】電極付の基板にプラスチック基板を使用することにより、連続プラスチックフィルムを使用した長尺の透過散乱型光学素子が容易に製造できる。 また、本発明の透過散乱型光学素子は、一般に通常の液晶表示素子とほぼ同じ程度の大きさになるため、ガラス基板を用いて通常の液晶表示素子と同様にセルを形成して、注入するようにしても生産性の低下はほとんどない。

    【0063】このように液晶硬化物複合体層を用いた透過散乱型液晶光学素子とすることにより、上下の透明電極が短絡する危険性が低く、かつ、通常のTN型の液晶表示素子のように配向や基板間隙を厳密に制御する必要もなく、透過状態と散乱状態とを制御しうる透過散乱型液晶光学素子を極めて生産性良く製造できる。

    【0064】この透過散乱型液晶光学素子は、駆動のために電圧を印加する時には、液晶の配列が変化するような交流電圧を印加すればよい。 具体的には、5〜100
    Vで10〜1000Hz程度の交流電圧を印加すればよい。 また、この透過散乱型光学素子の観察者側にレンズ、プリズム、フィルター等を配置して視角を変えたり、色を変えたりしてもよい。

    【0065】

    【作用】本発明においては、観察者の視角は正面方向からほぼ対称になる。 断面が二等辺三角形である三角柱状のプリズムを用いた場合には、左右方向の視角はほぼ全域となり、上下方向の視角は±20〜40°程度の等しいかほぼ等しい視角を持つ。 角度Ψ 1 >Ψ 2と、吸収層の位置(H 1 =H 2 )を調整することで視角を対称とすることができる。 底面から両側面を延長した頂点までの距離H 0に対して、H 1 、H 2は前記したように30〜
    70%とされるのがよい。

    【0066】つまり、透過散乱型光学素子からプリズム側に、法線方向からみて特定の入射角θ以下の角度で入射した光は、プリズム内部を伝搬する光となり、プリズムの側面で反射して、最終的に吸収層に到達する。 また、より入射角θが小さい光はより少ない回数の反射の後もしくは直接に吸収面5に到達する。 これらの場合のみが光がほとんど反射してこない。 この全反射する角度で外部からプリズム内に光が入射することはないので、
    背後からも光が直接入射して逆行しないので、黒く見えることになる。

    【0067】逆に、ある入射角度以上の光はプリズムの側面から外部に出てしまうことになる。 このため外部からの光も内部に入ってくることになり、この視角に位置する観察者は背後の照明が直接見えることになり、黒く見えることにならない。

    【0068】この場合、先の尖った形状よりも切り欠かれた形状の方が、奥行きが短くなり、かつ吸収層の面積も小さくなるので、コンパクトになるとともに製造が容易となり好ましい。 さらに、頂部の切り欠き面が山形であってもよく、そこに吸収層を設けることができる。 また、頂部を断面が円弧になるようにしてもよく、上記の例を組み合わせたような形状のプリズムを用いてもよい。

    【0069】また、照明装置の光を有効利用するために外向きの反射層を吸収層の上に形成した場合にはこの反射層で光が反射を繰り返してから吸収層の無い、着色層が設けられたプリズムの側面からプリズムのなかに入射する。 これにより照明装置の利用効率が向上し、明るいカラー表示が可能となる。 着色層の上に無反射コートが設けられるとさらに効率が向上する。

    【0070】このように、照明装置の光を有効にプリズム内に集光し、かつ、三原色にカラー化してから透過散乱光学素子に光を伝搬するので高輝度、高コントラストのにじみのないカラー画像を得られる。

    【0071】

    【実施例】(実施例1)各画素の大きさが10mmの正方形であり、縦(3色×100)画素×横100画素のカラー表示画素からなるようにパターニングしたITO
    による電極を設けたガラス基板を2枚用い、20μmのスペーサーを介在させて周辺をシール材でシールして、
    空セルを作成した。

    【0072】2−エチルヘキシルアクリレート7部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリルオリゴマー(東亜合成化学(株)製「M−1200」)
    24部、光硬化開始剤としてメルク社製「ダロキュアー1116」を0.9部と、液晶としてBDH社製「E−
    8」を64部とを均一に溶解して、液晶混合物を製造した。

    【0073】この液晶混合物を、前記した空セルに注入して、30秒間紫外線を照射して露光して透過散乱型液晶光学素子を作成した。 この透過散乱型液晶光学素子は樹脂マトリクスを構成するところの硬化させられた樹脂の屈折率が、液晶のn oとほぼ等しくなるようにされているので、電圧を印加しない状態で、両者の屈折率が異なり、全体が散乱(白濁)状態となり、所望の電極間に交流電圧(AC35V、50Hz)を印加するとその部分のみが透過状態となった。

    【0074】底角Ψ 1 =Ψ 2 =86°の断面がほぼ二等辺三角形である三角柱状のアクリル製プリズム(屈折率=1.50、底面の幅W=10mm、底面から頂部までの距離H 0 =71.5mm)の頂部から側面(H 1 =H
    2 =37mm)を黒色に塗装し、吸収層5とした。 さらに着色層として赤色用の4R、緑色用の4G、青色用の4Bを順に設け、プリズムの側面上で、その長さをおよそ5〜37mmの範囲とした。 基本的には、吸収層5と谷底部2Yとの間をほぼ埋めるように着色層4R、4
    G、4Bを設けた。 ただし、谷底部2Yの厚み分は、それに応じて着色層を短くした。 図9に、実施例1〜5の一例の斜視図を示す。

    【0075】このようにして形成したプリズム2を液晶樹脂分散型の透過散乱型光学素子1に密着し、照明装置8を設けて、観察者13の視角を調査したところ、三角柱の軸方向である左右方向にはほぼ±90°近くまで、
    上下方向はほぼ±30°であった。 また、明るさは背後からの平行光線による照明の場合、プリズム2を配置しない場合の散乱部分の明るさの約13%であった。 そして図5に示すように隣接する各プリズム2の位置ごとに、そのプリズム2の側面に設けられた赤、緑、青の三色の着色層3に応じて光が色付けされて観測された。 また、形状をわずかに変えて実験を行い、この評価結果を表1に示す。

    【0076】本発明では、隣接する三つの画素(画素を構成する透明駆動電極と回路素子を有する)、及びこれに対応して設けられた赤、緑、青の三色に着色されたカラー化プリズムで発色されるカラー光の合成で、フルカラー色を表示するものである。 回路素子は、それぞれ色信号で駆動される。 RGBの三色の画素で一カラー表示画素とする。 それらの配置は、ほぼ一列の矩形か△型にすることができる。 錐体状のプリズムの場合は、両方の形式を利用できるが、柱状プリズムの場合は矩形配列の方が好ましい。 以下の実施例の柱状プリズムでは矩形配列のプリズムを用いた。

    【0077】

    【表1】

    【0078】(実施例2〜5)実施例1のアクリル製プリズムの代わりに、屈折率の高い鉛ガラス製プリズム(屈折率=1.84)を用い、さらに形状を変化させて、視角と色特性を実験した結果を表2に示す。

    【0079】

    【表2】

    【0080】なお、実施例5は観察者13側から入射角度θで入射した光がプリズム2の側面で反射する回数が5回以下の例に相当し、実施例6〜8は夫々反射回数4
    回以下、3回以下、2回以下の例である。

    【0081】(実施例9〜16)実施例1〜8の吸収層5の外面に反射層7を形成したプリズム2を用いたところ、背後からの光の利用が増加し、いずれも反射層7を形成しない場合に比して、さらに明るいカラー表示が得られた。

    【0082】(実施例17〜24)実施例1〜8の三角柱状のプリズムに代えて、各画素形状に対応するような底面が正方形であり、対称形の四角錐状のプリズムの四側面の頂部近傍に吸収面を設け、かつ隣接する三つのプリズムの四側面に、それぞれ赤、緑、青の三色の着色層を設けたプリズムを用いて、視角と色表示を実験した結果を表3に示す。

    【0083】図3に本実施例の一例における一部断面図を示す。 図4は斜視図である。 これらの図に示すように、プリズムの上面2Wの上に設けられた吸収層5a、
    プリズム2が連接されてなるプリズムアレー体20の谷底部2Y、谷底部2Yに接して設けられた第2の吸収層5b、そしてプリズム2の側面(2A、2B、2C、2
    D)に設けられた着色層3R、3G、3Bがある。 プリズム2の鉛直断面における側面と底面のなす角度をΨ
    1 、Ψ 2とする。 なお、本実施例では、一部図示を省略しているが四側面のそれぞれの底角Ψ=Ψ 1 =Ψ 2 =Ψ
    3 =Ψ 4である。

    【0084】

    【表3】

    【0085】これにより、実施例1〜8に比して、左右方向の視角が上下方向と同じになったが、明るさは大幅に向上した。 また、色特性も改善された。 本実施例では、格子状に画素が配置された場合について記したが、
    画素が△(デルタ)状に配置された場合は、カラー表示体を構成する一群のプリズムのそれぞれのプリズムを、
    画素に合わせて△配置とすればよい。

    【0086】(実施例25〜32)実施例1〜8に対して、断面が台形である台形柱状プリズムを形成し、その上面2Wに吸収層を設けた。 図5にその斜視図を示す。
    吸収層の図示を省略している。 プリズムの上下の側面、
    2aと2bには一個のプリズム柱ごとに着色層が形成されている。 4Rは赤色用、4Gは緑色用、4Bは青色用の着色層である。 また、この台形柱状プリズムは、連接されてプリズムアレー体25を構成する。

    【0087】これを用いた透過散乱型光学装置を、実施例1〜8と同様に評価したところ、視角、明るさは実施例1〜8と同等であり、奥行きがH 1 =H 2となるため、小型化しやすくなった。 また、無指向性のバックライトを用いても、実施例1〜8に比べ、プリズム先端部の吸収層による影が少ないため、明るさが低下することがなかった。 光の入射側面が広くなり、より明るい表示が得られた。

    【0088】さらに、頂部を切り欠いた断面が台形の二重角錐台状または、二重円錐台プリズムを評価したところ、明るさとコントラストが向上した。

    【0089】(実施例33)各画素の大きさが、ほぼ1
    mmの正方形であり、総画素数が縦100画素×横(3
    色×100画素)のカラー表示画素からなる透過散乱型液晶光学素子において、各画素を駆動する回路素子としてTFTを形成したアクティブマトリクス駆動の透過散乱型液晶光学素子を用いて、透過散乱型液晶光学装置とした。

    【0090】プリズムの形状は、底面が正方形であり、
    対称形の四角錐状のアクリル製プリズムであり、角度Ψ
    1 (=Ψ 2 )=81 o 、H 0 =3.7mm、H 1 ( =H 2 )=
    1.9mm、W=1mmとした。 前述した図3と同様に、底面に平行に切り欠いた上面に吸収層を設けたプリズムとした。

    【0091】この表示装置の視角は上下方向、左右方向とも約±30°、表示コントラスト比は約10の値が得られた。 明るさは、背後からの平行光線による照明の場合、プリズムを配置しない時の散乱部分の明るさの約1
    7%であった。

    【0092】(実施例34)本実施例のプリズムの形状は、断面がほぼ二等辺三角形の三角柱状のアクリル製プリズムであり、角度Ψ 1 (=Ψ 2 )=85 o 、H 0 =6.2
    mm、H 1 ( =H 2 )=4.5mm、W=0.5mm、着色層のプリズムの側面上での長さを4mmとした。 また、透過散乱型液晶表示素子の画素サイズは、ほぼ0.
    5mmの正方形で、総画素数が縦(3色×100)画素×横400画素のカラー表示画素からなる。 三角柱状のプリズムの頂部近傍の両側面を吸収層とするプリズムとした。

    【0093】この表示装置の視角は上下方向約±30
    °、左右方向±90°、表示コントラスト比は約10の値が得られた。 明るさは、背後からの平行光線による照明の場合、プリズムを配置しない時の散乱部分の明るさの約13%であった。 高精細でかつ高輝度のカラー表示が得られた。

    【0094】ただし、透過散乱型光学素子の画素とプリズムの相対位置がずれた場合には、駆動時に隣接画素の表示状態の影響を受けた。 このため、階調表示に関する品位が位置精度に大きく影響される。 しかし、画素とプリズムとを一対一で対応するようにしたところ、隣接画素の表示状態の影響をほとんど受けなくなった。

    【0095】(比較例)図6に比較例を示す。 この比較例においては透過散乱型光学素子1とプリズムアレー体25との間にカラーフィルタ層11が設けられている。
    11Rは赤色の、11Gは緑色のカラー層を示す。 青用のカラー層は図示を省略している。 カラー層は格子状に配置してもよいし、一列に配置してもよい。 さらに、カラー層の間に遮光層を設けてもよい。 この場合も、吸収層5a、第2の吸収層5bが設けられている。

    【0096】この場合、カラーフィルタ層11は、ほぼ平面構造であり形成することが容易であり、また組み合わせる場合も有利である。 このカラーフィルタ層11と着色層が形成されたプリズムアレー体とを併用することができる。 色特性をさらに調整することができる。 この比較例では、透過散乱光学素子とプリズムとの中間の位置にカラーフィルタ層11が設けられているのが特徴である。 各カラー層の間に遮光層などを設けて、特性を改善できる。 また、多大な製造時間を労さないので製造コストを低減できるという効果もある。

    【0097】本発明の主要部であるカラー化プリズムの形成について言及する。 プリズムアレー体を形成するのはキャスティング法などで可能であるが、0.1mmピッチの寸法のカラー化プリズムアレー体を形成するのは、1mmピッチの場合に比してその精度を保持するのが難しくなる。 そこで、プリズムによるカラー表示の具体的な応用例として、画素寸法1mm程度以上の中〜大画面の表示が考えられる。

    【0098】例えば、画素ピッチが10mm以上のものでは、屋外の広告表示装置などに適している。 各カラー画素の輝度が充分あるので、視認性が良好となる。 柱状のプリズムアレー体の場合では、平方向に視角範囲があるので、或る範囲の遠方距離からの視認が可能となる。 また、正面方向に視角性を持たせたいときには、錐体状プリズムが適している。 そして、高輝度、高コントラストのカラー表示が得られる。

    【0099】また、10インチ〜15インチ程度のTF
    Tパネルを用い、本発明の透過散乱光学装置と組合わせることで、適切な視角範囲のなかで高コントラスト、高輝度のカラー表示を得ることができる。 例えば、壁かけテレビなどに用いることができる。 この場合、0.1m
    mピッチのカラー化プリズムアレー体を用い、TFT駆動による透過散乱光学素子と併用すると画面の輝度と色純度が飛躍的に向上する。 さらに、透明駆動電極の形成に高精度の印刷法と板厚0.5mmのガラス基板を用いれば、より大画面のパネルを製造することも可能である。

    【0100】以上の説明においては、通常のガラス基板を用いることを前提としたが、透過散乱光学素子自身の基板、あるいはさらにもう一つの基板を設けて、そこに光ファイバーアレープレート(FAP)を形成すると光の指向性がよくなりプリズムアレー体の各カラー化プリズムの特性を引き出すことができる。 また指向性のよい光源を用いることで、さらに性能を改善することができる。

    【0101】また画素電極との関係においては、全面がドットマトリクスの全面表示ではなく、セグメント表示や、図形の表示に用いることもできる。 この場合にも、
    カラー表示が可能であるので視認性のよい標識体を提供できる。

    【0102】(実施例35)以上、本発明の実施例として各プリズムの側面に着色層を設ける例を示したが、本発明のカラー化プリズムを実現する方法として、着色層を設ける以外にプリズム自身を透明体でなくカラー化する形態が可能である。 この場合は、あらかじめカラー化されたプラスチックやガラスを用い、キャスト法や、射出成型法で形成できる。 着色層をプリズムに塗布する工程が省略できるので製造上有利である。

    【0103】プリズム底面の幅W=5mm程度までなら、一般的な射出成型法で形成することができる。 TF
    Tパネルに用いる微細な寸法、例えば1mmピッチ以下のものは、マイクロ加工技術を用いて、プリズム一個一個を直接形成し、その後でそれぞれ三原色のカラー化プリズムを所望の位置(透過散乱型などの表示装置の画素に応じた位置)に配置し、プリズムアレー体として連接し、カラー化プリズムアレーを得ることができる。

    【0104】底面の幅Wを10mmとして、円錐台の形状のプリズムであり、それぞれ一個ずつ赤、緑、青に着色されたアクリル製プリズムを成型した。 これらのプリズムをパネルの画素に応じて格子状または△状に配置して、それらの底面を薄い透明基板に接着した。 このようにして設けたカラー化プリズムアレー体を透過散乱型表示素子に密着して透過散乱型光学装置とした。 細部の寸法は実施例1〜8と同様とした。 この透過散乱型光学装置の特性を評価したところ、実施例1〜8と同等の性能が得られた。 プリズム側面の着色層がないので、光の損失量がその分だけ低減され、輝度が少し改善された。 このカラー化プリズムにさらに着色層を設けることもできる。

    【0105】また、本発明において、プリズムアレー体の凹凸部を保護するため、あるいは塵埃の侵入を防止するために、プリズムの上面(もしくは頂部)側に、屈折率が空気などの雰囲気気体とほぼ一致する材料を充填して、プリズムアレー体の照明装置側の面をほぼ平坦とすることもできる。

    【0106】

    【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、カラー表示であって観察者の視角がほぼ正面方向にあり、照明の光量損失が少なく、明るい表示が得られるとともに、高コントラスト比を得ることができる。

    【0107】照明は、通常のバックライトでも使用できるし、外光を使用することもできる。 さらに、反射鏡、
    レンズ等を併用して指向性の強い光を供給することにより、さらに明るい表示が可能になる。

    【0108】特に、プリズムの頂部近傍を切り欠いたような形状とすることにより、奥行きも小さくてすみ、小型化でき、明るく、白い背景の表示を容易に得ることができ、家電製品用表示器、ラップトップパソコン、ワープロ、テレビ、屋外広告、屋外標識など各種の用途に使用できる。

    【0109】また、液晶が硬化物マトリクス中に分散保持された液晶樹脂複合体を用いた透過散乱型液晶光学素子は、屈折率の制御により透過−散乱を制御しているので、入射光が吸収されなく、カラー表示においても従来のTN型液晶表示素子等に比して通常2倍以上明るく、
    高光量を入射しても、透過散乱型光学素子の温度上昇をほとんど生じなく、信頼性が高いものでもある。

    【0110】本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】円錐台の形状を有するカラー化プリズムを示す斜視図。

    【図2】本発明の透過散乱型光学装置の基本的構成を示す側面図。

    【図3】錐体状プリズムを用いた透過散乱型表示装置の一部断面図。

    【図4】錐体状プリズム(四角錐)から構成されるプリズムアレー体の一部を示す斜視図。

    【図5】台形柱状プリズムから構成されるプリズムアレー体の一部を示す斜視図。

    【図6】比較例の一部断面図。

    【図7】第一の従来例の側面図。

    【図8】第二の従来例の側面図。

    【図9】三角柱状プリズムを用いた透過散乱型表示装置の斜視図。

    【符号の説明】

    1:透過散乱型光学素子 2:プリズム 3:着色層 13:観察者 5、5a、5b:吸収層 8:照明装置

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