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Quantum calculation element

阅读:487发布:2021-02-13

专利汇可以提供Quantum calculation element专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To easily form silicon single crystal fine particles while separation/ contact with electron cloud is easily controlled. SOLUTION: Silicon single crystal fine particles 14-17 are almost constantly spaced on a silicon oxide film 12. A top of each of the silicon single crystal fine particles 14-17 is connected to a polycrystal silicon film 18. Phosphorus atoms (donor atoms) 31-34 are put in the silicon single crystal fine particles 14-17, respectively. Metal electrodes 20-23 are formed on the silicon single crystal fine particles 14-17, respectively, with metal electrodes 24-27 formed among them. Although the silicon single crystal fine particles 14-17 do not directly contact each other, electric potentials applied to the metal electrodes 20-27 allow exchange of atomic nucleus spin among a plurality of phosphorus atoms 31-34 with an electron as a medium.,下面是Quantum calculation element专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 基板上に形成された第1絶縁膜と、 上記第1絶縁膜上に互いに間隔を有して配列されたシリコン単結晶微粒子と、 上記第1絶縁膜上に、上記シリコン単結晶微粒子の一部を露出させて且つ隙間を埋めるように形成された第2絶縁膜と、 上記第2絶縁膜上に形成されると共に、上記各シリコン単結晶微粒子における上記第2絶縁膜からの露出部に接触している多結晶シリコン膜と、 上記多結晶シリコン膜上に形成された第3絶縁膜と、 上記第3絶縁膜上における上記各シリコン単結晶微粒子の位置に形成された第1金属電極と、 上記第3絶縁膜上における各第1金属電極の間の位置に形成された第2金属電極を備えて、 上記各シリコン単結晶微粒子の中に不純物としてリン原子を含んでいることを特徴とする量子演算素子。
  • 【請求項2】 請求項1に記載の量子演算素子において、 上記シリコン単結晶微粒子を構成しているシリコン原子は、同位体 28 Siと同位体 30 Siとからなることを特徴とする量子演算素子。
  • 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の量子演算素子において、 上記各シリコン単結晶微粒子の直径は、10nm以下であることを特徴とする量子演算素子。
  • 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の量子演算素子において、 上記多結晶シリコン膜は、上記シリコン単結晶微粒子列の全体を覆って形成されていることを特徴とする量子演算素子。
  • 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の量子演算素子において、 上記多結晶シリコン膜に接続されたシリコン単結晶微粒子列とその上に形成された第1,第2金属電極とで構成された回路ブロックが複数配列されていることを特徴とする量子演算素子。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】この発明は、電子スピンと原子核スピンとの相互作用を利用して演算を実行する量子演算素子に関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年、微細加工技術の進展に伴って、1
    80nm〜150nmの最小加工線幅を有する半導体集積回路の量産が可能になってきている。 微細加工技術は今後も3年から4年毎に世代を更新し、30nm程度の最小加工線幅を有する半導体集積回路の開発計画がなされている。 尚、実験レベルでは、既に10nm程度の最小加工線幅が可能になっている。

    【0003】一方において、固体物理学の分野においては、固体中の不純物原子の原子核とその原子核に補足されている電子との間で、所謂電子‐核二重共鳴現象が生ずることが知られている。

    【0004】従来、上記電子‐核二重共鳴現象を利用した固体素子として、図3に素子構造を示すようなものが提案されている。 図3において、1はゲート電極、2,
    3は絶縁物層、4はシリコン単結晶微粒子、5は支持基板である。 シリコン単結晶微粒子4のシリコン原子は、
    原子核スピン量子数が0の同位体28 Si, 30 Siだけからなっており、原子核スピン量子数が1/2の同位体29 Si
    は除去されている。

    【0005】また、上記シリコン単結晶微粒子4の中には、ドナー原子核6が導入されている。 リン原子の自然同位体は31 Pが100%であり、原子核スピン量子数は1/2である。 したがって、シリコン単結晶微粒子4の中に導入されているドナー原子核6としてリン原子の原子核を用いることによって、その原子核スピンを測定することが可能となる。 尚、7は、シリコン単結晶微粒子4に束縛された電子の波動関数の確率密度(所謂電子雲であり、以下においては電子雲と記述する)を示している。

    【0006】静磁場B 0のもとでは、イオンのエネルギー準位は主に電子準位のゼーマンエネルギー分裂によって決定される。 つまり、電子のスピン量子数m s =±1/
    2でエネルギーの高い準位と低い準位とが決まる。 超微細構造相互作用は、エネルギー準位を更に細かく分裂させる。 つまり、原子核のスピン量子数m l =±1/2でエネルギーの高い準位と低い準位とに分れる。 電子の遷移には2種類あり、それらは原子核のスピン量子数がm l
    =−1/2の場合とm l =+1/2の場合とに相当する。
    夫々の遷移の振動数をω 12とすると、ω 1 =γB 0
    aπ/h,ω 2 =γB 0 +aπ/hである。 尚、ω 1はm l
    −1/2のときのm s =±1/2間での遷移であり、ω 2はm l =+1/2のときのm s =±1/2間での遷移である。
    ここで、aは超微細構造定数であり、γは定数で磁気回転比であり、hはプランク定数である。

    【0007】このような状態においては、上記ドナー原子核6の原子核スピン運動量と電子の電子スピン角運動量との和が角運動量保存則に従って保存される。 電子スピンと原子核スピンとは、所謂超微細構造相互作用によって互いに相関関係を持っている(例えば、キッテル著「固体物理学入門(下)」,丸善)。

    【0008】スピンは、よく知られているように2状態に量子化された物理量であり、+1/2と−1/2との量子数を持つことができる。 その結果、図3に示す固体素子を一定の静磁場中に置くと、スピンの違いが共鳴周波数の違いとして現れる。 したがって、リン原子核のスピン量子数「+1/2」と「−1/2」とに情報「0」および情報「1」の何れかを割り当てた際に、上記共鳴周波数を測定することによって、上記固体素子に記憶された情報の内容を知ることができるのである。

    【0009】尚、図3は、上記固体素子におけるゲート電極1の電位を上昇させた場合の状態を示している。 この場合、上記電子雲7は、ゲート電極1側に引き寄せられている。

    【0010】このように、図3に示す固体素子においては、上記ゲート電極1の電位を操作することによって、
    電子雲7を隣り合ったシリコン単結晶微粒子4内の電子雲7と切り離すことができ、夫々のシリコン単結晶微粒子4を独立に制御することが可能になる。 したがって、
    シリコン単結晶微粒子列4,4,…を構成して隣り合っているシリコン単結晶微粒子4中の原子核スピン間での交換相互作用の大きさを調整することができる。 すなわち、例えば、ドナー原子(リン原子)の原子核6のスピン状態を隣り合ったドナー原子の原子核6'へと伝達することができる。 したがって、適切な電位の操作手順を与えることによって、所望の演算操作を行うことができるのである。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の固体素子には以下のような問題がある。 すなわち、
    上記固体素子においては、複数のシリコン単結晶微粒子4を接続してシリコン単結晶微粒子列4,4,…を形成するためには、各シリコン単結晶微粒子4を形成する際に、互いに隣接するシリコン単結晶微粒子4,4同士が丁度接触するように成長させなければならず、結晶成長条件に著しい制限がある。 また、本固体素子の形状もシリコン単結晶微粒子4の直径によって限定されるため、
    平面上において自由に配置することができない。

    【0012】さらに、上記ゲート電極1の電位操作によって電子雲7同士を互いに分離できるようにするためには、シリコン単結晶微粒子4同士の接触面積と接触位置とが極めて正確に制御されている必要がある。 したがって、極めて正確な製造技術を必要とし、実用上問題がある。

    【0013】そこで、この発明の目的は、シリコン単結晶微粒子の形成が容易であり且つ電子雲同士の分離と接触との制御が容易な量子演算素子を提供することにある。

    【0014】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明の量子演算素子は、基板上に形成された第1絶縁膜と、上記第1絶縁膜上に互いに間隔を有して配列されたシリコン単結晶微粒子と、上記第1絶縁膜上に,上記シリコン単結晶微粒子の一部を露出させて且つ隙間を埋めるように形成された第2絶縁膜と、上記第2
    絶縁膜上に形成されると共に,上記各シリコン単結晶微粒子における上記第2絶縁膜からの露出部に接触している多結晶シリコン膜と、上記多結晶シリコン膜上に形成された第3絶縁膜と、上記第3絶縁膜上における上記各シリコン単結晶微粒子の位置に形成された第1金属電極と、上記第3絶縁膜上における各第1金属電極の間の位置に形成された第2金属電極を備えて、上記各シリコン単結晶微粒子の中に不純物としてリン原子を含んでいることを特徴としている。

    【0015】上記構成によれば、複数のシリコン単結晶微粒子の夫々は、多結晶シリコン膜によって接続されて、一つのシリコン単結晶微粒子列を構成している。 したがって、上記各シリコン単結晶微粒子の間の位置に形成された第2金属電極に負の電位を与えた場合には、上記各リン原子に付随する電子雲は上記第2金属電極から遠ざけられて多結晶シリコン中には存在できなくなり、
    上記夫々のシリコン単結晶微粒子内に個別に閉じこめられる。 一方、上記第2金属電極に電位を与えない場合には、上記電子雲は上記多結晶シリコン膜中に広がる。 したがって、上記第1,第2金属電極の電位を制御することによって、複数のリン原子間での電子を媒体とした原子核スピンの交換が可能になる。

    【0016】さらに、上記各シリコン単結晶微粒子は互いに間隔を有して配列されて上記多結晶シリコン膜で接続されている。 したがって、上記シリコン単結晶微粒子の形成位置に制約はなく、上記シリコン単結晶微粒子は容易に形成される。

    【0017】また、第1の実施例は、この発明の量子演算素子において、上記シリコン単結晶微粒子を構成しているシリコン原子は、同位体28 Siと同位体30 Siとからなることを特徴としている。

    【0018】この実施例によれば、上記シリコン単結晶微粒子のシリコン原子は、原子核スピン量子数が0の同位体28 Si, 30 Siだけからなっており、原子核スピン量子数が1/2の同位体29 Siは含まれていない。 したがって、自然同位体は31 Pが100%であって原子核スピン量子数は1/2であるリン原子との原子核スピンの違いが容易に検知される。

    【0019】また、第2の実施例は、この発明の量子演算素子において、上記各シリコン単結晶微粒子の直径は10nm以下であることを特徴としている。

    【0020】この実施例によれば、上記各シリコン単結晶微粒子の直径は10nm以下であるから、ドナー原子核に付随する余剰電子のエネルギー準位は量子学的効果によって離散値を取り、且つ、最低エネルギー準位に束縛される。 したがって、極低温に冷却することなく、コンタクト超微細構造相互作用が生じせしめられる。

    【0021】また、第3の実施例は、この発明の量子演算素子において、上記多結晶シリコン膜は、上記シリコン単結晶微粒子列の全体を覆って形成されていることを特徴としている。

    【0022】この実施例によれば、上記多結晶シリコン膜は上記シリコン単結晶微粒子列の全体を覆って形成されているため、上記各シリコン単結晶微粒子の夫々は、
    上記多結晶シリコン膜に容易に且つ確実に接続される。
    こうして、上記多結晶シリコン膜と、この多結晶シリコン膜に接続された上記シリコン単結晶微粒子列と、このシリコン単結晶微粒子列上に形成された第1,第2金属電極とによって、一つの演算回路が構成されるのである。

    【0023】また、第4の実施例は、この発明の量子演算素子において、上記多結晶シリコン膜に接続されたシリコン単結晶微粒子列とその上に形成された第1,第2
    金属電極とで構成された回路ブロックが複数配列されていることを特徴としている。

    【0024】この実施例によれば、同一基板上に、同じ構成を有する回路ブロックが複数配列されている。 したがって、上記コンタクト超微細構造相互作用によって大きな信号を得るために、複数の回路ブロックを同時に動作させて同じ信号を発生させる際に、上記第1,第2金属電極に対する印加電圧の制御が容易になる。

    【0025】

    【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。

    【0026】<第1実施の形態>図1は、本実施の形態の量子演算素子における断面模式図である。 シリコン基板11の表面に形成された第1酸化シリコン膜12上に、シリコン単結晶微粒子14〜17が略等間隔に配列されている。 さらに、第1酸化シリコン膜12上に第2
    酸化シリコン膜13を形成し、シリコン単結晶微粒子1
    4〜17を、その頂部を露出させて第2酸化シリコン膜13で埋め込んでいる。 この第2酸化シリコン膜13上および各シリコン単結晶微粒子14〜17上には、多結晶シリコン膜18が形成され、さらに第3酸化シリコン膜19で覆われている。 また、第3酸化シリコン膜19
    上における各シリコン単結晶微粒子14〜17の位置には、金属電極20〜23が形成されている。 さらに、第3酸化シリコン膜19上における金属電極20〜23の間には、金属電極24〜27が形成されている。

    【0027】上記シリコン単結晶微粒子14〜17の中にはドナー原子としてリン原子31〜34が含まれており、夫々のリン原子31〜34には共有結合に寄与しない電子が1個余分に存在する。 そして、リン原子31〜
    34から離脱した電子は自由電子ではあるが、金属電極24〜27に負の電圧が印加されている場合には、電子は金属電極24〜27から遠ざけられて多結晶シリコン膜18中には存在できなくなる。 その結果、各リン原子31〜34に付随する電子雲は各シリコン単結晶微粒子14〜17中に空間的に閉じ込められることになり、束縛電子と同様にリン原子31〜34の近傍にしか存在できないのである。

    【0028】一方、上記金属電極24〜27への印加電位を「0」とした場合には、電子の移動を阻害するものがないために、各リン原子31〜34に付随する電子雲は多結晶シリコン膜18中に広がって、互いに重なり合っていることになる。

    【0029】したがって、上記各金属電極20〜23と各金属電極24〜27との電位を制御することによって、複数のリン原子31〜34間での電子を媒体とした原子核スピンの交換が可能になるのである。

    【0030】上記シリコン単結晶微粒子14〜17の形成方法としては、例えば特開平11‐97667号公報に開示されているような方法で形成できる。 また、金属電極20〜23および金属電極24〜27の形成方法としては、通常の集積回路と同様にフォトリソグラフィで形成できる。

    【0031】本実施の形態における量子演算素子は、図3に示す固体素子の場合と同様に、ドナー原子核と電子との間のコンタクト超微細構造相互作用(contact hyper
    fineinteraction)を利用する。 そのためには、シリコン単結晶微粒子14〜17を構成するシリコンは、同位体
    28 Siと30 Siとだけから構成されていなければならない。

    【0032】以下、図1中における1つのシリコン単結晶微粒子14に関して上記コンタクト超微細構造相互作用の説明を行う。 ドナー原子(リン原子)31の原子核の位置を原点とする極座標を考えると、電子の波動関数は関数ψ(r)と表すことができる。 ここで、rは原点からの距離である。 ドナー原子核と電子との間におけるコンタクト超微細構造相互作用エネルギーの強さは、r=0
    における電子の存在確率|ψ(0)| 2に比例する。 したがって、上記コンタクト超微細構造相互作用エネルギーを大きくするためには、電子の存在確率|ψ(0)| 2を大きくしなければならない。

    【0033】バルクのシリコン単結晶中においては、室温での電子は自由電子であり、存在確率|ψ(0)| 2は事実上0である。 この場合、素子全体を極めて低い温度に保持すれば電子をドナー原子核に束縛することができ、十分に大きな存在確率|ψ(0)| 2を得ることができる。 典型的には、絶対温度でT=100mK程度に保持する。 この温度においては、電子は最低エネルギー準位(s状態)
    に束縛されている。 ところで、この束縛力は弱く、第1
    励起準位への励起エネルギーは約15meVであり、温度に換算すると174K程度である。

    【0034】本実施の形態においては、その構造上、電子はシリコン単結晶微粒子14の内部に閉じ込められている。 そのことによって、素子全体を極低温に保持しなくとも、電子はシリコン単結晶微粒子14が形成するポテンシャル井戸によって束縛されている。 半径aの微粒子中に束縛された電子の波動関数は、半径aが十分小さいために量子サイズ効果が生ずる場合には、基底状態
    (s状態)の波動関数は ψ(r)=Nj 0 (r/a) …(1) で表される。 ここで、j 0は、0次の球ベッセル関数 j 0 (x)=sin(x)(1/x) …(2) であり、x=0に極大を有する。 結局、r=0における電子の存在確率は |ψ(0)| 2 ∝a -3となるので、本実施の形態においては、微粒子の半径a
    を十分小さくすることによって存在確率|ψ(0)| 2を大きくできるのである。

    【0035】また、上記s状態における第1励起準位と基底準位とのエネルギー差ΔEは、典型的な素子寸法として半径5nmの場合にΔE=130meV程度であり、
    絶対温度に換算すると1508Kとなる。 すなわち、微粒子半径aを十分小さくすることによって電子の束縛力を強くできるのである。 但し、質量は、電子の静止質量をm eo ,横質量をm t ,有効質量をm effとして、m=(m
    eff・m t 2 ) 1/3 =0.3216m eoを用い、r=aでのポテンシャル障壁の深さとしてV 0 =3.15eVを用いてシュレーディンガーの方程式の動径方程式から解析的に求めた。

    【0036】本実施の形態における量子演算素子は、このようなコンタクト超微細構造相互作用を呈するシリコン単結晶微粒子14〜17でなる基本素子を併設して構成されている。 したがって、個々の基本素子において安定的にコンタクト超微細構造相互作用を生じさせることができるのである。

    【0037】上述したように、本実施の形態における量子演算素子においては、シリコン基板11上に酸化シリコン膜12を介してシリコン単結晶微粒子14〜17を略等間隔に配列し、各シリコン単結晶微粒子14〜17
    の頂部が多結晶シリコン膜18に接続されている。 そして、各シリコン単結晶微粒子14〜17の中にはドナー原子としてリン原子31〜34が含まれている。 したがって、各シリコン単結晶微粒子14〜17半径を5nm程度に小さくすることによって、コンタクト超微細構造相互作用によって、上記s状態における第1励起準位と基底準位とのエネルギー差ΔEをΔE=130meV程度にすることができ、バルクのシリコン単結晶中における場合よりも電子を安定的に基底準位状態に留めておくことができるのである。

    【0038】また、上記各シリコン単結晶微粒子14〜
    17の頂部は、各シリコン単結晶微粒子14〜17上に形成された多結晶シリコン膜18に接続されている。 更に、各シリコン単結晶微粒子14〜17上には酸化シリコン膜19を介して金属電極20〜23が形成され、この金属電極20〜23の間には金属電極24〜27が形成されている。 したがって、金属電極24〜27の電位が「0」の場合には、各リン原子31〜34に付随する電子雲は多結晶シリコン膜18にまで広がって、互いに重なり合っていることができる。 また、金属電極24〜2
    7の電位が「負」の場合には、各リン原子31〜34に付随する電子雲はシリコン単結晶微粒子14〜17の内部に閉じこめられる。

    【0039】すなわち、本実施の形態によれば、上記シリコン単結晶微粒子14〜17の互いの距離が離れて直接接触していなくとも、実用上問題なく、金属電極20
    〜23および金属電極24〜27に与える電位によって複数のリン原子31〜34間での電子を媒体とした原子核スピンの交換を行うことができるのである。

    【0040】また、本実施の形態における量子演算素子は、上記シリコン単結晶微粒子14〜17を互いに接触するように形成する必要はない。 したがって、各シリコン単結晶微粒子14〜17を容易に形成することができるのである。

    【0041】<第2実施の形態>本実施の形態は、上記第1実施の形態における同一の多結晶シリコン膜18で接続されたシリコン単結晶微粒子列14〜17を複数組備えて成る量子演算素子に関する。

    【0042】図2は、本実施の形態における量子演算素子の断面構造を示す。 シリコン基板4lの表面に形成された第1酸化シリコン膜42上に、第2酸化シリコン膜43内に埋め込まれて頂部を露出させたシリコン単結晶微粒子44a〜46cが形成されている。 そして、各シリコン単結晶微粒子44a〜44cの頂部は、第2酸化シリコン膜43上に形成された多結晶シリコン膜47によって接続されている。 同様に、各シリコン単結晶微粒子4
    5a〜45cの頂部は多結晶シリコン膜48によって接続され、各シリコン単結晶微粒子46a〜46cの頂部は多結晶シリコン膜49によって接続されている。

    【0043】さらに、全体が第3酸化シリコン膜50によって覆われており、この第3酸化シリコン膜50上における各シリコン単結晶微粒子44a〜44cに対応する位置に金属電極51a〜51cが形成され、各金属電極5
    1a〜51cの間に金属電極54a,54bが形成されている。 同様に、各シリコン単結晶微粒子45a〜45cに対応して金属電極52a〜52cおよび金属電極55a,55
    bが形成され、各シリコン単結晶微粒子46a〜46cに対応して金属電極53a〜53cおよび金属電極56a,5
    6bが形成されている。

    【0044】こうして、上記シリコン単結晶微粒子列4
    4,多結晶シリコン膜47および金属電極列51,54で回路ブロック57を構成し、シリコン単結晶微粒子列4
    5,多結晶シリコン膜48及び金属電極列52,55で回路ブロック58を構成し、シリコン単結晶微粒子列4
    6,多結晶シリコン膜49および金属電極列53,56で回路ブロック59を構成しているのである。

    【0045】上記コンタクト超微細構造相互作用によって生ずる信号は微弱であるため、多数の同一回路を同時に動作させて同じ信号を発生させる必要がある。 上記第1実施の形態においては、金属電極に与える電位のパターンを制御することによって一つの演算素子上に複数の同一回路を実現することは可能である。 ところが、集積度が大きい場合には印加電位の信号パターン制御が煩雑になってしまう。

    【0046】本実施の形態によれば、同一シリコン基板41上に、上記多結晶シリコン膜47,48,49毎に分割されて同じ構成を有する回路ブロック57〜59が形成されている。 したがって、例えば各回路ブロック57
    〜59における同じ位置に在る金属電極を並列に接続すること等によって、同一構成を有する複数の回路ブロック57〜59を同時に動作させて同じ信号を発生させる際の金属電極51a〜56bに対する印加電圧の制御が容易になるのである。

    【0047】尚、上記第1,第2実施の形態における量子演算素子は、コンタクト超微細相互作用を利用して原子核スピンの操作を行う場合には、素子全体に静磁場を与え続ける必要がある。

    【0048】そこで、第1,第2実施の形態のごとく通常の集積回路技術を用いて量子演算素子が形成された集積回路チップを磁性体チップで挾んで接着すれば、集積回路チップ中に作り込まれた量子演算素子に、安定的に静磁場を与えることが可能になる。 また、上記第1,第2実施の形態における量子演算素子が形成された集積回路チップのみが回路基盤に搭載されている場合には、当該回路基盤全体を磁性体で挟んで接着してもよい。

    【0049】

    【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の量子演算素子は、基板上に形成された第1絶縁膜上に互いに間隔を有して複数のシリコン単結晶微粒子を配列し、
    第2絶縁膜によって上記シリコン単結晶微粒子の一部を露出させるように隙間を埋め、上記各シリコン単結晶微粒子の露出部に多結晶シリコン膜を接触させ、上部を覆う第3絶縁膜上における上記各シリコン単結晶微粒子の位置に第1金属電極を形成し、各第1金属電極の間の位置に第2金属電極を形成し、上記各シリコン単結晶微粒子の中に不純物としてリン原子を含んでいるので、上記第2金属電極に負の電位を与えた場合には、上記各リン原子に付随する電子雲は上記夫々のシリコン単結晶微粒子内に個別に閉じこめられる。 一方、上記電位を与えない場合には上記多結晶シリコン膜中に広がって、互いに重なり合っている。 したがって、上記第1,第2金属電極の電位を制御することによって、複数のリン原子間で電子を媒体とした原子核スピンの交換を行うことができる。

    【0050】また、上記各シリコン単結晶微粒子は、互いに間隔を有して配列されると共に上記多結晶シリコン膜で接続されている。 したがって、上記シリコン単結晶微粒子の形成位置に制約はなく、上記シリコン単結晶微粒子を容易に形成することができる。 さらに、チップ全体のシリコン単結晶微粒子を上記多結晶シリコン膜によって接続できるので、チップ作成後に、上記金属電極に与える信号によって、良品のシリコン単結晶微粒子だけを選択的に使用することができる。

    【0051】また、第1の実施例の量子演算素子は、上記シリコン単結晶微粒子を構成しているシリコン原子を、同位体28 Siと同位体30 Siとからなるようにしたので、上記シリコン単結晶微粒子のシリコン原子には原子核スピン量子数が1/2の同位体29 Siは含まれていない。 したがって、自然同位体は31 Pが100%であって原子核スピン量子数は1/2であるリン原子との原子核スピンの違いを、容易に検知することができるのである。

    【0052】また、第2の実施例の量子演算素子は、上記各シリコン単結晶微粒子の直径を10nm以下にしたので、ドナー原子核に付随する余剰電子のエネルギー順位は量子力学的効果によって離散値を取り、且つ、最低エネルギー準位に束縛される。 したがって、極低温に冷却することなく、コンタクト超微細構造相互作用を生じさせることができる。

    【0053】また、第3の実施例の量子演算素子は、上記多結晶シリコン膜を上記シリコン単結晶微粒子列の全体を覆って形成したので、上記各シリコン単結晶微粒子の夫々を上記多結晶シリコン膜に容易に且つ確実に接続して、上記多結晶シリコン膜とシリコン単結晶微粒子列と第1,第2金属電極とによって一つの演算回路を構成することができる。

    【0054】また、第4の実施例の量子演算素子は、同一基板上に、上記多結晶シリコン膜に接続されたシリコン単結晶微粒子列とその上に形成された第1,第2金属電極とで構成された同じ構成の回路ブロックを複数配列しているので、上記コンタクト超微細構造相互作用によって大きな信号を得るために上記複数の回路ブロックを同時に動作させて同じ信号を発生させる際に、上記第1,第2金属電極に対する印加電圧を容易に制御することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 この発明の量子演算素子における断面模式図である。

    【図2】 図1とは異なる量子演算素子の断面構造を示す図である。

    【図3】 電子‐核二重共鳴現象を利用した従来の固体素子の断面構造を示す図である。

    【符号の説明】

    11,4l…シリコン基板、 12,42…第1酸化シリコン膜、 13,43…第2酸化シリコン膜、 14〜17,44a〜44c,45a〜45c,46a〜46c
    …シリコン単結晶微粒子、 18,47,48,49…多結晶シリコン膜、 19,50…第3酸化シリコン膜、 20〜23,24〜27,51a〜51c,52a〜52c,5
    3a〜53c,54a,54b,55a,55b,56a,56b…金属電極、 31〜34…リン原子、 57,58,59…回路ブロック。

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