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Nickel-hydrogen storage battery and manufacture of positive electrode active material for the same

阅读:154发布:2024-02-18

专利汇可以提供Nickel-hydrogen storage battery and manufacture of positive electrode active material for the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To improve a positive electrode active material so as to increase the capacity density by respectively solid-fusing at least one transition metal and at least one alkaline metal having a smaller amount than the former and specifying the solid-fusing amounts of the transition metal and the alkaline metal. SOLUTION: The solid-fusing amount of transition metal is 2 to 12 wt.% of the metal nickel reduced amount of nickel hydroxide, and the solid-fusing amount of alkaline metal is 10 to 70 atom % of that of the transition metal. Nickel hydroxide having the solid-fused transition metal is subjected to heat treatment in an oxygen atmosphere, and the transition metal is oxidized ahead of others without oxidizing nickel. Thus, the transition metal is solid-fused in the nickel hydroxide, and by oxidizing this nickel hydroxide to perform stirring in hydroxide alkaline aqueous solution, an active material having alkaline cation selectively solid-fused is obtained in the vicinity of the transition metal solid-fused in the nickel hydroxide aqueous solution.,下面是Nickel-hydrogen storage battery and manufacture of positive electrode active material for the same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】水酸化ニッケルを活物質とした正極と、水素吸蔵合金を主体とした負極と、アルカリ電解液と、セパレータとからなる電池であって、前記水酸化ニッケルは、遷移金属のうちの少なくとも1種類とこの遷移金属よりも少ない量でアルカリ金属のうちの少なくとも1種類をそれぞれ固溶していて、前記遷移金属の固溶量は前記水酸化ニッケルの金属ニッケル換算量に対して2〜1
    2重量%であり、前記アルカリ金属の固溶量は前記遷移金属のそれに対して10〜70原子%であるニッケル−
    水素蓄電池。
  • 【請求項2】水酸化ニッケルを活物質とした正極と、水素吸蔵合金を主体とした負極と、アルカリ電解液と、セパレータとからなる電池であって、前記水酸化ニッケルは、Mn,Fe,CrおよびCoのうちの少なくとも1
    種類の遷移金属を固溶しているとともに、それよりも少ない量でLi,Na,K,RbおよびCsのうちの少なくとも1種類のアルカリ金属を固溶しているものであり、前記遷移金属の固溶量は前記水酸化ニッケルを金属ニッケルに換算した量に対して2〜10重量%であり、
    前記アルカリ金属の固溶量は前記遷移金属のそれに対して10〜70原子%であるニッケル−水素蓄電池。
  • 【請求項3】水酸化ニッケルを活物質とした正極と、水素吸蔵合金を主体とした負極と、アルカリ電解液と、セパレータとからなる電池であって、前記水酸化ニッケルは、MnとこのMnよりも少ない量でLiを固溶しているものであり、前記Mnの固溶量は水酸化ニッケルを金属ニッケルに換算した量に対して3〜8重量%であり、
    前記Liの固溶量は前記Mnのそれに対して20〜60
    原子%であるニッケル−水素蓄電池。
  • 【請求項4】ニッケル化合物に遷移金属を固溶させる第1工程と、 第1工程で得たニッケル化合物をアルカリと反応させて水酸化ニッケルを得る第2の工程と、 第2の工程で得られた水酸化ニッケル中の遷移金属を酸化させる第3の工程と、 第3の工程で得られた水酸化ニッケルをアルカリ溶液中で撹拌加熱処理して水酸化ニッケルにアルカリ金属を固溶させる第4の工程とからなるアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  • 【請求項5】ニッケル化合物にこのニッケル化合物の金属ニッケル換算量に対して2〜12重量%の遷移金属を固溶させる第1の工程と、 第1の工程で得られたニッケル化合物をアルカリと反応させて水酸化ニッケルを得る第2の工程と、 第2の工程で得られた水酸化ニッケルを空気または酸素雰囲気下において80〜120℃の温度で1〜30時間加熱処理し、水酸化ニッケル中の遷移金属を酸 化させる第3の工程と、第3の工程で得られた水酸化ニッケルをアルカリ溶液中で撹拌加熱処理して水酸化ニッケルにアルカリ金属を固溶させる第4の工程とからなるアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  • 【請求項6】アルカリ塩水溶液は、LiOH,NaO
    H,KOH,RbOHおよびCsOHのうちの少なくとも1種類からなる水溶液である請求項5記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  • 【請求項7】ニッケル化合物にこのニッケル化合物の金属ニッケル換算量に対して2〜12重量%の遷移金属を固溶させる第1の工程と、 第1の工程で得られたニッケル化合物をアルカリと反応させて水酸化ニッケルを得る第2の工程と、 第2の工程で得られた水酸化ニッケルを酸化剤を含む水溶液中で80〜120℃の温度で1〜30時間加熱処理し、水酸化ニッケル中の遷移金属を酸化させる第3の工程と、 第3の工程で得られた水酸化ニッケルを酸化剤を含む水溶液中で80〜120℃の温度で1〜30時間撹拌処理して水酸化ニッケルにアルカリ金属を固溶させる第4の工程とからなるアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  • 【請求項8】アルカリ塩水溶液は、LiOH,NaO
    H,KOH,RbOHおよびCsOHのうちの少なくとも1種類からなる水溶液である請求項7記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル−素蓄電池に関するもので、正極活物質を改良して、その容量密度を向上させるとともに、正極の特性を高めたものである。

    【0002】

    【従来の技術】近年、アルカリ蓄電池は、携帯機器の普及に伴いその高容量化が要望されている。 特にニッケル−水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主体とした活物質からなる正極と、水素吸蔵合金を主体とした負極からなる電池であり、高容量で高信頼性の電池として急速に普及してきている。

    【0003】アルカリ蓄電池用の正極としては、大別して焼結式と非焼結式とがある。 焼結式正極は、ニッケル粉末を焼結して得た多孔度80%程度の多孔質ニッケル焼結基板に、硝酸ニッケル水溶液等のニッケル塩溶液を含浸し、次いで、アルカリ水溶液に浸漬するなどして多孔質ニッケル焼結基板中に水酸化ニッケル活物質を生成させて製造するものである。 この電極は基板の多孔度をこれ以上大きくする事が困難であるため、充填される活物質量を増加させる事ができず、高容量化には限界がある。

    【0004】非焼結式正極は、例えば、特開昭60−4
    0667号公報に開示された、ニッケル金属よりなる三次元的に連続した多孔度95%以上のスポンジ状多孔体の孔部に、活物質である水酸化ニッケルを充填するものである。 これは現在高容量のアルカリ蓄電池の正極として広く用いられている。

    【0005】この非焼結式正極においては、高容量化の点から、球状の水酸化ニッケルをスポンジ状ニッケル多孔体の孔部に充填することが提案されている。 これはスポンジ状ニッケル多孔体の孔部(ポア)サイズが、20
    0〜500μm程度であり、このポアに粒径が数μm〜
    数10μmの球状水酸化ニッケルを充填するものである。 この構成では、ニッケル多孔体の骨格近傍の水酸化ニッケルは導電性が保たれているので、充放電反応がスムーズに進行するが、骨格から離れた水酸化ニッケルの反応は十分に進まない。

    【0006】このため、非焼結式正極は、充填した水酸化ニッケルの利用率を向上させるために、活物質である水酸化ニッケル以外に導電剤を用いて、これで球状水酸化ニッケルの粒子間を電気的に接続させて導電性ネットワークを形成している。 この導電剤としては、水酸化コバルト、一酸化コバルトのようなコバルト化合物や、金属コバルト、金属ニッケル等が用いられる。 これにより、非焼結式正極では、活物質を高密度に充填しても導電性を保つことが可能となり、高容量化が図れる。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、非焼結式正極の活物質として用いられる球状水酸化ニッケルは、その放電状態では活性水酸化ニッケル(β−Ni(O
    H) 2 )とよばれるもので、ニッケルの平均価数は2.
    2価である。 この活物質は、充電状態ではβ型オキシ水酸化ニッケル(β−NiOOH)になり、ニッケルの平均価数3.2価近傍といわれている。

    【0008】したがって、充放電では、ほぼ一電子反応で利用率が100%となる。 (利用率は一電子反応を仮定した理論単位重量当り容量289mAh/gで実際に計測される容量を割った値の百分率)その結果、この活物質を用いると正極の容量密度は650mAh/cc程度になる。

    【0009】また、ニッケル−水素蓄電池は、低温で微小電流の連続過充電を行なうと、正極のニッケル価数は、さらに高次になり、3.67価まで価数が上昇する事も確認されている。

    【0010】しかし、ニッケルの平均価数が3.5価付近を越えると水酸化ニッケルはγ型オキシ水酸化ニッケル(γ−NiOOH)になる。 γ−NiOOHは、Cu
    Kαを線源としたX線回折における回折2θが12度(λ=1.5405)に(003)面の回折ピークをもつ物質で、ニッケル−ニッケル金属面の層間にカチオン、アニオンや水等が挿入されており、β−NiOOH
    (密度4.68g/cm 3 )に比較して結晶が膨張し易い。

    【0011】γ−NiOOH(密度3.79g/c
    3 )は、放電する際にα−3Ni(OH) 2・2H 2
    (密度2.82g/cm 3 )になる。 また、充電状態のγ−NiOOHはニッケルの価数が3価以上であり、その組成式はNiOOH 1-Xで表される。 ここでのXは0
    より大きく1より小さい値をとる。 つまり、プロトン(H + )が欠損した状態となる。 するとニッケルと結合した酸素はδ -を帯びる。

    【0012】このδ -とのクーロンにより、たとえばK +のようなカチオンがニッケル−ニッケル金属面の層間に取り込まれる。 1価のK +とδ -の余剰電荷を打ち消し電荷的中性を維持するためにアニオンもニッケル−ニッケル金属面の層間に取り込まれた結晶構造をとる。

    【0013】このγ−NiOOHは電気化学的に放電させるとニッケル−ニッケル金属面の層間に取り込まれたカチオンやアニオンは、電解液中に放出されα−3Ni
    (OH) 2・2H 2 Oになると考えられている。 しかしながら、カチオンやアニオンを層間に取り込んだγ−Ni
    OOHが放電する場合、プロトン(H + )が結晶内に拡散して酸素と結合する。 この酸素がδ -を帯びることにより結晶層間に取り込まれていたカチオンはクーロン力による結晶層間での安定力がなくなり、拡散して電解液に放出されるはずであるが、拡散速度がプロトン(H + )に比較して遅いと考えられ、放電状態においてもカチオンやアニオンは層間に残存することになる。

    【0014】このため、密閉型ニッケル−水素蓄電池等においては、電解液の希薄化が起こり電池特性が劣化する。 また、γ−NiOOHとα−3Ni(OH) 2・2
    2 Oの充電反応では活物質の密度の変化が大きく、活物質は膨張を繰り返す。 ここで生成したα−3Ni(O
    H) 2・2H 2 Oは、化学的にゆっくりと活性水酸化ニッケル(β−Ni(OH) 2 )に結晶構造を変化することが確認されている。

    【0015】そのため球状水酸化ニッケルは、球状が崩れてしまったり、充電状態のγ−NiOOHが放電しないで蓄積されて、正極が膨潤して、電池内の電解液を吸ってしまう。

    【0016】その結果として、セパレータの保有している電解液量が減少して液がれ状態になり、電池の内部抵抗が上昇して放電が不可能になる。 この現象は焼結式正極を用いた場合でも古くから知られており、とくに密閉型電池では正極の膨潤による電池特性の劣化が起こる。

    【0017】したがって、高次水酸化ニッケルを利用するためには、常温領域で可逆性に優れたγ−NiOOH
    を生成する必要がある。 また、放電過程でα−3Ni
    (OH) 2・2H 2 Oを経由しないで活性水酸化ニッケル(β−Ni(OH) 2 )に放電させる必要がある。 さらに、充電状態で密閉型電池内の電解液のカチオンの取り込み量をできる限り少なくすることが必要である。

    【0018】本発明は、上記課題を解決するもので、正極活物質を改良して、その容量密度を向上させるとともに、正極の特性を高めたニッケル−水素蓄電池を提供することを目的とする。

    【0019】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、水酸化ニッケルを活物質とした正極と、
    水素吸蔵合金を主体とした負極と、アルカリ電解液と、
    セパレータとからなる電池であって、水酸化ニッケルは、遷移金属のうちの少なくとも1種類とこの遷移金属よりも少ない量でアルカリ金属のうちの少なくとも1種類をそれぞれ固溶していて、遷移金属の固溶量は水酸化ニッケルの金属ニッケル換算量に対して2〜12重量%
    であり、アルカリ金属の固溶量は遷移金属のそれに対して10〜70原子%であるニッケル−水素蓄電池としたものである。

    【0020】また、正極活物質である水酸化ニッケルの製造方法は、ニッケル化合物に遷移金属を固溶させる第1工程と、第1工程で得たニッケル化合物をアルカリと反応させて水酸化ニッケルを得る第2の工程と、第2の工程で得られた水酸化ニッケル中の遷移金属を酸化させる第3の工程と、第3の工程で得られた水酸化ニッケルをアルカリ溶液中で撹拌加熱処理して水酸化ニッケルにアルカリ金属を固溶させる第4の工程とからなる製造方法としたものである。

    【0021】

    【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、水酸化ニッケルを活物質とした正極と、水素吸蔵合金を主体とした負極と、アルカリ電解液と、セパレータとからなる電池であって、前記水酸化ニッケルは、遷移金属のうちの少なくとも1種類とこの遷移金属よりも少ない量でアルカリ金属のうちの少なくとも1種類をそれぞれ固溶していて、前記遷移金属の固溶量は前記水酸化ニッケルの金属ニッケル換算量に対して2〜12重量%
    であり、前記アルカリ金属の固溶量は前記遷移金属のそれに対して10〜70原子%としたものである。

    【0022】ここで言う固溶は、結晶学的に水酸化ニッケルのニッケル原子に遷移金属が置換固溶した構造のものを示す。

    【0023】この水酸化ニッケルは、ニッケル−水素蓄電池の充放電状態における正極の電位範囲で、ニッケルの価数が常に3価以上になるので、カチオンやアニオンを伴わないと考えられ、電解液の希薄化も起こらない。
    また、水酸化ニッケルは、遷移金属の近傍にカチオンをトラップしており、結晶に歪みをもたせるため、常温では、充電状態でγ−NiOOH、放電状態で(β−Ni
    (OH) 2 )になり、このγ−βの反応が可逆的に起こすことができ、高エネルギー密度のニッケル−水素蓄電池を提供できる。

    【0024】請求項4に記載の発明は、ニッケル化合物に遷移金属を固溶させる第1工程と、第1工程で得たニッケル化合物をアルカリと反応させて水酸化ニッケルを得る第2の工程と、第2の工程で得られた水酸化ニッケル中の遷移金属を酸化させる第3の工程と、第3の工程で得られた水酸化ニッケルをアルカリ溶液中で撹拌加熱処理して水酸化ニッケルにアルカリ金属を固溶させる第4の工程とからなるアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法としたものである。

    【0025】遷移金属を固溶した水酸化ニッケルは、酸素雰囲気下で熱処理を施すか、酸化剤を含む水溶液で加熱処理することで、ニッケルを酸化させることなく遷移金属を優先的に酸化させることができる。

    【0026】この遷移金属を酸化させた水酸化ニッケルは、ニッケルの価数は2価であり、遷移金属の酸化数は3価以上となっている。 つまり、遷移金属だけに注目すると、MeOOH 1-Xと表され(Meは遷移金属、Xは0より大きく1より小さい値)遷移金属Meと結合している酸素はプロトン(H + )が欠損状態となりδ -を帯びる。 次に、この水酸化ニッケルを水酸化アルカリ水溶液中で攪拌処理を行うこと、正の電荷をもったカチオンはδ -を帯びた酸素近傍に安定的に配位することが可能である。 この時にカチオンの価数は1価であるため余剰のδ +が発生する。 この電荷を補うためにアニオンも同時に侵入する。

    【0027】その結果、水酸化ニッケルに遷移金属が固溶しており、この水酸化ニッケルを酸化させて水酸化アルカリ水溶液中で攪拌処理することにより、この水酸化ニッケルに固溶した遷移金属の近傍にアルカリカチオンを選択的に固溶した活物質を得ることができる。

    【0028】

    【実施例】以下に本発明の実施例における具体例を示す。

    【0029】正極活物質である水酸化ニッケルにMnを固溶させたものを以下に示す方法で作製した。

    【0030】原料液として、硫酸ニッケル水溶液と硫酸マンガンを金属Niに対してMn量が5重量%となるようにその量を調整した。 この原料液を実質的に密閉された状態に保ち得る反応容器に投入するとともに不活性ガスを導入、排気する部位が設けてあり、不活性ガスを反応系に供給しながら反応させた。

    【0031】反応液としては、原料液と水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水を濃度比1:2.3:2のものを用意した。 この反応液を反応容器内に滴下した。 この時、反応温度は40℃とした。 またこの時のpHは12
    に保った。

    【0032】この反応で得られた析出物を水洗乾燥し、
    水酸化ニッケル粉末にその金属ニッケル換算量に対してMnを5重量%固溶したものを得た。

    【0033】この水酸化ニッケル粉末を通常80〜12
    0℃で1〜30時間加熱処理するがここでは100℃で24時間加熱処理してMnを選択的に酸化させ、この水酸化ニッケル粉末を水酸化リチウム10mol/lの水溶液中で通常30〜100℃で1〜30時間加熱撹拌処理するがここでは80℃で10時間加熱撹拌処理して水酸化ニッケル粉末にLiを固溶させた。

    【0034】この水酸化ニッケル粉末100重量部に、
    結着剤としてポリテトラフルオロエチレン0.5重量部と、導電剤として水酸化コバルト10重量部と、分散媒としての適量の水を加えてペースト状とし、これをスポンジ状ニッケル多孔体の孔部に充填した後乾燥し、ロールプレス機で圧延して正極板1を作製した。 この正極板1の寸法は、幅35mm、長さ120mm、厚さ0.7
    8mmとした。 この正極の理論容量(水酸化ニッケルが1電子反応であると仮定して289mAh/gとして計算する)は1600mAhであった。

    【0035】負極板2としては、AB 5型水素吸蔵合金粉末100重量部と、炭素粉末1重量部と、ポリテトラフルオロエチレン1重量部と、適量の水を加えてペースト状とし、これをパンチングメタルに塗布して乾燥した後、圧延した。 この負極板2の寸法は、幅35mm、長さ145mm、厚み0.39mmとした。 この負極の理論容量(水素吸蔵合金の単位重量当りの電気量は280
    mAh/gとして計算する)は2900mAhであった。

    【0036】上記で作製した正極板1と、負極板2と、
    この両者間にポリプロピレン不織布製セパレータ3を配して全体を渦巻状に巻回して極板群を構成し、これを電池ケース4に挿入し、アルカリ電解液として水酸化カリウム10mol/lの水溶液を所定量注入した後、正極端子を兼ねる封口板5で密閉して4/5Aサイズで、公称容量1600mAhのニッケル−水素蓄電池Aを構成した。 この電池Aの構成図を図1に示す。

    【0037】また、上記で作製した正極板1において、
    MnもLiも固溶していない水酸化ニッケルを用いた以外は、上記と同様な構成とした電池を比較例の電池Bとした。

    【0038】この電池A,Bそれぞれを160mAで1
    5時間充電し、1時間放置した後、320mAで端子電圧が1Vに至るまで放電する充放電サイクルを2回行なった。

    【0039】さらに45℃の温度雰囲気で3日間放置するエージングを行なった後、20℃の温度雰囲気下で1
    60mAの電流で18時間充電し、1時間放置した後、
    320mAで端子電圧1Vに至るまで放電した。 この時の放電容量から求めた正極の活物質利用率(実際の放電容量/正極理論容量を289mAhとした際の百分率)
    は、電池Aが112%であり、電池Bは98%であった。

    【0040】確認のために、充電状態の電池A,Bをそれぞれ分解して正極板を取り出し、活物質のCuKαを線源とした(波長λが1.5405)X線回折による分析を行った。 この分析により、回折角2θを求めた結果、電池Aの正極板はγ−NiOOHに起因する(00
    3)面の回折ピークが2θ=12度近くに観察され、β
    −NiOOHに起因する(00l)面の回折ピークも2
    θ=20度付近に観察され、充電状態ではγ−NiOO
    Hとβ−NiOOHの混合相であることが確認できた。
    また、放電状態では活性水酸化ニッケル(β−Ni(O
    H) 2 )の回折ピークだけが確認できた。 さらに、この水酸化ニッケル粉末には、Mnの固溶量に対して50原子%のLiが固溶していた。 これに対して電池Bの正極板は、電池Aのそれと同様な回折ピークを確認できなかった。

    【0041】このことより、比較例の電池Bは、正極活物質が充電状態では、β−NiOOHになり、そのニッケルの平均価数は3.2価であるので、その正極活物質の利用率は98%になったものである。

    【0042】実施例の電池Aは、その正極活物質の水酸化ニッケルに、Mnをその金属ニッケル換算量に対して5重量%固溶しており、このMnの固溶量に対してLi
    が50原子%固溶しているので充電状態では高次のニッケル酸化状態となり、平均価数も3.5価と高まるので、比較例よりも反応電子数が増加し、水酸化ニッケルそのものの容量密度が向上する。 そのため正極活物質の利用率は112%となり、比較例より14%向上した。
    さらに、正極活物質中にはLiが固溶しているため、電解液の希薄化が起こらない。 それに加えて放電状態でもα−3Ni(OH) 2・2H 2 Oを生成しないので、容量密度を向上させることができるとともに、充放電サイクル特性に優れたニッケル−水素蓄電池となる。

    【0043】なお、本発明の実施例では、正極活物質である水酸化ニッケルに、その金属ニッケル換算量に対してMnを5重量%、そのMnに対して50原子%のLi
    を固溶させたものを用いたが、Mnの固溶量は2〜10
    重量%、Liの固溶量はそのMnの固溶量に対して10
    〜70原子%の範囲であれば、実施例とほぼ同様な効果が得られる。 また、最も好ましいLiの固溶量の範囲はMnの固溶量に対して20〜60原子%であった。

    【0044】また、実施例では、正極活物質である水酸化ニッケルへの固溶金属としては、遷移金属がMn、アルカリ金属がLiを用いたが、この外に遷移金属はF
    e,Cr,およびCoのうちの少なくともいずれか1種類と、アルカリ金属はNa,K,RbおよびCsのうちの少なくともいずれか1種類を用いても実施例とほぼ同様な効果が得られる。

    【0045】実施例の正極活物質の製造方法としては、
    遷移金属を固溶させた水酸化ニッケル粉末を酸素存在下において100℃で24時間加熱処理して水酸化ニッケルに固溶した遷移金属を選択的に酸化させ、この水酸化ニッケル粉末を80℃の水酸化リチウム水溶液中で10
    時間加熱撹拌処理することによってアルカリ金属であるLiを水酸化ニッケル粉末に固溶させる方法を示したが、遷移金属を固溶させた水酸化ニッケル粉末を過酸化水素水などの酸化剤を用いて水酸化ニッケル粉末に固溶した遷移金属を化学酸化させて、その後の工程を実施例と同様な方法としても水酸化ニッケル粉末にアルカリ金属であるLiを固溶させることができる。

    【0046】また、前記の製造方法としては、遷移金属の固溶した水酸化ニッケル粉末を酸化させて、アルカリ塩水溶液である水酸化リチウム水溶液を用いてアルカリ金属であるLiを水酸化ニッケル粉末に固溶させたが、
    アルカリ塩水溶液としては水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムのうちの少なくとも1種類の水溶液を用いても、アルカリ金属であるLi,Na,K,RbおよびC
    sのうちの少なくとも1種類を水酸化ニッケル粉末に固溶させることができる。

    【0047】

    【発明の効果】以上のように本発明のニッケル−水素蓄電池では 正極の活物質である水酸化ニッケルは、遷移金属のうちの少なくとも1種類とこの遷移金属よりも少ない量でアルカリ金属のうちの少なくとも1種類をそれぞれ固溶していて、この遷移金属の固溶量は水酸化ニッケルの金属ニッケル換算量に対して2〜10重量%であり、アルカリ金属の固溶量はその遷移金属のそれに対して10〜70原子%であるので、水酸化ニッケルは、充電状態ではγ−NiOOHとβ−NiOOHの混合体となり、ニッケルの平均価数が3.5価と高次の価数になるので、反応電子数が増加して活物質の容量密度が向上する。 また、水酸化ニッケルがアルカリ金属を固溶しているため、密閉型電池内での電解液の希薄化が起こらず、電池の充放電サイクル特性を高めることができる。

    【0048】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施例におけるニッケル−水素蓄電池の構成図

    【符号の説明】

    1 正極板 2 負極板 3 セパレータ 4 電池ケース 5 封口板

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