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半導体装置基板の製造方法

阅读:1发布:2022-06-27

专利汇可以提供半導体装置基板の製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】ケイ素含有膜を使用した半導体装置 基板 の製造方法において、イオン注入に使用したマスクを剥離液で容易かつ基板にダメージを与えずに湿式剥離できる半導体装置基板の製造方法を提供する。 【解決手段】(1)基板上に形成した有機下層膜上にケイ素含有量が1〜30質量%のケイ素含有膜を形成する工程、(2)ケイ素含有膜上にレジスト膜を形成する工程、(3)レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを形成する工程、(4)レジストパターンをマスクとしてケイ素含有膜にパターンを転写する工程、(5)ケイ素含有膜をマスクとして有機下層膜にパターンを転写し、ケイ素含有膜の一部又は全部を有機下層膜上に残す工程、(6)有機下層膜をマスクとして基板にイオンを注入する工程、及び(7)イオン注入のマスクとして使用されたケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を剥離液で剥離する工程を含む半導体装置基板の製造方法。 【選択図】図1,下面是半導体装置基板の製造方法专利的具体信息内容。

(1)半導体装置製造用被加工体基板上に有機下層膜を形成し、該有機下層膜上にケイ素含有膜形成用組成物を塗布し加熱することで、ケイ素含有量が1質量%以上30質量%以下のケイ素含有膜を形成する工程、 (2)該ケイ素含有膜上に、酸の作用により極性が変化して現像液に対する溶解度が変化する重合体を含有するレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、 (3)該レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを形成する工程、 (4)該レジストパターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記ケイ素含有膜にパターンを転写する工程、 (5)該パターンが転写されたケイ素含有膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記有機下層膜にパターンを転写し、パターン転写後に前記ケイ素含有膜の一部又は全部を前記パターンが転写された有機下層膜上に残す工程、 (6)前記パターンが転写された有機下層膜をマスクとして、前記半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入する工程、及び (7)前記イオン注入のマスクとして使用された前記ケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を剥離液で剥離する工程、 を含むことを特徴とする半導体装置基板の製造方法。前記(6)工程において、前記ケイ素含有膜の一部又は全部と前記有機下層膜で形成されるパターンをマスクとして、前記半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置基板の製造方法。前記(7)工程において、前記イオン注入のマスクとして使用された前記ケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を同時に剥離液で剥離することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置基板の製造方法。前記剥離液として、過酸化素を含むものを用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記剥離液として、硫酸を含むものを用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記(7)工程において、前記剥離液で処理した後、更にフッ素イオンを含む剥離液で剥離することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記(7)工程において、前記剥離液で処理した後、更にアンモニアを含む洗浄液で洗浄することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記半導体装置製造用被加工体基板として、半導体回路の一部又は全部が形成されている半導体装置基板、又は該半導体装置基板に金属膜、アモルファス金属膜、金属炭化膜、金属酸化膜、金属窒化膜、金属酸化炭化膜、及び金属酸化窒化膜のいずれかが成膜されたものを用いることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記金属が、ケイ素、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウム、銅、銀、金、アルミニウム、インジウム、ガリウム、ヒ素、パラジウム、鉄、タンタル、イリジウム、モリブデン、又はこれらの合金を含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置基板の製造方法。前記イオン注入されるイオン種が、ホウ素、リン、ヒ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、アルゴン、ケイ素、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、及びアンチモンのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ケイ素含有膜形成用組成物として、少なくともポリシロキサン及び溶剤を含むものを用いることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ポリシロキサンとして、架橋性有機基を含むものを用いることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置基板の製造方法。前記架橋性有機基が、エポキシ基、フェノール基、及びナフトール基のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ポリシロキサンとして、ハロゲン化有機基を含むものを用いることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ハロゲン化有機基のハロゲンが、フッ素又は塩素であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更に熱、光、又はその両方の作用により酸を発生する酸発生剤を含むものを用いることを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更にフッ素を含有する有機化合物を含むものを用いることを特徴とする請求項11から請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更に架橋剤を含むものを用いることを特徴とする請求項11から請求項17のいずれか一項に記載の半導体装置基板の製造方法。

说明书全文

本発明は、半導体装置の製造工程において、半導体装置基板上にトランジスタや回路を形成する際の製造方法に関する。

半導体装置の高集積化は、リソグラフィー光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択によるパターン寸法の微細化により達成されてきた。しかしながら、EUV露光技術の遅れにより、光源の短波長化によるパターン寸法の微細化が鈍化している。そこで、最先端の半導体装置の高集積化に関する研究開発は、貫通配線による半導体装置の積層化や3次元トランジスタ形成などに焦点を当てている。特に3次元トランジスタは半導体装置の高集積化だけでなく高速動作かつ低消費電に関しても注目されている。

従来のプレナー型トランジスタの製造プロセスでは、プレナー型トランジスタ形成用基板の凹凸が比較的小さいため、単層レジストプロセスや有機反射防止膜と単層レジストによるパターニング(以下、2層プロセスと呼ぶ)が主流であった。しかしながら、FIN−FET構造からなる3次元トランジスタの製造プロセスでは、より立体的な構造を形成するため、基板の凹凸がプレナー型に比べて大きくなり、従来の2層プロセスではその構造を形成することが困難になってきた。

そこで、この問題点を解決する方法の一つとして3層プロセス法によるパターン形成が検討されている。3層プロセス法は、フォトレジスト膜、即ちレジスト上層膜とエッチング選択性が異なるレジスト下層膜をレジスト上層膜と有機下層膜の間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、上層レジストパターンをエッチングマスクとして、ドライエッチングによりレジスト下層膜にパターンを転写し、次にこれをエッチングマスクとしてドライエッチングにより有機下層膜にパターンを転写し、更にこれをエッチングマスクとしてドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。通常、レジスト上層膜と有機下層膜の両方に対して、エッチング選択性が良好なケイ素含有膜がレジスト下層膜として適用されている(特許文献1)。

具体的な3層プロセス法は、適切な厚さの有機下層膜で凹凸の大きな3次元トランジスタ形成用基板を平坦化し、この有機下層膜を加工するためにケイ素含有レジスト下層膜をハードマスクとして介在させ、上層レジストで形成されたパターンをエッチングマスクとしてケイ素含有レジスト下層膜にパターンを転写し、この転写されたパターンをマスクとして有機下層膜を加工できる。この方法は、半導体装置の配線工程では既に広く使用されている。

特開2007−199653号公報

上述の3層プロセス法を3次元トランジスタ形成プロセスに適用するには、イオン打込み(イオン注入)のマスクとして使用した後のケイ素含有レジスト下層膜と有機下層膜(以下、これらを下層膜残渣とも呼ぶ)を、基板にダメージを与えることなく除去する必要がある。従来の配線工程では下層膜残渣をドライエッチングで除去することができるが、トランジスタ形成工程では下層膜残渣をドライエッチングで除去する時に発生する基板へのダメージが問題となっている。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ケイ素含有膜を使用した半導体装置基板の製造方法において、ドライエッチングで形成されたケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜パターンをイオン注入のマスクとして使用した後、剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離できる半導体装置基板の製造方法を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明では、 (1)半導体装置製造用被加工体基板上に有機下層膜を形成し、該有機下層膜上にケイ素含有膜形成用組成物を塗布し加熱することで、ケイ素含有量が1質量%以上30質量%以下のケイ素含有膜を形成する工程、 (2)該ケイ素含有膜上に、酸の作用により極性が変化して現像液に対する溶解度が変化する重合体を含有するレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、 (3)該レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを形成する工程、 (4)該レジストパターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記ケイ素含有膜にパターンを転写する工程、 (5)該パターンが転写されたケイ素含有膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記有機下層膜にパターンを転写し、パターン転写後に前記ケイ素含有膜の一部又は全部を前記パターンが転写された有機下層膜上に残す工程、 (6)前記パターンが転写された有機下層膜をマスクとして、前記半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入する工程、及び (7)前記イオン注入のマスクとして使用された前記ケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を剥離液で剥離する工程、 を含む半導体装置基板の製造方法を提供する。

このような半導体装置基板の製造方法であれば、パターン密着性に優れるケイ素含有膜を使用した半導体装置基板の製造方法において、イオン注入に使用したマスクを剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離することができる。

またこのとき、前記(6)工程において、前記ケイ素含有膜の一部又は全部と前記有機下層膜で形成されるパターンをマスクとして、前記半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入することができる。

このように、本発明では、ケイ素含有膜と有機下層膜で形成されるパターンをマスクとして、イオン注入を行うこともできる。

またこのとき、前記(7)工程において、前記イオン注入のマスクとして使用された前記ケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を同時に剥離液で剥離することが好ましい。

このように同時に剥離すれば、より効率的に剥離を行うことができる。

またこのとき、前記剥離液として、過酸化素を含むものを用いることが好ましい。

このような剥離液であれば、ケイ素含有膜の剥離に特に好適である。

またこのとき、前記剥離液として、硫酸を含むものを用いることが好ましい。

硫酸を含むものを用いることで、剥離を促進することができる。

またこのとき、前記(7)工程において、前記剥離液で処理した後、更にフッ素イオンを含む剥離液で剥離することが好ましい。

これにより、より確実にイオン注入に使用したマスクを剥離することができる。

またこのとき、前記(7)工程において、前記剥離液で処理した後、更にアンモニアを含む洗浄液で洗浄することが好ましい。

これにより、剥離後の半導体装置基板に付着する不純物を除去できる。

またこのとき、前記半導体装置製造用被加工体基板として、半導体回路の一部又は全部が形成されている半導体装置基板、又は該半導体装置基板に金属膜、アモルファス金属膜、金属炭化膜、金属酸化膜、金属窒化膜、金属酸化炭化膜、及び金属酸化窒化膜のいずれかが成膜されたものを用いることが好ましい。

またこのとき、前記金属が、ケイ素、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウム、銅、銀、金、アルミニウム、インジウム、ガリウム、ヒ素、パラジウム、鉄、タンタル、イリジウム、モリブデン、又はこれらの合金を含むことが好ましい。

本発明では、このような半導体装置製造用被加工体基板を好適に用いることができる。

またこのとき、前記イオン注入されるイオン種が、ホウ素、リン、ヒ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、アルゴン、ケイ素、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、及びアンチモンのいずれかであることが好ましい。

このようなイオン種であれば、注入するイオンとして好適である。

またこのとき、前記ケイ素含有膜形成用組成物として、少なくともポリシロキサン及び溶剤を含むものを用いることが好ましい。

このようなケイ素含有膜形成用組成物であれば、高品質のケイ素含有膜を形成することができるため、本発明に好適に用いることができる。

またこのとき、前記ポリシロキサンとして、架橋性有機基を含むものを用いることが好ましい。

このように架橋性有機基を含むことで、より密着性の良好なケイ素含有膜を形成することができる。

またこのとき、前記架橋性有機基が、エポキシ基、フェノール基、及びナフトール基のいずれかであることが好ましい。

このような架橋性有機基であれば、確実に密着性の良好なケイ素含有膜を形成することができる。

またこのとき、前記ポリシロキサンとして、ハロゲン化有機基を含むものを用いることが好ましい。

このようにハロゲン化有機基を含むことで、より確実にイオン注入に使用したマスクを剥離することができる。

またこのとき、前記ハロゲン化有機基のハロゲンが、フッ素又は塩素であることが好ましい。

このようなハロゲン化有機基であれば、更に確実にイオン注入に使用したマスクを剥離することができる。

またこのとき、前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更に熱、光、又はその両方の作用により酸を発生する酸発生剤を含むものを用いることができる。

またこのとき、前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更にフッ素を含有する有機化合物を含むものを用いることができる。

またこのとき、前記ケイ素含有膜形成用組成物として、更に架橋剤を含むものを用いることができる。

このように、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物は、これらの添加剤を含むものであってもよい。

以上のように、本発明の半導体装置基板の製造方法であれば、ケイ素含有膜中のケイ素含有量を所定の範囲に調整することで、ケイ素含有膜の一部又は全部が有機下層膜上に残っていても、例えば剥離液で有機下層膜と同時に剥離し除去することも可能である。このため、ケイ素含有膜と有機下層膜で形成されたパターンをイオン注入のマスクとした場合も、イオン注入後に剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離することができる。このように、3層プロセスでイオン注入後の基板にダメージを与えずに加工を行えることから、本発明は特に3次元トランジスタの製造に好適である。

本発明の半導体装置基板の製造方法の一例を示すフロー図である。

上述のように、ケイ素含有膜を使用した半導体装置基板の製造方法において、イオン注入に使用したマスクを剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離できる半導体装置基板の製造方法の開発が求められていた。

本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ケイ素含有膜が残った有機下層膜をマスクとしてイオン注入を行い、その後マスク(下層膜残渣)を除去する方法において、ケイ素含有膜のケイ素含有量を1質量%以上30質量%以下とし、イオン注入後に剥離液で処理することで、容易かつ基板にダメージを与えることなく湿式剥離できることを見出し、本発明を完成させた。

即ち、本発明は、 (1)半導体装置製造用被加工体基板上に有機下層膜を形成し、該有機下層膜上にケイ素含有膜形成用組成物を塗布し加熱することで、ケイ素含有量が1質量%以上30質量%以下のケイ素含有膜を形成する工程、 (2)該ケイ素含有膜上に、酸の作用により極性が変化して現像液に対する溶解度が変化する重合体を含有するレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、 (3)該レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを形成する工程、 (4)該レジストパターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記ケイ素含有膜にパターンを転写する工程、 (5)該パターンが転写されたケイ素含有膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより前記有機下層膜にパターンを転写し、パターン転写後に前記ケイ素含有膜の一部又は全部を前記パターンが転写された有機下層膜上に残す工程、 (6)前記パターンが転写された有機下層膜をマスクとして、前記半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入する工程、及び (7)前記イオン注入のマスクとして使用された前記ケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を剥離液で剥離する工程、 を含む半導体装置基板の製造方法である。

以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、本明細書中、Meはメチル基、Etはエチル基、Acはアセチル基を示す。

[半導体装置製造用被加工体基板]

本発明では、半導体装置製造用被加工体基板(被加工体)として、半導体回路の一部又は全部が形成されている半導体装置基板、又は該半導体装置基板に、被加工層(被加工部分)として、金属膜、アモルファス金属膜、金属炭化膜、金属酸化膜、金属窒化膜、金属酸化炭化膜、及び金属酸化窒化膜のいずれかが成膜されたものを用いることが好ましい。

半導体装置基板としては、シリコン基板が一般的に用いられるが、特に限定されるものではなく、Si、アモルファスシリコン(α−Si)、p−Si、SiO2、SiN、SiON、W、TiN、Al等で被加工層と異なる材質のものを用いてもよい。

被加工体を構成する金属としては、ケイ素、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、クロム、ゲルマニウム、銅、銀、金、アルミニウム、インジウム、ガリウム、ヒ素、パラジウム、鉄、タンタル、イリジウム、モリブデン、又はこれらの合金を含むものを用いることができ、このような金属を含む被加工層としては、例えば、Si、SiO2、SiN、SiON、SiOC、p−Si、α−Si、TiN、BPSG、SOG、Cr、CrO、CrON、MoSi、W、W−Si、Al、Cu、Al−Si等及び種々の低誘電膜及びそのエッチングストッパー膜が用いられ、膜厚は50〜10,000nmが好ましく、100〜5,000nmがより好ましい。

[有機下層膜] 本発明において半導体装置製造用被加工体基板上に形成される有機下層膜は、公知の方法や材料によって形成されたものであればよく、後述の剥離液で剥離できるものであれば特に限定されない。有機下層膜の膜厚は、特に限定されないが、100nmから500nm程度とすることが好ましい。

[ケイ素含有膜] 本発明において有機下層膜上に形成されるケイ素含有膜は、ケイ素含有膜形成用組成物を塗布し加熱することで形成されたものであればよいが、ケイ素含有膜中のケイ素含有量は1質量%以上30質量%以下とする必要がある。ケイ素含有量については後述する。

本発明では、ケイ素含有膜形成用組成物として、少なくともポリシロキサン及び溶剤を含むものを用いることが好ましい。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンは、下記一般式(A−1)で示される化合物、これの加水分解物、これの縮合物、これの加水分解縮合物のうち1種以上を含有するものであることが好ましい。 R1AA1R2AA2R3AA3Si(OR0A)(4−A1−A2−A3) (A−1) (式中、R0Aは炭素数1〜6の炭化水素基であり、R1A、R2A、R3Aは水素原子又は1価の有機基である。また、A1、A2、A3は0又は1であり、0≦A1+A2+A3≦3である。)

ポリシロキサンの原料(出発物質)として使用される、一般式(A−1)で示される加水分解性ケイ素化合物(アルコキシシラン)として以下のものを例示できる。

テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン等を例示できる。

トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリイソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリイソプロポキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、s−ブチルトリエトキシシラン、s−ブチルトリプロポキシシラン、s−ブチルトリイソプロポキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリプロポキシシラン、t−ブチルトリイソプロポキシシラン、シクロプロピルトリメトキシシラン、シクロプロピルトリエトキシシラン、シクロプロピルトリプロポキシシラン、シクロプロピルトリイソプロポキシシラン、シクロブチルトリメトキシシラン、シクロブチルトリエトキシシラン、シクロブチルトリプロポキシシラン、シクロブチルトリイソプロポキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキセニルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルトリプロポキシシラン、シクロヘキセニルトリイソプロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリメトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリエトキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリプロポキシシラン、シクロヘキセニルエチルトリイソプロポキシシラン、シクロオクチルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリエトキシシラン、シクロオクチルトリプロポキシシラン、シクロオクチルトリイソプロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリメトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリエトキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリプロポキシシラン、シクロペンタジエニルプロピルトリイソプロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリメトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン、ビシクロヘプテニルトリプロポキシシラン、ビシクロヘプテニルトリイソプロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリメトキシシラン、ビシクロヘプチルトリエトキシシラン、ビシクロヘプチルトリプロポキシシラン、ビシクロヘプチルトリイソプロポキシシラン、アダマンチルトリメトキシシラン、アダマンチルトリエトキシシラン、アダマンチルトリプロポキシシラン、アダマンチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリプロポキシシラン、ベンジルトリイソプロポキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、トリルトリプロポキシシラン、トリルトリイソプロポキシシラン、アニシルトリメトキシシラン、アニシルトリエトキシシラン、アニシルトリプロポキシシラン、アニシルトリイソプロポキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、フェネチルトリプロポキシシラン、フェネチルトリイソプロポキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラン、ナフチルトリプロポキシシラン、ナフチルトリイソプロポキシシラン等を例示できる。

ジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルジイソプロポキシシラン、ジs−ブチルジメトキシシラン、ジs−ブチルジエトキシシラン、ジs−ブチルジプロポキシシラン、ジs−ブチルジイソプロポキシシラン、ジt−ブチルジメトキシシラン、ジt−ブチルジエトキシシラン、ジt−ブチルジプロポキシシラン、ジt−ブチルジイソプロポキシシラン、ジシクロプロピルジメトキシシラン、ジシクロプロピルジエトキシシラン、ジシクロプロピルジプロポキシシラン、ジシクロプロピルジイソプロポキシシラン、ジシクロブチルジメトキシシラン、ジシクロブチルジエトキシシラン、ジシクロブチルジプロポキシシラン、ジシクロブチルジイソプロポキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジプロポキシシラン、ジシクロヘキシルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルジメトキシシラン、ジシクロヘキセニルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニルジプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルジイソプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジメトキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジエトキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジプロポキシシラン、ジシクロヘキセニルエチルジイソプロポキシシラン、ジシクロオクチルジメトキシシラン、ジシクロオクチルジエトキシシラン、ジシクロオクチルジプロポキシシラン、ジシクロオクチルジイソプロポキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジエトキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジプロポキシシラン、ジシクロペンタジエニルプロピルジイソプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジメトキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジエトキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプテニル)ジイソプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジメトキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジエトキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジプロポキシシラン、ビス(ビシクロヘプチル)ジイソプロポキシシラン、ジアダマンチルジメトキシシラン、ジアダマンチルジエトキシシラン、ジアダマンチルジプロポキシシラン、ジアダマンチルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン等を例示できる。

モノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン、ジメチルエチルエトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシラン、ジメチルフェニルエトキシシラン、ジメチルベンジルメトキシシラン、ジメチルベンジルエトキシシラン、ジメチルフェネチルメトキシシラン、ジメチルフェネチルエトキシシラン等を例示できる。

その他に一般式(A−1)で示される化合物としては、下記構造で表されたケイ素上に加水分解性基:OR0Aとして、1〜3個のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、シクロペントキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、フェノキシ基を含んでいるものを使用できる。なお、以下、構造式中における(Si)はSiとの結合箇所を示す。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンとしては、ハロゲン化有機基を含むものが好ましい。このようにハロゲン化有機基を含むことで、より確実にイオン注入に使用したマスクを剥離することができる。また、ハロゲン化有機基のハロゲンとしては、フッ素及び塩素が好ましい。 一般式(A−1)中のR1AA1R2AA2R3AA3で表される有機基のうち、当該有機基の水素原子がハロゲン原子で置換されているものとして以下のものが挙げられる。

R1A、R2A、R3Aで表される有機基の別の例として、炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1つ以上有する有機基を挙げることができる。具体的には、エポキシ基、エステル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基からなる群から選択される1つ以上の基を有する有機基である。この例として、下記一般式(A−2)で示されるものを挙げることができる。

(P−Q1−(Sa)v1−Q2−)u−(T)v2−Q3−(Sb)v3−Q4− (A−2) (一般式(A−2)中、Pは水素原子、

ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜6のアルキルカルボニル基であり、Q1、Q2、Q3、及びQ4は各々独立して−CqH(2q−p)Pp−(式中、Pは上記と同様であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜10の整数(但し、q=0は単結合であることを示す。)である。)、uは0〜3の整数であり、SaとSbは各々独立して−O−、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−OCOO−を表す。v1、v2、及びv3は、各々独立して0又は1を表す。これらとともに、Tはヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環からなる2価の基であり、Tの酸素原子等のヘテロ原子を含んでもよい脂環又は芳香環の例を以下に示す。TにおいてQ2とQ3と結合する位置は、特に限定されないが、立体的な要因による反応性や反応に用いる市販試薬の入手性等を考慮して適宜選択できる。)

一般式(A−2)で示される炭素−酸素単結合又は炭素−酸素二重結合を1つ以上有する有機基の好ましい例として、以下のものを挙げることができる。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンとしては、架橋性有機基を含むものが好ましい。即ち、上記の有機基のうち、架橋性有機基を含むものが特に好ましい。このように架橋性有機基を含むことで、より密着性の良好なケイ素含有膜を形成することができる。また、架橋性有機基としては、例えばエポキシ基、フェノール基、及びナフトール基等が好ましい。

また、一般式(A−1)中のR1A、R2A、R3Aで表される有機基は、ケイ素−ケイ素結合を含む有機基であってもよい。具体的には下記の構造を挙げることができる。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンは、上述の一般式(A−1)で示される化合物の他に、原料として下記一般式(A−3)で示される加水分解性金属化合物を含有してもよい。 L’(OR4A)A4(OR5A)A5(O)A6 (A−3) (式中、R4A及びR5Aは水素原子又は炭素数1〜30の有機基であり、A4+A5+A6はL’の種類によって決まる価数であり、A4、A5、A6は0以上の数であり、L’は周期律表のIII族、IV族、又はV族の元素で炭素を除くものである。)

一般式(A−3)で示される加水分解性金属化合物として、以下のものを例示できる。 L’がホウ素の場合、一般式(A−3)で示される化合物として、ボロンメトキシド、ボロンエトキシド、ボロンプロポキシド、ボロンブトキシド、ボロンアミロキシド、ボロンヘキシロキシド、ボロンシクロペントキシド、ボロンシクロヘキシロキシド、ボロンアリロキシド、ボロンフェノキシド、ボロンメトキシエトキシド、ホウ酸、酸化ホウ素などを例示できる。

L’がアルミニウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムアミロキシド、アルミニウムヘキシロキシド、アルミニウムシクロペントキシド、アルミニウムシクロヘキシロキシド、アルミニウムアリロキシド、アルミニウムフェノキシド、アルミニウムメトキシエトキシド、アルミニウムエトキシエトキシド、アルミニウムジプロポキシエチルアセトアセテート、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウムブトキシビスエチルアセトアセテート、アルミニウム2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどを例示できる。

L’がガリウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、ガリウムメトキシド、ガリウムエトキシド、ガリウムプロポキシド、ガリウムブトキシド、ガリウムアミロキシド、ガリウムヘキシロキシド、ガリウムシクロペントキシド、ガリウムシクロヘキシロキシド、ガリウムアリロキシド、ガリウムフェノキシド、ガリウムメトキシエトキシド、ガリウムエトキシエトキシド、ガリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、ガリウムジブトキシエチルアセトアセテート、ガリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、ガリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、ガリウム2,4−ペンタンジオネート、ガリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどを例示できる。

L’がイットリウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、イットリウムメトキシド、イットリウムエトキシド、イットリウムプロポキシド、イットリウムブトキシド、イットリウムアミロキシド、イットリウムヘキシロキシド、イットリウムシクロペントキシド、イットリウムシクロヘキシロキシド、イットリウムアリロキシド、イットリウムフェノキシド、イットリウムメトキシエトキシド、イットリウムエトキシエトキシド、イットリウムジプロポキシエチルアセトアセテート、イットリウムジブトキシエチルアセトアセテート、イットリウムプロポキシビスエチルアセトアセテート、イットリウムブトキシビスエチルアセトアセテート、イットリウム2,4−ペンタンジオネート、イットリウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどを例示できる。

L’がゲルマニウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、ゲルマニウムメトキシド、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムプロポキシド、ゲルマニウムブトキシド、ゲルマニウムアミロキシド、ゲルマニウムヘキシロキシド、ゲルマニウムシクロペントキシド、ゲルマニウムシクロヘキシロキシド、ゲルマニウムアリロキシド、ゲルマニウムフェノキシド、ゲルマニウムメトキシエトキシド、ゲルマニウムエトキシエトキシドなどを例示できる。

L’がチタンの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシド、チタンアミロキシド、チタンヘキシロキシド、チタンシクロペントキシド、チタンシクロヘキシロキシド、チタンアリロキシド、チタンフェノキシド、チタンメトキシエトキシド、チタンエトキシエトキシド、チタンジプロポキシビスエチルアセトアセテート、チタンジブトキシビスエチルアセトアセテート、チタンジプロポキシビス2,4−ペンタンジオネート、チタンジブトキシビス2,4−ペンタンジオネートなどを例示できる。

L’がハフニウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、ハフニウムメトキシド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムプロポキシド、ハフニウムブトキシド、ハフニウムアミロキシド、ハフニウムヘキシロキシド、ハフニウムシクロペントキシド、ハフニウムシクロヘキシロキシド、ハフニウムアリロキシド、ハフニウムフェノキシド、ハフニウムメトキシエトキシド、ハフニウムエトキシエトキシド、ハフニウムジプロポキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジブトキシビスエチルアセトアセテート、ハフニウムジプロポキシビス2,4−ペンタンジオネート、ハフニウムジブトキシビス2,4−ペンタンジオネートなどを例示できる。

L’がスズの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシスズ、エトキシスズ、プロポキシスズ、ブトキシスズ、フェノキシスズ、メトキシエトキシスズ、エトキシエトキシスズ、スズ2,4−ペンタンジオネート、スズ2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートなどを例示できる。

L’がヒ素の場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシヒ素、エトキシヒ素、プロポキシヒ素、ブトキシヒ素、フェノキシヒ素などを例示できる。

L’がアンチモンの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシアンチモン、エトキシアンチモン、プロポキシアンチモン、ブトキシアンチモン、フェノキシアンチモン、酢酸アンチモン、プロピオン酸アンチモンなどを例示できる。

L’がニオブの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシニオブ、エトキシニオブ、プロポキシニオブ、ブトキシニオブ、フェノキシニオブなどを例示できる。

L’がタンタルの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシタンタル、エトキシタンタル、プロポキシタンタル、ブトキシタンタル、フェノキシタンタルなどを例示できる。

L’がビスマスの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシビスマス、エトキシビスマス、プロポキシビスマス、ブトキシビスマス、フェノキシビスマスなどを例示できる。

L’がリンの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、トリメチルフォスファイト、トリエチルフォスファイト、トリプロピルフォスファイト、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト、トリプロピルフォスフェイト、五酸化ニリンなどを例示できる。

L’がバナジウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、バナジウムオキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、バナジウム2,4−ペンタンジオネート、バナジウムトリブトキシドオキシド、バナジウムトリプロポキシドオキシドなどを例示できる。

L’がジルコニウムの場合、一般式(A−3)で示される化合物として、メトキシジルコニウム、エトキシジルコニウム、プロポキシジルコニウム、ブトキシジルコニウム、フェノキシジルコニウム、ジルコニウムジブトキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジプロポキシドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)などを例示できる。

これらの化合物を1種以上選択して、反応前又は反応中に混合してポリシロキサンを形成するための反応原料(モノマー)とすることができる。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンは、例えば上述の一般式(A−1)で示される化合物、及び必要により上述の一般式(A−3)で示される化合物を無機酸、脂肪族スルホン酸、及び芳香族スルホン酸から選ばれる1種以上の化合物を酸触媒として用いて、加水分解縮合を行うことで製造することができる。

このとき使用される酸触媒としては、フッ酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができる。触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、10−6〜10モルが好ましく、より好ましくは10−5〜5モル、更に好ましくは10−4〜1モルである。

これらのモノマーから加水分解縮合によりポリシロキサンを得るときの水の量は、モノマーに結合している加水分解性置換基1モル当たり0.01〜100モルが好ましく、より好ましくは0.05〜50モル、更に好ましくは0.1〜30モルである。添加量が100モル以下であれば、反応に使用する装置が過大になり過ぎないため、経済的である。

操作方法として、触媒水溶液にモノマーを添加して加水分解縮合反応を開始させる。このとき、触媒水溶液に有機溶剤を加えてもよいし、モノマーを有機溶剤で希釈しておいてもよいし、両方行ってもよい。反応温度は0〜100℃が好ましく、より好ましくは5〜80℃である。モノマーの滴下時に5〜80℃に温度を保ち、その後20〜80℃で熟成させる方法が好ましい。

触媒水溶液に加えることのできる、又はモノマーを希釈することのできる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン及びこれらの混合物等が好ましい。

これらの溶剤の中で好ましいものは水溶性のものである。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール;ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体;アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。この中で特に好ましいのは、沸点が100℃以下のものである。

なお、有機溶剤の使用量は、モノマー1モルに対して0〜1,000mL、特に0〜500mLが好ましい。このような使用量であれば、反応容器が過大となり過ぎないため経済的である。

その後、必要であれば触媒の中和反応を行い、加水分解縮合反応で生成したアルコールを減圧除去し、反応混合物水溶液を得る。このとき、中和に使用することのできるアルカリ性物質の量は、触媒で使用された酸に対して0.1〜2当量が好ましい。このアルカリ性物質は水中でアルカリ性を示すものであれば、任意の物質でよい。

続いて、反応混合物から加水分解縮合反応で生成したアルコールなどの副生物を取り除くことが好ましい。このとき反応混合物を加熱する温度は、添加した有機溶剤と反応で発生したアルコールなどの種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき有機溶剤及びアルコールなどの種類、排気装置、凝縮装置、及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。この際除去されるアルコール量を正確に知ることは難しいが、生成したアルコールなどのおよそ80質量%以上が除かれることが望ましい。

次に、反応混合物から加水分解縮合に使用した酸触媒を除去してもよい。酸触媒を除去する方法として、水とポリシロキサンを混合し、ポリシロキサンを有機溶剤で抽出する。このとき使用する有機溶剤としては、ポリシロキサンを溶解でき、水と混合させると2層分離するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンチルメチルエーテル等、及びこれらの混合物を挙げることができる。

更に、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物を使用することも可能である。例えばメタノール+酢酸エチル、エタノール+酢酸エチル、1−プロパノール+酢酸エチル、2−プロパノール+酢酸エチル、ブタンジオールモノメチルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル+酢酸エチル、ブタンジオールモノエチルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル+酢酸エチル、ブタンジオールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、エチレングリコールモノプロピルエーテル+酢酸エチル、メタノール+メチルイソブチルケトン、エタノール+メチルイソブチルケトン、1−プロパノール+メチルイソブチルケトン、2−プロパノール+メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル+メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノエチルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル+メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノプロピルエーテル+メチルイソブチルケトン、メタノール+シクロペンチルメチルエーテル、エタノール+シクロペンチルメチルエーテル、1−プロパノール+シクロペンチルメチルエーテル、2−プロパノール+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル+シクロペンチルメチルエーテル、メタノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エタノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1−プロパノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、2−プロパノール+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル+プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等の組み合わせが好ましいが、組み合わせはこれらに限定されることはない。

なお、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤との混合割合は、適宜選定されるが、水難溶性有機溶剤100質量部に対して、水溶性有機溶剤0.1〜1,000質量部が好ましく、より好ましくは1〜500質量部、更に好ましくは2〜100質量部である。

続いて、中性水で洗浄してもよい。この水は、通常脱イオン水や超純水と呼ばれているものを使用すればよい。この水の量は、ポリシロキサン溶液1Lに対して、0.01〜100Lが好ましく、より好ましくは0.05〜50L、更に好ましくは0.1〜5Lである。この洗浄の方法は、両方を同一の容器にいれ掻き混ぜた後、静置して水層を分離すればよい。洗浄回数は、1回以上あればよいが、10回以上洗浄しても洗浄しただけの効果は得られないため、好ましくは1〜5回程度である。 その他に酸触媒を除去する方法として、イオン交換樹脂による方法や、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキシ化合物で中和したのち除去する方法を挙げることができる。これらの方法は、反応に使用された酸触媒に合わせて適宜選択することができる。

このときの水洗操作により、ポリシロキサンの一部が水層に逃げ、実質的に分画操作と同等の効果が得られている場合があるため、水洗回数や洗浄水の量は触媒除去効果と分画効果を鑑みて適宜選択すればよい。

酸触媒が残留しているポリシロキサン溶液及び酸触媒が除去されたポリシロキサン溶液、いずれの場合においても、最終的な溶剤を加え、減圧で溶剤交換することでポリシロキサン溶液を得る。このときの溶剤交換の温度は、除去すべき反応溶剤や抽出溶剤の種類によるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは15〜80℃である。またこのときの減圧度は、除去すべき抽出溶剤の種類、排気装置、凝縮装置、及び加熱温度により異なるが、好ましくは大気圧以下、より好ましくは絶対圧で80kPa以下、更に好ましくは絶対圧で50kPa以下である。

このとき、溶剤が変わることによりポリシロキサンが不安定になる場合がある。これは最終的な溶剤とポリシロキサンとの相性により発生するが、これを防止するため、安定剤として後述する成分を加えてもよい。加える量としては溶剤交換前の溶液中のポリシロキサン100質量部に対して好ましくは0〜25質量部、より好ましくは0〜15質量部、更に好ましくは0〜5質量部であるが、添加する場合は0.5質量部以上が好ましい。溶剤交換前の溶液に、必要であれば安定剤を添加して溶剤交換操作を行えばよい。

また、ポリシロキサン溶液は0.1〜20質量%の濃度とすることが好ましい。このような濃度とすることで、ポリシロキサンの縮合反応が進行し、有機溶剤に対して再溶解不可能な状態に変化してしまうことがない。また、このような濃度とすることで溶剤の量が適量であるため経済的である。

ポリシロキサン溶液に加える最終的な溶剤として好ましいものはアルコール系溶剤であり、特に好ましいものはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール等のモノアルキルエーテル誘導体である。具体的には、ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等が好ましい。

これらの溶剤が主成分であれば、補助溶剤として、非アルコール系溶剤を添加することも可能である。この補助溶剤としては、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸t−ブチル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンチルメチルエーテル等を例示できる。

また、別の反応操作としては、モノマー又はモノマーの有機溶液に、水又は含水有機溶剤を添加し、加水分解反応を開始させる。このとき触媒はモノマー又はモノマーの有機溶液に添加してもよいし、水又は含水有機溶剤に添加しておいてもよい。反応温度は0〜100℃が好ましく、より好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後20〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。

有機溶剤を使用する場合は、水溶性のものが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール等のアルコール類;ブタンジオールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ブタンジオールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ブタンジオールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール縮合物誘導体;アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等、及びこれらの混合物等を挙げることができる。

有機溶剤の使用量は、上記の量と同様でよい。得られた反応混合物に対して、上記と同様の方法で後処理を行い、ポリシロキサンを得ることができる。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物に含有されるポリシロキサンは、例えば上述の一般式(A−1)で示される化合物、及び必要により上述の一般式(A−3)で示される化合物を、塩基触媒の存在下、加水分解縮合を行うことで製造することもできる。

このとき使用される塩基触媒としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリンハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、10−6モル〜10モルが好ましく、より好ましくは10−5モル〜5モル、更に好ましくは10−4モル〜1モルである。

これらのモノマーから加水分解縮合によりポリシロキサンを得るときの水の量は、モノマーに結合している加水分解性置換基1モル当たり0.1〜50モルを添加することが好ましい。添加量が50モル以下であれば、反応に使用する装置が過大になり過ぎないため、経済的である。

操作方法として、触媒水溶液にモノマーを添加して加水分解縮合反応を開始させる。このとき、触媒水溶液に有機溶媒を加えてもよいし、モノマーを有機溶媒で希釈しておいてもよいし、両方行っても良い。反応温度は0〜100℃が好ましく、より好ましくは5〜80℃である。モノマーの滴下時に5〜80℃に温度を保ち、その後20〜80℃で熟成させる方法が好ましい。

塩基触媒水溶液に加えることのできる、又はモノマーを希釈することのできる有機溶媒としては、酸触媒水溶液に加えることのできるものとして例示した有機溶剤と同様のものが好ましく用いられる。なお、有機溶媒の使用量は、モノマー1モルに対して0〜1,000mLが好ましく、特に0〜500mLが好ましい。このような使用量であれば、反応容器が過大となり過ぎないため経済的である。

その後、必要であれば触媒の中和反応を行い、加水分解縮合反応で生成したアルコールを減圧除去し、反応混合物水溶液を得る。このとき、中和に使用することのできる酸性物質の量は、触媒で使用された塩基性物質に対して0.1〜2当量が好ましい。この酸性物質は水中で酸性を示すものであれば、任意の物質でよい。

続いて、反応混合物から加水分解縮合反応で生成したアルコールなどの副生物を取り除くことが好ましい。このとき反応混合物を加熱する温度及び減圧度は、酸触媒を用いる場合と同様にすればよい。

次に、反応混合物から加水分解縮合に使用した塩基触媒を除去してもよい。塩基触媒を除去する方法として、水とポリシロキサンを混合し、ポリシロキサンを有機溶剤で抽出する。このとき使用する有機溶剤としては、酸触媒を除去する際に用いられるものとして具体的に例示した上述の有機溶剤と同様のものを用いることができる。

更に、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物を使用することも可能である。このとき使用する水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤の混合物としては、酸触媒を除去する際に用いられるものとして具体的に例示した上述の混合物と同様のものを用いることができる。 なお、水溶性有機溶剤と水難溶性有機溶剤との混合割合は、酸触媒を除去する際に用いられるものと同様でよい。

続いて、中性水で洗浄してもよい。この水は、通常脱イオン水や超純水と呼ばれているものを使用すればよい。このときの水の量、洗浄方法、洗浄回数は、酸触媒を用いる場合と同様にすればよい。 また、このときの水洗操作により、ポリシロキサンの一部が水層に逃げ、実質的に分画操作と同等の効果が得られている場合があるため、水洗回数や洗浄水の量は触媒除去効果と分画効果を鑑みて適宜選択すればよい。

塩基触媒が残留しているポリシロキサン溶液及び塩基触媒が除去されたポリシロキサン溶液、いずれの場合においても、最終的な溶剤を加え、減圧で溶剤交換することでポリシロキサン溶液を得る。このときの溶剤交換の温度や減圧度、及び最終的なポリシロキサン溶液の濃度は酸触媒を用いる場合と同様にすればよい。 また、ポリシロキサン溶液に加える最終的な溶剤も、酸触媒を用いる場合と同様のものを用いることができる。 また、酸触媒を用いる場合と同様、安定剤を添加してもよい。

また、別の反応操作としては、モノマー又はモノマーの有機溶液に、水又は含水有機溶剤を添加し、加水分解反応を開始させる。このとき触媒はモノマー又はモノマーの有機溶液に添加してもよいし、水又は含水有機溶剤に添加しておいてもよい。反応温度は0〜100℃が好ましく、より好ましくは10〜80℃である。水の滴下時に10〜50℃に加熱し、その後20〜80℃に昇温させて熟成させる方法が好ましい。 なお、有機溶剤を使用する場合は、酸触媒を用いる場合と同様のものを用いることができる。

得られるポリシロキサンの分子量は、モノマーの選択だけでなく、重合時の反応条件制御により調整することができるが、重量平均分子量が100,000以下、より好ましくは200〜50,000、更には300〜30,000のものを用いることが好ましい。重量平均分子量が100,000以下であれば、異物の発生や塗布斑が生じる恐れがない。 なお、上記重量平均分子量に関するデータは、検出器としてRI、溶離溶剤としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準物質としてポリスチレンを用いて、ポリスチレン換算で分子量を表したものである。

(その他の添加成分) 本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、安定性を向上させるために、炭素数が1〜30の1価又は2価以上の有機酸を添加することが好ましい。このような有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、クエン酸等を例示することができる。特にシュウ酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸等が好ましい。また、安定性を保つため、2種以上の酸を混合して使用してもよい。添加量は組成物に含まれるポリシロキサン100質量部に対して0.001〜25質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜15質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。 あるいは、上記有機酸を組成物のpHに換算して、好ましくは0≦pH≦7、より好ましくは0.3≦pH≦6.5、更に好ましくは0.5≦pH≦6となるように配合することが好ましい。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、水を添加してもよい。水を添加すると、ポリシロキサンが水和されるため、リソグラフィー性能が向上する。組成物の溶剤成分における水の含有率は好ましくは0質量%を超え50質量%未満であり、より好ましくは0.3〜30質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。 水を含む全溶剤の使用量は、ベースポリマー(ポリシロキサン)100質量部に対して100〜100,000質量部が好ましく、より好ましくは200〜50,000質量部である。このような添加量とすることで、リソグラフィー性能を向上させることができ、かつ塗布膜の均一性が悪化しにくいため、はじきの発生を抑えることができる。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、熱、光又はその両方の作用により酸を発生する酸発生剤を添加してもよい。このような酸発生剤としては、具体的には、特開2007−199653号公報の(0061)段落から(0084)段落に記載されている酸発生剤が挙げられる。

本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、フッ素を含有する有機化合物を添加してもよい。具体的には、以下のような化合物が例示される。

フッ素を含有する有機物は、ケイ素含有膜形成用組成物に用いる溶媒に溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば下記一般式(F1)〜(F4)で示される繰り返し単位のうち1種以上を含有するものであることが好ましい。

式中、RF1、RF7、RF9、RF14は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基である。

RF2〜RF6は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、−C(CF3)2ORF16、又は1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基又はアルコキシ基を示し、RF2〜RF6の1つ以上がフッ素原子あるいはフッ素を含有する基である。RF2〜RF6が1つ以上の水素がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルコキシ基である場合の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基を挙げることができ、これら基の一部あるいは全部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。

RF16、RF8、RF13は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。1価有機基としては水酸基の保護基を種々用いることができ、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イコサニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基等の1価炭化水素基を挙げられる。また、これら1価炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよく、構成する−CH2−が−O−又は−C(=O)−に置換されていてもよい。

また、RF16、RF8、RF13としては、下記一般式(R1−1)、(R1−2)で示される基、炭素数4〜20、特に炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜5のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20、特に炭素数4〜15のオキソアルキル基、炭素数1〜10のアシル基等を挙げることができる。

ここで、破線は結合手を示す(以下、同様である)。RL01、RL02は水素原子、又は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。

RL01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合にはRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。

RL04は、炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、又は上記一般式(R1−1)で示される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはt−ブチル基、t−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示でき、アシル基としては、具体的にはフォルミル、アセチル、エチルカルボニル、ピバロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル等を例示できる。yは0〜6の整数である。

上記式(R1−1)で示される保護基のうち、直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。

上記式(R1−1)で示される保護基のうち、環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。

上記式(R1−2)で示される保護基としては、具体的にはt−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、t−アミロキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。

LF1は単結合又は−C(=O)O−を示す。mfは0又は1を示す。

LF2は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状の2価又は3価の炭化水素基を示す。LF2としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、2−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、2−メチルヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘプタン、エチルシクロヘキサン、1−メチルアダマンタン、2−メチルアダマンタン、1−エチルアダマンタン、2−エチルアダマンタン等の炭化水素から水素原子2つ又は3つを除いたものを挙げることができる。 nfは1又は2を示す。

RF10〜RF12は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基を示す。RF10〜RF12は任意の組み合わせで少なくともそのうちの2つが互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。

炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状の1価有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基等のアリール基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基等の一価の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基等のアシロキシ基を挙げることができ、これらの基中の水素原子の一部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロキシ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよい。

RF10〜RF12は、任意の組み合せで少なくともそのうち2個が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。環を形成する組み合わせの典型的な例としては、RF10とRF11、RF10とRF12、RF11とRF12が挙げられる。この場合、形成される環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、アダマンタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等の炭素数3〜12の脂環式炭化水素が例示でき、これらを含む縮合環でもよい。また、これらの脂環式炭化水素の水素原子の一部が水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アルコキシアルキル基、アシロキシ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよい。 ofは0又は1を示す。

RF15は、1つ以上の水素がフッ素原子で置換された炭素数2〜15の炭化水素基を示す。RF15としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、アダマンチル基中の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基を挙げることができる。

上記一般式(F1)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

(式中、RF1は上記と同様である。)

上記一般式(F2)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

(式中、RF7は上記と同様である。)

上記一般式(F3)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

(式中、RF9は上記と同様である。)

上記一般式(F4)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

(式中、RF14は上記と同様である。)

更に、上記のフッ素を含有する有機化合物には、溶剤への溶解性及び剥離性を向上させるため、上記以外の炭素−炭素二重結合を含有する単量体に基づく繰り返し単位を1種以上導入してもよい。これらの単位として以下に示すヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、エステル基、及びエーテル構造のいずれか1つ以上を有する繰り返し単位を例示できるが、これらに限定されるものではない。

(式中、R01は水素原子、メチル基、フッ素原子、ヒドロキシメチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。)

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、必要に応じて架橋剤を添加してもよい。このような架橋剤としては、具体的には、特開2007−199653号公報の(0056)段落から(0059)段落に記載されている架橋剤が挙げられる。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、必要に応じて更に架橋性有機基を含むポリシロキサンを添加してもよい。このようなポリシロキサンとしては、具体的には、一般式(A−1)、(A−2)で示される化合物のうち、エポキシ基を持つモノマー、フェノール性水酸基を持つモノマー、三級アルキル基が結合したフェノール性水酸基を持つモノマーを加水分解縮合して得られるポリシロキサンが挙げられる。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。このような界面活性剤としては、具体的には、特開2009−126940号公報の(0185)段落に記載されている界面活性剤が挙げられる。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、必要に応じて熱架橋促進剤を添加してもよい。このような熱架橋促進剤としては、具体的には、特開2007−302873号公報に記載されている熱架橋促進剤が挙げられる。

なお、上記熱架橋促進剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱架橋促進剤の添加量は、ベースポリマー(上記のポリシロキサン)100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.1〜40質量部である。

また、本発明に用いられるケイ素含有膜形成用組成物には、必要に応じて熱架橋用酸発生剤を添加してもよい。このような熱架橋用酸発生剤としては、具体的には、特開2007−226204号公報に記載されている熱架橋用酸発生剤が挙げられる。

なお、上記熱架橋用酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱架橋用酸発生剤の添加量は、ベースポリマー(上記のポリシロキサン)100質量部に対して、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部である。

ここで、ケイ素含有膜中のケイ素含有量は、以下のように定義される。 一般式(A−1)で示される加水分解性ケイ素化合物をモノマーとした場合、十分な水を添加して完全に加水分解縮合させたときに得られるポリシロキサンの反応は、以下のようになる。 R1AA1R2AA2R3AA3Si(OR0A)(4−A1−A2−A3) + ((4−A1−A2−A3)/2)H2O → R1AA1R2AA2R3AA3SiO((4−A1−A2−A3)/2) ここで、R1AA1R2AA2R3AA3部分の式量をRwとすると、加水分解縮合で得られるポリシロキサンの式量Rsは、以下の式で表される。 Rs=Rw+28.1+16.0×((4−A1−A2−A3)/2) 従って、ポリシロキサン中のケイ素含有量S1(質量%)は、以下の式で表される。 S1=(28.1/Rs)×100 2種類以上のモノマーを混合してポリシロキサンを得る場合、モノマー1のRsをRs1、そのモル比をRm1、モノマー2のRsをRs2、そのモル比をRm2、モノマーnのRsをRsn、そのモル比をRmnとすると、ポリシロキサン中のケイ素含有量S1(質量%)は、以下の式で表される。

更に、上記ポリシロキサン100gに対して、組成物に添加されるフッ素を含有する有機化合物と架橋剤の質量をそれぞれRFw、RXwとすると、ケイ素含有膜中のケイ素含有率S(質量%)は、以下の式で表される。 S=S1/(100+RFw+RXw)

上述のように、本発明では、ケイ素含有膜中のケイ素含有量は1質量%以上30質量%以下とする必要があり、より好ましくは5質量%以上25質量%以下である。ケイ素含有量が30質量%を超えると、剥離液による湿式剥離工程で、基板上に剥離が不完全な場合に発生する残渣が残る。一方、ケイ素含有量が1質量%未満では、レジスト膜や有機下層膜とのドライエッチング選択性が悪化し、3層レジストプロセスにおけるパターン形成が困難となる。

本発明におけるケイ素含有膜は、上述のケイ素含有膜形成用組成物を用いて、レジスト膜と同様にスピンコート法等で有機下層膜上に成膜することが可能である。スピンコート後、溶剤を蒸発させることでレジスト膜とのミキシング防止し、また架橋反応を促進させるためにベークをする。ベーク温度は50〜500℃の範囲内が好ましく、ベーク時間は10〜300秒の範囲内が好ましい。特に好ましい温度範囲は、製造されるデバイスの構造にもよるが、デバイスへの熱ダメージを少なくするため、400℃以下が好ましい。

また、ケイ素含有膜の膜厚は、特に限定されないが、20nmから100nm程度とすることが好ましい。

[レジスト膜] 本発明でケイ素含有膜上に形成されるレジスト膜は、酸の作用により極性が変化して現像液に対する溶解度が変化する重合体を含有するレジスト組成物を塗布して形成されたものであればよい。このようなレジスト組成物としては、公知のものを用いることができる。また、レジスト膜の膜厚は、特に限定されないが、100nmから200nm程度とすることが好ましい。

<半導体装置基板の製造方法> 以下、本発明の半導体装置基板の製造方法について図面を参照しながら詳しく説明する。図1は、本発明の半導体装置基板の製造方法の一例を示すフロー図である。 図1の半導体装置基板の製造方法では、まず半導体装置製造用被加工体基板1を準備し(図1(0))、(1)工程として、半導体装置製造用被加工体基板1の上に有機下層膜2を形成し(図1(1a))、有機下層膜2上にケイ素含有膜組成物を塗布し加熱することで、ケイ素含有膜3を形成する(図1(1b))。このとき、ケイ素含有膜3中のケイ素含有量が1質量%以上30質量%以下となるようにする。次に、(2)工程として、ケイ素含有膜3上にレジスト組成物を塗布し、レジスト膜4を形成する(図1(2))。次に、(3)工程として、でレジスト膜4を露光し(図1(3a))、現像してレジストパターン4’を形成する(図1(3b))。次に、(4)工程として、レジストパターン4’をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングによりケイ素含有膜3にパターンを転写する(図1(4))。次に、(5)工程として、パターンが転写されたケイ素含有膜3をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより有機下層膜2にパターンを転写する(図1(5))。このとき、ケイ素含有膜3の一部又は全部が、有機下層膜2上に残留するようにドライエッチング条件を調整する。次に、(6)工程として、ケイ素含有膜3の一部又は全部と有機下層膜2で形成されるパターンをマスクとして半導体装置製造用被加工体基板1にイオンを注入する(図1(6))。次に、(7)工程として、マスクとして使用されたケイ素含有膜3の一部又は全部が残った有機下層膜2を剥離液で同時に剥離し、除去する(図1(7))。

(3)工程の露光は、公知の方法で行うことができ、露光光としては、例えばKrFレーザー、ArFレーザーなどを用いることができる。

また、(3)工程の現像は、公知の方法で行うことができる。現像液としては、例えばアルカリ現像液や有機溶剤現像液を用いることができ、使用するレジスト組成物にあわせて適宜選択すればよい。

また、(6)工程のイオン注入で注入されるイオン種は、ホウ素、リン、ヒ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、アルゴン、ケイ素、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、及びアンチモンのいずれかであることが好ましい。

また、本発明では、上述のように(6)工程において、ケイ素含有膜の一部又は全部と有機下層膜で形成されるパターンをマスクとして、半導体装置製造用被加工体基板にイオンを注入することができる。

また、剥離の効率の点から、上述のように(7)工程において、イオン注入のマスクとして使用されたケイ素含有膜の一部又は全部が残った有機下層膜を同時に剥離液で剥離することが好ましいが、もちろん別々に剥離を行ってもよい。

また、(7)工程の剥離に用いる剥離液としては、過酸化水素を含むものを用いることが好ましい。このような剥離液は、ケイ素含有膜の湿式剥離に特に好適である。また、このとき、剥離を促進するため、酸またはアルカリを加えてpHを調整すると更に好ましい。このpH調整剤としては、塩酸や硫酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸などの有機酸、アンモニア、エタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの窒素を含むアルカリ、EDTA(エチレンジアミン4酢酸)などの窒素を含む有機酸化合物などを例示でき、特に硫酸が好ましい。 より具体的には、半導体装置基板に対してダメージを与えない剥離液として、例えば半導体製造プロセスで一般的に使用されているSC1と呼ばれる過酸化水素含有アンモニア水溶液、SC2と呼ばれる過酸化水素含有塩酸、及びSPMと呼ばれる硫酸過水などを好適に用いることができる。

また、(7)工程の剥離は、具体的には、例えば、0℃〜200℃、より好ましくは5℃〜180℃の剥離液を用意し、これに処理したいケイ素含有膜が残留した有機下層膜が形成されている被加工体基板を浸漬するだけでよい。更に、必要であれば、表面に剥離液をスプレーする、被加工体基板を回転させながら剥離液を塗布するなど、定法の手順により容易にケイ素含有膜を除去することが可能である。

また、(7)工程において、剥離液で処理した後、更にフッ素イオンを含む剥離液で剥離することで、より確実にイオン注入に使用したマスクを剥離することができる。

また、(7)工程において、剥離液で処理した後、更にアンモニアを含む洗浄液で洗浄することで、剥離後の半導体装置基板に付着する残渣を除去することができる。 基板上の残渣の数は顕微鏡で調べることができる。基板上のチップの歩留まりを考慮すると、残渣の数としては、50個以下となるのが好ましく、10個以下となるのが更に好ましい。

以上のように、本発明の半導体装置基板の製造方法であれば、ケイ素含有膜中のケイ素含有量を所定の範囲に調整することで、ケイ素含有膜の一部又は全部が有機下層膜上に残っていても、剥離液で有機下層膜と一緒に剥離し除去することができる。このため、ケイ素含有膜と有機下層膜で形成されたパターンをイオン注入のマスクとした場合も、イオン注入後に剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離することができる。このように、3層プロセスでイオン注入後の基板にダメージを与えずに加工を行えることから、本発明は特に3次元トランジスタの製造に好適である。

以下、合成例、実験例、比較実験例、実施例、及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。なお、下記例で%は質量%を示し、分子量測定はGPCによった。

[ケイ素含有化合物の合成] (合成例1) エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g、及び脱イオン水200gの混合物に、モノマー[化100]19.8g及びモノマー[化110]98.6gの混合物を添加し、4時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mL及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと呼ぶ)400gを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGMEAを500g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物1(ケイ素含有量17%)のPGMEA溶液850g(化合物濃度9.9%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=6,500であった。

(合成例2) エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g、及び脱イオン水200gの混合物に、モノマー[化100]19.8g、モノマー[化110]73.9g、及びモノマー[化111]23.6gの混合物を添加し、4時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mL及びPGMEA400gを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGMEAを500g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物2(ケイ素含有量17%)のPGMEA溶液860g(化合物濃度9.6%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=6,600であった。

(合成例3) エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g、及び脱イオン水200gの混合物に、モノマー[化100]19.8g、モノマー[化103]20.9g及びモノマー[化110]73.9gの混合物を添加し、8時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mL及びPGMEA400gを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGMEAを300g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物3(ケイ素含有量19%)のPGMEA溶液670g(化合物濃度10.8%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=8,800であった。

(合成例4) エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g、及び脱イオン水200gの混合物に、モノマー[化104]21.2g、モノマー[化110]86.2g、及びモノマー[化116]18.6gの混合物を添加し、8時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mL及びPGMEA400gを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGMEAを500g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物4(ケイ素含有量16%)のPGMEA溶液920g(化合物濃度9.8%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=7,400であった。

(合成例5) エタノール400g、25%水酸化テトラメチルアンモニウム5g、及び脱イオン水200gの混合物に、モノマー[化100]19.8g、モノマー[化110]61.6g、及びモノマー[化112]41.8gの混合物を添加し、8時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、酢酸2gを加えて中和し、副生アルコールを減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mL及びPGMEA400gを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGMEAを500g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物5(ケイ素含有量16%)のPGMEA溶液940g(化合物濃度9.4%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=7,200であった。

(合成例6) メタノール120g、70%硝酸1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化113]94.6g及びモノマー[化114]41.2gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、プロピレングリコールモノエチルエーテル(以下、PGEEと呼ぶ)300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを600g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物6(ケイ素含有量14%)のPGEE溶液940g(化合物濃度9.4%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=1,600であった。

(合成例7) メタノール120g、70%硝酸0.1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化100]9.9g、モノマー[化101]13.6g、及びモノマー[化113]94.6gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを600g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物7(ケイ素含有量17%)のPGEE溶液860g(化合物濃度9.8%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,500であった。

(合成例8) メタノール200g、70%硝酸0.2g、及び脱イオン水100gの混合物に、モノマー[化105]11.4g、モノマー[化113]67.6g、及びモノマー[化116]74.5gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを800g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物8(ケイ素含有量13%)のPGEE溶液1,070g(化合物濃度10.3%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=1,500であった。

(合成例9) メタノール120g、70%硝酸0.1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化100]9.9g、モノマー[化101]13.6g、モノマー[化102]30.4g、及びモノマー[化114]41.2gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを400g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物9(ケイ素含有量25%)のPGEE溶液630g(化合物濃度8.9%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=3,100であった。

(合成例10) メタノール120g、70%硝酸0.1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化100]5.0g、モノマー[化101]17.0g、モノマー[化102]34.2g、モノマー[化116]18.6g、モノマー[化117]2.5g、及びモノマー[化118]5.2gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE200gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,000mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水250mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを200g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物10(ケイ素含有量29%)のPGEE溶液380g(化合物濃度10.9%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,500であった。

(合成例11) メタノール120g、70%硝酸0.1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化100]9.9g、モノマー[化101]13.6g、モノマー[化102]30.4g、及びモノマー[化115]29.8gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE300gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル1,200mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水300mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを200g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物11(ケイ素含有量31%)のPGEE溶液430g(化合物濃度10.4%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=2,900であった。

(合成例12) メタノール120g、70%硝酸0.1g、及び脱イオン水60gの混合物に、モノマー[化100]5.0g、モノマー[化101]20.4g、モノマー[化102]38.1g、モノマー[化117]2.5g、及びモノマー[化118]5.2gの混合物を添加し、12時間、40℃に保持し、加水分解縮合させた。反応終了後、PGEE200gを加え、副生アルコール及び過剰の水を減圧で留去した。そこに、酢酸エチル800mLを加え、水層を分液除去した。残った有機層にイオン交換水200mLを加えて撹拌、静置、分液した。これを3回繰り返した。残った有機層にPGEEを200g加えた後、減圧で濃縮してケイ素含有化合物12(ケイ素含有量38%)のPGEE溶液290g(化合物濃度11.0%)を得た。このもののポリスチレン換算分子量を測定したところMw=3,200であった。

以下に合成例で用いたモノマーを示す。

[ケイ素含有膜形成用組成物溶液の調製] 上記合成例で得られたケイ素含有化合物、添加剤、溶剤を表1A及び表1Bに示す割合で混合し、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、ケイ素含有膜形成用組成物溶液をそれぞれ調製し、それぞれSol.1〜25とした。

TPSMA :マレイン酸モノ(トリフェニルスルホニウム) BnTBATf :ベンジルトリブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート フッ素含有ポリマー :

紫外線吸収剤 :

[実験例・比較実験例] (パターニング試験) シリコンウエハー上に、信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボン含有量80質量%)を膜厚200nmで形成した。その上にケイ素含有膜形成用組成物溶液Sol.1〜25を塗布し、200℃で60秒間加熱して膜厚35nmのケイ素含有膜Film1〜25を形成した。

続いて、Film1〜25上に表2に記載のポジ現像用ArFレジスト溶液(PR−1)を塗布し、110℃で60秒間ベークして膜厚250nmのフォトレジスト層(レジスト膜)を形成した。 次いで、これらをArF露光装置((株)ニコン製;NSR−S307E,NA0.85、σ0.85、0.93/0.85)で露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、120nm 1:1のポジ型のラインアンドスペースパターンを得た。得られたパターンのパターン倒れを(株)日立ハイテクノロジーズ製電子顕微鏡(CG4000)で観測し、断面形状を(株)日立製作所製電子顕微鏡(S−9380)で観測した。結果を表3に示す。

ArFレジストポリマー1:分子量(Mw)=6,800 分散度(Mw/Mn)=1.68

酸発生剤(PAG1):トリフェニルスルホニウムノオナフルオロブタンスルホネート 塩基(Quencher):トリエタノールアミン

表3に示されるように、ケイ素含有膜中のケイ素含有量が1〜30質量%である実験例1〜22(Film1〜22)と、ケイ素含有膜中のケイ素含有量が30質量%を超える比較実験例1〜3(Film23〜25)のいずれにおいても、垂直の断面形状を有するパターンが得られ、またパターン倒れは発生しなかった。

[実施例・比較例] (パターンエッチング・イオン注入・湿式剥離試験) 上記パターニング試験でレジストパターンを形成したシリコンウエハーに対して、形成したレジストパターンをマスクにして条件(1)でドライエッチングを行い、ケイ素含有膜にパターンを転写した。次に、パターンが転写されたケイ素含有膜をマスクにして条件(2)でドライエッチングを行い、スピンオンカーボン膜にパターンを転写した。なお、このとき、スピンオンカーボン膜上にケイ素含有膜の一部が残留するようにした。

(1)CHF3/CF4系ガスでのエッチング条件 装置:東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置 Telius SP エッチング条件(1): チャンバー圧力 10Pa Upper/Lower RFパワー 500W/300W CHF3ガス流量 50mL/min CF4ガス流量 150mL/min Arガス流量 100mL/min 処理時間 40sec

(2)O2/N2系ガスでのエッチング条件 装置:東京エレクトロン(株)製ドライエッチング装置 Telius SP エッチング条件(2): チャンバー圧力 2Pa Upper/Lower RFパワー 1,000W/300W O2ガス流量 300mL/min N2ガス流量 100mL/min Arガス流量 100mL/min 処理時間 30sec

次に、上記のドライエッチングによってパターンが形成され、ケイ素含有膜の一部が残留したスピンオンカーボン膜をマスクとして、日新イオン機器(株)製イオン注入装置 EXCEED3000AHを用いて、80keV、7X1015/cm2の条件で、シリコンウエハーにホウ素イオンを注入した。

次に、上記のようにしてイオン注入を行ったシリコンウエハーに対して、硫酸過水(H2SO4:H2O2:H2O=96:1:3)を用いて湿式剥離を行い、マスクとして使用したケイ素含有膜の一部が残留したスピンオンカーボン膜を除去した後、光学顕微鏡を用いてマスクの残渣の数を計測した。結果を表4に示す。

表4に示されるように、ケイ素含有量が1〜30質量%であるケイ素含有膜(Film1〜22)を用いた実施例1〜22では、剥離後の残渣がほとんどないことから、イオン注入後にイオン注入に使用したマスクを剥離液で湿式剥離できていることが分かる。 一方、ケイ素含有量が30質量%を超えるケイ素含有膜Film23〜25を用いた比較例1〜3では、剥離後の残渣が見られ、イオン注入後にイオン注入に使用したマスクを剥離液で湿式剥離できていないことが分かる。

以上のことから、本発明の半導体装置基板の製造方法であれば、ケイ素含有膜を使用した半導体装置基板の製造方法において、イオン注入に使用したマスクを剥離液で容易かつ半導体装置基板にダメージを与えることなく湿式剥離することができることが明らかとなった。

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

1…半導体装置製造用被加工体基板、 2…有機下層膜、 3…ケイ素含有膜、 4…レジスト膜、 4’…レジストパターン。

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