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塩素含有樹脂用液状安定剤およびその製造方法

阅读:46发布:2020-05-11

专利汇可以提供塩素含有樹脂用液状安定剤およびその製造方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】透明性を損なうことなく、離型性を向上させることが可能な液状安定剤を提供すること。 【解決手段】本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤は、酸価が5mgKOH/g以上である 酸化 ポリエチレンワックスと、分散媒と、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む。本発明の液状安定剤は分散体であり、該酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D 50 )が1μm〜50μmである。 【選択図】なし,下面是塩素含有樹脂用液状安定剤およびその製造方法专利的具体信息内容。

酸価が5mgKOH/g以上である酸化ポリエチレンワックスと、 分散媒と、 亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種と、を含む、塩素含有樹脂用液状安定剤であって、 該液状安定剤が分散体であり、該酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D50)が1μm〜50μmである、塩素含有樹脂用液状安定剤。前記酸化ポリエチレンワックスの含有量が、液状安定剤全量に対して、0.1重量%〜15重量%である、請求項1に記載の液状安定剤。前記酸化ポリエチレンワックスの密度が0.85g/cm3以上である、請求項1または2に記載の液状安定剤。分散剤をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の液状安定剤。少なくとも分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを、酸化ポリエチレンワックスの滴点以上の温度で混合すること、および、 該混合物を撹拌しながら冷却すること、を含む、塩素含有樹脂組成物用液状安定剤の製造方法。混合物の温度が90℃以下になるまで撹拌しながら冷却する、請求項5に記載の製造方法。前記撹拌を高速撹拌分散機または分散メディアを用いる分散粉砕機を用いて行う、請求項5または6に記載の製造方法。分散剤をさらに添加した後、前記撹拌を行う、請求項5から7のいずれかに記載の製造方法。

说明书全文

本発明は塩素含有樹脂組成物用液状安定剤およびその製造方法に関する。

塩化ビニル系樹脂等の塩素含有樹脂は、柔軟性に優れ、加工が容易であるため、様々な用途に用いられている。塩素含有樹脂は、透明性、離型性、および、耐熱性に課題があり、加工時および使用時に熱による塩素含有樹脂の分解も生じ得る。これらの課題のうち、金型からの離型性は製品の生産性に大きく影響するため、重視される傾向がある。塩素含有樹脂組成物ではこれらの課題を改善させるため、多くの場合、液状安定剤が用いられる(特許文献1)。

液状安定剤は、代表的には、亜鉛金属塩、アルカリ土類金属塩、亜リン酸エステル化合物、有機スズ化合物、および、酸化防止剤等を含む。上記課題の解決を目的として、近年、液状安定剤の添加量は増加する傾向がある。しかしながら、液状安定剤の金属塩および亜リン酸エステル化合物の含有量が増加することにより、得られる加工品の透明性が低下する場合がある。

また、組成物の離型性を向上させる他の手段として、滑剤を添加する方法がある。しかしながら、液状の滑剤では十分な離型性が得られないという問題がある。さらに、固形の滑剤は液状安定剤とは別途計量し添加する必要があるため、生産性が低下し得る。また、固形の滑剤は液状安定剤との相溶性が低いため、液状安定剤に添加しても固形の滑剤が沈降し、組成分離が生じ得る。そのため、各製造工程での不具合(例えば、プレートアウトの発生)、および、それに伴う熱安定性の低下等、組成物の所望の特性が損なわれるという問題がある。そのため、透明性および熱安定性といった特性を損なうことなく、離型性を向上可能な液状安定剤が求められている。

特開平2−274748号公報

本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、透明性を損なうことなく、離型性を向上可能な塩素含有樹脂用液状安定剤、および、その製造方法を提供することにある。

本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤は、酸価が5mgKOH/g以上である酸化ポリエチレンワックスと、分散媒と、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む。この塩素含有樹脂用液状安定剤は分散体であり、該酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D50)が1μm〜50μmである。 1つの実施形態においては、上記酸化ポリエチレンワックスの含有量は液状安定剤全量に対して、0.1重量%〜15重量%である。 1つの実施形態においては、上記酸化ポリエチレンワックスの密度は0.85g/cm3以上である。 本発明の別の局面においては、塩素含有樹脂用液状安定剤の製造方法が提供される。この製造方法は、少なくとも分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを、酸化ポリエチレンワックスの滴点以上の温度で混合すること、および、該混合物を撹拌しながら冷却することを含む。 1つの実施形態においては、混合物の温度が90℃以下となるまで撹拌しながら冷却する。 1つの実施形態においては、上記撹拌を高速撹拌分散機または分散メディアを用いる分散機を用いて行う。 1つの実施形態においては、上記混合工程において、分散剤をさらに添加する。

本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤は、酸価が5mgKOH/g以上の酸化ポリエチレンワックスと、分散媒と、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む。本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤は分散体であり、該酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D50)が1μm〜50μmである。上記の通り、固体の滑剤は液状安定剤との相溶性が低いため、製造工程において不具合を起こし得る。本発明の液状安定剤は分散体であり、酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D50)が1μm〜50μmである。このようなメジアン径(D50)で酸化ポリエチレンワックスを含む分散質を含むことにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることができる。さらに、本発明の液状安定剤は、酸化ポリエチレンワックスを含む分散質が分散した状態を良好に維持することができる。そのため、保存安定性に優れた液状安定剤を提供することができる。

以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。

A.液状安定剤 本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤(以下、液状安定剤ともいう)は、酸価が5mgKOH/g以上の酸化ポリエチレンワックスと、分散媒と、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩および有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含む。本発明の液状安定剤は分散体である。本発明の液状安定剤では分散媒中に酸化ポリエチレンワックスを含む分散質が分散した状態である。この分散質のメジアン径(D50)は1μm〜50μmである。酸化ポリエチレンワックスを含む分散質がこのようなメジアン径(D50)で分散していることにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることが可能な液状安定剤を提供することができる。さらに、本発明の液状安定剤は、酸化ポリエチレンワックスが分散した状態を良好に維持することができる。そのため、保存安定性に優れた液状安定剤を提供することができる。

上記分散質のメジアン径(D50)は1μm〜50μmであり、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは1μm〜25μmである。酸化ポリエチレンワックスを含む分散質のメジアン径(D50)が上記範囲であることにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることが可能な液状安定剤を提供することができる。メジアン径(D50)が50μmを超えると、液状安定剤を添加した組成物の透明性が低下し、離型性を向上させる効果も十分に得られない場合がある。さらに、液状安定剤の分散安定性も低下し得る。メジアン径(D50)が1μm未満では、液状安定剤の粘度が高くなり、取扱性が低下するおそれがある。また、分散質が凝集しやすくなり、分散安定性が低下し得る。本明細書において、メジアン径(D50)は体積基準のメジアン径であり、体積基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径をいう。分散質のメジアン径(D50)は、例えば、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、堀場製作所製、製品名:LA−950)により測定することができる。

A−1.酸化ポリエチレンワックス 上記酸化ポリエチレンワックスとしては、酸価が5mgKOH/g以上である酸化ポリエチレンワックスが用いられる。酸化ポリエチレンワックスは1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよい。酸化ポリエチレンワックスの酸価は、好ましくは7mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上である。酸価がこのような範囲であることにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることが可能な液状安定剤が得られる。酸価は好ましくは50mgKOH/g以下であり、より好ましくは45mgKOH/g以下である。なお、本明細書において、酸価はASTM D−1386に準じて測定した値である。

酸化ポリエチレンワックスの密度は、好ましくは0.85g/cm3以上であり、より好ましくは0.95g/cm3以上である。また、酸化ポリエチレンワックスの密度は好ましくは1.1g/cm3以下であり、より好ましくは1.0g/cm3以下である。酸化ポリエチレンワックスの密度がこのような範囲であることにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることができる。密度が0.85g/cm3未満である場合、離型性向上効果が十分に得られない場合がある。また、樹脂組成物の着色、および、透明性の低下が生じる場合がある。なお、本明細書において、密度はASTM D−1505に準じて測定した値である。

酸化ポリエチレンワックスは、150℃における粘度が好ましくは2000cps〜85000cpsであり、より好ましくは3000cps〜10000cpsである。粘度がこのような範囲であることにより、液体安定剤を構成する他の材料と酸化ポリエチレンワックスとを均一に混合することができる。また、液状安定剤(より詳細には分散媒)中に良好に分散させることができる。なお、本明細書において、粘度はブルックフィールド粘度計で測定した値である。

酸化ポリエチレンワックスは市販品を用いてもよい。具体的には、ハネウェル社製の高密度酸化ポリエチレンホモポリマーであるA−C307,307A(酸価7mgKOH/g、密度0.98g/cm3)、A−C316,316A(酸価16mgKOH/g、密度0.98g/cm3)、A−C325(酸価25mgKOH/g、密度0.99g/cm3)、A−C392(酸価30mgKOH/g、密度0.99g/cm3)、A−C330(酸価30mgKOH/g、密度0.99g/cm3)、A−C395,395A(酸価41mgKOH/g、密度1.00g/cm3)等が挙げられる。

酸化ポリエチレンワックスの含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは0.1重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上である。酸化ポリエチレンワックスの含有量が上記範囲であることにより、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることが可能な液状安定剤を提供することができる。酸化ポリエチレンワックスの含有量の上限については特に制限はない。コストが高くなり得、また、液状安定剤の粘度が高くなり、流動性が損なわれるという点からは、酸化ポリエチレンワックスの含有量が15重量%以下であることが好ましい。

A−2.分散媒 分散媒としては、酸化ポリエチレンワックスを分散させることが可能な任意の適切な溶媒が用いられる。例えば、上記酸化ポリエチレンワックスの軟化点(滴点)よりも沸点が高く、酸化ポリエチレンワックスとの相溶性に優れた溶媒が用いられる。例えば、石油系炭化素、アルキルベンゼン等の芳香族系高沸点溶剤等が挙げられる。好ましくは、石油系炭化水素、芳香族系高沸点溶剤が用いられる。分散媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

分散媒としては、市販の溶剤および溶媒を用いてもよい。例えば、JXTGエネルギー株式会社製のAFソルベント4号、および、カクタスソルベント、シェルジャパン株式会社製のシェルゾールA150、ならびに、出光興産株式会社製、イプゾール150等が挙げられる。市販の溶剤および溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

分散媒は液状安定剤を含む組成物の用途、および、用いる酸化ポリエチレンワックスの軟化点(滴点)等に応じて選択され得る。1つの実施形態においては、液状安定剤に含まれる成分が分散媒として機能し得る。例えば、後述する可塑剤が酸化ポリエチレンワックスの分散媒として機能し得る。

液状安定剤における分散媒の含有量は、任意の適切な量に設定され得る。例えば、液状安定剤が含む分散媒以外の成分、例えば、酸化ポリエチレンワックス、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩および有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種、および、任意の他の添加剤の含有量と、分散媒の含有量との合計が100重量%となるよう添加すればよい。

A−3.可塑剤 可塑剤としては、任意の適切な可塑剤を用いることができる。例えば、フタル酸エステル、アジピン酸アルキルエステル、非フタル酸系可塑剤、および、エポキシ化植物油等を用いることができる。可塑剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。1つの実施形態においては、可塑剤は上記分散媒として機能する。したがって、可塑剤としては、室温で液状の可塑剤が好適に用いられる。

フタル酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル(DOP)、テレフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOTP)、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等が挙げられる。

アジピン酸アルキルエステルとしては、例えば、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジブチルジグリコール等が挙げられる。

非フタル酸系可塑剤としては、フタル酸エステル骨格を有しない化合物を用いることができる。例えば、脂肪族環状エステル化合物等が挙げられる。好ましくは、脂肪族環を有するジカルボン酸のアルキルエステルが用いられる。アルキルエステルが有するアルキル基は、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。具体的には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル等が挙げられる。

エポキシ化植物油としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が挙げられる。好ましくはエポキシ化大豆油である。

液状安定剤における可塑剤の含有量は、任意の適切な量に設定され得る。例えば、10重量%〜80重量%であり、好ましくは10重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜30重量%である。また、分散媒として可塑剤を用いる場合、液状安定剤が含む可塑剤以外の成分、例えば、酸化ポリエチレンワックス、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物からなる群より選択される少なくとも1種、および、任意の他の添加剤の含有量と、可塑剤の含有量との合計が100重量%となるよう添加すればよい。

A−4.亜鉛塩、アルカリ土類金属塩および有機スズ化合物 亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および、有機スズ化合物としては、任意の適切な塩および化合物を用いることができる。亜鉛塩およびアルカリ土類金属塩としては、例えば、有機酸亜鉛塩および有機酸アルカリ土類金属塩を用いることができる。これらは、低毒性、かつ、低臭気であることから、食品包装用等に用いられる塩素含有樹脂組成物に用いられる液状安定剤に好適に用いることができる。

有機酸亜鉛塩は、代表的には、有機酸と酸化亜鉛とを反応させて得られる。1つの実施形態においては、有機酸亜鉛塩は、有機酸2当量に対し酸化亜鉛1当量反応して得られる有機酸正塩である。

有機酸は、代表的にはカルボン酸である。カルボン酸としては、例えば、炭素数2〜22の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸および炭素環式カルボン酸が挙げられる。これらの具体例としては、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、トリデカン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、エルカ酸、ベヘン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、ラウリルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸、3−メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、アミノ酢酸、グルタミン酸、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、フマール酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、チオジプロピオン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸が挙げられる。好ましくは、オレイン酸、オクチル酸、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸、3−メチル安息香酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、マレイン酸、トリメリット酸であり、より好ましくは、オレイン酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸、3−メチル安息香酸である。有機酸亜鉛塩は、液状安定剤に1種類のみが含有されてもよく、2種以上が含有されてもよい。

液状安定剤における有機酸亜鉛塩の含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは5重量%〜40重量%であり、より好ましくは5重量%〜20重量%である。有機酸亜鉛塩の含有量がこのような範囲であれば、成形体を製造および/または加工する際の着色を抑えることができる。

有機酸のアルカリ土類金属塩は、代表的には、有機酸とアルカリ土類金属含有物質とを反応させて得られる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)が挙げられる。好ましくは、カルシウム、バリウムである。アルカリ土類金属含有物質としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。有機酸は上記のとおりである。好ましい有機酸は、オレイン酸、安息香酸、パラ−t−ブチル安息香酸である。有機酸のアルカリ土類金属塩は、液状安定剤に1種類のみが含有されていてもよく、2種以上が含有されてもよい。

液状安定剤における有機酸のアルカリ土類金属塩の含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは5重量%〜70重量%であり、より好ましくは5重量%〜50重量%である。アルカリ土類金属塩の含有量がこのような範囲であれば、成形体を製造する際の焼き付きが少なくなり、ロングラン性が改善され得る。

有機スズ化合物としては、例えば、メチルスズメルカプト、ジメチルスズメルカプト、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズメルカプト、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズメルカプト、ジオクチルスズラウレート等が挙げられる。好ましくは、メチルスズメルカプト、ジメチルスズメルカプトである。有機スズ化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

液状安定剤における有機スズ化合物の含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%であり、より好ましくは0.5重量%〜1.0重量%である。有機スズ化合物の含有量がこのような範囲であれば、成型体を製造する際の焼き付きが少なくなり、透明性の高い製品を得ることができる。

A−5.分散剤 1つの実施形態においては、本発明の液状安定剤は分散剤をさらに含む。分散剤をさらに含むことにより、酸化ポリエチレンワックスをより良好に分散させることが可能となり、分散安定性により優れた液状安定剤とすることができる。

分散剤としては、任意の適切な分散剤を用いることができる。例えば、グリセリン系脂肪酸エステル、プロピレングリコール系脂肪酸エステル、ソルビタン系脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルキル(C12〜C20)エーテル、ショ糖脂肪酸(C8〜C22)エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、脂肪酸アルコール(C8〜C18)硫酸塩(Na)、アルキル(C10〜C18)スルホン酸塩(Na、K、NH4)、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜C18)エステル、アルキル(C8〜C22)ベンゼンスルホン酸塩(Na、K、NH4)ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位20)ソルビタン脂肪酸(C12〜C18)エステル、ジアルキル(C6〜C13)スルホコハク酸ナトリウム、ソジウムラウロイルサルコシネート、N−オレイル−N−メチルタウリンナトリウム、n−ドデシルポリオキシエチレン(オキシエチレン単位50)硫酸ナトリウム、ドデシルフェニルポリオキシエチレン(オキシエチレン単位40)硫酸ナトリウム、脂アルキルポリオキシエチレン(オキシエチレン単位40)硫酸ナトリウム、ノニルフェノキシポリオキシエチレン(オキシエチレン単位4)硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位4〜50)アルキル(C8以上)フェニルエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレン(オキシエチレン単位5〜55)リン酸、トリデシルポリオキシエチレン(オキシエチレン単位4〜10)リン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アルキル(C8〜C18)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、グリセリンモノ脂肪酸(C16,C18)エステルのホウ酸エステル、天然直鎖脂肪酸(C8〜C18)コリンエステル塩化物、シュクロース安息香酸、ナフタリンスルホン酸ソーダホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。好ましくは、デカグリセリンモノエステル等のグリセリン系脂肪酸エステルが用いられる。分散剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

分散剤の含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは0.001重量%〜1.0重量%であり、より好ましくは0.001重量%〜0.5重量%である。分散剤の含有量が上記範囲内であることにより、酸化ポリエチレンワックスを良好に分散させることができる。

A−6.亜リン酸エステル化合物 本発明の液状安定剤は、好ましくは亜リン酸エステル化合物をさらに含む。亜リン酸エステル化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4'−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド等が挙げられる。好ましくは、トリラウリルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、モノフェニルジオクチルホスファイトが用いられる。亜リン酸エステル化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

液状安定剤における亜リン酸エステル化合物の含有量は任意の適切な量に設定され得る。亜リン酸エステル化合物の含有量は、液状安定剤全量に対して、好ましくは0重量%〜80重量%であり、より好ましくは0重量%〜60重量%である。上記の範囲の亜リン酸エステル化合物をさらに含むことにより、成形品において透明性や色調、耐候性等の種々の物性がより向上される。

A−7.他の添加剤 本発明の液状安定剤は、上記酸化ポリエチレンワックス、分散媒、可塑剤、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、有機スズ化合物、分散剤、および、亜リン酸エステル化合物以外の任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の具体例としては、β—ジケトン化合物またはその金属塩、エポキシ化合物、充填剤、顔料、染料、架橋剤(または強化剤)、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防カビ剤、殺菌剤、抗菌剤、金属不活性化剤、離型剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤が挙げられる。添加剤の数、種類、組み合わせ、配合量等は、目的に応じて適切に設定され得る。塩化ビニル樹脂組成物を食品包装分野で使用する場合は、塩ビ食品衛生協議会の「塩化ビニル樹脂製品等の食品衛生に係る自主規格」に適合したものを使用するのが好ましい。

β−ジケトン化合物としては、例えば、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、アセチルアセトン等が挙げられる。β−ジケトン化合物の金属塩としては、これらの化合物の亜鉛、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム等の金属塩が挙げられる。

エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等の動植物不飽和油脂のエポキシ化合物、不飽和脂肪酸エステルのエポキシ化合物、芳香族および脂肪族のグリシジルエーテルもしくは飽和脂環化合物のエポキシ化合物等が挙げられる。

酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、および、チオエーテル系化合物等が挙げられる。

ヒンダードフェノール系化合物としては、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−へキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、および、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。

ホスファイト系化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス{2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル}ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、および、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。他のホスファイト系化合物としては、二価フェノール類と反応し環状構造を有するものが挙げられる。

ホスホナイト系化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、および、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。

チオエーテル系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、および、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。

紫外線吸収剤を含む光安定剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、および、ヒンダードアミン系化合物等が挙げられる。

ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、および、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチル−アクリロキシイソプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。

ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、および、2−(4’−オクトキシ−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。

芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のアルキルフェニルサリシレート類等が挙げられる。

シュウ酸アニリド系化合物としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、および、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。

シアノアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。

ヒンダードアミン系化合物としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、および、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジメタノールとの縮合物等が挙げられる。

滑剤としては、脂肪酸、パラフィン、脂肪族ケトン、脂肪酸部分ケン化エステル、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、および、変性シリコーン等を挙げることができる。

脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、モンタン酸、および、これらの混合物等炭素数6〜40の脂肪酸が挙げられる。

パラフィンとしては、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、および、ペトロラクタム等の炭素数18以上のパラフィンが挙げられる。

脂肪酸部分ケン化エステルとしては、モンタン酸部分ケン化エステル等が挙げられる。

脂肪酸低級アルコールエステルとしては、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、アジピン酸エステル、ベヘン酸エステル、アラキドン酸エステル、モンタン酸エステル、および、イソステアリン酸エステル等が挙げられる。

脂肪酸多価アルコールエステルとしては、グリセロールトリステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールモノステアレート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスルトールトリステアレート、ペンタエリスルトールジミリステート、ペンタエリスルトールモノステアレート、ペンタエリスルトールアジペートステアレート、および、ソルビタンモノベヘネート等が挙げられる。

脂肪酸ポリグリコールエステルとしては、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリトリメチレングリコール脂肪酸エステル、および、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。

変性シリコーンとしては、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、および、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。

上記他の添加剤の含有量は、液状安定剤において酸化ポリエチレンワックスを良好に分散させることが可能な範囲で任意の適切な量に設定され得る。

B.塩素含有樹脂用液状安定剤の製造方法 上記塩素含有樹脂用液状安定剤は、任意の適切な方法により製造することができる。例えば、本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤の製造方法により製造することができる。本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤の製造方法は、少なくとも分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを、該酸化ポリエチレンワックスの滴点以上の温度で混合することと、該混合により得られた混合物を撹拌しながら冷却することとを含む。酸化ポリエチレンワックスが液状となる温度(滴点)以上の温度で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを混合し、次いで、この混合物を撹拌しながら冷却することにより、酸化ポリエチレンワックスを含む分散質がより小さいサイズで分散した液状安定剤とすることができる。さらに、得られる液状安定剤において分散質(酸化ポリエチレンワックス)の分散安定性が向上し、保存安定性に優れた液状安定剤を提供することができる。

B−1.加熱・混合 加熱・混合工程では、少なくとも分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを、該酸化ポリエチレンワックスの滴点以上の温度で混合する。具体的には、まず、分散媒と、酸化ポリエチレンワックスと、必要に応じて添加される他の成分とを、酸化ポリエチレンワックスの滴点以上の温度で混合する。この混合は、分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが酸化ポリエチレンワックスの滴点以上で混合されていればよく、任意の適切な方法で行うことができる。例えば、室温において、分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを容器に投入した後、加熱してもよく、予め酸化ポリエチレンワックスの滴点以上に加熱した分散媒および酸化ポリエチレンワックスを容器に投入して混合してもよい。分散媒、および、酸化ポリエチレンワックスは同時に投入してもよく、順次投入してもよい。上記の通り、1つの実施形態においては、可塑剤が溶媒としても機能する。この実施形態においては、可塑剤を投入し、次いで酸化ポリエチレンワックスを投入することが好ましい。

分散媒と酸化ポリエチレンワックスとの加熱は、任意の適切な手段を用いて行うことができる。例えば、加熱装置を備えた金属製またはガラスライニング製のタンク等が挙げられる。

上記加熱は混合物の温度が用いる酸化ポリエチレンワックスの滴点以上となる温度で行う。好ましくは、滴点+0℃〜滴点+30℃、より好ましくは滴点+0℃〜滴点+20℃で加熱を行う。加熱時間は、例えば、5分間〜60分間であり、好ましくは5分間〜30分間である。加熱は、酸化ポリエチレンワックスが分散媒に溶解していることが目視で確認された時点で終了される。具体的には、分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、酸化ポリエチレンワックスが分散媒に溶解し、均一で透明な状態になった時点で終了する。なお、本明細書において、酸化ポリエチレンワックスの溶解とは、酸化ポリエチレンワックスが固体の状態から液体の状態となり、分散媒中に分散していることをいう。

分散媒と酸化ポリエチレンワックスとの混合は、任意の適切な手段を用いて行われる。例えば、ホモミキサー、マイルダー、ラインミキサー、クレアミックス、アジホモミキサー、ホモミックラインフロー、ディスパーミキサー、逆流ミキサー、ダイノーミル、SCミル、スターミルLMZ等の撹拌・乳化装置が用いられる。好ましくは、マイルダー、ラインミキサーが用いられる。撹拌等の混合処理は、分散媒および酸化ポリエチレンワックスを加熱しながら行ってもよく、分散媒および酸化ポリエチレンワックスを加熱し、酸化ポリエチレンワックスを分散媒中に溶解させた後で撹拌等の混合処理をしてもよい。均一に加熱されることから、撹拌しながら加熱を行うことが好ましい。

B−2.撹拌・冷却 分散媒と酸化ポリエチレンワックスとを加熱・混合した後、得られた混合物は撹拌しながら冷却される。撹拌しながら冷却することにより、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスを微細に分散させることが可能となる。さらに、分散した酸化ポリエチレンワックス(分散質)の分散安定性も向上し得る。

撹拌には、上記混合に用いた撹拌・分散手段を用いることができる。好ましくは、ホモミキサー、マイルダー、ハイフレックスディスパーサー(例えば、SMT社製、ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)、ダイノーミル等撹拌の高速撹拌分散機または分散メディアを用いる分散粉砕機が用いられる。これらを用いることにより、混合物を強に撹拌することが可能となり、より小さいメジアン径(D50)で酸化ポリエチレンワックスを分散させることが可能となる。また、撹拌翼を備える撹拌・分散手段を用いる場合、高せん断力を持つ形状の撹拌翼を備えることが好ましい。

上記撹拌における撹拌・分散装置の回転数は、用いる撹拌・分散装置、撹拌翼の形状、分散媒および酸化ポリエチレンワックス以外の添加剤、例えば、分散剤の使用の有無に応じて任意の適切な範囲に設定され得る。例えば、回転数は300rpm〜15000rpmであり、好ましくは300rpm〜10000rpmである。このような回転数とすることにより、酸化ポリエチレンワックスを良好に分散させることができる。

混合物の撹拌・冷却は、室温で混合物が任意の温度になるまで行ってもよく、任意の適切な冷却手段により混合物を冷却しながら撹拌を行ってもよい。冷却手段としては、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、脱イオン水、蒸留水、軟水、RO水等の水;氷;エチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;クーラント;ナイブライン(登録商標、東京理科器械株式会社製)、フロリナート(登録商標、3M社製)、ガルデン(登録商標、Solvay社製)等の市販の冷媒等で容器を冷却しながら、撹拌を行うことができる。

撹拌・冷却は、混合物の温度が好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下となるまで行う。上記範囲となるまで撹拌・冷却を行うことにより、酸化ポリエチレンワックスをより微細に分散させることが可能となる。撹拌・冷却における混合物の温度は、例えば、30℃以上である。

撹拌・冷却の処理時間は、混合物が上記温度となるまで行えばよく、任意の適切な時間に設定され得る。1つの実施形態においては、より速い冷却速度で、より低温に冷却することが好ましい。このように冷却処理を行うことにより、よりメジアン径(D50)の小さい状態で酸化ポリエチレンワックスを分散させることができる。理由は定かではないが、このような冷却処理を行うことにより、分散媒に溶解している酸化ポリエチレンワックスが析出する際の過飽和度が大きくなるためであると考えられる。生産コストの面からは、例えば、1秒間〜3時間であり、好ましくは1秒間〜1時間である。また、混合物の温度が上記温度となった後も、撹拌処理を続けてもよい。

上記の通り、塩素含有樹脂用液状安定剤は、上記分散媒および酸化ポリエチレンワックス以外にも任意の適切な他の成分を含み得る。例えば、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩および/または有機スズ化合物、分散剤、亜リン酸エステル化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機溶剤等を含み得る。これらの他の成分は液状安定剤の製造過程の任意の適切な段階で容器に投入され得る。例えば、加熱前の分散媒および酸化ポリエチレンワックスに添加し、液状安定剤を製造してもよく、加熱後の混合物に添加し、撹拌・冷却処理を行い、液状安定剤を製造してもよく、加熱、および、撹拌・冷却処理後の添加物に添加、混合し、液状安定剤を製造してもよい。なお、分散剤を用いる場合には、分散媒および酸化ポリエチレンワックスの加熱前に添加することが好ましい。加熱前に添加することにより、分散剤を用いることによる効果がより奏され得る。

B−3.その他の工程 上記加熱処理、および、撹拌・冷却処理以外にも任意の適切な他の処理工程を含んでいてもよい。例えば、ろ過処理により混合物から所望のサイズよりも大きい酸化ポリエチレンワックスおよび不純物等を除去してもよい。ろ過は、例えば、任意の適切なメッシュサイズの金網を用いて行うことができる。金網のメッシュサイズは、好ましくは10メッシュ〜100メッシュであり、より好ましくは50メッシュ〜100メッシュである。ろ過処理以外にも、撹拌・粉砕工程、希釈工程、濃縮工程をさらに含んでいてもよい。

C.塩素含有樹脂組成物 上記塩素含有樹脂用液状安定剤は、透明性を損なうことなく、離型性を向上させることができる。そのため、様々な用途に用いられる塩素含有樹脂組成物に好適に用いることができる。また、上記塩素含有樹脂用液状安定剤は、組成を調整することにより、低毒性、かつ、低臭気とすることができる。そのため、食品包装用等の用途にも好適に用いることができる。

C−1.塩素含有樹脂用液状安定剤 塩素含有樹脂組成物において、上記液状安定剤は任意の適切な量で用いることができる。液状安定剤の含有量は、塩素含有樹脂100重量部に対して、好ましくは0.5重量部〜5重量部であり、より好ましくは1重量部〜3重量部である。液状安定剤の含有量を上記範囲にすることにより、透明性、および、離型性に優れた塩素含有樹脂組成物が得られる。液状安定剤の含有量が0.5重量部未満である場合、液状安定剤を添加することによる効果が十分に得られないおそれがある。また、液状安定剤の含有量が5重量部を超えると、コストが高くなり、樹脂組成物を押出成形する際にブリードが発生するおそれがある。

C−2.塩素含有樹脂 塩素含有樹脂としては、塩素原子を含む任意の適切な樹脂を用いることができる。柔軟性、および、難燃性に優れ、様々な用途に用いられることから、塩化ビニル系樹脂が好ましい。塩化ビニル系樹脂としては、例えば、五塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−アルキル、シクロアルキルまたはアリールマレイミド共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは700〜2000である。塩化ビニル系樹脂の重合度がこのような範囲であれば、フィルムおよびシートへの成形性に優れ、ならびに、強度と手触り感とのバランスに優れたフィルムおよびシートが得られる。

C−3.可塑剤 可塑剤としては、任意の適切な化合物を用いることができる。例えば、テレフタル酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル等が挙げられる。可塑剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記液状安定剤に含まれる可塑剤と同一の可塑剤を用いてもよく、異なる可塑剤を用いてもよい。

フィルムおよびシートへの加工に塩化ビニル系樹脂組成物を用いる場合、塩化ビニル系樹脂組成物における可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、好ましくは10重量部以上であり、より好ましくは20重量部以上であり、さらに好ましくは30重量部以上である。また、可塑剤の含有量は例えば、80重量部以下である。また、雑貨ビニルおよび電線被覆材への加工に塩化ビニル系樹脂組成物を用いる場合、塩化ビニル系樹脂組成物における可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、好ましくは10重量部以上80重量部以下であり、より好ましくは20重量部以上60重量部以下である。

C−4.他の添加剤 塩素含有樹脂組成物は、塩素含有樹脂、および、塩素含有樹脂用液状安定剤以外に任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、β−ジケトン化合物またはその金属塩、エポキシ化合物、充填剤、顔料、染料、架橋剤(または強化剤)、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防カビ剤、殺菌剤、抗菌剤、金属不活性化剤、離型剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤等が挙げられる。添加剤の数、種類、組み合わせ、配合量等は、目的に応じて適切に設定され得る。塩化ビニル系樹脂組成物を食品包装分野で使用する場合は、塩ビ食品衛生協議会の「塩化ビニル樹脂製品等の食品衛生に係る自主規格」に適合したものを使用するのが好ましい。これらの添加剤の詳細については、例えば、特許6179740号に詳細に記載されている。当該公報は、その記載が本明細書に参考として援用される。

D.成形体 上記塩化ビニル系脂組成物は、任意の適切な用途に用いられる。本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤を含む塩化ビニル系樹脂脂組成物は優れた透明性および離型性を有する。そのため、金型等を用いて製造する成形体に好適に用いることができる。

上記塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、フィルム、シート、包装容器(例えば、トレイ)、電線被覆材、自動車用内外装材、農業用資材(例えば、ビニルハウス)、ホース、パイプ、壁材、床材、帆布、レザー、玩具、ゴム手袋、ゴムブーツに使用され得る。本発明の液状安定剤を含む樹脂組成物は、好ましくはフィルムまたはシートに使用され、より好ましくは食品包装用シートまたは食品包装用ストレッチフィルムに使用され得る。上記塩化ビニル系樹脂組成物は透明性および離型性に優れる。そのため、ロングラン加工時におけるプレートアウトを防止し、生産性を向上させることができる。さらに、透明性にも優れるため食品包装用シートまたは食品包装用ストレッチフィルムに好適に用いることができる。

塩化ビニル系樹脂組成物が食品包装用途(例えば、食品包装用シートまたは食品包装用ストレッチフィルム)に使用される場合、当該組成物中の液状安定剤は、安全性の観点から、過塩基性カルボン酸塩および過塩基性アルカリ土類金属錯体のいずれも含まないことが好ましい。ただし、不可避の副生物として含まれる場合はあり得る。

塩化ビニル系樹脂組成物の成形方法としては、成形体の用途、所望の形状等に応じて任意の適切な成形方法が採用され得る。具体例としては、押出、射出、カレンダー、インフレーション、ディッピングが挙げられる。フィルムおよびシートの成形方法としては、押出またはカレンダーが好ましい。上記の通り、本発明の液状安定剤を含む樹脂組成物は離型性に優れるため、押出成形に用いられた場合であっても金型への樹脂組成物の付着等を防止し得る。

塩化ビニル系樹脂組成物が食品包装用途(例えば、食品包装用シートまたは食品包装用ストレッチフィルム)に使用される場合、成形体は好ましくは透明である。より詳細には、成形体のヘイズ値は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。なお、ヘイズ値は、後述の実施例に記載の方法で求められる。

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。

[実施例1] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃でまで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤1を得た。

[実施例2] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)57.3重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)0.7重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部を300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、15分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで10分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤2を得た。

[実施例3] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)56.6重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)1.4重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、15分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで10分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤3を得た。

[実施例4] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入、混合した。次いで、分散剤として、デカグリセリンモノエステル(阪本薬品工業社製、商品名:SYグリスター ML−750)0.1重量部をさらに添加、混合した後、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤4を得た。

[実施例5] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)53重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)5重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、30分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤5を得た。

[実施例6] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)48重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)10重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、60分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで60分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤6を得た。

[実施例7] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス2(ハネウェル社製、商品名:A−C307A、酸価:7mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤7を得た。

[実施例8] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス3(ハネウェル社製、商品名:A−C325A、酸価:25mgKOH/g、密度:0.99g/cm3、滴点:136℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤8を得た。

[実施例9] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス4(ハネウェル社製、商品名:A−C392、酸価:30mgKOH/g、密度:0.99g/cm3、滴点:138℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部を300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤9を得た。

[実施例10] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス5(ハネウェル社製、商品名:A−C395A、酸価:41mgKOH/g、密度:1.00g/cm3、滴点:137℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤10を得た。

[実施例11] 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス6(ハネウェル社製、商品名:A−C6702、酸価:15mgKOH/g、密度:0.85g/cm3、滴点:88℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、混合物を撹拌機(SMT社製、商品名:ハイフレックスディスパーサー HG−2 ジェネレーター型)を用いて、1500rpmの条件で撹拌しながら、80℃になるまで30分間かけて冷却した(撹拌冷却工程)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入し、さらに混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤11を得た。

[実施例12] 分散媒として、DOTPに代えて石油系炭化水素(JXTGエネルギー株式会社製、商品名:AFソルベント4号)を用いた以外は実施例4と同様にして、液状安定剤12を得た。

[実施例13] 分散媒として、DOTPに代えてアルキルベンゼン(シェルジャパン株式会社製、商品名:シェルゾールA150)を用いた以外は実施例4と同様にして、液状安定剤13を得た。

(比較例1) 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)58重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持し、透明で均一になっていることを確認した。次いで、80℃になるまで静置、放冷した(撹拌冷却工程なし)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入、混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤C1を得た。

(比較例2) 分散媒(テレフタル酸エステル(DOTP)(可塑剤)、株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)55.9重量部と、酸化ポリエチレンワックス1(ハネウェル社製、商品名:A−C316A、酸価:16mgKOH/g、密度:0.98g/cm3、滴点:140℃)2.1重量部と、亜リン酸エステル化合物(トリラウリルホスファイト、城北化学工業株式会社製、商品名:JP−312L)30重量部とを300mLのガラスフラスコに投入して145℃まで加熱し、20分間温度を保持した。目視で分散媒と酸化ポリエチレンワックスとが混合され、分散媒中に酸化ポリエチレンワックスが溶解し、透明で均一な混合物となっていることを確認した。次いで、80℃になるまで静置、放冷した(撹拌冷却工程なし)。冷却後、オレイン酸亜鉛(堺化学工業社製)12重量部を投入、混合した。次いで、金網(メッシュサイズ:80メッシュ)でろ過し、液状安定剤C2を得た。

(比較例3) 酸化ポリエチレンワックス1に代えて、ポリエチレンワックス(ハネウェル社製、商品名:A−C6A、密度:0.92g/cm3、滴点:106℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、液状安定剤C3を得た。

<評価> 実施例1〜13および比較例1〜3で得られた液状安定剤を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。 1.分散質のメジアン径D50の測定 得られた液状安定剤を分散媒であるエタノールで希釈し、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、製品名:LA−950)を用いて、以下の条件でバッチセル(型番:FRANCTON CELL for LA−950)を用いて、分散質のメジアン径(D50)を測定した。 <測定条件> 分散媒:エタノール 測定上限:3000μm 測定下限:0.01μm 粒子屈折率:1.46 粒子形状:非球形 溶媒屈折率:1.36 2.分散安定性 得られた液状安定剤を遠沈管(直径:15mm、長さ:90mm、型番:9820ST 15−90NP)に投入し、遠心分離機(コクサン社製、製品名:H−500R)を用いて、3000rpmで30分間の条件で遠心処理した。遠心処理後、10分間静置し、沈降の有無を確認した。沈降が見られなかったものを〇、沈降が見られたものを×とした。

3.プレス透明性(ヘイズ値) 塩化ビニル樹脂(信越化学工業株式会社製、商品名:TK−1300)100重量部に、テレフタル酸エステル(株式会社ジェイプラス製、商品名:DOTP)30重量部、エポキシ化大豆油(ESBO)(堺化学工業株式会社製、商品名:インブラフレックスA−6)5重量部、および、実施例1〜13または比較例1〜3で得られた液状安定剤1.5重量部を混合し、塩化ビニル系樹脂組成物を調製した。 各塩化ビニル系樹脂組成物をロール表面温度175℃、ロール間隙0.3mm〜0.5mmに調整した8インチロール機(KANSAI ROLL社製)で5分間混練し、厚さ0.3mmのロールシートを作製した。得られたシートを20枚重ねて表面温度を160℃に設定したプレス機(TOYO SEIKI社製、製品名:MINI TEST PRESS−10)を用いて厚さ5mmになるよう100kg/cm2で10分間保持し、試験片を作製した。次いで、得られた試験片のヘイズ値(濁度)を分光色彩計(日本電色工業(株)製、製品名:SQ−2000)にて測定し、透明性の指標とした。

4.プレートアウト性 塩化ビニル系樹脂3kgに対し、上記DOTPを900g、上記ESBOを150g、実施例1〜13または比較例1〜3で得られた液状安定剤を45gをそれぞれ計量し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、製品名:FM型ヘンシェルミキサー)に投入し、2000rpmで回転させた羽で混合し、混合物の温度が120℃になった時点でヘンシェルミキサーから排出した。 排出した混合物をラボ押し出し機(東洋精機社製、コニカル2D20C型、押出条件:C1:160℃、C2:170℃、C3:180℃、AD:190℃、金型:シートダイ用)で5時間成形加工評価を行った。シート成形加工中に、金型およびリップへの付着物(プレートアウト)の発生状況を目視で確認し、以下の基準で評価した。なお、プレートアウトは、組成物の熱分解に関連して発生することから、熱安定性の傾向を確認することもできる。 4:成型中および成型加工終了後のいずれにおいても、金型およびリップへの付着物が確認されなかった。 3:成型中には金型およびリップへの付着物が確認されなかったが、成型加工評価終了後の金型およびリップには少量の付着物が確認された。成型したシートには付着物当の異常が確認されなかった。 2:成型中から金型およびリップに付着物が発生したが、成型したシートには付着物が確認されなかった。 1:成型中から金型およびリップ全面に付着物が発生し、成型したシートにも金型またはリップから剥離した付着物が確認された。

実施例1〜13で得られた液状安定剤では、いずれも酸化ポリエチレンワックスを含む分散質がメジアン径(D50)1μm〜50μmの範囲で分散しており、分散安定性にも優れていた。さらに、これらの液状安定剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物はいずれも離型性に優れるものであった。さらに、ヘイズ値も低く、優れた離型性と透明性とを両立するものであった。

本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤は、塩化ビニル系樹脂組成物に好適に用いることができる。本発明の塩素含有樹脂用液状安定剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物は、フィルム、シート、包装容器(例えば、トレイ)、電線被覆材、自動車用内外装材、農業用資材(例えば、ビニルハウス)、ホース、パイプ、壁材、床材、帆布、レザー、玩具、ゴム手袋、ゴムブーツ等の成形品に用いることができる。特に、食品包装用フィルムとして好適に用いることができる。

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