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Image forming method for ink set and jet device used therein

阅读:934发布:2021-02-20

专利汇可以提供Image forming method for ink set and jet device used therein专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To provide an ink set, an image forming method using the set and a device thereof for producing a black printed matter of good fixation properties and character quality level, the image density sufficient in practical use and having resistance to water and no bronze phenomenon.
CONSTITUTION: In an ink set combining a liquid composition containing a cationic substance, yellow ink, cyanogen ink and magenta ink, anyone of three kinds of ink contains water-soluble anionic dye, and chromaticity CIE L* a* b* of a black image on a body to be recorded represented by using combinedly the above-said inks is in the range of the following chemical formula: 10≤L*≤30. 0≤a*≤7. -10≤b*≤0.
COPYRIGHT: (C)1995,JPO,下面是Image forming method for ink set and jet device used therein专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 カチオン性物質を含む液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクとを組み合わせたインクセットにおいて、前記3種のインクが何れも水溶性アニオン染料を含み、且つこれらインクを併用して表現した被記録媒体上の黒色画像の色度:CIE
    ***が、下記の数式範囲にあることを特徴とするインクセット。 10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0
  • 【請求項2】 前記アニオン染料が、酸性染料、直接染料、又は反応性染料の何れかである請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項3】 前記各インク中に、インク全重量に対して0.1〜15重量%の前記アニオン染料を含有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項4】 前記液体組成物が、低分子カチオン性物質と高分子カチオン性物質とを併有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項5】 前記液体組成物が、分子量:1000以下のカチオン性物質と分子量:1500以上のカチオン性物質とを併有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項6】 前記低分子カチオン性物質が、分子量:
    100〜700の範囲にある請求項4に記載のインクセット。
  • 【請求項7】 前記高分子カチオン性物質が、分子量:
    1500〜10000の範囲にある請求項4に記載のインクセット。
  • 【請求項8】 前記各インクが、更に水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項9】 前記液体組成物が、更に水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項10】 前記各インク中に、水をインク全重量に対して10〜97.5重量%の範囲で含む請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項11】 前記各インク中に、水溶性有機溶剤をインク全重量に対して2〜80重量%の範囲で含む請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項12】 前記各インクの、25℃における粘度が1〜20cpsの範囲にある請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項13】 前記各インクの表面張力が30dyn
    /cm以上の範囲にある請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項14】 前記各インクのpH値が6〜10の範囲にある請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項15】 前記イエロ−インク又はシアンインクが、染料以外のアニオン性物質を0.05〜10重量%
    の範囲で含有する請求項1に記載のインクセット。
  • 【請求項16】 前記アニオン性物質が、界面活性剤である請求項15に記載のインクセット。
  • 【請求項17】 前記マゼンタインクが、下記の構造式で表される染料を含有する請求項1に記載のインクセット。 【外1】 〔ただし、式中R 1 、R 2 、R 3は下記の官能基を表わす。 R 1 、R 2 ;H、CH 3 、OCH 3 、−SO 3 M、−COO
    M R 3 ;−COCH 3 、 【外2】 R 4 、R 5 ;−COOM、R 6 、−OR 6 (R 6はC 2 〜C 6
    までの分岐してもよいアルキル鎖) M;ナトリウム、リチウム、有機アミン、アンモニウム〕
  • 【請求項18】 カチオン性物質を含む液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクを併用して黒色部を形成する画像形成方法において、前記各インクが何れも水溶性アニオン染料を含み、且つこれらインクを併用した被記録媒体上の黒色画像の色度:CIE
    ***が、下記の数式範囲にあることを特徴とする画像形成方法。 10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0
  • 【請求項19】 インクジェット方式により液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクを被記録媒体に付与して黒色部の記録を行う画像形成方法において、請求項1乃至請求項17の何れかに記載のインクセットを適用したことを特徴とする画像形成方法。
  • 【請求項20】 インクジェット方式が、インクに熱エネルギ−を作用させてインク滴を発生させる方式である請求項19に記載の画像形成方法。
  • 【請求項21】 前記イエロ−インク及びシアンインクの前記被記録媒体への付与量が前記マゼンタインクのそれよりも10〜50%多い請求項19に記載の画像形成方法。
  • 【請求項22】 前記マゼンタインクの打ち込みデュ−
    ティ−を前記イエロ−インク及びシアンインクのそれの50〜80%の範囲に調整して行う請求項19に記載の画像形成方法。
  • 【請求項23】 液体組成物及びインクの収容部とこれらを滴として吐出するヘッド部とを併有する記録ユニットにおいて、請求項1乃至請求項17の何れかに記載のインクセットを適用したことを特徴とする記録ユニット。
  • 【請求項24】 前記ヘッド部に、熱エネルギ−の作用により滴を発生させるジェット方式を適用した請求項2
    3に記載の記録ユニット。
  • 【請求項25】 液体組成物及びインクの収容部を備えたインクカ−トリッジにおいて、請求項1乃至請求項1
    7の何れかに記載のインクセットを適用したことを特徴とするインクカ−トリッジ。
  • 【請求項26】 請求項23又は請求項24に記載の記録ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  • 【請求項27】 請求項25に記載のインクカ−トリッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  • 【請求項28】 更に、インクジェット方式によりインク滴を発生させるヘッド部を備えた請求項27に記載のインクジェット記録装置。
  • 【請求項29】 請求項1乃至請求項17の何れかに記載のインクセットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  • 【請求項30】 更に、インクジェット方式によりインク滴を発生させるヘッド部を備えた請求項29に記載のインクジェット記録装置。
  • 【請求項31】 カチオン性物質を含む液体組成物と、
    各々、水溶性アニオン染料を含むイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクとを併用して表現され、且つ被記録媒体上の色度:CIE L ***が、下記の数式範囲にある黒色部を含むことを特徴とする画像。 10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0
  • 【請求項32】 インクジェット方式に適用される請求項1乃至請求項17の何れかに記載のインクセット。
  • 【請求項33】 熱エネルギ−を利用するインクジェット方式に適用される請求項1乃至請求項17の何れかに記載のインクセット。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、画像形成方法、及びかかる方法に用いるインクセットとインクジェット用機器類に関する。

    【0002】

    【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行うものである。 特に、特公昭61−59911号公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−59914
    号公報において開示された吐出エネルギー供給手段として電気熱変換体を用い熱エネルギーをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度、高品質の画像を高速で記録できる。

    【0003】しかしながら、従来のインクジェット記録に用いられるインクは一般にを主成分とし、これに乾燥防止、目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤を含有したものであり、このようなインクを用いて普通紙に記録を行った場合、十分な定着性が得られなかったり、記録紙表面の填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不均一画像が発生したりする。
    また特にカラー画像を得ようとした場合には、複数の色のインクが紙に定着する以前に次々と重ねられることから、異色のインク画像の境界部分では色が滲んだり、不均一に混ざり合って(以下、この現象をブリーディングと呼ぶことにする)満足すべき画像が得られない。

    【0004】定着性を高める手段として、特開昭55−
    65269号公報には、インク中に界面活性剤等の浸透性を高める化合物を添加することが開示されている。 また特開昭55−66976号公報には揮発性溶剤を主体としたインクを用いることが開示されている。 しかし、
    前者の方法ではインクの記録紙への浸透性が高まる結果、定着性、ブリーディングについてはある程度改善されるものの、インクとともに色材も記録紙の奥深くまで浸透してしまうために画像濃度、彩度が低下したりするなどの不都合が発生するほか、インクの横方向に対する広がりも発生し、その結果、エッジのシャープさが低下したり、解像性が低下したりする問題も発生する。 他方、後者の場合には、前者の不都合に加え、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発による目詰まりが発生しやすく好ましくないものである。

    【0005】さらに、上述した問題点を改善するために、記録インクの噴射に先だって記録媒体上に画像を良好にせしめる液体を付着させる方法が開示されている。

    【0006】例えば、特開昭63−299971号公報には1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を付着させた後、アニオン染料を含有したインクを記録する方法が開示されている。 また、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含有した酸性液体を付着させた後、アニオン性染料を含有したインクを記録する方法が開示されている。

    【0007】さらに特開昭64−63185号公報には、染料を不溶化させる液体をインクの記録に先だって行うという方法が開示されている。

    【0008】しかし上記いずれの方法も染料自体の析出により画像の滲みや耐水性を向上させようとするものであるが、染料を不溶化しているがために染料の凝集体が発色性を著しく低下せしめるという問題点がある。

    【0009】特に水溶性黒色染料を含む黒色のインクをこのような画像形成方法に使用した場合には、染料の凝集による発色性の低下が顕著であり本来ならば黒色に発色すべき印刷部分に赤味がかかる現象、すなわちブロンズ現象が起こり印刷物の品質に多大な影響をおよぼす。

    【0010】また、イエロー、シアン、マゼンタインクの3色混合によって形成されるプロセスブラックにおいてもブロンズ現象が起こりやすい。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記従来技術の実情に鑑みて、下記4点の技術課題を解決することを主たる目的とする。

    【0012】即ち、被記録媒体としての所謂、普通紙に対してインクジェット記録を行う場合に、 (1)良好な定着性を有しながら文字品位も良好であること。 (2)十分な画像濃度が得られ、べた画像の均一性が高いこと。 (3)ブロンズ現象を起こすことなく良好な黒色印字物を得ること。 (4)記録画像の耐水性を完全にすること。 を達成することが本発明の主たる目的である。

    【0013】

    【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
    以下の本発明によって達成される。

    【0014】即ち、第一の本発明は、カチオン性物質を含む液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクとを組み合わせたインクセットにおいて、
    前記3種のインクが何れも水溶性アニオン染料を含み、
    且つこれらインクを併用して表現した被記録媒体上の黒色画像の色度:CIE L ***が、下記の数式範囲にあることを特徴とするインクセットである。

    【0015】10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0

    【0016】又、第二の本発明は、カチオン性物質を含む液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクを併用して黒色部を形成する画像形成方法において、前記各インクが何れも水溶性アニオン染料を含み、且つこれらインクを併用した被記録媒体上の黒色画像の色度:CIE L ***が、下記の数式範囲にあることを特徴とする画像形成方法であり、 10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0

    【0017】第三の本発明は、インクジェット方式により液体組成物とイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクを被記録媒体に付与して黒色部の記録を行う画像形成方法において、前記第一の本発明であるインクセットを適用したことを特徴とする画像形成方法である。

    【0018】更に、第四の本発明は、液体組成物及びインクの収容部とこれらを滴として吐出するヘッド部とを併有する記録ユニットにおいて、前記第一の本発明であるインクセットを適用したことを特徴とする記録ユニットであり、第五の本発明は、液体組成物及びインクの収容部を備えたインクカ−トリッジにおいて、前記第一の本発明であるインクセットを適用したことを特徴とするインクカ−トリッジである。

    【0019】更には又、第六の本発明は、前記第四の本発明である記録ユニット又は前記第五の本発明であるインクカ−トリッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置である。

    【0020】更に別の本発明は、カチオン性物質を含む液体組成物と、各々、水溶性アニオン染料を含むイエロ−インク、シアンインク及びマゼンタインクとを併用して表現され、且つ被記録媒体上の色度:CIE L *
    **が、下記の数式範囲にある黒色部を含むことを特徴とする画像である。

    【0021】10≦L * ≦30 0≦a * ≦7 −10≦b * ≦0

    【0022】次に本発明の作用について述べる。

    【0023】本発明では、上述した液体組成物とインクが記録紙上あるいは記録紙に浸透した所で混合する結果、カチオン性物質とインク中に含まれる染料のアニオン性基が静電的に結合して瞬間的な凝集が起こり、インク中の染料成分と溶剤成分が分離(以後、この現象を固液分離と呼ぶ)し、溶剤成分のみ記録紙中に浸透するので色材である染料成分は滲みを起こさない。

    【0024】以上説明した固液分離は、液体組成物がカチオン性物質として分子量1000以下の成分と分子量1500以上の成分を含む場合にはより効率的に起こる。 なお、本発明で言う分子量とは数平均分子量のことを意味し、これはGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)等の手法を用いて測定されるものである。

    【0025】液体組成物中に分子量の異なる2種のカチオン性物質が存在した場合に前述した固液分離がより一層効率的に起こる理由について詳細なメカニズムは不明であるが、概ね以下のような説明が可能である。

    【0026】まず、反応の第1段階として液体組成物中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分とインクに使用しているアニオン性基を有する水溶性染料がイオン的相互作用により会合を起こし瞬間的に溶液相から分離を起こす。

    【0027】つぎに反応の第2段階として、上述した染料と低分子カチオン性物質の会合体が液体組成物中に含まれる高分子成分により吸着されるために会合で生じた染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむことになり印字品位と定着性の両立が達成される。

    【0028】同時に上述したようなメカニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分とアニオン性染料とカチオン性物質とで形成される凝集体は粘性が大きくなり液媒体の動きとともに移動することがないので従来技術のように定着性を速めても文字又は画像のエッジのシャープさが失われず良好な印字品位が得られる。 また、上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。

    【0029】本発明では、上記凝集体は記録紙上で結晶化を起こす場合もあるものと推定され、インクの染料濃度や染料種或いはインクの吐出量や紙種の違いにより、
    特にインクが黒色である場合には色調に赤みがかかり黒色を呈さない場合が起こりうる。 この現象はイエロー、
    シアン、マゼンタインクの3色混合によって形成されるプロセスブラックにおいても同様の問題であった。

    【0030】そこで、イエロー、シアン、マゼンタインクの3色混合によって黒色画像を形成する際に、下記3
    点に示す手段を用いた。 (1)イエロー、シアン、マゼンタの各インクに用いる水溶性アニオン染料の組み合わせを最適化する。 (2)黒色画像を形成する際のイエロー、シアン、マゼンタの各インクの打ち込み比を制御する。 (3)イエロー、シアン、マゼンタの各インクの少なくとも1つ以上にアニオン性の界面活性剤あるいはアニオン性の高分子物質を添加する。

    【0031】その結果、被記録媒体上での黒色画像の色度:CIEL ***が下記数式範囲にあるような良好な黒色画像が得られることを見出し、本発明に至った。

    【0032】10≦L ≦30 0≦a ≦7 −10≦b ≦0

    【0033】(好ましい実施態様)つぎに本発明の好ましい実施態様について述べ、本発明をさらに詳細に説明する。

    【0034】まず、液体組成物について述べる。

    【0035】本発明で述べる液体組成物に含有されるべき必須成分は、カチオン性物質である。 本発明におけるカチオン性物質の機能としては、後述するインク中に含有される水溶性アニオン染料と静電的引により結合し凝集体を形成することである。 本発明を実施するうえでさらに好ましい実施形態は上述したように上記カチオン性物質が下記の2成分を有することである。

    【0036】(1)分子量が1000以下の低分子カチオン性物質 (2)分子量が1500以上10000以下の高分子カチオン性物質または本発明で述べるインクを構成する必須成分は、 (3)アニオン性基を含有する水溶性アニオン染料 である。

    【0037】(1)の分子量1000以下の低分子カチオン性物質の具体的な例を以下に列挙する。

    【0038】1級ないし2級ないし3級アミン塩型の化合物、具体的にはラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;第4
    級アンモニウム塩型の化合物、具体的にはラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等;ピリジニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン等である。 さらに本発明では、
    あるpH領域においてカチオン性を有する両性界面活性剤も使用できる。 より具体的には、アミノ酸型両性界面活性剤、R−NH−CH 2 −CH 2 −COOH型の化合物、ベタイン型の化合物、具体的にはステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型両性界面活性剤の他、硫酸エステル型、
    スルホン酸型、燐酸エステル型等の両性界面活性剤等がある。 もちろんこれらの両性界面活性剤を使用する場合にはそれらの等電点以下のpHになるように液体組成物を調整するか、記録媒体上でインクと混合した場合に該等電点以下のpHになるように調整するかのいずれかの方法をとる必要がある。

    【0039】以上低分子カチオン性化合物の例を挙げたが本発明で使用することのできる化合物は必ずしもこれらに限定されないことは言うまでもない。

    【0040】(1)の別の例としては、後述するカチオン性高分子成分のモノマー或いはオリゴマーを利用してもよい。

    【0041】以上分子量1000以下の低分子カチオン性物質の例を挙げたが、本発明では分子量100〜70
    0の範囲にあるものが界面活性能があり、染料との反応も早く、画像のエッジのシャープさが向上する点で特に好ましい。

    【0042】また(2)の分子量分が1500以上10
    000以下のカチオン性高分子物質の本発明における作用及び効果についてはやはり上述した通り、無色の液体とインクの反応の第2段階として、上述した染料とカチオン性物質の低分子成分との会合体を分子中に吸着せしめ、会合で生じた染料の凝集体のサイズをさらに大きくして記録紙の繊維間の隙間に入り込みにくくすることにより、固液分離した液体部分のみを記録紙中にしみこませることで印字品位と定着性の両立を達成することにある。 これらのカチオン性高分子物質は、例えばポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミンスルホン塩酸塩、ポリビニルアミン塩酸塩、キトサン酢酸塩等を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるわけではない。 また塩酸塩型、酢酸塩型に限定されるわけではない。

    【0043】また別の具体例としては、ノニオン性高分子物質の一部をカチオン化した化合物でもよい。

    【0044】具体的には、ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキレート4級塩との共重合体、アクリルアマイドとアミノメチルアクリルアマイド4級塩との共重合体等を挙げることができるが、もちろんこれらの化合物に限定されないことは言うまでもない。

    【0045】更に、上述した高分子物質及びカチオン性の高分子物質は水溶性であれば申し分ないが、ラテックスやエマルションの様な分散体であってもかまわない。

    【0046】これらのカチオン性高分子物質の分子量としては1500以上10000以下の化合物が本発明を実施するうえで好ましいが、より好適には1500以上7000以下の化合物が染料の発色性を低下させないという点でさらに好ましい。 また液体組成物をインクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に塗布する際には、分子量が低分子量側にある化合物ほど含有量を上げても、
    溶液粘度が低く保たれるので液体組成物の吐出特性が良好に保たれる利点もある。

    【0047】なお、以上述べた分子量については、例えばGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)
    等の分析手法により得られるポリエチレンオキシド換算の分子量のことを指す。

    【0048】液体組成物中に含有されるこれらの成分の量としては、重量基準で0.05〜20重量%が好適な範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせにより、
    最適な範囲を決定する必要がある。

    【0049】つぎに前記液体組成物を構成するその他の成分について具体的に述べる。 前記液体組成物は前述した(1)、(2)の成分の他に通常、水、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤からなる。

    【0050】水溶性有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
    ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、
    1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルスルホキサイド等が用いられる。 上記水溶性の有機溶剤の含有量について特に制限はないが、1〜60重量%、さらに好ましくは、5〜
    30重量%が好適な範囲である。 この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤、蒸発促進剤等の添加剤を配合してもかまわない。 界面活性剤の選択は、液体の浸透性を調整する上で特に重要である。

    【0051】本発明で述べる液体組成物は、記録インクの色調を変えない範囲の色調を有するものであれば、使用可能である。 又、その液体の物性として好適な範囲は25℃付近でpHが3〜12、表面張力が10〜60d
    yne/cm、粘度が1〜30cps. の範囲である。

    【0052】つぎに、本発明で使用する記録インクについて説明する。

    【0053】本発明で使用する記録インクは、上述したアニオン性基を有する水溶性アニオン染料と水、水溶性有機溶剤、及びその他の成分、例えば粘度調整剤、pH
    調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等からなる。

    【0054】本発明で使用するアニオン性基を含有する水溶性アニオン染料としては、カラーインデックス(C
    OLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。 また、カラーインデックスに記載のないものでも、
    アニオン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基等を有するものであれば特に制限はない。 ここで言う水溶性アニオン染料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然含まれる。

    【0055】本発明で使用するアニオン性基を含有する水溶性シアン染料としては、カラーインデックス(CO
    LOR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。

    【0056】例えば、C. I. アシッドブルー1、7、
    9、23、103、132、142、230、239、
    258、280、C. I. ダイレクトブルー78、8
    6、189、199、225、273、C. I. リアクティブブルー2、14、18、21、25、38、4
    1、63、72、140、207、227、231等が例示可能であるがこれらに限定されるわけではない。

    【0057】また、カラーインデックスに記載のない染料でもアニオン性基例えばスルホン基、カルボキシル基等を有するものであれば特に問題無く使用出来る。

    【0058】イエロー染料についてもシアン染料同様にアニオン性基を有する水溶性アニオン染料であれば特に問題無く使用することが可能である。

    【0059】具体的にはC. I. ダイレクトイエロー8
    6、142、144、C. I. アシッドイエロー11、
    17、23、25、38、44、49、61、72、1
    10、127、158、176等が例示可能であるがこれらに限定されるわけではない。

    【0060】またマゼンタ染料についても同様にアニオン性基を有する水溶性アニオン染料であれば特に問題無く使用することが出来る。

    【0061】具体的には、C. I. アシッドレッド6、
    8、35、37、52、92、133、289等のカラーインデックス(COLOUR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料や、
    さらに下記一般式で表される染料も含まれる。

    【0062】

    【外3】

    〔ただし、式中R

    1 、R

    2 、R

    3は下記の官能基を表わす。

    【0063】R 1 、R 2 ;H、CH 3 、OCH 3 、−SO 3
    M、−COOM R 3 ;−COCH 3

    【0064】

    【外4】

    4 、R

    5 ;−COOM、R

    6 、−OR

    6 (R

    6はC

    2 〜C

    6


    までの分岐してもよい)アルキル鎖 M;ナトリウム、リチウム、有機アミン、アンモニウム〕

    【0065】本発明のインクにおける上記染料の含有量については、特に限定されるものではないが、一般的にはインク全体の0.1〜15重量%、好ましくは0.5
    〜10重量%、より好ましくは0.5〜6重量%がよい。 尚、上記染料は単独でも、又は併用しても使用できる。

    【0066】本発明のインクに使用するのに好適な媒体は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒である。 水としては、種々のイオンを含有する一般の水道水等でなく、脱イオン水を使用するのが望ましい。

    【0067】又、水と混合して使用する水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。

    【0068】本発明のインクの溶媒は、上記の有機溶剤から適当なものを選択して使用するが、本発明のインクの場合には、特にインクの目詰まり防止の観点から、ジエチレングリコール又はチオジグリコールが好適である。

    【0069】更に、周波数応答性の観点から、低級アルコールや界面活性剤の使用が好ましい。

    【0070】従って、本発明のインクにおける好適な溶媒組成としては、水の他上記の如き各種の成分からなる。

    【0071】本発明のインクにおいて、該インク中における水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインク全体の2〜80重量%、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは4〜60重量%である。

    【0072】本発明のインクにおいて、水の含有量は、
    一般的にはインクの全体の10〜97.5重量%、好ましくは35〜97.5重量%、より好ましくは45〜9
    7.5重量%である。 インク中における水の量が10重量%未満になると、形成された記録画像中に低揮発性の有機溶剤が多く残り、染料のマイグレーションや画像の滲み等の問題が発生する恐れがある。

    【0073】本発明のインクは、前記の成分の他に必要に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を含有する。 pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種の有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等による無機アルカリ剤等が挙げられる。

    【0074】又、本発明のインクは、25℃における粘度が1〜20cps、好ましくは1〜15cpsであり、表面張力が15dyn/cm以上、好ましくは25
    dyn/cm以上であり、又、pHが6〜10程度のものである。

    【0075】また、さらに本発明を一層効果的に実施するためにインクに以上説明した成分の他に、アニオン性の界面活性剤あるいはアニオン性の高分子物質を添加してもよい。 あるいは、前記両性界面活性剤をその等電点以上のpHに調整して使用しても良い。 アニオン性界面活性剤の例としては、カルボシ酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般的なものが問題なく使用出来る。 また、アニオン性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、ポリアクリル酸ソーダ、あるいは高分子の一部にアクリル酸を共重合したもの等を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されない。

    【0076】本発明を実施するにあたって使用する被記録媒体については特に制限されるものではなく、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙が好適に使用される。 もちろんインクジェット記録用に特別に作成したコート紙やOHP用透明フイルムも好適に使用されるし、一般の上質紙や光沢紙にも好適に使用可能である。

    【0077】本発明の画像形成方法の好ましい実施態様は、前記液体組成物をインクに先だって、記録媒体の画像形成領域あるいは画像形成領域とその近傍に付着せしめた後、インクを付着せしめることである。 ここで画像の形成領域とは、インクのドットが付着する領域のことであり、画像形成領域の近傍とは、インクのドットが付着する領域の外側の1から5ドット程度離れた領域のことを指す。

    【0078】液体組成物を被記録媒体に付着せしめる方法としては、スプレー、ローラー等によって、被記録媒体の全面に付着せしめる方法が考えられるが、インクが付着する画像形成領域及び画像形成領域の近傍にのみ選択的且つ均一に付着せしめることが可能なインクジェット方式により行われるのが好ましい。 液体組成物を被記録媒体に付着せしめてから、インクを付着させるまでの時間については特に制限されるものではない。

    【0079】液体組成物及びインクを被記録媒体に付着せしめる方法としては、種々のインクジェット方式を用いることは上述した通りであるが、特に好ましいのは、
    熱エネルギーによって発生した気泡を用いて液滴を吐出する方式である。

    【0080】次に、本発明においてのイエローインク、
    シアンインク、マゼンタインクの3色インク混合による黒色画像(以下プロセスブラックという)の形成法について説明する。

    【0081】本発明においては、被記録媒体上におけるプロセスブラックの色度CIEL ***が、10≦
    * ≦30、0≦a * ≦7、−10≦b * ≦0の範囲とする好適な手段として下記3点を例示する。 (1)イエロー、シアン、マゼンタの各インクに用いる水溶性アニオン染料の組み合わせを最適化する。 (2)黒色画像を形成する際のイエロー、シアン、マゼンタ各インクの打ち込み比を制御する。 (3)イエロー、シアン、マゼンタの各インクの少なくとも1つ以上にアニオン性の界面活性剤あるいはアニオン性の高分子物質を添加する。

    【0082】上記3点のような操作を行うことで、イエロー、シアン、マゼンタインクの3色混合によって形成されるプロセスブラックにおいて問題となるブロンズ現象を改善することができ、CIEL ***が上記範囲となる良好な黒色画像が得られる。

    【0083】上記項目(2)については次の2通りの手法によって行うことができる。 (2−a)黒色画像を形成する際のマゼンタインクの打ち込みデューティーを他の2色インクの打ち込みデューティーの50〜80%に制限する。 (2−b)黒色画像を形成する際のイエローインク及びシアンインクの被記録媒体への付与量をマゼンタインクと比較して10〜50%増加させる。

    【0084】インクの付与量を相対的に増加させる方法としては、記録ヘッドの温調温度を上げる、ヘッドに与えるエネルギーをパルス幅、電圧等で増加させる等の方法が例示できる。

    【0085】次に本発明のインクを用いて記録を行なうのに好適なインクジェット記録装置の一例を以下に説明する。 その装置の主要部であるヘッド構例を図1、図2
    及び図3に示す。

    【0086】ヘッド23はインクを通す溝24を有するガラス、セラミックまたはプラスチック板等と、感熱記録に用いれる発熱ヘッド25(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない。)とを接着して得られる。 発熱ヘッド25は酸化シリコン等で形成される保護膜26、アルミニウム電極27−1、27−
    2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層28、蓄熱層29、アルミナ等の放熱性の良い基板30より成っている。

    【0087】インク31は吐出オリフィス(微細孔)3
    2まで来ており、圧力Pによりメニスカス33を形成している。

    【0088】今、電極27−1、27−2に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド25のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク31に気泡が発生し、その圧力でメニスカス33が突出し、インク31が吐出し、オリフィス32より記録小滴34となり、被記録材33に向って飛翔する。 図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。 該マルチヘッドはマルチ溝36を有するガラス板37と、図1に説明したものと同様の発熱ヘッド26を密着して制作されている。

    【0089】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド2
    3の断面図であり、図2は図1のA−B線での断面図である。

    【0090】図4に、上記ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。

    【0091】図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。 ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。 62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。 更に63はブレード61に隣接して設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。 上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復式64が構成され、
    ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵挨等の除去が行われる。 65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66
    は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。 キャリッジ66はガイド軸67としゅう動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。 これによりキャリッジ66はガイド軸6
    7に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。

    【0092】51は被記録材を挿入するための給送部、
    52は不図示のモータにより駆動する送りローラである。 これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が供給され、記録が進行するにつれて排出ローラ53を配した排出部へ排出される。

    【0093】上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。 この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。 なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。

    【0094】記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62、及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。 この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。

    【0095】上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。

    【0096】図5は、ヘッドへのインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。 ここで、40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。 この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
    インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。 44は廃インクを受容する吸収体である。 インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエリレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。 本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すごときそれらが一体になったものにも好適に用いられる。

    【0097】図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
    からインク滴として吐出される構成になっている。 インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロースまたはポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって好ましい。 72は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。 この記録ユニット70は、
    図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し着脱自在となっている。

    【0098】本発明を実施する際のヘッドの構成としては、液体組成物をインクジェットヘッドにより吐出させる方式を利用する場合には、インク吐出用のヘッドをキャリッジの移動方向すなわち記録媒体の走査方向に対して直方向に並列でおいても良いし、また縦列でおいてもよい。 縦列で配置する場合には1つのヘッドのノズルを上半分と下半分に分けてインクと液体組成物の流路を分離して供給する構成にしても良い。 もちろん液体組成物とインクの記録順が逆になるような構成をとっても良い。

    【0099】

    【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて、さらに本発明を具体的に説明する。

    【0100】(実施例1〜24)まず、表1に示した成分を混合溶解した後、さらにポアサイズが0.22μm
    のメンブレンフィルター(商品名 フロロポアフィルター、住友製)にて加圧濾過し、液体組成物;M−1〜4
    を得た。

    【0101】

    【表1】

    【0102】但し、表1中の略号で示した化合物の構造を以下に記載する。

    【0103】PAA−HCL−3L;ポリアリルアミン塩酸塩 分子量:10000 日東紡績製 PAS−A−5;ポリアミンスルホン塩酸塩 分子量:3500 日東紡績製 BTBAC;ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド 東京化成製 G−50;塩化ベンザルコニウム 三洋化成製 DEG;ジエチレングリコール

    【0104】つぎに表2に示した各インクの着色剤成分、アニオン性活性剤とDEG(10部)及び水(残部)を混合し、さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名;フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過してインクの組合せI−1〜5
    を得た。

    【0105】

    【表2】

    【0106】但し、表2中の略号で示したアニオン性界面活性剤の構造を以下に記載する。

    【0107】SLS−30;ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ製) SSS;ステアリル酸ナトリウム(日光ケミカルズ製) サンデットEN;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(三洋化成製) AY:C. I. アシッドイエロー、AR:C. I. アシッドレッド DY:C. I. ダイレクトイエロー、DBL:C. I.
    ダイレクトブルー AB:C. I. アシッドブルー

    【0108】つぎに、上記のようにして得られた液体組成物及びインクを用いて、市販のコピー用紙に記録を行った。 使用したインクジェット記録装置としては、図4
    に示したと同様の記録装置を用い、ヘッドはインク及び液体組成物吐出用のヘッドをキャリッジ移動方向に対して並列におき常にインクの方が後から記録されるような構成にした。 尚、ここで用いた記録ヘッドは、360d
    piの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数5kHzとした。 また、1ドットあたりの吐出体積は、
    55plであった。 これらの記録条件は本発明の実施例、比較例を通じて一定である。 また、印字テストの際の環境条件は、25℃/55%RHに統一してある。

    【0109】記録画像の評価は、つぎの方法で行った。

    【0110】(1)画像濃度 ブラックのベタ画像を液体組成物とシアン、マゼンタ、
    イエローの各インクで形成し、12時間放置後の反射濃度計を反射濃度計マクベスRD915(マクベス社製)
    にて測定した。 評価基準は以下の通り。

    【0111】◎;反射濃度が、1.25以上。

    【0112】〇;反射濃度が、1.20以上〜1.2
    4。

    【0113】△;反射濃度が、1.10〜1.19。

    【0114】×;反射濃度が、1.09以下。

    【0115】(2)定着性 液体組成物と、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを併用してプロセスブラックのベタ画像を形成した。 画像を形成した後、印字部を指で擦っても画像の流れが生じなくなる時間を測定した。 評価基準は、以下の通り。

    【0116】◎;定着性が10秒以内。

    【0117】〇;定着性が20秒以内〜11秒。

    【0118】△;定着性が21秒〜30秒以内。

    【0119】×;定着性が30秒以上。

    【0120】(3)文字品位 上記プロセスブラックの英数文字を印字し、目視にて評価した。 フェザリングが目立たないものを〇として、それ以下のレベルのものについては、×とした。

    【0121】(4)耐水性 (1)で得られた画像を30分放置後、水温;20℃の水道水中へ3秒間浸漬して画像の残存状態を目視にて評価した。 画像の流れのまったく生じないものを〇とした。 それ以外のレベルのものは×とした。

    【0122】(5)色調 上記プロセスブラックのベタ画像を形成した。 目視評価にて、ブラックとして色調が良好な場合を〇とした。 赤みがかったりしている場合を×とした。

    【0123】尚、本発明の実施例、比較例を通じて、液体組成物の被記録媒体への付着領域は、インクの画像形成領域と同一領域であり、印字のデューティは100
    %、さらに液体組成物とインク全ての印字方向は片方向であり常に液体組成物がインクよりも先に打ち込まれている。

    【0124】また、実施例においては、マゼンタインクの打ち込みデューティを減少させるか、あるいはシアンインク、またはイエローインク、またはその両者のインクの吐出量を増加させることによって、3色のインクの打ち込み量を相対的に変化させている。 インクの打ち込み量の調整は、記録ヘッドのヒーターに与えるパルス幅を調整することで行った。

    【0125】実施例に使用した液体組成物とインクの組み合わせを表3及び表4に示した。 同時に以上(1)〜
    (5)の評価結果を表3及び表4に合わせて示した。

    【0126】

    【表3】

    【0127】

    【表4】

    【0128】但し、表3、表4中で使用したインクの打ち込み方法の略号について以下に記載する。 A;プロセスブラックを、イエローインク、シアンインク、マゼンタインクの3色インクを100%デューティーで打ち込み形成する。 B;プロセスブラックを形成する際に、マゼンタインクの打ち込みデューティーを他の2色インクの70%に制御する。 C;プロセスブラックを形成する際のイエローインク、
    シアンインクの吐出量をマゼンタインクと比較して20
    %増加させる。

    【0129】以上の実施例においては、プロセスブラックべた画像の濃度も高く、また色調も良好であった。

    【0130】(比較例1)インク組成I−5を用いて、
    液体組成物を使用しないことを除いては、実施例と同様の印字試験を行い、実施例と全く同様の評価を行った。
    その結果を以下に示す。

    【0131】

    【表5】

    【0132】上記比較例では画像の濃度も低く、又プロセスブラックべたの色調も赤みをおびて良好ではなかった。

    【0133】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば黒色画像部の色調が良好で画像濃度が高く、文字品位に優れた耐水性の完全な印刷物が得られる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。

    【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。

    【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視図である。

    【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。

    【図5】インクカートリッジの縦断面図である。

    【図6】記録ユニットの斜視図である。

    【符号の説明】

    13 ヘッド 15、28 発熱ヘッド 21 インク 25 記録媒体 40 インク袋 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 61 ワイピング部材 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通孔

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06P 5/00 111 A

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