首页 / 专利库 / 测量仪器和方法 / CIE 色度图 / Hologram screen and its production

Hologram screen and its production

阅读:940发布:2021-02-04

专利汇可以提供Hologram screen and its production专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a hologram screen where irregular color is hardly caused on a reproduced video by making emitted light have specified color distribution.
SOLUTION: Video light 120 irradiates the hologram screen 1 from a video projecting device 12. The light 120 is scattered and diffused to an observer 8 side by the screen 1 and becomes the emitted light 121. The video is reproduced by the light 121. The emitted light perpendicularly emitted from the surface of the screen 1 has the color distribution where a color difference Δu'v' between optional two points on the surface of the screen 1 is ≤0.06 in the case of projecting white light as the light 120. A distance between the two points is ≤20 cm. The color difference Δu'v' is derived by Δu'v'={(u'A-u'B)2+(v'A-v'B)2}1/2. The values of chromaticity coordinates at the respective points are (u'A, v'A) and (u'B, v'B), respectively.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO,下面是Hologram screen and its production专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 映像投影装置より入射した映像光を散乱・拡散して出射光となすことにより映像を再生するホログラムスクリーンにおいて,白色光を映像光として投影した際に,上記ホログラムスクリーンの表面にある任意の2点であって,該2点間の距離が20cm以下であるA点及びB点におけるCIE 1976 色度座標(u',v')の値がそれぞれ(u' A ,v' A )及び(u' B
    v' B )である場合,下記の(1)式より導出されるA点とB点との間の色差Δu'v'が0.06以下となるような色目分布を上記ホログラムスクリーンの表面から垂直に出射した出射光が有することを特徴とするホログラムスクリーン。 ここに(1)式とは,Δu'v'={(u' A
    u' B2 +(v' A −v' B21/2である。
  • 【請求項2】 映像投影装置より入射した映像光を散乱・拡散して出射光となすことにより映像を再生するホログラムスクリーンにおいて,白色光を映像光として投影した際に,上記ホログラムスクリーンの表面にある任意の2点であって,該2点間の距離が20cm以下であるA点及びB点におけるCIE 1976 色度座標(u',v')の値がそれぞれ(u' A ,v' A )及び(u' B
    v' B )である場合,下記の(1)式より導出されるA点とB点との間の色差Δu'v'が0.1以下となるような色目分布を上記ホログラムスクリーンの表面から下記の(2)式に基づいて設定された視点に向かって出射した出射光が有することを特徴とするホログラムスクリーン。 ここに(1)式とは,Δu'v'={(u' A −u' B2
    (v' A −v' B21/2である。 また,(2)式とは,H/
    2L=0.1であり,同式において,Lは視点と上記ホログラムスクリーンの中心位置との距離,Hは上記ホログラムスクリーンの高さ方向の長さである。
  • 【請求項3】 請求項1において,上記ホログラムスクリーンの表面から垂直に出射した出射光の分光特性は,
    上記ホログラムスクリーンの全表面におけるピーク波長の差が120nm以下である,または半値幅の差が10
    0nm以下であることを特徴とするホログラムスクリーン。
  • 【請求項4】 光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料として,上記参照光の入射方向に対して厚み分布が傾斜したものを用いることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項5】 請求項4において,上記感光材料として,上記参照光の入射角が大きくなるほど厚み分布が厚くなるものを用いることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項6】 請求項4において,上記感光材料の厚み分布は,該感光材料の中心位置での厚みをT 0 ,感光材料の両端部の厚みの差をΔTとした場合,ΔT≦0.5
    0であることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項7】 請求項4において,上記感光材料の厚み分布には,下記の(3)式の関係が成立することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。 ここに,
    (3)式はT=a(R 0 −R)+T 0及びa=b・θ 0
    -0.9で,T:上記感光材料の任意の位置における厚み,
    0 :上記感光材料の中心位置における厚み,R:上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離,R 0
    上記感光材料の中心位置における参照光入射距離,
    θ 0 :上記感光材料の中心位置における参照光入射角度,b:上記感光材料の厚み分布により定まる係数で0
    <b<1という値である。
  • 【請求項8】 光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料として,参照光の入射方向に傾斜するようなエネルギー分布で予め紫外線を照射したものを使用することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項9】 請求項8において,上記紫外線のエネルギー分布は,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離であるRに対して,下記の(4)式の関係が成立することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。 ここに(4)式は,0.8E≦Euv≦1.2E,
    E=0.01・(R−R 0 )+E 0で,Euv:上記感光材料の任意の位置に照射される紫外線のエネルギー量,
    0 :上記感光材料の中心位置における参照光入射距離,E 0 :上記感光材料の中心位置に照射される紫外線のエネルギー量である。
  • 【請求項10】 光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離を,上記ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際に映像投影装置より入射させる映像光の映像光入射距離よりも短くすることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項11】 光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料の全表面において,入射する参照光と物体光との強度比には,I R /I O ≦10(I Rは参照光強度,I Oは物体光強度である。)という関係が成立することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。
  • 【請求項12】 光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,下記の(A)法〜(D)法を少なくとも2つ組み合わせることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法。 (A)法,上記感光材料として,参照光の入射方向に対して厚み分布が傾斜したものを用いること。 (B)法,上記感光材料として,参照光の入射方向に傾斜するようなエネルギー分布で予め紫外線を照射したものを使用すること。 (C)法,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離を,上記ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際に映像投影装置より入射させる映像光の映像光入射距離よりも短くすること。 (D)法,上記感光材料の全表面において,入射する参照光と物体光との強度比には,I R /I O ≦10(I Rは参照光強度,I Oは物体光強度である。)という関係が成立すること。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【技術分野】本発明は,映像投影装置より入射した映像光を散乱・拡散して出射光となすことにより映像を再生するホログラムスクリーン及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来技術】ホログラムスクリーンについて,簡単に説明する。 後述する図1に示すごとく,ホログラムスクリーン1を観察する観察者8に対して,ホログラムスクリーン1の背後の上方側に映像投影装置12を設置する。
    この映像投影装置12からホログラムスクリーン1に対して映像光120を照射する。 これにより,映像光はホログラムスクリーン1によって観察者8側に散乱・拡散されて,出射光121となる。 この出射光121により映像が再生される。

    【0003】また,ホログラムスクリーン1は透明に構成することが可能である。 このため,観察者8はホログラムスクリーン1で再生される映像と共に,ホログラムスクリーン1の背後にある物体19を観察することができる。 このようにホログラムスクリーン1はこれまでにない視覚効果を持った表示装置として利用することができる。

    【0004】上記ホログラムスクリーン1は,後述する図10に示すごとき露光光学系2を用いて製造することができる。 レーザ発振器210より発振されたレーザビームより得られた一方の分離光212をすりガラス等の光拡散体216に対し透過させる。 これにより得られた拡散光を物体光217として用いる。 また,他方の分離光213を対物レンズ221により参照光218とする。

    【0005】このような物体光217と参照光218とを感光材料220に照射することで,両者により形成された干渉縞が感光材料220に記録される。 その結果,
    光拡散体216が感光材料220に記録され,映像光1
    20を照射することで,上記光拡散体216が再生され,該光拡散体216から拡散光が出射しているのと同等にホログラムスクリーン1が映像光120を回折・散乱することができる。 これによりホログラムスクリーン1において映像を再生できるのである。

    【0006】なお,図10における露光光学系2での上記参照光218の感光材料220の中心位置229への参照光入射θ 0 ,参照光入射距離R 0は,図1における映像光120のホログラムスクリーン1の中心位置10
    9への映像光入射角f ,映像光入射距離F とほぼ等しい。

    【0007】

    【解決しようとする課題】しかしながら,従来方法で作製されたホログラムスクリーンで再生された映像には,
    例えば,ホログラムスクリーンの中心部では,映像光とほぼ同等の色調であってもホログラムスクリーン上部で映像光よりも青っぽく,下部で黄色っぽくなるという現象が発生することがあった(実施形態例3の比較試料C
    1参照)。 つまり,ホログラムスクリーンの全面で映像光の色を正しく再現することができず,観察者に大きな違和感を与えるような不自然な映像が再生されるという問題が生じていた。

    【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーン及びその製造方法を提供するものである。

    【0009】

    【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,映像投影装置より入射した映像光を散乱・拡散して出射光となすことにより映像を再生するホログラムスクリーンにおいて,白色光を映像光として投影した際に,上記ホログラムスクリーンの表面にある任意の2点であって,該2点間の距離が20cm以下であるA点及びB点におけるC
    IE 1976 色度座標(u',v')の値がそれぞれ(u' A ,v' A )及び(u' B ,v' B )である場合,下記の(1)式より導出されるA点とB点との間の色差Δu'v'
    が0.06以下となるような色目分布を上記ホログラムスクリーンの表面から垂直に出射した出射光が有することを特徴とするホログラムスクリーンにある。 ここに(1)式とは,Δu'v'={(u' A −u' B2 +(v' A
    v' B21/2である。

    【0010】上記A点及びB点はホログラムスクリーンの表面(出射光が出射する側の面)での任意の2点で,
    該2点間の距離は20cm以下である(後述する図2参照)。 両点の色度座標から両点の色差は上述の(1)式で得ることができる。 色差が0.06より大である場合には,再生された映像に色ムラが発生するおそれがある。 また,色差は0に近いことが好ましい。 色差を0に近づけることで映像に色ムラを殆ど生じなくすることができる。 なお,CIE 1976 色度座標(u',v')
    とは,CIE(国際照明委員会)で定められるUCS色度座標から得られるu',v'の直交座標を示す値である(JIS規格Z8729)。

    【0011】次に,本発明の作用につき説明する。 本発明で注目すべき点は,上記ホログラムスクリーンの表面の,距離が20cm以下である任意のA点及びB点との間の色差Δu'v'が0.06以下となるような色目分布を出射光が有することである。

    【0012】本発明のホログラムスクリーンの出射光における色差は最大でも0.06であり,各部から発せられる出射光間での色目は差が小さい。 よって,ホログラムスクリーンのいずれの場所からの出射光であっても,
    出射光はほぼ同一の色調を有することとなる。 つまり,
    映像光の色目を反映した出射光を得ることができる。 このため,再生された映像の上部が青っぽく,下部が緑っぽい等という,1枚のホログラムスクリーン内での色ムラを防止することができる。

    【0013】以上,本発明によれば,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンを提供することができる。

    【0014】そして,このようなホログラムスクリーンは照射される映像光の色目を正しく再現することができるため,自然で観察者にとって違和感のない映像を再生することができる。 よって,本発明のホログラムスクリーンは各種の映像表示装置におけるスクリーンとして広く使用することができる。

    【0015】また,ホログラムスクリーンは透明に構成することが容易であるため,例えば,背景を透過させつつ映像を表示するという用途に使用することもできるし,また,映像を表示しない状態では透明となって,視界等を遮らないスクリーンとして使用することができる。 なお,本発明にかかるホログラムスクリーンは各種ショーウィンドーに設置する広告映像用のスクリーンや移動体等に設置するナビゲーション情報表示用のスクリーンとして使用することができる。

    【0016】また,上記映像投射装置としては,各種の投影器や液晶プロジェクタを使用することができる。 また,映像光としては,各種宣伝,広告,環境映像等,映像の種類を問わず使用することができる。

    【0017】なお,本発明にかかる色差であるが,後述する図3に示すごとく,ホログラムスクリーンの正面から見た場合に限定されるものでなく,例えば後述する図7に示すごとくホログラムスクリーンの斜下方や,斜上方,斜左方,斜右方から見た場合でも満足されることが好ましい。

    【0018】次に,請求項2に記載の発明は,映像投影装置より入射した映像光を散乱・拡散して出射光となすことにより映像を再生するホログラムスクリーンにおいて,白色光を映像光として投影した際に,上記ホログラムスクリーンの表面にある任意の2点であって,該2点間の距離が20cm以下であるA点及びB点におけるC
    IE 1976 色度座標(u',v')の値がそれぞれ(u' A ,v' A )及び(u' B ,v' B )である場合,下記の(1)式より導出されるA点とB点との間の色差Δu'v'
    が0.1以下となるような色目分布を上記ホログラムスクリーンの表面から下記の(2)式に基づいて設定された視点に向かって出射した出射光が有することを特徴とするホログラムスクリーンにある。 ここに(1)式とは,Δu'v'={(u' A −u' B2 +(v' A −v' B21/2である。 また,(2)式とは,H/2L=0.1であり,
    同式において,Lは視点と上記ホログラムスクリーンの中心位置との距離,Hは上記ホログラムスクリーンの高さ方向の長さである。

    【0019】上記A点及びB点はホログラムスクリーンの表面(出射光が出射する側の面)での任意の2点で,
    該2点間の距離は20cm以下である(後述する図2参照)。 両点の色度座標から両点の色差は上述の(1)式で得ることができる。 色差が0.1より大である場合には,再生された映像に色ムラが発生するおそれがある。
    また,色差は0に近いことが好ましい。 色差を0に近づけることで映像に色ムラを殆ど生じなくすることができる。

    【0020】本発明のホログラムスクリーンの(2)式において定まる視点に向かう出射光における色差は最大でも0.1であり,各部から発せられる出射光間での色目は差が小さい。 よって,ホログラムスクリーンのいずれの場所からの出射光であっても,映像光が単色であれば,出射光はほぼ同一の色調を有することとなる。 つまり,映像光の色目を反映した出射光を得ることができる。 このため,再生された映像の上部が青っぽく,下部が緑っぽい等という,1枚のホログラムスクリーン内での色ムラを防止することができる。

    【0021】以上,本発明によれば,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンを提供することができる。

    【0022】なお,このようなホログラムスクリーンは視点から観察した場合に照射される映像光の色目を正しく再現した映像を観察することができるため,本発明のホログラムスクリーンは観察者の位置がほぼ固定されている場合の各種の映像表示装置におけるスクリーンとして広く使用することができる。 本発明では視点を1点に設定しているが,この場合には観察者が見ている映像の色むらを測定しているのと同一になるため,観察者の許容できる色差の実際の値を求めることができる。

    【0023】なお,本発明にかかる色差であるが,後述する図8に示すごとく,ホログラムスクリーンの正面に存在する視点から見た場合に限定されるものでなく,例えば後述する図9に示すごとくホログラムスクリーンの斜下方や,斜上方,斜左方,斜右方に存在する視点から見た場合でも満足されることが好ましい。

    【0024】次に,請求項3に記載の発明のように,上記ホログラムスクリーンの表面から垂直に出射した出射光の分光特性は,上記ホログラムスクリーンの全表面におけるピーク波長の差が120nm以下である,または半値幅の差が100nm以下であることが好ましい。 これにより,本発明の効果を確実に得ることができる。

    【0025】ピーク波長の差が120nmより大である場合には,ホログラムスクリーンからの出射光がより広い範囲の波長を持った光より構成されることとなり,ホログラムスクリーンの色目の差が大きくなるため,再生される映像の色ムラがより生じ易くなるおそれがある。
    また,上記ピーク波長の差は0に近い場合が好ましい。

    【0026】また,上記半値幅の差が100nmより大である場合,ホログラムスクリーンのある部分からの出射光の波長分布はより狭く,また別の部分からの出射光の波長分布はより広くなる。 つまり,ホログラムスクリーンからの出射光がより広い範囲の波長を持った光より構成されることとなり,ホログラムスクリーンの色目の差が大きくなるため,再生される映像に色ムラが生じ易くなるおそれがある。 また,上記半値幅の差は0に近い場合が好ましい。

    【0027】なお,『ホログラムスクリーンの全表面におけるピーク波長の差が120nm以下』とは,ホログラムスクリーンの全表面から出射する出射光の分光特性をまとめた場合,もっとも長いピーク波長を持つ分光特性ともっとも短いピーク波長を持つ分光特性があるが,
    この両分光特性におけるピーク波長の差が120nm以下である,という条件を意味している。 半値幅については,最も半値幅の広い分光特性と最も狭い分光特性の半値幅の差が100nmより大ということである。

    【0028】次に,請求項4に記載の発明は,光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,
    請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料として,上記参照光の入射方向に対して厚み分布が傾斜したものを用いることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法にある。 なお,ここにおける参照光の入射方向とは,参照光の発散点に近い側から遠い側へと向かう方向であり,図11でいえば,からへと向かう方向である。

    【0029】より厚みの薄い感光材料から作られたホログラムスクリーンの分光特性ほど半値幅が広くなり,分光特性がよりブロードとなることが知られている。 これは半値幅の定まる下記の理論式より明らかである。 Δλ=λ 0 2 /〔T{n−(n 2 −sin 2 θ r1/2 }〕 ここで,Δλ:半値幅,λ 0 :記録波長,T:感光材料の厚み,n:感光材料の屈折率,θ r :参照光入射角である。

    【0030】従来技術にかかる厚みの均一な感光材料より得られたホログラムスクリーンの分光特性は後述する図14に示されている(実施形態例3参照)。 この分光特性においては→→の順に半値幅が広くなっている。 例えば,の分光特性に全体の分光特性を揃えたければ,半値幅が狭いの厚みを薄く,半値幅の広いの厚みを厚くすればよい。

    【0031】このように,感光材料の厚みに適宜傾斜を持たせることで,全体が一様な分光特性を有するホログラムスクリーンを得ることができる。 このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。

    【0032】よって,本請求項によれば,請求項1または請求項2に示すような,出射光の色差が小さく,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンの製造方法を提供することができる。

    【0033】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0034】なお,上記感光材料としては,各種フォトポリマ,重クロム酸ゼラチン,銀塩等,種類を問わず幅広く使用することができる。 また,上記光拡散体としては,すりガラス,オパールガラス等,種類を問わず幅広く使用することができる。

    【0035】次に,請求項5の発明に記載するごとく,
    上記感光材料として,上記参照光の入射角が大きくなるほど厚み分布が厚くなるものを用いることが好ましい。
    露光光学系における参照光入射角は,後述する図11より知れるごとく,参照光の発散点に近い側がより小さく,発散点に遠い側がより大きくなる。 同図よりθ 1が最も小さく,θ 3が最も大であることは明らかである。
    よって,本請求項にかかる製造方法においては,感光材料として,参照光の発散点に対し,近い側から遠い側へと徐々に厚くなるような厚み分布を持った感光材料を使用するのである。

    【0036】仮にホログラムスクリーンからの出射光の分光特性の半値幅を広くすることで,出射光の波長分布をより広くすることができるため,より映像光の色目の再現性を高めることができる。 そして,分光特性におけるピーク波長の違いより生じる映像光の色の再現性の低下を小さくすることができる。

    【0037】ところで,前述したごとく,感光材料が薄くなれば出射光の分光特性がよりブロードとなる。 つまり,入射光に対する波長選択性が小さくなり,より広範囲の波長を回折することができる(すなわち半値幅が広くなる)ことが分かる。 だが,薄い感光材料は記録できる干渉縞の数が減少するため,効率の低いホログラムスクリーンが得られてしまう。

    【0038】反対に,感光材料が厚くなれば波長選択性が大となる(すなわち半値幅が狭くなる)が,記録される干渉縞の数が増えるために効率の高いホログラムスクリーンが得られてしまう。 以上により,厚み分布に上記のような傾斜を持たせることで,ホログラムスクリーンの全体での分光特性を揃えることができ,またホログラムスクリーンの全体での効率を揃えることができる。 このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。

    【0039】よって,本請求項によれば,請求項1または請求項2に示すような,出射光の色差が小さく,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンの製造方法を提供することができる。

    【0040】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0041】次に,請求項6の発明によれば,上記感光材料の厚み分布は,該感光材料の中心位置での厚みをT
    0 ,感光材料の両端部の厚みとの差をΔTとした場合,
    ΔT≦0.5T 0であることが好ましい。 これにより,
    本発明の効果を確実に得ることができる。 仮に,ΔTが0.5T 0より大となった場合には,ホログラムスクリーンの厚み分布の幅が広くなりすぎるため,色ムラの低減効果が得られなくなるおそれがある。

    【0042】また,上記感光材料の厚み傾斜度kは,0
    <k≦2×10 -5の範囲にあることが望ましい。 なお,
    上記厚み傾斜度kとは感光材料の厚み分布を1次近似したときの傾きの値である。 厚み傾斜度kが10 -5より大となった場合,出射光の分光特性におけるピーク波長のシフトが大きくなりすぎるため,かえって出射光の色目に差が生じ,色ムラの改善効果が低下するおそれがある。

    【0043】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0044】次に,請求項7記載の発明のように,上記感光材料の厚み分布には,下記の(3)式の関係が成立することが好ましい。 ここに(3)式はT=a(R 0
    R)+T 0及びa=b・θ 0 -0.9で,T:上記感光材料の任意の位置における厚み,T 0 :上記感光材料の中心位置における厚み,R:上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離,R 0 :上記感光材料の中心位置における参照光入射距離,θ 0 :上記感光材料の中心位置における参照光入射角度,b:上記感光材料の厚み分布により定まる係数で0<b<1という値である。

    【0045】このような条件を満たす厚み分布を持つ感光材料は,厚い部分から薄い部分までの厚みが単調に薄くなる。 このような感光材料を使用することで,映る映像の輝度や色目が部分的に異なることがなく,例えばスジ状の色ムラ等も生じ難いホログラムスクリーンを得ることができる。 なお,厚み分布において,感光材料の中心位置における厚みT 0の15%以内の増減(凹凸)があっても上記問題は発生し難い。

    【0046】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0047】次に,請求項8に記載のように,光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,
    請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料として,参照光の入射方向に傾斜するようなエネルギー分布で予め紫外線を照射したものを使用することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法にある。

    【0048】感光材料の中には紫外線を照射することでモノマーの重合反応を停止させることができる材料がある。 このものに,予めモノマーの重合反応が完全に停止しない程度の強度の紫外線を照射することで,感度を低下させることができる。

    【0049】従って,感光材料に対し参照光の入射方向に傾斜するようなエネルギー分布で予め紫外線を照射することで,参照光の入射方向に傾斜する感度を持った感光材料を得ることができる。 これにより,分光特性の効率とピーク波長の制御が可能となり(実施形態例3参照),出射光の分光特性の揃ったホログラムスクリーンを得ることができる。 このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。

    【0050】よって,本請求項によれば,請求項1または請求項2に示すような,出射光の色差が小さく,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンの製造方法を提供することができる。

    【0051】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0052】なお,紫外線の照射については,参照光入射側を弱く,その反対側を強くなるように強度に傾斜を持たせて照射することが好ましい。 これにより,従来の技術のような分光特性の違い(例えば図14等)をより効果的に直すことができる。

    【0053】また,請求項9記載の発明のように,上記紫外線のエネルギー分布は,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離であるRに対して,下記の(4)式の関係が成立することが好ましい。 ここに(4)式は,0.8E≦Euv≦1.2E,E=0.0
    1・(R−R 0 )+E 0で,Euv:上記感光材料の任意の位置に照射される紫外線のエネルギー量,R 0 :上記感光材料の中心位置における参照光入射距離,E 0 :上記感光材料の中心位置に照射される紫外線のエネルギー量である。 これにより,より最適な感度を持つ感光材料とすることができる。

    【0054】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0055】また,請求項10に記載した発明によれば,光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離を,上記ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際に映像投影装置より入射させる映像光の映像光入射距離よりも短くすることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法にある。

    【0056】ホログラムスクリーンを製造する際の感光材料の中心位置における参照光入射角度θ 0及び参照光入射距離R 0は,ホログラムスクリーンに映像光を照射して映像を再生する場合のホログラムスクリーンの中心位置における映像光入射角度f 0と映像光入射距離F 0と同じ値とすることが一般的である(図1及び図10参照)。

    【0057】本請求項にかかる製造方法においては,参照光入射距離R 0を映像光入射距離F 0よりも短くすることにより,感光材料の中心位置以外での参照光入射角度を映像光入射角度と違う値とすることができる。 すなわち,感光材料の中心位置においては,映像光入射角度と参照光入射角度とが一致するが,それ以外の位置においては両者の値は異なる。 この時,映像光入射角度と参照光入射角度との違いは,感光材料の中心位置からの距離に応じて変化する。

    【0058】図20に示すごとく,感光材料220の中心229への参照光入射角度を同一としたまま,参照光入射距離をR 0からR 0 'へと短くする。 これにより,感光材料220の参照光118の入射側の端部では,参照光の入射角度θ R1が小さくなる。 反対側の端部では参照光の入射角度θ R3が大きくなる。 すなわち,端部での参照光入射角度は映像光入射角度より小さくなり,
    端部での参照光入射角度は映像光入射角度より大きくなる。

    【0059】参照光入射角度と映像光入射角度とが異なる場合,ホログラムスクリーンの分光特性に次の理論式で表現される波長シフトが生じることが知られている。 sinθ z =sinθ y +μ(sinθ x −sinθ 0 ) μ z =λ/λ 0 図20,図21に示すごとく,θ R1 :端部での参照光入射角,θ x :光拡散体の点X1から感光材料の点X2
    に入射する物体光入射角,λ 0 :露光に使用したレーザ光の波長である。 また,図22に示すごとく,θ y :得られたホログラムスクリーン1の点X2に入射する映像光入射角,θ z :ホログラムスクリーンにより回折されて矢印の方向へ出射する出射光121の出射角,λ z
    出射光121の波長である。

    【0060】上記理論式より,λ z =λ 0・{(sinθ
    z −sinθ y )/(sinθ x −sinθ R1 )}となるので,参照光入射角度θ R1が映像光入射角θ yより小さくなった場合,出射光は長波長側へシフトし,参照光入射角度が映像光入射角より大きくなった場合,出射光は短波長側にシフトすることがわかる。

    【0061】参照光入射距離と映像光入射角度とが等しいホログラムスクリーンとして,後述する実施形態例3
    にかかる比較試料C1が挙げられる。 このものの分光特性は図14のような状態である。 このホログラムスクリーンの分光特性を全体としての分光特性に揃える場合には,での分光特性を長波長側にシフトさせ,での分光特性を短波長側にシフトさせればよい。

    【0062】つまり,において参照光入射角度を映像光入射角より小さくすればよいし,において参照光入射角度を映像光入射角より大きくすればよい。 そしてこれは,感光材料の中心位置に対する参照光入射角度と映像光入射角度とを同一の値に維持したまま,参照光入射距離を映像光入射距離よりも短縮することにより可能となる。

    【0063】これにより,ホログラムスクリーンの全体での分光特性を揃えることができるため,このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。

    【0064】よって,本請求項によれば,請求項1または請求項2に示すような,出射光の色差が小さく,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンの製造方法を提供することができる。

    【0065】なお,本発明の効果は,参照光入射方向だけでなく,それに直交する方向,すなわち,再生時での左右方向に対しても同様の効果を持つ。

    【0066】次に,請求項11記載の発明は,光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,
    請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,上記感光材料の全表面において,
    入射する参照光と物体光との強度比には,I R /I O ≦1
    0(I Rは参照光強度,I Oは物体光強度である。)という関係が成立することを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法にある。

    【0067】本請求項にかかる製造方法では,感光材料の中心位置に入射する参照光の強度と物体光の強度との比であるI R /I Oを10以下とする。 これにより,I R
    /I Oがより大きい場合には,物体光強度が弱くなりすぎるため,感光材料上の位置による物体光強度のバラツキによる特性値(分光特性)のバラツキが出易くなる。
    すなわち,物体光強度による特性差が大きい。

    【0068】物体光強度がより大きくなれば,分光特性はほぼ一定となるため,I R /I Oが小さくなるほど分光特性の差は小さくなることから,ホログラムスクリーンの全体での分光特性を揃えることができる。 このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。

    【0069】よって,本請求項によれば,請求項1または請求項2に示すような,出射光の色差が小さく,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンの製造方法を提供することができる。 なお,上記強度比が4より大である場合には,本発明にかかる効果が得難くなるおそれがある。

    【0070】次に,請求項12記載の発明は,光拡散体を用いて得られた拡散光を物体光,非拡散光を参照光とする露光光学系を用いて,上記物体光と上記参照光とを感光材料に入射させて,該感光材料を露光することで,
    請求項1または請求項2にかかるホログラムスクリーンを製造するに当たり,下記の(A)法〜(D)法を少なくとも2つ組み合わせることを特徴とするホログラムスクリーンの製造方法にある。 (A)法,上記感光材料として,参照光の入射方向に対して厚み分布が傾斜したものを用いること。 (B)法,上記感光材料として,参照光の入射方向に傾斜するようなエネルギー分布で予め紫外線を照射したものを使用すること。 (C)法,上記感光材料の任意の位置における参照光入射距離を,上記ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際に映像投影装置より入射させる映像光の映像光入射距離よりも短くすること。 (D)法,上記感光材料の全表面において,入射する参照光と物体光との強度比には,I R /I O ≦10(I Rは参照光強度,I Oは物体光強度である。)という関係が成立すること。

    【0071】本発明にかかる各(A)〜(D)法によれば,前述したごとく,いずれも分光特性が揃ったホログラムスクリーンを得ることができる。 しかし,要求されるホログラム特性(視野角,再生される映像の輝度等)
    によっては,(A)〜(D)法のひとつでは,色目の差を充分小さくできない場合がある。 これらのうち2つ以上を組み合わせると,より色目の差を小さくすることができ,要求されるホログラム特性を満たすことができる。

    【0072】このようなホログラムスクリーンの各部からの出射光の色目は差が小さく,殆ど同一の色調を有するような出射光を得ることができる。 従って,これらの各方法を組み合わせることで,請求項1や請求項2にかかるような色差等の条件を満たす,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンを容易に製造することができる。

    【0073】

    【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるホログラムスクリーンとその性能につき,図1〜図7を用いて説明する。 本例のホログラムスクリーンは,図1に示すごとく,映像投影装置12より入射した映像光120を散乱・拡散して出射光121となすことにより映像を再生するホログラムスクリーン1である。

    【0074】このホログラムスクリーン1は,白色光を映像光として投影した際に,図2に示すごとく,上記ホログラムスクリーン1の表面にある任意の2点であって,該2点間の距離が20cm以下であるA点及びB点におけるCIE 1976 色度座標(u',v')の値がそれぞれ(u' A ,v' A )及び(u' B ,v' B )である場合,下記の(1)式より導出されるA点とB点との間の色差Δ
    u'v'が0.06以下となるような色目分布を上記ホログラムスクリーンの表面から垂直に出射した出射光が有する。 ここに(1)式とは,Δu'v'={(u' A −u' B2
    (v' A −v' B21/2である。

    【0075】次に,本例のホログラムスクリーン1の使用例について説明する。 図1に示すごとく,ホログラムスクリーン1を観察する観察者8に対して,ホログラムスクリーン1の背後の上方側に映像投影装置12を設置する。 この映像投影装置12からホログラムスクリーン1に対して映像光120を照射する。 これにより,映像光はホログラムスクリーン1によって観察者8側に散乱・拡散されて,出射光121となる。 この出射光121
    により映像が再生される。 また,このホログラムスクリーン1の中心位置109における,映像光入射距離はF
    0 ,映像光入射角度はf 0である。

    【0076】また,ホログラムスクリーン1は透明に構成することが可能である。 このため,観察者8はホログラムスクリーン1で再生される映像と共に,ホログラムスクリーン1の背後にある物体19を観察することができる。 なお,図1は透過型ホログラムスクリーンを用いた例であるが,反射型のホログラムスクリーンを使用することもできる。 この場合,映像投影装置12が観察者8と同じ側に設置されることとなる。

    【0077】次に,ホログラムスクリーン1の性能を以下に示す方法で試験した。 大きさ300mm×400m
    mのホログラムスクリーン1を準備した。 図2に示すごとく,このホログラムスクリーン1における任意の2つの正方形の領域(いずれもその大きさは30mm×30
    mmである)の中心であるA点及びB点間の色差Δu'v'
    の最大値がそれぞれ0.01〜0.08であるものを準備した。 ここにD ABはA点及びB点の距離で20cmである。

    【0078】次に,色差Δu'v'の測定方法について説明する。 図3に示すごとく,ホログラムスクリーン1に白色光130を照射し,,,等の各点において回折された出射光の中で,特にホログラムスクリーン1の出射光が出射する側の表面に対して垂直となる方向への出射光の分光特性を受光器179を用いて測定した。 なお,同図における符号139は白色光130の投射器の位置である。

    【0079】また,図1に示すごとく,映像光120をホログラムスクリーン1に照射して映像を再生するが,
    この場合のホログラムスクリーン1への映像光入射角度と上記測定の際の白色光130のホログラムスクリーン1への入射角度とは等しくする。

    【0080】次に,得られた分光特性を用いたΔu'v'の求め方を説明する。 この場合,上述したごとくCIE
    1976 UCS色度座標u',v'を用いる。 この規格において,例えば色度座標u'は次のように表わされる。 u'=4X/(X+15Y+3Z) この式において,例えばXは図4に記載した式より求めることができる。 また,Y,Zも同様に求めることができる。

    【0081】ただし,S(λ)としては,本例の測定において使用した液晶プロジェクタの白色画面(白色光)
    を表示させる際の液晶透過後の光の分光分布を用いた。
    実際に使用する映像投影装置と同様の光源の分光分布をS(λ)として用いれば,色ムラの評価と同時に,ホログラムスクリーン上に表示される映像の色目評価も可能となるからである。 また,τ(λ)としては,図3の測定により得られたホログラムスクリーンの分光特性を用いた。

    【0082】以上の測定によって色差の最大値が0.0
    1〜0.08であると判定されたホログラムスクリーンを利用して次の試験を行った。 なお,このようにして,
    分光特性から色差を求めることもできるが,色彩計等を使用して,直接色度値を計測し,色差を求めることもできる。

    【0083】このような各ホログラムスクリーン1に対し,図5に示すごとく,映像投影装置12として液晶プロジェクタを用い,映像光120として白色光を投影し,ホログラムスクリーン1の中心位置109から2m
    離れた位置において20人の観察者に10分間映像を観察させた。 この観察結果を20人の観察者に7段階(図6参照)の主観評価尺度に従って評価させた。

    【0084】なお,10分間映像を観察させたのは目を慣らすことにより,正しく色ムラの有無を認識できるようにさせるためである。 また,この測定は室内で行い,
    照明はなしとした。 また,投影する白色光の明るさは3
    00cd/m 2とした。 また,ホログラムスクリーン1
    の背後は黒色つや消しの壁面190とした。

    【0085】以上の試験結果について図6に記載した。
    同図によれば,色差の最大値が0.05までのホログラムスクリーンについては,全ての観察者が色ムラの存在を明確には認識していないが(レベル7〜5),0.0
    6では色ムラの存在を認識できるが気になるとはいえない(レベル4)と評価する観察者が現れたことが分かった。

    【0086】しかし本試験は,照明なし,背景光が0に近い黒であるため,例えば,室内照度500lx(平均的なオフィスの照度)で,かつ背景が白の壁紙等である場合には,本試験におけるレベル4は,レベル5以上の色ムラが気にならないレベルと同等となる。 また,本試験において色ムラが気になる観察者が現れはじめたのは色差が0.07以上のときであった。 以上より,色差が0.06以下であれば,観察者がホログラムスクリーンに映された映像の色ムラが気にならないことがわかった。

    【0087】本例の作用効果について説明する。 本例のホログラムスクリーン1は,図2に示すごとく,距離が20cm以下である任意のA点及びB点との間の色差Δ
    u'v'が0.06以下となるような色目分布を出射光が有する。

    【0088】つまり,A点から出射する出射光とB点からの出射光との間での色目の違いが少ないため,ホログラムスクリーンのいずれの場所からの出射光であっても(入射光が単色であれば),ほぼ同一の色調を有することとなる。 つまり,ホログラムスクリーンの一部分だけの色目が異なるという現象が生じ難い。 このため,図6
    に示すごとく,ホログラムスクリーンに映る映像に色ムラが生じ難い。

    【0089】以上,本例によれば,再生される映像に色ムラが殆ど生じないホログラムスクリーンを提供することができる。

    【0090】なお,本例のホログラムスクリーンにおいて色差0.06となったものの分光特性を調べたところ,半値幅が同一であればピーク波長差で約120n
    m,ピーク波長が同一であれば半値幅差で約100nm
    に相当することが分かった。 これにより,特にホログラムスクリーンの色差を測定しない場合でも,分光特性が上記の差よりも小さいものであれば,上記色差に対する条件を満足できることが分かった。

    【0091】なお,本例の色差Δu'v'の測定方法は,上述したごとく,ホログラムスクリーン1に白色光130
    を照射し,,,等の各点において回折された出射光の中で,特にホログラムスクリーン1の出射光が出射する側の表面に対して垂直となる方向への出射光の分光特性を受光器179を用いて測定した(図3参照)。

    【0092】ところで,図7に示すごとく,受光器17
    9を出射光が出射する側の表面に対して垂直となる方向よりも角度gだけ下方に設置することで,ホログラムスクリーン1におけるGの方向へ出射した出射光の分光特性を測定することができる。 この分光特性から得られた本例にかかる色差Δu'v'が0.06以下となるような色目分布を有するホログラムスクリーンであっても,再生される映像に色ムラが殆ど生じない。

    【0093】実施形態例2 本例のホログラムスクリーンは,任意の2点間の色差が0.1以下であるような色目分布を視点に向かって出射した出射光が有している。 このホログラムスクリーンも,実施形態例1の図1と同様に,映像投影装置より入射した映像光が散乱・拡散されて出射光となることで映像が再生されるホログラムスクリーンである。

    【0094】そして,このホログラムスクリーンに白色光を映像光として投影した場合に,前述の図2に示すごとく,任意の2点であって,該2点間の距離が20cm
    以下であるA点及びB点との間の色差Δu'v'が0.1以下となるような色目分布を下記の(2)式に基づいて設定された視点に向かって出射した出射光が有する。

    【0095】図8に示すごとく,視点80とホログラムスクリーン1との中心位置109との距離をL,上記ホログラムスクリーン1の高さ方向の長さをHとした場合,H/2L=0.1という関係が成立する。 これが(2)式である。

    【0096】このようなホログラムスクリーンにおける色差の測定について説明する。 図8に示すごとく,ホログラムスクリーン1に白色光130を入射させる。 白色光130がホログラムスクリーン1の中心位置109に角度θ cで入射したときに,ホログラムスクリーン1の中心以外の点108には角度θ c'で入射することとなる。 この白色光130がホログラムスクリーン1で回折されて出射光131となるが,ホログラムスクリーン1
    の中心位置109から距離L離れた視点80に出射する出射光131の分光特性を測定する。

    【0097】この出射光131の分光特性を測定するには,まず,受光器179を点108と視点80とを結ぶ線上に設置することにより点108からの出射光について測定する。 つまり,点108から視点位置80へ向かう角度と同一の角度に受光器を傾けて測定を行う。 このようにして出射光の分光特性を測定し,その後,実施形態例1に示した方法を測定結果に適用することで色差を求めることができる。

    【0098】なお,上記方法においてもホログラムスクリーン1の中心位置109からの出射光については,実施形態例1と同様にホログラムスクリーン1の表面と垂直方向の出射光についての測定が行われる。

    【0099】そして,実施形態例1の測定で使用したホログラムスクリーンの中で,色差が0.06であるものについて,上記測定方法に基づいて色差を測定しなおした。 なお,この時の測定ではH=300mm,L=20
    00mmであった。 この測定の結果,実施形態例1における測定で色差0.06であったホログラムスクリーンの色差は0.1であることが分かった。

    【0100】そして,実施形態例1の試験において,実施形態例1の測定方法で色差が0.06であったホログラムスクリーンの評価はレベル5以上(色ムラが気にならない)であった。 以上により,本例の測定方法で0.
    1以上のホログラムスクリーンは,再生される映像に色ムラが殆ど生じないことが分かった。 これらの測定方法は,人間が実際に眼で見てみる色差を測定できるため,
    より実用的な評価を行うことができる。

    【0101】なお,本例ではホログラムスクリーン1の中心位置109からの出射光については,実施形態例1
    と同様にホログラムスクリーン1の表面と垂直方向の出射光についての測定を行い,この測定から色差を求めたが(図8参照),図9に示すごとく,ホログラムスクリーン1の中心位置109で垂直となる方向よりも角度g
    だけ下方に設定された視点80に対するGの方向へ出射した出射光の分光特性を受光器179を用いて測定することから色差を求めることもできる。 そして,この色差が0.1以下となるような色目分布を有するホログラムスクリーンであっても,再生される映像には色ムラがほとんど生じない。

    【0102】実施形態例3 本例は,図10〜図14に示すごとく,傾斜した厚み分布をもつ感光材料を用いて作製したホログラムスクリーンについて説明する。

    【0103】まず,本例において使用した露光光学系2
    について説明する。 図10に示すごとく,上記露光光学系2において,レーザ発振器210より発振されたレーザビーム(波長514.5nm,Arレーザービーム)
    をビームスプリッタ211により2本に分離させ,分離光212,213を得た。

    【0104】一方の分離光212を対物レンズ222により発散光となし,該発散光を軸外し放物面鏡214に当てて平行光215とした。 この平行光215をすりガラス等の光拡散体216に対し透過させた。 これにより得られた拡散光を物体光217として用いた。 また,他方の分離光213を対物レンズ221に対し透過させて,参照光218とした。

    【0105】図10,図11に示すごとく,このような物体光217と参照光218とを感光材料220に照射することで,両者により形成された干渉縞が感光材料2
    20に記録される。 その結果,光拡散体216が感光材料220に記録され,映像光120を照射することで,
    上記光拡散体216が再生され,該光拡散体216から拡散光が出射しているのと同等にホログラムスクリーン1が映像光120を回折・散乱することができる。

    【0106】なお,図10,図11における露光光学系2での上記参照光218の感光材料220の中心位置2
    29への参照光入射角θ 0 ,参照光入射距離R 0は,実施形態例1の図1における映像光120のホログラムスクリーン1の中心位置109への映像光入射距離F 0 ,映像光入射角f 0と同一である。

    【0107】このような露光光学系2を用いて次のような2種類の感光材料を露光して,ホログラムスクリーンを作製した。 試料1の感光材料は,図12に示すごとき厚み分布をもったもので,同図より知れるごとく,傾斜した厚み分布を持っている。 なお,図12における横軸は感光材料の中心位置からの距離であるが,−側は参照光の照射側,+側は照射側とは反対側である。 図10,
    図11で参照光入射角の大きい側,+側は入射角の小さい側である。 また,他方の比較試料C1の感光材料は,
    図12に示すごとく均一な厚みを持っている。 このような試料1,比較試料C1を,図10,図11にかかる露光光学系2に設置して,参照光218と物体光217とを照射してホログラムスクリーンとした。

    【0108】なお,上記試料1及び比較試料C1は,共に大きさ300mm×400mmのデュポン社製フォトポリマよりなる。 また,光拡散体216は散乱角度36
    °のすりガラス,感光材料220の中心位置における参照光118と物体光117との強度比は4(=I R
    O )である。 また,感光材料220の中心位置229
    における参照光入射角度θ 0はホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際の映像光入射角f 0と同じ30
    °とした(実施形態例1の図1参照)。

    【0109】このようにして得られた試料1,比較試料C1にかかるホログラムスクリーンの分光特性の測定を,前述する図3を用いて説明する。 図3に示すごとく,ホログラムスクリーン1に白色光130を照射し,
    ,,の各点において回折された出射光の中で,特にホログラムスクリーン1の出射光が出射する側の表面に対して垂直となる方向への出射光の分光特性を受光器179を用いて測定した。 また,上記白色光130の入射角度は,ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際の映像光入射角と同じとした。 また,はホログラムスクリーン1の中心位置である。 このようにして得られた分光特性を試料1については図13に,比較試料C
    1については図14に記載した。

    【0110】図13より知れるごとく,試料1にかかるホログラムスクリーンは,,におけるピーク波長がだいたい揃い,三者の分光特性がより揃った位置にあることが分かった。 そして,上記測定から色度座標u',
    v'を求め,色差の最大値を求めたところ,0.015であることが分かった。 そして,実施形態例1と同様の条件で観察したところ,色ムラが殆ど認識できないことが分かった。 以上により,傾斜した厚み分布を持つ感光材料を使用することで,再生される映像に色ムラのないホログラムスクリーンが得られることが分かった。

    【0111】また図14により知れるごとく,比較試料C1にかかるホログラムスクリーンは,の分光特性は青領域の波長に効率の高いピークを持ち,の位置の分光特性は緑から黄の領域の波長にピークを持っている。
    は,ととの中間付近にピークを持っている。

    【0112】このものの最大の色差を実施形態例1と同様の方法で測定したところ,0.073であった。 また,このホログラムスクリーンの色ムラについて実施形態例1と同様に試験したところ,全ての観察者がレベル3以上(『色ムラがありやや気になる』以上)であると答えた。 以上により,ホログラムスクリーンの各部分での分光特性の違いが,1枚のホログラムスクリーンにおいて再生される映像に色ムラが現れる原因であることが分かった。

    【0113】実施形態例4 本例は,図15〜図19に示すごとく,露光前に予め紫外線を照射した感光材料を用いて作製したホログラムスクリーンについて説明する。 本例において使用した露光光学系は,実施形態例3の図10にかかるものと同様のものである。 そして,本例において使用した感光材料は,露光前に予め紫外線を参照光の入射側と反対側に相当する側から照射,すなわち参照光入射側から反対側にかけて徐々に強度が強くなるように照射したものである。

    【0114】上記紫外線の照射方法を図15を用いて説明する。 感光材料220としては,大きさが300mm
    ×400mmのデュポン社製フォトポリマを使用した。
    図15に示すごとく,この感光材料220を傾斜した台32の上に置き,紫外線ランプ30を台32の端部側の斜め上方に設置した。 そして,紫外線エネルギー量が図16のような分布となるようにして感光材料220に対する紫外線照射を行った。 なお,図15における距離P
    が図16における感光部材上距離で,右端が0mmである。

    【0115】このような紫外線照射を行うことで,感光材料220の波長514nmの光に対する吸収量は図1
    7のように変わった。 図17中の点線は紫外線照射前の吸収量で,実線が紫外線照射後の吸収量である。 このような紫外線の照射後,実施形態例3と同様の露光光学系を用いてホログラムスクリーンを作製した。

    【0116】また,この作製の際の諸条件は,光拡散体の散乱角度36°,感光材料の中心位置における参照光118と物体光117の強度比は4(=I R /I O )とし,中心位置における参照光入射角度はホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際の映像光入射角(図1
    参照)と同じ30°とした。

    【0117】このようにして作製したホログラムスクリーンの任意の2点間の色差(実施形態例1参照)を測定したところ,最大で0.023であることが分かった。
    更に,実施形態例1と同様の条件で観察したところ,色ムラが殆ど認識できないことが分かった。

    【0118】また,このホログラムスクリーンの分光特性におけるピーク波長を図3に示す,,の位置において測定した。 また,この分光特性を紫外線未照射の感光材料を用いて作製したホログラムスクリーンについても測定し,両者を比較した。 この結果は,が460
    nm(紫外線未照射)→462nm(紫外線照射),
    が510nm(紫外線未照射)→480nm(紫外線照射),が510nm(紫外線未照射)→488nm
    (紫外線照射)であった。

    【0119】なお,本例にかかる参考例として,デュポン社製のフォトポリマにおける紫外線の照射量と感度の低下とについて説明する。 図18は波長514.5nm
    のレーザー光の吸収量を示しているが,フォトポリマに混合された色素が光を吸収することによりモノマーの重合反応が開始するので,ホログラムスクリーンの作製の際に波長514.5nmのレーザ光でフォトポリマを露光する場合は,この波長での吸収量がフォトポリマの感度を表わすことになる。

    【0120】図18のように紫外線照射により感度が低下したフォトポリマを露光してホログラムスクリーンを作製した場合,分光特性のピーク波長が図19に示すごとく,エネルギー量増加に伴い短波長側へシフトすることが分かった。

    【0121】従って,本例のように予め紫外線を感光材料に照射することにより,図14のホログラムスクリーンの分光特性で表現すると,参照光入射側から遠い位置()ほど紫外線エネルギー量が多いため,分光特性をより短波長へシフトさせることができる。 すなわち,
    ,の分光特性をに近づけることができる。

    【0122】そのため,照射される紫外線エネルギー量を適宜設定することによりホログラムスクリーンの分光特性を揃えることができ,色ムラを認識できない程度まで低減させることができるのである。 また,分光特性をに近づげたければ,露光時の参照光入射角と再生時の再生光入射角を変え,参照光入射角のほうが小さくなるようにしてやれば全体を長波長側へシフトさせることができる。 この場合の角度差としては1〜2°程度で効果を得ることができる。

    【0123】実施形態例5 本例は,図20〜図25を用いて,感光材料の任意の位置における参照光入射距離を,上記ホログラムスクリーンにおいて映像を再生する際に映像投影装置より入射させる映像光の映像光入射距離よりも短くして作製したホログラムスクリーンについて説明する。 本例のホログラムスクリーンは,実施形態例3の図10に示す露光光学系2を用いて感光材料を露光して作製する。 この時,図20に示すごとく,参照光入射距離R 0をR 0 'まで短縮した。 同図においてR 0は映像を再生する際の映像光距離F と等しい(図1参照)。

    【0124】このように参照光距離を短縮して作製したホログラムスクリーンの性能について,以下に示すごとく評価した。 前述する図10にかかる露光光学系2を準備する。 参照光218の参照光入射角θ 0を40°,参照光入射距離R 0を1700mmとして,感光材料22
    0を露光した。 その後,露光を終えた感光材料220を新しいものに交換し,更に参照光入射距離R 0を図20
    に示すごとくR 0 'に短縮して露光を行った。

    【0125】ここにおいて使用した感光材料220は,
    前述した実施形態例3の図12に示す比較試料C1にかかる均一な厚み分布を持った大きさ300mm×400
    mmのデュポン社製フォトポリマであった。 また,光拡散体の散乱角度は36°,感光材料220の中心位置における参照光218と物体光217の強度比は4とした。 また,ホログラムスクリーン1の映像光入射角度f
    (図1参照)は40°とした。

    【0126】このようにして,参照光入射距離R 0を短縮した各ホログラムスクリーンの分光特性におけるピーク波長を測定し,図23に記載した。 なお,同図におけるは前述した図3に示す位置における出射光の分光特性を測定したことを表わしている。 同図より知れるごとく,参照光の短縮量が大きくなるにつれて,
    での分光特性のピーク波長が近づき,短縮量が−700
    mmに達したところで,のピーク波長がほぼ一致した。 このときのの分光特性を図24に記載した。

    【0127】また,ホログラムスクリーンの任意の2点間での色差(詳細は実施形態例1参照)の最大値と短縮量との関係を図25に記載した。 同図に示すごとく,短縮量が大きくなるにつれて色差が低減し,−550mm
    で0.03以下となり,−700mmで0.021まで低減したことが分かった。 以上より,本例に示すごとく,参照光入射距離を短縮することで,色ムラの生じ難いホログラムスクリーンが得られることが分かった。

    【0128】実施形態例6 本例は,前述した図10の露光光学系において参照光入射距離を映像光照射距離より短くする代わりに(実施形態例5参照),参照光の光路の途中にレンズを挿入することにより,実質的に参照光入射距離を短くするホログラムスクリーンの製造方法である。

    【0129】図26に示すごとく,本例も前述する図1
    0の露光光学系と同様に,感光材料220に対し,参照光218と図示を略した物体光とを照射して,感光材料220を露光するが,対物レンズ221から距離Q=3
    50mmの位置にf値が175mmの凸レンズ41を配置した。 対物レンズ221からの発散光は凸レンズ41
    に入射することで収束光となって,光路途中で焦点を結ぶこととなる。 これにより,感光材料220や対物レンズ221の物理的な位置を変更することなく,実質的な参照光入射距離を−700mm短縮した。 その他の条件は,実施形態例5と同様である。

    【0130】本例にかかる製造方法のように,凸レンズ41を配置することで,参照光218の発散点を感光材料220の中心位置229から例えば1700mm等に限定する必要がなくなり,用いるレンズのf値等により,対物レンズ221や露光材料220の位置を自由に変更することができる。 これにより,露光光学系の設計の自由度を高めることができる。

    【0131】なお,図26においては凸レンズ41を使用したが,場合によっては図27に示すごとく,凹レンズ42を配置することで参照光入射距離を短縮することもできる。 また,凸レンズ41や凹レンズ42をシリンドリカルレンズとすることもできる。

    【0132】参照光入射方向に対しては,色差を低減したいが,これに垂直な方向,すなわち図26の紙面に垂直な方向には色差を低減したくない場合などは,シリンドリカルレンズが有効となる。 色差を低減したくない場合とは,図26の上下方向(,,)でピーク波長を合わせるための参照光距離短縮により,紙面に垂直方向には,ピーク波長がシフトしすぎて,かえって色差が増す場合である。

    【0133】実施形態例7 本例は,図28,図29に示すごとく,感光材料の全表面において,入射する参照光と物体光との強度比に,I
    R /I O ≦10(I Rは参照光強度,I Oは物体光強度である。)という関係が成立するようにして,ホログラムスクリーンを作製した。

    【0134】すなわち,本例のホログラムスクリーンも前述した図10に示すごとき露光光学系を用いて作製することができるが,図28に示すごとく,感光材料22
    0に対して照射する参照光218及び物体光217の強度比を変更して作製した。 また,この強度比の条件が感光材料220の全面において成立するようにして作製した。

    【0135】これ以外の作製条件としては,感光材料2
    20の中心位置229に対する参照光入射角を40°,
    参照光入射距離を1350mmとした。 また,感光材料220として,前述した実施形態例3の図12に示す比較試料C1にかかる均一な厚み分布を持った大きさ30
    0mm×400mmのデュポン社製フォトポリマを使用した。 更に,光拡散体としては散乱角度を36°のものを用いた。 また,得られたホログラムスクリーンに映像を再生する際の,中心位置に対する映像光入射角度は4
    0°,映像光入射距離は1700mmとした。

    【0136】このようにして作製したホログラムスクリーンの任意の2点間での色差(詳細は実施形態例1参照)の最大値とI R /I Oとの関係を図29に記載した。
    図29より知れるごとく,I R /I Oが小さくなるとともに,色差の最大値が低減され,I R /I O =10以下で0.06以下となることが分かった。 更に,I R /I O
    0.7である場合には,色差の値が0.013まで低減できることが分かった。 以上により,I R /I Oを10以下とすることで,映像に色ムラが殆どないようなホログラムスクリーンが得られることが分かった。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施形態例1における,ホログラムスクリーンの使用状態を示す説明図。

    【図2】実施形態例1における,ホログラムスクリーンの表面の任意の2点であるA点及びB点を例示する説明図。

    【図3】実施形態例1における,ホログラムスクリーン上の,,より垂直に出射する出射光の分光特性を調べる方法の説明図。

    【図4】実施形態例1における,Xを導出する式を示す説明図。

    【図5】実施形態例1における,色ムラを調べる試験方法についての説明図。

    【図6】実施形態例1における,色ムラの試験結果を示す線図。

    【図7】実施形態例1における,ホログラムスクリーン上の,,より角度gだけ下方に出射する出射光の分光特性を調べる方法の説明図。

    【図8】実施形態例2における,視点に向かう出射光の分光特性を調べる方法の説明図。

    【図9】実施形態例2における,ホログラムスクリーン表面での垂直方向より角度g下方の方向に存在する視点に向かう出射光の分光特性を調べる方法の説明図。

    【図10】実施形態例3における,露光光学系の説明図。

    【図11】実施形態例3における,露光光学系の要部説明図。

    【図12】実施形態例3における,試料1と比較試料C
    1にかかる感光材料の厚み分布を示す線図。

    【図13】実施形態例3における,試料1にかかるホログラムスクリーンの分光特性を示す線図。

    【図14】実施形態例3における,比較試料C1にかかるホログラムスクリーンの分光特性を示す線図。

    【図15】実施形態例4における,感光材料に対する紫外線照射の説明図。

    【図16】実施形態例4における,感光材料における紫外線エネルギー量の分布を示す線図。

    【図17】実施形態例4における,紫外線照射後の感光材料における光(波長514nm)の吸収量との関係を示す線図。

    【図18】実施形態例4における,紫外線照射量と光(波長514nm)の吸収量との関係を示す線図。

    【図19】実施形態例4における,紫外線照射後の感光材料より得られたホログラムスクリーンの分光特性におけるピーク波長と紫外線照射量との関係を示す線図。

    【図20】実施形態例5における,参照光照射距離の短縮についての説明図。

    【図21】光拡散体の点X1から感光材料の点X2に入射する物体光入射角θ Xを示す説明図。

    【図22】ホログラムスクリーンの点yに入射する映像光入射角θ y及びホログラムスクリーンにより回折されて出射する出射光の出射角θ zの説明図。

    【図23】実施形態例5における,参照光入射距離の短縮量とこのような短縮によって得られた各ホログラムスクリーンの分光特性におけるピーク波長を示す線図。

    【図24】実施形態例5における,短縮量が−700m
    mであるホログラムスクリーンの分光特性を示す線図。

    【図25】実施形態例5における,参照光入射距離の短縮量と,この短縮により得られたホログラムスクリーンにおける最大の色差との関係を示す線図。

    【図26】実施形態例6における,参照光入射距離を短縮するために対物レンズと感光材料との間に凸レンズを配置した露光光学系の要部説明図,

    【図27】実施形態例6における,参照光入射距離を短縮するために対物レンズと感光材料との間に凹レンズを配置した露光光学系の要部説明図,

    【図28】実施形態例7における,感光材料に入射する参照光と物体光との状態を示す説明図。

    【図29】実施形態例7における,I R /I Oと最大の色差との関係を示す線図。

    【符号の説明】

    1. . . ホログラムスクリーン, 12. . . 映像投影装置, 120. . . 映像光, 121. . . 出射光, 2. . . 露光光学系, 217. . . 物体光, 218. . . 参照光, 220. . . 感光材料, 229. . . 中心位置,

    高效检索全球专利

    专利汇是专利免费检索,专利查询,专利分析-国家发明专利查询检索分析平台,是提供专利分析,专利查询,专利检索等数据服务功能的知识产权数据服务商。

    我们的产品包含105个国家的1.26亿组数据,免费查、免费专利分析。

    申请试用

    分析报告

    专利汇分析报告产品可以对行业情报数据进行梳理分析,涉及维度包括行业专利基本状况分析、地域分析、技术分析、发明人分析、申请人分析、专利权人分析、失效分析、核心专利分析、法律分析、研发重点分析、企业专利处境分析、技术处境分析、专利寿命分析、企业定位分析、引证分析等超过60个分析角度,系统通过AI智能系统对图表进行解读,只需1分钟,一键生成行业专利分析报告。

    申请试用

    QQ群二维码
    意见反馈