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照明装置および投射型表示装置

阅读:821发布:2024-02-11

专利汇可以提供照明装置および投射型表示装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】コントラストを向上させる。 【解決手段】本開示の照明装置は、 光源 と、前記光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、前記所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明 位置 へと伝達する偏光分離素子とを備える。前記複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、前記光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する。 【選択図】図1,下面是照明装置および投射型表示装置专利的具体信息内容。

光源と、 前記光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、 前記所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子と を備え、 前記複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、前記光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 照明装置。前記光源を複数有し、 前記複数の光源がそれぞれ異なる光路上に配置され、 前記複数の照明用光学部材として、前記複数の光源のうちの2以上の光源の光路を合成する光路合成素子を有し、 前記光路合成素子が、光路を合成する際に、前記所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 請求項1に記載の照明装置。前記第1の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するS偏光であり、前記第2の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するP偏光である 請求項2に記載の照明装置。前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を反射すると共に前記第2の偏光成分を透過する偏光特性を有し、第2の波長帯域の光を透過する特性を有する 請求項3に記載の照明装置。前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を透過し、前記第2の偏光成分を反射する偏光特性を有し、第2の波長の光を反射する特性を有する 請求項3に記載の照明装置。前記偏光分離素子は反射により前記第1の偏光成分を前記所定の照明位置へと伝達する 請求項3に記載の照明装置。前記第1の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するP偏光であり、前記第2の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するS偏光である 請求項2に記載の照明装置。前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を反射すると共に前記第2の偏光成分を透過する偏光特性を有し、第2の波長帯域の光を透過する特性を有する 請求項7に記載の照明装置。前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を透過し、前記第2の偏光成分を反射する偏光特性を有し、第2の波長の光を反射する特性を有する 請求項7に記載の照明装置。前記偏光分離素子は透過により前記第1の偏光成分を前記所定の照明位置へと伝達する 請求項7に記載の照明装置。前記光源からの前記光路合成素子への前記所定の波長帯域の光の入射が、25(deg)以上75(deg)以下である 請求項2に記載の照明装置。光源と、 前記光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、 前記所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子と、 前記所定の照明位置に配置され、映像データに基づき光を変調するライトバルブと、 前記ライトバルブからの変調光を投影面上に投影する投射レンズと を備え、 前記複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、前記光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 投射型表示装置。

说明书全文

本開示は、照明装置および照明装置からの光を用いて映像を投影する投射型表示装置に関する。

近年、オフィスだけでなく、家庭でも、スクリーンに映像を投影するプロジェクタ(投射型表示装置)が広く利用されている。プロジェクタは、光源からの光をライトバルブ(空間変調素子)で変調することにより画像光を生成し、スクリーンに投射して表示を行うものである(例えば、特許文献1,2参照)。最近では、手のひらサイズの超小型プロジェクタや、超小型プロジェクタ内蔵の携帯電話機などが普及し始めている。

特開2011−128634号公報

特開2010−48903号公報

特開2003−44839号公報

上記のようなプロジェクタでは一般に、表示画質を向上させるためにコントラストの向上が求められている。具体的には、例えば空間変調素子として反射型液晶素子を用いた場合、コントラストを向上させるには、黒表示時の光学系からの漏れ光を抑えて黒表示時の輝度を低減することが求められる。

液晶プロジェクタでは一般に、コントラスト改善のために偏光素子(例えばヨウ素偏光板やワイヤグリッド偏光板など)を空間変調素子としての液晶素子の前後に挿入し、液晶素子へ入射する光や出射する光の偏光比を高くする手法が用いられる。この場合、部品点数が多くなりコストが悪化する。また、偏光素子は必要な偏光方向の光の透過率も100%ではないため、光利用効率が低下し、明るさが悪化する。

本開示の目的は、コントラストを向上させることが可能な照明装置および投射型表示装置を提供することにある。

本開示による照明装置は、光源と、光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子とを備え、複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、第1の偏光成分を所定の光路へと導き、第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有するものである。

本開示による投射型表示装置は、光源と、光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子と、所定の照明位置に配置され、映像データに基づき光を変調するライトバルブと、ライトバルブからの変調光を投影面上に投影する投射レンズとを備え、複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、第1の偏光成分を所定の光路へと導き、第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有するものである。

本開示による照明装置または投射型表示装置では、複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、第1の偏光成分を所定の光路へと導き、第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導く。

本開示の照明装置または投射型表示装置によれば、照明用光学部材によって、不要な偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導くようにしたので、コントラストを向上させることが可能となる。 なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。

本開示の第1の実施の形態に係る投射型表示装置の全体構成の一例を示す構成図である。

第1の実施の形態に係る投射型表示装置の白表示時の光路の一例を示す説明図である。

第1の実施の形態に係る投射型表示装置の黒表示時の光路の一例を示す説明図である。

第1の実施の形態に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用の一例を示す説明図である。

光源の構成例を示す断面図である。

図5に示した光源を光出射面側から見た構成図である。

光源の他の構成例を示す断面図である。

図6に示した光源を光出射面側から見た構成図である。

図6に示した光源の他の構成例を示す構成図である。

偏光補償素子のS偏光成分に対する作用を示す説明図である。

光源のファーフィールドパターンの一例を示す説明図である。

偏光補償素子のP偏光成分に対する作用を示す説明図である。

S偏光成分とP偏光成分とが混在し、偏光比が悪い場合の光の状態を示す説明図である。

第1の変形例に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用を示すである。

第1の変形例の照明用光学部材に対する所定の波長帯域の光の入射の一例を示す説明図である。

第1の変形例の照明用光学部材に対する所定の波長帯域の光の入射角の他の例を示す説明図である。

入射角度による照明用光学部材の偏光特性の一例を示す説明図である。

第2の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第3の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第4の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第5の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第6の変形例に係る光源の構成例を示す断面図である。

図22に示した光源を光出射面側から見た構成図である。

第6の変形例に係る光源の他の構成例を示す断面図である。

図24に示した光源を光出射面側から見た構成図である。

図24に示した光源の他の構成例を示す構成図である。

第2の実施の形態に係る投射型表示装置の一構成例を示す構成図である。

第2の実施の形態に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第3の実施の形態に係る投射型表示装置の一構成例を示す構成図である。

第3の実施の形態に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

第4の実施の形態に係る投射型表示装置の照明光学系の一構成例を示す構成図である。

第5の実施の形態に係る投射型表示装置の全体構成の一例を示す構成図である。

第5の実施の形態に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用を示す説明図である。

以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。 1.第1の実施の形態(偏光分離素子の反射光をライトバルブに入射させる投射型表示装置)(図1〜図26) 1.1 構成 1.1.1 投射型表示装置の全体構成例 1.1.2 光源の構成例 1.1.3 表示光学系の構成例 1.2 動作および作用 1.2.1 基本動作 1.2.2 偏光補償素子の作用 1.2.3 偏光比を改善する照明用光学部材の説明 1.3 効果 1.4 第1の実施の形態の変形例 1.4.1 第1の変形例(図14〜図17) 1.4.2 第2の変形例(図18) 1.4.3 第3の変形例(図19) 1.4.4 第4の変形例(図20) 1.4.5 第5の変形例(図21) 1.4.6 第6の変形例(図22〜図26) 2.第2の実施の形態(偏光分離素子の透過光をライトバルブに入射させる投射型表示装置)(図27,図28) 3.第3の実施の形態(偏光分離素子の透過光をライトバルブに入射させる投射型表示装置)(図29,図30) 4.第4の実施の形態(偏光ミラーを備える投射型表示装置)(図31) 5.第5の実施の形態(光源からライトバルブまでの光路が同一平面上にない投射型表示装置)(図32,図33) 6.その他の実施の形態

<1.第1の実施の形態> [1.1 構成] (1.1.1 投射型表示装置の全体構成例) 図1は、本開示の第1の実施の形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクタ1の概略構成を、光路(太線の破線)および光軸(細線の破線)とともに表したものである。このプロジェクタ1は、入された映像信号に基づいて生成された画像光を反射型のスクリーン2に投射することにより、映像表示を行うものである。

なお、図1において、典型的には、Y軸は垂直方向を向き、X軸は平方向を向いているが、その逆に、Y軸が水平方向を向き、X軸が垂直方向を向いていてもよい。以下では、便宜的に、Y軸は垂直方向を向き、X軸は水平方向を向いているものとして説明するものとする。また、以下において、「横方向」とはX軸方向を指しており、「縦方向」とはY軸方向を指しているものとする。

プロジェクタ1は、例えば、照明光学系1Aと表示光学系とを備えている。この表示光学系は、ライトバルブ60と、偏光ビームスプリッタ51と、偏光補償素子80と、投影光学系70とを有している。

照明光学系1Aは、ライトバルブ60の照明範囲60A(被照射面)を照射する光束を供給するものである。なお、必要に応じて、照明光学系1Aの光が通過する領域上に、何らかの光学素子が設けられていてもよい。例えば、照明光学系1Aの光が通過する領域上に、照明光学系1Aからの光のうち可視光以外の光を減光するフィルタなどが設けられていてもよい。

照明光学系1Aは、例えば図1に示したように、複数の光源(第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10C)と、複数の光源からのそれぞれの光を所定の光路(偏光ビームスプリッタ51およびライトバルブ60へと至る光路)に導くための複数の照明用光学部材とを有している。照明光学系1Aは、複数の照明用光学部材として、カップリングレンズ(指向角変換素子)20A,20B,20Cと、光路合成素子30と、インテグレータ(フライアイレンズ)40と、コンデンサレンズ50とを有している。

第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10Cは、それぞれが異なる波長帯域の光を発するものであり、それぞれ異なる光路上に配置されている。

光路合成素子30は、第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10Cからの光を合成するものであり、第1の光路合成素子30Aと第2の光路合成素子30Bとからなる。本実施の形態では、後述するように、照明用光学部材の1つである第1の光路合成素子30Aが、図4に示したように、光路を合成する際に、所定の波長帯域の光(例えば緑色光LG)に対し、第1の偏光成分(例えばS偏光成分)を所定の光路へと導き、第2の偏光成分(例えばP偏光成分)を所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有している。

インテグレータ40は、照明範囲60Aにおける光の照度分布(輝度分布)を均一化するものであり、ここでは1つのフライアイレンズからなる。ただし、インテグレータ40が、一対のフライアイレンズから構成されていてもよい。

第1の光源10Aの光軸上には、カップリングレンズ20Aと、光路合成素子30と、インテグレータ40と、コンデンサレンズ50とが、第1の光源10A側からこの順に配列されている。第2の光源10Bの光軸は、第1の光源10Aの光軸と第1の光路合成素子30Aにおいて直交しており、この第2の光源10Bの光軸上には、カップリングレンズ20Bおよび第1の光路合成素子30Aが、光源10B側からこの順に配列されている。第3の光源10Cの光軸は、第1の光源10Aの光軸と第2の光路合成素子30Bにおいて直交しており、この第3の光源10Cの光軸上には、カップリングレンズ20Cおよび第2の光路合成素子30Bが、第3の光源10C側からこの順に配列されている。

カップリングレンズ20Aは、例えば図1に示したように、第1の光源10Aから発せられた光を略平行光化するものであり、第1の光源10Aから発せられた光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換するものである。カップリングレンズ20Aは、第1の光源10Aから発せられた光のうち指向角内の光が入射する位置に配置されている。カップリングレンズ20Bは、例えば図1に示したように、第2の光源10Bから発せられた光を略平行光化するものであり、第2の光源10Bから発せられた光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換するものである。カップリングレンズ20Bは、第2の光源10Bから発せられた光のうち指向角内の光が入射する位置に配置されている。カップリングレンズ20Cは、例えば図1に示したように、第3の光源10Cから発せられた光を略平行光化するものであり、第3の光源10Cから発せられた光の指向角を、平行光の指向角と等しくなるように、またはそれに近づくように変換するものである。カップリングレンズ20Cは、光源10Cから発せられた光のうち指向角内の光が入射する位置に配置されている。つまり、カップリングレンズ20A,20B,20Cは、各光源10A,10B,10Cごとに(パッケージごとに)1つずつ配置されている。なお、カップリングレンズ20A,20B,20Cは、それぞれ、単一のレンズによって構成されていてもよいし、複数のレンズによって構成されていてもよい。

第1の光路合成素子30Aおよび第2の光路合成素子30Bはそれぞれ、波長選択性を持つ1枚のミラーを含むものである。なお、上記のミラーは、例えば、多層の干渉膜を蒸着して構成されたものである。第1の光路合成素子30Aは、例えば図1に示したように、ミラーの裏面側から入射した光(第1の光源10A側から入射した光)をミラーの表面側に透過させるとともに、ミラーの表面側から入射した光(第2の光源10B側から入射した光)の一部をミラーで反射するようになっている。一方、第2の光路合成素子30Bは、図1に示したように、ミラーの裏面側から入射した光(第1の光路合成素子30A側から入射した光源10A,10Bの光)をミラーの表面側に透過させるとともに、ミラーの表面側から入射した光(第3の光源10C側から入射した光)をミラーで反射するようになっている。従って、光路合成素子30は、光源10A,10B,10Cから発せられた個々の光束を単一の光束に合成するようになっている。

インテグレータ(フライアイレンズ)40は、例えば所定の配列状態(例えばマトリクス状)に配置された複数のレンズからなる。一般に光源10A,10B,10Cから射出された光束は、その進行方向に垂直な面において不均一な強度分布(輝度分布)をもっている。そのため、これら光束をそのまま照明範囲60A(被照射面)に導くと、照明範囲60Aでの照度分布(輝度分布)が不均一になる。これに対して、光源10A,10B,10Cから射出された光束を、インテグレータ40によって複数の光束に分割してそれぞれを照明範囲60Aに重畳的に導くようにすれば、照明範囲60A上の照度分布を均一にする(照度分布の不均一性を低減する)ことができる。

コンデンサレンズ50は、インテグレータ40により形成された多光源からの光束を集光して照明範囲60Aを重畳的に照明するものである。

(1.1.2 光源の構成例) 第1の光源10Aは例えば波長450nm程度の青色光LBを発するレーザ光源である。緑色レーザ11Gは例えば波長520nm程度の緑色光LGを発するレーザ光源である。赤色レーザ11Rは例えば波長640nm程度の赤色光LRを発するレーザ光源である。

第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10Cはそれぞれ、例えば図5および図6に示したように、複数のチップ11Aを有した構成であってもよい。例えば赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBのいずれかを発する3つのチップ11Aを有していてもよい。また、第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10Cはそれぞれ、例えば図7ないし図9に示したように、1つのチップ11Aを有した構成であってもよい。

図5および図6、または図7ないし図9に示した構成例は、ステム13とキャップ14とによって囲まれた内部空間に、1または複数の端面発光型のチップ11Aからなる固体発光素子11が収容されたキャンタイプの形態となっている。なお、図6は、図5に示した光源を光出射面側から見た構成を示している。図8は、図7に示した光源を光出射面側から見た構成を示している。図9は、図7に示した光源の他の構成例を示している。

チップ11Aは、例えば発光ダイオード(LED)、有機EL発光素子(OLED)、またはレーザダイオード(LD)からなる。各光源10A,10B,10Cに含まれるチップ11Aは、例えば、光源10A,10B,10Cごとに互いに異なる波長帯の光を発するようになっている。第1の光源10Aに含まれるチップ11Aは、例えば、400nm〜500nm程度(例えば、450nm程度)の波長の光(青色光LB)を発するものである。第2の光源10Bに含まれるチップ11Aは、例えば、500nm〜600nm程度(例えば、520nm程度)の波長の光(緑色光LG)を発するものである。第3の光源10Cに含まれるチップ11Aは、例えば、600nm〜700nm程度(例えば、640nm程度)の波長の光(赤色光LR)を発するものである。

ステム13は、キャップ14とともに光源のパッケージを構成するものであり、例えば、サブマウント15を支持する支持基板13Aと、支持基板13Aの裏面に配置された外枠基板13Bと、複数の接続端子13Cとを有している。

サブマウント15は導電性および放熱性を有する材料からなる。支持基板13Aおよび外枠基板13Bは、それぞれ、導電性および放熱性を有する基材に、1または複数の絶縁性のスルーホールと、1または複数の導電性のスルーホールとが形成されたものである。支持基板13Aおよび外枠基板13Bは、例えば、円板形状となっており、双方の中心軸(図示せず)が互いに重なり合うように積層されている。外枠基板13Bの直径は、支持基板13Aの直径よりも大きくなっている。外枠基板13Bの外縁は、外枠基板13Bの中心軸を法線とする面内において外枠基板13Bの中心軸から放射方向に張り出した環状のフランジとなっている。フランジは、製造過程においてキャップ14を支持基板13Aに嵌合させるときの基準位置を規定する役割を有している。

複数の接続端子13Cは、少なくとも支持基板13Aを貫通している。複数の接続端子13Cのうち少なくとも1つの端子を除いた端子(以下、便宜的に「端子α」とする。)は、個々のチップ11Aの電極(図示せず)に1つずつ電気的に接続されている。端子αは、例えば、外枠基板13B側に長く突出しており、かつ支持基板13A側に短く突出している。また、複数の接続端子13Cのうち上記の端子α以外の端子(以下、便宜的に「端子β」とする。)は、全てのチップ11Aの他の電極(図示せず)に電気的に接続されている。端子βは、例えば、外枠基板13B側に長く突出しており、端子βの支持基板13A側の端縁は、例えば、支持基板13A内に埋め込まれている。各接続端子13Cのうち外枠基板13B側に長く突出している部分が、例えば基板などに嵌め込まれる部分に相当する。一方、複数の接続端子13Cのうち支持基板13A側に短く突出している部分が、ワイヤ16を介して個々のチップ11Aと1つずつ電気的に接続される部分に相当する。複数の接続端子13Cのうち支持基板13A内に埋め込まれている部分が、例えば、支持基板13Aおよびサブマウント15を介して全てのチップ11Aと電気的に接続される部分に相当する。端子αは、支持基板13Aおよび外枠基板13Bに設けられた絶縁性のスルーホールによって支持されており、そのスルーホールによって支持基板13Aおよび外枠基板13Bから絶縁分離されている。さらに、個々の端子αは、上記の絶縁部材によって互いに絶縁分離されている。一方、端子βは、支持基板13Aおよび外枠基板13Bに設けられた導電性のスルーホールによって支持されており、そのスルーホールと電気的に接続されている。

キャップ14は、固体発光素子11を封止するものである。キャップ14は、例えば、上端および下端に開口が設けられた筒部14Aを有している。筒部14Aの下端が、例えば、支持基板13Aの側面に接しており、筒部14Aの内部空間に、固体発光素子11が位置している。キャップ14は、筒部14Aの上端側の開口を塞ぐようにして配置された光透過窓14Bを有している。光透過窓14Bは、固体発光素子11の光射出面と対向する位置に配置されており、固体発光素子11から出力された光を透過する機能を有している。

このように、チップ11Aが端面発光型の素子からなる場合において、固体発光素子11は、単一もしくは複数の点状、または単一もしくは複数の非点状の発光スポットからなる光射出領域から光を発するようになっている。固体発光素子11は、例えば、所定の波長帯の光を発する単一のチップ11Aからなっていてもよいし、同一の波長帯の光を発する複数のチップ11Aからなっていてもよい。固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、それらのチップ11Aは、例えば、図5および図6に示したように、縦方向(Y方向、V方向)に一列に配置されている。

固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、例えば、図8に示したように、単一のチップ11Aのサイズ(WV1×WH1)に等しい。ただし、例えば図9に示したように、固体発光素子11がモノリシック構造である場合には次のようになる。すなわち、図9の例では、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、2WV1×WH1以上である。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズは、例えば、図6に示したように、全てのチップ11Aをひとまとまりとしたときのサイズに等しい。複数のチップ11Aが縦方向に一列に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図6の例では、3WV1×WH1以上である。

(1.1.3 表示光学系の構成例) 偏光ビームスプリッタ51は、所定の光路に導かれた光に含まれる所定の偏光成分(例えばS偏光)を所定の照明位置(ライトバルブ60)へと伝達する偏光分離素子である。偏光ビームスプリッタ51は、例えば、多層膜がコートされたプリズムを貼り合わせたものである。偏光分離素子としてはまた、偏光特性を有する素子(ワイヤグリッドや偏光フィルムなど)でもよいし、その素子をサンドしたプリズムに類するビームスプリッタを用いても良い。

偏光ビームスプリッタ51は、照明光学系1A(コンデンサレンズ50)とライトバルブ60との間の光路上に配置されている。この偏光ビームスプリッタ51は、特定の偏光(例えばP偏光)を選択的に透過させると共に、他方の偏光(例えばS偏光)を選択的に反射させる光学部材である。これにより、照明光学系1A側から入射した光(例えばS偏光)が、偏光ビームスプリッタ51において選択的に反射されてライトバルブ60へ入射するようになっている。

(ライトバルブ60) ライトバルブ60は例えば反射型液晶素子からなる空間変調素子である。ライトバルブ60は、光源10,10B,10Cの各波長成分に対応した色画像信号(入力された映像信号)に基づいて、照明光学系1Aからの光束を2次元的に変調し、これにより画像光を生成するものである。ライトバルブ60は、例えば、TN(Twisted Nematic)型の液晶(正の屈折率異方性を有する液晶分子)を用いた液晶パネルによって構成されている。具体的には、マトリクス状に配置された複数の画素(図示せず)ごとに映像信号に基づく駆動電圧が印加される一対の基板間(図示せず)に、TNモードの液晶を用いた液晶層(図示せず)が挟まれた構造となっている。

このライトバルブ60では、上記したTN型の液晶を用いた場合、駆動電圧の無印加時および印加時でそれぞれ、以下のようにして光変調を行う。

まず、駆動電圧が印加されないとき(後述する白表示時)には、ツイストして配向することで、入射した光(画像光)に対して入射面内における位相差を付与し、偏光軸を約90度回転させたうえで出射する特性を有している。つまり、駆動電圧の無印加時には、入射時と出射時とにおける各偏光(例えば、S偏光またはP偏光)が異なるものとなるように反射しつつ、光変調を行うようになっている。

一方、駆動電圧が印加されたとき(後述する黒表示時)には、ライトバルブ60における厚み方向へ液晶分子が揃って配向することで、入射した光(画像光)に対して入射面内における位相差を付与せず、偏光軸を保持したうえで出射する特性を有している。つまり、駆動電圧の印加時には、入射時と出射時とにおける各偏光(例えば、S偏光またはP偏光)が同じものとなる(保持される)ように反射しつつ、光変調を行うようになっている。

このように、ライトバルブ60から出射した画像光の偏光は、駆動電圧の無印加時と印加時とで互いに異なるものとなる。このようなライトバルブ60における偏光特性と、前述した偏光ビームスプリッタ51における光学特性とを組み合わせることで、後述するように、プロジェクタ1において白表示または黒表示が実現されるようになっている。

また、ライトバルブ60は、上記したTN型の液晶ではなく、例えば、VA(Vertical Alignment)型の液晶(負の屈折率異方性を有する液晶分子)を用いた液晶パネルによって構成されているようにしてもよい。この場合、ライトバルブ60は、上記した一対の基板間(図示せず)に、VAモードの液晶を用いた液晶層(図示せず)が挟まれた構造となっている。

ライトバルブ60では、上記したVA型の液晶を用いた場合、駆動電圧の無印加時および印加時でそれぞれ、以下のようにして光変調を行う。

まず、駆動電圧が印加されないとき(後述する黒表示時)には、液晶分子がほぼ垂直(ライトバルブ60における厚み方向)に配向している。このため、入射した光(画像光)に対して入射面内における位相差を付与せず、偏光軸を保持したうえで出射する特性を有している。つまり、駆動電圧の無印加時には、上記したTN型の液晶の場合とは逆に、入射時と出射時とにおける各偏光が同じものとなる(保持される)ように反射しつつ、光変調を行うようになっている。

一方、駆動電圧が印加されたとき(後述する白表示時)には、液晶分子がほぼ水平になるように倒れて配向する。このため、入射した光(画像光)に対して入射面内における位相差を付与し、偏光軸を約90度回転させたうえで出射する特性を有している。つまり、駆動電圧の印加時においても、上記したTN型の液晶の場合とは逆に、入射時と出射時とにおける各偏光が異なるものとなるように反射しつつ、光変調を行うようになっている。

このように、VA型の液晶を用いた場合においても、TN型の液晶を用いた場合と同様に、ライトバルブ60から出射した画像光の偏光は、駆動電圧の無印加時と印加時とで互いに異なるものとなる。したがって、この場合も、ライトバルブ60における偏光特性と、前述した偏光ビームスプリッタ51における光学特性とを組み合わせることで、後述するように、プロジェクタ1において白表示または黒表示が実現される。ただし、上記したように、TN型の液晶の場合とVA型の液晶の場合とでは、駆動電圧の無印加時または印加時と、それらの時に白表示または黒表示のいずれになるのかとが、互いに逆の関係となる。

なお、ライトバルブ60は、上記したTN型またはVA型の液晶を用いた液晶パネルには限られず、他の方式の液晶を用いた液晶パネルによって構成されていてもよい。具体的には、例えば、STN(Super Twisted Nematic)型,IPS(In Plane Switching)型,OCB(Optically Compensated Bend)型,MVA(Multi domain Vertical Alignment)型,ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)型などの方式の液晶を用いた液晶パネルによって構成されていてもよい。また、ネマティック液晶以外の、スメクティック液晶(例えば強誘電性液晶)を用いた液晶パネルによって構成されていてもよい。

投影光学系70は、偏光ビームスプリッタ70とスクリーン2との間に配置されており、ライトバルブ60により生成された後に偏光補償素子80および偏光ビームスプリッタ51を通る光路を経て入射する画像光を、スクリーン2に投射するものである。このような投影光学系は、例えば、1または複数のレンズ(投射レンズ)により構成されている。

(偏光補償素子80) 偏光補償素子80は、偏光ビームスプリッタ51とライトバルブ60との間の光路上に配置されており、入射した光に対して位相差を付与してその偏光状態を変化させる素子である。具体的には、偏光補償素子80は、まず、光軸に沿って互いに対向する第1面(偏光ビームスプリッタ51側の光通過面)および第2面(ライトバルブ60側の光通過面)を有している。そして、この偏光補償素子80は、偏光ビームスプリッタ51(上記第1面)側からの光入射時(入射方向d1)と、ライトバルブ60(上記第2面)側からの光入射時(入射方向d2)とで、互いに逆極性(逆方向)かつ略同等の絶対値からなる位相差を付与するようになっている。つまり、偏光補償素子80は、光の入射方向に依存しない位相差特性(位相差の対称性)を有している。これにより詳細は後述するが、偏光補償素子80において偏光ビームスプリッタ51側からの光入射時に付与される位相差と、ライトバルブ60における光変調時に生ずる位相差と、偏光補償素子80においてライトバルブ60側からの光入射時に付与される位相差との総和によって、黒表示の際の投影光学系70側への漏れ光が低減するようになっている。

[1.2 動作および作用] (1.2.1 基本動作) このプロジェクタ1では、照明光学系1A内の各光源10A,10B,10Cから発せられた光が偏光ビームスプリッタ51によって偏光分離され、そのうちの一の偏光(例えばS偏光)が偏光補償素子80を介してライトバルブ60へ入射する。また、この入射光が映像信号に基づいてライトバルブ60により変調されて画像光が生成され、この画像光が偏光補償素子80および偏光ビームスプリッタ51を介して投影光学系70へ入射する。そして、この入射光が投影光学系70によってスクリーン2に対して投射される。

ここで、映像信号に基づいて白表示を行う際には、例えば図2に示したようになる。すなわち、照明光学系1Aから偏光ビームスプリッタ51へ入射した光のうち、例えばP偏光L1pはそのまま偏光分離面Ssを透過する一方、例えばS偏光L1sは偏光分離面Ssにおいて反射され、ライトバルブ60へと入射する。ここで、白表示を行うとき、ライトバルブ60にTN型の液晶を用いた場合には駆動電圧が印加されない一方、VA型の液晶を用いた場合には駆動電圧が印加される。このため、これらTN型およびVA型のいずれの液晶を用いた場合であっても、前述したように、ライトバルブ60において変調および反射されて出射する画像光は、P偏光(P偏光L2p)へと変換される。したがって、このP偏光L2p(画像光)は、偏光ビームスプリッタ51の偏光分離面Ssを透過し、投影光学系70側へと導かれることで、画像光の投射がなされる。このようにして、映像信号に基づく白表示が行われる。

一方、映像信号に基づいて黒表示を行う際には、例えば図3に示したようになる。すなわち、まず、上記した白表示の際と同様に、例えばP偏光L1pが偏光分離面Ssを透過する一方、例えばS偏光L1sは偏光分離面Ssにおいて反射され、ライトバルブ60へと入射する。ここで、黒表示を行うとき、ライトバルブ60にTN型の液晶を用いた場合には駆動電圧が印加される一方、VA型の液晶を用いた場合には駆動電圧が印加されない。このため、これらTN型およびVA型のいずれの液晶を用いた場合であっても、前述したように、ライトバルブ60において変調および反射されて出射する画像光は、S偏光(S偏光L2s)のまま保持される。したがって、このS偏光L2sは、偏光ビームスプリッタ51の偏光分離面Ssにおいて反射され、照明光学系1A側へと戻される。つまり、この場合には画像光が投影光学系70側へと導かれないため、画像光の投射もなされないことになる。このようにして、映像信号に基づく黒表示が行われる。

(黒表示時の漏れ光について) ここで、このような黒表示の際に、ライトバルブ60にTN型およびVA型のいずれの液晶を用いた場合であっても、例えば図3中に示したように、偏光ビームスプリッタ51から投影光学系70側への漏れ光Lleakが発生してしまうことがある。上記したように、黒表示時にはライトバルブ60において生成された画像光はS偏光(S偏光L2s)であることから、偏光ビームスプリッタ51において完全に反射され、投影光学系70側への漏れ光Lleakは、本来は生じないはずである。

ところが、例えばS偏光L1sは、コンデンサレンズ50によって集光されている光であることから、偏光ビームスプリッタ51の入射面Sinに対して斜入射する成分の光も含んでいる。このため、その反射光である画像光(S偏光L2s)においては、以下のようにして漏れ光Lleakが発生する。すなわち、そのような斜め入射光は、偏光分離面Ssに対して理想的なS偏光の軸から回転した偏光成分として見え、画像光が実際には楕円偏光の成分を含むことになる。したがって、楕円偏光の成分を含むことから、偏光分離面Ssにおいて画像光の一部が反射されずに透過し、漏れ光Lleakが発生してしまうのである。そして、このような漏れ光Lleakが発生すると、黒表示時においてもスクリーン2に対して画像光の一部が投射されることから、コントラストが低下し、表示画質が劣化してしまう。

(1.2.2 偏光補償素子の作用) 本実施の形態のプロジェクタ1では、偏光補償素子80において、偏光ビームスプリッタ51側からの光入射時(入射方向d1)と、ライトバルブ60側からの光入射時(入射方向d2)とで、互いに逆極性(逆方向)かつ略同等の絶対値からなる位相差が付与される。つまり、偏光補償素子80は、光の入射方向に依存しない位相差特性(位相差の対称性)を有している。これにより、偏光補償素子80において偏光ビームスプリッタ51側からの光入射時に付与される位相差と、ライトバルブ60における光変調時に生ずる位相差と、偏光補償素子80においてライトバルブ60側からの光入射時に付与される位相差との総和によって、黒表示の際の投影光学系70側への漏れ光Lleakが低減する。

ここで、例えば図10に示した模式図(ある1つの光線に着目して偏光状態の変化を模式的に示した図)を用いて、上記した位相差の総和による黒表示時の漏れ光Lleakの低減作用について詳細に説明する。まず、偏光ビームスプリッタ51から偏光補償素子80へとS偏光(S偏光L1s(in))が入射すると、この偏光補償素子80では、例えば図中の回転方向γ1で示した位相差が付与され、S偏光L1s(out)が出射する。次いで、この偏光補償素子80から出射したS偏光L1s(out)がライトバルブ60において変調および反射される際に、微小な位相差(図中の回転方向γ2参照)が付与され、画像光(S偏光L2s(in))が生成される。そして、この画像光(S偏光L2s(in))が偏光補償素子80へ再度入射すると、上記した回転方向γ1,γ2とは逆方向(逆極性)である回転方向γ3で示した位相差が付与される。このようにして、ある1つの光線に着目すると、偏光補償素子80から出射した画像光(S偏光L2s(out))は、元のS偏光L1s(in)と同じ偏光軸を有する直線偏光へと変換される。このため、この画像光(S偏光L2s(out))は、偏光ビームスプリッタ51へ入射した際に偏光分離面Ssにおいて完全に反射されて照明光学系1A側へと戻ることとなり、投影光学系70側への漏れ光Lleakの発生が低減もしくは回避される。

(1.2.3 偏光比を改善する照明用光学部材の説明) 上記のように、偏光ビームスプリッタ51とライトバルブ60との間に偏光補償素子80を挿入する場合、偏光補償素子80へ入射する光の偏光比(S偏光/P偏光の比)が悪ければコントラスト悪化の要因となる。偏光補償素子80は、図12に示したように、P偏光に対してもS偏光の場合(図10)と同様の作用を有する。すなわち、偏光ビームスプリッタ51から偏光補償素子80へとP偏光L1p(in)が入射すると、偏光補償素子80では、例えば図中の回転方向γ1で示した位相差が付与され、P偏光L1p(out)が出射する。次いで、偏光補償素子80から出射したP偏光L1p(out)がライトバルブ60において変調および反射される際に、微小な位相差(図中の回転方向γ2参照)が付与され、P偏光L2p(in)が生成される。そして、このP偏光L2p(in)が偏光補償素子80へ再度入射すると、上記した回転方向γ1,γ2とは逆方向(逆極性)である回転方向γ3で示した位相差が付与される。このようにして、ある1つの光線に着目すると、偏光補償素子80から出射した光(P偏光L2p(out))は、元のP偏光L1p(in)と同じ偏光軸を有する直線偏光へと変換される。

このように、偏光補償素子80はP偏光とS偏光の双方に作用するため、例えば図13に示したように、偏光ビームスプリッタ51から偏光補償素子80への入射光L1にS偏光L1s(in)だけでなくP偏光L1p(in)が含まれていると、偏光ビームスプリッタ51への戻り光にもS偏光L2s(out)だけでなくP偏光L2p(out)が含まれることとなり、コントラスト悪化の要因となる。

また、光源10A,10B,10Cに偏光比の高いレーザを用いると偏光板などを入れずとも高い偏光比が得られるため偏光補償素子80を用いたコントラスト改善に非常に有効であるが、一般的に偏光比の高いレーザ光源であっても、不要偏光方向の成分の光も有するため、コントラスト改善効果は不十分である。

そこで、照明光学系1A内の複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つに、次のような特性を持たせることが好ましい。例えば第1の光路合成素子30Aに次のような特性を持たせることが好ましい。すなわち、第1の光路合成素子30Aに、光路を合成する際に、所定の波長帯域の光に対し、第1の偏光成分を所定の光路(偏光ビームスプリッタ51およびライトバルブ60へと至る光路)へと導き、第2の偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を持たせることが好ましい。

具体的には例えば、図4に示したように、第1の光路合成素子30Aが、所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光(緑色光LG)に対して第1の偏光成分(S偏光成分LG(S))を反射すると共に、第2の偏光成分(P偏光成分LG(P))を透過する偏光特性を有していることが好ましい。また、第2の波長帯域の光(青色光LB)の成分(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過する特性を有していることが好ましい。

つまり、第1の光路合成素子30Aは、光路を合成する際に、緑色光LGにおけるS偏光成分LG(S)を偏光ビームスプリッタ51へと導き、P偏光成分LG(P)を偏光ビームスプリッタ51へと導かないようにする。偏光ビームスプリッタ51は、S偏光を反射し、P偏光を透過する特性を有するが、P偏光に対して若干の反射特性を有するため、入射偏光比(S偏光/P偏光の比)が悪いと、ライトバルブ60へはS偏光とP偏光の両成分の光が導かれることになる。ところが、第1の光路合成素子30Aにより、少なくとも緑色光LGに対して、P偏光は偏光ビームスプリッタ51へ導かない(不要光路へと導く)ため、偏光比の高い(ほぼS偏光のみの)光が偏光ビームスプリッタ51へと入射することになり、少なくとも緑色光LGに対してほぼS偏光のみがライトバルブ60へと導かれる。

黒表示時は、ライトバルブ60へ入射した偏光を位相に変化を与えずにそのまま出射するため、もしライトバルブ60への入射光にP偏光成分があると、ライトバルブ60から出射したP偏光成分が偏光ビームスプリッタ51を透過し、漏れ光となる。本実施の形態によれば、少なくとも緑色光LGに対してライトバルブ60への入射光は、ほぼS偏光成分のみなので、黒表示時にはライトバルブ60から出射する偏光もほぼS偏光のみとなり、漏れ光が少なくなり、コントラストが改善される。このような効果は、偏光補償素子80が無い場合であっても同様に得られる。

本実施の形態において、光源10A,10B,10Cについては、上述したように例えば、図5および図6、または図7ないし図9に示すLD光源を用いることができる。一般的に、LD光源は原理的に偏光比が高いが、その強度分布を見ると、中には図11のような特性を持つものもある。すなわち、出射する光の強度分布(FFP:ファーフィールドパターン)について、ほとんどの成分はガウス分布の形状をした単一の偏光のレーザ光である。このレーザ光は、LDチップから出射する誘導放出光であり、偏光方向は例えば、図11の右側の図に示したように、偏光ビームスプリッタ51のS偏光:X方向のメイン光である。S偏光とP偏光との偏光比は例えば1000:1以上となるが、サイドローブなど別の部分に上述のメイン光以外の成分などが存在し、全光束の偏光比は例えば、500:1以下のように悪化する。メイン光以外の成分としては、LDチップから出射する自然放出光やパッケージ要因で発生する散乱や反射迷光があり、その偏光方向は例えば、図11の右側の図に示したように、偏光ビームスプリッタ51のP偏光:Y方向の光、またはSP両方の偏光を含む無偏光となる。なお、図11の右側には、光源10A,10B,10Cの光路に直交する断面内における有効光束Da内のファーフィールドパターンを示している。

上述の図4に示した構成は、光源10A,10B,10Cとして、上述のようなLD光源を用いる場合に特に有効である。コントラストを上げるためには、偏光ビームスプリッタ51に対するS偏光成分のみが伝達されるように、例えばP偏光を取り込まないようにカップリングレンズ10A,10B,10Cを低NAに設計してもよいが、光利用効率を高めるためには、全光束を取り込む高NAに設計する必要がある。NAを小さくしてしまうと、必要なS偏光の周辺光も取り込まないことになってしまい光利用効率が低下する。上述の図4に示した構成を用いれば、光利用効率を高めながら、偏光比を高めることが可能なため、高輝度で低消費電力、かつ、コントラストを改善したプロジェクタの提供が可能となる。

[1.3 効果] 以上のように、本実施の形態によれば、照明用光学部材によって、不要な偏光成分を所定の光路から外れた方向へと導くようにしたので、コントラストを向上させることが可能となる。また、光源10A,10B,10Cが偏光比の悪いLD光源であっても、光路合成をしながら偏光比の改善が可能となるため、光利用効率を最大限にしながらコントラストを改善することができる。また、偏光比を改善するために偏光板の類の部品を追加する必要がないため、小型化、光利用効率アップ、かつ低コスト化が可能となる。以上のことにより、小型、軽量の電子機器への搭載が可能な、小型、高輝度、低消費電力かつ高精細なレーザプロジェクタの実現が可能となる。

なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。以降の他の実施の形態および変形例についても同様である。

[1.4 第1の実施の形態の変形例] (1.4.1 第1の変形例) 図14は、第1の変形例に係る投射型表示装置における1つの照明用光学部材の構成および作用を示している。上記した図4には偏光比を改善する照明用光学部材として、偏光プリズムからなる第1の光路合成素子30Aの例を示したが、図14に示したように平板状の偏光ミラーからなる第1の光路合成素子31Aを用いても良い。偏光特性については図4に示した第1の光路合成素子30Aと同様であってもよい。すなわち、第1の光路合成素子31Aが、所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光(緑色光LG)に対して第1の偏光成分(S偏光成分LG(S))を反射すると共に、第2の偏光成分(P偏光成分LG(P))を透過する偏光特性を有していてもよい。また、第2の波長帯域の光(青色光LB)の成分(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過する特性を有していてもよい。

ここで、第1の光路合成素子31Aへの所定の波長帯域の光(緑色光LG)の入射角θは、以下に説明するように、25(deg)以上75(deg)以下であることが好ましい。より好ましくは、入射角θが、40(deg)以上60(deg)以下であると良い。

図15は第1の光路合成素子31Aに対する所定の波長帯域の光の入射角θが小さくなった場合(θ=25)の構成例を示し、図16は入射角θが大きくなった場合(θ=75)の構成例を示している。図17は、入射角θによる第1の光路合成素子31Aの偏光特性の違いを示している。図17において、横軸は波長、縦軸は反射率を示している。図17には一例として、入射角θが45(deg)、50(deg)、および55(deg)となった場合の特性を示している。

図17に示したように、入射角θが小さくなるほどS偏光とP偏光とに分離する帯域幅が小さくなる。このため、偏光分離の特性上の制約から第1の光路合成素子31Aへの所定の波長帯域の光の入射角θは、25(deg)以上であることが好ましく、より好ましくは40(deg)以上であるとよい。また、図16に示したように入射角θが大きくなると、光学部品の配置上の制約が生ずる。このため、入射角θは、75(deg)以下であることが好ましく、より好ましくは60(deg)以下であるとよい。

また、図17に示したように、入射角θが略55(deg)であれば緑色光LGの帯域に対して十分な性能が取れることから、偏光分離の特性上の観点からは入射角θが略55(deg)となるように構成することが好ましい。

なお、このような入射角θの制約は、偏光プリズムからなる第1の光路合成素子30Aについても略同様である。

(1.4.2 第2の変形例) 図18は、第2の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示している。図18に示したように、図1の構成例における第1の光路合成素子30Aと第2の光路合成素子30Bの双方を、平板状のミラーからなる第1の光路合成素子31Aと第2の光路合成素子31Bにしてもよい。第1の光路合成素子31Aは図14に示した構成例と同様の特性の偏光ミラーであってもよい。第2の光路合成素子31Bは、図1の構成例における第2の光路合成素子30Bと同様の特性を持ったダイクロイックミラーであってもよい。すなわち、第2の光路合成素子31Bは、図18に示したように、緑色光LG(S偏光成分LG(S))および青色光LB(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過し、赤色光LR(S偏光成分LR(S)およびP偏光成分LR(P))を反射することで、各色光を偏光ビームスプリッタ(PBS)51に至る所定の光路に導くものであってもよい。

(1.4.3 第3の変形例) 図19は、第3の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示している。図18に示した構成例に対してさらに、第2の光路合成素子31Bを偏光ミラーとして赤色光LRに対して偏光特性を持たせても良い。すなわち、第2の光路合成素子31Bが、図19に示したように、緑色光LG(S偏光成分LG(S))および青色光LB(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過し、赤色光LRに対してはS偏光成分LR(S)を反射し、偏光成分LR(P)透過する特性を有していてもよい。これにより、赤色光LRに対する偏光比を改善することができる。

(1.4.4 第4の変形例) 図20は、第4の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示している。図19に示した構成例に対してさらに、第1の光路合成素子31Aに青色光LBに対する偏光特性を持たせても良い。すなわち、第1の光路合成素子31Aが、図20に示したように、緑色光LGに対してS偏光成分LG(S)を反射すると共にP偏光成分LG(P)を透過する偏光特性を有し、さらに、青色光LBに対してS偏光成分LG(S)を透過すると共にP偏光成分LG(P)を反射する偏光特性を有していてもよい。これにより、青色光LBに対する偏光比を改善することができる。

(1.4.5 第5の変形例) 図21は、第5の変形例に係る投射型表示装置における2つの照明用光学部材の構成および作用を示している。図21に示したように、第1の光路合成素子31Aは偏光特性を持たないダイクロイックミラーとし、第2の光路合成素子31Bを偏光ミラーとして緑色光LGに対して偏光特性を持たせても良い。すなわち、第1の光路合成素子31Aは、青色光LB(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過し、緑色光LG(S偏光成分LG(S)およびP偏光成分LG(P))を反射する特性を有していてもよい。第2の光路合成素子31Bは、青色光LB(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を反射し、赤色光LR(S偏光成分LR(S)およびP偏光成分LR(P))透過し、緑色光LGに対してS偏光成分LG(S)を反射し、およびP偏光成分LG(P)を透過する特性を有していてもよい。この場合、偏光ビームスプリッタ(PBS)51は、緑色光LGのS偏光成分LG(S)を反射する方向に配置する。

なお、第2ないし第5の変形例に示した例以外にも照明用光学部材の配置は種々の態様を取り得る。

(1.4.6 第6の変形例) 上記実施の形態では光源の構成例として、複数のチップ11AがY軸を含む平面内で縦方向(Y方向、V方向)に一列に配置された例(図5および図6)を挙げたが、これに対して、図22および図23に示したように、複数のチップ11AがX軸を含む平面内で横方向(X方向、H方向)に一列に配置された構成であってもよい。上記実施の形態ではまた、単一のチップ11AがY軸を含む平面内に配置された例(図7ないし図9)を挙げたが、これに対して、図24ないし図26に示したように、単一のチップ11AがX軸を含む平面内に配置された構成であってもよい。

なお、図23は、図22に示した光源を光出射面側から見た構成を示している。図25は、図24に示した光源を光出射面側から見た構成を示している。図26は、図24に示した光源の他の構成例を示している。

本変形例において、固体発光素子11が単一のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、例えば、図25に示したように、単一のチップ11Aのサイズ(WV1×WH1)に等しい。ただし、例えば図26に示したように、固体発光素子11がモノリシック構造である場合には次のようになる。すなわち、図26の例では、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、WV1×2WH1以上である。一方、固体発光素子11が複数のチップ11Aからなる場合には、固体発光素子11としてのサイズは、例えば、図23に示したように、全てのチップ11Aをひとまとまりとしたときのサイズに等しい。複数のチップ11Aが横方向に一列に配置されている場合には、固体発光素子11としてのサイズ(WV×WH)は、図23の例では、WV1×3WH1以上である。

<2.第2の実施の形態> 次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用を有する部分については、適宜説明を省略する。

図27は、本実施の形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクタ3の一構成例を示している。図28は、図27に示したプロジェクタ3における1つの照明用光学部材(第1の光路合成素子30A)の構成および作用を示している。

図27に示したように、上記第1の実施の形態に対し、ライトバルブ60の位置が90度異なった配置とすることもできる。この場合、偏光ビームスプリッタ51を透過した光がライトバルブ60に導かれる。上記第1の実施の形態と同様、偏光ビームスプリッタ51は、S偏光L1sを反射し、P偏光L1pを透過する特性を有する。よって、ライトバルブ60へと入射する光の偏光方向はP偏光となっており、上記第1の実施の形態に対しては、S偏光とP偏光との関係が入れ替わった状態になるように、光路合成素子30の特性を構成する。

例えば、図28に示したように、第1の光路合成素子30Aが、所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光(緑色光LG)に対して第1の偏光成分(P偏光成分LG(P))を反射すると共に、第2の偏光成分(S偏光成分LG(S))を透過する偏光特性を有していることが好ましい。また、第2の波長帯域の光(青色光LB)の成分(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を透過する特性を有していることが好ましい。

つまり、上記第1の実施の形態とはS偏光とP偏光との関係が入れ替わり、第1の光路合成素子30Aは、光路を合成する際に、緑色光LGにおけるP偏光成分LG(P)を偏光ビームスプリッタ51へと導き、S偏光成分LG(S)を偏光ビームスプリッタ51へと導かないようにする。

<3.第3の実施の形態> 次に、本開示の第3の実施の形態について説明する。以下では、上記第1の実施の形態または上記第2の実施の形態と同様の構成および作用を有する部分については、適宜説明を省略する。

図29は、本実施の形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクタ3の一構成例を示している。図30は、図29に示したプロジェクタ3における1つの照明用光学部材(第1の光路合成素子30A)の構成および作用を示している。

複数の光源(第1の光源10A、第2の光源10Bおよび第3の光源10C)の配置は、これまで説明した構成例とは異なる配置にすることが可能である。図29および図30では、図27および図28の構成例に対して第1の光源10Aと第2の光源10Bとの配置を入れ替えた構成となっている。この場合、図30に示したように、第1の光路合成素子30Aが、所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光(緑色光LG)に対して第1の偏光成分(P偏光成分LG(P))を透過すると共に、第2の偏光成分(S偏光成分LG(S))を反射する偏光特性を有していることが好ましい。また、第2の波長帯域の光(青色光LB)の成分(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を反射する特性を有していることが好ましい。

<4.第4の実施の形態> 次に、本開示の第4の実施の形態について説明する。以下では、上記第1ないし第3の実施の形態と同様の構成および作用を有する部分については、適宜説明を省略する。

図31は、本実施の形態に係る投射型表示装置における照明光学系1Bの一構成例を示している。図31に示したように、照明光学系1B内に、光路を偏光ビームスプリッタ51に向けて折り曲げる偏光ミラー32を照明用光学部材として有していてもよい。そして、この偏光ミラー32が、所定の波長帯域の光(例えば赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBのうち少なくとも1つ)に対し、第1の偏光成分(例えばS偏光成分)を所定の光路へと導き、第2の偏光成分(例えばP偏光成分)を所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有していてもよい。なお、図31では、偏光ミラー32が、各S偏光成分LR(S),LG(S),LB(S)を偏光ビームスプリッタ51に向けて反射し、赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBの各P偏光成分LR(P),LG(P),LB(P)を偏光ビームスプリッタ51とは異なる方向に透過する例を示している。

<5.第5の実施の形態> 次に、本開示の第5の実施の形態について説明する。以下では、上記第1ないし第4の実施の形態と同様の構成および作用を有する部分については、適宜説明を省略する。

図32は、本実施の形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクタ5の一構成例を示している。図33は、図32に示したプロジェクタ5における1つの照明用光学部材(第1の光路合成素子30A)の構成および作用を示している。

本実施の形態に係るプロジェクタ5は、照明光学系1C内に、光路を偏光ビームスプリッタ51に向けて折り曲げるミラー33を有している。また、このプロジェクタ5では、第1の光路合成素子30Aに対する第1の光源10Aと第2の光源10Bとの配置が図1の構成例とは異なる配置となっている。

上記第1ないし第4の実施の形態では、光源から所定の照明位置であるライトバルブ60までの光路が同一平面上に存在していたが、このプロジェクタ5では、ライトバルブ60までの光路が偏光ビームスプリッタ51の偏光分離面によって他の平面方向に折り曲げられ、光源からライトバルブ60までの光路が同一平面上に存在していない。

図32のように光路が折り曲げられている場合、図33に示したように、第1の光路合成素子30Aが、所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光(緑色光LG)に対して第1の偏光成分(S偏光成分LG(S))を透過すると共に、第2の偏光成分(P偏光成分LG(P))を反射する偏光特性を有していることが好ましい。また、第2の波長帯域の光(青色光LB)の成分(S偏光成分LB(S)およびP偏光成分LB(P))を反射する特性を有していることが好ましい。

なお、上記第1ないし第4の実施の形態においては、第1の偏光成分が、偏光ビームスプリッタ51に対するS偏光(またはP偏光)成分であると共に、光路合成素子30に対してもS偏光(またはP偏光)成分である。これに対して、本実施の形態では、第1の偏光成分が、偏光ビームスプリッタ51に対するS偏光(またはP偏光)成分であると共に、光路合成素子30に対するP偏光(またはS偏光)成分の関係になっている点が異なる。

なお、本実施の形態においても、上記第1ないし第4の実施の形態と同様に、光路合成素子30が偏光ミラーであってもよい。また、図32の例では偏光ビームスプリッタ51の反射光をライトバルブ60に入射させているが、上記第2または第3の実施の形態と同様に、偏光ビームスプリッタ51の透過光をライトバルブ60に入射させる構成であってもよい。

以上の各実施の形態で挙げたものの他にも、光源からライトバルブ60までの光路の折り曲げ方には様々な方式が考えられるが、どのような方式であっても、第1の偏光成分の方向を偏光分離素子(偏光ビームスプリッタ51)に対する偏光成分の方向で規定すればよい。また、以上の説明では偏光分離素子がS偏光を反射し、P偏光を透過する特性を有するものとしたが、S偏光を透過し、P偏光を反射する特性を有するものであってもよい。

<6.その他の実施の形態> 本開示による技術は、上記各実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。

例えば、本技術による照明装置は照明が必要とされるプロジェクタ以外の機器にも適用可能である。また、光源が複数ではなく単一の光源のみの場合であっても適用可能である。単一の光源のみの場合、光路合成素子30は不要となるので、例えば図31の構成例と同様に光路を折り曲げる偏光ミラーを用いた構成にすればよい。

また例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。 (1) 光源と、 前記光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、 前記所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子と を備え、 前記複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、前記光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 照明装置。 (2) 前記光源を複数有し、 前記複数の光源がそれぞれ異なる光路上に配置され、 前記複数の照明用光学部材として、前記複数の光源のうちの2以上の光源の光路を合成する光路合成素子を有し、 前記光路合成素子が、光路を合成する際に、前記所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 上記(1)に記載の照明装置。 (3) 前記第1の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するS偏光であり、前記第2の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するP偏光である 上記(2)に記載の照明装置。 (4) 前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を反射すると共に前記第2の偏光成分を透過する偏光特性を有し、第2の波長帯域の光を透過する特性を有する 上記(3)に記載の照明装置。 (5) 前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を透過し、前記第2の偏光成分を反射する偏光特性を有し、第2の波長の光を反射する特性を有する 上記(3)に記載の照明装置。 (6) 前記偏光分離素子は反射により前記第1の偏光成分を前記所定の照明位置へと伝達する 上記(3)ないし(5)のいずれか1つに記載の照明装置。 (7) 前記第1の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するP偏光であり、前記第2の偏光成分が、前記偏光分離素子に対するS偏光である 上記(2)に記載の照明装置。 (8) 前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を反射すると共に前記第2の偏光成分を透過する偏光特性を有し、第2の波長帯域の光を透過する特性を有する 上記(7)に記載の照明装置。 (9) 前記光路合成素子は、前記所定の波長帯域の光としての第1の波長帯域の光に対して前記第1の偏光成分を透過し、前記第2の偏光成分を反射する偏光特性を有し、第2の波長の光を反射する特性を有する 上記(7)に記載の照明装置。 (10) 前記偏光分離素子は透過により前記第1の偏光成分を前記所定の照明位置へと伝達する 上記(7)ないし(9)のいずれか1つに記載の照明装置。 (11) 前記光源からの前記光路合成素子への前記所定の波長帯域の光の入射角が、25(deg)以上75(deg)以下である 上記(2)ないし(4)、(6)ないし(8)、および(10)のいずれか1つに記載の照明装置。 (12) 光源と、 前記光源からの光を所定の光路に導くための複数の照明用光学部材と、 前記所定の光路に導かれた光に含まれる第1の偏光成分を所定の照明位置へと伝達する偏光分離素子と、 前記所定の照明位置に配置され、映像データに基づき光を変調するライトバルブと、 前記ライトバルブからの変調光を投影面上に投影する投射レンズと を備え、 前記複数の照明用光学部材のうち少なくとも1つが、前記光源から発せられた所定の波長帯域の光に対し、前記第1の偏光成分を前記所定の光路へと導き、前記第1の偏光成分とは異なる第2の偏光成分を前記所定の光路から外れた方向へと導く光学特性を有する 投射型表示装置。

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