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スクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物およびタンパク質のニトロキシル化のためのその使用のための方法

阅读:733发布:2020-05-11

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構造(VI)を有するニトロキシル化されたタンパク質: [式中、 Zは、タンパク質を表し; R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1〜C4アルキルであり; Xは、酸素であり; Yは、CH2であり; mは、0または1であり; pは、タンパク質に抱合されたニトロキシル基の平均数であり; Nは、タンパク質の窒素であり、;および タンパク質はヘモグロビン四量体を含む]。ニトロキシル化されたタンパク質を製造するための方法であって、式(I)のニトロキシル化薬とタンパク質を反応することを含む方法: [式中、 R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり; Xは、酸素であり; Yは、CH2であり; mは、0または1であり;および タンパク質はヘモグロビン四量体を含む]。R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3であり;および/または mは、1である、 請求項1に記載のニトロキシル化されたタンパク質。前記タンパク質のN末端アミノ基はニトロキシル化されているか、または、少なくとも1つのリジン残基のイプシロン(ε)−アミノ基はニトロキシル化されており;および/または pは、1〜25である、 請求項1または3に記載のニトロキシル化されたタンパク質。前記ヘモグロビン四量体はヒトヘモグロビンα−サブユニット、ヒトヘモグロビンβ−サブユニット、またはヒトヘモグロビンα−サブユニットおよびβ−サブユニットの両方を含み; 前記ヘモグロビン四量体は、架橋されたαα二量体または架橋されたββ二量体を含み;および/または 前記ヘモグロビン四量体は、17のニトロキシル化されたアミノ基を含む、 請求項1、3、および4のいずれか1項に記載のニトロキシル化されたタンパク質。前記ヘモグロビン四量体は、架橋されたαα二量体または架橋されたββ二量体を含み; 前記ヘモグロビン四量体はヒトヘモグロビンα−サブユニットを含み、前記ヒトヘモグロビンα−サブユニットは、N末端バリン残基のα−アミノ基にて、および/またはリジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるリジン残基のε−アミノ基にてニトロキシル化され;および 前記ヘモグロビン四量体は、所望により、ヒトヘモグロビンβ−サブユニットをさらに含み、前記ヒトヘモグロビンβ−サブユニットは、前記N末端バリン残基の前記α−アミノ基にて、および/またはリジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるリジン残基の前記ε−アミノ基にてニトロキシル化される、 請求項5に記載のニトロキシル化されたタンパク質。前記ニトロキシル化されたタンパク質は、ポリアルキレンオキシド(PAO)に抱合されており、前記PAOは、所望により、ポリエチレングリコール(PEG)であり: 前記PEGは、所望により、2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有し; 前記PEGは、所望により、マレイミド−PEGであり、前記マレイミドは、所望により、アルキレンまたはフェニレンリンカーを介してPEGに連結され、前記アルキレンリンカーは、所望により、エチレンリンカーであり;および/または 前記PEGは、所望により、スクシンイミジルバレラートPEG(SVA−PEG)である、 請求項1、および3〜6のいずれか1項に記載のニトロキシル化されたタンパク質。請求項7に記載のニトロキシル化されたタンパク質であって、前記マレイミド−PEGは、前記タンパク質のシステイン残基の固有のチオール部分、前記タンパク質のチオール化されたリジン残基のチオール部分およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質のチオール部分に抱合されており、前記マレイミド−PEGは、所望により、構造(VIII)を有する、ニトロキシル化されたタンパク質: [式中、 Zは、前記タンパク質を表し、 Sは、前記タンパク質のチオールであり、 R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、 Xは、末端基であり、 mは、前記タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、および nは、2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す]。R3は、エチレンであり; mは、約6〜約10であり; Xは、メトキシ(−OCH3)またはカルボキシレート(−COOH)であり; 前記マレイミド−PEGは、ヘモグロビンβ−サブユニットのシステイン−93残基のチオール部分に抱合されており;および/または 前記マレイミド−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合され、前記チオール化されたリジン残基は、所望により、リジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンα−サブユニットのチオール化されたリジン残基、またはリジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基である、 請求項8に記載のニトロキシル化されたタンパク質。前記PEGは、スクシンイミジルバレラートPEG(SVA−PEG)であり、前記SVA−PEGは、前記タンパク質のリジン残基のε−アミノ部分、前記タンパク質の末端バリン残基のα−アミノ部分またはこれらの組み合わせから選択されるタンパク質のアミノ部分に抱合されており、前記SVA−PEGは、所望により、構造(IX)を有する、請求項7に記載のニトロキシル化されたタンパク質: [式中、 Zは、前記タンパク質であり、 Nは、前記タンパク質のアミノ基であり、 Xは、末端基であり、 mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の数であり、および nは、2,000〜20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数である]。Xは、メトキシ(−OCH3)またはカルボキシレート(−COOH)であり; mは、平均で四量体あたり6〜10PAO分子であり; 前記SVA−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットのリジン残基のε−アミノ部分に抱合され、前記リジン残基は、所望により、リジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンα−サブユニットのリジン残基、またはリジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンβ−サブユニットのリジン残基であり;および/または 前記SVA−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットの末端バリン残基のα−アミノ部分に抱合されている、 請求項10に記載のニトロキシル化されたタンパク質。請求項5〜11のいずれか1項に記載のニトロキシル化されたタンパク質であって、 前記ヘモグロビンは、平均で四量体あたり5〜10PAO分子に抱合されており;および/または 前記ヘモグロビンは、酸素化される、脱酸素化される、またはCO、NOまたはCOおよびNOの混合物とリガンド結合している、 ニトロキシル化されたタンパク質。請求項1および3〜12のいずれか1項に記載のニトロキシル化されたタンパク質および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であって、 前記組成物は、血液で正常腫脹性であるか、または血液と比較して過剰腫脹性であり; 前記薬学的に許容される担体は、性希釈剤を含み; 前記薬学的に許容される担体は、生理食塩水、生理食塩水−グルコース混合物、Ringer液、乳酸Ringer液、Locke−Ringer液、Krebs−Ringer液、Hartmannの平衡生理食塩水、ヘパリン処置したクエン酸ナトリウム−クエン酸−デキストロース溶液、アセテート溶液、複数の電解質溶液、ラクトビオナート溶液および重合体の代用血漿またはこれらの組み合わせを含み;および/または 前記薬学的に許容される担体は、充填剤、塩、生理緩衝液、炭水化物、アルコール、ポリアルコール、抗酸化剤、抗バクテリア薬剤、コロイド浸透圧薬剤、還元薬剤またはこれらの組み合わせを含む、 医薬組成物。前記水性希釈剤は、コロイドの水性溶液または非酸素運搬成分の水性溶液を含み; 前記水性希釈剤は、水性無細胞溶液(所望によりアルブミンの水性無細胞溶液)を含み; 前記水性希釈剤は、タンパク質の水性溶液、糖タンパク質の水性溶液、多糖の水性溶液またはこれらの組み合わせを含み; 前記重合体の代用血漿は、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチレンオキシド−プロピレングリコール凝縮物またはこれらの組み合わせを含み;および/または 前記還元剤は、アスコルビン酸、グルタチオン、N−アセチルシステインまたはこれらの組み合わせを含む、 請求項13に記載の医薬組成物。急性肝不全、ベータ地中海貧血症、火傷、慢性重篤な肢虚血、二酸化炭素またはシアン化物中毒、慢性閉塞性疾患(COPD)、鬱血性心不全、低酸素症、マラリア、器官虚血(所望により急性腸虚血(捻転)、急性腸虚血(塞栓症)、心臓性ショック、急性血管器官虚血、脳卒中、心筋梗塞または重篤な心虚血を含む)、末梢血管疾患、ポルフィリン症、妊娠における子癇前症、敗血症、鎌状赤血球症、網膜疾患、内部眼球条件、睾丸捻転、外傷、ショック、外傷脳損傷、潰瘍、血管攣縮またはこれらの組み合わせの治療における使用のための; 非外傷性出血ショック、入院前の環境の外傷、外傷性出血ショック、急性肺傷害、急性呼吸不全症候群、外傷性脳損傷、脳卒中、固形腫瘍癌、器官分解(エキソビボで)、器官分解(レシピエントにおいて)、重篤な敗血症、敗血症性ショック、心筋梗塞、心虚血、心臓性ショック、急性心不全、肺動脈塞栓症またはこれらの組み合わせの治療における使用のための; 血管形成術に対する補助として、形成手術のための補助剤として、または補助人工心臓を植設する際の補助剤として;代用血液、心臓保護剤、凍結保存剤、血液透析補助剤、腫瘍学的薬剤、器官保存剤、性能増強剤、外科手術補助剤または創傷治癒薬剤として;イメージングにおいて;肺機能を改善するため;またはこれらの組み合わせとしての使用のための;または 傷害、溶血性貧血、感染性貧血、細菌感染、第IV因子断片化、過剰脾臓化および巨脾、家禽における出血症候群、形成不全性貧血、無形成性貧血、特発性免疫溶血性状態、鉄欠損症、イソ免疫性溶血性貧血、細血管障害性溶血性貧血、寄生または外科的麻酔で誘導される脳外傷による血液の喪失の獣医学的治療における使用のための、 請求項13または14に記載の医薬組成物。R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3であり;および/または mは、1である、 請求項2に記載の方法。

说明书全文

本発明は、一般に、スクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物およびスクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物の合成のための方法に関する。また、本発明は、ニトロキシル化されたタンパク質、たとえばニトロキシル化されたヘムタンパク質(たとえば、ニトロキシル化されたヘモグロビンおよびニトロキシル化されたミオグロビン)を製造するためのスクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物の使用に関する。また、ニトロキシル化されたタンパク質を、ポリアルキレンオキシド(PAO)、たとえばポリエチレングリコール(PEG)に任意に抱合する。ポリニトロキシル化されたヘムタンパク質は、酸素治療薬(OTAs)として有用であり、分子酸素、一酸化炭素、一酸化窒素およびそれらの混合物を送達することができる。したがって、さらに、本発明は、ニトロキシル化されたタンパク質の医薬組成物および種々の状態の治療におけるニトロキシル化されたタンパク質の使用のための方法を含む。

ヘモグロビンに基づいた酸素担体(「HBOC」)は、ヘムによる一酸化窒素(NO)掃気に起因していた血管収縮と長く関連していた。酸素担体は、安定化ヘモグロビン(Hb)などの、酸素治療(時には「酸素運搬血漿増補液」といわれる)として有用であり、これらが一酸化窒素を掃気するので、血管収縮および高血圧を生じさせ、有効性を制限することが示されている。これらの酸素運搬溶液が血管収縮を生じさせる性向は、動物および男性において高血圧として顕在化され得る。HBOCの血管収縮の効果の基礎をなす機構は、あまり理解されないが、ヘム鉄が、迅速に、および不可逆的に、強な血管拡張薬の内因性NOと結合し、これにより血管収縮を生じさせ得ることを示唆した。

一部において、これらの血管収縮効果のため、修飾された無細胞Hbを含む製品は、最も有望だったが、酸素担体は、現在まで酸素治療薬(OTA)として完全に良好だったわけではない。ビス−ジブロモサリチル−フマラート(ααHb)とα−鎖との間で架橋されたヒトHbは、モデル赤血球代替として米軍によって開発されたが、それがおよび全身の血管耐性において重篤な増大を示した後に断念された(Hess,J.et al.,1991,Blood 78:356A)。また、この製品の市販のバージョンは、期待外れの第3相臨床試験の後、断念された(Winslow,R.M.,2000,Vox Sang 79:1−20)。

2つの分子アプローチが、HbのNO結合活性を克服する試みにおいて進められた。第1のアプローチは、減少したNO結合親和性をもつ組換えヘモグロビンを作製する試みにおいて、遠位ヘムポケットの部位特異的突然変異を使用した(Eich,R.F.et al.,1996,Biochem.35:6976-83)。第2のアプローチは、血管スペースから間質腔へのHbの管外遊出を減少させる、またはおそらく完全に阻害する試みにおいてオリゴマー形成を介してHbのサイズを増強させる化学的修飾アプローチを使用した(Hess,J.R.et al.,1978,J.Appl.Physiol.74:1769−78;Muldoon,S.M.et al.,1996,J.Lab.Clin.Med.128:579−83;Macdonald,V.W.et al.,1994,Biotechnology 22:565−75;Furchgott,R.,1984,Ann.Rev.Pharmacol.24:175−97;およびKilbourne,R.et al.,1994,Biochem. Biophys.Res.Commun.199:155−62)。

実際に、NOに対する会合結合速度が減少された組換えHbは、産生されず、天井荷重ラット実験において高血圧が少ない(Doherty,D.H.etg al.1998,Nature Biotechnology 16:672−676 and Lemon,D.D.et al.1996,Biotech 24:378)。しかし、研究は、NO結合がHbの血管作用についての唯一の解釈ではないであろうことを示唆する。ポリエチレングリコール(PEG)で修飾されたものなどの一定の大きなHb分子は、これらのNO会合速度が、極度に高血圧性のααHbのものと同一であったにもかかわらず、血管収縮が実質的になかったことが分かった(Rohlfs,R.J.et al.1998,J Biol.Chem.273:12128−12134)。さらにまた、PEG−Hbは、出血前に交換輸血として与えたときに、出血の結果を阻止するのに非常に有効だったことが判明した(Winslow,R.M.et al.1998,J.Appl.Physiol.85:993−1003)。

HbへのPEGの抱合は、その抗原性を減少させ、その循環半減期を延長する。しかし、PEG抱合反応は、αβ−二量体サブユニットへのHb四量体の解離を生じて40,000ダルトン(「Da」)より下のHb単量体ユニットのPEG抱合体を受ける交換輸血されたラットにおいて、ひどいヘモグロビン尿症を生じることが報告されている(Iwashita and Ajisaka Organ−Directed Toxicity:Chem.Indicies Mech.,Proc.Symp.,Brown et al.1981,Eds.Pergamon,Oxford,England pgs 97−101)。84,000ダルトンより大きい分子量を有するポリアルキレンオキシド(「PAO」)抱合されたHbは、Enzon,Inc.によって製造され(米国特許第5,650,388号)、そのαおよびε−アミノ基にてHbに連結された約10コピーのPEG−5,000鎖を有する。この置換度は、哺乳動物におけるヘモグロビン尿症と関連する臨床的に有意な腎毒性を回避することと記述された。しかし、抱合反応は、不均一な抱合集団を生じ、およびその他の望ましくない反応物を含み、カラムクロマトグラフィーによって除去されなければならなかった。

PEG抱合は、典型的には、生体分子の表面上に官能基と活性化されたPEG部分の反応を介して実施される。最も一般的な官能基は、リジンのアミノ基、ヒスチジン残基のイミダゾール基およびタンパク質のN末端、システイン残基のチオール基、およびセリン、スレオニンおよびチロシン残基のヒドロキシル基、並びにタンパク質のC末端である。通常、PEGは、穏やかな性環境においてヒドロキシル末端をこれらの官能基と反応することができる反応性部分に変換することによって活性化される。治療的バイオ医薬品の抱合のために使用される最も一般的な単官能性PEGの1つは、メトキシ−PEG(「mPEG−OH」)であり、これは1つのみの官能基(すなわちヒドロキシル)を有し、したがって、二官能性PEGと関連する架橋および凝集問題を最小限にする。しかし、mPEG−OHには、たいてい高分子量二官能性PEG(すなわち「PEGジオール」)が混入され、その製造工程に起因して10〜15%程度の高い範囲であり得る(Dust J.M.et al.1990,Macromolecule 23:3742−3746)。この二官能性PEGジオールは、所望の単官能PEGのおよそ2倍のサイズを有する。さらに、混入問題は、PEGの分子量が増大するにつれて悪化する。FDAは、高いレベルの製造工程における再現性および最終薬物製品の品質を要求するため、mPEG−OHの純度は、特にペグ化されたバイオ治療薬の産生のために重要である。

PAOに対するHbの抱合は、酸素化された、および脱酸素化された状態の両方において行われてきた。米国特許第6,844,317号は、結果として得られたPEG−Hb抱合体の酸素親和性を増強するために、抱合の前に空気でHbを平衡化することによって酸素化された、または「R」状態でHbを抱合することを記述する。その他は、酸素親和性を減少させ、および構造的な安定性を増大させて、Hbが化学的修飾、ダイアフィルトレーションおよび/または無菌濾過および低温殺菌の物理的なストレスに耐えることを可能にするための、抱合の前の脱酸素工程を記述する(米国特許第5,234,903号)。Hbの分子内架橋については、架橋試薬にα−鎖のリジン99を曝露するために、修飾の前にHbを脱酸素化するを必要とし得ることを示唆する(米国特許第5,234,903号)。

PEGとの抱合前の2−イミノチオランでのHbチオール化の動態は、Acharya et al.によって調査された(米国特許第7,501,499号)。四量体あたり5つの外部チオールの平均を導入する10倍から30倍までイミノチオランの濃度を増加させると、Hb上の外部チオールの数がほとんど2倍になったことが観察された。しかし、PEG抱合後に見られたサイズ増強は、周辺だけでなく、さらにチオールの数を2倍にした。これは、抱合反応は、20倍のモル過剰のマレイミジルPEG−5000の存在下で、より反応性でないチオールでHbの表面をカバーし、より反応性のチオールでのHbのさらなる修飾に抵抗する立体障害を生じたことを示唆した。結果的に、所望の程度の修飾Hbの抱合を達成するために(すなわちHb分子あたり6±1 PEG)、Acharya et al.は、8〜15モル過剰のイミノチオランでHbをチオール化し、および次いで、16〜30倍モル過剰のマレイミジルPEG−5000でチオール化されたHbを反応させた。しかし、大規模生産におけるこれらの高モル過剰反応物質濃度は、HBOCを製造するためのコストを有意に上昇させ、最終製品の不均一性を増加させる。その上、マレイミジルPEG−5000のこのような高モル過剰は、また、より不均一な産物を生じ、多数の望まれない副反応物の産生を伴う。

以前の研究において、修飾されたヘモグロビンの表面の分子サイズは、腎臓によって除去されることを回避するのに、および所望の循環半減期を達成するのに十分大きくあるべきことが観察された。Blumenstein,J. et al.は、これを84,000ダルトン(「Da」)の分子量またはそれより上にて達成することができると決定した“Blood Substitutes and Plasma Expanders,”Alan R.Liss,editors,New York,N.Y.,pages 205−212(1978))。その研究において、著者は、Hbに異なる分子量のデキストランを抱合した。彼らは、Hbの抱合体(64,000Daの分子量をもつ)およびデキストラン(20,000Daの分子量を有する)は、「循環から、およびごくわずかに腎臓を介してゆっくり除去された」ことを報告した。さらに、84,000Daを上回る分子量を増加させると、これらの除去曲線を有意に変化させなかったことを観察した。腎臓によって早期に排出される二量体の形成を防止するために、分子内架橋により、四量体ヘモグロビンユニットのサブユニットを共に化学的に結合する(たとえば、米国特許第5,296,465号を参照されたい)。

窒素酸化物は、炎症性疾患の動物モデルにおける酸化損傷を減弱し、および生物が利用可能なNO気体を保存する低毒性の十分に確立された抗酸化剤化合物である。これらは、主にSOD擬態またはラジカルスカベンジャーとして作用することによって保護効果を及ぼすと考えられる。したがって、ポリニトロキシル化された化合物は、抗酸化剤および抗炎症特性を有する。これは、一酸化窒素(NO)ドナー分子とHBOCを結合することと混乱すべきでなく、これは、血管の緩和を増強することが報告されている。たとえば、米国特許出願公開第2010/0311657号を参照されたい。しかし、SOD擬態の窒素酸化物は、これらの小さなサイズのため、短い血漿半減期を有し、およびしたがって、インビボでこれらの分子の抗酸化剤有効性を維持することは困難である。

前述の観点では、当該技術分野において血管収縮および高血圧を生じさせず、および抗酸化剤および抗炎症特性を有する酸素治療薬に対する需要がある。

その上、ニトロキシル化薬としての使用のための窒素酸化物を活性化するための現在の方法は、多段階の、および高価なプロセスである。したがって、当該技術分野においてニトロキシル化薬としての使用のための活性化された窒素酸化物化合物を作製するための単純な、および安価な方法のための方法に対する需要がある。

本発明の一つの側面は、式(I)のニトロキシル化薬に関する:

式中、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;nは、0または1であり;およびmは、0または1である。

本発明のもう一つの側面は、式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法であって:

式(III)を有する化合物を、

有機塩基の存在下でN,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)と反応することを含む方法に関し;式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。

また、本発明のもう一つの側面は、式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための方法であって:

式(V)を有する化合物を

N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下でN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と反応することを含む方法に向けられ;式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。

さらなる側面は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むニトロキシル化されたタンパク質であり、およびニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)を有することができる:

式中Zは、タンパク質を表し;R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;mは、0または1であり;nは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、−NH−基は、タンパク質のアミン基であり、およびNは、タンパク質の窒素である。

さらにもう一つの側面または本発明は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができるニトロキシル化されたタンパク質であり、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VII)を有し:

式中Zは、タンパク質を表し;R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Yは、CH2であり;mは、0または1であり;nは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり;−NH−基は、タンパク質のアミン基であり;およびNは、タンパク質の窒素である。

もう一つの側面は、マレイミド−PEGである抱合されたPEGを有するニトロキシル化されたタンパク質であり、システイン残基の固有のチオール部分に抱合された、またはチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、構造(VIII)を有し

式中Zはタンパク質を表し、Sは、タンパク質のチオール基であり、R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、Xは末端基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す。

さらなる側面は、マレイミド−PEGである抱合されたPEGを有するニトロキシル化されたタンパク質であり、システイン残基の固有のチオール部分に抱合された、またはチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、構造(VIII)を有し、

式中Zは、タンパク質を表し、Sは、タンパク質のチオール基であり、R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、Xは、末端基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す。

本発明のもう一つの側面は、式(IV)のニトロキシル化薬とタンパク質を反応させることを含む、ニトロキシル化されたタンパク質を製造するための方法である:

式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立して−CH3である請求項G2の方法。

さらなる側面は、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法であり、システイン残基の固有のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、構造(VIII)を有し、

式中Zは、タンパク質を表し、R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、Sは、タンパク質のチオール基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す。

4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL)のESI−TOF高精度質量分析の結果を示す。

4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)の分子構造を確認するESI−TOF高精度質量分析の結果を示す。

TEMPOL、N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)、N−ヒドロキシ−スクシンイミド(NHS)、6時間の時点のTEMPOLおよびDSCの反応からの反応産物、および最終4−STC反応産物において行われた薄層クロマトグラフィー(TLC)結果を示す。

TEMPOLおよびペグ化ヘモグロビン(MP4)のポリニトロキシル化前および後(PN−MP4)両方の電子常磁性共鳴(EPR)スペクトルを示す。

ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb)およびポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb−PN)のサイズ排除解析プロフィールを示す。

ポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb−PN)の特徴的な紫外可視スペクトルを示す。

ラットへのPEG−Hb−PN投与後の、血漿ヘモグロビンの紫外可視スペクトルを示す。

ペグ化ヘモグロビンに対して1:5から1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用して、ペグ化ヘモグロビンをニトロキシル化した実験の代表的結果を示す。

ヒト血清アルブミン(HSA)のMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

ヒト血清アルブミン(HSA)のMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

HSAに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを使用して、ポリニトロキシル化されたHSAのMALDI−TOFスペクトルを示す。

HASに対して1:5〜1:100のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用して、HSAをニトロキシル化した実験の代表的結果を示す。

定義 用語「1つの」、「ある」または「ある」が、この開示において使用されるとき、特に明記しない限り、これらは「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。

本明細書に使用される「活性化されたポリアルキレンオキシド」または「活性化されたPAO」は、少なくとも1つの官能基を有するPAO分子をいう。官能基は、PAOと抱合された分子上の遊離アミン、スルフヒドリルまたはカルボキシル基と相互作用する反応性部分である。たとえば、遊離スルフヒドリルと反応する1つのこのような官能基は、マレイミド基である。遊離アミンと反応する官能基は、スクシンイミド基である。

「デオキシヘモグロビン」または「リガンド非結合ヘモグロビン」は、外来性リガンドがヘムに結合していない任意のヘモグロビンを意味する。

一般に、「ヘモグロビン」または「Hb」は、酸素を輸送するヘムタンパク質をいう。ヒトにおいて、それぞれのHbの分子は4サブユニット、2α−鎖サブユニットおよび2β−鎖サブユニットを有し、四量体構造で配置される。また、それぞれのサブユニットは、1つのヘム基を含み、第一鉄(Fe2+)においてリガンドO2、NOまたはCOを結合する鉄を含む中心である。したがって、それぞれのHb分子は、4つまでのリガンド分子まで結合することができ、それぞれHbO2、HbNOまたはHbCOリガンドの化合物を生成する。加えて、ヘモグロビンは、O2 、NOまたはCOの混合物とリガンド結合し得る。

「ヘモグロビンに基づいた酸素担体」(HBOC)は、酸素を運搬するヘモグロビンをいうが、また、一酸化炭素および酸化窒素などのその他の分子気体を運搬するためにも有用である。

「高酸素親和性」は、ストローマフリーヘモグロビン(SFH)のものより大きい酸素親和性を示すように修飾されたヘモグロビンをいう。したがって、「高酸素親和性」Hbは、SFHのものより少ないP50を有し、37℃およびpH7.4にて測定したときに、15mmHgのP50を有する。

「リガンド結合ヘモグロビン」は、外来性リガンドがヘムに結合しているヘモグロビンを意味する。共通の好ましいリガンドは、酸素、一酸化炭素および一酸化窒素を含む。

「MalPEG」は、マレイミジルポリエチレングリコールをいい、およびリンカーを介してポリエチレングリコールに付着されたマレイミジル部分を含む。

「MalPEG−Hb」は、マレイミジル活性化されたPEGが抱合されたHbをいう。抱合は、MalPEG−Hb形成するために、Hb上のチオール基(およびより小さい範囲で、アミノ基)とMalPEGを反応させることによって行われる。チオール基は、βCys 93にて2つの固有のチオールなどのHbのアミノ酸配列において存在するシステイン残基において見いだされ、およびまた、チオール基を含むように表面アミノ基を修飾することによって導入することができる。MP4(Sangart、Inc.)として公知の例示的なMalPEG−Hbは、以下の式を有する:

式中Hbは、ヘモグロビンであり;Sは、ヘモグロビン上のチオール基であり;nは、5,000ダルトンポリアルキレンオキシド重合体のオキシエチレンユニットの数であり;およびmは、ヘモグロビンに抱合されたマレイミジル活性化されたポリアルキレンオキシド重合体の平均数であり、および7〜8である。

「メトヘモグロビン」または「metHb」は、第二鉄の状態で鉄を含むHbの酸化型をいう。MetHbは、酸素またはCO担体として機能しない。本明細書に使用される用語「メトヘモグロビン%」は、酸化ヘモグロビン対総Hbの割合をいう。

「メトキシ−PEG」または「mPEG−OH」は、ヒドロキシル末端の水素がメチル(−CH3)基で置換されたPEGをいう。

「修飾ヘモグロビン」または「修飾Hb」は、重合、抱合および/または組換え技術などの、化学反応、分子内および分子間架橋によって変化され、その結果Hbは、その「天然の」状態にもはやないHbをいう。本明細書に使用される用語「ヘモグロビン」または「Hb」は、特に明記しない限り、天然の修飾されていないHbおよび修飾されたHbの両方をいう。

「亜硝酸レダクターゼ活性」または「NRA」は、ヘモグロビンまたはヘモグロビンに基づいたタンパク質が亜硝酸塩を一酸化窒素に還元させる能力である。「最大亜硝酸レダクターゼ活性」は、ヘモグロビンまたはヘモグロビンに基づいたタンパク質が亜硝酸塩を一酸化窒素に還元させることができる最大割合である。「最初の亜硝酸レダクターゼ活性」は、亜硝酸塩が完全に脱酸素化されたタンパク質に添加されたときに、ヘモグロビンまたはヘモグロビンに基づいたタンパク質が亜硝酸塩を一酸化窒素に還元させる初速度である。

用語「非酸素化された」は、ヘムタンパク質またはヘモグロビンが、リガンド非結合の、脱酸素された状態であるか、またはNOまたはCOなどのO2以外の気体とリガンド結合していることを意味する。

「酸素親和性」は、Hbなどの酸素担体が分子酸素と結合する結合活性をいう。この特徴は、酸素平衡曲線によって定義され、酸素でのHb分子の飽和度(Y軸)を酸素の分圧(X軸)と相関される。この曲線の位置を「P50」値によって表示し、酸素担体は、酸素と半分飽和する酸素分圧であり、および酸素親和性に逆に相関される。それ故、P50が低いほど、酸素親和性はより高い。全血(および、赤血球およびHbなどの全血の成分)の酸素親和性は、当該技術分野において公知の種々の方法によって測定することができる。(たとえば、Winslow,R.M.et al.,J.Biol.Chem.1977,252:2331−37を参照されたい)。また、酸素親和性は、市販のHEMOX(商標)アナライザー(TCS Scientific Corporation,New Hope,PA)を使用して決定してもよい。(たとえば、Vandegriff and Shrager in“Methods in Enzymology”(Everse et al., eds.)232:460(1994))、および Vandegriff,et al.,Anal.Biochem.256(1):107−116(1998)を参照されたい)。

本明細書に使用される用語「酸素治療薬」は、分子酸素に結合すること、およびその必要のある細胞/組織/器官へ運搬することができるヘムタンパク質をいう。CO−またはNO−リガンド結合ヘムタンパク質の形態で投与されるとき、一旦COまたはNOがヘム部分から放出されると、ヘム基は自由に分子酸素と結合すること、および運搬することができる。

「ポリエチレングリコール」または「PEG」は、一般化学式H(OCH2CH2)nOHの重合体をいい、「n」は、4以上、好ましくは約45〜約500、より好ましくは約70〜約250および最も好ましくは約90〜約140、または約115である。重合体は、置換である、または非置換であることができ、および末端ヒドロキシ基は、メトキシまたはカルボキシなどの異なる通常の末端基で置換することができる。PEGは、多くの供与源から市販されている(たとえば、Carbowax(商標)(Dow Chemical,Midland,MI),Poly−G(登録商標)(Arch Chemicals,Norwalk,CT)およびSolbase)。

「ポリエチレングリコール抱合されたヘモグロビン」、「PEG−Hb抱合体」または「PEG−Hb」は、少なくとも1つのPEGが共有結合されているHbをいう。

「溶液」は、液体の混合物をいい、および用語「水性溶液」は、いくらかの水を含み、およびまた、多成分溶液を形成するように水と1つまたは複数のその他の液体の物質を含み得る溶液をいう。

「ストローマフリーヘモグロビン」または「SFH」は、赤血球膜が取り除かれたHbをいう。

「表面修飾ヘモグロビン」は、デキストランまたはポリアルキレンオキシドなどの、化学的群、通常は重合体が付着したヘモグロビンをいう。用語「表面修飾酸素化ヘモグロビン」は、表面修飾されたときに、「R」状態であるHbをいう。

「末端活性」は、ヘムタンパク質またはヘモグロビンの反応基と反応することができる部分で官能性をもたせたPAOの割合の指標である。「100%の末端活性」は、全てのPAOがヘムタンパク質またはヘモグロビンの反応基と反応することができる部分を有することに基づいて、抱合反応において使用されるモル過剰のPAOが表されることを示す。たとえば、利用できるMal−PEGが、80%の末端活性を有し、その結果、PEGの80%は、Malで官能性をもたせられ、およびMal−PEGは、ヘモグロビンに対して20倍のモル過剰において使用されル場合、このモル比は、100%の末端活性に基づいてヘモグロビンに対して16倍のモル過剰のMal−PEGとして表すことができる。

「チオール化」は、分子上のスルフヒドリル基の数を増加させるプロセスをいう。たとえば、2−イミノチオラン(「2−IT」)とタンパク質を反応させることは、タンパク質の表面上の遊離アミンをスルフヒドリル基に変換することである。次いで、これらのスルフヒドリル基は、マレイミドなどのチオール反応性の部分との反応に利用できる。

「リガンド非結合ヘモグロビン」は、酸素、一酸化炭素または一酸化窒素などの分子気体にリガンド結合していない少なくとも1つのヘム部分を含む任意のヘモグロビンをいう。従って、ヘモグロビンは、ヘム部分の1つのみが分子気体にリガンド結合していない場合、「リガンド非結合」とみなされる。

本明細書に使用される用語「ヘムタンパク質」は、酸素、一酸化窒素または一酸化炭素などの気体を結合するヘム部分を有する任意の単一または複数の鎖タンパク質である。

本明細書に使用される用語「窒素酸化物」は、安定な窒素酸化物遊離基、これらの前駆体およびその誘導体をいう。この用語は、一酸化窒素ドナー分子と混同してはならない。

本発明の記述 本発明は、一般に、タンパク質をニトロキシル化するために使用することができるスクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物に関する。たとえば、このようなニトロキシル化合物は、ヘモグロビンなどのヘムタンパク質をニトロキシル化するために使用することができる。スクシンイミド活性化されたニトロキシル化合物でのヘムタンパク質のニトロキシル化は、スーパーオキシドおよび過酸化水素などの酸化性物質によるNOおよびその他の生体分子の酸化に対抗する。本発明のポリニトロキシル化されたヘムタンパク質は、分子酸素、一酸化炭素、一酸化窒素およびそれらの混合物を送達することができる(OTAs)として、有用である。

スクシンイミジル窒素酸化物試薬 本発明は、タンパク質のアミノ基をニトロキシル化するために使用することができるスクシンイミジル窒素酸化物試薬に関する。一般に、スクシンイミジル窒素酸化物試薬は、窒素酸化物基、たとえばTEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル)またはPROXYL(2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−N−オキシル)窒素酸化物基、に連結されたスクシンイミドを含む。たとえば、スクシンイミドと窒素酸化物間の結合は、カルボキシ結合またはカルボナート結合であることができる。このような試薬、たとえばニトロキシルスクシンイミジルカルボナートは、高度に反応性であり、タンパク質のアミンとスクシンイミドとの間の共役を高度に効率的にする。

たとえば、本発明は、式(I)のニトロキシル化薬に関する:

式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;nは、0または1であり;およびmは、0または1である。

式(I)のニトロキシル化薬は、X、Y、nおよびmが上記の通りの構造を有することができ、R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

また、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Y、nおよびmが上記の通りの構造を有することができ、およびXは、酸素または硫黄である。

さらに、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Y、nおよびmが上記の通りの構造を有することができ、およびXは、酸素である。

また、式(I)のニトロキシル化薬は、Y、nおよびmが上記の通りの構造を有することができ、Xは酸素であり、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

加えて、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Yおよびmが上記の通りの構造を有することができ、およびnは、0である。

また、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Yおよびmが上記の通りの構造を有することができ、およびnは、1である。

さらに、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Yおよびnが上記の通りの構造を有することができ、およびmは、0である。

また、式(I)のニトロキシル化薬は、R1、R2、R3、R4、Yおよびnが上記の通りの構造を有することができ、およびmは、1である。

たとえば、式(I)のニトロキシル化薬は、4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)、3−スクシンイミジル−PROXYL−カルボナート(3−SPC)、4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPO(4−SCT)および3−スクシンイミジル−カルボキシ−PROXYL(3−SCP)から選択することができる。これらの化合物のそれぞれの構造を下に示す:

4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC;1−(((2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)−4−オキシカルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)

3−スクシンイミジル−PROXYL−カルボナート(3−SPC;1−(((2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)−3−オキシカルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)

4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPO(4−SCT;1−(((2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)−4−カルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)

3−スクシンイミジル−カルボキシ−PROXYL(3−SCP;1−(((2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)−3−カルボニル)オキシ−2,5−ピロリジンジオン)。

たとえば、式(I)のニトロキシル化薬は、以下の構造を有することができる:

スクシンイミジル窒素酸化物試薬の合成のための方法 スクシンイミジル窒素酸化物試薬は、容易に入手できる試薬を使用して単純な一段階活性化化学を使用して合成することができる。さらにまた、活性化反応は、穏やかな条件下で行うことができる。

したがって、本発明は、さらに式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法であって:

式(III)を有する化合物を

有機塩基の存在下でN,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)と反応することを含む方法に関し;式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中X、Yおよびmは、上記の通りであり、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、Yおよびmは、上記の通りであり、およびXは、酸素または硫黄である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、Yおよびmは、上記の通りであり、およびXは、酸素である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中Yおよびmは、上記の通りであり、Xは、酸素であり、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、XおよびYは、上記の通りであり、およびmは、0である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、XおよびYは上記の通りであり、およびmは、1である。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、X、Yおよびmは上記の通りであり、および式中有機塩基は、トリエチルアミン(TEA)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、N−メチルピペリジンまたはこれらの組み合わせを含む。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、X、Yおよびmは、上記の通りであり、および式中有機塩基は、トリエチルアミンを含む。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(II)および(III)の構造を有することができ、式中R1、R2、R3およびR4、X、Yおよびmは、上記の通りであり、式中有機塩基は、トリエチルアミンを含み、および式中、式(III)、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナートおよびトリエチルアミンの化合物は、約1:2:3の比で存在する。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応を、約2℃〜約30℃;約15℃〜約25℃;約4℃;または約20℃の温度にて、実施することができる。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応を、約3〜約6時間、進行可能にすることができる(can be allowed to proceed)。

式(II)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応は、極性の非プロトン性溶媒中で実施することができる。極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル(ACN)、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテート(EtOAc)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの組み合わせを含むことができる。たとえば、極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリルを含むことができる。

4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートの製造のための反応スキームを下に示す。

上に示したように、4−ヒドロキシ−TEMPO(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)を、一段階活性化化学を使用して、4−スクシンイミジル(succinmidyl)−TEMPO−カルボナートを製造するために使用する。4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートに対するTEMPOLの活性化は、トリエチルアミンの存在下でN,N’−ジスクシンイミジルカルボナートとTEMPOLの反応によって達成する。有機塩基(上の反応スキームにおけるTEA)は、ヒドロキシル窒素酸化物(上の反応スキームにおけるTEMPOL)の−OH基を脱プロトン化する触媒として使用され、これをより反応性にして、その結果これは求核試薬として作用することができ、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)の求電子性のカルボニルを攻撃する。

また、本発明は、式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための方法であって:

式(V)を有する化合物を

N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下でN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と反応することを含む方法に向けられ;式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(IV)および(V)の構造を使用することができ、式中Yおよびmは、上記の通り、式(IV)および(V)と関連し、および式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立して−CH3である。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための方法において、式(IV)、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドの化合物は、約1:1.1:1.1のモル比で反応混合物において存在することができる。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための方法は、式(IV)および(V)の構造を使用することができ、式中YおよびR1、R2、R3およびR4は、上記の通り、式(IV)および(V)と関連し、およびmは、0である。また、本方法は、mが1である構造を使用することができる。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応は、約2℃〜約30℃;約15℃〜約25℃;約4℃;または約20℃の温度にて実施される。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応は、約6〜約24時間の間進行可能にすることができる。

式(IV)のニトロキシル化薬を製造するための上記の方法のいずれかにおいて、反応は、約7.2〜約7.6のpHにて;または約7.4のpHにて実施することができる。

ニトロキシル化されたタンパク質およびニトロキシル化されたPAO修飾タンパク質 また、本発明は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を有するニトロキシル化されたタンパク質に関する。また、ニトロキシル化されたタンパク質は、1つまたは複数のポリアルキレンオキシド(PAO)分子、たとえば1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)分子に任意に抱合される。

タンパク質を抱合する際の使用のためのポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびポリエチレン/ポリプロピレンオキシドコポリマーを含むが、限定されない。PAOは、約2,000〜約20,000ダルトン、好ましくは約3,000〜約10,000ダルトン、より好ましくは4,000〜約6,000ダルトンおよび最も好ましくは約5,000ダルトンの分子量を有する。現在、タンパク質の表面を修飾するために使用される最も一般的なPAOは、その医薬品許容性および市販に入手可能なため、PEGである。PEGは、タンパク質に抱合されたPEG分子の数およびサイズに基づいて所望の分子量を達成するように、分子内のエチレンオキシド(すなわち−CH2CH2O−)のサブユニットを繰り返す数に基づいて様々な分子量で入手可能である。

PAO重合体の末端基の1つまたは両方は、反応性の官能基(「活性化された」)に変換される。たとえば、PEG−OHを、PEG−ハライド、メシラートまたはトシラートを製造するために使用されており、次いで、水性アンモニア(Zalipsky,S.et al.,983,Eur.Polym.J.19:1177−1183)、アジ化ナトリウムまたはカリウムフタルイミドと求核置換反応を行うことによってPEG−アミン(「PEG−NH2」)に変換される。次いで、活性化されたPEGを、タンパク質のカルボキシル基(「−COOH」)とPEGアミン基(−「NH2」)の相互作用を介してタンパク質に抱合することができる。

アミン基でPEGに官能性をもたせ、およびマレイミド基にそれを変換することに加えて、それとともに活性化されるPEGは、当該技術分野において使用されることが公知である。たとえば、少し例を挙げれば、PEGは、p−ニトロフェニルカルボナート、アルデヒド、アミノプロピル、アミノエチル、チオール、アミノキシ、ヒドラジドおよびヨードアセトアミドで活性化してもよい。このような官能性PEGを、公知の方法を使用してタンパク質の表面アミノ酸側鎖に抱合することができる。

さらに、PEG−NH2は、カルボキシル以外の基で抱合体に官能性をもたせることができる。たとえば、米国特許第6,828,401号は、mPEG−マレイミドを形成するために、マレイミドとPEG−NH2の反応を開示する。この反応において、mPEG−OHを、mPEG−トシラートを生成するためにトシル化試薬(p−トルエンスルホニルクロライド)および有機溶媒(ジクロロメタン)の存在下で塩基触媒(トリエチレンアミン)と反応させる。次いで、mPEG−トシラートを、マレアミン酸化合物を生成するために、N、N−ジメチルアセトアミド(「DMAc」)およびN−シクロヘキシルピロリジノン(「CHP」)の有機溶媒混合物中で28%アンモニア水および無水マレイン酸と反応させる。次いで、この化合物を、mPEG−マレイミドを生成するために、ジクロロメタンの存在下でペンタフルオロフェニルトリフルオロアセタートと反応させる。

あるいは、mPEG−マレイミドは、mPEG−トシラートを生成するために、トシル化試薬(p−トルエンスルホニルクロライド)および有機溶媒(ジクロロメタン)の存在下で、塩基触媒(トリエチレンアミン)とmPEG−OHを反応させることによって作製することができる。次いで、mPEG−トシラートを、mPEG−NH2を製造するために28%アンモニアと反応させる。次いで、mPEG−NH2を、mPEG−マレイミドを生成するために飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の存在下で、N−メトキシカルボニルマレイミド(MCM)と反応させる。

PAOとの抱合のためのアミン反応性の化学を使用して、修飾することができるヒトHbのアミノ酸残基側鎖の非限定的な例を下の表1に示す:

Hb上の利用できる抱合部位の数を増加させる一つの方法は、スルフヒドリル基を導入することであり(また、チオール化としても知られる)、遊離アミンよりもMalPEGとより反応性の傾向がある。様々な方法がタンパク質チオール化について公知である。一つの方法において、無タンパク質アミンを、スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオナートと反応させ、続いてジチオスレイトール(「DTT」)またはトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(「TCEP」)で還元する。この反応は、2−ピリジンチオン発色団を放出し、チオール化の程度を決定するために用いることができる。また、アミンは、スクシンイミジルアセチルチオアセタート、続いて、50mMヒドロキシルアミンまたは中性付近のpHにおけるヒドラジンとの反応によってによって間接的にチオール化することができる。

米国特許第5,585,484号において記述されたもう一つの方法は、抱合後、Hbのアミノ(α−またはε−)基の正電荷を維持する。この方法は、タンパク質上にスルフヒドリル基を導入するために、2−ITによって、Hbのε−アミノ基のアミジン化を含む。このアプローチは、以前に使用されたスクシンイミジル化学に対して少なくとも2つのさらなる利点を有する:1)スルフヒドリル基とのマレイミド基の高い反応性および選択性は、チオールのきわどい定量的修飾を容易にし、試薬の過剰が制限される、および2)2−ITのチオール基は、潜在的であり、およびタンパク質アミノ基と試薬の反応の結果として、インサイチューでのみ生成される。これらの利点は、1つのさらなる利益を提供し、これらは、表面装飾のためのチオール化およびペグ化試薬の両方とHbの同時のインキュベーションを可能にする。

たとえば、MalPEGを、Hbのアミンをチオール化することによってHbに抱合してHbの表面上にチオール基を導入することができる。反応に利用できるHbの2つの固有のチオール基は、βCys93にあり、およびHbの表面上に付加されたチオール基は、マレイミジルPAOのマレイミドと反応してペグ化Hb抱合体を形成することができる。

マレイミド−PEGは、PEGにマレイミドを付着するためのリンカーを含む。リンカーは、エチレン、プロピレンまたはイソプロピレン、フェニレン、アミド(−NH−C(O)−)またはフェニルカルバメート(たとえば、−Ph−NH−C(O)−))などのアルキレンを含むが、限定されない。

チオール反応性化学を使用して修飾することができるアミノ酸残基側鎖の非限定的な例を、下の表2に示す:

PAO−Hbの分子量は、抱合反応によって調節することができる。従来の考えは、反応物のモル比を増加させることがHbに結合するPEG分子の数を増加させるだろうことを示唆した。これは、Hbのチオール化プロセス(すなわち、Hb対チオール化する薬剤のモル比を増加させること)および抱合プロセス(すなわち、チオール活性化されたPEG対チオール化Hbのモル比をに増加させること)の両方を含んだ。しかし、これらの過剰なモル比は、Hbあたり6±1PEG分子のみの結合を生じた(米国特許第7,501,499号を参照されたい)。

近年、より多数のPAO分子を、反応物のより低いモル比を使用してHbに結合することができることが決定された。Hb上の利用できるチオール基の数を、チオール化前および後、並びに抱合後にジチオピリジン比色アッセイを使用して決定した(Ampulski,R.S.et al.,1969,Biochem.Biophys.Acta 32:163−169)。ヒトHbは、β93システイン残基にて2つの固有の反応性のチオール基を含み、これはジチオピリジン反応によって確認された。2−ITでのSFHのチオール化後、反応性チオール基の数は、2〜7以上まで増加した。この例において、平均8 PEG分子が、Hbに結合した。これを、チオール化反応において、SFHに対して7.5倍のモル過剰の2−ITおよび抱合反応において、チオール化Hbに対して12倍のモル過剰のMalPEGを使用して達成した。

ヘモグロビンは、Hb−PAO抱合体の酸素親和性が増加するように酸素化した状態にあるとき、ポリアルキレンオキシドと抱合する。

ニトロキシル化されたタンパク質 ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を有する。ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含み、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)を有することができる:

式中Zは、タンパク質を表し;R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;mは、0または1であり;nは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、−NH−基は、タンパク質のアミン基であり、およびNは、タンパク質の窒素である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)を有することができ、式中R1、R2、R3、R4、Y、m、nおよびZは、上記の通り、式(VI)と関連し、Xは、酸素または硫黄である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)を有することができ、式中R1、R2、R3、R4、Y、m、nおよびZは、上記の通り、式(VI)と関連し、Xは、酸素である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)を有することができ、式中Y、m、nおよびZは、上記の通り、式(VI)と関連し、Xは、酸素であり、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができる、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VII)を有する:

式中Zは、タンパク質を表し;R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1−C4アルキルであり;Yは、CH2であり;mは、0または1であり;nは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり;−NH−基は、タンパク質のアミン基であり;およびNは、タンパク質の窒素である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)または(VII)を有することができ、式中X、Y、m、nおよびZは、定義したように、式(VI)または(VII)と関連し、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)または(VII)を有し、式中R1、R2、R3、R4、X、Y、M、nおよびZは、式(VI)または(VII)に関してと同様に定義され、およびmは、0である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基を含むことができ、ニトロキシル化されたタンパク質は、構造(VI)または(VII)を有し、式中R1、R2、R3、R4、X、Y、M、nおよびZは、式(VI)または(VII)に関してと同様に定義され、および式中mは、1である。

上のニトロキシル化されたタンパク質のいずれかにおいて、少なくとも1つのニトロキシル化されたアミノ基は、タンパク質のN末端アミノ基またはリジン残基のイプシロン(ε)アミノ基であることができる。

ニトロキシル化されたタンパク質は、適切にポリニトロキシル化されたタンパク質であることができる。たとえば、式(VI)または(VII)の構造を有するニトロキシル化されたタンパク質については、nは、約1〜約25であり;nは、少なくとも約2であり;nは、少なくとも約5であり;nは、少なくとも約10であり;またはnは、約15〜約20である。

ポリニトロキシル化されたタンパク質は、ポリニトロキシル化されたヘムタンパク質であることができる。

ヘムタンパク質は、本発明の実施において有用である。四量体ヘモグロビン(Hb)に加えて、これは、BMC Structural Biology,11:13において記述されたものなどの、単鎖(単量体)天然または組換えヘムタンパク質を含み、それは、http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1472−6807−11−13.pdfにてアクセス可能である。ヘムタンパク質のその他の例は、The Journal of Experimental Biology,201:1085−1098(1998)において見ることができる。

多様なHbを本発明で利用してもよい。Hbは、ヒト、ウシ、豚または馬のヘモグロビンなどの動物供与源から得てもよい。ヒトHbが好ましい。Hbは、天然供与源から得ることができ、または公知の組換え方法によって産生することができる。

本発明のヘモグロビンは、ストローマフリーヘモグロビンのものより大きい高酸素親和性を有する。これは、ヘモグロビンが、37℃およびpH7.4にて測定されたときに、15mmHg未満、好ましくは約2〜約10mmHgおよび最も好ましくは約2〜約8mmHgまたは約2〜約5mmHgのP50を有するだろうことを意味する。

たとえば、ニトロキシル化されたタンパク質は、ヘモグロビンα−サブユニット、ヘモグロビンβ−サブユニット、ヘモグロビン四量体またはミオグロビンを含むことができる。

ニトロキシル化されたタンパク質は、ヘモグロビンα−サブユニット、ヘモグロビンβ−サブユニット、ヘモグロビン四量体、ミオグロビンまたはアルブミンを含むことができる。

ニトロキシル化されたタンパク質がアルブミンである場合、ニトロキシル化されたタンパク質は、血清アルブミンを含むことができる。血清アルブミンは、ヒト血清アルブミン(HSA)を含むことができる。HSAは、585のアミノ酸を有する単一のポリペプチドである。BSAは、60のリジン、17対のジスルフィド架橋および1つの遊離システインを含み、およびおよそ〜67kDの分子量を有する。

ニトロキシル化されたタンパク質は、ヘモグロビンα−サブユニットまたはヘモグロビンβ−サブユニットもしくはヘモグロビン四量体を含むことができる。ニトロキシル化されたタンパク質は、動物ヘモグロビンα−サブユニット、動物ヘモグロビンβ−サブユニットまたは動物ヘモグロビンα−サブユニットおよびβ−サブユニットを含むヘモグロビン四量体を含むことができる。

ニトロキシル化されたタンパク質は、ヒトヘモグロビンα−サブユニット、ヒトヘモグロビンβ−サブユニットまたはヒトヘモグロビンα−サブユニットおよびβ−サブユニットを含むヘモグロビン四量体を含むことができる。

ニトロキシル化されたタンパク質がヘモグロビン四量体である場合、ヘモグロビンは、分子内で架橋することができる。分子内架橋ヘモグロビンは、二量体への解離および腎臓によって除去されることを回避することを妨げ、循環半減期を延ばす。様々な方法は、Hbを分子内に架橋するための当該技術分野において公知である。化学的架橋試薬は、グルタルアルデヒド(米国特許第7,005,414号)、ポリアルデヒド(米国特許第4,857,636号)、ジアスピリン(米国特許第4,529,719号)、ピリドキシル−5’−ホスフェート(米国特許第4,529,719号)トリメソイルトリス(メチルホスフェート)(米国特許第5,250,665号)、ジアルキン(アジドリンカーを有するヘモグロビンとの反応のため。Foot et al.,Chem.Commun.2009,7315−7317、Yang et al.,Chem.Commun.2010,46:7557−7559を参照されたい)を含み、およびヘモグロビンは、組換え方法論を介して架橋することができる。

たとえば、ヘモグロビン四量体は、架橋されたαα二量体または架橋されたββ二量体を含むことができる。

上の表1に示したように、ヒトヘモグロビンN末端基バリン残基のα−およびβ−サブユニットは、N末端アミノ基上で、ニトロキシル化することができる。加えて、ヒトヘモグロビンのα−およびβ−サブユニットは、ε−アミノ基にてニトロキシル化することができる多数のリジン基を含む。

加えて、ニトロキシル化されたタンパク質は、ヒトヘモグロビンα−サブユニットを含むことができる。ヒトヘモグロビンα−サブユニットは、N末端バリン残基のα−アミノ基にてニトロキシル化することができる。さらに、ヒトヘモグロビンα−サブユニットは、リジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139およびこれらの組み合わせからなる群より選択されたリジン残基のε−アミノ基にてニトロキシル化することができる。

また、ニトロキシル化されたタンパク質は、ヒトヘモグロビンβ−サブユニットを含むことができる。ヒトヘモグロビンβ−サブユニットは、N末端バリン残基のα−アミノ基にてニトロキシル化することができる。また、ヒトヘモグロビンβ−サブユニットは、リジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されたリジン残基のε−アミノ基にてニトロキシル化することができる。

さらに、ニトロキシル化されたタンパク質は、ヘモグロビン四量体を含むことができ、およびヘモグロビン四量体は、約17のニトロキシル化されたアミノ基を含むことができる。

ニトロキシル化およびPAO抱合されたタンパク質 また、ニトロキシル化されたタンパク質は、ポリアルキレンオキシド(PAO)に抱合することができる。PAOは、ポリエチレングリコール(PEG)であることができる。

PEGは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有することができる;約3,000〜約10,000ダルトン;約4,000〜約6,000ダルトン;または約5,000ダルトン。

また、ニトロキシル化されたタンパク質は、マレイミド−PEGであるPEGに抱合することができる。マレイミドは、アルキレンまたはフェニレンリンカーを介して、PEGに連結することができる。アルキレンリンカーは、エチレンリンカーであることができる。

また、ニトロキシル化されたタンパク質は、タンパク質のシステイン残基の固有のチオール部分、タンパク質のチオール化されたリジン残基のチオール部分およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGである抱合されたPEGを有することができる。

ニトロキシル化されたタンパク質は、マレイミド−PEGである抱合されたPEGを有することができ、システイン残基の固有のチオール部分に抱合された、またはチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、構造(VIII)を有する

式中Zは、タンパク質を表し、Sは、タンパク質のチオール基であり、R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、Xは、末端基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有することができ、式中R3は、エチレンである。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有することができ、式中mは、約6〜約10である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有することができ、式中Xは、メトキシ(−OCH3)またはカルボキシラート(−COOH)である。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有することができ、式中マレイミド−PEGは、ヘモグロビンβ−サブユニットのシステイン−93残基のチオール部分に抱合される。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有し、式中マレイミド−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合される。ニトロキシル化されたタンパク質は、式(VIII)の構造を有し、式中チオール化されたリジン残基は、リジン−7リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139およびこれらの組み合わせからなる群より選択されたヒトヘモグロビンα−サブユニットのチオール化されたリジン残基である。式(VIII)のニトロキシル化されたタンパク質、式中チオール化されたリジン残基は、リジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されたヒトヘモグロビンβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基である。

ニトロキシル化ヘモグロビン四量体 ニトロキシル化されたヘモグロビンの任意の1つの少なくとも1つのα−サブユニットまたは少なくとも1つのβ−サブユニットを含むヘモグロビン四量体を、本明細書において記述した。

これらのヘモグロビン四量体は、本明細書において記述したニトロキシル化されたヘモグロビンの任意の1つの少なくとも1つのα−サブユニットおよび少なくとも1つのβ−サブユニットを有することができる。

ヘモグロビン四量体は、本明細書において記述したニトロキシル化されたヘモグロビンの任意の1つの2つのα−サブユニットおよび2つのβ−サブユニットを含むことができる。

本明細書において記述したヘモグロビン四量体は、ヘモグロビンは、四量体あたり平均5〜10PAO分子において抱合され、ヘモグロビンは、四量体あたり平均7.1〜8.9PAO分子において抱合される。

ヘモグロビンが酸素化されているヘモグロビン四量体。

ヘモグロビンが脱酸素化されているヘモグロビン四量体。

ヘモグロビンがCO、NOまたはCOおよびNOの混合物とリガンド結合しているヘモグロビン四量体。

本発明のヘモグロビン抱合体は、酸素化したまたは脱酸素化された形であることができ、COまたはNOにリガンド結合することができ、またはこれらの4つの形の2つ以上を含む混合物であることができる。HbO2は、空気、純O2気体またはO2/窒素ガス混合物で非酸素化したヘモグロビンを平衡化することによって製造される。

脱酸素は、当該技術分野において公知の任意の方法によって行うことができる。1つの単純な方法は、窒素、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性気体にヘモグロビン溶液を曝露することである。脱酸素が相対的に均一であることを保証するために、Hb溶液をこのプロセスにおいて循環させる。所望のレベルを達成するための脱酸素モニタリングは、Co−oximeter 682(Instrument Laboratories)を使用することによって行ってもよい。部分的な再酸素負荷が所望である場合、脱酸素化されたHbを、酸素にまたは空気などの酸素を含む気体混合物に曝露してもよい。

分子酸素を別の気体で置換するガス交換は、ポリプロピレンまたは酢酸セルロース膜などのガス透過性膜を介して達成してもよい。たとえば、公開された米国特許出願第2006/0234915号を参照されたい。これらの膜を利用する市販の気体−交換装置は、Celgard(商標)polypropylene microporous hollow fiber device from Hoechst−Celanese (Dallas, TX)またはthe Cell−Pharm(商標) hollow fiber oxygenator from American Laboratory (East Lyme, CT)を含む。Hoechst−Celanese Celgard(商標)装置において、酸素化したHbを、システムが5〜20psiにて窒素で除去されると共に10〜100ml/分/ft2にてポリプロピレン微小孔構造中空フィルターを介して水性Hb溶液を通過させることによって脱酸素化する。一般に、Hbを約5〜30分間循環させて、デオキシHbの所望の割合を達成する。脱酸素化されたHbを産生するためのもう一つの方法は、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウムジチオン酸塩および亜硫酸水素ナトリウムなどの化学的還元薬剤にヘモグロビン溶液を曝露することを含む。Hbは、還元薬剤濃度、反応時間および温度を調整することによって部分的に脱酸素化される。あるいは、実質的に、還元薬剤を使用してHbを脱酸素化してもよく、および次いで、酸素を部分的に再導入して脱酸素化された産物を形成してもよい。たとえば、Hbを、抗酸化剤を添加する前に約1時間100mM濃度の亜硫酸水素ナトリウムに曝露することができる。

Hbは、単にCOをO2に置換することによって、オキシヘモグロビンを形成するための任意の公知の方法を使用して、COにリガンド結合することができる。これは、一般にヘモグロビンがO2の代わりにCOとリガンド結合されるように、ヘモグロビンの溶液へCOの供与源を導入することを含む(K.D.Vandegriff,et al.,Biochem.J.382:183−189(2004))。ヘモグロビンは、酸素に対してよりも高い親和性をCOに対して有するので、最初に、ヘモグロビンを脱酸素化することは必要でない。したがって、CO−Hb複合体を形成する最も便利な方法は、100%のガス状COをヘモグロビンの溶液に導入することである。

HbNOを、一酸化窒素気体で脱酸素化されたヘモグロビンを反応させることによって、またはNOがCOに交換するようにNO気体にCO−Hbを曝露することによって製造することができる。また、HbNOは、PROLI NONOate(商標)(すなわち、1−(ヒドロキシ−NNO−アゾキシ)−L−プロリン、ジナトリウム塩;Cayman Chemical,Ann Arbor,Michigan)のように小さなNOドナー分子と脱酸素化されたヘモグロビンを反応させることによって作製することができる。

遊離基NOがグロビン鎖におけるアミノ酸側鎖群に結合されるヘモグロビンは、本明細書において定義したNOHb複合体ではないことを留意するべきであり、このような化合物は、酸素の代わりにヘムポケットにおいてリガンドとして2価(非イオン性)NOを含まないためである。たとえば、ニトロシルヘモグロビンは、遊離スルフヒドリル基に対する結合を生じさせる条件下で天然のヘモグロビンがNOドナーに曝露させたときに形成される(米国特許第6,627,738号)。まだ、このようなニトロシルヘモグロビンは、酸素運搬するが、一方、本発明のNO-Hb複合体はしない。さらにまた、修飾ヘモグロビンが上記などのスルフヒドリル部分に向けられた反応によって形成されるとき、これらの部分は、NO結合にもはや利用できない。

タンパク質およびPAO修飾タンパク質のニトロキシル化のための方法 また、本発明は、PAO修飾タンパク質を含むタンパク質のニトロキシル化のための方法に関する。本発明の方法は、部位特異的なニトロキシル化を提供し、および好ましい反応条件下で行うことができる。これらの方法を使用して産生されるニトロキシル化ペグ化ヘモグロビンは、増強された循環時間およびタンパク質安定性、並びに高酸素親和性を有する。

ニトロキシル化されたタンパク質は、式(II)のニトロキシル化薬でタンパク質を反応することによって、製造することができる

式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1〜C4アルキルであり;Xは、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素であり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。

式(II)のニトロキシル化薬は、式(II)に関して定義された通りのR1、R2、R3、R4、Yおよびmを有し、およびXは、酸素または硫黄である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製する方法。

式(II)のニトロキシル化薬は、式(II)に関して定義された通りのR1、R2、R3、R4、Yおよびmを有し、、およびXは、酸素である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製することで方法。

式(II)のニトロキシル化薬は、式(II)に関して定義された通りのYおよびmを有し、、Xは、酸素であり、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製する方法。

式(IV)のニトロキシル化薬とタンパク質を反応させることを含むニトロキシル化されたタンパク質を製造するための方法:

式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立してC1〜C4アルキルであり;Yは、CH2であり;およびmは、0または1である。請求項G2の方法、式中R1、R2、R3およびR4のそれぞれは、独立して−CH3である。

式(II)または(IV)のニトロキシル化薬は、式(II)または(IV)に関して定義された通りのX、Yおよびmを有し、およびR1、R2、R3およびR4のそれぞれは、−CH3である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製する方法。

式(II)または(IV)のニトロキシル化薬は、式(II)または(IV)に関して定義された通りのR1、R2、R3、R4、XおよびYを有し、およびmは、0である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製する方法。

式(II)または(IV)のニトロキシル化薬は、式(II)または(IV)に関して定義された通りのR1、R2、R3、R4、XおよびYを有し、およびmは、1である、ニトロキシル化されたタンパク質を作製する方法。

式(II)または(IV)のニトロキシル化薬の比は、タンパク質に対して約5〜約100倍のモル過剰にて存在する、ニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

タンパク質は、ヘモグロビン四量体のα−またはβ−サブユニットを含む、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。タンパク質は、ヘモグロビン四量体を含む方法。ヘモグロビン四量体は、非酸素化したヘモグロビン四量体である方法。非酸素化したヘモグロビン四量体は、COリガンド結合したヘモグロビン四量体である方法。ヘモグロビン四量体は、脱酸素化されたヘモグロビン四量体である方法。

反応は、約2℃〜約30℃;約15℃〜約25℃;約2℃〜約8℃;約4℃;または約20℃の温度にて実施される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

反応は、約3〜約20時間;約3〜約6時間;または約16時間の間進行可能にすることができる、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

反応は、水性溶媒中で実施される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法

反応は、約6.5〜約8.5のpH;約7.5のpH;または約7.2のpHにて実施される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

タンパク質は、ヘモグロビン四量体を含み、反応は、約7.2のpHおよび約2℃〜約8℃の温度にて実施され、および約16時間の間進行可能にすることができ、および方法は、約17のニトロキシル化されたアミノ基を有するニトロキシル化されたヘモグロビン四量体を生じる、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

タンパク質は、ヘモグロビン四量体を含み、およびニトロキシル化薬は、ヘモグロビン四量体に対して約10〜約100倍のモル過剰にて存在する、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

反応の産物は、式(VI)または(VII)のニトロキシル化されたタンパク質または本明細書において記述したヘモグロビン四量体である、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用するニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

ポリアルキレンオキシド(PAO)にタンパク質を抱合することをさらに含む、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

水性希釈剤中でタンパク質にスクシンイミジルバレラートPAOを添加してタンパク質を抱合したPAO−バレラートを形成することをさらに含む、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。水性希釈剤中で2−イミノチオラン(2−IT)とタンパク質を混合してチオール化されたタンパク質を形成すること;および水性希釈剤中でチオール化されたタンパク質にPAO−マレイミドを添加してタンパク質を抱合したPAO−マレイミドを形成することをさらに含む方法。PAOがポリエチレングリコール(PEG)である方法。

ポリアルキレンオキシド(PAO)にタンパク質を抱合することをさらに含み、およびPAOは、ポリエチレングリコール(PEG)であり、PEGは、約2,000〜約20,000ダルトン;約3,000〜約10,000ダルトン;約2,000〜約6,000ダルトン;または約5,000ダルトンの平均分子量を有する、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

PEGは、マレイミド−PEGである、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。マレイミドをアルキレンまたはフェニレンリンカーを介してPEGに連結する方法。アルキレンリンカーは、エチレンリンカーである方法。マレイミド−PEGは、タンパク質のシステイン残基の固有のチオール部分、タンパク質のチオール化されたリジン残基のチオール部分およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるタンパク質のチオール部分に抱合される方法。

システイン残基の固有のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、構造(VIII)を有する、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法、

式中Zは、タンパク質を表し、R3は、アルキレンまたはフェニレン基であり、Sは、タンパク質のチオール基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の平均数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数を表す。

システイン残基の固有のチオール部分に抱合されたマレイミド−PEGは、R3がエチレンである構造(VIII)を有する方法。タンパク質は、ヘモグロビンα−サブユニット、ヘモグロビンβ−サブユニット、ヘモグロビン四量体、ミオグロビンまたはアルブミン含む方法。タンパク質は、血清アルブミンを含む方法。血清アルブミンは、ヒト血清アルブミン(HSA)を含む方法。タンパク質は、ヘモグロビン四量体を含む方法。

ヘモグロビン四量体は、架橋されたαα二量体または架橋されたββ二量体を含む方法。マレイミド−PEGは、ヘモグロビンβ−サブユニットのシステイン−93残基のチオール部分に抱合される方法。マレイミド−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基のチオール部分に抱合される方法。チオール化されたリジン残基は、リジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンα−サブユニットのチオール化されたリジン残基である方法。チオール化されたリジン残基は、リジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンβ−サブユニットのチオール化されたリジン残基である方法。

2−イミノチオラン(iminithiolane)は、タンパク質濃度に対して約7〜約15倍モル過剰の間;タンパク質濃度に対して約7〜約8倍のモル過剰の間;またはタンパク質濃度に対して約7.5倍のモル過剰の濃度にて存在する、式(II)のまたは(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

PAO−マレイミドは、タンパク質濃度に対して約9〜約20倍のモル過剰の間;タンパク質濃度に対して約9〜約15倍のモル過剰の間;またはタンパク質濃度に対して約12倍のモル過剰の濃度にて存在する、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

チオール化工程は、約7〜約9の間のpH;または約8.5のpHにて実施される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

チオール化されたタンパク質にPAO−マレイミドを添加してPAO−マレイミド抱合されたタンパク質を形成するする工程は、約6.5〜約8.5の間のpHにて;または約7.5のpHにて実施される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。

PEGは、SVA−PEGである、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。スクシンイミドは、−C(O)−(CH2)4−を介して、PEGに連結される方法。SVA−PEGは、タンパク質のリジン残基のε−アミノ部分、タンパク質の末端バリン残基のα−アミノ部分またはこれらの組み合わせから選択されるタンパク質のアミノ部分に抱合することができる。また、SVA−PEGは、タンパク質のリジン残基のε−アミノ部分に抱合することができ、またはタンパク質の末端バリン残基のα−アミノ部分は、構造(IX)を有する

式中Zは、タンパク質であり、Nは、タンパク質の窒素であり、Xは、末端基であり、mは、タンパク質に抱合された活性化されたPEG重合体の数であり、およびnは、約2,000〜約20,000ダルトンの平均分子量を有するPEGのオキシエチレンユニットの平均数である。

Xは、PAOの末端基であり、およびヒドロキシ、ベンジルオキシなどのアリールオキシまたはC1〜C20アルコキシ、より好ましくはC1〜C10アルコキシ基およびさらにより好ましくはメトキシまたはエトキシなどのC1〜C5アルコキシ基であることができる。

式IXについて、mは、四量体あたり平均約6〜約10 PAO分子である、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。SVA−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットのリジン残基のε−アミノ部分に抱合される。SVA−PEGは、ヘモグロビンα−サブユニットまたはβ−サブユニットの末端バリン残基のα−アミノ部分に抱合される。

式IXについて、リジン残基は、リジン−7、リジン−11、リジン−16、リジン−40、リジン−56、リジン−60、リジン−61、リジン−90、リジン−99、リジン−127、リジン−139、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンα−サブユニットのリジン残基である、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。リジン残基は、リジン−8、リジン−17、リジン−59、リジン−61、リジン−65、リジン−66、リジン−82、リジン−95、リジン−120、リジン−132、リジン−144およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるヒトヘモグロビンβ−サブユニットのリジン残基である。

タンパク質は、タンパク質のニトロキシル化の前にPAOに抱合される、式(II)または(IV)のニトロキシル化薬を使用してニトロキシル化されたタンパク質を作製するための方法。、チオール化されたタンパク質にPAO−マレイミドを添加してPAO−マレイミド抱合されたタンパク質を形成する工程は、タンパク質のニトロキシル化と並行して行うことができる。タンパク質にスクシンイミジルバレラートPAOを添加してPAO−バレラート抱合されたタンパク質を形成する工程は、タンパク質のニトロキシル化と並行して行われる。

上の方法のいずれかにおいて、ニトロキシル置換の程度は、電子常磁性共鳴(EPR)またはMALDI−TOF質量分析を使用して評価および定量化することができる

医薬組成物 本発明のPAO−Hb抱合体は、水性希釈剤などの非経口投与のための薬学的に許容される担体中にPAO−Hb抱合体を含む医薬組成物として製剤化することができる。担体におけるPAO−Hb抱合体の濃度は、適用に従って変えることができる。好ましくは、PAO−Hb抱合体の濃度は、約0.1g/dl〜約10g/dl、より好ましくは約2.0g/dl〜約8.0g/dlおよび最も好ましくは約4.0〜約6.0g/dlの範囲である。ヘモグロビンの適切な濃度の選択は、最終ヘモグロビン産物のコロイド性浸透圧(腫脹の)特性に依存する。好ましくは、本発明の組成物は、全血と比較して、正常腫脹性(normooncotic)または血漿と比較して高張性(hyperoncotic)である。ヘモグロビン濃度は、それぞれの指標について所望のコロイド浸透圧を得るように調整することができる。

組成物が非経口として製剤化されるとき、一般に、溶液は、全血と等張の生理的に適合性の電解質担体を含み、およびヘモグロビンの可逆的な酸素−、CO−またはNO−運搬および送達特性を維持する。

薬学的に許容される担体は、水性希釈剤であることができる。水性希釈剤は、コロイドの水性溶液または成分を運搬する非酸素の水性溶液、アルブミンなどのタンパク質の水性溶液、糖タンパク質の水性溶液、多糖の水性溶液またはこれらの組み合わせなどを含むことができる。水性希釈剤は、水性無細胞溶液を含むことができる。

適切な水性希釈剤は、生理食塩水、生理食塩水−グルコース混合物、Ringer液、乳酸Ringer液、Locke−Ringer液、Krebs−Ringer液、Hartmannの平衡生理食塩水、ヘパリン処置したクエン酸ナトリウム−クエン酸−デキストロース溶液、アセテート溶液、複数の電解質溶液(たとえば、Plasma Lyte(登録商標) or Plasma Lyte−A(登録商標)from Baxter International,Deerfield,IL)、ラクトビオナート溶液および重合体の代用血漿、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、エチレンオキシド−プロピレングリコール凝縮物またはこれらの組み合わせなどを含むが、限定されない。

加えて、組成物は、当該技術分野において周知の薬学的に許容される充填剤、塩およびその他の材料を含むことができ、その選択は、投薬形態、治療されている条件、当業者の決定に従って達成される特定の目的およびこのような添加剤の特性に依存する。たとえば、組成物は、生理緩衝液、炭水化物(たとえば、グルコース、マンニトールまたはソルビトール)、アルコールまたはポリアルコール、薬学的に許容される塩(たとえば、ナトリウムまたは塩化カリウム)、表面活性物質(たとえば、ポリソルベート80)、抗酸化剤、抗バクテリア薬剤、コロイド浸透圧薬剤(たとえば、アルブミンまたはポリエチレングリコール)または還元薬剤(たとえば、アスコルビン酸、グルタチオンまたはN−アセチルシステイン)を含むことができる。

医薬組成物は、少なくとも約2センチポアズ(cp)の粘性を有する。より具体的には、粘性は、約2〜約5cpおよび特に約2.5〜約4.5cpの範囲である。

投与における合併症を回避するために、医薬組成物は、高純度のもの、すなわち間質およびリン脂質および発熱物質がなく、LAL(カブトガニアメーバ様細胞溶解物)試験によって測定したとき、わずか0.25Eu/mlのエンドトキシンレベルを有し、および8%未満のメトヘモグロビンを有する。

医薬組成物は、皮下、静脈内または筋肉内注射によってなど非経口的に、または大きな容積非経口液として投与することができる。また、組成物は、経管栄養によって投与することができる。

治療薬としてのヘモグロビン抱合体の典型的な用量は、患者の体重量キログラムあたり約1〜約15,000ミリグラムのヘモグロビンであることができる。たとえば、酸素治療剤として使用されるときに、投薬量は、患者の体重量の100〜7500mg/kg、より好ましくは体重量の500〜5000mg/kg、最も好ましくは体重量の700〜3000mg/kgの間の範囲だろう。したがって、ヒト患者のための典型的な用量は、1グラム〜1000グラム以上であるかもしれない。、それぞれの投薬量形態の個々の用量に含まれない活性成分のユニット含量は、必要な有効な量を多数の個々の用量の投与によって到達することができるので、それ自体において有効量を構成する必要がないことが認識されるであろう。投薬量の選択は、利用される投薬形態、治療される状態および当業者の決定に従って達成される特定の目的に依存する。

治療の方法 PAO−Hb抱合体および医薬組成物は、酸素、COおよび/またはNOを被験体に送達するために使用することができる。組織に酸素、一酸化窒素、一酸化炭素またはそれらの混合物を送達し、および亜硝酸塩を還元して微小血管系においてさらに内因性一酸化窒素(NO)を産生する方法は、その必要のある被験体にヘモグロビン抱合体または組成物を投与することを含み、投与後に、ヘモグロビンは、リガンド非結合になり、微小血管系において亜硝酸を一酸化窒素に変換する。

本発明のヘモグロビン抱合体およびその組成物は:急性肝不全、ベータ地中海貧血症、火傷、慢性重篤な肢虚血、二酸化炭素またはシアン化物中毒、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(たとえば、急性悪化)、鬱血性心不全(たとえば、急性心不全、慢性心不全)、低酸素症(たとえば、肺水腫を含む高高度用途、減圧症)、マラリア(たとえば、大脳マラリア(熱帯熱閉塞性のイベント)、器官虚血(たとえば、急性腸虚血(ねじれ)、急性腸虚血(塞栓症)、心臓性ショック、急性血管器官虚血、脳卒中(CATスキャン前)、脳卒中(CATスキャン後)、心筋梗塞/重篤な心虚血)、末梢血管疾患、ポルフィリン症、妊娠における子癇前症、敗血症、鎌状赤血球症(たとえば、脳卒中/一過性脳虚血発作、脾臓血球貯留、肝臓血球貯留、持続勃起症)、網膜疾患/内部眼球条件(たとえば、網膜中心動脈閉塞、中心静脈閉塞)、睾丸捻転、外傷/ショック(たとえば、外傷性出血性ショック、非外傷性出血ショック、病院前/現場使用(軍事的/緊急)、外傷脳損傷/芽球)、潰瘍または血管攣縮;血管形成術に対する補助剤として、形成手術のための補助剤として(皮膚弁)(たとえば、急性治療、慢性治療)、または補助人工心臓を植設する際の補助剤として;代用血液として(たとえば、急性失血、エホバの証人、患者とクロスマッチさせることが困難、珍しい血液型、鎌骨髄無形成発症、鎌状赤血球性貧血術中管理、急性溶血性貧血(自己免疫性)、急性溶血性貧血(毒素)またはその他の不応性の貧血、心臓保護剤、凍結保存剤、血液透析補助剤、腫瘍学薬剤(たとえば、放射線療法または化学療法に対する補助、固形腫瘍)、器官保存剤(たとえば、エキソビボで、ドナーにおいて、レシピエントにおいて)、性能増強剤(たとえば、一般人の/スポーツの、軍事的な)、外科手術補助(たとえば、人工心肺(主な)、人工心肺(調整)、肺虚血、プレ外科手術調節、破裂性大動脈瘤、胸部大動脈の置換(解剖または動脈瘤))または創傷治癒薬剤;イメージングにおいて(X線または磁気共鳴映像法(MRI));肺機能を改善する(たとえば、急性肺傷害、慢性肺傷害、一過性ウイルス性肺炎、新生児窮迫症候群);またはこれらの組み合わせを治療するために使用することができる。このような用途は、その必要のある被験体への抱合体または組成物の投与を含む。

さらに、本発明のヘモグロビンおよび組成物は、非外傷性出血ショック、病院前状況の外傷、外傷性出血ショック、急性肺傷害、成人呼吸不全症候群、外傷性脳損傷、脳卒中、固形腫瘍癌、器官分解(organ degradation)(エキソビボで)、器官分解(レシピエントにおいて)、重篤な敗血症/敗血症性ショック、心筋梗塞/心虚血、心臓性ショック、急性心不全、肺動脈塞栓症、外科手術による種々の状態(たとえば、血管形成術に対する補助剤、胸部大動脈修復に対する補助剤、人工心肺に対する補助剤、人工心肺のためのプライミング溶液)またはこれらの組み合わせを治療するために使用することができる。

本発明のヘモグロビンおよび組成物が有用である多数の臨床的状況は、以下を含む:

外傷。全血の急性喪失は、皮膚および腸を含む低い優先度の器官から離れた血液を短絡すると共に、血液の失われた容積を置換するために、組織内および細胞内スペースから液体移動を生じ得る。器官から離れている血液を短絡するには、これらの器官におけるO2レベルを減少させ、時には除去し、および進行性の組織死を生じる。一次目標は、影響を受けた組織に酸素を与えることである。この外傷は、病院前状況であることができ、または外傷性出血ショックまたは外傷性脳損傷を生じることができる。

虚血。また、抱合体およびその組成物は、赤血球または多くのその他の酸素治療が貫通することができない領域に酸素、COおよび/またはNOを送達するために使用することができる。これらの領域は、血栓の下流の領域、鎌形赤血球閉塞、動脈の閉塞、血管形成バルーン、外科的な計測手段などの赤血球フローの閉塞の下流に位置する任意の組織領域を含むことができ、および任意の組織は、酸素飢餓に罹患する、または低酸素である。たとえば、全てのタイプの組織虚血は、脳卒中、新進の脳卒中、一過性虚血発作、心筋気絶および休止状態、急性または不安定狭心症、新進の狭心症、梗塞および同様のものを含み、治療することができる。特に、虚血を生じる状態は、急性心不全、心臓性ショック、心筋梗塞/心虚血、脳卒中、肺動脈塞栓症、非外傷性出血ショックまたは脳血管外傷を含む。

血液希釈。この適用において、治療薬は、取り出された自己の血液のO2レベルを交換する(または置換する)ために投与される。これは、外科手術の間と後に、必要な輸液のために取り出された自己の血液を使用することを可能にする。手術前血液除去を必要とするこのような1つの外科手術は、人工心肺手順である。

敗血症/敗血症性ショック。敗血症において、何人かの患者は、大量の液体療法および血管収縮薬での治療にもかかわらず、高血圧性になるかもしれない。この例において、一酸化窒素(NO)の生産過剰は、降下された血圧を生じる。したがって、ヘモグロビンは、高結合活性化されたを伴うNOをヘモグロビンが結合するので、これらの患者の治療のための望ましい薬剤である。

低酸素血症。患者が肺炎または膵臓炎のいずれかによって生じる急性肺傷害を有するとき、低酸素血症を観察することができ、および影響を受けた組織に酸素を与えるために、本発明のヘモグロビンまたは組成物を提供することによって緩和することができる。

。固形腫瘍腫瘤の低酸素コアへのO2の送達は、放射線療法および化学療法に対するその感受性を増加させる。腫瘍の微小血管系が、その他の組織のそれとは異なるので、O2レベルを増加させることを介する感作は、O2が低酸素コアの中で降ろされることを必要とする。言い換えれば、P50は、O2の早めの荷卸しを予防するために非常に低いべきであり、その後の放射線および化学療法治療に腫瘍の最適の感作を保証するために、O2レベルを増加させる。

外科手術。本発明のヘモグロビンおよび組成物は、種々の外科的手順の間に使用することができる。たとえば、これらは、人工心肺手順の間、血管形成術、胸部の大動脈修復に対する補助剤として、または心肺プライミング溶液として使用することができる。

器官灌流。器官がエキソビボで維持される、または臓器提供レシピエント内にあるとき、O2含量を維持することは、構造的なおよび細胞の統合性を保存するのを補助し、および梗塞形成を最小限にする。ヘモグロビンおよび組成物は、このような器官のために酸素需要量を持続することができる。

また、ヘモグロビンおよびその組成物は、家畜などの非ヒトにおいて、使用することができる(たとえば、家畜およびイヌ、ネコ、ウマ、トリ、爬虫類などのコンパニオン・アニマル)。本発明は、傷害、溶血性貧血などのために血液の喪失で苦しんでいる飼育されたおよび野生の動物の応急処置における有用性を見いだすと考えられる。獣医学的用途は、傷害、溶血性貧血、馬伝染性貧血、ネコの感染性貧血、細菌感染、第IV因子断片化、過剰脾臓化および巨脾、家禽における出血症候群、形成不全性貧血、無形成性貧血、特発性免疫溶血性状態、鉄欠乏症、イソ免疫性溶血性貧血、細血管障害性溶血性貧血、寄生または外科的麻酔誘導された脳外傷のための血液の喪失の治療を含む。

実施例1.4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC;1−(((2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)−4−オキシカルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)の合成 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL)1グラムを無水アセトニトリル20mlに溶解し、室温にて5分間混合した。一旦、TEMPOLが溶解したら、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)(2eq)2.975gおよびトリエチルアミン(3.0eq)2.425mlを反応に添加した。反応は、室温にて嫌気性条件下で6〜8時間行った。反応完了後、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をエチルアセテートに溶解し、および飽和CuSO4水溶液で洗浄した。有機相を分離し、TEMPOL1グラムにつきNa2SO4 0.5gを有機相に添加した。溶液を室温にて15分間混合し、続いて濾過した。濾過した溶液を減圧下で蒸発させた。生成物、4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートを、n−ヘプタンを添加することによって沈殿させ、濾過し、室温にて真空下で乾燥した。

4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートの製造のための反応スキームを下に示してある:

実施例2.4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)の解析 ESI−TOF高精度質量分析を出発材料TEMPOLおよび最終生成物4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)において行ってTEMPOLの4−STCへの変換を確認した(図1および2)。

加えて、図3に示したように、薄層クロマトグラフィーを、出発材料TEMPOL(レーン1)およびN,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(DSC、レーン3)、並びに6時間における反応生成物(レーン4)および沈殿後の最終生成物4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(レーン5)で行った。レーン2には、反応の間にDSCから放出される反応副生成物、N−ヒドロキシ−スクシンイミド(NHS)を充填した。図3から分かるように、最終生成物は、出発材料または副生成物のいずれも含まない。

実施例3.3−スクシンイミジル−PROXYL−カルボナート(3−SPC;1−(((2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)−3−オキシカルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)の合成 3−スクシンイミジル−PROXYL−カルボナートは、出発材料としてTEMPOLの代わりに3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシルを用いて、4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナートについての実施例1における上記のものと類似の方法を使用して製造することができる。

実施例4.4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPO(4−SCT;1−(((2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)−4−カルボニル)オキシ)−2,5−ピロリジンジオン)の合成 4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−カルボキシTEMPO)1グラムをテトラヒドロフラン75mlに溶解し、および室温にて5分間混合した。一旦、4−カルボキシTEMPOを溶解したら、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)0.632g(1.1eq)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.15g(1.1eq)を反応に添加した。反応を24時間、嫌気性条件下で室温にて行った。反応完了後、溶液を濾過し、減圧下で蒸発させた。残基をエチルアセテートに溶解し、水で洗浄した。有機相を分離し、4−カルボキシTEMPO 1グラムにつきNa2SO4 0.5gを有機相に添加した。溶液を室温にて15分間混合し、続いて濾過した。濾過した溶液を減圧下で蒸発させた。生成物、4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPOをn−ヘプタンを添加することによって沈殿し、濾過し、室温にて真空下で乾燥した。

4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPOの製造のための反応スキームを以下に示してある:

実施例5.3−スクシンイミジル−カルボキシ−PROXYL(3−SCP;1−(((2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ)−3−カルボニル)オキシ−2,5−ピロリジンジオン)の合成 3−スクシンイミジル−カルボキシプロキシルは、出発材料として4−カルボキシTEMPOの代わりに3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル(3−カルボキシPROXYL)を使用して、4−スクシンイミジル−カルボキシ−TEMPOについての実施例3における上記の通りの化学を使用して合成することができる。

実施例6.ポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PN−PEG−Hb)の製造 ポリニトロキシル化ヘモグロビンは、2工程プロセス:a)PEG複合ヘモグロビンの製造およびb)PEG−Hbのポリニトロキシル化で製造した。

PEGを、ストローマフリーヘモグロビン(SFH)に、SFHを9倍のモル過剰の2−イミノチオラン(2−IT)と2.5時間および16倍のモル過剰のマレイミドPEG 5000(MalPEG5000)と2時間反応させることによって抱合した。チオール化およびペグ化反応は、pH7.4にてリン酸緩衝食塩水(PBS)中で行った。下の反応スキームに示したように、2−イミノチオランは、リジン残基をチオール化し、およびMalPEG5000は、β−Cys93残基の固有のチオールと反応し、およびリジン残基をチオール化した:

R1、R2およびR3は、ヘモグロビン主鎖の残部を表し、R4は、エチレンであり、およびnは、5,000ダルトンのPEG鎖におけるオキシエチレンユニットの数を表す。上の反応スキームは、チオール化およびペグ化を分離した工程として示すが、反応は、単一の反応の混合に含まれたSFH、2−ITおよびMalPEG 5000との「ワンポット」反応として行われる。

PEG−Hbのポリニトロキシル化を、カルボキシ−PEG−Hbを使用して行った。反応を室温にて、または冷蔵された状態においてCOの雰囲気下で、ヘモグロビンに対して30倍のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用して行った。ヘモグロビン分子あたりのニトロキシル基の数は、ヘモグロビンに対する4−STCのモル過剰、反応が実施される温度および/または反応時間を変化させることによって変動し得る。ポリニトロキシル化ヘモグロビンを、70kDaの接線流濾過を使用して精製し、および最終生成物を無菌濾過し、およびCOの雰囲気下で貯蔵した。PEG−HbからのPN−PEG−Hbの製造のための反応スキームを以下に示してある。

R1、R2およびR3は、ヘモグロビン主鎖の残部を表す。

実施例7.ポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PN−PEG−Hb)の特性 図4は、TEMPOL(上方パネル)の非電子対、並びにポリニトロキシル化(PN-MP4)の前(中間パネル)および後(下方パネル)のペグ化ヘモグロビン(MP4)の両方についての電子常磁性共鳴(EPR)スペクトルを示す。

図5は、ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb;上方パネル)およびポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb−PN;下方パネル)のサイズ排除解析プロフィールを示す。サイズ排除解析を、Superose−12カラムを使用して行い、およびタンパク質を、リン酸緩衝食塩水(PBS)を使用して溶出した。

図6は、ポリニトロキシル化ペグ化ヘモグロビン(PEG−Hb−PN)の特徴的な紫外可視スペクトルを示す。

PEG−Hb−PNの安定性を、ラットにおいて10%の天井負荷を施すことによってインビボで試験した。図7は、注入終了時にておよび注入後1時間にての血漿ヘモグロビンの紫外可視スペクトルを示す。

図8は、ペグ化ヘモグロビン(MP4)を5、10、20、30、50または100倍のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用してニトロキシル化した実験の結果を示す。ニトロキシル化の程度は、4−STCのモル過剰が5倍から30倍に増加するにつれ、用量依存的な様式で増加した。ニトロキシル化の程度は、30倍、50倍または100倍のモル過剰の4−STCを使用したとき、およそ同じであった。

実施例8.ポリニトロキシル化アルブミン(PN−Alb)の製造 アルブミンのポリニトロキシル化を、25%ヒト血清アルブミン溶液を使用して行った。アルブミン分子あたりのニトロキシル基の数は、アルブミンに対する4−STCのモル過剰を変化させることによって変動した。反応を室温にて、または冷蔵された状態において、17〜24時間pH7.4にてアルブミンに対して5、10、20、30、50または100倍のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用して行った。ポリニトロキシル化アルブミンをゲル濾過によって精製し、アルブミン分子あたりのニトロキシル基の数を同定するためにMALDI−TOF質量分析によって解析した。4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用するアルブミンからのPN−アルブミンの製造のための反応スキームを以下に示してある:

R1およびR2は、アルブミン主鎖の残部を表す。

MALDI−TOF質量スペクトルを、図9および13(非ニトロキシル化HSA)および10〜12および14〜16(それぞれ、HSAを、5、10、20、30、50または100倍のモル過剰の4−STCを使用してニトロキシル化した)に示した。図17は、これらのデータのグラフ図を提供し、およびニトロキシル化の程度は、4−STCのモル過剰が5倍から100倍に増加するにつれ、用量依存的な様式で増加したことを示す。

実施例9.ポリニトロキシル化ペグ化アルブミン(PN−PEG−Alb)の製造。 ポリニトロキシル化ペグ化アルブミンは、2工程プロセス:a)PEG複合アルブミンの製造およびb)PEG−Albのポリニトロキシル化で製造した。

PEGを、9倍のモル過剰の2−イミノチオラン(2−IT)と2.5時間および16倍のモル過剰のマレイミドPEG 5000(MalPEG5000)と2時間アルブミンを反応させることによってアルブミンに抱合した。チオール化およびペグ化反応は、pH 7.4にてリン酸緩衝食塩水(PBS)中で行った。ペグ化の2時間後に、PEG−アルブミン抱合体を、70kDaの接線流濾過を通過させて、反応していない試薬を除去し、および製剤緩衝液中で製剤化した。ポリニトロキシル化を室温にて、または冷蔵された状態においてアルブミンに対して100倍のモル過剰の4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)を使用して4−スクシンイミジル−TEMPO−カルボナート(4−STC)とPEG−アルブミンを反応させることによって行った。アルブミン分子あたりのニトロキシル基の数は、アルブミンに対する4−STCのモル過剰、反応を実施する温度および/または反応時間を変化させることによって変動し得る。ポリニトロキシル化アルブミンを、70kDaの接線流濾過を使用して精製した。PEG−AlbからPN−PEG−Albの製造のための反応スキームを以下に示してある:

R1、R2およびR3は、アルブミン主鎖の残部を表し、R4はエチレンであり、およびnは5,000ダルトンPEG鎖におけるオキシエチレンユニットの数を表す。

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