专利汇可以提供Manufacturing system of recycled automobile and manufacture thereof and manufacturing system of rebuilt automobile and manufacture thereof专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To provide a technology for recycling a used car whose evaluation value in a used car market is zero or very low into a recycled car in effectively utilizing various used parts collected out of a scrapped car and another technol ogy for regenerating the used car owned by an orderer into a rebuilt car after repairing. CONSTITUTION:Since a sales company 10 performs the order receiving activities of both recycled and rebuilt cars, and a generalizing center 11 controls information relative to the manufacture of these cars, they are provided with each mother computer on-line connected to each individual subcomputer of respective sections. A stock place 12 stores those of used cars collected by the sales company 10, a recycling factory 13 recycles these used cars after inspection and repairing, a scrapped-car depository 16 dismantles the used cars and collects various used parts, while a used parts control center 14 stores these used parts fed out of the scrapped-car depository 16, feeding them to the recycling factory 13, and a new parts control center 15 feeds the recycling factory 13 with new parts supplied out of a parts maker.,下面是Manufacturing system of recycled automobile and manufacture thereof and manufacturing system of rebuilt automobile and manufacture thereof专利的具体信息内容。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中古車を再生したリサイクル自動車の製造システム及び製造方法と、発注者が所有している自動車を注文に応じて再生したリビルト自動車の製造システム及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、中古車市場における評価価値が実質的に零のようなニーズの無い中古車は、販売することが困難なため、次々と廃車されてスクラップ化されているのが実情である。 しかし、これでは、スクラップ化に伴う大型ゴミの大量放出という問題を招くばかりでなく、新車の大量生産に伴う鋼材、合成樹脂材、ゴム材等の大量使用を招き、環境保護の見地からも好ましいものではない。 そのため、自動車業界においては、前記のようなニーズの無い中古車の処理に苦慮しており、リサイクル化を図るべく多大の努力をしているのが実情である。 一方、消費者の立場から自動車を考察すると、部品費、物流費、人件費のアップに伴って、新車の価格は、
年々高価になっているので、一般の大多数のユーザーは、新車1台購入するのにも、多大の犠牲を払っているのも事実である。 このことは、中古車についても同様であり、程度の良い中古車は、新車と同レベルに高価なものが多く、中古車市場においても、程度の良い中古車を低価格で購入することは難しい。
【0003】従って、自動車についての関心が特に高くかつ経済力があって、販売に供された特定の車種の自動車を望む者にとっては、何ら問題はないが、自動車のデザインや型式等にはこだわらず、日々の生活上の必要から程度の良い自動車を安価に購入したいという人、また、種々の自動車を使用してみたいという人にとっては、現状の状況は、満足のいくものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近の自動車工学の進歩により、自動車用のパワートレイン、車体、その他諸部品の性能・耐久性が著しく向上したので、現状で廃車される中古車には、ニーズがないという理由から廃車されるものが多く、十分に走行可能なものが多いばかりでなく、少なくとも、再使用可能な多数の装備品や部品が含まれている場合が少なくない。 しかし、前記のような中古車は、ニーズがないため、現状ではそのまま販売することは困難であることから、自動車業界では、この種の中古車を再販売できるように、塗装を施したり、新しい装備品を付加したりして中古車の商品性を高め、かつ価格を据え置くことで価格面の優位性を高めて、中古車市場で再販売を行っていた。
【0005】しかしながら、前記のように、中古車を整備してその商品性を高めるに当たって、整備された大規模の修理工場や検査場で修理や検査を実施する訳でもなく、整備された流通網がある訳でもないことから、比較的小さな自動車修理工場において、人手により修理や検査を実施しているのが現状である。 それ故、中古車を整備する際の生産性も低く、主として新品部品を用いて整備する関係上部品コストも低減できないため、整備コストが高くなる。 この種の中古車は、かなり低価格でないと再販売することが難しいにもかかわらず、再販売可能な程度まで中古車の商品性を高める為には、前記のように整備コストが高価になり、また、現状の整備方式では整備コストを下げるにも限度があることから、中古車を整備して再販売することは、極めて困難な状況にある。
【0006】一方、自動車の所有者が、自分の愛車を修理しつつ長期に亙って使用しようとしても、自動車修理体制が前記の如く、十分に整っておらず、また、部品交換も全て新品部品による交換になるため高価になり、また、十分な修理を受けることも出来ないため、結局新車に買い換えざる得ないという問題もある。
【0007】本発明の基本的な目的は、中古車市場における評価価値が零又は零に近い不人気な中古車を有効活用することで、極く低価格でかつある程度の外観・性能の自動車が欲しいという人に満足してもらえるような自動車を提供することであり、詳細には、前記中古車を新車と同等のレベルまで再生してなるリサイクル自動車をシステム的に能率良く非常に安価に製造することのできる製造システムとその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、発注者所有の自動車を注文に応じて新車と同等のレベルまで再生してなるリビルト自動車をシステム的に能率良く非常に安価に製造することのできる製造システムとその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のリサイクル自動車の製造システムは、自動車の販売を行う販社であって、中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、
中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する販社と、前記販社から供給される中古車に、所定項目の検査と少なくともその検査の結果必要とされた修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し中古車の再生の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場の夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオン・ライン接続されているものである。
【0009】請求項2のリサイクル自動車の製造システムは、自動車の販売を行う販社であって、中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する販社と、中古車に所定項目の検査と少なくともその検査の結果必要とされた修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、販社から供給される複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給するストック場と、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し中古車の再生の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場とストック場の夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオン・ライン接続されているものである。
【0010】請求項3のリサイクル自動車の製造システムは、自動車の販売を行う販社であって、中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する販社と、中古車に所定項目の検査と少なくともその検査の結果必要とされた修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、販社から供給される複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給するストック場と、ストック場において再生不能とされた中古車を受けて解体する廃車場と、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し中古車の再生の為の情報統括を行う統括センターとを備え、
販社と再生工場とストック場と廃車場の夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオン・ライン接続されているものである。
【0011】請求項4のリサイクル自動車の製造システムは、自動車の販売を行う販社であって、中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する販社と、中古車に所定項目の検査と少なくともその検査で必要とされた修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、販社から供給される複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給するストック場と、ストック場において再生不能とされた中古車を受けて解体する廃車場と、中古車の修理に必要な諸部品を保管し再生工場へ供給する部品管理センターと、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し中古車の再生の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場とストック場と廃車場と部品管理センターの夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオン・ライン接続されているものである。
【0012】請求項5のリサイクル自動車の製造システムは、自動車の販売を行う販社であって、中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する販社と、中古車に所定項目の検査と少なくともその検査で必要とされた修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、販社から供給される複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給するストック場と、ストック場において再生不能とされた中古車を受けて解体する廃車場と、中古車の修理に必要な諸部品のうちの諸新品部品と諸中古部品を夫々保管して再生工場へ夫々供給する新品部品管理センター及び中古部品管理センターと、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し中古車の再生の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場とストック場と廃車場と新品部品管理センターと中古部品管理センターの夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオン・ライン接続されているものである。
【0013】前記廃車場で解体された中古車の諸中古部品のうち、再使用可能な諸中古部品を中古部品管理センターに供給する(請求項5に従属の請求項6)。 前記再生可能な中古車は、車体とパワートレインとを交換せずに再使用可能なものである(請求項1〜6の何れか1項に従属の請求項7)。 前記再生可能な中古車は、再生工場での検査結果から必要とされる修理の修理費が予め設定された所定額以下となるものである(請求項7に従属の請求項8)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報を含む(請求項1〜6の何れか1項に従属の請求項9)。
【0014】前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含む(請求項9に従属の請求項10)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報と、ストック場の中古車の車種と車体番号の情報とを含む(請求項2〜6の何れか1項に従属の請求項11)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含む(請求項11に従属の請求項1
2)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、
車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報と、部品管理センターに保管中の諸部品の部品リストの情報とを含む(請求項4〜6の何れか1項に従属の請求項13)。
【0015】前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含む(請求項13に従属の請求項14)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、
主要装備品品目、登録年月日の情報と、新品部品管理センターに保管中の諸新品部品の部品リストの情報と、中古部品管理センターに保管中の諸中古部品の部品リストの情報とを含む(請求項5又は6に従属の請求項1
5)。
【0016】前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含む(請求項15に従属の請求項16)。 前記統括センターは、少なくとも、再生させる中古車の物流と、修理に必要な諸部品の物流に関する情報の統括を行うように構成されている(請求項10、12、14、16の何れか1項に従属の請求項17)。 前記統括センターは、中古車に施す所定の検査の検査費と中古車に施す修理の修理費とを含む合計修理費を算出するように構成されている(請求項17に従属の請求項18)。
【0017】前記統括センターは、販社から受注したリサイクル自動車に関する受注情報を受け、この受注情報に対応する発注情報を再生工場に出力するように構成されている(請求項1〜6の何れか1項に従属の請求項1
9)。 前記受注情報には、発注者が要求した発注者要求仕様の情報を含む(請求項19に従属の請求項20)。
前記統括センターは、再生工場から部品発注情報を受けて部品管理センターに再生工場へ諸部品を発送させる部品発注情報を出力し、部品管理センターから部品発送情報を受けるように構成されている(請求項4に従属の請求項21)。
【0018】前記統括センターは、再生工場から部品発注情報を受けて、新品部品管理センターに再生工場へ諸新品部品を発送させる新品部品発注情報を出力し、新品部品管理センターから新品部品発送情報を受けるとともに、中古部品管理センターに再生工場に諸中古部品を発送させる中古部品発注情報を出力し、中古部品管理センターから中古部品発送情報を受けるように構成されている(請求項5又は6に従属の請求項22)。
【0019】前記統括センターは、中古部品管理センターから不足部品の情報を受けて、廃車場に中古部品管理センターに対して不足部品を発送させる不足部品依頼情報を出力するように構成されている(請求項22に従属の請求項23)。 前記販社は、少なくとも、中古車を入手した旨の車両入手情報であって車体番号を含む車両入手情報と、その中古車を廃車場に移管する旨の廃車場移管情報又はストック場に移管する旨のストック場移管情報を、統括センターに出力するように構成されている(請求項5に従属の請求項24)。
【0020】前記ストック場は、少なくとも、中古車を受領した旨の車両受領情報と、中古車をストック場から廃車場に移管した旨の廃車場情報と、中古車をストック場から再生工場へ移管した旨の工場移管情報とを統括センターに出力するように構成されている(請求項24に従属の請求項25)。 前記廃車場は、少なくとも、中古車を受領した旨の車両受領情報と、解体した中古車から得た再使用可能な諸中古部品を中古部品管理センターへ発送した旨の部品発送情報とを、統括センターに出力するように構成されている(請求項25に従属の請求項2
6)。
【0021】前記販社は、少なくとも、リサイクル自動車を受注した旨の、車種情報を含む受注情報と、完成したリサイクル自動車を受領した旨の車両受領情報とを統括センターに出力するように構成されている(請求項5
に従属の請求項27)。 前記再生工場は、少なくとも、
統括センターからのリサイクル自動車の発注を受信した旨の車両発注受信情報と、検査の結果再生しないこととした中古車を廃車場へ移管する旨の廃車場移管情報と、
完成したリサイクル自動車を販社に発送した旨の車両発送情報とを統括センターに出力するように構成されている(請求項27に従属の請求項28)。 前記統括センターは、少なくとも、中古車を発注する旨の車両発注情報をストック場に、諸中古部品を発注する旨の中古部品発注情報を中古部品管理センターに、諸新品部品を発注する旨の新品部品発注情報を中古部品管理センターに、夫々出力するように構成されている(請求項28に従属の請求項29)。
【0022】前記再生工場は、少なくとも、パワートレインを検査する第1のステーションと、車体の歪みと剛性を検査する第2のステーションと、サスペンション装置を検査する第3のステーションと、内装品を検査する第4のステーションと、外装品を検査する第5のステーションとを備えている(請求項1〜5の何れか1項に従属の請求項30)。 請求項31のリサイクル自動車の製造方法は、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値が実質的に零か否か判断し、前記価値が実質的に零の中古車を再生工場へ供給し、前記再生工場において、中古車に予め設定された所定の複数項目の検査を所定の順序で施し、次に少なくともその検査の結果必要とされた修理を所定の順序で設定された複数の修理手段により行って、リサイクル自動車に再生し、前記完成したリサイクル自動車を再生工場から販社へ供給するものである。
【0023】前記所定の評価を、自動車メーカーの発行の査定表を用いて行い、その査定額が実質的に零であるか否か判断する(請求項31に従属の請求項32)。 前記所定の評価を、中古車市場の競売による評価額に基いて行う(請求項31に従属の請求項33)。 請求項34
のリサイクル自動車の製造方法は、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値が実質的に零か否か判断し、前記価値が実質的に零の中古車を、検査部門と修理部門とを有する再生工場へ供給し、
検査部門の所定の複数の検査ステーションにおいて中古車に所定の複数項目の検査を順々に施し、次に、前記修理部門の所定の複数の修理ステーションにおいて、前記検査済みの中古車に少なくとも前記検査の結果必要とされた複数項目の修理を、所定の順序で設定された複数の修理手段により順々に施してリサイクル自動車に再生し、前記完成したリサイクル自動車を再生工場から販社へ供給するものである。
【0024】前記検査における検査結果に基いて、合計修理費を求め、合計修理費が予め設定された所定額以下の中古車のみを再生する(請求項31〜34の何れか1
項に従属の請求項35)。 前記予め設定された所定額は、車種毎に夫々設定された所定額である(請求項35
に従属の請求項36)。 前記予め設定された所定額は、
車種によらず一定に設定された所定額である(請求項3
5に従属の請求項37)。 前記予め設定された所定額は、リサイクル自動車として販売可能な価格から、所定の利益と諸費用等の固定必要費を差し引いた額である(請求項35に従属の請求項38)。
【0025】前記中古車は、メーカー保証期間満了までに所定年数の残存期間を残しているもの用いる(請求項31〜38の何れか1項に従属の請求項39)。 前記中古車は、走行距離が所定値以下のものを用いる(請求項31〜38の何れか1項に従属の請求項40)。 前記リサイクル自動車の保証期間として、所定年数保証し得るリサイクル自動車を製造する(請求項31〜38の何れか1項に従属の請求項41)。
【0026】前記リサイクル自動車の走行保証距離として所定距離保証し得るリサイクル自動車を製造する(請求項31〜38の何れか1項に従属の請求項42)。 前記中古車の、少なくとも、車体とパワートレインとを交換することなく再生する(請求項31〜38の何れか1
項に従属の請求項43)。
【0027】請求項44のリサイクル自動車の製造方法は、請求項34において、前記検査部門には、予め、パワートレイン系を検査するシャシーダイナモを有するパワートレイン系検査ステーションと、中古車の車体に光線を投影させて車体外形輪郭を求める車体外形輪郭検査装置を有する車体外形輪郭検査ステーションと、中古車の車体の少なくとも4点を挟持して車体捩じり剛性を検査する車体剛性検査装置を有する車体剛性検査ステーションとを設け、前記3つの検査ステーションにおける検査で全て合格と判定された中古車のみを再生するものである。
【0028】前記販社が入手した中古車中古車を、ストック場に一時保管し、再生可能な中古車をストック場から再生工場へ供給する(請求項44に従属の請求項4
5)。 前記ストック場に保管した中古車のうち再生不能な中古車を、廃車場に供給して解体する(請求項45に従属の請求項46)。 前記再生工場において修理する際に必要な諸部品を、部品管理センターから再生工場に供給する(請求項44に従属の請求項47)。 前記再生工場において修理する際に必要な諸部品のうちの新品の諸部品と中古の諸部品とを、新品部品管理センターと中古部品管理センターから夫々再生工場に供給する(請求項44に従属の請求項48)。
【0029】前記廃車場において解体した中古車の諸部品のうち再使用可能な諸部品を部品管理センターに保管し、この部品管理センターから再生工場へ供給する(請求項48に従属の請求項49)。 メーカー保証期間満了までに所定年数の残存期間が有り且つ走行距離が所定値以下である中古車のみを再生する(請求項44〜49の何れか1項に従属の請求項50)。 車種毎に、予め検査必要項目リストと検査不要項目リストとを準備し、再生工場においては、検査必要項目リストに基いて検査する(請求項44〜49の何れか1項に従属の請求項5
1)。
【0030】前記ストック場において、中古車に対して車体の目視による外観検査と、パワートレインの作動検査とを実行し、車体とパワートレインとを再使用可能な中古車のみを再生工場へ供給する(請求項45に従属の請求項52)。 前記中古車のパワートレイン及び車体の検査を実行後、その他の検査を実行する(請求項44〜
52の何れか1項に従属の請求項53)。 前記再生工場の検査部門において、前記中古車のパワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品の検査をこの順序で実行する(請求項53に従属の請求項54)。
【0031】前記パワートレインの検査は、シャシーダイナモにより行う(請求項44に従属の請求項55)。
前記車体の検査は、車体歪み検査と、車体剛性検査とからなる(請求項53に従属の請求項56)。 前記車体歪み検査は、前記車体外形輪郭検査装置により中古車に光線を投影させて車体の少なくとも3面の車体外形輪郭投影図を作り、車種毎に予め設定されている3面の車体外形輪郭投影図の対応する車種のものと比較することにより行う(請求項56に従属の請求項57)。 前記車体外形輪郭検査装置においては、前記光線として、レーザー光線を用いる(請求項57に従属の請求項58)。
【0032】車体剛性検査装置による車体剛性検査は、
車体に荷重を付加して車体の捩じり剛性を検査することにより行う(請求項56に従属の請求項59)。 前記パワートレインの検査結果に基いてその修理費を算出し、
その修理費が予め設定された所定値以上となる場合には、その中古車を廃車にする(請求項55に従属の請求項60)。 前記車体剛性検査の検査結果に基いてその修理費を算出し、その修理費が予め設定された所定額以上となる場合には、その中古車を廃車にする(請求項59
に従属の請求項61)。
【0033】前記パワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査の結果から必要とされる修理の合計修理費が予め設定された所定額より大きくなる場合には、その中古車を廃車にする(請求項5
4に従属の請求項62)。 前記パワートレイン、車体、
サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査実行後に、車検項目の検査を行う(請求項54に従属の請求項63)。 前記車検項目の検査実行後に、再生する中古車に、所定期間保証可能な防錆処理を施す(請求項63
に従属の請求項64)。
【0034】前記防錆処理の前又は後に、外装品の取外しを行う(請求項64に従属の請求項65)。 前記外装品の取外しの後に、再生する中古車に外面塗装を施す(請求項65に従属の請求項66)。 前記外面塗装は、
発注者からの発注者要求仕様に従って行う(請求項66
に従属の請求項67)。 前記外面塗装後に、内装品の取付けと外装品の取付けを行う(請求項66に従属の請求項68)。
【0035】前記外面塗装後に、マイクロコンピュータで制御される装置や装備品の制御系を、必要に応じて劣化補償の為に調整する(請求項66に従属の請求項6
9)。 前記外面塗装後に、中古車の各装備品の摺動部にオイル塗布を行う(請求項66に従属の請求項70)。
前記修理の最終段階において、パワートレインの必要個所のオイル交換を行う(請求項66に従属の請求項7
1)。
【0036】請求項72のリサイクル自動車の製造方法は、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値が所定額以下か否か判断し、前記価値が所定額以下の中古車を、検査部門と修理部門とを有する再生工場へ供給し、前記再生工場の検査部門において、前記中古車に、シャシーダイナモにより行うパワートレインのパワートレイン性能検査と、中古車の車体に光線を投影させて車体外形輪郭を求める車体外形輪郭検査装置により行う車体外形輪郭検査と、車体剛性検査装置により中古車の車体の少なくとも4点を挟持して車体捩じり剛性を検査する車体剛性検査とを含む所定の複数項目の検査を施し、前記再生工場の修理部門において、
前記パワートレイン性能検査と車体外形輪郭検査と車体剛性検査の全部が合格とされた中古車に対して、前記複数項目の検査の結果必要とされた修理を施してリサイクル自動車を製造するものである。
【0037】前記複数項目の検査の後再生に要する合計修理費を求め、その合計修理費が所定額以下の中古車のみを再生する(請求項72に従属の請求項73)。 前記販社が入手した中古車を、ストック場に車種別に所定台数ずつ保管し、リサイクル自動車の受注時にそれと同車種の中古車を、ストック場から再生工場に供給する(請求項72又は73に従属の請求項74)。 前記ストック場において所定の検査を行い、その検査結果に基いて、
同車種の中古車のうち再生工場で修理する際の合計修理費が安価なものから優先的に再生工場へ供給する(請求項74に従属の請求項75)。
【0038】前記ストック場において走行距離検査を実行し、同車種の中古車のうち走行距離の短いものから優先的に再生工場へ供給する(請求項74に従属の請求項76)。 前記ストック場において車体外観検査を実行し、同車種の中古車のうち車体外観の良好なものから優先的に再生工場へ供給する(請求項74に従属の請求項77)。 前記ストック場においては、同車種の中古車のうち、再生工場で修理する際の合計修理費と、走行距離検査と、車体外観検査との総合評価において最も優れた中古車から優先的に再生工場へ供給する(請求項74に従属の請求項78)。
【0039】前記再生工場において行う修理の際、交換する諸部品の大部分に中古部品管理システムから得た中古部品を用い、その他の予め設定された交換する諸部品に新品部品管理システムから得た新品部品を用いる(請求項72又は73に従属の請求項79)。 前記リサイクル自動車を発注した発注者の発注者要求仕様を加味して新品部品を決定する(請求項79に従属の請求項8
0)。 前記新品部品を、複数種類の新品部品を保管する新品部品管理センターから再生工場に供給し、また、中古部品を、複数種類の中古部品を保管する中古部品管理センターから再生工場に供給する(請求項80に従属の請求項81)。
【0040】前記中古部品管理センターは、予め設定されている諸部品については、中古車を解体する廃車場から再使用可能な中古の諸部品の供給を受ける(請求項8
1に従属の請求項82)。 前記中古部品管理センターは、同種の中古部品を複数個ずつ保管するとともに各部品に対する検査を実行し、同種の中古部品のうち、検査結果に基いて劣化度合いの小さいものから優先的に再生工場ヘ供給する(請求項82に従属の請求項83)。
【0041】前記完成リサイクル自動車を再生工場から販社に供給する(請求項72又は73に従属の請求項8
4)。 前記販社は、完成リサイクル自動車を自社名義で登録し、その完成リサイクル自動車をレンタル会社又はリース会社に供給する(請求項84に従属の請求項8
5)。 前記販社は、所定保証期間経過後に、レンタル会社又はリース会社から、リサイクル自動車を回収する(請求項85に従属の請求項86)。
【0042】請求項87のリサイクル自動車の製造方法は、販社が入手した中古車に、少なくとも車体の外観目視検査とパワートレインの作動検査とを含む1次検査を施して、中古市場における評価価値が予め設定された所定額以下か否か判断し、次に前記評価価値が所定額以下の中古車を再生工場に供給し、次に再生工場の複数の検査ステーションにおいて所定の複数項目の2次検査を所定の順序で施し、次に2次検査の検査結果から必要とされた修理であって合計修理費が予め設定された所定額以下の修理を施してリサイクル自動車に再生するものである。
【0043】前記2次検査として、パワートレイン性能検査と、車体歪み検査と、車体剛性検査とを含む再生可能性判別検査を施し、この再生可能性判別検査で合格と判別された中古車に、修理の要否と部品交換の要否を判別する為の複数項目の検査を施す(請求項87に従属の請求項88)。 前記パワートレイン性能検査は、シャシーダイナモにより行い、前記車体歪み検査は、中古車の車体に光線を投影させて車体外形輪郭を求める車体外形輪郭検査装置を用いて少なくとも車体の3面の外形投影図を作り、車種毎に予め設定した外形投影図の対応車種のものと比較することにより行い、前記車体剛性検査は、中古車の車体の少なくとも4点を挟持して車体捩じり剛性を検査する車体剛性検査装置を用いて行う(請求項88に従属の請求項89)。
【0044】前記パワートレインの性能検査と、車体歪み検査と、車体剛性検査との何れかの検査で不合格のときは、その中古車を廃車にする(請求項89に従属の請求項90)。 請求項91のリサイクル自動車の製造方法は、予め、再生に供する中古車の全構成部分を、検査結果に依らず交換しない非交換部分と、所定の検査の検査結果に応じて修理又は交換する検査対応部分と、検査をせずに新品部品と交換する新品交換部分とに分類しておき、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値が予め設定された所定額以下か否か判断し、前記中古車が所定額以下の中古車の各部分を前記分類に基いて検査し、次に検査した中古車に、少なくとも前記検査の結果必要とされた修理であって合計修理費が予め設定された所定額以下の修理を施して再生することによりリサイクル自動車を製造するものである。
【0045】前記検査対応部分の諸部品は、検査により交換必要とされたときに新品部品と交換する新品交換部品と、検査により交換必要とされたときに中古部品と交換する中古部品交換部品とに予め分類しておく(請求項91に従属の請求項92)。 前記非交換部分は、パワートレイン、車体、フロント及びリヤウインドガラスとを含む(請求項91に従属の請求項93)。 前記検査対応部分は、外観検査が必要な、シート、トリム、スロアマット、ランプリフレクタ、タイヤ、トップシーリング、
エクステリア艤装品を含む(請求項91に従属の請求項94)。 前記検査対応部分は、少なくとも作動検査が必要な、パワーウインド、ワイパー、トランクオープナー、フューエルリッドオープナー、バワードアロック、
メータ類、オーディオ機器、サンルーフ、シートベルト、電動ミラー、ランプ類、スイッチ類、アクスル系を含む(請求項91に従属の請求項95)。
【0046】前記検査対応部分は、少なくとも性能検査が必要な、空調装置、燃料系、排気系、ウインド、サスペンションリンク類、ステアリング系、メカトロニクス系、ブレーキ系、バッテリを含む(請求項91に従属の請求項96)。 前記新品交換部分は、プラグ、ブレーキパッド、ダンパー、シートカバーを含む(請求項91に従属の請求項97)。
【0047】請求項98のリビルト自動車の製造システムは、発注者所有の自動車を注文に応じて修理することにより製造されるリビルト自動車の受注・引渡しを行う販社と、前記自動車に少なくとも発注者要求仕様に基づく検査と少なくともその検査の結果必要とされる修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有しリビルト自動車製造の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場の夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオンライン接続されているものである。
【0048】請求項99のリビルト自動車の製造システムは、発注者所有の自動車を注文に応じて修理することにより製造されるリビルト自動車の受注・引渡しを行う販社と、前記自動車に少なくとも発注者要求仕様に基づく検査と少なくともその検査の結果必要とされる修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、自動車の修理に必要な諸部品を保管し再生工場へ供給する部品管理センターと、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有しリビルト自動車製造の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場と部品管理センターの夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオンライン接続されているものである。
【0049】請求項100のリビルト自動車の製造システムは、発注者所有の自動車を注文に応じて修理することにより製造されるリビルト自動車の受注・引渡しを行う販社と、前記自動車に少なくとも発注者要求仕様に基づく検査と少なくともその検査で必要とされる修理を施す1又は複数の工場からなる再生工場と、自動車の修理に必要な諸部品のうちの諸新品部品と諸中古部品を夫々保管して再生工場へ供給する新品部品管理センター及び中古部品管理センターと、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有しリビルト自動車製造の為の情報統括を行う統括センターとを備え、販社と再生工場と新品部品管理センターと中古部品管理センターの夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオンライン接続されているものである。
【0050】前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、リビルトの為の修理に供する自動車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報を含む(請求項98〜100の何れか1項に従属の請求項101)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、発注者要求仕様の情報を含む(請求項101に従属の請求項102)。 前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、部品管理センターの部品リストの情報を含む(請求項99又は100に従属の請求項103)。
【0051】前記販社は、リビルト自動車を受注した旨のリビルト車受注情報と、完成したリビルト自動車を受領した旨の完成車受領情報とを統括センターに出力するように構成されている(請求項103に従属の請求項1
04)。 前記再生工場は、リビルト自動車の発注を受領した旨の車両発注受領情報と、完成したリビルト自動車を販社に供給した旨の車両発送情報を統括センターに出力するように構成されている(請求項103に従属の請求項105)。 前記統括センターは、リビルト自動車を発注する旨の車両発注情報を再生工場に出力するように構成されている(請求項103に従属の請求項10
6)。
【0052】請求項107のリビルト自動車の製造方法は、発注者所有の自動車を注文に応じて修理することにより製造されるリビルト自動車の受注・引渡しを行う販社から、前記自動車をその検査と修理を行う1又は複数の工場からなる再生工場に供給し、前記再生工場において、前記自動車に、少なくとも発注者から要求された発注者要求仕様で指定された検査を施し、少なくともその検査の結果必要とされる修理であって、前記発注者要求仕様で指定された諸新品部品と、廃車を解体して回収した諸中古部品とを用いて行う修理を施してリビルト自動車とし、前記販社を介して発注者に供給するものである。
【0053】前記諸新品部品は、新品部品管理センターから再生工場に供給し、また、諸中古部品は、中古部品管理センターから再生工場に供給する(請求項107に従属の請求項108)。 所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを備えた統括センターにより、リビルト自動車の製造に関する情報の統括を行う(請求項1
08に従属の請求項109)。 前記中古部品管理センターには、種々の中古車の解体を行う廃車場から諸中古部品を供給する(請求項109に従属の請求項110)。
【0054】前記再生工場において、中古車におけるパワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査及び修理を実行し、その検査後に車検項目の検査を行う(請求項110に従属の請求項11
1)。
【0055】
【発明の作用及び効果】請求項1のリサイクル自動車の製造システムにおいては、自動車の販売を行う販社は、
中古車を入手してその中古車に所定の評価を行い、中古車市場における価値が実質的に零と判断した中古車を再生対象の中古車として供給する。 再生工場は、販社から供給される中古車に、所定項目の検査と少なくともその検査の結果必要とされた修理を施す。 統括センターは、
所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有し、中古車の再生の為の情報統括を行う。
【0056】前記販社は、中古車の受注・販売に関連する情報を統括センターのマザーコンピュータに供給し、
再生工場は、統括センターからの情報に基いて、中古車に検査とその検査の結果必要とされた修理を施し、中古車の検査と修理に関連する情報を統括センターのマザーコンピュータに供給する。 前記統括センターは、前記種々の情報に基いて、再生に供する中古車の保管・移送、
修理用諸部品の調達、費用見積もり、等に関する情報統括を行う。 従って、統括センターを介して、販社と再生工場とを連結でき、かつ、中古車や諸部品の物流を円滑化でき、販社と再生工場の夫々に必要な情報を迅速に伝達でき、これにより、受注〜製造における情報の欠如を無くし且つ物流の円滑化を図って生産性を高め、原価が極く低価格の中古車を低コストで再生して非常に低価格のリサイクル自動車を市場に提供できる。
【0057】請求項2のリサイクル自動車の製造システムにおいては、請求項1の製造システムに、販社から供給される複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給するストック場を追加的に設け、
そのサブコンピュータも前記マザーコンピュータにオン・ライン接続してある。 従って、基本的に請求項1と略同様の作用・効果が得られるうえ、前記ストック場に複数の中古車を一時的に保管し、再生可能な中古車を再生工場へ供給することにより、再生に供する中古車の再生工場への供給を円滑化でき、また、再生に供する中古車の取捨選択の自由度を拡大でき、また、ストック場の中古車に関する情報をも統括センターで統括できる。
【0058】請求項3のリサイクル自動車の製造システムにおいては、請求項2の製造システムに、ストック場において再生不能とされた中古車を受けて解体する廃車場を追加的に設け、そのサブコンピュータも前記マザーコンピュータにオン・ライン接続してある。 従って、基本的に請求項2と略同様の作用・効果が得られるうえ、
再生不能とされた中古車の廃車処分を円滑化でき、また、廃車された中古車に関する情報をも統括センターで統括できる。
【0059】請求項4のリサイクル自動車の製造システムにおいては、請求項3の製造システムに、中古車の修理に必要な諸部品を保管し再生工場へ供給する部品管理センターを追加的に設け、そのサブコンピュータも前記マザーコンピュータにオン・ライン接続してある。 従って、基本的に請求項3と略同様の作用・効果が得られるうえ、再生工場への諸部品の供給を円滑化でき、また、
統括センターを介して部品管理センターから再生工場への部品供給を円滑化できる。
【0060】請求項5のリサイクル自動車の製造システムにおいては、請求項3の製造システムに、中古車の修理に必要な諸部品のうちの諸新品部品と諸中古部品を夫々保管して再生工場へ夫々供給する新品部品管理センター及び中古部品管理センターを追加的に設け、新品部品管理センターと中古部品管理センターの夫々のサブコンピュータも前記マザーコンピュータにオン・ライン接続してある。 従って、基本的に請求項3と略同様の作用・
効果が得られるうえ、再生工場への諸新品部品の供給と諸中古部品の供給とを円滑化でき、また、統括センターを介して新品部品管理センターと中古部品管理センターから再生工場への部品供給を円滑化できる。
【0061】請求項6の製造システムでは、前記廃車場で解体された中古車の諸中古部品のうち、再使用可能な諸中古部品を中古部品管理センターに供給するため、中古車の再生用に諸中古車部品を有効活用でき、修理費を低減できる。 請求項7の製造システムでは、前記再生可能な中古車は、車体とパワートレインとを交換せずに再使用可能なものであるため、再生の際、車体とパワートレインに大修理を施す必要がなく、修理費を低減でき、
リサイクル自動車の価格を低価格に抑えることができる。
【0062】請求項8の製造システムでは、前記再生可能な中古車は、再生工場における検査結果必要とされる修理の修理費が予め設定された所定額以下となるものであるため、リサイクル自動車製造の採算性を確保できる。 請求項9の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報を含むため、中古車を再生する際における部品調達を円滑化できる。
【0063】請求項10の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含むため、発注者要求仕様を加味した部品調達を円滑化できる。 請求項11の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報と、ストック場の中古車の車種と車体番号の情報とを含むため、請求項9と同様に、中古車を再生する際における部品調達を円滑化できる。
【0064】請求項12の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報とを含むため、請求項10
と同様に発注者要求仕様を加味した部品調達を円滑化できる。 請求項13の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、
主要装備品品目、登録年月日の情報と、部品管理センターに保管中の諸部品の部品リストの情報とを含むため、
中古車を再生する際における部品調達を円滑化できる。
【0065】請求項14の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報を含むため、発注者要求仕様を加味した部品調達を円滑化できる。 請求項15の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社が入手した複数車種の中古車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報と、新品部品管理センターに保管中の諸新品部品の部品リストの情報と、中古部品管理センターに保管中の諸中古部品の部品リストの情報とを含むため、
中古車を再生する際における新品部品と中古部品の部品調達を円滑化できる。
【0066】請求項16の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、販社から供給される発注者要求仕様の情報とを含むため、発注者要求仕様を加味した部品調達を円滑化できる。 請求項17の製造システムでは、前記統括センターは、少なくとも、
再生させる中古車の物流と、修理に必要な諸部品の物流に関する情報の統括を行うように構成されているため、
物流の円滑化と物流コスト低減を図ることができる。 請求項18の製造システムでは、前記統括センターは、中古車に施す所定の検査の検査費と中古車に施す修理の修理費とを含む合計修理費を算出するように構成されているため、リサイクル自動車製造における原価計算の精度を高めることができる。
【0067】請求項19の製造システムでは、前記統括センターは、販社から受注したリサイクル自動車に関する受注情報を受け、この受注情報に対応する発注情報を再生工場に出力するように構成されているため、再生工場における検査・修理の負荷管理を円滑化できる。 請求項20の製造システムでは、前記受注情報には、発注者が要求した発注者要求仕様の情報を含むため、発注者要求仕様を加味した検査・修理の負荷管理を円滑化できる。 請求項21の製造システムでは、前記統括センターは、再生工場から部品発注情報を受けて部品管理センターに再生工場へ諸部品を発送させる部品発注情報を出力し、部品管理センターから部品発送情報を受けるように構成されているため、諸部品の調達を確実化できる。
【0068】請求項22の製造システムでは、前記統括センターは、再生工場から部品発注情報を受けて、新品部品管理センターに再生工場へ諸新品部品を発送させる新品部品発注情報を出力し、新品部品管理センターから新品部品発送情報を受けるとともに、中古部品管理センターに再生工場に諸中古部品を発送させる中古部品発注情報を出力し、中古部品管理センターから中古部品発送情報を受けるように構成されているため、諸新品部品と諸中古部品の調達を確実化できる。
【0069】請求項23の製造システムでは、前記統括センターは、中古部品管理センターから不足部品の情報を受けて、廃車場に中古部品管理センターに対して不足部品を発送させる不足部品依頼情報を出力するように構成されているため、諸中古部品の供給を確実化できる。
請求項24の製造システムでは、前記販社は、少なくとも、中古車を入手した旨の車両入手情報であって車体番号を含む車両入手情報と、その中古車を廃車場に移管する旨の廃車場移管情報又はストック場に移管する旨のストック場移管情報を、統括センターに出力するように構成されているため、統括センターでは、常に再生対象となる中古車についての情報を確保できる。
【0070】請求項25の製造システムでは、前記ストック場は、少なくとも、中古車を受領した旨の車両受領情報と、中古車をストック場から廃車場に移管した旨の廃車場情報と、中古車をストック場から再生工場へ移管した旨の工場移管情報とを統括センターに出力するように構成されているため、統括センターは、再生される中古車や解体される中古車の移管場所を把握できる。 請求項26の製造システムでは、前記廃車場は、少なくとも、中古車を受領した旨の車両受領情報と、解体した中古車から得た再使用可能な諸中古部品を中古部品管理センターへ発送した旨の部品発送情報とを、統括センターに出力するように構成されているため、統括センターは解体した中古車から回収された再使用可能な諸中古部品についての情報を確保できる。
【0071】請求項27の製造システムでは、前記販社は、少なくとも、リサイクル自動車を受注した旨の、車種情報を含む受注情報と、完成したリサイクル自動車を受領した旨の車両受領情報とを統括センターに出力するように構成されているため、統括センターは、受注後迅速に必要な情報の授受を行うことができる。 請求項28
の製造システムでは、前記再生工場は、少なくとも、統括センターからのリサイクル自動車の発注を受信した旨の車両発注受信情報と、検査の結果再生しないこととした中古車を廃車場へ移管する旨の廃車場移管情報と、完成したリサイクル自動車を販社に発送した旨の車両発送情報とを統括センターに出力するように構成されているため、情報伝達の確実性を高め、廃車される中古車に代わる中古車の調達を迅速化し、納車前の追加修理等の円滑化を図ることができる。
【0072】請求項29の製造システムでは、前記統括センターは、少なくとも、中古車を発注する旨の車両発注情報をストック場に、諸中古部品を発注する旨の中古部品発注情報を中古部品管理センターに、諸新品部品を発注する旨の新品部品発注情報を中古部品管理センターに、夫々出力するように構成されているため、リサイクル自動車の製造に必要な素材を確実に再生工場に供給できる。
【0073】請求項30の製造システムでは、前記再生工場は、少なくとも、パワートレインを検査する第1のステーションと、車体の歪みと剛性を検査する第2のステーションと、サスペンション装置を検査する第3のステーションと、内装品を検査する第4のステーションと、外装品を検査する第5のステーションとを備えているため、各ステーションにおいて、夫々、能率的に確実に検査を実施でき、検査の生産性を高めることができる。
【0074】請求項31のリサイクル自動車の製造方法においては、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値がが実質的に零か否か判断し、前記価値が実質的に零の中古車を再生工場へ供給し、その再生工場にて中古車に予め設定された所定の複数項目の検査を所定の順序で施し、次に少なくともその検査の結果必要とされた修理を、所定の順序で設定された複数の修理手段により行って、リサイクル自動車に再生し、完成したリサイクル自動車を、再生工場からリサイクル自動車の販売を行う販社へ供給する。
【0075】このように、中古車市場における価値が実質的に零の中古車を有効活用して、新車と略同等の高レベルまで整備されたリサイクル自動車を効率良く製造でき、また、再生工場にて、予め設定された所定の複数項目の検査を所定の順序で能率的に施し、その後必要な修理を所定の順序で設定された複数の修理手段により施してリサイクル自動車を製造するため、リサイクル自動車の製造コストを著しく低減でき、中古車市場における価値が零の中古車を用いるため、リサイクル自動車の価格を極く低価格に設定できる。
【0076】請求項32の製造方法では、前記所定の評価を、自動車メーカー発行の査定表を用いて行い、その査定額が実質的に零であるか否かを判断するので、簡便に評価を行うことができる。 請求項33の製造方法では、前記所定の評価を、中古車市場の競売による評価額に基いて行うので、正確に評価することができる。 請求項34の製造方法においては、請求項31と同様の作用・効果が得られる。 しかも、再生工場は、検査部門と修理部門とを有し、検査部門の所定の複数の検査ステーションにて中古車に所定の複数項目の検査を順々に施し、
次に、修理部門の所定の複数の修理ステーションにて、
前記検査済みの中古車に少なくとも前記検査の結果必要とされた複数項目の修理を所定の順序で設定された複数の修理手段により順々に施すため、検査と修理を一層能率的に実行できるから、リサイクル自動車の製造コストを一層低減できる。
【0077】請求項35の製造方法では、前記検査の検査結果に基いて求めた合計修理費が予め設定された所定額以下の中古車のみを再生するため、リサイクル自動車の製造の採算性を高め、リサイクル自動車製造を利益の出る事業として確立できる。 即ち、中古車市場における価値が実質的に零の中古車は、走行可能であってもニーズがなく販売不可能であるが、このリサイクル自動車のコストパーフォーマンスが、新車や高価格の中古車と比較して、格段に高くないと販売困難である。
【0078】例えば、リサイクル自動車の外観・デザインが多少劣り流行遅れであっても、同様の装備を備えた新車の価格の約1/10程度の価格であるとか、また、
同価格の中古車と比較して格段に高レベルに整備されているとかで、コストパーフォーマンスが格段に高ければ、大きなニーズを期待できる。 中古車市場における評価価値が実質的に零の中古車であっても、合計修理費が高額になると、コストパーフォーマンスが低下することになるが、合計修理費を所定額以下に設定することで、
その合計修理費と諸費用と利益との合計を低額に抑え、
販売価格を十分に低く設定することにより、コストパーフォーマンスを高く維持して、需要を喚起し、採算のとれる事業として確立できる。
【0079】請求項36の製造方法では、前記予め設定された所定額は、車種毎に夫々設定された所定額であるため車種毎に品質の揃ったリサイクル自動車を提供できる。 請求項37の製造方法では、前記予め設定された所定額は、車種によらず一定に設定された所定額であるので、再生するか否か容易に判断することができる。 請求項38の製造方法では、前記予め設定された所定額は、
リサイクル自動車として販売可能な価格から、所定の利益と諸費用等の固定必要費を差し引いた額であるので、
所定の利益を確保できる事業として成立する。 請求項3
9の製造方法では、前記中古車として、メーカー保証期間満了までに所定年数の残存期間を残しているものを用いるため、修理の負担を軽減でき、リサイクル自動車の製造コストを低減できるとともに、自動車メーカーが責任を持つ自動車として販売できるためユーザーに多大の安心感を与えることができる。
【0080】請求項40の製造方法では、前記中古車として、走行距離が所定値以下のものを用いるため、請求項39と同様の作用・効果が得られる。 請求項41の製造方法では、前記リサイクル自動車の保証期間として所定年数保証し得るリサイクル自動車を製造するため、ユーザーの信用が得られ、事業の継続性を確保できる。
【0081】請求項42の製造方法では、前記リサイクル自動車の走行保証距離として所定距離保証し得るリサイクル自動車を製造するため、請求項41と同様の作用・効果が得られる。 請求項43の製造方法では、前記中古車の、少なくとも、交換に多大のコストがかかる車体とパワートレインとを交換することなく再生するため、
修理の負担を一層軽減でき、リサイクル自動車の製造コストを一層低減でき、リサイクル自動車を需要と供給の合致した経済サイクルに適合したものとして提供できる。
【0082】請求項44の製造方法においては、請求項34と同様の作用・効果が得られるうえ、前記検査部門には、予め、パワートレインを検査するシャシーダイナモを有するパワートレイン検査ステーションと、中古車の車体に光線を投影させて車体外形輪郭を求める車体外形輪郭検査装置を有する車体外形輪郭検査ステーションと、中古車の車体の少なくとも4点を挟持して車体捩じり剛性を検査する車体剛性検査装置を有する車体剛性検査ステーションとを設け、前記3つの検査ステーションにおける検査で全て合格と判定された中古車のみを再生するため、修理費が高価となりがちなパワートレインと車体については、マイナーな修理だけを施せばよいから、修理部門に高価な機械装置類を設置する必要がなく、設備経済的に有利となり、合計修理費を大幅に低減でき、製造コストを低減し、且つ修理期間を短縮して採算性を高めることができる。
【0083】請求項45の製造方法では、前記販社が入手した中古車を、ストック場に一時保管し、再生可能な中古車をストック場から再生工場へ供給するため、ユーザーからの需要(希望車種等)に対応しやすくなり、また、程度の良い中古車を選択して再生することで、ユーザーに一層良いものを安価に提供できるとともに、採算的にも有利にできる。 請求項46の製造方法では、前記ストック場に保管した中古車のうち再生不能な中古車を、廃車場に供給して解体するため、再生工場に再生不能の中古車を搬入することを防止でき、不要な作業を排除できる。
【0084】請求項47の製造方法では、前記再生工場において修理する際に必要な諸部品を、部品管理センターから再生工場に供給するため、修理に必要な諸部品の供給を円滑化できる。 請求項48の製造方法では、前記再生工場において修理する際に必要な諸部品のうちの新品の諸部品と中古の諸部品とを、新品部品管理センターと中古部品管理センターから夫々再生工場に供給するため、中古の諸部品を有効活用して、修理費を低減でき、
また、新品の諸部品と中古の諸部品の供給を円滑化できる。
【0085】請求項49の製造方法では、前記廃車場において解体した中古車の諸部品のうち再使用可能な諸部品を部品管理センターに保管し、この部品管理センターから再生工場へ供給するため、中古部品の供給経路を確保でき、また、中古の諸部品を部品管理センターに保管することで、諸中古部品の管理体制を整備できる。 請求項50の製造方法では、メーカー保証期間満了までに所定年数の残存期間が有り且つ走行距離が所定値以下である中古車のみを再生するため、リサイクル自動車の耐久性を確保でき、メーカーの保証期間が残存しているためユーザーに安心感を与えることができ、修理費を低減できる。 請求項51の製造方法では、車種毎に、予め検査必要項目リストと検査不要項目リストとを準備し、再生工場では検査必要項目リストに基いて検査するため、無駄な検査を省略でき、且つ能率的に検査を行うことができる。
【0086】請求項52の製造方法では、前記ストック場において、中古車に対して車体の目視による外観検査と、パワートレインの作動検査とを実行し、車体とパワートレインとを再使用可能な中古車のみを再生工場へ供給するため、再生工場における検査の負荷を軽減でき、
また、再生工場において車体とパワートレインとに対して簡単な機械・装置にて簡単な検査と修理とを施せばよくなる。
【0087】請求項53の製造方法では、前記中古車のパワートレイン及び車体の検査を実行後、その他の検査を実行するため、パワートレイン及び車体の検査結果に基いて再生するのに不適の中古車を早期に判別して排除できるから、その他の検査を無駄に行うのを防止できる。 請求項54の製造方法では、前記再生工場の検査部門にて、中古車のパワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品の検査をこの順序で実行するため、修理費が高額のものから順に検査することで、再生した際に採算が採れるか否か、つまり経済的な再生可能性を早期に判定することができる。
【0088】請求項55の製造方法では、パワートレインの検査は、シャシーダイナモにより行うことで、その検査を能率的に実行できる。 請求項56の製造方法では、車体の検査は、車体歪み検査と、車体剛性検査とからなるため、車体の損傷と車体の強度・剛性を確実に検査できる。 請求項57の製造方法では、前記車体歪み検査は、車体外形輪郭検査装置により中古車に光線を投影させて車体の少なくとも3面の車体外形輪郭投影図を作り、車種毎に予め設定されている3面の車体外形輪郭投影図の対応する車種のものと比較することにより行うため、車体外形から車体の損傷を確実に且つ簡単に検査できる。 請求項58の製造方法では、車体外形輪郭検査装置においては、前記光線として、レーザー光線を用いるため、検査精度を向上できる。
【0089】請求項59の製造方法では、車体剛性検査装置による車体剛性検査は、車体に荷重を付加して車体の捩じり剛性を検査することにより行うため、車体に必要な強度・剛性を確実に検査できる。 請求項60の製造方法では、パワートレインの検査結果に基いてその修理費を算出し、その修理費が予め設定された所定値以上となる場合には、その中古車を廃車にするため、パワートレインに大修理を施すのを省略して修理費の低減を図り、リサイクル自動車製造の採算性を確保できる。 請求項61の製造方法では、車体剛性検査の検査結果に基いてその修理費を算出し、その修理費が予め設定された所定値以上となる場合には、その中古車を廃車にするため、車体に大修理を施すのを省略して修理費の低減を図り、リサイクル自動車製造の採算性を確保できる。
【0090】請求項62の製造方法では、パワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査の結果から必要とされる修理の合計修理費が予め設定された所定額より大きくなる場合には、その中古車を廃車にするため、リサイクル自動車製造の採算性を確保できる。 請求項63の製造方法では、パワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査実行後に、車検項目の検査を行うため、劣化・損傷が著しく採算性の低い中古車に無駄な車検項目の検査を行うのを防止できる。 請求項64の製造方法では、車検項目の検査実行後に、再生する中古車に、所定期間保証可能な防錆処理を施すためリサイクル自動車の早期発錆を防ぎ、耐久性を確保できる。
【0091】請求項65の製造方法では、前記防錆処理の前又は後に、外装品の取外しを行うため、防錆処理と略並行して能率的に外装品を取外すことができる。 請求項66の製造方法では、前記外装品の取外しの後に、再生する中古車に外面塗装を施すため、外面塗装の作業能率を高め、車体外面の隅々まで外面塗装を施すことができる。 請求項67の製造方法では、前記外面塗装は、発注者からの発注者要求仕様に従って行うため、発注者の要求に応えることができる。 請求項68の製造方法では、外面塗装後に、内装品の取付けと外装品の取付けを行うため、外面塗装時に内装品と外装品をマスキングする必要がない。
【0092】請求項69の製造方法では、外面塗装後に、マイクロコンピュータで制御される装置や装備品の制御系を、必要に応じて劣化補償の為に調整するため、
前記装置や装備品の性能を確保できる。 請求項70の製造方法では、外面塗装後に、中古車の各装備品の摺動部にオイル塗布を行うため、摺動部の摺動性を確保できる。 請求項71の製造方法では、前記修理の最終段階において、パワートレインの必要個所のオイル交換を行うため、無駄なく且つ確実にオイルを交換できる。
【0093】請求項72のリサイクル自動車の製造方法においては、基本的に請求項31と同様の作用・効果が得られる。 更に、前記再生工場の検査部門において、前記中古車に、シャシーダイナモによるパワートレイン性能検査と、車体外形検査装置による車体外形輪郭検査と、車体剛性検査装置による車体剛性検査とを含む所定の複数項目の検査を施し、前記3つの検査の全部が合格とされた中古車に対して、前記複数項目の検査の結果必要とされた修理を施して再生するため、パワートレインの性能と車体の強度・剛性が再使用に耐える中古車のみを再生することで、パワートレインや車体に対する大修理を行うのを防止でき、修理費の低減を図り、設備費の低減を図り、採算性の向上を図ることができる。
【0094】請求項73の製造方法では、前記複数項目の検査の後再生に要する合計修理費を求め、その合計修理費が予め設定された所定額以下の中古車のみを再生するため、リサイクル自動車の性能を確保でき、リサイクル自動車製造の採算性を確保できる。 請求項74の製造方法では、販社が入手した中古車を、ストック場に車種別に所定台数ずつ保管し、リサイクル自動車の受注時にそれと同車種の中古車を、ストック場から再生工場に供給するため、発注者の要求に応えることができる。 請求項75の製造方法では、前記ストック場において所定の検査を行い、その検査結果に基いて、同車種の中古車のうち再生工場で修理する際の合計修理費が安価なものから優先的に再生工場へ供給するため、リサイクル自動車の性能を確保し、リサイクル自動車製造の採算性を向上できる。
【0095】請求項76の製造方法では、前記ストック場において走行距離検査を実行し、同車種の中古車のうち走行距離の短いものから優先的に再生工場へ供給するため、損傷や劣化度合いの少ない中古車から優先的に再生でき、リサイクル自動車の性能を確保し、修理費を低減して採算性を高めることができる。 請求項77の製造方法では、前記ストック場において車体外観検査を実行し、同車種の中古車のうち車体外観の良好なものから優先的に再生工場へ供給するため、前項と略同様の作用・
効果が得られる。 請求項78の製造方法では、前記ストック場においては、同車種の中古車のうち、再生工場で修理する際の合計修理費と、走行距離と、車体外観との総合評価において最も優れた中古車から優先的に再生工場へ供給するため、リサイクル自動車の品質及び採算性の面で総合的に有利になる。
【0096】請求項79の製造方法では、前記再生工場において行う修理の際、交換する諸部品の大部分に中古部品管理システムから得た中古部品を用い、その他の予め設定された交換する諸部品に新品部品管理システムから得た新品部品を用いるため、廃車から回収された中古部品を有効活用でき、再生の修理費を著しく低減でき、
採算性を格段に高め、リサイクル自動車の価格を低額に抑えて需要を喚起することができる。
【0097】しかも、点火プラグやブレーキパッド等の機能的に交換必要な部品等に新品部品を使用することで、リサイクル自動車の性能を確保できる。 請求項80
の製造方法では、前記リサイクル自動車を発注した発注者の発注者要求仕様を加味して新品部品を決定するため、発注者の要求に応え得る。 請求項81の製造方法では、前記新品部品を、複数種類の新品部品を保管する新品部品管理センターから再生工場に供給し、また、中古部品を、複数種類の中古部品を保管する中古部品管理センターから再生工場に供給するため、再生工場への諸部品の供給を円滑化でき、諸部品の物流コストを低減できる。
【0098】請求項82の製造方法では、前記中古部品管理センターは、予め設定さている諸部品については、
中古車を解体する廃車場から再使用可能な中古の諸部品の供給を受けるため、多数の再使用可能な中古部品を確実に継続的に入手できる。 請求項83の製造方法では、
前記中古部品管理センターは、同種の中古部品を複数個ずつ保管するとともに各部品に対する検査を実行し、同種の中古部品のうち、検査結果に基いて劣化度合いの小さいものから優先的に再生工場ヘ供給するため、リサイクル自動車の品質低下を防止し、かつ修理費の低減を図ることができる。 請求項84の製造方法では、前記完成リサイクル自動車を再生工場から販社に供給するため、
リサイクル自動車の販売を促進して、リサイクル自動車の製造規模をある程度まで大きく維持して、リサイクル自動車の製造コストの低減を図ることができる。
【0099】請求項85の製造方法では、前記販社は、
完成リサイクル自動車を自社名義で登録し、その完成リサイクル自動車をレンタル会社又はリース会社に供給するため、リサイクル自動車の需要を拡大して、リサイクル自動車製造の製造規模をある程度まで大きく維持して、リサイクル自動車の製造コストの低減を図ることができる。 請求項86の製造方法では、前記販社は、所定保証期間経過後に、レンタル会社又はリース会社から、
リサイクル自動車を回収するため、耐久限度を超えたリサイクル自動車が使用されるのを防止できる。
【0100】請求項87のリサイクル自動車の製造方法においては、販社が入手した中古車に、少なくとも車体の外観目視検査とパワートレインの作動検査とを含む1
次検査を施して、中古車市場における評価価値が予め設定された所定額以下か否か判断し、次に評価価値が所定額以下の中古車を再生工場に供給し、次に再生工場の複数の検査ステーションにおいて所定の複数項目の2次検査を所定の順序で施し、次に2次検査の検査結果から必要とされた修理であって合計修理費が予め設定された所定額以下の修理を施してリサイクル自動車に再生する。
従って、基本的に請求項31と略同様に、評価価値が所定額以下の中古車に、合計修理費が所定額以下の修理を施してリサイクル自動車を再生するため、安価なリサイクル自動車を提供できる。
【0101】しかも、1次検査により、車体とパワートレインの再生可能性を判定後、合格した中古車のみを再生工場に供給するため、再生工場における検査の負荷を低減でき、かつ、車体とパワートレインに大修理を要するような中古車を再生工場に搬入するのを防止できる。
また、再生工場において、複数の検査ステーションにおいて所定の複数項目の2次検査を所定の順序で施すため、能率的にかつ確実に2次検査を行なうことができる。
【0102】請求項88の製造方法では、前記2次検査として、パワートレイン性能検査と、車体歪み検査と、
車体剛性検査とを含む再生可能性判別検査を施し、この再生可能性判別検査で合格と判別された中古車に、修理の要否と部品交換の要否を判別する為の複数項目の検査を施すため、再生可能性判別検査により、車体とパワートレインに大修理を要するような中古車を判定して排除でき、リサイクル自動車製造に要する合計修理費を低減して採算性を確保できる。
【0103】請求項89の製造方法では、前記パワートレイン性能検査は、シャシーダイナモにより行なうため、簡単且つ能率的に性能検査できる。 前記車体歪み検査は、中古車の車体に光線を投影させて車体外形輪郭を求める車体外形輪郭検査装置を用いて少なくとも車体の3面の外形投影図を作り、車種毎に予め設定した外形投影図の対応車種のものと比較することにより行なうため、車体外見輪郭を簡単かつ能率的に検査できる。 前記車体剛性検査は、中古車の車体の少なくとも4点を挟持して車体捩じり剛性を検査する車体剛性検査装置を用いて行うため、車体の強度・剛性を確実に検査できる。 請求項90の製造方法では、前記パワートレインの性能検査と、車体歪み検査と、車体剛性検査との何れかの検査で検査で不合格のときは、その中古車を廃車にするため、パワートレインや車体に大修理を施す必要がなく、
リサイクル自動車製造に要する合計修理費を低減して採算性を確保できる。
【0104】請求項91のリサイクル自動車の製造方法においては、予め、再生に供する中古車の全構成部分を、検査結果によらず交換しない非交換部分と、所定の検査の検査結果に応じて修理又は交換する検査対応部分と、検査せずに新品部品と交換する新品交換部分とに分類しておき、販社が入手した中古車に所定の評価を行って中古車市場における価値が予め設定された所定額以下か否か判断し、前記価値が所定額以下の中古車の各部分を前記分類に基いて検査し、次に検査した中古車に、少なくとも前記検査の結果必要とされた修理であって合計修理費が予め設定された所定額以下の修理を施して再生することによりリサイクル自動車を製造する。
【0105】従って、請求項87と略同様に、所定額以下の中古車に、合計修理費が所定額以下の修理を施してリサイクル自動車を再生するため、安価なリサイクル自動車を提供できる。 ここで、前記中古車の全構成部分を、検査結果に依らず交換しない非交換部分と、所定の検査の検査結果に応じて修理又は交換する検査対応部分と、検査をせずに新品部品と交換する新品交換部分とに予め分類しておき、この分類に基いて各部分の検査を行うため、非交換部分、検査対応部分、新品交換部分に夫々対応した適切な検査を能率的に実行でき、それらの検査結果に基いて合否判断や交換要否の判断を適切に行うことができる。 しかも、新品交換部分に対する検査を省略できる。
【0106】請求項92の製造方法では、前記検査対応部分の諸部品は、検査により交換必要とされたときに新品部品と交換する新品交換部品と、検査により交換必要とされたときに中古部品と交換する中古部品交換部品とに予め分類しておくため、交換必要時に、諸中古部品と諸新品部品の発注等の業務を能率的かつ確実に行うことができる。 請求項93の製造方法では、前記非交換部分は、パワートレイン、車体、フロント及びリヤウインドガラスとを含むため、これら交換時の修理費が高額となるものの劣化や損傷がひどい場合には、再生不能と決定することにより、これらに対する大修理を行うのを予め防止し、中古車再生時の修理費や修理用機械設備の設備費の低減を図ることができる。
【0107】請求項94の製造方法では、前記検査対応部分は、外観検査が必要な、シート、トリム、スロアマット、ランプリフレクタ、タイヤ、トップシーリング、
エクステリア艤装品を含むため、これらを検査結果に応じて交換した外観に優れたリサイクル自動車を製造できる。 請求項95の製造方法では、前記検査対応部分は、
少なくとも作動検査が必要な、パワーウインド、ワイパー、トランクオープナー、フューエルリッドオープナー、バワードアロック、メータ類、オーディオ機器、サンルーフ、シートベルト、電動ミラー、ランプ類、スイッチ類、アクスル系を含むため、これらを検査結果に応じて交換し諸装備品の性能を確保したリサイクル自動車を製造できる。
【0108】請求項96の製造方法では、前記検査対応部分は、少なくとも性能検査が必要な、空調装置、燃料系、排気系、ウインド、サスペンションリンク類、ステアリング系、メカトロニクス系、ブレーキ系、バッテリを含むため、請求項95と同様の作用・効果が得られる。 請求項97の製造方法では、前記新品交換部分は、
プラグ、ブレーキパッド、ダンパー、シートカバーを含むため、これらの劣化による性能低下を確実に防止できる。
【0109】請求項98のリビルト自動車の製造システムにおいては、発注者所有の自動車を注文に応じて修理してリビルト自動車として発注者に供給するリビルト自動車を製造する為に、販社と、1又は複数の工場からなる再生工場と、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを有しリビルトの為の情報統括を行う統括センターとを設け、販社と再生工場の夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオンライン接続されている。
【0110】前記販社は、リビルト自動車の受注と完成リビルト自動車の引渡しを行い、それに関連する情報を統括センターに供給する。 再生工場は、リビルトの為の修理に供する自動車に少なくとも発注者要求仕様に基づく検査と少なくともその検査の結果必要とされる修理を施し、それに関連する情報を統括センターとの間で情報伝達する。 統括センターは、販社や再生工場やその他に対する、自動車の移管の為の情報、部品調達の為の情報、検査・修理費用に関する情報、等の情報統括(必要な部門に必要な情報を提供すること)を行う。 従って、
リビルトに関する情報伝達を円滑化して、物流を確実化かつ能率化し、リビルト自動車製造の生産性を高めることができる。
【0111】請求項99のリビルト自動車の製造システムにおいては、請求項98の製造システムに、自動車の修理に必要な諸部品を保管し再生工場へ供給する部品管理センターを追加的に設け、そのサブコンピュータをも前記マザーコンピュータにオンライン接続してある。 従って、基本的に請求項98と略同様の作用・効果が得られるうえ、部品管理センターを設けたことで、再生工場への部品供給を一層円滑化でき、また、統括センターから部品管理センターへの部品発注等の業務を簡単化できる。
【0112】請求項100のリビルト自動車の製造システムにおいては、請求項98の製造システムに、自動車の修理に必要な諸部品のうちの諸新品部品と諸中古部品を夫々保管して再生工場へ供給する新品部品管理センター及び中古部品管理センターを追加的に設け、これらの夫々のサブコンピュータは、前記マザーコンピュータにオンライン接続してある。 従って、基本的に請求項98
と略同様の作用・効果が得られるうえ、再生工場への新品部品や中古部品の供給を一層円滑化でき、統括センターから新品部品管理センターや中古部品管理センターへの部品発注等の業務を簡単化できる。
【0113】請求項101の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、リビルトの為の修理に供する自動車についての車種、車体番号、製造年月日、主要装備品品目、登録年月日の情報を含むため、修理用の部品の調達が簡単化する。 請求項102の製造システムでは、前記マザーコンピュータの所定のデータベースは、発注者要求仕様の情報を含むため、発注者要求仕様に応じた部品調達が円滑化する。 請求項10
3の製造システムでは、マザーコンピュータの所定のデータベースは、部品管理センターの部品リストの情報を含むため部品調達が円滑化する。
【0114】請求項104の製造システムでは、前記販社は、リビルト自動車を受注した旨のリビルト車受注情報と、完成したリビルト自動車を受領した旨の完成車受領情報とを統括センターに出力するように構成されているため、受注後迅速にリビルト自動車製造の為の準備(部品調達、再生工場の負荷調整等)を行うことができ、また、納車に伴う諸業務を確実に行うことができる。 請求項105の製造システムでは、前記再生工場は、リビルト自動車の発注を受領した旨の車両発注受領情報と、完成したリビルト自動車を販社に供給した旨の車両発送情報を統括センターに出力するように構成されているため、情報伝達の確実化を図り、リビルト自動車の移管場所を追跡できる。 請求項106の製造システムでは、前記統括センターは、リビルト自動車を発注する旨の車両発注情報を再生工場に出力するように構成されているため、再生工場は、検査・修理の負荷や工程を調整する等、リビルト自動車製造の円滑化を図ることができる。
【0115】請求項107のリビルト自動車の製造方法においては、発注者所有の自動車を注文に応じて修理してリビルト自動車として発注者に供給する為に、リビルト自動車の受注と完成したリビルト自動車の引渡しを行う販社から、前記自動車をその検査と修理を行う1又は複数の工場からなる再生工場に供給し、前記再生工場において、自動車に、少なくとも発注者から要求された発注者要求仕様で指定された検査を施し、少なくともその検査の結果必要とされる修理であって、前記発注者要求仕様で指定された諸新品部品と、廃車を解体して回収した諸中古部品とを用いて行う修理を施してリビルト自動車とし、前記販社を介して発注者に供給する。 このように、販社を介してリビルト自動車の受注・引渡しを行うことにより、リビルト自動車の受注を促進でき、また、
再生工場において検査と修理を行うことで、能率的に検査と修理を実施でき、また、修理に際して指定された諸新品部品と、廃車を解体して回収した諸中古部品とを用いて修理するため、修理費を著しく低減できる。
【0116】請求項108の製造方法では、前記諸新品部品は、新品部品管理センターから再生工場に供給し、
また、諸中古部品は、中古部品管理センターから再生工場に供給するため、諸新品部品と諸中古部品の供給を円滑化して物流コストを低減できる。 請求項109の製造方法では、所定のデータベースを格納したマザーコンピュータを備えた統括センターにより、リビルト自動車の製造に関する情報の統括を行うため、リビルトに供する自動車や修理用の諸部品の物流を円滑化し、生産性を高めることができる。 請求項110の製造方法では、前記中古部品管理センターには、種々の中古車の解体を行う廃車場から諸中古部品を供給するため、中古部品管理センターに対して、つまり、再生工場に対して、諸中古部品を確実に供給できる。
【0117】請求項111の製造方法では、前記再生工場において、自動車におけるパワートレイン、車体、サスペンション装置、内装品、外装品に関する検査及び修理を実行し、その検査後に車検項目の検査を行うため、
前記の夫々のものに対して、夫々専用のステーションにおいて夫々専用の機械装置や工具類を用いて、能率的に検査と修理とを実施でき、また、車検項目の検査後に再修理して再度車検項目の検査を行う等の無駄を排除することができる。
【0118】
【実施例】以下、本発明の実施例について、表や図面を参照しつつ説明する。 本実施例は、中古車市場における評価価値が実質的に零の中古車又は中古車市場における評価価値が予め設定された所定低価格の中古車を修理して再生させたリサイクル自動車(以下、リサイクル車又はRC車と記載する)を製造する製造方法とその製造システム、及び、所有者からの注文に応じて所有者所有の自動車(以下、この自動車も中古車と記載する)を検査・修理したリビルト自動車(以下、リビルト車又はRB
車と記載する)の製造方法とその製造システムに関するものである。
【0119】前記リサイクル車の製造システムに関して、発注者の注文に応じて、発注者が指定した車種の中古車を再生するのを前提として説明するが、注文生産ではなしに、複数のリサイクル車を見込み生産し、それらリサイクル車を販社が所有し自社名義で登録したままレンタカー会社やリース会社に貸与するようにしてもよく、この場合、リサイクル車の所定の保証期間経過後に販社が貸与したリサイクル車を回収することとする。 前記リビルト車の製造システムは、発注者の注文に応じて、発注者が所有している中古車を修理して再生するシステムである。
【0120】リサイクル車とリビルト車とは、略同様の製造システムで製造されるので、この製造システムについて説明する。 図1に示すように、製造システムは、販社10と、統括センター11と、ストック場12と、再生工場13と、中古部品管理センター14と、新品部品管理センター15と、廃車場16と、廃棄場17と、スクラップ処理場18等を備えている。 尚、図中、M/C
はマザーコンピュータ、S/Cはサブコンピュータ、R
Cはリサイクル、RBはリビルト、O/Fはオーバーフローのことである。
【0121】前記各部門が分担する業務内容の概要は、
次ぎのとおりである。 1)販社10・・・新車とリサイクル車とリビルト車の受注・販売活動を行ない一般ユーザーから中古車を買い取ったり又は下取りし、その中古車に対して販社検査を施して、販社検査合格の中古車をストック場12に供給し、また、販社検査不合格の中古車を廃車場16に供給する。
【0122】2)統括センター11・・・種々のデータベースを格納したマザーコンピュータ(M/C)を有し、販社10とストック場12と再生工場13と中古部品管理センター14と新品部品管理センター15と廃車場16とに対してリサイクル車とリビルト車の製造に関する情報の統括を行う。
【0123】3)ストック場12・・・販社10からリサイクル用の中古車を受けて、その中古車に対して1次検査を施し、その1次検査で得た評価データをサブコンピュータのデータベースに格納し、複数車種の各車種毎に例えば5台ずつの中古車を保管し、オーバーフロー時には総合評価において劣る中古車から順にオーバーフロー(O/F)中古車として廃車場16に移送し、また、
統括センター11からの指示に基いて、指定された車種の中古車のうちの総合評価において優れたものから優先的に再生工場13に供給する。 尚、リビルト用の中古車は、販社10から再生工場13に直接供給される。
【0124】4)再生工場13・・・統括センター11
からの指示に基いてストック場12から供給された中古車に対して2次検査を施し、その2次検査にて合格となった中古車を修理してリサイクル車に再生し、そのリサイクル車を販社10に供給する。 但し、前記2次検査にて不合格となった中古車は廃車場16へ移送し、その代わりの中古車をストック場12から再度受ける。 前記2
次検査は、再生工場13の検査工場13aにおいて、複数の検査項目について所定の複数の検査ステーションで順々に実行し、また、前記修理に関して、再生工場13
の修理工場13bにおいて、少なくとも前記2次検査の結果必要とされた修理を所定の複数の修理ステーションにおいて順々に行う。
【0125】前記修理における交換部品の大部分に、廃車場16にて回収された中古部品を活用し、その他の最小限必要な交換部品や発注者から要求された交換部品に新品部品を活用することとする。 尚、再生工場で実施する2次検査と修理は、完成リサイクル車や完成リビルト車の保証期間として、例えば、少なくとも3年の期間保証し得るようなものである。 また、リビルト用中古車についての検査は、発注者要求仕様に基いて実行され、修理工場13bでは、少なくとも前記検査の結果必要とされた修理を行う。
【0126】5)中古部品管理センター14・・・廃車場16にて回収された再使用可能な中古部品を廃車場1
6から受けて保管する。 この場合、多種の部品について各同種部品毎に例えば20個ずつ保管し、廃車場16から供給される各部品の評価データをサブコンピュータのデータベースに格納し、各同種部品毎にオーバーフローが生じたときには、総合評価において劣るものから順にO/F中古部品として廃棄場17又はスクラップ処理場18へ供給する。 そして、統括センター11から指示された諸中古部品を再生工場13へ供給するが、この場合、各同種部品毎に、総合評価において優れるものから優先的に再生工場13へ供給する。 尚、需要に応じて、
一般の自動車修理会社へも中古部品を供給することもある。
【0127】6)新品部品管理センター15・・・再生工場13において必要となる多種の新品部品について、
部品メーカーから購入し各同種部品毎に例えば20個ずつ保管し、統括センター11から指示された諸新品部品を再生工場13へ供給する。 尚、需要に応じて一般の自動車修理会社へも新品部品を供給することもある。 尚、
中古部品管理センター14と新品部品管理センター15
とを夫々独立に設けることなく、これらを1つの部品管理センターとして構成してもよい。
【0128】7)廃車場16・・・販社10とストック場12と再生工場13から供給される中古車を解体し、
再使用可能な諸中古部品を回収して仮保管し、同時にその中古部品の評価データをサブコンピュータのデータベースに格納し、統括センター11からの指示に基いて諸中古部品を中古車部品管理センター14へ供給する。 また、中古車の解体で発生した廃棄対象品は廃棄場17へ供給し、また、金属部品等のスクラップ対象品はスクラップ処理場18へ供給する。
【0129】8)廃棄場17・・・廃車場16と再生工場13と中古部品管理センター14から供給される廃棄対象品(ゴム類、プラスチック類、ガラス類等、)を廃棄処分する。 9)スクラップ処理場18・・・廃車場16と廃棄場1
7と中古部品管理センター14から供給される金属部品等のスクラップ対象品をスクラップ処理する。
【0130】次に、前記各部門に設けられる設備類及びコンピュータとそのデータベース等について説明する。 1)販社10・・・1又は複数のオフィスを主体に構成され、複数の新車を陳列する陳列スペース及び統括センター11のマザーコンピュータ(M/C)にオン・ライン接続されたサブコンピュータを有する。 2)統括センター11・・・1つのオフィスとそこに設置されたマザーコンピュータとを主体に構成され、このマザーコンピュータは、販社10、ストック場12、再生工場13、廃車場16、中古部品管理センター14、
新品部品管理センター15の夫々のサブコンピュータにオン・ライン接続されている。 前記マザーコンピュータには、次のようなデータベースが格納される。
【0131】a)データベースDB(V)(図2参照)
・・・中古車市場に流通している多種の中古車に関して、車種別に、年式、車体カラー、グレード、装備品、
等に関するデータが格納してある。 b)データベースDB(A)(図3参照)・・・販社1
0が買い取った又は下取りした中古車を管理する為の買取り下取り中古車管理情報(車検証情報を含む)を格納してある。 c)データベースDB(C)(図4参照)・・・受注したリサイクル車に関して、図示のようなデータが、逐次格納される。 d)データベースDB(B)(図5参照)・・・受注したリビルト車に関して、図示のようなデータが逐次格納される。
【0132】3)再生工場13・・・再生工場13は、
検査工場13aと修理工場13bとを含む1又は複数の工場で構成されている。 検査工場13aには、図10に示すように、パワートレイン(P/T)系及び制動装置を検査するP/T系検査ステーション20、車体の歪みを検査する車体歪み検査ステーション21、車体の剛性を検査する車体剛性検査ステーション22、懸架系や操舵系を検査する懸架・操舵系検査ステーション23、インストルメントパネルを含む電気系と制御系と電動機能機器を検査する電気・制御系検査ステーション24、内装品を検査する内装品検査ステーション25、外装品を検査する外装品検査ステーション26、車検項目の検査を行う車検項目検査ステーション27等が、直列状に設けられている。 そして、
P/T検査ステーション20に搬入されたリサイクル用又はリビルト用の中古車は、所定の台車上に載せた状態で、順次各検査ステーションへ移送されるようになっている。 但し、車体歪み検査ステーションでは、台車外で検査を行う。
【0133】前記P/T系検査ステーション20には、
P/T系の出力特性、トルク特性、燃費等を検査する為のシャシーダイナモメータ、このシャシーダイナモメータに付属の燃費測定装置、その他の種々の測定機器等が設けられている。 前記車体歪み検査ステーション21には、図12に示すレーザー方式車体外形輪郭検査装置5
0が設けられている。 この車体外形輪郭検査装置50
は、壁面に展開した感光紙(又は、感熱紙)57に、検査対象の中古車55(ドアやシート類を取り外してある)を隔てて、レーザー光投射装置51でレーザー光を投射することにより、中古車の車体の4面(正面、背面、側面、平面)の外形輪郭を順々に投影させ、その外形輪郭図を光学式読み取り装置52で順々に読み取り、
その4面の外形輪郭情報を、複数車種の車体について予め入力格納してある基準外形輪郭情報のうちの、対応する車種のものと比較することにより、中古車の車体の外形輪郭の歪みの程度を検知する為の装置である。
【0134】更に詳しく説明すると、図12に示すように、暗室の床面には、一段高い検査台53とその中央部に設けられた回転テーブル54が設けられ、この検査台53の側方の壁面56には、大型の感光紙57が展張され、この壁面56には、光学式読み取り装置52が配設され、また、検査台53上の中古車55を挟んで壁面5
6と反対側には、レーザー光投射装置51が設けられている。 前記レーザー光投射装置51において、昇降ビーム59は、門形フレーム58に昇降自在に支持され、制御装置61で数値制御される図示外の昇降駆動機構で高速で昇降駆動可能であり、キャリッジ60は、昇降ビーム59に水平移動自在に支持され、制御装置61で数値制御される図示外の水平駆動機構で高速で水平駆動可能であり、キャリッジ60には、壁面56の方へ壁面56
に垂直にレーザー光を投射するレーザー光投射器62が設けられている。
【0135】前記光学式読み取り装置52において、昇降ビーム64は、門形フレーム63に昇降自在に支持され、制御装置66で数値制御される図示外の昇降駆動機構で高速で昇降駆動可能であり、キャリッジ65は、昇降ビーム64に水平移動自在に支持され、制御装置66
で数値制御される図示外の水平駆動機構で高速で水平駆動可能であり、キャリッジ65には、壁面56の感光紙57に近接して臨む光学式読み取りヘッド67が設けられている。 最初、暗室内において、中古車55を図示の状態にセットし、壁面56に感光紙57を展張し、昇降ビーム59を最下位置にセットした状態で、キャリッジ60をビーム59に沿って往復移動させることにより、
レーザー光投射器62を水平方向に往復走査させ、各往動と復動の走査毎に昇降ビーム59を上方へ例えば1m
mずつ上昇させるのを繰り返すことにより、中古車の全側面を含む検査領域の全面に対してレーザー光走査を実行させると、図示のように感光紙57には、車体の側面の外形輪郭図が作成される。
【0136】次に、光学式読み取り装置52により、感光紙57に作成された車体の側面の外形輪郭図を読み取る。 この場合、昇降ビーム64を最下位置にセットした状態で、キャリッジ65をビーム64に沿って往復移動させることにより、光学式読み取りヘッド67を水平方向に往復走査させ、各往動と復動の走査毎に昇降ビーム64を上方へ例えば1mmずつ上昇させるのを繰り返すことにより、中古車55の全側面を含む検査領域の全面に対して読み取りが実行され、その読み取ったデータが、制御装置66に供給されて、「1」と「0」の2値化データに変換してメモリに記憶される。 このようにして、車体の側面の外形輪郭のデータが得られる。
【0137】次に、回転テーブルを90度回転させて、
前記同様に、中古車の正面の外形輪郭のデータを作成し、次に、回転テーブルを180度回転させて、前記同様に、中古車の背面の外形輪郭のデータを作成する。 次に、暗室の天井の天井クレーンにより、中古車を縦向きに吊持して所定の姿勢に保持した状態で、前記同様に、
中古車の平面の外形輪郭のデータを作成する。 前記制御装置66には、複数車種の車体についての前記4面に対応する4面の基準外形輪郭データが予め格納してあり、
前記のようにして得られた中古車の4面の外形輪郭を、
対応する車種の4面の基準外形輪郭と比較することにより、中古車の車体の外形輪郭の歪みの程度を検知するようになっている。 尚、車体各部の比較的小さな凹損等は、目視検査によっても検査される。
【0138】前記車体剛性検査ステーション21には、
図13に例示した車体剛性検査装置70と、車体に動荷重を付加して車体の曲げ剛性を検査する周知の油圧シェーカとが設けられている。 前記車体剛性検査装置70
は、中古車の車体の前後端の4点(図14の点P1,P
2,P3,P4参照)を挟持して、車体に所定の大きさの捩じりモーメントを作用させて、車体の捩じり剛性を検査する為の装置である。 更に詳しく説明すると、車体剛性検査ステーション21の床面には、2条のレール7
1が平行に付設され、このレール71の一端側には第1
可動台72がレール71に移動自在に案内され、第1可動台72の上面にはT形レール73が付設され、第1可動台72上には、1対のクランプフレーム74が立設されてその脚部75がT形レール73に係合して、T形レール73に沿って移動自在に構成され、第1可動台72
には油圧シリンダ76が付設され、1対のクランプフレーム74は、油圧シリンダ76により位置調節自在に構成してある。
【0139】更に、各クランプフレーム74には、レール71の他端側へ水平に延びるアッパアーム77とロアアーム78とが設けられ、アッパアーム77には縦向き倒立状に油圧シリンダ79が付設され、またロアアーム78には油圧シリンダ79に対向する状態に縦向き正立状に油圧シリンダ80が付設されている。 上下に対向するロッド79a,80aの先端部には、クランプブロック81,82が付設され、これら1対のクランプブロック81,82で中古車のフロントフレームの前端部を挟持可能に構成してある。 このように、第1可動台72上の1対のクランプフレーム74の2対の油圧シリンダ7
9,80の2対のクランプブロック81,82で、左右のフロントフレームの前端部(図14の点P1,P2)
を挟持できる。 尚、第1可動台72の位置を調節する為の1対の油圧シリンダ94も設けられている。
【0140】前記レール71の他端側には第2可動台8
3がレール71に移動自在に案内され、第2可動台83
の上面にはT形レール84が付設され、第2可動台83
上には、1対のクランプフレーム85が立設されてその脚部86がT形レール84に係合して、T形レール84
に沿って移動自在に構成され、第2可動台83には油圧シリンダ87が付設され、1対のクランプフレーム85
は、油圧シリンダ87により位置調節自在に構成してある。
【0141】更に、各クランプフレーム85には、レール71と直交する内側方向へ延びるアッパアーム88とロアアーム89とが設けられ、アッパアーム88には縦向き倒立状に油圧シリンダ90が付設され、またロアアーム89には油圧シリンダ90に対向する状態に縦向き正立状に油圧シリンダ91が付設されている。 上下に対向するロッド90a,91aの先端部には、クランプブロック92,93が付設され、これら1対のクランプブロック92,93で中古車のリアフレームの後端部を挟持可能に構成してある。 このように、第2可動台83上の1対のクランプフレーム85の2対の油圧シリンダ9
0,91の2対のクランプブロック92,93で、左右のリアフレームの後端部(図14の点P3,P4)を挟持できるように構成してある。 尚、第2可動台83の位置を調節する油圧シリンダ95も設けられている
【0142】前記油圧シリンダ79,80,90,91
は、油圧供給装置に接続され、これら油圧シリンダの油圧を制御する油圧制御手段と油圧を検出する油圧検出手段と制御手段も設けられていて、油圧検出手段で検出した油圧から、車体に付加した捩じりメーメントを検知可能であり、所定の大きさの捩じりメーメントを付加するように油圧制御手段を介して油圧が制御される。 更に、
前記油圧シリンダ76,87,94,95も前記油圧供給装置に接続され、油圧供給装置を介して、これら油圧シリンダのロッドのストロークを微小量ずつ制御可能である。 尚、これらの油圧シリンダは、車種が異なる中古車の車体ではサイズが一定でないので、種々のサイズの車体に対して、第1クランプフレーム74と第2クランプフレーム85の位置を微調節して、フロントフレームとリアフレームとを確実にクランプする為に設けられている。
【0143】前記懸架・操舵系検査ステーション23には、サスペンション装置の性能を検査する為のロードシュミレータ、懸架スプリングやダンパーの特性を検査する為の油圧シェーカ、ホイールアライメント測定装置等が設けられている。 尚、操舵系は、検査員の手動による作動検査で検査される。 前記電気・制御系検査ステーション24には、制御系のマイクロコンピュータの異常を検査するダイアグノスティック装置、その他種々の電気的測定機器等が設けられている。
【0144】前記内装品検査ステーション25においては、主として検査員の目視検査により検査が実行される。 前記外装品検査ステーション26においては、主として検査員の目視検査により検査が実行される。
【0145】前記車検項目検査ステーション27には、
以上の検査ステーションで検査されていない車検項目の検査を実行する為に必要な諸機器が設けられており、このステーションにおける車検項目の検査は主として目視と、作動確認検査等により実行される。 以上説明したように、検査工場13aには、夫々専用の検査を行う複数の検査ステーションを直列状に配置し、所定の順序で、
所定の検査マニュアルに基いて、検査を行うため、検査の生産性が高く、検査コストが著しく低減されている。
【0146】前記再生工場13の修理工場13bには、
図11に示すように、P/T系を修理するP/T系修理ステーション30、車体の比較的軽微な凹損等を修理する車体修理ステーション31、懸架系と操舵系を修理する為の懸架・操舵系検査ステーション32、内装品と外装品の取り外し行い且つ防錆処理を行う内装品・外装品取り外しステーション33、車体の外面に塗装を施す外面塗装ステーション34、外装品を取付ける外装品取付けステーション35、交換する内装品を取付ける内装品取付けステーション36、電気系や制御系や電動式機能機器を修理したり調整する電気・制御系整備ステーション37、車体に洗浄を施す洗浄ステーション38、各摺動部等にオイルを塗布するオイル塗布ステーション3
9、エンジンオイルや差動装置等のオイルを交換するオイル充填ステーション40、完成したリサイクル車やリビルト車に種々の性能試験を施す完成車性能試験ステーション41等が、直列状に設けられている。 検査工場1
3aにおける検査完了の中古車が、検査工場のP/T系修理ステーション30に搬入され、所定の搬送台車に載せた状態で、順次各修理ステーションへ移送されるように構成してある。
【0147】尚、前記P/T系修理ステーション30
は、P/T系検査ステーション20に隣接状に設けられ、前記シャシーダイナモメータ等のP/T系検査用の装置を共用できるように配置されている。 前記各修理ステーションには、夫々の修理作業に必要な一般的な工具・装置・機器類が設けられているが、一般の自動車修理工場等において使用されるものと同様のものであるので、それらについての説明は省略する。 但し、この修理工場13bでは、前記のように、夫々専用の修理を行う専用の複数のステーションを複数直列状に配置して、所定の順序で、所定の作業マニュアルに基いて能率的に修理作業を実行するようになっているため、中古車再生の為の修理作業の生産性が高く、修理コストが著しく低減されている。
【0148】4)ストック場12・・・1又は複数の屋外のストックスペースから構成され、そのサブコンピュータには、図6に示すように、保管中の中古車について、管理No. 車種、車体No. 、ランク評価、等のデータを有するデータベースDB(S)が格納され、ランク評価のデータは、ストック場12において実施した1
次検査の結果の評価データであって、例えば「1」〜
「5」の5段階評価のデータである。
【0149】5)中古部品管理センター14・・・自動倉庫システムを備えた部品倉庫からなり、自動倉庫システムには、多種の中古部品が、所定の分類で分類して格納されており、そのサブコンピュータには、図7に示すように、保管中の全部の中古部品に関する、複数車種の夫々毎に、部品の分類No. 、部品名、部品No. 、数量、機能部品/装飾部品の区分、評価用データ、等のデータを格納したデータベースDB(U)が設けられている。 尚、評価用データは、廃車場16のデータベースD
B(H)からプリント出力して供給されるプリントアウトデータを再度入力したものである。 6)新品部品管理センター15・・・自動倉庫システムを備えた部品倉庫からなり、自動倉庫システムには、多種の新品部品が、所定の分類で分類して格納されており、そのサブコンピュータには、図8に示すように、保管中の全部の新品部品に関する、部品の分類No. 、部品名、部品No. 、数量、メーカー名、等のデータを格納したデータベースDB(N)が設けられている。
【0150】7)廃車場16・・・1つの解体工場からなり、中古車を解体する為の種々の機械・装置類や工具類、及び、回収した種々の中古部品を仮保管する複数の保管棚等が設けられていて、廃車される中古車が、所定の手順にて、能率的に解体され、再使用可能な諸中古部品が回収され、そのサブコンピュータには、図9に示すように、前記データベースDB(U)と略同様のデータベースDB(H)が設けられている。 尚、このデータベースDB(H)のデータは、統括センター11から供給される解体中古車に関する情報と、廃車場16において解体したときに評価付けを行って作成した情報とに基いて作成し、入力されるものである。
【0151】8)廃棄場17・・・1つの廃棄物処理工場からなり、廃棄対象品のうちの可燃性物を焼却処理する焼却装置、廃棄対象品のうちの不燃物を収容する多数のコンテナ、搬送手段としての複数のコンベア装置、等が設けられている。 9)スクラップ処理場18・・・1つのスクラップ処理工場からなり、金属製の多数の部品や装備品を分解して選別する分解選別装置、裁断装置、溶断装置、搬送コンベア、スクラップ品圧縮用プレス装置、等が設けられている。 このスクラップ処理場18で発生したスクラップは、外部の業者へ供給される。
【0152】次に、以上説明した製造システムによって、リサイクル車及びリビルト車を製造する製造方法について、種々の作業フローチャート(工程図)や管理フローチャート(工程図)A1〜A6、B1〜B7、C1
〜C3に基いて説明する。 前記種々のフローチャートA
1〜A6、B1〜B7、C1〜C3が実行される部門と、これらフローチャートの相関関係については、図1
5のフローチャート一覧図に示す通りである。 前記フローチャートA1〜A6は、中古車の取得、保管、解体、
中古部品回収、中古部品管理、等に関するものである。
前記フローチャートB1〜B7は、リサイクル車の受注、これに伴う受注・発注管理、再生対象中古車のストック場から再生工場への供給、リサイクルの為の検査・
修理、完成後の再発注、中古部品や新品部品の再生工場への供給、等に関するものである。
【0153】前記フローチャートC1〜C3は、リビルト車の受注、これに伴う受注・発注管理、リビルトの為の検査・修理、等に関するものである。 尚、以下のフローチャート中には、i=1,2,・・・として、HA
i、HBi、等の種々のコマンドが記載されているが、
これらコマンドを付して供給される情報の内容については、表1〜表6に示すコマンド・情報一覧表に示す通りであり、表中の( )内の情報は、その情報も含むことを示すものである。
【0154】
【表1】
【表2】
【0155】
【表3】
【表4】
【0156】
【表5】
【表6】
【0157】1)A1〔中古車取得作業フロー〕(販社)・・・図16参照 販社10が、中古車を取得すると、中古車の査定データを記載したデータブック(自動車メーカーの査定表)、
その中古車の車検証、走行距離計、外観目視検査の結果の評価、走行運転やP/T系作動確認等に基いて、中古車市場における評価価値(査定額)が零又は零に近い(実質的に零か)か否か、所定年式内か否か(メーカー保証期間に残存期間があるか否か)、所定走行距離(例えば、65000Km)内か否か、外見異常なしか否か、P/T系に異常なしか否か、等の判定を行う。 尚、
前記「異常」とは、かなりの程度の異常のことを意味し、マイナーな異常を意味するものではない。 そして、
査定額が零又は零に近く、かつ所定年式内で、かつ所定走行距離内で、かつ外見異常なしで、かつP/T系に異常なしの場合には、その中古車が再生可能性有りと判定して、統括センター11のマザーコンピュータ(以下、
M/Cという)に、中古車取得(HA1)、中古車管理情報(HA4)、ストック場移管(HA3)の情報を出力し中古車をストック場12に移送する。
【0158】一方、査定額が零又は零に近くない場合には、走行可能か否か判定し、走行可能のときは一般中古車市場へ供給するが、走行可能でない場合、査定額が所定額K(例えば、Kは3万円)以下か否か判定し、Ye
sのときは査定額が実質的に零又は零に近いものと同等に扱うが、Noのときはリサイクルの為の修理の修理費が高価になり過ぎるため廃車に決定し、廃車場16へ移送することとする。 所定年式外であったり、所定走行距離以上であったり、外見に異常が有ったり、P/T系に異常が有ったりする場合には、再生する再生費が高価になって採算性が低下するため、廃車することとして、統括センター11のM/Cに、中古車取得(HA1)、中古車管理情報(HA4)、廃車場移管(HA2)の情報を出力し、その中古車を廃車場16に移送する。 但し、
A1のフローにおいて、「査定≒0?」の判定の代わりに、「査定≦予め設定された所定額M(例えば、Mは3
万円)以下か否か」判定するようにし、査定が所定額M
以下の中古車は全てストック場12に移送して、再生対象とするようにしてもよい。 更に、前記「査定≒0?」
の判定、及び、「査定≦予め設定された所定額M(例えば、Mは3万円)以下か否か」の判定は、中古車市場における競売の評価額に基いて行うようにしてもよい。
【0159】2)A2〔中古車管理作業フロー〕(ストック場)・・・図17、図18参照 ストック場12に中古車が搬入されると、中古車受領(SA1)をM/Cに出力し、次にストック場での1次検査を実施する。 この1次検査では、車体の外観、P/
T系の作動状態、懸架系や操舵系の作動状態、内装品・
外装品の外観、等を「1」〜「5」の5段階でランク評価し、そのランク評価データをデータベースDB(S)
に入力する。 このランク評価データの入力時には、M/
Cから供給される情報から判る車種、車体No. 、等のデータも入力される。
【0160】前記1次検査の後、ストック場12に保管すべき中古車か否かを判別する中古車選別処理が、図1
8のフローのように実施され、次に、ストック場12にオーバーフローが生じた場合には、オーバーフロー車廃車場移管(SA2)の情報がM/Cに出力され、また、
ストック場12にオーバーフローが生じていない場合には、オーバーフロー車なし(SA4)の情報がM/Cに出力される。
【0161】前記中古車選別処理は、ストック場12に保管している中古車を総合的に評価し、オーバーフローのときには、各車種毎に、総合評価の最も低い中古車から優先的に廃車場16へ供給する為のサブコンピュータによる演算処理である。 次に、中古車選別処理について図18のフローに基いて説明する。 車種、車体No. の入力後、M/CのデータベースDB(A)からその中古車の中古車管理情報等を読み込み、次に、前記データベースDB(S)から、車体ランク評価データと、P/T
系ランク評価データとを読み込む。 次に、データベースDB(A)から読み込んだ年式、グレード、車体カラー、走行距離のデータに基いて、年式ランク評価と、グレード・車体カラーランク評価と、走行距離ランク評価を、夫々「1」〜「5」の5段階で行う。 次に、以上のランク評価データに基いて総合評価を行うが、この場合、各ステップに( )書きしたような重み付け係数による重み付けを施して、総合評価点を演算する。
【0162】次に、今回搬入された中古車が1台増加したことに鑑みて、ストック数Nに「1」が加算され、次に、この今回搬入された中古車と同車種の全部のストック中古車を対象にして、次の演算処理が実行される。 データベースDB(S)から、同車種の中古車の総合評価データが読み込まれ、ストック場中古車の台数が所定台数(例えば、5台)以下か否かの判定をし、所定台数以下のときには、廃車すべき中古車がないため、今回の中古車の前記ランク評価データ、総合評価データがデータベースDB(S)に格納される。 一方、所定台数より多いときには、1台余分であるため、総合評価において最低の中古車が廃車場16へ移送する中古車として決定される。
【0163】次に、同車種の中古車の総合評価のデータと今回の中古車の総合評価のデータとを比較して、今回の中古車の総合評価が最低か否か判定され、今回の中古車が最低のときは、今回の中古車の車体No. が表示やプリントで出力される。 その後、今回搬入した中古車が廃車場16へ移送される。 これに対して、今回の中古車の総合評価が最低でないときには、総合評価が最低の中古車の車体No. が表示やプリントで出力され、今回搬入した中古車のデータがデータベースDB(S)に格納され、その後、ストック数Nから「1」が減算される。
尚、以上のようにして総合評価が最低故に廃車場送りが決定された中古車は、その後廃車場16へ移送されることになる。
【0164】但し、前記A2のフローの選別処理により廃車場送りの中古車を決定する代わりに、ストック場において、中古車の再生に要する概算合計修理費を算出し、同車種の中古車のうちその概算合計修理費が高い中古車から順に廃車に決定したり、又は、同車種の中古車のうち車体外観の悪い中古車から順に廃車に決定したり、又は、同車種の中古車のうち前記概算合計修理費と走行距離と車体外観の総合評価において不利なものから順に廃車に決定したりするようにしてもよい。
【0165】3)A3〔中古車管理フロー〕(統括センター)・・・図19参照 統括センター11のM/Cは、販社10が中古車を取得すると、販社10から中古車取得(HA1)の情報を受信し、中古車管理情報(HA4)を受信後、データベースDB(A)にその中古車に関するデータを格納する。
次に、ストック場移管(HA3)を受信した否か判定し、未受信のときは、廃車場16から中古車受領(BA
1)を受信したか否か判定し、それも未受信のときは、
販社10に対して中古車未着(HAc1)の情報を出力する。 一方、ストック場移管(HA3)を受信したときは、ストック場12から中古車受領(SA1)を受信した否か判定し、未受信のときは、販社10に対して中古車未着(HAc1)の情報を出力する。
【0166】そして、ストック場12から中古車受領(SA1)を受信したときには、データベースDB
(A)の保管場所のデータを変更し、また、廃車場16
から中古車受領(BA1)を受信したときには、廃車場16へ中古車管理情報(BBCc2)を出力後、データベースDB(A)のその中古車のデータを消去する。 このようにして、統括センター11のM/Cは、販社10
が取得した中古車について、その移管場所を確実に追跡していく。
【0167】4)A4〔廃車用中古車受領作業フロー〕
(廃車場)・・・図20参照 統括センター11から廃車用中古車の中古車管理情報(BBCc1)を受信後、廃車用中古車を受領すると、
車体Noを確認して、中古車受領(BA1)の情報をM
/Cに出力する。 尚、前記中古車管理情報は、廃車場1
6で中古部品を回収してその評価データを作成する為に活用される。
【0168】5)A5〔分解・中古部品回収作業フロー〕(廃車場)・・・図21参照 統括センター11のM/Cより、中古車管理情報(BB
Cc3)を受信後、廃車用中古車を分解し、再使用可能な諸中古部品を回収して仮保管し、それら諸中古部品についての技術的評価を行い、中古車管理情報と技術的評価とに基いて、それらの中古部品についてのデータベースDB(H)に記載の種々のデータ(但し、総合評価のデータは後述の如く演算にて求められる)を作成して、
そのデータをデータベースDB(H)に入力する。 このとき、保管状況、塩害度、スポーツ走行度、技術的評価については、「1」〜「5」の5段階のランク評価データで入力される。
【0169】その後、M/Cから、不足部品依頼(部品リスト)(BBCc1)を受信すると、依頼された不足部品を中古部品管理センター14に発送し、M/Cに対して、部品発送(部品リスト)(BA2)を出力し、その部品発送に応じてデータベースDB(H)のデータを変更する。 一方、中古車の分解で発生したスクラップ対象品は、スクラップ処理場18へ発送し、また、廃棄対象品を廃棄場へ発送する。
【0170】6)A6〔中古部品管理作業フロー〕(中古部品管理センター)・・・図22、図23参照 このセンターのサブコンピュータにおいて、そのデータベースDB(U)のデータを読込み、各種部品毎にストック数が所定数(例えば、20個)以上か否か判定し、
所定数未満のときには不足部品発注(部品リスト)(U
BC3)の情報をM/Cに出力する。 但し、この場合、
正味の不足数よりも2個程度多めの不足数で中古部品の発注がなされる。 これは、後述の中古部品評価選別処理を有効に機能させる為である。 そして、前記発注した不足部品及びそれに添付されたランク評価データ等を受領したときには部品受領(UBC4)の情報をM/Cに出力し、次に、それら受領部品の部品リストのデータ及びそのランク評価データ等をデータベースDB(U)に入力する。 次に、保管中古部品の評価処理を実行後、オーバーフロー中古部品のうちのスクラップ対象品をスクラップ処理場18へ移送し、また、オーバーフロー中古部品のうちの廃棄対象品を廃棄場17へ移送する。
【0171】次に、前記保管中古部品の評価選別処理について、図23に基いて説明する。 この評価選別処理は、このセンターのサブコンピュータにより実行される演算処理であり、各受領部品毎に、部品No. 、車種、
がデータベースDB(U)から読み込まれ、次にこの部品の対応する評価データ等が、データベースDB(U)
から読み込まれる。 次に、その部品が機能部品か否かの判定がなされるが、この判定は、データベースDB
(U)から読み込んだ機能部品/装飾部品の区分のデータにより判定される。 その判定の結果機能部品でないときには、年式データに基いて年式のランク評価がなされ、次に保管状況のランク評価データ及び塩害度のランク評価データ及び技術的ランク評価データが読み込んだままのデータで確保され、次に、年式ランク評価、保管状況ランク評価、塩害度ランク評価、技術的ランク評価のデータに基いて、総合評価が演算される。
【0172】一方、機能部品である場合には、走行距離のデータに基いて走行距離のランク評価がなされ、次に塩害度のランク評価データ及びスポーツ走行度のランク評価データ及び技術的ランク評価データが読み込んだままのデータで確保され、次に、走行距離ランク評価、塩害度ランク評価、スポーツ走行度ランク評価、技術的ランク評価のデータに基いて、これら項目を等しく重み付けして総合評価が演算される。 次に、その中古部品と同種の部品の保有数Mに「1」が加算され、次に、同種部品の全部の総合評価データがデータベースDB(U)から読み込まれて、保有数Mが所定数(例えば、20個)
以下か否かの判定がなされ、所定数以下の場合には、その中古部品も保管することになるため、データベースD
B(U)のデータが維持される。
【0173】これに対して、保有数Mが所定数よりも多い場合には、全同種部品について総合評価が比較され、
今回の中古部品の総合評価が最低か否か判定し、Yes
の場合には、今回の中古部品を特定する情報が表示又はプリントで出力され、次に、今回の中古部品のデータがデータベースDB(U)から消去され、その後、今回の中古部品が、廃棄場17又はスクラップ処理場18へ移送されることになる。 一方、今回の中古部品の総合評価が最低でない場合には、総合評価が最低の中古部品を特定する情報が表示又はプリントで出力され、次に、その中古部品のデータがデータベースDB(U)から消去され、その後、その中古部品が、廃棄場17又はスクラップ処理場18へ移送されることになる。
【0174】次に、保有数Mから「1」が減算され、次に、次の受領中古部品が有るか否か判定して、有る場合には次ぎの中古部品について、同様の評価選別処理が順次実行され、全部の種類の受領中古部品についての評価選別処理が実行されると、この評価選別処理の演算が終了する。 このように、中古部品管理センター14においては、中古部品が補充される毎に、同種の中古部品毎に評価選別処理を実行し、所定数よりも多くの同種中古部品がある場合には、総合評価において最低の中古部品を廃棄場17又はスクラップ処理場18へ移送するようになっている。 つまり、中古部品管理センター14には、
総合評価において優れる同種中古部品を優先して保管するように構成してある。 尚、後述するように、この中古部品管理センター14から再生工場13へ中古部品を供給する際には、同種中古部品のうち総合評価において最も優れる中古部品から優先的に再生工場13へ供給するように構成してある。
【0175】7)B1〔リサイクル車受注作業フロー〕
(販社)・・・図24参照 統括センター11のM/Cから常に最新の受注可能リサイクル車リスト(HCc1)が販社10に出力され、販社10は、その受注可能リサイクル車リストとリサイクル車パンフレットに基いて、リサイクル車の受注活動を行う。 そして、発注者があると、受付No. 、車種、発注者要求仕様等を決定し、次に、M/Cに対して、リサイクル車受注(受付No、車種)(HC1)及び発注者要求仕様(HC2)の情報を出力する。 尚、受注可能リサイクル車リストは、ストック場12に保管されている中古車に関する情報(データベースDB(S))に基いて決定される。
【0176】その後、ある程度の期間(再生工場13における検査と修理の期間)の経過後、リサイクル車が完成して、その完成リサイクル車を再生工場13から受領したときには、完成リサイクル車受領(HC3)の情報をM/Cに出力し、その完成リサイクル車について発注者の検収を受けてクレームを確認し、クレームがない場合には、納車完了(HC4)の情報をM/Cに出力する。 一方、クレームがある場合には、再発注依頼(HC
5)と再発注要求仕様(HC6)の情報をM/Cに出力し、そのクレームのついた再発注リサイクル車を再生工場13へ移送する。
【0177】8)B2〔RC用中古車供給作業フロー〕
(ストック場)・・・図25参照 統括センター11のM/Cから、中古車発注(受付N
o. 、車種)(SCc1)の情報を受信すると、データベースDB(S)から同車種の中古車のデータを読込んで、表示又はプリント出力させ、その車種のストック中古車のうち、総合評価が最高の中古車を選択し、RC用中古車の車体No. 、受付No. (SA5)の情報をM
/Cに出力する。 次に、M/Cから工場搬入日(SCc
2)の情報を受信し、その工場搬入日になったときに、
前記選択したRC用中古車を再生工場13へ移送し、次に発注された中古車を再生工場13へ移送した旨の再生工場移管(SA3)の情報及び1次検査費の情報をM/
Cへ出力する。 このように、同種のストック中古車のうちの総合評価において最高のものから優先的に再生工場13へ供給して、リサイクル車の品質向上とリサイクル車製造の採算性向上を図るようになっている。
【0178】但し、前記のように、同車種の中古車のうち総合評価が最高の中古車から順に再生工場13へ供給する代わりに、中古車の再生に要する概算合計修理費を算出し、同車種の中古車のうちその概算合計修理費が低い中古車から順に再生工場13へ供給するように決定したり、又は、同車種の中古車のうち走行距離の短いものから優先的に再生工場13へ供給するように決定したり、又は、同車種の中古車のうち車体外観の良好な中古車から順に再生工場13へ供給するように決定したり、
又は、同車種の中古車のうち前記概算合計修理費と走行距離と車体外観の総合評価において有利なものから順に再生工場13へ供給するように決定したりするようにしてもよい。
【0179】9)B3〔リサイクル車受注・発注管理フロー〕(統括センター)・・・図26、図27参照 統括センター11のM/Cから販社10に対して、受注可能リサイクル車リスト(HCc1)の情報が出力され、そのうちに、販社10がリサイクル車を受注して、
販社10からリサイクル車受注(受付No、車種)(H
C1)と発注者要求仕様(HC2)の情報を受信したときには、データベースDB(C)に、前記受信データのうちの必要なデータを入力する。 次に、ストック場12
に対して、中古車発注(受付No、車種)(SCc1)
の情報を出力し、ストック場12からRC用中古車の車体No. 、受付No. (SA5)の情報を受信後、再生工場13に対して、リサイクル車発注(受付No、車体No)(KCc1)と発注者要求仕様(KCc2)の情報を出力する。
【0180】そして、再生工場13から工場搬入日(K
C6)の情報を受信後、ストック場12に対して、工場搬入日(車体No.)(SCc2)の情報を出力し、次に、ストック場12から再生工場移管(SA3)の情報を受信し、次に、再生工場12から、中古車受領(受付No.、車体No.)(KC10)の情報を受信し、次に、ストック場12で選択した中古車と、再生工場13
が受領した中古車とが同一のものか否かのチェックを行い、その後、データベースDB(A)及びデータベースDB(C)のデータに必要な変更を加える。
【0181】次に、図27に示すように、再生工場13
から前記受領した中古車がその2次検査で合格した旨の検査合格(KC3)の情報を受信せずに、検査不合格(KC2)の情報を受信したときには、再発注フラグS
をS=1にセットし、かつデータベースDB(C)の該当する受付Noのものの車体Noのデータ等を消去して、B6のフローへ移行する。 一方、検査合格(KC
3)の情報を受信後、再生工場13から、部品発注(部品リスト)(KC7)の情報を受信すると、中古部品管理センター14に対して、中古の諸部品を発注する旨の部品発注(部品リスト、発送先)(UBCc1)の情報を出力するともに、新品部品管理センター15 に対して、新品の諸部品を発注する旨の部品発注(部品リスト、発送先)(NBCc1)の情報を出力する。
【0182】次に、再生工場13が部品を受領後、再生工場13から部品受領(部品リスト)(KC4)の情報を受信すると、発注部品リストと受領部品リストとに基いて、全部品の一致をチェックする。 尚、部品の一部が一致していない場合には、その旨の情報を再生工場13
に出力し、注意を喚起することになる。 次に、ストック場12から供給された1次検査費と、再生工場13から供給された2次検査費及び修理費と、新品部品管理センター15から供給された新品部品費とに基いて合計修理費を算出し、その合計修理費に、予め設定された所定の利益とを諸費用含む固定必要費を加算して請求額を算出し、その請求書の情報を販社10へ出力する。 次に、再生工場13においてリサイクル車を製造して販社10へ移送し、再生工場13から完成リサイクル車販社移送(KC5)の情報を受信し、その後販社10から完成リサイクル車受領(HC3)の情報を受信することになる。
【0183】次に、販社10において発注者からクレームが付き、完成リサイクル車に対して部分的に修正を施す場合には、販社10から、再発注依頼(HC5)と再発注要求仕様(HC6)の情報を受信する。 その受信後には再発注フラグSをS=2をセットし、B6のフローへ移行する。 一方、発注者からクレームがなく、再発注依頼(HC5)と再発注要求仕様(HC6)の情報を受信しない場合には、販社10から納車完了(HC4)の情報を受信することになる。 その受信後、データベースDB(A)及びデータベースDB(C)から、前記リサイクル車になった中古車のデータを消去する。
【0184】10)B4〔リサイクル用検査・修理作業フロー〕(再生工場)・・・図28、図29参照 統括センター11のM/Cから、リサイクル車発注(受付No.、車体No.)(KCc1)と発注者要求仕様(KCc2)の情報を受信し、次に、M/Cに対して、
リサイクル車発注受信(KC1)とリサイクル用の中古車を再生工場13へ搬入する工場搬入日(KC6)と発注者要求仕様受信(KC8)とリサイクル車納入日(K
C9)の情報を出力する。 次に、ストック場12から中古車が搬入されると、M/Cに対して中古車受領(KC
10)の情報を出力し、次に、その受領したリサイクル用の中古車に対する2次検査のうちのP/T系と車体に関する再生可能性判別検査を実施する(これについては、後述する)。
【0185】次に、前記再生可能性判別検査の結果、車体とP/T系とが再生可能性を有して合格の場合には、
M/Cに対して検査合格(KC3)を出力し、次に、前記2次検査のうちの残りの検査を実施し、次に、交換部品をリストアップして、中古車部品リストと新品部品リストを作成し、M/Cに対して、部品発注(中古部品リスト、新品部品リスト)(KC7)の情報を出力する。
一方、前記再生可能性判別検査の結果、車体又はP/T
系の劣化度合いや故障度合いが著しく、車体又はP/T
系が不合格と判定された場合には、その不合格中古車を廃車場16へ移送し、M/Cに対して、検査不合格廃車場移送(KC2)の情報を出力し、その後ストック場1
2から再発注中古車を受領したときには、M/Cに対して中古車受領(KC10)の情報を出力し、それ以降は、前記と同様のステップを実行する。
【0186】発注した諸中古部品と諸新品部品とを受領したときには、全部品を受領したか否か確認し、全部品があるときには、M/Cに対して部品受領(KB4)の情報を出力し、次に、前記2次検査済みの中古車に対する修理を実施する。 尚、この修理については後述する。
次に、前記修理を完了してリサイクル車が完成したときには、完成リサイクル車の性能試験を実施し、その性能試験のデータを作成し、次に、完成リサイクル車を販社10へ移送し、M/Cに対してRC車販社移送(KC
5)を出力し、次に、M/Cに対して、2次検査費と修理費と試験費と試験結果データ(KC11)の情報を出力する。
【0187】次に、再生工場13の検査工場13aにおいて実行する検査及び修理の内容について説明する前に、前記販社10とストック場12と検査工場13bにおいて中古車に施す検査の内容と検査結果の対策等を、
表7と表8に整理してある。
【0188】
【表7】
【0189】
【表8】
【0190】ここで、再生工場13で実施する2次検査の具体的内容について説明し、その後再生工場13で実施する修理の具体的内容について説明する。 2次検査の具体的内容・・・・図30参照図30により説明すると、再生工場13の検査工場13aのP/T系検査ステーション20にリサイクル用の中古車の搬入前に、予め、その中古車を実走行検査により検査して、走行機能系に異常が有るか無いかを検査しておき、異常がある場合には、以下の各検査ステーションにおける検査でその異常個所についても十分に検査することとする。
【0191】その後、中古車をP/T系検査ステーション20に搬入後、そのステーションにてP/T系について、シャシーダイナモメータ、燃費測定装置、及びその他種々の測定機器類を用いて検査し、出力馬力、トルク特性、燃費、排気ガス濃度、潤滑性能、冷却性能、変速機性能、異常振動、その他燃料系、排気系、点火系等々の各部品や機器の性能や異常について検査し、同時に、
制動系についても検査し、その修理に要する修理費Aを見積もる。 尚、点火プラグは、P/T系修理ステーション(図11参照)において常に新品部品と交換することとし、また、制動装置のブレーキパッドは、検査の結果交換交換必要ある場合には、新品のブレーキパッドに交換するものとする。 そのP/T系検査の結果、P/T系の異常や劣化・損傷・摩耗・異常振動の程度が著しくて再使用に適さないと判定した場合には、廃車に決定し、
それ以降の検査を実施することなく廃車場16へ移送する。 但し、ベルト・チェーン類、パイプ・ホース類、ギヤ類、触媒コンバータ、排気管等の諸部品であって、エンジン本体や変速機を分解することなく交換可能な諸部品が再使用可能でない場合には、修理段階において修理することになる。
【0192】次に、前記P/T系検査の結果、P/T系が再使用可能であると判定された中古車を車体歪み検査ステーション21に移送して、前記車体外形輪郭検査装置50(図12参照)を用いて、車体の外形輪郭を検査するとともに、目視検査により車体の歪み具合についても検査し、検査により検出した比較的軽微な凹損等があればそれを修理する修理費Bを見積もる。 前記車体歪み検査の結果、大きな修理を要する車体歪みがあり、車体歪みの観点からまた修理費が高価となって採算性が低下するため、再使用不可能であると判定した場合には、廃車に決定し、それ以降の検査を実施することなく廃車場16へ移送する。 更に、フロントとリヤのウインドガラスが損傷していないか否か検査し、何れかが損傷している場合には、廃車に決定し、それ以降の検査を実施することなく廃車場16へ移送する。
【0193】次に、車体歪み検査の結果、再使用可能であると判定された中古車を、車体剛性検査ステーション22に移送して、前記車体剛性検査装置70(図13参照)を用いて、車体に所定以上の捩じりモーメントを付加して車体の捩じり量を測定するとともに、油圧シェーカを用いて車体の曲げ剛性を検査し、捩じり剛性と曲げ剛性検査時に発生する異音についても検査し、修理を要する場合にはその修理の修理費Cを見積もる。 次に、前記車体剛性検査の結果、車体剛性が十分でなく、再使用に適さないと判定した場合には、廃車に決定し、それ以降の検査を実施することなく廃車場16へ移送する。 前記車体剛性検査の結果、再使用可能であると判定した場合には、中古車を懸架・操舵系検査ステーション23に移送する。 尚、以上の3つの検査(P/T系検査と車体歪み検査と車体剛性検査)とが再使用可能性判別検査に相当するものである。
【0194】次に、懸架・操舵系検査ステーション23
において、ロードシュミレータ等を用いてサスペンション系の性能(横剛性、ラバーブッシュの劣化状態、スプリングの弾性力、等)を検査し、ホイールアライメント測定装置等によりホイールアライメントを測定し、また、手動操作等により操舵系の性能(ギヤのガタツキ、
操作力、等)を検査し、また、これらに要する修理の修理費Dを見積もる。 尚、サスペンション装置のダンパーは、原則として、新品ダンパーに交換する関係上、ダンパーについての検査は省略する。
【0195】次に、中古車を電気・制御系検査ステーション24に移送して、制御系のマイクロコンピュータに異常が有るか無いかを、ダイアグノスティック装置等により検査するとともに、電動的に駆動される種々の機能機器等(パワーウインド、ワイパー、トランクオープナー、パワードアロック、メータ類、オーディオ類、電動ミラー、ランプ類、スイッチ類、ランプリフレクター、
等々)の作動状態を検査し、交換される諸部品(但し、
交換される諸機器を含む)をリストアップするとともに、交換部品の部品費を含むその修理に要する修理費E
を見積もる。
【0196】次に、電気・制御系が再使用に耐えるか否か判定し、インストルメントパネルの交換が必要であるとか、何れかのマイクロコンピュータを交換必要であるとかにより修理費が高額になるような場合には、再使用不可能であると判定して廃車に決定し、それ以降の検査を実施することなく廃車場16へ移送する。 電気・制御系が再使用に耐える場合には、中古車を内装品検査ステーション25に移送して、主として目視検査や作動確認検査により、内装品を検査し、交換する内装品をリストアップし、交換せずに修理する内装品とその修理内容をリストアップし、部品費を含めて修理に要する修理費F
を見積もる。 尚、この内装品には、シート、トリム、フロアマット、サービスマット、トップシーリング、シートベルト、等々が含まれる。
【0197】次に、中古車を外装品検査ステーション2
6に移送して、ドアガラス類、サンルーフ、モール類、
シール類、ホイール及びタイヤ、等々の外装品について、主として目視検査により検査し、交換すべき交換部品をリストアップし、部品費を含めてその修理に要する修理費Gを見積もる。 次に、前記各検査ステーションで見積もった修理費A〜Gの合計修理費が予め設定された所定額KT(KTは、例えば、20万円)以下か否か判定し、合計修理費が所定額KTよりも大きくなる場合には、その中古車を廃車に決定し、廃車場16に移送する。 この場合には、前記車体とP/T系が不合格となった場合と同様に、代わりの中古車を、統括センター11
のM/Cを介して、ストック場12に対して再発注することになる。
【0198】次に、前記合計修理費が所定額KT以下か否かの判定後に、車検項目の検査を実施するが、この検査は、通常の車検項目の検査と同様である。 但し、この段階において、中古車に対する修理が未だ実施されていないため、この車検項目の検査は暫定的なものであり、
後述のように修理工場13bにおいて修理を施して完成させた状態において最終的な性能試験(但し、最終的な車検項目の検査を含む)が実施される。
【0199】このように、合計修理費が所定額KTよりも大きくなる場合に、廃車にするのは、リサイクル車の販売価格を低く設定してコストパーフォーマンスを高く維持する為、また、リサイクル車製造の採算性の低下を防止する為である。 例えば、前記のように合計修理費が20万円以下の中古車のみを対象として再生する場合には、合計修理費に、予め設定した所定の利益と諸費用とを加算しても、同等の装備を有する新車の価格の約1/
10程度(例えば、30万円)の極めて低価格のリサイクル車を販売可能となるから、リサイクル車のコストパーフォーマンスは、新車や高価な中古車のコストパーフォーマンスよりも格段に高くなって需要も多くなり、リサイクル車製造の事業が十分な採算性でもって成立することになる。 また、従来、スクラップ化されていた中古車及びそれら中古車から回収した中古部品等を有効活用して実用性に優れるリサイクル車を提供することができる。 尚、ここで、前記所定額KTは、予め車種毎に夫々設定された所定額でもよいし、又は、車種によらず一定に設定された所定額でもよいし、又は、リサイクル車の価格競争力のある販売価格から、所定の利益と諸費用等の固定必要費を差し引いた額であってもよい。
【0200】尚、ここで、変形例について説明すると、
前記のように、合計修理費の制限で不合格とする場合には、検査工場13aで実施する検査が無駄になることから、極力早期の段階で不合格判定できれば、検査の無駄が改善されることになる。 そこで、前記修理費Aが予め設定された所定額A0以上のときに、廃車にすることとし、また、修理費Bが所定額B0以上のとき、又は修理費Aと修理費Bとの小計修理費(A+B)が予め設定された所定額AB0以上のときに廃車にすることとし、また、修理費Cが予め設定された所定額C0以上のとき、
又は小計修理費(A+B+C)が予め設定された所定額ABC0以上のときに廃車にすることとし、また、小計修理費(D+E)が予め設定された所定額DE0以上のとき、又は小計修理費(A+B+C+D+E)が予め設定された所定額以上のときに、廃車にすることとする。
このようにすると、早期に不合格判定を行って、無駄に検査するのを極力少なくすることができる。
【0201】修理工場における修理工程・・・・図31
参照 次に、再生工場13の修理工場13bにおいて2次検査済みの中古車に対して施す修理の修理工程について図3
1に基いて説明する。 但し、修理の内容自体は、主として前記2次検査の結果必要とされる修理であり、また、
一般の自動車修理会社で実施されているような修理であるので、その詳細な説明は省略する。 図31において、
前記中古車がP/T系修理ステーション30に移送されると、P/T系に対する修理が実施され、次に、車体修理ステーション31において、車体の比較的軽微な凹損等のマイナーな修理が実施され、次に、懸架・操舵系修理ステーション32において、懸架系と操舵系に対する修理が実施され、次に、内装品・外装品取外しステーション33において交換する必要のある内装品と取り外し可能な外装品の取外しが実施され、更に、このステーションにおいて、車体の外面以外の部分やその他の防錆処理の必要な部位に、少なくとも所定期間(例えば、3
年)の期間保証可能な防錆処理が施される。
【0202】次に、外面塗装ステーション34において、発注者要求仕様に基いて車体外面の全面に対する塗装を実施する。 この外面塗装は、全部の再生対象の中古車に実施されるもので、この外面塗装を施すことにより、リサイクル車は、新車同様の外観となる。 尚、外面塗装を安価に施工する方法として、従来周知のスプレー塗装方式による塗装の他に、合成樹脂膜の片面に予め塗膜又は塗膜としての色付きの合成樹脂皮膜を形成した塗膜シートを準備しておき、車体外面のルーフ、ボンネット、左右のフロントフェンダー、トランクリッド、左右のリヤフェンダー、サイドドア外面、等の塗装区画毎に、所定の大きめのサイズに裁断した塗膜シートの塗膜側を車体面に接着し、その後塗膜シートの表面の合成樹脂膜を剥離する方法で車体外面に塗装膜を形成するようにしてもよい。
【0203】次に、外装品取付けステーション35において、取外した外装品や交換した外装品の取付けが実施され、次に、交換内装品取付けステーション36において、交換する必要のある内装品の取付けが実施され、次に、電気・制御系整備ステーション37において、電気的に駆動される各種の機能機器、電気系、制御系に対する修理、マイクロコンピュータ等を含む制御系を劣化補償する調整処理が実施される。 次に、洗浄ステーション38において、中古車の下部や下面側の洗浄必要部位に対する洗浄処理が実施され、次に、オイル塗布ステーション39において各種潤滑部に対する潤滑オイル塗布が実施され、次に、オイル充填ステーション40において、エンジンオイルやミッションオイルやデフオイル等のオイルを交換するオイル充填処理が実施され、これにより、リサイクル車が完成する。 そして、この完成したリサイクル車は、所定期間(例えば、3年)の使用を保証し得るものとなる。
【0204】次に、完成車性能試験ステーション41において、その完成リサイクル車に対する性能試験が実施されるが、これは、最終的な車検項目検査を含むものであり、この性能試験結果の諸データは、M/Cへ出力される。 そして、最後に、完成リサイクル車が販社10へ移送される。 但し、前記性能試験には、実走行試験、P
/T系の性能試験、懸架系の性能試験、制動系の試験、
種々の機能機器の作動試験等が含まれる。
【0205】11)B5〔データ消去管理フロー〕(統括センター)・・・図32参照 統括センター11において、そのM/Cがストック場1
2から、廃車場移管(SA2)の情報を受信したときには、廃車場16から中古車受領(BA1)の情報を受信したか否か判定し、受信していないときは、中古車未着(SCc3)の情報をストック場12に出力し、中古車受領(BA1)の情報を受信したときには、廃車場16
に移送された中古車の車体No. とストック場12から移送するとされた中古車の車体Noとが一致するか否かチェックし、その後、データベースDB(A)の対応するデータを消去する。
【0206】一方、廃車場移管(SA2)の情報を受信しないとき、不合格廃車場移管(KC2)の情報を受信したときには、廃車場16から中古車受領(BA1)の情報を受信したか否か判定し、中古車受領(BA1)の情報を受信したときには、再生工場13から移送された中古車と、廃車場16にて受領した中古車とが一致するか否か車体No. をチェックし、次に、データベースD
B(C)の対応する車体Noのデータを消去し、次に、
データベースDB(A)の対応するデータを消去する。
【0207】12)B6〔再発注管理フロー〕(統括センター)・・・図33参照 再発注としては、再生工場13における2次検査の結果、その中古車が不合格となったときの再発注(フラグS=1)と、完成リサイクル車に発注者からクレームがついて追加修理を要する場合の再発注(フラグS=2)
との2種類の再発注がある。 再発注フラグSがS=1の場合には、ストック場12に対して、中古車発注(受付No、車種)(SCc1)の情報を出力し、次に、ストック場12からRC用中古車車体No、受付No(SA
5)の情報を受信したときには、再生工場13に対して、リサイクル車発注(受付No.、車体No.)(K
Cc1)の情報を出力する。
【0208】次に、再生工場13から工場搬入日(KC
6)の情報を受信してから、ストック場12に対して、
工場搬入日(車体No)(SCc2)の情報を出力し、
ストック場12からの再生工場移管(SA3)と再生工場13からの中古車受領(受付No.、車体No.)
(KC10)の情報を受信したか否か判定し、受信しないときには、ストック場12に対して、中古車未着(S
Cc3)の情報を出力し、また、受信したときには、中古車の一致をチェックし、データベースDB(A)とデータベースDB(C)の変更の必要のあるデータを変更し、次に、フラグSをリセットする。
【0209】一方、再発注フラグSがS=2の場合には、再生工場13に対して、再発注要求仕様(KCc
3)の情報を出力し、次に、再生工場13から工場搬入日(KC6)を受信後、販社10に対して、再発注RC
車工場移送指令(HCc2)の情報を出力し、次に、再生工場13から中古車受領(KC10)の情報を受信後、データベースDB(A)とデータベースDB(C)
の変更の必要のあるデータを変更し、次に、フラグSをリセットする。
【0210】13)B7〔中古部品供給作業フロー〕
(中古部品管理センター)・・・図34参照 統括センター11のM/Cから、部品発注(部品リスト)(UBCc1)の情報を受信したとき、M/Cに対して、部品発注受信(UBC1)の情報を出力し、次に、前記データベース(U)のデータに基いて、サブコンピュータにより、発注された部品リストの部品種類毎に、同種の複数部品のうちの総合評価が高いものから優先的に選択して発送すべき部品を決定し、次に、発注された部品リストの全中古部品を再生工場13に移送し、
次に、前記中古部品の発送に応じて保管中古部品に変更が生じるため、データベース(U)のデータを変更する。
【0211】14)B8〔新品部品供給作業フロー〕
(新品部品管理センター)・・・図35参照 統括センター11のM/Cから、部品発注(部品リスト)(NBCc1)の情報を受信後、M/Cに対して、
部品発注受信(NBC1)の情報を出力し、次に、発注された新品部品の全部品を再生工場13へ移送し、次に、M/Cに対して、部品発送(NBC2)の情報を出力し、次に、この部品発送に応じて保管している新品部品に変更が生じるため、データベースDB(N)のデータを変更し、次に、M/Cに対して、発送した新品部品の新品部品費(NBC3)の情報を出力する。 尚、図3
5のフローとは別に、新品部品管理センター15は、各種部品毎にストック数が所定数より減少する毎に、外部の部品メーカーに対して部品発注を行う。 但し、統括センター11を介して、外部の部品メーカーに対して部品発注を行うようにしてもよい。
【0212】15)C1〔リビルト車受注作業フロー〕
(販社)・・・図36、図37参照 販社10は、リビルト車パンフレットにより受注活動を行い、発注者があった場合には、受付No. 、そのリビルトに供する中古車の管理情報、発注者要求仕様を決定し、次に、統括センター11のM/Cに対して、リビルト車受注(受付No.、車種、車体No.)(HB1)
と発注者要求仕様(HB2)と中古車管理情報(HB
3)の情報を出力する。 次に、M/CからRB用中古車の工場搬入日(HBc2)の情報を受信後、工場搬入日になったときには、RB用中古車を再生工場13に移送する。 次に、M/Cから、検査結果、見積書(HBc
1)の情報を受信してから、その見積書の金額を参考にしつつ、発注者と協議して、発注者要求追加仕様を決定し、次に、M/Cに対して、発注者要求追加仕様(HB
4)を出力する。
【0213】次に、図37に示すように、再生工場13
において発注者所有の中古車に対して検査と修理を施してリビルト車が完成し、それが販社10に移送され、販社10において受領すると、完成リビルト車受領(HB
5)の情報をM/Cに対して出力する。 次に、完成リビルト車について発注者の検収を受け、クレームがついた場合には、M/Cに対して、再発注依頼(HB6)と再発注要求仕様(HB7)の情報を出力し、次に、一旦完成したリビルト車を再発注リビルト車として再生工場1
3へ移送する。 これに対して、発注者のクレームがない場合には、M/Cに対して、納車完了(HB8)の情報を出力する。
【0214】16)C2〔リビルト車受注・発注管理フロー〕(統括センター)・・・図38、図39、図40
参照 図39に示すように、販社10から、リビルト車受注(受付No.、車種、車体No.)(HB1)と発注者要求仕様(HB2)の情報を受信後、データベースDB
(B)にデータを入力し、次に、再生工場13に対して、リビルト車発注(KBc1)と発注者要求仕様(K
Bc2)の情報を出力し、次に、再生工場13から、リビルト車発注受信(KB1)と発注者要求仕様受信(K
B8)と工場搬入日(KB9)の情報を受信後、販社1
0に対して工場搬入日(HBc2)の情報を出力する。
【0215】次に、再生工場13からRB用中古車受領(KB10)の情報を受信し、次に、再生工場13から、検査結果(検査費、修理費)(KB2)と部品発注(部品リスト)(KB6)とリビルト車納入日(KB
7)の情報を受信する。 次に、前記検査結果(検査費、修理費)の情報に基いて、リビルト車の見積書を作成し、次に、データベースDB(B)に追加的にデータを入力し、次に、販社10に対して、検査結果、見積書(HBc1)の情報を出力する。 次に、図39に示すように、販社10から発注者要求追加仕様(HB4)の情報を受信し、それに応じて再度データベースDB(B)
に追加的にデータを入力し、次に、再生工場13に対して、発注者要求追加仕様(KBc3)の情報を出力し、
次に、再生工場13から追加部品発注(部品リスト)
(KB9)の情報を受信し、それに応じて、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15に対して、
夫々、(中古)部品発注(UBCc1)と(新品)部品発注(NBCc1)を出力する。
【0216】次に、再生工場13から部品受領(KB
4)の情報を受信後、発注部品リストと受領部品リフトとに基いて全部品の一致をチェックし、次に、リビルト車の製造の対価としての請求書を作成して、販社10に請求書(HBc3)の情報を出力し、次に、再生工場1
3から完成リビルト車販社発送(KB5)の情報を受信する。 その後、販社10から完成リビルト車受領(HB
5)の情報を受信する。 次に、販社10において発注者の検収を受けて追加の修理が必要の場合には、販社10
から統括センター11に対して、再発注依頼と再発注要求仕様が出力され、M/Cが、その再発注依頼(HB
6)と再発注要求仕様(HB7)の情報を受信した場合には、図40のフローに移行する。 そして、発注者の検収の結果、追加の修理が必要がない場合には、納車完了(HB8)の情報を受信し、その受信後、データベースDB(B)の対応するデータを消去することになる。
【0217】次に、図40に示すように、M/Cが、前記再発注依頼(HB6)と再発注要求仕様(HB7)の情報を受信した場合には、再生工場13に対して、再発注要求仕様(KBc4)を出力し、次に、工場搬入日(KB9)を受信後、販社10に対して、再発注RB車工場移送指令(HBc4)を出力し、次に、再生工場1
3から中古車受領(KB10)の情報を受信後、データベースDB(B)のデータを変更する。
【0218】17)C3〔リビルト用検査・修理作業フロー〕(再生工場)・・・図41、図42参照 統括センター11のM/Cから、リビルト車発注(KB
c1)と発注者要求仕様(KBc2)の情報を受信後、
M/Cに対して、RB用中古車を工場へ搬入する工場搬入日(KB9)を出力し、その後その中古車が搬入されたときには、M/Cに対して、中古車受領(KB10)
の情報を出力し、次に、再生工場13において、主として発注者要求仕様で指定された検査を実施する。 但し、
再生工場13の判断にて実施する検査項目もある。
【0219】次に、前記検査の結果と発注者要求仕様に基いて、交換する必要のある交換部品をリストアップし、中古部品リスト、新品部品リスト、検査費・修理費を算出し、次に、M/Cに対して、検査結果(検査費、
修理費)(KB2)と部品発注(中古部品リスト、新品部品リスト)(KB6)とリビルト車納入日(KB7)
の情報を出力する。 次に、M/Cから、発注者要求追加仕様(KBc3)の情報を受信後、M/Cに対して、
追加仕様受信(KB3)の情報を出力し、次に、M/C
に対して、追加部品発注(中古部品リスト、新品部品リスト)(KB11)と追加検査・修理費(KB12)の情報を出力する。
【0220】次に、図42に示すように、追加部品の全部品を受領したときには、前記検査結果と発注者要求仕様とに基いてリビルト用の修理を施してリビルト車を完成させ、その完成リビルト車について前記リサイクル車と同様に、性能試験を実施し、次に、完成リビルト車を販社10へ移送し、次に、RB車販社移送(KB5)の情報をM/Cに出力し、次に、M/Cに対して、検査費、修理費、試験費、試験結果の情報を出力する。
【0221】次に、以上説明したリサイクル車及びリビルト車の製造システムであって、製造方法を含む製造システムの変形例について説明する。
【0222】〔1〕図43に示すように、前記ストック場12、中古部品管理センター14と、新品部品管理センター15と、廃車場16、廃棄場17、スクラップ処理場18を省略し、前記ストック場12が分担していた機能を販社10に分担させ、また、前記廃車場16と廃棄場17とスクラップ処理場18が分担していた機能を、1又は複数の外部の廃車解体業者に分担させ、この製造システムの必要最小限の構成要素として、1又は複数の販社10と、統括センター11と、再生工場13とが設けられ、統括センター11のマザーコンピュータ(M/C)には、このシステムに必要なデータベースが設けられ、このM/Cは、販社10のサブコンピュータと、再生工場13のサブコンピュータと、外部の廃車解体業者のサブコンピュータと、複数の部品メーカーのサブコンピュータとにオン・ライン接続されている。 但し、外部の廃車解体業者と複数の部品メーカーに対しては、発注書類等で情報交換するように構成してもよい。
【0223】この製造システムにおいて、販社10は、
前記実施例の販社10と略同様の構成を有して略同様の作業を分担する。 外部の廃車解体業者は、販社10又は統括センター11との契約に基いて、また、統括センター11からの発注に基いて、廃車の解体により回収した種々の再使用な中古部品を再生工場13に対して安定的に供給するものとする。 再生工場13は、前記実施例の再生工場と同様に、RC用中古車を再生してリサイクル車を製造したり、また、RB用中古車を修理してリビルト車を製造したりするが、基本的に前記実施例の再生工場13と略同様の構成であり、前記実施例の再生工場1
3と略同様の検査工場13aと修理工場13bとを有し,前記と同様に検査と修理を実行する。
【0224】販社10は、リサイクル車を受注した際、
その受注した車種の中古車であって、中古車市場における評価価値が予め設定された所定額(但し、所定額は、
零、又は所定の低額である)以下の中古車を、自らのストック場又は外部の販社等から調達して、再生工場13
に供給する。 統括センター11は、前記実施例と略同様に、リサイクル車の製造、リビルト車の製造に関する情報統括を、販社10と、再生工場13と、廃車解体業者と、複数の部品メーカーに対して行う。
【0225】この統括センター11のM/Cのデータベースとしては、少なくとも、前記データベースDB
(C)と、前記データベースDB(B)を有することが望ましく、更に、図44に示すように、複数車種の自動車の各車種毎に、自動車の部品表のデータベースDB
(P)を設け、部品発注時に、このデータベースDB
(P)から交換必要な諸中古部品と諸新品部品の部品発注リストを作成するように構成してもよい。 尚、交換必要な諸中古部品と諸新品部品の部品リストは、再生工場13から供給され、統括センター11は、廃車解体業者と、複数の部品メーカーに対して部品発注を行う。
【0226】〔2〕図45に示すように、前記中古部品管理センター14と、新品部品管理センター15と、廃車場16、廃棄場17、スクラップ処理場18を省略し、前記廃車場16と廃棄場17とスクラップ処理場1
8が分担していた機能を、1又は複数の外部の廃車解体業者に分担させ、この製造システムの必要最小限の構成要素として、1又は複数の販社10と、1又は複数のストック場12と、統括センター11と、再生工場13とが設けられ、統括センター11のマザーコンピュータ(M/C)には、このシステムに必要なデータベースが設けられ、このM/Cは、販社10のサブコンピュータと、ストック場12のサブコンピュータと、再生工場1
3のサブコンピュータと、外部の廃車解体業者のサブコンピュータと、複数の部品メーカーのサブコンピュータとにオン・ライン接続されている。 但し、外部の廃車解体業者と複数の部品メーカーに対しては、発注書類やF
axや電話等で情報交換するように構成してもよい。
【0227】この製造システムにおいて、販社10は、
前記実施例の販社10と略同様の構成を有して略同様の作業を分担する。 外部の廃車解体業者は、販社10又は統括センター11との契約に基いて、また、統括センター11からの発注に基いて、廃車の解体により回収した種々の再使用な中古部品を再生工場13に対して安定的に供給するものとする。 再生工場13は、前記実施例の再生工場と同様に、RC用中古車を再生してリサイクル車を製造したり、また、RB用中古車を修理してリビルト車を製造したりするが、基本的に前記実施例の再生工場13と略同様の構成であり、前記実施例の再生工場1
3と略同様の検査工場13aと修理工場13bとを有し,前記と同様に検査と修理を実行する。
【0228】販社10は、リサイクル車を受注した際、
その受注した車種の中古車であって、中古車市場における評価価値が予め設定された所定額(但し、所定額は、
零、又は所定の低額である)以下の中古車を、ストック場12又は外部の販社等から調達して、再生工場13に供給する。 尚、この場合、中古車市場における競売の評価額に基いて、前記所定額の評価を行ってもよい。 統括センター11は、前記実施例と略同様に、リサイクル車の製造、リビルト車の製造に関する情報統括を、販社1
0と、ストック場12、再生工場13と、廃車解体業者と、複数の部品メーカーに対して行う。
【0229】この統括センター11のM/Cのデータベースとしては、少なくとも、前記データベースDB
(C)と、前記データベースDB(B)を有することが望ましく、更に、図44に示すように、複数車種の自動車の各車種毎に、自動車の部品表のデータベースDB
(P)を設け、部品発注時に、このデータベースDB
(P)から交換必要な諸中古部品と諸新品部品の部品発注リストを作成するように構成してもよい。 尚、交換必要な諸中古部品と諸新品部品の部品リストは、再生工場13から供給され、統括センター11は、廃車解体業者と、複数の部品メーカーに対して部品発注を行う。
【0230】〔3〕図示省略するが、前記実施例の図1
の製造システムにおいて、廃棄場17と、スクラップ処理場18が省略され、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15又はその代わりの部品管理センターが設けられ、廃棄場17と、スクラップ処理場18が分担する業務は、外部の廃棄物処理業者により分担されるように構成する。 つまり、この製造システムは、販社10と、ストック場12と、統括センター11と、再生工場13と、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15又はその代わりの部品管理センター、廃車場16とで構成される。
【0231】前記販社10と、ストック場12と、統括センター11と、再生工場13と、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15、廃車場16等の構成及びその業務は、前記実施例と略同様である。 前記中古部品管理センター14と新品部品管理センター15の代わりの部品管理センターは、自動倉庫システムを備えており、廃車場16から供給される種々の中古部品を保管・管理するとともに、複数の部品メーカーから供給される種々の新品部品を保管・管理し、統括センター11
からの発注に応じて、再生工場13に供給する。
【0232】〔4〕図示省略するが、前記実施例の図1
の製造システムにおいて、スクラップ処理場18が省略され、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15又はその代わりの部品管理センターが設けられ、
前記スクラップ処理場18が分担する業務は、外部の廃棄物処理業者により分担されるように構成する。 つまり、この製造システムは、販社10と、ストック場12
と、統括センター11と、再生工場13と、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15又はその代わりの部品管理センター、廃車場16と、廃棄場17とで構成される。 前記販社10と、ストック場12と、統括センター11と、再生工場13と、中古部品管理センター14と新品部品管理センター15、廃車場16、廃棄場17等の構成及びその業務は、前記実施例と略同様である。 前記中古部品管理センター14と新品部品管理センター15の代わりの部品管理センターは、自動倉庫システムを備えており、廃車場16から供給される種々の中古部品を保管・管理するとともに、複数の部品メーカーから供給される種々の新品部品を保管・管理し、統括センター11からの発注に応じて、再生工場13に供給する。
【0233】〔5〕前記実施例では、統括センター11
のM/Cには、中古部品管理センター14にて保管している部品情報(データベースDB(U)の情報)及び新品部品管理センター15にて保管している部品情報(データベースDB(N)の情報)と、廃車場16にて仮保管している部品情報(データベースDB(H)の情報)
とを格納していないが、リサイクル車とリビルト車の製造の為の情報統括の観点からは、統括センター11のM
/Cに、中古部品管理センター14にて保管している部品情報と、新品部品管理センター15にて保管している部品情報と、廃車場16にて仮保管している部品情報とを格納しておくことが望ましい。
【0234】この場合、中古部品管理センリー14と新品部品管理センター15と廃車場16では、夫々のサブコンピュータにデータベースを保有する必要がなくなり、また、M/Cにより、中古部品管理センター14や新品部品管理センター15の不足部品を演算して、統括センター11から、廃車場16や部品メーカーに対して不足部品の部品発注を行うことが可能になる。 このことは、前記変形例〔3〕、〔4〕の製造システムにおいても同様であり、部品管理センターにて保管中の部品情報をM/Cに格納しておくことが望ましい。
【0235】〔6〕中古車の車体の劣化程度は、車種毎に年式(つまり、使用期間)と比例する傾向があり、また、種々の装備品や機能機器や部品の各劣化程度は、各装備品や機能機器や部品の型式毎に概ね年式や走行距離と比例する傾向がある。 それ故、車種別に、車体の残存耐久性は、年式に基いて推定可能であり、また、中古の各装備品や機能機器や部品の残存耐久性は、型式別に、
年式や走行距離に基いて推定可能である。 そこで、車種別に、車体の残存耐久性と年式との相関特性を予め求めておき、その相関特性から、明らかに車体の剛性に問題がないと判る場合には、前記車体剛性検査を省略可能である。
【0236】また、種々の装備品や機能機器や部品については、型式別に、各装備品や機能機器や部品と、年式や走行距離との相関特性を予め求めておき、その相関特性から、明らかに、再使用可能であると判定される場合には、それらについての検査や修理を省略することが可能である。 こうした観点から、予め、車種別に検査の必要な検査必要項目リストと検査不要項目リストとを作成しておき、再生工場13の検査工場13aにおいては、
前記検査必要項目リストに基いて検査するようにしてもよく、また、各機器や部品についても、予め、機器や部品の種類や型式毎に検査必要項目リストと検査不要項目リストとを作成しておき、検査工場13aにおいては、
前記検査必要項目リストに基いて検査するようにしてもよい。
【0237】〔7〕前記実施例と略同様に、種々の車種の中古車の全構成部分を、検査結果に依らず交換しない非交換部分(例えば、車体、P/T系、制御系、インストルメントパネル、フロント及びリヤガラス)と、検査せずに新品部品と交換する新品交換部分(例えば、点火プラグ、ブレーキパッド、サスペンション装置のダンパー及びスプリング、シートカバー、フロアマット、車体外面塗装等)と、所定の検査の検査結果に応じて修理又は交換する検査対応部分(例えば、前記非交換部分と新品部品交換部分以外の部分)とに、予め分類しておき、
この分類に基いて各部分の検査を行うようにすることも可能である。 更に、前記検査対応部分は、検査により交換必要とされたときに新品部品と交換する複数の新品交換部品と、検査により交換必要とされたときに中古部品と交換する複数の中古交換部品とに、予め分類しておけば、検査結果に基いて、部品発注する際の部品発注業務を簡単化することが出来る。
【0238】〔8〕前記実施例では、車体歪み検査を、
車体外形輪郭検査装置50により実施することとしたが、車体歪み検査は、目視検査でも実施可能であるし、
また、その他の検査装置(例えば、3次元測定装置と略同様の外形輪郭測定装置等)によっても検査可能である。 同様に、車体剛性検査についても、前記実施例の車体剛性検査装置70以外の装置(例えば、油圧シェーカ等)で検査することも可能である。
【図1】実施例に係るリサイクル車及びリビルト車の製造システムの構成図である。
【図2】データベースDB(V)の説明図である。
【図3】データベースDB(A)の説明図である。
【図4】データベースDB(C)の説明図である。
【図5】データベースDB(B)の説明図である。
【図6】データベースDB(S)の説明図である。
【図7】データベースDB(U)の説明図である。
【図8】データベースDB(N)の説明図である。
【図9】データベースDB(H)の説明図である。
【図10】再生工場の検査工場の概略平面図である。
【図11】再生工場の修理工場の概略平面図である。
【図12】車体外見輪郭検査装置の斜視図である。
【図13】車体歪み検査装置の斜視図である。
【図14】中古車の平面図である。
【図15】種々の作業フローや管理フローの相関一覧図である。
【図16】販社が実行する中古車取得作業フローチャートである。
【図17】ストック場が実行する中古車管理作業フローチャートである。
【図18】図17のフローチャートの中古車選別処理ステップのフローチャートである。
【図19】統括センターが実行する中古車管理フローチャートである。
【図20】廃車場が実行する廃車用中古車受領作業フローチャートである。
【図21】廃車場が実行する分解・中古部品回収作業フローチャートである。
【図22】中古部品管理センターが実行する中古部品管理作業フローチャートである。
【図23】図22のフローチャートの保管中古部品評価選別処理のフローチャートである。
【図24】販社が実行するリサイクル車受注作業フローチャートである。
【図25】ストック場が実行するRC用中古供給作業フローチャートである。
【図26】統括センターが実行するリサイクル車受注・
発注管理フローチャートである。
【図27】図26のフローチャートに続くリサイクル車受注・発注管理フローチャートである。
【図28】再生工場が実行するリサイクル用検査・修理作業フローチャートである。
【図29】図28のフローチャートに続くリサイクル用検査・修理作業フローチャートである。
【図30】再生工場における2次検査と修理のうちの検査の概略工程図である。
【図31】図30の概略工程図に続く修理の概略工程図である。
【図32】統括センターが実行するデータ消去管理フローチャートである。
【図33】統括センターが実行する再発注管理フローチャートである。
【図34】中古部品管理センターが実行する中古部品供給作業フローチャートである。
【図35】新品部品管理センターが実行する新品部品供給作業フローチャートである。
【図36】販社が実行するリビルト車受注作業フローチャートである。
【図37】図36のフローチャートに続くリビルト車受注作業フローチャートである。
【図38】統括センターが実行するリビルト車受注発注管理フローチャートである。
【図39】図38のフローチャートに続くリビルト車受注発注管理フローチャートである。
【図40】図39のフローチャートに続くリビルト車受注発注管理フローチャートである。
【図41】再生工場が実行するリビルト車用検査・修理作業フローチャートである。
【図42】図41のフローチャートに続くリビルト車用検査・修理作業フローチャートである。
【図43】変形例に係るリサイクル車及びリビルト車の製造システムの構成図である。
【図44】データベースDB(P)の説明図である。
【図45】変形例に係るリサイクル車及びリビルト車の製造システムの構成図である。
10 販社 11 統括センター 12 ストック場 13 再生工場 13a 再生工場の検査工場 13b 再生工場の修理工場 14 中古部品管理センター 15 新品部品管理センター 16 廃車場 17 廃棄場 18 スクラップ処理場 50 車体外形輪郭検査装置 51 レーザ光投射装置 52 光学式読み取り装置 70 車体剛性検査装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 憲一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
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