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ハイブリッド車両の制御装置

阅读:621发布:2020-09-09

专利汇可以提供ハイブリッド車両の制御装置专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且エンジン始動制御時の駆動トルク変動を抑制可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。エンジン(Eng)およびモータジェネレータ(MG)を備え、EVモードから、第2クラッチCL2をスリップさせつつ、モータジェネレータMGの回転数を上昇させ、かつ、第1クラッチ(CL1)をスリップ締結状態としてエンジン(Eng)を始動させるエンジン始動制御(図12のフローチャートの処理)を実行するエンジン始動制御部と、第2クラッチ(CL2)を介して駆動輪(左右後輪RL,RR)に伝達される駆動トルクの上限値である上限駆動トルク(Tdrlim)を、EVモード時に、モータ回転数(Nmot)に加算回転数(N+)を加算した加算モータ回転数(Nad)に基づいて演算する上限駆動トルク演算部(600)と、を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。,下面是ハイブリッド車両の制御装置专利的具体信息内容。

車両の駆動源として設けられたエンジンおよびモータと、 前記駆動源から駆動輪への駆動トルク伝達系に設けられ、前記エンジンと前記モータとの間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第1クラッチ、および、前記モータと駆動輪との間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第2クラッチと、 前記第2クラッチを締結して前記モータの駆動により走行するEVモードから、前記第2クラッチをスリップさせつつ、前記モータの回転数を上昇させ、かつ、前記第1クラッチをスリップ締結状態として前記エンジンを始動させるエンジン始動制御を実行するエンジン始動制御部と、 前記第2クラッチを介して前記駆動輪に伝達される駆動トルクの上限値である上限駆動トルクを演算する上限駆動トルク演算部であって、前記EVモード時に、前記上限駆動トルクを、前記モータの回転数に加算回転数を加算した加算モータ回転数に基づいて演算する上限駆動トルク演算部と、 を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、前記加算回転数を、前記エンジン始動制御実行時の前記モータの回転数上昇分相当の回転数としたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、 前記加算モータ回転数に基づいてモータ上限トルクを演算するモータ上限トルク演算部と、 前記EVモード時に、前記モータ上限トルク演算部が演算したモータ上限トルクから、前記エンジン始動時の前記第1クラッチを介して前記エンジンに伝達されるトルク分を減算した値を前記上限駆動トルクとして演算するEV時上限駆動トルク演算部と、 を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記モータ上限トルク演算部は、前記加算モータ回転数と、前記エンジン始動制御時に使用可能な電力と、に基づいて、前記モータ上限トルクを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、前記エンジン始動制御の実行時に、前記モータ上限トルク演算部が演算したモータ上限トルクから、前記エンジン始動時の前記第1クラッチを介して前記エンジンに伝達されるトルク分を減算した値を、前記第2クラッチのトルク上限値である第2クラッチトルク上限値として演算する始動時上限駆動トルク演算部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。

車両の駆動源として設けられたエンジンおよびモータと、 前記駆動源から駆動輪への駆動トルク伝達系に設けられ、前記エンジンと前記モータとの間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第1クラッチ、および、前記モータと駆動輪との間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第2クラッチと、 前記第2クラッチを締結して前記モータの駆動力により走行するEVモードから、前記第2クラッチをスリップさせつつ、前記モータの回転数を上昇させ、かつ、前記第1クラッチをスリップ締結状態として前記エンジンを始動させるエンジン始動制御を実行するエンジン始動制御部と、 前記EVモード時に前記駆動輪に伝達される駆動トルクの上限値であって、前記第2クラッチの伝達トルク容量の上限値として用いる上限駆動トルクを、前記モータの回転数にエンジン始動時に加算する始動時スリップ回転数もしくは前記始動時スリップ回転数未満の回転数である加算回転数を加算した加算モータ回転数に基づいて演算する上限駆動トルク演算部と、 を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、前記加算回転数を、エンジン始動時に加算する始動時スリップ回転数相当の回転数としたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、 前記加算モータ回転数に基づいてモータ上限トルクを演算するモータ上限トルク演算部と、 前記EVモード時に、前記モータ上限トルク演算部が演算したモータ上限トルクから、前記エンジン始動時の前記第1クラッチを介して前記エンジンに伝達されるトルク分を減算した値を前記上限駆動トルクとして演算するEV時上限駆動トルク演算部と、 を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記モータ上限トルク演算部は、前記加算モータ回転数と、前記エンジン始動制御時に使用可能な電力と、に基づいて、前記モータ上限トルクを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、 前記上限駆動トルク演算部は、前記エンジン始動制御の実行時に、前記モータ上限トルク演算部が演算したモータ上限トルクから、前記エンジン始動時の前記第1クラッチを介して前記エンジンに伝達されるトルク分を減算した値を、前記第2クラッチのトルク上限値である第2クラッチトルク上限値として演算する始動時上限駆動トルク演算部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。

说明书全文

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関し、特に、エンジン始動制御前後の駆動トルクの制御に関する。

従来、パワートレーン系に、駆動源側から駆動輪側に向かって、エンジン、第1クラッチ、モータ、第2クラッチが直列に配置されたハイブリッド車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。 この従来技術では、エンジン始動時に、第1クラッチをスリップさせながらモータ回転をエンジンに伝達し、かつ、第2クラッチをスリップさせて、エンジン始動によるトルク変動が駆動輪側に伝達されないようにしている。 この従来技術では、駆動トルクの上限値を、モータ上限トルクに基づいて設定しており、また、EVモードにおけるモータ上限トルクと、エンジン始動中のモータ上限トルクとは、独立して設定していた。

特開2007−69817号公報

モータ上限トルクは、モータ回転数に基づいて設定するが、エンジン始動時に、第2クラッチをスリップさせながら、モータ回転数を上昇させるため、このモータ回転数の上昇に応じて、モータ上限トルクは低く設定される。 このため、エンジン始動時に、モータ上限トルクが低下することにより、駆動トルク上限値もエンジン始動前と比較して低下し、駆動トルクの低下を招くおそれがあった。

本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジン始動制御時の駆動トルク変動を抑制可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車両の制御装置は、 エンジンおよびモータを備え、EVモードから、第2クラッチをスリップさせつつ、モータの回転数を上昇させ、かつ、第1クラッチをスリップ締結状態としてエンジンを始動させるエンジン始動制御を実行するエンジン始動制御部と、 第2クラッチを介して駆動輪に伝達される駆動トルクの上限値である上限駆動トルクを演算する上限駆動トルク演算部であって、EVモード時に、前記上限駆動トルクをモータ回転数に加算回転数を加算した加算モータ回転数に基づいて演算する上限駆動トルク演算部と、 を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。

本発明では、上限駆動トルク演算部は、EVモード時に、駆動輪に伝達される駆動トルクの上限値である上限駆動トルクを、モータの回転数に加算回転数を加算した加算モータ回転数に基づいて演算するようにした。 このため、EVモード時の上限駆動トルクは、加算回転数を加算しないモータ回転数に基づいて演算したものと比較して低い値となる。 したがって、エンジン始動時に、モータ回転数を上昇させた際に演算される上限駆動トルクは、EVモード時の上限駆動トルクに対して低下するのを抑えることができる。 よって、エンジン始動制御時に、駆動トルクが低下するのを抑えることができる。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置が適用された後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置が適用されたハイブリッド車両の統合コントローラにて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。

前記統合コントローラでのモード選択処理を行う際に用いられるEV−HEV選択マップを示す図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置において目標駆動トルク演算部が目標駆動トルクを求めるときに用いる目標定常駆動トルク特性を示す駆動特性線マップである。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置において目標駆動トルク演算部がモータジェネレータのアシストトルクを求めるときに用いるMGアシストトルク特性を示すアシストトルクマップである。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置の電気走行(EV)モード領域およびハイブリッド走行(HEV)モード領域を示す領域線図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置のバッテリ蓄電状態に対する目標充放電量特性を示す特性線図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置の車速に応じた最良燃費線までのエンジントルクの上昇経過を示すエンジントルク上昇経過説明図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置に適用した自動変速機の変速制御を行うATコントローラにおいて変速比を設定する変速特性線図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において目標走行モード遷移の一例を示す目標走行モード図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置において統合コントローラ10にて実行される統合制御演算処理の流れを示すフローチャートである。

前記統合コントローラにおいて統合制御演算処理を実行する部分を示す制御ブロック図である。

前記統合コントローラに含まれるエンジン始動制御部に相当する部分にて実行されるエンジン始動制御における処理の流れを示すフローチャートである。

前記統合コントローラにおいて上限駆動トルクを演算する上限駆動トルク演算部の構成説明図である。

図13に示す電力−モータ上限トルク変換部における加算モータ回転数および出力可能電力からモータ上限トルクへの変換に用いる上限値トルクマップである。

図13に示す電力−モータ上限トルク変換部における加算モータ回転数および出力可能電力からモータ上限トルクへの変換の説明図であって、出力可能電力とモータ使用電力(モータ軸出力)との関係を示す説明図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置および比較例の動作例に基づいてEV時上限駆動トルク演算部および比較部におけるEV時モータ上限の設定特性の説明図である。

実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の動作例を示すタイムチャートである。

実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置との比較例の動作例を示すタイムチャートである。

以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。

(実施の形態1) まず、実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の構成を説明する。 この構成の説明にあたり、実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御装置の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「統合コントローラの構成」、[統合制御演算処理構成]、「エンジン始動制御処理構成」[上限駆動トルク演算構成]に分けて説明する。

[パワートレーン系構成] まず、実施の形態1のハイブリッド車両のパワートレーン系構成を説明する。 図1は、実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。

実施の形態1におけるハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪(駆動輪)RLと、右後輪(駆動輪)RRと、左前輪FLと、右前輪FRとを備えている。

エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。

第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータジェネレータMGの間に介装されたクラッチである。この第1クラッチCL1は、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、半クラッチ状態を含み締結・開放が制御される。また、この第1クラッチCL1としては、例えば、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14により締結・開放が制御される乾式単板クラッチが用いられる。

モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)。さらに、モータジェネレータMGは、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。

第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチである。この第2クラッチCL2は、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づき、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。 なお、第1クラッチ油圧ユニット6と第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに付設されるAT油圧コントロールバルブユニットCVUに内蔵している。

自動変速機ATは、前進5速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機である。そこで、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。なお、第2クラッチCL2は、自動変速機ATの摩擦締結要素を用いることなく、図において二点鎖線により示すように、専用のクラッチを、モータジェネレータMGと自動変速機ATとの間、あるいは、自動変速機ATと駆動輪(左右後輪RL,RR)との間に介在させてもよい。

また、自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。

[制御システム構成] 次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。 実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有している。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。

エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。

モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。

第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。

ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。また、ATコントローラ7は、上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。 なお、シフトマップとは、アクセル開度APOと車速VSPに応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップであって、図8に一例を示している。

ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。

統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。この統合コントローラ10は、モータ回転数Nmotを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。

図2は、実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、ハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。以下、図2及び図3に基づき、実施の形態1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。

統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。 目標駆動トルク演算部100では、図4Aに示す目標定常駆動トルクマップと図4Bに示すMGアシストトルクマップとを用いて、アクセル開度APOと車速VSPに応じた変速機入力回転数とから、目標定常駆動トルクとMGアシストトルクを算出する。

モード選択部200では、図5に示す車速毎に設定されたアクセル開度APOにより設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、「EV走行モード」または「HEV走行モード」を目標走行モードとして選択する。なお、エンジン始動線およびエンジン停止線は、バッテリSOCが低くなるに連れて、アクセル開度が小さくなる方向に低下する。

目標充放電演算部300では、図6に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCに基づいて、目標発電出力を演算する。また、目標充放電演算部300では、現在の動作点から図7において太線にて示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。

動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標駆動トルクtFo0、MGアシストトルクと目標モードと車速VSPと目標充放電電力(要求発電出力)tPとから、これらを動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクと目標変速比と、を演算する。これらの演算結果は、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。

さらに、動作点指令部400では、エンジン始動処理を実行する。 すなわち、モード選択部200では、EV走行中にアクセル開度APOおよび車速VSPの組み合わせで決まる運転点がEV→HEV切替線を越えてHEV領域に入るとき、EV走行モードからエンジン始動を伴うHEV走行モードへのモード切り替えを行う。また、モード選択部200では、HEV走行中に運転点がHEV→EV切替線を越えてEV領域に入るとき、HEV走行モードからエンジン停止およびエンジン切り離しを伴うEV走行モードへの走行モード切り替えを行う。

この走行モード切換に応じ、動作点指令部400では、EV走行モードにて図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、始動処理を行なう。この始動処理は、第2クラッチCL2に対し、半クラッチ状態にスリップさせるようトルク容量を制御し、第2クラッチCL2のスリップ開始と判断した後に、第1クラッチCL1の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。そして、エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジンEngを作動させてモータ回転数とエンジン回転数とが近くなったところで第1クラッチCL1を完全に締結し、その後、第2クラッチCL2をロックアップさせてHEV走行モードに遷移させる。

変速制御部500では、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。 図8は、変速線を示している。すなわち、変速制御部500では、車速VSPとアクセル開度APOとに基づいて、現在の変速段から次変速段を判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。

以上の構成を備えた統合コントローラ10は、走行モードとしては図9に示すように、EVモードおよびHEVモードの他に、これら走行モード間での切り替え過渡期におけるWSCモードを設定する。 EVモードは、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。このEVモードでは、エンジンEngを停止させた状態に保ち、第1クラッチCL1を解放し、第2クラッチCL2の締結またはスリップ締結により自動変速機ATを介してモータジェネレータMGからの出力回転のみを左右後輪RL,RRに伝達する。 HEVモードは、エンジンEngとモータジェネレータMGの動力で走行するモードであり、第2クラッチCL2ならびに第1クラッチCL1を締結させる。そして、HEVモードでは、エンジンEngからの出力回転およびモータジェネレータMGからの出力回転を、自動変速機ATを介して左右後輪RL,RRに伝達する。 WSCモードは、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、あるいは、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時に、クラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。この場合、モータジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバ操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにコントロールしながら発進する。この時、第2クラッチCL2がスリップ締結状態であることにより、モード切換ショックを吸収して、ショック対策を行うことができる。なお、「WSC」とは「Wet Start Clutch」の略である。

[統合制御演算処理構成] 図10は、統合コントローラ10にて実行される統合制御演算処理の流れを示す。 ステップS01では、各コントローラ1,2,5,7,9からデータを受信し、次のステップS02に進む。 次のステップS02では、各センサ12,15〜22から出力されるセンサ値を読み込み、ステップS03に進む。

ステップS03では、車速VSP、アクセル開度APO、ブレーキ制動力に応じて目標駆動トルクtFo0を演算し、ステップS04へ進む。なお、この目標駆動トルクtFo0の演算は、図2および図11に示す目標駆動トルク演算部100にて行われる。

図10に戻り、ステップS04では、目標駆動トルクtFo0、バッテリSOC、アクセル開度APO、車速VSP、車両の勾配等の走行状態から図3の走行モードマップを参照し、目標走行モードを演算する。なお、この目標走行モードの演算は、図2,図11に示すモード選択部200において、システム状態検出部203により検出されるバッテリSOCまたは目標充放電電力tPや車両の勾配を考慮して行われる。

図10に戻り、ステップS05では、ステップS04で選択された目標走行モードに応じてモータジェネレータMGの制御モード(回転数制御またはトルク制御)を選択し、モータコントローラ2へ出力した後、ステップS06に進む。なお、このモータジェネレータMGの制御モード演算は、図11に示すMG制御モード選択部102cにて行われる。

図10に戻り、ステップS06では、ステップS04にて決定された目標走行モードおよびステップS05にて演算されたモータジェネレータMGの制御モードに応じて、目標入力回転数を演算し、ステップS07へ進む。なお、この目標入力回転数の演算は、図11に示す目標入力回転数演算部104にて実行される。

図10に戻り、ステップS07では、目標駆動トルクtFo0および各種デバイスの保護を考慮した目標入力トルクtTinを演算し、ステップS08へ進む。なお、この目標入力トルクtTinの演算は、図11に示す目標入力トルク演算部105にて実行される。すなわち、図11に示す目標エンジントルク/目標モータトルク演算部106にて、目標エンジントルクtTengおよび目標モータトルクtTmotが演算される。なお、モータコントローラ2では、MG制御モード選択部102cにて選択されたモータジェネレータMGの制御モードがトルク制御か回転数制御かに応じて、モータジェネレータMGへ目標入力回転数としての目標モータ回転数tNmotと目標モータトルクtTmotのいずれかを出力する。 ステップS08では、ステップS07で算出した目標入力トルクtTinおよび発電要求を考慮し、エンジンEngとモータジェネレータMGへのトルク配分を決め、それぞれの目標値を算出し、ステップS09へ進む。

ステップS09では、目標第1クラッチ伝達トルク容量tTcl1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTcl2を演算し、ステップS10へ進む。 ステップS10では、各コントローラ1,2,5,7,9へデータを送信し、エンドへ進む。

なお、ステップS07〜S09の目標入力トルクtTin、目標エンジントルクtTeng、目標モータトルクtTmot、各目標伝達トルク容量tTcl1,tTcl2は、それぞれ、図11に示す目標入力トルク演算部105、目標入力回転数演算部104、目標クラッチトルク演算部107にて演算される。 この演算は、アクセル開度APO、目標駆動トルクtFo0、目標走行モード、車速VSP、クラッチスリップ回転数演算部201によるクラッチスリップ回転数、出力軸回転数演算部202による出力軸回転数、モード選択部200にて得られる目標走行モード、CL2制御状態演算部102bにて得られる第2クラッチCL2のスリップ・完全締結の制御モード、MG制御モード演算部102cにて得られる目標充放電電力tP、システム状態検出部203から得られるバッテリSOCなどのシステム状態に基づいて実行される。

[エンジン始動制御処理構成] 次に、統合コントローラ10に含まれるエンジン始動制御部に相当する部分にて実行されるエンジン始動制御における処理の流れを図12のフローチャートにより簡単に説明する。

このエンジン始動制御は、前述のように、アクセル開度APOおよび車速VSPが、図5に示すエンジン始動線を横切った時点で開始される。 最初のステップS101では、第2クラッチCL2をスリップさせ、かつ、モータジェネレータMGの出力トルクであるモータトルクTmot(目標モータトルクtTmot)を上昇させて、モータ回転数Nmotを上昇させ、ステップS102に進む。

次のステップS102では、第2クラッチCL2のスリップ判定を行い、スリップが生じていない場合はステップS101に戻り、スリップが生じていればステップS103に進む。

ステップS103では、第1クラッチCL1をスリップ締結させ、モータ回転数Nmotの上昇分をエンジンEngに入力し、車両を加速させながら、エンジンEngをクランキングさせ、ステップS104に進む。 ステップS104では、エンジンクランキングによるエンジン回転数Neが上昇した際の車両の加速度変化を抑制すべく、第2クラッチCL2をスリップ状態に維持するスリップ制御を継続し、ステップS105に進む。

ステップS105では、第1クラッチCL1のスリップ収束判定を行い、スリップ量がエンジンEngの駆動を示す量まで低下して収束判定が成された場合はステップS106に進み、この収束判定が成されない場合はステップS104に戻る。 エンジンEngの完爆後に進むステップS106では、第1クラッチCL1を完全に締結させ、さらに、次のステップS107にて第2クラッチCL2を完全に締結した後、エンドに進んでエンジン始動制御を完了する。

[上限駆動トルク演算構成] 図11に示す目標エンジントルク/目標モータトルク演算部106および目標クラッチトルク演算部107では、モータトルクTmotおよび第2クラッチCL2の伝達トルク容量を制御することにより、駆動トルクを制御する。 そして、統合コントローラ10は、この駆動トルクの制御において、第2クラッチCL2をスリップさせる制御時に、その上限値である上限駆動トルクTdrlimを演算する構成である上限駆動トルク演算部600を備えている(図13参照)。

目標エンジントルク/目標モータトルク演算部106および目標クラッチトルク演算部107では、EVモードおよびエンジン始動制御時に、第2クラッチCL2をスリップさせるスリップ制御部を備えている。 エンジン始動制御時のスリップ制御は、前述したステップS101,S104の処理を実行する部分により実行される。 また、EVモードにおいても、第2クラッチCL2のスリップ制御が実行されている。すなわち、目標クラッチトルク演算部107に含まれるスリップ制御部では、EVモードの時点から、予め第2クラッチ伝達トルク容量Tcl2をEVモードにて出力可能な最大駆動トルク相当値に維持して微小スリップさせておく。これにより、エンジン始動制御の実施時に、第2クラッチCL2をスリップ締結圧に低下させる際に、完全締結油圧からEVモードにて出力可能な最大駆動トルク相当値まで低下させる時間を省略することができる。 そして、上限駆動トルク演算部600が演算した上限駆動トルクTdrTlimは、上記スリップ制御の実施に用いられ、かつ、スリップ制御時の第2クラッチトルク上限値Tcl2limとして用いられる。

以下に、この上限駆動トルク演算部600の構成を図13により説明する。 この図13に示す上限駆動トルク演算部600は、EVモード時の上限駆動トルクであるEV時上限駆動トルクevTdrlimを演算する構成を示している。この上限駆動トルク演算部600は、加算部601、電力−モータ上限トルク変換部602、EV時上限駆動トルク演算部603、比較部604を備えている。

加算部601は、モータ回転数Nmotに、エンジン始動時にエンジンクランキングのために加算する回転数(第2クラッチCL2のスリップ分)である、始動時スリップ回転数Nmcr(図16参照)に相当する加算回転数N+を加える。そして、加算部601は、この演算により得られた加算モータ回転数Nadを電力−モータ上限トルク変換部602に出力する。

電力−モータ上限トルク変換部602では、加算部601からの加算モータ回転数Nadおよびバッテリコントローラ204から得られるバッテリSOCに基づく出力可能電力POUTを入力して、モータ上限トルクTmlimに変換する。

この変換は、図14Aに示す上限値トルクマップに基づいて行う。すなわち、この上限値トルクマップは、縦軸のモータジェネレータMGの使用電力と、横軸のモータ回転数とに基づいてモータ上限トルクTmlimを求める。

なお、モータ使用電力は、図14Bに示すように、バッテリコントローラ204により得られる出力可能電力POUTから、モータ/インバータ損失、A/C(空調装置)使用電力、補機消費電力を差し引いた、モータ軸出力に用いることが可能な電力である。 一方、図14Aに示す上限値トルクマップの横軸には、上記加算モータ回転数Nadを代入する。 そして、上限値トルクマップに代入したモータ使用電力と加算モータ回転数Nadとの交点の値を、モータ上限トルクTmlimとする。なお、上記のように加算モータ回転数Nadは、モータ回転数Nmotに、始動時スリップ回転数Nmcr相当の加算回転数N+を加算しているため、このモータ上限トルクTmlimは、エンジン始動制御時のモータ上限トルクcrTmlimと同等の値である。

図13に戻り、電力−モータ上限トルク変換部602で得られたモータ上限トルクTmlimは、EV時上限駆動トルク演算部603に入力される。このEV時上限駆動トルク演算部603では、モータ上限トルクTmlimから、エンジン始動時の第1クラッチCL1のスリップトルクであるCL1スリップトルクTcl1slpにばらつきTueを加算した値を減算してEV時上限駆動トルクevTdrlimを演算する。そして、このEV時上限駆動トルクevTdrlimは、EV時上限駆動トルク演算部603から比較部604に出力される。 比較部604は、最終的なEV時上限駆動トルクevTdrlimを決定するもので、EV時上限駆動トルク演算部603で得られたEV時上限駆動トルクevTdrlimと車速に応じた下限トルクとの大きい方の値を最終的なEV時上限駆動トルクevTdrlimに設定する。なお、前述したように、EV時上限駆動トルクevTdrlimは、第2クラッチCL2のスリップ制御の実施時に、EVモード時の第2クラッチトルク上限値Tcl2limとして用いられる。

以上、EV時の上限駆動トルクを演算する上限駆動トルク演算部600について説明したが、エンジン始動中の第2クラッチトルク上限値Tcl2limを演算する構成(始動時上限駆動トルク演算部)も同様の構成である。そのため、始動時上限駆動トルク演算部の構成の説明として、上限駆動トルク演算部600との相違点を説明することにより、その構成の説明に代える。

エンジン始動時の第2クラッチトルク上限値Tcl2limの演算の際には、電力−モータ上限トルク変換部602に入力されるモータ回転数Nmotが、加算モータ回転数Nadに替わり、図において点線にて示すエンジン始動時のモータ回転数Nmotとなる。そして、比較部604の出力が、第2クラッチトルク上限値Tcl2limとなる。 したがって、上限駆動トルク演算部600において、上記相違を備えたものが、始動時上限駆動トルク演算部に相当する。

(実施の形態1の作用) 図15は、本実施の形態1および比較例の動作例を示すタイムチャートである。 まず、実施の形態1の作用の説明に先立ち、比較例の動作例を説明することにより実施の形態1により解決する課題について説明する。 タイムチャートは、t0の時点からのEVモード走行状態から、t1の時点で、エンジン始動判定が成され、エンジン始動制御を実行した場合を示している。 この場合、モータ回転数Nmotは、実線にて示しているように、EVモード中の回転数evNmotから、始動時スリップ回転数Nmcrを加算した始動時回転数crNmotに上昇される。

このとき、比較例では、EVモード走行時には、モータ上限トルクTmlimは、EVモード中では、図15においてEV中のモータ回転数Nmotから算出したモータ上限トルクcoTmlimを使用している。 一方、エンジン始動開始後には、比較例では、エンジンクランキングのために上昇させた始動時回転数crNmotに基づいて演算したモータ上限トルクcoTmlimは、実線にて示すEV中の値よりも低下し、点線で示す値となる。 したがって、このモータ上限トルクcoTmlimに基づいて演算するEV時上限駆動トルクも、エンジン始動前後で値が変化し、エンジン始動時には、低下していた。 図17は、図15と同様にEVモードからエンジン始動を行った場合の比較例におけるモータ回転数Nmot、モータ上限トルクcoTmlim,目標第2クラッチ伝達トルクtTcl2などの変化を示している。

比較例では、図17に示すように、EVモードからエンジン始動判定がなされてHEVモードに移行する場合、上述のように、モータ上限トルクcoTmlimが、エンジン始動判定後は、エンジン始動判定前に比べて、低下している。 よって、比較例のモータ上限トルクcoTmlimに基づいて設定する上限駆動トルクも、エンジン始動判定後は、エンジン始動判定前に比べて低下する。 したがって、このように上限駆動トルクが低下することにより、図示のような車両前後加速度Gの変化が生じ、車両挙動変化を招くおそれがあった。

次に、本実施の形態1の動作を説明する。 図15に示すようにモータ回転数Nmotが変化した場合に、実施の形態1では、EVモード走行時には、モータ上限トルクTmlimの演算に、加算モータ回転数Nadを使用する。この加算モータ回転数Nadは、エンジン始動判定後の実際のモータ回転数Nmotと同様の値となる。 また、本実施の形態1では、上限駆動トルクTdrlimは、モータ上限トルクTmlimから、第1クラッチCL1のスリップ分のトルクTslipおよびばらつき分Tueを減算した値とする。さらに、上限駆動トルクTdrlimは、比較部604により最小値が0に制限される。

したがって、EV時上限駆動トルクevTdrlimは、図15において太い実線にて示す値に設定される。比較例において、エンジン始動中のモータ回転数から算出したモータ上限トルクcoTmlimから、第1クラッチCL1のスリップ分のトルクTslipおよびばらつき分Tueを減算して得られる値と重なる。よって、EVモード時とエンジン始動時とで、駆動トルク上限値は、共通する特性に設定できる。

以上のようにEV時上限駆動トルクevTdrlimを設定した場合の実施の形態1の動作例を図16に示す。

上記のように、EV時上限駆動トルクevTdrlimを演算するのに用いるモータ回転数として加算モータ回転数Nadを用いるようにした。このため、図16に示すように、EVモード時に演算するEV時上限駆動トルクevTdrlimと、エンジン始動時に演算される駆動トルク上限値としての目標第2クラッチ伝達トルク容量tTcl2と、が、略同一値となり、エンジン始動判定前後で変動しない。 よって、比較例のような、車両前後加速度Gの変動が抑えられ、この車両前後加速度Gの変動による車両挙動変化も抑えることが可能となる。

(実施の形態1の効果) 以下に、実施の形態1の効果を列挙する。 a)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、 車両の駆動源として設けられたエンジンEngおよびモータジェネレータMGと、 駆動源から駆動輪(左右後輪RL,RR)への駆動トルク伝達系に設けられ、エンジンEngとモータジェネレータMGとの間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第1クラッチCL1、および、モータジェネレータMGと駆動輪(左右後輪RL,RR)との間に介在されて、両者間の伝達トルクを可変とした第2クラッチCL2と、 第2クラッチCL2を締結してモータジェネレータMGの駆動力により走行するEVモードから、第2クラッチCL2をスリップさせつつ、モータジェネレータMGの回転数を上昇させ、かつ、第1クラッチCL1をスリップ締結状態としてエンジンEngを始動させるエンジン始動制御(図12のフローチャートの処理)を実行するエンジン始動制御部と、 第2クラッチCL2を介して駆動輪(左右後輪RL,RR)に伝達される駆動トルクの上限値である上限駆動トルクTdrlimを演算する上限駆動トルク演算部600であって、EVモード時に、モータ回転数Nmotに加算回転数N+を加算した加算モータ回転数Nadに基づいて演算する上限駆動トルク演算部600と、 を備えていることを特徴とする。 したがって、上限駆動トルク演算部600は、EVモード時の上限駆動トルクTdrlimを、加算回転数N+を加算しないモータ回転数Nmotに基づいて演算したものと比較して低い値となる。 よって、エンジン始動時に、モータ回転数Nmotを上昇させた際に演算される上限駆動トルクTdrlimは、EVモード時の上限駆動トルクに対して低下するのを抑えることができる。 これにより、エンジン始動制御時に、駆動トルクが低下するのを抑えることができ、エンジン始動前後で駆動トルクが変動するのを抑えることが可能となる。

b)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、 上限駆動トルク演算部600は、加算回転数N+を、エンジン始動制御実行時のモータ回転数上昇分相当の始動時スリップ回転数Nmcrとしたことを特徴とする。 したがって、エンジン始動前の加算モータ回転数Nadと、エンジン始動時のモータ回転数Nmotとの差を抑え、これらの回転数に基づいて演算するモータ上限トルクTmlimの差を、より小さく抑えることができる。 これにより、上記a)のエンジン始動制御時の駆動トルクの低下による、エンジン始動前後の駆動トルク変動をより効果的に抑えることができる。

c)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、 上限駆動トルク演算部600は、加算モータ回転数Nadに基づいてモータ上限トルクTmlimを演算するモータ上限トルク演算部としての電力−モータ上限トルク変換部602と、 EVモード時に、電力−モータ上限トルク変換部602が演算したモータ上限トルクTmlimから、エンジン始動時の第1クラッチCL1を介してエンジンEngに伝達されるトルクTslipにばらつき分Tueを加えた値を減算して得られた値をEV時上限駆動トルクevTdrlimとして演算するEV時演算部としてのEV時上限駆動トルク演算部603と、 を備えていることを特徴とする。 したがって、EVモード時に演算するEV時上限駆動トルクevTdrlimを、よりエンジン始動時の上限駆動トルク相当の値に近付けることができる。 これにより、エンジン始動制御開始前後に駆動トルク段差が生じるのを、いっそう抑えることができる。

d)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、 モータ上限トルク演算部としての電力−モータ上限トルク変換部602は、加算モータ回転数Nadと、エンジン始動制御時に使用可能な出力可能電力POUTと、に基づいて、モータ上限トルクTmlimを演算することを特徴とする。 エンジン始動制御時に出力可能電力POUTを考慮することにより、必要以上に電力消費制限を行って駆動力制限によるEVモード頻度を低下させることなく、効率的な運転性を確保できる。

e)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、 上限駆動トルク演算部600は、エンジン始動制御の実行時に、モータ回転数からモータ上限トルク演算部(電力−モータ上限トルク変換部602)が演算したモータ上限トルクTmlimから、エンジン始動時の第1クラッチCL1を介してエンジンEngに伝達されるトルク分を減算した値を、第2クラッチCL2のトルク上限値である第2クラッチトルク上限値Tcl2limとして演算する始動時上限駆動トルク演算部(上限駆動トルク演算部600において、始動時のモータ回転数Nmotにより上限駆動トルクを演算する部分)を備えていることを特徴とする。 エンジン始動中にモータジェネレータMGを回転数制御していても、第2クラッチCL2の伝達トルク容量として始動時演算部により演算した上限駆動トルク相当の値を用いることにより、エンジン始動制御開始前後の駆動トルク変動を抑えることができる。

以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。

例えば、実施の形態では、ハイブリッド車両として、後輪駆動車を示しているが、これに限定されず、前輪駆動車や全輪駆動車にも適用することができる。 実施の形態では、EVモードにおける上限駆動トルクの演算の際に、モータ回転数に加算する加算回転数として、始動時スリップ回転数を用いたが、これに限定されない。例えば、始動時スリップ回転数の近傍で始動時スリップ回転数に満たない値であっても、この加算により、従来技術よりも、駆動力の低下を抑制できる。

関連出願の相互参照

本出願は、2012年12月26日に日本国特許庁に出願された特願2012−281902に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。

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