【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は金属パイプ製の脚を有する椅子、テ−ブル等のパイプ脚端の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、金属パイプ製のパイプ脚を用いた椅子、テ−ブル等の家具では、床を損傷させないよう脚下端に合成樹脂製の脚端キャップを取付けてあり、この脚端キャップは使用中に脱落しないようパイプ脚にきつく圧入状態で嵌合されている。 そして、従来の脚端キャップでは、外表面が平滑に形成され、該脚端キャップを取り外す際の手掛かりとなるような部位が設けられていないので、該キャップを簡単に取り替えたり、除去したりすることができない。 したがって、上記椅子、テ− ブル等を廃棄する際でも、金属製のパイプと合成樹脂製の脚端キャップは結合したままであり、分別処理することがむずかしかった。 【0003】 【発明の解決課題】本発明は上記のように金属製のパイプの脚端に合成樹脂製の脚端キャップを圧入状態で取付けた椅子、テ−ブルその他の家具等において、上記脚端キャップを、所望時に、簡単に取り外すことができるようにしたパイプ脚端の構造を提供することを目的とする。 【0004】 【課題解決の手段】本発明によれば、パイプ脚端に圧入状態で嵌合される嵌着部とパイプ端縁に当接する係合段部を有する筒状の脚端キャップをパイプ脚の端縁に取付け、該脚端キャップの係合段部に該脚端キャップの内方に開口する開口部を形成したパイプ脚端の構造が提供され、上記目的が達成される。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明は、上述したように金属製パイプを利用した椅子、テ−ブルその他の家具等において、パイプ端に合成樹脂製のキャップをきつく圧入した各種の部位に適用することができるが、以下図1に示すような椅子(1)の金属製のパイプ脚(2)の下端に合成樹脂製の脚端キャップ(3)を取付けた実施例について説明する。 【0006】上記脚端キャップ(3)は、図3に示すように、合成樹脂材料で有底の略筒状に形成され、上記パイプ脚内に圧入状態で嵌合される嵌着部(4)と該パイプ脚の端縁(5)に当接する係合段部(6)を有し、好ましくは該係合段部(6)の外方(図において下方)には環状溝(7)が形成され、上記嵌着部(4)の周囲には、軸方向にリブ(8)・・・が設けられている。 【0007】上記係合段部(6)には、該脚端キャップ(3)の内孔(9)に開口する開口部(10)を設けてある。 図においては、適宜位置に1つ設けてあるが、複数設けることもでき、その幅はドライバ−の刃先等の差込片を差し込みできる幅とし、その長さは後述するようにドライバ−等をパイプ脚の端縁(5)に当て梃子作用によって脚端キャップを押し出すことができる適宜の長さとすればよい。 【0008】上記脚端キャップ(3)の内孔(9)には、上記開口部(10)に対向する位置に突出部(11)が形成されている。 該突出部(11)は、その押圧面(12)が上記パイプ脚の端縁(5)よりも少し外方(図において下方) に位置し、上記開口部(10)から差し込んだドライバ−等が該押圧面(12)に容易に引掛かるようにしてあるが、所望により上記端縁(5)よりも内方に位置するように延出させてもよい。 【0009】上記脚端キャップ(3)は、上記嵌着部(4)をパイプ脚(2)内に圧入状態で嵌合して取付けられるが、これを取り外すには、図4に示すように、ドライバ−等の適宜の差込片(13)を上記開口部(10)に差し込み(図4(A))、上記突出部(11)の押圧面(12)にその先端を当てがうと共に上記パイプ脚の端縁(5)に該差込片の側面を当て、該端縁(5)を支点として該差込片(13)を回転させれば、図4(B),(C)に示すように上記脚端キャップ(3)はパイプ脚(2)から押し出される。 その後、プライヤ−やペンチ等の挟み具(14)や指先で該脚端キャップ(3)を掴んだり、適宜の部位に引掛けて引き抜けばよい(図4(D))。 【0010】上記実施例においては、脚端キャップ(3)に開口部(10)を形成したが、該脚端キャップに開口部を設けないで、上記パイプ脚(2)の端縁に開口部を設けるようにしてもよい。 図5はそのような実施例を示し、脚端キャップ(3)の嵌着部(4)に臨んでパイプ脚(2)の端縁に開口部(15)を形成してあり、図に示すように、該開口部(15)の長さを上記嵌着部(4)の長さよりも長く形成してある。 なお、上記脚端キャップの内孔内や嵌着部の後端縁等の適宜位置にドライバ−等の差込片の先端が当るよう突出部を設けたり、該キャップに内孔を設けないで中実に形成し、差込片が当る面を嵌着部の後端に設けてもよい。 【0011】上記開口部(15)にドライバ−等の差込片を入れ、その先端を上記嵌着部(4)の後端に当てると共に上記開口部(15)の内方端縁(16)を支点として該差込片を回転させれば、上記図4に示す実施例とほぼ同様に脚端キャップ(3)をパイプ脚から取り外すことができる。 【0012】なお、上記脚端キャップとパイプ脚の両方に上記の如き開口部を形成することもできる。 【0013】 【発明の効果】本発明は上記のように構成され、パイプ脚に圧入状態で嵌合される脚端キャップの該パイプ脚の端縁に当接する係合段部に該脚端キャップの内孔に開口する開口部を形成し、若しくは、該パイプ脚の端縁に上記脚端キャップの嵌着部の後端に臨む開口部を形成したので、該開口部にドライバ−等を差し込んで梃子作用により上記脚端キャップをパイプ脚から取り外すことができ、従来取り外しがむずかしかった上記脚端キャップをきわめて容易かつ軽く外すことができ、該キャップの交換や廃棄の際の分別処理を容易に行うことができるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施した椅子の側面図。 【図2】脚端の拡大側面図。 【図3】脚端キャップを示し、(A)は側面図、(B) は断面図、(C)は平面図。 【図4】上記脚端キャップを取り外す操作を示す説明図。 【図5】本発明の他の実施例を示し、(A)は側面図、 (B)は断面図。 【符号の説明】 2 パイプ脚 3 脚端キャップ 4 嵌着部 5 パイプ脚の端縁 6 係合段部 7 環状溝 9 内孔 10 開口部 11 突出部 13 差込片 15 開口部 |