Leg cap for chair

申请号 JP35313396 申请日 1996-11-26 公开(公告)号 JPH10155583A 公开(公告)日 1998-06-16
申请人 Masusetsuto Kk; マスセット株式会社; 发明人 SUZUKI TOSHIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a leg cap for chair with which a chair can be easily moved like a chair with casters in spite of leg cap for chair, and a chair having high strength and further having the rear leg of rising angle smaller than a fore leg can be surely slid even when attaching the cap to such a chair by surely attaching the cap to a leg without easy drop or backlash while making wearing hard. SOLUTION: Concerning the leg cap for chair, an outer insert 4 to be tightly fitted to the terminal part of leg 2 of chair 1 is formed from soft plastic. Then, a slide ground body 5 is formed from the sliding member of plastic harder than the soft plastic, and an inner cap 7 to be fitted to the top end of the leg 2 is formed from metal. Then, the inner cap 7, slide ground body 5 and outer insert 4 are integrated and while protruding the slide ground body 5 from the downside of an outer insert 4, a fore leg cap 22 and a rear leg cap 23 are formed. Besides, the outer insert 4 of the fore leg cap 22 is vertically or almost vertically erected from a horizontal lower and 4' and the outer insert 4 of the rear leg cap 23 is erected obliquely from the horizontal lower end 4'.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 椅子の脚の端部に密嵌する軟質プラスチック製の外挿体と、軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材からなり、しかも前記外挿体から下方に突出する摺動接地体と、前記椅子の脚の最先端に嵌める金属製の内キャップとを一体化してそれぞれ前脚キャップと後脚キャップとを形成し、前記前脚キャップの前記外挿体を水平な下端から垂直若しくはほぼ垂直に起立し、前記後脚キャップの前記外挿体を水平な下端から斜めに起立したことを特徴とする椅子用脚キャップ。
  • 【請求項2】 内キャップを摺動接地体に埋設し、前記内キャップと一体の摺動接地体を外挿体に結合して前記外挿体、摺動接地体および内キャップを一体化することを特徴とする請求項1の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項3】 内キャップをインサート成形により埋設して摺動接地体に一体化し、前記内キャップと一体の摺動接地体をインサート成形により外挿体に溶融一体化することを特徴とする請求項1または2の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項4】 外挿体を形成する軟質プラスチックと、
    摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材が同種のプラスチックであり、前記摺動接地体と前記外挿体とを溶融一体化することを特徴とする請求項1、2または3の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項5】 外挿体を形成する軟質プラスチックが軟質ポリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシリコーンレジン配合の硬質ポリ塩化ビニール樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3または4の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項6】 外挿体を形成する軟質プラスチックが軟質ポリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシリコーンレジン配合の半硬質ポリ塩化ビニール樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3または4の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項7】 摺動接地体の接地下面が凸弧面であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6の椅子用脚キャップ。
  • 【請求項8】 凸弧面の中央に水平面を形成することを特徴とする請求項7の椅子用脚キャップ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は椅子の脚端に取り付ける接地キャップに関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来より本願出願人は図6で示す脚キャップを製造・販売しており、またこの従来例は意匠公報(登録第598842号)によっても知られている。

    【0003】この従来例は椅子の脚2の最先端6に外嵌する金属製の内キャップ7を外キャップ9に内挿してなるもので、前記外キャップ9は、脚2への密嵌部10を有するとともに接地部11を有し、しかも外キャップ9
    全体を軟質ポリ塩化ビニール樹脂で形成するものである。

    【0004】この従来例は接地部11も軟質ポリ塩化ビニール樹脂であるため、強度が小さく、摩耗しやすいとともに摩擦抵抗が大きく、椅子の脚2に取り付けたときに椅子本体を移動させにくい。 なお外キャップ9を硬質または半硬質プラスチックで形成することも考えられるが、このようにすると脚2の端部3への外挿部分も硬質または半硬質となるため、端部3に遊嵌させねばならず、脚2に密嵌せず、密嵌部としての機能を発揮できず、脚2から容易に脱落したり、使用中にガタを生ずる。 また従来例は強度を大きくするため内キャップ7を金属で形成しているが、接地部11が柔軟なため全体としての強度が劣るものである。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】本発明のうち請求項1
    の発明は脚キャップでありながら、キャスターのように椅子を移動しやすく、かつ摩耗しにくくし、しかも容易に脱落したり、ガタを生ずることがなく、脚に確実に取り付けることができるようにし、また強度が大きく、さらに前脚より起立度の小さい後脚を有する椅子に取り付けた場合にも確実に摺動する椅子用脚キャップを提供することを目的としたものである。

    【0006】請求項2の発明は請求項1の発明の目的に加えて構造が簡単で、容易に製造できる椅子用脚キャップを提供することを目的としたものである。

    【0007】請求項3および4の発明は請求項1および2の発明の目的に加えて各部材の一体化を確実にして壊れにくく、しかもより製造容易な椅子用脚キャップの提供を目的としたものである。

    【0008】請求項5および6の発明は請求項1、2、
    3および4の発明の目的に加えて移動時のすべりをより良好にし、外観を損ねず、摺動性能が低下せず、ゴミ等が付着しにくく、しかも容易かつ安価に製造できる椅子用脚キャップを提供することを目的としたものである。

    【0009】請求項7の発明は請求項1、2、3、4、
    5および6の発明に加えて移動時のすべりがさらに良好な椅子用脚キャップの提供を目的としたものである。

    【0010】請求項8の発明は請求項7の発明に加えて静止時の安定性が良好な椅子用脚キャップの提供を目的としたものである。

    【0011】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1の発明は椅子の脚の端部に密嵌する軟質プラスチック製の外挿体と、軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材からなり、しかも前記外挿体から下方に突出する摺動接地体と、前記椅子の脚の最先端に嵌める金属製の内キャップとを一体化してそれぞれ前脚キャップと後脚キャップとを形成し、前記前脚キャップの前記外挿体を平な下端から垂直若しくはほぼ垂直に起立し、前記後脚キャップの前記外挿体を水平な下端から斜めに起立したことを特徴とする。

    【0012】ここで軟質プラスチックより硬質のプラスチックとは、硬質プラスチック、半硬質プラスチックのいずれも含む意味である。 また前記軟質プラスチック、
    半硬質プラスチック、硬質プラスチックの概念はAST
    M−D−883の定義に基づくもので、標準状態における弾性率が70MPa(10,000psi)を越えないプラスチックを軟質プラスチック、前記弾性率が70
    MPa〜700MPa(10,000psi〜100,
    000psi)のプラスチックを半硬質プラスチック、
    前記弾性率が700MPa(100,000psi)以上のプラスチックを硬質プラスチックとするものである。

    【0013】前記のように構成すると、外挿体が脚の端部に密着し、確実に取り付けることができるとともに接地部分が軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材からなる摺動接地体のため従来例の接地部より移動しやすいとともに摩耗しにくく、しかも金属製の内キャップと相俟って強度が大きくなり、また前脚より起立角度の小さい後脚を有する椅子に取り付けた場合にも確実に摺動させることができる。

    【0014】ここで外挿体と摺動接地体と内キャップの一体化は前記3部材の結合順を限定するものではないが、好ましくは請求項2の発明のように、内キャップを摺動接地体に埋設し、前記内キャップと一体の摺動接地体を外挿体に結合して前記外挿体、摺動接地体および内キャップを一体化する。 このように形成すると、構造が簡単で容易に製造することができる。

    【0015】またここで内キャップを摺動接地体に埋設する手段および摺動接地体を外挿体に結合する手段を限定するものではないが、好ましくは請求項3の発明のように、内キャップをインサート成形により埋設して摺動接地体に一体化し、前記内キャップと一体の摺動接地体をインサート成形により外挿体に溶融一体化する。 このように形成すると、前記3部材が確実に一体化し、壊れにくく、しかもより容易に製造することができる。

    【0016】またここで外挿体を形成する軟質プラスチックと、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材とを同種、異種のいずれかのプラスチックにするか限定するものではないが、好ましくは請求項4の発明のように、外挿体を形成する軟質プラスチックと、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材が同種のプラスチックであり、前記摺動接地体と前記外挿体とを溶融一体化する。 このようにすると外挿体と摺動接地体の一体化がより強固となり、より壊れにくく、しかもより製造しやすくなる。

    【0017】またここで同種の軟質プラスチックと、これより硬質のプラスチックの摺動材をより具体的に限定するものではないが、好ましくは請求項5または6の発明のように、外挿体を形成する軟質プラスチックが軟質ボリ塩化ビニール樹脂であり、摺動接地体を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材がシリコーンレジン配合の硬質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂であるようにする。 このようにするとシリコーンレジンによる高摺動性機能のためすべり作用が良好で、より移動させやすく、かつ外観を損ねず、経年使用によっても摺動性能が低下せず、ゴミ等が付着しにくく、しかもポリ塩化ビニール樹脂自体が安価なため、すべりの良好な四ふっ化エチレン樹脂その他のプラスチックに比べて非常に安価に製造することができる。

    【0018】またここで摺動接地体の形状を特に限定するものではないが、好ましくは請求項7の発明のように、摺動接地体の接地下面が凸弧面であるようにする。
    このようにすると、より摩擦抵抗が小さくなり、さらにすべりやすくなる。

    【0019】またここで接地下面の一部を凸弧面にするか全体を凸弧面にするか限定するものではないが、好ましくは請求項8の発明のように凸弧面の中央に水平面を形成するようにする。 このようにすると移動時のすべりが良好であるとともに静止時の安定性が良い。

    【0020】

    【発明の実施の形態】図1〜図5により本発明の実施の形態を説明する。 なおここで図示した椅子用脚キャップは、前脚2′と、前脚2′より起立角度が小さい後脚2″を有する椅子1、例えば幼稚園や保育園における園児用の腰掛け椅子のパイプ脚に使用する場合を示している。また同一構成の前脚キャップ22を図1では垂直に近い状態で傾斜している前脚2′に取り付けた場合を、
    図2では垂直に起立している前脚2′に取り付けた場合を示している。

    【0021】椅子用脚キャップは、前脚キャップ22と後脚キャップ23とからなり、前脚キャップ22と後脚キャップ23はそれぞれの脚2、具体的には前脚2′と後脚2″の各端部3に密嵌する外挿体4を軟質プラスチックで形成し、また軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材により摺動接地体5を形成し、さらに脚2の最先端6に嵌める内キャップ7を金属により形成し、外挿体4と摺動接地体5と内キャップ7とを一体化し、しかも摺動接地体5を外挿体4から下方に突出させる。また図2・4で示すように前脚キャップ22の外挿体4を水平な下端4′から垂直に起立し、後脚キャップ23の外挿体4を水平な下端4′から斜めに起立する。

    【0022】前記軟質プラスチックより硬質のプラスチックは硬質プラスチックまたは半硬質プラスチックであるが、摺動接地体5を硬質プラスチックで形成した場合が最も移動しやすいとともに摩耗せず、また半硬質プラスチックで形成した場合、移動性および非摩耗性の点で良好であり、しかも着席時の安定性を考慮した場合、有効である。

    【0023】前記各外挿体4、各摺動接地体5および各内キャップ7の一体化について、実施の形態では、内キャップ7を摺動接地体5に一体化し、摺動接地体5を外挿体4に一体化するものであり、また内キャップ7は有底管状である。 さらに摺動接地体5の接地下面8の形状は水平面若しくは凸弧面に形成してもよいが、実施の形態では凸弧面8″の中央に水平面8′を形成するものである。

    【0024】実施の形態をさらに具体的に説明すれば、
    図2で示すように垂直に起立する軟質プラスチック製の円管を末広状に形成して上方を密嵌部10とし、下方大径部を対外緩衝部12とし、円管により形成された脚密嵌孔13に連続して凹溝14′を有する埋設孔14および嵌合溝15を順に設けて前脚キャップ22の外挿体4
    を形成する。 また図4で示すように前脚キャップ22の起立角度αより小さい起立角度βの軟質プラスチック製の円管を斜設するとともに末広状に形成して上方を密嵌部10とし、水平な下端4′つまり水平な下方大径部を対外緩衝部12とし、円管により形成された脚密嵌孔1
    3に連続して凹溝14′を有する埋設孔14および水平な嵌合溝15を順に設けて後脚キャップ23の外挿体4
    を形成する。 本実施の形態では椅子1の前脚2′および後脚2″がそれぞれ金属製の丸パイプであるので、各密嵌部10を円管状に形成するものであり、しかも各密嵌部10の高さを内キャップ7の高さより長く形成し、かつ各密嵌部10を薄肉に形成する。薄肉で、しかも前脚2′、後脚2″との接触面積が大きいほど脚2の端部3
    への密着性が良いからである。

    【0025】上方を開口し、しかも前脚2′、後脚2″
    の最先端6に外嵌する有底管状の金属製丸栓により前脚キャップ22用および後脚キャップ23用の内キャップ7、7を形成する。 なお後脚キャップ23用の内キャップ7には底部7′に凸部7″を形成する。

    【0026】図2・4で示すように有底管状で、かつ軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材に埋設孔16および水平な外向鍔部17を形成し、外向鍔部1
    7の下に前記接地下面8を形成して前脚キャップ22用および後脚キャップ23用の摺動接地体5、5を形成する。 なお前脚キャップ22用の摺動接地体5の管状部5′を水平な外向鍔部17に対して垂直に、後脚キャップ23用の摺動接地体5の管状部5′を図4で示すように水平な外向鍔部17に対し、起立角度βをもって斜設し、埋設孔16の底部に凹部16′を形成する。

    【0027】そして各内キャップ7を各埋設孔16に嵌着して内キャップ7を摺動接地体5に埋設して一体化し、また各摺動接地体5の外向鍔部17を嵌合溝15に嵌着し、各管状部5′の上端縁を凹溝14′に嵌着するとともに管状部5′を埋設孔14に嵌着して内キャップ7と一体の各摺動接地体5を各外挿体4に結合して一体化する。 なお後脚キャップ23用の内キャップ7は凸部7″を凹部16′へも嵌着するものである。前記のように内キャップ7を埋設孔16に嵌着し、凸部7″を凹部16′に嵌着し、外向鍔部17を嵌合溝15に嵌着し、
    管状部5′の上端縁を凹溝14′に嵌着し、管状部5′
    を埋設孔14に嵌着すると、嵌着箇所が多いとともに外向鍔部17と嵌合溝15や管状部5′の上端縁と凹溝1
    4′のように係合して嵌着する箇所があるので、極めて強固に一体化して、より壊れにくくなる。

    【0028】各内キャップ7、各摺動接地体5および各外挿体4の一体化について、さらに具体的に説明すれば、内キャップ7を摺動接地体5用の成形金型内にインサートし、摺動接地体5を成形する。 つまり内キャップ7をインサート成形により埋設して摺動接地体5に一体化する。 次に内キャップ7と一体の摺動接地体5を外挿体4用の成形金型内にインサートし、外挿体4を成形し、摺動接地体5と外挿体4との接触面とを溶融一体化する。 つまり内キャップ7と一体の摺動接地体5をインサート成形により外挿体4に溶融一体化する。 なお摺動接地体5の接地下面8を外挿体4の水平な下端4′から下方に突出させる。

    【0029】また各外挿体4を形成する軟質プラスチックと、各摺動接地体5を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックとを同種のプラスチックとし、さらに前記硬質のプラスチックの摺動材は前記硬質のプラスチックの摺動性を向上させる摺動向上剤を配合したものであり、より具体的には各外挿体4を軟質ポリ塩化ビニール樹脂で形成し、各摺動接地体5をシリコーンレジン配合の硬質ポリ塩化ビニール樹脂、またはシリコーンレジン配合の半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で形成する。

    【0030】なお他の実施の形態として請求項1、2または3の摺動接地体5を形成する軟質プラスチックより硬質のプラスチックの摺動材は例えば四ふっ化エチレン樹脂のように軟質プラスチックより硬質で、しかもプラスチック摺動材として公知の単体成形物であっても、また例えば四ふっ化エチレン樹脂を主成分とする混成プラスチック成形物であっても、さらには軟質プラスチックより硬質のプラスチックに、例えばシリコーンオイル等の摺動向上剤を内部添加したり、ポリマーそのものを変性反応によって改質して当該プラスチックの摺動性を向上させたり、摺動性を向上させる塗料で表面塗布する等、軟質プラスチックより硬質のプラスチックに摺動性を向上させたものであってもよいが、好ましくは前記摺動向上剤として前記実施の形態によるシリコーンレジンを配合した硬質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で摺動接地体5を形成すると、ポリ塩化ビニール樹脂自体が他のプラスチック材のものより安価なので、経済的効果が大きい。

    【0031】また前記例のようにシリコーンオイル等の摺動向上剤を内部添加した場合にはブリード現象によりシリコーンオイル等がプラスチック表面に滲み出し、摺動性は良好であるが、外観を損ね、また経年使用により摺動性が低下し、さらにゴミ、砂、鉄粉等が付着しやすいが、前記実施の形態によるシリコーンレジン配合の硬質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂で摺動接地体5を形成すると、外観を損ねることがなく、時間の経過による摺動性能の低下もなく、またゴミ、砂、鉄粉等が付きにくく、さらには四ふっ化エチレン樹脂の場合は他の部品への一体化が容易ではないが、前記硬質または半硬質ポリ塩化ビニール樹脂による摺動接地体5は他の部品との一体化が容易で製造しやすく、より効果的である。

    【0032】なお内キャップ7の金属例は鉄であるが、
    ステンレス、銅、黄銅その他の金属であってもよい。 但し、銅や黄銅より強度の大きい鉄またはステンレスの方が好ましい。

    【0033】また摺動接地体5の接地下面8を水平面に形成するよりも凸弧面に形成する方が床面等に対する接触面積が小さく、椅子1を移動させやすく、さらには接地下面8全体を凸弧面にすると、椅子1の静止時に点接触となるが、実施の形態のように凸弧面8″の中央に水平面8′を形成する方が、椅子1の静止時に面接触となり安定性が良い。

    【0034】なお摺動接地体5の接地下面8全体を凸弧面とする場合でも、また実施の形態のように中央が水平面8′である凸弧面8″とする場合でも、使用する椅子が幼稚園や保育園等の子供用施設で用いられる子供椅子である場合には不動時の安定性も考慮して前記凸弧面の傾斜を極めて緩くして不動時における安定性を保持しつつ、移動時においては全体が水平面状の接地下面8よりすべりやすくした方が好ましい。

    【0035】次に本実施の形態の使用法および作用を説明すれば、椅子1の前脚2′および後脚2″の各端部3
    に各外挿体4を外挿して前脚キャップ22を前脚2′
    に、後脚キャップ23を後脚2″に取り付ける。ここに各外挿体4は軟質プラスチック製で、密着性を有し、脚2の端部3に密嵌し、また各脚2の各最先端6に内キャップ7が嵌まる。この内キャップ7が金属製で、しかも摺動接地体5が軟質プラスチックより硬質のプラスチック製であるので、強度が大となる。

    【0036】なお図1・2・4で示す床面に対する椅子1の前脚2′と後脚2″のように後脚2″の起立角度β
    が前脚2′の起立角度より小さくても、例えば床面に対して前脚2′が垂直若しくは垂直に近く、後脚2″がかなり傾斜している場合でも実施の形態では、前脚キャップ22を垂直に、後脚キャップ23を斜めに起立しているので各摺動接地体5の接地下面8の中央近傍が床面に接地する。もし、このとき図4の1点鎖線で示すように後脚2″に前脚キャップ22を取り付けると軟質プラスチック製の外挿体4端が床面に接触し、また外挿体4端が2点鎖線で示すように床面に近接していると摺動接地体5の摩耗により外挿体4端が床面に接触し、移動時の摺動性が悪く、不都合であるが、実施の形態では接地下面8の中央近傍が床面に接地し、水平な下端4′との距離が前述の場合より大きくなるので、前記不都合を解消でき、確実に摺動することができる。

    【0037】なお好ましくは前脚キャップ22の外挿体4を前脚2′の起立角度と、また後脚キャップ23の外挿体4を後脚2″の起立角度と一致させて水平な下端4′より起立させれば各外挿体4の下端4′が床面と平行になり、床面と下端4′との距離が大きくなり、効果的である。ただ椅子により前脚2′、後脚2″の起立角度が一定していないので、本実施の形態のように後脚2″より起立角度が大きく、垂直若しくは垂直に近い前脚2′には垂直に起立する前脚キャップ22を、前脚2′より傾斜が小さい後脚2″には斜めに起立する後脚キャップ23を取り付ければ、接地下面8の中央近傍が床面に接地し、少なくとも前述の図4で示す1点鎖線や2点鎖線の外挿体4端が床面に接触若しくは近接して生ずる前記不都合を避けて摺動接地体5を確実に摺動することができ、しかも汎用性に富み、製造上および経済上、有効である。

    【0038】また密嵌部10より側方に突出している対外緩衝部12は他の家具等に衝突したときの緩衝部分である。

    【0039】なお接地下面8が完全な凸弧面であっても、椅子1への着席時に荷重がかかった場合、本脚キャップの接地下面8が僅かに歪みを生じ、完全な点接触ではなく、僅かではあるが面接触となり静止時の安定性が良いが、実施の形態のように凸弧面8″の中央に水平面8′を形成すれば、より接触面積が大きくなり、より安定性を有するとともにより単位面積当りの荷重が小さくなり床面を傷つけにくい。

    【0040】また椅子1を押して、或いは着席状態のまま移動させれば、前記硬質のプラスチックの摺動材からなる摺動接地体5を有するのですべりやすく、椅子1は容易に移動し、また脚キャップは摩耗しにくい。

    【0041】なお接地下面8が完全な凸弧面の場合、中央に水平面8′を有する凸弧面8″の場合、全体が水平面の場合の順にすべりやすいが、子供椅子の脚キャップとする場合には、着席時の安定性および摺動時の扱い易さを総合的に考慮すると、接地下面8が中央に水平面8′を有する凸弧面8″である実施の形態が最も好ましい。

    【0042】

    【発明の効果】本発明のうち請求項1の発明は脚キャップでありながら、キャスターのように椅子を移動しやすく、かつ摩耗しにくくすることができ、しかも容易に脱落したり、ガタを生ずることがなく、脚に確実に取り付けることができ、強度の大きい椅子用脚キャップを提供することができ、また前脚より起立角度の小さい後脚を有する椅子に取り付けた場合に外挿体端が床面等に接触若しくは近接せず、確実に摺動する。

    【0043】本発明のうち請求項2の発明は請求項1の発明の効果に加えて構造が簡単で、容易に製造できる。

    【0044】本発明のうち請求項3および4の発明は請求項1および2の発明の効果に加えて各部材の一体化を確実にして壊れにくく、しかもより製造容易となる。

    【0045】本発明のうち請求項5および6の発明は請求項1、2、3および4の発明の効果に加えて移動時のすべりがより良好となり、しかも外観を損ねず、経年使用によっても摺動性能が低下しにくく、ゴミ等が付着しにくく、かつ容易かつ安価に製造できる。

    【0046】本発明のうち請求項7の発明は請求項1、
    2、3、4、5および6の発明の効果に加えて移動時のすべりがさらに良好となる。

    【0047】本発明のうち請求項8の発明は請求項7の発明の効果に加えて静止時の安定性が良好となる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施の形態の使用状態を示す正面図である。

    【図2】本発明の実施の形態における前脚キャップの拡大縦断正面図である。

    【図3】同上のA−A断面図である。

    【図4】本発明の実施の形態における後脚キャップの拡大縦断正面図である。

    【図5】同上における後脚を除いた平面図である。

    【図6】従来例の縦断正面図である。

    【符号の説明】

    1 椅子 2 脚 3 端部 4 外挿体 4′下端 5 摺動接地体 6 最先端 7 内キャップ 22 前脚キャップ 23 後脚キャップ

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