【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、2つの支持部材の間に支持された張り皮(membrane)を有する家具に関するもので、より具体的にはこの張り皮を椅子の支持部材に固定するための固定具に関するものである。 【0002】 【従来技術】いろいろな椅子及びその他の家具は支持フレームの間に張設した張り皮を有しているが、この張り皮は椅子に座る人を支えるものである。 米国特許第3, 624,814号(ボリシェブスキー、1971年11 月30日)は多数のフィラメントを椅子にネジで取付けたものを開示している。 米国特許第4,152,023 号(ブーク、1979年5月1日)はプラスチックの殻体とこれを覆う表皮をネジで椅子に取付けることを開示している。 【0003】これと異なり、スリーブを対向サイドフレームに嵌め得ることが、米国特許第4,601,516 号(クライン、1986年7月22日)とか米国特許第4,826,249号(ブラッドバリー、1989年5 月2日)に見られる。 その他の椅子としては、張り皮又は多数のフィラメントを、張り皮をフレーム部材上に転がし、ついで椅子を組立てた時はフレーム部材の回転を拘束することにより椅子フレームに取付けることが米国特許第3,399,926号(ハーン、1968年9月3日)や米国特許第4,545,614号(アブ・イサほか、1985年10月8日)に見られる。 【0004】さらに他の椅子としては、平行なサイドフレームに沿って溝又は孔を有し、張り皮の幅広縁部又はプラスチック殻体がこの溝の中に固着されることが米国特許第3,431,022号(ポップ、1969年3月4日)、同第3,298,743号(アルビンソンほか、1967年1月17日)、同第3,601,446 号(パーソン、1971年8月24日)、同第3,84 4,612号(ボーグレンほか、1974年10月29 日)に見られる。 米国特許第3,041,109号(イームスほか、1962年6月26日)では、椅子のウェブが外側向きの溝を有する平行なレール間に取付けられている。 縁部のウェブは固い要素の周りに360°巻かれ、ついで外側の溝に挿入される。 【0005】また、スライドファスナー又はジッパーを用いて表装材又は表皮を椅子フレーム又は基部に固定するものもある。 この例は米国特許第4,019,776 号(タカマツ、1977年4月26日)、同第2,23 3,986号(リーチ、1941年3月4日)に見られる。 これら設計の各々において、ジッパーは表皮の縁部において観察者の目に見える。 【0006】以上いずれの公知例においても、張り皮が支持部材の間に張り渡され、その固定手段が有効に視界から隠されて、より審美的な外観を呈するような家具は開示されていない。 さらに、従来知られている椅子のどれも、表装材により固定手段を視界から隠すようにした表装材取付け用の固定手段を開示してはいない。 隠された固定手段は同様により審美的で快適な椅子を提供するものである。 【0007】 【発明の要説】本発明に係る家具は、有効に視界から隠されるような、張り皮を対向側部材に固定するための固定手段から成るものである。 また、本発明に係る家具は、固定具が有効に視界から隠され、審美的に快適な椅子とするような、表装材パッドを家具に取付けるための固定手段を有するものである。 【0008】本発明は、平行な互いに間隔をおいた2つの支持部材を有する家具から成るもので、この支持部材の間に延びる張り皮が対向両縁部を有し、この両縁部で支持部材に取付けられる。 対向両縁部の各々は細長いウェブで被覆される。 このウェブの1つの縁部にスライドファスナーの半分が取付けられ、スライドファスナーの他の半分はウェブの他の縁部に取付けられる。 スライドファスナーの両半分は互いに平行である。 多数の第1固定具がウェブと張り皮を支持部材の1つに取付ける。 スライドファスナーの両半分は選択的に噛み合わされて、 固定具を細長いウェブの縁部の下に隠す。 【0009】他の実施例においては、ウェブの上に重なる、それより幅の狭い細長ストラップが第1固定具により支持部材に取付けられる。 また、他の実施例においては、本発明の家具は多数の第2の固定具が張り皮だけを支持部材の上表面に取付けている。 好適に、第1及び第2の固定具はステープルから成る。 さらに他の実施例においては、2つの支持部材の各々に溝が形成される。 この溝は張り皮の両縁部を受け入れる。 好適に、この溝は支持部材の上表面に形成される。 さらに他の本発明の実施例においては、第1の固定具が張り皮の対向両縁部の長さにわたり延びている。 さらに他の本発明の実施例においては、家具は座部と背部を有する椅子から成る。 好適に、張り皮は座部と背部に第1の固定具で取付けられる。 【0010】別の椅子の実施例においては、表装材パッドが第1の固定具とスライドファスナーを隠すように表装材パッドが椅子に取付けられる。 この実施例に係る椅子は座部と、背部と、これら座部及び背部の1つを支持するため互いに平行で間隔をおいた2つの支持部材と、 張り皮とを有する。 この張り皮は、椅子に座る人を支えるために支持部材間に延びていて、その対向両縁部で支持部材に固定されている。 張り皮の上に重なる表装材パッドが支持部材に取付けられる。 張り皮の両縁部は各々細長い第1のウェブにより被覆される。 第1のウェブはその1つの細長い縁部にスライドファスナーの半分を取付けている。 第1のウェブは、張り皮の対向縁部上にそれと平行に配置されている。 多数の第1固定具が第1ウェブと張り皮を支持部材に取付ける。 スライドファスナーの他の半分を取付けた細長い第2のウェブが、第2のウェブの細長い1つの縁部に取付けられる。 細長い第2 のウェブは表装材パッドに固定的に取付けられる。 第1 のウェブの細長い縁部と、第2のウェブの細長い1つの縁部とは互いに向き合っているから、細長い第1と第2 のウェブのスライドファスナーを互いに閉めることができる。 スライドファスナーの両半部は、表装材パッドが第1固定具とスライドファスナーを隠すように第1固定具の上から選択的に噛み合わせ又は閉めることができる。 スライドファスナーは表装材パッドを支持部材に固定的に取付ける。 【0011】他の実施例においては、細長いストラップが第1のウェブの一部の上に重なっている。 第1固定具はこのストラップと第1固定具を貫通して延びる。 さらに他の実施例においては、第2の細長いウェブが表装材パッドの外縁から内方に間隔をおいて設けられる。 第1 の細長いウェブは張り皮の対向縁部から外側へ延びている。 別の実施例においては、多数の第2固定具が用いられ、この第2固定具は張り皮だけを支持部材に固定する。 好適に、第1及び第2固定具はステープルから成る。 さらに別の実施例においては、張り皮の対向両縁部を受け入れるため支持部材の各々に溝が形成される。 好適に、この溝は支持部材の上表面に形成される。 さらに他の実施例においては、固定具が、張り皮の第3の縁部からの短い距離を除いて、張り皮の対向両縁部の長さに沿って延びている。 張り皮の第3の縁部は好適に椅子の横断部材に選択的固定具により取付けられる。 【0012】本発明のさらに他の実施例においては、細長いストリップを用いて張り皮固定装置を視界から隠す。 この実施例に係る家具は、互いに平行で間隔をおいた2つの支持部材から成り、椅子に座る人を支える張り皮も支持部材間に延びてそれに固定される2つの対向縁部をもつ。 多数の固定具が張り皮をこれら支持部材の少なくとも1つに取付ける。 細長いストリップが少なくとも1つの支持部材に取付けられ、その一部は張り皮を少なくとも1つの支持部材に取付けている固定具の上に選択的に重なる。 【0013】さらに他の実施例においては、少なくとも1つの支持部材が張り皮の対応する縁部の近くに細長い溝を有している。 細長いストリップの脚はこの溝に取付けられる。 好適に細長いストリップはL字形である。 他の実施例においては、細長いストリップはそれが不時に溝から外れないようにするため脚に形成した鉤を1個又はそれ以上有している。 さらに他の実施例においては、 細長いストリップの末端部は支持部材に固定具により取付けられる。 好適に、細長いストリップを取付けるための固定具と、張り皮を支持部材に取付ける固定具はステープルから成るものである。 【0014】本発明はまた家具をを製作するための方法から成るもので、その第1の工程は椅子に座る人を支える張り皮の対向両縁部を2つの支持部材に取付けることから成る。 この支持部材は互いに平行で間隔をあけてある。 第2に、スライドファスナーの第1の半分と第2の半分とをもつウェブを多数の固定具で張り皮の対向両縁部に取付ける。 最後に、スライドファスナーの両半分を選択的に噛み合わせ又は閉めて、固定具をスライドファスナーと第1及び第2のウェブの下に隠す。 他の実施例の方法においては、両ウェブを支持部材に取付ける前に、張り皮を支持部材に多数の第2固定具により固定的に取付ける。 さらに他の実施例においては細長いストラップが前記支持部材に取付けられる。 このストラップはウェブの上に張り皮縁部と平行に配置される。 ウェブは多数の固定具により取付けられる。 【0015】本発明のさらに他の実施例においては、表装材パッドが固定具をパッドの下に隠すため支持部材に取付けられる。 このパッドは、まず張り皮の対向両縁部を2つの支持部材に取付けることにより椅子に取付けられる。 支持部材は互いに平行で間隔をあけてある。 第2 に、スライドファスナーの第1の半分を有する第1のウェブが多数の第1固定具により張り皮の対向両縁部に取付けられる。 第3に、スライドファスナーの第2の半分をもつ第2のウェブが多数の第2固定具により表装材パッド上に取付けられる。 最後に、スライドファスナーの両半分を選択的に噛み合わせ又は閉めて表装材パッドを支持部材に取付けると共に第1固定具を表装材パッドの下に隠すようにする。 【0016】 【好適実施例】図面、特に図1を参照すると本発明に係る椅子12は座部14と背部16と第1の支持部材18 と第2の支持部材20とから成る。 張り皮22が第1、 第2支持部材18,20に適当な手段で取付けられている。 2本又はそれ以上の横断部材24が第1、第2支持部材18,20に固着されており、両支持部材を間隔をあけた平行な向きに維持している。 好適実施例において、横断部材24は座部14の先端と、背部16の頂部と、座部と背部の接合部とに取付けられる。 【0017】好適実施例において、第1支持部材18、 第2支持部材20は互いに鏡像関係にある。 簡単のため、第1支持部材18についてだけ詳説するが、第2支持部材20は第1支持部材18の単なる鏡像であることが理解されよう。 【0018】第1支持部材18はサイドフレーム30 と、脚支持部材32と、アームレスト34から成る。 サイドフレームはほゞL字形である。 ただし、座部14の先端は外側へわん曲し、背部16の頂部は後方へわん曲して着座者に快適なようにしてある。 さらに、サイドフレーム30は平均的な着座者の腰椎部分で軽いわん曲3 6をつけて快適なようにしてある。 【0019】サイドフレーム30は脚支持部材32に適当な手段例えば接着剤、ネジ、ボルト等により固着されている。 脚支持部材32はほゞU字形であって、前及び後の脚38がU字の垂直脚部を形成し、アームレスト3 4が横部分40の上表面に固着されるようになっている。 脚支持部材32を座部より上に延ばすこと、アームレスト34を付けることは必ずしも本発明にとって必須ではない。 【0020】張り皮22は両サイドフレーム30間に張り渡される。 張り皮22は椅子12の着座者を支えるものである。 図4及び図5に見られるように、サイドフレーム30は好適にその上表面の内側に溝44を形成されている。 溝44は好適にサイドフレーム30の長さにわたって延びている。 張り皮22の幅方向端部42はこの溝の中に適当な固定手段により固定される。 好適に、この固定手段は多数の第1固定具、例えばステープル50 などから成るが、他の適当な固定具、例えばスナップ、 リベット又は接着剤なども使用し得るものである。 【0021】第1の実施例において、張り皮22は多数の第2固定具、例えばステープル46により溝44に取付けられる。 図2から理解されるように、ステープル4 6は張り皮22の縁部42に沿って規則的に間隔をあけられている。 次に、図4及び図5に見られるように、細長いストラップ48が張り皮22の縁部22の頂面に溝44内のステープル46の列に重なるように取付けられる。 この細長いストラップ48は張り皮22とサイドフレーム30とに第1固定具(ステープル)50により固着される。 その他適当な固定具例えばスナップ、リベット又は接着剤も使用し得る。 第1の細長いウェブ52の第1の縦縁部62と、第2の細長いウェブ54の第1の縦縁部64とが細長いストラップ48に縫着される。 或いは、両ウェブの縁部62,64は細長いストラップ4 8と張り皮22の縁部42にサンドイッチしてステープル50により取付けることもできる。 【0022】スライドファスナー60の第1の半分56 が第1の細長いウェブ52の自由縦縁部66に取付けられる。 スライドファスナー60の第2の半分58は第2 の細長いウェブ54の自由縦縁部68に取付けられる。 スライドファスナー60の半分ずつ56,58は細長いストラップ48とステープル50の列との上で選択的に噛み合わせられる。 スライドファスナー60を張り皮2 2の縁部42上の長さ沿いに使用することで、細長いストラップ48とステープル50は選択的に視界から隠され、それによりより審美的に快適な椅子12を作ることができる。 観察者が見るものは、図3に見られるように張り皮22の縁部とサイドフレーム30に沿うスライドファスナー60だけである。 【0023】本発明はまた椅子12を組立てるための方法にも及ぶ。 この方法は、まず張り皮22の縁部42をサイドフレーム30の溝44内に横たえることから成る。 次に、張り皮22を第2の固定具又はステープル4 6でサイドフレーム30に張り渡す。 第1の細長いウェブ52と第2の細長いウェブ54との第1の縦縁部62 と64を細長いストラップ48に縫着し、張り皮22の縁部42の頂面と溝44内のステープル46の列の上に置く。 細長いストラップ48と第1及び第2のウェブ5 2,54は、多数の第1の固定具例えばステープル50 により溝44内でサイドフレーム30に固着される。 それからスライドファスナー60の両半分56,58を選択的に係合させて、細長いストラップ48とステープル50を包み込み、こうしてストラップ48及び固定具を溝44内に隠し込む。 【0024】この方法を修正するため、第2のステープル群46を省略し、単に、張り皮22の縁部42と、第1及び第2の細長いウェブ52,54とを溝44に配置してこれらを単一群のステープル50だけによってしっかり固定することもできる。 【0025】同様にこの方法を修正するため、上述のような2枚のウェブではなく、スライドファスナー60として1枚の細長いウェブを利用することもできる。 この場合は、スライドファスナー60の両半分56,58を1枚のウェブの対向両縦縁部に取付ける。 ウェブの縦中心線を細長いストラップ48の下に置き、ついで上述したような固定具によりサイドフレーム30に固定する。 それからスライドファスナー60の両半分56,58を係合させれば、細長いストラップ48と固定具を隠すことができる。 【0026】本発明をさらに修正するため、細長いストラップを省略して単一のウェブを用いることもできる。 ウェブの中心線は上述したような固定具によりサイドフレーム30に固着されるであろう。 それから、ウェブの対向両縁部に取付けられているスライドファスナー60 の両半分56,58を係合させれば、ステープル50の列を隠すことができる。 【0027】椅子12のための固定具の第2の実施例を図6から図8に示す。 第1の実施例と同じ要素には同じ符号を付して以下説明する。 第2の椅子12の実施例も座部14と、背部16と、第1及び第2支持部材18, 20から成る。 両支持部材は横断部材24を座部14の先端と、背部16の頂部と、座部14と背部16の接合部とに取付けて間隔をあけた平行な関係に維持される。 さらに、張り皮22が両支持部材間に張り渡されて、着座者を支えるようになっている。 【0028】第2の実施例が第1の実施例と異なるところは、表装材パッド70が椅子12に被着されていることである。 第1の実施例におけるように、張り皮22の縁部42はサイドフレーム30の溝44の中に多数の第2固定具(ステープル)46により取付けられる。 さらに、細長いストラップ48が多数の第1固定具(ステープル)50により張り皮22の縁部42の頂面でサイドフレーム30に固着されている。 第1の細長いウェブ5 2の第1の縦縁部62が細長いストラップ48と張り皮22とに縫着される。 第2の細長いウェブ54の第1の縦縁部64は細長いストラップ48と張り皮22とに縫着される。 この椅子の第2実施例はまた第3の細長いウェブ78をも有し、これは表装材パッド70の下表面7 2に取付けられる。 第3のウェブ78の第1の縦縁部8 0は適当な手段例えばネジ付きステッチ76又は接着剤によりパッド70に取付けられる。 【0029】第3の細長いウェブ78は好適に表装材パッド70の外縁74から内側へ隔てられている。 スライドファスナー60の第1の半分56が第1の細長いウェブ52の自由縦縁部66に取付けられ、スライドファスナー60の第2の半分84は第3のウェブ78の自由縦縁部82に取付けられている。 【0030】張り皮22をステープル46により溝44 に取付け、第1の細長いウェブ52と第2の細長いウェブ54と細長いストラップ48をステープル50によってサイドフレーム30に取付けた後、第1ウェブ52と第3ウェブ78とのスライドファスナー60の半分ずつを選択的に噛み合わせれば、表装材パッド70をサイドフレーム30に取付けることができる。 第3のウェブ7 8は表装材パッド70の外縁74より内側でパッド70 に取付けられるから、パッド70はステープル50、細長いストラップ48及びスライドファスナー60の上に横たわる。 この形状により、表装材パッド70が固定手段を視界から隠して審美的に快適な椅子12をもたらすことができる。 【0031】図7と図8から明らかなように、第3の細長いウェブ78は自由端82が外側に向き、第1のウェブ52の自由端66が内側に向くように取付けられている。 この関係は、パッド70がスライドファスナー60 とその付属ウェブを被覆するのに十分長く延びている限り、逆にすることもできるものである。 【0032】第1、第2及び第3のウェブ52,54, 78を用いることの利点は、椅子の単一の設計の融通性を強化することである。 製作工程において、椅子のフレームは、それらが表装されるか否かにかかわらず、同一に製作することができよう。 その標準的な椅子基部に、 所定の選択による布と色の表装材を付け加えるだけでよい。 さらに、表装材のない椅子の使用者が後に表装材パッド70を付け加えることに決めたとしても、椅子の構造を変更する必要はない。 或いは、使用者が表装材を変えたり取り去ったりするのには、単に表装材を除去してステープル50の上からスライドファスナー56,58 を閉めればよい。 使用者は単に第1ウェブ52と第2ウェブ54とのスライドファスナーを開いて、第1ウェブ52と第3ウェブ78の上のスライドファスナーを噛み合わせればよい。 同様に、表装材パッド70がついている椅子の使用者は何時でもパッドを取り去って、第1と第2のウェブ52,54を用いて固定具を隠すことができる。 【0033】上述した第2実施例において、第2ウェブ54は、パッドを上述のように除去する時に使用するのに有効である以外は、ほとんど又は全く機能を担わない。 表装材パッド70をサイドフレーム30に取付けた後、第2ウェブは表装材パッド70により隠され、パッド70をサイドフレーム30に取付けのには使用されない。 従って、第2ウェブ54は、椅子の有用性を制限することを除いて、第2実施例の構造又は要素の機能に影響を与えることなく、第2実施例から省略することもできる。 【0034】本発明はまた第2実施例の椅子12を組立てる方法にも及ぶものである。 この椅子を組立てるため、まず張り皮22の縁部42をサイドフレーム30の溝44内に入れる。 ついで、この縁部42を多数の第2 ステープル46でサイドフレーム30に固定する。 次に、第1の細長いウェブ52の第1の縦縁部62を細長いストラップ48に縫着し、ついで溝44内のステープル46の頂面に置く。 細長いストラップ48と第1の細長いウェブ52を多数の第1ステープル50でサイドフレーム30に取付ける。 【0035】スライドファスナー60の第2の半分84 を外縁部74より内側にくるように表装材パッド70の下表面72に取付ける。 第3のウェブ78をステッチ7 6などのような適当な手段により、又はプラスチック・ ヒート・ウェルド法により取付ける。 表装材パッド70 を椅子12に取付けるのは、スライドファスナー60の両半分56,84を選択的に係合させることによる。 第2の細長いウェブ54は表装材70の外縁部74より内側にあるから、パッドの縁部は溝44内に取付けられた固定具のところまで延び、これを隠す。 【0036】第2の実施例は、第1実施例について前述したのと同様に修正することができる。 まず、多数の第2ステープル46を省略し、張り皮22は多数の第1ステープル50だけによってサイドフレーム30に取付ければよい。 次に、細長いストラップ48は固定手段から省略し得る。 最後に、単一のウェブを、第1の細長いウェブ52と第2の細長いウェブ54の代わりに用いればよいであろう。 スライドファスナー60の両半分56, 58は単一のウェブの対向両縁部に取付けられているから、係合させると固定具を視界から隠す。 【0037】張り皮の頂縁部と底縁部は、これら縁部を視界から隠すように横断部材24に固定される。 図9には張り皮が横断間部材24とサイドフレーム30に固定されたものとして図示されている。 椅子に表装材をつけない時は、張り皮22を横断間部材の全外周とサイドフレーム30の上端の周りに巻き付ければよい。 第1ステープル50は、張り皮22の対向両縁部42をサイドフレーム30の下側まで巻くのにサイドフレーム30の丸い端部の円周を実質的に一巻きするようにすればよい。 多数の横断部材ステープル93を横断部材24の縦軸線に沿って取付けて対向両縁部42間にある張り皮22の部分を横断部材24に固着すればよい。 張り皮88の端部を横断部材24とサイドフレーム30の丸い端の周りに転がすと張り皮88の端は有効に視界から隠される。 【0038】椅子が表装材パッド70を被せるべきものである時は、表装材の容易な取付けと除去に適応するように、張り皮88の端は異なる方法で横断部材24に取付ければよい。 前に見たように、表装材パッド70は互いに噛み合うスライドファスナー60によって椅子12 に取付けることができる。 表装材パッド70に取付けられたスライドファスナー84の第2の半分は、ステープル50がサイドフレーム30の端の全周を一巻きしていないなら、椅子に取付けたスライドファスナー56の第1の半分により容易に取付けられる。 図10に見られるように、ステープル50の列は張り皮88の端部の少し手前で終わっている。 張り皮の端部90は、張り皮22 の頂縁及び底縁の両方に付いていないのでスライドファスナー60の容易な係合を許容する。 表装材パッド70 (図10では示してない)を取付けた後、端部90を横断部材24の丸みの下に巻いて、ベルクロファスナー9 2又はスナップなどのような選択的固定具で定位置に保持する。 表装材パッドを除去するためには、端部90を横断部材24の下側から引っ張り出して、スライドファスナーの端を露出させればよい。 【0039】椅子12のための固定具の第3の実施例を図11と図12に示す。 第1実施例と共通する要素には同じ符号を使用する。 【0040】椅子12の第3の実施例は同様に座部14 と背部16と第1及び第2の支持部材18,20から成る。 第1、第2支持部材は、座部14の先端と、背部1 6の頂部と、座部と背部の接合部とに取付けた横断部材24によって間隔をあけた平行な関係に維持されている。 さらに、張り皮22が第1及び第2支持部材18, 20間の空間に張り渡され、着座者を支えるようになっている。 【0041】第3の実施例が第1実施例と異なるのは、 固定具が視界から隠される手段においてである。 第1実施例におけると同様に張り皮22の縦縁部42は多数の第1固定具、例えばステープル50によってサイドフレーム30に取付けられる。 この実施例において、ステープル46はサイドフレーム30の側部に平行に揃えられている。 サイドフレーム30の頂面には溝94が機械加工されている。 溝94はサイドフレーム30の全長にわたり張り皮22の端縁42の直近まで延びている。 細長いストリップ又は押出物96が溝94内に固着されてステープル46と張り皮22の縁部を視界から隠している。 好適に、押出物96はL字状をなしている。 【0042】押出物96の垂下脚には多数の鉤又はとげ98が形成されていて、脚を溝94に挿入することは許すが、その引き抜きに抵抗する。 押出物96の2つの水平なフランジ100,102は押出物の縦軸線から外側に延びている。 第1の水平フランジ100は張り皮22 の端末縁部とステープル46の列を視界から隠すのに十分遠く延びている。 第2の水平フランジ102は第1フランジ100から反対側へ短い距離延びて溝94を視界から隠すのに役立つ。 【0043】押出物96が不時に溝94から脱落するのを防ぐため、細長いストリップ96の端部(図示してない)は押出物ステープル(図示せず)によってサイドフレーム30の下側に固着すればよい。 押出物96が最も溝94から不時に抜け出しそうなところは、ストリップ96の端末縁部である。 【0044】第3の実施例による張り皮22の固定方法は、サイドフレーム30の表面に溝94を機械加工すること、張り皮22を多数のステープル46で溝94に近いサイドフレーム30に取付けること、最後に押出物9 6をサイドフレーム30の長さに沿って溝94内に強制的に押し込むことから成る。 機械加工と張り皮取付け工程とは、所望により逆にしてもよい。 張り皮固定方法の第3の実施例は張り皮固定具を視界から容易に隠す設置容易な手段を提供する。 【0045】椅子12の固定具の第4の実施例を図13 と図14に示す。 第1の実施例と共通する要素には同じ符号を使用する。 椅子12の第4の実施例は、同様に、 座部14と背部16と第1及び第2支持部材18,20 とから成る。 これら支持部材は、座部の先端と、背部の頂部と、座部と背部の接合部とに取付けた横断部材24 により間隔をあけた平行関係に維持される。 また、張り皮22が第1、第2支持部材間の空間に張り渡され、着座者に対する支えを提供している。 【0046】第4の実施例の主な相違点は、細長いストラップ48を省いたことである。 第4実施例においては、第1の細長いウェブ52が張り皮22の下に取付けられ、第1ウェブの自由縦縁部66とスライドファスナーの第1の半分56とが張り皮22の縁部42の近くにあるようにしてある。 第1の細長いウェブはステッチ1 04などのような適当な固定具により張り皮に取付けられる。 布ストリップ106がステッチ105を通じて張り皮22の上表面に張り皮22の縁部42近くで縫着される。 図14に見られるように、布ストリップ106の内縁は、ストリップ106が張り皮22の縁部42を被覆するように張り皮22に縫着されるが、それを剥がして露出させることができる。 【0047】張り皮22と第1の細長いウェブ52は多数の固定具、例えばステープル50によりサイドフレーム30に取付けられる。 ステープル50は好適にサイドフレーム30に平行である。 張り皮を取付けるには、まず布ストリップ106を折り曲げて、張り皮22の縁部42を露出させる。 ステープル50を挿入し、ついで布ストリップ106をステープル50の列の頂面に折りかさね、ステープルを見えないように隠す。 【0048】スライドファスナーの第2の半分58を第2の細長いウェブ54に取付ける。 第2の細長いウェブ54をついで直接表装材パッド70に縫着する。 この実施例において、表装材パッドは基部層108と外布層1 10とから成る。 第2の細長いウェブは基部層108と外布層110とにウェブ54の主要部が隠されるように縫着される。 ウェブ54は、スライドファスナーの第2 の半分58が基部層108と外布層110との間にサンドイッチされるように、基部層108と外布層110の間に入れられる。 第2のウェブの第1の縦縁部64がこれら層の縁部から外方へ延びる。 これら縁部はステッチされ、ついで基部層と外布層が逆にされてスライドファスナーの第2の半分58を露出させ、第2のウェブの第1縦縁部64を隠させる。 【0049】張り皮22が上述のようにサイドフレーム30に取付けられたら、スライドファスナーの第1の半分56と第2の半分58を一緒に閉めることにより、表装材が椅子に取付けられる。 【0050】従来、張り皮又は表装材パッドを椅子フレームに固定するための種々異なる技術が用いられている。 しかし、本発明に係る固定具と椅子の組立て方法は従来技術で知られていない簡単で審美的に快適な椅子構造を実現するものである。 第1実施例では、ステープルが見えないように隠され、見えるすべてのものはサイドフレームに沿って延びるスライドファスナーだけである。 第3実施例では、ステープルは押出物によって視界から隠される。 第2及び第4実施例においては、表装材パッドがスライドファスナーによって、ステープルもスライドファスナーも露出しないような方法でサイドフレームに取付けられ、こうしてより審美的に快適な椅子が実現される。 【0051】以上、本発明の特定実施例を図示したが、 もちろん本発明はこれらに限定されるものでないことは、当業者が以上の開示をもとに修正をなし得るところから明らかである。 合理的な変更及び修正が本発明の精神を逸脱することなく以上の開示の範囲内で可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明に係る椅子の第1の実施例の斜視図である。 【図2】図2は本発明に係る椅子のサイドフレームに取付けた張り皮の固定具(ステープル)を示す部分平面図である。 【図3】図3は図2に見られる張り皮とその固定具を隠す手段を示す拡大部分平面図である。 【図4】図4は図1の4−4線における張り皮固定具の部分断面図である。 【図5】図5は図4に示す張り皮固定具の分解断面図である。 【図6】図6は表装材パッドで表装する本発明に係る椅子の第2の実施例を示す斜視図である。 【図7】図7は図6の7−7線における拡大部分断面図である。 【図8】図8は図7に示す表装材パッドと張り皮固定具の分解断面図である。 【図9】図9は図1の9−9線における拡大部分断面図で、本発明の第1の実施例の張り皮の頂端と底端を取付ける一手段を示している。 【図10】図10は図9と同様な部分断面図であるが、 第2の実施例の張り皮の頂端と底端を取付ける手段を示している。 【図11】図11は本発明の第3の実施例に係る椅子のサイドフレームに取付けた張り皮の部分平面図である。 【図12】図12は図11の12−12線における拡大部分断面図である。 【図13】図13は本発明に係る座部張り皮と表装材の固定具の第4の実施例を示す分解断面図である。 【図14】図14は図13に示す第4の実施例を組立てた状態の部分断面図である。 【符号の説明】 12…椅子 94…溝 14…座部 96…押出物ストリップ 16…背部 98…鉤 18,20…支持部材 106… 布ストリップ 22…張り皮 24…横断部材 30…サイドフレーム 46…第2の固定具(ステープル) 48…細長いストラップ 50…第2の固定具(ステープル) 52…第1の細長いウェブ 54…第2の細長いウェブ 56…スライドファスナーの第1の半分 58…スライドファスナーの第2の半分 60…スライドファスナー 70…表装材パッド 78…第3の細長いウェブ 84…スライドファスナーの第2の半分 88…張り皮 92…選択的固定具(ベルクロファスナー) ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー、エス、ウィング アメリカ合衆国ミシガン49424、ホランド、 フェント・ファーム・ロード15966 |