ロッキング椅子

申请号 JP2012067767 申请日 2012-03-23 公开(公告)号 JP5977053B2 公开(公告)日 2016-08-24
申请人 株式会社イトーキ; 发明人 井上 信治;
摘要
权利要求

脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上に配置した座と、後傾動可能な背もたれと、前記背もたれの後傾動を弾性的に支持するばね手段とを有しており、 前記背もたれは、回動支点を少なくとも前進させつつ後傾動するようになっており、このため、前記ベースには、前記背もたれの回動支点をガイドする第1固定ガイド部と、前記第1固定ガイド部の後ろにおいて背もたれを後傾可能に支持する第2固定ガイド部とが、それぞれ前記座の上面より下方に位置するようにして設けられている一方、 前記背もたれは、前後に大きく開口したバックフレームにメッシュ材又はその他の可撓性バックシートを張った構造であり、前記バックフレームのうち前記開口よりも下方に位置したロアメンバーに、前記第1固定ガイド部でガイドされる第1可動ガイド部と、前記第2固定ガイド部でガイドされる第2可動ガイド部とが設けられており、 かつ、前記バックフレームのロアメンバーには、前記第2固定ガイド部を後ろから覆うカバー部が形成されている、 ロッキング椅子。前記座は、前記ベースに前後スライド可能に装着されていると共に、後端が下降動するように前後中途部を境にして屈曲可能であり、前記座の後部と前記バックフレームとを連結することにより、前記バックフレームが後傾すると座はその後端が沈むように変形しつつ手前に前進する、 請求項1に記載したロッキング椅子。前記バックフレームのロアメンバーには、前記ベースの左右両側に位置した前向き突出部を設けており、このため前記左右の前向き突出部の間には上下に開口した溝空間が開いており、前記左右前向き突出部の全端間に前記第1可動ガイド部としての左右横長のスライドピンが取り付けられており、前記スライドピンは、前記ベースに設けた前後長手のガイド穴にスライド自在に嵌まっており、前記スライドピンの全進動を前記ばね手段で手前から支持している、 請求項1又は2に記載したロッキング椅子。前記座の後部には、前記バックフレームの溝空間を左右に跨ぐ姿勢の補強板が上下移動不能に保持されており、前記バックフレームにおける前向き突出部の下面に肘掛けの基部を重ねて、前記肘掛けの基部に下方から挿通したビスを前記補強板にねじ込むことが許容されている、 請求項3に記載したロッキング椅子。

说明书全文

本願発明はロッキング椅子に関する。より詳しくは、背もたれが後傾しつつその回動支点が少なくとも前進動するタイプのロッキング椅子に関するものである。

背もたれが後傾動するロッキング椅子の1つのタイプとして、背もたれがその回動支点を手前にずらしながら後傾するタイプがある。オフィス用等の移動自在な椅子の場合、背もたれは脚の上端に設けたベースに取り付けられているので、ロッキングに際して背もたれの回動支点が前進するタイプでは、一般に、背もたれは、その回動支点とこれより後ろ又は上の部位とが、ベースに設けたガイド部で移動可能に支持されることになる。

便宜的に、ベースのガイド部については、背もたれの回動支点の箇所をガイドする部位を第1固定ガイド部と呼んで、背もたれの回動支点よりも後ろ又は上の部位をガイドする部分を第2固定ガイド部と呼び、更に、背もたれのうち第1固定ガイド部でガイドされる部分(すなわち回動支点の部分)を第1可動ガイド部と呼んで、第2固定ガイド部でガイドされる部分を第2可動ガイド部と呼ぶこととする。

このタイプの椅子に関する先行文献として、例えば本願出願人が出願した特許文献1がある。この特許文献1では、ベースの後端に、背もたれの背面に沿って立ち上がる背支柱を設けて、背支柱の上端部に第2固定ガイド部に相当する横ピン43(ガイド突起)を設ける一方、背もたれを構成する背アウターシェルには、横ピンがスライド自在に嵌まる略上下長手のガイド溝を有するガイド部材が設けられている。

また、他の先行文献として特許文献2があり、この特許文献2では、背もたれの下端に設けたガイドピンをベースに設けた長穴に挿通することにより、背もたれの下端をベースで下降動及び前進動するように支持すると共に、背もたれの上下中途部とベースとをリンクで連結している。

更に、他の先行文献としての特許文献3には、背もたれを構成するフレーム体に左右一対の前向きアーム部を設けて、前向きアーム部の内側面に設けた長溝(第1カムトラック)に、ベースの後端に設けた第1ローラベアリングを嵌め込む構成が開示されている。この特許文献3には座が図示されていないが、第1ローラベアリングは座面よりも上に配置されていると推測される。

これら各特許文献のように、背もたれがその回動支点を前進させながら後傾すると、固定位置を中心にして後傾する場合に比べて、同じ回動度であっても、背もたれの上端が後退する距離を小さくすることができるため、ロッキングに際して身体が後ろに大きくはみ出ることを防止できて、例えば椅子の後ろが通路である場合、ロッキングしても人の通行の邪魔にならなくすることができる。

特開2011−87832号公報

米国特許明細書第5660439号

特開2008−93447号公報

さて、椅子において背もたれの構造は様々であるが、事務用回転椅子の場合は、ロッキングに際して着座者の体圧を背板で受けるタイプと、メッシュ材(或いはネット材)で体圧を受けるメッシュタイプとに大別されると言える。背板タイプの場合はその前面にクッションを配置していることが殆どである。他方、メッシュタイプの場合は、背もたれは前後に大きく開口したバックフレームを有しており、バックフレームにメッシュ材を張っている。

そして、特許文献1は背板タイプを対象にしたものであり、ガイド溝は背もたれの上下中途高さに位置しているため、メッシュタイプへの適用は難い。また、特許文献2はメッシュタイプに適用できないことはないが、着座者の左右両側にリンクが配置されているため、一般性に欠けるという問題がある。

他方、特許文献3の背もたれはクッションタイプかメッシュタイプか明記されてはいないが、図示されているバックフレームは前後に開口しているものの、開口部の下端は座面よりかなり上に位置しており、このため、背板を取り付けるタイプと推測される。すなわち、特許文献3にも、メッシュタイプに適用することはなんら示唆されていない。

本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、背もたれがその回動支点を前進させつつ後傾するタイプの椅子に、メッシュタイプの背もたれに対しても簡単に適用できるようにすることを課題とするものである

請求項1の発明は、 脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上に配置した座と、後傾動可能な背もたれと、前記背もたれの後傾動を弾性的に支持するばね手段とを有しており、 前記背もたれは、回動支点を少なくとも前進させつつ後傾動するようになっており、このため、前記ベースには、前記背もたれの回動支点をガイドする第1固定ガイド部と、前記第1固定ガイド部の後ろにおいて背もたれを後傾可能に支持する第2固定ガイド部とが、それぞれ前記座の上面より下方に位置するようにして設けられている一方、 前記背もたれは、前後に大きく開口したバックフレームにメッシュ材又はその他の可撓性バックシートを張った構造であり、前記バックフレームのうち前記開口よりも下方に位置したロアメンバーに、前記第1固定ガイド部でガイドされる第1可動ガイド部と、前記第2固定ガイド部でガイドされる第2可動ガイド部とが設けられており、 かつ、前記バックフレームのロアメンバーには、前記第2固定ガイド部を後ろから覆うカバー部が形成されている、」 という構成になっている。

請求項2の発明は、請求項1において、前記座は、前記ベースに前後スライド可能に装着されていると共に、後端が下降動するように前後中途部を境にして屈曲可能であり、前記座の後部と前記バックフレームとを連結することにより、前記バックフレームが後傾すると座はその後端が沈むように変形しつつ手前に前進する。

請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記バックフレームのロアメンバーには、前記ベースの左右両側に位置した前向き突出部を設けており、このため前記左右の前向き突出部の間には上下に開口した溝空間が開いており、前記左右前向き突出部の前端間に前記第1可動ガイド部としての左右横長のスライドピンが取り付けられており、前記スライドピンは、前記ベースに設けた前後長手のガイド穴にスライド自在に嵌まっており、前記スライドピンの前進動を前記ばね手段で手前から支持している。

請求項4の発明は、請求項3において、前記座の後部には、前記バックフレームの溝空間を左右に跨ぐ姿勢の補強板が上下移動不能に保持されており、前記バックフレームにおける前向き突出部の下面に肘掛けの基部を重ねて、前記肘掛けの基部に下方から挿通したビスを前記補強板にねじ込むことが許容されている。

本願発明によると、例えば特許文献1と同様に背もたれは回動支点を前進させつつ後傾動する椅子において、第2固定ガイド部及び第2可動ガイド部は座面より下に位置しているため、背もたれが前後に開口したバックフレームにメッシュ材等のバックシートを張った構成であっても、バックフレームは座面近くまで(或いは座面より下方まで)大きく開口させることができる。従って、背もたれがメッシュ材等の可撓性バックシートで身体を支持するタイプであっても、回動支点を前進させつつ後傾させることを支障なく実現できる。

また、ベースの第2固定ガイド部を座の後端よりも手前に配置すると、第2固定ガイド部と第2可動ガイド部とから成るガイド機構部が座の下方に隠れるため、椅子全体をスッキリとさせることができて、美感に優れている。請求項2の構成を採用すると、ロッキングに際して座はその後部が沈みながら前進するため、ロッキングに際して着座者の身体が後ろにのけ反る現象をより的確に防止できる利点がある。

請求項3の構成を採用すると、バックフレームに前向き突出部を設けたことで、バックフレームはできるだけ座の下面に近付けながらその前端をできるだけ手前に位置させることができるため、第1固定ガイド部と第2固定ガイド部との間隔をできるだけ長くして、バックフレームの支持安定性を高めることができる。

請求項4の構成を採用すると、肘掛けを取り付けた場合、肘掛けもバックフレームと一緒にロッキングすることになるため、ロッキング状態での肘の(或いは腕の)安定性を向上させることができる。また、補強板の存在により、肘掛けは高い固定強度で取り付けることができる。なお、肘掛けを使用しない場合でも、バックフレームの前向き突出部と補強板とをビスで締結することは可能であり、この場合は、バックフレームの強度を向上することができる。

実施形態に係る椅子の外観図で、(A)は斜視図、(B)は側面図である。

(A)は上方から見た分離斜視図、(B)は下方から見た分離斜視図である。

(B)は椅子全体の分離斜視図、(B)は座インナーシェルの後部の平面図である。

構成部材の分離斜視図である。

座インナーシェルを分離して前後逆向きにしたひっくり返した状態での斜視図である。

一部部材を分離した状態での斜視図である。

(A)はバックフレームと座インナーシェルと肘掛けとの分離斜視図、(B)はバックフレームの部分斜視図である。

略中央部の縦断側面図である(前部は分けて表示している。)。

(A)は図5のIX-IX 視方向から見た断面図、(B)は座受け中間金具とその附属部材とを下方から見た分離斜視図である。

動きを説明するための模式図である。

背もたれの正面図である。

(A)は図11の XIIA-XIIA視断面図、(B)(C)は(A)の部分拡大図である。

(A)は図11の XIIIA-XIIIA視断面図、(B)〜(D)はクッション層を使用しない状態での断面図である。

次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、方向を示すため「前後」「左右」の文言を使用するが、これらの文言はロッキング椅子(以下、単に椅子と称する)に着座した人の姿勢を基準にしている。「正面視」は着座者と対向した方向から見た状態になる。

(1).概要 まず、図1〜図4に基づいて概要を説明する。本実施形態の椅子は、いわゆる回転椅子に適用しており、椅子は、主要要素として、脚支柱(ガスシリンダ)2及び枝足を有する脚1、脚支柱2の上端に固定したベース3、ベース3の上方に配置された座4、ベース5に後傾動自在に連結された背もたれ5を備えている。また、図1(A)に示すように、オプション品として左右の肘掛け6を取り付けることができる(図1(A)では、肘掛けは片方しか表示していない。)。脚1を構成する各枝足の先端には、キャスタを設けている。

ベース3は板金製であって、例えば図4に示すように、底板と左右側板3aと前板とを有する上向きに開口の箱状の形態であり、前後方向に長く延びている。ベース3の内部のうち前後中途部にインナーブラケット7を溶接で固定し、インナーブラケット7と底板とに固定したテーパブッシュ8に、脚支柱2の上端を下方から嵌着している。

図4に明示するように、ベース3を構成する左右側板3aの上端には、おおよそ脚支柱2より手前に位置した左右外向きのサイドフランジ3bを設けており、このサイドフランジ3bには中間金具9を前後スライド自在に装着している。他方、座4は樹脂製の座板10とその上面に配置したクッション11とを有しており、座板10は中間金具9に固定されている。従って、座板10は、中間金具9と一緒にベース3の上を前後スライドする。敢えて述べるまでもないが、クッションはクロス等の表皮材(図示せず)で覆われている。

ベース3には、昇降高さ調節レバー12と中間金具9の前後動を規制するロッキング制御レバー13と、左右反対側に位置するようにして設けられている。図4に部分的に表れているが、昇降調節レバー12にはクランク状に曲がった棒材製のロッド14が固定されており、ロッド14の先端で脚支柱2のプッシュパルブが押し下げられる。図4に示すように、ベース3の内部にはロッド14を回動自在に保持する樹脂製の軸受け部材15が固定されている。

背もたれ5は、前後に開口した開口部16を有するバックフレーム17を有しており、図1に示すように、バックフレーム17には、その開口部16を塞ぐようにしてフロントバックシート18とリアバックシート19とが取り付けられており、フロントバックシート18とリアバックシート19との間に薄いクッション板20を介在させている。バックフレーム17は樹脂製であるが、アルミ等のダイキャスト品を採用することも可能である。

バックフレーム17は、開口部16の左右両側に位置した上下長手のサイドメンバー21と、左右サイドメンバー21の上端と一体に繋がって左右長手のアッパメンバー22と、左右サイドメンバー21の下端に一体に繋がったロアメンバー23を有している。サイドメンバー21とアッパメンバー22とは細長い形態であるが、ロアメンバー23は上下巾が大きくて頑丈な構造になっている。

図4に明示するように、ロアメンバー23の下端には、ベース3の左右両側に位置した左右一対の前向き突出部24が一体に設けられており、左右前向き突出部24の前端と中間金具9の後端部とに、請求項に記載した第1可動ガイド部の一例として左右横長のスライドピン25を挿通している。スライドピン25は、ベース3の左右側板3aに設けた前後長手の前部ガイド穴26にブッシュ26′を介して嵌まっている。従って、バックフレーム17は、スライドピン25を中心にして後傾動自在であると共に、前端はスライドピン25を介して中間金具9と一緒に自在に前後動する。中間金具9の前進動は、請求項に記載したばね手段の一例としてのコイルばね27で弾性的に支持されている。

図4に示すように、バックフレーム17には左右の前向き突出部24を設けたことにより、上下方向と前方とに開口した前後長の溝空間28が開いている。ロアメンバー23には、溝空間28と同じ横幅の上向き開口溝29が形成されている。そして、溝空間28の後部の左右内側面と上向き開口溝29の左右内側面とに跨がった状態で、手前上側に向けて凹となるように側面視で緩く湾曲した後部ガイド溝30が形成されており、この後部ガイド溝30に、ベース3の後端に横向き突設したガイド突起31を嵌め入れている。

このため、背もたれ5は、後部ガイド溝30にガイドされながら後傾すると共に、前端は前部ガイド穴26に案内されて前進動する。後部ガイド溝30は、請求項に記載した第2可動ガイド部の一例であり、ガイド突起31は、請求項に記載した第2固定ガイド部の一例である。

図2(B)に示すように、バックフレーム17における左右前向き突出部24の下面には、肘掛け6の基端部(肘支柱の基端部)32が嵌まる肘用凹所33形成している。図3(A)に示すように、バックフレーム17の左右前向き突出部24には、左右長手の補強板34が上から重なっている。補強板34は座板10の後部に上下抜け不能に装着されている。

(2).座及びロッキング機構 次に、従前の図に加えて図5〜図10も参照しながら各部位の詳細を説明する。なお、図6では、中間金具9はベース3に装着した状態と上に分離した状態との2つの状態を表示している。まず、座4の構造とロッキング機構とを説明する。座4はポリプロピレンのような樹脂を材料にした射出成形品であり、図2(A)や図3に示すように、側面視で自在に屈曲するヒンジ部10aを挟んだ前部10bと後部10cとに区分されている。

この場合、前部10bと後部10cとは前後位置の関係のみを示しており、前後長さの比率を限定するものではない。つまり、図示の例では前部10bの前後長さが後部10cの前後長さより長くなっているが、後部10cが前部10bより長くなっていてもよいし、前部10bと後部10cとが略同じ前後長さであってもよい。いずれにしても、後部10cが前部10bに対して後傾するには、後部10cは中間金具9の後ろに位置しておらねばならない。

図5から理解できるように、ヒンジ部10aは、断続して左右方向に直線状に延びるスリット36の群を有しており、複数本のスリット36が断続して一列に延びたスリット群を複数列形成することで、多数の平板ブリッジ部37を形成すると共に、幾つかのスリット36の箇所にはこれを跨ぐ立体的ブリッジ部38を形成しており、これらブリッジ部37,38によってヒンジ部10aが構成されている。

図5に示すように、座4の前部10bには縦横に延びる多数のリブ39が形成されている。そして、座4の前部10bの下面に、中間金具9の左右側部とベース3のサイドフランジ3bとを抱持する蟻溝部40一体に形成されている。蟻溝部40は下方と後方とに開口している。

中間金具9はベース3に上から重なっており、その後部に左右一対の下向き片9aを設けて、この下向き片9aにスライドピン25を挿通している。例えば図9に示すように、ベース3のサイドフランジ3bには樹脂製のスライド補助体41を前後ずれ不能に装着して、スライド補助体41を正面視内向き開口U型のスライダ42で抱持している。スライダ42は、中間金具9の側部に形成した切欠き43にずれ不能に嵌まっている。従って、スライダ42は中間金具9と一緒に前後動する。なお、蟻溝部40の内面にはグリスを塗布している。

例えば図4に示すように、中間金具9にはその中心線に沿って窓穴9bが上下に開口しており、角穴9bの後端縁に下向きのばね支持片44を設け、このばね支持片44とベース3の前板との間に、前後のばね受け45を介してコイルばね27が介在している。ばね受け45は、ばね受け片44とベース3の前板とにずれ不能に嵌まっている。

図9(A)に示すように、ベース3の内部のうち左側には、既述のロッキング制御レバー13(例えば図5参照)の回動操作に連動して起伏回動するロック体46が配置されており、ロック体46でスライドピン25の動きを規制することにより、背もたれ5はフルストロークで後傾動自在なフリー状態になったり、全く後傾動しないロック状態になったり、傾動ストロークが制限されたりというように制御される。

座4を構成する後部10cの下面には、既述した左右横長の補強板34が重ね配置されている。座4の後部10cには、補強板34の左右両側部を下方から抱持する前後一対ずつの支持片47を設けており、補強板34は、支持片47で構成された蟻溝に後ろから差し込まれている。また、補強板34は、後端に位置したジョイント37によって前進位置が規制されている。補強板34の左右両端部には、バーリング加工してからタップを立てることで3つずつの雌ねじ穴48が形成されており、前後の支持片47には、両端の2つの雌ねじ穴48に対応したビス穴49が開いている。

バックフレーム17の肘用凹所33の箇所から挿通した3本のビス(図示せず)を補強板34の雌ねじ穴48にねじ込むことにより、バックフレーム17と座4の後部10cとを一体に締結することが可能である。肘掛け6を取り付ける場合は、図7に示すように、肘掛け6の基端部に下方から挿通したビスを補強板34の雌ねじ穴48にねじ込んだらよい。

例えば図7に示すように、座板10の後部10cのうち補強板34の左右外側の部位には、正面視で内向き鉤型のリア係合爪50と、その左右外側に位置したリアストッパー51とを下向きに突設している。

他方、バックフレーム17の前向き突出部24のうち肘用凹所33の左右外側の部位には、リア係合爪50とリアストッパー51とが左右ずれ不能に嵌まる前後長手の第1規制リブ52及び第2規制リブ53を形成している。更に、内側に位置した第1規制リブ52に、リア係合爪50が引っ掛かり係合するリア係合穴54を形成し、また、両規制リブ52,53の間の部位に、リアストッパー51を後ろ向き移動不能に保持するストッパーリブ55形成されている。また、図5や図8に示すように、座板10における前部10bの前寄り部位の下面に、中間金具9の角穴9bの前縁に当接するフロント係合爪56を設けている。

従って、座板10はフロント係合爪56とリアストッパー51とによって中間金具9及びバックフレーム17に対して前後動不能に保持されていると共に、座板10の前部10bはその蟻溝40によってベース3に対して上向き離反不能に保持されており、座板10の後部10cは、リア係合爪50によってバックフレーム17に対して上向き離反不能に保持されている。

図8から明瞭に理解できるように、座板10における後部10cの後端縁は剛性が高い壁部58になっている。また、図5に示すように、座4の下面の周縁部には、表皮材の周縁に取り付けた紐を引っ掛けるための係止爪59を飛び飛びで多数形成されている。

ベース3の後部は、側面視で後ろに行くに従って高くなるように緩く傾斜した後ろ向きアーム部3cになっている。但し、後ろ向きアーム部3cの傾斜形状は側板3aをカットしたことに起因しており、後ろ向きアーム部3cの後端の高さはベース3の前半部の上面の高さよりは低くなっている。当然ながら、後ろ向きアーム部3cは座板10の下面より低い高さになっている。

そして、ベース3における後ろ向きアーム部3cの後端に左右横長の軸60を固定し、軸60の左右両端を後ろ向きアーム部3cの左右外側に突出させて、この突出した端部を既述のガイド突起31と成している。

バックフレーム17に設けた後部ガイド溝30の前端30aは下方に開放されている。このため、バックフレーム17の後部ガイド溝30をガイド突起31に簡単に嵌め込むことができる。図8に明示するように、後部ガイド溝30の後ろにはロアメンバー23の下半部を構成するカバー部61が形成されている。カバー部61の前端とベース3の後端との間の隙間62の間隔は人の指が差し込みできない寸法に設定されており、このため、バックフレーム17の後傾動を許容しつつ、安全性を確保できる。

図4や図6に示すように、バックフレーム17のロアメンバー23及び前向き突出部24の上面には、前後方向に長い補強リブ63を設けている。また、前向き突出部24の前端は、スライドピン25が嵌まる軸受け部64になっている。

(3).動きの説明・実施形態の利点 ロッキング時の背もたれ5と座4の動きを図10で模式的に示している。この図から容易に理解できるように、着座した人が背もたれ5にもたれ掛かると、背もたれ5はスライドピン25を中心に後傾するが、スライドピン25が前進するため、背もたれ5は、後部ガイド溝30がガイド突起31でガイドされることで、回動支点を変化(前進)させながら後傾する。このため、背もたれ5の上端を後ろに大きく移動させなくても、大きなロッキング角度を得ることができる。

図8に示すように、実施形態では、バックフレーム17におけるロアメンバー23のうちその上半部は概ね座板10と同じ高さになっており、上半部の後面65は、側面視で鉛直線に対してやや前傾した姿勢になっており、下半部を構成するカバー部61は、手前に行くに従って低くなるように傾斜している。従って、ロアメンバー23の後面は側面視で後ろ向きに凸に屈曲した形状になっている。このため、ロアメンバー23が後ろに大きく出っ張ることはなくて、スッキリとした外観を呈している。

そして、ロッキングに際しては、カバー部61がベース3のアーム部3cの下方に移動する。すなわち、カバー部61がアーム部3cの下方において前進することより、ロッキングが許容されている。従って、ロッキング機能を損なったりロアメンバー23を大型化したりすることなく、カバー部61で軸60を覆って安全性を確保している。この点、本実施形態の利点である。

更に述べると、特許文献3では、バックフレームにおける前後(或いは上下)に開口した切り開き溝の内側面に長溝(第1カムトラック)を形成しているため、ロッキングに際して切り開き溝の上下間隔が狭くなり、すると、人が切り開き溝に指を差し込んだ状態でロッキングすると、指を挟んでしまう危険があるが、本実施形態では、ロッキング前の状態でもロッキング状態でも、ベース3の後端(アーム部の後端)はロアメンバー23のカバー部61で覆われているため、指詰めの問題は発生せずに安全性が高いのである。

また、ベース3と中間金具9とスライド補助体41との関係に関しては、特許文献1のように、中間金具9の左右両側部にスライド補助体41(或いはベース3のサイドフランジ3a)を抱持する抱持部を形成して、抱持部でスライド補助体41を抱持することも可能であるが、この場合は、中間金具9は手前から又は後ろからのスライドでベース3に装着することになり、すると、ばね支持片44を中間金具9に曲げ形成しておくことができないため、ばね支持片44は別部材として、中間金具9をベース3に装着してから溶接するなどせねばならず、すると組み立て工程が厄介になる可能性がある。

これに対して本実施形態のように、スライド補助体41を中間金具9とは部材のスライダ42で抱持し、スライダ42を中間金具9に左右外側から嵌め込む構成を採用すると、中間金具9にはばね支持片44を曲げ形成した状態のままで、上からベース3に重ね、次いで、スライダ42を嵌め込み、それから座板10をベース3に嵌め込み装着することで、スライダ42離脱不能に保持される。このため、中間金具9にばね支持片41を曲げ形成することで構造の簡素化を図りつつ、組み立て工程の手間を軽減することができる。この点も本実施形態の利点の一つである。

更に、座4に関しては、特許文献1のように座をインナーシェルとこれを下方から支持するアウターシェルとで構成することも可能であり、2パーツにすると、インナーシェルを下向きに撓む状態でアウターシェルに取り付けできるため、クッション性に優れている利点があるが、この場合は2パーツになるためそれだけコストが嵩むことになる。

これに対して本実施形態のように単一構造の座板10をベース3に取り付ける構成を採用すると、部材点数を少なくできるため製造コスト・組み立てコストを抑制できる。従って、価格を重視するユーザーの要望に応えることができる。

そして、本実施形態では座板10は単純に単一構造にしているのではなく、幾つかの特徴を有する。例えば、前部10bは上下寸法を厚くすることで必要な強度を確保しているが、この場合、例えば図5に示すように、蟻溝40の左右外側の部位の外周には壁66を形成しており、この壁66の箇所に、表皮材を保持するための係止爪59設けられている。これにより、座板10に高い強度を保持させつつ、表皮材取り付け用紐を正確に位置決めすることができる。

また、前部10bの厚さは前後方向に向かっておおよそ同じ厚さになっているが、図5に示すように、蟻溝40の下側の受け部40aの厚さを手前に行くに従って薄くなる形態と成すと共に、図8に示すように、蟻溝40の上側の部位は上下厚さが後ろに行くに従って薄くなるように形成することにより、前部10bの上面を後ろに行くに従って緩く後傾させており、これにより、座板10をバランスのよい構造としつつ、着座者の身体へのフィット性を高めている。

第2可動ガイド部として後部ガイド溝30を採用した場合、後部ガイド溝30は前端(下端)が閉じた形態と成すことも可能であるが、この場合は、椅子の組み立てに際しては、正面視でバックフレーム17を傾けた姿勢にして後部ガイド溝30とガイド突起31との嵌め合わせを行わねばならず、組み立て作業のスムース性に欠けるおそれがある。

これに対して本実施形態のように後部ガイド溝30の前端を下向きに開放すると、バックフレーム17は正面視で傾けることなくセットできるため、作業者が馴れてなくても簡単に組み立てることができる利点がある。なお、後部ガイド溝30にブッシュを装着したり、ガイド突起31をローラに構成したりすることも可能である。

なお、椅子の組み立ては、まず、中間金具9をベース3にセットしてから、バックフレーム17をベース3のアーム部3cに嵌め込み、次いで、スライドピン25で中間金具9とベース3とバックフレーム17と連結し、次いで、座板10を手前からの押し込みでベース3に取り付ける、という手順で行われる。

(3).バックシートの取り付け構造 次に、図4〜6や図11〜図13を参照してバックシート18,19の取り付け構造を説明する。フロントバックシート18及びリアバックシート19はメッシュ状の外観を呈しており、通気性と若干の透光性とを有している。これらバックシート18,19は、図12,13に示すように、その外周縁に固定したテープ片68,69をバックフレーム17に設けた第1及び第2の溝穴71,72に嵌め込むことで、張った状態に保持されている。

図5〜7に示すように、フロントバックシート18のテープ片68が嵌まる第1長溝70は、サイドメンバー21及びアッパメンバー22の外周面と、ロアメンバー23の前面とに形成されている。すなわち、第1長溝70は、サイドメンバー21の外周面(左右外向き面)に形成した第1サイド長溝70aと、ロアメンバー23の外周面(上面)に形成した第1アッパ長溝70bと、ロアメンバー23の前面に形成した第1ロア長溝70cとで構成されている。

第1サイド長溝70aと第1アッパ長溝70bとは互いに連続しており、第1サイド長溝70aと第1ロア長溝70cとは連続していない。図11に明示するように、第1サイド長溝70aの下端は第1ロア長溝70cの左右端部よりや下に位置している。第1ロア長溝70cは1本の構成であり、ロアメンバー23の左右両端近くまで延びている。

図13(A)(B)に示すように、サイドメンバー21の前面は、左右内側に行くに従って後ろにずれるように傾斜しており、第1サイド長溝70aは、平断面視で概ねサイドメンバー21の前面と平行な姿勢になっている。他方、アッパメンバー22の前面は概ね鉛直姿勢になっており、第1アッパ長溝70bは、縦断側面で鉛直線に対してやや前傾した姿勢になっている(鉛直姿勢にしたり後傾させたりしてしもよい。)。ロアメンバー23の前面は鉛直線に対してやや前傾した姿勢になっている。第1長溝70cは、縦断側面視で平に対してやや後傾した姿勢になっているが、水平姿勢や前傾姿勢にすることも可能である。

リアバックシート19のテープ片69が嵌まる第2長溝71は、各メンバー21,22,23の前面と各コーナー部とに形成されている。すなわち、第2長溝71は、サイドメンバー21の前面に形成した第2サイド長溝71bと、アッパメンバー22の前面に形成した第2アッパ長溝71bと、ロアメンバー23の前面に形成した第2ロア長溝71cと、4つのコーナー部に形成した第2コーナー長溝71dとで構成されており、各第2長溝71a〜71dは互いに分断されている。また、第2サイド長溝71aと第2アッパ長溝71bと第2ロア長溝71cとは、それぞれ複数本に分断されている。

図13に示すように、各第2サイド長溝71aは平断面視でほぼ前後方向に向いた姿勢になっており、従って、第2アッパ長溝71bと第2ロア長溝71cとは縦断側面視でほぼ前後に向いた姿勢(略水平姿勢)になっている。図示していないが、第2コーナー長溝71dもバックフレーム17の対角線を含む切断面で見ると、前後方向に向いた姿勢になっている。敢えて述べるまでもないが、第2長溝71a〜71dは第1長溝70a〜70cよりも内側(バックフレーム17の中央部寄り)に位置している。

既述のように、フロントバックシート18とリアバックシート19との間にはクッション板20が配置されているが、図13(B)(C)(D)に示すように、クッション板20を配置せずにフロントバックシート18のみを使用することも可能である。クッション板20を配置する場合は、クッション板20の周縁部をバックフレーム17に重ねている。

第2長溝71a〜71dはバックフレーム17の前面に形成されているため、クッション板20を使用せずにバックフレーム17にフロントバックシート18のみを張った場合でも、第2長溝71a〜71dは人が前から見ても殆ど視認されることはない。また、後ろから見た場合は、第2長溝71a〜71dは全く見えない。このように、リアバックシート19及びクッション板20を使用しない場合でも、美感が悪化することはない。なお、フロントバックシート18とリアバックシート19とを使用してクッション板20使用しない態様も採用可能である。

実施形態では第1ロア長溝70c及び第2ロア長溝71cとを両方も前向きに開口させているが、それぞれ下向きに開口させたり、第1ロア長溝70cは下向きに開口させて第2ロア長溝71cは前向きに開口させるといったことも可能である。

また、図13(D)に一点鎖線で示すように、バックフレーム17におけるロアメンバー23の前面に左右横長の補助フレーム材23′をねじ止め等の手段で固定し、この補助フレーム材23′に、少なくとも第1ロア長溝70cを形成することも可能である。図では、補助フレーム材23′には第1ロア長溝70cを形成した状態しか表示していないが、補助フレーム材23′を設ける場合は、第1ロア長溝70cと第2ロア長溝71cとの両方を補助フレーム材23′に形成してもよい。

このように補助フレーム材23′を使用することにより、ロアメンバー23に前向き突出部24を設けつつ、少なくとも第1ロア長溝70cを下向き開口した形態として、フロントバックシート18の抜け防止機能を向上できる。第2ロア長溝71cも下向きに開口させると、リアバックシート19の取り付け強度をより向上できる。また、第2ロア長溝71cは、前向きに開口させつつ、手前に行くに従って下がるように傾斜させることも可能であり、この場合も、リアバックシート19の抜け防止機能が格段に向上する。

(4).バックシートの取り付け構造の意義 さて、椅子において背もたれとして、本実施形態のように、前後に大きく開口したバックフレームにメッシュ材を取り付けて、着座者の体圧をメッシュ材で指示する構造のものがある。そして、このタイプの背もたれにおいて、メッシュ材の取り付け構造として、バックフレームに長溝を形成して、メッシュ材に外周に取り付けたテープ状等の縁部材を長溝に差し込むことが行われている。

その一例として特開2009−22498号公報には、前後のバックフレームの外周と内周とに蟻溝を形成して、内外の蟻溝を利用してメッシュ材を取り付けることが開示されている。この特開2009−22498号公報では、a)バックフレームの外周に形成した蟻溝には、バックフレームの前面に重なった装飾地を取り付ける一方、バックフレームの内周に形成した蟻溝には、装飾地の後ろに位置したバックアップ地を取り付け、装飾地とバックアップ地との間に詰物を介在させた態様b)バックフレームの外周に形成した蟻溝に装飾地を取り付けただけの態様、c)バックフレームの内周に形成した蟻溝に装飾地を取り付けただけの態様、の3つの態様を選択して採用できる。

特開2009−22498号公報のようにメッシュ材を二重構造にすると、詰物を設けることで身体の当たりの柔らかさを向上させたり透光性を遮断したりできる等の利点がある。しかし、特開2009−22498号公報は、後ろ側に位置したバックアップ地が、バックフレームの内周面に形成した蟻溝に取り付けられているため、バックアップ地を使用せずに装飾地のみを使用して、この装飾地を外周の蟻溝に取り付けた場合、内周の蟻溝が後ろから見え美感が良くないおそれがある。

また、特開2009−22498号公報では、座者が背もたれに凭れるとバックアップ地又は装飾地にテンションが掛かるが、バックフレームの内周に開口した蟻溝にバックアップ地又は装飾地を取り付けた場合、テンションの作用方向と蟻溝の開口方向とが同じであるため、内周の蟻溝のくびれの度合いが小さいと、内周の蟻溝に嵌まっている部材(係止稈)が抜けやすくなるという問題があり、これを回避するには、蟻溝のくびれの度合いを大きくせねばならないが、例えばバックフレームを射出成形やダイキャストで製造する場合、蟻溝の加工は非常に厄介であるという問題がある。

本実施形態におけるバックシートの取り付け構造は、このような従来技術を改善することを目的にしたものである。

そして、本実施形態は、前後に開口したバックフレームに、その開口部を覆うように前後複数枚のメッシュ状又はその他の可撓性バックシートを取り付け可能であり、前記バックフレームは、上下長手の左右サイドメンバーと、前記左右サイドメンバーの上端に繋がった左右横長のアッパメンバーと、前記左右サイドメンバーの下端に繋がった左右横長のロアメンバーとを有している、という基本構成において、少なくとも前記サイドメンバーとアッパメンバーとの外周面に、前記複数枚のバックシートのうち最も手前に位置した第1バックシート(フロントバックシート)を取り付けるための第1長溝がそれらサイドメンバー及びアッパメンバーの長手方向に延びるように形成されており、かつ、少なくとも前記サイドメンバーとアッパメンバーとの前面に、前記複数枚のバックシートのうち前記第1バックシートの後ろに位置したバックシート(リアバックシート)を取り付けるための第2長溝が、それらサイドメンバー及びアッパメンバーの長手方向に延びるように形成されている。

本実施形態によると、第1バックシートの後ろに位置した第2バックシートを取り付けるための第2長溝はバックフレームの前面に形成されているため、第2長溝を使用していない状態であっても、前からは第1バックシートに隠れて殆ど見えず、後ろからは全く見えない。このため、第2長溝を使用しないときに美感が悪化する問題を無くすことができる。

また、着座した人の体圧で第2バックシートにテンションが掛かった場合、第2バックシートは、椅子の正面視で背もたれの中心に引かれるような作用を受けるが、第2長溝は手前に向いて開口しているため、第2長溝が抜き勾配を有する略等しい溝巾であっても、縁部材の抜けを的確に防止できる。このため、バックフレームを射出成形やダイキャストでも容易に製造することができて、一般性・汎用性に優れている。

第1長溝は外側に開口しており、第1バックシート(フロントバックシート)のうちサイドメンバーとアッパメンバーとの外周に位置した周縁部は外側から見えるので、本実施形態のように、サイドメンバー21とアッパメンバー22との第1長溝70a,70bを連続させると、第1バックシート(フロントバックシート18)の周縁部を途切れることなくサイドメンバー21とアッパメンバー22との長溝70a,70bに押し込み収納できるため、美感に優れている。

他方、第2長溝71を断続した状態に形成すると、多数の第2長溝(71a〜70c)に縁部材59を嵌め込むことで第2バックシート(リアバックシート19)の位置決めをしっかりと行うことができる。このため、使用しているうちに第2バックシートがずれるようなことはない。実施形態のようにコーナー部にも第2長溝71dを形成しておくと、第2バックシートを背もたれの対角方向に張った状態に保持できるため、特に好適である。なお、バックシートを前後に3枚以上配置することも可能である。

(5).その他 本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば脚はベースを支持するものを広く含んでおり、従って、例えば劇場用椅子のような固定式の椅子にも適用できる。脚とベースとが一体化していてもよい。また、脚はパイプ製であってもよい。座は、特許文献1のようにアウターシェルとインナーシェルとを有する形態であってもよい。実施形態のベースは全体を一体品としているが、例えば、箱状の本体部に別部材の後ろ向きアーム部が溶接された構造を採用することも可能である。第1及び第2の固定ガイド部、可動ガイド部も様々に具体化できる。

例えば、第2固定ガイド部を長穴として第2可動ガイド部をピンとすることも可能である。同様に、第1固定ガイド部をピンとして第1可動ガイド部を長穴とすることも可能である。実施形態では前部ガイド溝が水平姿勢になっているが、前部ガイド溝を、水平に対して前傾させたり後傾させたりすることも可能である。

実施形態のバックフレームは単一構造品になっているが、例えば、左右サイドメンバーとアッパメンバーとを一体品として、これをロアメンバーに連結するというように、複数の部材で構成することも可能である。背もたれは、バックフレームに1枚のバックシートのみが張られた構造を採用することも可能である。

本願発明は椅子に実際に具体化できる。従って、産業上利用できる。

1 脚 2 脚支柱 3 ベース 4 座 5 背もたれ 10 座板 10a ヒンジ部 16 開口部 17 バックフレーム 18 フロントバックシート 19 リアバックシート 20 クッション板 21 サイドメンバー 22 アッパメンバー 23 ロアメンバー 24 前向き突出部 25 第1可動ガイド部の一例としてスライドピン 26 第1固定ガイド部の一例としての前部ガイド穴 27 ばね手段の一例としてのコイルばね 28 溝空間 30 第2可動ガイド部の一例としての後部ガイド溝 31 第1固定ガイド部の一例としてのガイド突起 34 補強板 68,69 テープ 70 フロントバックシートを取り付けるための第1長溝 71 リアバックシートを取り付けるための第2長溝

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