椅子

申请号 JP2012147312 申请日 2012-06-29 公开(公告)号 JP5902570B2 公开(公告)日 2016-04-13
申请人 株式会社岡村製作所; 株式会社クオリ; 发明人 長坂 典明; 荒谷 彩子;
摘要
权利要求

左右に離間する1対の縦杆を有する背凭れフレームと、前記左右の縦杆の前面側に、支持手段をもって左右両側部が支持された可撓性の背当部材とを備える椅子において、 前記支持手段よりも内方において、前記左右の縦杆の内側の前面に、前記背当部材の後面からの離間寸法が、背当部材の後面が当接する前端面から内側方に向かって漸次増大する、背当部材の後方への弾性変形を許容する変形許容部を設けたことを特徴とする椅子。縦杆を、前方に開口する上下方向の凹溝を有する平面視ほぼ前向凵状断面をなすものとし、前記凹溝内において、前記背当部材の両側部後面に突設した支持手段の一部をなす差込片を、縦杆により脱落不能に支持するとともに、前記凹溝よりも内方に位置する縦杆の前面に変形許容部を設けてなる請求項1に記載の椅子。変形許容部を、縦杆の上下方向に連続するように設けた請求項1または2に記載の椅子。変形許容部を、背当部材の後面からの離間寸法が、背当部材の後面が当接する前端面から内側方に向かって漸次増大する曲面をなすものとした請求項1〜3のいずれかに記載の椅子。変形許容部の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次小とすることにより、変形許容部と背当部材との対向面の離間寸法を、上方に向かって漸次大としてなる請求項4に記載の椅子。変形許容部の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次大とすることにより、変形許容部と背当部材との対向面の離間寸法を、下方に向かって漸次大としてなる請求項4に記載の椅子。背当部材を、軟質材料により形成してなる請求項1〜6のいずれかに記載の椅子。

说明书全文

本発明は、背凭れフレームの前面側に、可撓性の背当部材を取付けてなる椅子に関する。

例えば特許文献1および2には、座の後方より起立する背凭れフレームの前面側に、可撓性の背当部材(背板)を取付け、この背当部材を、着座者の背中により後向きに弾性変形させることにより、着座者の背中を快適に支持しうるようにした椅子が開示されている。

特開2004−129966号公報

特開2008−119220号公報

上記特許文献1および2に記載されている椅子においては、いずれも、背凭れフレームの左右両側部に、背当部材の左右両側部の後面を、上下方向の軸線回りに回動可能に取り付け、背当部材に背中を押し当てた際に、背当部材全体が、両側部の軸を中心として後方に弾性変形しうるようになっている。 そのため、背当部材の中央部は後方に比較的大きく弾性変形するものの、背凭れフレームに軸を介して支持されている背当部材の左右両側部においては、軸を中心として後方へ若干変位するのみで、中央部の変形量に比して小さく、中央部と両側部との弾性変形量に大きな差が生じる。このようになると、背当部材全体を後方に効果的に弾性変形させることができないので、着座者の背中全体を快適に支持することが難しくなる。 また、背当部材における背凭れフレームへの取付部は、背当部材の後面に突設した軸支手段または軸が嵌合される係合部により補強され、その部分の剛性が高くなっているので、背当部材における背凭れフレームへの取付部付近は、特に後方に弾性変形しにくい。

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、背当部材の左右両側部を後方に弾性変形し易くすることにより、背凭れフレームに対し背当部材全体を後方に効果的に弾性変形しうるようにして、着座者の背中全体がより快適に支持されるようにした椅子を提供することを目的としている。

本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。 (1)左右に離間する1対の縦杆を有する背凭れフレームと、前記左右の縦杆の前面側に、支持手段をもって左右両側部が支持された可撓性の背当部材とを備える椅子において、前記支持手段よりも内方において、前記左右の縦杆の内側の前面に、前記背当部材の後面からの離間寸法が、背当部材の後面が当接する前端面から内側方に向かって漸次増大する、背当部材の後方への弾性変形を許容する変形許容部を設ける。

このような構成によると、着座者の背中により背当部材が後方へ押圧された際に、その中央部が後方に弾性変形するのに伴なって、背当部材の左右両側部も、縦杆の内側の前面の変形許容部に沿って後方に弾性変形し易くなる。従って、背当部材の中央部と両側部との変形量に大きな差が生じにくくなり、背当部材全体が効果的に後方に弾性変形することにより、着座者の背中が快適に支持されるようになる。

(2)上記(1)項において、縦杆を、前方に開口する上下方向の凹溝を有する平面視ほぼ前向凵状断面をなすものとし、前記凹溝内において、前記背当部材の両側部後面に突設した支持手段の一部をなす差込片を、縦杆により脱落不能に支持するとともに、前記凹溝よりも内方に位置する縦杆の前面に変形許容部を設ける。

このような構成によると、背凭れフレームに対し背当部材が左右方向に移動するのが規制され、背当部材の両側部の後面と変形許容部との位置関係が一定に保たれるので、背当部材の両側部が、凹溝よりも内方の縦杆の前面に設けた変形許容部に沿って後方に弾性変形し易くなる。 また、背当部材が後方へ押圧された際に、凹溝内において縦杆により脱落不能に支持された差込片も内方に弾性変形するので、背当部材の両側部が変形許容部に沿って後方に弾性変形し易くなる。

(3)上記(1)または(2)項において、変形許容部を、縦杆の上下方向に連続するように設ける。

このような構成によると、背当部材の上下方向のどの位置においても、その両側部が変形許容部に沿って後方に弾性変形し易くなるので、着座者の背中全体が快適に支持される。

(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、変形許容部を、背当部材の後面からの離間寸法が、背当部材の後面が当接する前端面から内側方に向かって漸次増大する曲面をなすものとする。

このような構成によると、曲面をなす変形許容部に沿うようにして、背当部材が後方に弾性変形し易くなり、かつ背当部材の両側部に大きな曲げ応が加わらないので、縦杆と当接する後面が損耗する恐れが小さくなる。

(5)上記(4)項において、変形許容部の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次小とすることにより、変形許容部と背当部材との対向面の離間寸法を、上方に向かって漸次大とする。

このような構成によると、背中の荷重が大きく加わる背当部材の上部の両側部ほど、後方に大きく弾性変形するようになるので、背当部材をリクライニングさせて背中を凭れ掛けた際の感触がよくなる。

(6)上記(4)項において、変形許容部の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次大とすることにより、変形許容部と背当部材との対向面の離間寸法を、下方に向かって漸次大とする。

このような構成によると、臀部を座の奥部に位置させて深く着座し、この状態で背当部材をリクライニングさせた際等において、背当部材の下部の両側部ほど、後方に大きく弾性変形し易くなるので、腰部付近が快適に支持される。

(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、背当部材を、軟質材料により形成する。

このような構成によると、背当部材は、可撓性が大となるので、背当部材全体が、着座者の背中の形状に沿うように後方に好ましい形状に弾性変形し、背中全体を後方から包み込むようにして、より快適に支持される。

本発明によれば、着座者の背中全体がより快適に支持されるようにした椅子を提供することができる。

本発明の椅子の一実施形態の正面図である。

同じく、斜め前方から見た斜視図である。

背凭れおよび背凭れ支持杆の一部を斜め前方から見た分解斜視図である。

背凭れを斜め後方から見た分解斜視図である。

後面カバーを外したときの背凭れの後面図である

後面カバーおよび背凭れ支持杆を取り付けた状態での図5のVI−VI線拡大縦断側面図である。

後面カバーおよび背凭れ支持杆を取り付けた状態での図5のVII−VII線拡大縦断側面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のVIII−VIII線拡大縦断側面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のIX−IX線拡大断面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のX−X線拡大横断平面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のXI−XI線拡大横断平面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のXII−XII線拡大横断平面図である。

後面カバーを取り付けた状態での図5のXIII−XIII線拡大横断平面図である。

図8のXIV−XIV線拡大断面図である。

以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。 図1および図2に示すように、この椅子においては、先端にキャスタ1を設けた放射状に延びる5本の脚2の中央に支柱3を立設してなる脚体4における上記支柱3の上端に、座5および背凭れ6を支持する支持体7が設けられている。

背凭れ6は、支持体7より後方に向かって延出した後、起立する側面視前向L字状をなす背凭れ支持杆8(図3参照)における起立部の上部によって支持されている。 背凭れ支持杆8の前端部は、前端部が左右方向を向く軸(図示略)をもって、支持体7に枢着され、背凭れ6とともに、支持体7に対して後傾可能となっているが、その後傾のためのリクライニング機構に関しては、本発明に直接関係しないので、図示および詳細な説明は省略する。 なお、背凭れ支持杆8の前端部を、支持体7に固着して実施することもある。

背凭れ6は、硬質合成樹脂材料よりなる正面視ほぼ方形枠状の背凭れフレーム9と、その前面に装着されたエラストマーまたは軟質合成樹脂材料等の可撓性を有する軟質材料よりなる背当部材10と、この背当部材10の前面と外周部とを被包するようにして背当部材10に装着された袋状の表皮材11と、硬質合成樹脂材料よりなり、背凭れフレーム9の後面を覆うようにして、背凭れフレーム9に装着された後面カバー12とを備えている。

背凭れフレーム9は、側面視において上下方向の中央部よりやや下方の部分が、前方に向かって突出するように緩やかに屈曲する、上下方向を向く左右1対の縦杆13、13と、その上端部同士を連結するとともに、平面視において左右方向の中央部が後方に突出するようにほぼ円弧状に湾曲する上部連結部14と、左右の縦杆13、13の下端部同士を、上部連結部14の上下幅より大きい上下幅を持って連結するとともに、平面視において左右方向の中央部が後方に突出するようにほぼ円弧状に湾曲する下部連結部15と、この下部連結部15の上端における左右方向の中央部から、左右の縦杆13、13のやや上部に向かって互いに拡開するように斜めに延出する左右1対の傾斜杆16、16とを備えている。なお、背凭れフレーム9と背凭れ支持杆8とを、一体成形されたひとつの部材とすることもある。

図6および図7に示すように、下部連結部15における左右方向の中央部には、下端のみが開口する方形の凹部17が設けられ、この凹部17に、背凭れ支持杆8の後部の起立部の上端部が下方より嵌合され、その上端部と下部連結部15における凹部17の前壁18とを、4個のボルト・ナット19をもって締着することにより、背凭れフレーム9は、背凭れ支持杆8の後部の起立部の上端部に安定よく固着されている。 背凭れ支持杆8の起立部は、図3に示すように、左右方向を向く金属板の左右両側部に、前方に向かって突出する平面視コ字状に突出する上下方向を向く突条8a、8aを折曲して形成してなり、図7に示すように、各突条8aの上部2箇所において、ボルト・ナット19をもって前壁18に締着されている。

図3、および図8〜図13に示すように、背凭れフレーム9における左右の各縦杆13の前面には、上下方向を向く前向凹溝20が設けられ、この凹溝20と交差するように、各縦杆13には、左右方向を向く複数のピン挿入孔21が、上下方向に適宜の間隔をもって設けられている。

図4、図5、および図10に示すように、各縦杆13の後面における外側部には、各ピン挿入孔21にピンを案内するための左右方向を向く円弧状の案内溝22が設けられている。 また、図4、図5、および図8に示すように、各縦杆13における凹溝20の底部であって、ピン挿入孔21に対応する部分には、前後方向に貫通する縦長の貫通孔23が設けられている。

図4、図5、および図12に示すように、各縦杆13の下部であって、下部連結部15の両側部には、凹溝20の一部を含んで前後方向に貫通する方形の貫通孔24が設けられている。

図4、図5、図11、および図13に示すように、各縦杆13の後面における上記貫通孔24を挾む上下部には、段付き孔25、25が設けられている。

図3、図5、および図8に示すように、各縦杆13の上端であって、上部連結部14の両側部には、平面視ほぼ方形の係合孔26が設けられている。

図3〜図5、および図9に示すように、上部連結部14の後面における左右方向の中央部には、左右方向を向く長円形の浅い凹入段部27が設けられており、その凹入段部27の中央には、ねじ挿通孔28が、またその両側部には、オプション部材取付孔29、29が設けられている。

上部連結部14の後面における凹入段部27の両側方には、位置決め孔30、30が、さらにその外側の両側方には、段付き孔31、31が設けられている。

背凭れフレーム9の前面および後面には、補強および材料の軽減を目的とした多数のリブや肉抜き孔が設けられているが、それらについては、本発明に関連するもののみについて説明し、その他については説明を省略する。

図3、および図9〜図13に示すように、背凭れフレーム9には、各縦杆13の内側の縁を形成するとともに、そこから上下に延長して、上部連結部14および下部連結部15の前面におけるリブを形成する縦リブ32が設けられている。 背当部材10の両側部を支持する支持手段(後述する)よりも内方において、左右の縦杆13の内側の前縁、すなわち各縦リブ32の内側の前縁には、背当部材10の後面に当接する前端面から内側方に向かって、背当部材10の後面からの離間寸法が漸次増大するなだらかな円弧状の曲面をなす、背当部材10のための変形許容部33が、上下方向に連続して設けられている。

この変形許容部33の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次小とすることにより、背当部材10の後面と変形許容部33との対向面の離間寸法が、上方に向かって漸次大となるようにしてある(図9〜図13参照)。 なお、図示は省略するが、この変形許容部33の曲率半径を上部から下部に向かって漸次大として、背当部材10の後面と変形許容部33との対向面の離間寸法を、下方に向かって漸次大となるようにすることもある。また、変形許容部33は、円弧状の曲面とする以外に、例えば内方に向かうにしたがって曲率半径が漸次小となる放物面、または一部にフラットな傾斜面を有するものとしてもよい。

このように、左右の縦杆13における縦リブ32の内側の前縁に、背当部材10の後面に当接する前端面から内側方に向かって、背当部材10の後面からの離間寸法が漸次増大する変形許容部33を設けると、着座者の背中により背当部材10が後方へ押圧された際に、その中央部が後方に弾性変形するのに伴なって、背当部材10の左右両側部も、縦杆13の内側の前縁を支点として変形許容部33に沿って後方に弾性変形し易くなる。従って、背当部材10の中央部と両側部との変形量に大きな差が生じにくくなり、背当部材10全体が効果的に後方に弾性変形することにより、着座者の背中が快適に支持されるようになる。

また、変形許容部33を、なだらかな曲面をなす形状としてあるので、変形許容部33に沿って、背当部材10が後方に弾性変形し易くなり、かつ背当部材10の両側部に大きな曲げ応力が加わらないので、縦杆13と当接する後面が損耗する恐れが小さくなる。

さらに、変形許容部33の曲率半径を、上部から下部に向かって漸次小とし、背当部材10の後面と変形許容部33との対向面の離間寸法を、上方に向かって漸次大となるようにすると、背中の荷重が大きく加わる背当部材10の上部の両側部ほど、後方に大きく弾性変形するようになるので、背凭れ6をリクライニングさせて凭れ掛けた際の感触がよくなる。

なお、これとは反対に、変形許容部33の曲率半径を上部から下部に向かって漸次大とし、背当部材10の後面と変形許容部33との対向面の離間寸法を、下方に向かって漸次大となるようにすると、臀部を座5の奥部に位置させて深く着座し、この状態で背凭れ6をリクライニングさせた際等において、背当部材10の下部の両側部ほど、後方に大きく弾性変形し易くなるので、腰部付近が快適に支持される。

各縦杆13は、上記縦リブ32と、縦杆13の外側面を形成する縦リブ34との間の前面に、上下方向を向く肉抜き凹溝35と上記凹溝20とが互いに並列して設けられた、ほぼ前向き凵状断面をなしている。

図3〜図5に示すように、背当部材10は、正面視ほぼ方形をなし、上下左右の縁部を除く内側の部分には、多数の小孔36を設けることにより、その部分を撓み易くしたもので、左右両側部の後面には、上下方向を向く差込片37、37が、後方に向かって突出するようにして一体的に設けられている。

各差込片37には、背凭れフレーム9の各縦杆13における複数のピン挿入孔21と対応する部分に、左右方向を向くピン挿入孔38が、また各縦杆13における貫通孔24とに対応する部分に、後端部に内向きの係合爪39aを有する弾性係合片39がそれぞれ設けられている。 各差込片37の後端縁における各ピン挿入孔38の後方の部分には、各ピン挿入孔38の中心を曲率中心とする側面視円弧状の突部37aが形成されている。

背当部材10の上半部の後面における左右の差込片37、37の外側の部分には、各差込片37と平行の左右1対の縦リブ40、40が設けられている。各縦リブ40における上部の3個のピン挿入孔38に対応する部分には、ピンの挿入の妨げとならないための円弧状の切欠き40aが設けられている。

図6〜図8に示すように、背当部材10の上部には、後上方に向かって緩く屈曲する屈曲部10aが形成されており、この屈曲部10aの後面における上端より下方の部分には、平面視および後面視において三日月形をなし、かつ左右方向の中央部の縦断面形状が前方に凸の円弧状をなし、かつ屈曲部10aの後面に対して鋭をなして後下方を向く下向片41と、その下縁から鈍角をなして後方に向かって延出する後向片42と、下向片41と後向片42との結合部から垂下する垂下片43とが、一体的に設けられている。 この下向片41と後向片42とにより、背凭れ支持部材である背凭れフレーム9の上端から上方に離間するようにして、背当部材10の上部後面から後方に向かって延出し、かつ背当部材10と背凭れフレーム9との間の空間の上方と、背凭れフレーム9の上方とを覆う後覆い部が形成されている。 後向片42は、下向片41の左右方向の外側においても延出し、その外側の部分の後端は、屈曲部10aの後面と一体となっている。

垂下片43から両側方に離間する後向片42の両側部後端には、下端に前向き片44aを有し、かつ背当部材10の各側部を背凭れフレーム9に係止させる係止手段をなす下向きの係合片44が設けられている(図8参照)。 この係合片44の横断面形状は、図14に示すように、内側方に向かって拡開する楔状をなしている。

垂下片43における左右方向の中央部とその両側方とには、背凭れフレーム9の上部連結部14におけるねじ挿通孔28とその両側方におけるオプション部材取付孔29、29、位置決め孔30、30、および段付き孔31、31に対応するボス挿通孔45、46、46、47、47、48、48が設けられている。

垂下片43の前面には、硬質合成樹脂材料よりなる補強材を兼ねる当て板49が配設されている。この当て板49の後面には、上記垂下片43におけるボス挿通孔45、46、46、47、47、48、48に対応し、それらに前方から嵌合しうる後方を向く複数のボス50、51、51、52、52、53、53が一体的に設けられている。

図8〜図13に示すように、左右の各差込片37を、背凭れフレーム9の前面における左右の凹溝20に前方より挿入し、対応するピン挿入孔21とピン挿入孔38とを整合させた状態で、ピン54を背凭れフレーム9の両側方から、各ピン挿入孔21とピン挿入孔38とに挿入して(図10参照)、差込片37を凹溝20から抜け止めし、かつ弾性係合片39を貫通孔24に嵌合して、その後端の係合爪39aを、貫通孔24の後端の外側の縁に係止させ(図12参照)、さらに、垂下片43の前面に配設した当て板49のボス50、51、51、52、52、53、53を、垂下片43におけるボス挿通孔45、46、46、47、47、48、48に嵌合し、かつボス52、52、53、53を、背凭れフレーム9の上部連結部14における位置決め孔30、30および段付き孔31、31に嵌合し、かつ各段付き孔31に後方より挿通させた止めねじ55を、ボス53に設けた雌ねじ孔56に螺合して締め付けることにより(図9参照)、背当部材10は、背凭れフレーム9に、強固に、かつ安定よく装着されている。 なお、上記差込片37、ピン54、弾性係合片39、および突片24a等により、背凭れフレーム9の左右の縦杆13に、背当部材10の両側部を支持する支持手段を構成している。

各差込片37を、背凭れフレーム9の前面における左右の凹溝20に前方より挿入したとき、差込片37の後端における円弧状の各突部37aが、背凭れフレーム9における対応する貫通孔23に嵌合することにより、各差込片37は、背凭れフレーム9に対して上下方向に位置決めされる。

図3および図4に示すように、背凭れフレーム9の両側方よりピン挿入孔21に挿入する上方の3本のピン54の頭部同士は、上下方向を向く連結杆57をもって互いに連結され、各ピン54をピン挿入孔21に挿入したとき、図10に示すように、連結杆57が背凭れフレーム9の外側面に当接するようにしてある。

図示は省略してあるが、背凭れフレーム9の両側の下方のピン挿入孔21に挿入する2個のピンも、連結杆57と同様の連結杆をもって連結し、上方の3個のピン54と同様にして、背凭れフレーム9の下方のピン挿入孔21に挿入するのがよい。 なお、弾性係合片39の係合爪39aを、貫通孔24の後端の外側の縁に係止させるだけでも、背当部材10の下部は背凭れフレーム9に確実に装着されるので、下方の2本のピンのピン挿入孔21への挿入は省略することもある。

図5および図12に示すように、弾性係合片39の係合爪39aには、上下方向を向く係合孔39bを設けておき、係合爪39aを貫通孔24の後端の外側の縁に係止させたとき、上記係合孔39bに、背凭れフレーム9における貫通孔24の後端の外側の縁に突設した後方を向く突片24aが係合して、係合爪39aが、貫通孔24の後端の外側の縁から内方に外れるのを防止しうるようにしておくのが望ましい。

図3〜図5、および図8に示すように、背凭れフレーム9の上端両側部における係合孔26に、背当部材10の後面側の上隅部に設けた下向の係合片44を上方より嵌合して、係合孔26の前縁に係合させ、かつ係合片44の下端の前向き片44aが、係合孔26の下端の前縁に係合しうるようにしておくことにより、背当部材10の上端における左右の角部が、背凭れフレーム9から前方に剥離するのを防止することができる。

また、図6および図7に示すように、背当部材10を背凭れフレーム9の正規の位置に装着したとき、背当部材10における後向片42が、背凭れフレーム9の上端を覆うようにすることによって、外観の向上を図っている。

表皮材11は、織布、メッシュ地、その他の張材の外周縁部に形成した筒状の紐通し部11aに引き紐58(図6以降参照)を挿通し、背当部材10の前面と外周部とを被包させた後、背当部材10の後面側において、引き紐58を引き締めて結ぶことにより、背当部材10に装着されている。引き紐58は、伸縮性を有するものを使用することもある。

背当部材10に表皮材11を装着した状態で、背当部材10を上記のようにして背凭れフレーム9に装着することにより、背当部材10の両側部の後面側においては、表皮材11の両側部の端末における紐通し部11aが、背当部材10の後面側の縦リブ40の内側に係合した状態で、表皮材11における紐通し部11aから背当部材10の外側縁に沿って前方に折り返されるまでの部分が、背凭れフレーム9における縦リブ40の前端と、後面カバー12の前面における両側端より僅かに内方寄りの部分に突設した前向き片59の前端とによって、背当部材10の後面に向かって前向きに押圧され、表皮材11の両側部が背凭れフレーム9から外側方に外れるのが確実に阻止されている。

表皮材11における背当部材10の上端部において後面側に折り返された部分の下縁は、背当部材10の後面における下向片41と後向片42との結合部分に当接したり(図6参照)、下向片41より上方の背当部材10の後面に密接したり(図7参照)、背当部材10の後面と後向片42との連結部に当接したり(図8参照)するようになっている。

表皮材11の下縁は、図6〜図8に示すように、背当部材10の下端部において、単に上向きに折り返されているだけである。

図3および図4に示すように、後面カバー12は、その前面に、上記の左右の前向き片59、59の他に、上端より僅かに下方の部分に突設され、かつ左右の前向き片59、59の上端と結合するようにした、前方に向かってほぼ平に延出する前向き片60を備えている。 この前向き片60の左右両側部の前縁には、垂下片61、61が設けられている。 この垂下片61の前面は、図14に示すように、係合片44の後面と平行をなすように、平面視において外側部が内側部より前方に位置するように傾斜し、かつ横断面形状が、後方に向かって開口する後向コ字状をなしている。

後面カバー12の前面における下部の両側部には、背凭れフレーム9における貫通孔24に対応する正面視方形の嵌合突部62と、同じく上下の係合孔25、25に対応する円筒状の係合突部63、63とが突設されている。 各係合突部63の先端部には、外向きの係止爪63aが設けられている。

後面カバー12の後面における上部の左右方向の中央部には、左右方向を向く長円形の浅い凹入段部64が設けられており、その凹入段部64の中央には、ねじ挿通孔65が、またその両側部には、オプション部材取付孔66、66が設けられている。

図8および図14に示すように、背当部材10の係合片44が前縁に係合された、背凭れフレーム9の上端両側部の係合孔26に、左右の垂下片61を、その前面が係合片44の後面に当接か、または近接するようにして嵌合し、図12に示すように、背当部材10における弾性係合片39の係合爪39aが後端の外側の縁に係止された、背凭れフレーム9の左右の貫通孔24に、左右の嵌合突部62を、その外側面が弾性係合片39の内側面に当接するようにして嵌合し、図11および図13に示すように、各係合突部63を、背凭れフレーム9における対応する段付き孔25に嵌合して、その係止爪63aを段付き孔25の前端縁に係止し、さらに、図6および図9に示すように、後面カバー12の後方から、ねじ挿通孔65と、背凭れフレーム9のねじ挿通孔28とを順次挿通させた止めねじ67を、当て板49のボス50に設けた雌ねじ孔68に螺合して締め付けることにより、後面カバー12は、背凭れフレーム9の後面に、強固に、かつ安定よく装着されている。

図10に示すように、後面カバー12を背凭れフレーム9に装着した状態において、ピン54と一体をなす連結杆57は、後面カバー12の左右両側部における前面、および/または左右の前向き片59と当接することにより押えられ、外側方への脱落が防止されている。これにより、ピン54のピン挿入孔38からの脱落を防止する脱落防止手段を別途設けることなく、ピン54の脱落が防止されるとともに、背当部材10の背凭れフレーム9からの脱落も防止される。なお、複数のピン54を連結杆57により連結しないで、ピン54を単体で使用することもできるが、この際には、各ピン54に拡径頭部を設け、この拡径頭部を、後面カバー12における両側部の前面により押えうるようにすれば、その脱落を防止することができる。

また、左右の垂下片61を、背当部材10の係合片44が前縁に係合された、背凭れフレーム9の上端両側部の係合孔26に、上記のようにして嵌合することにより、係合片44を係合孔26から抜け止めすることができ、また、左右の嵌合突部62を、背当部材10における弾性係合片39の係合爪39aが後端の外側の縁に係止された、背凭れフレーム9の左右の貫通孔24に、上記のようにして嵌合することにより、弾性係合片39を貫通孔24から抜け止めすることができる。

後面カバー12の後面における凹入段部64には、銘板を兼ねるキャップ69が、着脱可能として嵌着されている。

上記実施形態では、変形許容部33を、縦杆13における内方の縦リブ32の前縁に設けたが、縦杆13を、左右の縦リブ32、34や凹溝20のない中実状とし、その内側方の前面に、変形許容部33を設けることもある。この際には、背当部材10の差込片37を、例えば縦杆13の外側面に、ねじやピン等により固定すればよい。

また、上記実施形態では、背当部材10を、エラストマーまたは軟質合成樹脂材料等の可撓性を有する軟質材料からなるものとしたが、ポリプロピレンやポリアミド等の硬質部材により板状に成形するか、これに多数の小孔を設けたものとしてもよい。このようにすると、背当部材10の可撓性は、軟質材料により成形したものよりも小となるので、変形許容部33の曲率半径を大としたり、背当部材10の両側部の厚さを部分的に小とするなどして、背当部材10の両側部の可撓性が阻害されないようにするのがよい。

さらに、上記実施形態では、背当部材10を、左右1対の縦杆13、13同士が左右方向の上部連結部14と下部連結部15とにより連結された、正面視枠状の背凭れフレーム9により支持しているが、枠状をなす背凭れフレーム9とする以外に、例えば、左右の縦杆13、13同士の上下方向の全領域を、板状の連結部材により連結し、左右の縦杆13、13間の空間が閉塞された板状をなす背凭れフレームとすることもある。この際には、左右の縦杆13を除いた板状をなす部分の前面を、縦杆13の前面よりも後方に位置させて、板状をなす部分と背当部材10との対向面間に、背当部材10を後方に弾性変形させるための空間を設ければよい。このように、背凭れフレームを板状とした際には、後面カバー12を省略することができる。

1 キャスタ 2 脚 3 支柱 4 脚体 5 座 6 背凭れ 7 支持体 8 背凭れ支持杆 8a突条 9 背凭れフレーム 10 背当部材 10a屈曲部 11 表皮材 11a紐通し部 12 後面カバー 13 縦杆 14 上部連結部 15 下部連結部 16 傾斜杆 17 凹部 18 前壁 19 ボルト・ナット 20 凹溝 21 ピン挿入孔 22 案内溝 23 貫通孔 24 貫通孔 24a突片 25 段付き孔 26 係合孔 27 凹入段部 28 ねじ挿通孔 29 オプション部材取付孔 30 位置決め孔 31 段付き孔 32 縦リブ 33 変形許容部 34 縦リブ 35 肉抜き凹溝 36 小孔 37 差込片 37a突部 38 ピン挿入孔 39 弾性係合片 39a係合爪 39b係合孔 40 縦リブ 40a切欠き 41 下向片 42 後向片 43 垂下片 44 係合片 44a前向き片 45、46、46、47、48 ボス挿通孔 49 当て板 50、51、52、53 ボス 54 ピン 55 止めねじ 56 雌ねじ孔 57 連結杆 58 引き紐 59、60 前向き片 61 垂下片 62 嵌合突部 63 係合突部 63a係止爪 64 凹入段部 65 ねじ挿通孔 66 オプション部材取付孔 67 止めねじ 68 雌ねじ孔 69 キャップ

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