Method of manufacturing a seat body in the chair, etc.

申请号 JP18457599 申请日 1999-06-30 公开(公告)号 JP3654569B2 公开(公告)日 2005-06-02
申请人 株式会社イトーキクレビオ; 发明人 博一 松本; 敦志 福原;
摘要
权利要求
  • 高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでなる弾性を有する織物状のシート材の少なくとも左右両側縁を適宜間隔にてクリップ体にて挟持し、
    成形下金型または成形上金型の何れか一方に形成された枠体用のキャビティ内の取付け箇所に仮装着し、該キャビティ内に前記シート材の側縁を配置した状態で樹脂を注入して成形したことを特徴とする椅子等における座席体の製造方法。
  • 前記複数箇所のクリップ体による縦方向もしくは横方向の高ゴム弾力性糸をその軸線方向に伸長させる伸長度を異ならせて、クリップ体を前記キャビティ内の取付け箇所に仮装着したことを特徴とする請求項1に記載の椅子等における座席体の製造方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、椅子等における着座部や、背もたれ部等の座席体の製造方法に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    特公平5−83062号公報には、幼児用椅子等として、合成樹脂製枠体内に織布を張設してなる合成樹脂成形品であって、織布は三次元的曲面を有する合成樹脂製枠体の上金型と下金型との突き合わせ位置に一体に溶着され、合成樹脂製枠体内周の織布使用面となる表側部は湾曲し、さらに、合成樹脂製枠体の裏側面には、金型のキャビティ内に設けた織布の係止用ピンによって織布を貫通するピン穴が設けられたものが開示されている。
    【0003】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、張設するシート材が単なる織布であると、椅子の背もたれ部や座部等に使用するとき、人の当たり面(背中や腰部)の三次元的曲面に沿って織布が延びないから、当該織布が部分的に許容限度を越えて引っ張られ、破れてしまうという問題があった。
    【0004】
    本発明は、この問題を解決するためになされたものであって、シート材を高ゴム弾性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでなる弾性を有する織物状のものを使用し、座席体用の前記成形上金型または成形下金型における座席体に対応する枠体用のキャビティ内にシート材の側縁部を簡単にセットできるものでありながら、部分的にシート材の張力を調整できるようにした製法を提供することを目的とするものである。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の椅子等における座席体の製造方法は、高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでなる弾性を有する織物状のシート材の少なくとも左右両側縁を適宜間隔にてクリップ体にて挟持し、成形下金型または成形上金型の何れか一方に形成された枠体用のキャビティ内の取付け箇所に仮装着し、該キャビティ内に前記シート材の側縁を配置した状態で樹脂を注入して成形したものである。
    【0006】
    また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の椅子等における座席体の製造方法において、前記複数箇所のクリップ体による縦方向もしくは横方向の高ゴム弾力性糸をその軸線方向に伸長させる伸長度を異ならせて、クリップ体を前記キャビティ内の取付け箇所に仮装着したものである。
    【0007】
    【発明の実施の形態】
    次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。 図1は本発明により成形した事務用椅子の斜視図、図3はシート材の左右両側縁を適宜間隔にてクリップ体で挟持した状態の平面図、図4はクリップ体の斜視図、図6は成形下金型のキャビティ内にクリップ体を取付けた状態を示す平面図である。
    【0008】
    本発明を適用した事務用椅子1は、図1に示すように、着座部用座席体2と、背もたれ部用座席体3とを各々別体にて形成したもので、これら座席体2(3)は、ループ状の合成樹脂製の枠体4の内周部に高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでなる弾性を有する織物状のシート材5の周縁をインサート成形したものであって、着座部用座席体2では枠体4の左右両側下面側を図示しない支持体により支持させ、その支持体を昇降可能な脚体6の上端に取付けてなるものである。
    【0009】
    シート材5は、ポリエステル樹脂系等の合成樹脂繊維にてシングルラッシェル織りの織布でその間に、図示しないが高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでいる。 高ゴム弾力性糸は、ポリエステル樹脂系の熱可塑性エラストマーからなる。 図2は、直径0.5mm 等のモノフィラメントにした高ゴム弾力性糸の引張試験結果(荷重伸び曲線A)と、比較のための通常のポリエステルのモノフィラメント(直径は同じもの)の荷重伸び曲線Bとを示し、縦軸に引張り荷重(Kfg )、横軸に伸び量(mm)を採る。 引張速度は150mm/min.である。 高ゴム弾力性糸の荷重伸び曲線Aと通常のポリエステルのモノフィラメント荷重伸び曲線Bとを比較すると、縦弾性率(ヤング率)は曲線Aのほうが低く、従って、少ない引張力で大きく伸びるので、いわゆる高いゴム弾性挙動を呈することがわかる。
    【0010】
    そして、荷重時曲線A1は伸び20mmまでほぼ直線的に荷重が増大する。 引張荷重が略2Kfg では30mmの伸び量となる。 それからの徐荷時曲線A2では、荷重時曲線A1よりも荷重の低下の比率に対してより大きい伸び変化率にて変位する。 その結果、加重・徐荷のサイクル時に弾性ヒステリシスが現れる。
    【0011】
    図3〜図7は、本発明の座席体の製造方法を示し、まず、シート材5の左右両側縁部を適宜間隔で複数のクリップ体7にて挟持する。 この場合、クリップ体7は、後述するように、射出成形時の枠体4内に埋め込まれるので、当該枠体4と同じ材料の合成樹脂材で予め形成されていることが好ましい。
    【0012】
    図4に示すごとく、合成樹脂材にて形成されたクリップ体7における上挟持片7aと下挟持片7bとの基端を一体連設形の蝶番部8にて開閉自在に連設されている。 そして、上挟持片7aと下挟持片7bとを閉じたときの合わせ面は、前記シート材5の側縁部分を挟持するものであり、この合わせ面には、シート材5がずれないようにするための係止突条9aと係止溝9bとが対峙して設けられている。 また、これに加えて係止ピン10a及びその先端が嵌まる穴10bを設けても良い。 これらの構成により、後述するように、対のクリップ体7,7でシー材5に引張力を付与したときにも、当該シート材5の側縁部がクリップ体7から外れないのである。
    【0013】
    前記下挟持片7bの下面には、後述する成形下金型15に凹み形成されたキャビティ16に穿設した取付け穴11に仮止めできるようにピン状の仮止め突起12が突出されている。 さらに、下挟持片7bの下面の大部分が前記キャビティ16の底面から浮き上がるように、下挟持片7bの下面には複数の突起条13が一体成形されている。
    【0014】
    図6に示すごとく、シート材5の左右両側縁部に沿って適宜間隔で前記クリップ体7にて挟持したものを、成形下金型15に前記枠体4の形状通りに凹み形成されたキャビティ16内の取付け穴11に仮装着する。 この場合、シート材5の左右方向に配設された前記高ゴム弾力性糸の軸線方向への伸長度を複数対のクリップ箇所ごとに異なるようにする。 例えば、図6の下側のクリップ体7−1,7−1の対の箇所でのシート材5の左右方向への伸長度を一番低くし、次いで、その上方位置のクリップ体7−2,7−2の対の箇所の左右方向へのシート材5の伸長度をやや大きくし、一番上の対のクリップ体7−3,7−3の箇所での左右方向へのシート材5の伸長度を最も大きくする等のように設定する。
    【0015】
    そのためには、キャビティ16内の左右両側に対峙する対の取付け穴11,11間の距離L1に対して、図3における予め挟持する左右両側のクリップ体7,7の間隔(距離)L2を小さくし、その差ΔL=L1−L2が大きければ伸長度が大きくなる。
    【0016】
    次いで、図7に示すように、成形下金型15と成形上金型17との合わせ面に前記シート材5を挟み、成形上金型17に連通するゲート19から溶融合成樹脂材20をキャビティ16内に注入し、該溶融合成樹脂材20が固化下後、成形下金型15と成形上金型17とを離間させて、枠体4の内周空間にシート材5が張設された着座部もしくは背もたれ部用の座席体部2(3)を取り出すのである。
    【0017】
    前記枠体4の素材としての溶融合成樹脂材20は、シート材5と同じ系統のものを使用すれば、リサイクルの処理時に材料別に部品を分解する必要がなく、好ましい。 実施形態の場合、熱可塑性ポリエステル樹脂(PBT,PCT,PBN,PET等)及びこれらにガラス短繊維を混合させたガラス強化プラスチック等を用いる。
    【0018】
    前述のように射出成形時の溶融合成樹脂材20の熱量と、加熱された上下両金型15,17間にシート材5が挟まれることとで、シート材5が一旦加熱されその後冷却される。 このときシート材5中の高ゴム弾力性糸は、大きく熱収縮する。 これにより、前記枠体4の樹脂材20にてシート材5の外周縁及び高ゴム弾力性糸の両端が拘束され、高ゴム弾力性糸は初期引張力が付与された緊張状態を呈することができる。 これにより、着座部もしくは背もたれ部の座席体2(3)に人が座ると、シート材5の表面を湾曲させるように弾性的に撓み、着座人の臀部や背中の丸みになじむように三次元的湾曲面を呈することができる。
    【0019】
    なお、前述のように、予め、シート材5を部分的に伸長度を大きくするようにセットした箇所では、初期引張力が他の箇所よりも大きくなるので、荷重の大きい箇所の三次元的湾曲面の曲率半径を大きくして、着座人の集中的荷重によりシート材5の所定の部分が大きく沈み込まないように、高ゴム弾力性糸のゴム弾性力による対抗変形量を予め任意に調節したものを提供することができる。
    【0020】
    前記実施形態では、シート材5の左右両側を引っ張るように左右両側にクリップ体7,7の対を配置したが、シート材5中に縦方向に織り込まれた高ゴム弾力性糸に予張力を付与するには、シート材5の前後方向の側縁に対のクリップ体7,7を挟持してキャビティ16の前後方向の所定取付け穴11,11にクリップ体7,7を仮止めすれば良い。
    【0021】
    前記クリップ体7の下面(ピン状の仮止め突起12が突出している側)に突起条13を設けることにより、キャビティ16内に注入した溶融合成樹脂材20が前記突起条13と下挟持片7bの下面との間を埋めることになり、クリップ体7の下面が枠体4の表面に露出する面積を少なくして外観を良好にすることができる。
    【0022】
    【発明の効果】
    以上に説明したように、請求項1に記載の発明の椅子等における座席体の製造方法は、高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでなる弾性を有する織物状のシート材の少なくとも左右両側縁を適宜間隔にてクリップ体にて挟持し、成形下金型または成形上金型の何れか一方に形成された枠体用のキャビティ内の取付け箇所に仮装着し、該キャビティ内に前記シート材の側縁を配置した状態で樹脂を注入して成形したものである。 このように、シート材の側縁を複数のクリップ体にて予め挟持した状態で、この各クリップ体をキャビティ内に仮止めするので、従来のようにキャビティ内に予め突設した係止用ピンに止める場合に比べて、クリップ体を係止用ピンより大きい寸法で、キャビティの形状に合わせた任意のものが採用できるから、仮止めする箇所を少なくでき、仮止め作業を簡易にできるという効果を奏する。 また、シート材には、高ゴム弾力性糸を縦方向もしくは横方向の一方また両方に織り込んでいるから、座席体の製造が簡単でありながら、座席体としての枠体の内周空間に張設されたシート材への荷重による、当該シート材の三次元的湾曲する弾性変形が容易なものを提供することができるという効果を奏する。
    【0023】
    また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の椅子等における座席体の製造方法において、前記複数箇所のクリップ体による縦方向もしくは横方向の高ゴム弾力性糸をその軸線方向に伸長させる伸長度を異ならせて、クリップ体を前記キャビティ内の取付け箇所に仮装着したものであるから、予め、シート材を部分的に伸長度を大きくするようにセットした箇所では、初期引張力が他の箇所よりも大きくなるので、荷重の大きい箇所の三次元的湾曲面の曲率半径を大きくして、着座人の集中的荷重によりシート材の所定の部分が大きく沈み込まないように、高ゴム弾力性糸のゴム弾性力による対抗変形量を予め任意に調節したものを提供することができるという効果を奏する。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明を適用した事務用椅子の斜視図である。
    【図2】高ゴム弾力性糸のゴム弾性力の挙動を示す図である。
    【図3】シート材の左右両側縁にクリップ体を装着した状態の平面図である。
    【図4】クリップ体の斜視図である。
    【図5】図3のV−V線矢視図である。
    【図6】成形下金型のキャビティ内にクリップ体を取付けた状態を示す平面図である。
    【図7】(a)は上下金型を締めつけた状態のキャビティ部分の拡大断面図、(b)は図7(a)のVIIb−VIIb線矢視断面図である。
    【図8】座席体の要部拡大断面図である。
    【符号の説明】
    2 着座部用座席体3 背もたれ部用座席体4 枠体5 シート材7 クリップ体7a 上挟持片7b 下挟持片9a 係止突条9b 係止溝11 取付け穴12 仮止め突起15 成形下金型16 キャビティ17 成形上金型20 溶融合成樹脂材

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