車両用シート

申请号 JP2015073237 申请日 2015-03-31 公开(公告)号 JP2016190622A 公开(公告)日 2016-11-10
申请人 株式会社タチエス; 发明人 熊谷 光太郎; 田口 雅之;
摘要 【課題】搭乗者が乗用車シートに着座しても、シートカバーの表面の通気性を確保できるようする。 【解決手段】シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションは、溝が形成されたパッド部と、パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して2枚のシートカバーをパッド部に形成された溝の内部でパッド部に固定する吊り部材とを有し、吊り部材の2枚のシートカバーのうちの一方のシートカバーと接続する部分と吊り部材の2枚のシートカバーのうちの他方のシートカバーと接続する部分との間に微小な穴を複数形成し、吊り部材を挟んでパッド部に形成された溝の内部と溝の外部との間で通気性を有するようにした。 【選択図】図1
权利要求

シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートであって、 前記シートクッションは、 溝が形成されたパッド部と、 前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、 前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、 前記吊り部材の前記2枚のシートカバーのうちの一方のシートカバーと接続する部分と前記吊り部材の前記2枚のシートカバーのうちの他方のシートカバーと接続する部分との間に微小な穴を複数形成し、前記吊り部材を挟んで前記パッド部に形成された前記溝の内部と前記溝の外部との間で通気性を有することを特徴とする車両用シート。請求項1記載の車両用シートであって、前記シートバックは、溝が形成されたパッド部と、前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、前記吊り部材の前記2枚のシートカバーのうちの一方のシートカバーと接続する部分と前記吊り部材の前記2枚のシートカバーのうちの他方のシートカバーと接続する部分との間に微小な穴を複数形成し、前記吊り部材を挟んで前記パッド部に形成された前記溝の内部と外側との間で通気性を有することを特徴とする車両用シート。請求項1又は2に記載の車両用シートであって、前記シートクッションは、送風機と、前記送風機と前記パッド部とを接続するダクトとをさらに備え、前記送風機から排出した空気を前記ダクトを介して前記パッド部に形成した前記溝に送り出し、前記溝から前記吊り部材に形成した複数の微小な穴を通して前記シートクッションの外部に排出することを特徴とする車両用シート。請求項1又は2に記載の車両用シートであって、前記吊り部材に形成された複数の微小な穴は、前記シートクッションに搭乗者が着座した状態で前記着座した搭乗者によって塞がれない位置に形成されていることを特徴とする車両用シート。シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートであって、 前記シートクッションは、 溝が形成されたパッド部と、 前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、 前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーと接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、 前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記2枚のシートカバーの前記吊り部材と接続する部分の近傍に微小な穴が複数形成されており、前記2枚のシートカバーを挟んで前記パッド部に形成された前記溝の内部と前記溝の外部との間で通気性を有することを特徴とする車両用シート。請求項5記載の車両用シートであって、前記シートバックは、溝が形成されたパッド部と、前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記2枚のシートカバーの前記吊り部材と接続する部分の近傍に微小な穴が複数形成されており、前記2枚のシートカバーを挟んで前記パッド部に形成された前記溝の内部と外側との間で通気性を有することを特徴とする車両用シート。請求項5又は6に記載の車両用シートであって、前記吊り部材に形成された複数の微小な穴は、前記シートクッションに搭乗者が着座した状態で前記着座した搭乗者によって塞がれない位置に形成されていることを特徴とする車両用シート。シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートであって、 前記シートクッションは、 溝が形成されたパッド部と、 前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、 前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーと接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、 前記2枚のシートカバー又は前記吊り部材の前記溝の内部に位置する箇所には複数の微小な穴が形成されており、前記複数の微小な穴により前記溝の内部と前記溝の外部の前記シートカバーの表面の側との通気性が確保されていることを特徴とする車両用シート。請求項8記載の車両用シートであって、前記シートバックは、溝が形成されたパッド部と、前記パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、前記複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して前記2枚のシートカバーを前記パッド部に形成された前記溝の内部で前記パッド部に固定する吊り部材とを有し、前記2枚のシートカバー又は前記吊り部材の前記溝の内部に位置する箇所には複数の微小な穴が形成されており、前記複数の微小な穴により前記溝の内部と前記溝の外部のシートカバーの表面の側との通気性が確保されていることを特徴とする車両用シート。請求項8又は9に記載の車両用シートであって、前記複数の微小な穴は、前記シートクッションに搭乗者が着座した状態で前記搭乗者によって塞がれない位置に形成されていることを特徴とする車両用シート。

说明书全文

本発明は、車両用シートに関するものである。

車両用シートは、ポリウレタンで形成されたシートパッドの表面をシートカバーで覆った構成を有している。このような構成で、搭乗者のシート着座面の通気性を良くして蒸れるのを防止するために、特許文献1乃至3に記載されているように、シートカバーの表面(表皮)に微小な穴を多数形成してシートの通気性を向上させるようにしている。

特開2000−125990号公報

特開2006−102329号公報

特開2013−233900号公報

車両用シートでは、シートカバーの表面(表皮)に微小な穴を多数形成することにより、シートカバーの通気性を向上させているものがある。また、シートの下部又は裏側に送風機を設けてシートパッドに形成した溝又は穴を介して表皮材の表面(表皮)に微小な穴から外部に空気を吹き出すことにより、シートカバーの通気性をより向上させている。

しかし、搭乗者がシートに着座すると、シートカバーの表皮に形成された微小な穴のうち搭乗者が着座面した部分に形成された微小な穴は表面が塞がれて、通気性を失ってしまう。

図8に、従来の車両用シートのシートクッションに搭乗者が着座した状態の断面図を示す。図8で、701はウレタンで形成されたパッド部、702はパッド部701の表面を覆うシートカバー、703はパッド部701に形成された溝部、710は左右のシートカバーを接続する吊り部材、711はパッド部701に埋め込まれた芯線、712は吊り部材711と芯線711とを繋ぐホグリング、713はシートカバー702の表面の通気性を保つために形成された多数の微小孔を示している。また、図中で、730は、シートクッションに着座した搭乗者の臀部を示している。

図8に示したように、このシートカバー702に形成した多数の微小な穴713は、シートクッションに着座した搭乗者の臀部730により塞がれてしまい、搭乗者が着座面した部分に形成された微小な穴からは空気が吹き出されずに、その部分においてシートカバーが蒸れてしまうことがある。

本発明では、上記した従来の乗用車シートの問題点を解決して、搭乗者が着座してもシートカバーの表面の通気性を確保できるようにした乗用車シートを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションは、溝が形成されたパッド部と、パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーとそれぞれ接続して2枚のシートカバーをパッド部に形成された溝の内部でパッド部に固定する吊り部材とを有し、吊り部材の2枚のシートカバーのうちの一方のシートカバーと接続する部分と吊り部材の2枚のシートカバーのうちの他方のシートカバーと接続する部分との間に微小な穴を複数形成し、吊り部材を挟んでパッド部に形成された溝の内部と溝の外部との間で通気性を有するようにした。

また、上記課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションは、溝が形成されたパッド部と、パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーと接続して2枚のシートカバーをパッド部に形成された溝の内部でパッド部に固定する吊り部材とを有し、パッド部に形成された溝の内部で2枚のシートカバーの吊り部材と接続する部分の近傍に微小な穴が複数形成されており、2枚のシートカバーを挟んでパッド部に形成された溝の内部と溝の外部との間で通気性を有するようにした。

更に、上記課題を解決するために、本発明では、シートクッションとシートバックとを備えた車両用シートにおいて、シートクッションは、溝が形成されたパッド部と、パッド部の表面を覆う複数のシートカバーと、複数のシートカバーのうちの2枚のシートカバーと接続して前記2枚のシートカバーをパッド部に形成された溝の内部でパッド部に固定する吊り部材とを有し、2枚のシートカバー又は吊り部材の溝の内部に位置する箇所には複数の微小な穴が形成されており、複数の微小な穴により溝の内部と溝の外部のシートカバーの表面の側との通気性が確保されるようにした。

本発明によれば、搭乗者が着座してもシートカバーの表面の通気性を確保できるようになり、車両用シートに着座した搭乗者の体感を向上させることができるようになった。

本発明の実施例1に係る車両用シートのシートクッションの断面図である。

本発明の実施例1に係る車両用シートの吊り部材の斜視図である。

本発明の実施例1に係る車両用シートのシートクッションの斜視図である。

本発明の実施例1に係る車両用シートであって、吊り部材をシートの縦方向に沿って設けた例を示す車両用シートの斜視図である。

本発明の実施例1に係る車両用シートであって、吊り部材をシートの横方向に沿って設けた例を示す車両用シートの斜視図である。

本発明の実施例2に係る車両用シートのシートクッションの断面図である。

本発明の実施例3に係る車両用シートのシートクッションの断面図である。

従来の車両用シートのシートクッションの断面図である。

本発明は、車両用シートのシートクッションとシートバックにおいて、パッド部の表面を覆うシートカバー同士を接続してパッド部に固定するための吊り部材を収納するためのパッド部に形成された溝の内部において、吊り部材又はシートカバーのパッド部の溝内部に位置する箇所で搭乗者が着座した状態で搭乗者によって塞がれない位置に複数の微小な穴を形成し、この複数の微小な穴により溝の内部と溝の外部のシートカバーの表面の側との通気性が確保されるようにして、着座した搭乗者の体感を向上させるようにしたものである。

以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。

本実施例による車両用シート1又は2は、図4又は図5に示すように、シートクッション11または21、シートバック12または22、ヘッドレスト13または23を備えている。本実施例においては、図5に示した車両用シート2のシートクッション21に本発明を適用した場合について説明する。

本実施例におけるシートクッション21の断面を図1に示す。本実施例による車両用シート2のシートクッション21は、ウレタン製のパッド部101の表面をシートカバー102で覆い、ウレタンパッド部101に形成した溝部103の内部で左右の2枚のシートカバー102をY字型の吊り部材110で固定し、この吊り部材の下端部分とウレタン製のパッド部101の中に埋め込んだ芯線111とをホグリング112で繋いだ構成を有している。

ここで、本実施例においては、図8に示した左右の2枚のシートカバー702を重ねて接続する従来の吊り部材711に変えて、左右の2枚のシートカバー102をそれぞれ端部120で折り曲げ、この折り曲げた端部120と114の部分で縫合して接続するY字型の吊り部材110を採用した。これによりY字型の吊り部材110の一部をシートクッションの表面に露出させる構成にした。本実施例においては、このY字型の吊り部材110のシートクッションの表面に露出した部分に通気用の微小な穴113を多数形成した。

図2にY字型の吊り部材110の構成を示す。Y字型の吊り部材110は、左右1対の生地1101と1102に通気用の微小な穴113を形成したもので、生地1101の一方の端部と生地1102の一方の端部を補強部材115で補強し、生地1101の他方の端部と生地1102の他方の端部を重ね合せてその上を補強部材116で挟み込んで補強した構造となっている。左右1対の生地1101と1102は、布、又は本革、合成皮革又は樹脂等で形成されている。

生地1101の補強部材115で補強した端部付近と、生地1102の補強部材115で補強した端部付近とは、それぞれシートカバー102に縫い合せられて接続している。

図3に、Y字型の吊り部材110とシートカバー102とを縫合した状態でパッド部101に組み込んで、パッド部101の中に埋め込んだ芯線111とをホグリング112で繋がれた状態を示す。シートカバー102と縫合されたY字型の吊り部材110の左右1対の生地1101と1102とはパッド部101に設けた溝103の内部でパッド部101の溝103の表面の側に露出した状態になり、左右1対の生地1101と1102とに形成した多数の微小な穴113により、溝103の内部で生地1101と1102との表側(搭乗者が着座する面の側)と裏側(溝103の壁面の側)との通気性が維持される。

このようにパッド部101に形成した溝部103の内部に位置するY字型の吊り部材110に通気用の微小な穴113を多数形成したことにより、シートクッション21に着座した搭乗者の臀部130で通気用の微小な穴113が塞がれることがなくなるので、搭乗者が着座した状態でのシートクッション21の通気性を確保することができる。

上記図1乃至3を用いて説明した例においては、シートカバー102と縫合されたY字型の吊り部材110の左右1対の生地1101と1102とがシートクッション21の表面に露出した状態を示したが、本実施例はこれに限られるものではなく、Y字型の吊り部材110の左右1対の生地1101と1102との長さを変えて、何れか一方の生地だけがシートクッション21の表面に露出するように構成してもよい。その場合には、シートクッション21の表面に露出した方の生地1101または1102の側に多数の微小な穴113を形成するようにしてもよい。

図4は、シートクッション11とシートバック12、ヘッドレスト13を備えた車両用シート1を示す。図4に示した車両用シート1は、本実施例による図1乃至3で説明したY字型の吊り部材110を車両用シート1のシートクッション11とシートバック12に縦方向又は長手方向のライン14として適用した例を示す。

Y字型の吊り部材110を、シートクッション11とシートバック12に縦方向又は着座した搭乗者の体に沿った方向のライン14として適用することにより、車両用シート1に着座した搭乗者の背中の両側および臀部から足にかけての両側でのライン14に沿った方向の通気性が確保されるので、車両用シート1に着座した搭乗者の体感を向上させることができる。

図5は、シートクッション21とシートバック22、ヘッドレスト23を備えた車両用シート2を示す。図5に示した車両用シート2は、本実施例による図1乃至3で説明したY字型の吊り部材110を車両用シート2のシートクッション21とシートバック22に横方向のライン24として複数の箇所に適用した例を示す。

Y字型の吊り部材110を、シートクッション21とシートバック22に横方向又は着座した搭乗者の体を横切る方向のライン24として適用することにより、車両用シート1に着座した搭乗者の背中および臀部から足にかけてライン24に沿った方向の通気性が確保されるので、車両用シート1に着座した搭乗者の体感を向上させることができる。

また、図4に示したY字型の吊り部材110を車両用シート1のシートクッション11とシートバック12に縦方向又は長手方向のライン14として適用した場合と、図5に示した車両用シート2のシートクッション21とシートバック22に横方向のライン24として複数の箇所に適用した場合とを組み合わせて、車両用シート1(2)のシートクッション11(21)とシートバック12(22)に縦方向又は長手方向のライン14と横方向のライン24とを形成してもよい。

なお、本実施例においては、Y字型の吊り部材110に通気用の微小な穴113を多数形成した例について説明したが、Y字型の吊り部材110だけでなく、従来と同様に、シートカバー102にも通気用の微小な穴113を多数形成してもよい。

本実施例においては、実施例1で説明した図1乃至3に示した構成に、送風機241を追加した構成を、図6を用いて説明する。

図6に示した本実施例による車両用シートのシートクッションは、ウレタン製のパッド部201の表面をシートカバー202で覆い、ウレタンパッド部201に形成した溝部203の内部で左右の2枚のシートカバー202をY字型の吊り部材210で固定し、この吊り部材の下端部分とウレタン製のパッド部201の中に埋め込んだ芯線211とをホグリング212で繋いだ構成を有している点において、図1乃至図3を用いて説明した実施例1の場合と同様である。

図6に示した本実施例における構成では、更に、パッド部201の下側に送風機241とダクト242を配置した。この送風機241から送り出された空気はダクト242を介してパッド部101に形成された送風用の穴204に送り込まれ、この送風用の穴204からパッド部201に形成した溝部203の内部に送られ、溝部203の内部でY字型の吊り部材210に形成した多数の微小な穴213からシートクッションに着座している搭乗者の臀部230の付近に排出される。

ここで、実施例1でも説明したように、パッド部201に形成した溝部203の内部に位置するY字型の吊り部材210に通気用の微小な穴213を多数形成したことにより、シートクッションに着座した搭乗者の臀部230で通気用の微小な穴213が塞がれることがなくなる。これにより、送風機241から送り出された空気をシートクッションに着座した搭乗者の側に確実に送り出すことができるので、搭乗者が着座した状態でのシートクッションの通気性を確保することができ、車両用シートに着座した搭乗者の体感を向上させることができる。

なお、本実施例においては、Y字型の吊り部材210に通気用の微小な穴213を多数形成した例について説明したが、Y字型の吊り部材210だけでなく、従来と同様に、シートカバー202にも通気用の微小な穴213を多数形成してもよい。

上記に説明した本実施例におけるY字型の吊り部材210を、実施例1の場合と同様に、図4又は図5に示したように配置してもよく、また、図4と図5とを組み合わせて縦と横に配置するようにしてもよい。

また、図示していないが、シートバック12または22の側にも送風機を設けるようにしてもよい。

実施例1及び2においては、パッド部101(201)に形成した溝部103(203)の内部で左右(上下)のシートカバー102(202)をY字型の吊り部材110(219)で固定する構成について説明したが、本実施例においては、図8で説明した従来の吊り部材710と同じ形状の吊り部材を用いた場合について説明する。

本実施例による吊り部材を用いた構成について、図7を用いて説明する。 図7に示した構成において、ウレタン製のパッド部301の表面をシートカバー302で覆い、ウレタンパッド部301に形成した溝部303の内部で左右の2枚のシートカバー302を端部で重ね合せて吊り部材310で固定し、この吊り部材の下端部分とウレタン製のパッド部301の中に埋め込んだ芯線311とをホグリング312で繋いだ構成を有している。

本実施例においてはこのような構成において、左右の2枚のシートカバー302の溝部303の内部に入っている部分に多数の微小な穴313を形成した。

このように構成することにより、搭乗者がシートクッションに着座した状態でも、溝部303の内部において左右の2枚のシートカバー302の表側(搭乗者が着座する側)と裏側 (パッド部301に面する側)との間で空気の移動が可能になり、左右のシートカバー302の表側の面と裏側の面との通気性は確保される。

このように、パッド部301に形成した溝部303の内部に位置する部分のシートカバー302に通気用の微小な穴313を多数形成したことにより、シートクッションに着座した搭乗者の臀部330で通気用の微小な穴313が塞がれることがなくなるので、搭乗者が着座した状態でのシートクッションの通気性を確保することができる。

また、実施例2の場合と同様に、シートクッションの下側に送風機(図示せず)とダクト(図示せず)を設置して送風機からダクトを介してパッド部301に形成した溝部303の内部に送風することにより、搭乗者がシートクッションに着座した状態でも、シートカバー302に形成した通気用の微小な穴313を通して搭乗者の側に確実に空気を送ることができ、搭乗者が着座した状態でのシートクッションの通気性を確保することができる。

上記に説明した本実施例による通気用の微小な穴313を形成したシートカバー302を、実施例1の場合と同様に、図4又は図5に示したような配置してもよく、また、図4と図5とを組み合わせて縦と横に配置するようにしてもよい。

本実施例によれば、従来に対して部品形状を変えることなく、搭乗者が着座した状態でのシートクッションの通気性を確保することができるようになった。

1,2・・・車両用シート 11,21・・・シートクッション 12,22・・・シートバック 101,201,301・・・パッド部 102,202,302・・・シートカバー 103,203、303・・・溝部 110、210・・・Y字型の吊り部材 113,213,313・・・微小穴 141,241・・・送風機 142,242・・・ダクト

QQ群二维码
意见反馈