【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、スプリング機構を備えたマットレスの内部空間に炭を配置した炭配置マットレスに関する。 【0002】 【従来の技術とその問題点】従来から、布団、ベッドパット等の寝具類の内部に、又は座布団や椅子クッション内に木炭、竹炭、活性炭などの炭材を礫状や粒状や粉末状にして詰め込み、脱臭効果、遠赤外線による保温効果、空気清浄効果、人体の酸化防止効果、あるいは畳や床等の保湿調整効果などを人体への有益な効果を期待した発明考案は多数存在していた。 例えば、特開昭62-152 406、特開平7-108018、特開平8-196391、実開昭55-1166 26、実開昭59-55062、実登3017392、など多数が存在している。 【0003】かかる先行開示の発明考案に共通する構成は、マットレスや敷布団の内部に粉粒状等の木炭を充填する区画空間枠を特別に形成しておくもので、これら寝具類の製造過程で所定の木炭を一体的に詰め込んでしまう専用構造のものであった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる一体組込み構造のものは、例えば、炭の脱臭効果を復活させるために天日に当てたり、また取り出して洗浄する場合などには、寝具類全体として処置しなければならず、非常に煩雑面倒となる欠点があった。 またこのような化学的効果の減少のほかに、外圧による炭の物理的破損にも迅速に対応し難いものであった。 すなわち炭の寿命(6ヶ月〜1年)と寝具自体の寿命(10年以上も可能)とに著しい差異があり、炭を再生又は交換する場合には寝具自体を分解して詰め込みし直す必要があり、コスト的にも大きな負担となるものである。 【0005】また、近年の重要視されてきている廃品の分別回収においても対応し難い欠点があった。 【0006】 【目的】そこで、本願発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、炭を充填させた包袋をマットレスとは別体に構成して、マットレス内に配置することにより、 炭の再生と交換を容易にすると共に、既存のマットレス構造にも簡単に対応させることもできる炭配置マットレスを提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願発明は以下のように構成される。 多数個のコイルスプリング(2、2、・・)を行列状に配列してスプリング機構を構成したマットレス(1)であって、当該各コイルスプリング(2)内の軸空間(20)に、それぞれ炭(50)を充填封入した包袋(5)を、コイルスプリング(2)の伸縮方向に沿って、かつ取出し可能にして配置すると共に、上記包袋(5)を充填封入したコイルスプリング(2)が露出可能となるようにマットレス(1)の包被層(3)に開閉手段(4)を設けたことを特徴とする。 【0008】なお、上記において、括弧付きで記した図面符号は、発明の構成の理解を容易にするため参考として付記したもので、この図面上の形態に限定するものでないことはもちろんである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る特徴の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。 図1は本実施例を概略的に示す斜視図であり、図2は本実施例のコイルスプリングの伸縮方向に炭を充填封入した包袋の配置状態を示す斜視図である。 【0010】マットレス1は、一般に、金属材や樹脂材などからなる弾性線材を螺旋状に巻いて成形されたコイルスプリング2の多数個を、所定間隔でかつ互いに連繋させて行列状に配列してなるスプリング機構と、該スプリング機構の外側全体をクッション布地やキルティング布地などの厚手布地で包被した包被層3から構成されている。 【0011】マットレス1の包被層3の側周面30には、その縁部に沿って、ジッパー、ホック、又は面ファスナー、などから成る開閉手段4を配置している。 この開閉手段4により包被層3の横臥面31を開放して、コイルスプリング2の配列群が露出できる。 【0012】該コイルスプリング2の螺旋内の中心に存する軸空間20内には、内部に礫状、粒状、又は粉状にした炭(木炭、竹炭、活性炭、など)50を充填封入した包袋5を収納配置する。 該包袋5の袋材は、通気性を有すると共に粉状の炭が浸出しない程度の材質、例えば、不識布や和紙などで形成している。 【0013】コイルスプリング2の軸空間20内への上記炭入り包袋5の配置は、軸空間20内から上方へ引抜き取り出し可能にすると共に、伸縮方向に沿って行う。 包袋5の形状は、コイルスプリング2の圧縮によっても線材が包袋5に触れないで程度の太さと高さを持った略円筒状、又は封筒状に形成する。 【0014】かかる構成により、横臥体重圧よるコイルスプリング2の圧縮(最大でも50%圧縮)によっても包袋5内の炭の破損が防止される。 【0015】また、包袋5の収納配置は、スプリング機構を構成するコイルスプリング2の全部に対して行う必要はなく、適宜なものである。 例えば、横臥面の周辺部には少なく、中央付近、又は頭部や臀部付近に集中して配置するなど、使用者が適宜自由に行えは良く、開閉手段4があるため、このことが容易である。 【0016】さらに、実施例では開閉手段4を包被層3 の側周面30の縁部に形成しているが、これに限らず横臥面31の周辺縁部に形成してもよい。 【0017】 【効果】本願発明は、以上のように構成をしているため、既存構造のコイルスプリング機構を有したマットレス内に、既に人体への有益効果が知られている炭を配置することができる共に、炭を包袋内に充填封入して着脱可能に配置するようにしているため、炭の再生及び交換を容易に行うことができる。 【0018】また、コイルスプリングの伸縮軸空間内に沿って包袋を配置しているため、伸縮によって発生する空気の流動が包袋内へ通気して炭と接触することにより、効果的な脱臭効果を得ることができる。 【0019】さらにまた、マットレスを開閉して、炭入り包袋を交換可能に構成しているため、例えば、病床用ベッドなどにおいては、病人に負担を強いることなく簡単即座に交換設置することができ、病人への防臭効果等の有益な生理的効果を享受することかできる。 【0020】以上のように、本願発明は、炭入り包袋のみの取り扱いによって、炭の再生・設置・交換を自分で簡単に行うことができ、炭配置マットレスの保守を簡易にする共にその寿命を著しく伸ばすことができるようにした新規かつ有用性のある発明である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本実施例の全体構成を概略的に示す斜視図である。 【図2】 本実施例の本実施例のコイルスプリング内への炭入り包袋の配置状態を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 マットレス 2 コイルスプリング 20 軸空間 3 包被層 30 側周面 31 横臥面 4 開閉手段 5 包袋 50 炭 |