【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は夜中寝ている時に発生する地震によって転倒する家具類から就寝者を保護する装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、日本列島を大きな地震が襲いかかり、家屋の倒壊や多くの死者を出している。 平成7年1 月17には兵庫県南部(阪神淡路地区)においてM7.2 、平成6年12月28日には三陸はるか沖においてM 7.5 、平成6年10月4日には北海道東方沖においてM 8.1 、さらに平成5年7月12日には北海道南西沖においてM7.8 、平成5年1月15日には釧路沖においてM 7.8 の地震が発生している。 【0003】大きな地震が発生することで家具類が転倒し、熟睡しているならばこれら家具類の下敷きになる場合が多い。 勿論、家屋の倒壊によっては柱の下敷きになる場合もあり、同時に火災が発生するならば動けなくて死亡してしまうといったケースが多い。 阪神大震災ではこのような事態を招いて亡くなった人が多く、約500 0人の死者を出している。 【0004】このような教訓から、大地震に際しても倒壊することのない耐震構造の建物が作られるようになっているが、すべての住宅を上記耐震構造に建て替えることは出来ず、又、建物は倒壊しなくても内部の家具類が転倒する為に、これらの下敷きにならないようにすることも必要となる。 【0005】 【本発明が解決しようとする課題】このように夜中熟睡している時に地震が発生するならば、転倒する家具類によって下敷きになる場合が多い。 そして、この為に避難することが出来なくて死亡してしまうといった場合も多い。 本発明が解決しようとする課題はこの問題点であって、転倒する家具類等の下敷きにならないようにする保護装置を提供する。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る保護装置はフレーム方式であって、ベッド上部にフレームを装着した構造をなしている。 そして、このフレームは固定された状態で装着する場合と、固定されずに地震が発生した場合に収納されている上記フレームがベッド上方に装着されるように機能する場合がある。 地震が発生した場合にフレームを装着する保護装置はベッドの前後にはガイドが設けられており、このガイドに沿ってフレームが移動することで該ベッドに寝ている就寝者の上方をカバすることが出来る。 【0007】ところで、上記フレームの具体的な形状を限定せず、そして該フレームはモーター等の駆動装置を用いて移動することも可能であるが、地震と同時に停電になったのでは作動しないことから、適当な重りの落下やバネ力を利用する。 すなわち、所定の大きさの揺れが発生した場合には該重りが支持部から落下し、この落下と同時に上記フレームが移動してベッド上部をカバーするようになる。 以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0008】 【実施例】図1、図2はフレーム方式の保護装置を表している実施例である。 図1は該フレームが収納されている場合を、図2はフレームが装着された状態を表している。 同図において1はベッド、2は支持フレーム、そして3はフレームを示している。 上記支持フレーム2aはベッド1の頭部側に起立し、他方の支持フレーム2bは足元側に起立している。 上記フレーム3a、3b…は両支持フレーム2a、2bに掛け渡しされている棒状体である。 【0009】ところで、上記支持フレーム2a、2bは上桟4a、4bを有し、フレーム3a、3b…はこの上桟4a、4bに載って支えられ、しかも移動することが出来る。 従って、上桟4a、4bにはガイドが形成され、従って、平常時には図1に示しているように上記フレーム3a、3b…は上桟4a、4bの片側に寄せられ、地震が発生した場合には上桟4a、4bに沿って移動し、均等に配置される。 勿論、固定式の保護装置の場合には、フレーム3a、3b、3cを図2のように配置すればよい。 【0010】図3は上桟4に形成したガイドにフレーム3の先端が遊嵌している場合であり、フレーム先端にはスライダー5が形成されている。 このスライダー5は概略コ型断面をした上桟4の空間に遊嵌して移動することが出来る。 ここで、該スライダー5としてベアリングを用い、上記空間内を転動するようにすることも出来る。 そして3本のフレーム3a、3b…は一定長さの紐等によって連結され、先端側のフレーム3aが移動するならば、後方のフレーム3b、3cも引っ張られて移動することになる。 【0011】ところで、これら各フレーム3a、3b… は地震発生によって移動して図2に示すようにならなくてはならないが、本発明は重りを用いて該重りの落下によってフレーム3a、3b…を引っ張ることにしている。 図4に示すように重り6には先端のフレーム3aに連結している紐7の他端が止着されていて、該重り6は吊具8に吊り下げられている。 そして、地震によって該重りが揺れるならば吊具8から外れて落下することになる。 吊具8の下端には係止片9を形成して重り6を支持し、しかし揺れることで外れやすい状態となっている。 【0012】重り6が吊具8から外れて落下するならば、上記紐7を引っ張ってフレーム3aを引き寄せる。 従ってフレーム3aは上桟4a、4bのガイドに沿って移動し、更にフレーム3aに繋がれている後方のフレーム3b並びにフレーム3cを引っ張って移動させる。 この重り6は前後の支持フレーム2a、2b側に取付けられ、フレーム3a、3b…の両サイドが引っ張られるようにしている。 従って、地震の揺れによって両重りが吊具8、8から外れなくてはならない。 【0013】このように、両支持フレーム2a、2b側にそれぞれ重りを吊り下げすることなく、1個の重りによってフレーム3a、3b…を引っ張ることも出来る。 図5は1本の長い重り10を吊り下げ、各プーリー1 1、11…を介して紐12をフレーム3aに連結している。 上記紐12は支持フレーム2a、2bに沿って張着され、又重り10はベッド1の下方に吊り下げられている。 勿論、平常時には紐12に張力が作用しないように支持され、地震の揺れによってこの支持が解除されてフレーム3aを引っ張る。 【0014】この場合、重り10の落下距離がフレーム3aの移動距離に対して小さい場合には、歯車を介在させてフレーム3aの移動距離を大きくすることが出来る。 又重りではなくてバネ力を利用することも可能であって、例えばプーリーがゼンマイのバネ力によって回転するように構成出来る。 【0015】上記実施例ではフレームとして棒材を用いているが、出入口の閉鎖装置として多用されているシャッターをベッドに装着することも出来る。 図6は支持フレーム4a、4bにシャッター13を装着した場合であり、軸14に巻き取られて収納し、該シャッター13の先端両側には紐15が連結していて、この紐15はプーリー16a、16bに巻かれ、両プーリー16a、16 bはシャフト17によって連結されている。 そしてシャフト17にはコイルバネ18a、18bが巻かれ、その一端は支持フレーム2側に止着されている。 【0016】そして、シャッター13は軸14に巻かれてベッド上が解放するならば、コイルバネ18a、18 bは捩られてバネ力が蓄積された状態にある。 しかしシャッター13が平常時には閉じないようにストッパーが設けられていて、地震の揺れによって該ストッパーが解除される。 従って、蓄積されたコイルバネ18a、18 bのバネ力によってプーリー16a、16bが回転して紐15、15を引っ張り、シャッター13を閉じることになる。 【0017】ベッドの上方をカバ−する為のフレームとしてはこれら棒材やシャッターの他に色々な形態が存在するが、本発明はこのフレームの形態を限定するものではない。 以上述べたように、本発明に係る就寝者の保護装置は地震の揺れによってベッド上方にフレームを装着するようにしたものであって、次のような効果を得ることが出来る。 【0018】 【発明の効果】本発明の保護装置はベッドにフレームを備えたものであり、地震が発生すると同時に該該フレームは移動してベッド上方に配置され、就寝者をカバーし、揺れによって転倒する家具類を支えることが出来る。 勿論、倒壊する家屋の柱を支えることが出来、これらの下敷きになって死亡することを防止する上で大きな効果がある。 そして、本発明のフレームは平常時には収まっている為に普通のベッドとして使用出来、フレームの装着が邪魔になることはない。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のフレーム方式の保護装置であり、該フレームが収納されている場合を示している。 【図2】本発明のフレーム方式の保護装置であり、該フレームがベッド上方をカバーしている場合を示している。 【図3】フレーム先端のスライダーが支持フレームの上桟に遊嵌している場合。 【図4】フレームを閉じる手段として重りを用いている場合。 【図5】フレームを閉じる手段として重りを用いている場合の他の具体例。 【図6】フレームとしてシャッターを使用し、該シャッターを閉じる手段としてコイルバネを使用している場合。 【符号の説明】 1 ベッド 2 支持フレーム 3 フレーム 4 上桟 5 スライダー 6 重り 7 紐 8 吊具 9 係止片 10 重り 11 プーリー 12 紐 13 シャッター 14 軸 15 紐 16 プーリー 17 シャフト 18 コイルバネ |