難燃性寝具製品

申请号 JP2007506028 申请日 2006-03-03 公开(公告)号 JPWO2006093279A1 公开(公告)日 2008-08-07
申请人 株式会社カネカ; 发明人 渡 見尾; 渡 見尾; 正信 田村; 正信 田村; 真彦 三歩一; 真彦 三歩一; 丸山 茂; 茂 丸山; 進 岩出; 進 岩出;
摘要 枕やクッションなどの寝具製品において、内部の詰め物が有する独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出しつつ、炎遮蔽性生地の繊維素材が有する優れた風合いや触感などを損なわず、快適で、しかも高い難燃性を有する寝具製品を提供することが課題であった。本発明の難燃性寝具製品は、ハロゲン含有繊維(A)5〜60重量%、難燃性セルロース系繊維(B)5〜60重量%、セルロース系繊維(C)0〜75重量%、ポリエステル系繊維(D)0〜50重量%を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により内部の詰め物を覆うことで、上記課題を解決したものとなる。
权利要求
  • ハロゲン含有繊維(A)5〜60重量%、難燃性セルロース系繊維(B)5〜60重量%、セルロース系繊維(C)0〜75重量%、ポリエステル系繊維(D)0〜50重量%を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により内部の詰め物を覆った難燃性寝具製品。
  • ハロゲン含有繊維(A)が、モダアクリルである請求項1記載の難燃性寝具製品。
  • 難燃性セルロース系繊維(B)が、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つに、難燃剤を含有させた繊維である請求項1記載の難燃性寝具製品。
  • 難燃性セルロース系繊維(B)が、珪酸、または珪酸アルミニウムから選ばれる難燃剤を20〜50重量%含有するレーヨン繊維である請求項3記載の難燃性寝具製品。
  • 難燃性セルロース系繊維(B)が、リン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸エステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素―ホルムアルデヒド化合物、リン酸塩―尿素化合物、硫酸アンモニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤を、セルロース系繊維に対して6〜25重量%付着させた繊維である請求項3記載の難燃性寝具製品。
  • セルロース系繊維(C)が、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項1記載の難燃性寝具製品。
  • セルロース系繊維(C)が、木綿、麻、レーヨンよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項6記載の難燃性寝具製品。
  • ポリエステル系繊維(D)が、ポリエステル系低融点バインダー繊維、通常のポリエステル繊維と低融点バインダー繊維とからなる繊維、のうちいずれか一方である請求項1記載の難燃性寝具製品。
  • ポリエステル系繊維(D)中の低融点バインダー繊維が、低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリオレフィンの複合よりなる繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項8記載の難燃性寝具製品。
  • 前記炎遮蔽性生地中に、難燃剤を1.0〜40重量%含有する請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 前記炎遮蔽性生地中に、Sb化合物を0.2〜20重量%含有する請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 前記詰め物が、セルロース系繊維、ポリエステル系繊維、羽毛よりなる群から選ばれた少なくとも1つである請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 前記詰め物が、嵩高性のあるポリエステル繊維である請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 前記炎遮蔽性生地の目付けが、250g/m 2以下である請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 詰め物を覆う炎遮蔽性生地が、織物、編物、不織布よりなる群から選ばれた少なくとも1つである請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性寝具製品。
  • 前記炎遮蔽性生地が、織物または編物であり、寝具製品の表面生地として用いられる請求項15に記載の難燃性寝具製品。
  • 前記炎遮蔽性生地が、不織布であり、表面生地と詰め物とに挟まれる内側の生地として用いられる請求項15に記載の難燃性寝具製品。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば、枕やクッション、ベッドの頭板部分に使用するヘッドボードクッションや、ベッドに用いるコンフォーターやマットレスパッド、布団等の寝具製品に関する。 さらに詳しくは、難燃性繊維を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により、木綿、ポリエステル系繊維或いは羽毛などの詰め物を覆った難燃性寝具製品に関する。

    寝具製品では、柔らかさを付与するために、内部の詰め物として木綿、ポリエステル系繊維、羽毛などの易燃性素材が用いられる。 そこで、難燃性の寝具製品を得るためには、炎遮蔽性生地で前記詰め物を覆うことにより、炎に晒された際に易燃性素材である前記詰め物への着炎を長時間に渉り防止することが重要である。 また、前記炎遮蔽性生地は、寝具製品として求められる快適さや意匠性をも満足させなければならない。

    前記炎遮蔽性生地として、過去様々な難燃繊維や防災薬剤が検討されてきたが、高度な炎遮蔽性と、寝具製品に求めらる快適さや意匠性とを、充分に兼ね備えたものは未だ現れていない。

    例えば、綿布等の織布に防災薬剤を塗布する、いわゆる後加工防災を施した炎遮蔽性生地を用いる手法がある。 しかしながら、前記防災薬剤の塗布ムラによる防炎性能のばらつきや、薬剤塗布による織布の硬化に起因して、寝具製品としての触感や快適さが不十分となる問題があった。 また、洗濯により前記防炎薬剤が脱落し、炎遮蔽性能が低下するといった問題もあった。

    また、前記炎遮蔽性生地として、ガラス繊維に代表される無機繊維からなる生地を用いた場合には、難燃性においては優れるものの、寝具製品とした際の吸湿性や触感が十分ではなかった。 さらに、前記無機繊維は、開繊時の加工性においても問題があり、さらにまた、染色性の悪さから意匠性の高い色柄を得るのが難しいという問題もあった。

    また、汎用的な素材であるポリエステルを主成分とする生地を用いた場合には、炎に晒された際に、溶融、燃焼して穴が空き、内部の詰め物への着炎を防ぐことはできず、耐火性能は全く不十分であった。

    さらに、難燃剤を大量に添加することで高度に難燃化した含ハロゲン繊維と、難燃化していない他の繊維とを組み合わせた難燃繊維複合体を用いたインテリア繊維製品(特許文献1)や、寝具用繊維製品(特許文献2)が提案されている。 しかしながら、これらの技術では、寝具製品とした際の炎遮蔽性能や、快適性および意匠性において改善の余地があった。

    また、本質的に難燃性である繊維と含ハロゲン繊維とを含む嵩高の難燃性不織布(特許文献3)やハロゲン含有ポリアクリロニトリル繊維と燃焼時にそれをサポートする繊維からなる難燃性不織布(特許文献4)、難燃性レーヨン繊維や難燃性アクリル繊維や難燃性メラミン繊維からなる難燃性不織布(特許文献5)が提案されている。 しかしながら、これらの技術では、寝具や家具に用いられる木綿などの詰め物の持つ素材独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出すことが出来ず、快適性に劣るものであった。 しかも、不織布を用いた技術であり、該不織布を表面生地として用いた場合には、ニット生地のような肌触りの柔らかさや伸縮性を欠くものであった。

    特開平05−106132号公報

    特開平05−093330号公報

    国際公開第03/023108号パンフレット

    米国特許出願公開第2004/0062912A1号明細書

    米国特許出願公開第2004/0097156A1号明細書

    本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、高度に難燃化した炎遮蔽性生地で、木綿、ポリエステル系繊維、羽毛などの詰め物を覆うことにより、詰め物の有する独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出すとともに、炎遮蔽性生地の繊維素材が有する優れた風合いや触感などを損なわず、快適で、しかも高い難燃性を有する寝具製品を提供することである。

    本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン含有繊維(A)と難燃性セルロース系繊維(B)を必須成分とし、必要に応じてセルロース系繊維(C)、ポリエステル系繊維(D)を含ませた繊維で炎遮蔽性生地を構成し、これにより木綿、ポリエステル系繊維或いは羽毛などの詰め物を覆うことで、クッションや枕やコンフォーターやマットレスパッド等の寝具製品とした際に要求される風合いや触感を損なうことなく、しかも長時間の炎にも耐え得る難燃性を備えた難燃性寝具製品が得られることを見出した。

    すなわち、本発明に係る難燃性寝具製品は、ハロゲン含有繊維(A)5〜60重量%、難燃性セルロース系繊維(B)5〜60重量%、セルロース系繊維(C)0〜75重量%、ポリエステル系繊維(D)0〜50重量%を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地により内部の詰め物を覆ったことを特徴とする。

    また、前記ハロゲン含有繊維(A)が、モダアクリルであることが好ましい。 ここで、「モダアクリル」とは、アクリロニトリルの割合が、35重量%以上85重量%未満のものをいう。

    また、難燃性セルロース系繊維(B)は、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つに、難燃剤を含有させた繊維であることが好ましい。

    さらに、難燃性セルロース系繊維(B)は、珪酸、または珪酸アルミニウムから選ばれる難燃剤を20〜50重量%含有するレーヨン繊維であることが、より好ましい。

    また、難燃性セルロース系繊維(B)は、リン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸エステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素―ホルムアルデヒド化合物、リン酸塩―尿素化合物、硫酸アンモニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1つの難燃剤を、セルロース系繊維に対して6〜25重量%付着させた繊維としてもよい。

    また、セルロース系繊維(C)が、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維であることが好ましく、木綿、麻、レーヨンよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維であることがより好ましい。

    また、ポリエステル系繊維が(D)が、ポリエステル系低融点バインダー繊維、通常のポリエステル繊維と低融点バインダー繊維からなる繊維、のうちいずれか一方であることが好ましい。

    さらに、ポリエステル系繊維(D)の低融点バインダー繊維が、低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリオレフィンの複合よりなる繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維であるであることが好ましい。

    また、前記炎遮蔽性生地中に難燃剤を1.0〜40重量%含有することが好ましい。

    さらに、前記炎遮蔽性生地中にSb化合物を0.2〜20重量%含有することが好ましい。

    また、前記詰め物が、セルロース系繊維、ポリエステル系繊維、羽毛よりなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。

    さらに、前記詰め物が、嵩高性のあるポリエステル繊維であることが好ましい。 ここで、「嵩高性のあるポリエステル繊維」とは、融点の異なるポリエステルをサイドバイサイド構造とし、これに熱を加えることでスパイラル構造として、嵩高としたものをいう。

    また、前記炎遮蔽性生地の目付けが、250g/m 2以下であることが好ましい。

    また、詰め物を覆う炎遮蔽性生地が、織物、編物、不織布よりなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。

    さらに、前記炎遮蔽性生地が、織物または編物であり、寝具製品の表面生地として用いられることが好ましい。

    或いは、前記炎遮蔽性生地を、不織布として、表面生地と詰め物とに挟まれる内側の生地として用いてもよい。

    本発明の難燃性寝具製品は、ハロゲン含有繊維(A)5〜60重量%、難燃性セルロース系繊維(B)5〜60重量%、セルロース系繊維(C)0〜75重量%、ポリエステル系繊維(D)0〜50重量%を含む繊維で構成された炎遮蔽性生地で内部の詰め物を覆うことにより、詰め物の有する素材独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出すとともに、炎遮蔽性生地の繊維素材が有する優れた風合いや触感などを損なわず、快適で、しかも高い難燃性を有するものとなる。

    本発明の難燃性寝具製品は、前述のとおり、炎遮蔽性生地で内部の詰め物を覆った難燃性寝具製品に関する。

    本発明の難燃性寝具製品としては、例えば、枕やクッション、布団、ベッドの頭板部分に使用するヘッドボードクッション、マットレスパット、コンフォーターなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    本発明に用いる詰め物としては、木綿、ポリエステル系繊維、羽毛などが挙げられる。 前記詰め物としては、セルロース系繊維またはポリエステル繊維が、柔らかさや優れた吸湿性などを与えるため好ましく、これらを混合して使用してもよい。 特に、寝具製品の意匠性、製品強、耐洗濯性、耐久性などを向上させる観点から、特に難燃剤等を添加していない通常のポリエステル繊維や、嵩高性のポリエステル繊維を用いることがより好ましい。

    また、前記詰め物として羽毛を用いてもよく、用いる羽毛の種類としては羽軸を有するフェザーや、羽軸を有さないダウン等があるが、一般的に寝具に使用されるものであれば特に限定されるものではない。 また、羽毛を採取する鳥の種類としてはガンカモ科の鵞鳥や家鴨などが一般的であるが、これらに限定されるものではない。 羽毛を詰め物として用いた場合には、単位質量当たりに含まれる空気が多くなり、温かくて軽いものとなる。 さらに、羽毛からなる詰め物を用いた寝具製品は、(1)吸湿性や放湿性に優れるため、さわやかで快適である、(2)羽毛同士の絡みがないため体にフィットする、(3)弾性回復率が高く柔らかさを有し、かつ(4)放湿性に優れるため手入れが簡単である、などの特徴を有する。 特に、難燃剤等を添加していない羽毛を用いることがより好ましい。

    通常、上記のような詰め物を用いた寝具製品は極めて易燃性となるが、前記詰め物を、以下詳述する炎遮蔽性生地で覆うことにより、炎に晒された際に、内部の詰め物への延焼が防止できるものとなる。

    本発明に用いられる炎遮蔽性生地は、ハロゲン含有繊維(A)と難燃性セルロース系繊維(B)を必須成分とし、必要に応じてセルロース系繊維(C)、ポリエステル系繊維(D)を含ませた繊維で構成されるものであり、少なくとも2種類の繊維を含む前記炎遮蔽性生地を構成する方法としては混綿、混紡、交編、生地の重ね合わせ等があるが、これらに限定されるものではない。

    ここでいう炎遮蔽性とは、前記のような繊維で構成することにより、炎に晒された際に生地が繊維の形態を維持したまま炭化することで炎を遮蔽し、反対側に炎が移るのを防ぐものである。 具体的には寝具製品の表面生地と内部の詰め物との間に炎遮蔽性生地を挟む、もしくは表面生地として炎遮蔽性生地を用いることで、火災の際に詰め物への炎の着火を防ぎ、被害を最小限に食い止めることができるものである。

    前記ハロゲン含有繊維(A)は、炎遮蔽性生地の難燃性向上のために使用される成分であり、燃焼時に酸素欠乏ガスを発生することで表面の炎の自己消火を助ける効果がある成分である。 本発明に用いるハロゲン含有繊維(A)としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン含有モノマーの単独重合体や共重合体が挙げられる。 その他の前記繊維(A)としては、前記ハロゲン含有モノマーと、該ハロゲン含有モノマーと共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられる。 前記ハロゲン含有モノマーと共重合可能なモノマーとは、例えばアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどである。 それ以外の前記繊維(A)としては、前記ハロゲン含有モノマーがPVA系ポリマーにグラフトした形のグラフト重合体などからなる繊維が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 これらハロゲン含有繊維(A)の中では、炎遮蔽性生地に難燃性と共に優れた風合い、触感、意匠性を与えるという点から、ハロゲン含有モノマーとアクリロニトリルとの共重合体からなる繊維、すなわちモダアクリル繊維を用いることが好ましい。

    前記モダアクリル繊維には、炎遮蔽性生地の難燃性を強化するために難燃剤が添加されていることが好ましく、難燃剤の具体例としては、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸、オキシ塩化アンチモンなどのアンチモン化合物、例えば酸化第二スズ、メタスズ酸、オキシハロゲン化第一スズ、オキシハロゲン化第二スズ、酸化第一スズ、四塩化スズなどのSn系化合物、酸化亜鉛などのZn化合物、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのMg系化合物、酸化モリブデンなどのMo系化合物、例えば酸化チタン、チタン酸バリウムなどのTi系化合物、例えば硫酸メラミン、スルファミン酸グアニジンなどのN系化合物、例えばポリ燐酸アンモニウム、ジブチルアミノフォスフェートなどのP系化合物、� ��えば水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウムなどのAl系化合物、酸化ジルコニウムなどのZr系化合物、例えばシリケート、ガラス等のSi系化合物、例えばカオリン、ゼオライト、モンモリロナイト、タルク、パーライト、ベントナイト、バーミキュライト、珪藻土、黒鉛などの、天然もしくは合成鉱産物系化合物、例えば塩化パラフィン、ヘキサブロモベンセン、ヘキサブロモシクロドデカンなどのハロゲン化合物が挙げられる。 また、錫酸マグネシウム、錫酸亜鉛、錫酸ジルコニウムなどの複合化合物を使用しても良い。 これらについては、単独で使用しても良く、2種以上組み合わせても良い。 これらの中ではアンチモン化合物が、燃焼時にモダアクリル繊維中より脱離したハロゲン原子と反応し、ハロゲン化アンチモンを生成することで極めて高い難燃性を発揮することから好ましい。 アンチモン化合物を添加する場合は、炎遮蔽性生地の難燃性を維持するために、炎遮蔽性生地全体に対して0.2重量%以上になるように添加し、また、炎遮蔽性生地の風合いや強度を損なわないという観点から炎遮蔽性生地全体に対して20重量%以下になるように添加するのが好ましい。 モダアクリルの具体例としては株式会社カネカ製のカネカロンや、ソルーシア(Solutia)社のエスイーエフ(SEF)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    本発明に用いる難燃性セルロース系繊維(B)は、炎遮蔽性生地の難燃性向上、強度維持のために使用され、しかも優れた風合や吸湿性などの快適性を与えると共に、燃焼時に炭化膜を形成するのに効果的な成分である。

    本発明に用いる難燃性セルロース系繊維(B)としては、セルロース系繊維に難燃剤として珪酸および/または珪酸アルミニウムを含有した珪酸含有セルロース系繊維や、その他難燃剤を製造時に含有させた難燃性セルロース系繊維や、難燃剤を用いて後加工等により難燃化した難燃性セルロース系繊維(B)が使用される。 難燃性セルロース系繊維(B)の基質であるセルロース系繊維の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートが挙げられ、これらは単独使用しても良く、2種類以上組み合わせて使用しても良い。

    前記珪酸含有セルロース系繊維は、難燃剤として珪酸および/または珪酸アルミニウムを繊維中に20〜50重量%含有するものであり、通常、1.7〜8dtex程度の繊度、38〜128mm程度のカット長を有している。 その具体例としては、例えば珪酸を繊維中に約30重量%含有したサテリ(Sateri)社のヴィジル(Visil)や、珪酸アルミニウムを繊維中に約33重量%含有したサテリ(Sateri)社のヴィジルAP(Visil AP)や、その他難燃性セルロース系繊維としてレンチング社(Lenzing A.G)のレンチングFR(Lenzing FR)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    前記セルロース系繊維を後加工等により難燃化する際に用いられる難燃剤としては、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェート(レオフォス)、芳香族リン酸エステル、ホスホノカルボン酸アミド誘導体、テトラキス・ヒドロキシメチルホスホニウム誘導体、N−メチロールジメチルホスホノプロピオンアミドなどのリン酸エステル系化合物が挙げられる。 その他の後加工等により難燃化する際に用いられる難燃剤としては、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェート、クロロアルキルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル系化合物が挙げられ、さらに、例えば芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステルなどの縮合リン酸エステル系化合物、例えばポリリン酸アンモニウム・アミド、ポリクロロホスフォネートなどのポリリン酸塩系化合物、或いは、ポリリン酸カルバメートなどのポリリン酸エステ� �系化合物を用いてもよい。 その他にも、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素―ホルムアルデヒド化合物や、例えば含リンアミノプラストなどのリン酸塩―尿素化合物、硫酸アンモニウム、グアニジン系縮合物等が挙げられる。 これら難燃剤は、単独で用いても良く、2種以上組み合わせて用いても良い。 その付着量としては、セルロース系繊維に対して6〜25重量%になるようにするのが好ましい。 また、炎遮蔽性生地の難燃性を維持するために、炎遮蔽性生地全体に対して1重量%以上になるように付着させ、また、炎遮蔽性生地の風合いを損なわないという観点から炎遮蔽性生地全体に対して20重量%以下になるように付着させるのが好ましい。

    本発明に用いるセルロース系繊維(C)は、炎遮蔽性生地の強度維持や優れた風合や吸湿性などの快適性を与えると共に、燃焼時に炭化膜を形成するのに効果的な成分である。 セルロース系繊維(C)の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートがあげられ、これらは単独使用しても良く、2種類以上組み合わせて使用しても良い。 特に、風合いや吸湿性の観点から木綿、麻、レーヨン繊維が好ましい。

    本発明に用いるポリエステル繊維(D)は、本発明の炎遮蔽性生地に優れた風合、触感、意匠性、製品強力、耐洗濯性、耐久性を与えるための成分であると同時に、ポリエステル繊維(D)自体は可燃性繊維であるが燃焼時に溶融することで、その溶融物が炭化膜を覆うことにより出来上がった炭化膜の強度を向上させる効果がある。

    また、ポリエステル系低融点バインダー繊維を用いると、炎遮蔽性生地を不織布とする際に、簡便な熱溶融接着法が採用できる。 ポリエステル系低融点バインダー繊維としては、低融点ポリエステル単一型繊維を用いてもよい。 その他のポリエステル系低融点バインダー繊維としては、通常のポリエステルと、低融点ポリプロピレン、低融点ポリエチレンおよび低融点ポリエステルよりなる群から選ばれる少なくとも一つとの、並列型繊維もしくは芯鞘型複合型繊維でも良い。 一般的に低融点ポリエステルの融点は概ね110〜200℃、低融点ポリプロピレンの融点は概ね140〜160℃、低融点ポリエチレンの融点は概ね95〜130℃であり、概ね110〜200℃程度で融解接着能力を有するものであれば特に限定はない。 低融点バインダー繊維としては、例えば東レ(株)製のサフメット(4.4dtex×51mm、溶融温度110℃)が挙げられるが、これに限定されるものではない。 一方、本発明でいう「通常のポリエステル」とは、前記低融点ポリエステルよりも融点が高いものをいう。 また、不織布をサーマルボンド方式で作成する際には、低融点タイプのポリエステル系繊維を低融点バインダー繊維として使用するとよい。

    本発明に用いる炎遮蔽性生地は、炎遮蔽性の観点からは目付けが大きい方が好ましいが、詰め物の感触を損なわないためには250g/m 2以下であることが好ましい。 目付の下限としては、寝具製品より詰め物がはみ出さないと言う観点から80g/m 2以上であることが好ましい。 また、詰め物として羽毛を用いる場合には、羽毛の柔らかさを生かすために200g/m 2以下であることがより好ましい。

    本発明に用いる炎遮蔽性生地は、生地全体における難燃剤の割合が1.0重量%以上であることが好ましい。 生地全体における難燃剤の割合が1.0重量%未満であると、燃焼時における自己消火能力が不足し、寝具製品において用いられる詰め物への着火を防ぐ性能が不充分となる。

    本発明において、炎遮蔽性生地の風合い、吸湿性などの快適性や、耐久性および自己消火性を更に高めるためには、セルロース系繊維(C)および/またはポリエステル系繊維(D)を含んだ炎遮蔽性生地を用いる。 ハロゲン含有繊維(A)、難燃性セルロース系繊維(B)、セルロース系繊維(C)およびポリエステル系繊維(D)の割合は、寝具製品として要求される風合いや吸湿性などの快適性、耐洗濯性や耐久性、炎遮蔽性生地の強度、炭化膜の形成の度合い、自己消火性の速度により決定される。 ハロゲン含有繊維(A)の割合は、5〜60重量%とし、好ましくは10〜60重量%とする。 難燃性セルロース系繊維(B)の割合は5〜60重量%とし、好ましくは10〜60重量%とする。 セルロース系繊維(C)の割合は、0〜75重量%とし、好ましくは0〜65重量%とする。 ポリエステル繊維(D)の割合は0〜50重量%とし、好ましくは0〜40重量%とする。 ハロゲン含有繊維(A)は炎遮蔽性生地の自己消化性を付与する主要成分であって、ハロゲン含有繊維(A)の割合が5重量%未満であると炎遮蔽性生地の炎遮蔽性、及び自己消化性能が不充分となり、60重量%を超えると炭化成分の割合が少なくなり炎遮蔽性能が充分ではなくなる。 また、難燃性セルロース系繊維(B)は炎遮蔽性不織布が炭化した際の炭化膜形成における主要成分であって、難燃性セルロース系繊維(B)が5重量%未満の場合には炎遮蔽性不織布の炭化膜生成能力が不充分となり、60重量%を超えると難燃化されていないセルロース系繊維に比べて触感が劣るため風合いや快適性が不充分となるので好ましくない。 また、セルロース系繊維(C)を加えることで優れた風合いや吸湿性などの快適性を付与することが可能となる。 さらに、セルロース系繊維(C)は炭化成分となり得るために炎遮蔽性生地の炎遮蔽性能を向上させる効果もあるが、セルロース系繊維(C)の割合が75重量%を超えると、炎遮蔽性生地における燃焼成分が多くなるために、充分な炎遮蔽性能が得られなくなるので好ましくない。 また、ポリエステル繊維(D)を加えることで耐洗濯性や耐久性を向上させることが期待できる。 さらに、ポリエステル系繊維(D)は燃焼時に溶融することで炭化した炎遮蔽性生地を覆い、炭化膜強度を向上させる効果があるが、ポリエステル繊維(D)は易燃性であるためにその割合が50重量%を超えると炎遮蔽性生地中の燃焼成分の割合が多くなり、炎遮蔽性に劣るものとなるので好ましくない。

    本発明に用いる炎遮蔽性生地には、ハロゲン含有繊維(A)と難燃性セルロース系繊維(B)が必須成分である。 ハロゲン含有繊維(A)は高い自己消火性を有し、とりわけアンチモン化合物を含有したハロゲン含有繊維(A)は、自己消火性を有さない繊維と混合して用いた場合に、自己消火性を有さない繊維に対して働きかけ、生地に着火した炎を速やかに消火する性質を有する。 一方、ハロゲン含有繊維(A)自体の炭化促進効果は弱く、また形成した炭化膜強度は、それほど強固ではなく炎に晒されると収縮する性質を有する。 これに対して難燃性セルロース系繊維(B)は、自己消化性を有するものの、自己消火性を有さない繊維に対して難燃剤として働く効果は弱い。 しかし、基質がセルロース系繊維であるがために、強い炭化促進効果を有しており、速やかに炭化することで炎に晒された際の収縮挙動は穏やかで、安定した炭化膜を形成することが可能である。 そこでハロゲン含有繊維(A)と難燃性セルロース系繊維(B)を組み合わせることにより、炎遮蔽性生地に、高い自己消化性と、燃焼時に炎を遮ることの出来る強固な炭化膜を形成できる性質とを、付与することが可能となる。

    また、難燃性セルロース系繊維(B)のうち、珪酸含有レーヨン繊維においては珪酸を含有するがために繊維のしなやかさが損なわれ、カード等の加工において繊維が切れるという問題がある。 一方、後加工による難燃性セルロース系繊維においては、長期使用において難燃剤が脱落し難燃性能が低下する問題があり、また寝具製品は直接肌に触れることからも難燃剤の脱落は好ましくない。 これらの問題も、ハロゲン含有繊維(A)と組み合わせることにより炎遮蔽性生地中の難燃性セルロース繊維(B)の使用量を減らすことができるために、解消できる。

    前記炎遮蔽性生地を織物とする場合は、平織、綾織、朱子織の何れの織り方でも良く、特に制限はない。 織物の特徴としては、綿染め、糸染め、反染め、プリント等の方法により、自由にデザインすることが可能である点があり、特に表面生地に用いる際にデザインの自由度が増す。 また、織物のその他の特徴としては、不織布とする場合と比べて生地の厚みが小さいことから、詰め物の持つ素材独特の風合いや心地良さをより引き出しやすい点もある。

    前記炎遮蔽性生地を編物とする場合は、上下左右に伸縮する伸び代を有することや、、不織布とする場合と比べて生地の厚みが小さいことから、詰め物の持つ素材独特の風合いや心地良さをより充分に引き出すことが可能である。 また、一般的に燃焼時に炭化膜を形成する際に、繊維は収縮挙動を示し、それによりしなやかさの失われた炭化膜は亀裂を生じ易いが、編物においては上下左右に伸縮する伸び代があることから、亀裂の生じない極めて良好な炭化膜を得ることが可能である。 炎遮蔽性編物の編み方には特に制限はなく、緯編み、経編みの何れでも良い。 また、編物の形状としては特に制限はなく、表面が起毛したパイル状の編物であっても良い。

    前記炎遮蔽性生地を不織布とする場合は、織物や編物と違い、紡績により糸を作成する必要がなく、綿から直接生地が作成できるために、素材の混率に関して自由度が高いことが特徴である。 また、燃焼時において織布に比べて伸縮性を有することから、編物同様に炭化膜に亀裂が生じにくいという特徴がある。 不織布の製造方法としては特に限定はなく、一般的に知られるニードルパンチ方式、サーマルボンド方式、ケミカルボンド方式、ウオータージェット方式、ステッチボンド方式などにより作成することが出来る。

    本発明に用いられる炎遮蔽性生地には、前記(A)〜(D)成分の特徴を損なわない範囲で、必要に応じて帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止剤などを含有せしめても良い。

    このようにして得られる炎遮蔽性生地は、高い難燃性を有しつつ、風合い、触感、吸湿性などに優れ、しかも染色性がよく意匠性の高いものとなる。

    本発明に用いられる炎遮蔽性生地は、寝具製品の表面生地として、通常の織物、編物またはパイル編物の形態で用いてもよいし、表面生地と詰め物との間に、織物や編物や不織布の形態で挟み込んで用いてもよい。 炎遮蔽性生地を表面生地として用いる場合には、従来の表面生地に替えて用いることは勿論である。 また、表面生地と詰め物とに挟まれる内側の生地として、炎遮蔽性生地を用いる場合には、表面生地を従来の生地としてこれと詰め物との間に、炎遮蔽性生地を不織布の形態として挟み込んで用いることが好ましい。 或いは、表面生地と内側の生地の両方を炎遮蔽性生地とし、つまり炎遮蔽性生地を2枚重ねて用いてもよい。 炎遮蔽性生地を、表面生地と詰め物との間に挟まれる内側の生地として用いる場合には、内部の詰め物全体を炎遮蔽性生地で覆い、その上から表面生地を張るのは勿論である。

    このような炎遮蔽性生地は、繊維素材の持つ優れた風合いや触感、および吸湿性、耐久性などを損なわず、しかも高度な難燃性を有するものとなる。 そして、このような炎遮蔽性生地で詰め物を覆うことにより、詰め物として用いられる素材独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出すとともに、風合い、触感、吸湿性などに優れ、快適で、しかも高い難燃性を有する寝具製品が得られる。

    以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。

    (難燃性評価用クッションの作成方法)
    (1)詰め物としてポリエステル繊維を用いた、Section1に基づく難燃性評価用クッションの作成方法 掛け布団などをイメージしたクッションの詰め物として、任意の量(表4、表5に示す量)となるように、ウェブ方向を均一にしたポリエステル繊維を多層化して高さ4inchとなる不織布を作成し、縦12inch×横12inchにカットする。 その不織布(詰め物)を、縦15inch×横30inchにカットした生地の半分の部分(縦15inch×横15inch)に載せ、さらに重さ325gのプレキシガラス板(12inch×12inch×1/8inch)を載せて高さ4±0.5inchとなるように調整した後に、前記生地を半分に折り、3辺をカタン糸を用いて閉じ、掛け布団などをイメージしたクッションを作成した。 詰め物を覆う生地は、2枚重ねて用いる場合もある。 用いる生地の詳細については後述するとおりである。

    (2)詰め物としてポリエステル繊維を用いた、Section2に基づく難燃性評価用クッションの作成方法 枕などをイメージしたクッションの詰め物に任意の量(表6、表7に示す量)のポリエステル繊維を入れ、その周りを、1枚ないしは2枚重ねの生地で完全に覆い、カタン糸を用いて完全に口を閉じ、縦13inch×横13inchの枕を作成した。

    (3)詰め物として羽毛を用いた、Section1に基づく難燃性評価用クッションの作成方法 難燃性評価用クッションは、内部の詰め物に表8〜10に示す量の羽毛を用い、その周りを1枚の生地で完全に覆い、カタン糸を用いて完全に口を閉じたものである。 生地を15inch×30inchにカットし、その半分の部分(15inch×15inchの部分)に12inch×12inchの底面積で羽毛を積層し、325gのプレキシガラス板(12inch×12inch×1/8inch)を載せ、高さを4±0.5inchに調整した後に、生地を折り畳み、3辺をカタン糸を用いて閉じ、クッションを作成した。 羽毛はウオッシュドダックフェザーを使用した。 詰め物を覆う生地は、2枚重ねて用いる場合もある。 用いる生地の詳細については後述するとおりである。

    (3)詰め物として羽毛を用いた、Section2に基づく難燃性評価用クッションの作成方法 難燃性評価用クッションの内部には、25gの羽毛を用い、その周りを1枚ないしは2枚重ねの生地で完全に覆い、カタン糸を用いて完全に口を閉じ、縦約13inch×横約13inchのクッションを作成した。

    上記難燃性評価用クッション(1)〜(4)を用いて、難燃性寝具製品の難燃性を、米国カリフォルニア州の燃焼試験方法Technical Bulletin 604の2003年10月発行のドラフト(以下TB604)Section1またはSection2に準じて評価した。

    (難燃性評価方法)
    実施例における寝具製品の難燃性は、前記難燃性評価用クッションの作成方法(1)〜(4)の手順において作成した難燃性評価用クッションを使用し、米国カリフォルニア州の燃焼試験方法Technical Bulletin 604の2003年10月発行のドラフト(以下TB604)のSection1または2に基づいて実施した。 米国カリフォルニア州のTB604燃焼試験方法を簡単に説明すると、掛け布団などをイメージしたクッション(Section1)の場合、クッションの手前右側のより下側3/4インチの所から35mmの炎を20秒間着炎し、6分後の重量減少率が25重量%以下であれば合格である。 また、枕などをイメージしたクッション(Section2)の場合は、同様の方法で燃焼試験を行い、6分後の重量減少率が20重量%以下であれば合格である。 このとき使用するバーナーチューブは内径6.5mm、外形8mm、長さ200mmである。 燃料ガスは純度99%以上のブタンガスで、ブタンガス流量45ml/minで炎の高さは約35mmである。

    実施例の難燃性クッションの難燃性試験は、上記の燃焼試験方法と同様の手順で行い、難燃性のレベルの評価方法は、掛け布団などをイメージしたクッション(Section1)の場合は、接炎開始より360秒後に重量減少率が25重量%以下で、かつ接炎開始より360秒後に重量減少が終了したものについては○とし、接炎開始より360秒後に重量減少率が25重量%以下であるが、接炎開始より360秒後に重量減少が終了しなかったものを△、接炎開始より360秒後に重量減少率が25重量%を超えたものを×とした。 一方、枕などをイメージしたクッション(Section2)の場合は、接炎開始より360秒後に重量減少率が20重量%以下で、かつ接炎開始より360秒後に重量減少が終了したものについては○とし、接炎開始より360秒後に重量減少率が20重量%以下であるが、接炎開始より360秒後に重量減少が終了しなかったものを△、接炎開始より360秒後に重量減少率が20重量%を超えたものを×とした。

    また、燃焼試験後の炭化膜の状態を、燃焼後に炭化膜に損傷がなく手で折り曲げても亀裂の入らないものを○、燃焼後に炭化膜に損傷はないが手で折り曲げることにより亀裂の入るものを△、燃焼後に炭化膜に亀裂や穴明きが見られるものを×として評価した。

    そして、難燃性の総合判定として、これらの結果が全て○のものを○(合格)、それ以外のものを×(不合格)とした。

    ハロゲン含有繊維(A)の製造例1
    アクリロニトリル52重量部、塩化ビニリデン46.8重量部、スチレンスルホン酸ナトリウム1.2重量部を共重合させて得られた共重合体を、アセトンに溶解させて30重量%溶液とした。 このとき共重合体100重量部に対して、三酸化アンチモン15重量部を加えて紡糸原液を調整した。 得られた紡糸原液を孔径0.07mm、孔数33000個のノズルを用いて、25℃の38重量%のアセトン水溶液中に押し出し、水洗後、120℃で8分間乾燥させた。 この後、150℃で3倍に延伸し、175℃で30秒間熱処理を行い、繊度2dtexのハロゲン含有繊維(A)を得た。 得られた含ハロゲン難燃繊維に紡績用仕上げ油剤(竹本油脂(株)製)を供給し、クリンプを付け、長さ51mmにカットした。

    難燃性レーヨン繊維(B)の製造例1
    レーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)繊維に、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム((株)鈴裕化学製、FCP−730)をレーヨン繊維100重量部に対して20重量部の割合で付着させた。

    紡績糸の製造例1〜6
    表1の紡績糸の製造例1〜6に示すように、ハロゲン含有繊維(A)の製造例1で作成したハロゲン含有繊維(A)、珪酸含有レーヨン繊維(B)であるサテリ(Sateri)社製のヴィジル(Visil)(繊度1.7dtex、カット長40mm)、難燃性レーヨン繊維の製造例1で作成した難燃性レーヨン繊維(B)、木綿繊維(C)、ポリエステル繊維(D)(繊度1.7dtex、カット長51mm)を、各紡績糸の製造例に示す割合で用いて、周知の方法によりメートル番手51番手の紡績糸を作成した。 2種類の繊維を混紡した製造例6においては、カードにより混綿を実施した。

    織布の製造例1〜21、34〜51
    紡績糸の製造例1〜5で作成した紡績糸を用いて、周知の方法により表2に示す混率、目付けの平織り生地を作成した。

    不織布の製造例22〜33、52〜65
    紡績糸の製造例1〜5で作成した紡績糸を用いて、カードにより開繊してウェブ状にし、表3に示す混率、目付けの不織布を作成した。

    実施例1〜12(Section1、詰め物としてポリエステル)
    織布の製造例1〜12で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて、難燃性評価用クッションを前記難燃性評価用クッションの作成方法(1)に従って作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表4に示す。

    比較例1〜14(Section1、詰め物としてポリエステル)
    織布の製造例34〜47で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを前記難燃性評価用クッションの作成方法(1)に従って作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表4に示す。

    実施例1〜12では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 また、実施例1〜12のうち、木綿繊維(C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    比較例1,2では、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、実施例1〜4に比べて炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例3,4では、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例5,6では、実施例5〜8に比べてハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例7,8では、珪酸含有繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例9では、実施例9,10に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例10では、実施例9,10に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。 比較例11では、実施例9,10に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例12では、実施例11に比べてポリエステル系繊維(D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。 比較例13では、実施例11と比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。 比較例14では、実施例12に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜が弱いものであった。

    実施例13〜24(Section1、詰め物としてポリエステル)
    前記難燃性評価用クッションの作成方法(1)に従って、不織布の製造例22〜33で作成した不織布(炎遮蔽性生地)を内側の生地として用いて詰め物を覆い、さらにその外側を、紡績糸の製造例6で作成した紡績糸を用いて周知の方法により作成した目付け120g/m 2の平織り生地(表面生地)で覆うことにより、難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表5に示す。

    比較例15〜28(Section1、詰め物としてポリエステル)
    前記難燃性評価用クッションの作成方法(1)に従って、不織布の製造例52〜65で作成した不織布を内側の生地として用いて詰め物を覆い、さらにその外側を、紡績糸の製造例6で作成した紡績糸を用いて周知の方法により作成した目付け120g/m 2の平織り生地(表面生地)で覆うことにより、難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表5に示す。

    実施例13〜24では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 また、実施例13〜24のうち、木綿繊維(C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    比較例15,16では、実施例13〜16に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例17,18では、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例19,20では、実施例17〜20に比べてハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例21,22では、珪酸含有繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例23では、実施例21,22に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例24では、実施例21,22に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。 比較例25では、実施例21,22に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例26では、実施例23に比べてポリエステル系繊維(D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。 比較例27では、実施例23と比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。 比較例28では、実施例24に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜が弱いものであった。

    実施例25〜36(Section2、詰め物としてポリエステル)
    織布の製造例1〜12で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて、難燃性評価用クッションを前記難燃性評価用クッションの作成方法(2)に従って作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表6に示す。

    比較例29〜42(Section2、詰め物としてポリエステル)
    織布の製造例34〜47で作成した平織り生地を表面生地として用いて、難燃性評価用クッションを前記難燃性評価用クッションの作成方法(2)に従って作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表6に示す。

    実施例25〜36では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 また、実施例25〜36のうち、木綿繊維(C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    比較例29,30では、実施例25〜28に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例31,32では、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例33,34では、実施例29〜32に比べてハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例35,36では、珪酸含有繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例37では、実施例33,34に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例38では、実施例33,34に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。 比較例39では、実施例33,34に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例40では、実施例35に比べてポリエステル系繊維(D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。 比較例41では、実施例35と比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。 比較例42では、実施例36に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜が弱いものであった。

    実施例37〜48(Section2、詰め物としてポリエステル)
    前記難燃性評価用クッションの作成方法(2)に従って、不織布の製造例22〜33で作成した不織布(炎遮蔽性生地)を内側の生地として用いて詰め物を覆い、さらにその外側を、紡績糸の製造例6で作成した紡績糸を用いて周知の方法により作成した目付け120g/m 2の平織り生地(表面生地)で覆うことにより、難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表7に示す。

    比較例43〜56(Section2、詰め物としてポリエステル)
    前記難燃性評価用クッションの作成方法(2)に従って、不織布の製造例52〜65で作成した不織布(炎遮蔽性生地)を内側の生地として用いて詰め物を覆い、さらにその外側を、紡績糸の製造例6で作成した紡績糸を用いて周知の方法により作成した目付け120g/m 2の平織り生地(表面生地)で覆うことにより、難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表7に示す。

    実施例37〜48では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 また、実施例37〜48のうち、木綿繊維(C)を含んでいるものは、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるものは、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    比較例43,44では、実施例37〜40に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例45,46では、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例47,48では、実施例41〜44に比べてハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために、消火性能は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 また、比較例49,50では、珪酸含有繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 比較例51では、実施例45,46に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例52では、実施例45,46に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火能力が劣った。 比較例53では、実施例45,46に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例54では、実施例47に比べてポリエステル系繊維(D)が多いため、生地の消火能力が劣るものであった。 比較例55では、実施例47と比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために、生地の消火性能が劣るものであった。 比較例56では、実施例48に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜が弱いものであった。

    実施例49〜54(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例1、2および13〜16で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表8に示す。

    比較例57〜60(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例25〜28で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表8に示す。

    実施例49〜54では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例57、58では実施例49〜52に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 比較例59、60では実施例53、54に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 また、実施例49〜54においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、木綿繊維(C)を含んでいるため、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなった。

    実施例55〜60(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例5〜7および17〜19で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表9に示す。

    比較例61〜64(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例29〜32で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表9に示す。

    実施例55〜60では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例61、62ではハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために消火能力は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないためにいために、炭化膜の状態が不充分であった。 比較例63、64では珪酸含有レーヨン繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足した。 また、実施例55〜60においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、炎遮蔽性生地の素材となる繊維の持つ良好な風合、触感を有し、しかも、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるため、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    実施例61〜64(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例9、10、20および21で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表10に示す。

    比較例65〜70(Section1、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(3)に従って、織布の製造例48、34、35、49、50および51で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表10に示す。

    実施例61〜64では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例65では実施例61、62に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例66では実施例61、62に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が劣った。 比較例67では実施例61、62に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例68では実施例63に比べてポリエステル系繊維(D)が多いために生地の消火能力が劣るものであった。 比較例69では実施例63に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が劣るものであった。 比較例70では実施例64に比べて、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 また、実施例61〜64においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、木綿繊維(C)を含んでいるため、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、しかもポリエステル系繊維(D)を含んでいるため、耐洗濯性や耐久性においても、特に優れたものとなった。

    実施例65〜70(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例1、2および13〜16で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表11に示す。

    比較例71〜74(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例25〜28で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表11に示す。

    実施例65〜70では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例71、72では実施例65〜68に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために、炭化膜の状態が不充分であった。 比較例73、74では実施例69、70に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足し、消火までの時間が長くなった。 また、実施例65〜70においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、木綿繊維(C)を含んでいるため、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなった。

    実施例71〜76(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例5〜7および17〜19で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表12に示す。

    比較例75〜78(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例29〜32で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表12に示す。

    実施例71〜76では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例75、76ではハロゲン含有繊維(A)が充分に含まれるために消火能力は有したが、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないためにいために、炭化膜の状態が不充分であった。 比較例77、78では珪酸含有レーヨン繊維(B)を充分に含むために炭化膜の状態は良好であったが、ハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が不足した。 また、実施例71〜76においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、炎遮蔽性生地の素材となる繊維の持つ良好な風合、触感を有し、しかも、ポリエステル系繊維(D)を含んでいるため、耐洗濯性や耐久性において、特に優れたものとなった。

    実施例77〜80(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例9、10、20および21で作成した平織り生地(炎遮蔽性生地)を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表13に示す。

    比較例79〜84(Section2、詰め物として羽毛)
    難燃性評価用クッションの作成方法(4)に従って、織布の製造例48、34、35および49〜51で作成した平織り生地を表面生地として用いて難燃性評価用クッションを作成し、難燃性評価を実施した。 結果を表13に示す。

    実施例77〜80では、何れの場合においても燃焼試験における難燃性、炭化膜の状態は良好であった。 比較例79では実施例77、78に比べて木綿繊維(C)の割合が多く、炭化膜は形成するが弱いものであった。 比較例80では実施例77、78に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が劣った。 比較例81では実施例77、78に比べて難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 比較例82では実施例79に比べてポリエステル系繊維(D)が多いために生地の消火能力が劣るものであった。 比較例83では実施例79に比べてハロゲン含有繊維(A)を含まないために生地の消火能力が劣るものであった。 比較例84では実施例80に比べて、難燃性セルロース系繊維(B)を含まないために炭化膜が弱いものであった。 また、実施例77〜80においては、前記のような高い難燃性を有するとともに、木綿繊維(C)を含んでいるため、風合いや、触感、および吸湿性などの快適性において、特に優れたものとなり、しかもポリエステル系繊維(D)を含んでいるため、耐洗濯性や耐久性においても、特に優れたものとなった。

    本発明の難燃性寝具製品は、高度に難燃化した炎遮蔽性生地で、木綿、ポリエステル系繊維、羽毛などの詰め物を覆うことにより、詰め物の有する素材独特の柔らかさや心地よさを充分に引き出すとともに、炎遮蔽性生地の繊維素材が有する優れた風合いや触感などを損なわず、快適で、しかも高い難燃性を有するものとなる。

    QQ群二维码
    意见反馈