冷却を行うためのサポートクッション

申请号 JP2016529744 申请日 2013-07-26 公开(公告)号 JP6192833B2 公开(公告)日 2017-09-06
申请人 テンピュール−ペディック・マネジメント・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー; 发明人 ジェイムズ・ダブリュー・ローズ; トム・ミッケルセン;
摘要
权利要求

第1軟質フォームから成るコアと、 第2軟質フォームから成り、第1面および該第1面に対向する第2面を有し、前記コアを封入するスリーブと、 前記スリーブの第1面と第2面の少なくとも一方に取り込まれた第1の量の相変化材料と、 前記スリーブを囲うライナを備え、 前記ライナは、第2の量の相変化材料を含む、 サポートクッション。前記第1軟質フォーム、前記第2軟質フォーム、または、その両方、が粘弾性フォームである、 請求項1に記載のサポートクッション。前記第1軟質フォームと前記第2軟質フォームの両方が粘弾性フォームであり、 前記第2軟質フォームの密度は、前記第1軟質フォームの密度よりも小さい、 請求項2に記載のサポートクッション。前記第1軟質フォームは、複数の粘弾性フォーム片を含む、 請求項1に記載のサポートクッション。前記複数の粘弾性フォーム片は、網目状粘弾性フォーム片と非網目状粘弾性フォーム片とを含む、 請求項4に記載のサポートクッション。前記コアは、モールドフォームのコアである、 請求項1に記載のサポートクッション。前記相変化材料は、前記スリーブの第1面と第2面に取り込まれている、 請求項1に記載のサポートクッション。前記相変化材料は、複数のミクロスフェアを含む、 請求項1に記載のサポートクッション。前記ライナは、網目状体から成り、 前記相変化材料は、前記網目状体内に取り込まれている、 請求項8に記載のサポートクッション。前記ライナを囲うアウタカバーをさらに備えた、 請求項8に記載のサポートクッション。前記アウタカバーは、布から成る、 請求項10に記載のサポートクッション。前記布は、綿である、 請求項11に記載のサポートクッション。前記アウタカバーは、綿100%である、 請求項11に記載のサポートクッション。網目状粘弾性フォームから成るコアと、 粘弾性フォームから成り、前記コアを封入し、第1面および該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面、前記第2面、または、その両方、で前記粘弾性フォームに取り込まれた第1の量の相変化材料を有するスリーブと、 前記スリーブを囲うライナであって、前記ライナ内に取り込まれた第2の量の相変化材料を有するライナと、を備えた 枕。前記ライナは、難燃材料から成る、 請求項14に記載の枕。前記ライナを囲うアウタカバーをさらに備え、 前記アウタカバーは、布から成る、 請求項14に記載の枕。前記コアは、非網目状粘弾性フォームをさらに含む、 請求項14に記載の枕。スリーブであって、複数の網目状粘弾性フォーム片と複数の非網目状粘弾性フォーム片を封入し、第1面および該第1面に対向する第2面を有し、前記第1面、前記第2面、または、その両方、で前記スリーブに取り込まれた第1の量の相変化材料を有するスリーブと、 前記スリーブを囲うライナであって、前記ライナ内に取り込まれた第2の量の相変化材料を有するライナと、 前記ライナを囲うアウタカバーと、を備えた 枕。前記ライナは、難燃材料から成る、 請求項18に記載の枕。枕であって、 軟質フォームを含むコアと、 前記コアを封入し、前記枕の上で横になっているユーザを冷却するように構成された少なくとも1つの面を有するスリーブと、を備え、 前記コアは、複数の非網目状粘弾性フォーム片と複数の繊維とを含み、 前記スリーブは、該スリーブの少なくとも1つの面内に取り込まれた所定量の相変化材料を含み、 前記コアと前記スリーブとの間に位置するように前記コアを囲う難燃材料の障壁と、 布から成り、前記スリーブを囲うアウタカバーと、をさらに備えた 枕。

说明书全文

本発明は、冷却を行うためのサポートクッションに関する。具体的に言うと、本発明は、軟質フォームのコアを囲うスリーブを利用するサポートクッション、例えば枕に関する。スリーブは、当該スリーブの少なくとも一面(一側)に取り込まれて、サポートクッションの上にいるユーザの身体、または身体の一部を冷却する所定量の相変化材料を含む。

ユーザの身体を支持する上でのサポートクッションの有効性は、サポートクッション、具体的には軟質フォームまたは他の身体適合性材料から成るサポートクッションの場合とほぼ同じように、部分的には、クッションの上にいるユーザの身体の形にどの程度応答するかに応じたものとなる。この点、感温性を有する粘弾性フォームからできているサポートクッションが特に好ましいことが多い。なぜなら、こうしたサポートクッションは、少なくとも部分的に、身体の支持された部分の温度に基づいて、形状を変化させることができるからである。しかし、ユーザの身体に対するクッションの適合性により、ユーザの身体のうち、サポートクッションに接する部分が増えて、クッションの周りの空気に露出する部分が減る。多くのユーザは、身体において周りの空気に露出する部分が減ることにより、粘弾性フォームから成るサポートクッションを「暑くて寝苦しい」と感じる。こうしたユーザは、粘弾性フォームや類似の身体適合性材料により支持性の利点が得られるにも関わらず、他種のサポートクッションを選択することがあるだろう。

サポートクッションが身体適合性を有する結果として生じる「暑くて寝苦しい」(sleeping hot)ことについてのユーザの不安を解消するために、多くのサポートクッションメーカは、いわゆる「冷却」技術を製品に組み込んでいる。例えば、既在の多くのサポートクッションには、ユーザの身体に接触したときに吸熱して冷感を与える潜熱蓄熱装置、例えば相変化材料が取り込まれている。しかし、相変化材料を含むサポートクッションは、相変化材料がユーザの身体に直接に接触していないときには、冷感を与えないか、与える冷感が低下することが多い。例えば、相変化材料を利用したサポートクッションには、弾性率の高いアウタカバー(またはライナ)が設けられることが多い。こうしたアウタカバー(またはライナ)は、PCMを取り込んだサポートクッションの弾が小さくなるのを防止しつつ、染みや摩耗からサポートクッションを保護する。しかし、こうしたアウタカバー(またはライナ)を用いると、ユーザの身体とサポートクッション内のPCMとの間に絶縁層が追加されることになり、PCM材料により得られる冷感が抑制されることが多い。

本発明は、冷却を行うサポートクッションを含む。具体的に言うと、本発明は、軟質フォームのコアを囲うスリーブを利用するサポートクッション、例えば枕を含むものである。スリーブは、当該スリーブの少なくとも一面(一側)に取り込まれて、サポートクッションの上にいるユーザの身体、または身体の一部を冷却する所定量の相変化材料を含む。したがって、本発明のサポートクッションによれば、ユーザは、クッションを保護する断熱材料でサポートクッションを覆う結果として生じることがある冷却力の低下なしに、相変化材料を含むサポートクッションの利点を得ることができる。

本発明の例示的な実施形態では、第1軟質フォームから成るコアと、第2軟質フォームから成るスリーブと、を備えた枕の形態で、サポートクッションが提供される。枕のスリーブは、合わせて枕のコアを封入する第1面と第2面とを有する。また、枕は、スリーブの第1面、第2面、または、第1面と第2面の両方、に取り込まれた、第1の量の相変化材料を含む。これにより、相変化材料を組み込んだ面(側)のスリーブの上にいるユーザの身体または身体の一部に、冷却感が与えられる。

サポートクッションのコアは、大略、ユーザの身体を収容するのに適した形状を有するモールドフォームのコアである。さらに、サポートクッションのコアとスリーブは共に、大略、ユーザの身体または身体の一部からサポートクッション全体に圧力を好適に分散させることが可能な軟質フォームから成る。ある実施形態では、この軟質フォームは、所望の密度と硬度を有し、サポートクッション全体に圧力を均一に分散させることが可能な粘弾性フォームである。ある実施形態では、コアを構成する第1軟質フォームとスリーブを構成する第2軟質フォームとは、粘弾性フォームから成る。この点、ある実施形態では、スリーブを構成する粘弾性フォームの密度は、コアを構成する粘弾性フォームの密度よりも小さくてもよい。これにより、スリーブを構成する粘弾性フォームの、ユーザに接する側の表面が柔らかくなり、コアを構成する粘弾性フォームから所望の大きさの支持が得られる。

さらに、サポートクッションのコアに含まれる粘弾性フォームに関して、コアを構成する粘弾性フォームは、サポートクッションの冷却力を向上させるように構成されてもよい。例えば、ある実施形態では、コアに含まれる粘弾性フォームは、複数の粘弾性フォーム片を含んでもよい。この場合、コアは粘弾性フォームから成る1つの連続片でなく、複数の粘弾性フォーム片から成る。これにより、スリーブからコアを通じて熱を容易に散逸させることができる。ある実施形態では、空気が移動しやすくし、これにより、サポートクッションのスリーブからコアを通じての熱の散逸性を向上させるために、粘弾性フォーム片は非網目状フォーム片と網目状フォーム片から成る。

スリーブに取り込まれる相変化材料の冷却性について更なる利点を得るために、ある実施形態では、サポートクッションのスリーブは、当該スリーブの第1面と第2面の両方に相変化材料を取り込む。これにより、サポートクッションのどちら側を用いてユーザの身体または身体の一部を支持するのかとは無関係に、ユーザは冷感を得る。ユーザに更なる冷感を与えるために、ある実施形態では、網目状体から成るライナがスリーブを囲う。この網目状体には、第2の量の相変化材料が取り込まれている。ライナにより、サポートクッションの上にいるユーザが冷却される。

ある実施形態では、サポートクッションのスリーブとライナにPCM材料を組み込むことに加えて、サポートクッションが、スリーブを覆っているライナを囲うように設けられたアウタカバーをさらに有していてもよい。アウタカバーは、大略、サポートクッションにおいて内側のライナとスリーブを保護するのに充分な耐久性を有する一方、空気と熱がアウタカバーを移動し且つスリーブとライナに含まれる相変化材料がユーザを冷却するのに充分な通気性を有する布から成る。例えば、ある実施形態では、アウタカバーは、綿から成る(例えば綿100%である)。これにより、スリーブとライナに含まれる相変化材料が、サポートクッションの上にいるユーザを冷却できる。

本発明に係るサポートクッションの例を枕の形で示す斜視図であり、枕のコアとスリーブが見えるように一部を除いて示している。

図1に示す枕の2−2線に沿った断面図の一部を示す。

本発明に係る枕の他の例を示す斜視図であり、枕のコアとスリーブが見えるように一部を除いて示している。

図3に示す枕の4−4線に沿った断面図の一部を示す。

本発明に係る枕の他の例を示す斜視図であり、枕のコアとスリーブが見えるように一部を除いて示している。

本発明に係るサポートクッションを椅子として用いた例を示す断面図である。

本発明の更なる特徴と利点は、明細書、図面およびこの文書に記載された非制限的な例を検討した当業者には明らかであろう。

本発明は、冷却を行うサポートクッションを含む。具体的に言うと、本発明は、軟質フォームのコアを囲うスリーブを利用するサポートクッション、例えば枕を含むものである。スリーブは、当該スリーブの少なくとも一面(一側)に取り込まれて、サポートクッションの上にいるユーザの身体、または身体の一部を冷却する所定量の相変化材料を含む。したがって、本発明のサポートクッションによれば、ユーザは、保護用の断熱材料でサポートクッションを覆う結果として生じることがある冷却力の低下なしに、相変化材料を含むサポートクッションの利点を得ることができる。

図1と図2を参照して、本発明の例示的な一実施形態では、第1軟質フォームから成るコア20と、第2軟質フォームから成るスリーブ30とを含み、枕10の形をとるサポートクッションが提供される。スリーブ30は、第1面(第1側)32と第2面(第2側)34を有する。また、枕10は、スリーブ30の第1面32と第2面34の両方に取り込まれた第1の量の相変化材料を含む。これにより、枕10のスリーブ30の第1面32と第2面34の一方の上にいるユーザの身体または身体の一部が冷却される(以下でさらに詳細に説明する)。

枕10のコア20とスリーブ30は、ほぼ軟質フォームから成る。軟質フォームは、ユーザの身体または身体の一部から枕10の全体に圧力を好適に分散させることができる。軟質フォームの例は、これに限定されないが、ラテックスフォーム、網目状または非網目状粘弾性フォーム(メモリフォームまたは低反発フォームとも称されることがある)、網目状または非網目状非粘弾性フォーム、ポリウレタン高反発フォーム、発砲ポリマーフォーム(例えば、発砲エチレンビニルアセテート、発砲ポリプロピレン、発砲ポリスチレンまたは発砲ポリエチレン)などである。図1と図2に示す実施形態では、枕10のコア20を構成する第1軟質フォームは、粘弾性フォーム片22,24(網目状粘弾性フォーム片24と非網目状粘弾性フォーム片22)である。大略、これらの粘弾性フォーム片の硬度は、約10N以上約80N以下である。この硬度の測定は、国際標準化機構(ISO)の硬度測定標準により規定されたものであり、ほぼ室温(すなわち21℃から23℃)で、プレートから材料サンプルに対して圧力を加え、元の材料の厚さの少なくとも約40%圧縮し、40%の圧縮を所定時間保持して行われる。ある実施形態で、粘弾性フォーム片22,24の硬度は、所望の快適性と身体適合性を与える約10N、約20N、約30N、約40N、約50N、約60N、約70Nまたは約80Nである。

本明細書で説明している、枕10で用いる粘弾性フォーム片22,24の密度も、材料の耐久性を増加させることに加えて、所望の快適性と身体適合性を与えるような大きさであってよい。ある実施形態では、枕10のコア20で用いられる粘弾性フォーム片22,24の密度は、約30kg/m3以上約150kg/m3以下である。ある実施形態では、枕10のコア20で用いられる粘弾性フォーム片22,24の密度は、約30kg/m3、約40kg/m3、約50kg/m3、約60kg/m3、約70kg/m3、約80kg/m3、約90kg/m3、約100kg/m3、約110kg/m3、約120kg/m3、約130kg/m3、約140kg/m3、約150kg/m3である。もちろん、選択される粘弾性フォームの密度により、フォームの他の特性(硬度、フォームの圧力応答性、フォームの全体的な感触など)が影響を受けることになるが、特定の用途または所望のサポートクッションのために、所望の密度と硬度を有する粘弾性フォームを準備または選択できることが理解される。さらに、枕のコアは軟質フォーム片で構成される必要は全くなく、本明細書で説明している主題の精神と範囲から逸脱しない範囲で、一片のフォーム、または、軟質フォームから成る1つ以上の層を含む、典型的なフォームベースの枕の形をとることができる。

図1と図2を参照して、この例示的な実施形態では、枕10のスリーブ30内に、枕10のコア20が封入される。また、スリーブ30は、粘弾性フォームから成る。この粘弾性フォームは、粘弾性フォームの連続片(粘弾性フォーム片とは対になる用語である)から成る。この連続片は、典型的に密度、硬度またはその両方が、枕10のコア20よりも小さい。これにより、スリーブ30では、ユーザの身体または身体の一部に接する表面が柔らかくなる。例えば、ある実施形態では、枕10のスリーブ30は、密度が約35kg/m3であり硬度が約10Nである粘弾性フォームから成り、コア20は、密度が約80kg/m3であり硬度が約13Nである粘弾性フォーム片から成る。

用いる材料(例えばフォーム)の硬度と密度とは無関係に、コア20を構成する粘弾性フォーム片22,24は、大略、モールドフォームまたは一体型フォームを形作るように、かつ、粘弾性フォーム片22,24が使用中に動かないように、互いに固定されて成型される。また、コア20とスリーブ30は、大略、使用中に互いに動かないように、互いに固定される。1つの材料層を他の材料層に固定する手段として、テープ、ホック、面ファスナ、従来のファスナ、ステッチなどを用いることができる。特定の実施形態では、コア20とスリーブ30とは、接着剤(接着材)または凝集性結合材により結合されて、コア20とスリーブ30とが互いに充分に結合された略連続的なアセンブリを形成する。前記接着剤の例は、環境に優しい、SABA DINXPERLO BV社製(B-7090 AA, Dinxperlo, Belgium)のベースの2成分系接着剤であるSABA AQUABOND RSDのような水ベースの接着剤である。

枕10のスリーブ30に含まれる相変化材料に戻る。相変化材料は、スリーブ30の第1面32と第2面34の両方に取り込まれており、枕10の第1面32または第2面34の上にユーザがいるか否かとは無関係に、ユーザに冷感を与える。この点、相変化材料は、大略、枕10の上にいるユーザの身体または身体の一部が、相変化材料に近接するように、また、相変化材料の冷却力の低下を避けるように、配置され且つ構成されている。ここで、当該相変化材料の冷却力の低下は、相変化材料を枕10のコア20に取り込み、断熱材料層によりコア20を覆った結果として生じることがあるものである。

枕10のスリーブ30の第1面32と第2面34に取り込まれる相変化材料は、大略、溶解熱が大きい物質を含み、当該物質が固体と液体の間で相変化したときに熱を蓄積または放出するミクロスフェアから成る(すなわち、相変化材料)。スリーブ30の第1面32と第2面34に含まれる相変化材料は、枕10の上で横になっているユーザが生成する熱により、固体から液体に変化する(すなわち溶解する)。これにより、相変化材料は連続的に熱を吸収し、すべての相変化材料が固体から液体に変わるまでユーザに冷却効果を与える。スリーブ30の第1面32と第2面34に相変化材料のミクロスフェアを注入して第1面32と第2面34を相変化材料のミクロスフェアで覆うことにより、相変化材料が第1面32と第2面34に取り込まれる。ただし、当然ながら、枕10の上に横になっているユーザの身体を充分に冷却するために、相変化材料をスリーブ30の第1面32と第2面34に注入し、かつ/または、相変化材料を用いて第1面32と第2面34をコーティングする必要はないと考えることができる。枕10のスリーブ30の第1面32と第2面34の一方のみに相変化材料を注入し、かつ/または、相変化材料を用いて第1面32または第2面34のみをコーティングしてもよい。

図1と図2を参照して、枕10は、スリーブ30の第1面32と第2面34に取り込まれた相変化材料の冷却力をさらに得るため、枕10のコア20に網目状粘弾性フォーム片24を含めることにより、スリーブ30に含まれる相変化材料からコア20を通じて容易に熱を散逸させることができるように構成されている。網目状フォーム(粘弾性であるか否かは別にして)は、フォームのセルが基本的に骨格をなす気泡(多孔性、通気性)フォーム構造である。言い換えると、網目状フォームのセルは、それぞれ、開口部を有する複数の窓により画定され、窓はセル支柱により覆われ、網目状フォームのセルの窓は完全に存在せず(セル支柱のみ残して)、または、ほぼ欠落している。幾つかの実施形態では、セルの窓の少なくとも50%が存在しないとき(すなわち、貫通する開口部を有する窓、または、完全に欠落しておりセル支柱のみが残っている窓)、コア20に含まれる粘弾性フォーム片24は「網目状」であるとされる。こうした構造は、化学的もしくは機械的手段を用いてセル窓材料を破壊したり他の方法で除去したりすることにより、または、フォームの製造工程中にセル窓が完全に形成されるのを妨げることにより、作ることができる。

前記網目状粘弾性フォーム片の製造に用いられる方法とは無関係に、網目状粘弾性フォーム片24は、網目状セル構造を有することにより、枕10のコア20での使用に適した特性を有する。当該特性は、流体が網目状粘弾性フォーム片を通過する能力を向上させ、その結果、スリーブ30のある部位の相変化材料から、コア20を通じて、スリーブ30の他の部分にある加熱されていない相変化材料へ空気および/または熱が移動しやすくなるようにすることを含む。この点、枕のコア20に粘弾性フォーム片24を含めることにより、空気が移動しやすくなって枕10のコア20を通過する熱の散逸性が向上するだけでなく、スリーブ30において加熱された各部分(例えば、枕10の特定の位置で横になっているユーザにより加熱された部分)にある相変化材料が、早期に融点に達して枕10の上にいるユーザの冷却がストップする、ということが防止される。当然ながら、枕のコアを通過する気流の通路を与える垂直チャネルのような他の構造要素も本発明の範囲に含まれると考えられ、本明細書で説明している主題の精神と範囲から逸脱しない範囲で、例示的な枕に含めることができる。

枕10の上にいるユーザに更なる冷感を与えるために、図1と図2を参照して、枕10は、スリーブ30を囲い、第2の量の相変化材料を含むライナ40をさらに有する。ライナ40は、スリーブを保護する機能を有し、相変化材料を取り込むことが可能な複数の異なる材料から成っていてよい。ある好ましい実施形態では、ライナ40は、相変化材料を含む槽を通過した網目状体から成る。これにより、相変化材料が網目状体に付着し、そして網目状体に固定されうる(例えば、米国特許第8,404,345号、8,329,223号、7,794,507号および7,186,273号明細書を参照。これらの明細書は、参照により全体として本明細書に組み込まれる)。また、ライナ40には、好ましくは、1つ以上の難燃材料が取り込まれている。これにより、難燃材料の障壁が、枕10のスリーブ30とコア20を囲う。ただし、コア20を囲うスリーブ30と同様に、ライナ40に直接に相変化材料を取り込むことにより、ライナ40についても、スリーブ30に含まれる相変化材料の冷却力の低下を避けつつ、枕10の上にいるユーザを冷却するように構成されている。ここで、当該相変化材料の冷却力の低下は、枕10のスリーブ30を保護材料層または断熱材料層で覆った結果として生じることがあるものである。

枕10に含まれる相変化材料の冷却力の低下を避けるために、また、ライナ40を保護するために、枕10は、図1と図2に示すアウタカバー50をさらに備える。アウタカバー50は、大略、サポートクッションにおいて内側のライナとスリーブを保護するのに充分な耐久性を有する一方、空気と熱がアウタカバーを移動し且つスリーブ30とライナ40に含まれる相変化材料が枕10の上にいるユーザを冷却するのに充分な「通気性」を有する布から成る。図1と図2に示す実施形態では、アウタカバーは綿100%である。これにより、スリーブ30とライナ40に含まれる相変化材料が生み出す冷感を、枕10の上にいるユーザに容易に伝えることができる。ただし、他の多くの布(絹、綿の割合がより低い布)を用いて、充分なアウタカバーを製造してもよい。

図3と図4を参照して、本発明の他の例示的な実施形態では、複数の網目状粘弾性フォーム片124と非網目状粘弾性フォーム片122から成るコア120と、粘弾性フォームの連続片から成るスリーブ130とを備えた枕110が提供される。図1と図2に示す枕10と同様に、枕110は、第1面132と第2面134を有するスリーブ130と、所定量の相変化材料を含むライナ140と、アウタカバー150とを備える。ただし、図1と図2に示す枕とは異なり、スリーブ30の第1面132と第2面134は、互いに同一ではない。枕110、具体的にはスリーブ130の第1面132は、曲面形状を有し、第1面132の上にいるユーザの頭、首および型を一直線に並べる。さらに、枕110では、スリーブ130の第1面132のみが所定量の相変化材料を含む。これは、枕10の曲面形状が、スリーブ130の第1面132に隣接してユーザが横になることができるように設計されているからである。当然であるが、本発明に従って、本明細書で説明している主題の精神と範囲から逸脱しない範囲で、相変化材料のさまざまな形状と配置を有する枕が得られ、当該枕を用いて、ユーザの身体を支持し、冷却することができる。

図5を参照して、本発明の更なる例示的な実施形態では、粘弾性フォームのスリーブ230を備えた枕210が提供される。スリーブ230は、その第1面232と第2面234とに取り込まれた所定量の相変化材料を有する。これにより、スリーブ230の第1面232と第2面234は、枕210の上で横になっているユーザを冷却するように構成されている。また、枕210は、スリーブ230を囲み、布から成るアウタカバー250を備える。さらに、枕210は、複数の非網目状粘弾性フォーム片222を含むコア220を有する。枕210では、コア220は、複数の繊維226をさらに含む。繊維226は、前記網目状粘弾性フォーム片と同様に、枕210のコア220を通過する空気および/または熱が移動しやすくする。前記繊維は、天然繊維(例えば綿または絹の繊維)、合成繊維(例えばポリエステル繊維)、または、これらの組合せであってもよい。この点、この例示的な実施形態でも、枕210のコア220は、コア220とスリーブ230との間に位置する難燃材料または障壁228(例えばファイアソックス)により囲われている。これにより、難燃障壁228はコア220を囲うが、スリーブ230に取り込まれた相変化材料の冷却を妨げることがない。

図1から図5に示すサポートクッションは、枕10,110,210の形態をとっており、ユーザの頭を支持する寸法とされているが、本発明の更なる改良点として、本明細書で説明している特徴は、マットレス、シートクッション、シートバック、首枕、脚スペーサ枕、マットレストッパ、オーバレイなどにも同様に適用できると理解される。このように、本明細書で用いられる用語「サポートクッション」は、任意の大きさと形状を有し、ユーザの身体または身体の一部を支持することが可能な、またはユーザの身体または身体の一部を支持するために用いられる、すべてのものを指す。例えば、図6に示すように、本発明に係るサポートクッションは、机用椅子310のシート312と背もたれ314に取り込まれる。机用椅子310の各サポートクッションは、複数の網目状粘弾性フォーム片324および複数の非網目状粘弾性フォーム片322から成るコア320と、粘弾性フォームの連続片から成るスリーブ330とを備える。また、机用椅子310の各サポートクッションは、本発明の枕と同様に、各スリーブ330の第1面332と第2面334の両方に取り込まれた第1の量の相変化材料を含む。これにより、机用椅子310のサポートクッションの上にいるユーザの身体の一部に冷感が与えられる。

この文書を通じて、さまざまな引用文献について述べている。すべての引用文献は、参照により本明細書に組み込まれる。

当業者は、本発明の教示または以下の特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて、追加の実施形態または実施例が可能であると認識するだろう。発明の詳細な説明、特に本明細書で開示している例示的な実施形態の具体的な詳細は、主として明確な理解のためになされており、不要な限定があると理解すべきではない。この開示を目にした当業者には、複数の変形例が明らかであり、本発明の精神と範囲を逸脱しない限りにおいてこうした変形例がなされてよい。

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