センサ付きクッション材およびベッド

申请号 JP2016573440 申请日 2016-02-05 公开(公告)号 JPWO2016125904A1 公开(公告)日 2017-11-02
申请人 三井化学株式会社; 学校法人 関西大学; 学校法人 関西大学; 发明人 雅彦 三塚; 雅彦 三塚; 山崎 聡; 聡 山崎; 佳郎 田實; 佳郎 田實;
摘要 センサ付きクッション材1が、光弾性樹脂からなる樹脂シート4と、その樹脂シート4に積層されるクッション材21と、樹脂シート4を挟むように対向配置される発光部5および受光部8を備える光センサ15と、光センサ15により検知された光 信号 に基づいて、樹脂シート4にかかる応 力 を検知する処理部3とを備える。
权利要求

光弾性樹脂からなる樹脂シートと、 前記樹脂シートに積層されるクッション材と、 発光部、および、前記発光部から発せられた光が前記樹脂シートを介して受光される受光部を備える光センサと、 前記光センサにより検知された光信号に基づいて、前記樹脂シートにかかる応を検知する処理部と を備えることを特徴とする、センサ付きクッション材。前記発光部および前記受光部が、前記樹脂シートの厚み方向と直交する方向に投影した投影面において前記樹脂シートと重複するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記発光部が、前記樹脂シートの厚み方向と直交する方向に投影した投影面において前記樹脂シートと重複するように配置され、 前記受光部が、前記樹脂シートの厚み方向に投影した投影面において、前記樹脂シートと重複するように配置される ことを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記クッション材が、前記受光部を収容するための凸状の収容部を有していることを特徴とする、請求項3に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂の25℃における光弾性定数が、1000×10−12Pa−1以上100000×10−12Pa−1以下であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上25℃未満であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上0℃未満であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂の25℃におけるヤング率が、2MPa以上5MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂が、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記光弾性樹脂が、 ポリイソシアネート成分と活性素基含有成分とを含有するポリウレタン樹脂組成物からなり、 前記ポリイソシアネート成分は、1,4−フェニレン基(但し、1,4−フェニレン基における一部の水素原子が、メチル基および/またはメトキシ基で置換されていてもよい。)、および/または、1,5−ナフチレン基を有する芳香環含有ポリイソシアネートを含有し、 前記活性水素基含有成分は、平均水酸基価が20〜500mgKOH/gである高分子量ポリオールを含有することを特徴とする、請求項1に記載のセンサ付きクッション材。前記活性水素基含有成分が、さらに、モノオールを含有することを特徴とする、請求項10に記載のセンサ付きクッション材。請求項1に記載のセンサ付きクッション材を備えることを特徴とする、ベッド。

说明书全文

本発明は、センサ付きクッション材およびベッドに関し、詳しくは、センサ付きクッション材、および、そのセンサ付きクッション材を備えるベッドに関する。

従来、医療介護の分野においては、要介護者が自で離床し、転倒または徘徊することがある。また、例えば、自ら寝返りすることが困難な要介護者には、床ずれなどを生じる場合もある。そのため、介護用ベッドに圧力計を内蔵するなどして、ベッド上における人の体重移動(寝返りなど)や起き上がり行為を観測および管理することが、提案されている。

具体的には、例えば、生体により発生する圧力を検知し、圧力信号を出力する圧電フィルムと、その圧電フィルムが配設される環境温度を検知し、温度に応じた温度信号を出力する温度検知手段と、温度信号に応じて圧力信号を補正し、補正された圧力信号により生体情報を抽出する演算手段とを備える生体情報検出装置、および、その生体情報検出装置を備えるベッド装置が、提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。

特開2009−22567号公報

しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、圧力検知において圧電フィルムが使用されているため、温度による補正が必要となるという不具合がある。また、圧電フィルムは焦電性を示すことが多いため、介護用ベッドに用いると、体温などによる温度変動を圧力として誤検出するという不具合がある。

さらに、圧電フィルムは、圧力の変化に応じて電気信号を発生させる一方、圧力が一定の状態では電気信号を発生させないので、圧電フィルムを用いて継続的に圧力状態を把握するためには、その信号強度を時間積分するなど、煩雑な処理を必要とする。

本発明の目的は、温度による補正を必要とすることなく、簡易かつ正確に圧力を検知することができるセンサ付きクッション材、および、そのセンサ付きクッション材を備えるベッドを提供することにある。

本発明[1]は、光弾性樹脂からなる樹脂シートと、前記樹脂シートに積層されるクッション材と、発光部、および、前記発光部から発せられた光が前記樹脂シートを介して受光される受光部を備える光センサと、前記光センサにより検知された光信号に基づいて、前記樹脂シートにかかる応力を検知する処理部とを備える、センサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[2]は、前記発光部および前記受光部が、前記樹脂シートの厚み方向と直交する方向に投影した投影面において前記樹脂シートと重複するように配置される、上記[1]に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[3]は、前記発光部が、前記樹脂シートの厚み方向と直交する方向に投影した投影面において前記樹脂シートと重複するように配置され、前記受光部が、前記樹脂シートの厚み方向に投影した投影面において、前記樹脂シートと重複するように配置される、上記[1]または[2]に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[4]は、前記クッション材が、前記受光部を収容するための凸状の収容部を有している、上記[3]に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[5]は、前記光弾性樹脂の25℃における光弾性定数が、1000×10−12Pa−1以上100000×10−12Pa−1以下である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[6]は、前記光弾性樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上25℃未満である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[7]は、前記光弾性樹脂のガラス転移温度が、−60℃以上0℃未満である、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[8]は、前記光弾性樹脂の25℃におけるヤング率が、2MPa以上5MPa以下である、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[9]は、前記光弾性樹脂が、ポリウレタン樹脂である、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[10]は、前記光弾性樹脂が、ポリイソシアネート成分と活性素基含有成分とを含有するポリウレタン樹脂組成物からなり、前記ポリイソシアネート成分は、1,4−フェニレン基(但し、1,4−フェニレン基における一部の水素原子が、メチル基および/またはメトキシ基で置換されていてもよいを含んでいる。)、および/または、1,5−ナフチレン基を有する芳香環含有ポリイソシアネートを含有し、前記活性水素基含有成分は、平均水酸基価が20〜500mgKOH/gである高分子量ポリオールを含有する、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[11]は、前記活性水素基含有成分が、さらに、モノオールを含有する、上記[10]に記載のセンサ付きクッション材を含んでいる。

また、本発明[12]は、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載のセンサ付きクッション材を備える、ベッドを含んでいる。

本発明のセンサ付きクッション材、および、そのセンサ付きクッション材を備えるベッドでは、発光部から発せられた光が、光弾性樹脂からなる樹脂シート内を、その応力印加部分において通過した後、受光部において受光されることにより、処理部によって樹脂シートにおける応力が検知される。

そのため、本発明のセンサ付きクッション材、および、そのセンサ付きクッション材を備えるベッドによれば、温度による補正を必要とすることなく、また、圧力一定の状態においても、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

図1は、本発明のセンサ付きクッション材の一実施形態(発光部および受光部が樹脂シートの外側に配置される態様)の平面図を示す。

図2は、図1における樹脂シートおよびクッション材の側面図を示す。

図3は、本発明のセンサ付きクッション材の他の実施形態(発光部および受光部が樹脂シートの内側に配置される態様)の断面図を示す。

図4は、本発明のセンサ付きクッション材の他の実施形態(受光部が樹脂シートの下部に配置される態様)の断面図を示す。

図5は、本発明のベッドの一実施形態(クッション材が分割されない形態)の側面図を示す。

図6は、図5に示すのベッドに人体が横臥される状態を示す平面図であって、 図6Aは、ベッドの中央部分に人体が横臥される状態を示し、 図6Bは、ベッドの右側部分に人体が横臥される状態を示し、 図6Cは、ベッドの左側部分に人体が横臥される状態を示す。

図7は、本発明のベッドの他の実施形態(クッション材が2つに分割および屈曲される形態)の側面図を示す。

図8は、本発明のベッドの他の実施形態(クッション材が3つに分割および屈曲され、樹脂シートがクッション材の全体に積層される形態)の側面図を示す。

図9は、本発明のベッドの他の実施形態(クッション材が3つに分割および屈曲され、樹脂シートがクッション材の一部に積層される形態)の側面図を示す。

図10は、本発明のベッドの他の実施形態(受光部が、発光部に対向配置されるとともに、樹脂シートの下部にも配置される態様)の側面図を示す。

図11は、図10に記載されるクッション材の他の実施形態(凸部材が断面視略台形状である態様)の側面図を示す。

図1および図2において、センサ付きクッション材1は、樹脂シート4、クッション材21、光センサ15および処理部3を備えている。なお、図1において、樹脂シート4およびクッション材21は重複しており、クッション材21の記載が省略されている。そのため、樹脂シート4およびクッション材21の側面図を、図2に別途示す。また、図1において、紙面上下方向を「縦方向」、紙面左右方向を「横方向」とする。

樹脂シート4は、光弾性樹脂からなる成形体であって、所定形状の成形型(注形型)によりシート状に形成されているか、あるいは、脱型後の裁断によって所定形状のシート状に形成されている。

光弾性樹脂としては、光弾性を示す樹脂であれば、特に制限されないが、例えば、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。

これら光弾性樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。

製造容易性の観点から、好ましくは、ポリウレタン樹脂が挙げられる。

本発明において、ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを含有するポリウレタン樹脂組成物を、反応および硬化させることにより、得ることができる。

ポリイソシアネート成分は、好ましくは、芳香環含有ポリイソシアネートを含み、そのような芳香環含有ポリイソシアネートとしては、1,4−フェニレン基(但し、1,4−フェニレン基における一部の水素原子が、メチル基および/またはメトキシ基で置換されていてもよい。)、および/または、1,5−ナフチレン基を含有している。

1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合物(カルボジイミド変性MDI、ウレトンイミン変性MDI、アシル尿素変性MDIなど)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、3,3′−ジメトキシビフェニル−4,4′−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、1,4−キシリレンジイソシアネート(1,4−XDI)などのベンゼン環含有ポリイソシアネート(具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネート)などが挙げられる。

また、1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)などのナフタレン環含有ポリイソシアネート(具体的には、ナフタレン環含有ジイソシアネート)などが挙げられる。

1,4−フェニレン基および/または1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートのうち、好ましくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)、3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)が挙げられる。

ポリイソシアネート成分は、単独使用または2種以上併用することができる。

また、ポリイソシアネート成分は、上記した芳香環含有ポリイソシアネートを必須成分とし、その他のポリイソシアネートを任意成分として含有することもできる。

その他のポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート(上記した芳香環含有ポリイソシアネートを除く)、芳香脂肪族ポリイソシアネート、(上記した芳香環含有ポリイソシアネートを除く)、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。

芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,2’−MDI、2,6−TDI、m−フェニレンジイソシアネート、2,6−NDIなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。

芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート(1,3−XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。

脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添キシリレンジイソシアネート、H6XDI)、2,5−または2,6−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンもしくはその混合物(NBDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−または1,3−シクロヘキサンジイソシアネートもしくはその混合物、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。

脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。

ポリイソシアネート成分のうち、1,4−フェニレン基および/または1,5−ナフチレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートの配合割合は、ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、30質量%以上、さらに好ましくは、50質量%以上、とりわけ好ましくは、90質量%以上である。

ポリイソシアネート成分の芳香環濃度は、ポリウレタン樹脂組成物に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、12質量%以上であり、通常、例えば、30質量%以下、好ましくは、26質量%以下、さらに好ましくは、16質量%以下である。

ポリイソシアネート成分の芳香環濃度が上記した下限以上であれば、優れた光弾性を得ることができる。

ポリイソシアネート成分の芳香環濃度が上記した上限以下であれば、優れた光弾性を得ることができる。

ポリイソシアネート成分の芳香環濃度は、ポリイソシアネート成分に由来する芳香環の、ポリウレタン樹脂組成物における質量割合であって、後述するシアノ化合物に由来する芳香環を含まない。

また、芳香環濃度は、ポリイソシアネート成分が1,4−フェニレン基を含有する場合には、そのポリイソシアネートの分子量を78(g/モル)とし、また、ポリイソシアネート成分が1,5−ナフチレン基を含有する場合には、そのポリイソシアネートの分子量を128(g/モル)として算出される。

活性水素基含有成分は、活性水素基(例えば、水酸基、アミノ基など)を有する化合物であって、例えば、ポリオール、ポリアミンなどが挙げられ、好ましくは、ポリオールが挙げられる。

ポリオールは、好ましくは、高分子量ポリオールを含有している。

高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、平均水酸基価(後述)が20〜500mgKOH/gの化合物であり、かつ、平均官能基数(後述)が2の場合には、数平均分子量が225以上の化合物であり、あるいは、平均官能基数が3の場合には、数平均分子量337以上の化合物である。

そのような高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ダイマーポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコーンポリオール、フッ素ポリオールなどが挙げられる。

ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレン(C2〜3)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどのポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。

ポリアルキレン(C2〜3)ポリオールとしては、例えば、低分子量ポリオールを開始剤とする、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの付加重合物(2種以上のアルキレンオキサイドのランダムおよび/またはブロック共重合体を含む)が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(ランダムおよび/またはブロック共重合体)などが挙げられる。

低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、平均水酸基価(後述)が500mgKOH/gを超過する化合物であり、かつ、官能基数(後述)が2の場合には、分子量が40以上225未満のジオールであり、あるいは、官能基数が3の場合には、分子量40以上337未満のトリオールである。

そのような低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,4−ブチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、1,2−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、アルカン(炭素数7〜13)ジオールや、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどアルケン(炭素数4〜13)ジオールなどの脂肪族ジオール(炭素数2〜13)や、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール(炭素数6〜13)、さらには、例えば、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコールなどの芳香族ジオール(芳香環を含有する炭素数6〜13の芳香環含有ジオール)、さらにまた、ジエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコールなどのオキシアルキレンアルコールなどのジオール(炭素数2〜9)(2価アルコール)、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールなどの炭素数3〜6の脂肪族トリオール、および、その他の脂肪族トリオール(炭素数7〜20)などのトリオール(3価アルコール)、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリン(ジグリセロール)などのテトラオール(4価アルコール)(炭素数5〜27)、例えば、キシリトールなどのペンタオール(5価アルコール)(炭素数5〜33)、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキサオール(6価アルコール)(炭素数6〜40)、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール(ヘプタオール)(炭素数7〜47)、例えば、ショ糖などのオクタオール(8価アルコール)(炭素数8〜54)などが挙げられる。

これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。

ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物、例えば、テトラヒドロフランの重合単位に上記したジオールなどを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコール、例えば、テトラヒドロフランの重合単位に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロヒドリンおよび/またはベンジルグリシジルエーテルなどを共重合した非晶性ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。

また、ポリエーテルポリオールとして、例えば、上記した炭素数6〜13の芳香環含有ジオール(具体的には、ビスヒドロキシエトキシベンゼンなど)、水酸基価が500mgKOH/g以下の芳香環含有ジオール(具体的には、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノールAなど)などの芳香族ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはテトラヒドロフランなどを付加重合した芳香環含有ポリオールも挙げられる。

ポリエーテルポリオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。

ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと、多塩基酸またはその酸無水物あるいはその酸ハライドとの反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。

多塩基酸およびその酸無水物またはその酸ハライドとしては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバチン酸、その他の脂肪族ジカルボン酸(C11〜C13)、水添ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ダイマー酸、ヘット酸などのカルボン酸(ジカルボン酸)、および、これらのカルボン酸などから誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらの無水カルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバチン酸ジクロライドなどが挙げられる。

また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオールなどのラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。

さらに、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオールと、水酸基含有植物脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸とを、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。

ポリカーボネートポリオールは、例えば、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、例えば、触媒の存在下または不在下に、ホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、アルキレンカーボネートなどを反応させることにより、得ることができる。ポリカーボネートポリオールは、好ましくは、ジオールを開始剤とするポリカーボネートジオールが挙げられる。

ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有モノマーの重合体の末端に水酸基を付加した、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンジオールなどが挙げられる。

ダイマーポリオールとしては、通常、工業用原料として入手し得る、主成分が炭素数18の不飽和脂肪酸の2量体を還元して得られるダイマージオールなどが挙げられる。

ポリウレタンポリオールとしては、上記により得られたポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基に対する水酸基の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、上記したポリイソシアネート成分と反応させることによって得られる、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどが挙げられる。

ポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオールとしては、例えば、特公昭48−10078号公報に記載されているように、ポリオキシアルキレンポリオールにポリエステル鎖をブロックした構造のもの、すなわち、ポリオキシアルキレンポリオールまたは水酸基を有するその誘導体の各ヒドロキシ基の水素原子と置換する部分が、一般式(A) (−CO−R5−COO−R6−O−)n (A) (式中、R5およびR6はそれぞれ2価の炭化水素基であり、nは平均1より大きい数を示す。)で表されるものが含まれる。

一般式(A)中、R5で示される2価の炭化水素基としては、例えば、飽和脂肪族または芳香族ポリカルボン酸残基、R6で示される2価の炭化水素基としては、例えば、環状エーテル基をもつ化合物が開裂した残基が挙げられ、nは、好ましくは1〜20の整数である。

このポリオキシアルキレンポリエステルブロック共重合体ポリオールは、上記したポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)に、ポリカルボン酸無水物とアルキレンオキシドを反応させることにより得られる。

高分子量ポリオールの平均水酸基価は、20〜500mgKOH/gであり、好ましくは、80〜300mgKOH/g、さらに好ましくは、100〜250mgKOH/gである。

高分子量ポリオールの水酸基価(単位:mgKOH/g)は、JIS K 1557−1のA法またはB法に準拠するアセチル化法またはフタル化法などから求めることができる。

そして、高分子量ポリオールの平均水酸基価(単位:mgKOH/g)は、高分子量ポリオールが単独使用される場合には、その高分子量ポリオールの水酸基価と同一である。一方、高分子量ポリオールの平均水酸基価は、高分子量ポリオールが併用される場合には、それらの平均値である。

高分子量ポリオールの平均水酸基価が上記した範囲を超過すると、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)において、ヤング率が高くなり過ぎ、所望の光弾性定数を得ることができない場合がある。一方、平均水酸基価が上記した範囲未満であると、ガラス転移温度が過度に低くなり、加工性や耐傷付き性が低下する場合がある。

高分子量ポリオールの平均官能基数は、例えば、1.9〜3、好ましくは、1.9〜2.5、さらに好ましくは、2.0〜2.2である。

高分子量ポリオールの官能基数は、高分子量ポリオールの水酸基数であって、具体的には、1分子当たりの活性な水酸基の数である。

そして、高分子量ポリオールの平均官能基数は、高分子量ポリオール1分子当たりの活性な水酸基の平均値である。つまり、異なる官能基数を有する高分子量ポリオールが混合(併用)される場合は、その高分子量ポリオールの混合物の分子数に対する混合物の活性な水酸基の数の割合を示した数値が、高分子量ポリオールの平均官能基数である。

なお、高分子量ポリオールの平均官能基数は、次式(B)から求めることもできる。

平均官能基数=(各高分子量ポリオールの官能基数×当量数)の総和/各高分子量ポリオールの当量数の総和 (B) 高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、225〜20,000、好ましくは、500〜15,000である。

数平均分子量は、次式(C)から求めることができる。

数平均分子量=56100×平均官能基数/平均水酸基価 (C) 高分子量ポリオールの平均官能基数が上記した範囲を超過すると、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)において、所望の光弾性定数を得にくい場合がある。一方、平均官能基数が上記した範囲未満であると、ヤング率が低くなり過ぎ、加工性や耐傷付き性が低下する場合がある。

高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールが挙げられる。

さらに好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール(具体的には、ポリカーボネートジオール)が挙げられる。

ポリテトラメチレンエーテルグリコールの平均水酸基価は、100〜250mgKOH/g、好ましくは、100〜220mgKOH/gである。ポリテトラメチレンエーテルグリコールの平均水酸基価が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。

ポリカーボネートジオールの平均水酸基価は、100〜250mgKOH/g、好ましくは、150〜250mgKOH/gである。ポリカーボネートジオールの平均水酸基価が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。

これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。

また、ポリオールは、上記した高分子量ポリオールに加え、上記した低分子量ポリオールを含有することもできる。

ポリオールが低分子量ポリオールを含有することにより、ポリオールの平均水酸基価を増大させて、その分、イソシアネートインデックス(後述)を所望の値に調整すべく、上記したポリイソシアネート成分(好ましくは、芳香環含有ポリイソシアネート)をポリウレタン樹脂組成物に多く配合することができる。そのため、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)の光弾性定数を高めることができる。

低分子量ポリオールとしては、好ましくは、ジオール、トリオール、テトラオールが挙げられ、具体的には、炭素数2〜10のジオール、炭素数3〜10のトリオール、炭素数5〜10のテトラオールが挙げられる。

炭素数2〜10のジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、アルカン(炭素数7〜10)ジオールや、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオールなどアルケン(炭素数4〜10)ジオール、などの脂肪族ジオール(炭素数2〜10)や、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール(炭素数6〜10)、例えば、キシレングリコールなどの芳香族ジオール(炭素数6〜10の芳香環含有ジオール)、さらにまた、ジエチレングリコール、トリオキシエチレングリコール、テトラオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリオキシプロピレングリコールなどのオキシアルキレンアルコールなどのジオール(炭素数2〜10)などが挙げられる。

炭素数3〜10のトリオールとしては、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールなどの炭素数3〜6の脂肪族トリオール、および、その他の脂肪族トリオール(炭素数7〜10)などのトリオールなどが挙げられる。

炭素数5〜10のテトラオールとしては、例えば、テトラメチロールメタン、ジグリセリンなどのテトラオールなどが挙げられる。

また、低分子量ポリオールとしては、例えば、数平均分子量400以下のポリアルキレンオキサイドなども挙げられる。そのようなポリアルキレンオキサイドは、例えば、上記した低分子量ポリオール(ジオール、トリオールなど)を開始剤として、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加反応させることによって、ポリエチレングリコール(ポリオキシエチレンエーテルグリコール)、ポリプロピレングリコール(ポリオキシプロピレンエーテルグリコール)、ポリエチレンポリプロピレングリコール(ランダムまたはブロック共重合体)などとして得ることができる。

低分子量ポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。

好ましくは、トリオールが少なくとも用いられ、具体的には、炭素数3〜10のトリオールの単独使用、炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールの併用が挙げられる。

低分子量ポリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.1〜30質量部、好ましくは、0.5〜25質量部である。

炭素数3〜10のトリオールが単独使用される場合には、炭素数3〜10のトリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、10質量部以下、好ましくは、9質量部以下、さらに好ましくは、0.5〜6質量部である。

炭素数3〜10のトリオールの配合割合が上記した範囲を超える場合は、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)が不透明になり、光がポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)を透過しない場合や、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)のヤング率が高くなり過ぎる場合がある。

炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールが併用される場合において、炭素数3〜10のトリオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.5〜10質量部、好ましくは、0.6〜6質量部であり、炭素数2〜10のジオールの配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、25質量部以下、好ましくは、0.1〜10質量部である。炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールの配合割合が上記した範囲内にあれば、高い光弾性と高い剛性とを両立することができる。

また、炭素数3〜10のトリオールおよび炭素数2〜10のジオールが併用される場合において、それらの総量の配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.1〜30質量部、好ましくは、0.5〜25質量部、さらに好ましくは、0.7〜6質量部である。

トリオールおよびジオールの総量が上記した範囲未満であると、ヤング率が過度に低下して、成形性や耐傷付性が低下したり、光弾性定数が低下する場合がある。トリオールおよびジオールの総量が上記した範囲を超過すると、ヤング率が過度に高くなる場合がある。

また、活性水素基含有成分は、ベッド(後述)の寝心地の向上を図る観点から、さらに、モノオールを含有することができる。

モノオールは、水酸基を1つ有する化合物(1価アルコール)であって、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール(1−ヘキサデカノールなど)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(1−オクタデカノールなど)、ノナデカノール、エイコサノール(1−エイコサノールなど)、テトラコサノール(1−テトラコサノールなど)、およびそれらの異性体、さらには、その他のアルカノール(C20〜50アルコール)や、例えば、オレイルアルコール、リノリルアルコールなどのアルケニルアルコール、例えば、オクタジエノールなどのアルカジエノール、例えば、ポリエチレンブチレンモノオールなどの脂肪族モノオールが挙げられる。また、モノアルコールとして、例えば、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどの脂環族モノオール、例えば、ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノオールなども挙げられる。

これらモノオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。

モノオールとして、好ましくは、脂肪族モノオールが挙げられ、より好ましくは、2−エチル−1−ヘキサノールが挙げられる。

モノオールが配合される場合において、その配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、0.1以上、好ましくは、0.2以上であり、例えば、1.0以下、好ましくは、0.5以下である。

そして、活性水素基含有成分の配合割合としては、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、活性水素基含有成分中の高分子量ポリオールが、例えば、120〜400質量部、好ましくは、125〜333質量部である。

換言すれば、ポリイソシアネート成分の含有割合が、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、25〜85質量部、好ましくは、30〜80質量部である。ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲内にあれば、高い剛性と高い剛性とを両立することができる。

ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲を超過する場合には、ヤング率が過度に高くなり、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)における所望の光弾性定数を得られない場合がある。

ポリイソシアネート成分の含有割合が上記した範囲未満である場合には、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)における所望の光弾性定数を得られない場合がある。

また、本発明のポリウレタン樹脂組成物には、可塑剤を含有させることができる。

可塑剤は、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)のガラス転移温度を低下させるべく、ポリウレタン樹脂組成物に必要により配合され、例えば、シアノ化合物、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル)、例えば、アジピン酸エステル(例えば、アジピン酸ジオクチル)、例えば、セバシン酸エステル(例えば、セバシン酸ジオクチル)、リン酸トリグリシジル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、アルキルベンゼン、アルキルビフェニル(例えば、4−ペンチルビフェニル)、塩素化パラフィン、高沸点溶剤、イオン液体(例えば、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、ポリステル系可塑剤などが挙げられる。好ましくは、シアノ化合物が挙げられる。

シアノ化合物をポリウレタン樹脂組成物に配合すれば、成形体のヤング率を低減することができ、それによって、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)の加工性を向上することができるとともに、光弾性定数を増大させることもできる。

シアノ化合物は、例えば、炭素数が14〜24であり、4−シアノフェニル基(但し、4−シアノフェニル基における一部の水素原子が、フッ素原子で置換されていてもよい。)を有している。

シアノ化合物が、4−シアノフェニル基を有することによって、光弾性定数をより一層増大させることができる。

4−シアノフェニル基において、フッ素原子が置換する水素原子としては、例えば、2位〜6位の水素原子であって、好ましくは、2位の水素原子である。

シアノ化合物としては、具体的には、下記式(1)で示されるビフェニル化合物、

(式中、R1は、炭素数が1〜11のアルキル基、炭素数が7〜11の4−アルキルフェニル基、または、炭素数が7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基を示す。) 下記式(2)で示されるエーテル化合物、

(式中、R2は、炭素数が1〜11のアルキル基を示す。) 下記式(3)で示されるシクロヘキシル化合物、

(R3は、炭素数が1〜11のアルキル基、または、炭素数が5〜11のアルケニル基を示す。) 下記式(4)で示されるフェニルエステル化合物が挙げられる。

(R4は、水素原子または炭素数が1〜10のアルキル基を示す。) 上記式(1)中、R1として示される炭素数1〜11のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシルなどの直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜7のアルキル基が挙げられる。

上記式(1)中、R1として示される炭素数7〜11の4−アルキルフェニル基としては、例えば、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−イソペンチルフェニル、4−tertペンチルフェニルなどの、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル部分を有する、4−アルキルフェニル基が挙げられる。好ましくは、炭素数3〜5のアルキル部分を有する、炭素数9〜11の4−アルキルフェニル基が挙げられる。

炭素数7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基としては、例えば、4−メチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、4−イソイプロピルシクロヘキシル、4−ペンチルシクロヘキシル、4−イソペンチルシクロヘキシル、4−tertペンチルシクロヘキシル、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル部分を有する、4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。好ましくは、炭素数3〜5のアルキル部分を有する、炭素数9〜11の4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。

上記式(1)で示されるR1として、好ましくは、炭素数1〜11のアルキル基、炭素数7〜11の4−アルキルシクロヘキシル基が挙げられる。

上記式(1)で示されるビフェニル化合物として、具体的には、4−シアノ−4´−メチルビフェニル、4−シアノ−4´−ペンチルビフェニル、4−シアノ−4´−(4−ペンチルシクロヘキシル)ビフェニルなどが挙げられる。

上記式(2)中、R2で示される炭素数1〜11のアルキル基としては、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。

上記式(2)で示されるエーテル化合物としては、具体的には、4−シアノ−4´−ペンチルオキシビフェニルなどが挙げられる。

上記式(3)中、R3で示される炭素数が1〜11のアルキル基としては、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。

上記式(3)中、R3で示される炭素数が5〜11のアルケニル基としては、例えば、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デシニル、ドデシニルなどが挙げられる。

上記式(3)中、R3として、好ましくは、炭素数が1〜11のアルキル基が挙げられる。

上記式(3)で示されるシクロヘキシル化合物としては、具体的には、4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル、4−((3−ペンテニル)−4−シクロヘキシル)ベンゾニトリル、2−フルオロ−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリルなどが挙げられる。

上記式(4)中、R4で示される炭素数が1〜10のアルキル基は、上記式(1)のR1で示される炭素数1〜11のアルキル基として例示したアルキル基のうち、炭素数1〜10のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。

上記式(4)で示されるフェニルエステル化合物としては、例えば、4−プロピル安息香酸4−シアノフェニル、4−ヘプチル安息香酸4−シアノフェニル、4−ペンチル安息香酸4−シアノ−3,5−ジフルロオフェニルなどが挙げられる。

また、シアノ化合物として、例えば、シアノベンゼン、4−メトキシベンゼンなども挙げられる。

シアノ化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。

シアノ化合物のうち、好ましくは、ビフェニル化合物が挙げられる。

可塑剤の配合割合は、高分子量ポリオール100質量部に対して、例えば、100質量部以下、好ましくは、1〜60質量部、さらに好ましくは、5〜30質量部である。

可塑剤の配合割合が上記した範囲を超過する場合には、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)のヤング率が過度に低下して、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)の外観が不透明となる場合がある。

そして、上記したポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分と必要により可塑剤とを処方(配合)することにより、ポリウレタン樹脂組成物を得る。

ポリウレタン樹脂組成物に配合される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。

また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートおよびナフタレン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せ、あるいは、異なる2種類のベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。

さらに、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物との組合せが挙げられる。

さらにまた、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物との組合せが挙げられる。

また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオールと、炭素数2〜10のジオールと、炭素数3〜10のトリオールと、可塑剤との組合せが挙げられ、具体的には、異なる2種類のベンゼン環含有ジイソシアネートと、ポリテトラメチレンエーテルポリオールと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールと、炭素数3〜6の脂肪族トリオールと、ビフェニル化合物またはエーテル化合物との組合せが挙げられる。

また、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、複数種類の芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリカーボネートポリオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ジイソシアネートおよびナフタレン環含有ジイソシアネートと、ポリカーボネートジオールと、炭素数3〜10の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。

さらに、ポリウレタン樹脂組成物に処方される各成分の好適な組合せとして、例えば、1,4−フェニレン基を含有する芳香環含有ポリイソシアネートと、ポリエステルポリオールと、炭素数3〜10のトリオールとの組合せが挙げられ、具体的には、ベンゼン環含有ポリイソシアネートと、ジカルボン酸およびジオールの重縮合物であるポリエステルジオールと、炭素数3〜10の脂肪族トリオールとの組合せが挙げられる。

そして、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)は、このようにして得られるポリウレタン樹脂組成物から、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて、ポリウレタン樹脂組成物を硬化および成形することにより、得ることができる。

ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを反応させるには、例えば、ワンショット法やプレポリマー法などの公知の成形方法に準拠することができる。

ワンショット法では、例えば、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを、イソシアネートインデックス(水酸基濃度に対するイソシアネート基濃度の比に100を乗じた値、NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、70〜400、好ましくは、80〜150となるように処方(混合)して、それらを成形型に注入して、例えば、0℃〜250℃、好ましくは、室温(20℃)〜150℃で、例えば、1分間〜7日間、好ましくは、10分間〜2日間、硬化反応させる。

この硬化反応では、ウレタン化触媒を添加することができる。ウレタン化触媒としては、例えば、錫系触媒(例えば、オクチル酸錫など)、鉛系触媒(例えば、オクチル酸鉛など)、ビスマス系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒、有機金属系触媒、アミン系触媒などが挙げられ、好ましくは、高い光弾性定数を得る観点から、鉛系触媒が挙げられる。

ウレタン化触媒の配合割合は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、0.0001〜2.0質量部、好ましくは、0.0005〜1.0質量部である。

また、上記した硬化反応は、公知の溶媒の存在下で実施することもできる。

そして、成形型に注入して硬化反応させた後、脱型すれば、所定形状に成形されたポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)を得ることができる。

あるいは、ポリウレタン樹脂組成物を、例えば、ガラス基板、樹脂フィルムなどの基材の上に均一な厚みで塗布して皮膜を形成し、続いて、硬化させることにより、所定の厚みのポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)を形成することができる。

なお、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)は、硬化後、基材から剥離することができる。あるいは、ポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)は、基材から剥離することなく、基材に付着させたままで使用することもできる。

プレポリマー法は、例えば、まず、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分の一部(例えば、高分子量ポリオール)とを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを合成する。次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部(鎖伸長剤:例えば、低分子量ポリオール(および必要により高分子量ポリオール、モノオール))とを反応(鎖伸長)させて、硬化反応させる。

イソシアネート基末端プレポリマーを合成するには、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分の一部とを、イソシアネートインデックス(NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、110〜2,000、好ましくは、150〜1,000となるように処方(混合)し、反応容器中にて、例えば、室温〜150℃、好ましくは、40〜120℃で、例えば、0.5〜18時間、好ましくは、2〜10時間、反応させる。

上記したイソシアネート基末端プレポリマーは、公知の溶媒の存在下で、合成することができる。

また、上記したイソシアネート基末端プレポリマーの合成後に、例えば、薄膜蒸留法などの蒸留法、例えば、液−液抽出法などの抽出法などの除去方法によって、未反応のポリイソシアネート成分を除去することもできる。

得られたイソシアネート基末端プレポリマーは、そのイソシアネート当量が、例えば、80〜2,000、好ましくは、100〜1,000である。

次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部とを反応させるには、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素基含有成分の残部とを、イソシアネートインデックス(NCO濃度/水酸基濃度×100)が、例えば、50〜200、好ましくは、75〜125となるように処方(混合)し、成形型に注入して、例えば、0〜250℃、好ましくは、室温(20℃)〜150℃で、例えば、1分間〜7日間、好ましくは、10分間〜2日間、硬化反応させる。

この硬化反応においても、上記と同様のウレタン化触媒を、上記と同様の配合割合で添加することができる。また、この硬化反応は、公知の溶媒の存在下で実施することもできる。

そして、成形型に注入して硬化反応させた後、脱型すれば、所定形状に成形されたポリウレタン樹脂(成形体、樹脂シート)を得ることができる。

このようなポリウレタン樹脂は、光弾性、つまり、応力の発生により、成形体の内部を通過する光(例えば、レーザー光など)に複屈折を生じさせることができる。そのため、樹脂シート4として好適に用いることができる。

また、上記のポリウレタン樹脂組成物またはポリウレタン樹脂(成形体)には、必要に応じて、例えば、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、艶消し剤、難燃剤、揺変剤、粘着付与剤、増粘剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、反応遅延剤、脱水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、耐候安定剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。

なお、樹脂シート4において用いられる光弾性樹脂としては、上記のポリウレタン樹脂に限定されず、公知の光弾性樹脂を用いることもできる。

光弾性樹脂の25℃における光弾性定数は、例えば、1000×10−12Pa−1以上、好ましくは、2000×10−12Pa−1以上、より好ましくは、3000×10−12Pa−1以上であり、例えば、100000×10−12Pa−1以下、好ましくは、10000×10−12Pa−1以下、より好ましくは、4000×10−12Pa−1未満である。

光弾性定数が上記した下限を超過することにより、優れた光弾性、とりわけ、センサ付きクッション1において必要とされる優れた光弾性を確保することができる。

光弾性樹脂の光弾性定数は、「築地光雄、高和宏行、田實佳郎著“光学フィルム用・光弾性定数測定システムの開発”、精密学会誌73、253−258(2007)」の「光弾性定数測定方法」の記載に準拠して測定することができる。

また、光弾性定数の測定とともに、光弾性樹脂の歪光学定数とヤング率とが求められる。

光弾性樹脂の歪光学定数は、光弾性樹脂の変形量に対する、かかる変形によって発生する複屈折の強さの割合を示す。

光弾性定数、歪光学定数およびヤング率は、下記式(5)を満足する。

光弾性定数=歪光学定数÷ヤング率 (5) 従って、光弾性樹脂の光弾性定数を上記した所望の範囲に設定するには、歪光学定数およびヤング率を調整する。

具体的には、歪光学定数が高いほど、また、ヤング率が低いほど、光弾性定数が高くなるが、ヤング率が過度に低いと、成形性が低下する場合がある。

そのため、光弾性樹脂の25℃におけるヤング率は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、1MPa以上、より好ましくは、2MPa以上であり、例えば、10MPa以下、好ましくは、9MPa以下、より好ましくは、5MPa以下である。

光弾性樹脂のヤング率が上記した範囲未満である場合には、光弾性樹脂が軟らか過ぎて傷付き易く、加工性が低下する場合がある。光弾性樹脂のヤング率が上記した範囲を超過する場合には、光弾性樹脂が硬すぎるため、光弾性が低下する場合がある。

好ましくは、上記した所望の光弾性定数を得るには、光弾性樹脂の25℃のヤング率が2MPa以上3MPa以下の場合には、25℃の歪光学定数が、例えば、6000×10−6以上(通常、10000×10−6以下)であり、光弾性樹脂の25℃のヤング率が3MPaを超過し5MPa以下の場合には、25℃の歪光学定数は、例えば、10000×10−6以上(通常、20000×10−6以下)である。

光弾性樹脂のガラス転移温度は、例えば、−60℃以上、好ましくは、−50℃以上、より好ましくは、−40℃以上であり、例えば、25℃未満、好ましくは、0℃未満、より好ましくは、−25℃未満である。

光弾性樹脂のガラス転移温度が上記した下限未満である場合には、光弾性樹脂の加工性および耐傷付き性が低下する場合がある。

また、光弾性樹脂のガラス転移温度が、上記した上限以上である場合には、上記した所望の光弾性定数を得にくくなる場合がある。

より具体的には、後述するように、センサ付きクッション材1がベッド(介護用ベッドなど)などに用いられる場合、そのベッドは通常、20℃前後に温度調節された室内に設置されている。しかし、人(患者など)がベッドに横臥することにより、光弾性樹脂の温度が、人体の体温(37℃前後)程度まで上昇する場合がある。

そのような場合、光弾性樹脂のガラス転移温度が上記上限以上であれば、樹脂のヤング率が、その温度により大きく変動する。その結果、光センサの感度(光弾性定数)が大きく変動し、計測が不正確になる場合がある。

そのため、光弾性樹脂のガラス転移温度は、上記範囲であることが好適である。

光弾性樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数10Hzで、温度分散モード(昇温速度5℃/min)の測定により、得ることができる。

また、上記したガラス転移温度の測定では、同時に、貯蔵伸長弾性率E’、損失伸長弾性率E’’および損失正接tanδが得られる。

光弾性樹脂の25℃における貯蔵伸長弾性率E’は、例えば、1×106〜1×108Paであり、25℃における損失伸長弾性率E’’は、例えば、1×104〜1×108Paであり、25℃における損失正接tanδは、例えば、0.01〜0.2である。

このような光弾性樹脂からなる樹脂シート4は、図1に示されるように、平面視略矩形平板形状に形成されている。

樹脂シート4のサイズは、センサ付きクッション材1がベッドとして用いられる場合には、後述するクッション材21(図2参照)と同程度か、または、クッション材21よりも小さく、具体的には、例えば、縦方向長さが、例えば、10cm以上、好ましくは、50cm以上であり、例えば、250cm以下、好ましくは、180cm以下である。また、横方向長さが、例えば、10cm以上、好ましくは、50cm以上であり、例えば、200cm以下、好ましくは、150cm以下である。

また、樹脂シート4の平面視における面積は、例えば、100cm2以上、好ましくは、500cm2以上であり、例えば、50000cm2以下、好ましくは、40000cm2以下である。

また、樹脂シート4の厚みは、特に限定されず、例えば、0.01mm以上、好ましくは、0.1mm以上、より好ましくは、0.3mm以上であり、例えば、50mm以下、好ましくは、10mm以下、さらに好ましくは、5mm以下である。

図2において、クッション材21は、平面視略矩形平板形状に形成されており、樹脂シート4の厚み方向一方面(紙面上側)に積層されている。

クッション材21としては、特に制限されず、例えば、発泡ポリウレタン樹脂、発泡ポリエステル樹脂などの公知のクッション材が挙げられる。

これらクッション材21は、単独使用または2種類以上併用することができる。

クッション材21のサイズは、センサ付きクッション材1がベッドとして用いられる場合には、樹脂シート4のサイズと同程度か、または、樹脂シート4よりも大きく、具体的には、例えば、縦方向長さが、例えば、50cm以上、好ましくは、100cm以上であり、例えば、250cm以下、好ましくは、180cm以下である。また、横方向長さが、例えば、50cm以上、好ましくは、100cm以上であり、例えば、200cm以下、好ましくは、150cm以下である。

また、クッション材21の平面視における面積は、例えば、2500cm2以上、好ましくは、5000cm2以上であり、例えば、50000cm2以下、好ましくは、40000cm2以下であり、樹脂シート4の平面視における面積に対して、例えば、100%以上、好ましくは、150%以上であり、例えば、9000%以下、好ましくは、1000%以下である。

また、クッション材21の厚みは、特に制限されないが、例えば、1cm以上、好ましくは、3cm以上であり、例えば、30cm以下、好ましくは、20cm以下である。

光センサ15は、図1に示されるように、水平方向(樹脂シート4の厚み方向と直交する方向)に投影した投影面において樹脂シート4と重複するように、樹脂シート4を挟んで対向配置される発光部5および受光部8を備えている。より具体的には、光センサ15は、樹脂シート4を縦方向両側から挟むように設けられる1対の発光部5および受光部8と、樹脂シート4を横方向両側から挟むように設けられる1対の発光部5および受光部8とを備えている。

発光部5は、樹脂シート4における縦方向一方側に配置され、横方向に沿って複数並列配置される縦側発光部6と、樹脂シート4における横方向一方側に配置され、縦方向に沿って複数並列配置される横側発光部7とを備えている。

縦側発光部6は、横方向他方側から一方側に向かって順次配置される、第1発光部5A、第2発光部5Bおよび第3発光部5Cを備えている。横側発光部7は、縦方向一方側から他方側に向かって順次配置される、第4発光部5D、第5発光部5Eおよび第6発光部5Fを備えている。

発光部5としては、特に制限されないが、例えば、半導体レーザー(波長405nm〜1064nm)、発光ダイオードや蛍光灯、ハロゲンランプ、ハングステンランプなどが挙げられる。

受光部8は、発光部5から発せられた光が樹脂シート4を介して受光されるように、各発光部5に対応して設けられており、縦側発光部6および横側発光部7と樹脂シート4を挟むように対向配置される、縦側受光部9および横側受光部10を備えている。

縦側受光部9は、樹脂シート4の縦方向他方側において、横方向に沿って複数並列配置されている。つまり、縦側受光部9は、第1発光部5A、第2発光部5Bおよび第3発光部5Cに対応し、横方向他方側から一方側に向かって順次配置される、第1受光部8A、第2受光部8Bおよび第3受光部8Cを備えている。

横側受光部10は、樹脂シート4の横方向他方側において、縦方向に沿って複数並列配置されている。つまり、横側受光部10は、第4発光部5D、第5発光部5Eおよび第6発光部5Fに対応し、縦方向一方側から他方側に向かって順次配置される、第4受光部8D、第5受光部8Eおよび第6受光部8Fを備えている。

受光部8としては、特に制限されないが、例えば、シリコンフォトダイオードなどのセンサが挙げられる。

これにより、樹脂シート4における、各発光部5と各受光部8とを結ぶ線上、より具体的には、縦側発光部6および縦側受光部9を結ぶ線と、横側発光部7および横側受光部10を結ぶ線との交点上には、押圧されたときの圧力を検知するための複数(9つ)の検知部(実線および破線の円にて示される)11(11a〜11i)が区画されている。

また、センサ付きクッション材1には、樹脂シート4と、発光部5および受光部8との間に介在される偏光板13が複数(4つ)設けられている。具体的には、各偏光板13は、樹脂シート4および縦側発光部6の間と、樹脂シート4および横側発光部7の間と、樹脂シート4および縦側受光部8の間と、樹脂シート4および横側発光部9の間とに、それぞれ配置されている。

より具体的には、各偏光板13は、樹脂シート4および縦側発光部6の間に設置された偏光子(ポーラライザー)、および、樹脂シート4および横側発光部7の間に設置された偏光子(ポーラライザー)と、樹脂シート4および縦側受光部8の間に設置された検光子(アナラーザー)、および、樹脂シート4および横側受光部9の間に設置された検光子(アナラーザー)からなる。

これにより、発光部5から発せられた光が、偏光子(ポーラライザー)により直線または円偏光に変換され、樹脂シート4を通過した後、検光子(アナラーザー)に達する。

このとき、偏光子と検光子とは、樹脂シート4に荷重がかかっていない状態で、検光子を通過する光の強度が最少になるように設置されている。

具体的には、偏光子の偏光振動面と、検光子の偏光振動面の度が90度になるように設置される。また、偏光板が円偏光板の場合には、偏光子と検光子で円偏光の回転方向が異なる円偏光板が用いられる。すなわち、偏光子が右円偏光板である場合には、検光子としては左円偏光板が用いられる。

偏光板13としては、ガラス製偏光板、樹脂製直線偏光板、円偏光板などが挙げられる。なお、発光部5が、半導体レーザーのような直線偏光を発生する光源である場合には、発光部5と樹脂シート4との間の偏光子は、省略することができる。発光部5から発生する光があまり偏光していない場合(発光ダイオードや蛍光灯などが発光部5として用いられる場合)には、好ましくは、偏光子が使用される。

処理部3は、光センサ15により検知された光信号に基づいて、樹脂シート4にかかる応力を検知するために設けられている。

より具体的には、処理部3は、例えば、LED14などを備え、各受光部8と配線12を介して電気的に接続されている。処理部3は、縦側受光部9において検知されるレーザー光の複屈折の検知信号と、横側受光部10において検知されるレーザー光の複屈折の検知信号とから、樹脂シート4の検知部11における応力の有無を検知し、LED14に表示する。

次に、このセンサ付きクッション材1を用いて応力をセンシングする方法(以下、検知方法1と称する場合がある。)について、図1を参照して説明する。

まず、光センサ15において、発光部5から受光部8に向けて、樹脂シート4の内部を通過するように、レーザー光を出射する。このとき、樹脂シート4においては、レーザー光に複屈折が生じていないため、偏光板13により、レーザー光が遮断されており、受光部8では、受光されていない。

次いで、樹脂シート4の検知部11に応力を発生させる。これにより、検知部11において複屈折が生じるので、複屈折したレーザー光が、受光部8によって受光される。

より具体的には、検知部11aの縦方向他方側および横方向他方側にそれぞれ配置される第1受光部8Aおよび第4受光部8Dが、検知部11aにおける複屈折の有無を検知する。

続いて、処理部3には、第1受光部8Aおよび第4受光部8Dの複屈折の検知に基づく電気信号が入力され、これにより、処理部3が、応力発生箇所が検知部11aであることを検知する。

また、その他の検知部11(11b〜11i)についても、上記と同様にして、応力発生箇所を検知する。

このようなセンサ付きクッション材1によれば、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

すなわち、圧力の検知において、圧電フィルムなどが使用される場合には、温度による補正が必要となるという不具合があり、また、温度変動を圧力として誤検出するという不具合がある。さらに、圧電フィルムは、圧力の変化に応じて電気信号を発生させる一方、圧力が一定の状態では電気信号を発生させないので、圧電フィルムを用いて継続的に圧力状態を把握するためには、その信号強度を時間積分するなど、煩雑な処理を必要とするという不具合がある。

一方、上記したセンサ付きクッション材1では、発光部5から発せられた光が、光弾性樹脂からなる樹脂シート4内を、その応力印加部分において通過した後、受光部8において受光されることにより、処理部3によって樹脂シート4における応力が検知される。

そのため、上記のセンサ付きクッション材1によれば、温度による補正を必要とすることなく、また、圧力一定の状態においても、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

また、センサ付きクッション材1を用いて応力をセンシングする方法としては、上記に限定されず、その他のセンシング方法を採用することができる。

より具体的には、上記した方法(検知方法1)では、偏光子と検光子とは、樹脂シート4に荷重がかかっていない状態で、検光子を通過する光の強度が最少になるように設置され、また、受光部8が受光する光の強度が、応力の発生箇所に応じて増加するように設定されている。

一方、以下の方法(以下、検知方法2と称する場合がある。)では、例えば、偏光子と検光子とが、樹脂シート4に荷重がかかっていない状態で、検光子を通過する光の強度が最大になるように設置される。

すなわち、検知方法2が採用される場合には、偏光子の偏光振動面と、検光子の偏光振動面の角度が、好ましくは、0度になるように設置される。

また、偏光板が円偏光板の場合には、偏光子と検光子で円偏光の回転方向が同じ円偏光板が用いられる。すなわち、偏光子が右円偏光板である場合には、検光子としては右円偏光板が用いられる。

これにより、この検知方法2では、上記した検知方法1とは逆に、応力の発生により、検光子を通過する光の強度が低下する。つまり、受光部8が受光する光の強度が、応力の発生箇所に応じて低下する。そして、その検知に基づく電気信号が処理部3に入力され、処理部3が、応力発生箇所を検知する。

このような方法でも、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

さらに、図示しないが、偏光子および検光子を省くこともできる。

より具体的には、この検知方法(以下、検知方法3と称する場合がある。)が採用される場合、センサ付きクッション1には、偏光子および検光子が設けられない。

このようなセンサ付きクッション1では、検知方法1および検知方法2とは異なり、発光部5を出て樹脂シート4を伝搬した光が、検光子を介さずに受光部8に入る。

このような場合、樹脂シート4に荷重がかかると、その荷重に応じて複屈折が生じ、その複屈折によって、樹脂シート4内を伝搬する光の光路が、放射状に湾曲する。

その結果、光の一部が、荷重のかかった場所から樹脂シート4の外部に漏れ、伝搬する光量が、荷重に応じて低下する。

そして、受光部8で光量の変化を検知し、その検知に基づく電気信号が処理部3に入力されることにより、処理部3が、応力発生箇所および荷重の大きさを検知(計測)する。

このような方法でも、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

なお、上記の実施形態では、発光部5および受光部8をともに、平面視において樹脂シート4の外側に設けているが、その配置は、特に限定されず、例えば、図3に示すように、樹脂シート4の内側に設けることもできる。

図3において、樹脂シート4の周端部には、ミラー16が設けられている。ミラー16は、樹脂シート4の縦方向外側および横方向外側に隣接配置され、下方に向かうに従って外側に略45度で傾斜して配置される上部ミラー面19と、上部ミラー面19の下端に連続し、下方に向かうに従って内側に略45度で傾斜して配置される下部ミラー面20とを備えている。

発光部5は、感圧センサ用樹脂シート4の下側において、下部ミラー面19と内側(縦方向他方側および横方向他方側、図1参照)に間隔を隔てて配置されている。

受光部8は、感圧センサ用樹脂シート4の下側において、下部ミラー面19と内側(縦方向一方側および横方向一方側、図1参照)に、偏光板13を挟んで対向配置されている。

そして、このセンサ付きクッション材1では、樹脂シート4に応力を発生させると、検知部11において複屈折が生じるので、複屈折したレーザー光が、ミラー16によって反射された後、受光部8によって受光される。これにより、処理部3(図1参照)が、検知部11における応力を検知する。

このセンサ付きクッション材1では、発光部5および受光部8が樹脂シート4の内側に設けられているので、コンパクト化を図ることができる。

また、発光部5および受光部8の配置としては、上記に限定されず、例えば、図4に示すように、受光部8を、樹脂シート4とクッション材21との積層方向におけるクッション材21側に配置することができ、具体的には、受光部8を、樹脂シート4の下部に配置することもできる。

図4において、発光部5は、水平方向(樹脂シート4の厚み方向と直交する方向)に投影した投影面において、樹脂シート4と重複するように配置されている(図1参照)。

受光部8は、例えば、検知部11の数(図1では9個(11a〜11i))と同数設けられている。

各受光部8は、樹脂シート4の下部に配置されている。すなわち、各受光部8は、樹脂シート4を厚み方向に投影した投影面において、樹脂シート4と重複するように、より具体的には、樹脂シート4の検知部11と重複するように、検知部11に対応して配置され、クッション材21に埋設されている。

このような場合、樹脂シート4に荷重がかかると、その荷重に応じて複屈折が生じ、その複屈折によって、樹脂シート4内を伝搬する光の光路が、放射状に湾曲する。

その結果、光の一部が、荷重のかかった場所から樹脂シート4の外部に漏れ、応力の発生箇所(例えば、検知部11a(図1参照))に対応する受光部8が、光を検知する。

このようにして受光部8で光量の変化を検知し、その検知に基づく電気信号が処理部3に入力されることにより、処理部3が、応力発生箇所および荷重の大きさを検知(計測)する。

このような方法でも、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

そして、このようなセンサ付きクッション材1は、圧力検知が要求される各種分野、例えば、ベッド、ソファ、チェア、自動車や航空機などの座席シートなど、各種産業分野において、好適に用いることができる。好ましくは、センサ付きクッション材1は、ベッドにおいて用いられる。

以下において、上記のセンサ付きクッション材1が備えられるベッドについて、図5を参照して詳述する。

図5において、ベッド25は、上記のセンサ付きクッション材1と、寝具24とを備えている。

寝具24は、例えば、敷布団などであって、センサ付きクッション材1の樹脂シート4の厚み方向一方面(紙面上側)に積層されている。

このようなベッド25では、センサ付きクッション材1のクッション材21がマットレスとして人の体重を支持し、その体重が応力として樹脂シート4に印加される。

より具体的には、図5において破線で示されるように、ベッド25の中央に人体が横臥される場合、樹脂シート4では、図6Aに示されるように、実線で示される検知部11b、11eおよび11hでは応力が検知され、破線で示される検知部11a、11c、11d、11f、11gおよび11iでは、応力が検知されない。

そして、図6Bに示されるように、人体が寝返りなどによって紙面右側へ移動すると、検知部11b、11eおよび11hで検知される応力が減少し、新たに検知部11c、11fおよび11iにおいて応力が検知される。

同様に、図6Cに示されるように、人体が寝返りによって紙面左側へ移動すると、検知部11b、11eおよび11hで検知される応力が減少し、新たに検知部11a、11dおよび11gにおいて応力が検知される。

このように、各検知部における応力の増減をモニターすることにより、ベッド25上での人体の寝返りなどによる移動が検出できる。

さらに、例えば、図6Aの位置で横臥している人が、ベッド25上で上半身を起こす場合には、検知部11bにおいて応力が検知されず、検知部11eおよび11hで応力が検知される。すなわち、各検知部における応力の増減をモニターすることにより、ベッド25に横臥している人が起き上がったことを、検出できる。

このようなベッド25では、上記したセンサ付きクッション材1が用いられるため、発光部5から発せられた光が、樹脂シート4内を通過した後、受光部8において受光されることにより、処理部3によって樹脂シート4における応力が検知される。

そのため、上記のベッド25によれば、温度による補正を必要とすることなく、また、圧力一定の状態においても、簡易かつ正確に圧力を検知することができる。

とりわけ、上記した樹脂シート4は柔軟であり、屈曲させても偏光を維持できるため、上記のセンサ付きクッション材1は、樹脂シート4の屈曲が要求される用途、具体的には、図7および図8に示されるように、クッション材21(マットレス)を分割および屈曲させて、被介護者の食事や起き上がりを補助する機構を有するベッド(介護用ベッド、医療用ベッドなど)において、好適に用いられる。

また、このような場合において、樹脂シート4は、図7および図8に示されるように、クッション材21の全体に積層されていてもよく、図9に示されるように、クッション材21の一部(例えば、複数に分割されたクッション材21の内の1つ)のみに積層されていてもよい。

また、図示しないが、クッション材21は、樹脂シート4に積層されていればよく、例えば、樹脂シート4の厚み方向両面にクッション材21が積層され、樹脂シート4がクッション材21(マットレス)の内部に配置されていてもよく、樹脂シート4がクッション材21(マットレス)の厚み方向上面または下面のみに積層されていてもよい。また、樹脂シート4とクッション材21との間に、その他の層が介在されていてもよい。さらに、例えば、樹脂シート4には、その片面または両面に、公知の樹脂からなる保護シートを張り合わせることもできる。

また、上記した説明では、9つの検知部11を区画したが、検知部の数は、特に制限されず、発光部5および受光部8の数により、適宜設計することができる。例えば、横側発光部7および横側受光部10の数をそれぞれ4つとすることにより、12つの検知部11を区画することができ、検知精度の向上を図ることができる。

また、センサ付きクッション材1を、例えば、荷重センサーに用いることもできる。

このような場合、図10に示すように、受光部8は、発光部5に対向配置されるとともに、さらに、樹脂シート4の下部(樹脂シート4とクッション材21との積層方向におけるクッション材21側)にも配置される。

より具体的には、荷重センサー30において、発光部5および受光部8は、水平方向(樹脂シート4の厚み方向と直交する方向)に投影した投影面において樹脂シート4と重複するように、樹脂シート4を挟んで対向配置されている(図1参照)。

以下において、各発光部5に対向配置される各受光部8を、対向受光部8’とする。

なお、図10においては、第1発光部5A(図1参照)と対向配置される第1受光部8A(図1参照)が、対向受光部8’として記載される。

さらに、図10においては、樹脂シート4の下部にも、受光部8が配置されている。以下において、以下、樹脂シート4の下部に配置される受光部8を、下側受光部8’’とする。

図10において、下側受光部8’’は、検知部11の数(図1では9個(11a〜11i))と同数設けられている。

各下側受光部8’’は、樹脂シート4を厚み方向に投影した投影面において、樹脂シート4と重複するように、具体的には、樹脂シート4の検知部11と重複するように、検知部11に対応して配置されている。以下において、各下側受光部8’’を、検知部11a〜11iに対応して、下側受光部8’’a〜8’’iと記載する。

なお、図10においては、検知部11aに対応する下側受光部8’’a、検知部11dに対応する下側受光部8’’d、および、検知部11gに対応する下側受光部8’’gのみが記載される。

クッション材21は、柔軟な樹脂シート(例えば、ポリプロピレンシート、ポリエチレンシートなど)からなり、平面視略矩形状の板状部材21aと、略半球板状の凸部材21bとを有している。

板状部材21aの厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。

凸部材21bは、下側受光部8’’と同数設けられており、板状部材21aの一方面から膨出するように、板状部材21aの一方側(具体的には、樹脂シート4とクッション材21との積層方向における樹脂シート4側)に配置されている。

各凸部材21bの膨出高さは、特に制限されず、目的および用途に応じて適宜設定されるが、例えば、1〜2cmである。

このような各凸部材21bは、下側受光部8’’に対応して配置されており、下側受光部8’’を収容するために凸状の中空構造の収容部Sを形成している。

収容部Sは、凸部材21bにより区画される空間であって、下側受光部8’’を収容している。また、収容部Sは、中空であってもよいが、好ましくは、収容部S内には、軟性樹脂(例えば、エラストマー、ゲルなど)が充填されている。

このような荷重センサー30では、通常、発光部5から放射される光が、樹脂シート4を通過し、対向発光部8’に入射する。

そして、樹脂シート4上に荷重がかかると、樹脂シート4とクッション材21との接触部分における応力に対応して、複屈折が生じ、その複屈折によって、樹脂シート4内を伝搬する光の光路が、放射状に湾曲する。

その結果、光の一部が樹脂シート4の外部に漏れ、応力の発生箇所(例えば、検知部11a(図1参照))に対応する下側受光部8’’aに、光が入射する。

すなわち、下側受光部8’’において検出される光量は、樹脂シートにかかる荷重(応力)の大きさにほぼ比例する。一方、対向受光部8’において検出される光量は、樹脂シートにかかる荷重(応力)の大きさにほぼ反比例する。

そのため、対向受光部8’における光量のデータを解析することにより、荷重(応力)の大きさを求めることができる。例えば、樹脂シート4の上に人が乗った場合などには、上記の解析によって、人の体重を求めることができる。

また、下側受光部8’’における光量のデータを解析することによっても、荷重(応力)の大きさを求めることができる。

さらに、下側受光部8’’における光量のデータを解析することによって、荷重分布(応力分布)を求めることができる。例えば、樹脂シート4の上に人が乗った場合などには、上記の解析によって、足裏の荷重分布を求めることができ、さらには、重心の位置および経時的な変化(ふらつき)などを求めることができるため、健康状態の判断などに用いることができる。

なお、上記した説明では、凸部材21bが半球状であるが、凸部材21bの形状は特に限定されず、例えば、図11に示すように、樹脂シート4との接触面が平坦(すなわち、断面視略台形状)であってもよい。

なお、受光部として対向受光部8’を省略し、下側受光部8’’のみを設置することもできる。

また、本発明のセンサ付きクッション材は、要介護者がベッドから床に降りたことを検知する目的で、ベッドの脇の床の上に設置することもできる。また、寝室の床面全面に配置すれば、要介護者が室内を移動する様子を確認することができる。また、浴室の洗い場の床に設置して、要介護者が浴槽から洗い場へ移動したことを検知することもできる。その他、室内の廊下に設置して歩行者の通過を検知したり、部屋の入り口に設置して、入室者を検知する目的に使用するなど、様々な目的に利用できる。

次に、本発明を、参考実施例に基づいて説明するが、本発明は、下記の参考実施例によって限定されるものではない。また、以下の説明において、特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。なお、以下に示す参考実施例の数値は、実施形態において記載される対応する数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。

参考実施例1(樹脂シート1の製造) ガラス製フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価174.9mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤1質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、撹拌しながら1,3−プロパンジオール2.25質量部、および、1,2,6−ヘキサントリオール0.6875質量部を加え、温度を70℃に加温した。次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)48.75質量部を投入し、撹拌混合した。その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)1を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体1の光弾性定数(25℃)は5210×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は5.04MPa、ガラス転移温度は−5℃であった。

参考実施例2(樹脂シート2の製造) ガラス製フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価174.9mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤1質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、撹拌しながら1,3−プロパンジオール2.29質量部、および、1,2,6−ヘキサントリオール0.7質量部を加え温度を70℃に加温した。次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)50.85質量部、および、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(5CB)10質量部を投入し、撹拌混合した。その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)2を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体2の光弾性定数(25℃)は6110×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は3.94MPa、ガラス転移温度は−10℃であった。

参考実施例3(樹脂シート3の製造) ガラス製フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価174.9mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤1質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、1,2,6−ヘキサントリオール0.7質量部を加え、温度を70℃に加温した。次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)43質量部、および、4−ペンチルビフェニル10質量部を投入し、撹拌混合した。その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)3を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体3の光弾性定数(25℃)は5170×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は4.18MPa、ガラス転移温度は−20℃であった。

参考実施例4(樹脂シート4の製造) ガラス製フラスコにポリカーボネートジオール(ダイセル、プラクセルCD205PL、水酸基価224.7mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤1質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、1,2,6−ヘキサントリオール0.888質量部を加え温度を70℃に加温した。次いで、消泡剤を数滴加え、70℃で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)55.25質量部、4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル(5CB)13.6質量部を投入し、撹拌混合した。その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)4を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体4の光弾性定数(25℃)は6200×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は3.99MPa、ガラス転移温度は25℃であった。

参考実施例5(樹脂シート5の製造) (5−1)ポリウレタンポリオール(水酸基末端プレポリマー)およびポリオール混合物の合成 ガラス製フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価164.8mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤1質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、温度を80℃に加温し、撹拌しながら3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(日曹商事、TODI)14質量部を投入し、3時間反応させ、IRの測定よりNCO基の吸収スペクトルが消失したことを確認した。

これにより、ポリウレタンポリオール(水酸基末端プレポリマー)を得た。

次いで、温度を80℃に加温し、ネオペンチルグリコール4質量部、および、トリメチロールプロパン5質量部を投入し、1時間撹拌しながら溶解し、ポリオール混合物を得た。得られた末端水酸基プレポリマーのイソシアネートインデックスは35であった。 (5−2)硬化反応 上記(5−1)のポリオール混合物を70℃に加温し、消泡剤を数滴加え、70で溶解した4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)49.8質量部を投入し、撹拌混合する。減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)5を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体5の光弾性定数(25℃)は6280×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は5.69MPa、ガラス転移温度は19℃であった。

参考実施例6(樹脂シート6の製造) (6−1)イソシアネート基末端プレポリマーの合成 ガラス製フラスコにポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価164.8mgKOH/g)100質量部、酸化防止剤0.2質量部を仕込み、減圧下、120℃で2時間乾燥し、窒素で常圧に戻した。次いで、温度を80℃に加温し、撹拌しながら3,3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアネート(日曹商事、TODI)18.3質量部と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学、MDI−PH)67.7質量部を投入し、3時間反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネートインデックスは231であった。 (6−2)硬化反応 上記(6−1)のイソシアネート基末端プレポリマーを70℃に加温した。また、別のフラスコで、予め乾燥させておいたポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学、PTG−650SN、水酸基価164.8)42.9質量部に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール6.55質量部、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物(三井化学、IR−94、水酸基価920)7.15質量部、および、2−エチル−1−ヘキサノール2.32質量部を加え、よく撹拌混合し、70℃に加温した。

次いで、上記の混合物をイソシアネート基末端プレポリマーに加え、消泡剤を数滴加え、撹拌混合した。その後、減圧下で30秒間脱泡し、窒素で常圧に戻した後、フラスコから成形型に流し込み、70℃で18時間硬化させることにより、ポリウレタン樹脂からなる厚さ2mmの樹脂シート(成形体)6を得た。

後述の評価方法により測定される、この成形体6の光弾性定数(25℃)は6700×10−12Pa−1、ヤング率(25℃)は3.32MPa、ガラス転移温度は7℃であった。

(評価) <光弾性定数およびヤング率> 「築地光雄、高和宏行、田實佳郎著“光学フィルム用・光弾性定数測定システムの開発”、精密学会誌73、253−258(2007)」の「光弾性定数測定方法」の記載に準拠して測定し、25℃における歪み光学定数およびヤング率を得るとともに、それらから25℃における光弾性定数を算出した。上記測定には、波長630nmのレーザー光を使用した。

<動的粘弾性> 動的粘弾性測定装置(VES−F−III、VISCO−ELASTICSPECTROMETER、岩本製作所社製)を用いて、長さ2.5cm、幅5.0mm、厚み2.0mmの短冊状に裁断したサンプル片を、昇温速度5℃/分、振動数10Hz、振幅±0.01mmの温度分散モードにて測定し、貯蔵伸長弾性率(E’)、損失伸長弾性率(E’’)および損失正接(tanδ)を求めるとともに、得られたデータの損失正接(tanδ)のピーク値の温度を、ガラス転移温度とした。

各参考実施例における配合処方および物性を表1に示す。

(光弾性定数の温度依存性) 参考実施例4で得られた成形体4(ガラス転移温度:25℃)の20℃、35℃、40℃での光弾性定数を測定した。その結果を、表2に示す。

(考察) 20℃から40℃までの温度上昇で、光弾性定数の低下が約18%であり、この程度の光弾性定数の変化であれば、計測には大きな影響はないものと考えられる。

さらに、ガラス転移温度が各々異なる成形体1〜3および5〜6についても、上記と同様に測定したところ、成形体4と同様、20℃から40℃の間では光弾性定数の変化はほとんど認められなかった。

参考実施例7〜11(樹脂シート7〜11の製造) 参考実施例1に準じて、樹脂シート7〜11を製造した。また、得られた樹脂シートの光弾性定数(25℃)、ヤング率(25℃)、ガラス転移温度を測定した。

参考実施例12〜14(樹脂シート12〜14の製造) 参考実施例1に準じて、樹脂シート12〜14を製造した。また、得られた樹脂シートの光弾性定数(25℃)、ヤング率(25℃)、ガラス転移温度を測定した。

なお、この参考実施例では、可塑剤として、フタル酸ジオクチル(ジオクチルフタレート、DOP)を添加した。

参考実施例15〜17(樹脂シート15〜17の製造) 参考実施例1に準じて、樹脂シート15〜17を製造した。また、得られた樹脂シートの光弾性定数(25℃)、ヤング率(25℃)、ガラス転移温度を測定した。

なお、この参考実施例では、モノオールとして、2−エチル−1−ヘキサノールを添加した。

(評価) <光弾性定数およびヤング率> 「築地光雄、高和宏行、田實佳郎著“光学フィルム用・光弾性定数測定システムの開発”、精密学会誌73、253−258(2007)」の「光弾性定数測定方法」の記載に準拠して測定し、25℃における歪み光学定数およびヤング率を得るとともに、それらから25℃における光弾性定数を算出した。上記測定には、波長630nmのレーザー光を使用した。

<動的粘弾性> 動的粘弾性測定装置(VES−F−III、VISCO−ELASTICSPECTROMETER、岩本製作所社製)を用いて、長さ2.5cm、幅5.0mm、厚み2.0mmの短冊状に裁断したサンプル片を、昇温速度5℃/分、振動数10Hz、振幅±0.01mmの温度分散モードにて測定し、貯蔵伸長弾性率(E’)、損失伸長弾性率(E’’)および損失正接(tanδ)を求めるとともに、得られたデータの損失正接(tanδ)のピーク値の温度を、ガラス転移温度とした。

また、反発力の評価として、測定周波数が0.1および1Hzでのtanδを、32℃において測定した。

なお、動的粘弾性試験における、低周波数(0.1〜1Hz程度)でのtanδの数値が大きいほど、人体へのクッション材からの反発力が小さいと考えられる。 <荷重試験> 検知方法1を採用し、厚さ2mm、縦横5cmの樹脂シートの端面中央部分から、赤色レーザー光線(波長650nm)をシート内に照射し、シートの中央(レーザー光線の光路上)に重さ10gの分を載せて複屈折を生じさせ、検光子通過後に検出された光の強度を、「光強度」とした。

また、その検出された光の広がり角度を計測し、光強度が1/2に減少する角度を、「半値幅」とした。なお、半値幅が4度より大きいと、光が樹脂を伝搬中に広がってしまい、検出される光の強度が低くなる場合がある。

また、樹脂シートに載せた荷重を外してから、光強度が50%以下に減少するまでの時間を計測し、「半減時間」とした。 <寝心地> 樹脂シートをクッション材(材質:軟質ウレタンフォーム、厚み:20cm)に積層し、樹脂シート上に横臥した際の寝心地について、下記の基準で評価した。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:やや硬い

表中の略号の詳細を下記する。 PTG−1000SN:商品名PTG−1000SN、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、保土谷化学社製、水酸基価111.5mgKOH/g PTG−650SN:商品名PTG−650SN、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、保土谷化学社製、水酸基価174.9mgKOH/g (考察) 参考実施例7と参考実施例8〜17を比較すると、樹脂のTgが−25℃以下の場合には半値幅が3.2度以下であり、検出光が広がり難いため、荷重の検出感度がより良好であることが分かる。

つまり、参考実施例8〜17において、樹脂のTgが−25℃以下であり、かつ、光弾性定数が4000×10−12Pa−1以下である。そして、この条件を満たす場合には、検出光の半値幅が、4度より十分に狭く、樹脂中でレーザー光が広がり難いと考えられる。

また、寝心地の評価を、極めて良好(◎)、良好(○)、やや硬い(△)の3段階で表しているが、クッション材の上に人体が横臥した際の、人体へのクッション材からの反発力の大きさが小さいほど寝心地がよい傾向があり、とりわけ、原料組成にモノオールを添加した場合(参考実施例15〜17)に、最もよい評価となっている。

一方、Tgが−25℃を超え、かつ光弾性定数が4000×10−12Pa−1を超える参考実施例7では、寝心地がやや硬めである。これは、樹脂の芳香環濃度がやや高く、樹脂がやや硬めであるためと考えられる。

また、半減時間はついては、原料組成にモノオールを含む参考実施例15、16、17では、参考実施例11と比較して長いことが分かる。このことは、荷重がなくなってからも一定時間内においては、荷重が載っている場合の光強度の50%以上の光強度が得られることを示す。すなわち、一種のメモリー効果があると考えられる。

これを利用すると、常に連続して光強度を計測しなくても、一定間隔で断続的に光強度を測ることで、横臥している人がベッド上で体重移動したかどうかを判断できる。

例えば、LEDおよびフォトダイオードへの電力を、常時は遮断しておき、例えば、5秒ごとに1秒間だけ電力を供給して荷重を計測することで、消費電力を1/5に節減することができる。半減時間が5秒以上あるので、5秒間に一回の測定でも荷重の変化を検出することができる。

これにより、電力にバッテリーなどを利用した場合は、バッテリーの交換までの時間を5倍に延ばすことができる。

また、周波数が比較的低い(0.1〜1Hz)条件では、参考実施例15〜17において、tanδの値が0.1より大きく、人体が感じる反発力が、樹脂の粘性の効果によって低下していると推察される。このことは、寝心地の評価が極めて良好(◎)であることの理由の一つと考えられる。

なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれる。

本発明のセンサ付きクッション材は、ベッド、ソファ、チェア、座席シートなど、圧力検知が要求される各種産業分野において、好適に用いられる。

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