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Insecticidal barrier comprising a lower portion Durable

申请号 JP2010513649 申请日 2007-06-29 公开(公告)号 JP2010531643A 公开(公告)日 2010-09-30
申请人 ベステルガールド フランドセン ソシエテ アノニム; 发明人 フランドセン,ミッケル ベステルガールド;
摘要 例えば蚊のような虫がバリヤを通り抜けることを阻止する網目サイズを有する上側ネット部分2を有する殺虫性バリヤ1であり、上側ネット部分2は第1の含有量の殺虫剤を有している。 さらに、殺虫性バリヤ1は下側部分3を有しており、下側部分3は、ネットの下側部分3に耐久性をもたせるために、殺虫性の、織物、ターポリン、フォイル、織られた若しくは編まれた織物又は不織布、又は上側部分2のネットより高い引裂き強度を備えるネット材料からなるネットを備える。
权利要求
  • 上側部分及び下側部分を有する殺虫性バリヤであって、
    前記上側部分は、例えば蚊のような選択された虫が該バリヤを通り抜けることを阻止する網目サイズを有する殺虫性ネットを具備し、
    前記下側部分は、該バリヤの下縁部から40cmを超える高さまで延在しており、さらに前記下側部分が、殺虫性の、
    ターポリン、
    フォイル、
    織られた若しくは編まれた織物又は不織布、
    前記上側部分の前記ネットより高い引裂き強度又は破裂強度を備えるネット材料を有するネット、又は それらの組み合わせ、を具備している殺虫性バリヤ。
  • 前記上側部分が殺虫剤の第1の含有量を有し、前記下側部分が殺虫剤の第2の含有量を有しており、及び前記殺虫剤の第2の含有量が前記第1の含有量より高い、請求項1に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記上側部分が殺虫剤の第1の含有量を有し、前記下側部分が異なる殺虫剤の第2の含有量を有しており、及び等価な含有量が前記第1の含有量未満であり、及び前記等価な含有量は、前記上側部分における前記殺虫剤の効果と前記下側部分における前記殺虫剤の効果との間の比率を掛け合わされた前記第2の含有量である、請求項1に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、前記ネットの下縁部から100cm未満の高さまで延在している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、該バリヤの下縁部から80cm未満の高さまで延在している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分からの高さであって、該バリヤの前記下縁部から60cmを超える高さまで、該バリヤの前記下側部分が延在している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が織物を具備している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、該バリヤの前記下縁部まで延びる裾部である、請求項7に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記下側部分が、第1の材料の裾部と、前記上側部分と前記裾部との間の中間部分とを具備しており、前記中間部分が第2の材料から作られていて、前記第2の材料が織物である、請求項7に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記第1の材料がターポリン又はフォイルである、請求項9に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記裾部と前記上側部分との間の前記中間部分の面積が、前記裾部の面積よりも大である、請求項9に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、ターポリン又はフォイルを具備する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記ターポリン又は前記フォイルが、外側壁要素の間に挟まれた殺虫剤の内側リザーバを有する積層物を具備しており、前記殺虫剤が、前記ターポリン又は前記フォイルの外側表面まで到達するために、前記外側壁要素の少なくとも一つを通って移行可能である、請求項11に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、該バリヤの前記下縁部まで延在する裾部である、請求項11又は12に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記下側部分が、第1の材料の裾部と、前記裾部と第2の材料の前記上側部分との間の中間部分とを具備しており、前記第2の材料がターポリン又はフォイルである、請求項11又は12に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記裾部と前記上側部分との間の前記中間部分の面積が、前記裾部の面積より大である、請求項14に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分が、前記上側部分における殺虫性ネットよりも高い網目密度又は織り糸密度又はその両方を備える殺虫性ネットを具備する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記下側部分が、ターポリン、織物、又はフォイルから作られた裾部を具備する、請求項17に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分の材料の内側から前記材料の表面への殺虫剤又は協力剤又はその両方の漸進的な移行のために、前記殺虫剤又は協力剤又はその両方が、該バリヤの前記下側部分の前記材料中にだけ取り入れられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記下側部分だけがポリマ基材により提供され、前記ポリマ基材の中に殺虫剤又は協力剤又はその両方が、前記基材の内側から材料の表面までの漸進的な移行のために、前記基材の表面から相当の深さまで含浸される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤの前記下側部分の材料の内側から前記材料の表面への殺虫剤又は協力剤又はその両方の漸進的な移行のために、前記殺虫剤又は協力剤又はその両方が、該バリヤの前記下側部分の材料の中にだけ取り入れられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記上側部分だけがポリマ基材により提供され、前記ポリマ基材の中に殺虫剤又は協力剤又はその両方が、前記基材の内側から材料の表面までの漸進的な移行のために、前記基材の表面から相当の深さまで含浸される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該バリヤが、ベッドの周りの空間又は人間を収容するための他の空間を覆うことで前記空間から虫を締め出す天蓋状の形状を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記上側部分が第1のポリマにより提供され、前記下側部分が前記第1のポリマとは異なる第2のポリマにより提供される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記上側部分又は前記下側部分又はその両方の表面が、少なくとも一種類の殺虫剤を含む薄膜で被覆されており、前記薄膜は、該薄膜を通る協力剤の移行を自由にさせる、請求項1〜24のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記薄膜は、水分及び任意選択的には油に耐える薄膜を形成することにより前記ネット製品もしくは織物からの前記殺虫剤の洗い落ち及び劣化を減少させる薄膜形成成分を含んで成るものであり、前記薄膜は、前記基材上のもしくは前記基材の回りの分子シールドであって前記殺虫剤を前記薄膜内に一体化している分子シールドであり、
    前記薄膜形成成分は、ポリマ骨格固定剤と、パラフィンの油類もしくはワックス類、シリコン類、シリコンの油類及びワックス類、及びポリフルオロカーボン類、又はそれらの誘導体から選択された一種類以上の成分とを含んで成る、請求項25に記載の殺虫性バリヤ。
  • 前記薄膜形成成分は、前記ポリマ骨格に対して結合されたポリフルオロカーボンを含んで成る、請求項26に記載の殺虫性バリヤ。
  • 該殺虫性バリヤがネットのルーフを備える天蓋状ネットであり、前記ルーフがポリエステルから作られており、前記天蓋状ネットがポリエチレンから作られた殺虫性ネットを備える側壁を具備する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の殺虫性バリヤ。
  • 说明书全文

    本発明は、特にモスキート・ネットなどの殺虫性バリヤに関する。

    モスキート・ネットの使用は、病原菌媒介生物から生じる病気に対する保護手段として最も重要なものの一つである。 従ってネット、特に新しいネットの供給が制限されてネットが長期間の使用を求められる傾向のある田園地帯で用いられるネットの効果と耐久性を向上させるための現在進行中の努がある。

    ネットの耐久性を向上させる一つの手段は、ネットの下縁部における境界部又は裾部を磨耗から保護することである。 そのような境界部は、例えば織物のようなより強い材料から作られている。 境界部の高さは、典型的には10cmから25cmの間で変化する。 加えて、WHOは、長期耐久性殺虫性ネットは少なくとも20回の洗濯に耐えてなお十分な殺虫活性を示すべきであるという要求事項を採択している。 しかしながら知られているようにしばしば、耐洗濯性が制限要因ではないが、ネットの通常の長期間の使用が制限要因であり、その場合殺虫効果は時間とともに低下する。 従って、改良に対する一般的な必要性が本技術分野にある。

    しばしばそのような改良はネットが使用される地域以外の地域で実行される。 開発者にとってこれは難しい仕事である、というのも開発者のいる地域における暮らし方は、ネットが最終的に使用される地域における暮らし方とは実質的に異なることがあるためである。 しばしば、これは製品が顧客にとって最適化されていないことを意味し、顧客の行動の綿密な調査だけが、製品の必要な最適の様相を明らかにすることができる。 本発明に関係して以下に説明されるように、主としてモスキート・ネットである殺虫性製品を改良するためにそのような綿密な行動調査が行われてきた。

    従って本発明の目的は、向上した耐久性を有するモスキート・ネットの形をした殺虫性バリヤを提供することである。

    この目的は、上側殺虫性ネット部分と下側部分とを有する殺虫性バリヤにより達成され、前記上側殺虫性ネット部分は、例えば蚊のような選択された虫がバリヤを通り抜けることを阻止する網目サイズを有しており、また前記下側部分は、バリヤの下縁部から40cmを超える高さまで延在するとともに、殺虫性織物、殺虫性ターポリン、殺虫性フォイル、前記上側部分のネットより高い引裂き強度を有するネット材料による殺虫性ネット、前記上側部分のネットより高い網目密度若しくは織り糸密度を有するネット材料による殺虫性ネット、又はそれらの組み合わせを具備する。 前記殺虫性織物は、通常の準で理解されるべきであって織られた若しくは編まれた織物又は不織布を意味する。

    織物、ターポリン、フォイル、又は不織布で作られた下側部分を殺虫性バリヤに設けることによって、バリヤは、先行技術によるモスキート・ネットよりも高い強度の下側部分及びより長い耐久性の殺虫効果を有する。 より長い殺虫耐久性の理由は、直接的ではなく、モスキート・ネットの典型的使用者の行動の綿密な調査によってのみ発見され、このことは次により詳細に説明される。

    モスキート・ネットが、例えば熱帯地域で使用されるとき、特にネットの下側部分は、例えば埃のような地面からの汚れにさらされる。 典型的には、そのような汚れは使用者によってネットからブラシで払い落とされたり軽く叩くことにより落とされたりする。 このブラシがけ又は軽く叩くことが、ネットの下側部分における殺虫剤の機械的磨耗を増大させ、その結果ネットの下側部分がネットの上側部分よりも少ない殺虫剤含有量を有するようになる。

    織物、ターポリン、又はフォイルを下側部分に設けることにより、汚れが網目に容易に蓄積するネットとは対照的に、第一に比較的高い材料の緊張が下側部分への汚れの蓄積を減少させる。

    しばしば天蓋ネットの下側部分は、該ネットの外側からの汚れに主としてさらされる。 比較的大きな網目に起因して、これはネットに覆われた領域からも視認可能である。 対照的に、織物、フォイル、又はターポリンが同様に汚れ及び埃にさらされるなら、これはバリヤの内側ではなく外側に積もり、天蓋ネットの内側の使用者にとっては目に明らかではなく且つ平安をかき乱すものではないように思われる。 この出現の減少が、ネットのブラシがけ及び軽く叩くことを減らして殺虫剤の磨耗を減少させる。

    さらに、織物、フォイル、又はターポリンからの殺虫剤の磨耗は、ネットに比較して滑らかな表面のために低減される。 また、繊維の全てが同一平面にはなく、最も外側の繊維の磨耗が最も内側の繊維の殺虫効果を大きく低下させずに残すので、織物の磨耗は低減される。

    典型的には、殺虫性ネットは一定の引裂き強度を有する標準の材料で提供される。 ネットの価格が低く維持されるべきなら、ネット全体の引裂き強度及び破裂強度を要求に応じて変更することは不可能である。 しかしながら、ネットの下側部分を変更することは、低価格生産の可能性の範囲内にある、というのも裾部を備えるネットはすでに提供されていて、標準生産技術の一部となっているからである。 下側部分に織物、ターポリン、フォイル、又は上側部分のネットより高い引裂き強度及び/又は破裂強度を有するネットを設けることにより、バリヤが引裂かれるリスクが低下する。 これの利点は、先行技術の殺虫性ネット製品の裂け目が、蚊及び人を噛むその他の昆虫が低下した殺虫効果を有するネットの下の領域に入るという結果を招くということを指摘するとき、明らかである。 蚊がネットから殺虫剤を獲得しているとしても、蚊はそれが死ぬ前に人を刺すのになお十分な時間を有する。

    地面からの汚れ及び埃だけが使用者にとっての頭痛の種ではない。 また、ネットの下側部分に対して最大に断言されることであるが、ネットへの接触はネットの汚れの増加を招来する。 本分野の開発者による伝統的期待は、ネット全体が洗濯されることであり、これはネットの全体的殺虫効果を低下させる。 しかしながら、これはそうではない。 典型的には、ネットの汚れを受けた部分だけが洗濯される。 下側部分の洗濯だけが、水中への溶解に起因して殺虫剤の減少を招くだけではなく、洗濯機がない地域でだけで利用されるネットのはなはだしいこすり洗いも、表面からの殺虫剤の大量の磨耗という結果を招く。 しかしながら、このこすり洗いは、主に下側部分に対して実施されるので、水による溶解とこすり洗いに起因する磨耗との組み合わせに起因して、下側部分は上側部分よりも多くの殺虫剤を失う。

    下側部分に織物、ターポリン、又はフォイルを設けることにより、砂蝿がバリヤの下の領域内へ飛び込むことが阻止される。 砂蝿は通常は危険である、と言うのもそれに噛まれるとリーシュマニア症が引き起こされることがあるからである。 先行技術のモスキート・ネットにおいて、砂蝿はネットへの進入が阻止されない、と言うのもそれらはネットの網目を通して進入できるからである。 但し、砂蝿はそれほど高くは飛ばないので、本発明は砂蝿に刺されることを阻止するという利点も有している。

    より長い殺虫効果以外に、他の有利な効果が得られることが見出された。 モスキート・ネットが用いられるそれらの地域の多くでは、かなり多くの人々が同一の例えばテントのような部屋に住んでいる。 バリヤの下側部分に織物、フォイル、又はターポリンを設けることによって、バリヤの下側部分は不透明になって、バリヤの背後の人々に高いプライバシーを提供する。 これに関して、モスキート・ネットが用いられる地域の多くでは、使用者はイスラム教徒であって、彼らは彼らの就寝及び更衣領域に関して特別な高度のプライバシーを好むことが強調されるべきである。

    織物という用語は、特殊な感触を与えられた織物であるドゥムリア(Dumuria)織物も包含する。 これは、パーマネット・ドゥムリア(PermaNet(登録商標)Dumuria)の商標名で市販されている。

    かくして本発明は、モスキート・ネットの使用者の行動パターンであって、それが受けるに値する注目を受けてこなかった行動パターンに基づいて様々な技術的問題を解決する。

    モスキート・ネットの下の領域内に入ってそこから再び出る使用者は、ネットの繊維の表面からの殺虫剤の磨耗も引き起こす。 非公開の綿密な調査が、特にバリヤの下縁部から約75cmまでの領域が殺虫活性を低下させられることを明らかにした。 これはまた驚くべきことである、というのも天蓋ネットに入りまた存在する人の身長に対応する高さまでネットが磨耗することが予想されたからである。 天蓋ネットに入るために腰を曲げる人でさえもなお75cmを超える高さを有する。 しかしながらこの特別な調査を考慮すると、本発明のさらに別の実施例では、下側部分の高さは、下縁から少なくとも60cmまで、好適には80cm又は100cmまで延在する。

    ネットの下側部分の部分的な洗濯及びブラシがけをさらに考慮するために、さらに別の実施例ではバリヤの下側部分は、増加するブラシがけ、軽く叩くこと、及び/又は洗濯を補償するために上側部分よりも高い含有量の殺虫剤を有する。

    本発明によるバリヤは、該バリヤの全耐用期間中で高い殺虫剤含有量を有する必要はなく、バリヤの耐用期間の実質的部分である初期段階の間中にバリヤが高い殺虫剤含有量を有することで十分である。 殺虫剤含有量は、上側部分の殺虫剤含有量と歩調を合わせて徐々に減少するだろう。 上側部分に対して殺虫剤の磨耗が増加するにも拘らず、バリヤの下側部分の高い含有量に起因して、バリヤの下側部分の十分な殺虫活性の潜在力がある。

    結論として、本発明は、長期間使用される好適にはモスキート・ネットである殺虫性パリヤを改善する解決法を見出すために異なる観点からのいくつかの観察を考慮に入れている。 下側部はより高い含有量の殺虫剤を有するので、ネットの表面からの殺虫剤の磨耗はより高い含有量の殺虫剤によって相殺される。

    ネット製品に関して、より高い含有量の殺虫剤は、より高い網目密度及び/又は織り糸密度及び/又は重量密度を有するネット製品の下側部分を提供することにより獲得され得る。 より高い網目密度を備えるネットは単一の製作工程においても達成可能であり、その場合に織成工程は、例えば付加的な糸材を含めることにより下側部分に対するものとは異なるものである。 織り糸の保持が同一であるなら、より高い織り糸密度はより高い殺虫剤含有量を意味する。

    下側部分が、上側部分の第1の殺虫剤とは異なる第2の殺虫剤を含んでいるなら、この部分は、薬用量と耐洗濯性とを調和させることによって上側部分と同じ長さの耐用期間を維持するだろう。

    下側部分が、上側部分の第1の殺虫剤とは異なる第2の殺虫剤を含んでいて、第2の殺虫剤がより高い殺虫効果を有するなら、第2の殺虫剤の含有量は第1の殺虫剤の含有量よりも必ずしも高い必要はない。 より高い効果がより低い含有量によって相殺されるだろう。 この場合、決定要因は等価な含有量であり、それは第2の殺虫剤の効果と第1の殺虫剤の効果との間の比率を掛け合わされた第2の殺虫剤の量である。 以下の説明で、殺虫剤含有量という用語は、等価な殺虫剤含有量の事実も含んでいる。 これに関連して効果という用語は、バリヤの表面上の殺虫効果であり、従って昆虫が前記表面に接触したときの効果である。 従って、この点における効果は放出率も間接的に含んでいる。

    通常は本発明による殺虫性バリヤは、それが蚊とは別の昆虫に対する保護も提供するという事実があるにもかかわらずモスキート・ネットと呼ばれる。 殺虫性バリヤの材料の一部、つまり該ネットの裾部又は下側部分もネットである必要はないが織物又はターポリンであり得るという事実にも拘らず、それはまた、本技術分野において一般的に用いられている用語によりモスキート・ネットと呼ばれてよい。

    殺虫性バリヤの下側部分は、下方へ床まで延びるか、又は下方へ織物裾部、ターポリン裾部、若しくはフォイル裾部まで延びることができ、その場合裾部は例えば10cm又は25cmの一定の高さまで延びてよい。

    好適には、本発明によるバリヤは、ネットで作られたルーフ部分と側壁とを有する円形若しくは矩形タイプの天蓋状バリヤであり、その場合バリヤの下側部分は側壁の下側部分である。 このタイプは、ベッドの周囲の空間又は人間を収容するための他の空間から蚊を締め出すべく前記空間を覆うために通常用いられる。 例えば前記バリヤは蚊帳である。

    バリヤの下側部分が追加的な磨耗にさらされ、なぜバリヤの下側部分の材料がバリヤの上側のネット材料よりも耐磨耗性を有する材料から作られるかが前述された。 そのようなより耐磨耗性の材料は例えばより太い糸から作られたネットであってもよく、前記より太い糸は、マルチフィラメント糸の場合、バリヤの上側部分のネットのための糸より太い繊維又は多数の繊維を含んでいる。

    前述したとおり、ネットの下側部分は、裾部まで下方へ延びる織物材料又はターポリン材料から作られてもよい。 代わりに、バリヤの下側部分が上方に延びる裾部であってよい。

    殺虫性バリヤの下側部分における殺虫剤のより高い含有量は、より高い殺虫剤含有量を有する含浸によって提供され得る。 ネット製品又は織物の含浸は、スコフマンによる国際公開第01/37662号パンフレットに開示されている。 殺虫剤の磨耗を考慮したときでさえ、例えばWHOのガイドラインのような本技術分野での要求事項に対応する放出薬量で終わるために、含浸におけるより高い殺虫剤含有量を選択することにより、殺虫剤を保護する薄膜又は被覆は、下側部分の表面への殺虫剤のより高い相対量での放出に適合される。

    代わりに、殺虫剤が好適にはポリマー基材である内側材料から繊維又はターポリンの材料の表面まで漸進的に移行するために、殺虫剤が殺虫性バリヤの下側部分の繊維材料又はターポリン材料に取り入れられてよい。 そのような取り入れの例が、ベスタガード・フランセンによる国際公開第03/063587号パンフレットに開示されている。 繊維中へ殺虫剤を取り入れる場合、材料の表面からの殺虫剤の磨耗にもかかわらずバリヤの殺虫効果は長持ちする、というのも殺虫剤は、材料の内側からの漸進的移行に起因してバリヤの表面に補給されるためである。 殺虫剤が材料の内部にある限り、殺虫剤はバリヤの表面からの除去に対して保護される。 加えて、バリヤ材料内への殺虫剤の取り入れであって、バリヤの上側ネット部分にも用いられ得る殺虫剤の取り入れは、太陽光にさらされたときの劣化又は熱に対する通常の露出による劣化に対する抵抗性を向上させる。 またこの場合、殺虫剤の磨耗を考慮したときでさえも、例えばWHOのガイドラインのような本分野における要求事項に対応する長持ちする効果のための放出薬量を獲得するために、下側部分の表面へのより高い相対量での殺虫剤の放出に対する考慮がなされる。

    典型的には、本発明によるバリヤは、好適にはポリエチレン又はポリエステル(ポリエチレン・テレフタレート、PET)のようなポリマーから作られる。 しかしながら、上側部分と下側部分とが同一のポリマーで作られる必要はない。 例えば上側部分がポリエチレンで製造されて下側部分がポリエステルで製造されてよい。

    殺虫剤という用語は、一種類の殺虫剤もしくは複数種類の殺虫剤を包含し、その場合に複数種類の殺虫剤は混合物でもよいが、必ずしもそうである必要はない。 上側部分及び下側部分は同一の殺虫剤を備えてよいが、これは必須ではない。 殺虫剤の一方に対する耐性を弱める手段として、バリヤの下側部分及び上側部分に異なる殺虫剤が用いられてよい。 モスキート・ネットでは典型的には、デルタメトリンが殺虫剤として用いられる、というのもそれは蚊及び蝿に対して非常に有効であるにも拘らず人への有害性をほとんど有さないからである。

    しかしながら、デルタメトリンに耐性を有するようになった蚊の種が存在する。 従って、本発明によるバリヤの上側部分には、例えばカルバミン酸塩のような異なる殺虫剤が用いられることがある。 このタイプの殺虫剤は、典型的には好適ではない、というのもそれは人に対してより高い有害性を有するからである。 しかしながら、磨耗が、最大で75cm又は100cmまでの高さでのみ生ずると思われるという事実は、下側部分の上方のバリヤは、下側部分と同程度では人に接触されないことを示している。 従って、下側部分が例えばデルタメトリンのような人に対する有害性のほとんどない第1の殺虫剤で処理されるのに対して、バリヤの上側部分おそらくバリヤのルーフだけが、殺虫剤に対する殺虫耐性が非常に弱い殺虫剤で処理され、及びその場合人に対するより有害な作用は、耐性を有する昆虫が意味する人への危険に対する妥協として受け入れられる。

    上側部分又は下側部分又はその両方は、例えばPBOのような協力剤を具備し得る。 協力剤という用語は一種類の協力剤もしくは複数種類の協力剤を包含し、その場合に複数種類の協力剤は混合物でもよいが、必ずしもそうである必要はない。 上側部分が第1の協力剤を備え、下側部分が他の協力剤を備えてよい。 協力剤という用語はまた、協力剤に対する類似物又は前駆体も包含する。 協力剤は、材料の内側から材料の表面への協力剤の漸進的な移行のために、好適にはポリマー基材であるバリヤの材料中に均等によく取り入れられ得る。

    バリヤの上側部分はネットである。 このネットについて、50〜100デニールの間の例えば75デニールに対応する糸の寸法が、モスキート・ネットに対する通常の実践として実現可能であり、例えばそれは、パーマネット(PermaNet)という登録商標を有する成功したモスキート・ネットに使用されている。 バリヤの下側部分により耐久性をもたせるために、バリヤの下側部分を形成するネット材料中に一種以上の追加の糸が挿入されてよい。 この追加の糸は、同じタイプの又は異なるタイプの追加殺虫剤を含み、更なるオプションとしてそこに取り入れられた協力剤を有してもよい。 さらに別の例として、この追加の糸は、そこに取り入れられた異なる殺虫剤又は協力剤又はその両方を有することが可能である。 低空飛行の又は飛び跳ねる小さな昆虫がバリヤを通過することを阻止するために、そのような追加の糸が網目サイズを小さくするために用いられることが可能である。 そのような糸は、例えば100〜150デニールの範囲の寸法を有する。

    一つの可能な組み合わせは、基材中に殺虫剤を含まないが基材材料中に取り入れられた例えばPBOなどの協力剤と前記ポリマ基材上の例えばデルタメトリンを含有する殺虫被覆とを有する上側部分又は下側部分又はその両方のポリマ基材である。 PBOが第1の領域の表面に到達するために、被覆薄膜は該薄膜を通る協力剤の移行を自由にさせる。

    基材の表面へ移行する能力を有する協力剤をポリマ基材中に取り入れることによって、上側部分又は下側部分又はその両方のポリマ基材を被覆する最終的な殺虫成分のための多数の選択を残す製品が提供される。

    例えば、上側部分又は下側部分又はその両方は、国際公開第01/37662号パンフレットに開示されているような耐洗濯性ポリマ薄膜で被覆される。 この場合、前記薄膜は、水分及び任意選択的には油に耐える薄膜を形成することによりネット製品もしくは織物からの殺虫剤の洗い落ち及び劣化を減少させる薄膜形成成分を含んでおり、前記薄膜は、基材上のもしくは該基材の回りの分子シールドであって殺虫剤を該薄膜内に一体化している分子シールドであり、薄膜形成成分は、ポリマ骨格固定剤と、パラフィンの油類もしくはワックス類、シリコン類、シリコンの油類及びワックス類、及びポリフルオロカーボン類、又はそれらの誘導体から選択された一種類以上の成分とを含む。 好適には、薄膜形成成分は、ポリマ骨格固定剤に対して結合されたポリフルオロカーボン側鎖を含む。 好適には殺虫剤は、これらのポリフルオロカーボン側鎖間に移行可能に捕捉されると共に、ポリフルオロカーボンの疎水作用により水から保護される。 これは、殺虫剤が保護的ポリフルオロカーボン内に在る限り表面上の水もしくは油から保護されることを意味する。 この点に関し、殺虫剤は側鎖間に解放可能に捕捉されることが重要である。 換言すると殺虫剤は、昆虫に取り込まれるために前記骨格から抜け出て薄膜の表面へ移行できるように易動性を有さねばならない。 前記移行は殺虫剤濃度の勾配により少なくとも部分的に支配されるが、長期間に亙り繊維材料の外側表面上に十分に多い供給量の殺虫剤があるように、最適な移行速度を得るために活性移行の促進剤もしくは抑制剤も適用されてよい。

    これに加え、例えばPBOなどの協力剤もまた対応して、洗浄に対しては保護されるが昆虫に取り込まれるべく薄膜の表面へ漸進的に移行可能であるべく、ポリフルオロカーボン側鎖間に移行可能に捕捉されてよい。 これは本発明に関して有利である。 但し、国際公開第01/37662号パンフレットに開示された方法及び被覆における殺虫剤を、例えばデルタメトリン及びPBOなどの、殺虫剤及び協力剤の組み合わせと置き換えることは、一般的な手法である。

    殺虫剤は有さないが例えばPBOなどの協力剤を有する薄膜形成成分が望まれた場合、国際公開第01/37662号パンフレットに開示された方法が、被覆中の殺虫剤に代えて協力剤を備えた被覆のために用いられてよい。 国際公開第01/37662号パンフレットの方法の協力剤に対するこの修正は、本発明に関して有利なだけでなく一般的な手法のものであり、また一般的な理由で先行技術を改善することができる。 例えば殺虫剤は、協力剤含有薄膜によって被覆された材料内に取り入れられて、前記薄膜を通して材料の表面まで移行する。

    これに加え、殺虫剤による国際公開第01/37662号パンフレットの開示に係る方法は、
    i)殺虫剤が、水分が5%未満のアルコールもしくはグリコールと組み合わされた溶媒中に溶解される、あるいは ii)殺虫剤が、溶媒中に溶解されて水と混合され、又は30℃未満の温度を有する水相の乳濁液もしくは溶液と混合され、任意選択的に前記溶媒は混合の前にアルコールもしくはグリコールと組み合わされる、あるいは i)とii)を組み合わせる、ならば改善されることがある。

    国際公開第01/37662号パンフレットの開示に関するこの改善は、2つの様相i)及びii)はいずれも、組み合わせ溶液中における殺虫剤の沈殿の虞れを減少するという事実に起因する。 この減少は、薄膜中における殺虫作用の寿命を延ばすと共に、洗浄耐性を向上させる。 このことはピレスロイド類に対して特に当てはまり、その場合に好適な殺虫剤はデルタメトリンもしくはペルメトリンである。 従って、段階i)を適用するか又は段階ii)を適用することは先行技術と比較しての改善ではあるが、最良の改善は、i)及びii)の組み合わせを用いることにより達成される。

    薄膜形成成分は、UV防止物質;防腐剤;界面活性剤;充填剤;衝撃強度改質剤;防曇剤;発泡剤;清澄剤;核化剤;表面処理剤;静電気を防止する導電性増進剤;抗酸化剤、炭素及び酸素ラジカル捕捉剤、及び過酸化物分解物質などの安定剤;難燃剤;離型剤;蛍光増白剤;展着剤;粘着防止剤;移行防止剤;移行促進剤;発泡形成剤;再汚染防止剤;汚染防止剤;増粘剤;更なる殺生物剤;湿潤剤;可塑剤;接着剤もしくは接着防止剤;芳香剤;顔料及び染料;及び水もしくは有機溶媒を含む他の液体;のような他の成分を含み得る。

    本発明に関して適用可能である代替的な殺虫被覆は、殺虫薬と、水性のポリウレタンラテックスもしくはポリアクリレートラテックスの様な水性接着剤と、エポキシポリマ架橋剤などの架橋剤とを含むネット/織物被覆に関するリウ等による国際公開第2006/092094号パンフレットに開示されている。 国際公開第2006/092094号パンフレットには、本発明に関しても適用可能である多数の異なる調製物が開示されており、より詳細には国際公開第2006/092094号パンフレットは蚊/昆虫を撃退して始末する仕上げ液を開示しており、その調製物は(質量百分率に基づき)、
    殺虫薬及び/又は防虫剤 0.05%〜40.00%、
    接着剤 5.00%〜40.00%、
    架橋剤 0.025%〜1.50%、
    を含み、残部は水であり、全ての成分は総計で100%に達する。

    国際公開第2006/092094号パンフレットにおける殺虫薬は1〜50%の有効含有量を有する水性殺虫薬であり、該水性殺虫薬は以下の物質の内の一種もしくは二種から調製される:デルタメトリン、シフルトリン、シハロトリン、シス−シペルメトリン、ペルメトリン、及びエトフェンプロックス。 国際公開第2006/092094号パンフレットにおける防虫剤は1〜50%の有効含有量を有する水性防虫剤であり、該水性防虫剤は以下の物質の内の一種もしくは二種から調製される:ジエチルトルアミド(DEET)、ジメチルフタレート、及びペルメトリン。 国際公開第2006/092094号パンフレットにおける殺虫薬及び防虫剤の水性添加形態は、以下の添加形態の内の一種もしくは二種を含む:水和性粉体、水中分散可能な粉体、水中分散可能な懸濁液、水中分散可能な錠剤、水中乳濁液、マイクロカプセル懸濁液、及び水中分散可能な細粒。 国際公開第2006/092094号パンフレットにおける接着剤は40〜50%の固形分を備えた水性接着剤であり、これは以下の物質の内の一種もしくは二種を含む:ポリブタジエン・ラテックス、水性ポリウレタン・ラテックス、ポリアクリル酸ラテックス、ポリアクリレート・ラテックス、又は酢酸ビニル・ラテックス。 国際公開第2006/092094号パンフレットにおける架橋剤は以下の物質の内の一種もしくは二種を含む:エポキシポリマ架橋剤;メチルエーテル化ヘキサヒドロキシメチル・メラミン樹脂の一次縮合体による架橋剤;多官能アジリジン架橋剤;種々のヒドロキシメチル架橋剤;ヒドロキシエチルとエポキシ基とから成る架橋剤;及びエポキシクロロプロパン及びヘキサンジアミンのアセテート架橋剤。

    好適には、本発明に関する殺虫剤はピレスロイドであり、好適にはデルタメトリン又はペルメトリンであるが、国際公開第01/37662号パンフレットにおいてリストとして開示された他のピレスロイドも適用され得る。 但し本発明は、含浸のための組成物におけるカルバミン酸塩又は有機リン酸塩に関しても適用される。 可能な殺虫剤のより広範囲なリストは、防虫剤の例も含む国際公開第01/37662号パンフレットもしくは国際公開第06/128870号パンフレットに見出される。

    これに加え、殺虫剤という用語は、上述されたような及び本発明による含浸のための組成物中の殺虫剤の組み合わせに対しても適用される。 例えばピレスロイドは、耐性のある昆虫とも戦うために、カルバミン酸塩もしくは有機リン酸塩と組み合わされることがある。 同様に、2種類以上の殺虫剤が、例えば印刷もしくは噴霧技術によりネットもしくは織物の種々の部分に付着されると共に、均一に混合及び使用されなくてもよく、このことは、毒物学的及び登録の理由に関して有用であり得る。 ネットが大規模な作戦において使用される場合、不妊化効果を有することにより蚊を不妊化し且つ次世代の蚊を回避する、代替的もしくは補足的な作用物質が取り入れられてよい。 斯かる作用物質は、ベンゾイル尿素類又はトリアジン類であり得る。

    更なる可能的な組み合わせとしては、例えばピレスロイドと組み合わされる、国際公開第06/127407号パンフレットに開示されたメタフルミゾン、国際公開第06/128870号パンフレットに開示されたN-アリールヒドラジン、又は国際公開第06/128867号パンフレットに開示された1-フェニルトリアゾールの誘導体が挙げられる。

    これに加え、又は代替的に、殺虫剤は被覆中において、例えば、ピペロニルブトキシド、スルホキシド、トロピタル、ブカルポラート、エチオン、プロフェノホス、若しくはジメトエート、ピペロニルシクロネン、TPP、マレイン酸ジエチル、NIA-16388(NIA)、S-421、MGK-264(ビシクロヘプテンジカルボキシイミド)、S,S,S-トリブチルホスホロトリチオエート(DEF)、N-オクチルビシクロヘプテン・ジカルボキサミド、セサミン、セサモリン又はセサメックスなどの協力剤と組み合わされてもよい。

    本発明に関する被覆に対する更なる代替例は米国特許出願公開第2007/0009563号明細書に開示されており、その場合に本発明の種々の実施例に係る解決策の調製物は、以下のような4つの要素を具備している:1. 迅速に活性化すると共に高い沸点を有する、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、ビフェントリン、ペルメトリン、及びシハロトリンのような、ピレスロイド類からの殺虫剤。 2. 例えば、ペルフルオロアクリレート、樹脂、接着剤及びポリカーボネートの配合物などの、繊維安定増進剤。 3. 澱粉、ゴム及び二酸化チタンのような増粘剤。 4. 例えば水などの溶媒。

    更なる代替例として、上側部分又は下側部分又はその両方は、ポリマ基材中に取入れられたもしくは含浸された第1の殺虫剤、及び更に殺虫薄膜を備える。 前記基材中の単一もしくは複数の殺虫剤は前記薄膜中の殺虫剤と異なっていてよく、これは複数の殺虫剤の内のひとつの殺虫剤に対する殺虫耐性に対抗する更なる対策として使用され得る。 バリヤの下側部分における殺虫剤のより高い含有量及び/又はより長持ちする殺虫効果を提供するために、下側部分は材料内に取り入れられた殺虫剤を有するが、上側部分は有さなくてよい。 例えば、下側部分は、ポリマ基材を備えており、前記ポリマ基材ちゅうに殺虫剤及び任意選択的に協力剤が取り入れられ、その後でバリヤの全体が、例えば保護被覆又は薄膜の形の殺虫剤で含浸される。 取り入れられた殺虫剤は次いで殺虫剤を下側部分の表面に補給し、その場合薄膜からの殺虫剤は磨耗に起因する効果の低下を妨げる。

    上側部分又は下側部分又はその両方の材料中の協力剤及び/又は殺虫剤の移行の場合、前記基材中における協力剤及び/又は殺虫剤の移行速度、及び更なる協力剤又は殺虫剤の移行速度を考慮することが重要である。 例えばこれは、任意選択的に作用する移行促進剤及び移行抑制剤の適切な選択により調整され得る。

    実際的な実施例において、殺虫性バリヤにおける繊維のポリマ基材は、押出しノズルを通した溶融熱可塑性ポリマの押出しにより形成される。 この方法はネット及び織物に繊維を提供する。 前記繊維は押し出されたモノフィラメント又はマルチフィラメント又はその両方を含み得る。 例えば、マルチフィラメントとモノフィラメントとの混合物が撚り合わせ技術によって獲得され得る。 協力剤又は殺虫剤又はその両方が、押出しノズルの上流またはその中のチャネルをとおして溶融ポリマに加えられる。 このことは一定の組み合わせにおいては重要であり、特に基材が、織物及びネット製品にとって好適な材料であるポリエステル(ポリエチレン・テレフタレート、PET)で作られるならば重要である。 これはその通りである、と言うのもポリエステルの溶融温度は、協力剤もしくは殺虫剤材料の分解に繋がり得る約250℃だからである。

    但し、協力剤又は殺虫作用物質の分解及び物理的損失の程度は、温度に依存するだけでなく、該作用物質が高温に晒される時間にも依存する。 作用物質の高温接触時間を最小限にすることにより、前記損失は相当に減少される。 此処における損失は蒸発及び可能的な熱分解を含む。

    従って、高温に対する露出時間を最小限にするために、特殊な原理の押出しノズルが発明された。 この原理は、チャネルを備えたノズルであり、押出プロセス中に前記チャネルを通して協力剤又は殺虫剤又はその両方を含む作用物質が溶融ポリマ内へ添加される、その場合に前記チャネルはノズル出口から短距離だけ上流に設けられている。 この点に関し“短距離”という用語は、協力剤もしくは殺虫剤の温度上昇と、この温度における時間経過であって押出された基材中に依然として十分な量の無傷の協力剤もしくは殺虫剤を残す時間経過と、に帰着する距離であると理解されるべきである。 例えば前記距離は、協力剤もしくは殺虫剤の最大の温度上昇と、この温度上昇に対する協力剤もしくは殺虫剤の最大の露出時間とをもたらすように選択された距離であり、その場合に最高温度及び最長時間は事前定義された上限値により制限される。

    この“十分な量”が如何ほどであるかは、協力剤及び/又は殺虫剤と、容認可能な損失のレベルとに依存する。 ある場合には、残存する1%の協力剤及び/又は殺虫剤が依然として、長期に亙る殺虫耐性に対抗する有効量の範囲内であるなら、99%の損失が容認可能であり得る。 他の場合には、90%未満の損失率が容認可能であり得る。 従って本発明は、ポリマの溶融温度が協力剤の沸点及び/又は殺虫剤の分解温度より遙かに高いという事実にも関わらず、協力剤及び/又は殺虫剤を熱可塑性ポリマに取入れる方法を提供する。 実験においては、驚くべきことに、250℃を超える押出し温度にも関わらず、ポリエステルに対しては50%を超える協力剤が無傷であることが分かった。

    好適実施例において、前記チャネルは、例えばノズル出口から数mmもしくは1cm以内で押出し品の側部に設けられる。 このことは、協力剤及び/又は殺虫剤を有する作用物質は、それがノズルに進入するときに先ずポリマの温度にさらされることを意味する。 例えば前記ノズルはリング状に形成された作用物質供給管路により取り囲まれており、前記作用物質供給管路は、ノズルを通るポリマ流束の縁部のほぼ全体に亙り、溶融ポリマ内へ作用物質を注入する。

    このことは、ポリマからの熱の取り込みに起因する作用物質の温度上昇がポリマの硬化及び冷却を促進するように、注入の前に作用物質を冷却する可能性も残している。 これに加え、押出されたポリマは、例えば低温の空気噴射により、前記押出しノズルから短距離だけ下流で積極的に冷却されてもよい。

    協力剤及び/又は殺虫剤をポリエステルに取入れる前記の可能性にも関わらず、ポリエチレンの相当に低い溶融温度は、ポリマ基材中への協力剤及び/又は殺虫剤の取入れを相当に容易にする。 従ってこの事実を利用するために、本発明に係るバリヤは、例えば上側部分に対する第1のポリマ及び下側部分に対する第2の異なるポリマからなる複数のポリマにより提供され得る。

    前述したように、上側部分及び下側部分は、製造中に織り方又は編み方を変更することによって一つの工程で製造され得る。 しかしながら、上側部分及び下側部分は、様々なやり方で、例えば異なる部分を共に接着、溶着、又は縫製することによって結合されてもよい。

    同様に、本発明に関する昆虫との戦いにおいては、昆虫を不妊化する作用物質、又は昆虫病原菌を有する作用物質などの他の作用物質も適用され得る。 例えば、これらはバリヤの表面に付着される。 昆虫との戦いに対する菌性生物殺虫薬の例は、雑誌“Nature Reviews Microbiology”、第5巻、2007年5月、第377頁におけるトーマス(Thomas)及びリード(Read)に記載されている。 現時点においては、特に昆虫病原性真菌が最も有効と思われるが、代替的に又は付加的に、昆虫に感染するウィルス、バクテリア、又は原生動物が適用されてもよい。

    これらの領域に対しては、印刷技術を使用することにより、殺虫剤及び協力剤だけでなく、必要に応じて上述の昆虫病原菌及び/又は昆虫不妊化作用物質も付着され得る。 噴霧もしくは印刷の技術を用いることにより、小さな斑点又は大きな領域が、正確な位置決め及び正確な適用量で提供され得る。 更に、異なる作用物質が、並置されるだけでなく、互いの頂部に付着されてもよく、その場合これらの異なる作用物質は被覆層を通って移行する。

    本発明は、図面を参照して更に詳細に説明される。

    上側部分及び下側部分を備える天蓋ネットを示す図である。

    下側部分が裾部を具備する天蓋ネットを示す図である。

    下側部分を構成する裾部を備える天蓋ネットを示す図である。

    リザーバを備えるターポリン材料を示す図である。

    取り込まれた協力剤及び/又は殺虫剤を備えるターポリン材料を示す図である。

    リザーバを備える繊維を示す図である。

    取り込まれた協力剤及び/又は殺虫剤を備える繊維を示す図である。

    ネットの下側部分に高い織り糸密度を有するネットを示す図である。

    図1aは、本発明による円形天蓋殺虫性バリヤを示しており、図1bは矩形天蓋を示している。 バリヤ1は、ルーフ4と、該バリヤの下縁部30まで延びる側壁5とを有しており、バリヤの上側部分2がルーフ4と側壁5の上側部分50とを含んでおり、バリヤ1の下側部分3が側壁5の下側部分である。 天蓋殺虫性バリヤは、人又は動物のための空間を覆うことが意図されており、例えば図1aに示されるようなベッド6を覆うことが意図されている。 天蓋の下の空間に入るために、バリヤ1の下側部分3は、表面接触にさらされ、それ故材料の表面からの殺虫剤の磨耗にさらされる。 上側部分2がネットであるのに対して、下側部分3は、ネット、織物、ターポリン、又はそれらの組み合わせであってよい。

    図2は、本発明による代替実施例のバリヤ1'を示すものであり、バリヤ1'の下側部分3は裾部7'を具備している。 任意選択的に、裾部7'は下側部分3'の残りの部分とは異なる材料で作られてよい。 例えば、下側部分3'は、織物である裾部7'以外はネットであってよい。 代わりに、裾部7'が織物又はターポリンであるのに対して、裾部7'と上側部分2との間の中間部分8である下側部分3'の残りの部分8が異なる織物又はネットであってよい。 裾部7'、及び裾部7'と上側部分2との間の下側部分3'の残りの部分8は異なる殺虫処理及び協力剤の異なる含有量を有し得る。 また、殺虫剤含有量及び殺虫剤又は協力剤のタイプは下側部分3'において上側部分2とは異なっている。 図2に示されるように、裾部7'と上側部分2との間の中間部分8は、裾部7'の表面積より大きい面積を有している。

    図3は、本発明による更なる代替実施例のバリヤ1''を示しており、バリヤ1''は、該バリヤ1''の下側部分3''を構成するために、高さで上方へ延びる裾部7''を具備している。 そのような裾部の材料の例は織物及びターポリンである。 しかしながら、ネットの上側部分2よりも耐久性のある構成のネット材料がさらに別の可能性としてある。

    図4に示されるように、ターポリンが裾部7'、7''に用いられる場合には、ターポリン10は、図中三形12として示される殺虫剤の、又は円形13として示される協力剤の、又はその両方のリザーバ11であって、二つの外側壁要素14、15の間に挟まれたリザーバ11を具備している。 殺虫剤13又は協力剤14又はその両方13、14は、ターポリン10の表面18に到達するために、外側壁13及び14の少なくとも一つを通過して移行するように構成されており、前記移行は矢印16及び17で示されている。

    図5に示されるように、ターポリン10それ自身は、ポリマ基材19から作られており、前記ポリマ基材19は、該ポリマ基材19中に移行可能に取り入れられた協力剤12又は殺虫剤13又はその両方を含んでいる。

    この原理は、図6に示されるように、繊維にも同様に適用される。 この場合、協力剤12又は殺虫剤13の両方は、繊維20の表面18'まで移行するために、繊維10のポリマ基材中に移行可能に取り入れられている。

    図7に示される代替例では、繊維20'はリザーバ11'と周囲シェル21とを備えて作り出され、その場合協力剤12又は殺虫剤13又はその両方は、矢印25'により示されるようにリザーバ11'から外側シェル21をとおって繊維の表面18'まで移行する。

    図8は、この場合は垂直糸23と水平糸24である第1の糸を有するネットの形態のバリヤ1を示している。 前記ネットは上側部分2と下側部分3とを有しており、下側部分3は、追加殺虫剤を含む追加糸22に起因して高密度の糸を有している。 これらの追加糸22における殺虫剤は材料の中に取り入れられてよい。 例えば、第1の糸23、24は、ネットの上側部分及び下側部分の材料と同じ、好適にはポリエステルのような材料から作られ、ポリエステルは木綿のような感触を有するが故であり、また燃焼性を低減する。 しかしながら、上で検討したように、ポリエステルは比較的高い溶融温度を有しており、従って殺虫剤の取り入れにはそれほど適していない、というのも殺虫剤は、それがポリマに加えられるとき高温の溶融ポリマによって容易に損傷されるからである。 対照的に、ポリエチレンは比較的低い温度で溶融し、従ってポリマへの殺虫剤の取り入れにはより適している。 従って、第1の糸23、24がポリエステルから作られ、且つ追加糸22が、殺虫剤の取り入れられたポリエチレンから作られるなら好都合である。 任意選択的に、協力剤も追加糸中に取り入れられる。

    ネット又は織物は、より高い引裂き強度及び破裂強度を有するより稠密な材料を得るために、その一部がより高い網目密度又は織り糸密度を有する単一の工程で生産されることが可能である。

    図8は、より高い網目密度を有する織物を示しているが、編物のネット又は織物が類似のやり方で生産でき、その場合、より小さい網目サイズが獲得されてより高い引裂き強度及び破裂強度が獲得されるように、追加糸が織物又はネット製品中に織り込まれる。 代替例として、編方のパターンは材料の異なる強度を得るために変更され得る。

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