クッション材

申请号 JP2014221926 申请日 2014-10-30 公开(公告)号 JP6118781B2 公开(公告)日 2017-04-19
申请人 ニトリ ファニチャー ベトナム; NITORI FURNITURE VIETNAM EPE; 发明人 菅谷 紘希;
摘要
权利要求

袋状布帛に、フェザーと発泡性樹脂小片とが混合状態で封入されているクッション材であって、 前記発泡性樹脂小片と前記フェザーとの重量割合が、発泡性樹脂小片:フェザー=55:45〜70:30の範囲内にあることを特徴とするクッション材。前記フェザーそれぞれの根元から先端までの平均長さを1としたときの前記発泡樹脂小片それぞれの最長辺または直径若しくは長径の平均長さが、0.3〜0.7である、請求項1記載のクッション材。前記請求項1または2に記載のクッション材の構成を含む椅子。前記請求項1または2に記載のクッション材の構成を含むソファー。前記請求項1または2に記載のクッション材の構成を含む敷き布団。前記請求項1または2に記載のクッション材の構成を含む掛け布団。前記請求項1または2に記載のクッション材の構成を含む座布団。

说明书全文

本発明は、椅子やソファーの座面・背もたれや、掛け布団,座布団,敷布団,マットレスなどの材料に適するクッション材に関する。

従来より、保温性と通気性の両面に優れ、軽量の掛け布団の材料として、羽毛布団が使用されている。羽毛布団に使われるのはダウン(羽毛)とフェザー(羽根)であり、一般的に羽軸のないダウンの割合が多いものが高級品とされる。フェザーは素材としては安価で入手できるが、フェザーのみ、あるいはフェザーのの割合が50%を超えるものが使われている場合は羽根布団と呼ばれ、羽毛布団とは区別されている。

一般的に羽毛布団は軽くて保温性が高いので掛布団として広く使用されてる。またダウンの柔らかさから、マットレスの材料としても使われることもある。一方で、フェザーはダウンに比べて重く堅いので、フェザーを封入した羽根布団は敷布団に利用されている。しかしフェザーを封入物としてマットレスを作製した場合、硬くてまた体圧分散機能も低いため寝心地が悪くなる。さらに湾曲した羽根軸を持つフェザーを使用している羽根布団では、布団を動かしたときにカサカサという音が発生し、また柔らかさに欠けている。

マットレスの素材としては、近年、低反発のマットレス用としてポリウレタン樹脂やポリオレフィン系樹脂などの発泡合成樹脂が使われだしてきた。このような発泡合成樹脂を使用した低反発マットレスは、体圧が全体に分散されるので血流阻害や床擦れ防止に効果的といわれている。その一方で、通気性が悪く、就寝中に体内から発せられる熱が逃げにくいという側面も有する。また敷物状の発泡合成樹脂のマットレスにおいては、就寝時には特定の部位に体圧による荷重がかかることが多いので、かかる特定の部位のみに先行して変形やヘタリが生じやすいという問題もあった。

敷物状発泡合成樹脂のこのような欠点を解決するため、例えば特許文献1では、発泡合成樹脂を小片にして、この小片からなる芯部の上下両側にフェルト状層を配設し、更に該フェルト状層の外側に綿、羊毛、羽毛等の柔らかい素材からなる表面層を配設したサンドイッチ状の積層体を袋内に収容し、キルティングを施してなる寝具等用芯材が提案されている。

確かに特許文献1のような寝具等用芯材を用いた寝具であれば、使用のたびに発泡合成樹脂小片が袋内で移動するので、優れたクッション性を有し、ヘタリや腰部等が局部的に凹んだり、両端が上方に反る等の変形がなく、且つ通気性も確保される。

しかしながら、単純に発泡合成樹脂小片を単純に袋に詰めた場合、小片の袋内移動によって特定箇所のみの変形やヘタリが発生することはなくなるが、その反面、袋内移動の際に生じる小片同士の摩擦により、各小片の変形やへたりが急速に発生してしまう。

加えて発泡合成樹脂小片を用いた場合には、敷物状の発泡合成樹脂と異なり、使用の際にゴツゴツ感が生じる。このため特許文献1での工夫のようにフェルト状層と柔らかい素材からなる表面層を配設したサンドイッチ状の積層体にするなどの複雑な構成が必要になるのでこれがコストアップにつながる。さらに特許文献1の構造の場合、敷物状にしたフェルト状層が特定の部位において変形やヘタリが生じることになるという新たな問題も発生する。

特開平7−23835号公報

上記現状を鑑みて、本発明では、安価で入手可能なフェザーと発泡合成樹脂小片を使って、フェザーが持つ保温性と通気性や、発泡合成樹脂が持つ低反発性の特徴を生かすことができ、その一方でフェザーのカサカサ発生する音や、発泡合成樹脂小片の急速なへたりを抑制できるクッション材を提供することを課題とする。

本発明では、袋状布帛に、フェザーと発泡性樹脂小片とが混合状態で封入されているクッション材であって、前記発泡性樹脂小片と前記フェザーとの重量割合が、発泡性樹脂小片:フェザー=55:45〜70:30の範囲内にあることを最も主要な特徴とする。

本発明のクッション材によれば、発泡性樹脂の性質である低反発性を維持したまま、これを小片にしたことで通気性も確保できる。また特定の部位から先行して変形やヘタリが生じることもない。加えてフェザーの性質である軽量での保温性も確保できる。

さらに発泡性樹脂小片とフェザーとを混合した効果として、発泡性樹脂小片がフェザーの間に入り込むことで、フェザー単独の欠点である動かした場合にカサカサする音が限りなく低減されるとともに、発泡性樹脂小片の単独使用したときに生じるゴツゴツ感や各小片の急速な変形やへたりも抑制される。

フェザーは元来通気性の良い素材であり、同じく小片にすることで通気性を確保した発泡性樹脂も通気性を阻害しない。このため実際の使用の場面では、寝返りを打つ度に空気が移動するため通気性が促進され、老廃物や汗が揮散されるので常に乾燥状態に保たれ非常に衛生的である。

また羽毛布団にはダウン高配合製品が求められる結果、素材としてのフェザーは余剰気味になることが多い。一方、発泡性樹脂小片は敷物状の発泡性樹脂の製造時に切れ端として発生する。このため、現状ではフェザー、発泡性樹脂小片ともに通常の製造ラインでは廃棄される。しかしながら本発明ではこのような従来の製造ラインでは廃棄される素材を原料て使うため、材料ロスを低減することで無駄を生じさせず、環境保全にも役立つとともに製造原価(変動費)を抑えることができる。

本発明のクッション材の構成を模式的に示した説明図である。

耐久性試験に用いた垂直荷重試験機の写真である。

通気性試験のための温度測定に用いた恒温槽の写真である。

実施例1の温度測定で得られた温度測定の結果を示す写真である。

ドレープ性試験における体圧分散測定の様子を示す写真である。

実施例1の体圧分散測定の結果を示す写真である。

(袋状布帛) 図1で模式的に示したとおり、本発明で用いる袋状布帛1は、その内部にフェザー2と発泡性樹脂3とを混合状態で封入するためのものである。袋状布帛に用いられる生地としては、封入物が外側に飛び出したり漏れ出たりしないものであれば特に制限なく用いることができるが、なかでも羽毛布団などに使用されているダウンプルーフ加工されたダウンプルーフ生地などを好適に用いることができる。また生地にはバックコーティングがされていても良いし、封入物が外側に飛び出したり漏れ出たりしない限りにおいて、布帛の目付量も特に制限なく用いることができる。また袋状布帛は、一枚布による一重構造であっても良いし、複数枚の布帛による多重構造であっても良い。

(フェザー) 本発明で用いるフェザー(羽根)は、羽根布団や羽毛布団で一般的に使用されるフェザーであれば特に制限なく使用できる。陸鳥からのフェザーでも鳥からのフェザーでも使用でき、また未成熟鳥からのフェザーでも成熟鳥からのフェザーでも使用できる。フェザーのサイズも特に制限されないが、根元から先端までの長さが30mm〜60mmのものが好ましい。

また通常フェザーには選別しきれないダウンが付着しているのが一般的であり、本発明においてもダウンが混入していても特段問題がない。ただし、フェザーよりダウンの割合が多いと、本発明の目的である低コスト材料を使って高性能のクッション材を提供するという趣旨に反するため、本発明でフェザーという場合には、フェザー50%以上で羽根布団と呼ぶという基準と同じく、フェザーとダウンの合計重量に対して、50%を超えてフェザーが存在していることを意味するものとする。

(発泡性樹脂) 本発明で用いる発泡性樹脂は、樹脂のマトリックスの中に気泡(セル)が多数分散しているものである。樹脂の種類としては特に制限されないが、クッション材として一般的に使用されているのがポリオフェフィン樹脂やポリウレタン樹脂である。なかでもポリウレタン樹脂が好適に使用されている。

本発明で用いる発泡性樹脂は敷物状ではなく、小片の集まりである。小片の形状やサイズは特に制限されないが、例えば楕円形を含む球形や四辺形の場合では長直径又は長辺が20mm〜40mm程度のものが好ましい。もっとも、本発明の発泡性樹脂小片として使用できるのは、球形や四辺形に限らず、多形等任意の形状のものでよく、また筒状体でもよい。

(混合割合,相対長さなど) フェザーと発泡樹脂小片は、袋状布帛の内部に封入され、混合される。袋状布帛の内のフェザーと発泡樹脂小片の割合としては発泡性樹脂小片:フェザー=55:45〜70:30の範囲であることが好ましい。この範囲を逸脱すると、発泡性樹脂小片とフェザーのうち、過小な割合の素材が元来内在している特徴、例えば発泡性樹脂小片だったら低反発性、フェザーだったら保温性などが十分に発揮されず、これらを混合した相乗効果が小さくなる恐れがある。

フェザー長さに対する発泡性樹脂小片の相対的長さとしては、それぞれのフェザーの根元から先端までの長さの平均値を1としたときに、それぞれの発泡性樹脂小片の最も長い辺(多角形の場合)若しくは最も長い直径(球形の場合)の平均値が、0.3〜0.7であることが好ましい。発泡性樹脂の相対的長さが短すぎると、フェザーに入り込んでしまい通気性を阻害しやすい。一方、発泡性樹脂の相対的長さが長すぎると、フェザーを押しのけてフェザーの復元性を阻害しやすくなる。なお上記定義において、発泡性樹脂小片が例えば円筒形形状の場合には、直径と筒長さのいずれか長い方を採用するものとする。

以下、本発明を実施例にて更に詳細に説明する。 (実施例1) ポリウレタン樹脂として、(株)ニトリファニチャーベトナムEPE製ウレタンフォーム型番「M55」を使用した。これをShenzhen Xinqunli 社製(中国)のFoam cutting machine「ESF007-2」の粉砕機能を使って小片にした。それぞれ小片の最長辺の長さを20mm〜40mmの範囲内に収まるようにした。それぞれ小片の最長辺平均は30mmである。フェザーとしては、HANGZOU SAMSUNG DOWN PRODUCT CO.LTD製の「WASHED GRAY DUCK FEATHER 4cm-6cm」を使用した。それぞれのフェザーの根元から先端までの平均長さは50mmである。

上記フェザーと上記ポリウレタン樹脂小片とを重量比35:65(フェザー:ポリウレタン樹脂小片)でダウンプルーフ生地(WUJIANG CITY XINCHUN TEXTILE社製(中国)Down Proof Fablic [75D/36Fx160D/288F/C])の袋状布帛の中に混合して封入した。これを実施例1のクッション材とした。実施例1に用いたクッション材の様子を示す写真を図2に示した。

(比較例1) 袋状布帛の中に封入したのがフェザーのみに変更した以外は実施例1と同様の条件で作成したものを比較例1のクッション材とした。

(比較例2) 袋状布帛の中に封入したのがポリウレタン樹脂小片のみに変更した以外は実施例1と同様の条件で作成したものを比較例2のクッション材とした。

(比較例3) 袋状布帛の内部を2層構造として、第1層目にフェザーを封入し、第2層目にポリウレタン樹脂小片を封入した以外は、実施例1と同様の条件で作成したものを比較例3のクッション材とした。なお、フェザーとポリウレタン樹脂小片の封入量は、重量比35:65(フェザー:ポリウレタン樹脂小片)とした。

実施例及び比較例のクッション材は、「試験規格:JIS S 1102:2004 マットレスの性能および測定試験 耐久試験」に沿って試験を行った。 試験内容:垂直荷重試験機 HAIDA INTERNATIONAL社製 「HD-1086-T Mattress Edge Durability Tester」(図2の写真を参照)を使って 160±10 回/minで1000Nの荷重をマットレスに8万回負荷する。 耐久性の判断は、耐久性の判断は、下記a)〜d)の条件を満たすか否かの合否で行う。 ・マットレスの耐久性の合格条件 a) へたり量が40mm以下 (圧センサ—が5Nを感じた位置を0とし、試験前後の差を見る) b) 表地のずれ、ほつれ、破れがない c) 詰め物移動、落ち込み、外れなどがない d) ばねの折れ、外れなどがない

(試験2:通気性試験) 通気性の判断は、恒温槽を用いた湿発散性の試験により行った。 図3の写真で示したHAIDA INTERNATIONAL 社製(中国)恒温槽 Temperature Humidity Chamber「HD-E702-150B」を使用し、実施例及び比較例のクッション材を入れ恒温槽内を40℃に設定し、4時間後の27度の常温環境に置く。FLIR社製 Thermal Camera [i7]を使用して5分後に実施例及び比較例のクッション材を、温度を測定する。温度測定の結果は図4に示したような温度分布画像で得られる。温度の数値は、温度分布画像の左上端に表示される。

(試験3:ドレープ性試験) 体圧試験を用いた接触エリアの耐久試験前と試験後のデータを比較することでドレープ性を判断した。 図5の写真で示したように、MESTEC社製(台湾)体圧分散測定機「Bedding fit」を使用し、身長172cm、体重62kgの男性を被験者として、この体圧分散測定機の結果から得られるSupport Area[cm2]を試験前と試験後での数値の違いを比較する。なお、Support Areaとは体圧分散測定機の圧力センサーに体が密着している面積を示す。表面が柔らかいほどこの数値が大きく、マットレスが体の表面に沿っているといえる。Support Area[cm2]の数値は、図6に示したように、体圧分散測定結果画像から計算され、画像左上端に表示される。

(評価) 上記試験1〜3で得られた結果をまとめて表1に示す。なお、試験1については、実施例および比較例のそれぞれの合否判定の他、a)へたり量について試験で得られた具体的な数値も併せて示した。

試験1(耐久性試験)において比較例2(ウレタン小片のみ)の場合、へたり量が大きく、試験が不合格となった。これはウレタン梱包のバック内で衝撃により偏りが生じ、 センサー部に反発を得られなかっためである。

試験3(ドレープ試験)において比較例1(フェザーのみ)の場合、試験前後でドレープ性に変化がないがそもそも実施例よりもSupport Areaが小さく、表面が硬いマットレスになってしまっている。 比較例2(ウレタン小片のみ)の場合、試験後の方がSupport Areaが大きくなっている。これは試験1においてウレタンでへたりが発生しため、負荷部がへこみ、密着面積が増えたためであり、ドレープ性が向上したわけではない。へたりが発生した場合、寝姿勢が崩れてしまうので、実際の使用時に寝心地が悪くなる。 比較例3(フェザーとウレタンの分離封入)の場合、比較例2と同様に試験後の方がSupport Areaが大きくなっている。これは試験1においてウレタンでへたりが発生しため、負荷部がへこみ、密着面積が増えたためであり、ドレープ性が向上したわけではない。へたりが発生した場合、実際の使用時に寝姿勢が崩れてしまうので、寝心地が悪くなる。

以上の通り、本発明のクッション材は、フェザーが有する保温性や発泡性樹脂が有する低反発性を維持したまま、通気性や使用による耐久性に優れ、かつフェザーが内在する欠点や発泡性樹脂を小片にしたことから生じる欠点を低減するので、椅子やソファーの座面・背もたれや、掛け布団,座布団,敷布団,マットレスなどに使用できる経済的かつ付加価値の高い材料であり、産業上の有用性は極めて大きい。

1 袋状布帛 2 フェザー 3 発泡性樹脂小片

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