エアセル及びそれを備えたエアマット

申请号 JP2010184126 申请日 2010-08-19 公开(公告)号 JP5618695B2 公开(公告)日 2014-11-05
申请人 株式会社ケープ; 国立大学法人東京大学; 国立大学法人 東京大学; 发明人 昌己 田巻; 昌己 田巻; 弘美 真田; 弘美 真田; 豪二朗 仲上; 豪二朗 仲上;
摘要
权利要求
  • 複数本並設することによりエアマットを構成する細長い袋状のフィルムからなるエアセルであって、かつ該エアセルが上下方向に多層構造で、各層間はエアが流動するように形成され、給気口からエアが供給されると各層とも同じエア圧となるエアセルにおいて、
    前記エアセルの下層部をフィルムが内外重なり合う形状の二重構造に形成して、その下層部表面にも他の給気口を設けたことを特徴とするエアセル。
  • 前記エアセルの下層部の二重構造は、内側フィルムを覆う形状で外側フィルムを設け、前記他の給気口からエアが注入されると、内側フィルム内のエアが押し出されて、下層部が展開層部に変わるようにしたことを特徴とする請求項1記載のエアセル。
  • 前記外側フィルムの端辺は、 前記下層部とその上の層部との境に溶着されていることを特徴とする 請求項2記載のエアセル。
  • 前記エアセルは、上層部、中層部、下層部の三層からなり、エアセルへの給気は中層部に形成された給気口から行われることを特徴とする請求項1記載のエアセル。
  • 請求項1〜4記載のエアセルが複数本並設されるとともに、各エアセルの中層部に設けられた給気口へエアを給気する第1空気回路と、各エアセルの下層部に設けられた他の給気口へエアを給気する第2空気回路を備えたことを特徴とするエアマット。
  • エアセルが複数本並設され、その一部に請求項1〜4記載のエアセルが配置され、各エアセルの給気口へエアを給気する第1空気回路と、前記請求項1〜4記載のエアセルの下層部に設けられた他の給気口へエアを給気する第2空気回路を備えたことを特徴とするエアマット。
  • 说明书全文

    本発明は、病人等が長期に渡って床に伏せる場合などに生じる床ずれ(褥瘡)を予防するためのエアマットを構成するエアセル及びそれを備えたエアマットに関するものである。

    寝返りを打てない病人等が長期に渡って床に伏していると、床ずれ(褥瘡)が体に生じる場合がある。 床ずれの原因としては、寝返りを打てないことにより寝具からの圧が身体の一定箇所に集中して血行不良が生じること、体の衰えや栄養状態の悪化、あるいは汗等による過湿によって細菌の繁殖等が原因といわれている。

    このような床ずれを防止するため、種々の医療用のエアマットが開発されており、一般的なエアセルの構造と臥床状態を示すと、図5に示すように、細長い袋状のエアセル51を10本〜30本ほど並べて配置して、これらのエアセル51にエアポンプからエア移送路を介してエアを送り込むようにしたものである。 図5は、エアセル51を複数本並設した状態で、人が臥床した様子を横から見た図で、図6は、図5で示したエアマットにカバー61を掛けてその上に人が臥床した様子を示したものである。

    なお、エアセル51は、布地などのような可撓性の生地に高重合ポリマーフィルムをラミネート加工したもの、あるいはプラスチックフィルムそのまま、若しくはプラスチックフィルムの表面を梨地加工したもので、内部にエアを注入、排気することにより膨張、収縮させることができるようにしたものである。

    エアセルは、従来単層〜多層の断面構造を持ち、多層の場合は、図3(a)(b)に示すように、各層の内圧が同等となるように層間の仕切膜に通気孔が設けられているため、層間のエアには流動性がある。 図3(a)は、三層構造のエアセル30であり、上層部31、中層部32、下層部33と別れ、それぞれの層間には仕切膜34,35が設けられており、各仕切膜34,35にはエアが流入流出できるように通気孔34a、35aが設けられている。 図3(b)は二層構造のエアセル36で、上層部37と下層部38とに別れ、層間には仕切膜39が設けられており、仕切膜39には、同じくエアが流入流出できるように通気孔39aが設けられている。
    これらの構造は、エアセルの高さ全てを除圧層として利用でき、十分な余裕を持って身体を沈めることが可能なため優れた体圧分散性能を確保することが可能である(特許文献1の図4参照)。

    このように、多層式のエアセルは優れた体圧分散性能を有するが、部分的に大きな力が加わると、保持力の限界を超えて大きなハンモック現象が生じるとともに、図4に示すように、底着きが発生する場合がある。 この場合、エアセルの保持力を上げるためにエアマット全体の内圧を上げる方法もあるが、身体の部分的にエアマットの内圧を上げることはできない。

    特開2005−6939号公報

    また、層毎に内圧を変化させることが可能な複雑な制御装置を備えたエアセルも存在するが、体圧分散性能を優先させて使用するときは、各層の内圧が同等で、層間のエア流動性があるエアセルの方が、余裕を持って身体を支えられる。
    そこで、本発明の課題は、エアセルの構造や制御方法が複雑にならず、かつ従来からのエアセルの特徴を生かしつつ、底着きなどを起こしにくいエアセルとこのエアセルを備えたエアマットを提供することにある。

    請求項1記載の発明は、複数本並設することによりエアマットを構成する細長い袋状のフィルムからなるエアセルであって、かつ該エアセルが上下方向に多層構造で、各層間はエアが流動するように形成され、給気口からエアが供給されると各層とも同じエア圧となるエアセルにおいて、前記エアセルの下層部をフィルムが内外重なり合う形状の二重構造に形成して、その下層部表面にも他の給気口を設けたことを特徴としている。

    請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記エアセルの下層部の二重構造は、内側フィルムを覆う形状で外側フィルムを設け、前記他の給気口からエアが注入されると、内側フィルム内のエアが押し出されて、下層部が展開層部に変わるようにしたことを特徴としている。

    請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記展開層の端辺は、下層部とその上の層部との境に溶着されていることを特徴としている。

    請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載の発明において、前記エアセルは、上層部、中層部、下層部の三層からなり、エアセルへの給気は中層部に形成された給気口から行われることを特徴としている。

    請求項5記載のエアマットは、請求項1〜4記載のエアセルが複数本並設されるとともに、各エアセルの中層部に設けられた給気口へエアを給気する第1空気回路と、各エアセルの下層部に設けられた他の給気口へエアを給気する第2空気回路を備えたことを特徴としている。

    請求項6記載のエアマットは、エアセルが複数本並設され、その一部に請求項1〜4記載のエアセルが配置され、各エアセルの給気口へエアを給気する第1空気回路と、前記請求項1〜4記載のエアセルの下層部に設けられた他の給気口へエアを給気する第2空気回路を備えたことを特徴としている。

    請求項1記載の発明によれば、体圧分散性能を優先する場合は、下層部の他の給気口からは給気せず、エアセルの高さ全てを除圧層として利用でき、十分な余裕を持って身体を沈めることができ、優れた体圧分散性能を確保することができる。
    一方、身体の一部に底着きの懸念が生じる際は、下層部の他の給気口からエアを注入して、内側フィルムを圧迫し内側フィルム内のエアが上層に押し出されて、上の層からエアを外部に排気して上層部を一定の内圧を保持しながら、下層部の内圧を高めてエアセルの高さを一定に保ち、底着きの懸念を減少させることができる。

    請求項2記載の発明によれば、多層式エアセルの下層部に外側からフィルムをで覆って展開層を形成するようにしたので、製造工程が容易となる。 また、展開層を硬く、上層は柔らかくする設定ができるので、寝心地と保持力を両立させることができる。

    請求項3記載に発明によれば、多層式エアセルの下層部に後からフィルムを溶着するようにしたので、必要な場合に、既存のエアセルに追加或いは変更を加えることが容易となる。 また、例えば、腰部に当たる箇所のエアセルにのみ設けることで、背上げ時の底着きを防止したり、仰臥位時に腰の落ち込みを抑制して寝姿勢を整える等の効果も期待できる。

    請求項4記載の発明によれば、エアセルが三層構造であるので、エアセルの高さを高く維持でき、かつ中層部に給気口があるので、下層部からの給気に対し中層部からエアを給排気でき、安定したエアセルの内圧を保持することが容易となる。

    請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4記載のエアセルを用いたので、臥床者の使用状態に応じてエアマットの制御が簡単にでき、簡素な構造で高機能なエアマットを提供することができる。

    請求項6記載の発明によれば、底着きの発生しやすい部位に請求項1〜4記載のエアセルを用いることで、高機能であるのに簡素な構造のエアマットを提供することができる。

    本発明の実施形態に係るエアセルの模式断面図である。

    本発明の実施形態に係るエアセルの下層部からエアを注入したときのエアセルの変化を説明する模式断面図である。

    従来の多層式エアセルの模式断面図である。

    エアマットの底着きを示す図である。

    エアマットに人が臥床している側面図である。

    エアマットに人が臥床している状態の斜視図である。

    以下、本発明に係るエアセル及びそれを備えたエアマットの実施の形態について説明する。
    図1は、本実施の形態におけるエアセルの断面図である。
    本体部分は三層式のエアセル10で、上層部11、中層部12、下層部13を備え、それぞれの層間には仕切膜14,15が設けられており、各仕切膜14,15にはエアが流入流出できるように通気孔14a、15aが設けられている。
    また、中層部12には、エアセル10にエアを給排気する給気口16が設けられており、図示の第1空気回路に接続されている。

    また、下層部13は、内外重なり合う形状の二重構造に形成されており、内側のフィルム131は上層部11と中層部12のフィルムと一体に成形されたもので、外側のフィルム132はその端辺が下層部とその上の層部との境に溶着されている。 また、下層部13を形成する外側フィルム132の表面には他の給気口17が設けられており、図示の第2空気回路に接続されている。 この下層部13は本体の多層部分とは独立して区画されており、別系統の空気回路で膨らませることができ、展開層部130と称する。

    多層式エアセルは、内部の仕切膜に通気孔が開けられており、エアの流動性がある。 体圧分散性能を優先して使用する場合には、図1に示す状態で使用し、特に保持力が必要な場合や部分的にエアマットを硬くしたい場合には、展開層部130に多層部よりも高い圧力でエアを送り込むことで、展開層部130の内側のフィルム131が、図2に示すように、多層部分の内部に膨らみ下層部13と置き換わることで、保持力を高めることが可能となる。

    また、利用者の状態に応じた内圧に調整することにより、その状態に適した体圧分散効果を得ることができる。 下層部13が展開層部130と置き換わるため、身体に触れる上層部11の内圧を上げることなく保持力を上げることができ、保持力を上げる必要がなくなった場合には、この展開層部130の空気回路を開放するだけで、多層部分の内圧に押されて展開層部130内部のエアは排出され多層式エアセルとして使用することができる。

    すなわち、保持力が必要なモードが選択されたときに、下層部13に第2空気回路からエアを注入して展開層部130へと変えて利用し、そのモードが解除された場合には展開層部130のエアを排出することで存在がなくなるため、体圧分散性能を犠牲にすることなく保持力を高めることができる。

    次に、このエアセル10を使用したエアマットについて説明する。
    例1として、上記エアセル10が複数本並設されるとともに、各エアセル10の中層部12に設けられた給気口16へエアを給気する第1空気回路と、前記各下層部13の表面に設けられた他の給気口17へエアを給気する第2空気回路を備えている。
    例2として、エアセルが複数本並設され、その一部に上記エアセル10が配置され、各エアセルの給気口へエアを給気する第1空気回路と、上記エアセル10の下層部に設けられた他の給気口へエア17を給気する第2空気回路を備えている。

    上記エアマットによれば、臥床者の使用状態に応じエアマットの制御が簡単にでき、簡素な構造で高機能なエアマットを提供することができる。

    さらに、底着きの発生しやすい部位にこのエアセル10を用いることで、高機能であるのに簡素な構造のエアマットを提供することができる。

    本発明に係るエアセルは、常時伏せっていることが多い、患者や老人等用のエアマットに利用することができとともに、健常者用のエアマットにも用いることが可能である。

    10 エアセル11 上層部12 中層部13 下層部14 仕切膜14a 通気孔15 仕切膜15a 通気孔16 給気口17 他の給気口130 展開層部131 内側フィルム132 外側フィルム

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