Air mattress

申请号 JP2010024876 申请日 2010-02-05 公开(公告)号 JP5468928B2 公开(公告)日 2014-04-09
申请人 パラマウントベッド株式会社; 发明人 田中  良; 梨香 松宮; 健太 大野;
摘要
权利要求
  • 夫々複数個の袋状セルから構成されエアマットレスの長手方向に並ぶ複数個のエアセル群と、
    給排気ポンプと、
    前記エアセル群のうちエアセル群毎に独立した1又は複数の第1の系統及び複数のエアセル群の中の特定の袋状セル毎に独立した1又は複数の第2の系統で前記袋状セルと前記給排気ポンプとを連結するエアチューブと、
    前記各第1及び第2の系統毎に前記袋状セル内の圧力を測定する圧力センサと、
    前記第1の系統及び第2の系統に対する給排気ポンプの給排気を制御する制御部と、
    を有し、
    前記複数個のエアセル群のうち1又は複数個の特定エアセル群は、夫々、上段、中段及び下段の3段の袋状セルが前記エアマットレスの長手方向に並んで構成されており、前記下段の袋状セルは前記第1の系統により圧力制御され、前記中段の袋状セルは前記第2の系統により圧力制御されており、前記上段の袋状セルは、その下方の中段の袋状セルに連通していることを特徴とするエアマットレス。
  • 前記複数個のエアセル群は、前記エアマットレス上に横たわる人の少なくとも頭部、肩部、背部、臀部、大腿部、膝部及び踵部に対応して並置されており、
    前記特定エアセル群は、前記背部、臀部及び大腿部に対応するエアセル群であることを特徴とする請求項1に記載のエアマットレス。
  • 前記上段及び中段の袋状セルは、夫々少なくともその側面が円弧状に形成されており、前記上段の袋状セルの円弧状部分の曲率半径は、前記中段の袋状セルの円弧状部分の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のエアマットレス。
  • 前記制御部は、前記下段の袋状セルの圧力を前記中段の袋状セルよりも大きくなるように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエアマットレス。
  • 前記制御部は、前記エアセル群のうち少なくとも前記エアマットレス上に横たわる人の頭部のエアセル群の圧力を一定に保持し、踵部のエアセル群の袋状セルを一定周期ごとに膨張又は収縮させ、前記背部及び大腿部のエアセル群の圧力が臀部のエアセル群の圧力よりも高くなるように制御することを特徴とする請求項2に記載のエアマットレス。
  • 前記頭部及び踵部のエアセル群の袋状セル、並びに前記背部、臀部及び大腿部のエアセル群の下段の袋状セルは、前記第1の系統に前記エアチューブを介して接続されており、
    前記制御部は、前記第1の系統により給気される袋状セルの圧力を設定目標値とするために、前記圧力センサによる測定値が前記設定目標値よりも低下し、測定値と設定目標値との差が5%以上になった期間が4秒以上となったときに、その系統について、前記給排気ポンプによる給気を開始し、前記圧力センサによる測定値が前記設定目標値以上となったときに、前記給排気ポンプによる給気を停止することを特徴とする請求項5に記載のエアマットレス。
  • 前記第2の系統は2以上の系統により構成され、前記肩部及び膝部のエアセル群の袋状セル、並びに前記背部、臀部及び大腿部のエアセル群の上段の袋状セルは、夫々前記第2の系統のいずれかの系統に前記エアチューブを介して接続され、各エアセル群内で各系統毎に順次膨張と収縮を繰り返すように制御可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載のエアマットレス。
  • 说明书全文

    本発明は、エアマットレスに関し、特に、複数個の袋状セル内の圧を独立した系統で調節可能であるエアマットレスに関する。

    従来、エアマットレスとしては、複数個の袋状セルを適宜膨張及び収縮させて、例えばエアマットレス上に横たわる人に褥瘡が発生することを防止したり、人に対する接触感を向上させる構成のものが使用されている。 例えば、特許文献1には、ベースシート上に袋状のエアセルを複数本並置して形成したエアマットレスにおいて、全てのエアセルを仕切り板により上部層と下部層とに分離し、全てのエアセルを上部層及び下部層にて、夫々膨張又は収縮させてエアマットレス上に横たわる人に褥瘡が発生することを防止する技術が開示されている。

    また、特許文献2には、4枚の可撓性シートを重ね合わせて、周縁部を接着固定し、可撓性シート間に空気を充填することにより、エアマットレスを3層のエアセルにより構成し、各エアセル内の圧力を個別に調整することにより、エアマットレス上の人に褥瘡が発生することを防止する技術が開示されている。

    特許文献3には、1個の第1セルの上に、第1セルよりも小径の第2及び第3セルを形成して、第1セルと第2及び第3セルとを連通させたエアマットレス用エアセルが開示されている。 そして、このようにエアセルを構成することにより、複数個のエアセルを並置したエアマットレス上に人が横たわった際に、第2セルと第3セルとが人に接触する面積が増え、かつ第2セルと第3セルとが互いに離隔するように移動するため、エアセル全体が潰れにくくなり、人への接触圧が低減されることが開示されている。

    特許文献4には、弾性材料によって形成された保持部材の内部にて複数本のエアセルをエアマットレスの長手方向に並ぶように設け、エアセル内の圧力を調整することにより、エアマットレス上に横たわる人に褥瘡が発生することを防止する技術が開示されている。

    特許文献5には、エアマットレス上に横たわる人の褥瘡が発生した部位にマットレスからの反発力が負荷されることを防止する技術が開示されており、直方体状の多数個のエアセルをエアマットレスの長手方向及び幅方向に並置し、人の褥瘡発生部位に磁性を有するマーカを取り付け、各エアセルに設けた磁気センサによりマーカの位置を検出し、検出したマーカ位置に対応するエアセル内の圧力を小さくする技術が開示されている。

    登録実用新案第3115039号公報

    特開2002−136396号公報

    特開2008−125798号公報

    特開2000−189288号公報

    特開2007−144007号公報

    しかしながら、上述の従来技術には以下のような問題点がある。 特許文献1のエアマットレスは、全てのエアセルを上部層及び下部層にて夫々膨張及び収縮させる構成であるため、エアマットレス上に横たわる人の特定の部位、例えば臀部にマットレスから大きな反発力が負荷される等により、寝心地が低下してしまう。

    また、特許文献2のエアマットレスにおいても、第1、第2及び第3セルを夫々同一の圧力に設定するため、特許文献1の技術と同様に、エアマットレス上に横たわる人の特定の部位、例えば臀部にマットレスから大きな反発力が負荷される等により、寝心地が低下してしまう。 また、特許文献2のエアセルは、上面と下面とを複数個の点状の接着部により接着し、これにより、複数個の凸形状を形成しているが、エアセルをこのように構成した場合、仮に接着部が剥離してしまうと、エアセルが1個の大きな袋状に膨れ上がってしまい、エアマットレスとして機能しなくなる。

    特許文献3のエアセルは、構造が複雑であり、部材同士の接着部分も多く、製造コストが高くなるという問題点がある。

    特許文献4のエアマットレスは、全ての袋状セル内の圧力を一定の値に設定するため、特許文献1及び2の技術と同様に、寝心地が低下してしまう。

    特許文献5のエアマットレスは、エアセルを多数個設置する必要があり、構造が複雑であるばかりか、各エアセルに磁気センサも設置する必要があり、製造コストが高くなる。

    本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、各袋状セル内の圧力が可変である構成のエアマットレスにおいて、エアマットレス上に横たわる人の寝心地を低下させることがないエアマットレスを提供することを目的とする。

    本発明に係るエアマットレスは、夫々複数個の袋状セルから構成されエアマットレスの長手方向に並ぶ複数個のエアセル群と、給排気ポンプと、前記エアセル群のうちエアセル群毎に独立した1又は複数の第1の系統及び複数のエアセル群の中の特定の袋状セル毎に独立した1又は複数の第2の系統で前記袋状セルと前記給排気ポンプとを連結するエアチューブと、前記各第1及び第2の系統毎に前記袋状セル内の圧力を測定する圧力センサと、前記第1の系統及び第2の系統に対する給排気ポンプの給排気を制御する制御部と、を有し、前記複数個のエアセル群のうち1又は複数個の特定エアセル群は、夫々、上段、中段及び下段の3段の袋状セルが前記エアマットレスの長手方向に並んで構成されており、前記下段の袋状セルは前記第1の系統により圧力制御され、前記中段の袋状セルは前記第2の系統により圧力制御されており、前記上段の袋状セルは、その下方の中段の袋状セルに連通していることを特徴とする。

    上述のエアマットレスにおいて、例えば前記複数個のエアセル群は、前記エアマットレス上に横たわる人の少なくとも頭部、肩部、背部、臀部、大腿部、膝部及び踵部に対応して並置されており、前記特定エアセル群は、前記背部、臀部及び大腿部に対応するエアセル群である。

    また、例えば前記上段及び中段の袋状セルは、夫々少なくともその側面が円弧状に形成されており、前記上段の袋状セルの円弧状部分の曲率半径は、前記中段の袋状セルの円弧状部分の曲率半径よりも小さい。

    上述のエアマットレスにおいて、例前記制御部は、前記下段の袋状セルの圧力を前記中段の袋状セルよりも大きくなるように制御することが好ましい。

    前記制御部は、例えば前記エアセル群のうち少なくとも前記エアマットレス上に横たわる人の頭部のエアセル群の圧力を一定に保持し、踵部のエアセル群の袋状セルを一定周期ごとに膨張又は収縮させ、前記背部及び大腿部のエアセル群の圧力が臀部のエアセル群の圧力よりも高くなるように制御する。

    この場合に、前記頭部及び踵部のエアセル群の袋状セル、並びに前記背部、臀部及び大腿部のエアセル群の下段の袋状セルは、前記第1の系統に前記エアチューブを介して接続されており、前記制御部は、前記第1の系統により給気される袋状セルの圧力を設定目標値とするために、前記圧力センサによる測定値が前記設定目標値よりも低下し、測定値と設定目標値との差が5%以上になった期間が4秒以上となったときに、その系統について、前記給排気ポンプによる給気を開始し、前記圧力センサによる測定値が前記設定目標値以上となったときに、前記給排気ポンプによる給気を停止する。

    また、例えば前記第2の系統は2以上の系統により構成され、前記肩部及び膝部のエアセル群の袋状セル、並びに前記背部、臀部及び大腿部のエアセル群の上段の袋状セルは、夫々前記第2の系統のいずれかの系統に前記エアチューブを介して接続され、各エアセル群内で各系統毎に順次膨張と収縮を繰り返すように制御可能である

    本発明のエアマットレスは、第1の系統及び第2の系統の吸排気系統を有し、特定エアセル群において、下段の袋状セルは第1の系統により圧力制御され、中段の袋状セルは第2の系統により圧力制御されており、上段の袋状セルは、その下方の中段の袋状セルに連通している。 これにより、エアセル群毎に個別に圧力を制御することができ、更に、特定エアセル群においては、上段及び中段の袋状セルと下段の袋状セルとを夫々独立した系統で圧力制御することができ、エアマットレス上に横たわる人の体の部位に合わせて圧力を制御することができるだけでなく、特定エアセル群の部分においては、下段の袋状セルにより人体を安定的に支持した状態で、上段及び中段の袋状セルの圧力を寝心地を低下させることがない圧力に設定することができる。 よって、本発明のエアマットレスによれば、エアマットレス上に横たわる人の寝心地を低下させることがない。

    (a)は、本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、3段の袋状セルを示す横断面図、(b)は同じく縦断面図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、3段の袋状セルを示す斜視図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、各袋状セルへの給排気系統を示す模式図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、各袋状セルと給排気ポンプの配置を示す平面図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスを示す斜視図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、給排気ポンプ及びコネクタを示す斜視図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、エアチューブ側のコネクタを示す平面図である。

    (a)、(b)は、本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、エアチューブ側コネクタをその嵌合面側から見た図である。

    (a)乃至(c)は、本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、コネクタの離脱工程を示す一部平面図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、各系統の袋状セルについて内部圧力の設定工程を示すフローチャートである。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、褥瘡防止機能を動作させた際の各給排気系統の動作を時間的に示す図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、モード移行時における各系統の袋状セルについて内部圧力の設定工程を示すフローチャートの一部である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、モード移行時における各系統の袋状セルについて内部圧力の設定工程を示すフローチャートの一部であり、図11のステップ12以後の工程を示す。

    モード移行時における各系統の袋状セルについて、各給気系統の動作を時間的に示す図である。

    本発明の第2実施形態に係るエアマットレスにおいて、系統A及び系統Bに対する給排気動作を示す図である。

    本発明の実施形態に係るエアマットレスを電動ベッドの背ボトム上に載置した場合を示す模式図である。

    以下、本発明の実施形態に係るエアマットレスについて、添付の図面を参照して具体的に説明する。 図1(a)は、本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、3段の袋状セルを示す横断面図、図1(b)は同じく縦断面図、図2は3段の袋状セルを示す斜視図である。 図3は本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、各袋状セルへの給排気系統を示す模式図、図4は本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、各袋状セルと給排気ポンプの配置を示す平面図、図5は本発明の実施形態に係るエアマットレスを示す斜視図である。 また、図6は本実施形態の給排気ポンプ及びコネクタを示す斜視図、図7は本実施形態のエアチューブ側コネクタを示す平面図、図8(a)及び図8(b)は本実施形態のエアチューブ側コネクタをその嵌合面側から見た図、図9は本実施形態のエアマットレスにおいて、コネクタの離脱工程を示す図であり、図6の断面Aにおける断面図である。

    先ず、本実施形態のエアマットレスの構成について説明する。 図3乃至5に示すように、本実施形態のエアマットレス1には、夫々複数個の袋状セル17から構成された複数個のエアセル群10と、給排気ポンプ11と、各エアセル群10の袋状セル17を給排気ポンプ11に接続するエアチューブ13と、各エアセル群10に対して給排気ポンプによる給排気を制御するマットレス制御回路15とが設けられている。 本実施形態においては、図3乃至5に示すように、複数個のエアセル群10、エアチューブ13及び給排気ポンプ11が一体的に構成されている。

    図4に示すように、複数個のエアセル群10の各袋状セル17は、例えばエアマットレス1の幅方向に延びる棒状のセルであり、複数個の袋状セル17がエアマットレスの長手方向に並置されることにより、エアマットレス本体を構成している。 そして、図3及び図4に示すように、複数個の袋状セル17は、エアマットレス1の長手方向について、エアマットレス1に横たわる人の頭部、肩部、臀部、大腿部、膝部及び踵部に対応して夫々複数個並置され、人体の各部位に対応するエアセル群10a乃至10eを構成している。 本実施形態においては、図3に示すように、人の背部、臀部及び太腿部に対応する袋状セル17は、上段と下段に分離され、夫々別の系統により空気圧が制御される。 各袋状セル17は、夫々、例えばナイロン繊維等の樹脂材を縫製することにより袋状に形成したものであり、隣接して配置された袋状セル17同士は、例えば縫製により固定されている。 なお、袋状セル17同士の固定は、例えば接着によって行ってもよい。 このように、エアマットレス1の幅方向に延びる複数個の棒状のセルをエアマットレスの長手方向に並置し、各袋状セル17の内部に空気を充填することにより、エアマットレス1はマットレス上に横たわる人の身体を支える。 そして、袋状セル17内部の空気圧を人体の各部位に応じて調整することにより、例えば背部及び大腿部の袋状セル内の圧力を臀部の袋状セル内の圧力より大きくすることにより、体圧分散を図ることができる。 複数個の袋状セル17には、夫々、少なくとも1カ所にエアチューブ13を接続するための給排気用端子が設けられている。 本実施形態においては、各袋状セルには、夫々1カ所に給排気用の端子17dが設けられており、この給排気端子にエアチューブ13を接続することにより、各系統のエアチューブ13を介して袋状セルに給排気を行い、各袋状セルが膨張又は収縮可能に構成されている。 エアチューブ13は、例えば塩化ビニール等の樹脂製のものが好適に使用される。

    マットレス上に横たわる人の背部、臀部及び大腿部に対応するエアセル群10c乃至10eの各袋状セル17は、図1及び図2に示すように、上部側の袋状セルと下部側の袋状セル17cとに分離され、上部側の袋状セルと下部側の袋状セル17cとが例えば接着により固定されたものである。 更に、上部側の袋状セルは、その内部にて、例えばナイロン繊維等からなる仕切り部材が設けられており、上段の袋状セル17aと中段の袋状セル17bとに仕切られている。 図1(b)に示すように、仕切り部材は、例えば上段の袋状セル17aと中段の袋状セル17bとの境界の両端部を除く部分に配置されており、従って、上段の袋状セル17aと中段の袋状セル17bとは、袋状セルの長手方向の両端部において連通している。 これにより、上段の袋状セル17aの内部と圧力と中段の袋状セル17bの内部圧力とが等しくなるように圧力を制御することができるように構成されている。

    図1(a)に示すように、上段の袋状セル17aと中段の袋状セル17bとは、夫々、少なくともその側面が円弧状に形成されている。 そして、上段の袋状セル17aの円弧状部分の曲率半径R は、中段の袋状セルの円弧状部分の曲率半径R よりも小さい。 上段及び中段の袋状セル17a、17bの円弧状部分の曲率半径をこのように設定することにより、同じ内圧の袋状セルにおいて、上段の袋状セル17aの表面における表面張力を低減することができ、これにより、人が接触した場合の接触感を和らげることができる。 即ち、一般に、袋状体において、内圧と表面張力とは、下記数式によって表すことができ、内圧が一定である場合、表面張力は、袋状体の曲率半径に比例する。 従って、側面の曲率半径が小さい上段の袋状セル17aは、中段の袋状セル17bに比して、表面張力が小さく、接触した際に、柔らかい接触感となる。 なお、下記数式において、pは内圧を示し、Rは曲率半径を示し、γは表面張力を示す。

    図3に示すように、本実施形態においては、エアマットレス上に横たわる人の頭部に対応するエアセル群10aの複数個の袋状セルは、1系統の独立した給排気系統で給気又は排気されるように共通のエアチューブ13に接続され、踵部のエアセル群13gの複数個の袋状セルは、1系統の独立した給排気系統で給気又は排気されるように共通のエアチューブ13に接続されている。 更に、エアマットレス上に横たわる人の背部に対応するエアセル群10cの袋状セルのうち、下段の袋状セルは、大腿部のエアセル群10eの下段の袋状セルと共通のエアチューブ13に接続されて、1系統の独立した給排気系統(系統A)で給気又は排気されるように構成されている。 同様に、臀部のエアセル群10dの下段の袋状セルは、1系統の独立した給排気系統(系統B)で給気又は排気されるように共通のエアチューブ13に接続されている。 本実施形態においては、更に、エアマットレス上に横たわる人の肩部に対応するエアセル群10bの複数個の袋状セルは、3系統の独立した給排気系統(系統1、系統2及び系統3)のいずれかにエアチューブ13を介して接続されており、これにより、夫々独立して給気又は排気されるように構成されている。 同様に、背部(上段)、臀部(上段)、大腿部(上段)及び膝部のエアセル群10c乃至10fの複数個の袋状セルも、3系統の独立した給排気系統(系統1、系統2及び系統3)のいずれかにエアチューブ13を介して接続されており、これにより、夫々独立して給気又は排気されるように構成されている。 そして、図3及び図4に示すように、肩部から膝部にかけて、系統1、系統3、系統2、系統1、系統3・・・というように、3系統の各給排気系統の袋状セルが順次及び交互に配置されている。 そして、同一の給排気系統(系統1、系統2、系統3)の袋状セルは、夫々共通のエアチューブ13に接続されている。 更にまた、本実施形態においては、更に、1系統の独立した系統で給気される噴気用のエアチューブ13がマットレスの下面に敷設されており、噴気用エアチューブに給気することにより、噴気用エアチューブの外面に設けられた複数個の噴気孔から空気を噴出し、マットレスの除湿を行うことができるように構成されている。 即ち、本実施形態においては、マットレス利用者の頭部、踵部、臀部(下段)、並びに背部(下段)及び大腿部(下段)のブロック制御用の4系統の給排気系統が設けられており、系統1、系統2及び系統3の交互膨縮用の3系統の給排気系統と、噴気用の1系統の給気系統との合計8系統の給排気系統が設けられている。 これにより、袋状セル内部の空気圧を体の部分に応じて個別に調整して、体圧分散を図ることができる。 本実施形態においては、エアマットレス上に横たわる人の頭部に対応するエアセル群10aの圧力を一定に保持し、踵部のエアセル群の袋状セル10gを一定周期ごとに膨張又は収縮させ、背部及び大腿部のエアセル群10c、10eの圧力を臀部のエアセル群10dより大きくする。 なお、本発明においては、各袋状セル17には、内部圧力を計測するための圧力センサが設置され、圧力センサによる計測値を後述するベッドの制御回路に出力するように構成されている。 この場合に、全ての袋状セル17に圧力センサを設置してもよいし、同一系統の給排気系統に対しては、設置する圧力センサを共通化してもよい。

    図4に示すように、複数個のエアセル群10の袋状セル17のうち、エアマットレス上に横たわる人の踵部に対応して配置されたエアセル群10gの袋状セル17は、例えば他のエアセル群(10a乃至10f)の袋状セル17よりも長さが短く、他のエアセル群10の袋状セル17は、エアマットレスの縁部まで延びている。 従って、踵部に対応するエアセル群10gの袋状セル17は、エアマットレスの縁部との間に空間が残されている。 エアマットレス上に横たわる人の踵部に対応して配置された袋状セル10gは、例えば他のエアセル群10a乃至10fの袋状セル17の長さの30%以下短い。 即ち、複数個の袋状セル17が配列されて全体として平面視で矩形となるように形成された袋状セルの集合体において、その4隅のうち、エアマットレス上に横たわる人の踵部側の一方の隅部には、袋状セル17が配置されていない空間が残されている。

    給排気ポンプ11は、この袋状セル17が配置されていない空間において、例えばその長手方向が各袋状セル17の長手方向に対して垂直の方向となるように、即ち、エアマットレス上に横たわる人の頭部から踵部に向かう方向に長手方向を有するように配置されている。 これにより、給排気ポンプ11は、全体として平面視で矩形となるように構成されたエアマットレス1の4隅のうち、エアマットレス上に横たわる人の踵部に対応する隅部に配置されている。 この踵部の側部に対応する部分は、エアマットレス利用者が寝返りをうってもその身体が接触しにくい部分であり、寝心地を損なうことはない部分である。 仮に接触したとしても、それは踵であるから、ポンプの存在により寝心地が悪くなることはない。 給排気ポンプ11を複数個のエアセル群10からなるエアマットレスの幅及び長さの範囲内の領域に設置することにより、ポンプ11をエアマットレスの外部に設置する必要はなく、その取り扱いは容易である。 給排気ポンプ11の高さは、例えば各エアセル群10の袋状セル17の高さ以下であり、空気が充填された各袋状セル17に比して硬度が高い給排気ポンプ11がエアセル群10よりも高さ方向に突出することが防止され、例えばサイドレールを有するベッド上に設置されたエアマットレスにおいて、エアマットレス上に横たわる人の位置がサイドレールの高さ以上となることが防止されるように構成されている。 なお、給排気ポンプ11は、その外面が例えばウレタン等の柔軟性のある部材により覆われており、エアマットレス上の人又は介護者等が給排気ポンプ11に接触した場合の衝撃を和らげると同時に、給排気ポンプ11を保護するように構成されている。

    図5に示すように、本実施形態においては、複数個のエアセル群10と給排気ポンプ11とは、例えばナイロン繊維をポリウレタンでコーティングした1枚のトップカバー14により覆われて上面を保護されている。 トップカバー14でエアセル群10及び給排気ポンプ11の上面を覆うことにより、給排気ポンプ11は、エアマットレス1の幅方向の一方の側面と、エアマットレス1の長手方向におけるエアマットレス利用者の踵部に対応する側の側面と、下面とが外部に露出している。 なお、本実施形態の如く、トップカバー14を設置する場合においては、例えば複数個のエアセル群10からなるエアセル群の集合体及び/又は給排気ポンプ11をトップカバー14に固定するための構造が設けられ、給排気ポンプ11は、例えばエアセル群10に固定されている。

    図5に示すように、給排気ポンプ11は、例えばエアマットレス1の長手方向の端部にて外部に露出した側面に、電源入力用のコードと、マットレス制御回路15に接続されてマットレス制御回路15との間で信号を送受信するコードと、手元スイッチ16との間で信号を送受信するコードとが夫々1本ずつ設けられている。 手元スイッチ16には、例えば系統1、系統2及び系統3の給気系統のエアチューブ13に連通した袋状セル17への給気量及び排気量を連続的に変化させることにより、エアマットレス上に横たわる人の肩部から膝部にかけて隣接するセル同士を交互膨縮させて、マットレス利用者の身体の一部分に一定の圧力が負荷されないようにする褥瘡防止モード等、エアマットレスの圧力を切り替えるスイッチが設けられている。 給排気ポンプ11は、電源から入力された電力により駆動され、手元スイッチ16から入力された指示に基づいてマットレス制御回路15との間で信号を送受信することにより、例えばポンプ11内に設けられたファンの回転数を変化させて上述の7系統の給気系統及び1系統の排気系統のエアチューブ13への給気量及び排気量を制御し、各給気系統のエアチューブ13に連通した袋状セル17の内部圧力を制御するように構成されている。 手元スイッチには、褥瘡防止モード用スイッチの他に、例えばエアマットレス上に人が横たわった状態で搬送する際に、エアマットレスの各袋状セル内の空気を排気しないように排気孔を閉じる搬送モード用スイッチが設けられている。

    本実施形態においては、図6に示すように、エアチューブ13は給排気ポンプ11にコネクタ12を介して接続されている。 給排気ポンプ側のコネクタ110は、例えば給排気ポンプ11の長手方向において、電源コードとは逆側の側面に2カ所設けられている。 本実施形態においては、各給排気ポンプ側のコネクタ110には、夫々4個の給排気口110aが設けられており、給排気ポンプ11に合計8個設けられた給排気口110aのうち、7個は給排気口として構成されており、頭部、踵部、系統1乃至3、並びに系統A及びBにエアチューブ13を介して接続された袋状セルに対して給排気を行う。 また、8個の給排気口110aのうちの残りの1個は給気口として構成されており、マットレスの下面に敷設した噴気用エアチューブに給気することにより、噴気用エアチューブ外面に設けられた複数個の噴気孔から空気を噴出し、マットレスの除湿を行うことができる。 なお、本実施形態においては、図7に示すように、エアチューブ側のコネクタ12は、4本のエアチューブ13を接続することができるものであり、従って、図6に示すように、2個のエアチューブ側コネクタ12を給排気ポンプ11に接続することにより、8系統の給排気系統に対応する袋状セル17内の圧力を制御する。 なお、図8(b)においては、8系統の給排気系統に対応する吸排気端子12aの配置を一例として示してある。

    図6に示すように、給排気ポンプ側の2個のコネクタ110には、夫々4個の給排気口110aが設けられており、この給排気口110aに、図7に示すエアチューブ側コネクタ12の吸排気端子12aを挿入し、コネクタカバー12b側面の突起を給排気ポンプ側コネクタ110の内面の凹部に係合させることにより、給排気ポンプ側のコネクタ110にエアチューブ側のコネクタ12を嵌合させる。 なお、エアチューブ側コネクタ12の吸排気端子12aには、その外面にゴムシール12cが設けられており、給排気口110aと吸排気端子12aとの間のシール性を高めている。

    本実施形態においては、図9に示すように、コネクタ12を給排気ポンプ11から離脱させると、全てのエアチューブ13は、夫々8系統の給排気系統への連通が解除され、従って、袋状セルの内部圧力の制御も解除され、全袋状セル内の空気は各給排気系統のエアチューブ13から速やかに排気されるように構成されている。

    図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施形態のコネクタ12は、コネクタカバー12bの前端縁は相互に対向する方向に延出しており、コネクタカバー12bの後端縁を相互に接近する方向に押圧すると、コネクタカバー12b側面の突起と給排気ポンプ側コネクタ110の内面の凹部との係合が外れると同時に、図9(b)に示すように、コネクタカバー12bの延出先端部は、給排気ポンプ側コネクタ110の給排気口が設けられた面(嵌合面)を押圧するように構成され、コネクタの取り外しが容易となるように構成されている。

    マットレス制御回路15は、例えば手元スイッチ16及び給排気ポンプ11の外部に設けられており、手元スイッチ16及び給排気ポンプに夫々接続されている。 本実施形態においては、マットレス制御回路15は、各エアセル群10に対する給排気ポンプ11の給排気を制御して、各袋状セル17内の圧力が各給排気系統毎に所定の設定目標値となるように制御する。 また、マットレス制御回路15は、各給気系統毎に設置された圧力センサによる測定値と設定目標値との差が5%以上になった期間が4秒以上となったときに、その系統について、給排気ポンプ11による給気を開始し、圧力センサによる測定値が設定目標値以上となったときに、給排気ポンプ11による給気を停止するように構成されている。

    次に、本実施形態のエアマットレスの動作について説明する。 本実施形態においては、例えば手元スイッチ16のスイッチを操作すると、手元スイッチ16からの入力信号は、先ず、給排気ポンプ端部のコードを介してマットレス制御回路15に入力される。 そして、マットレス制御回路15は、受信した信号に基づいて、例えば給排気ポンプ11内のファンの回転数等を制御する。 これにより、給排気ポンプの各給排気系統に接続されたエアチューブ13への給排気量を調整することにより、各給気系統のエアチューブ13に連通した袋状セル17の内部圧力を制御する。

    この際、マットレス制御回路15は、ブロック制御用の4系統の給気系統に接続されたエアチューブ13に対しては、踵部のエアセル群10gを除いては、夫々対応する袋状セル内の圧力が常時一定となるように制御する。 踵部のエアセル群10gについては、一定周期毎に所定の圧力の範囲で膨張又は収縮するように圧力を制御する。 即ち、エアマットレス上に横たわる人の体重が例えば30乃至135kgである場合においては、人の頭部に対応するエアセル群10aの袋状セルの内部圧力を例えば1.6乃至4.3kPa、踵部に対応するエアセル群10gの袋状セルの内部圧力を例えば1.1乃至3.0kPa、背部及び大腿部に対応する下段のエアセル群10c、10e(系統A)の袋状セルの内部圧力を1.5乃至6.4kPa、臀部に対応する下段のエアセル群10d(系統B)の袋状セルの内部圧力を1.1乃至3.3kPaとなるように各エアセル群毎に個別に制御する。 エアマットレス上に横たわる人の頭部に対応するエアセル群10aの袋状セルの内部圧力を一定となるように制御することにより、人が仰臥した状態で人体の背部側に突出した骨(後頭骨)に対応する部位を安定的に支持することができる。 また、人の背部及び大腿部に対応する下段のエアセル群10c、10e(系統A)の袋状セルの内部圧力を臀部に対応する下段のエアセル群10d(系統B)の袋状セルの内部圧力よりも大きく制御することにより、マットレス側に突出し、従って、仰臥した状態で体重が他の部位に比して大きく負荷される臀部をその両側、即ち、背部及び大腿部に対応するエアセル群10c、10eの袋状セルにより安定的に支持することができ、これにより、体圧分散を図り、エアマットレス上の人の臀部に負荷されるエアマットレスからの反発力が大きくなって褥瘡が発生することを防止することができる。 更に、踵部のエアセル群10gを一定周期毎に膨張又は収縮させることにより、踵部を支持する部分を、一定周期毎に太腿と踵とで切り替え、人の踵にマットレスからの反発力が長時間負荷されることを防止することができる。

    このとき、マットレス制御回路15は、特に、系統A及び系統Bにより吸排気されるエアセル群17c乃至17eについては、下段の袋状セル17cの内部圧力を上段及び中段の袋状セル17a、17bよりも大きくなるように制御する。 これにより、下段の袋状セル17cにより人を安定的に支持しつつ、下段の袋状セル17cよりも圧力が小さい上段及び中段の袋状セル17a、17bにより人に対するマットレスからの反発力を低減し、更に上段の袋状セル17aにより、人に対する接触感を和らげることができ、エアマットレス上に横たわる人の寝心地を低下させることがない。

    次に、本実施形態のエアマットレスにおいて、マットレス制御回路15による内圧制御について説明する。 各給気系統に接続された袋状セル内の圧力を調整する際には、マットレス制御回路15は、例えば図10に示すフローチャートにより圧力制御を行う。 圧力制御の開始時点においては、周期カウントn の初期値は、0である。 まず、各給気系統毎に設置された圧力センサにより袋状セル内の圧力を測定する(ステップS1)。 次に、マットレス制御回路15は、全ての袋状セル内の圧力が設定目標値の95%を超えているかを判定する(ステップS2)。 このとき、各袋状セル内の圧力が設定目標値の95%を超えている場合には、マットレス制御回路15は、圧力制御を終了する(ステップS3)。 一方、内部圧力が設定目標値の95%以下である袋状セルが1つでもあった場合には、マットレス制御回路15は、圧力センサによる測定値と設定目標値との差が5%以上になった期間を計測する(ステップS4)。 そして、マットレス制御回路15は、計測した期間が4秒以上となったかどうかを判定する。 圧力センサによる測定値と設定目標値との差が5%以上である袋状セルが存在した期間が4秒未満であった場合には、再度ステップS1に戻る。 一方、圧力センサによる測定値と設定目標値との差が5%以上である袋状セルが存在した期間が4秒以上となった場合には、マットレス制御回路15は、各給排気系統毎に、順次、給排気ポンプ11による給気を開始する(ステップS5)。 例えば系統Bの給気系統に接続された袋状セル17内の圧力が低下し、所定の設定目標値との差が5%以上になった期間が4秒以上となった場合には、マットレス制御回路15は、系統Bの各袋状セルに給気する。 また、例えば、系統Bの給気系統に接続された袋状セル17内の圧力が、期間計測の途中において、設定目標値の95%以上となった場合においても、例えば系統Aの給気系統に接続された袋状セル17内の圧力が低下し、設定目標値との差が5%以上となった状態が継続していれば、マットレス制御回路15は、期間の計測を継続する。 継続して計測された期間が4秒に達する前に全ての袋状セル内の圧力が設定目標値の95%を超えた場合には、期間の計測を終了し、再度ステップS1に戻る。

    各給気系統毎の給気期間t は例えば60秒に設定され、この給気期間t の間に、給気対象の袋状セルの内部圧力が設定目標値以上となったら、その系統については、給排気ポンプ11による給気を停止し、次の系統に対する給気を開始する。 所定の給気期間t の間に給気対象の袋状セルの内部圧力が設定目標値以上とならない場合には、その系統については、給気を停止し、次の系統に対する給気を開始する。 そして、全ての系統について、給気が終了したら、周期カウントn を1増やす(ステップS6)。 そして、マットレス制御回路15は、ステップS1乃至ステップS6の一連の動作を1周期として、圧力制御を最大で2周期繰り返す。 そして、各周期毎に周期カウントn の数値判定を行う(ステップS7)。 周期カウントn が2を超えた場合には、エラー処理として、例えばマットレスの圧力制御状態が異常であることを手元スイッチ16のモニタに表示する(ステップS8)。

    このように、本実施形態のエアマットレスにおいては、マットレス制御回路15は、各系統毎に圧力を測定して給気を行い、圧力センサによる測定値が設定目標値以上となったときに、給排気ポンプ11による給気を停止する。 よって、本実施形態のマットレスは、全ての袋状セルに給気する場合に比して、所定の圧力目標値への設定が速やかに行われ、応答性が高い。

    次に、本実施形態のエアマットレスについて、褥瘡防止機能を動作させた際の、各給気系統の動作を説明する。 エアマットレスの褥瘡防止機能の動作時には、マットレス制御回路15は、交互膨縮用の3系統の吸気系統に対しては、例えば、図11に示すように、先ず、系統1の吸気系統に給気し、系統2の給気系統については排気を行うように制御する。 系統3の給気系統については給気及び排気を行わない。 これにより、系統2のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力が最も小さくなり、その直前まで内部圧力が最も小さかった系統1のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力が、系統3のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力とほぼ等しくなる。 系統A及びB、並びに頭部及び踵部の給気系統に対しては給排気を行わない。 この際、マットレス制御回路15は、圧力センサによる計測値により、各系統への給気量又は給気時間を適宜制御し、各系統の袋状セル17の内部圧力を所定の設定目標値に設定する。

    この場合においては、マットレス制御回路15は、交互膨縮用の系統1乃至3の膨張対象の給気系統については、給気期間を例えば最大170秒とし、収縮対象の系統については、排気期間を例えば最大120秒とし、例えば系統1への給気開始から所定の期間後に系統2からの排気を行うように制御する。 これにより、系統1のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力が設定目標値以上となるまで膨張させた後に系統2を排気するため、マットレスによる支持力が損なわれることはない。 そして、系統1の給気期間及び系統2の排気期間が終了したら、例えば各給気系統の袋状セル内の圧力を一定に保持する。 この圧力保持期間は、例えば120秒であり、圧力維持期間及び前記系統1乃至3への給排気動作の期間の間に、例えば系統A及び系統Bの圧力が低下し、系統A及び系統Bに設置された圧力センサによる測定値と設定目標値との差が5%以上になった期間が4秒以上となったら、マットレス制御回路15は、図6に示すように、系統A、系統Bの順に、給排気ポンプ11による給気を行い、袋状セル17内の圧力が設定目標値以上となったら、給排気ポンプ11による給気を停止する。 これにより、系統A及び系統Bの袋状セル内の圧力が設定目標値以上となる。

    続いて、マットレス制御回路15は、図11に示すように、系統2の吸気系統に給気し、系統3の給気系統については排気を行うように制御する。 系統1の給気系統については給気及び排気を行わない。 これにより、系統3のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力が最も小さくなり、その直前まで内部圧力が最も小さかった系統2のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力が系統1のエアチューブに連通している袋状セル17の内部圧力とほぼ等しくなる。 系統A及びB、並びに頭部及び踵部の給気系統に対しては給排気を行わない。

    引き続いて、同様に、例えば120秒の圧力保持期間の後、系統3の吸気系統に給気し、系統1の給気系統については排気を行うように制御する。 系統2の給気系統については給気及び排気を行わない。 これにより、系統1乃至3に対する一連の給排気動作が1周期する。 この1周期の排気動作時には、系統1からの排気終了と同時に噴気用エアチューブからの噴気を行う。

    以上のように、各給排気系統のエアチューブ13に連通した袋状セルの内部圧力を制御することにより、人が仰臥した状態で、マットレスの表面に触れる皮膚が柔らかい部分、即ち、人の肩部、背部、臀部、大腿部及び膝部に対応するエアセル群10の袋状セルの内部圧力を交互に膨張及び収縮させることができ、皮膚の特定の部分に長時間同一の圧力が負荷されて褥瘡が発生することを防止することができる。

    また、同時に、給排気動作を行わない系統についても、圧力センサにより各系統毎に袋状セル内の圧力を測定し、内部圧力値が設定目標値よりも小さい場合には、所定の期間後に、給排気ポンプ11による給気を行う。 よって、各系統の袋状セル内の圧力を所定の圧力目標値に容易に設定することができる。

    次に、本実施形態のエアマットレスにおいて、例えば手元スイッチ16の操作によるモード移行時の動作について説明する。 図12及び図13は、本発明の実施形態に係るエアマットレスにおいて、モード移行時における各系統の袋状セルについて内部圧力の設定工程を示すフローチャート、図14は、モード移行時における各系統の袋状セルについて、各給気系統の動作を時間的に示す図である。 なお、本実施形態においては、モード移行とは、エアマットレスの電源オン時及び褥瘡防止機能の開始時のことである。

    エアマットレスの電源オン時及び褥瘡防止機能においては、例えば手元スイッチ16の操作により、電源をオンする、又は褥瘡防止機能の動作を開始する。 この際には、先ず、各給気系統毎に設置された圧力センサにより、袋状セル17内の圧力を測定する(ステップ10)。 周期カウントn の初期値は0である。 次に、マットレス制御回路15は、圧力センサによる測定値により、全ての系統の袋状セル内の圧力が設定目標値以下であるかを判定する(ステップS11)。 全ての系統の袋状セル内の圧力が設定目標値以下であった場合には、給気行程へと移る(ステップS12)。 一方、袋状セル内の圧力が設定目標値を超えた系統が1系統でもあった場合には、全ての袋状セルについて、各系統毎に排気を行い(ステップS13、図13の前半部分)、周期カウントn を1加算する(ステップS14)。 各給気系統につき、排気時間はt (例えば10乃至50秒)である。 続いて、各給気系統毎にセル内の圧力を測定する(ステップS15)。 そして、マットレス制御回路15は、圧力センサによる測定値により、全ての系統の袋状セル内の圧力が設定目標値以下であるかを判定する(ステップS16)。 全ての系統の袋状セル内の圧力が設定目標値以下であった場合には、給気行程へと移る(ステップS12)。 袋状セル内の圧力が設定目標値以上である系統が1系統でもあった場合には、再度、ステップS13乃至ステップS16の動作に戻り、ステップS13乃至ステップS16の一連の動作を1周期として、排気動作を最大で10周期繰り返す。 そして、周期カウントn の大きさを判定し(ステップS17)、周期カウントn が10を超えた場合には、エラー処理として、例えばマットレスの圧力制御状態が異常であることを手元スイッチ16のモニタに表示する(ステップS18)。

    ステップS12により、給気工程に移行できた場合には、図13のフローチャートにより給気を行う。 周期カウントの初期値n は0である。 この際、先ず、全ての袋状セルについて、各系統毎に給気を行う(ステップS20、図14の後半部分)。 給気時間は、最大t 秒(例えばエアマットレス起動時:300秒、褥瘡防止機能等の他モード移行時:60秒)である。 そして、マットレス制御回路15は、全ての袋状セル内の圧力が設定目標値以上であるかを判定する(ステップS21)。 全ての袋状セル内の圧力が設定目標値以上であった場合には、給気工程を終了する(ステップS22)。 一方、袋状セル内の圧力が設定目標値未満である系統が1系統でもあった場合には、周期カウントn を1増やして(ステップS23)、再度ステップS20に戻る。 そして、ステップS20乃至ステップS21の一連の動作を1周期として、給気動作を最大でm周期(例えばエアマットレス起動時:m=3、褥瘡防止機能等の他モード移行時:m=2)繰り返す。 そして、周期カウントn の大きさを判定し(ステップS24)、周期カウントn がmを超えた場合には、エラー処理として、例えばマットレスの圧力制御状態が異常であることを手元スイッチ16のモニタに表示する(ステップS25)。 以上の工程により、本実施形態においては、モード移行時においても各袋状セル内の圧力を設定目標値を基準として速やかに設定することができる。 即ち、全ての袋状セル内の圧力を設定目標値よりも小さくした上で、各系統毎に給気していき、内部圧力値が設定目標値以上となった系統については、順次、給気を終了していくため、各系統の圧力値が、順次速やかに設定目標値以上に設定されていく。

    以上のように、本実施形態においては、各エアセル群が人の体の部位に応じて配置されており、夫々、エアセル群毎に独立した系統で給排気を行って内圧制御することができる。 更に、人の背部、臀部及び大腿部に対応するエアセル群が夫々上段、中段及び下段の3段に形成され、上段の袋状セルと中段の袋状セルとが連通しており、上段及び中段の袋状セルと下段の袋状セルとを夫々独立した系統で圧力制御することができる。 これにより、エアマットレス上に横たわる人の体の部位に合わせて圧力を制御することができるだけでなく、背部、臀部及び大腿部に対応するエアセル群においては、下段の袋状セルにより人を安定的に支持しつつ、下段の袋状セルよりも圧力が小さい上段及び中段の袋状セルにより人に対するマットレスからの反発力を低減し、更に上段の袋状セルにより、人に対する接触感を和らげることができる。 よって、本実施形態のエアマットレスは、エアマットレス上に横たわる人の寝心地を低下させることがない。

    また、マットレス制御回路15は、各系統毎に圧力を測定して給気を行い、圧力センサによる測定値が設定目標値以上となったときに、給排気ポンプ11による給気を停止する。 よって、本実施形態のマットレスは、全ての袋状セルに給気する場合に比して、所定の圧力目標値への設定が速やかに行われ、応答性が高い。

    そして、エアマットレスの起動時及び褥瘡防止機能の開始時等のモード移行時においても、マットレス制御回路15は、全ての袋状セル内の圧力を設定目標値よりも小さくした上で、各系統毎に給気していき、内部圧力値が設定目標値以上となった系統については、順次、給気を終了していくため、各系統の圧力を速やかに設定目標値以上に設定することができる。

    次に、本発明の第2実施形態に係るエアマットレスについて説明する。 図16に示すように、第2実施形態においては、エアマットレス1は、背ボトムが起き上がり可能なベッド2のボトム上に載置されて使用される。 本実施形態においては、ベッド2は、電動ベッドであり、手元スイッチ2cからの入力に基づいてアクチュエータ2b先端のピストンロッドを進出又は待避させ、これにより、ピストンロッドの先端に連結されたベッドの各リンク機構を連動させて背上げ又は背下げ動作を行う構成である。

    本実施形態においては、マットレス制御回路15は、電動ベッド2の制御回路2aに接続されており、例えば電動ベッドの制御回路2aから背ボトムの背上げ度が信号として入力される。 そして、この背上げ角度の信号により、例えば予め設定された圧力値となるように、例えば各背上げ角度に対応して給排気ポンプ11の各給排気系統のファンの回転数を制御することにより、前記8系統の給排気系統に連通した袋状セル内の圧力を夫々制御するように構成されている。 その他の構成は第1実施形態と同様である。

    次に、本実施形態のエアマットレスの動作について説明する。 本実施形態においては、電動ベッド2のベッド用手元スイッチ2cを操作すると、ベッド用手元スイッチからの指令は、先ず電動ベッド2の制御回路2aに入力される。 そして、電動ベッド制御回路2aは、ベッド用手元スイッチからの信号により、アクチュエータ2b先端のピストンロッドを進出又は待避する長さを決定し、これにより、背ボトムの背上げ角度を決定する。 次に、電動ベッド制御回路2aは、マットレス制御回路15に背ボトムの背上げ角度についての信号を送信する。 これにより、マットレス制御回路15は、入力された背上げ角度の信号に対応して、各給排気系統に連通した各袋状セルの最適圧力を決定する。 このとき、マットレス制御回路15は、例えば背部及び大腿部のエアセル群10c、10eの圧力を臀部のエアセル群10dの圧力よりも高くし、更に、背ボトムが起き上がる角度が大きくなる程、臀部のエアセル群10dの圧力を大きくするように、各給排気系統に連通した各袋状セル17の内部圧力を制御する。

    次に、電動ベッド制御回路2aは、例えばアクチュエータ2bに電力を供給することによりアクチュエータ2bを動作させて、背ボトムを背上げする。 図15に示すように、本実施形態においては、マットレス制御回路15は、ベッドの背上げ動作が停止し、背上げ角度が確定したら、先ず、系統Aの給気系統に対する給気を開始し、系統Aに接続された袋状セル内の圧力を設定目標値とする。 続いて、マットレス制御回路15は、系統Bの給気系統に対する給気を開始し、系統Bに接続された袋状セル内の圧力を設定目標値とする。 その後、例えば、マットレス制御回路15は、図12乃至図14に示す工程により、各系統の袋状セル内の圧力を設定目標値とし、その後、図10に示す通常の圧力調整モードに移行する。

    本実施形態においては、各系統の圧力の設定目標値は、電動ベッド2の背ボトムが所定の背上げ角度となるように背上げ又は背下げされた状態において、最適な値に設定される。 なお、この袋状セルの内部圧力の設定値とは、エアマットレス上の人の体重をマットレス上に均一に分散させ、例えばマットレス利用者に局所的に大きな圧力が負荷されたり、マットレス利用者が異物感等の不快感を覚えることがない圧力であり、実験等により経験値として設定されるものである。 そして、本実施形態においても、例えば第1実施形態と同様に内部圧力を制御する。 また、人の背部及び大腿部に対応するエアセル群10c、10e(系統A)の袋状セルの内部圧力を臀部に対応するエアセル群10d(系統B)の袋状セルの内部圧力よりも大きくなるように制御する。 また、背部及び大腿部のエアセル群10c、10eの圧力は、背ボトムが起き上がる角度が大きくなる程、各エアセル群内の圧力を大きくするように制御する。

    本実施形態においては、マットレス制御回路15は、ベッドの背ボトムが起き上がった状態で、エアマットレス1上に横たわる人の背部及び大腿部を支持するエアセル群(夫々10c、10e)の圧力を増加させるように制御する。 これにより、第1実施形態の効果に加えて、ベッドの背ボトムを起き上がり動作させた場合においても、人の背部及び大腿部を支持するエアセル群により、エアマットレス上の人の臀部をその両側から安定的に支持することができる。 また、ベッドの背ボトムを起き上がり動作させた場合においても、人の臀部に対応するエアマットレス1上に、局所的に大きな圧力が負荷され、エアマットレス1のうち、人の臀部に対応する部分が押圧されて大きく沈み込む底突きが発生することが防止され、マットレス利用者を安定的に支持することができる。

    また、本実施形態においては、背ボトムが起き上がったときに、エアマットレス1上に横たわる人の臀部を支持するエアセル群10dの圧力を増加させるのではなく、臀部の両側の背部及び大腿部を支持するエアセル群(夫々10c、10e)の圧力を増加させるため、人の臀部に負荷されるエアマットレスからの反発力が大きくなって寝心地を低下させることはなく、エアマットレスにより、効果的に体圧分散することができる。

    更に、本実施形態においては、マットレス制御回路15は、背ボトムが起き上がる角度が大きくなる程、臀部のエアセル群10dの圧力を大きくするように各エアセル群の圧力を制御するため、背上げ角度によらず、上述の効果を得ることができる。

    なお、本実施形態においても、ベッド2の背ボトムを背上げ動作させた状態において、各袋状セル内の圧力を連続的に変化させる構成のエアマットレスとすることができる。

    また、本実施形態のエアマットレスは、以下の構成とすることにより、エアマットレス上に横たわる人の体重によらず、上述の効果を得ることができる。 即ち、体重を手元スイッチ16に入力することができるように構成し、マットレス制御回路15が人の体重が重い程、各エアセル群の圧力を大きくなるように制御するように構成する。 このように、エアマットレスを構成することにより、例えば人の体重が重い場合において、例えば臀部に対応する位置にて、マットレスの沈み込みが体重が軽い人に比して大きくなることを防止することができる。

    この場合において、例えばエアマットレス1を載置するベッドの例えばその4隅に夫々荷重センサを設け、この荷重センサにより、エアマットレス上の人の体重を検出するように構成し、荷重センサにより検出されたエアマットレス上の人の体重を電動ベッドの制御回路2aを介して、マットレス制御回路15に入力されるように構成してもよい。

    1:エアマットレス、10:エアセル群、11:給排気ポンプ、110:(給排気ポンプ側)コネクタ、110a:給排気口、12:(エアチューブ側)コネクタ、12a:給排気用端子、12b:コネクタカバー、12c:ゴムシール、13:エアチューブ、14:トップカバー、15:マットレス制御回路、16:手元スイッチ、17:袋状セル、17a:上段の袋状セル、17b:中段の袋状セル、17c:下段の袋状セル、2:電動ベッド、2a:電動ベッド制御回路、2b:アクチュエータ、2c:電動ベッド用手元スイッチ、23:荷重センサ

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