膨縮機能付きエアマットレス

申请号 JP2014141170 申请日 2014-07-09 公开(公告)号 JP2016016151A 公开(公告)日 2016-02-01
申请人 パラマウントベッド株式会社; 发明人 大野 健太; 田中 良; 植木 伸次;
摘要 【課題】膨縮機能をもつエアマットレスにおいて、その圧 力 調整の迅速化と、圧力調整の際のポンプ動作音に起因するベッド利用者の不快感の軽減とを図ることができる膨縮機能付きエアマットレスを提供する。 【解決手段】エアマットレス2の初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時に、多くのエアセル3に大量の空気を供給する必要がある場合は、可及的に迅速にエアセル3を膨張させるために、給排気ポンプ11をその最大駆動能力に近い駆動力(第1出力)で動作させる。また、ベッド利用者がベッド上に横たわっているような定常時に、交互膨縮又は底付き防止等のために、給排気ポンプ11を駆動する必要がある場合には、第1出力よりも低い第2出力又は第3出力で、給排気ポンプ11を駆動する。 【選択図】図1
权利要求

ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、前記エアセルが無圧の状態から通常使用状態まで前記エアセルを膨張させる際に、前記ポンプの能力をその最大能力以下の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に交互に膨縮させる交互膨縮動作時に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする膨縮機能付きエアマットレス。ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧力の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、エアマットレスの初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時に、前記ポンプの能力をその最大能力以下の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に膨張させる際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする膨縮機能付きエアマットレス。ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧力の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、患者のリハビリテーションの際、患者が端座位位置に着座する際、又はギャッチベッドの背上げ動作の際に、前記ポンプの能力をその最大能力以下の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に膨張させる際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする膨縮機能付きエアマットレス。背ボトムを含む複数個のボトム上に前記エアマットレスを載置し、前記背ボトムを上昇させる背上げ動作を行うギャッチベッドに使用されるエアマットレスであり、 前記制御部は、更に、前記背上げ動作時に、ベッド利用者の臀部に相当する位置のエアセルの圧力を高める際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第3出力に設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膨縮機能付きエアマットレス。前記エアセルは、ベッド長手方向の脚側の端部に配置された一部が、それ以外の部分に配置されたものよりも、ベッド幅方向の長さが短寸であり、この短寸のエアセルとベッド側縁との間のエアセルが占めていないベッド上の空間に前記給排気ポンプが配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の膨縮機能付きエアマットレス。

说明书全文

本発明は、ベッド幅方向に延びる複数個のエアセルを、ベッド長手方向に並置したエアマットレスに関し、特に、複数個のエアセルを交互膨縮することにより、ベッド利用者の褥瘡等を防止するようにした膨縮機能付きエアマットレスに関する。

エアマットレスは、ベッド幅方向に延びる複数個のエアセルを、ベッド長手方向に並置し、各エアセルに空気を供給して膨張させることにより、クッション性を付与したマットレスである(特許文献1)。このエアマットレスにおいて、各エアセルに対し、順次、収縮させる交互膨縮を行うように、制御するものがある。これにより、ベッド利用者が常時エアマットレス上に横臥する場合に比して、ベッド利用者に褥瘡が発生することを効果的に防止することができる。この交互膨縮においては、例えば、複数個のエアセルに対し、2コおきに、同一タイミングで、収縮及び膨張を繰り返す。即ち、ベッド長手方向に並置されたエアセルに対し、全てのエアセルが膨張した状態から、ベッド長手方向に対して1番目のエアセルと、4番目のエアセルと、7番目のエアセル・・・の圧を抜き(空気を排出し)、収縮させ、その後、これらのエアセルの圧力を高め(空気を供給し)、膨張状態に戻す。次いで、2番目のエアセルと、5番目のエアセルと、8番目のエアセル・・・の圧力を抜いて収縮させ、その後、これらのエアセルの圧力を高めて膨張状態に戻す。次いで、3番目のエアセル、6番目のエアセル、9番目のエアセル・・・に対して、同様の圧力制御を行う。その後、1番目等のエアセルに対して、同様の圧力制御を行う等、このようなエアセルの圧力制御を繰り返し行い、エアセルを交互膨縮させることにより、ベッド利用者の褥瘡等を防止することができる。

一方、エアセルに対する空気の供給及び排出には、通常、ダイヤフラム式ポンプが使用されている。このダイヤフラム式ポンプにおいては、ダイヤフラムを線形運動を行うリニアモーターにより往復駆動し、ダイヤフラムを往復移動させることにより、空気をエアセルに供給し、エアセルから空気を排出する。

特開2014−46043号公報

ところで、このエアマットレスは、初期稼働時、又はメインテナンス後の再稼働時には、全てのエアセルに、無圧の状態から空気を供給して、全てのエアセルの圧力を所定圧まで上げて、これを膨張させる必要がある。このとき、上記初期稼働時又は再稼働時には、可及的に速やかに空気圧を、0から所定圧力まで上昇させたいという要求がある。例えば、患者の入院時には、エアマットレスの全てのエアセルに対し、空気を供給して、各エアセルの空気圧を、所定値まで高める。即ち、患者が入院する際、看護師は、入院患者の受け入れ操作をする必要があるが、この受け入れ操作の前に、予め、準備期間を設けて、エアマットレスの全てのエアセルに、空気を供給する作業を行う。従来、この無圧の状態から、全てのエアセルの圧力を所定圧力まで上げるために、約30分間という準備期間が必要であった。そして、この準備期間を経なければ、入院患者の受け入れ作業を行うことができず、看護師にとって、無駄な待機期間となっていた。これを防止するためには、定常時に使用する給排気ポンプとは別に、大容量の給排気ポンプを別途用意して、この大容量ポンプにより、初期稼働時又は再稼働時に、エアマットレスに空気を供給して使用可能状態にする必要があり、コストの上昇及び作業の煩雑が問題となる。

また、患者がエアマットレス上に横臥した状態で、前述の如く、褥瘡防止のために、エアセルを交互膨縮させる場合にも、モータ駆動のダイヤフラム式ポンプにより、エアセルの空気を給排する必要がある。このダイヤフラム式ポンプの駆動のために、音がするため、エアマットレス上に横たわる患者にとって、このポンプの駆動音が障りになることがある。

更に、エアマットレスの空気圧力を調整する機会としては、背ボトムを上昇及び下降させる背上げ動作を行うギャッチベッドにおいて、背上げ時にベッド利用者の体重がエアマットレスに局所的に印加されて、その身体が、エアマットレス内に沈み込むことがないようにするために、エアマットレスの圧力を、例えば、臀部の近傍のエアセルのみ高めるように制御することがある。逆に、背下げ動作時には、高めていた臀部のエアセルの圧力を低下させて、他の部分のエアセルと同一圧力に制御する。このギャッチベッドの背上げ背下げ動作時においても、モータ駆動のダイヤフラム式ポンプの動作音により、ベッド利用者に不快感を与える可能性がある。

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、膨縮機能をもつエアマットレスにおいて、その圧力調整の迅速化と、圧力調整の際のポンプ動作音に起因するベッド利用者の不快感の軽減とを図ることができる膨縮機能付きエアマットレスを提供することを目的とする。

本発明に係る膨縮機能付きエアマットレスは、 ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧力の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、前記エアセルが無圧の状態から通常使用状態まで前記エアセルを膨張させる際に、前記ポンプの能力をその最大能力近傍の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に交互に膨縮させる交互膨縮動作時に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする。

本願発明に係る他の膨縮機能付きエアマットレスは、 ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧力の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、エアマットレスの初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時に、前記ポンプの能力をその最大能力近傍の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に膨張させる際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする。

本発明に係る更に他の膨張機能付きエアマットレスは、 ベッド幅方向に延びると共に、ベッド長手方向に並置された複数個のエアセルと、 前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を行う給排気ポンプと、 前記給排気ポンプによる前記各エアセルに対する空気の供給及び排出を制御し、前記エアセル内の空気の圧力の上昇及び下降を制御する制御部と、 を有し、 前記給排気ポンプは、前記エアセルに対し、全てのエアセルが無圧の無圧状態から、全てのエアセルが最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有し、 前記制御部は、患者のリハビリテーションの際、患者が端座位位置に着座する際、又はギャッチベッドの背上げ動作の際に、前記ポンプの能力をその最大能力以下の第1出力に設定し、 前記エアセルを選択的に膨張させる際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第2出力に設定することを特徴とする。

これらの膨縮機能付きエアマットレスにおいて、例えば、 このエアマットレスは、背ボトムを含む複数個のボトム上に前記エアマットレスを載置し、前記背ボトムを上昇させる背上げ動作を行うギャッチベッドに使用されるエアマットレスであり、 前記制御部は、更に、前記背上げ動作時に、ベッド利用者の臀部に相当する位置のエアセルの圧力を高める際に、前記ポンプの能力を前記第1出力よりも低い第3出力に設定することを特徴とする。

また、例えば、 前記エアセルが、ベッド長手方向の脚側の端部に配置された一部が、それ以外の部分に配置されたものよりも、ベッド幅方向の長さが短寸であるように構成し、この短寸のエアセルとベッド側縁との間のエアセルが占めていないベッド上の空間に前記給排気ポンプを配置することができる。

本発明によれば、エアマットレスの初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時のように、給排気ポンプがエアセルに大量の空気を急速に供給する必要があるとき(第1態様)は、制御部は、前記給排気ポンプをその最大能力に近い第1出力で駆動し、例えば、交互膨縮のように、定常の動作時で、ベッド上にベッド利用者が横臥している場合(第2態様)には、制御部は、前記給排気ポンプを前記第1出力よりも小さい第2出力で駆動する。これにより、第1態様においては、最大能力に近い第1出力で給排気ポンプが駆動されるので、急速にエアセルを膨張させることができ、迅速に使用の準備ができる。この場合、前記給排気ポンプは、最大能力に近いので、ポンプの駆動音は高い。一方、第2態様においては、制御部は、前記給排気ポンプを第1出力よりも低い第2出力で駆動するので、給排気ポンプの動作音は小さく、ベッド上に寝ているベッド利用者に不快感を持たせることはない。特に、給排気ポンプをベッド上の脚部の近傍に配置した場合、例えば、通常の交互膨縮時の給排気ポンプの動作音が、ベッド利用者(ベッド上に横臥する患者等)にとって、不快感を与えることがあるが、本願発明によれば、このような不快感を与えずに済むという効果がある。

本発明の実施形態のエアマットレスを使用したギャッチベッドを示す図である。

本発明の実施形態のエアマットレスを示す平面図である。

本発明の実施形態のエアマットレスを示す斜視図である。

以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態のエアマットレス2が使用されたギャッチベッドを示し、図2は、エアマットレス2の平面図、図3は、エアマットレス2の斜視図である。このギャッチベッドにおいて、背ボトム1a、腰ボトム1b、臀部ボトム1c、大腿部ボトム1d、膝ボトム1e、脚ボトム1fが、ベッドの長手方向に配置されている。そして、これらのボトムのうち、背ボトム1a、大腿部ボトム1d、及び脚ボトム1fが、リンク機構及び駆動シリンダにより、回転及び移動することにより、背ボトム1aが背上げ及び背下げ動作を行うことができる。大腿部ボトム1d及び脚ボトム1fは背ボトム1aの上昇及び下降に伴い、従属的に動作する。背ボトム1a、大腿部ボトム1d、及び脚ボトム1fの駆動シリンダは、電動ベッド制御回路4aにより制御される。また、この電動ベッド制御回路4aに対する操作指令は、電動ベッド用手元スイッチ4cに入力することにより行われる。

ギャッチベッドは、電動ベッド用手元スイッチ4cの操作により、アクチュエータ4b先端のピストンロッドを進出又は待避させ、ピストンロッドの先端に連結されたベッドの各リンク機構を連動させて、電動式に各ボトムを背上げ又は背下げ動作させる電動ベッドである。例えば、アクチュエータ4bのピストンロッドには、外部センサ(図示せず)として歪ゲージが設けられており、電動ベッドのボトムを介してピストンロッドに負荷される荷重を検出可能である。また、アクチュエータ4bの駆動に必要とする電流を制御回路4aが検出することにより、ピストンロッドに負荷される荷重を検出可能に構成することもできる。また、電動ベッドには、外部センサ(図示せず)として、起き上がり動作を行う背ボトムの起き上がり度を検出するためのセンサが設けられている。なお、電動ベッドとしては、背ボトムだけに限らず、膝ボトムも同時に起き上がり可能な構成のベッドもあり、この場合においても、膝ボトムのリンク機構に連結したアクチュエータ4bのピストンロッドに設けた歪みゲージにより、膝ボトムに負荷される荷重を計測することができ、また、膝ボトムの起き上がり角度を検出するセンサを設けることもできる。

これらのボトム1a〜1f上には、エアマットレス2が載置されている。このエアマットレス2は、図2に示すように、ベッド幅方向に延びる複数個の袋状のエアセル3を、ベッド長手方向に並置したものである。そして、ベッドの頭側から脚側に向けて、ベッド利用者の頭部10a、肩部10b、背部10c、臀部10d、大腿部10e、膝部10f、脚部10gに対応して、夫々、複数個のエアセル3が並置されている。

そして、頭部10a、肩部10b、背部10c、臀部10d、大腿部10e、膝部10fの各エアセル3は、ベッド幅方向にその幅寸法の全域で延びており、脚部10gのエアセル3は、同様にベッド長手方向に延びているが、その長さは、他の部分のエアセル3よりも短い。そして、この脚部10gのエアセル3と、ベッド側縁との間のベッド上に、給排気ポンプ11が配置されている。この給排気ポンプ11には、マットレス制御回路15が接続されており、マットレス制御回路15には、マットレス用手元スイッチ16が接続されている。

脚部10gのエアセル3の長さは、他のエアセル3よりも30%以下長さが短い。即ち、複数個の袋状セルが配列されて全体として平面視で矩形となるように形成された袋状セルの集合体において、その4隅のうち、エアマットレス上に横たわる人の踵部側の一方の隅部には、袋状セルが配置されていない空間が残されている。給排気ポンプ11は、この袋状セル3が配置されていない空間において、例えばその長手方向が各袋状セル3の長手方向に対して垂直の方向となるように、即ち、エアマットレス上に横たわる人の頭部から脚部に向かう方向に長手方向を有するように配置されている。これにより、給排気ポンプ11は、全体として平面視で矩形となるように構成されたエアマットレス2の4隅のうち、マットレス上に横たわる人の踵部に対応する隅部に配置される。この踵部の側部に対応する部分は、エアマットレス利用者が寝返りをうってもその身体が接触しにくい部分であり、寝心地を損なうことはない。給排気ポンプ11を、複数個のエアセル3からなるエアマットレス2の幅及び長さの範囲内の領域に設置することにより、ポンプ11をエアマットレス2の外部に設置する必要はなく、その取り扱いが容易になる。給排気ポンプ11の高さは、例えば各エアセル群10の袋状セルの高さ以下であり、空気が充填された各袋状セルに比して硬度が高い給排気ポンプ11がエアセル3よりも高さ方向に突出することが防止され、例えばサイドレールを有するベッド上に設置されたエアマットレス2において、エアマットレス2上に横たわる人の位置がサイドレールの高さ以上となることが防止される。なお、給排気ポンプ11は、その外面が例えばウレタン等の柔軟性のある部材により覆われており、エアマットレス2上の人又は介護者等が給排気ポンプ11に接触した場合の衝撃を和らげると同時に、給排気ポンプ11を保護するようにすることもできる。

図3に示すように、本実施形態においては、複数個のエアセル3と給排気ポンプ11とは、例えばナイロン繊維をポリウレタンでコーティングした1枚のトップカバー14により覆われて上面を保護されている。トップカバー14でエアセル群10及び給排気ポンプ11の上面を覆うことにより、給排気ポンプ11は、エアマットレス1の幅方向の一方の側面と、エアマットレス1の長手方向におけるマットレス利用者の踵部に対応する側の側面と、下面とが外部に露出している。なお、本実施形態の如く、トップカバー14を設置する場合においては、例えば複数個のエアセル3の集合体及び/又は給排気ポンプ11をトップカバー14に固定するための構造が設けられ、給排気ポンプ11はエアセル3に固定される。図3に示すように、給排気ポンプ11は、例えばエアマットレス1の長手方向の端部にて外部に露出した側面に、電源入力用のコードと、マットレス制御回路15に接続されてマットレス制御回路15との間で信号を送受信するコードと、手元スイッチ16との間で信号を送受信するコードとが設けられている。なお、本実施形態においては、手元スイッチ16が設けられているが、給排気ポンプ11は、電源から入力された電力により駆動され、マットレス制御回路15との間で信号を送受信することにより、エアセル3の圧力を調整できるようにしてもよい。

本実施形態においては、給排気ポンプ11は、エアセル3に対し、全てのエアセル3が無圧の状態から、全てのエアセル3が最大圧力に膨張する膨張状態まで、所定の時間以下で空気を供給できる能力を有する。全てのエアセル3が無圧の状態という場合は、例えば、エアマットレスの初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時に、そのような状態になる。そして、所定の時間とは、全てのエアセル3に対して空気を供給して、全てのエアセル3を膨張させ、エアマットレス2を使用できる状態にできるまでの時間である。この所定の時間は、エアマットレス2の初期稼働時又は再稼働時に、空気の供給操作を行う看護師等が待つことができる時間であり、この時間が長すぎると、看護師が入院患者の受け入れのための入院準備時間の中で、無駄な待機時間が発生してしまう。よって、この待機時間は、なるべく短い方が良い。この待機時間が短いと、看護師が入院患者に他の入院に必要な事項を説明している間に、エアマットレス2の全てのエアセル3が膨張し、エアマットレス2が使用可能な状態になる。よって、患者は、看護師からの入院事項の説明後、直ちに、エアマットレス2を使用することができるようになり、看護師は、患者への入院事項の説明後、直ちに、他の業務に移ることができるようになる。具体的には、例えば、給排気ポンプ11を、交流100Vで駆動し、給排気ポンプ11から、14〜17Nリットル/分の吐出速度で、空気をエアセル3へ供給する。このようにして、エアセル3が無圧の状態から通常使用状態までエアセル3を膨張させる際には、ポンプ11の能力をその最大能力近傍の第1出力に設定し、可及的速やかに全てのエアセル3を膨張させる。

一方、ベッド上に患者等のベッド利用者が横たわり、エアマットレス2が通常の使用状態にあるときは、患者の褥瘡防止のために、エアセル3を交互膨縮することがある。この交互膨縮とは、例えば、図2に示すように、頭部10a側から脚部10g側に向けて複数個のエアセル3が並置されたエアマットレス2において、2個おきに同一の態様で、エアセル3に対して空気の排出(圧力低下によるエアセル3の収縮)及び空気の供給(圧力上昇によるエアセル3の膨張)を行い、この膨張及び収縮を繰り返すことである。即ち、各エアセル3は、頭部10a側から順に、第1系統、第2系統,第3系統、第1系統、第2系統、第3系統、・・・のパイプに接続されて、これらの3系統のパイプを介して給排気ポンプ11に接続されていて、マットレス制御部15が、各系統毎に、独立して、給排気ポンプ11における空気圧の上昇及び下降を制御する。そして、制御部15は、全てのエアセル3が膨張状態にあるときから、例えば、第1系統に接続されたエアセル3について、空気の排出による圧力低下と、それに続く空気の供給による圧力上昇とを行い、その後、第2系統に接続されたエアセル3について、空気の排出による圧力低下と、それに続く空気の供給による圧力上昇とを行う。このようにして、順次、系統毎に、圧力の低下及び上昇を行う。この通常制御時の第1系統の空気圧の下降及び上昇、第2系統の空気圧の下降及び上昇、第3系統の空気圧の下降及び上昇からなる一周期の制御は、例えば,各系統につき5分間、3系統全ての一周期につき15分間である。このように、通常制御時に、エアセル3の膨縮を、15分間周期で実施することにより、ベッド利用者の褥瘡が抑制される。このエアマットレスの通常使用時には、前記第1出力よりも低い第2出力で、給排気ポンプ11を駆動する。この第1出力より低い第2出力は、その給排気ポンプ11の駆動により発生する動作音が、ベッド利用者に対して不快感を与えない程度であり、可及的に小さい方が好ましいが、褥瘡防止のために、エアセル3を所定の周期以上の頻度で交互膨縮させる必要がある。よって、給排気ポンプ11の動作音と、褥瘡防止のための交互膨縮の頻度(周期)とを勘案して、通常使用時の給排気ポンプ11の出力を決めることが必要である。例えば、この定常時の給排気ポンプ11の駆動は、交流34Vを印加して、給排気ポンプ11の吐出量を6〜8Nリットル/分とする。このとき、平均的な給排気ポンプであれば、動作音を30dB以下にすることができ、ベッド上に横たわる患者の睡眠等を妨げない程度の騒音とすることができる。

また、図1に示すギャッチベッドにおいては、背上げ動作時に、臀部10dに、ベッド利用者の体重が集中的に作用し、この臀部10dのエアセル3に作用する荷重により、この臀部10dのエアセル3が収縮し、ベッド利用者がエアマットレス2に沈み込んでしまうことがある。そうすると、ベッド利用者の臀部が、臀部ボトム1cに接触し、所謂底付きによりベッド利用者に不快感を与えてしまう。この場合に、背上げ動作時に、臀部10d等に対応する部分のエアセル3の空気圧を上げることにより、底付きを防止することができる。この場合も、給排気ポンプ11を、第1出力よりも低い第3出力で駆動することにより、ベッド上に横たわるベッド利用者に対し、不快な騒音を及ぼすことを回避することができる。

次に、上述のごとく構成された本実施形態の動作について説明する。エアマットレス2の初期稼働時又はメインテナンス後の再稼働時に、多くのエアセル3に大量の空気を供給する必要がある場合、可及的に迅速にエアセル3を膨張させるために、給排気ポンプ11をその最大駆動能力に近い駆動力で動作させるために、第1出力で駆動する。このときは、給排気ポンプ11からの動作音は、比較的高いが、ベッド上に患者が横たわっているわけではないので、騒音の観点からは問題がない。給排気ポンプ11をその最大能力に近い駆動力で動作させるので、迅速に全てのエアセル3を膨張させることができ、看護師の負担を軽減することができる。また、ベッド利用者がベッド上に横たわっているような定常時に、交互膨縮又は底付き防止等のために、給排気ポンプ11を駆動する必要がある場合には、第1出力よりも低い第2出力又は第3出力で、給排気ポンプ11を駆動する。これにより、給排気ポンプ11の駆動時の駆動音に起因する騒音が、ベッド利用者に不快感を与えることを防止できる。定常時は、全てのエアセル3ではなく、一部のエアセル3に対する空気の供給及び排出であり、またそのときの膨縮速度は、必ずしも高速でなくてもよいので、給排気ポンプ11の駆動力を低くしても、その動作上、問題がない。

なお、本実施形態は、上述のように、第1出力,第2出力及び第3出力の3段階出力制御であるが、これに限らず、第1出力と、これより低出力の第2出力の2段階出力制御、又は逆に4段階以上の出力制御としてもよいことは勿論である。また、高出力の第1出力に設定する場合としては、患者がベッド上でリハビリテーションする際、患者が端座位位置に着座する際、又はギャッチベッドの背上げ動作の際等に、エアマットレスの全体の圧力を可及的速やかに高めたい場合にも、ポンプの最大能力近傍の高出力の第1出力に設定する。

1a〜1f:ボトム 2:エアマットレス 3:エアセル 11:給排気ポンプ 15:マットレス制御回路

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