マットレス

申请号 JP2016040393 申请日 2016-03-02 公开(公告)号 JP2017153743A 公开(公告)日 2017-09-07
申请人 住友理工株式会社; 发明人 中村 康寛; 佐藤 侑; 御崎 晶嗣; 早川 知範;
摘要 【課題】マットレスカバーの変形特性への影響を抑えつつ、圧 力 センサによる圧力検出を 精度 よく実現することができる、新規な構造のマットレスを提供すること。 【解決手段】使用者を支持する支持面38を構成するマットレス本体12が設けられていると共に、支持面38に作用する圧力を検出する可撓性シート状の圧力センサ42を備えているマットレス10において、マットレス本体12に対して 位置 決めされて支持面38を覆うように配される支持面カバー60を備えていると共に、支持面カバー60には支持面カバー60に対する圧力センサ42の面方向での移動を許容しながら支持面カバー60に対する圧力センサ42の面方向での移動量を制限する位置決め手段70が設けられて、圧力センサ42が位置決め手段70によって支持面38上に位置決めされている。 【選択図】図1
权利要求

使用者を支持する支持面を構成するマットレス本体が設けられていると共に、該支持面に作用する圧を検出する可撓性シート状の圧力センサを備えているマットレスにおいて、 前記マットレス本体に対して位置決めされて前記支持面を覆うように配される支持面カバーを備えていると共に、該支持面カバーには該支持面カバーに対する該圧力センサの面方向での移動を許容しながら該支持面カバーに対する該圧力センサの面方向での移動量を制限する位置決め手段が設けられて、該圧力センサが該位置決め手段によって該支持面上に位置決めされていることを特徴とするマットレス。前記支持面カバーには前記位置決め手段として袋状のポケット体が設けられており、前記圧力センサが該ポケット体に非固着で収容されて前記支持面上に位置決めされている請求項1に記載のマットレス。前記ポケット体の開口部を開閉する開閉手段が設けられている請求項2に記載のマットレス。前記ポケット体には保持クッションが収容されており、該保持クッションが前記支持面と前記圧力センサの間に配されている請求項2又は3に記載のマットレス。前記マットレス本体が中空構造のセルを備えており、前記支持面の少なくとも一部が該セルで構成されていると共に、該セル内の流体室に対する流体の給排によって該セルが伸縮可能とされている請求項1〜4の何れか一項に記載のマットレス。複数の前記位置決め手段が前記支持面カバーに設けられており、それら複数の該位置決め手段によって各一つの前記圧力センサが位置決めされている請求項1〜5の何れか一項に記載のマットレス。前記位置決め手段が弾性変形可能とされている請求項1〜6の何れか一項に記載のマットレス。前記位置決め手段が前記支持面カバーに対して取外し不能に設けられていると共に、該位置決め手段に対して前記圧力センサが分離可能とされている請求項1〜7の何れか一項に記載のマットレス。前記位置決め手段が前記支持面カバーに対して着脱自在とされている請求項1〜7の何れか一項に記載のマットレス。前記圧力センサは、対向配置された電極間に絶縁性の誘電体層を配してなる圧力検出部の複数が二次元的に配された構造を有する静電容量型圧力センサとされており、 前記支持面に対する圧力の作用時に該電極間の距離の変化によって生じる該圧力検出部の静電容量の変化量に基づいて該支持面に作用する圧力が検出されるようにした請求項1〜9の何れか一項に記載のマットレス。

说明书全文

本発明は、例えばベッドなどに敷かれて、使用者を支持するマットレスに関するものである。

従来から、ベッド上などに敷かれて、使用者を載せて支持するマットレスが知られている。マットレスは、一般的に、金属ばねとウレタンフォームなどのクッションとを組み合わせた構造や中空のセルを複数並べて配設した構造などを有するマットレス本体を備えており、使用者の体圧を分散して良好な寝心地を提供するなどの目的で使用されている。

ところで、マットレス本体の支持面に作用する使用者の体圧分布などの情報を取得するために、マットレスに圧センサを設けることも提案されている。圧力センサは、特表2012−523299号公報(特許文献1)に示されているように、マットレス本体の支持面上に配されており、使用者と支持面の間での圧縮を検出することで、使用者の体圧分布や呼吸運動などを検知できるようになっている。

しかしながら、圧力センサがマットレス本体の支持面上に敷かれているだけでは、使用者の支持面上での移動などに際して、圧力センサが支持面に対して面方向で相対的に移動してしまって、圧力センサによる圧力検出位置と支持面における実際の圧力作用位置が相互に大きくずれてしまうおそれがあった。

一方、圧力センサが支持面に対して固定されて強固に位置決めされていると、使用者の体圧の入力に対するマットレスの変形量が、一般的に支持面やマットレスカバーに比して伸縮性の低い圧力センサによって制限されて、寝心地が悪化するなどの不具合があった。

特表2012−523299号公報

本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、圧力センサを配することによるマットレスの変形特性への影響を抑えつつ、圧力センサによる圧力検出を精度よく実現することができる、新規な構造のマットレスを提供することにある。

以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。

すなわち、本発明の第一の態様は、使用者を支持する支持面を構成するマットレス本体が設けられていると共に、該支持面に作用する圧力を検出する可撓性シート状の圧力センサを備えているマットレスにおいて、前記マットレス本体に対して位置決めされて前記支持面を覆うように配される支持面カバーを備えていると共に、該支持面カバーには該支持面カバーに対する該圧力センサの面方向での移動を許容しながら該支持面カバーに対する該圧力センサの面方向での移動量を制限する位置決め手段が設けられて、該圧力センサが該位置決め手段によって該支持面上に位置決めされていることを、特徴とする。

このような第一の態様に従う構造とされたマットレスによれば、圧力センサの支持面に対する面方向での移動量が位置決め手段で制限されていることにより、圧力センサによる圧力の検出位置が支持面における実際の圧力作用位置に対して大きくずれるのを防止できる。これにより、支持面に作用する圧力を圧力センサによって高精度に検出して、能動的に体圧を分散させるマットレスの制御や、使用者の呼吸の把握などを高度に実現することができる。

さらに、圧力センサが位置決め手段によって過度に拘束されることなく面方向へある程度まで移動可能に位置決めされることから、荷重の作用によって支持面カバーが撓み変形する際に、一般的に支持面カバーよりも伸縮しにくい圧力センサが、支持面カバーに対して面方向でずれながら撓み変形することにより、支持面カバーの変形量が圧力センサによって制限されるのを防ぐことができる。なお、支持面カバーと圧力センサの変形時に生じる圧力センサと支持面の面方向での相対的な位置のずれは、圧力検出への影響が実質的に問題とならない程度に十分に小さいが、かかるずれは、好適には位置決め手段によって許容される圧力センサの面方向への移動量よりも小さくされる。

本発明の第二の態様は、第一の態様に記載されたマットレスにおいて、前記支持面カバーには前記位置決め手段として袋状のポケット体が設けられており、前記圧力センサが該ポケット体に非固着で収容されて前記支持面上に位置決めされているものである。

第二の態様によれば、支持面よりも使用者に近い位置に配される位置決め手段が袋状とされていることにより、マットレスにおける使用者との接触面を柔軟に保つことが容易になって、良好な寝心地を使用者に提供することができる。

本発明の第三の態様は、第二の態様に記載されたマットレスにおいて、前記ポケット体の開口部を開閉する開閉手段が設けられているものである。

第三の態様によれば、圧力センサを収容したポケット体の開口部を開閉手段で閉じることによって、圧力センサをポケット体に収容された適切な配設状態で所定の位置に位置決めすることができる。また、ポケット体の開口部を開くことによって、圧力センサをポケット体から取り出すことも可能であり、圧力センサの交換が容易に実現される。

本発明の第四の態様は、第二又は第三の態様に記載されたマットレスにおいて、前記ポケット体には保持クッションが収容されており、該保持クッションが前記支持面と前記圧力センサの間に配されているものである。

第四の態様によれば、圧力センサがポケット体への収容状態で保持クッションによって弾性的に保持されることにより、ポケット体の内部空間において圧力センサが必要以上に動いたり変形したりするのを防ぐことができる。更に、ポケット体の内部空間に収容された圧力センサは、保持クッションの弾性変形によって撓み変形を許容されることから、圧力センサが保持クッションで支持されることによって支持面カバーの変形追従性に悪影響が及ぼされることもない。

本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記マットレス本体が中空構造のセルを備えており、前記支持面の少なくとも一部が該セルで構成されていると共に、該セル内の流体室に対する流体の給排によって該セルが伸縮可能とされているものである。

第五の態様のような複数のセルによって構成される支持面を備えた構造では、圧力センサの複数の圧力検出部が各セルに対して精度よく位置決めされる必要があるが、圧力センサが位置決め手段によって支持面に対して位置決めされていることにより、各セルに作用する圧力を精度よく検出することができる。

本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、複数の前記位置決め手段が前記支持面カバーに設けられており、それら複数の該位置決め手段によって各一つの前記圧力センサが位置決めされるようになっているものである。

第六の態様によれば、支持面上に複数の圧力センサを配設することによって、各圧力センサを小さくすることができて、圧力センサの支持面に対する面方向のずれが低減されると共に、圧力センサの製造も容易になる。

本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記位置決め手段が弾性変形可能とされているものである。

第七の態様によれば、位置決め手段が伸縮や撓みなどの弾性変形を許容されていることによって、支持面カバーの変形が位置決め手段によって制限され難くなって、位置決め手段が使用者との接触面の触感に悪影響を及ぼし難くなる。

本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記位置決め手段が前記支持面カバーに対して取外し不能に設けられていると共に、該位置決め手段に対して前記圧力センサが分離可能とされているものである。

第八の態様によれば、位置決め手段が支持面カバーに対して精度よく位置決めされて、位置決め手段が支持面カバーに対してずれることに起因する圧力センサの支持面に対するずれが回避される。また、位置決め手段や圧力センサなどが支持面カバーから意図せずに脱落することがなく、支持面カバーの取り回しが簡単になる。また、圧力センサを位置決め手段から分離して支持面カバーから取り外すことにより、支持面カバーと位置決め手段を簡単に洗濯することもできる。

本発明の第九の態様は、第一〜第七の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記位置決め手段が前記支持面カバーに対して着脱自在とされているものである。

第九の態様によれば、支持面カバーが汚れた場合或いは損傷した場合に、支持面カバーだけを洗濯したり交換したりすることもできる。位置決め手段が汚れたり損傷したりした場合に、位置決め手段を支持面カバーから取り外して洗濯したり交換したりすることができる。加えて、使用者の体格などに応じて位置決め手段の支持面カバーに対する取付位置を変更することも可能となり得る。

本発明の第十の態様は、第一〜第九の何れか一つの態様に記載されたマットレスにおいて、前記圧力センサは、対向配置された電極間に絶縁性の誘電体層を配してなる圧力検出部の複数が二次元的に配された構造を有する静電容量型圧力センサとされており、前記支持面に対する圧力の作用時に該電極間の距離の変化によって生じる該圧力検出部の静電容量の変化量に基づいて該支持面に作用する圧力が検出されるようにしたものである。

第十の態様によれば、圧力センサが位置決め手段によって支持面に対して位置決めされることにより、二次元的に配された複数の圧力検出部が支持面上で所定の位置にそれぞれ位置決めされて、支持面に作用する圧力を精度よく検出することができる。特に、支持面の少なくとも一部がセルによって構成される場合には、圧力センサの圧力検出部とセルが面方向で相対的にずれると圧力検出精度が大幅に低下するおそれがあるが、圧力検出部がセルに対して位置決め手段で面方向に位置決めされることから、圧力を目的とする精度で安定して検出することができる。

本発明によれば、マットレス本体の支持面を覆う支持面カバーに位置決め手段が設けられて、位置決め手段によって可撓性シート状の圧力センサが支持面カバーに対する面方向の移動を許容されつつ移動量を制限されている。これにより、圧力センサが支持面に対して位置決めされて、支持面に作用する圧力を精度よく検出できると共に、支持面カバーの変形が圧力センサによって拘束されることなく十分に生ぜしめられて、使用者に良好な寝心地を提供できる。

本発明の第一の実施形態としてのマットレスを示す斜視図であって、マットレス本体をマットレスカバーに収容する前の状態を示す図。

図1に示すマットレスの縦断面図。

図1に示すマットレスを構成する圧力センサを示す図であって、(a)が圧力センサの組立て状態の平面を、(b)が圧力センサの分解状態の斜視を、それぞれ示す。

図1に示すマットレスを構成する上カバーの斜視図。

図4に示す上カバーの分解斜視図。

図1に示すマットレスの縦断面図であって、支持面に荷重が入力された状態を示す図。

本発明の第二の実施形態としてのマットレスを構成するマットレスカバーを示す斜視分解図。

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

図1には、本発明の第一の実施形態としてのマットレス10が示されている。マットレス10は、マットレス本体12がマットレスカバー14によって覆われた構造を有している。なお、図1では、見易さのために、マットレス本体12とマットレスカバー14が分離した状態で図視されている。以下の説明において、上下方向とは、鉛直上下方向となる図2の上下方向を言う。

より詳細には、マットレス本体12は、図1,2に示すように、略矩形平板形状の底板部16と、幅方向(図2中、左右方向)の両端部において底板部16上に配設された端座部18,18と、それら端座部18,18の間において底板部16上に配設されたクッション部20とを、備えている。

底板部16は、例えば独立気泡で発泡率の低い比較的に硬いウレタンフォームなどで形成されており、使用者や介護者(看護者)などが及ぼす荷重によってある程度までの弾性変形を生じるようになっていると共に、後述する表層クッション68や保持クッション80などに比して変形し難くなっている。なお、底板部16は、長さ方向(図2の紙面直交方向)の中間部分で頭部側と脚部側に分割されている。

端座部18は、底板部16と同様の材質で形成されており、底板部16の幅方向端部上に配設される柱状下部22が長さ方向に所定の間隔で複数設けられていると共に、長さ方向へ連続して延びる梁状上部24が柱状下部22に載せられた構造を有している。なお、端座部18は、底板部16の分割位置と対応する位置で頭部側と脚部側に分割されている。

クッション部20は、3つの弾性支持体26,26,26と、多数のセル28,28,・・・,28とによって構成されている。弾性支持体26は、底板部16および端座部18と同様の材質で形成されており、幅方向に延びる矩形ブロック形状を有している。本実施形態では、2つの弾性支持体26,26が図示しない使用者の背中を支持する部分に長さ方向に隣接して配設されていると共に、1つの弾性支持体26が図示しない使用者の足を支持する部分に配設されている。

セル28は、図2に示すように、合成樹脂膜などで形成された中空の袋状とされており、内部に流体室30を備えている。この流体室30は流体が充填されていると共に、セル28の下端に設けられたポート32を通じて流体室30に対する流体の給排が可能とされている。そして、セル28は、流体室30に対する流体の給排によって上下方向に伸縮可能とされている。流体室30内の流体は、特に限定されるものではなく、各種の気体や液体が採用され得るが、本実施形態では流体として空気が採用されている。

なお、本実施形態のセル28は、上部袋体34と下部袋体36を上下に重ねて配置して、重なり合った中央部分に貫通孔を形成することで流体室30を形成した構造とされており、上下中間部分に括れを有する二段形状を有している。これにより、使用者の体表面形状に対する支持面38(後述)の変形追従性の向上や、セル28の上下方向の伸縮ストロークの拡大などが実現される。

このようなセル28は、図1に示すように、端座部18,18の幅方向間で3つの弾性支持体26,26,26を長さ方向へ外れた位置に配設されており、複数が二次元的に並んで配置されている。本実施形態では、セル28が幅方向に6列で配列されており、使用者の頭部を支持する部分に18個のセル28が配設されていると共に、使用者の腰部および脚部を支持する部分に54個のセル28が配設されている。なお、複数のセル28は、それぞれが独立して配設されるようになっていても良いが、本実施形態では、下方へ突出するポート32がウレタンフォームなどで形成された連結シート37に固定されることにより、それらセル28が相互に位置決めされていると共に、それらセル28を一体的に取り扱うことができるようになっている。

このように、3つの弾性支持体26,26,26と複数のセル28が底板部16上で端座部18,18の幅方向間に配設されることにより、マットレス本体12が構成されている。このマットレス本体12の上面が支持面38とされており、支持面38がセル28の上面を含んで構成されている。なお、本実施形態の端座部18,18は、例えば、使用者がマットレス10上から車椅子へ移動する際に座したり、介護者(看護者)が手や膝などをついたりする領域であって、比較的に硬く形状が安定していることから、使用者は、クッション部20で構成される支持面38の幅方向中央部分に横たわることによって、優れたクッション性(体圧分散性)を得ることができる。

また、各セル28のポート32には図示しない末端ホースが接続されており、幅方向外側へ延び出した末端ホースは、端座部18の柱状下部22を貫通して長さ方向に延びる延設ライン40の配管に接続されている。この延設ライン40の配管は、図中では省略されているが、端座部18の脚部側端部から外部へ延び出して、図示しないポンプと大気開放口に接続されている。これにより、ポンプによる流体室30への空気の供給と、流体室30から大気中への空気の排出とを、選択的に実行可能とされており、流体室30に対する空気の給排を制御することによってセル28の伸縮を制御可能とされている。なお、本実施形態の延設ライン40は、中空チューブ状の配管や電気配線などによって構成されるが、図中では見易さのために省略して示した。

このようなセル28の伸縮は、支持面38に及ぼされた圧力を検出する圧力センサ42の検出結果に基づいて制御される。圧力センサ42は、全体として可撓性のシート状とされており、図3に示すように、弾性体で形成された誘電体層44の一方の面にエラストマシート46aが重ね合わされると共に、誘電体層44の他方の面にエラストマシート46bが重ね合わされた構造を、有している。

誘電体層44は、弾性材料であるゴムや樹脂などの電気絶縁性エラストマで形成されて、板状乃至はシート状とされており、面方向で弾性的に伸縮変形可能とされていると共に、厚さ方向で弾性的に湾曲(撓み)変形可能とされている。なお、誘電体層44の形成材料としては、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル−ポリ塩化ビニリデン共重合体、エチレン−酢酸共重合体などが、好適に採用される。更に、誘電体層44は発泡体であっても良く、必要な誘電率と柔軟性が確保されれば、その発泡体は、必ずしも独立気泡によって均質な相を呈するものに限定されず、例えば連続気泡が形成されるなどして不均一な相を呈していても良い。また、誘電体層44の厚さや形成材料などは、後述する圧力検出部54において求められる比誘電率や柔軟性に応じて適宜に設定される。

エラストマシート46aとエラストマシート46bは、互いに略同じ材料および形状で形成されており、ゴム弾性体や樹脂などのエラストマで形成された電気絶縁性のシートであって、本実施形態では平面視で略矩形とされている。さらに、エラストマシート46a,46bには、周上の一辺において外周へ突出する一組の接続片48,50が並んで設けられている。なお、エラストマシート46a,46bの形成材料は、特に限定されるものはないが、たとえばシリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、ポリエステル樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、変性セルロース類などが、好適に採用される。また、図中のエラストマシート46a,46bは、理解を容易とするために透明とされているが、不透明でも良い。

さらに、エラストマシート46aの下面に電極52aが形成されていると共に、エラストマシート46bの上面に電極52bが形成されている。電極52a,52bは、何れも導電性の金属や導電性フィラーを混合したゴム及びエラストマなどで形成されており、直線的に延びる薄肉帯状とされている。また、電極52a,52bは、各複数が並列的に並んで形成されていると共に、それら電極52aと電極52bが互いに傾斜して延びており、本実施形態では互いに略直交する方向へ延びている。

更にまた、エラストマシート46a,46bは、電極52a,52bの配設領域よりも外側まで広がっており、エラストマシート46a,46bの電極52a,52bよりも外側には、それぞれ図示しないプリント配線が導電性材料によって印刷されている。そして、エラストマシート46aのプリント配線が電極52aの一端から一方の接続片48まで延びていると共に、エラストマシート46bのプリント配線が電極52bの一端から他方の接続片50まで延びている。なお、プリント配線は、例えば、エラストマシート46a,46bの表面に導電性インクによってプリントされた配線パターンとして得ることができる。更に、電極52a,52bは、導電性エラストマで形成された導電性インクによって、プリント配線と同様にエラストマシート46a,46bに印刷して形成することもできる。また、エラストマシート46a,46bは、電極52a,52bの配設領域およびプリント配線の形成領域を外れた外周端部において、接着剤や接着テープなどによって相互に固着されている。

かくの如き構造とされたエラストマシート46aとエラストマシート46bが、誘電体層44の上下各一方側から重ね合わされている。これにより、エラストマシート46aの電極52aとエラストマシート46bの電極52bとが、誘電体層44を挟んで互いに対向するように交差して配置されている。そして、電極52aと電極52bの誘電体層44を介した交差対向部分においてコンデンサが構成されており、かかるコンデンサによって圧力検出部54が構成されている。なお、図3(a)では、誘電体層44および電極52a,52bが細線によって図示されている。

これら電極52a,52bの交差対向部分(圧力検出部54)では、誘電体層44とエラストマシート46a,46bの積層方向(上下方向)へ圧力が加わると、誘電体層44が変形して電極52a,52b間の距離が短くなって、入力を受けた圧力検出部54の静電容量が変化する。それ故、各圧力検出部54における静電容量の変化を検知することで、各圧力検出部54に及ぼされた圧力を検出することが可能とされており、複数の圧力検出部54によって支持面38に入力される圧力の分布を検出可能とされている。要するに、圧力センサ42は、電極52a,52bの各交差部分(圧力検出部54)が静電容量型の圧力検出素子として機能して、各圧力検出素子の検出結果に基づいて圧力分布を検出する静電容量型のセンサとされている。

なお、端座部18の柱状下部22の長さ方向間に制御装置56が配設されていると共に、電極52a,52bがプリント配線を介して制御装置56に電気的に接続されており、電極52a,52bが制御装置56から検出用電流を供給されるようになっている。更に、制御装置56は、延設ライン40の電気配線に接続されており、図示しない外部電源や演算装置などに接続されている。

このような構造とされた圧力センサ42は、マットレスカバー14によってマットレス本体12の支持面38上に配置される。マットレスカバー14は、全体として中空の略矩形袋状とされており、図1,2に示すように、下カバー58と支持面カバーとしての上カバー60とによって構成されて、下カバー58と上カバー60の間にマットレス本体12を収容可能とされている。

下カバー58は、合成樹脂シートや布などで形成されて、上方へ向けて開口する袋状とされており、全体として略直方体とされたマットレス本体12の底面および外周面を覆うことが可能とされている。また、図1に破線で示されているように、下カバー58の下面には、幅方向両端部に把手部62が設けられており、把手部62を側方に引き出して持つことによってマットレス10の持ち運びが簡単になる。

さらに、下カバー58は、マットレス本体12の底板部16および端座部18,18の分割位置と対応する位置で長さ方向に分割されている。本実施形態の下カバー58は、マットレス本体12の頭部側を収容する頭部側収容部と、マットレス本体12の脚部側を収容する脚部側収容部が、それぞれ上方へ向けて開口する袋状とされている。更に、本実施形態の下カバー58は、それら頭部側収容部と脚部側収容部が開口部分で相互に連続して一体形成されており、それら頭部側収容部と脚部側収容部が連続部分を中心としてヒンジ状に傾動可能とされている。なお、図中では、見易さのために、下カバー58が矩形箱状で示されているが、下カバー58は柔軟な材料で形成されて容易に変形するものであり、たとえば下カバー58の周壁部は、重力の作用下で自立し得ないものとされ得る。

上カバー60は、下カバー58と同様に合成樹脂シートや布などで形成されて、図1,4に示すように、下方へ向けて開口する浅底の略矩形袋状とされており、下カバー58の開口部を覆って塞ぐことが可能とされている。これにより、下カバー58に収容されたマットレス本体12の上面が上カバー60によって覆われて、マットレス本体12がマットレスカバー14の内部空間に収容されるようになっており、上カバー60を含むマットレスカバー14がマットレス本体12に対して位置決めされて、上カバー60がマットレス本体12の支持面38を覆っている。なお、本実施形態では、上カバー60の周壁部の一部が下カバー58の周壁部の上端部に固着されており、上カバー60が下カバー58に対して固着部分を中心としてヒンジ状に変位することにより下カバー58の開口部が開閉可能とされている。

さらに、上カバー60は、図2,5に示すように、外層64と内層66を備える2重構造とされており、それら外層64と内層66の上下間には、柔軟な軟質ウレタンフォームなどで形成された板状の表層クッション68が収容されている。

また、上カバー60の下面には、図1,4に示すように、位置決め手段としてのポケット体70が3つ設けられている。ポケット体70は、圧力センサ42に対応する扁平な中空袋状とされて、内部にセンサ収容空所72を備えている。本実施形態のポケット体70は、上カバー60に対して一体で取外し不能に設けられており、内層66が部分的に下方へ突出するように凹んでいると共に、当該凹み部分の上開口が表層クッション68および外層64で覆蓋されることによって形成されている。なお、ポケット体70は、上カバー60の内層66と同様に、伸縮性を有して面方向で弾性可能とされた合成樹脂シートや布などで形成されている。

さらに、ポケット体70は、幅方向一方の側面に開口する開口部としてのセンサ挿入口74を備えている。センサ挿入口74は、圧力センサ42に対応する形状や大きさで形成されており、センサ挿入口74を通じて圧力センサ42をポケット体70のセンサ収容空所72へ挿入可能とされていると共に、センサ挿入口74を通じて圧力センサ42をセンサ収容空所72から取り出してポケット体70に対して分離させることも可能とされている。要するに、ポケット体70のセンサ収容空所72は、側方に開口するセンサ挿入口74を通じて外部へ開放されている。

更にまた、ポケット体70には、開閉手段としての蓋体76が一体形成されている。この蓋体76は、センサ挿入口74の開口周縁部において内層66と一体形成されて側方へ延び出しており、センサ挿入口74の少なくとも一部を覆って閉じることができるようになっている。更に、蓋体76の突出先端部分とセンサ挿入口74付近の内層66の下面とを相互に留める図示しない留め手段が設けられており、蓋体76がセンサ挿入口74の開口を覆った状態を留め手段によって維持できるようになっていると共に、蓋体76によるセンサ挿入口74の覆蓋を解除可能とされている。なお、留め手段としては、例えば、面ファスナやボタン、スナップ、バンドなどが採用され得る。この留め手段は、図2に示すように、蓋体76がセンサ挿入口74の開口を塞いだ状態において、支持面38を幅方向で外れた位置に設けられていることから、支持面38上に横たわる使用者に硬い触感を与えることがなく、良好な寝心地が実現される。

そして、ポケット体70には、圧力センサ42が収容されている。即ち、圧力センサ42は、センサ挿入口74から内層66と表層クッション68および外層64との間に挿入されてポケット体70に収容されると共に、圧力センサ42を収容したポケット体70のセンサ挿入口74が蓋体76と留め手段によって閉じられることにより、圧力センサ42が意図せずにポケット体70から出てしまうことなく収容状態に保持される。

このように、圧力センサ42は、ポケット体70のセンサ収容空所72に対して非固着で収容されて、ポケット体70のセンサ収容空所72内で面方向に移動可能とされていると共に、ポケット体70によって面方向の移動量が制限されている。要するに、圧力センサ42は、ポケット体70によって上カバー60に対して面方向へ所定の量だけ移動を許容された状態で位置決めされている。また、ポケット体70は上カバー60の幅方向中央部分に設けられており、上カバー60がマットレス本体12の上面を覆っている状態において、ポケット体70に収容された圧力センサ42が支持面38上に位置決めされている。

なお、圧力センサ42がポケット体70のセンサ収容空所72に収容されることによって、ポケット体70に対する荷重の非入力状態において、圧力センサ42の面方向の移動量が15mm以下に制限されることが望ましく、より好適には、圧力センサ42の面方向の移動量が10mm以下に制限される。これにより、圧力センサ42の圧力検出結果とマットレス本体12の支持面38における実際の圧力作用位置のずれが十分に小さく抑えられる。

また、圧力センサ42がポケット体70のセンサ収容空所72に収容されることによって、ポケット体70に対する荷重の非入力状態において、圧力センサ42が面方向で1mm以上の移動を許容されることが望ましく、より好適には、圧力センサ42が面方向で3mm以上の移動を許容される。これにより、圧力センサ42の撓み変形が十分に許容されて、上カバー60の柔軟性が圧力センサ42によって損なわれるのを防ぐことができる。

さらに、本実施形態では、保持クッション80が圧力センサ42とともにポケット体70に収容されている。保持クッション80は、表層クッション68と同様に、薄肉板状の柔軟なウレタンフォームなどで形成されており、厚さ方向の弾性的な圧縮変形や曲げ変形(撓み)が容易に許容されるようになっている。そして、保持クッション80は、図2に示すように、圧力センサ42と厚さ方向に重ね合わされて、圧力センサ42に対して支持面38に近い側(下側)に配設されている。これにより、圧力センサ42は、表層クッション68と保持クッション80の間に挟まれて配設されており、それら表層クッション68と保持クッション80によってポケット体70のセンサ収容空所72内で弾性的に位置決めされていると共に、それら表層クッション68と保持クッション80の弾性変形によって弾性的な曲げ(撓み)変形を許容されている。なお、センサ収容空所72内における圧力センサ42および保持クッション80の面方向への移動は、例えば圧力センサ42と保持クッション80の厚さの合計がポケット体70のセンサ収容空所72の上下寸法よりも小さくされることによって許容されていても良い。

なお、上カバー60には、3つのポケット体70,70,70が長さ方向に並んで設けられており、それら3つのポケット体70,70,70の各センサ収容空所72が相互に独立している。更に、3つのポケット体70,70,70に圧力センサ42と保持クッション80がそれぞれ収容されており、各ポケット体70に収容される圧力センサ42および保持クッション80の長さが短くされている。要するに、圧力センサ42および保持クッション80の長さを、圧力を検出すべき領域の長さに対して略1/3にすることができる。尤も、支持面38において圧力の検出が必要な領域の全体に1つの圧力センサを配設しても良く、その場合には、本実施形態の3つのポケット体70,70,70のセンサ収容空所72,72,72を長さ方向で連続させたような内部空間を備える1つのポケット体だけが上カバー60に設けられる。

さらに、ポケット体70のセンサ収容空所72は、圧力センサ42および保持クッション80の大きさと略同じ大きさの空間とされるが、それら圧力センサ42および保持クッション80の大きさよりも僅かに大きくされていることが望ましい。これによれば、圧力センサ42が厚さ方向で強く挟まれて拘束されるのを防止することができると共に、保持クッション80の上下圧縮変形に伴う面方向への伸び変形が許容されることで、圧力センサ42の撓み変形が十分に許容される。

かくの如き構造とされたマットレス10は、ベッド82上に敷かれて、使用者とベッド82の間に配設されることにより、使用者の体圧を分散させるようになっている。特に本実施形態のマットレス10では、支持面38が部分的にセル28によって構成されて、流体室30に対する空気の給排によってセル28を伸縮させることで、支持面38を能動的に変形させることが可能とされている。そして、セル28の伸縮を圧力センサ42の検出結果に基づいて制御することにより、使用者に対して局所的に大きな圧力が作用するのを防いで、体圧分散による良好な寝心地などが実現されるようになっている。

ここにおいて、本実施形態のマットレス10では、マットレス本体12の支持面38上に配される圧力センサ42が、マットレスカバー14のポケット体70によって支持面38上の所定位置に位置決めされており、圧力センサ42による圧力の検出精度の向上が図られている。即ち、圧力センサ42がポケット体70に収容されることで上カバー60に対して位置決めされると共に、マットレス本体12が上カバー60を含むマットレスカバー14に収容されることで上カバー60がマットレス本体12に対して位置決めされる。これにより、圧力センサ42がマットレス本体12に対して位置決めされて、圧力センサ42がマットレス本体12の支持面38上の所定位置に配置されている。

特に、支持面38が部分的に複数のセル28で構成されていると共に、圧力センサ42が複数の圧力検出部54を二次元的に配列した構造を有していることから、支持面38におけるセル28による構成部分で有効な圧力検出を可能にするためには、セル28の上面と圧力センサ42の圧力検出部54が相互に位置決めされている必要がある。従って、圧力センサ42が支持面38に対してポケット体70で位置決めされていることによって、複数のセル28で支持面38を構成された流体セル式のマットレス本体12と、複数の圧力検出部54で圧力を検出可能な圧力センサ42との組み合わせにおいて、圧力を精度よく検出することが可能となる。しかも、圧力センサ42の各圧力検出部54と各セル28の上面が面方向で相互に位置決めされることから、圧力センサ42の圧力検出部54を著しく多く且つ密集して設ける必要はなく、製造容易で安価な圧力センサ42を採用可能になると共に、検出信号の演算装置なども簡易なものとできる。

さらに、圧力センサ42がポケット体70に対して非固着で収容されることから、圧力センサ42は、ポケット体70のセンサ収容空所72内で面方向へ移動可能とされており、上カバー60に対する相対的な移動を許容されていると共に、許容される移動量がポケット体70によって制限されている。これにより、圧力センサ42は、マットレス本体12の支持面38に対する相対的な移動を、ポケット体70のセンサ収容空所72から出ない範囲で許容されており、支持面38に対して拘束されることなく位置決めされている。

このように圧力センサ42が支持面38に対してある程度の相対移動を許容された状態で位置決めされていることにより、上カバー60の変形が圧力センサ42によって妨げられ難くなっている。図6に示すように、支持面38に下向きの荷重が入力されるとセル28の収縮変形によって支持面38が凹状に変形すると共に、上カバー60が支持面38とともに下方へ凹むように変形する。圧力センサ42は、上カバー60のポケット体70に対して非固着でセンサ収容空所72に収容されていると共に、上カバー60の構成部材である表層クッション68,保持クッション80,内層66,外層64に比して、伸び難くなっている。その結果、荷重入力によって上カバー60および圧力センサ42が撓み変形する際には、圧力センサ42がポケット体70よりも伸び難いことから、圧力センサ42の端部がセンサ収容空所72内で幅方向内側へ移動しながら撓み変形する。これにより、圧力センサ42の伸縮率が上カバー60の構成部材よりも小さい場合にも、圧力センサ42が上カバー60の伸びを伴う撓み変形に追従して十分に撓み変形し、使用者と接触する上カバー60の変形が圧力センサ42によって妨げられるのを防ぐことができる。従って、上カバー60が優れた追従性をもって使用者の体表面形状に応じて変形することにより、体圧の分散化が有効に実現されると共に、使用者に良好な寝心地を提供することができる。

なお、上記の如き撓み変形による圧力センサ42の端部の上カバー60に対する面方向移動量は、10mm以下に制限されることが望ましく、より好適には、面方向移動量が7mm以下に制限される。これによれば、使用状態において撓み変形した圧力センサ42が支持面38に対して大きくずれるのを防ぐことができて、圧力検出精度の低下が防止される。更に、圧力センサ42における圧力検出部54の中央が、セル28の径方向中央に対する面方向の移動量を12mm以下に制限されることが望ましく、より好適には6mm以下に制限される。これにより、セル28が傾動する等の変形を生じても、圧力検出部54とセル28の位置ずれが十分に小さく抑えられて、有効な検出精度を得ることができる。

一方、撓み変形による圧力センサ42の端部の面方向移動は、1mm以上の大きさで許容されることが望ましく、より好適には、3mm以上の大きさで許容される。これによれば、上カバー60が圧力センサ42によって拘束されることなく変形を十分に許容されて、体圧の分散化による良好な寝心地などが実現される。

さらに、本実施形態では、圧力センサ42が表層クッション68と保持クッション80の間に非固着で挟まれており、それら表層クッション68と保持クッション80の間で弾性的に支持されている。これにより、ポケット体70のセンサ収容空所72内における圧力センサ42の面方向への移動が許容されていると共に、厚さ方向では弾性的に位置決めされている。しかも、ポケット体70のセンサ収容空所72内における圧力センサ42の皺や折れ曲がりなどといった歪な変形が防止されていると共に、圧力センサ42の撓み変形が表層クッション68と保持クッション80の弾性変形によって許容されている。

また、圧力センサ42を位置決めする位置決め手段が袋状のポケット体70によって構成されていることから、使用者と接触する上カバー60の柔軟さに悪影響を及ぼすことなく、位置決め手段を上カバー60に設けることができる。しかも、ポケット体70を備える内層66よりも使用者に近い側には、表層クッション68が設けられており、ポケット体70を備えることによる僅かな違和感も解消され得る。

しかも、ポケット体70が支持面38を覆う上カバー60に設けられていることから、マットレス本体12の支持面38を特定の構造に限定することなく、支持面38を上カバー60で覆うだけで圧力センサ42を支持面38上の所定位置に容易に位置決めすることができる。更に、ポケット体70が上カバー60の内層66と一体形成されて、上カバー60に対して取外し不能に設けられていることから、ポケット体70が上カバー60に対して適切な位置に安定して配置される。加えて、圧力センサ42をポケット体70に対して取り出し可能に収容することにより、上カバー60やポケット体70が汚れた場合や損傷した場合に、圧力センサ42をポケット体70から取り出した状態で上カバー60とポケット体70を洗濯したり交換したりすることができる。

また、3つのポケット体70,70,70が長さ方向に並んで配置されており、それら3つのポケット体70,70,70の各センサ収容空所72に対して圧力センサ42がそれぞれ収容されている。これにより、各圧力センサ42の大きさを小さくすることができて、各圧力センサ42の支持面38に対する位置ずれを低減することができると共に、圧力センサ42の製造が容易になる。加えて、使用者の体格や障害および傷病の程度などに応じて、3つのポケット体70,70,70から選択された少なくとも一つに対して圧力センサ42を選択的に収容したり、検出方式(たとえば静電容量型、抵抗型、電磁誘導型など)や検出精度の異なる複数種類の圧力センサ42を3つのポケット体70,70,70に収容したりすることも可能となる。

加えて、本実施形態では、ベッド82が使用者の上体を起こす背上げ機能を備えており、ベッド82上に配設されるマットレス10がベッド82の背上げに対応して頭部側と脚部側が相対的に傾動可能とされている。より具体的には、マットレス10は、マットレス本体12と下カバー58が頭部側と脚部側に分割されて相対傾動可能とされていると共に、上カバー60には頭部側に2つのポケット体70,70と脚部側に1つのポケット体70が設けられて、それらポケット体70,70,70に圧力センサ42がそれぞれ収容されていることから、頭部側に配された2つの圧力センサ42,42が折れ曲がることなく背上げに追従して傾動可能とされている。これにより、背上げ時の折れによる圧力センサ42の耐久性の低下や、背上げ状態での圧力検出精度の低下などが回避される。

図7には、本発明の第二の実施形態としてのマットレス90が示されている。マットレス90は、マットレス本体12がマットレスカバー92に収容された構造を有している。なお、第一の実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。

マットレスカバー92は、布や合成樹脂シートなどで形成された中空袋状とされており、マットレス本体12の下面および外周面を覆う下カバー58と、マットレス本体12の上面(支持面38)を覆う支持面カバーとしての上カバー94とを、備えている。

上カバー94は、マットレス本体12の支持面38を覆う上底壁部96と、下カバー58の周壁上部に外挿状態で連結される周壁部98とを備えている。なお、図中では明示されていないが、本実施形態の上カバー94は、第一の実施形態の上カバー60と同様に、内層と外層の間に表層クッションを備える構造とされていることが望ましい。

また、上カバー94には、センサ配設部材100が取り付けられる。センサ配設部材100は、上カバー94の上底壁部96に対して着脱可能に取り付けられる取付シート102と、取付シート102に一体的に設けられた位置決め手段としての3つのポケット体70,70,70とを、備えている。なお、本実施形態のポケット体70は、上壁部が取付シート102によって構成されており、取付シート102と一体的に形成されている。

取付シート102は、マットレス本体12の形状に対応する略四形の平面形状を有していると共に、長さ方向の複数箇所に幅方向外方へ部分的に延び出す取付片106を備えている。取付片106は、面ファスナやスナップ、バンドなどによって上カバー94の上底内面に対して着脱自在に取付可能とされており、これによって取付シート102が上カバー94に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。本実施形態では、取付片106と上カバー94の上底内面の所定位置に対して面ファスナ108が設けられている。また、取付片106は、3つのポケット体70,70,70の長さ方向端部付近にそれぞれ設けられており、特に背上げによって取付シート102が折り曲げられる部分では、折曲げ部分に対して長さ方向で近接する両側に取付片106が設けられて、折曲げによる取付シート102の上カバー94からの脱落などが防止されている。

このポケット体70には、第一の実施形態と同様に、圧力センサ42と保持クッション80が重ね合わされた状態で収容される。そして、圧力センサ42と保持クッション80の収容状態でポケット体70の開口部(センサ挿入口74)が蓋体76によって閉じられることにより、それら圧力センサ42と保持クッション80がポケット体70への収容状態に保持される。これにより、圧力センサ42は、ポケット体70のセンサ収容空所72内で面方向の移動を許容されていると共に、面方向の移動量がポケット体70の周壁内面への当接によって制限されている。

このように圧力センサ42と保持クッション80を各ポケット体70に収容するポケット体70を備えたセンサ配設部材100は、本実施形態では、取付シート102の取付片106が上カバー94の上底内面に対して面ファスナ108で着脱自在に取り付けられる。これにより、センサ配設部材100は、上カバー94の上底内面に重ね合わされた状態に保持されて、各ポケット体70に収容された圧力センサ42が上カバー94に対して面方向の移動を許容されながら面方向の移動量を制限されている。

そして、上カバー94が下カバー58の開口部を覆うように配されて、上カバー94の周壁部98が下カバー58の周壁部に対してジッパー、面ファスナ、スナップ、バンド、ホックなどで相互に連結されることにより、中空袋状のマットレスカバー92が構成される。このマットレスカバー92の内部空間にマットレス本体12が収容されて、マットレス本体12の表面全体がマットレスカバー92によって覆われるようになっている。

このようにマットレスカバー92がマットレス本体12に取り付けられることにより、マットレス本体12の支持面38上に圧力センサ42,42,42が配置されて位置決めされている。

このような本実施形態に従う構造とされたマットレス90においても、圧力センサ42が支持面38上の所定位置に位置決めされて、支持面38に作用する圧力を精度よく検出することができると共に、上カバー94の圧力センサ42による拘束が低減されて、上カバー94の柔軟な変形が実現される。

また、ポケット体70を備えるセンサ配設部材100が上カバー94に対して取外し容易な態様で取り付けられていることから、ポケット体70が損傷した場合などに上カバー94を交換することなくセンサ配設部材100を交換することができる。また、上カバー94の材質とセンサ配設部材100の材質を相互に異ならせることも可能であって、上カバー94の要求性能とセンサ配設部材100の要求性能をそれぞれ高度に満たすことができる

さらに、本実施形態では、上カバー94側の面ファスナ108を長さ方向で取付片106に対応する部分にだけ設けることにより、センサ配設部材100を上カバー94に対して長さ方向で位置決めし易くなっている。なお、例えば、上カバー94側の面ファスナ108を長さ方向に連続して設けることにより、センサ配設部材100の上カバー94に対する取付位置を長さ方向で調節可能にすることもできる。これによれば、使用者の体格などに応じて圧力センサ42を長さ方向の適切な位置に配置することが可能となる。

以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、圧力センサ42を位置決めする位置決め手段として、圧力センサ42を収容する袋状のポケット体70が例示されているが、位置決め手段は、必ずしも袋状に限定されるものではなく、圧力センサ42の四隅を挿入することで位置決めする切込み状やバンド状の位置決め手段なども採用され得る。更に、位置決め手段としては、例えば、圧力センサ42の外周部分に孔乃至は凹所が形成されると共に、上カバー60には凸部が設けられて、上カバー60の凸部が圧力センサ42の孔乃至は凹所に隙間をもって挿入された構造も採用され得る。これによれば、圧力センサ42が凸部と孔乃至は凹所との間の隙間によって面方向への移動を許容されつつ、圧力センサ42が凸部と孔乃至は凹所の係止によって面方向で移動量を制限されて、位置決めされる。この場合には、保持クッション80を省略することも可能である。

また、前記実施形態では、マットレス本体12を収容してマットレス本体12の全体を覆うマットレスカバー14,92が例示されているが、例えば、下カバー58が省略されて、マットレス本体12の上面を覆う支持面カバーだけで構成されたマットレスカバーも採用され得る。なお、この場合には、支持面カバーをマットレス本体12に対して位置決めするための構造(ゴムバンド、面ファスナ、ホック、スナップなど)が適宜に設けられ得る。

さらに、第二の実施形態に示すような支持面カバーとは別体の位置決め手段を、縫製や接着、溶着などの手段で、支持面カバーに対して取外し不能に取り付けても良い。

また、前記実施形態に示したセル28の配置や数、具体的な形状などは、特に限定されるものではなく、使用者ごとに異なるマットレス本体12の要求特性などに応じて、適宜に変更され得る。具体的には、例えば、前記実施形態では二段形状のセル28が例示されているが、一段や三段以上の多段形状を有するセルも採用可能であるし、幅方向や長さ方向に所定の長さで延びる長手状のセルを採用することもできる。更に、前記実施形態では、支持面38が部分的にセル28で構成されていたが、例えば支持面38の全体をセル28によって構成しても良い。

さらに、前記実施形態では、圧力センサ42の検出結果に基づいてセル28の流体室30に対して空気を給排することにより、セル28の伸縮を能動的に制御するアクティブ制御タイプの流体セル式マットレスが例示されているが、本発明は、例えば、複数のセル28の流体室30間を相互に連通して、それらセル28の流体室30間での流体流動のみが許容されたパッシブタイプの流体セル式マットレスにも適用され得る。

更にまた、本発明は、必ずしも流体セル式のマットレスにのみ適用されるものではなく、セルの空気ばねに替えてコイルスプリングやばね鋼線材などの金属ばねを用いたマットレス本体を採用することもできるし、全体がウレタンフォームなどの高分子弾性体で形成されたマットレス本体を採用することもできる。

10,90:マットレス、12:マットレス本体、28:セル、30:流体室、38:支持面、42:圧力センサ、44:誘電体層、52:電極、54:圧力検出部、60,94:上カバー(支持面カバー)、70:ポケット体、72:センサ収容空所(ポケット体の内部空間)、74:センサ挿入口(ポケット体の開口部)、76:蓋体(開閉手段)、80:保持クッション

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